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2019年5月29日 第3回年金広報検討会

年金局

○日時

令和元年5月29日(水)14:00~16:00

 

○場所

東京都港区新橋1-12-9
AP新橋(5階 Iルーム)

○出席者

足利 聖治(構成員)      
安部  隆 (構成員)
上田 憲一郎(座長)
大鶴 知之(構成員)   
殿村 美樹(構成員)          
原 佳奈子(構成員)   
森 浩太郎(構成員)       
横尾 良笑(構成員)       
吉野 隆之(構成員)

○議事

○上田座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第3回「年金広報検討会」を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中、お集まりいただき、まことにありがとうございます。
本日の委員の出欠状況ですが、富永構成員から御欠席の御連絡をいただいております。
それでは、議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
事務局から、よろしくお願いいたします。
○大臣官房企画官 厚生労働省におきましては、ペーパーレス化を推進しておりますが、本日はタブレットを確保できなかったために、大変御迷惑かけますが、構成員の皆様には資料を配付しております。
一方で、傍聴の皆様方におかれましては、大変恐縮ですけれども、御自身のタブレットなどの携帯端末を使用して、ダウンロードしながらごらんいただくようお願いします。
本日の資料ですけれども、お手元に議事次第、座席図、そして年金シニアプラン総合研究機構さんからいただいています資料1「若年者向けライフプラン教育に関する調査報告書の概要」、資料2としまして「年金広報コンテスト」、資料3としまして「年金生活者支援給付金の概要」、資料4としまして、今回御出席いただいています事業者のほうから「年金生活者支援給付金の広報について」、そして、資料5として「年金広報の現状と今後の検討課題」を配付しております。
事務局からは以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、もしカメラの方がいらっしゃいましたら、ここで御退室をよろしくお願いいたします。
それでは、これより議事に入らせていただきます。
本日は、「若年者向けライフプラン教育に関する調査について」「年金広報コンテトスについて」「年金生活者支援給付金の広報について」「年金広報の現状と今後の検討課題について」「その他」、この5つの議題とさせていただきます。本日は、特に(3)「年金生活者支援給付金の広報」について、これは大変大きな議題でございますので、こちらのほうに時間をとりまして、じっくり御議論をお願いいたしたく思っております。
まず初めに、議題(1)「若年者向けライフプラン教育に関する調査について」、具体的内容について、年金シニアプラン総合研究機構の吉野構成員より御説明をよろしくお願いいたします。
○吉野構成員 年金シニアプラン総合研究機構の吉野でございます。
本日は、お忙しい時間をいただいて恐縮でございます。早速、報告したいと思います。
1ページめくっていただきまして、まず、私どもの研究機構の概要でございます。昭和53年に設立されまして、年金に関する調査・研究を行っております非営利の専門研究機関になっております。
あわせまして、そのページの下のほうにございますけれども、ライフプランセミナーの開催ということで、定年退職後の年金生活のためのライフプランセミナーを開催しております。
1ページめくってください。3ページですけれども、我々のライフプランセミナーは、健康、いきがい、経済の3つが定年退職後、必要であるという前提でつくっておりまして、さまざまな知識のほかに、左のほうに小さく絵が見えていますけれども、いきがいに関するライフプランの表をつくっていただくとか、あるいは50歳代が主な対象ですので、年金の見込み額、退職金の見込み額、企業年金の見込み額などを実際に表に落としてみて、キャッシュフローが大丈夫かということを確認していただくというのが大きな中身になっております。実際にこういう表をつくることによって、参加者の気づきと行動変容が起きているというのが現状でございます。
下のほうに、アンケートの結果、いろいろお客様の声が書いてございますけれども、左側には、いいきっかけになったというものもございますが、右側のほうに、もっと早い時期に参加すれば少しでも変わったかもしれないとか、なるべく早い時期に受講を勧めてください。要するに、若いころから、もっとちゃんと取り組んでいればよかったというお話がよく聞こえているところでございます。
とは言っても、若い人を集めれば、皆さん来てくれるかというと、なかなかそうはいかないところが難しいところで、次の4ページになりますけれども、我々が若年向けのライフプラン教育に関する調査を始めるのも、こういった同じマニュアルでは若い人には響かないという問題意識からでございます。チームには、株式会社SAILの大井さん、フィデリティの野尻さん、それからここにも参加していただいています原さんにも御参加いただき、また厚労省からもオブザーバー参加していただいて検討を進めてまいりました。
5ページですけれども、主な問題意識は、御存じのとおりのことですけれども、100年時代が到来する中で、年金は実質ベースでの給付水準が下がっていく中で、どう準備していくかというところでございます。つい先日、金融審議会の市場ワーキング・グループでも、若年期から資産形成に取り組むことの重要性について、もっと広報すべきだという報告書がまとめられておりましたけれども、そういったニーズに対して、どのような働きかけをすればよいかという観点から研究をスタートしております。
ちょっと飛びまして、9ページをごらんいただきたいのですけれども、アプローチとして、広く不特定の若者に働きかけるということ。それから、(2)として、職場や学校などの一定の集団ができているところに働きかける。その2つのアプローチが大きくあるだろう。さらに、できれば若者たちに主体的に参加してもらう。こういった3つのアプローチを考えております。
飛ばして、11ページですけれども、広く不特定の若者に働きかけることについては、インターネットが非常に有益なのですけれども、実はウエブ上には既にいろいろな工夫をした情報が存在しています。むしろ、大事なことは、そういったさまざまな、すごく多くの、公益ベースのものもあれば、ビジネスベースもある。そういったものを整理して提供することが大事なのではないかということで、ライフプラン協議に関するポータルサイトを構築するのが有益ではないかということが一つの中身になっております。当機構でも、ぜひこれは構築したいと思っておりまして、うまくできましたら、年金ポータルとの連携なども検討していただければなと思っております。
次のページですけれども、一定の集まりの若者に対しては、企業の研修とか、あるいは上田先生もやっておられました大学の場、教育の場を通じて、こういった集団にもっと具体的に時間をとって働きかけるというのも有効かな。これについては、具体的なカリキュラムをつくり、可能であれば会社の初任者研修とかDCの継続教育とか、いろいろな場を使って、実際に使えるカリキュラムなり教材をつくっていきたいと考えております。
ちょっと戻っていただきまして、8ページをごらんいただきたいのですけれども、プロセスの中でさまざまな外国の状況なども調査した中で、イギリスでヤングマネーという大きな政府のプロジェクトができていて、若者に対する金融教育をしっかりしようということをスタートしております。その中で、Quality Markという制度がありまして、しっかりとした設計と内容を持った教材についてオーソライズしていくという仕組みがございます。私どもでは、今回の研究を通じて、ポータルサイトの構築、カリキュラムの検討に加えて、こういった品質保証のあり方についても、もう少し研究を深めていきたいと考えてございます。
大変早口で恐縮でございましたけれども、今年度の調査報告についてはこういうことでございますので、引き続き皆様の御協力をいただければありがたいと思います。
以上でございます。
○上田座長 調査報告書の御提出並びに御説明ありがとうございました。
ただいまの御説明に関しまして、御意見、御質問ございましたら、お願いいたします。
私も年金シニアプランさんのライフプランセミナーには、経験のために一度出させていただきました。そうしましたら、教える立場ではなく聞く立場として、一度、生徒の立場になってみると、そうか、こういうところがあるなと、非常に大きな気づきがございまして、大変勉強になりました。
また、今、吉野さんから御紹介ありましたように、大学卒業のとき、つまり、学生さんを社会人に送り出す前に、社会保険の基本的なところをいろいろ学んでもらう機会を持つのは大変有益だと気づきました。、卒業前の社会保険セミナーは厚生労働省さんからの御示唆で始めたのですけれども、大学としてもこれから取り組んでいきたいと思っております。
どうぞ。
○横尾構成員 大変よい取り組みだと思いました。感想でした。
○上田座長 そのほか、特に御意見、御質問ございませんようでしたら、以上で議題(1)を終了いたしたいと思います。年金シニアプラン総合研究機構の皆様、どうもありがとうございました。
続いて、議題(2)「年金広報コンテスト」につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○大臣官房企画官 資料2-1をごらんいただきたいと思います。「令和の年金広報コンテスト募集要綱(案)」でございます。
コンテストの目的ですけれども、新しい時代を迎えまして、次代を担う若い世代の皆様と一緒に、年金や老後の資産形成について考えることを目的としまして、ポスターや動画を募集しまして、こういった若い世代の方々に年金について考えてもらう。それについての年金広報コンテストを行うことを考えております。このコンテストは3つの部門で、①ポスター部門、②動画部門、③自由形式部門について募集したいと思っています。
募集の結果の賞としましては、厚生労働大臣賞、年金局長賞、さらに協賛の特別賞、特選、佳作を授与する予定です。
募集ですけれども、きょう、いろいろアドバイスをいただきまして、6月上旬にはこの募集をしたいと思っております。また、募集の後の応募の締め切りですけれども、本年10月25日金曜日までに提出していただきまして、最終審査としまして12月下旬を考えております。これをたくさんの方に知っていただくためにも、ことしの7月、日程をちょっと調整しまして、オリエンテーションということで、私どものほうでこういったことを考えていますよということもしたいと思っております。あわせて、最終審査、12月下旬の後の表彰式につきましては、本年の終わりから翌年の1月上旬ごろを考えております。
