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2018年3月9日 第113回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成30年3月9日10:00〜


○場所

厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

委員(五十音順、敬称略)

明石 祐二、漆原 肇、勝野 圭司、熊崎 美枝子、栗林 正巳、佐保 昌一、城内 博、高田 礼子、
土橋 律、中澤 善美、縄野 徳弘、増田 将史、三柴 丈典、水島 郁子、水田 勇司、最川 隆由、
矢内 美雪

事務局:

田中 誠二 (安全衛生部長)
久知良 俊二 (計画課長)
奥村 伸人 (化学物質対策課長)
木口 昌子 (環境改善室長)

○議題

(1)労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)機械等検定規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3)その他

○議事

○土橋分科会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第113回「労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。

 本日の出欠状況ですが、公益代表委員は山口委員、労働者代表委員は青木委員、袈裟丸委員、使用者代表委員は中村委員が欠席されております。

 田中安全衛生部長は、国会対応のため外されています。

 傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。

 それでは、議題に入ります。議題(1)の「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案要綱」(諮問案件)について、まずは事務局から説明をお願いします。

○奥村化学物質対策課長 化学物質対策課長です。私からは資料1−2を使いまして、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案」につきまして御説明したいと思います。

 まず、石綿につきましては平成18年、労働安全衛生法により全面禁止、具体的には製造、輸入等が禁止されております。その施行以前から使用されている石綿製品につきましては、引き続き使用可能。石綿分析用試料等は、在庫を卸すこと、卸して使うことも使用可能ということになっております。

 1ページ開いていただきまして2ページで、石綿の現状、課題について御説明いたします。過去に、建材として石綿が使われている建物が多くなっております。その解体等により、石綿建材が原因となって毎年多くの方が労災認定されているところではあります。こういった石綿建材を利用している建物の解体棟数は2030年頃をピークに、現在よりさらに増加していくという見通しになっております。今後の解体工事における労働者の石綿ばく露対策の徹底が重要な課題となっているところでございます。

 3ページ目の「石綿分析等に関する規制の現状」でございますけれども、石綿の製造禁止につきましては製造・輸入・譲渡・提供・使用が原則禁止になっている。その分析試料やその現在量は、禁止前に輸入・製造されたものに限り、譲渡・提供・使用は可能であるが、新たな製造・輸入はできないということになっております。

 原則と言いましたけれども、試験研究を目的とする場合には、労働局長の許可を受けた場合に限り、製造・輸入・使用が可能となっておりますが、しかし譲渡はできないということになってございます。

 建物の解体に関しての規制でございますが、石綿があるか、ないか、その建物を解体する前に事前調査を行う。それに応じて、解体についての対策を講じるということになってございます。

 4ページ目でございます。「石綿分析等における課題」でございますけれども、平成18年以降、製造禁止になっており、譲渡提供ができないというのは分析に使う「標準試料」も同じように規制がかかっております。石綿にはクロシドライト等6種類ございますけれども、そのうちの石綿の一部の種類においては在庫がなくなっておりまして、その他の種類石綿も近い将来、在庫がなくなるような状況でございます。

 石綿の分析には「標準試料」というのが必要でございまして、それと照らし合わせて自分が建設現場から持ってきたサンプルについて石綿があるか、ないかを分析するというときに「標準試料」が必要なのですが、それがなくなってくると支障が生じるということであります。

 また、分析者におきましても若い新たな人材が必要でございますが、教育用のためにもそういった石綿の教育用の資材も必要ということでございますが、それが不足してくると育成にも支障があるということがございます。

 さらにマル3でございますけれども、分析作業におきましては局所排気装置が必要になります。その局所排気装置を屋外に設けることは、なかなか困難な場合があります。

 例えば、貸しビルにおきまして分析を行う場合に、建物に穴をあけてというのは大変でございますし、あるいは移動性、機動力が必要で、解体現場に車で出向いて、その車の中で、ワゴン車のような中で分析を行うというようなことも行う場合には、排気口を外に出して実施いたしますと、かえって外から粉じんが入ってきて、分析の精度が損なわれるというような問題もあります。こういったことから、分析に関しての何らかの対応が必要ということになっております。

 5ページ目でございますが、以上のような問題を踏まえて施行令と石綿予防規則の改正を考えております。

 まず、政令の改正でございますが、製造、輸入、譲渡、提供、使用の禁止から、分析用試料の石綿を除外する。さらに、教育用の試料につきましても除外するということを考えております。

