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2018年3月2日 第130回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

○日時

平成30年3月2日 10:00~11:30


○場所

中央合同庁舎第5号館厚生労働省職業安定局第1,2会議室(厚生労働省12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議事

 

○阿部分科会長 おはようございます。定刻より若干早いですが、出席の委員の皆様がおそろいですので、ただいまから第 130 回労働政策審議会職業安定分科会を開催いたします。

 本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の玄田委員、桑村委員、労働者代表の松原委員、使用者代表の河本委員、深澤委員、吉岡委員が御欠席です。河本委員の代理として、全日本空輸株式会社の秋田様が出席されております。なお、職業安定局長と職業安定担当審議官におかれては、所用のため遅れて着席とお聞きしておりますので、あらかじめ御了承ください。

 それでは、議事に入りたいと思います。議題は、「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針案について」です。本件については、本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛て諮問を受けておりますが、 2 16 日に開催された雇用対策基本問題部会において、あらかじめ本議題に関する議論を行っていただいております。それでは、事務局より説明をお願いいたします。

○雇用政策課長 おはようございます。雇用政策課長です。それでは座らせていただき、御説明させていただきます。私から資料に基づいて御説明します。順番が前後して申し訳ありませんが、参考資料 1-1 の所から、指針の背景の資料を添付していますので、そちらから説明いたします。 1 枚めくっていただくと、働き方改革実行計画というものが書いてあり、働き方改革実行計画を抜粋したものです。線の所を御覧いただくと、「年齢にかかわりない多様な選考・採用機会の拡大に向けて、転職者の受入れ促進のための指針を策定し、経済界に要請する」といったことが盛り込まれているところです。

2 ページ目に工程表があります。こちらも働き方改革実行計画の工程表をそのまま付けている所を赤字にしていますが、同じものが入っているといったものです。左側に、こちらは、この指針の策定だけに限らず、転職・再就職者の採用機会拡大に向けた指針策定・受入れ企業支援等が書かれて、施策に対する課題という形で書かれているものです。左を御覧いただきますと、課題として挙げられているのは、一般労働者の転職入職率が低いこと、転職する労働者には、転職にあたって様々な障害が存在すること、一度でも中高年を採用した企業の採用意欲は高いが、経験がない企業では低いこと、転職市場においては、年齢が上がるにつれて、転職が難しくなることや転職後賃金が減少することが多いといった課題が存在すること、全国で雇用情勢は着実に改善が進んでいるが、分野により偏りがあり、ミスマッチが生じているといったことが挙げられています。

 下に、工程表があります。細かくて見にくいですが、一番上が指針の策定などについてで、検討会、指針策定が 2017 年度という形になっており、それ以降、 2018 年度にかけては経済会への要請といったようなスケジュールが示されているところです。

 こうした働き方改革実行計画を踏まえ、こちらも参考資料として 1-2 を付けております。こちらは新聞発表資料、「多様な選考・採用機会の拡大に向けた検討会」報告書というものを付けておりますが、労働政策研究・研修機構におきまして、この検討を行ったものです。こちらの検討会につきましては、転職・再就職の受入れ促進だけではなく、新卒者の地域限定正社員、こちらにつきましては別途働き方改革実行計画にも定められている部分もあり、こちらについても併せて検討を行ったものです。

17 ページを御覧いただくと、委員の方々の名簿、また 18 ページに検討会の実績が書いてあります。 17 ページは、中央大学の佐藤先生に座長についていただき、また雇用対策基本問題部会の委員でいらっしゃる小野委員にも御参加いただき、検討を進めたところです。 18 ページに検討の開催実績が記載してありますが、 8 月から検討を始め、企業や有識者等からのヒアリングなどを行い、その後、報告書を取りまとめたといったものです。

 この報告書を基本としながら、事務局として、指針案の策定をしてまいりましたが、資料 1-2 、横紙の概要を御覧ください。先ほど御紹介いただきましたように、 2 16 日、雇用対策基本問題部会におきまして御議論いただきました。その際には、概要をお示しし、基本的な方向性について御議論いただいたところです。こちらのお配りしている概要につきましては、先日の議論を踏まえ修正なども行ったものですので、 2 16 日にお示ししたものとは若干内容が異っていることは御了解いただければと思います。

 こちらが概要です。まず、タイトルが「年齢にかかわりない転職・再就職の受入れ促進のための指針」です。転職を希望される労働者の方々が円滑に転職・再就職していただくための指針を定めていることを明確にしているものです。「指針策定の狙い」の所で書いているのは、これは働き方改革実行計画を抜粋したものですので、そのまま先ほど御覧いただいたところの前後なども含めて書かせていただいているところです。最初の○ですが、転職が不利にならない柔軟な労働市場ということが実現されるならば、労働者の方にとってはキャリアを自ら設計できるようになり、企業にとっては急速に変化するビジネス環境の中で必要な人材を確保することができる。国としても労働参加率や生産性の向上といったことがうたわれているところです。 2 つ目の○では先ほど紹介した指針を策定するといったことが言われているところです。