次のページをめくっていただきたいのですが、応募は個人・団体を問わず、どなたでもできますということと。一方で、いい作品については、私どもとしましてはさまざまなメディアで紹介していっていただきたいし、私たちもホームページとかで使わせていただきたいと考えております。
それぞれの部門ですけれども、ポスター部門につきましては、年金や老後の資産形成の大切さや、保険料を納めて年金を受け取るための手続をしていただく、その大切さを一般の方々に広く知らせるようなポスターを作成していただきたい。
ポスターのテーマにつきましては、例えば①20歳になったらどうすればいいか、②保険料が払えないときにはどうすればいいか、③もしものときに支えてくれる年金の機能というのはどういうものなのか、④就職や転職、退職、起業するという一大転機があったときに、年金というのはどうかかわってくるのか。さらに、老後の暮らしを考えてみるとどうなのかということについて、伝えていただくようなポスターを考えていただきたいというのがポスター部門です。
次のページをめくっていただきまして、動画部門です。これにつきまして、年金という我々の制度・商品をどういうふうに理解してもらうのか。年金の意義とか大切さを幅広く皆様に伝えるための動画というものを考えていただきたいというものです。特に、年金について、余りよく知らないという方であっても、誰にでも年金の意義や大切さが伝わり、感動とか共感を呼ぶことができるような、年金が登場する動画を作成していただきたいという部門であります。作品の長さは、きょうアドバイスいただければと思いますが、どのぐらいの長さがいいのかということも伺った上で決めたいと思います。
また、最終的な提出方法としては、You Tubeに非公開設定でアップロードしていただいて提出という形にしていただければと思っております。
最後のページになりますが、自由形式部門でして、老後の資産形成や、年金に加入していることの意義や大切さについて、さまざまな人たちが何かのきっかけでそれを知るということがあると思います。そのきっかけ、これは誰かの一言とか、家族で何かがあったということだと思うのですけれども、そういったことをもとに、自分も知ったけれども、それをほかの方にも知っていただきたいといったときに、どういうふうに伝えればいいのかということで、自由形式で、例えば作文とか和歌もありますし、音楽でも写真でも結構ですけれども、表現方法は問いませんけれども、eメールを使って送っていただける方法で、自由形式で表現していただきたいということを考えております。
いずれにしても、始めるに当たっては、たくさんの方々にこういうことをやっているという存在を知っていただく。それも含めて、どういうふうに知ってもらえれば、これが伝わっていくか。また、当然やっていただかなければいけませんので、やっていただくということもそうだし、私どもとしては、やる過程の中で、1人でやるのもありますけれども、たくさんの人と一緒にやる場合でも、そもそも年金はどうなのということを、これをきっかけに年金のことを知っていただく、触っていただくということを狙いとしているというものでございます。
事務局からの説明は以上です。
○上田座長 御説明ありがとうございました。
この年金広報コンテストにつきましては、今までこちらの検討会でも非常に活発な御議論をいろいろいただいてきましたし、また構成員の皆様の間でも深く意見交換を続けてきたところでございますが、特段、コメント、御意見ありましたら、お願いできたらと思います。
横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 前回と比較して、「具体的にどういった内容のものをつくればいいのか」ということが、応募者からイメージをしやすくなった点が、大変良かったと感じます。今後、コンテスト募集発表までに、今回のメインターゲットである若い世代にも伝わりやすいよう、役所的な難しい言い回しについて改善を加えると、さらに応募しやすくになってよろしいのではないかと思います。
○大臣官房企画官 ありがとうございました。
○上田座長 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
今、事務局からの御説明にもございましたけれども、このコンテストは応募をたくさんいただかないと盛り上がりませんし、構成員の皆様にもぜひいろいろ広報に努めていただいて盛り上げていただきたいと思いますし、またせっかくの機会でございますので、きょう傍聴の皆様にも、ぜひこの機会を捉えて、広くお知りおきいただいて、ぜひ一緒に盛り上げていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
また、事務局の皆様には、今までいただいた御意見を踏まえまして、コンテストのほうを進めていただければと思っております。また、進める過程で、引き続き技術的なアドバイス等ございましたら、構成員の皆様には逐次、事務局のほうへ御連絡いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
続きまして、議題(3)「年金生活者支援給付金の広報」に移ります。
まずは、年金生活者支援給付金の概要について、事務局から御説明をお願いいたします。
○伊藤事業管理課長補佐 年金局事業管理課でございます。
本日は、まず私のほうから、資料3に基づきまして年金生活者支援給付金の制度の概要について説明させていただきます。その後、引き続いて、今回の広報の実施事業者でございます博報堂様から、広報の基本的なコンセプトについて説明させていただきますので、その後に皆様から御意見などをお聞かせいただきたいと思っております。
では、まず、私から資料3に基づいて説明させていただきます。
1枚おめくりいただきまして、1ページ目でございます。こちらは、年金生活者支援給付金の概要でございます。この給付金の制度は、ことしの10月から始まります新しい制度でございまして、所得が一定額以下の年金生活者の方々の生活を支援するために実施するものでございます。
この給付金は3種類ございまして、1つ目が1ページ目のピンク色の箱で囲っています高齢者への給付金でございます。支給要件としましては、そこの下に書いてあります要件、①、②、③がございますけれども、例えば①65歳以上の年金受給者であること、②所得が一定以下であることがございます。
こういった要件を満たす方々に給付するものでございますが、その給付額は保険料を納めた期間によって異なります。給付額の(1)を見ていただきますと、例えば5000円掛ける保険料納付済み期間、割る480でございますので、例えば40年納めていただいた方には月額5000円という形で出ます。
この給付金でございますが、右側のグラフを見ていただきますと、斜めの対角線の点線が年金の額でございますが、この給付金を上乗せした額が赤の線になります。この赤の線になりますと、例えば78万円のラインで折れ線になっていますけれども、この折れ線の青いほうは、給付金を出すだけでは78万円と88万円の額が、年金と給付金を受ける総額が逆転してしまうことになりますので、この青色の部分についても補足的に出しております。
その補足的に出しておりますのが、2ページ目の高齢者への給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)に該当するものでございます。この補足的給付金の給付額というのは、先ほどのように保険料納付済み期間、あるいは所得の増加に応じて逓減する仕組みとなっております。
それが1つ目の高齢者への給付金でございますが、2つ目、3つ目は、その下の緑色の箱に書いておりますものでございます。すなわち、障害者や遺族への給付金でございます。これらにも支給要件があるのですが、高齢者の方への給付金と比べまして、支給要件が多少異なります。例えば、支給要件の②は、前年度所得が462万円としております。高齢者への給付金は、約88万円が所得の基準でございますので、それと比べて、障害者とか遺族の方への支給要件というのは高い水準に設定しているものでございます。
また、給付額についても、高齢者への給付金とは考え方が異なりまして、ここに記しております額で一定額ございます。
この給付金でございますが、大事なポイントとしては、給付金を受け取るためには請求書を提出いただく必要がございます。厚生労働省としても、請求手続をできるだけ簡便にしたいと考えておりまして、そのことを説明しておりますのが次の3ページ目に当たります。3ページ目をごらんください。
左に青い枠で、(1)は平成31年4月1日時点の年金受給者、(2)が4月2日以降と書いてありますが、この日付の違いがございますけれども、大きく分けて2種類のアプローチの仕方をとっております。すなわち、(1)の4月1日時点で既に年金を受給している方に関しますと、この給付金の事務を実施します日本年金機構が、市町村から給付金の支給要件の判定に必要な情報をもらうことにしております。
そのもらった情報をもとに、右側に目を移していただければと思いますが、ピンク色の箱の中に青い文字で、ターンアラウンド請求書の作成・発送とあります。すなわち、これは日本年金機構が市町村様から情報をもらって支給判定をしまして、給付金を受け取れる方に対してターンアラウンドの請求書を送ります。それが大体9月中旬でございます。そうしますと、その請求書が届いた方々は、それに名前などを書いていただいて、また日本年金機構に送り返していただきますと手続が完了としております。その請求書は6ページ目以降に載っておりますので、後ほど御説明させていただきます。
これが4月1日時点に既に年金を受給している方の手続ですが、その下の(2)のところに目線を移していただきまして、4月2日以降に新しく年金を受ける方というのは、まず日本年金機構から年金の請求書を送ります。その中に、資料として、この給付金の請求書も同封いたします。その同封する資料に必要事項を記載いただいて、年金機構に送っていただきまして、その後に年金機構において要件を判定することとしております。なので、記載事項の違いなどから、(1)に該当する方々と(2)に該当する方々で、日本年金機構から送る書類というのは若干内容が異なるものとなっております。