 マル2でございますけれども、そういった石綿の試料等を製造するときには大臣の許可を必要とするということで、製造時の安全性を確保したいというふうに考えているところでございます。

 6ページに移っていただきます。これは、石綿則等でございまして省令の改正案でございますけれども、石綿分析用試料として製造が認められる要件といたしまして次の要件を定める。製造・輸入・使用時につきましては、所轄の労働基準監督署長への事前の届け出の実施。

 譲渡・提供時には、石綿を堅固な容器に入れる等の措置を必要とする。

 マル2でございますが、製造許可の基準といたしまして次の基準を定める。

 製造時には、製造設備は密閉式の構造とする。床等の清潔面、石綿分析用試料を製造する者は石綿の分析等、石綿による健康障害の予防について必要な知識を有すること。

 容器につきましては、堅固なものとする。

 保管につきましては、一定の場所を定め、見やすい箇所に表示すること。

 石綿分析用試料を製造する者は、保護前掛ですとか保護手袋を使用すること。

 製造設備を設置する場所には立ち入ることを禁止して、その旨を見やすい箇所に表示すること。立ち入り禁止について表示することを考えております。

 マル3でございますけれども、局所排気装置の要件でございます。排気口を外部に設ける。外部に排気するようにするということを改めまして、適切な粉じんの排出防止措置を講じる場合には屋内に排気口を設けてもよい。具体的には、HEPAフィルター以上の高性能のフィルターで石綿粉じんを全部除去すれば屋内に排気してもよいと考えてございます。

 7ページ、参考資料につきまして、「参考」になっておりますが、化学物質対策課が設けております健康障害防止に係る検討会、これは特化則に物質を追加するときなどにどういった対策が必要かを検討していただく検討会を設けておりますけれども、この検討会にこの対策をお諮りしたところ、今申し上げたような内容であればよいのではないかというふうに了解を得たところでございます。

 石綿の分析につきましては、取り扱いが少量であって発散がそれほど多いものではないということが着目され、それであればフィルターでろ過して屋内排気しても十分ではないかというふうにコメントいただいております。

 8ページ目でございますけれども、これは今、行われております分析機関で行われている分析作業における石綿粉じんの発散状況でございます。任意の協力を得て提出していただいたものですけれども、右から2番目の列に総繊維数の濃度が不検出というものが並んでおります。石綿が検出されなかったというものと、下から3つ目の18、これは管理濃度の10分の1程度のランクでございますけれども、こういったものが検出されております。したがいまして、この発じんによる労働者の健康リスクというのは相当程度小さいというふうに考えております。

 9ページでございますが、これは石綿障害予防規則の概要でございます。今回の改正によって分析用の標準試料の製造が行われ、分析は今までどおり行われていますけれども、製造が新たに行われます。そのときにどういった対策がかかってくるかと申しますと、局所排気装置ですとか湿潤化、左手のほうのばく露防止対策としての保護具の着用、立ち入り禁止、管理としましては作業主任者の選任、定期自主検査、右手のほうにいきまして付着物の除去、これは外に持ち出さない。石綿粉じんを持ち出さないというような対策でございます。それから、健康診断ですね。こういったものが今回新しく導入される工程において必要になるということになります。

 私からの説明は、以上です。

○土橋分科会長 それでは、ただいま御説明いただいた要綱案の審議に移りたいと思います。質問等、発言のある方は挙手をお願いします。

 水田委員、どうぞ。

○水田委員 今、説明をいただきましたけれども、資料の2ページの石綿関連疾患の労災認定件数についてです。毎年、約1,000人が労災認定を受けているということですけれども、労災認定前に石綿関連の疾患で既に亡くなられている方も多数いらっしゃると思います。そうしたことも踏まえると、実態としては公表値以上の方がり患しているのではないかと推察できます。

 加えて、石綿ばく露後、30年から40年という長期間を経過した後に発症するということを踏まえると、今後も石綿による疾病者数の増加が懸念されますので、資料の4ページのマル2に記載をされております石綿の調査・分析の精度向上が必要だと思います。

 その上での確認でありますけれども、現行の国内の分析機関、あるいは技術者数で今後増加が見込まれる解体棟数に対応できるのか、あるいは増員が必要となるのかなどについてお伺いしたいと思います。