 真ん中の左です。今回この指針の策定にあたり、どういった方々を対象、又は主なターゲットとして考えているのかということをイメージとして書かせていただいているものです。企業ですが、人手不足の中で、事業承継や企業価値向上の担い手となる中核人材を求める中小企業であったり、産業・事業構造の劇的な変化の中で、必要な専門性等を持つ人材を速やかに採用したい企業、また労働者の方につきましては、これまで培ってきた「職務遂行能力」や「専門性」を利用して、キャリアチェンジやキャリアアップを図りたい労働者、国としては、こういった取組を支援するという形での位置付けをしております。

 年齢にかかわりないということを打ち出しておりますが、そういった活躍の可能性につきましてまとめたものが、右側です。まず 1 つ目の○ですが、先ほども実行計画の中でも同じような表現がありました。一度でも中高年齢者の中途採用経験がある企業は、採用に積極的になる傾向があるということ。また、「専門性」だけでなく、職務経験により培われる土台となる「職務遂行能力」、この土台となる職務遂行能力は、いわゆるコンピューターでいいますと OS に相当するものと考えていただければと思います。基礎となる部分ですが、その企業横断的に活躍するために重要であり、職務経験が豊富な労働者の転職後の活躍が期待されるということ。また、転職後の活躍の度合いは、転職による業種・職種の変化にかかわらず、ほぼ同様の傾向にある。こちらは、研究会のヒアリングなどでも有識者の方からの御指摘があったところです。

 最後の○ですが、中途採用された中高年齢者が活躍している好事例を持つ企業の存在。中高年にフォーカスし、採用活動などを行った企業におきまして、非常に優秀な人材が採用できたというような事例が見られるところです。

 その下が、転職指針の中核となる取組です。具体的には本文で、また御説明したいと思っておりますが、現在の我が国の雇用慣行、こういったものをベースとしながら様々な取組を行っていただくことにより、転職を希望される方々が円滑に受け入れていただくための雇用を促進するための取組を記載しているものです。中身につきましては、本文で御説明したいと思います。

 資料 1-1 が指針案です。 2 枚めくっていただくと、「はじめに」というところから入っております。「はじめに」の最初の段落ですが、こちらは「働き方改革実行計画」に記載されている内容を引用しているといったところです。 2 つ目の段落ですが、こちらは職業キャリアの長期化、働き方のニーズの多様化、また、その急速な技術革新、産業・事業構造の変化などにより、企業、労働者双方において中途採用や転職・再就職への要望が強まっているといったことを挙げております。 3 段落目ですが、転職・再就職というものは、様々な場面での発生が想定されるといったことを述べております。しかしながら、年齢が上がるにつれて、なかなか、そのハードルが高まっていくという傾向が見られるということを指摘しております。次の段落ですが、年齢にかかわりなく転職・再就職しやすい環境の整備により、労働者、企業、そして我が国、先ほども御紹介したような文言ですが、こういったものについて大きく寄与することが期待されるということです。 1 ページの下ですが、本指針につきましては、こういった望ましい基本となるべき事項を示すものであるということです。

 次のページが第 1 として、労働市場の現状と見通しについて述べております。まず、第 1 1 ですが、転職・再就職者に係る労働市場の現状です。委員の皆様は既に御承知のことだと思いますが、世間一般的には、新卒一括採用のイメージが非常に強いものですから、転職というのは余り一般的ではないと思われていらっしゃる方もいるということです。そういったことで我が国の転職、ハローワークでの転職でもそうですが、こういったものが決してレアケースではなく、一般的なものであるということを記載しているところです。ただ、先ほども申し上げましたが年齢が高まるにつれて、転職の比率、転職入職率が低くなっていく傾向があるといったものです。希望者に対して、実際の転職者というのも中高年では少ないといったものです。

2 番目が、労働史上の今後の見込みです。 ICT AI IoT などの進展により、産業・事業構造の変化というのが見込まれる。また、職業キャリアが長期化していく中で、ライフステージに合った仕事の選択といったことも考えられることを指摘しております。 2 ページ目の一番下の段落ですが、労働者は、こうした変化に対応するため、まず専門性を継続的に向上させるとともに、職業能力発揮の土台となる職務遂行能力 ( 専門性以外の仕事のやり方、人との関わり方、仕事の適用の仕方等、業種・職種にかかわらず共通して発揮される能力をいう。以下同じ ) と。この土台となる職務遂行能力という言い方をしていますが、ここの用語については様々な言い方があり、この指針の中ではこういった言い方をしているということで定義をしているものです。

3 ページ、第 2 の課題を挙げております。まず第 1 1 で述べたように、年齢が高まるにつれて転職入職率が高まる傾向がある。また、先ほども述べていますが、一度でも中高年の中途採用経験がある企業では、採用が積極的にあるということ。先ほども申し上げましたが、転職後の活躍度合いというのは、転職による業種・職種の変化にかかわらず、ほぼ同様の傾向があるということ。ただ、この、「むしろ」から書いているのは、中途採用だからといって、そのまま何もしない、定着支援をしない場合には離職してしまう。企業に馴染めずに離職してしまうというようなこともありますので、中途採用者においても定着・活躍のサポートが重要であることを述べています。