続いて、4ページ目をごらんください。この年金生活者支援給付金の広報スケジュールでございます。新しい制度が赤線のところ、10月1日から始まりまして、先ほど申し上げましたターンアラウンド請求書を9月中旬に日本年金機構から高齢者の御自宅にお送りしますので、そこに目がけて、例えばテレビCMとかラジオ広告を打つことを考えております。このページの真ん中にありますテレビCMとかラジオ、あるいはポスターなどの掲示を9月ごろから実施することを考えておりまして、後ほど事業者様からプレゼンテーションいただくことも、このCMやポスターをどういったデザインにするか、どういった広報を打っていくかということの御意見を賜りたいと考えております。
なので、基本的には9月をターゲットにしておるのですが、そのほかの取り組みとしまして、例えばこのページの真ん中あたりに特設サイトというのがございますが、これは7月ごろから順次、ホームページとして開設したいと考えております。これも後ほどの博報堂様からのプレゼンテーションに入っている1つでございます。
それ以外に、このページの上から4つ目にコールセンターというのがございますが、これについては、既に日本年金機構のほうで対応を進めております。具体的には、日本年金機構は、当然、給付金だけでなく、年金そのものの相談などを受けておりますので、その相談に対応するものとして、既にねんきんダイヤルというものがございますが、今回、新しく、かつ対象者も多い制度が始まりますので、7月ごろから、この給付金専用ダイヤルというのも新たに設ける予定でございます。
1枚おめくりください。5ページ目でございます。これまで申し上げたのが給付金の概要でございますが、こうしたことを踏まえて、この給付金の広報の訴求のポイントというものを案という形でまとめさせていただきました。
1つ目でございますが、ことし10月から、消費税率引き上げ分を活用し、所得が一定以下の方に新しい制度が始まるということでございます。かつ、これは老齢・障害・遺族の各年金受給者で、所得が一定以下の方が対象でございます。
2つ目として、この給付金を受け取るためには、請求書の提出が必要ということでございます。※印は、先ほど申し上げましたような、4月1日時点と、それ以降で、年金受給しているか、これからするかの手続の違いを書いているところでございます。
3つ目でございますが、お支払いする金額というのも、保険料を納めた期間や所得によって異なるということでございます。なので、過去に政府が実施した政策の中では、対象者に一律定額というものがございましたけれども、今回はそういったものではないということに御留意いただきたいと考えております。
4つ目の○でございます。この給付金のお支払いの仕方でございますが、受給される方々は年金受給者でございますので、既に年金を受け取っております口座がございます。それに対して、年金と同じ日、同じ口座に、年金とは別途、イメージとしましては、通帳に2行書かれるイメージでございます。そこにお支払いすることとしております。
その下の※印で書いておりますのが、請求のタイミングによってお支払いの時期が変わるというものでございます。何かといいますと、ことしの12月までに請求いただいた方は、ことしの10月分からの給付金の額が、12月、場合によっては2月とかに振り込まれるのですけれども、一方で、来年1月以降に請求した方は、請求した月の翌月分からのお支払いとなります。この給付金は、基本は請求した月の翌月分からのお支払いになるのですが、12月までにお申し込みいただければ、特例として10月分から支払うということでございますので、私どもとしては、この請求書がお手元に届いたら、速やかに申し込んでいただきたいと、このように考えております。
最後でございます。御不明な点がありましたらということで、この給付金専用ダイヤルの番号も案内したいと思っています。「×」は、まだ決まっていないため、こういった記載をしております。
最後、6ページ目以降でございますが、こちらはターンアラウンド請求書といって、4月1日時点で既に年金を受給している方に、かつ新しい給付金の支給要件を満たす方にお送りする書類でございます。これについては、デザインがほぼ固まっておりますので、こうしたものを用意しているということを御承知いただきたいと考えております。この6ページ目、4分割になっていますけれども、この4分の1が実際にはハガキサイズなので、もう少し文字は大きくなります。
9月中旬にこの請求書と、7ページ目以降に、これは実際にはA3に拡大して印刷しますけれども、ハガキサイズのものとA3のサイズのリーフレットを折り込んだものを封書に入れて、それを郵送で御自宅などに届けることを考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、資料4に関して、博報堂様のほうから御説明をお願いしたいと思います。なお、博報堂様には前のほうへ出てきていただいて、御説明をお願いしております。
○事業者 それでは、きょうはどうもありがとうございます。今回、受託させていただきました博報堂でございます。よろしくお願いいたします。
本日、御説明させていただきますのは、ポスターの内容、考え方。それから、ウエブサイトの考え方ということでございまして、このあたりが一番最初に動きますということと、それから、それが今後のクリエイティブの指標になってまいりますので、ぜひ御議論、御検討いただければと思います。本日は、プランニングを担当しております牧口、クリエイティブの山田、ウエブを担当しております永田の3名から御説明させていただきます。
それでは、よろしくお願いいたします。
○事業者 それでは、私、牧口のほうから、まず最初に、今回の周知・広報業務の基本的な考え方について、少し御説明させていただきます。
お手元に「年金生活者支援給付金に関する効果的な周知・広報等業務について」ということで、1ページおめくりいただきまして、基本的な目的の確認でございます。先ほど御説明いただきましたとおり、ことしの8月以降、厚労省、日本年金機構、関係機関から対象者の方にターンアラウンド、請求手続の御案内が行かれると思いますが、この御案内をいただいて請求書を返送していただく、ここの行動促進という部分をバックアップするために、効果的な周知・広報を行えればということで我々は考えてまいりました。
めくっていただきまして、そのためにはということで、対象者の方々の特性というものを少し検証してまいりました。
まず、3ページをお開きいただきまして、既存の政府関係機関が実施した調査で、関連するものを2枚ほど抜粋しております。
3ページは、まずターゲットとなる対象者の方々の興味・関心分野ということで、年齢も60歳以上と、上の方ですので、健康づくりというのが41%と、高いですが、次に30.3%、年金に関する情報というのを日ごろ欲していらっしゃる。これは、ここではちょっと割愛していますが、対象者の所得水準が低くなればなるほど、この年金情報に関する情報を欲しているというのが非常に高まってまいります。50%ぐらい、ある水準以下では高まってまいりました。
一方で、次の4ページですが、では、どういうところで情報を得ているかというところで見てまいりますと、所得水準、月収で、左からちょっと小さいですが、5万円未満、5万円から10万円、10万円から15万円という形で、80万円以上まで分けて対象者別に見てみますと、テレビというものは、どの水準の方々も非常に高い。8割以上の人たちがテレビから得ていらっしゃる。新聞になりますと、ある一定所得以下の人たちは講読を控えているということが傾向として見えてまいります。あと、インターネット、携帯電話も同じような傾向ですが、ラジオは逆に所得の低い人ほど聴取しているということもあります。この辺も勘案しまして、後々、メディアプランニングに生かしてまいりたいと思います。
一方で、対象者の心理実態という部分で、6ページでございます。弊社のほうで簡単なグループインタビューというものを、ことしの3月22日にさせていただきました。この対象者は、こちらにプロフィールを掲出しておりますが、65歳以上で、今回の対象になる老齢基礎年金を受給されている方。年金及び、その他の所得で78万円以下ということで、5人ほどお集りいただきました。この人たちのこういう年金受給に関する考え方というものをちょっと探索してまいりました。
次の7ページから3枚ほど、ポイントを3つほど挙げております。
1つ目ですが、今回の給付金についての簡単な説明を私のほうからしたときに、昨今のいろいろな事件等でうかがえるのですが、おいしい話には裏があるのではないかみたいな懐疑的な思いを抱く方も何人かいらっしゃいました。政府とか関係機関を名乗って電話をかけてきたり、銀行を名乗ってという事件も起こっていますので、いきなり送付されると詐欺ではないかと不安に思う方も何人か、声としては挙がっていました。このあたりの懐疑心の払拭といいますか、信頼性をいかに担保するかということも基本的な広報のミッションとしては必要かなと思っております。
次の8ページですが、通知の認知経路としまして、先ほどのメディアの調査でもそうでしたが、基本的に年金関係の情報というのは、自宅に送付された書類で確認していらっしゃる方がほとんどです。ただ、書類関係もたくさんのものが送られてきたりして、そこの部分を、例えば下のID1・男性・65歳という方の声ですが、封書などを小まめに見るようにして、同じものを妻と奥様のお母さん、義母にも見せて意見をもらっている。ダブルチェック、トリプルチェックなどする。書類というのは正確性を担保するために、どうしても文字量が多くなってしまって、どういうふうにすればいいのかとか、請求漏れなどしないようにしているというわかりやすさを家族内で確認し合うという方も多くいました。
ただ、5人の中で、お一人で暮らしている単身の方もいらっしゃって、そういう方は家族に相談できないので、市役所とか年金事務所に問い合わせるということもありましたので、今回の専用ダイヤルもきちんとお知らせすることで、そういう人たちの相談相手になる窓口はちゃんと伝えるべきかなと思います。
それから、高齢者向け給付金については、ポスター類も非常に重要なメディアということを、クリニックのポスターで過去、臨時福祉給付金などに関しても知ったり、それで請求したという方もいらっしゃいました。
9ページですが、先ほどお一人の方というお話しをしましたが、相談相手としては、家族、年金事務所、区役所。ポイントになりますのは、年金に関するお話というのは、かなりプライベートな思いということで、御近所の御友人とかには話しづらい。自分の所得がどのぐらいなのかというのも伝わってしまうし、ばれてしまうのはちょっと避けたいというあたりが、ここは話の内容がセンシティブなので、相談できる相手が限られてくるということも、これは年金サービスで避けられない課題かなと思います。