○土橋分科会長 どうぞ。

○奥村化学物質対策課長 化学物質対策課長の奥村です。

 これから10年ぐらいの間に1.5倍になるということですので、それまでの間にニーズは高まってくると思っております。石綿の分析ができる機関ですとか、分析者の育成は私たちにとっても重要な課題だと思っております。

 今も、分析につきましてはJIS規格でかなり細かく定められておりまして、それに基づいて分析がきちんと行われていれば石綿を見逃すことはないというふうに私は考えておりますけれども、分析者の能力の確保が大事な課題でございますので、私ども委託事業などによって分析者の育成は今でもやっていますけれども、引き続き増強いたしますし、実際の分析者の能力をテストして、確認して必要な対策を講じる。例えば、マニュアルをさらに充実させるというようなことを考えております。

 いずれにしましても、分析で石綿が漏れるということはあってはならないことですので、関係省庁とも連絡、相談しながら、漏れのない対策を講じていきたいと考えているところです。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。

 それでは、ほかにいかがでしょうか。

 増田委員、どうぞ。

○増田委員 6ページ目のマル2の上から3つ目の「・」のところですが、「健康障害の予防について、必要な知識を有する者であること」とありますが、必要な知識を有していることはどのように確認するのでしょうか。必要な知識を有する者の定義づけを教えていただければと思います。

○土橋分科会長 お願いします。

○奥村化学物質対策課長 石綿等の試料の製造等の作業に従事する方につきましては、石綿による健康障害ですとか、石綿の性質、石綿粉じんの発散防止のための具体的な措置、それから適切な保護具をどう正しく使うか、こういったことが必要と考えております。

 こういったことを製造許可の申請の中で、安全衛生教育の実施状況ですとか、どういった講師を使っているのか、こういったことから確認したいと思っております。

○土橋分科会長 どうぞ。

○増田委員 ありがとうございました。

 もう一点、よろしいでしょうか。下から2つ目の「・」で、「保護前掛及び保護手袋を使用すること」とあるのですが、ここまでの対策がそもそも必要なのでしょうか。

 といいますのは、7ページ目にも真ん中あたりに「石綿分析の作業は、石綿の取扱量が少量であり、石綿粉じんの発散が少ない」と、そもそもかなり少ないというのを前提とした作業であるように思われますし、それからアスベストそのものが体についたり、手についても、深刻な健康影響を及ぼすとは考えにくく、基本的には呼吸器系から体に入ってきた場合が問題であって、皮膚とか体につくこと自体はそれほど問題にはならないのではないか。

 ですから、ここに記載されている内容の対策まで必要なのかどうかについて教えていただければと思います。

○奥村化学物質対策課長 確かに、分析のラボではそれほど発じんはいたしませんが、ここに規定しておりますのは、標準試料のために石綿を製造する場所でございます。

 原石を砕いて繊維化するというような作業はかなり発じんが伴いますので、そういったところでは保護前掛や保護手袋を使用して外への持ち出しを防ぐということが必要かと考えてございます。

○土橋分科会長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 そうであれば、呼吸器系からのばく露というのは無視できないのではないかと思うのですが、ここの2つだけで問題ないということでしょうか。

○奥村化学物質対策課長 呼吸器系につきましては局所排気装置が必要条件でございますので、局所排気装置をつけてそれが適切に稼働していれば労働者は発じんしない。それが製造要件として定められておりますので、そこは呼吸用保護具は製造許可基準としては規定していないというところでございます。

○土橋分科会長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 しつこくて済みません。

 呼吸器系のばく露が問題ないレベルであれば、なおさら保護前掛や保護手袋までは必要ないんじゃないかと思うのですが。

○奥村化学物質対策課長 済みません。ちょっと説明が悪かったかもしれません。

 経気道ばく露につきましては、局所排気装置で十分防げると考えておりまして、作業衣にこの繊維がついたまま外に出て、家に帰って洗濯をして、それで奥様が中皮腫になったというような事例も昔、問題になり、石綿則にもこういった持ち出し禁止というものが規定されております。

 そういったことで、石綿の分析試料を製造する作業場から石綿が外に持ち出されないということを担保するためにこういった前掛、保護具というものの規定があるということでございます。

 さらに、9ページ目でございます。付着物の除去をして外に出ていくことと32条の2、右手のほうですけれども、こういったものも同じような意味で持ち出しの禁止の規定としてございます。今回は、これが形の上でそのまま製造に必要なものとして適用になるというふうに御理解いただければと思います。