 さらに、転職・再就職にかかる課題として、「賃金」や「賃金以外の労働条件」が主な離職の理由となっているものです。年齢が上がるにつれて転職時に賃金が上がりにくい現状があるといったものです。そのほかに、自社の社員が取引先などへ転職することを一律に禁止する内規等を持つ企業が存在するといったことなども挙げられたところです。

 第 3 の目指すべき方向性です。第 4 で具体的な取組を書いており、それをまとめた形で記載しているものです。年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のためには、企業が人物本位、能力本位の採用を行っている観点に立ち、中途採用者に対する職業能力、ここで言う職業能力というのは、先ほど申し上げている専門性や職務遂行能力を含む概念で使っており、これを明確にした上で求められる専門性や業種・職種にかかわらず共通して発揮される職務遂行能力について、適正な評価に努めることが望まれるということ。また、柔軟で公平な処遇決定や早期の定着支援ということが重要であるといっているものです。専門性の重要性についても述べているところでして、専門性の比率を高めるということについては生産性が上がっていくことがありますので、専門性の向上についても図っていくことが必要。国としては、情報発信など様々な取組により、こういった取組を支援していくことを述べているところです。 4 ページで、第 3-3 に書いてあるものは実現することによって、様々な両質な雇用機会などが実現できるといったものです。

 第 4 が、年齢にかかわらない転職・再就職者の受入れ促進のための方策です。ここからが、具体的な方策です。企業が、転職・再就職者の受入れ促進のため、取り組むことが望ましいと考えられる基本となるべき事項、国が年齢にかかわりない円滑な転職・再就職を支援するために取り組む基本となるべき事項というのは以下のとおりであるという形で示しているものです。すみません、冒頭で説明が漏れましたが、こちらの指針について、法律等におきまして指針に定めるというような規定があって、指針を定めるものではありませんので、強制力を持って企業の方々に何々しなさいというようなことを申し上げるものではありませんで、企業の取り組むことが望ましいと考えられる事項をまとめたものという位置付けが今回のこの指針です。そうしたものを以下に示しているところです。

 まず 1 として、企業の取組です。その中で募集・採用に関する取組を述べております。まずは、必要とする職業能力等の明確化及び職場情報等の積極的な提供です。必要な人材の早期採用に向けて、自社の現状や目指している方向性等を踏まえ、必要とする専門性等の職業能力の水準、範囲等を明確に整理した上で募集・採用活動を行う。その専門性や職業能力といっても様々なレベル感であったり範囲というものがあるというところで、どういった方を募集していらっしゃるのか。そういったことをきちんと整理した上で、募集・採用活動を行っていただきたいということです。また、中途採用者が担当する業務を具体的な職務内容にまで分解することにより、マッチングにも効果的と考えられるということです。どこまで、中途採用者に任せて担当していただくのかということで行っていただくことにより、転職、入職後のミスマッチ、早期の離職というような不幸な事態を防ぐためにも、そういったことを行っていただきたいと考えているところです。

 次の○ですが、中途採用者と企業のマッチング及びその後の定着を図る観点から、賃金等の労働条件や職務内容に限らず期待する役割ということで、職場情報、企業文化、そういったものを積極的に情報提供をしていただきたい。大手企業さんですとホームページを設け、そういった情報を提供している例も見られるところですが、そういった取組についても、是非積極的に行っていただきたいということです。職務経験により培われる職務遂行能力の適正な評価です。まずは職務遂行能力ということで、こちらにつきましては経験により培われるということです。こういった職務遂行能力につきましては、企業・業種横断的な活躍が期待できるというベースとなる力ですので、そういったことが期待されるもので、選考・採用に当たっては、こうした職務遂行能力について適正に評価に努めていただきたいということです。

 ハですが、元の業種・職種にかかわらない採用です。職務遂行能力というものに着目することにより、必ずしも同業種、同職種でなくとも力を発揮することができるということで、そういった多様な経験や職務遂行能力を持った方に対する募集・採用についても努めていただければということです。ニが、必要とする職業能力を持つ人材の柔軟な採用です。最初は、自社から転職 ( 退職 ) した方に対する再入社を可能とする制度の検討。いわゆるカムバック制度というようなものです。その次の○ですが、自社において、既にほかの企業において勤めていらっしゃる方が、新たに自社において副業・兼業としての就労を希望する場合においては、就業時間や健康確保などにつきまして、きちんと留意していただくことについて書かせていただいています。

 二が、入社後の活躍支援に関する取組です。まずは公平かつ柔軟な処遇ということで、賃金決定において、外部労働市場の賃金相場に加え、社内の賃金水準や個別事情も加味し、必要に応じて個別に労働契約を結ぶなど公平な処遇を柔軟に決定していただきたい。また、入るときだけではなく、昇進や配置などについても、御配慮いただければということです。