以上3つの点をまとめたものが10ページになります。インタビューからの発見としては、政府から支給されますよということは、情報として御説明すると非常にいい話と受け取られるのですが、一歩間違えると裏があるのではないかと思われてしまうところを、どうやって払拭するかというのがコミュニケーション課題の1としてあります。
それから、さまざまな経路、テレビ、新聞、病院のポスター等、いろいろな接点で情報を得ていますので、そこの接点を共通して、キャッチコピーだったり、キャラクターだったり、何か伝えるときに効果のあることも設計としては必要かな。
3つ目としては、お友達には相談できないということなので、限られた相談相手、御家族がいらっしゃればいいですけれども、御家族もわかっていらっしゃらない場合もあると思いますので、手続の促進のために、ナッジ効果じゃないですけれども、後押しするような文言とか文面も必要かなと思っております。
11ページは、今回は65歳から75歳の人たちが中心で、一部75歳以上、78歳とか、後期高齢者の方もいらっしゃいました。インタビューにいらっしゃる方というのは、割とお元気な方々が多かったのですが、そうじゃない人たちもいらっしゃると思います。そういう高齢者が自身で判断できない方に関しては、御家族だったり、地域支援者だったり、そういう方を通して伝えるシナリオというものが求められるのではないかというのが、社内で統一した内容です。
12ページになります。今、申し上げた3つの課題を踏まえて、認知、理解、受取、相談、請求手続、支払という一連のプロセスをいかに円滑に進めていくかということが求められる。そのときの課題として、認知・理解というところでは、ターゲットの接触頻度が高いテレビを中心として、リーチ効率を最大限高めていく。それから、これは御家族にもきちんと伝わることも意識して訴求していく。
受取・相談に関しましては、給付金告知への信頼性。先ほどの懐疑心を払拭するような、どこがこれを発信しているのかということも、きちんと訴求して安心感を持っていただく。
それから、円滑な請求手続としては、ハガキを書いて送るだけということを見ている人たちにいかに伝えられるかということも、後ほど出てまいります制作の表現の中で工夫して発信していこうということを担保しながら、13ページは、今のお話に少し重複いたしますが、支給対象者及びその御家族、それから地域のヘルパーさんなどの支援者の方も含めて、気づきとか理解。その人たちから御本人に伝えていくということも意識して、メディア選定、コミュニケーションを行っていこうと考えております。
14ページになります。コミュニケーション戦略のまとめになりますが、今回、信頼性を担保ということで、できるだけ事実、厚生労働省からのお知らせであることを伝えていく。それから、認知率の向上としては、キャッチコピーやキャラクター等による視認効果をできるだけ高めて、認識する人たちをふやしていこう。それから、簡単に手続できるとか、しないともったいないということを促進するようなナッジ効果を狙った表現開発ということも意図してまいりたいと思います。
最後、15ページになりますが、対象となる人たちは、65歳から、かなり高齢の方もいらっしゃるということで、弊社で大人文化研究所という組織が長年研究しているポイントを4点ほど挙げております。
明るく前向きであること、できるだけ恐怖訴求などは避ける。
公的機関、厚生労働省及び著名人からのメッセージというのは響く。はっきり明確なメッセージである。
最後は、表現物の技術的な話ですが、読み易くわかりやすいこと。例えば、文字サイズであれば、最低でも10ポイント、できれば12ポイント以上とか、書体も墨文字でゴシックなど、わかりやすい、視認性をできるだけ工夫していく。この辺をホームページ制作、ポスター制作でも留意してまいりたいと思っております。
ここから、クリエイティブの具体的な方針について、山田から。
○事業者 クリエイティブディレクターの山田と申します。よろしくお願いします。
次のページをめくっていただきまして、まず、クリエイティブの方向性についてお話しをします。通常、我々クリエイターに仕事の発注が来るときは、とにかくインパクトということを言われ、つくっていくのですけれども、今回、消費税増税のタイミングに年金・給付金の広報ということで、デリケート、本当にセンシティブに考えていかなければいけないなと思って、それを踏まえて、きょう、幾つか方向をお出ししたいと思っています。ただ、具体的な表現のディテールみたいなところまでは、きょうは御説明せずに、あえて方向性のところを皆さんと議論できたならと思ってお話しをさせていただきます。
まず、今、牧口のほうから話がありましたけれども、対象者の心理的な部分、詐欺に対する不安とか、グループインタビューでは、最近では殺されちゃうからねと言うおばあちゃんがいたり、本当にシリアスな状況だなと思っています。チラシだけでオーケーではなくて、チラシを見て、ポスターを見て、そしてテレビで念を押されて、これはちゃんと信用できるものだとか、タッチポイント、いろいろなところで触れるということがすごく大事だというところがわかりました。
あと、対象者というのは、通知が届いている人が結構多いわけですが、その通知が埋もれてしまうという話もすごく問題だなと、積まれたまま見ていないという方もいらっしゃるということで、そういうことも踏まえながら企画を考えなければと思っています。
そして、対象者以外の国民的心理。ここも増税のタイミングですから、いろいろなメディアで、増税だ、大変だと騒がれている中での広報なので、これをもらえない年金生活者あるいは納税者の心理状況も踏まえなければいけないと思っています。
そこで、我々はファクト・プラス・ナッジというところをコアの広報戦略にしたいと思っていて、1つは、ファクトという事実のところですね。厚生労働省からのお知らせということがわかるということであったり、日本年金機構から届く封書や用紙というものをCMだったりビジュアルできちんと見せていこう。これが届く、あるいは届いているのですよということがきちんとファクト、事実になって信頼性を獲得できるのではないか。
そして、対象者以外の方のこともありますから、消費税増税分を活用して、低所得者という表現を使うかは置いておきますけれども、そういう年金生活者の方の支援だということが伝わる、支援のためのものなのだということが伝わることで、国民の納得性、もらえない人への納得性というものが伝わると思っています。そこを我々、ファクトと一言で言っておりますけれども、大事に見せていきたい。
ナッジ、行動経済学で言われているところですけれども、既に届いている方が多いわけですけれども、あと一押ししてポストに投函するというところに促すことを一工夫加えなければいけないかなと思っています。それによって、対象者の不信感の払拭と請求の促進、国民全般からの納得感の醸成というものを狙っていきたいと思っております。
次のページをお願いします。ポスターだったり、テレビコマーシャルが流れたときに、対象者の状況を整理しました。ほとんどの対象者には通知が届いている。請求を始めている人もいるし、まだの人もいる。通知そのものがほかの書類に紛れて、放置されている場合もある。あるいは、さまざまなお得情報への不信感があり、様子を見て請求しない人もいる。そんな状況を踏まえながら、きょうは広告表現を3つ御提案したいと思います。
これは、先ほどポスターのお話がありましたけれども、これは広告表現全体にかかわるものと考えていただく。というのも、テレビコマーシャルが中心になってくると思うので、きょうは具体的なコンテはお持ちしませんけれども、方向性が全てに絡んでくると思って、クリエイティブ全体の方向性として考えていただければと思います。
まず、1つ目、A方向というもので、これはテレビCM、ポスター、チラシ、ウエブなどに統一したキャラクターを使用することで、対象者の信頼を獲得し、行動喚起を促すコミュニケーションの方向。先ほどタッチポイントが幾つかあることで信頼性を獲得するということを話しましたけれども、記号をつけることで、あのキャラクター、ここでも見た、あそこでも見た。これは信用しようということにもつながると思いまして、これが1つ目のキャラクターの方向です。
具体的に、きょうはこのキャラクターとお見せしておりませんけれども、例えば我々がやらせていただいたカクニンジャ、確認してねということでキャラクターをつくった広報だったり、マイナンバーのウサギのキャラクターだったり、そういう記号性を今回、オリジナルでつくっていって、親しみやすさも担保させながら、ナッジ、行動に促すみたいなことができるのかな。これが1つ目です。
念のために、動画のほう、カクニンジャって、皆さん、見たことがありますか。ありますね。皆さん、このプロジェクトにかかわっているので、お見せしません。わかっているということで。大きくキャラクターを使っていこうというものです。
次のページがポスターの構成です。デザインではございません。パワーポイントで仮につくったものですけれども、通常、キャッチコピーはいろいろなレトリックを駆使して書いていくのですけれども、今回は余りレトリカルなものではないほうがいいと思っています。1つ目は「もう請求はおすみですか。年金生活者支援給付金。以下の方が対象者です。」、そのものをきちんと伝える。ただ、このポスターを張ったときには、届いたばかりの人もいるかもしれないような状況ですけれども、あれ、私、やっていなかったかなみたいな心理になってもらいたいと思っています。
もちろん、対象者がいるということはきちんと踏まえなければいけないので、告知しながら、ここは結構大事かと思いますけれども、ハガキに記入してポストに投函。申請はそれだけの簡単なものですよというところをきちんと明記する。「申請はカンタン! 日本年金機構から送られてきたハガキに書いて送るだけ!」。これは、実際の書類を見せていこうと思っています。詳しくは、このダイヤルへという基本のポスターの構成です。キャラクターはこれからつくってまいりますけれども、こういうやり方が1つ目の方向です。
次のページに参ります。B方向。対象者の心理状況そのものをドラマ化することで、対象者の共感と信頼を獲得し、行動喚起を促すコミュニケーションの方向です。これは、最近、政府広報でもやっておりますけれども、高齢者詐欺に関するものとか、広告手法的には当然あるわけです。ターゲット対象者の人をそのままコマーシャルに出して、実際にその人が通知を受けて申請するみたいなところをドラマ化して、そのままをテレビコマーシャル化することで、ああ、私もやらなければと思っていただくという方向になります。
これも、皆さん、見たことありますか。これも大丈夫ですか。皆さん、見たことがあると思います。ドラマをつくっていくということです。これは、俳優さん、有名・無名を問わず、リアルな状況で、私が何となく思っているのは、たまたま遊びに来た娘と母親との対話みたいなところで、もう届いているんじゃないのみたいな話をする。いろいろストーリーは考えられますけれども、実際、対象者となる人の家族との関係を描くという形がいいのかなと思っています。
