第100回社会保障審議会医療部会 議事録

日時

令和5年7月7日(金)15:00~17:00

場所

AP新橋 3階Aルーム

議題

1. 医療法人の経営情報に関するデータベース(MCDB)の施行(令和5年8月分)について(報告)
2. 医療DXの推進に関する工程表について(報告)
3. 医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストと立入検査の実施について(報告)
4. 経済財政運営と改革の基本方針等の閣議決定について(報告)

議事

議事内容
○医療政策企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第100回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日でございますが、前回に引き続き、委員の先生方につきましては、あらかじめオンラインまたは現地での御参加、選択の上で御出席いただいております。
 まず、委員の御異動がございましたので、御紹介させていただきます。相澤委員の御後任として、新たに日本病院会副会長 泉並木委員が就任されておりますので、一言御挨拶をお願いしたく存じます。
○泉委員 日本病院会で副会長、3年目になりますけれども、武蔵野赤十字病院の泉と申します。いろいろ教えていただきまして、適切に判断して委員として活動してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、内堀委員、遠藤秀樹委員より御欠席との御連絡をいただいてございます。それから、山口委員も遅れるということで御連絡をいただいてございます。
 医療部会の総委員数が24名、定足数、3分の1、8名となってございまして、本日は今のところ21名の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、神野委員より途中退席の御連絡をいただいてございます。
 次に、議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。事前に議事次第、委員名簿、厚労省出席者名簿、座席表のほかに、資料1から4を送付させていただいておりますので、お手元に御準備いただければと思います。
 また、前回の医療部会以降、事務局におきまして異動がございましたので、配布しております厚労省出席者名簿に代えて御報告とさせていただきます。
 では、以降の進行は遠藤部会長にお願いしたいと存じます。部会長、お願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 皆様、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、欠席されます内堀委員の代理としまして玉川参考人(福島県保健福祉部次長(健康衛生担当))の御出席をお認めいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 それでは、議事に移らせていただきます。本日の議題は4つございますが、いずれも報告事項ということでございます。
 それでは、最初の議題でございます「医療法人の経営情報に関するデータベース(MCDB)の施行(令和5年8月分)について(報告)」につきまして事務局より関連資料の説明をお願いいたします。
○医療法人支援室長 それでは、資料の御説明をさせていただきます。資料1、医療法人の経営情報に関するデータベース(MCDB)、メディカル・コーポレーション・フィナンシャル・データベースシステムということでございまして、この施行(令和5年8月分)についての御報告をさせていただきます。
 2ページでございますけれども、改正の概要でございまして、令和5年8月1日施行分の全世代型持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律、改正法等の施行に伴いまして医療法が改正されるということでございまして、これに伴いまして、医療法の施行規則の必要な整備をさせていただくということでございます。公布時期は、7月下旬を目指して準備を進めているところでございます。
 下の四角でございますけれども、左側に改正後の医療法を記載させていただいております。右側に今回、整備させていただきます医療法施行規則の案を記載させていただいております。対応表にして資料を御用意させていただいております。
 法第69条の2、左側でございます。1項から5項までございますけれども、1項について、都道府県知事は、地域において必要とされる医療を確保するため、当該都道府県の区域内に主たる事務所を有する医療法人の活動状況その他の厚生労働省令で定める事項について、調査・分析を行い、その内容を公表するよう努めるものとするということでございます。これは都道府県知事のほうで努力義務ということで行っていただきたい調査・分析・公表の内容を定めさせていただくということで、省令の整備ということでございます。
 右側の①を御覧になっていただきますと、改正後医療法第69条の2第3項の分析の結果その他地域において必要とされる医療を確保するために都道府県知事が必要と認めるものということで、括弧で、個人の権利利益が害されるおそれがある部分を除くということでございます。69条の2第3項につきましては、左側に目を移していただきますと、厚生労働大臣が分析等を行うということでございまして、厚生労働大臣の分析の結果を都道府県に御提供させていただくというのが、まず1つでございます。それを活用していただくということでございます。その他、都道府県知事のほうで必要なものについても対応するということで、調査・分析・公表する対象としては、こういったものを想定しているということで省令を整備させていただきます。
 ただし、ということで、個人の権利利益が害されるおそれがある部分を除くということで、これは医療法人の今回の情報の中にそういった情報が含まれるだろうということでございますので、こういったものは対象から外していただきたいということでございます。
 再び左側でございますけれども、第2項、医療法人のうち、厚生労働省令で定める者を除く、ということでございます。医療法人で報告していただく対象から除く者を②のところで定めております。
 右側のほうに目を移していただきますと、租税特別措置法第67条第1項に規定する計算の特例、いわゆる「四段階税制」を適用して最終会計年度の所得の金額を計算した医療法人ということでございまして、四段階税制を適用した年度につきましては、報告の対象から外れるという規定でございます。
 再び、2項の厚生労働省で定めるところにより、当該医療法人が開設する病院又は診療所ごとに、その収益及び費用その他の厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならないということでございまして、③は報告する方法につきまして規定させていただいており、④は、医療法人から報告いただく内容を規定するというものでございます。
 1つ目、③でございますけれども、次に掲げる方法のいずれかにより、毎会計年度終了後3か月以内、医療法第51条第2項の医療法人にあっては、4か月以内、に行わなければならないものとするということでございまして、報告いただく時期につきましては、3か月以内に報告いただくということでございます。ただし、51条第2項の医療法人ということで、外部監査が適用される法人につきましては、4か月以内ということでございます。
 さらに、ポツを2つございますけれども、1つは、電磁的方法を利用して自ら及び当該報告を受けるべき都道府県が同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置を講ずる方法ということでございまして、これはG-MISを想定した上で電磁的な方法ということで定めさせていただいております。電磁的な方法に対応できなかった場合については、書面でも御提出いただけるということで、2つ目に書面での提出も規定させていただいております。
 ④につきましては、当該医療法人から御報告いただきたい内容ということでございまして、病院又は診療所の名称、所在地その他の病院等の基本情報ということで、属性に関する情報ということでございます。次に、病院等の収益及び費用の内容ということで、収支の状況をいただくということでございます。3つ目のポツでございますけれども、病院等の職員の職種別人数その他の人員に関する事項ということで、職種別の給与費等については、この中に含まれるという考え方でございます。最後、その他必要な事項ということでございます。
 法のほうの第3項でございますけれども、厚生労働大臣は、医療法人の活動の状況その他の厚生労働省令で定める事項に関する情報を収集し、整理し、及び当該整理した情報の分析の結果を国民にインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて迅速に提供することができるよう必要な施策を維持するものとするということでございまして、厚生労働大臣のデータベースの構築、その分析・公表ということでございます。
 右側のほうに目を移していただきまして、⑤で次に掲げるものとして、医療法第52条第1項各号に掲げる書類ということでございますが、事業報告書等、監事の監査報告書及び公認会計士等の監査報告書ということで、事業報告書等ということでございます。それと、改正医療法第69条の2第2項に規定する報告の内容ということで、本報告の内容ということでございます。その他必要な事項ということで整理させていただいております。
 左側の5項でございますけれども、都道府県知事は、前項の規定による厚生労働大臣の求めに応じて情報を提供するときは、電磁的方法その他の厚生労働省令で定める方法によるものとするということで、都道府県知事によって厚生労働大臣に対して情報を提供していただく際の方法ということでございまして、右側、⑥でございますけれども、電磁的方法を利用して自ら及び厚生労働大臣が同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置を講ずる方法その他の適切な方法ということでございますが、これはG-MISを想定した書きぶりでございます。
 3ページでございますけれども、こちらは先ほど申し上げました省令の措置及び法律に基づきましてイメージした図でございます。特に、左下に図式化させていただいております。医療法人から報告されたものがG-MISを経由しまして都道府県を経由して国に報告されるということでございます。さらに、右下にWAM、福祉医療機構につきましても記載させていただいておりますけれども、こういった分析等につきまして福祉医療機構に委託させていただくということを想定させていただいておりまして、法律で整備されているところでございます。
 御説明は、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から説明のあった内容につきまして御質問、御意見等あれば承りたいと思いますが、いかがでございましょう。
 では、松原委員、お願いいたします。
○松原委員 ありがとうございます。
 以前、特養で内部留保が多過ぎて、たたかれたときがございまして、そのとき随分誤解があったのですね。情報を出すときには、その見方も同時に示さないと不要な誤解が生じますので、例えば非営利組織である医療法人が出す利益というのは、一般企業が配当に使っても何に使ってもいいという利益と違って、100%、社会保障関連に使われるものであるとか、内部留保があるように見えても、利益はそのまま持っておるのではなくて、多くの場合には借金返済だったり、投資に使われているという見方というのも、ぜひ一緒に示していただければと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局、これについて何かコメントございますか。