 ロが、早期定着に向けた支援です。先ほども申し上げた中途採用であるのでということで、定着支援をしないとなかなか馴染めないといったような問題も見受けられることを伺っております。入社時における導入教育や社内人的ネットワーク形成の支援など、早期定着支援を積極的に行っていただきたい。ハは、平素からの従業員に求める役割の明確化、職業能力の継続的な把握です。こちらは、中途採用者を含む自社の従業員の方に共通する問題だと思っておりますが、能力を十分発揮できるように、役割の明確化や能力の把握に努めていただきたいというものです。

 三が、専門性等を有する従業員の活躍促進に関する取組です。専門性の高い従業員の活躍機会の拡大として、従業員の継続的な学び直しを通じた専門性の向上を図るため、従業員の学び直しに関する費用面・時間面の負担軽減に努めていただきたい。専門性を有する従業員を適正に評価・処遇し、プロフェッショナル人材の育成・活用に努めていただきたい。また、高度に専門的な業務を切らせていただき、専門職のウエイトを高めることを検討していただきたいと思います。

 ロが、従業員の主体的・継続的キャリア形成の促進です。早い段階からのキャリア形成を考える機会を提供していただいたり、また 2 つ目ですが、従業員の方の主体的なキャリア形成の意向にも配慮した人事管理を行う。また、 3 つ目ですが、様々な部門を経験することにより、環境の変化に、柔軟な対応ということが見に付くと考えており、そういった人材の育成に努めていただきたい。最後の競業避止については、合理的な範囲に務めるものとすると書かせていただいております。

 次が、国の取組です。国の取組につきましては、企業の方々に、是非こういった取組を行っていただきたいということについて、その支援を行う観点からの項目を記載しております。まず、機運の醸成や情報発信の取組です。こういった指針の周知を図ることにより、官民を挙げての中途採用拡大の機運の醸成、そういったことを推進していきたいと思っております。ロが情報発信ですが、まずは転職市場に関する動向について、正確な情報発信に努めていきたいと思っておりますし、 2 つ目の○、ユースエール、えるぼし、くるみん、なでしこ銘柄など、優良企業に対する制度が種々ありますので、そういったことに対する情報提供を実施していきたいと思います。

 最後の 7 ページは、中途採用の成功事例などを紹介することにより、この円滑な職場定着や活躍のポイントなどについての周知を行いたいと思っております。

 二が、円滑な転職・再就職、中途採用の促進に関する取組です。イとして、こちらはマッチングで、ハローワーク、産業雇用安定センターを通じてニーズに応じたマッチングを実施していきたいと思います。職務遂行能力等の見える化で、賃金や働き方、また職務遂行能力について、見える化を推進していきたい。また、セルフ・キャリアドックやジョブ・カードを活用することにより、労働者の方々自身がどういった能力を持っているのかというのを把握していただき、また、それを提示することが可能になりますので、こういったことについても推進していきたいと思います。中高年齢者の中途採用拡大に取り組む企業に対する助成についても実施していきたいと思っております。三でございますが、職業能力開発の促進に関する取組として、ライフステージにおける実効性のある学び直しを行うことができるよう、各種訓練について、積極的な整備などを行っていきたいと思っているところです。私からの説明は以上です。

○阿部分科会長 それでは、本件について御質問、御意見等がありましたら御発言をお願いします。

○柴委員 私からは、今回の指針案の対象とする範囲についてお伺いします。今回の指針案を読むと、「年齢にかかわりない」というタイトルになっているのですが、専門性の高い中高年齢者、かつ正社員を対象としているという印象を受けます。その認識でよいのか、あるいは名称からすれば専門性の有無にかかわらず、正社員だけでなく、非正規の方も対象としたものなのかどうか確認したいと思います。

○雇用政策課長 冒頭に御紹介した参考資料 1-1 2 ページ、左側で「課題」という形で書いておりますが、例えば一般労働者とパートタイムでは一般労働者の方のほうが転職が低いという問題、また中高年と若い方を比べると、若い方のほうが転職しやすいというか、比較的されているという実態があり、こういった課題を解決したいという思いもあります。ただ、委員が御指摘のとおり、年齢にかかわりないという指針で、特に限定的な書き方を余りしないような工夫をしており、転職を希望される方がより転職しやすい環境を整備するという観点に立って、そういった取組を記載しております。例えば、正社員に限定するといった限定的なことではなく、転職市場の整備に関する事項についてまとめているということで認識いただければと思います。

○柴委員 分かりました。特に課題が多い所にフォーカスして、丁寧に書いているのかなと思います。指針案のとおり、中高年齢者がこれまで培ってきた職務遂行能力や専門性を用いてキャリアアップを図っていくことを否定するものでもありませんし、ここに書いてあるように転職が不利にならない労働市場や企業環境の確立は重要だと思いますが、このことによって望まざる離職者や転職者が生まれることのないように、十分留意いただきたいと思います。

