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2023年12月7日 第26回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議

○日時

令和5年12月7日(木) 16:00~18:00


○場所

オンライン会議
TKP東京駅カンファレンスセンター(オンライン会議場)
カンファレンスセンター11B(11階)
東京都中央区八重洲1-8-16 新槇町ビル


○出席者

出席構成員 

五十嵐構成員、磯部構成員、岩月構成員、上村構成員、小野寺構成員、
笠貫構成員、近藤構成員、佐藤構成員、宗林構成員、高野構成員、橋本構成員、
原構成員、平野構成員、堀構成員、松野構成員、間藤構成員、宮川構成員、
宮園構成員、矢口構成員、湯浅構成員、渡邊構成員

出席参考人 

岡田参考人

○議題

1.パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策について
2.候補成分のスイッチOTC化について
3.スイッチOTC医薬品の候補となる成分の検討状況等
4.その他

○議事


○医薬局医薬品審査管理課長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第26回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催いたします。
 本日は、佐藤構成員、平野構成員、原構成員、間藤構成員が遅れて御出席と聞いてございますので、現在のところ、21名のうち17名の御出席をいただいております。
 本日は、議題2の「候補成分のスイッチOTC化について」の議論をするに当たって、関係する学会の参考人の先生に御出席いただいておりますので、御紹介いたします。デプロドンプロピオン酸エステル及びモメタゾンフランカルボン酸エステル水和物の関係で、後ほど遅れて御参加と聞いておりますが、日本小児科学会の岡田邦之先生が御参加していただく予定になっております。
 ウェブ会議を開催するに当たりまして、注意事項を説明いたします。発言される際は、画面のマイクのボタンを押して、ミュートを解除した上でお名前をおっしゃっていただき、座長に指名された後に御発言いただきますようお願いいたします。また、発言されないときにはマイクをミュートにしておいてください。
 会議中に接続トラブルが発生しましたら、事前にお送りしたウェブ会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。それでは、笠貫座長に以下の議事の進行をお願いいたします。
 
○笠貫座長
よろしくお願いいたします。それでは、本日の配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
 
○事務局
事務局でございます。資料につきましては、ペーパーレス化を実施しており、会議場での参加者の方におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認いただきますようお願い申し上げます。タブレット端末は会議資料の議事次第の部分を画面に表示した状態で配付しておりますので、適宜スクロールして御確認いただければと存じます。
 また、本日の資料としましては、表示されているものの上から順に会議資料、参考資料となります。会議資料につきましては、資料を1つのPDFファイルとしております。議事次第、配付資料一覧、それに続きまして、パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策に関する資料といたしまして資料1-1から資料2-2、候補成分のスイッチOTC化に関する資料として資料3-1から資料5-2、スイッチOTC医薬品の候補となる成分の検討状況等に関する資料として資料6となっております。参考資料につきましては、開催要綱、構成員名簿、日本におけるスイッチOTC成分のリストを1つのPDFファイルとしておりますので、適宜御覧いただければと思います。
 資料の説明は以上になります。御不明な点がございましたら、事務局までお申しつけください。事務局からは以上となります。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。それでは、本日の課題である「パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策について」に移りたいと思います。β-ガラクトシダーゼについて、事務局から説明をお願いします。
 
○事務局
 事務局でございます。資料1-1を御覧ください。
 β-ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)、β-ガラクトシダーゼ(ペニシリウム)につきまして、パブリックコメントを実施した際に検討会議での議論としてとりまとめた内容に、新たにパブリックコメントで頂いた意見を追加した資料となります。
 まず、パブリックコメントで頂いた御意見について御紹介させていただきます。資料1-2を御覧ください。パブリックコメントで頂きました御意見は全部で4件ございます。大部にわたりますので、かいつまんで御説明をさせていただきます。
 まず、1つ目の御意見です。OTC化へ賛成します。これらの成分が承認され、市販化されたり、市販の整腸剤に配合されることで、これらの症状の改善に寄与する可能性があり、助かる人は多いと考えます。
 2件目の御意見です。スイッチOTC化により健康な成人も対象にすることで、小児の栄養摂取とともに、成人以降のカルシウム摂取にも有意義である。また、下痢症状についてアレルギー性腸炎や感染性腸炎を除外する必要があるため、販売時にはアレルギー歴の有無や発熱など、感染症の症状がないことを確認する必要がある。
 3つ目の御意見です。β-ガラクトシダーゼについては、乳糖不耐症などの疾患ではなく、牛乳でおなかを壊しやすい人を対象に購入できるようにしてほしい。場合によっては食品区分とすることも検討してほしい。少し下のほうに参りまして、本成分は古い承認時期であることから、現在の科学水準の臨床試験で評価されていない。仮にスイッチOTCとする場合でも、副作用がほぼないことから追加の臨床試験は不要とし、厳密な用量設定と厳格な投与対象集団の設定は不要であると考えますという御意見でございました。
 4つ目の御意見でございます。1970年代から使われている薬に対して、安全性どうこう言うのは針小棒大ではという御意見でございます。
 これらの御意見を踏まえまして、資料1-1のほうに戻っていただきますが、今回のβ-ガラクトシダーゼに関する検討会議結果(案)には、追加の意見ということで2件の御意見を追加させていただいております。1つは、スイッチOTC化のニーズのところでございまして、先ほど御紹介しました3番目の御意見の中にございました、乳糖不耐症等の疾患を対象とせず、牛乳でおなかを壊しやすい人が購入できるようにしてほしい。場合によっては食品区分とすることも検討してほしいというものを追加いたしました。次のページに参りまして【①薬剤の特性】の部分の一番下でございますが「下痢症状について、アレルギー性腸炎や感染性腸炎を除外する必要があるため、販売時にはアレルギー歴の有無や発熱など感染症の症状がないことを確認する必要がある」という御意見を追加させていただいております。
 本日は、構成員の皆様方に、さらに追加の御意見があるかどうかも含めて御検討いただければと存じます。事務局からは以上でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。パブリックコメントの御意見を踏まえて御説明いただきましたが、スイッチOTC化の課題点とその対応策について、個別の御意見がありましたらお願いします。磯部委員、どうぞ。
 
○磯部構成員
 ありがとうございます。今、パブリックコメントをいろいろ拝見させていただきまして、もともとこれを議論するときにも、諸外国では食品扱いになっている部分もある。今の林補佐からの御説明でも、食品区分とすることも検討してほしいということも1つの論点として加えられたということでございます。これについて、現時点では食薬区分の問題もあって、日本では食品でやるのはなかなか難しい面があると思いますが、例えば、仮にOTC医薬品として進める上でも、これまでこの会議でやってきた、スイッチOTCで医療用に使っていたものを転用するということで、要指導からそれなりの厳しい規制区分でやっていくということだけではなくて、こういった特性を持つような転用をするスイッチについては、もし審査を進められていくのであれば、その特性に合わせた規制の在り方、管理の在り方ということも考えていただけないかなと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。どうぞ。
 
○堀構成員
 堀です。ありがとうございます。私も磯部委員からの今のご意見に関連です。OTCになった場合、例えば薬という形ではなく食品として使いたいという消費者がいた場合、薬局で薬剤師の方とお話をするときに、牛乳を飲むとおなかを壊すから出してほしいというように伝える事になるかと思いますが、その場では熱が出ているとか、そういう見た感じの症状がないわけです。それでも購入できる。そうすると、消費者は食品という感覚でOTCのこの薬を購入してしまう可能性がなきにしもあらずということを私は懸念いたします。ですので、そこの部分に関しましては、先ほど磯部委員がおっしゃっていたように、やはり販売をする際にどういうことが基準になるのかということを明確にして、消費者に売るということがとても大切なのではないかなと思いました。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ほかにはございませんか。岩月委員、お願いします。
 
○岩月構成員
 ありがとうございます。パブコメや、今のお二人の意見を聞いておりまして、医療用医薬品からスイッチをするそもそもの目的は、やはり需要者の方々がアクセスする機会を増やすということだと思うのです。それが食品なのか、医薬品なのかは、一旦医療用医薬品からスイッチした後に状況を見て考えればいいと私は思います。そのためには、入口としてまずスイッチをしなければ話が始まりません。医薬品そのものの中身につきましては、特に問題がない成分だろうと思われますし、症状の改善といっても、スイッチ化したときによく問題になる長期連用ですとか、そういったことが考えにくい性質の医薬品でありますので、要指導医薬品が適当かどうかというのは議論があるかと思いますけれども、少なくともスイッチして需要者にこういったお薬を届けるということは大変重要なことだと思いますので、ぜひ進めるべきだろうなと考えます。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。では、宗林委員、お願いします。
 
○宗林構成員
 宗林です。私も似たような意見ではあるのですが、スイッチ化することには全然異論はないのですけれども、食品側から見ると、特別用途食品というカテゴリーがあって、今、病者用という食品の中でいろいろなものが拡大しつつあるのです。それにかなりぴったりする感じがありますので、行く行くはぜひそこの調整をしていただければなと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ほかにはございませんか。今、食品側から特保の話も出ましたので、その議論はこの会議の枠を超えるかと思うのですが。どうぞ。
 
○湯浅構成員
 β-ガラクトシダーゼを食品添加物として使っているケースがありますが、食品を摂取する人からすると、消化吸収の面では乳糖を分解でき、非常にメリットがあります。ただ、食品添加物として使用する際、さじ加減を間違えると、品質に影響を及ぼしたり、安全性に問題がでる可能性があります。今回のパブコメの中の最後に論文が示されていますが、これは食品添加物の安全性に関する論文だと思います。また、安全性の面では、過剰投与というのは必ず問題になってきます。過剰投与により、腹痛とか下痢とか、消化器症状が強く起こってくることもあります。私も現段階では食品云々ではなく、OTC薬としての手続きを進めていただければと思っております。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。宗林委員、どうぞ。
 
○宗林構成員
 ちょっとお話の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、健康な人がとる保健機能食品の特保とは違って、例えば、腎臓病だったり、病者用の食品として特別用途食品というものがあるのです。そこの決めがどのぐらい厳しいのかは分かりませんけれども、用途的に目的とか対象者という観点から見ると、これはすごくぴったりかなと思ったので、これはいずれ検討していただきたいということです。特保ではないです。
 