○医療法人支援室長 分析の結果につきましては、国民に理解いただくということが制度の趣旨でございますので、その点、国民に分かりやすく丁寧に御説明させていただくよう努めさせていただきたいと考えております。
○遠藤部会長 どうぞよろしくお願いします。
 では、河本委員、お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
 医療法人の経営情報に関するデータベースについては、資料の3ページの冒頭にも記載がございますけれども、医療・介護の置かれている現状とその実態を把握するということを目的としたものでございまして、私ども保険者としても、経営実態の見える化につながるものと期待しております。今後、施行から1年程度かけて情報を収集することになると思いますけれども、分析結果を公表する際には、グルーピングの方法を含めて、実態がよく分かる工夫をぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。分析の方法、分かりやすい方法でという御依頼でございますので、事務局、よろしくお願いします。ありがとうございました。
 では、井上委員、いかがでしょう。
○井上委員 ありがとうございます。
 言うまでもなく、今後、医療・介護費用、共にさらなる増加が予想されますので、これを国民全体で支えていくためには、何よりもデータに基づいて透明性、納得性を向上していくということが不可欠だと思います。今回のこのデータベースの構築は、まさにその目的に沿ったものですので、ぜひとも8月の施行に向けて着実に進めていただきたいと思いますし、また、国民に対して分かりやすい形での情報提供、また、任意項目も幾つかありますけれども、可能な限りデータベースの充実をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。実務を担う都道府県の立場から発言させていただきます。
 今回の医療法人の報告につきましては、G-MISを利用して報告する扱いとなっておりますが、さきの医療機能情報提供制度の報告用ユーザの登録申請に際しましては、G-MISを利用する報告方法について、医療機関によって趣旨の理解度に差が見受けられました。この医療法人の経営情報の報告についても、医療機関にとっては新たな制度となることから、現場に混乱が生じないよう、報告を行う医療法人に対して丁寧な説明をお願いいたします。
 2点目です。都道府県知事が行うよう努めるとされている調査・分析につきましては、具体的な内容が現段階において不明となっております。都道府県で新たに生じることとなる業務内容等については、早期に説明をいただくようお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見でございますので、事務局のほうは適切に対応をお願いしたいと思います。
 フロアにも特段御質問ございませんね。一通り御意見いただけたと思いますので、本件につきましては、このぐらいにさせていただきたいと思います。
 それでは、2番目の案件でございます。「医療DXの推進に関する工程表について」、これも報告事項でございます。事務局より説明をお願いしたいと思います。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 医政局参事官でございます。
 資料2「医療DXの推進に関する工程表について」、御報告させていただきます。昨年6月に、いわゆる骨太の方針の中で、全国医療情報プラットフォームの構築、電子カルテ情報の標準化と診療報酬改定DXという3つの柱で医療DXを進める旨が明記され、総理を本部長とする医療DX推進本部が設置されました。今般、令和5年6月2日に、この医療DX推進本部において医療DXの推進に関する工程表が決定いたしましたので、御報告いたします。
 資料2の2ページ、基本的な考え方でございますが、これは昨年からお示ししております医療DXの目指すべき姿ということを記載しております。国民のさらなる健康増進、切れ目なく質の高い医療等の効率的な提供、医療機関等の業務効率化、システム人材等の有効活用、医療情報の二次利用の環境整備の5点の実現を目指していくとされております。
 また、サイバーセキュリティを確保しつつ、医療DXを実現し、保健・医療・介護の情報を有効に活用していくことにより、より良質な医療やケアを受けることを可能にし、国民一人一人が安心して、健康で豊かな生活を送れるようになることを目指してまいります。
 その後、マイナンバーカードの保険証利用の一体化の加速等というものと、3ページ、一番下にございますが、医療DXの実施主体について、今回、3本の柱に加えて概要でお示ししております。
 マイナンバーカードの保険証利用の一体化につきましては、情報を共有するための鍵となる取組でございますので、これを引き続き進めていくということで記載しております。2024年秋に健康保険証を廃止すること、2023年度中に生活保護(医療扶助)でのオンライン資格確認を導入することを明記しております。
 その次、3ページ、先に御覧いただきたいのですが、医療DXの実施主体として、社会保険診療報酬支払基金を、審査支払機能に加え、医療DXに関するシステムの開発・運用主体の母体とし、抜本的に改組する。
 具体的な組織の在り方、人員体制、受益者負担の観点を踏まえた公的支援を含む運用資金の在り方等について速やかに検討し、必要な措置を講ずるということでございます。
 2ページにお戻りいただきまして、3つの柱、それぞれについて簡潔に御説明させていただきます。
 全国医療情報プラットフォームの構築でございますが、これは昨年からお示ししているように、オンライン資格確認等システムを拡充し、プラットフォームを構築することとしています。今回のこちらの工程表では、それぞれの取組について、基本的な政府の取組の内容を記載していて、その基本的な考え方や施策内容を明らかにするとともに、到達点を定め、関係者と認識を共有するということで記載した内容でございますが、2024年度中の電子処方箋の普及に努めるとともに、電子カルテ情報共有サービスを構築し、共有する情報を拡大する。
 併せて、介護保険、予防接種、母子保健、公費負担医療や地方単独医療費助成などに係るマイナンバーカードを利用した情報連携を実現するとともに、次の感染症危機にも対応する。これはデジタル庁で主に御対応いただくこととなっております。
 また、2024年度中に、自治体の実施事業に係る手続の際に必要な診断書等について、電子による提出を実現。これも自治体との連携ということで、デジタル庁主体でお取り組みをいただくことになっています。
 その下、民間PHR事業者団体やアカデミアと連携したライフログデータの標準化や流通基盤の構築等を通じ、ユースケースの創出支援。これは総務省と経産省において主体的にお取り組みをいただく予定です。
 全国医療情報プラットフォームにおいて共有される医療情報の二次利用について、そのデータ提供の方針、信頼性確保の在り方、連結の方法、審査の体制、法制上あり得る課題等の論点について整理し検討するため、2023年度中に検討体制を構築すると記載されております。
 また、次のページ、3ページでございますが、電子カルテ情報の標準化等につきましては、2023年度中に透析情報及びアレルギーの原因となる物質のコード情報について、2024年度中に蘇生処置等の関連情報や歯科・看護領域の関連情報について、共有を目指し標準規格化を行います。2024年度中に、特に救急時に有用な情報等の関係を進めるとともに、救急時に医療機関において必要な医療情報が速やかに閲覧できる仕組みを整備してまいります。薬局との情報共有のため、必要な標準規格への対応等も検討してまいります。
 標準型電子カルテについては、2023年度に必要な要件定義等に関する調査研究を行い、2024年度中に開発に着手。電子カルテ未導入の医療機関を含め、電子カルテ情報の共有のために必要な支援策を検討してまいります。
 遅くとも2030年には、おおむね全ての医療機関において、必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すということが明示されております。現在、令和2年の電子カルテの普及率でございますが、200床未満では50%を切るという現状でございますので、そこをおおむね全てというところを目指して進めてまいりたいと考えております。
 診療報酬改定DXにつきましては、2024年度に医療機関等の各システム間の共通言語となるマスタ及びそれを活用した電子点数表を改善・提供して共通コストを削減し、2026年度に共通算定モジュールを本格的に提供することとしています。共通算定モジュール等を実装した標準型レセプトコンピューターや標準型電子カルテの提供により、医療機関等のシステムを抜本的に改革し、医療機関等の間接コストを極小化することを目指します。
 診療報酬改定の施行時期の後ろ倒しに関しては、実施年度及び施行時期について、中央社会保険医療協議会の議論を踏まえて検討することが明示されています。
 4ページから6ページは、医療DXのメリットのイメージを記載しております。横軸に年度、どのようなシステムがリリースされているかということ。縦軸には、国民の皆様のライフステージに合わせて、同じ仕組みでも、国民にとって、それぞれの感じるメリットが異なるということで、ライフステージによって、少し書き分けを行っております。
 例えば左下の丸でございますが、小さなお子様がいらっしゃる御家庭などでは、子供の健診結果や予防接種歴などをスマホ一つで確認でき、医療機関の受診の際、内容を確実に伝えることができること。
 例えば青年期と書いてございますが、まだ比較的健康な若い方たちの場合には、自分の健診結果やライフログデータを活用し、自ら生活習慣病を予防する行動等につなげることができるということで、真ん中の上段のほうにメリットを記載させていただいております。
 次の5ページは、成人期から高齢期ということで、例えば生活習慣病に関する検査結果をいつでも確認できたり、高齢になった場合には、医療や介護の関係者で状況が共有され、よりよいケアを受けられるといった形で、それぞれの年齢に合わせたメリットを分かりやすい形でお示ししております。
 最後のページは、医療・介護従事者、保険者・ベンダーの皆様から見て、このDXにどんなメリットがあるのかということを記載しております。御参考に御覧いただければと思います。
 それ以降、参考資料としては、実際の工程表を載せておりますので、お時間がおありの際に御確認いただければ幸いでございます。
 19ページは、今、申し上げました大まかな予定を全体像として矢羽根にしたものを記載しております。全国医療情報プラットフォームの構築、マイナンバーカードと保険証の一体化の加速等についても、ちょっと分かりやすい形で1枚にまとめております。
 資料についての御説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、これにつきまして御意見、御質問いただければと思いますが、いかがでございましょう。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。