○雇用政策課長 先ほど申し上げるのを忘れましたので、 1 点補足させていただきます。専門性についても是非高めていただきたいとここに記載しておりますが、今回、特に職務遂行能力に着目していただきたい。また、企業へのアンケート等においても、職務遂行能力をもっと評価すればよかったといった声も聞かれるということで、ヒアリング等でも頂いております。そういった意味では、専門性だけではなく、その基本、土台となる職務遂行能力に着目していただくことにより、これまで高い専門性という観点だけでは採用選考の対象範囲のフォーカスから漏れてしまった方々に対し、採用選考の対象として見ていただくことが可能ではないかと考え、職務遂行能力を特に重視して書いているということを御理解いただければと思います。

○阿部分科会長 ありがとうございました。その他、いかがでしょうか。

○久松委員 私からは、 6 ページのロ「従業員の主体的 ( 自律的 ) ・継続的なキャリア形成の促進」の部分についてお聞きします。 4 つ目の○ですが、「競業避止義務については、長期・広範なものとならないよう、合理的な範囲のものとする」と記載されています。文言自体には違和感はないのですが、例えば経済産業省が平成 24 年度に行った調査では、従業員との競業避止義務契約を締結している企業は僅か 14.3 %にとどまっているとの結果に加えて、そもそも競業避止義務契約の有効性については裁判での個別判断となるケースが多く、労使ともに予見可能性が相当低いと感じています。そうした点を踏まえると、この合理的な範囲の判断が難しいと思われますが、この点について事務局の見解をお伺いしたいと思います。

○雇用政策課長 委員がおっしゃったように、競業避止義務について合理的か不合理的かとなると、裁判での個別の判断だと思っております。ここで書いているのは、裁判においての判断基準ということで、どういった場合でも適用できるようなことを記載しているものです。

 一方で、転職ということを考えるならば、競業避止義務については逆に言うと合理的な範囲でなければ認められないと。具体的な判断は個別判断ですが、そういった事実がありますので、そういった事実関係をここで記載することによって、競業避止義務が裁判等においても判断されるものであるということを、この転職指針全体の周知の中ではありますが、その中で周知していくことによって、逆の言い方をすると、過度なものは競業避止義務を掛けて当たり前ではないということをきちんと御理解いただくということで記載させていただきました。御指摘のとおり、具体的にどこがどうなのかについてはあくまで裁判の判断で、ここは一般的なことを記載しているものです。

○村上委員 今の箇所について確認ですが、文言は「転職者本人とかかわりのない取引先等への転職を禁止する」となっておりますが、長期・広範なものとならないよう合理的な範囲にするという意味においては、転職者本人と関わりのある取引先も同様ではないかと思います。転職者本人と関わりのないというところに限定して書いているように読めてしまうと、反対解釈が生まれるのではないか、誤解が生じるのではないかと思いますので、その点は十分留意していただきたいと思います。

○阿部分科会長 ありがとうございました。その他、いかがでしょうか。

○林委員 私からは、 2 点、意見として申し上げます。まず、 5 ページのニの「必要とする職業能力等を持つ人材の柔軟な採用」の 1 つ目の○です。「自社から転職 ( 退職 ) した者等、社内・社外双方の経験を有している人材を積極的に評価し、再入社を可能とする制度を検討する」という記載がありますが、今は人材不足ということもあって、やむを得ない事情によって退職した方にカムバック制度を導入する企業が増えていることは十分認識をしています。その一方で、退職事由にもよりますが、転職した方を同様のポジションでもう一度再入社させることに対して、多くの企業は認めていないのではないかと思います。これは過去の事例であったり、そういった方を受け入れたときに職場の雰囲気がどうなるのか等、個々の企業も今までの経験値等も含めた中で定めている会社が多いのではないかと思いますので、再入社することが決して悪いとは申し上げませんが、個々の企業の意に反して政府が積極的にこの施策を推し進めるようなことにならないように、十分御配慮いただきたいと思います。

 もう 1 点は、同じく 5 ページのニの 2 つ目の○に、「既に他の企業等において就労しており、自社において副業・兼業」ということが書かれていますが、この副業・兼業については政府が積極的に促進すべきではないというのが、私たち労働側の基本的な考えです。まず、副業・兼業をされている方の事由や背景等をよく調査をしていただきたい。また、その事由等によっては、例えば生活費の補填などの事由で兼業・副業を行っている方は、恐らく労働時間や健康の面に関しても長時間労働という状況になっている可能性が高いと思いますので、そうした把握を本人任せにするのではなく、使用者側がきちんと把握できるような具体的なやり方、措置等もできればガイドラインに示しながら、労働時間の管理と健康確保については確実に講じるような形にしていただければと思います。意見として、よろしくお願いいたします。

○阿部分科会長 ありがとうございました。その他、いかがでしょうか。

○高松委員 最後の、国の取組の 7 ページ、「円滑な転職・再就職、中途採用の促進に関する取組」のロの 2 つ目の○、いわゆるセルフ・キャリアドックやジョブ・カードの活用の項目です。この文書自体に問題があるとは思っていないのですが、セルフ・キャリアドックを企業が導入して促進していくのは、決して転職や再就職をしてほしくて行うわけではなく、導入した際のことを思い起こしてみれば、御本人のキャリアパスをうまく使って、企業の中での仕事のやりがい等を向上してもらうことが目的だったと思うので、円滑な転職・再就職ということは、企業にとっては似つかわしいことではないのではないかと思うのです。どのような考えでここに入れられたのかをお聞きしたいと思います。