○笠貫座長
 分かりました。特別用途食品という御意見を含めて、OTC化という方向で整理していただけたらと思います。パブリックコメントで新たに出された意見以外に、1回目の会議で出された年齢、用量・用法、注意事項等を含めて、課題抽出と対応策としてまとめていただくということで、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、事務局で検討会議の結果(案)をおまとめいただきたいと思います。
 それでは、続きまして、次の候補成分、オキシブチニン塩酸塩について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○事務局
 事務局でございます。資料2-1を御覧ください。オキシブチニン塩酸塩のOTC化に関する検討会議結果(案)でございます。パブコメ前に御検討いただきました内容をパブリックコメントに付したものに、パブリックコメントで新たに頂いた御意見を追加させていただいている資料でございます。
 パブリックコメントで頂いた御意見につきましては、次の資料2-2でございますので、そちらのほうを御覧いただければと存じます。オキシブチニン塩酸塩に関して5件の御意見が提出されました。かいつまんで御紹介申し上げます。
 まず1点目の御意見です。OTC化へ賛成します。潜在的なニーズは一定数あり、選択肢が増えることで市場自体が拡大することも考えられる。薬剤師による指導時に注意すべきことや受診の目安などを明確にし、添付文書にも記載することでリスクを低減させて利用することができると思いますという御意見です。
 2点目の御意見です。先行してOTC化された薬剤は医療用医薬品の半分の用量で製品化されていると聞きました。ポリファーマシーの問題や薬剤の安全性を考えると、今回の製品も、投与量を下げることや対象を先行薬とそろえることが必要であると思う。また、貼付部位の皮膚症状の発現率が46.6%というのは、広く一般の人が使う薬剤として販売される製品として高過ぎるため、怖く感じます。OTCとして多くの方が使うために、安全に使用できる製品にしてくださいというものでございます。
 3点目の御意見です。潜在的な需要は高い。既に同薬効の内服薬がスイッチOTC化されているが、需要者の利便性を考えると、テープ剤はQOL改善に有効である。ただし、副作用の頻度が非常に高いこと、口喝など抗コリン剤特有の注意事項、禁忌については、薬剤師からの説明が必須である。第2類医薬品への移行はしない事例として、スイッチOTC化を検討する必要があるという御意見です。
 4番目の御意見は、特にスイッチ化について異論はないというものです。
 5番目の御意見です。抗コリン作用という高齢者にとって致命的な副作用であるデメリットを上回るメリットを見いだせない。次のページに参りまして、会議で出た御意見、パブリックコメントで示した御意見の一つ一つに関しまして御意見を頂戴しているところでございますが、上から2つ目の○では、とりあえず半分にすればいいと言っているように見えますが、国の専門家が集まる会議なので半量とした根拠を示されたい。有害事象だけが出て薬効を得られない可能性はどうなのでしょうという御意見を頂いております。その他、細かいところで個別の御意見を頂いておりますが、それぞれの文言に関しての個別のコメントということなので、御紹介は割愛させていただきます。
 これらのコメントを踏まえまして、資料2-1のほうに戻っていただきまして、パブリックコメントを踏まえて、御意見を追加させていただいております。まず、1点目でございますが、資料2-1の3ページ目の部分になりますけれども【①薬剤の特性】のところで、先ほどの5番目の御意見にございましたように「半量とする根拠が不明である。薬効が得られず有害事象のみ発現する可能性がないか」という御意見を追加させていただいております。また、その次のページに参りまして、2番目の御意見でございましたが「貼付部位の皮膚症状の発現率が46.6%というのは広く一般の人が使う薬剤として販売される製品として高すぎるため、怖く感じる」という、この2点の御意見を追加しております。
 オキシブチニン塩酸塩に関しましても、構成員の皆様方におかれましては、さらに追加する御意見がないかどうかについて、御検討いただければと存じます。事務局からは以上でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。それでは、本成分のテープ剤のスイッチOTC化の課題とその対応策について、個別の御意見があればお願いします。どうぞ。
 
○湯浅構成員
 本成分は、抗コリン薬であり、前回の会議のときにも認知症の発症の問題が、参考人から報告されたと思います。それに加えて、最近出た論文の中で、ケースクロスオーバー法の症例-症例-時間-対照研究という手法を用いて、抗コリン薬と急性心血管イベントの関係が報告されていました。その研究の中では、抗コリン負荷なしと比べると、軽度・中等度から高度抗コリン負荷により、心血管イベントが増えると述べられています。OTC化に際し、認知機能低下だけではなくて、急性心血管イベントも増える可能性があることは留意すべき点と思います。抗コリン薬は、医療用としてもたくさん使われていますので、OTC薬として販売する際には、その点にも十分気をつける必要があると思います。日本老年医学会の「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の中にも、潜在的な不適切処方薬のひとつに取り上げられております。潜在的不適切処方というのは、「今は問題がなくても将来的に有害事象が起こる可能性が高い薬剤」という意味で、処方適正化のために、スクリーニングツールを用い、リストアップすることが推奨されています。医療用医薬品としても慎重に使用しなければならず、反対しているわけではないのですけれども、OTC化するに当たり、やはり一定の条件付けは、必要になると考えています。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。前回も議論されましたが、非常に新しい論文についての評価の仕方を含めて、御意見はございませんでしょうか。磯部委員、どうぞ。
 
○磯部構成員
 前回の会議のときにも申し上げて、今回、パブリックコメントにもあったので、事務局のほうから安全性はどうかという御指摘があり、半量にしたらどうかということがあったのですが、当然、有効性も減弱してしまうはずなので、最後はデータに基づいて考えるべきだということで、そういったことを含めて考えるということは、適切なコメントを入れていただいたなと思っております。あと、もう一つ、46.6%を怖く感じるというのをそのまま残すのかというのは、こういうものをどのように考えるのかというのは分かるのですが、パブリックコメントをそのまま反映させるのであればこれで結構だと思いますが、ほかのところの書きぶりと趣が違うので。多分、意味は、46.6%あるのだけれども、それが軽微な副作用なのか、重篤なのか、そういうことまで含み込んで本当は考えることが必要なのですが、数字だけが独り歩きしてこういった書き方になっていますが、「怖く感じる」というところはちょっと趣が違うので、これでも別に構いませんけれども、書き方をどうするかというのは、今後、事務局でいろいろ考えていただければと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 磯部委員からのデータ駆動型の評価では、スイッチOTC化のときにどこまでデータを求めるのかということは今後の大きな課題だと思います。1回目の会議で、再審査のときのデータを細かく御説明いただきましたが、頻度だけではなくて、重篤性、あるいは可逆性の問題も含めて消費者に知らせる役割は、薬剤師の仕事になるかもしれません。そういった問題点について、薬剤師から適正使用として説明していただくことが前提になると思います。そういう意味で、湯浅委員から御指摘があった論文についての評価は、医学が進歩する中で変わることもあるかもしれませんが、現時点では、論文で指摘された認知症も含めて御説明していただければ、湯浅委員も反対ではないという御意見であったと思うのですが、ここでは賛否を決められないので、課題の抽出とその対応策として、その説明は必要だと思います。
 
○湯浅構成員
 前回の会議のなかでも議論されましたが、やはり条件はつけなければいけないという意味でお話をさせていただきました。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。岩月委員、どうぞ。
 
○岩月構成員
 ありがとうございます。先ほどの乳糖不耐症と違って、いわゆる頻尿対策なので、一定程度の期間、継続して使う可能性がある薬剤だろうと思います。そうなると、包装容量の工夫ですとか、使用者に接触する機会をなるべく増やすような製品形態にすべきだと思いますし、一定程度の期間の中で再度購入するという機会があると、薬剤師が関与しやすいと思います。多分、1か月分を一度に販売するということではないだろうと思いますので、一例ではありますが、包装容量にも配慮していただきたい。もう一つは、貼付剤ですから、膏体を含めてどういう工夫ができるのかというのは、スイッチ化が可となった場合には、何の工夫もなくそのままスイッチするのかということもやはり考えていただかないと、貼付部位の皮膚症状が46.6%というのはここに残るわけですから、何の改善もしないでそのままということにはならないだろうと思いますので、そういったことを意見としてつけ加えるということに私は賛成でございます。
 
○笠貫座長
 テープ剤という特殊性を踏まえた対応策も入れていただくことと、先ほどの半量については、これからデータを取ることを求めるよりも、薬剤師でどう説明するかという対応策もあることを含めて、多様な書き方をしていただけたらと思います。いずれにしても、期間の問題やテープの剤形、用量と用法の問題等が出ました。さらに、女性や年齢の話も出たと思いますが、そういうことを含めて、課題と対応策について整理をしていただき、先ほどのデータのことはきちんと書いて、消費者の方に必要以上の心配を与えることは避けるような注をつけていただけたらと感じました。堀委員、お願いします。
 
○堀構成員
 ありがとうございます。今までの議論を拝聴していて私もすごく思ったのは、やはり消費者に対しての資材が非常に必要ではないかと思いました。というのは、実際にパブリックコメントで怖いという、あと、半量になると効果がないのではないかという意見が出ているということは、結局、ほかにもそう感じる方もいらっしゃるということだと思うのです。もしOTC化になった場合には、そういう懸念を払拭するために、今、座長がおっしゃっていたようなことを分かりやすく説明できるような資材をつくって、納得していただくことが必要だと思います。特に今回のこのテープは1日1回ということで、介護をする方々にとっては、非常にOTC化を望む薬品だと思います。ですからこそ、貼付したところにまたもう一回貼付してしまって、そこがただれてしまったりなど、そういうことがないように、あくまでも使う側の目線に立った資材をつくっていただけたらと私からの要望です。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。では、順番にどうぞお願いいたします。
 
○松野構成員
 松野です。堀委員が今言われていることと重なる部分があるのですが、過活動膀胱というのは本当に多くの方々が悩んでいらっしゃる疾患ですので、もちろん私もこういう貼付剤としてOTC化には賛成なのですけれども、たしか医療現場でもそういう資材の中で貼り方を丁寧に説明されているものがありましたし、それにプラスして生活改善をどうしていくか。水分を多くとり過ぎないとか、カフェインを多くとり過ぎないとか、あと、骨盤体操をしてもっと鍛えましょうというものも出ていたと思うのです。ですので、OTC化の中でもそういう資材を一緒に、貼付の仕方、生活の仕方、体操の仕方も併せて周知していけば、もっと安心してこの薬を使っていけるのではないかなと思いますので、意見として加えさせてください。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。宮川委員、どうぞ。
 
○宮川構成員
 宮川でございます。もともと貼付剤というのは、OTC化も含めてですけれども、製剤化をするときに技術的な問題が非常に多いということは専門家の方はよく御存じだろうと思います。以前、ツロブテロールの場合ですが、いろいろな後発薬が出たときに、ばらつきが非常に多かったという事実はあります。つまり、吸収が非常に急峻化してしまう。1日1回の使用にしたとしても、すぐそのまま下がってくるということはデータとしてあって、安定性に関して非常に困窮する状況があるということはあります。ですから、こういう貼付剤の場合には、製剤化した場合に、今までそれをつくっている専門的なメーカーが関与すればいいわけですけれども、そうでないというところでは非常に問題が起こってくるということを想定しなければいけない。これはもう今までの過去の事実として技術的な問題があるので、非常にしっかりとしたフォローをしていかなければいけないのだということです。特に先ほどもお話があったように、そういうものを長期間使ってしまうという状況があって、それが問題を起こしてくるということが非常に大きな問題になってくるということは想定されるので、そこはしっかりとした立てつけをつくり、そして、国民に対して説明をしていく。ただ、この中に入った5ポツ目でしたか。誤飲等の危険性を考えなければならない内服薬に比べ、貼付剤は大変利便性が高いとされていますが、利便性が高いかどうかとは別に、安全性が高いかどうかは全く分からないし、かえって危険性があるということは十分に考えられます。貼付剤だから利便性が高い一方で危険性もある、安全性に対しても困窮する状態が出てくるということなのです。高齢者や在宅の患者さんへのニーズはあるけれども、そこにおいては説明、フォローをしっかりなすべきだということをここに加えて、両面性があるということを御理解していただくことが非常に重要かなと思っています。
 