 これは医療DX推進本部のほうで、もう決まったものに対しての報告ということでありますので、とやかく言う話ではないのかもしれませんけれども、1点、気になることがありまして、基本的な考え方というところでメリットの主なものを挙げていただいているのかなと思います。国民のメリットとか医療機関の業務効率化という話があるわけですけれども、実は、このほかに、例えばその次の3ページの下にあるような、支払基金とか保険者とか行政とか国のメリットというのが、本当は隠れているのではないでしょうか。逆に、病院のメリット、病院にとってのDXというのは、ここに書いてあることもありますけれども、それ以外に今、働き方改革とか人手不足の中で、それに対応するための病院のDXも進めねばならない。
 私、申し上げたいのは、この医療DXと病院がやらねばならないDXと、ごっちゃにしないで、病院は病院で自分たちの、先ほど言いました課題に対してDXを進めよう。その上で、国はこれをやるのだということをきちんとメッセージを出していただくことが極めて重要ではないのかなと思って意見いたしました。
 以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。ありがとうございます。
 それでは、オンラインでお手を挙げておられます山崎學委員、どうぞ。
○山崎(學)委員 この医療DXについて1つの問題点というのは、マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速についてということで、2024年秋には健康保険証を廃止するという政府の方針が決まっているわけですが、実態として紙の健康保険証を廃止してマイナンバーカードで2024年秋に診療がスムーズにいくかといったら、とてもそういう進行状態にはないわけです。医療関連団体を含めて、これを延期してほしいということを政府に盛んに申し入れをしているわけですけれども、2024年秋に紙の健康保険証を廃止するということに、どうしてこんなにかたくなにこだわるのかというのが分からないというのが1点です。
 もう一つは、電子カルテの標準化について、私たち精神科病院では電子カルテの普及率が4割です。急性期精神科病院を含めて、電子カルテの普及が進んでいないというのは、電子カルテを導入するのに、膨大な費用と、毎年、サポート費用がかかるわけです。こうした現状の中で、2030年には、おおむね全ての医療機関において、必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すと書いてありますが、財源は誰が出してくれるのですか。電子カルテを導入するための諸費用を国がきちんと出してくれないと、今の微々たる診療報酬の中で電子カルテを導入しろといったって、できるはずはありません。
 したがって、導入を目指すと言うならば、国が責任をもって病院全てに財政的援助を導入するということをきちんと書いてほしいと思います。この文章では政策論だけで財源論が入っていないというのは問題だと考えますが、いかがでしょうか。事務局に2つともぜひともお答えいただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 非常に難しい課題ではありますけれども、事務局、御対応、お願いいたします。
○保険局保険データ企画室長 御質問いただき、ありがとうございます。保険局医療介護連携政策課保険データ企画室長でございます。
 まず、1点目の御質問、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に係る御指摘等いただきました。まずもって、現状のオンライン資格確認、今年の4月から原則義務化の取組が施行されているところでございますが、このオンライン資格確認の導入に当たりまして、医療現場の皆様をはじめ、様々な御負担をおかけしており、その中で多大な御尽力をいただいていること、改めて感謝申し上げたいと思います。
 まず、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について進める狙いでございますけれども、私どもといたしましては、このマイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速することにより、患者の皆様あるいは医療現場の皆様により多くの健康医療データを御活用いただいて、よりよい医療につなげていただきたい。それをいち早くお届けしたいという考えの下、この健康保険証とマイナンバーカードの一体化の加速と、先般、国会のほうで御審議・成立していただきましたマイナンバー法等の一部改正法案におきまして、一体化の促進の規定などを進めさせていただいているというものでございます。
 他方、マイナンバーカードが何らかの事情により、お手元にない状態にある方もいらっしゃいます。そうした方に対しまして、先般のマイナンバー法の一部改正法案におきまして、資格確認書という形で、保険料を収めていただいている方がきちんと保険診療を受けることができる形の手続の規定も、併せまして整備したところでございます。私ども、今、医療現場のほうで起きている様々な一つ一つの課題というものに解決を提示していきながら、このマイナンバーカードと健康保険証の一体化の取組を進め、併せて、マイナンバーカードがなかなか取りづらいという方に対する代理申請、あるいはその申請のお手伝いをいただく様々な支援者の方々の助成措置なども、総務省と連携して進めていきたいと考えております。
 もちろん、何らかの事情によりマイナンバーカードがお手元にない方、あるいは申請がなかなか難しい方に対しましての資格確認書の申請・交付、あるいは職権での申請がなかなか見込めない方に対する措置も規定として盛り込んでいるところでございます。そういった様々な御指摘などにお答えしながら、マイナンバーカードで受診いただける環境といったものをしっかりと整備してまいりたいと考えております。
 保険局から以上でございます。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 続きまして、電子カルテの普及に当たっての財政的な援助ということで御指摘いただきました。
 まず、現状、電子カルテが普及していない大きな理由として、コストがずっと指摘されていることは承知しております。その導入のためのコストとランニングコストと。今回、この医療DX、まさにその間接コストを大きく下げるということを目的に取組を明示しています。例えば診療報酬改定DXとか標準型電子カルテは、クラウドを活用した電子カルテを想定しておりますが、そういったものを活用することで、まさに医療機関のシステムに係る費用をできるだけ小さくしていくということを目指したものでございます。
 現時点で財政的な援助について明示的にお示しすることは、なかなか難しいところがございますが、今年の骨太の方針には、医療DX推進本部において策定した工程表に基づき、医療DXの推進に向けた取組について必要な支援を行いつつ、政府を挙げて確実に実現するということが書かれております。そういった決意をもって取組をさせていただきますが、現時点で財政論についてはお答えできないというところは、御理解いただければ幸いです。
○遠藤部会長 山崎學委員、いかがでしょう。
○山崎(學)委員 追加で質問させて下さい。医療DXでコストが下がるというお話でしたが、コストが下がっても、今の診療報酬で医療DXについていけるだけの民間病院はありません。今回の法案もそうですが、まず電子カルテの普及が進んでいない中で、電子カルテの普及に関わる費用とかランニングコストの費用というのを、来年度の診療報酬の中できちんと点数づけをしてくれないと、先ほどお話しした政策論だけで終わってしまいます。いかがでしょうか。
○遠藤部会長 では、事務局、何かコメントがあればお願いします。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 診療報酬については、先生、御存じのとおり、中医協の議論において決定されるものと承知しておりまして、現在のお話についても、私どもが何かコメントする立場にはございませんということをお答えさせていただきます。
○遠藤部会長 山崎學委員。
○山崎(學)委員 財源論がつかない政策論をしても無駄です。公立病院は、公的な資金補助がついて動くわけですが、民間病院については、そういう公的資金というのが全く入らないわけですから、民間病院でこの電子カルテを普及するなら、別枠で電子カルテ導入資金というものを民間病院に配らなければ、電子カルテの普及は進まないと思います。財源論が全くなくて、政策を語っても、実質動くわけがないじゃないですか。
○遠藤部会長 ありがとうございます。私も昔、中医協にいた頃は、同様の議論が随分されていたということを思い出しましたけれども、御意見として承りました。ありがとうございます。
 それでは、野村委員、どうぞ。
○野村委員 野村と申します。よろしくお願いします。
 医療DXの推進ということで、名称からも非常に壮大なもののイメージがありまして、そして、2ページに書かれている基本的な考えということも、これからの人口が減っていく社会に必要なことであると同時に、医療を使う側の正しい理解も必要なものだなと感じております。
 工程表の中でも、だんだん日程も迫ってきておりますし、この医療DXを進めていくためには、私たちに関わることですと、マイナンバーカードの保険証利用や電子カルテ情報の標準化の部分がございます。そして、今、まさにマイナンバーカードの保険証利用に関しても、以前から導入にすごく慎重な方も多くいる中で、メリットを十分に理解する前に不具合等の報道が多くて、そういった部分がすごく強調されているかと思っています。
 また、使用するに当たっては、簡単な操作でできるとあっても、難しい世代も多くて、実際の医療機関の窓口で1から一緒に画面を見ながら説明したり、そして情報を使うためには同意というものが必要なので、その同意をしてもらうための説明なども医療機関やかかりつけ医等でしなくてはならなくて、医療機関でも非常に時間がない中で大変であると聞いております。また、電子カルテの導入の部分や情報の共有化に関しても、今、紙カルテで診療されている医療機関も実際に導入するとなると、様々な懸念事項があるかなと思います。
 こうした電子化というのは、今後も必要であり、医療の可能性を広げることにもつながりますが、一たび回線の不具合とかが生じたときに、大きい施設にはきっと専門の方がおられるでしょうが、1診療所では診療がストップする場合もございます。今後、医療DXをさらに推進していく中で、不慣れな環境や世代の方もいますので、困難感や危険性も考慮しつつ、ぜひ今後も手厚いサポートをお願いしたいなと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 このサポートに関して、何かコメントございますか。事務局、どうぞ。
○保険局保険データ企画室長 御指摘、御質問いただき、ありがとうございます。保険局保険データ企画室長でございます。
 まさに今、野村委員、御指摘のとおり、オンライン資格確認の原則義務化の施行がある中で、マイナンバーカードで受診いただく方も、直近の5月の1か月分で約850万件の方がマイナンバーカードを御利用いただいているという状況でございます。そうした中で、最初の顔認証端末のカードリーダーの操作の仕方であったり、御指摘のとおり、その方の健康・医療情報を提供いただく中で、御本人の同意をいただく画面遷移がございます。そういったところで、初めてお使いになられる方あるいは御高齢の方など、操作のところで少し手間取ってしまっている。あるいは、その方への御支援で医療機関の職員の方が横にサポートについてということで、お手間が取られてしまっているという現場の実態については、私どもも聞いているところでございます。