次のページがポスターの文字構成です。対象者の暮らしがイメージできる風景、あるいはテレビCMで登場する出演者を起用したポスター、デザインというところです。今、空だけがぽんと写っていますけれども、ここにテレビコマーシャルで出てきたような、例えば母親と娘がぼんと出てくる。私たちに関係があるみたいなポスターになっていくと思います。
ここでは、コピーのところですけれども、「2019年10月1日 消費税率の引き上げ分を活用して、年金生活者支援給付金がスタートしました。」と、本当に政府広報、厚生労働省広報というか、制度そのもののオリエンシートにあったようなことを素直にきちんと正直に伝えていくというものです。消費税率引き上げ分を活用したものだということを伝えてみるというものになっております。
次のページをめくっていただきまして、C方向です。これは、先ほども話しましたファクト・プラス・ナッジのファクトの部分です。「送られている給付金請求の御案内の言葉や封書やハガキそのものを広告の主役にし丁寧に説明するメッセージ広告。」というものです。かなりの方が届いているわけなので、これですというところを徹底的に見せていきます。これが届いていますね。対象者にはこれが届きます。届いた対象者は、記入して切手を張って投函するだけをやりましょうということをきちんと語っていくものになります。
こちらは、博報堂が担当していないので載せられなかったので、動画で皆さんに見ていただきたいなと思っております。
(動画再生)
○事業者 本当に説明です。こういうものが届いたら、見ている人の目線でアディーレ法律事務所の書類を見てという広告をやっているものです。
では、お手元の資料に戻っていただきまして、ストレートトークですけれども、年金機構のハガキ、中身、そこに記入して投函みたいなところをきちんと追って、丁寧に伝えていくというものになります。
文字の構成としては、ここに関しては、主役をハガキ、封書にしまして、ポスターとしては、「日本年金機構からこちらの封書が届いた方が対象者です。年金生活者支援給付金の請求はお早めに。」というズバリのところです。「請求はカンタン!」と説明しまして、届いたものに切手を張って、ポストに投函するだけで給付金がもらえるという説明が真ん中にあるというものになります。というCの方向は、すごく地味ですけれども、前後に派手な広告が来ると、意外とあっというインパクトにはなるのではないかと思っています。
きょうは、A、B、C、どういう方向で行ったらいいかという議論のために、具体案というよりは、構成のお話しをさせていただきました。
次は、ウエブのほうの話です。
○事業者 続けて、ウエブサイトについて、私、永田から御説明させていただければと思います。
山田と同じく、本日、ウエブサイトについて具体的なデザインはお持ちしていないのですけれども、その手前のどういう人に対して、どういう情報を載せていったらいいかというところをメーンにしてお話しさせていただければと思っています。
25ページです。まず、ウエブサイトはあらゆる広告物の受け皿だと思っています。先ほど2人から説明があったとおり、テレビとかチラシ、パンフレット、あらゆるツールが展開されていくかと思いますけれども、そこで給付金がある、お金がもらえると知った人が能動的に検索エンジンを使って検索して、このサイトに訪れたときにどういう情報があるべきなのかというのを前提にして情報を整理しています。なので、そういうお金をもらえるかもと思ってサイトに来た人たちが気にすることとして、自分はもらえるのか。つまり、どんな人が対象者なのか知りたい人だったり、もらうためにはどうしたらいいかというところで手続方法を知りたい人。
あと、幾らもらえるのかという実際にもらえる金額、その算出方法を含めて、年金生活者なので、年齢が65歳以上で、その人だけじゃなくて、その人の周りの御家族の方、うちの親、もらえるんじゃないかみたいな考えで来た人たちに対しても、しっかり情報が伝わるサイトにしていく必要があると思っています。
もう一方で、先ほど山田からもありましたが、消費税率引き上げの際の給付金ということになるので、センシティブなところ。ウエブなので、ネガチェッカーの人たち、僕らの税金、無駄使いしていないかみたいなところを気にする人たちへのケアとして、国民全体にこの給付金制度の意義とかコンセプトみたいなことも、サイトの中ではしっかり掲載していく必要があると思っています。
なので、まとめると、この給付金をもらえる人たちに対しては、どうやったらもらえるのかとか、自分は対象者なのかといった理解度を促進する、理解度を高めてもらうというのが一番の目的で、もう一方の目的として、国民全体にネガが生まれないように、この制度の納得感をつくっていく意義とかコンセプトの説明が大きく必要かなと思っております。
長くなりましたが、1ページめくっていただいて、26ページです。内容とはまたちょっとずれてくるのですけれども、デザインとか情報設計を考えるに当たって必要なこととして、大きくユニバーサルデザインは絶対踏襲していかなければいけないかなと思っています。
ここに列挙させていただきましたけれども、1番、サイトの構造がシンプルで簡単に感じられること。
2番、探したい内容にすぐたどり着けるよう、3番ともかかわってくるのですけれども、大きなアイコンを設けて、視覚的に、この情報、ここにあるというのがわかるデザインにしていくこと。
4番、なるべく専門用語を使わず、開いた言葉という言い方でいいのか、ちょっとわからないですけれども、わかりやすい表現で情報を伝えていくこと。
あと、牧口のほうからもあった弊社内の、エルダー層というか、高齢者層へのコミュニケーションをどうやるのが一番効率的なのかを研究しているチームと協力して、高齢者が読みやすい色合いとか文字の大きさ、文字量みたいなことも考えながらデザインしていこうと思っています。
最後、国民全体が対象となるので、目が見えにくい人たちに対して、音声読み上げ機能みたいなところもしっかりケアしていこうと思っています。
続いて、27ページ、サイトの構造について御説明させていただきます。
まず、サイト全体としては、大きくトップページがありつつ、階層が1個下のところで、支援給付金制度そのものについて説明するページ。あと、そもそも給付金が3種類あると思いますけれども、それぞれについてしっかり説明するとか、それぞれの給付金について、こうやって請求ということを説明するページ。あと、CMとかポスター、こういうものが世に出ていますというものを紹介するページとか、よくある質問。窓口とかでも、この制度が開始した後、質問が出てくるかと思いますけれども、その辺で上がってきた質問を、多いものに関しては、あらかじめサイトのほうにも掲載しておいて、サイトに来た人たちの疑問をできるだけ減らしていくような有意義なものにしていければなと思っています。
あと、お作法的なところではあるのですけれども、サイトマップとかサイト内検索の機能もつけていこうかと思っています。
1ページめくっていただいて、先ほど山田のほうから3方向でデザインの方向性を御説明させていただいたのですけれども、それを受けてウエブサイトでは、それぞれの方向性について、こういうデザインがあるのではなかろうかというところで検討を開始しています。
まず、キャラを立てるパターン、28ページですけれども、そのキャラをストーリーテラーというか、プレゼンテーターとして、この制度の概要、請求手続の方法とか、あらゆることを紹介していくサイトデザインがわかりやすいのではなかろうかと思っています。28ページにあるのは、カラフルとは言わないですけれども、背景全面に色を引いたりして、見ていて楽しげというか、白バックの、ただ読みやすいけれども、おもしろさを感じられないみたいなサイトではなくて、こういう色使いとかで楽しさを醸しつつ、もっと見たいという気持ちをつくっていくサイトデザインがあるのではなかろうかと思っています。
次の29ページをめくっていただいて、一方で、比較ではないですけれども、白バックにするとこういう感じになるかと思っています。同じキャラを立てて、キャラが紹介していくデザインにしても、先ほどのページに比べて大分印象が変わってくると思っています。こちらは、どちらかというと割と真面目な感じの印象を受けるかと思いますけれども、同じA方向という中でも、色使いとか、大きく言えばデザインですけれども、によって印象が大きく変わってくるので、このあたりを実際のユーザーの方々にどっちのほうがいいですかという調査をかけて、どちらのデザインを使っていくかを検討していきたいなと思っています。
続いて、30ページです。残りB方向、C方向で、B方向といっても、こういう2つのデザインがあります、C方向といっても、こういうデザインがありますという事例をお持ちしています。
B方向は、A方向の比較軸と一緒で、30ページにあるようなカラフルなものがいいのか、31ページのように白バックを基調とした、真面目な印象を受けるもののほうがいいのか。
続いて、32ページ、C方向です。文字メッセージを中心にデザインしていくに当たっても、文字組、フォントサイズとか文字の色、同じ青にしても、濃い色なのか、ちょっと薄い色なのかでデザインの強弱、情報の大切さの強弱をつけて、読みやすい感じでつくっていくのがいいのか。
それとも、33ページのように、タイポグラフィーとかにはそんなにこだわらずに、ただ必要な情報をしっかり書く。そして、一文一文は短く、割と箇条書きに近い感じで書いていったほうが伝わりやすいのかというところを、調査を通じてあぶり出して、どっちの方向でいくかというのを決めていければなと思っています。
さらにめくっていただいて、34ページです。先ほどの話と重複するのですけれども、いずれの方向、どのデザインになったとしても、ユニバーサルデザインの5原則、ここに書かせていただいた、accessibility、usability、literacy、design、sustainabilityというところは、当然頭の中に入れて制作していこうと思っております。
続いて、35ページです。こちらは厚労省様からいただいたオリエンシートの中にもあったのですけれども、わかりやすくアクセシビリティを、ここはちゃんと担保してねという基準がありまして、JISと呼ばれているのですけれども、そこのリストがあるので、それをチェックリストとして一個一個、指差し確認しながら制作を進めていくことで、アクセシビリティもしっかり担保というか、搭載していくことを考えています。