○笠貫座長
 810万人とニーズが非常に高くて、また、テープ剤という選択肢を増やすという利便性に対して、使用する側が許容するリスクはどこまでかという対策を考えるためには、薬剤師の方、あるいは製造する立場や介護する立場の多くの人たちの対応や協力が必要だということになるかと思います。それでは、本日頂きましたパブリックコメント、1回目の会議の御意見、今日の御意見を踏まえて事務局で検討会議結果(案)を作成していただき、そちらをもう一度構成員の先生方に御確認するという従来の形で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。「候補成分のスイッチOTC化について」です。デプロドンプロピオン酸エステルについては、軟膏、クリーム及びローションとテープとでは医療用医薬品の効能・効果、用量・用法が異なり、また、OTCとした際の検討する効能・効果も異なるため、これは区別して議論したいと思います。まず、デプロドンプロピオン酸エステルの軟膏、クリーム及びローションについて、事務局から概要の説明をお願いいたします。
 
○事務局
 事務局でございます。資料3-1を御覧ください。資料3-1は、デプロドンプロピオン酸エステルの軟膏、クリーム、ローションについて、まとめた資料でございます。このデプロドンプロピオン酸エステルは、ストロングクラスのステロイド外用剤になります。既にOTCとなっておりますストロングクラスのステロイド外用剤がございますが、古い承認であるということもあり、まだ医療用と一般用医薬品が区別されていない時代に承認がなされたというところもございまして、OTC化の適切性についての議論が今まで行われていないというところがございます。また、本検討会議におきましても、第4回におきまして、ベリーストロングクラスのベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの外用剤についての検討が行われております。この成分につきましては、当時のこの検討会議の体制ではございますが、OTC化は否と検討結果がまとめられているという状況でございますので、今回、このデプロドンプロピオン酸エステル、ストロングクラスのステロイドの外用剤でございますが、御検討いただきたいと思いまして、検討会議の検討の議題とさせていただいております。
 それでは、成分の説明をさせていただきます。候補成分の情報でございます。デプロドンプロピオン酸エステルでございますが、スイッチOTC化した際の効能・効果は、「しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん」でございます。候補成分に対する医療用医薬品の情報につきましては、資料に記載のとおりでございます。
 次のページに参りまして、医療用医薬品の特徴・概要でございます。医療用医薬品としてはエクラー軟膏、クリーム、ローションでございますが、このエクラーは英国のブーツ社によって合成されたデプロドンプロピオン酸エステルを主成分とする非ハロゲン合成副腎皮質ホルモン外用剤である。基礎試験において、ベタメタゾン吉草酸エステルとほぼ同等の抗炎症作用を示した。また、ヒト健常皮膚を用いた血管収縮試験においても強い作用を示した。また、臨床試験の結果を踏まえまして、1992年に軟膏とクリームがまず承認されております。その後、1997年にローション剤の承認がなされております。既に再審査が終了しておりまして、再審査の結果につきましても、薬事法第14条第2項各号のいずれにも該当しないとされております。
 次のページに参りまして、臨床での使われ方でございます。アトピー性皮膚炎の治療におきましては、中等度までの紅斑、少数の丘疹などの炎症所見などを主体とする場合には、ストロングないしミディアムのステロイド外用薬を第一選択とするとなっております。接触皮膚炎の治療におきましても、ステロイド外用薬は高く推奨されている。痒疹の治療においてもステロイド外用薬は効果があり、第一選択として使用してよいが、ステロイド外用薬に抵抗する例では漫然と使用を継続せず、保湿剤外用を含めた他の治療法への変更を考慮することとされております。また、医療用の場合ですと円形脱毛症も対象となっておりますので、それについてもベリーストロング、ストロンゲストクラスのステロイド外用療法を行うよう勧められているというところでございます。
 次のページに参りまして、安全性に関する情報でございます。重大な副作用として、緑内障、後のう白内障の報告がなされております。その下、禁忌でございますが、細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患、本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者、鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎、潰瘍、第2度深在性以上の熱傷・凍傷が禁忌として挙げられております。
 次のページに参りまして、推定使用者数でございますが、不明とさせていただいております。なお、参考ではございますが、厚生労働省の患者調査によると、令和2年度の情報でございますが、アトピー性皮膚炎の推計患者数は53.6千人となっております。
 また、同種同効薬のスイッチOTC化の状況でございますが、ストロングクラスのステロイドとしてベタメタゾン吉草酸エステル、ミディアムクラスのものとしましてプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル等がスイッチOTC化されております。
 OTC化された際の使われ方としましては、本製剤がOTC化された場合には、使い心地も含め治療薬の選択肢が広がり、セルフメディケーションの向上につながる。ただし、本剤はストロングクラスのステロイド剤であることから、購入者の適正使用を担保するため、チェックシート、販売時に必要な情報提供資材を充実させる必要があるというところでございます。
 次の次のページに参りまして、海外での承認の状況でございますが、医療用、一般用ともに承認はないという状況でございます。
 少しページが飛びまして、資料3-2をご覧ください。各学会、医会からの見解を頂いておりますので、御紹介申し上げます。日本小児科学会、日本皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会から御見解を頂いております。
 まず、日本小児科学会の見解でございます。まず1点目、OTCとすることの妥当性についてでございますが、薬剤特性の観点、対象疾患の観点、適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点から、全て妥当と思われるというものでございます。これを判断した根拠といたしましては、リンデロンと同様の効能・効果であることにより、軟膏、クリーム、ローションに関しては、よいように思われるというものでございます。2点目のOTCとする際の留意事項、課題点についてでございますが、ミディアムクラスのステロイド外用剤と同様、5~6日間使用しても症状がよくならない場合に、受診を行うように強く注意喚起するという御意見を頂いております。
 続きまして、次のページに参りまして、日本皮膚科学会の見解でございます。まず1点目、OTCとすることの妥当性については、OTCとすることは妥当と考えるという御意見を頂いております。薬剤特性の観点から、ステロイド外用薬のストロングに相当する薬剤であり、このような薬剤は今までにもOTC化されているので、妥当と考える。対象疾患の観点から、特に問題ない。適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点からも、特に問題ないという御見解を頂いております。また、2点目のOTCとする際の留意事項、課題点についてでございますが、顔や首などの薬剤吸収率の高い部位への外用はできるだけ短期間にとどめるべきであるという御見解を頂いております。
 次のページに参りまして、日本臨床皮膚科医会の見解でございます。まず1点目、OTCとすることの妥当性についてでございます。薬剤特性の観点からは、OTC化が妥当とは言い難い。対象疾患の観点から、あせも、単なるかゆみ、じんましんは効能・効果から削除すべきである。適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点から、ステロイド外用剤は、皮膚科専門医の指導の下、使用するべきであり、OTC化されたことにより不適切な使用による副作用等の懸念がある。そのため、OTC化が妥当とは言い難いという御見解を頂戴しております。2点目のOTCとする際の留意事項、課題点についてでございますが、定期的に皮膚科を受診している患者に対して急場しのぎとして販売することは仕方ないと思われるが、新規患者の皮膚疾患の診断が難しい薬剤師が、患者の訴えをうのみにして販売することは大変危険である。仮にOTC化された場合には、薬剤師による十分な説明と、一定期間使用しても効果が認められないときには皮膚科受診を強く勧めることの徹底が必要であるというものでございます。そして、最後のその他でございますが、しかし、本邦では既にマイルドクラスのステロイド外用剤は多くの商品名で販売されているだけでなく、ストロングクラスのステロイド外用剤がOTC化され、販売されている事実がある以上、ストロングクラスのデプロドンプロピオン酸エステル軟膏、クリーム、ローションのOTC化はやむなしと言わざるを得ないだろうという御見解を頂いております。
 本成分について、先生方からの御意見を頂戴できればと思います。事務局からの説明は以上でございます。
 
○笠貫座長 どうもありがとうございました。
 それでは、日本小児科学会の見解について、岡田参考人から御意見や補足がありましたら、お願いいたします。
 
○岡田参考人
 岡田でございます。日本小児科学会から、薬事委員の岡田がお話しさせていただきます。当初、実はよろしいのではないかというお返事をさせていただいていたのですが、やはり少し慎重にすべきという意見が薬事委員会の中でも出ております。というのも、まず1つは、御説明いただきましたが、海外での販売がなかったということ。それから、小児といっても年齢が幅広くありまして、いわゆる乳児・新生児に使われてしまう可能性が却下できないだろうという御意見を頂戴しております。なので、一応、承認自体はさせていただいたのですが、小児科学会では慎重に御審議いただきたいということが審議されました。以上でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。次に、日本皮膚科学会からの見解について、五十嵐構成員から御意見、補足をお願いいたします。
 
○五十嵐構成員
 ありがとうございます。これはストロングクラスのステロイド外用剤ということで、先ほど御説明がありましたように、同ランクのもので既にOTC化されているものがございます。軟膏、ローション、クリーム、この剤形においては、要するに、同クラスのものが既にOTC化されているということを鑑みますと、OTC化することに関しては妥当かなと私は思っております。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、日本臨床皮膚科医会からの見解について、矢口構成員から御意見、補足をお願いいたします。
 
○矢口構成員
 日本臨床皮膚科医会の矢口です。事務方の方が全てしゃべってくださいましたので、追加することは特にないのですが、10何年、20年近く前、市販されているベトネベートを薬局で買い、それを顔面につけて重症な顔面のステロイド皮膚炎を起こした。それを報道され、その報道の中でステロイドは悪魔の薬ですと言われてしまったということが、非常に皆さんにとって、ステロイドの訳の分からないところでの怖さといいますか、そういうものを感じたのだろうと思っております。我々ももちろんそう思っております。確かにウィーク、マイルドのステロイドに関しては、たくさんの薬が出ておりますので、問題ないと思いますけれども、ストロング以上のステロイドの薬に関しては、先ほど小児科の先生もおっしゃいましたように、かなり注意をしながら使っていかなければいけないのではないか。ただ、もう既にベトネベート、フルコートというストロングクラスのステロイドが出ておりますので、そことの整合性といいますか、そういうところを考えると、最後に書きましたように、やむなしと言わざるを得ないであろうかと考えております。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、この成分のOTC化につきまして、個別の御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。岩月委員、どうぞ。
 
○岩月構成員
 昔からステロイドといいますか、外用の塗布剤に関しましては、毎回、長期連用ということが話題になるのですけれども、需要者の実態を見ていますと、炎症が治まってもかゆいから、かゆいのを止めるために使う方がほとんどで、毎日継続的に使っていらっしゃるという方は、少なくともOTCの中ではあまりいないという認識を持っています。金額も金額ですし、効かなかったら次のものを買おうという動機にもならないのでしょうが、大量に連用するという使い方はほぼ想定しなくてもいいのではないかというのが、ここにあるようなストロングタイプの軟膏剤も含めて、今まで現場で経験している感覚です。もちろんきちんと説明することは大事だと思いますけれども、そういった連用への懸念はあまりないのではないかなという感覚は持っています。もう一つは、実はこういう皮膚の掻痒に使う薬は、専門家の先生方の前でお話しするのも勇気が要るのですけれども、現場としては、大抵の方が石鹸でごしごし患部を洗って、石鹸が創傷面に残っているということがとても多いと感じていますので、そういったことをきちんと同時に伝えるということが大事だろうと思っています。適正に使っていただくために、医薬品の使用のみならず、生活環境も同時に説明できるということが大変重要だと思っていますので、そういった観点をぜひつけ加えていただければと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ほかにはございませんか。宗林委員、どうぞ。
 