○増田委員 承知しました。ありがとうございました。

○土橋分科会長 では、熊崎委員お願いします。

○熊崎委員 今回の御検討で石綿を製造禁止物質から除外されるということを御提案されているわけですが、そうするとほかの有害物質と同様にリスクアセスメント義務や、SDSの交付義務なども課せられるのでしょうか。

○奥村化学物質対策課長 現在、リスクアセスメントとか、安全データシートの対象義務にはなっております。ただ、法令の適用を受けている物質につきましては・・・。すみません。説明を間違えました。5ページ目の下の「※」をごらんいただければと思います。譲渡、提供が可能になることに伴って、表示と通知と危険性、有害性情報の調査、リスクアセスメントの対象として石綿分析用試料を追加することになります。

○熊崎委員 ありがとうございました。

○土橋分科会長 勝野委員、お願いします。

○勝野委員 6ページの先ほど増田委員が御質問されたところで、私も前掛なり保護手袋を使用するということについては、基本的に被服に付着をして外部に持ち出される可能性があるという点からすると必要なことだと思っております。

 その上で、先ほど言いましたマスクは必要ないということについては、幾ら排出防止装置を講じていたとはいえ、その室内に滞留するものを吸い込まないための措置ということは当然必要になると思っておりますので、その点についてもう一回御意見をお聞かせ願いたいと思います。

 もう一つは、その1つ上の保管の件なんですが、基本的に石綿自身はリスクの最も高い物質の一つであるということになっているわけでありますので、そういう点からすると表示をする、保管については一定の場所を定め、見やすい箇所に表示をするということだけでいいのかというふうに思います。

 基本的には物は小さいというふうに思いますけれども、施錠のできる状態で保管なり管理をするということが必要になるのではないかと思いますので、2点、御意見をお聞かせ願えればと思います。

○奥村化学物質対策課長 石綿の健康リスクでございますけれども、粉じんを吸うことによる中皮腫肺がんというのは御案内のとおりですが、特化則におきましてもやはり発がん性の物質が多く規制されております。それで、局所排気装置というような規定が求められているところでございます。

 マスクにつきましてですが、石綿が製造禁止になった大きな理由は、発がん性の強さというよりも管理の難しさにあると理解しております。国際的に製造禁止になっておりますが、ヨーロッパは必ずしも全面禁止ではなくて、吹きつけ石綿に限っての禁止というのがEUの指令でございますし、アメリカではいまだに一部の使用が認められているという状況でございます。

 ただ、国際的に禁止になっているのは、建材として利用されてしまうと後々まで長期にばく露がある。それは建物利用者だったり、解体の労働者だったりするということの管理の難しさが理由での制度となっているということでございます。

 このため、その製造時に管理して使う部分には通常の特化則の対象物質と同じように、局所排気装置で封じ込めをして作業を行うのであれば、必ずしもマスクは必要ではないというふうに考えておりまして、製造時に関しては局所排気装置を適切に稼働すればマスクは要らないというふうに考えているところでございます。

 その次の御指摘でございます。保管につきましてですけれども、法令では石綿の取り扱い関係者の立入禁止をしてその旨、表示すること、それの保管には一定の場所を定めること、堅固な容器に入れること、さらに容器には名称等、石綿というような表示をするという安衛法第57条での規定がございます。

 施錠につきましては、そういったことでかなり事業場での管理の詳細の部類に入ってくると思います。施錠につきましては、通達において、施錠することが望ましいとか、そういう方を推奨していきたいというふうに考えているところでございます。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。

 勝野委員、どうぞ。

○勝野委員 保管の問題については通達で対応していただけるということで、それをぜひよろしくお願いします。

 マスクの問題は、室内から外に出さないということであれば、それはそれでそういうことだろうと思うんですけれども、基本的に作業者のばく露防止という観点からすると、防じんマスクといいましょうか、マスクということは私自身は健康管理という点からすると必要なものだというふうに理解をするのですが、それは必要ないということになるんでしょうか。

○奥村化学物質対策課長 つけたほうが望ましいとは思いますが、法令で求めるレベルかどうかというと、不要ではないかと考えているところでございます。

○土橋分科会長 高田委員。

○高田委員 今、局所排気装置のお話が出ておりますけれども、やはり局所排気装置を適切に管理して使用しないと漏洩する危険等はあると思いますので、そちらの適切な管理というものについても実施していただきたいということで、改めてよろしくお願いいたします。