○雇用政策課長 御指摘のとおり、セルフ・キャリアドックは転職のためのものではなく、きちんと評価していただいたり、棚卸しをしていただいたりということのために入れているものだと思いますが、こういった取組が中途採用市場を見たときにも資するものであるということ、また、例えば中途採用の採用面に関わって受入側から見たときに、セルフ・キャリアドックをして、きちんとそれまでの御自身の能力を見える化していく取組を通じて、労働者御本人が持っている能力を明確化していく。そういった明確化した能力を有している労働者を、採用面において、転職というよりも採用に着目した場合には、そういった方々を採用するときに、どういった能力を持っているかが分かりにくいから採用に戸惑ってしまうという部分がありますので、採用する際にその労働者の方々がどういった能力を持っているのか、どういった経験を有しているのかを御判断いただける 1 つの基準、指標にもなり得るということで書かせていただいております。

○高松委員 そういう視点もあろうかと思いますが、転職・再就職を円滑にするためにキャリアドック等を使っていくということであれば、企業の中において、従業員が自分の転職のためにセルフ・キャリアドックを受けますとは言えない話ですから、国としては、例えば第三者機関を使ったりすることが労働者にとって可能になるような施策を考えていただきたいという意見です。

○阿部分科会長 ほかにいかがですか。

○河本委員代理 御意見としてお聞きいただければと思います。今回の内容は規制ではなく、指針ということでて転職や再就職全般に関する考え方を示してる内容であると思いますが、この内容が特に今後の採用活動において規制の強化のような形につながらないでいっていただければと思います。企業側としては、柔軟に、かつ効率的な採用活動をしていきたいというのもあります。特に昨今、働き方も非常に多様化してきておりますし、就労形態のほかに労働者側のニーズも非常に多様化している中で、採用方法も AI を用いた採用の仕方や、もともと働いていた人を採用する場合は、即戦力的にすぐ採用するというのもあり得ると思いますので、余り一律的な規制が掛かるような形になると、採用活動そのものの柔軟性がなくなり、転職労働市場の流動が阻害されるような形にもなりかねないので、そこの部分をお願いしたいと思います。

○阿部分科会長 ほかにいかがですか。

○森下委員  7 ページの二のハで「中高年齢者等の中途採用拡大に取り組む企業に対する助成等」の文言ですが、我々小規模の事業者の立場からすると、中途採用者、現状の働いている方々の賃金格差は、その上にあるように職業能力ができていない、どうしてもそこで格差を付けざるを得ない形で採用に踏み切ると。そのときに、採用される側の立場で考えると、賃金格差というか、足りていない部分を助成金等で企業としては少し埋めてあげたいという心情的なものがありますので、その助成金をもう少し簡便な形で拠出していただけるような新しい制度についても、是非御検討いただければ、我々としても非常に採用の枠が広がってくるかと考えています。

 参考資料 1-1 の下の段の工程表の中で、「助成制度の拡充」という項目もあります。これを見ると、 2027 年度までに「 PDCA サイクルによる検証、見直し」という項目があります。期間が 10 年ということで、長い期間ではありますが、現状の助成金制度に付加して、何か新しいものを御検討いただけると、小規模の事業者としてはこういう制度にもうまく対応できるかと思っております。

○遠藤委員 冒頭に柴委員からお話がありましたように、今後この指針が告示されて、周知されていくときには、企業サイドからするとこの内容をどうやって受け止めていけばいいのかというところから、まず入っていくかと思います。簡単な構図で言えば、若年者なのか中高年層なのか、キャリアアップなのかキャリアチェンジなのか、簡単に言えばこのマトリックスの中で、この中身はどの部分を示しているのかという形で、分かりやすく説明いただくようなことをひとつお願いしたいと思います。

 そういった中で、今回、職務遂行能力を専門性以外のものと捉えて解説をしていただいたのですが、ざっくり受け止めてしまうと、中途市場はある意味専門性を評価する市場であって、その専門性を評価するがために、若年層が中途市場の中で苦戦してしまっている。その苦戦している若者たちをどうやって評価しながら再就職につなげていこうかと考えたときに、専門性以外のものを見ていきましょうということで、今回出てきたような土台になるような部分を打ち出していくというのは、 1 つの方策としては考え得るかと思います。企業サイドとしては、その部分をどのようにやって、雇い入れて、計画的に長期にわたって育成していくかというプログラムの中で組み合わせていく活用を考えていけばいいのかなというように、今日は説明を受け止めました。

 最後に御質問ですが、 3 ページの第 2 の課題、小見出しを除いて 3 行目の「また」以下ですが、「転職後の活躍度合いは、転職による業種・職種の変化にかかわらずほぼ同様の傾向にあり」というのは、何と何を、どういう場合とどういう場合を比較して同様の傾向にあるという文章なのでしょうか。