最後、36ページです。音声読み上げツールについても、まだどのツールが最適なのかというところまで検討は至っていないのですけれども、いずれにせよ、入れることは入れる。だけれども、いろいろな実際の音声読み上げツールをふだん使われている方々の話を聞くと、サイトに最初から入っている音声読み上げツールよりも、各個人が自分たちで契約したサービスをふだん使っているようでして、実際、サイトにあってもそれを使わず、自分で契約しているほうを使うのが現状という声もあるので、わざわざ高価で高機能のものを入れる必要があるのか。それが費用対効果として適切かみたいなところまでちゃんと考えながら、ツールの選定をしようと思っております。
ウエブについては以上です。
○事業者 最後はスケジュールで、厚労省様のスケジュールと重なりますので、これは後で必要があれば御説明させていただきます。
長くなりました。御説明としては以上でございますので、ぜひ御議論をよろしくお願いいたします。
○上田座長 御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問を承りたいと思います。こちらの議題、大変大きな重要な議題でございまして、また非常に影響の大きいものでございます。大がかりな仕掛けでもございます。ただ、一方でスケジュールが非常に厳しく決まっているものでもございますので、きょうは構成員の皆様からは言い残しがないように、どんどん御議論、御意見出していただければと思っております。議論は非常に多岐にわたっておりますので、前半はこちらの施策全体的について、御意見、御質問をいただいて御議論させていただき、後半、このA、B、Cという方向性が出ておりますので、これの具体的な内容について、御議論、お願いできればと思っております。よろしいでしょうか。
それでは、御意見、御質問のある方、お願いいたします。
どうぞ。
○殿村構成員 すばらしいアイデア、感動いたしました。
私は50代後半で、親の介護をやらなければい世代なので、日常的に高齢者と接する機会が非常にあるのですが、多くの高齢者が、モノについて話すときに、あの石坂浩二さんがつけていたやつとか、泉ピン子ちゃんが言っていたやつとかNHK的な著名人にたとえて話すのです。鶴瓶さんが言っていたやつとか、さだまさしさんが言っていたやつとか、さだまさしさんがつけていたやつ。こんな感じです。
私たちもそうそう、さだまさしさんがこう言っていましたねとか、ハズキルーペでしたら、石坂浩二さんがつけていたあれでしょうと言って、買うという感じがあって、A方向、B方向をプラスして2で割ったような感じがいいと思います。逆にキャラクターは余り覚えないですね。特に、ゆるキャラは全然覚えません。みんな丸いという感じ。でも、昔からなじんでいる石坂浩二さんとか泉ピン子さんとか鶴瓶さんとかさだまさしとか、そういう人たちがやっていることはよく覚えるのですね。非常に現場的な感覚かもしれませんが、入り口はまずわかりやすい象徴が必要なのではないかという気がいたします。
一方、ウエブは、私の知っている高齢者は余り見ないです。一方、家族に対する御説明には必要と思うので、分けて考えたほうがいいのではないかという気がします。なので、ウエブはC方向で家族がちゃんとそれを見て納得するものという形で仕上げられたほうが、日々、高齢者と話をしている中での感想ですけれども、そのほうが伝わるような気がいたします。
参考にしていただければと思います。
○上田座長 ほか、いかがでしょうか。
原さん。
○原構成員 うまくまとめられるかわからないのですけれども、まず、全体的にこの年金生活者支援給付金ということですけれども、その目的というか、趣旨というか、年金を含めても所得が低い方の生活を支援するもの、支援というところと、あと福祉的な給付であるということが、まずしっかりと制度の趣旨とかを説明すべきだと思いますし、センシティブなところもあると思いますので、それはウエブのほうがいいのかというのがあると思いますけれども、テレビとウエブの使い分けということもあります。
行動してもらわないといけないので、要件に該当する人は請求していただくということも必要ということで、私もこのカクニンジャというのは前から見させていただいたのですけれども、今、殿村構成員のほうからもお話ありましたけれども、「あのニンジャのやつ、どうした?」というのは、意外にコミュニティによっては、話題になるように思います。 そういった、キャラクターでもいいですし、何か印象に残るものをテレビで流して、あの方が言っているものとか、ニンジャが言っていたものとか、ふくろうが言っていたものとか、何でもいいですけれどもね。お金をかけられれば、もちろんドラマ的なものも俳優さんとかにも出ていただきたいのですが。
あと1つ気になるのが、50代の方にセミナーをやったりしていても、さっと説明するともう一回説明を繰り返してくださいとか言われてしまうことがあります。テレビはぱっと流れるので、さっきのCのような感じだと、割としつこく説明しています。ただ、あれが向いているかなというのはちょっと疑問があるのですけれども、テレビの場合はインパクトが残るようなもので、かつ、支援とか給付とか、割とこの制度の難しいというか、趣旨をきちんと説明して、該当しない方にも理解していただくことも必要だと思います。 あとは、ウエブでしっかり読んでいただければ納得していただけるみたいな形でもいいと思います。テレビだと何かしらインパクトがあったほうがいいかなと思います。
Cも、これこそ怪しまれるのではないかと最初は思っていたのですけれども、今、いろいろ見たら、割ときちんと説明しています。ただ、これをテレビで流すのか、ウエブのほうでやるのかというお話がありましたけれども、きちんと内容を説明するということは、ウエブなりどこかで必要なのではないかと思うので、まだどれがいいとは今の段階では方向性がなかなか言えないですけれども、高齢者の方が見ることが多いと思うので。
内容が内容で、センシティブな部分もあると思うので、余りにもキャッチャーな感じでもよくないと思いますが、知っていただかないことには行動してもらえないので、私はできたのに気づかなかったというのもまずいので、使い分けというか、いろいろな形でやっていったほうがいいと思います。以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
横尾さん、いかがですか。
○横尾構成員 いろいろ伺いたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。
まず、少し戻ってしまうのですけれども、伊藤さんに伺いたかったことがあります。御案内ですが、ファックスかメールの問い合わせをつくることは可能でしょうか。耳や目の不自由な方からの問合せを受けるために必要だからです。…というのも、今回対象となる障害者年金受給者はもちろんのこと、一番数の多い老齢年金受給者においても、耳や目の不自由な方が多数見込まれます。その背景として、障害者年金受給者の方の多くは、最終的には老齢年金に切りかえる方が多くいらっしゃるということと、そもそも加齢により耳や目が不自由になる方が増えるからです。
現在の御案内ですと、ファックスやメールがないので、耳が聞こえないと電話は利用できないので、問合せができない。裁判員制度の初期の時にも同様の問題が発生し、世論を賑わせました。今回のように新しい制度を作る場合には、問い合わせが発生することが予想されます。目が見えない、耳が聞こえないに対応するという意味では必要となりますので、御検討いただけたらと思います。
2点目です。受給要件が収入のため、例えば資産が4000億円ある人でも対象になるけれども、主眼は、低所得の人の生活を支援しようということですから、資産も少ないような方が、その中でもメインのターゲットになってくるのかなと思います。
これによって、博報堂さんが今回提出していただいているリサーチ結果の意味が、ガラリと変わってくると思います。まず、このデータを見ると、実際に意見を聞いた人たちは、資産が結構ある方が多い。1人だけ資産が少ない方がいるのですけれども、この方、夫がいるのです。本人の収入だけ書いてあるので、多分、世帯収入じゃないのです。今回は、生活保護ではなく、年金で生活している方ということなので、ここに記載の方は、夫の収入があると思います。つまり、このリサーチ結果の元となる対象者として選ばれた人の中には、今回の制度のメインターゲットの方が、一人も含まれていないということです。
結論として、博報堂さんに申し上げたいのは、本制度が、そもそも収入も少ないし、資産も少ない方がメインの対象なのだという認識を持っていただきたいということです。広報物をつくるときにターゲティングが一番重要であると言われますが、この広報物のメインの対象者というのが、資産も収入も少ない方である。かつ、障がい者率が非常に高い高齢者である。さらに、収入がないということ、つまりは、働くことができない事情が何らかある可能性が高いということは、いろいろな意味で、いろいろな制限のある可能性のある人が対象であるという点を、さらに一歩、深く考えていただきたいなと思います。
「じゃあ、そういう方への対応を、最後にちょこちょこっと入れようか」という程度の対応ではなく、この広報で求められているのは、「そういう方にちゃんと届けないと、この制度の意味がない」というくらいの姿勢だと思います。コンセプトを伝えるということは、当然ながら、おっしゃる通り「批判を防ぐ、ネガを防ぐ」という効果もあると思いますが、一番大切なことは、「本当に生活に困窮している人に届くように政府が動いている」ということが、「誰から見てもわかる」ことだと思います。多分、資産が4000億円ある人は申し込めますよ。情報弱者じゃないので。申し込むかどうかは別ですけれども。でもそういう人がメーンターゲットではないという点が重要なことだと思います。
耳が聞こえない、目が見えない、身体的に何か障がいがある、知的に何か障がいがあるということになってくると、今の方法だと、情報が物理的に届かない人が出てきます。では、そこを考えたときに、テレビとかラジオという伝達方法はどうかというと、実は効果的です。障がいに関わらず、結構聞いていますし、届いているので。ただ、届け方をちゃんと気をつけるということを気にしていただきたいです。
例えば、1つですけれども、漢字が多過ぎます。手話言語条例ができたのも、すごく最近の話ですし、聴覚障害者で健常者と同じぐらい漢字が使えない人もいます。ねんきん特別便ですら平仮名なのに、ここに来たら全部漢字になっています。「誰に何をしてもらうための広報なのか」ということが全体を通じてきちんと伝わるようにしないと、「政府がひとりよがりで、いいことをやっているふうに見せかけようとしている」と見られてしまう可能性があると思います。こういったことを考えずに広報物を作ると、「メインの対象者であるにも関わらず、伝わることが物理的に絶対にあり得ない人が発生する」ことに気をつけて頂きたいのです。