○奥村化学物質対策課長 定期自主検査なりを徹底せるということを考えております。そういった管理を徹底するような施策を講じていきたいと思います。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。マスクにつきましては、しっかりと局所排気をやれば抑えられるという中で、法令で求めるところまでは必要ないという御判断かと思います。ほかにございますでしょうか。

 佐保委員、どうぞ。

○佐保委員 私のほうからは、4ページのマル2の3つ目の「・」について発言をさせていただきたいと思います。

 この中で、事前調査で石綿を見落とす事案が散見されているという記載があります。こうした事案をなくすために、実物を用いた教育が重要であるということは理解をしております。

 一方で、事前調査を行ったものの、石綿の使用の有無が明らかになっていない場合の、いわゆる「みなし対応」を行っていない事業者も一定数存在するのではないかと想定されるため、そうした事業者の監視・規制強化に向けて、厚生労働省としても環境省や国交省との連携をお願いしたいと考えます。

○土橋分科会長 事務局のほうからございますか。

○奥村化学物質対策課長 御指摘のとおり、見落としがないように、第13次労働災害防止計画にも届け出の見落としがないような方策を講じる、検討するというふうに記載してございます。関係省庁と相談しながら、よく対策を考えていきたいと思っております。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

 漆原委員、どうぞ。

○漆原委員 連合として、やはりこういったアスベストの対策を推進する上で教育訓練ですとか、精度を向上するための経験を積むということは意義があると考えております。

 また、最初のページで解体の話がございましたが、解体以外にもリフォームによってばく露する可能性もあると思いますので、より一層の注意喚起が必要ではないかと思っています。

 やはり、分析の精度を確保するためには、多様なサンプルを用いて経験を積むということは確かにそうなんですが、国内に以前からある分析方法のJIS1481の2にと、ISO2262方式という2つの分析方法がございまして、この2つは定性か定量かというアプローチの問題があるので、分析の結果に若干差が出ることもあると聞いています。その分析の精度を高める観点から、1つに絞ることがいいのかどうなのかは別にして、今後どういう方法でどのように精度を高めていくかということについて、引き続き検討をお願いしたいと思います。

○奥村化学物質対策課長 石綿の分析方法のJISにつきましてはISOとの整合化を進めておりまして、今はほぼ整合がとれているというふうに承知をしております。

 エックス線解析装置を使うものと、光学式の顕微鏡で見るものと、大きく2つに分けられるんですけれども、それぞれ得手不得手があるようでございます。

 例えば、本当に何が入っているかわからないものをとりあえずチェックするスクリーニングのような場合にはエックス線のほうが簡便でございますし、精密に見る場合には光学式のほうがいい。ただ、手間と時間、労力がかかるということがございます。

 いずれにしましても、適宜必要な最も望ましい分析方法を利用できるように、分析者の能力の向上も必要でございますし、そのためにはマニュアル等、先ほど申しました対策も必要でございますので、質の向上を図っていきたい。分析者の資質の向上を図っていきたいと思っております。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。

 高田委員、どうぞ。

○高田委員 アスベストの建材の分析に関しては、現在、厚生労働省の委託事業の検討会がありまして、そこでアスベスト分析マニュアルというものを出しております。そちらは専門家の先生方がマニュアル作成をしておりますので、そちらに従って適切に分析をしていただくというのがよろしいかと思います。発注者の方にも、そういうアスベスト分析マニュアルに基づいた分析が必要であるということをぜひ理解していただきたいと思いますので、重ねてよろしくお願いいたします。

○土橋分科会長 御意見いただきました。ほかにいかがでしょうか。

 勝野委員。

○勝野委員 冒頭の水田委員の御質問の中で、調査研究等の分析機関と申しましょうか、対象となる事業所についての御質問があったかと思うんですけれども、大体扱っている事業所の数というのはどれぐらいあるんでしょうか。

○奥村化学物質対策課長 200以上は確かにありそうなんですけれども、幾つかというのは、数百という数字ぐらいしか具体的には申し上げられません。

○勝野委員 施行日が6月1日ということになっておりますけれども、対象事業所が明確になっていれば、こういった周知等々について比較的短期間に周知をすることができるかと思いますが、対象事業所が余り明確になっていないというようなことであれば、そうした周知等の徹底についてしっかりと対応していただきたいと思います。

 実際には、認可なり登録が必要ないということだろうと思いますので、どこが扱っているのかわからない状態でこういった改正があるということになるわけですから、厚労省としてしっかりとした周知、指導等々をお願いしたいと思っております。