 まずは、そういう御案内の仕方などにすぐ使えるようなスクリプトといったものの広報素材あるいは御案内素材の御提供といったものを、私ども、行いたいと考えております。また、医療機関における様々な事象、操作の仕方についての疑問といったものについては、今、支払基金、国保中央会がオンライン資格確認のシステムの実施運営機関でございますけれども、そういった様々な事象に対する、あるいは操作などに対する医療機関向けのお問合せのコールセンターを御用意してございます。こちらのコールセンターの体制の拡充を早急に指示して行っているところでございますので、患者の皆様方あるいは医療機関の皆様方に対するサポートの体制をさらに充実させていきたいと考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 野村委員、よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、お待たせしました、井伊委員、お願いいたします。
○井伊委員 ありがとうございます。日本看護協会の井伊でございます。
 電子カルテ情報の標準化等について質問させていただきたいと思います。3ページの一番上の「電子カルテ情報の標準化等」、これを私どもは進めるべきという考えですが、「歯科・看護等の領域における関連情報について、共有を目指し標準規格化(中略)への対応等を検討」と記されております。ここの「看護等の領域における関連情報」は、具体的にどのようなものを想定しているのでしょうか。医療機関の看護の関連情報はもちろんだと思いますが、例えば看護情報提供書の情報や、訪問看護ステーションの訪問看護師が収集した情報、こういった情報は、地域の医療関係職種が共有して、在宅医療を支えていくことが大変重要だと考えますので、これらもぜひ標準規格化・共有に向けた検討の範疇に含めてほしいと考えますので、お伺いいたします。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、お答えいただけますか。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当)
 御質問ありがとうございます。
 まず、この歯科・看護領域の関連情報の標準規格化につきましては、現在、厚生労働科学研究の中でお取り組みいただいておりまして、看護領域については、様式50、看護及び栄養管理に関する情報を中心に、その標準化するべき項目について研究班の中で御検討いただいていると承知しております。その中では、御指摘のあった訪問看護等も、その対象として含まれていると承知しているところでございます。具体的には、看護の領域で何が重要なのかということを専門家の先生方で御議論いただいており、それを今後、必要な情報を標準規格化して、それを厚生労働省の標準規格にしていくという流れを想定しているところでございます。
○遠藤部会長 井伊委員、いかがでしょう。
○井伊委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、小熊委員、よろしくお願いします。
○小熊委員 ありがとうございます。
 私からは、3点お話しさせていただきたいと思います。
 1点は、山崎先生も言われました財源問題でございます。山崎先生は公立はいいのだという話をしておられましたけれども、公立だからといって財源の見通しなど、つくものではございません。公民併せて、これだけの大規模な方向転換をするとなれば、財源をしっかりと確保していただきたいと思うわけであります。それが第1点であります。
 第2点は、全国的な医療情報プラットフォームをつくることによって、全国的な対策というものを、今、お示しいただいたように進めるのかと思いますけれども、医療というのは全国でやるものではなくて、地域ごとにやるのですね。ですから、地域ごとに今、様々な違いが出ておりまして、それをどうやって一体化してカバーしていくかということが、これから求められていくわけであります。
 残念ながら、今、お示しいただいた話の中では、地域の中で医療情報、介護情報、患者情報をどうやってみんなが分かるように利活用できるかということについて、述べられていないように私には思えます。例えば今、高齢者の救急状態をどこで引き受けるかという問題が医療界ではディスカッションされておりますけれども、ごく軽症の患者さんであれば、恐らく国の考えているような地ケア病棟みたいなところで結構だと思いますけれども、もっと難しい病気というのは、ある程度の急性期病院に行かないとならない。ところが、今度、急性期病院ではリハができない。それで、転院するときにはどこが引き受けてくれるか分からないという問題を抱えているわけであります。
 そうなると、そういったことが一目で分かるような、この病院はこういう患者さんを今日は引き受けられますよ。当直医によっても、あるいは救急対応医によっても専門性が違いますでしょうから、そういったことも含めて、一目で分かるような、活用できるような情報というのをつくらなければいけないと私は思います。ですから、そういった地域ごとの実際の医療に即したやり方を活用できるようなシステムをつくっていただきたい。現在、いろいろなところで何とかネットと称して、半分動いているのか動いていないのか、そういうものがありますけれども、そういうものではなくて、本当に利用できるものを御検討いただきたいということであります。
 それから、第3点は、先ほども申しましたけれども、これが地域の医療体制に貢献し、全国の医療体制に貢献する。それを国がこうやって責任を持って発表したわけですから、標準の電子カルテができないとか、共通情報の発出ができないということはないと思うのですが、具体的に我々にこういうふうにしたらいいとか、ああいうふうにしたらいいといったものをもう少し細かくお示しいただきたいということであります。
 その3点について、私のほうからお話しさせていただきました。以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 3点、御意見ではありましたけれども、事務局、何かコメントがあればお願いしたいと思います。財源につきましては、先ほどのお話で事務局としてのお考えは大体示されたかと思いますけれども、地域単位のプラットフォームということをどう考えればいいかという話と。あと、もう少し具体的な内容で示してほしいという御要望。これについて何かお考えがあればいただきたいと思います。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 今回、この工程表自体、ボリュームがかなりあるものなのですが、介護の情報につきましては具体的に記載されていないのですけれども、実際、工程表本文の中には、介護の情報については、2023年度中に共有すべき情報の検討や業務の要件定義、システムの検討なども行って、2026年度から自治体システムの標準化の取組の状況を踏まえて、それぞれの介護情報の共有を始められるようにするということが、実は明示されているところでございます。当然、医療と介護と両方で情報共有できるようなプラットフォームを目指していくということは変わりありません。
 一方で、地域の課題一つ一つに、国のプラットフォーム全部が応えていくというのは、正直に申し上げて難しいと思っています。我々としては、基本的な基盤として、このプラットフォームを構築し、その地域の実情に合った、例えばコメディカルの人たちとの連携の仕方とか、救急の連携の仕方というのは、一定程度、それぞれの地域でお考えいただいて、よりよい仕組みが考えられていくのではないかと思っています。
 お話にありました地域医療連携ネットワークも、今、200を超える地域で行われていますが、一定程度濃淡があると承知しておりまして、このプラットフォームで代替できる地域医療連携ネットワークもあれば、非常にリッチな機能を持って、地域の中核としてネットワークが稼働しているところもあると承知しておりますので、そういったネットワークとも共存しながら、より地域の皆様の使いやすいシステムができていくのが理想ではないかと思っています。
 事務局からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 小熊委員、いかがでしょう。
○小熊委員 すみません、1つ言わせてください。国が具体的な項目を主導できないなら、どこがするのでしょうか。社会保険診療報酬支払基金がそういう指示を出すのでしょうか。それとも都道府県が出すのでしょうか。そういうことも含めて、もう少しお考えいただかないと、例えば地域医療構想だって、機能分担・連携しなさいということがその場で話されることになっていますけれども、本当に目の前の救急患者をどこに入れるか、どこに移すかということが、今の現実としては分からないのです。そこを解決する必要があるのではないかと私は思っていますので、それはどこが責任を持ってやるべきか。国ができないなら、それをお示しいただきたいと私は思っています。
 以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。重要な御指摘をいただいたと思いますので、事務局としても御対応を考えていただければと思いますが、何かコメントはありますか。よろしいですか。
 続きまして、都竹委員、どうぞ。
○都竹委員 ありがとうございます。
 大きく3点申し上げたいと思います。
 まず、健康保険証との一体化の話ですが、今日のこの話は、医療DXの工程表、決まったものの報告ということですから、あくまでも意見ということになりますけれども、今、一体化の話、大きな議論になっておりまして、我々の小さなまちでもいろいろな不安なんかも出ています。ある程度期間を区切って導入を進めていくというのは、これはしようがないことといいますか、不可欠なことだと思いますけれども、柔軟にそのときの状況によって延長等を行っていくということはお願いしていきたいと思います。また、自治体のほうでの総点検の議論もありますが、自治体の負担が拡大しないように配慮を求めたいというのが、まず1点でございます。
 2点目ですが、今回の工程表の中に、本文のほうにもありましたし、概要のほうにもありますが、自治体に関する事項がかなりあります。例えば予防接種とか乳幼児健診・妊婦健診情報等々、いろいろあるのですが、課題は非常に多いと思っております。例えば乳幼児健診・妊婦健診の情報ですけれども、実際に我々のまちですと、医療機関から来た情報、紙で来たものを手で入力している。そういう状況になっています。それから、予防接種もそうでありまして、当然全部の情報が医療機関から入ってくるわけではないということがありますし、単独医療費助成。これは県によってシステムが全然違いますので、それをどうやって一元化していくのかということもあるのではないかと思います。
 また、様々な健診の情報も、国保の場合ですと5年でデータが消えるものですから、独自に市でデータを保全しているのですが、活用していくということになると、終生の一生涯のデータが蓄積されていく必要がある。その辺りをどういうふうに対応していくのか。このように少し考えただけでも幾つかの課題があります。
 先ほどの御説明で、ここはデジタル庁の範疇だというお話もあったのですが、デジタル庁からトータルで地方自治体のほうに、例えば全国市長会などに、そういった議論や照会があったということは、あまり承知していない状況です。この件は、自治体の現場の声をもっとしっかり聞いて進めていただく必要があると思いますので、デジタル庁との連携の中で、その辺りの御対応をお願いしたいということです。