宣伝の場合は、情報が届かなくても買わないだけですから、届かない人がいてもいいのです。でも、これは国の制度の告知であり、対象者全員に届ける必要のある広報です。
では具体的にどのように気をつければ良いのかについてですが、例えば、現在検討に上がっている一つの方向性であるアディーレの宣伝というのは、全く目が見えなくても申し込みができるようなアナウンスの仕方になっています。しかしながら、仮にこの方向性で行こうとなっても、皆さんはアディーレと同じように説明しているつもりが、「こっちの青い文字が」という表現をしてしまい、視覚障害者が聞いてもわからない説明になってしまうということが起こりかねないのです。そういう点を気をつけて頂きたいのです。実際、今日の説明でも、「ここに書いてある年数の人は」という言い方では、「ここ」が見えない視覚障がい者は当然わかりませんけれども、「何年何月生まれから何年何月生まれまでの方」と言えばわかるわけですね。
お金をかけるのではなくて、「知識が必要」だと思います。完成までの時間がないということもあるので、皆さんがスピーディーに作っていくということになると、皆さん、知識レベルとか理解度レベルというものを上げていかないと間に合わないのではないかと思います。長くなりましたが、これが2点目でした。
最後に、今は詐欺集団のほうが皆さんより知識が上です。圧倒的に上で、今はまだ負けています。なので、下手をすると詐欺の件数のほうが、給付金を出す件数よりもふえてしまうと思います。詐欺への対応の部分が話に出てこなかったので、気になりました。なので、広報の目的というのが、おっしゃったように、ネガを防ぐとかもあるのですけれども、とにかく低所得で、かつ低資産な方、生活が困窮する可能性がある方々に確実に届けるものだという意思を持ってやることが、全体としては一番重要なのではないかと感じました。
○上田座長 ありがとうございました。
ほか、皆さん、いかがでしょうか。はい。
○森構成員 グループヒアリングをやっていただいて、非常に丁寧な仕事をありがとうございました。
まずは、制度の存在を幅広く知っていただく。もしくは、今、いろいろ御議論ございましたけれども、この制度を広報すると、詐欺集団が、実は、こういう制度でうちのところに個人情報をくださいみたいなことも防がなければいけないという形になると、本件につきましてアイデンティフィケーションを非常によくするということが重要であって、今回、テレビでやるにしても、15秒のスポットCMで年金生活者支援給付金と言われても、この言葉は全然頭に残らないので、皆さんがおっしゃられたように、何らかのキャラクターなりイメージなり、何かひもづけして、アイデンティフケーションを持たせるというのが非常に重要かなと思っています。
15秒のCMはスポットでやるのでしょうから、どの時間なのか、それはいろいろと対象者によって違うのでしょうけれども、あとは、ウエブでのひもづけ。あと、おっしゃっていただいたように、いろいろな方にやるときも、これは政府の制度で、広く安心できる制度ということで、うまくできる案がいいのかなと、素人ながら感じたところです。
○上田座長 ありがとうございます。
では、ちょっと私からも一言言わせていただいてよろしいですか。私もこれを拝見したときに、今まではとにかく詐欺に引っかかるなとずっと言ってきた中で、今度は受け取ってくださいという話なので、皆さん御指摘のとおり、その辺の区別というか、どうやったら詐欺の被害を回避しながら受け取っていただくか。これは1つ大きなポイントかなと思いました。
あと、御指摘のように、ターゲットとすると、1つは高齢者の方、もう一つは年金額が多くない方、この2つになると思います。高齢者の方というと、それなりに配慮が必要で、例えば御理解のスピードとか、中には要介護度が進んでいるとか認知機能が衰えている方もいらっしゃるので、これは周囲の方が支えるしかない。この辺を考えていきますと、広報の対象はもちろん高齢者そのものにも広報していくのでしょうけれども、周知ということでいくと、例えば地域包括支援センターとかケアマネジャーとか社会保険労務士ですね。場合によっては、詐欺では警察とか弁護士の方とか、非常に幅広い、周囲で今の高齢者を支えているような方と連携することが必要かなと思いました。
もう一つは、年金額が余り多くない方ということになると、これを申請することによって、自分の年金額が多くないということがわかってしまうということを嫌がる方もいらっしゃるかもしれないので、これも非常に優しく包んで上げるようなトーンのものも必要かなと思いました。
あと、日本社会保障方学会に行って、現場のいろいろな方の報告を聞いていると、高齢者の方は御理解に時間が非常にかかる、あるいは御理解度が落ちているということが報告されているので、例えば今回の施策がいつから始まるのか、いつまでにやらなければいけないとか、あるいはやってほしいことはこれですという3つを、ぱん、ぱん、ぱんと大きく打ち出すような、これが必要なのかなと思いました。
あと、全体的なトーンの話は、また項を改めますけれども、消費税が絡むということになると、博報堂さんからも御指摘ありましたけれども、非常にセンシティブな一面が出てくることは否めないので、ここは非常に慎重に、明るく盛り上げるというよりは、必要なことをきっちり伝えるというトーンが必要なのかなと。もちろん、その過程で高齢者の方になじみのあるキャラクターを使っていただくのは構わないのですけれども、そういうことも必要かなと思いました。
あとは、どなたか御指摘になりましたけれども、ウエブは多分支えている御家族とか、高齢者を支えている方、向けですね。そこのあたりの区別をしておく必要があるかなと感じました。
どうぞ。
○横尾構成員 今、上田座長がおっしゃった詐欺の件で、博報堂さんも初めからお話し頂いているとおりですけれども、詐欺が発生しているという事実は、もう全員知っている話で、そこに対するアプローチとして、信用させて手続させるという方のアプローチを、とっていらっしゃるかと思います。けれども、それは詐欺を促進するという側面もあるわけです。手続を促進するのか、詐欺を防止するのかとなってくると、両立というのは難しいところだと思うのですけれども、そこを両立させることが難しいからこそ、クリエイティブとかプラニング、ウエブ全体でそこをきちんとやって頂きたいなと思います。
ですから、先ほどお話いただいた今回の目的を聞いたときに、私はちょっとぶれているように感じたのです。「手続をさせたい」のか、「給付金をやるよと言いたい」のか、何を言いたいのかというところで、手続をさせるという広報でいいわけですね?であれば、手続をすると決めて、手続を絶対させるのだということがあった上でのコンセプトがあった上で、枝葉をつけていく。これだけ時間もないので、きちんとクリエイティブをつくり込んでいこうとすると、本当に何を目的にするのかという点を明確にする必要があると思います。
そのときに、詐欺防止というのはなかなか難しいのですけれども、抑制を目指すということはできるのではないでしょうか。そして、どういう詐欺があるかとか、そういうものをもう少し深掘りしていただいて、対策に盛り込んでいただけないかというのが1つ御提案というか、していただきたいなと思ったところです。
特に、一番狙われやすいところでもあるので、一番支援しようと思った人たちが全員詐欺に遭ってしまうと収拾がつかないことになる可能性もあります。皆さんからしたらびっくりするような、ちょっとした給付金があるというので何百万円も取られてしまうということがあるわけです。さらに、そういったオレオレ詐欺的なもの以外に、もう一つは便乗ビジネス的なものもありますし、逆に周知・徹底する相手である、介護でかかわるような方々が、1人で500人ぐらいお客さんを持っていて、1人1万円もらえたら500万円になるので、ちょっとお金の足しになるみたいなことをしてしまう人も出てくるかもしれないわけです。
ですから、ここでそういうことをしたらどういう刑罰があるのかという認知をするということも、もちろんそうですし、不正をしてはいけないということの認知もそうですし、それだけではない、いろいろなことが考えられるのではないでしょうか。ただ、申し込みをさせるということがメーンなので、そこを両立させていくというのはちょっとテクニックが要るところなのかなとは思います。
あと、資料に記載のユニバーサルデザインというところに関しては、枝葉の部分なのかもしれないですけれども、すみません、言わせていただいてしまうと、何をもって、このユニバーサルデザインというものを思ったのか、ちょっと聞いてみたいところではありました。前提のものは何でしょうか。ウエブで自分で調べたとか、そういう…。
○事業者 いや、そもそも厚労省様のほうから、この5原則を大事にしてという話が出ています。
○横尾構成員 それで言っていたということですね。わかりました。出来にでこぼこが随分あるなと思ったので。そういう意味で、高齢者という括りではあるのですけれども、中身は障害者がほとんどになってくるわけなので、ここの部分は本当にきちんとやっていただいたほうがいいなと思っています。
その点に関して、ウエブアクセシビリティ規格のAAレベルで制作して、チェックリストでチェックして採用とございますが、まず絶対にわかっていただきたいのは、これを全部満たしても、障がい者が読めるようには一切ならないということです。よく勘違いされるのですけれども、これを100点満点でも誰も読めるようにならないですから、そこにちょっと気をつけてください。これは、あくまで見えるようにするための方法がわかっている人が、漏れをなくすためのチェックリストです。なので、これを達成しても見えるようにならないし、読めるようにならないのです。
そのため、誰かちゃんとやり方がわかる人が入るというのが絶対に必要なことで、あくまでそれで漏れるところだけをチェックするという話なので、そこはちょっと気をつけていただきたいなと思います。
あと、音声読み上げの商品がいけないとか、そういうことでは全くないのですけれども、おっしゃっていたように、全盲の方が、これを入れることによって、このページを見られなくなってしまう。もともとホームページを使っているときに、自分のPCに入れている読み上げソフトというのを使って操作していますので、もう一個出てくると音声が二重になってしまって、何を言っているか全くわからなくなってしまうのですね。音声読み上げが必要な人が、もともと使っているPCに入っているソフトを切るということは絶対しません。なぜかというと、パソコンが勝手にぽんと通知してきたときに、一切の操作ができなくなってしまうからです。