○奥村化学物質対策課長 分析機関への周知につきましては、御指摘のとおり重要な問題だと思っております。分析機関の団体が幾つかございますので、そういった団体を通じて周知するのはもちろんですけれども、団体に入っていないアウトサイダーも中にはあります。そういったところに対しては、その分析の発注者は事前調査の団体がまた幾つかございますので、そういった団体を通じての情報提供を考えています。また、発注者に対しても、こういう改正が行われたので対応できているところを選んでくださいという案内もできますし、さらにその上の発注者、それは解体の元請、ゼネコンになりますけれども、そういったところからも石綿の分析の精度をちゃんと保てるような分析機関を選んでくださいというような案内をしたいと考えております。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。ほかに御発言ございますでしょうか。

 城内委員、どうぞ。

○城内委員 アスベストは今まで時代的にいろいろな変遷があって、例えばですけれども、5%未満の場合は表示しなくてもいいというような製品が出た時期もあったと思います。先ほど事前調査で石綿を見落とす事案というお話もありましたけれども、実は5%以下で表示がないものは、売るほうもつくるほうもアスベストが入っているとは認識していないで施工したという例もかなりあるのだと思っています。

 実際、私の住宅でも屋根のふきかえをするときに、業者さんが持ってきたのはアスベストは入っていませんと言っていたのですが、本当に入っていないか確かめてくださいと言ったら、実は入っていましたという事例がありました。

 ということは、住んでいる人もつくった人も認識していない、例えばスレートとか住宅建材があったと思うのです。そういうものについては、例えばシップリサイクルですと怪しいものは全部分析してリストをつくって譲渡するというようなシステムができているわけですけれども、住宅の場合はそれが適当かどうかは別として、建物の解体そのものは厚生労働省の話ではないかもしれないですが、労働者の健康ということを考えると、やはりその辺も認識する必要があるというか、対応していく必要があると思います。どんなふうにお考えか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。

○奥村化学物質対策課長 3ページに、解体工事における石綿の事前調査を義務づけていると書いてございます。

 この事前調査におきましては、建材に石綿が入っていないかどうかを確かめるんですけれども、例えば、経産省と国交省のほうでデータベースを公開しておりまして、かなり細かい建材、メーカーとか、いつつくられた型番かといったものが掲示されております。ご指摘のように5%未満でAマークが書いていないものもこの中には網羅されておりますので、こういったもので石綿含有建材であれば確認できます。情報のインフラとしては提供されております。

 ただ、データベースには載っていない建材もありますし、そういっても事前調査がなかなか難しいのは間違いないことでございます。

現在、事前調査に関しては石綿の作業主任者が望ましいというふうな推奨はしております。また、国交省の調査者講習を受けた者とか、民間の講習を受けたものが望ましいという規定はございます。それらについて推奨しております。

 これにつきましても、13次災防計画でも掲げておりますように、何らかの検討が必要だと考えておりまして、事前調査者の資格要件のあり方について検討していくところでございます。

○土橋分科会長 ほかに御発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、当分科会といたしましては、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案要綱」につきまして、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。

(委員 異議なし)

○土橋分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で手続をお願いいたします。

 次の議題に移ります。議題2の「機械等検定規則の一部を改正する省令案要綱」(諮問案件)につきまして、まずは事務局から説明をお願いします。

○木口環境改善室長 環境改善室長でございます。

 それでは資料2−2、「機械等検定規則の一部を改正する省令案要綱等の概要について」に基づきまして御説明させていただきます。

 1枚おめくりいただきまして、「防じんマスクの規格改正について」というペーパーをごらんください。粉じんを対象とした呼吸用保護具といたしまして、大きく分けまして、防じんマスクと電動ファン付き呼吸用保護具の2種類がございます。

 この図は、4段に分かれております。まず1段目、「JIS規格(現行)」というところですが、現在のJISでは、まず電動ファン付き呼吸用保護具JIS T 8157、これは昭和57年にできたものですが、この中には大きく分けて標準形と呼吸補助形の2種類が決められております。

 標準形は、面体を持つものにつきましては面体内圧が常に陽圧となる。つまり、顔面と面体の間からの漏れ込みのリスクが大変小さいものです。それから、フードとかフェイスシールドを持つものは、送風量が基準値以上ということで、これも外からの漏れ込みを防止するというものになっております。