○宗林構成員
 一般消費者が自分の選択で使うということになりますので、今は専門家の方もいらっしゃるので、明確にしたほうがいいなと思うのは、先ほど岩月先生もおっしゃっていましたけれども、長期連用というのはどのぐらいまでという話なのか。長期連用とよく聞くのですけれども、どのぐらいというのを明確にしたほうがいいのではないかなということ。あと、目の近くとか、皮膚の薄い顔に塗るような場合の注意がなくていいかどうかということと、ある程度継続的に使っていたときのやめ方です。そのまますっとやめてしまえばいいのか、ベリーストロングなんかの場合は、医療用医薬品の軟膏などをだんだん落としながらやめていくみたいなことをしている場合もあるかと思いますが、その辺りをお聞きできればと思っています。以上です。
 
○五十嵐構成員
 よろしいでしょうか。
 
○笠貫座長
 どうぞ。
 
○五十嵐構成員
 今の宗林先生の御質問に私の知っている限りでお答えしたいと思いますが、今、同クラスで市販されているお薬は、先ほどこの文面の中にもちらっと入っていたのですが、大体5日から6日使用してみて改善しない場合は、受診勧奨という流れになっているお薬がほとんどだと思います。顔面に関しては、副作用が一番出やすい部位なので、特に目の周りとかは注意なのですけれども、極端な話、緑内障のある方などがお使いになると、眼圧が上がる可能性もゼロではありませんので、やはり顔面に関しては細心の注意を払うべきでございまして、お顔に使う場合は、外用塗布範囲を非常に限局して使うような注意書きがされているOTCが多いかと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。それでは、ほかにはございませんか。
 
○原構成員
 よろしいでしょうか。
 
○笠貫座長
 原委員、お願いします。
 
○原構成員
 眼科の立場からもやはりちょっと気になりまして、ステロイド緑内障に関しては、成人でも3分の1ぐらいの人がステロイドで緑内障を起こす。小児はもっと頻度が高いと言われていまして、子供さんなんかは1週間ぐらいでも眼圧が40、50という方がいて、全く症状がありませんので、目の周りに関しては、もっとがっちり注意喚起をしていただいたほうがいいかなと思います。また、アトピーの皮膚炎の方は、どうしても顔に症状が強い人というのはこすりますので、外傷性の白内障になったり、網膜剥離になったりということもありますので、ちょっとでも目に症状があるようであれば、すぐ眼科に受診勧奨するということを徹底していただいたほうがいいかなというのが眼科医からの意見です。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。堀委員、どうぞ。
 
○堀構成員
 ありがとうございます。今、宗林委員がおっしゃったことは、私からも提言しようと思っておりました。特に長期使用ということを具体的に明示しないと、一般の消費者には分かりにくいと思います。また「大量」という言葉に関しましても、どれぐらいが大量なのかということを具体的に明示することは、OTC化においては必要ではないかと思いました。今、原先生がおっしゃっていた内容に関しましては、ローションには特に気をつけるべきではないかと思います。ローションはよく頭皮に使われていると私は聞いておりますが、頭皮にさわったときに、どうしても目の周りをさわりがちです。つまり、軟膏とかでしたら、きちんと塗ろうというイメージがつくのですけれども、ローションですと、頭皮についたときに、どうしてもそれが垂れてきてしまったり、あと、目をさわってしまったりすることで目の周りにステロイドがつくということは私も聞いたことがございますので、使い方に関しては留意していただき、また、消費者に対しても明示できるような形で残していただけたらと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。宮川委員、どうぞお願いします。
 
○宮川構成員
 今、私もそのことをお話ししようと思ったのですが、軟膏とクリーム、それから、ローションとは全く違うのだという概念をしっかりと考えていただかなければいけない。軟膏、クリームはある程度同程度というか、ニアリーイコールで考えていいのですが、ローションは全く別と考えないと非常に問題が起こってくる。先ほど原委員からもお話があったように、これは非常に問題を起こしています。私もずっと臨床をやっていまして、目のところがかゆくてしょっちゅうさわるお子さんが使用したときに非常に困窮するような状況を起こした。網膜剥離を起こしたというのを目の当たりに見ております。ですから、そういうことも含めて、ローションに関しては少し別格に考えていただいたほうがいい。これは軽々に考えるべきではない。だから、軟膏、クリームとローションは別だと考えていかないと、非常に問題が起こってくるのではないか。また、先ほど岡田参考人からもお話があったように、小児の場合、非常に大きな問題を起こしてくることが、これは考えられるというのは、小児においてはもう問題なのです。可能性があるとか、問題視されるというのではなくて、問題なのです。そこのところをしっかりと考えていかないといけない。消費者の方にしっかり認識していただきたいところはそこなのだということです。大人と子供では違う。そして、子供も成長段階の子供と、先ほど話があったように、乳幼児はまた別格という形になりますので、区別をしっかりと考えていくことが大事なのです。そのところは明確にしっかりと書き込む、もしくは認識していただくことが重要だと考えております。軽々に論じるべきではないところが多いのだということをしっかりと委員の方も知っていただきたいと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。磯部委員、どうぞ。
 
○磯部構成員
 宮川先生、ありがとうございます。先ほどからいろいろなドクターの先生からお話があった目の問題、もともとステロイドの点眼の問題もいろいろ御指摘いただいておりますし、まさしく乳幼児・新生児をどう考えるのかというのはおっしゃるとおりだと私も思います。そういうことはきちんと考えてやらないといけないと思いますが、1つ、使い方に関しましては、これは古い薬でありますけれども、調剤でかなり出ている薬だと思います。ですから、実際に処方されて多くの調剤をされておられる薬局の先生方は、適正使用に関しましてくどいぐらいやっているケースが多いのではないか。特にローションでは、私はこの形状がよく分からないので、形状によって大分いろいろなところに使うというのはあれなのですが、今でも医療用医薬品の調剤の中では適正使用に気をつけられていると思いますので、もしOTC化されても、そういった先生方が医療用医薬品の調剤のときに適正使用を確保する意味でやられているのと同様の使い方のもとで、処方箋そのものはないのですけれども、薬局の方々に見ていただくということが多分このOTC化の前提の条件だろうと思いますので、そういう中でもどのように使えるのかということで考えていただければありがたいなと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。宮川委員、どうぞ。
 
○宮川構成員
 OTC化されるときには、今、磯部委員がおっしゃったことは当然のことなのです。しかしながら、現場では当然のことができていない現状があるということをしっかりと理解しなければいけない。それは磯部委員も御存じだと思います。いろいろ現場では問題が起こっているということ、乱用のところもそうなのです。ですから、建前と本音みたいな形でしっかりとやっていただかなければ困ります。その発言は非常に重要だと私も認識しておりますので、しっかりと本当に現場でやっていただけるならいいけれども、やっていただけない現状があるということを、現場はしっかりと理解しながら運用していくということだろうと思っております。以上です。
 
○笠貫座長
 その他になければ、まとめに入らせていただきますが。
 
○岩月構成員
 よろしいでしょうか。
 
○笠貫座長
 では、どうぞ。
 
○岩月構成員
 医師が処方するときには、処方箋に使用部位が書いてあり、薬剤師も確認しているのです。OTC化されたときには、使用部位は薬剤師が需要者に聞かなければいけない。やっている、やっていないという水かけ論をするつもりはありませんけれども、最低限、そこは信用していただきたいなと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、岡田参考人にお願いします。
 
○岡田参考人
 恐れ入ります。小児科学会の岡田でございます。1つ大きく認識していただきたいのは、一般の内服薬とは違い、外用薬については、実はお父様、お母様、おじいちゃま、おばあちゃまに処方されたものを使ってしまうことが結構あります。これは効くので塗ってごらんとかというのは周りでも随分あるのです。ですから、内服薬と外用薬のOTCはそういうところを細かく見てあげないと、売った人が、これは飲めないから大丈夫だよねではなくて、塗れてしまうというところをきちんと御理解いただいて、その上で販売をする。ですから、小児の場合、買った人が使うわけではないということも十分にあるというところを御理解いただいて、御検討いただければと思います。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。大変大切なことを御指摘いただいたと思います。御議論いただきましたので、パブコメを行うに当たりまして、この検討会議としての方向性を整理したいと思います。既にストロングに分類される先行薬がOTC化されているという前提での議論になると思いますが、これは先行薬にも通用することです。ステロイドの軟膏とローションは違うということで、それぞれの適切な使い方について、薬剤師も製造販売業者も十分な説明が必要だという御指摘があったと思います。特に顔面の目の周りの使い方については、使用不可とするのか、あるいは使用部位を限定して使用可にするのかは次の議論として、大事なことだと思います。それから、小児への誤用は、非常に大きな問題として、他剤一般に通じる問題として取り上げていかなければいけないと思いました。また、対象疾患について、何か御意見はございますか。資料3-1で効能・効果としてかなり広く求められていますが。矢口委員、お願いします。
 
○矢口構成員
 先ほどもちらっとお話がありましたし、私もちょっとお話ししましたように、あせもというのはなかなか定義が難しいというところはあるのですけれども、もちろん、それが皮膚炎になっていれば適用になると思います。あと、単なるかゆみがあるからステロイドをくれとか、蕁麻疹でステロイドを塗る。これは使い方自体が間違っておりますので、もしOTC化された場合には、あせも、単なるかゆみ、蕁麻疹は削除すべきだろうと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。これまでのストロングのクラスに属するステロイドの軟膏との整合性を見ながら、事務局で検討していただけたらと思います。それでは、課題点を挙げていただきましたが、関係する皆さんが連携をとりながら、努力するという形で、進めてよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、デプロドンプロピオン酸エステルの軟膏、クリーム及びローションについては、検討会議で議論した内容についてパブコメを実施することにいたします。それでは、事務局はパブコメに向けた手続を進めていただけたらと思います。
 それでは、続きまして、デプロドンプロピオン酸エステルのテープについて、事務局から概要の説明をお願いいたします。
 