 それから、この中にも、希望する自治体から順番に進めていくということが書いてありまして、調べてみたら、ちょうど今、公募がかかっていたりするのですけれども、自治体の規模も財政力もまちまちですから、特に小さい自治体が取りこぼされることがないように、その辺りは厚生労働省においてもしっかり配慮いただきたいと思います。
 それから、大きく3点目、この医療DX全体ですが、国民の支持を得ていくためには、利便性を具体的にきちんと伝えていく必要があるということです。今、既にマイナンバーカードとオンライン資格確認だけでも、できるものは実際、かなりあります。例えば高額療養費の限度額適用認定証の申請は不要になっているわけですが、この辺りは非常に大きな利便性として訴えられることになるのではないか。実際に役所に行って認定証を取ってくる必要は全くなくなっております。他にも確定申告の医療費控除でも、毎年、市の確定申告の現場で高齢者の方が来られて領収書の整理からやったりするのですが、そういった辺りも全く手間がなくなるということがございます。
 そうした今あるものから利便性をきちんと伝えていただくということも、医療DXに対する国民の理解を広げていく大事なポイントではないかと思いますので、この辺りを厚労省においてもよろしくお願いしたいと思います。
 また、今後の利便性向上という点では、例えば生命保険の入院・手術の給付金の請求手続、医療機関で証明書を出しているのですが、こういったものも連動するようになれば医療機関の負担も下がるということもございます。考えられることはたくさんあると思いますから、国民生活の中に立って、そうした利便性をもっと広げていただきながら、その効果をしっかり国民に伝えていくということをぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。重要な御提案だったと思います。ありがとうございました。
 それでは、加納委員、お願いいたします。
○加納委員 ありがとうございます。
 4ページ、5ページ、6ページには、DXのメリットということで非常にいいイメージが書かれているわけですが、先ほど山崎委員がおっしゃったように、医療現場としては非常な負担を背負いながらやっていかなければいけないことだと認識しております。3ページ中段に、今回、医療機関等の間接コストを極小化するということが明記されて、いわゆる標準型電子カルテの提供ということが書かれているのですけれども、この点について具体的に標準化されて安易な、安くなるという電子カルテに関しては、1ベッド当たりどれぐらいの費用で考えられているのでしょうか。具体的なことがないと、極小化なんて書けないと思いますので、まず、それを教えていただきたいかなと思っております。
○遠藤部会長 では、事務局、いかがでしょうか。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) この間接コストの極小化は、電子カルテ1つだけではなくて、診療報酬改定DX等を含めて、トータルの取組でということで、まず、電子カルテの部分につきましては、今年度、必要な要件定義等に関する調査研究を行いという中で、費用についてもどれぐらいかかるのかということを、当然、機能やデータ量によってもコストが異なりますので、そういったことをまず調査させていただき、その上で開発等に着手するということにしておりますので、現状、お答えできるものは持ち合わせておりませんが、トータルで間接コストを極小化することを目指していくという趣旨で記載させていただいたものでございます。
○加納委員 そうしますと、現状ではまだ全然分かっていないという認識でいいわけでしょうか。というのは、今、我々ですと、基本的に電子カルテは、1ベッド当たり100万円ぐらいの計算をして予算化してやるのが普通の病院のやり方かなと思うのです。しかし、実はベンダーが医療DXの進行とともに逆に金額を上げてきておりまして、最先端のトップクラスのベンダーさんによっては、1ベッド当たり200万、300万円というのが当たり前になっていると言われてきております。これはもうあり得ない数字になってきております。
 1ベッド当たり100万円で推移していたときでさえ、我々の売上げ、つまり診療報酬に占める割合では、電子カルテの費用として、ランニングとイニシャルコストを足しますと約3%を占めるわけで、それが3倍、4倍と上がるようなことがあっては、これはあり得ない話だと我々現場としてはなっているわけです。先ほど、財政の話はどういう形かというのをなかなかお答えになっていなかったのですが、これは答えていただかないと現場としては無理かなという感じがします。
 先ほども看護のソフトという話がありましたが、我々、付け加える度に、オプションになっていまして、全部、それが費用としてどんどん加算されていくというシステムになっております。これら含めて、本当は国がちゃんとしたソフトを提供していただければ、こういったものに対して価格的な対応ができるかと思うのですが、ベンダーに任せて、これをやってしまうと、どんどん膨らむだけの話で、現場としてはとてもやり切れない状況であります。
 先ほど医療法人の経営情報のデータ開示というほうがありましたけれども、我々にとりまして、今、医療DXに関わる費用負担というのは非常に大きなものと認識しておりますので、ぜひとも具体的なことを示していただかないことには、我々現場としては全然前に進みようがない。どうやってその経費を確保するかということがなければ前に進めないわけですので、その点、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 クラウド型がいいという話になっていますが、現在のクラウド型というのはサーバー分が要らないからイニシャルコストが少し安いのですね。しかしその分、実はランニングコストとして膨大な額を請求されておりまして、果たしてクラウド型がいいのかどうかということです。5年使ってみると、そのランニング費のほうが高い。先ほど言いましたように、イニシャルが1ベッド当たり100万円要りますと、ランニングでは最低10万円ぐらいからスタートするのですが、クラウド型はもっと高い値段をもう既におっしゃっていただいています。多くのベンダーさん、トップ1、2、3のベンダーさんがそれぞれ出してきている数字を見ますと、今、とんでもない数字になっております。
 先ほど、自治体病院にはそういう経費がないということで、これは公も民も一緒になって考えないといけないことだと思うのですが、自治体病院は総務省から約8500億円なりの一般会計繰入金とか、それに類するものが入っていますから、対応できる可能性もあるかと思うのですが、民間病院にとりましては、これは本当に負担の話ばかりで、何か接続するとなればすぐ負担がかかるといった状況を分かっていて、この計画スケジュールを進めていくのでしょうか。その辺、我々現場から見ると、ちょっといかがなものかなと感じております。
○遠藤部会長 御意見として承りました。
 事務局として何かコメントはありますか。先ほど、一応お答えいただいていると思いますけれども、この問題は非常に重要な課題であることは間違いないということなのですけれども、こういう重要な課題が複数の委員から出ているということをしかるべきところで伝えていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、河本委員、どうぞ。
○河本委員 ありがとうございます。
 まず最初に、マイナンバーカードの保険証登録におきまして、保険者において誤ったひもづけが発生したということは、私どもも真摯に受け止めております。現在、厚生労働省の指示を受けて、登録準備データの点検作業を進めているところでございます。
 一方で、マイナンバーカードの保険証登録というのは、医療DXに不可欠な基盤であるということでございますし、また、資格確認システムのランニングコストは、保険者を通じて国民や事業主が負担しております。ほかの委員からの御指摘もございましたけれども、医療DXを推進していくに当たっては、資料にもちょっと記載がございますけれども、医療DXのメリットを国民にしっかりと理解していただくことが大変重要だと考えております。オンライン資格確認システムを拡充して全国医療情報プラットフォームが構築され、その電子カルテ情報が共有されることによって、国民に様々なメリットがもたらされるということが期待されるところでございます。
 こうしたメリットを国民に理解していただけるように、国においても医療DX推進の一環として、周知や広報活動をぜひ積極的に進めていただくように、改めてお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、荻野委員、お願いいたします。
○荻野委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の荻野でございます。
 私からも1点、意見を申し上げさせていただきたいと思っております。医療DXにつきましては、薬局もしっかりと取り組んでいきたいと考えております。既にスタートしている電子処方箋は、質の高い医療を提供していくため大変意義あるもので、我々も順次、普及に向けて体制を進めているところでございます。運用上の課題を解決していきながら、しっかり活用していくことが重要だと認識しております。
 資料にもありましたように、電子カルテ情報の標準化について、薬局との情報共有のための必要な標準規格への対応等の検討を書き込んでいただいたこと、非常に重要な点と考えております。医療機関のカルテと同様に、薬局でも患者の薬物療法の重要な点を調剤録・薬歴として記録しておりますが、これを標準化されたフォーマットによって、関係者とのやり取りをスムーズに、シームレスにしていくことで、薬局からの情報をカルテに取り込むなど、より効率的に情報が活用しやすくなり、医療の質の向上につながります。オン資、電子処方箋、様々な情報連携基盤の施策がございますが、これら全体を一体的に進めていただきたいと強く思っております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。重ねての発言、お許しいただければと思います。
 今回、資料でお示しいただいておりますが、こうした新たな制度を導入し、そして普及させていくためには、国民の広い理解と信頼を得た上で、安全で安定的な運用を図ることが必要不可欠と考えます。国の責任において情報セキュリティ対策を徹底するとともに、医療DXのメリットや安全性について、国民及び医療機関等の関係者に対して、丁寧かつ分かりやすい説明をお願いいたします。
 2点目です。電子カルテシステムについてです。データの活用や業務の効率化のためにも有用と考えますが、導入及び維持コストが非常に高額であるため、医療機関の経営上、大きな負担となっていることから、具体的かつ明示的な低コスト化の推進、並びに医療機関の導入・更新経費に対する支援策の検討をお願いできればと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。類似の御要望、御意見がありましたので、ひとつよろしくお願いいたします。
 それでは、角田委員、お願いいたします。
○角田委員 日本医師会の角田でございます。
 まず、私ども、医療DXの着実な、確実な推進は、本当にお願いしたいと思っております。その上で、短く2点だけ、御指摘といいますか、させていただきます。
 1つは、資料3の一番下に医療DXの実施主体が出ておりますが、社会保険診療報酬支払基金がそれぞれの開発・運用主体の母体となるとございます。現時点では、審査支払基金のほうでやっているわけですが、今後、ここに書いてありますように抜本的な改組というより、かなりの拡充等が必要ですので、しかもサイバーセキュリティに対しても非常に不安がございますので、ぜひその辺はしっかりとした検討と対応をお願いしたいと思います。