 一方、呼吸補助形は平成21年のJIS改正で追加されたものですが、これは着用者の吸気の負荷、息苦しさを軽減するために、電動ファンによって面体内に補助的に空気を送るもので、面体の内部が常に陽圧になるというところまでは求めておりません。ですから、ちょっと激しい動きなどをしますと面体の中が陰圧になる可能性があります。

 それから、防じんマスクにつきましては、JIST 8151の中で大きく分けて、ろ過材が交換できる取替え式と、交換できない使い捨て式に分かれてございます。

 2段下に「構造規格(現行)」というところがございます。右側の防じんマスクにつきましては、防じんマスクの規格で型式検定を古くからやっております。これは取替え式、使い捨て式、ともに型式検定の対象としております。

 電動ファン付き呼吸用保護具につきましては、昭和57年にJIS化されましてから、JISに適合する製品につきましては安衛法上の有効な呼吸用保護具に該当するという解釈を示しておりましたが、平成26年の労働安全衛生法改正におきまして、この2種類のうち標準形につきましては、電動ファン付き呼吸用保護具の規格という構造規格を決めまして型式検定の対象といたしました。

 一方で、呼吸補助形につきましては、面体の中が陰圧になる可能性がありますので、型式検定の構造規格の対象には入れずに、防じんマスクと同等以上の防じん機能を有するものと取り扱うということで運用しております。

 今度は2段目の「JIS規格(改正後)」というところをごらんいただきたいのですが、今般、JISの改正によりまして、従前の呼吸補助形の電動ファン付き呼吸保護具につきまして、取替え式の吸気補助具付きとして、電動ファンではなくて一般の防じんマスク、JIS T 8151の方に組み込むといった改正がなされる予定です。

 これを受けまして、私どもの構造規格の方でも、従前の呼吸補助形を同じように防じんマスクの規格の中に取替え式吸気補助具付きとして組み込んで、型式検定の対象にする。このような改正をいたしたいと考えております。これに伴いまして、機械等検定規則の改正をお願いするということでございます。

 次のスライドをごらんください。「機械等検定規則の一部を改正する省令案要綱について」とございまして、上の「・」に「機械等検定規則の改正」とございます。これは、吸気補助具付きの防じんマスクを型式検定の対象とすることに伴う型式検定の基準等の改正で、1つはまず型式検定の合格基準、合格したものには型式検定の合格標章を貼る決まりになっております。この合格標章を貼る位置につきまして、吸気補助具付きの防じんマスクにも定めたものでございます。例えば、呼吸補助具つきが分解できるものでは、吸気補助具と、ろ過材と、面体のそれぞれにくっつけるといった規定を決めるということです。

 それから、様式の中で防じんマスクの種類ごとに略語を、例えば隔離式であれば「隔」とか、使い捨て式であれば「捨」といった略語をつけるんですけれども、吸気補助具付きにつきましても、例えば吸気補助具付きの直結式であれば「直補」という記号をつけるとか、そういった略語の追加もいたします。

 それから、「防じんマスクの規格の改正」です。こちらは告示でございますが、吸気補助具付きの防じんマスクが具備すべき基準として、吸気補助具付きマスクの種類に応じたマスクの形状を定めること。

 それから吸気補助具の条件として、吸気補助具は電気を使いますので、水や粉じん等の侵入によりその機能に障害を生じるおそれがないといった規定を新たに追加すること。

 それから、吸気補助具付き防じんマスクの性能試験として、粒子捕集効率試験、吸気抵抗試験等を定めること。

 最後に、吸気補助具付き防じんマスクの表示事項として、今までの防じんマスクにはないですが、ファンが回りますので、その騒音のレベルを表示することといったことを定めることとしております。

 今回のJISの改正は、4月の下旬ごろに官報登載を予定しておりますので、これにあわせまして機械等検定規則及び防じんマスクの規格の改正につきましても平成30年5月1日の施行を予定しております。

 御説明は、以上です。

○土橋分科会長 それでは、ただいま御説明いただいた要綱案の審議に移りたいと思います。質問等、発言のある方は挙手をお願いします。

 勝野委員、どうぞ。

○勝野委員 今回の改正について直接の問題ではないんですけれども、防じんマスクの電動ファン付きマスクの積極的な活用については、第13次労働災害防止計画の中でもうたわれているというふうに理解をしておりますが、実際に例えば建設現場で現場の責任者から、マスクをつけていると近隣住民から危険な現場と思われるから外せと、こういうような指示がされたという事例が私どもの組合にも実はきたことがあります。