○事務局
 事務局でございます。資料4-1を御覧ください。デプロドンプロピオン酸エステルのテープ剤に関して、情報をまとめた資料でございます。
 候補成分の情報といたしまして、スイッチOTCとした際の効能・効果は、「しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)」とされております。医療用医薬品の情報については、こちらに記載のとおりでございます。医療用は、エクラープラスター20μg/cm2でございます。
 次のページに参りまして、医療用医薬品の特徴・概要でございます。まず、真ん中辺りの開発の経緯でございます。ステロイド剤による密封療法(ODT療法)は、一般に難治性皮膚疾患や慢性皮膚病変に用いられている。密封療法に用いられる貼付剤の基剤は油脂性と水溶性に大別され、油脂性基剤は水溶性基剤に比べて粘着力が強く、強い密封効果が期待できる一方、水溶性基剤では油脂性基剤に比べて薬剤剥離時の角質剥離が生じにくいと考えられている。そのため、密封療法においては、両者の使い分けが必要であるとされているところでございます。本邦におきましては、まず、水溶性基剤を用いたエクラーテープが1992年に承認・発売されており、続いて油脂性基剤を用いたエクラープラスターが2001年に承認されております。ただ、先に承認された水溶性の基剤のものに関しましては、既に供給停止となっておりまして、現在あるものは油脂性の基剤のものとなってございます。
 続きまして、臨床での使われ方でございます。こちらにつきましては、先ほどの軟膏、クリーム、ローションと類似の記載がございますので、テープに関してのところだけ御説明させていただきますと、医療用の場合ですと、効能・効果といたしまして、ケロイド等に使われるというところがございますけれども、成人においては強いステロイドのテープ剤、小児においては弱いステロイドのテープ剤として使用されているというところでございます。
 続きまして、安全性に関する情報でございますが、まず、重大な副作用としましては緑内障、後のう白内障でございます。禁忌におきましても、先ほどの軟膏、クリーム、ローションと同様のものがある一方、最後に、血清の浸出している病巣及び特に発汗の強い部位が禁忌として挙げられております。
 次のページに参りまして、推定使用者数でございます。不明とさせていただいておりますが、参考まででございますけれども、先ほどと同様、アトピー性皮膚炎の推計患者数のほうを記載させていただいております。
 その下に参りまして、同種同効薬の状況でございますが、「しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん」の効能・効果を持つOTC医薬品として、ストロングクラスのベタメタゾン吉草酸エステル、ミディアムクラスのステロイド剤としてプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル等がスイッチOTC化されているというものであり、軟膏、クリーム、ローションと同様でございます。また、きず・やけどのあとの皮膚のしこり・つっぱりの効能・効果を持つスイッチOTC化されているステロイド剤は現状ないという状況でございます。
 次のページに参りまして、OTC化された際の使われ方といたしましては、「しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん」の効能・効果を持つ一般用医薬品は、軟膏やクリームなどの剤形はあるが、貼付剤の剤形は現状ない。本製剤がOTC化された場合には、剤形の選択肢が広がり、使用者の要望に応じて使い分けることができるようになる。また、「きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)」の効能・効果を持つOTC医薬品は、ヘパリン類似物質を主薬とする製剤が中心で、ステロイド外用剤は現状ない。本製剤がOTC化された場合には、形成外科診療ガイドラインでケロイド症状に効果があるとされているステロイド薬での治療という選択肢をとることが可能となるというものでございます。なお、本剤はストロングクラスのステロイド剤であることから、購入者の適正使用を担保するために、チェックシート、販売時に必要な情報提供資材を充実させる必要があるとされているところでございます。
 次のページに参りまして、海外での承認の状況でございますが、先ほどのクリーム、軟膏、ローション剤と同様、海外では医療用、一般用ともに承認がないという状況でございます。
 続きまして、資料4-2に参りまして、関係する学会、医会からの見解を頂戴してございますので、まとめております。先ほどの軟膏、クリーム、ローションと同様、日本小児科学会、日本皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会から見解を頂いておりますので、御紹介申し上げます。
 まず、日本小児科学会でございますが、1つ目のOTCとすることの妥当性についてでございますが、薬剤特性の観点、対象疾患の観点、適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点、いずれも要注意と思われるという見解を頂いております。2点目のOTCとする際の留意事項、課題点についてでございますが、密封法(プラスター)(ODT)のOTCとして使用を考えた場合、小児では難しく、小児には適応を考えたほうがよいと思われる。この根拠といたしましては、密封法の長期にわたる広範囲の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状が現れることがある。皮膚感染症も密封法の場合は起こりやすい。使用の煩雑性もあるということから、小児適応は慎重に考えるべきであるという見解でございます。
 次のページに参りまして、日本皮膚科学会の見解でございます。まず、1点目のOTCとすることの妥当性についてでございますが、OTCとすることは妥当でないと考えるというものでございます。その根拠としましては、薬剤特性の観点からでございますが、ステロイド外用薬のストロングに相当する薬剤であるが、テープ剤であるため効果が増強する点、不適切な用法により皮膚感染症などのリスクが増大する点などが懸念されるというもの。対象疾患の観点からは、ケロイドや肥厚性瘢痕の治療でOTC化が認められたステロイド外用薬はなく、適正使用に関して懸念があるというもの。適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点から、ステロイド外用薬のテープ剤に関しては、OTC化された場合に、適正使用を薬局でマネジメントできるか疑念があるというものでございます。
 続きまして、日本臨床皮膚科医会の見解でございます。まず、1点目のOTCとすることの妥当性についてでございますが、軟膏、クリーム、ローションと同様な見解でございまして、薬剤特性の観点からはOTC化が妥当とは言い難い。対象疾患の観点から、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましんは効能・効果から削除すべきです。適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点から、OTC化が妥当とは言い難いという御意見でございます。これらを判断した根拠といたしましては、ステロイドテープ剤はODT療法を行うための製剤であることから、皮膚科専門医の的確な診断・指導の下、適切に使用しなければならず、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましんには適さない。ステロイドテープ剤とは、皮膚が本来持っているバリア機能を低下させることにより薬剤の浸透・吸収が高まり、強い治療効果を発揮する。ストロングクラスであることを考えると、密封療法であるテープ剤の力価はベリーストロング、ストロンゲストに相当するものと考えられ、高い治療効果がある一方で、副作用等の発現ですとか、感染症のリスクが高くなってしまう可能性があるので、十分な注意が必要であるというものでございます。2点目のOTCとする際の留意事項、課題点についてでございますが、定期的に皮膚科を受診している患者に関して、急場しのぎとして販売することは仕方ないと思われるが、薬剤師が患者の訴えをうのみにして販売することは大変危険であるということで、薬剤師による十分な説明、一定期間使用しても効果が認められないときには皮膚科受診を強く勧めることの徹底が必要であるという見解を頂いております。
 事務局からの説明は以上でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。それでは、日本小児科学会の見解について、岡田参考人お願いいたします。
 
○岡田参考人
 小児科学会の岡田からお話しさせていただきます。やはり同じように、ステロイド薬であり、先ほど子供がどう使うかという話をさせていただいたのですが、ひどいというか、貼っておきなさいと言うお母さんが結構いらっしゃるわけです。だから、自分で切って貼るのであればまだいいかもしれませんが、貼っておきなさいというのは、どれぐらいの大きさで貼るのだろうと思ったりとか、取れてしまったら、貼っていないとお母さんに怒られるなんていうことも小児ではありがちだなということを考えますと、患者さんに適正使用が本当にできるかなというところがあります。ですから、やはりこれは処方で補うべき医薬品ではないかなというのが小児科学会の見解でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、日本皮膚科学会の見解につきまして、五十嵐構成員から御意見、補足をお願いいたします。
 
○五十嵐構成員
 ありがとうございます。これは同じ成分でございますが、ODTという密封療法をすると、ランクが確実に上がってしまって、ベリーストロングクラス以上の効能もあるかと思います。実臨床でもテープ剤等を使ってそういう実感がございます。としますと、やはりかなりの注意した使用が必要で、テープ剤を使うときは我々も非常に気を使うのです。湿潤病変というじゅくじゅくしているようなところに使うと、まず感染を起こしてしまうということがあって、患者さんにも確実にここだったら使えるよという場所に限定して使うように言うのですけれども、そういったところの指導がやはりちょっとOTCの場合は難しいと思うのです。という意味では、やはりリスクのほうが大きいかなと思いまして、テープ剤をOTC化することに関しては、私は反対でございます。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、日本臨床皮膚科医会からの見解について、矢口構成員から御意見、補足をお願いいたします。
 
○矢口構成員
 これは先ほどとやはり同じで、もう全てしゃべってくださったので、読んでいただいたとおりなのですが、この中で密封療法をやるためのシール、パップ剤ということで、その力価というのが1から2ランクアップする。つまり、ベリーストロングとかストロンゲストに相当するのだろうと。ステロイドの強さというのは、先ほども出てきましたが、血管の収縮能で見ておりますけれども、実際に私も自分の大腿部に貼ったり、ストロンゲスト、ベリーストロングの薬を塗って確認してみたのですが、30分塗ったり貼ったりしていると、ストロンゲストですと、塗った場所が白くなってくる。このエクラープラスターも、貼っているところがくっきりと白くなってくる。つまり、それだけ強いということを皆様に認識していただきたい。ただ、いろいろな先生にも聞いてみたのですけれども、これを証明する論文とか報告とか、そういうものはありませんでした。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。それでは、この成分のテープ剤、密封療法について、個別に御意見がございましたら、お願いいたします。磯部委員、どうぞ。
 
○磯部構成員
 これだけの先生方の前で言うのは非常に緊張いたしますが、実は今回頂いて、密封法(ODT)については、臨床的には安全性の問題が非常に多いという御指摘を頂いたので、私、常にこの会議で申し上げておりますが、こういうものはやはりデータに基づいて判断していかないといけない。当然、臨床の先生方の実感は非常に重要な要素でございますが、データで見たらどうなのかということでございます。現状の薬機法では、副作用があれば、特に重篤なものについては副作用報告をするという仕組みがあり、また、各社では市販後調査の中でそのデータの収集をしなければいけないということであります。今回のこのプラスター剤についてはどうなのか、私のほうで調べてまいりました。過去10年の副作用報告を全部調べまして、同じメーカーでプラスターとクリーム、ローションを売っているので、圧倒的にプラスター製剤のほうが販売数量が多いということでございますが、先ほど言った皮膚の部位の問題で、全部非重篤の症例報告でありますが、10年間で23例だということでございました。それから、これも非重篤でありますが、感染症を起こして副作用報告がありましたのが1例ということでございました。私はこういったデータを見て、当然、臨床の先生方の御指摘はよく考えないといけないことでありますが、こういった副作用報告の点から見ますと、これが大きな問題という形での副作用報告状況になっていないのが現状かと思います。また、これについては、プラスター剤の前がテープ剤で、どうも皮膚の親和性が悪かった。テープ剤は水溶性のものだったらしいのですが、その際の軟膏、クリームと比較した副作用の発現もほとんど変わらないというのが再審査報告書でオープンになってございます。先ほどの副作用報告も、再審査報告も全てオープンの厚労省、PMDAで評価された結果でございますので、私はそういったデータもよく考えていかないといけないのではないかと思います。そういったことを含めて、こういった副作用報告の状況を考えますと、OTCとして承認することで別におかしいものではないのではないかと私は思います。その上で、皆さんが御懸念の点がいろいろあるのであれば、こういったものを薬局でどうするのか。また、そういった臨床的な問題があり得るということであれば、医師との関係でどのように協力し合いながらやっていく体制を組むのか。そういったことは必要だと思いますが、そういったことをいろいろ考えて、また、短期使用を基本に置いて、それでどうだったのか。うまく改善しなければ医師の受診勧奨をするというやり方も含めて考えていくべきではないかと思います。また、臨床皮膚科医会の先生のほうから、類似の薬のドレニゾンテープの販売中止でステロイドの貼付剤はもうこれしかないのだということで御懸念の点がありました。これはこの委員会でやる話ではありませんが、長年使われた薬の薬価が非常に下がりまして、先発医薬品のほうも、今度、選定療養の議論がいろいろあるようでございます。そういった場合に、医療用医薬品として本当に供給が継続できるのかということも含めて考えなければいけないことを考えると、OTCで存続させて、逆に医師も薬剤師も使っていくということも含めて、今後の医薬品提供体制を考えると、そんなことも頭に入れながら、こういったOTCという問題を考えていく必要があるのではないかと私は思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ただいまの御意見も含めまして、委員の方から御意見はございますか。松野委員、お願いします。
 