 もう一つは、電子カルテの導入についてでございます。先ほどから経費についてはいろいろ御指摘がありますが、実は電子カルテ100%の普及は私ども、大変重要なことだと思っておりますが、紙カルテから電子カルテに変えるときのデータの移行は、システムだけ配ればいいというものではなくて、それぞれの医療機関で大変な労力がかかるわけでございます。その辺もぜひ現場の感覚として御理解いただいた上で、しっかりとした支援等を含めて検討いただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見、御要望だと理解させていただきました。事務局もしかるべき対応、よろしくお願いいたします。
 それでは、山崎親男委員、お願いいたします。
○山崎(親)委員 山崎です。よろしくお願いします。
 皆さんがほとんど言われましたので、私のほうからあえてということではないのですけれども、まず、1つ目は、我が町は申請率が9割近く、交付率も8割を超していまして、あと1割弱になってから、ここに来て懐疑的な御意見を次々聞くわけであります。それは、マイナンバーカードにひも付けされている情報が多いところにあると思います。その上で、いろいろな懐疑的な意見に対して、その隙間を埋めていく手当てを示していただけないかと思います。それが1点目です。
 2点目は、自治体間の格差がこれから出てくるのではないかと思います。それはごく早いうちに鮮明になると思います。条件不利地域をもつ自治体では、医師の確保が急務な課題である中で、この医療DXというのは必要であるのですけれども、その前に医師不足という根本的な問題を解決しておかなくては、医療DXの推進になかなか踏み切れないというのが片方にあります。医師の確保にも問題が及ばないように、ぜひとも手当てを考えてもらいたいなと思っております。
 2点、お願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御要望として承りました。
 お待たせしました。楠岡委員、泉委員の順番で。
○楠岡部会長代理 楠岡です。
 方向性としての問題というよりも、少しテクニカルな点に関して意見を述べさせていただきたいと思います。複数のシステムが同時に開発されますと、共通の項目について、当然のことながら標準マスタというものをつくっておかないと、システム間で相互参照ができないという問題が生じます。そのときに、同じ項目であったとしても、システムごとに必要とする情報の粒度が異なる。すなわち、大項目だけでいいものもあれば、小項目まで含めないと意味がないものもある。こういうものに関して、独自のマスタをつくってしまいますと、結果的にお互いの使いようが非常に悪いということになります。
 それから、そのマスタ作成において、もし過誤がありますと、それを後に修正するというのは大変なことですし、内容によっては患者さん等の命に関わるようなリスキーなことも発生しえます。したがいまして、このマスタというのは、システムをつくるときにしばしば軽視されるのでありますが、極めて重要なことであって、慎重につくっていただきたいということです。
 もう一つは、厚生労働省が中心となって策定している標準マスタにおいても、非常に進展が遅いところがありますので、今回、システム開発に間に合うように、並行してしっかりしたマスタをつくっていただきたい。これは要望としてお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 重要な御指摘ありがとうございます。事務局、しかるべき対応をお願いいたしたいと思います。
 それでは、泉委員、お願いいたします。
○泉委員 日本病院会から出ている泉でございます。
 皆さん、御指摘なさらなかったことで、少しお願いしたいのですけれども、今、医療の進歩に伴って、どんどん新しいものが入ってくると、サブシステムと連結することで、そこが非常に重要になるし、それからカスタマイズして使えるようにするということも非常に重要になってきて、毎年、新しいものがどんどん出てくると、それに対応しなければいけない。それで、電子カルテに接続するのに非常に多額のコストをベンダーさんにお支払いしているというのが現状です。だけれども、医療の進歩に伴って、どんどんアップデートしていくということで、標準化とかなり対局にあるのではないかと思うのです。しかし、医療の進歩に伴って、これをやっていかなければいけない。このこともぜひ考えておいていただきたいということをお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。新しい御指摘でございますので、事務局としては、御対応のほど、よろしくお願いいたします。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 そもそも「医療DXとは何か」ということが広く国民に伝わり切っているかというと、疑問が残ります。マイナンバー関連で様々な不安の声が出ている今だからこそ、丁寧に発信していくことが必要ではないかと考えます。河本委員や玉川参考人などからも発言がございましたが、医療DXのメリットについて、国民一人一人が自分事にできるよう、分かりやすく丁寧に周知することが重要であり、改めてお願いしたいと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
 私も、オンライン資格確認のシステムに伴う様々な会議に参加しておりまして、その立場からしますと、現在、国民がマイナスイメージを持つ方向に行っていることを非常に残念だなと思っております。政府の話を聞いていますと、この秋までに完璧にしてから始めるのだというニュアンスの発言をされているように受け止めておりまして、その後、全く問題が発生しないことというのは、普通はあり得ないことだと思います。ですので、もうこれで始めるのだとなったときに何か起きると、ここに問題があったといった、また大きなマイナスイメージにつながってしまうと思いますので、発信もちょっと気をつけて発信していただく必要があるのかなと思います。
 今後、安心できる信頼回復の情報提供ということが私も必要だと思っておりますが、特にマイナンバーカードを使って保険証代わりにということになったときに、情報共有できるものが随時増えてきています。その後、電子処方箋ということも、もう始まっているわけです。そうすると、国民が分かりやすい説明に努めていただかないといけないのですけれども、何に同意しているのかとか、仕組みのところが、例えば電子処方箋1つをとっても、同意していなくても、どこかの医療機関で出ている薬と重複している、併用禁忌があるということはアラートが出るわけですね。
 そういったことが分かっていないと、同意していないのに何でそんなことが分かるんだというような不信感が生じてしまったりしますので、全般的に見て、どんなことを理解してもらわないといけないのか、これをきちんと洗い出した上で情報提供していくことが必要ではないかと思います。
 もう一つ、今日の資料の4ページと5ページに、いろいろなライフステージにおけるPHRだと思いますけれども、医療DXのメリットということが書かれています。私は、PHRということから考えると、生まれてスタートしたときから、自分の生涯の情報を、本来は一人一人の国民が自己管理して、それを利活用していくことが理想ではないかと思っています。そう考えたときに、4ページの一番左下に、子供の健診結果や予防接種歴をスマホ1つで確認できるということが書いてあるわけですけれども、早急に始めていただきたいなと思っているのが母子手帳のアプリ化です。それができれば、生まれたスタート時点からのデータを、まずは保護者が保管して、ある程度の年齢になったときに自分で自己管理するというふうにつなげていくことができると思います。
 だとすれば、そのスタートをできるだけ早く前倒しして、生涯、自分の情報をしっかり自己管理できる人を1人でも多く増やしていくには、そこからのスタートかなと思っていますので、もしそういう検討があるのであれば教えていただきたいことと、まだないということであれば、そういったことを積極的に進めていただきたいとお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、いかがでしょうか。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 母子手帳のアプリ化・電子化につきましては、現在、こども家庭庁において、こどもDX、医療DXと連携して進めるとされている取組の中で既に議論が始まっていると承知しております。その中に入れる情報とか医療との連携みたいなことを、私どもとも連携するということが明示されているところでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
○山口委員 そこが縦割りで切れないように、情報をしっかりと連続して持てるようにしていただくということをぜひお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、若干時間も押しております。御意見は大体承ったと思いますので、この件につきましては、これぐらいにさせていただきたいと思います。
 次に、「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストと立入検査の実施について」、これについて事務局より関連資料の説明をお願いいたします。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 医政局参事官室でございます。
 資料3を御覧いただきたいと思います。「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストと立入検査の実施について」の御報告でございます。
 今、医療DXの議論の中でもセキュリティ対策の強化と両輪でやるべきというような御指摘、いただいたと思っておりまして、私どももその対策がとても必要だと思って、今回、進めているところでございますが、2ページを御覧いただいて、まず、このサイバーセキュリティの確保を医療機関の管理者が遵守するべき事項に位置づけております。この改正の概要と対応の方向性でございますが、医療法施行規則第14条第2項を新設し、病院、診療所または助産所の管理者が遵守すべき事項として、サイバーセキュリティの確保に必要な措置を講ずることを追加しております。令和5年3月10日の公布、4月1日施行でございます。
 ここで言う「必要な措置」とは、最新の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」、これはこの5月、第6版が新たに改定されて発出されております。これを参照の上、サイバー攻撃に対する対策を含めて、セキュリティ全般について適切な対応を行うことを指しています。
 一方で、ガイドラインを御覧になった方も多いかと思うのですけれども、非常にボリュームがあって、読むのも大変という御指摘をいただいてございます。それを読みやすい形で、今回、例えば経営者編、それから管理者編という形で、読み手に沿った形のガイドラインに変えてはいるものの、それでもまだボリュームが大きい。そういう中で、まずは、このガイドラインに記載されている内容のうち、優先的に取り組む事項について厚生労働省においてチェックリストを作成して、医療機関で確認できる仕組みといたしました。