○雇用政策課長 同業種・同職種への転職の場合、また異業種・異職種への転職の場合に、その後に活躍できているのかどうかを、資料 1-3 の最後、 14 ページに参考として付けております。こちらは人材サービス産業協議会の調査ですが、中高年の業種・職種の変化と活躍の状況ということで、中高年ホワイトカラーを中途採用した場合に、その後の活躍度合いについての調査を行ったものです。一番上が同業種・同職種です。間に異業種・同職種、同業種・異職種があって、一番下が異業種・異職種です。こちらは全体をまとめていますので、多分、職種別にばらつきがあるものもあるかと思いますし、この半分という所の水準に対して定着支援等ということで、更に水準を上げていくという議論もあるかと思いますが、こちらを拝見し、また検討会の場でヒアリング等をしたときの御意見としては、必ずしも同業種・同職種だからといって転職後に活躍するということではないとの御意見を頂いており、同業種、同職種、異業種を比べているということです。

 この中で、ヒアリング等においては、結局は職務遂行能力的な能力が非常に重要であると。委員が御指摘のとおり、専門性も重要だということは変わりませんが、職務遂行能力についてもきちんと評価していくことが必要だということをおっしゃっています。

○遠藤委員 すみません、少し勉強します。

○阿部分科会長 ほかにいかがですか。

○太田委員  5 ページの二「入社後の活躍支援に関する取組」のイ「公平かつ柔軟な処遇」で、中途採用者の賃金決定、また昇進・配置等の処遇について公平に行うということが明示的に書かれているのは非常にすばらしいと思いました。一方で、ここで言う公平な処遇というのは基本的に職務遂行能力をベースに、中途採用者であろうと、中途採用でないもともとの従業員とのバランスを考える際に、職務遂行能力をベースに考える方向にウエイトを置いた意味合いになっているのか、あるいは特にそういった部分は想定していないのか、その辺りをお聞かせいただければと思います。

○雇用政策課長 賃金の決定においてどういった決定をするのかは、日本の賃金は職務給だけでなく、様々な要素が組み合わされているものですので、必ずしも一概に方向性を示すことはできないと思っております。いずれにしても、公平な処遇をしていただきたいという意味での書きぶりになっております。

○太田委員 ということは、社内の事情としては、例えば比較的勤続年数を重視しているような会社の方が、中途採用者は職務遂行能力はある程度高いけれども、社内のより勤続年数の長い人の昇進を優先させたりすることも可能性としてはあると。

○雇用政策課長 同一労働・同一賃金等の議論でもそうですが、どういったときに公平・公正とするかということで、どの部分についてどういったウエイトでやっているのか、そこの部分が合理的な範囲ということで判断していく必要があると思っています。例えば、専門性は持っているけれども、企業において発揮する部分の問題、高い能力を持っているけれども、どういった役割を担っていただいて、どういった職責に就いていただいて、どういった業務を行っていただくのかということも問題になってくるかと思います。そういった部分を加味して判断していただきたいということです。

○太田委員 分かりました。一応ある程度の想定があって、その中での範囲で考えているということですね。

○雇用政策課長 ここで申し上げているのは、社内の部分と社外の部分がありますが、その活躍の部分等もありますので、そこは公平にということです。

○阿部分科会長 その他、いかがでしょうか。

○中窪委員 先ほどの遠藤委員の御指摘の 3 ページの第 2 を改めて読み直してみたのですが、「第 1 1 で述べたように」というのは、「年齢が高くなるにつれて転職入職率が低下する傾向にある」ということですが、その後の文、「一度でも中高年齢者の中途採用経験がある企業は、採用に積極的になる傾向にある。また、活躍の度合いは業種・職種の変化にかかわらず同様の傾向にある」というのは、先ほど示していただいた 1-3 の後ろの参考資料ということですね。それがこのような傾向になるとまで言えるのかどうかは、 1 つの調査によればそういう結果が出ているということではないかという感じがしたのですが、先ほどのお話を聞くと、検討会のヒアリングでも同様なことがあったということですが、指針の書き方としては「ある調査によれば」といった形にしたほうが穏当かなという感じがしました。今回については別にこれでいいとは思いますが、少しそういう慎重な書き方が必要ではないかという気がしたのですが、いかがでしょうか。

○雇用政策課長 そういった意味では、「傾向にあり」というのを付けたところは、慎重な書き方にしている部分です。

○中窪委員 幾つか調査があって、同じ傾向にあるというのは分かるのですが。

○雇用政策課長 前段の部分については、実行計画の中でも既に述べられている文言ですので、そこは実行計画の文言を引用する形で書いているということで御理解いただければと思います。我々の認識としても、絶対的な数字としてこの 49 %といった数字が確定的な数値という意味ではなく、その傾向にあるという形で書いているということで御理解いただければと思います。