○松野構成員
 ありがとうございます。先生方の御懸念は現場でも非常に感じるところはあるのですけれども、今回のこの候補成分の効能・効果のところが全て「しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ」と結構広い範囲で書かれているというところからすると、薬局で販売する薬剤師がどうマネジメントできるのかという点では、やはり範囲が広過ぎる点で、事前の教育もかなり必要だろうと感じるのです。ですので、効能・効果のところでどういう症状の人に使うのかという限定するような範囲がもう少し表現できるのであれば、これをOTCとして扱う上では、まずはその範囲でOTCとして認めていけば、薬剤師もマネジメントして現場で販売することも可能ではないのかなという方向性でも考えていけるのではないかなと思いますので、薬剤師の役割発揮という意味でも考えていただければと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 効能・効果につきましては、先ほど矢口委員等からかなり絞り込むという話が出ていますので、ここではその対応策を考えていただけたらと思います。宮川委員、どうぞ。
 
○宮川構成員
 宮川でございます。今、松野委員がおっしゃったことは非常に重要なことで、そうなると、診断に結びつかない。つまり、効能・効果というところで、その人を見てその病状がどういう疾患なのかということを判断するというのは、診断という形になってしまうのです。そうすると、それはどのように誰が客観的に見られるのかということになると、非常に難しい状況がある。先ほど磯部委員がおっしゃったように、今までそういう副作用報告がなかったからそれでいいのではないかということになると、それは非常に大きな問題で、隠されているところがどこまであるのかというのは、推測と言ってしまっては、これはまた逆に言えば問題なのかもしれませんが、本当にそれが事実を示しているのかどうかというのもまた問題であるというところもあって、判断というのは非常に難しいだろうと思います。ただし、この密封療法というのは、現場では非常に困窮した状況になったときに初めて使う療法になります。つまり、通常であれば塗布するという形でよろしいのですけれども、それがなかなか効かない状況、それから、症状が強い状況になったときに密封療法を使うということで、段階としては非常に上になるわけです。そこのところをOTCという形で誰がどうやって判断していくのかということになると、非常に問題が起こってくるということは当然のごとく分かってくるわけです。ただ、規制改革推進会議がいろいろなことでよく言うのですけれども、エビデンスがないだろうかというと、先ほどいろいろな検討会で物議を醸し出したエビデンスという言葉が出てきてしまうと、何をもって何がエビデンスなのかというのは非常に難しい話になってくるのだろうなと思っています。ですけれども、実際には密封療法は1ランク上の治療になるということをよく理解していただいたほうがよろしいのではないかなと思っています。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。堀委員、どうぞ。
 
○堀構成員
 ありがとうございます。私は今、宮川委員のお話をお聞きし、また、各学会の先生方のお話を聞いて、同じステロイドであっても、密封療法、プラスター剤というものの効果がかなりほかの剤形よりも高いということを私は初めて知りました。というのは、消費者は、どちらかというと、ステロイドというのはどんな皮膚炎においても効くと思っていますので、今まで何かあれば、感染症関係の皮膚炎とかにかかわらず、何でもステロイドを塗ればすぐに治ると思いがちであること。それから、このプラスター剤というものが普通の軟膏に比べて効能が高いということを知らないということ。3つ目は、このプラスター剤に関しましては、まず、貼る場合には、患部を軽く洗浄してよく乾燥させた後、貼るということ。先ほど五十嵐先生がおっしゃっていたかと思うのですが、じゅくじゅくした状態の部位に塗ると、より感染症が起こるとおっしゃったのではないかと思うのですけれども、そういうことも知らないということを考えた場合、OTC化したときに安易に使ってしまう恐れがあるということが私は非常に心配です。ですので、まず、もしOTC化されプラスター剤を使うとなった場合に関しましては、先ほど宮川委員がおっしゃっていたように、最後のとりでであること、要するに、最後に使うものであって、安易に使ってはいけないということはぜひ薬局・薬剤師の方たちも伝えていただきたいですし、適正な使い方と、そして、テープ剤に関しては、効能が高いということは伝えていただきたいと思いました。以上です。
 
○湯浅構成員
 よろしいでしょうか。
 
○笠貫座長
 先に佐藤先生、お願いします。
 
○佐藤構成員
 ありがとうございます。産経新聞の佐藤です。遅れまして失礼いたしました。今、様々御指摘があったとおり、密封剤という形状によるために効果が強く出るというのは、恐らくそうだろうと思いました。だからこそ、効能・効果に、ケロイドであるとか、肥厚性瘢痕などが書かれているということだと思います。先ほどの軟膏とかローションにはこの効能・効果はありませんでしたので、効果が高いからこそ、重い疾患が効能・効果に書かれているということだと思います。そうしますと、逆に仮にスイッチOTC化した場合に、湿疹とか皮膚炎とか、軽い症状を書くことのほうが問題であって、重い疾患に効くのであれば重い疾患の効能・効果を優先して書かなければならないと思いました、というのが1つです。その上で、そのニーズについてです。例えば、スイッチOTC化した場合の効能・効果としては、やけどの痕の皮膚のしこりとか突っ張りが書かれており、この辺りは何となくニーズとして分かる気もしますけれども、例えばケロイドにも効くとして、そういう効果を求めて一般用医薬品を買って使う、というニーズをいま一つイメージできませんでした。重い疾患に効く薬は、重い疾患に効く薬として、利用の必然性があればOTC化を検討するべきだと思いますし、必然性があれば、検討した上で、先ほど磯部委員がおっしゃったように、医師と薬剤師が連携してどのように使うかを考える、ということだと思います。ただ、現時点で私には何となくこの重さの疾患をOTCで対処するというニーズをうまくイメージできませんので、そういうニーズを示していただけるとありがたいと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。湯浅委員、どうぞ。
 
○湯浅構成員
 我々医師は、日常診療をする上で、イービーエムを重視しています。このイービーエムは4つの輪から成り立っています。エビデンスやデータは、その輪の中の1つにすぎないということです。他の3つの輪は、「患者の行動と選択」「周囲の環境」そして「臨床的な経験」すなわち臨床医の経験で構成されています。やはり医師のさじ加減や、経験というものが非常に大事になってくると思います。本成分に関しては、学会、医会の先生方の3人がOTC化に慎重な姿勢を示しています。その点については、やはり重く受け止めなければいけないと思っております。OTC化することが必要なのかどうかということをしっかりと考えていただければと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。宮園委員、お願いします。
 
○宮園構成員
 ありがとうございます。NACSの宮園といいます。私も子供のアトピーに悩む母親の1人ではあったのですけれども、医者にかかりながら、強いステロイドは怖いので、本当に怖いと思うような消費者だったのですが、医者の判断でと思って慎重に使ってきたのですが、子供が小さいときに、かいてしまうというのが親としては心配なので、もしかしたら、テープ剤だったら、安易にかくのを防げるかもと思って貼ってしまうかもしれないと思うのです。そうすると、実は医者の先生方のお話を聞くと、それだけ効能・効果も大きい、イコール、リスクも高いということを知らずに、小さい子がかかないようにとお母さんがつけてしまう、父親がつけてしまうというのはちょっと怖いなと今回思いましたので、OTCに関しては、もっと慎重に議論されたほうがいいという感想を持ちました。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。宗林委員、お願いします。
 
○宗林構成員
 もしOTCにするとすれば、薬剤師の先生、それから、消費者にもテープ剤とそうではないものの使い分けが明確に分かるように、例えば、先ほど佐藤さんも言っていらっしゃいましたけれども、どういう場合にテープ剤を使うということを効能・効果に限定した形で書く。それから、使う部位であるとか、どのぐらい貼るかということも、同じ成分なので、強くなるのは当然だと思いますけれども、強くなるということが分からないような形での販売は問題があるかなと思いますので、効能・効果とか、使う時間であったり、いろいろなことについて、テープ剤に特有のものの書き方を明確にしていただくということが大事かなと思います。そうした場合は、薬剤師さんと御相談しながら使えば、例えば、小児は外すなら外すということでやれば、効果的に使えるのではないかなという一面もあるかと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。
 
○岩月構成員
 時間がないのに申し訳ありませんが。
 
○笠貫座長
 簡潔にお願いします。
 
○岩月構成員
 要するに、今までのお話はブースター効果ですよね。ステロイドの使い方として、ブースターの効果というのがOTCに本当に必要なのかどうか。必要であるならば、どういったことのために使うのかということが明確でないと、これを現場の薬剤師が判断しろと言われても、それは多分難しい話だと思います。ですから、そこを効能・効果も含めて明確にしていただくということが、OTC化をする場合には絶対に必要だと思いますので、そこは強調しておきたいと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。
 
○笠貫座長
 五十嵐委員、お願いします。
 
○五十嵐構成員
 簡潔に言います。臨床の現場でこのテープ剤をどういうときに使うかというと、我々は、小児において、外用では強さをいろいろ決めながら使うのですけれども、ベリーストロングの外用剤を使ってもよくならない場合にテープ剤を使います。それほどテープ剤というのは効果が強い。反面、やはり副作用に注意しなくてはいけない。逆に言えば、ベリーストロングのほうが副作用面ではまだメリットがあるという感覚で我々はテープ剤を使っております。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ただいまの話は、これまでの議論になかったので、皆さんの御意見は非常に大事だと思いました。磯部委員から出されたデータ駆動型の議論は、これからも大事だと思いますが、医療用医薬品として医師が処方した場合の副作用報告なので、薬剤師の説明でセルフメディケーションとして使った場合の副作用がどうなるか考えることは、非常にデリケートな問題で、バランスを取りながら、判断していくことだろうと感じました。軟膏・ローションとテープ剤を最初から区別して議論していただきたいと思っていたのは、プラスター剤による密封法は、成分がストロングであってもベリーストロング以上の効能となるということです。皮膚の構造も病態も複雑な中で、医師が最後に強い療法として使用するもので、効能も違ってくるために、医師の診断と判断が必要だという説明だったろうと思います。このプラスター剤のOTC化は難しいかもしれませんが、そうした問題点をまとめさせていただけたらと思います。パブコメを行うに当たりまして、スイッチOTC化する上での課題は、使い方によってもOTC化は慎重に考えなければいけないということで、事務局で整理させていただいて、皆さんにお諮りするということで、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、デプロドンプロピオン酸エステルのテープ剤については、検討会議での議論を踏まえてパブコメを実施していただくことにします。事務局、お願いします。
 それでは、続きまして、モメタゾンフランカルボン酸エステル水和剤について、事務局から概要の説明をお願いいたします。
 