 このチェックリストがその後に続いているのですが、3ページには、医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱の項目に入れた具体的な内容について記載させていただいております。まず、必要な措置は、先ほど申し上げたようにガイドラインを参照すること。それから、優先的に取り組む事項として、チェックリストと、それから、そのチェックリストにチェックリストマニュアルという、医療機関、事業者向けのチェックリストの理解に必要な事項が記載されたマニュアルを整備しております。併せて、チェックリストだけではなくて、インシデント発生時の連絡体制図については、この体制図自体の提示を求めることとしております。
 具体的な体制図の例として右側に描いてありますが、例えばサイバーセキュリティのインシデントがあった場合に、どこに連絡しなければいけない。誰がその中心となってやり取りをするか、そういったことを書いていただくものでございます。
 申し上げたチェックリストでございますが、4ページを御覧いただきまして、これは抜粋になっているのですけれども、チェックリストの一番最初には、医療情報システムを導入・運用しているかどうかということについてお答えいただき、まだ導入していない場合には「いいえ」ということでチェックは終了になります。導入している場合に、このチェックリストをチェックするということになっています。
 まずは、令和5年度中に取り組むべき事項として、4ページの左側にございますが、これは6月にお示ししているのですけれども、例えば立入検査が7月だったり、8月だったりすると対応できないという医療機関が出ることを想定して、令和5年度中にここに丸がつくような形にしてくださいという形で一定の猶予を設けております。
 また、ここに書いてある内容は、ベンダーに確認していただきながら記載いただく内容も含まれておりまして、先ほどいろいろ費用のお話ございましたが、これをやることで、またベンダーからお金を取られるのかということが、医療機関からもいろいろとお話がありました。費用の発生がない形で、まずはチェックしていただくような内容となっております。JAHISという工業会などにも御確認いただきながら、現状、対応できるような内容を、まず記載させていただいたところでございます。
 右側の参考項目は、令和6年度中には丸がついてほしい内容ということで、今年度、必ずしもチェックできなくても、こういった内容について、今後チェックする必要があるということを事前に皆様に御理解いただくような形でお示ししております。
 5ページは、事業者の確認用となっておりまして、まさに関係するベンダーに確認していただくというものでございます。例えばリモートメンテナンスをしている機器の有無は、自分の納入している機器がリモートメンテナンスをしているか、していないか、ベンダーは当然把握しておりますし、そこに費用は発生しないと思っています。
 また、MDS/SDSという(3)のところにつきましては、これはベンダーなどと関係団体が開示書の標準的な規格を定めて、今、この普及に努めているところでございます。なので、多くのベンダーは、このサービス事業者による医療情報セキュリティ開示書というものについて理解し、提出することについては、おおむね理解しておりますので、こういったことを御確認いただき、このベンダーがどこまでいろいろなことができているのかということを確認していただくようなものでございます。
 併せて、参考項目も、右側に令和6年度に取り組んでいただきたい内容について記載しております。
 また、今、お話ししたのは医療機関ということでございますが、薬局の管理者が遵守すべき事項への位置づけというのも併せて行っておりまして、薬機法施行規則第11条第2項を改正して、薬局の管理者が遵守すべき事項として、サイバーセキュリティの確保について必要な措置を講ずることが追加されているところでございます。
 参考資料として、先ほど申し上げたチェックリストをチェックするに当たって、理解していただきたいマニュアルでございます。考え方が出ていたり、例示が出ています。それから、ガイドラインのどの項目にこの内容が入っているかということが記載されておりますので、ぜひこのマニュアルを御活用、御確認いただきながら、お取り組みをお願いしたいと思っております。
 併せて、立入検査を担当するのは、保健所のセキュリティ対策をあまり知らない者がほとんどだという中で、立入検査の担当者向けにも手引きというものをつくっておりまして、どういう趣旨でこういった検査を行わなければならないのか。それから、ガイドラインのどこを見なければならないのかということについても、併せてお示ししているところでございます。このセキュリティについては、医療機関だけでやるのはなかなか難しいというような御意見もいただいているのですが、まずは医療機関でやらなければならないことがあるのは実際です。なので、こういった取組を医療DXとともに進めていくことで、セキュリティ対策も確保しながら進めていきたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま説明があった内容につきまして御意見、御質問等いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。
 1点質問させてください。今、御説明がありました中で、立入検査担当者は保健所の職員が想定されているというところで、担当者向けの立入検査の手引きをつくられているということでしたが、具体的にそういった立入検査を担当される方、担当職員向けの研修会の予定などはあるのでしょうか、教えてください。
○遠藤部会長 事務局、お願いします。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 現時点で研修会の予定はございません。ただ、私どものほうで、今、こういったことをお示ししたので、室のほうにもいろいろとお問合せをいただいているところでございますので、必要に応じて検討させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 佐保委員、よろしいですか。
○佐保委員 ありがとうございます。
○遠藤部会長 では、オンラインで加納委員、お願いいたします。
○加納委員 ありがとうございます。
 今年度はなるべく負担がかからないようにという配慮、ありがたく思いますが、今年度はチェックについて費用がかからなくても、右側の令和6年度を見ると、バックアップをしなければいけないし、セキュリティのバージョンアップを必ずやっていかなければいけないとか、これら、先ほどの話の繰り返しになるのですが、本当に費用負担がのしかかります。そういったことと同時に、そのバックアップの機械自体が、我々がこの前から注文してもなかなか入らないような状況もございますので、そういったことも踏まえて、今度の立入検査の担当者にその点の配慮もするようにという御指示をぜひともお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 では、小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 ありがとうございます。
 ただいまも加納先生からお話がありましたように、サイバーセキュリティは非常に大切なことだと考えております。ただ、それにつきましては、非常に事細かに検討していくといろいろな対応を考えなければならないということがあって、令和5年度は、差し当たって、ここに書いてあるチェック項目を満たしてくださいということですけれども、恐らく、今後、毎年チェック体制が厳しくなっていくだろう。それにはいろいろな対策を立てなければいけないだろうと私どもは考えているところであります。
 ただし、それは割と余裕のあるといいましょうか、実際に電子カルテを非常によく使っている大病院などの場合でありまして、小さな病院では、ここに書いてあるチェック項目ですら、病院に保健所から立ち入りがあったときにできるか、できているかという問題は、どうしてもあると思うのですね。先ほどお話があったように、令和5年度中に柔軟な体制で臨みたいというお話がございましたけれども、令和5年度全体をかけても、ここに望まれているようなチェック項目が取れるのか。もし取れなかったら、それは立入検査ですから、病院の運営に非常に大きな影響を及ぼすことになるのではないかと思うのですが、今後の年度ごとの先ほど言った見通しも含めて、厚労省としてはどうお考えなのかということをちょっとお知らせいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、コメントをお願いいたします。
○参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 医療DXを含め、オンライン資格確認と医療機関等のデジタル化を進める中で、小さい医療機関だから、専門家がいないから、何も理解しなくていいというわけではないと思っています。つまり、そういった電子化を進める中において最低限守っていただかなければいけないことや、ガイドラインを守っていただかなければいけないこと、理解していただかなければいけないことというのを、我々としてはできるだけ分かりやすい形で、皆様にその都度、お示ししていきたいと思っています。
 1つは、先ほど申し上げたような、読みやすい形のガイドラインの提供。それぞれ経営者だったらどういうことをやらなければならないのか。それから、システムを動かす責任者だったら、どういうことをやらなければならないのか。そういうものをできるだけ分かりやすい形でお示しし、それを読んでいただいて、一定程度理解していただくことというのは、どうしても必要だと思っています。このセキュリティ対策も同じで、分からないだけでは多分難しい。なので、そこはどういう形で皆様に情報共有するのか。それから、御理解いただくための研修の仕組みといったものを適切に厚労省としては提供し、そういったものをお知らせしながらお取り組みいただきたいと思っています。
○遠藤部会長 小熊委員、いかがでしょう。
○小熊委員 おっしゃることはよく分かるのですが、厚労省からの立ち入りに来られる担当者も、今のところ、まだ細かい所のわかる人はいないのですという言い方を先ほどされたと思うのですが、そういう状況の中で、我々病院サイドに理解してほしい、対応してほしいということを望まれるのは、ちょっと厳し過ぎるのではないかと私は思います。もちろん、しないということを言っているわけじゃありませんし、サイバーセキュリティの重要さというのを我々は実感しておりますので、分かるのですが、立入検査ですから、公的に対応があるわけで、その辺をもう少し病院サイドに分かるように丁寧に御説明あるいは指導いただけないかと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。どうもありがとうございました。
 では、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 今回、医療機関向けのチェックリストと併せて、立入検査担当者向けのマニュアルをお示しいただきました。立入検査時には、このマニュアルやチェックリストを活用させていただきます。これらの資料は、大変分かりやすい言葉で記載された内容と伺っておりますが、立入検査を行う保健所の職員は、先ほど佐保委員から御指摘がありましたように、サイバーセキュリティに対する十分な知識を持ち合わせていない職員が多いのが実態でございます。マニュアルを生きたものとするためにも、国主導によりまして、病院、そして立入検査の前提となるサイバーセキュリティに関する基本的な研修等を開催していただくようお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承らせていただきます。