○遠藤委員 ようやく、ここの意味合いが分かりました。もし、今の御説明のとおり、この字句を整理しようとするのであれば、業種・職種の変化の有無にかかわらずというのが、正にこの部分を言っている中身ではないかと理解しました。「変化にかかわらず」というと、近似・近接する職種に就職した場合と、遠い所に就職した場合、そこの変化の大きさが少なかろうが大きかろうが同じとも読めなくもないので、先ほどのデータだけを見るのであれば、あるかないかということで有無だと思われます。

 字句について、今回、大変こだわりがある部分については私どもも非常に関心を持っております。資料 1-2 を改めて見たところ、「転職市場」が丸で囲まれて、その周りに企業、労働者、国のそれぞれのポイントとなることが書かれていますが、労働者についてはキャリアチェンジとキャリアアップで先にキャリアチェンジが来ているのです。本文中はキャリアアップが先に来ているのですが、この辺りは何か意図がおありなら、その意図を御説明いただければと思います。

○雇用政策課長 お諮りしている資料 1-1 が本体ですので、それに平仄を合わせた形で、概要の部分、資料 1-2 については御意見を踏まえて修正したいと思います。

○熊谷委員 本文の内容ではないのですが、通常ですと、部会で議論した案件を分科会に上程するものと理解していますが、今回の部会では、本日配布された本文案については提示されず概略だけで検討されたと聞いていております。審議に際し、何か変更があったのか教えていただければと思います。

○雇用政策課長 今回については、審議会の下の部会における検討を進めるということではなくて、先ほど御説明した労働政策研究・研修機構に検討会を設置して検討した流れの中で、こういった取り扱いになった次第です。ただ、先般の基本問題部会においてもその点については御意見を頂いており、今後しっかり対応していきたいと思っております。

○阿部分科会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。

 特にないようでしたら、委員の皆様から様々な御意見を頂いて、特にこれから労働市場が景気循環、あるいは構造的な要因によって変化する可能性もあり、この段階でこの指針が未来永劫完全なものかというと、そうでもないと。あるいは、河本委員代理がおっしゃったように、採用の方法も今後変わる可能性もあることから、現段階では本日お示しいただいた指針についてはおおむね妥当ということで認めて、その上で私から労働政策審議会会長に御報告したいと思いますが、そういったことでよろしいでしょうか。

( 「異議なし」と声あり )

○阿部分科会長 ありがとうございました。

○村上委員 結論として、今、分科会長がまとめてくださった方向性でよいかと思っておりますが、今後この指針が経済界にも周知されていくと思います。その際に、年齢に関わりない転職・再就職の受入れ促進のための指針ではありますが、中高年齢者のみに焦点を当てるのではなく、若年層の方の問題に加えて、再就職ということですので、一旦妊娠、出産、育児等で辞められた方が再度戻って来られることにも役立つような周知の方法をお願いしたいと思っております。職務遂行能力というのは、会社で働くことのみで形成されるものではなく、子育て中や地域の活動等の経験が職場でも役立つことは十分ありますので、そういった点もよく評価していただきたいと思っております。その点も併せてお願いします。

○阿部分科会長 ありがとうございます。参考資料 1-1 で、工程表によれば今後も施行状況に応じて見直していくということですが、村上委員のお話では少し幅広に考えてもいいのではないかということですので、これは今後も当分科会でも少しウォッチしながらいきたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、報告文案の配布をお願いします。

( 報告文案配布 )

○阿部分科会長 お手元に配布された報告文案により、労働政策審議会会長宛て報告することとしてよろしいでしょうか。

( 「異議なし」と声あり )

○阿部分科会長 ありがとうございます。そのように報告をさせていただきます。ここで、事務局から御挨拶がございます。

○職業安定局長 委員の皆様方には、「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針案について」を御審議いただき、合意をしていただきましてありがとうございました。本指針につきましては、今後経済界へ周知等を行いたいと考えております。

 先ほど少し遅れたのは、雇用失業率の発表がありまして、完全失業率が 2.4 %と相当下がっているという状況です。そのときに、職員がやっている労働市場分析レポートがあって、今回たまたま転職の動向についてまとめたのですが、今回 59 歳以下の人に限って見ると、中小企業か大企業の転職がここ最近増えてきている傾向もありますので、転職マーケットも少しずつ変わっているのではないかと思っております。以上、簡単ではありますが、お礼の御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。

○阿部分科会長 ありがとうございました。本日予定されている議題は以上で終了しますが、何か委員のほうから御発言はありますでしょうか。

 先ほど、熊谷委員が基本問題部会についてどういった議論があったのかという問題を提起されておりました。私も、今回の指針についてはやや唐突に審議会に出てきたものではないかと思っております。これからどのように指針が出てくるとか、いろいろな状況があると思いますが、できるだけ委員の皆様には丁寧に御説明を頂きたいと思いますので、厚生労働省としてはその辺りをよろしくお願いします。

 それでは、特段ほかになければ、これで本日の分科会は終了したいと思います。本日の会議に関する議事録については、労働政策審議会運営規程第 6 条により、分科会長のほか 2 人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては、労働者代表の林委員、使用者代表の熊谷委員にお願いしたいと思います。本日もお忙しい中ありがとうございました。

 


(了)

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