○事務局
 事務局でございます。資料5-1でございます。モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物の点鼻用の噴霧剤の成分について、まとめさせていただいている資料でございます。候補成分の情報でございますが、スイッチOTCとした際の効能・効果といたしましては、「花粉による季節性アレルギーの次のような症状の緩和:鼻づまり、鼻水(鼻汁過多)、くしゃみ」でございます。なお、候補成分に対する医療用医薬品の情報はこちらに記載のとおりでございますが、医療用医薬品につきましては、ナゾネックス点鼻液50μgでございます。
 次のページに参りまして、医療用医薬品の特徴・概要でございます。時間も限られておりますので、経緯は割愛させていただきますが、まず、2008年に50μg56噴霧用の国内販売が、2009年10月に112噴霧用の国内販売が開始されているというところでございます。再審査結果が既に通知されておりまして、薬機法第14条第2項第3号イからハのいずれにも該当しないとされております。
 臨床での使われ方でございますが、本剤はアレルギー性鼻炎の治療に使用されているところでございまして、こちらに記載のステロイドの噴霧剤の使用がなされているというところでございます。
 次のページに参りまして、安全性に関する情報でございますが、重大な副作用としてアナフィラキシーが報告されております。
 また、禁忌でございますが、有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身性の真菌症の患者、本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者でございます。
 少し飛ばしまして次の次のページでございますが、推定使用者数でございますが、鼻が詰まる・鼻汁が出るが621.6万人、アレルギー性鼻炎の有病率が49.2%、花粉症の有病率が42.5%と、それぞれ2019年のデータが掲出されております。また、参考までに一般用医薬品市場の販売金額・販売個数について記載をさせていただいております。
 同種同効薬・類薬のスイッチOTC化の状況でございますが、鼻噴霧用ステロイド薬としてスイッチOTC化された成分は、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルニソリド、フルチカゾンプロピオン酸エステルでございます。また、本検討会議におきましても、フルチカゾンプロピオン酸エステルとフルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、議論がなされているところでございます。
 OTC化された際の使われ方といたしましては、一般用医薬品の噴霧用ステロイド薬が季節性アレルギー性鼻炎の治療に使用されているということで、既承認の鼻噴霧用ステロイド薬は1日2回が最も少ない用法であるが、本剤は1日1回の用法であるということで、利便性が向上するというところでございます。
 なお、その他でございますが、鼻噴霧用ステロイド薬とガイドラインについて記載をさせていただいております。先ほど皮膚用の外用ステロイド剤に関しまして、ステロイドのクラスによって使い分けがあるという話がございましたけれども、鼻アレルギー診療ガイドラインによりますと、皮膚科領域のようなステロイドの強さによる使い分けはなく、強さのランクによる区分もない。鼻噴霧用ステロイド薬はいずれも微量で局所効果が強く、吸収されにくく、吸収されてもすぐに分解されるため、連用しても全身的副作用は少なく、効果は確実であるとされております。なお、小児適用に関しましては、第18回の本検討会議におきまして、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの小児に対する適用について議論がなされております。モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物の医療用医薬品は小児にも適用可能でありますので、スイッチOTC化された際の小児に対する適用については、議論の余地があるとさせていただいております。
 次のページに参りまして、海外の承認の状況でございますが、医療用、一般用医薬品とも多くの国で承認がなされているという状況でございます。
 続きまして、資料5-2でございます。モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物に関しましても、関係学会からの見解を頂戴しております。日本小児科学会、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会、日本臨床耳鼻咽喉科医会の見解を頂いております。
 まず、日本小児科学会の見解でございますが、OTCとすることの妥当性については、薬剤特性の観点から、対象疾患の観点から、適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点から、小児にとって妥当とは思えないという見解を頂いております。この根拠といたしましては、以前の本検討会議での検討の際に、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会及び日本臨床耳鼻咽喉科医会より、小児の長期使用による粘膜の薄層化の懸念から、使用対象に15歳未満を含めることは望ましくないとの見解が示されているというところでございます。使用期間の上限におきましても、以前の本検討会議におきまして、1年間に3か月を超えて使用しないこととするのが妥当で、小児ではさらに短いほうがよいと思われるという御意見を頂いております。
 続きまして、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会と日本臨床耳鼻咽喉科医会の2つの学会・医会が併せて見解をお示しいただいておりますので、御紹介させていただきます。1点目のOTCとすることの妥当性についてでございますが、薬剤特性の観点から、本剤のバイオアベイラビリティーは低く、鼻腔粘膜から吸収され、肝での代謝を受けずに全身循環に回る薬剤量は、ベクロメタゾン等よりもかなり低く抑えられており、OTC化には特に大きな問題は生じないと考える。対象疾患の観点から、花粉症・季節性アレルギー性鼻炎による鼻閉や鼻汁過多等の症状緩和に対しては高い効果が期待できる一方、皮膚症状や眼症状は対象外である点、注意喚起が必要であるということ。適正販売、スイッチ化した際の社会への影響の観点から、年齢を考慮し、また、内科的合併症等がないことを十分に確認していれば、副作用発現を低く抑えられると考えられ、患者QOLは高く維持できる。しかし、血管収縮薬が主成分の点鼻薬と混同し、乱用に至る懸念もあり、適切な指導が必要であるという見解を頂いております。次のページに参りまして、OTCとする際の留意事項、課題点についてでございますが、小児においては長期間投与とならないよう十分な配慮が必要である。また、成人を含めて、即効性のある薬剤ではない旨を十分に周知して、頻回投与を回避する指導も必要と考えるという見解を頂いてございます。事務局からの説明は以上でございます。
 
○笠貫座長
 どうもありがとうございました。それでは、日本小児科学会の岡田先生から、御意見、補足がありましたらお願いいたします。
 
○岡田参考人
 日本小児科学会の岡田でございます。見解のところにも書かせていただきましたが、やはり小児にとってはまだOTCが必要とは思っておりません。先ほどもちょっとお話ししましたが、例えば、アレルギー性鼻炎がありますと受診されるお母さん方はもちろん多いわけですけれども、実際にアレルギーを検査しても、実はない方が結構多いです。どこかの先生がアレルギー性鼻炎ではないかと言ったのを、アレルギー性鼻炎なのでと言ってみたり、例えば、イネ科のアレルギーがありますと言ってみたりする。イネ科のアレルギーは花粉なので、実は出るのは5月のゴールデンウイークから7月上旬ぐらいまでなのですけれども、稲刈りのときに出るのが稲のアレルギーだと誤解されている患者さんはかなり多くいらっしゃる。それから、点鼻をすると鼻閉が取れたりするので、この効果を期待してアレルギー性鼻炎なのでという間違った使い方をされるということも結構多くありますので、慎重に御議論いただけたらなと小児科学会としては考えております。ありがとうございます。
 
○笠貫座長
 それでは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会及び日本臨床耳鼻咽喉科医会からの見解として、近藤構成員、橋本構成員から御意見、補足をお願いいたします。
 
○近藤構成員
 では、近藤から発言させていただきます。学会、医会の合同の見解に記載のとおりですが、この製剤は全身循環に回る薬剤量が非常に少ないということが知られておりますので、ステロイド剤ではありますが、全身的な副作用は非常に生じにくい安全な薬剤だと考えております。ですので、問題になるのは、むしろ局所といいますか、鼻粘膜に対する副作用というのが問題になるお薬でありまして、その点を適切な指導下で使用していただければ、OTC化をすることには妥当性があると考えておりますが、大きく分けますと、問題点としましては、市販の血管の収縮薬と同じように、つけるとすぐ効くと考えているユーザーの方がそれなりにおられまして、たくさん使ってしまう。その結果、鼻粘膜が非常に乾燥して、ひどい場合には潰瘍とか穿孔が鼻中隔に起こってしまうという問題が1つあります。もう一つは、お子さんですが、医療用ではお子さんも対象になっておりますけれども、やはり軟骨とか粘膜がかなり薄いですので、たくさん使うと、そのような問題が大人に比べてさらに起こりやすいということであります。ですので、鼻の中というのは実際には見ることが難しいですので、基本的には量を守って使っていただくということが大事だと思うのですが、実は局所の副作用が起こるときは、大抵は鼻出血が先行してあります。ですので、鼻血が出るような場合には使用を1回中止して、耳鼻科で鼻内を見てもらうようにという受診勧奨をしていただくとよろしいのではないかと考えております。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、橋本構成員からお願いします。
 
○橋本構成員
 では、橋本から意見を少し述べさせていただきます。今の近藤先生の内容でほぼ網羅されていると思いますが、この薬剤はバイオアベイラビリティー、すなわち鼻腔の粘膜、鼻の粘膜はかなり薬剤を吸収するという特性がありますが、それが血管の中に入り込んでしまう。それがバイオアベイラビリティーですが、それが低いとはいえ、先ほど来議論がありますように、一応、薬剤のランキングからいたしますとベリーストロングに属するということで、添付文書には、全身的な投与に比べれば可能性は低いけれども、副腎皮質機能不全であるとか、緑内障、白内障惹起の可能性であるとか、小児に関しては、成長遅延の可能性があるという基本的な重要事項の記載がございます。ですから、長期間投与ということに関しては、基本的には減量するように努めるようにという文言もございますので、当初のスイッチOTC化した場合の対象疾患はやはり花粉症に絞るべきであろうと思います。先ほど岡田先生がおっしゃいましたように、年間で3か月以内に抑えるのが妥当ではないかと私も思います。あと、年齢に関しましては、医療用医薬品に12歳とありますけれども、基本的には成長がある程度進んでからの15歳以上で認めるのがよいのではないかと個人的には考えております。あと、先ほど眼科疾患についても言及がございましたが、基本的には薬剤師の方が緑内障、白内障があるかどうかというチェックはしておくべきかと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございました。それでは、個別の御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。平野委員、お願いします。
 
○平野構成員
 ありがとうございます。JCSの平野でございます。店頭で何が起こるかということをどうしても私たちはまず考えてしまいます。現在、このステロイドの噴霧薬に関して、ステロイド、特に子供さんでは使えないということになっている場合に何が起こるかというと、結局、ナファゾリン系のものを買って帰ってしまう。しかも、子供さんがそれを持ち歩く。結局、これは実はどのぐらい使われるかということがコントロールできないことが起こりやすい状況にあります。むしろ今回のこのお薬に関して言えば、資料の中にも、1日1回であることによって持ち歩く必要がなくなるから、利便性が向上するという視点があるのですが、私はむしろこれは利便性というよりは安全性であると。すなわち、1日1回であるからこそ、お子さんに対して親御さんが管理ができる。ほかのものはむしろ管理ができないのです。その点からいうと、ぜひこちらの小児用の適用を認めていただきたい。それによって、より安全に使っていただけるのではないのかなと思う次第でございます。以上でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ほかにございませんか。磯部委員、お願いします。
 
○磯部構成員
 ありがとうございます。今日は外用のステロイドばかりなのであれなのですが、私もいろいろ調べまして、外用のステロイドに関しましても、皮膚に投与する場合と鼻粘膜に投与する場合とでは、当然、吸収が違いますし、医薬品については、投与経路が違うものはかなり体内挙動が変わって、安全性、有効性に大きく影響する。これはもう薬学の公理でございます。その上で、実際にこの外用ステロイドが皮膚のほうではストロングで、ストロングのものとミディアムのものとベリーストロングを分けて考えていかなければいけない。これは皮膚の領域では当然のことなのでございますが、鼻粘膜に使う場合はそういった区分けが事実上あまり関係ないというのが現実で、厚労省保険局でつくっている、もう10何版とやっている薬剤の専門家による薬剤分類表の中でも、明確にその取扱いが分かれているというのが現実でありますので、ストロングがどうかというのはありますが、鼻粘膜の領域でどうなのか。先ほど近藤先生がいろいろおっしゃっていただきましたけれども、そういった耳鼻科で使われている先生方の御意見を基に考えていくことが必要ではないか。小児については、もう少し詰めて考えていかないと、今の時点でどうこう言うことはできないと思いますが、先ほどの平野先生のお話や岡田先生のお話、いろいろな視点があると思いますので、そこはもう少し考えていければいいのではないかなと思います。あと、先ほどの笠貫先生の最後のまとめのときに、私、それについてはコメントし切れなかったので、ちょっとだけ言わせていただくと、私は、医療用医薬品の副作用報告に関しましては、十分考慮すべき事項だと思います。なぜかといいますと、患者選択が適切にできて、どういう部位に使うかというのがはっきりしていて、かつ、薬剤師の服薬指導とか、そういった適正使用の一連の流れがきちんとできた場合に、その薬剤が持つものがどうなのかということは示しているのだろうと。ですから、患者選択や使用部位、服薬指導といったことがそろったときにはこういう結果になるだろうということは、長年の使用経験から言えると思いますので、そういう視点では、OTCの場合に、例えば、先ほど患者選択でどうかという議論がありましたが、そういったことがどのように関与するかで見方が変わると見ておくのがいいのではないかと私は思います。エビデンスを言ったわけではなくて、あくまでデータを言っているだけでございますので、そこら辺も御考慮いただければと思います。すみません。失礼いたします。ありがとうございました。
 