 そうしたことを考えますと、やはりしっかりと事業者なり現場監督、現場管理者、またはその近隣住民を含めてしっかりとこうしたことについての指導なり、その周知といったことをもう一度徹底をしていただきたい。やはり現場で働く労働者が危険にさらされるということがないように、しっかりと周知、指導をお願いしたいと思っております。以上です。

○木口環境改善室長 貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございます。

 マスクの正しい使い方につきましては、現在、最新の知見をもとに見直しを図っているところでございますが、近隣の周辺の方々の御理解も含めて、必要なものを使うことが大切だということの御理解をいただくための周知方法につきまして、こちらでも改めて検討させていただきたいと思います。御指摘ありがとうございました。

○土橋分科会長 ほかに御発言ございますでしょうか。

 最川委員。

○最川委員 今の件に関しまして、私はマスクをつけるなとか、そういう発言があったというのは初めて聞いたので、私もトンネル現場の防じんマスク、電動ファン付きマスクというのは粉じんを吸わない有効な手段で、本当にそれが作業員を守るものだと思っていますので、しっかりつけていただいて、やっていただいているというのは、ほとんど業界としては私が知っている限りにおいてはつけていただいている。

 逆に、ヘルメットの上から着用ですとか、しっかりした着用をしないと吸い込む可能性も出てくるということもありますので、その辺は一緒にしっかりした保護具を着用というのはやっていく。業界としても同じ方向でやっているということで、ちょっと発言がそういう現場がいっぱいあるというふうに勘違いされると困りますので、そういう方向性で進んでいるというのは了解いただきたいと思います。以上です。

○土橋分科会長 厚労省としても御確認いただいて、必要あれば御指導いただきたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、当分科会といたしましては、「機械等検定規則の一部を改正する省令案要綱」につきまして妥当と認めることとして、よろしいでしょうか。

(委員 異議なし)

○土橋分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で手続をお願いいたします。

 次は「その他」ですが、何かございますでしょうか。

○久知良計画課長 計画課でございます。1点、御報告がございます。

 受動喫煙の関係でございますけれども、本日、朝の閣議で健康増進法の一部を改正する法律案の閣議決定があったということでございます。望まない受動喫煙の防止を図るために、多数の者が利用する施設の区分等に応じて、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するということ、それから当該施設等の管理について権限を有する者が講ずるべき措置等について定めるというような内容でございます。

 今後の動きにつきましては、節目ごとにまた御報告をさせていただきます。以上です。

○土橋分科会長 御報告をいただきました。

 議題としては以上でございますが、全体として何かございますか。

 最川委員。

○最川委員 この件とはちょっと違うのですけれども、少し要望があります。

 今、建設業はキャリアアップシステムを建設業振興基金が進めております。4月から事業者の登録、10月から運用開始ということで目指して今やっていまして、業界としても技能労働者の処遇改善という点で有効ということで進めているところなのですが、やる中で有効なところとしては、資格の登録ですとか、技能のレベルに応じた処遇をするとか、あとは就労履歴などが残るようになっているのですけれども、その資格の確認という点で、キャリアアップカードを持っていれば、特に安衛法上の資格の証明ができるような形に進めていただきたいという要望があります。

 今は、キャリアアップカードでは資格の証明ができない。別に資格の本証を持っていなければいけないと聞いております。今、技能労働者からメリットが余り感じられないという声も多く聞かれて、個人で2,500円とか3,500円の登録料がかかるというところで、その資格の確認というものは、やはりメリットになると思いますので、キャリアアップカードを持っていれば資格が証明できるというような対応に、もしなっていなければぜひ今後お願いしたいというのが要望であります。以上です。

○久知良計画課長 御要望につきましては、担当のセクションのほうにもお伝えをさせていただきます。

○土橋分科会長 全体を通して、何かほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日も熱心な御議論をありがとうございました。

 最後に、事務局から連絡事項をお願いします。

○久知良計画課長 本日も、熱心に御議論いただきまして大変ありがとうございました。

 御了解をいただきました諮問案件につきましては、早急に所要の手続を進めさせていただきます。

 また、今後の分科会につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。以上です。

○土橋分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。

 なお、議事録の署名につきましては、労働者代表委員は佐保委員、使用者代表委員は最川委員にお願いしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 本日はお忙しい中、ありがとうございました。


(了)

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