 それでは、荻野委員、お願いいたします。
○荻野委員 ありがとうございます。
 私からも意見を1点、短く申し上げさせていただきたいと思います。資料でお示しいただいたとおり、薬局も機微な情報を取り扱っておりますので、サイバーセキュリティ対策に取り組む必要がございます。サイバーセキュリティ対策に係る取組について具体的な対策をお示しいただく際には、ぜひ医薬・生活衛生局とも連携して御対応いただきたい。例えば、このチェックリスト等も薬局でも使えるような御検討をお願いしたいと思ってございます。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 ほかに御意見等ございますか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。それでは、本件はこれぐらいにさせていただきます。
 最後のアジェンダでございますが、「「経済財政運営と改革の基本方針」等の閣議決定について」、これについて事務局から説明をお願いします。
○総務課長 医政局の総務課長でございます。
 資料4に基づきまして、6月に閣議決定されました各種方針・計画につきまして、医政局の関係部分を御説明させていただきます。
 1ページ目でございます。感染症の対応ということで、5月から5類に変更されているということでございますが、様々な施策について段階的な移行を進めるということ。
 それから、中段以降ですが、次なる感染症危機の対応に万全を期すということで、組織関係の制度改正の法律が成立しておりますので、内閣感染症危機管理統括庁を今秋に設置するということ。そういう中で、新型コロナへの対応の検証を踏まえて政府行動計画を見直すという記載がございます。それから、国立健康危機管理研究機構の設置の法案も成立いたしましたので、これを2025年以降に創設していく。併せて、改正感染症法に基づく協定締結あるいは保健所の体制強化、人材育成等々に対応していくということが記載されているということでございます。
 その次、2ページでございます。ここに提供体制の具体的なことがいろいろと書いてございます。今後の高齢者人口の更なる増加と人口減少に対応して、限りある資源を有効に活用しながら、必要な質の高い医療・介護サービスを受けることができる体制を確保していくということでございます。
 次の2つ目のパラの辺りから具体的なことが、かなり細かいですけれども、書いてある。地域医療構想の推進。それから、かかりつけ医機能につきましては、関係の法案が成立したという中で、着実な推進ということでございます。先ほど御説明しました医療法人のデータベースの記述、実効性のある医師偏在対策。それから、働き方改革の関連もございますが、医師不足地域への大学病院からの医師の派遣の継続を推進するといったことが記載されております。
 それから、最後の段落につきましては、先ほど種々御意見を頂戴いたしました工程表に基づいた取組を進めていくということが具体的に記載されているということでございます。
 次の3ページに参りまして、こちらも医療の関係、社会保障の関係ということでございます。
 一番上でございますが、歯科の関係につきまして、いわゆる国民皆歯科健診に向けた取組を進めていくということ。口腔健康管理等々、歯科医療体制の構築・強化に取組むということでございます。
 中略の後、創薬力の強化ということで、医薬品・医療機器といったものの開発体制、支援の強化をしていくということが記載されてございます。
 また中略の後で、急速な高齢化が見込まれる中で、賃上げとか業務負担軽減が適切に図られるよう取り組む。ロボットの導入等々も含めた記載があるということでございます。
 最後、一番下のところでございますが、6年は同時改定の年だということがございますので、同時改定に関して、物価高騰、賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担・保険料負担への影響を踏まえて、患者・利用者が必要なサービスが受けられるように必要な対応を行うという記載になっているということでございます。
 以上がいわゆる骨太方針ということでございます。
 それから、4ページからは新しい資本主義の実行計画の改訂版でございます。
 簡単ではございますが、医療・介護DXの推進ということ。先ほど御説明したサイバーセキュリティも含めた推進をしていくということでございます。
 それから、4ページの下のほうは創薬の関係ということで、科学技術・イノベーションというものを創薬分野でもしっかり進めていくという記載でございます。
 次の5ページに参りまして、こちらも同様の記述でございますが、創薬のエコシステムという話。
 それから、下のほうはサイバーセキュリティという記載でございます。
 6ページは、続きで、骨太でも出てきたような話でございますけれども、医療・医薬品・医療機器ということで、イノベーションに取り組んでいくということが記載されているということでございます。
 次の7ページ以降が、今度は規制改革の実施計画ということでございます。こちらに関しては、最初のほうは感染症の検査・診療体制の整備ということを記載しておりますが、主にはデータに関して、情報の連携基盤といったものをしっかり構築していくという記述がされているということでございます。
 それから、8ページに参りまして、上の1つ目の項目のほうは、昨年、こちらの医療部会でも御審議いただきました中で、オンライン診療に関して、受診の場についてどうするのかということで御審議いただいて、へき地等において公民館等にオンライン診療のための医師非常駐の診療所の開設を可能にしたということでございますが、規制改革のほうとしては、それを踏まえて、都市部を含めて、そういった診療所を開設可能とすることについて、引き続き検討するということが計画に盛り込まれているということでございます。
 それから、下の6のほうは、プログラム医療機器の開発・市場促進という記載がされているということでございます。
 次のページに参りまして、ちょっと細かいので、主な項目の御紹介ということでございますが、10ページの11番でかなり細かい記載になっておりますが、タスクシェアということで、これから高齢者の方が増えていく中で、在宅でどういうふうに地域医療を確保していくのか。その際に、医師と看護師のタスクシェアということで、どういった形でやっていくのが地域医療・在宅医療を確保することにつながるのかという現状の実態の把握とか、何か支障があるのであれば、そこについてどういうふうな措置を考えていくのかということで、かなり細かい記述でありますが、そういったタスクシェアの検討に関する記述があるということでございます。
 それから、11ページでございます。こちらについては、同じように、今度は在宅の中で円滑な薬物治療について、どう考えるのかということで、主に薬局との関係におきまして、タスクシェアというのはどういうふうに考えていくのかということが記載されているということでございます。
 簡単ではございますけれども、御紹介としては以上でございます。こういった閣議決定がなされているということを踏まえて、今後、具体化すべきものに取り組んでいくということでございます。説明、事務局からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの発言内容につきまして御意見、御質問等いただければと思いますが、いかがでございましょう。
 角田委員、お願いいたします。
○角田委員 日本医師会の角田です。ありがとうございます。
 8ページ、通所介護事業所、公民館等でのオンライン診療が掲載されております。昨年、議論の過程では、へき地とか離島等における活用として一定の結論が得られたと考えております。私ども、医療の質をしっかりと担保するという立場から言いますと、これはあくまで医療資源が不足する地域の患者さんのために認められたものと理解しております。
 一方で、デジタルデバイスに明るくない方、それは都市部にもいらっしゃるわけですが、医療機関がある都市部で、わざわざ医師のいない医療機関に足を運ぶ必要があるのかどうかということは、これから十分議論すべきだと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、井上委員、お願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。
 先ほど事務局のほうから御説明あったとおり、今回の骨太方針、新しい資本主義の実行計画の改定版を提供体制という観点から見ると、2ページの頭のところに、人口減少に対応して限りある資源を有効に使っていくというのが一番重要な観点かと思うのですけれども、今回の骨太方針と新しい資本主義の実行計画で共通のテーマというのは、社会課題の解決をどうやって成長に結びつけていくかという観点からの議論が多かったと思います。その観点からすると、先ほどいろいろ御議論ありましたけれども、医療DXの推進と、創薬を含めたイノベーションの推進、この2点が重要な課題になってくると思います。
 この2点につきましては、もちろん医療の提供、サービスの質の向上とか、制度の持続可能性を高めていくということなのですけれども、それのみならず、日本の国力・国際競争力の強化であるとか、これからの社会課題を解決することで雇用とか経済成長の好循環に結びつけるという、新しい資本主義の中心となる重点分野だと思うのです。したがいまして、今回のこの閣議決定の方針に基づいて着実な政策の実行をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、松田委員、よろしくお願いします。
○松田委員 規制改革会議では、個別の規制改革のいろいろなテーマが挙がっているわけですけれども、こういうものが全体の仕組みの中でどういう位置づけになるのか。それを全体の中で変えることによって、どういうほかへの影響があるかということも踏まえて考えていかないといけないのかなと思っています。個別に救急救命士のこととか、いろいろ書いてありますけれども、救急医療全体の中で、それをどういうふうに位置づけるのかとか、在宅医療も慢性期医療という大きな流れの中で、それをどういうふうに位置づけるのかとか、そういうことをやっていかないと、結局は実装できないと思うのですね。
 単なる実験で終わってしまうことになってしまうので、全体の中での議論というのを、多分、これは厚労省のほうから打ち返さないと、内閣府の規制改革会議のほうでは分からないと思いますので、ぜひ全体の中での位置づけというものに関して、厚労省のほうから打ち返していただけたらなと思います。
 以上です。これは意見でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。事務局も御対応、よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。これはよろしゅうございますか。ありがとうございました。
 それでは、御発言は大体いただけたと思いますので、本日の議論はこのぐらいにさせていただければと思います。
 それでは、事務局は何かございますか。
○医療政策企画官 次回の医療部会の詳細につきましては、決まりましたら、また改めて御連絡させていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 本日は大変活発な御発言をいただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、本日のアジェンダ、以上で終了いたしましたので、会議はこれにて終了したいと思います。どうもありがとうございました。
(了)