○笠貫座長
 ほかにこの成分の個別の御意見はございますか。いかがでしょうか。松野委員、どうぞ。
 
○松野構成員
 追加があるというわけではないのですけれども、この製品というのは、1日1回というのが本当に特徴的に利便性を高めると思うのです。どういう方にこれを販売していくのかという課題は残っていると思うのですけれども、OTC化は進めていくべき商品ではないかなと感じるところがあります。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ほかにはございませんでしょうか。そうしましたら、今のお話で、皮膚に使う場合と鼻粘膜に使う場合の考え方の違いと、ステロイドの分類の話もそうですが、副作用についても、特に鼻粘膜への直接の影響は非常に大きいこと、年齢の問題も指摘されました。これらに対してどのように対応するかについては、この症状で苦しんでいる方もたくさんいらっしゃるというニーズを踏まえて、それぞれの問題について、点鼻薬の噴霧した場合の問題点を整理していただけたらと思います。小児学会では妥当とは思えないという御意見で、耳鼻咽喉科学会ではOTC化に特に大きな問題は生じないという御意見であったことは、いかにOTC化の議論には多様な面からの検討が必要かということだと思います。こういった問題について、消費者にとってのメリットと、許容できるリスクがどこまであるのかについて、各ステークホルダーの方から御意見を頂きましたた。大変難しい問題を抱えていると思いながら、本日の議論された課題を整理していただき、この課題に対する対応策については、パブリックコメントを頂いた後で、議論を深めたいと思います。渡邊委員、どうぞ。
 
○渡邊構成員
 今日はいろいろありがとうございました。私、現場で処方箋を預かって、いずれのお薬も処方させていただいております。特に鼻炎薬はこれだけの個数がもう出ていまして、例えば、これから花粉症の時期になったときに、このお薬1つをもらうためだけに患者さんが何時間も時間を費やすよりは、使ったことがある方、これの処方の適応の方にはOTCで販売ができたら、本当に喜ばれるのではないかなと思います。あと、プラスター剤なのですけれども、軟膏とかクリーム剤がすぐ剥がれてしまうような場所、そういう方には、プラスターもきちんと使えば全然怖くないと思います。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 適正使用は、薬剤師の説明が十分なされて、それを消費者が十分理解し使用できるかどうかにかかります。現実的にどの程度可能かどうかはどんどん改善していくだろうと思いますが、今の段階でどのように適正使用を実現できる販売体制をつくっていくかも含めて、パブコメの後に対応策について議論を深めることにして、課題点を事務局に整理していただくという進め方でよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物の噴霧薬については、パブリックコメントを検討することを進めさせていただきたいと思います。事務局でよろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。「スイッチOTC医薬品の候補となる成分の検討状況等」について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○事務局
 事務局でございます。資料6を御覧ください。資料6は、スイッチOTC医薬品の候補となる成分の検討状況ということで、要望等のあった成分について、これまでも随時一覧をお示しさせていただいたところでございますが、本日は令和4年度に受け付けた分につきまして御報告を申し上げます。令和4年度受付分といたしまして、本日御検討いただきましたモメタゾンフランカルボン酸エステル水和物、アダパレン、ツロブテロール、この3成分について受付をしております。
 次のページに参りまして、テリパラチドの検討の進め方について、少し御検討いただければと思いまして、資料を作成させていただいております。テリパラチドにつきましては、令和3年度受付ということで、以前の検討会議において紹介させていただいている成分でございますが、医療用といたしましては、テリボン皮下注28.2μgオートインジェクターでございまして、効能・効果は骨折の危険性の高い骨粗鬆症、週に2回皮下注射するという用法・用量となっております。今回、注射剤であるということで、本検討会議での取扱いについて御相談させていただきたいというところでございますが、剤形に関する規制につきまして、薬機法第49条第1項の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品という告示におきまして、注射剤は処方箋医薬品に指定されているという状況でございます。また、通知ではございますが「医薬品の承認申請について」という通知におきまして、医師、歯科医師が自ら使用し、または医師、歯科医師の指導・監督下で使用することが適当な医薬品は、原則として医療用医薬品として取り扱うものとされているという状況でございます。こういった現在の規制の状況下であるというところで、テリパラチドの対応の方向性につきましては、OTCは一般の人が自らの判断で適用できるよう、一般の人が使いやすい剤形である必要があり、現行製剤の剤形はスイッチOTC化の課題の1つと考えられる。剤形に関する課題についての解決策の検討は困難と考えられるため、本検討会議としては、スイッチOTC化のニーズを把握するのみとしてはどうかと事務局としては考えているところでございます。これに関しまして、御意見を頂戴できればと思います。事務局からは以上でございます。
 
○笠貫座長
 それでは、最後に、お話しいただきましたテリパラチドの進め方について、検討会議としての議論をいただきたいと思います。御意見がありましたら。磯部委員、どうぞ。
 
○磯部構成員
 私がいつも最初に言うのは何かあれなのですが、私、現時点ではこういう注射剤が難しいというのは理解するところでございますが、先ほども少し申し上げましたが、我が国の社会は人口減少が危機的な状況にきていると思います。その中で、医療提供体制をどのように組んでいくのか。また、医薬品の提供も非常に不安定な中で、医療保険制度との関係でどういうものをOTC化していくのかは、もっと踏み込んで考えなければいけない時期に来つつあるのではないかと思っております。そういう中で、このような外来で使われる薬で、これは骨粗鬆症ということでございますが、注射剤ということでありますが、御自宅で自己注射をするというものについても、今後、こういうものもどのように考えていくのかということは、いわゆる2040年問題というか、医療提供体制を今後どのように考えていくかという中で、こういったもののOTCについてよく考えていく必要があるのではないかと思うので、でき得れば、そういったことを検討する場を今後考えていただければありがたいなと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。堀委員、どうぞ。
 
○堀構成員
 ありがとうございます。私は本当に単純に、使い終わった注射針などの処理方法を消費者に任せてしまっていいのかなということがとても不安です。多分、医療廃棄物という形で、普通のごみの収集とか、プラスチック材とか不燃物というところには捨ててはいけないと私は理解しているので、そこの部分に関しての注射針などの回収方法の徹底の周知とか、そういうことがきちんと決まっていない中でOTC化を皆さんで議論するというのはちょっと早いのではないかなと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ほかにございますか。どうぞ。
 
○湯浅構成員
 私も、堀委員がお話しされたように、剤形に関する規制があるこの注射薬をこの会議体の場で話し合うことが妥当なのかどうか疑問です。スイッチOTC化のニーズを把握するのみとしてはどうかというのは、事務局のほうで具体的にはどのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。
 
○事務局
 事務局でございます。この要望が提出された時点で、一定のニーズはあるということは理解させていただいているところでございます。したがいまして、本日、本評価検討会議の場で、テリパラチド酢酸塩の御要望があって、こういった議論の俎上に乗せたということで、ニーズを把握したということで対応できればと考えている次第でございます。以上でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、佐藤委員、お願いします。
 
○佐藤構成員
 ありがとうございます。まず、基本的にはルールは守るべきだと思います。原則はそういうことだと思います。ただ、ルールは絶対ではなくて、古かったり、陳腐になったりしている場合もありますので、そういうことは考えるべきだと思いますが、資料によると平成17年につくられたルールであって、中身を考えても陳腐になっているということではないようだなと思います。その上で、さらに、何も考えずに駄目ですねと言うのではなく、ルールを超えるニーズがあるのかどうかは聞いてみてもいい気がします。対応の方向性の2つ目の○に、スイッチOTC化のニーズを把握するのみとしてはどうか、とあります。ルールを見直すときには、何か必然性があって、では、例外を考えましょうとか、そういうものだと思うので、この薬について、そのルールを超えるような何らかの理由があるのかどうかは聞いてみたい気がします。以上です。
 
○笠貫座長
 それでは、上村委員、お願いいたします。
 
○上村構成員
 私は整形の専門ではないのですが、このOTC化の場合には、原則として診断が必要な、これは骨折の危険性の高い骨粗鬆症が効能・効果になっていますけれども、恐らくこれを診断しなければいけないわけですよね。そうすると、OTC化にはそぐわないのではないか。私は以前からそう思っていたのですが、これがOTC化された際の効能・効果が、医師によってきちんとした診断が必要なものというのは、まずOTC化は難しいのではないかなと思っていたのですけれども、今日ここでぱっと最後に注射が出てきたのでびっくりしたのですが、それは原則ではないのかということを不思議に思いました。以上です。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。事務局で方向性をまとめていただきましたが、皮下注射、特に予防的な注射ということになりますと、この評価検討会議の範囲を超えるものだと思います。現時点では本会議の対応ではないとしても、一般市民からこうしたニーズが出てきたという認識は非常に大事だと思います。先ほど磯部委員がお話しになりましたように、これから「薬局ビジョン」が進み、あるいはセルフメディケーションが進んできたときにどういう形になるか。佐藤委員が言われたように、どこかで変わっていくものだろうという認識を我々が持つことは大切だと思います。この評価検討会議は、企業だけではなく、一般市民からも御要望を頂くという仕組みになっており、皆さんの御意見を聞けたことは非常に意義があると思っています。
 
○渡邊構成員
 1つだけ。
 
○笠貫座長
 渡邊委員、どうぞ。
 
○渡邊構成員
 堀委員さんが心配されていたのですが、医療用廃棄物は薬局でも病院でも回収して廃棄するようになっています。OTC化とは関係ないのですけれども、多分、世の中、そちらのほうは進んでいるはずです。それだけでございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。それでは、テリパラチド酢酸塩について、検討会議としてはスイッチOTC化に関する検討は行わないことにさせていただきます。本日の議題は以上ですが、そのほかに事務局から何かございますか。特に私がお聞きしたいのは、緊急避妊薬販売のモデル的調査研究についての報告をお聞きしたいのですが、簡単にお願いします。
 
○事務局
 本日も長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございます。今、笠貫先生のほうからお話がございました、前回の検討会議で取りまとめをしていただきました緊急避妊薬レボノルゲストレルにつきましては、11月28日から薬局での販売のモデル的調査研究が開始されておりますことを御報告申し上げます。以上でございます。
 
○笠貫座長
 モデル的調査研究は、この会議から提案された対応策のひとつであり、皆さん、ぜひフォローしていただきたいと思います。御質問があるかもしれませんが、次回にお願いします。これで今日の議題を終わらせていただきます。先ほど最後に注射薬のOTC化を議論しましたが、それ以上に体外診断薬のOTC化の重要性についても厚労省でお考えいただけたらと思います。
 師走のご多忙の中、座長の不手際で時間が超過しましたことをおわびいたしまして、第26回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を終わらせていただきます。御協力、ありがとうございました。
 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省医薬局医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 2737、4225)
 

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