あと、音声読み上げ機能は目が不自由な人にもPCが使えるようにするために開発されていますので、マウスは使えず、タブで移動しています。ポインタがホームページ上にいるのであれば、ホームページ上をタブで移動しますけれども、デスクトップ上にいれば、デスクトップ上をタブで移動するわけです。それがぽんと通知が来た瞬間に、ウエブページからデスクトップにいる場所が切りかわってしまうので、そうした瞬間に操作が不能になってしまうということが起きるので、基本的にやらないというのはおっしゃっているとおりです。なので、使わなくていい、使わないでくださいという感じです。
ユニバーサルとかバリアフリーと言われているものは、そういう志でつくったものがそう呼ばれているだけで、実際の効果について疑問なものが多い。さらに、効果のあるものであっても、制作側にやり方がわかっている人がいないとできないという事情もあるので、「これとこれを押さえればできる」みたいなものではないということだけ、御理解いただきたいなと思います。社内に全盲の方がいらっしゃるなら、そういう方も評価に参加していただくということもあるかと思います。ただし、その方々は働いている人なので、今回対象となる方々に比べて平均的に情報リテラシーレベルが高いということは絶対に忘れないでください。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
時間も大分たちましたが、もちろん、きょうで議論は終わりではないのですけれども、A、B、Cの大きな方向等について、皆さんからいろいろ御意見。今までも、前半に少し御意見をいただいておりましたけれども、このA、B、Cの方向性に特に絡みまして御意見いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○殿村構成員 最初に言ったので。
○横尾構成員 殿村さんがおっしゃった御意見で、私もいいのではないかと思います。
○上田座長 ほかの方、いかがでしょうか。原さん、いかがですか。
○原構成員 先ほど言ったとおり、もちろん、この制度の趣旨とか、制度の要件とか、支援とか福祉的給付であるというポイント、ポイントのキーワードを取り入れながら、テレビとかポスターとかでは、主な対象になるのは高齢者の方が多いと思いますので、わかりやすいキャラクターなり登場人物なりで、請求漏れがあってもいけませんので、知っていただくということが重要かと思います。
一方、ウエブなどでは、センシティブな部分もあるので、きちんと説明するようなところに誘導するというか、そこは御自身じゃなくても、お嬢さんとか息子さんが読めるような形で、一般の方もこういう給付なのねと、しっかり理解していただけるようなもので行くということなので、そんなに華やかじゃないA方向。にぎにぎしい感じでは余りないけれども、キャラクターなり、もしそういう予算があれば、Bでイメージが当てはまるのはいいのですけれども、予算の関係もあると思いますので。
若い人ならぱっと入ってきますけれども、高齢者の方だと1回聞いただけでは印象に残らないということもあるので、CMの方向性とウエブの方向性は切り分けながら、対象になる方には何か印象に残って見ていただけるようなもの、かつ、きちんと説明するところは説明するというのが大事だと思います。
○上田座長 どうぞ。
○殿村構成員 キャラクターの話について、さっき詐欺の話がありましたけれども、電話の側にキャラクターが立ったら、それが例えば鶴瓶さんだったりしたら、僕は年金のことで電話しないよとメッセージを書いたポップを置いておくと、とても効果的だと思います。同じようなものを警察が配っていると聞いています。それは女の子のお人形で、電話がかかってきたら、それは詐欺かもしれないと音声で警告するので評判らしいのです。ここまで凝らなくても、ポップだけでもいいと思います。ひとつあるだけでそうかと気づいてくれるというキャラクターには効果があるかなと思います。参考にしていただければと思います。
○上田座長 どうぞ。
○横尾構成員 今回、詐欺を防ぐときに、様々な民間の力をかりるのもひとつあるのかなと思います。多分、今回の通知と全く同じデザインのものを詐欺集団は絶対作って送ったりすると思うのです。
あと、病院も良いと思いますけれども、今回は年金の受け取りなので、きっとゆうちょ銀行の受け取りが基本的にはメーンですよね。なので、ゆうちょ銀行のATMとかに張れるようなポップとかを作るなど、銀行に協力してもらうというのは、1つ考えてもよろしいのではないかと思いました。
○上田座長 金融業界と連携するというのは、非常にいい案だと思います。振り込め詐欺の防止とか、金融業界は非常に力を入れて、今、広報もやっていらっしゃるので。フィッシング詐欺とか、似たようなサイトができて注意喚起をしたケースもありますので、金融業界との連携は、なかなかいい案と思います。
ほか、いかがでしょうか。
では、私も一言。A、B、Cの話でいくと、私はB、Cの方向かな、落ち着いたトーンで、非常に重要でシリアスな話ですので、そういう広報の方向がよろしいのではないかと個人的には思っています。
あと、1つ、私が学生に教える上でも、動画というか、ドラマ仕立ての動画を使うと、学生の理解が非常に上がるという実感がありました。あるいは、言いたいことを、このオリンピックの広報のようにどんと出す。こういったことが必要なのかなと、個人的には感じております。
ほか、いかがでしょうか。
特になければ、この話はまた次回続くと思いますけれども、次の議題もございますので。
○事業者 方向性は、きょうは絞らないのですか。
○総務課長 また相談させていただいて。
○上田座長 では、次の「年金広報の現状と今後の検討課題」について、事務局からお願いします。
○大臣官房企画官 資料5をごらんいただきたいと思います。
これまで年金広報検討会、第1回、第2回、第3回とやりました。これまでは、ずっと年金局として広報しなければいけないこと、広報したいと思っていることを、それぞれ皆さんにごらんいただいたところですけれども、一方で、今まで、年金局は年金の関係でどんな広報をしているのかということを、全体、網羅的に御説明していませんでしたので、それをお伝えすることと。
と同時に、年金を取り巻く環境の変化があるということをお伝えした上で、私たちはこれから年金のことをどういうふうに伝えていけばいいのかということについてもまとめております。2部構成にしておりますので、それをちょっと御説明いたします。どんな現状かというのを全部網羅的に説明してもあれなので、簡単に飛ばしながら説明いたします。
5枚目のスライドを見ていただきたいのですが、第1回、第2回、おかげさまで皆様から非常にいいアドバイスをいただいた結果、年金ポータル、先月の4月16日に開設しまして、根本厚生労働大臣から紹介させていただきました。
次のページへ行きますけれども、その年金ポータルのリンクにつきまして、さまざまな市町村、また信用金庫とか、いろいろな金融機関からもリンクしたいということをいただいているということでございます。
次に、8枚目のスライドです。ほかにもたくさんありますけれども、一つの例としまして、ねんきん情報アプリということで、スマートフォンでさまざまな年金の情報を取り出して見ることができるというアプリケーションも開発して、提供しているということでございます。
また、9枚目のスライドで、年金局でも国民年金のパンフレットをさまざまやっています。
また、10枚目のスライドで、これは日本年金機構さんのほうでもパンフレットをやっているということでございます。
さらに、11枚目のスライド、日本年金機構で、例えば地域の高校とか大学で、学生を対象とした年金セミナーをやっているということ。
次に、12枚目のスライドで、国民年金基金に関しての、こういった広報があります。
さらに、13ページ目のスライドで、個人型確定拠出年金(iDeCo)の広報。
また、14枚目のスライドで、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の広報も紹介しております。
さらに、ちょっと飛びますけれども、16枚目のスライドで、日本年金機構が一人一人の方々とか対象者に、これだけの送付時期にこれだけの送付件数に書類を送っていますと。
その一つの例としまして、17枚目のスライドで、ねんきん定期便というものを送付しておりますということを紹介しております。
最後に、20枚目のスライドで、これも日本年金機構さんのほうですけれども、年金相談やコールセンターという形で、こういう件数のことをやっていますということです。これが現状でございます。
今後、年金広報検討会では、年金局だけではなくて、今回、御参画いただいております各団体のほうでやっている年金の広報についても御紹介して、また皆様方から御意見をいただきたいと思っております。
次に、第Ⅱ部のほうですけれども、今後、年金の広報を戦略的に進めるためにどうすればいいのか。その上で、年金を取り巻く環境が今、どういうふうに変わってきているのかということを少しまとめさせていただきましたので、紹介いたします。
22枚目のスライドですけれども、今までのように、高齢者になったら引退して、年金をもらってという画一的なことではなくて、一人一人、おれはこうしたい、おれはこうしたいということが当然ありますので、そのような中で、さらに老後の生活も長くなっていくという中で、年金はどういうふうにやっていけばいいのか。それは、公的年金というだけではなくて、企業年金とか個人年金の普及と相まって、どうすればいいのかということが大事になってくるだろうということで、この3つの例をお伝えしましたけれども、政府のさまざまな報告書でも、こういったマルチステージの人生を送るようになる。単線型ではない、多様な人生をどういうふうに送っていくのかということを、国の制度としてどういうふうにサポートすればいいのかということが言われているということでございます。
続いて、23枚目のスライドで、年金広報をめぐる環境の変化としまして、3つ挙げております。
1つは、広報媒体が多様化している。また、世代によって使う媒体が変わってくるという中で、どう対応すればいいのか。
2番目としまして、就労環境の変化があって、一人一人、多様なライフコースがある中で、どういうふうに対応していけばいいのか。
さらに、高齢期が長くなった中で、所得保障手段としまして、公的年金だけではない形で多様な手段がある中で、どういうふうに伝えていけばいいのかという課題があるということでございます。
次のスライドⅡ-3で、今後の年金広報の方向性としまして、4つ書かせていただいております。当然、情報の伝達の技術革新に対しても、どういうふうに対応していくのか。さらに、きめ細かく、またわかりやすい広報というのはどうすればいいのかという視点。
次に、公的年金と私的年金と合わせた上で、一人一人の所得保障をどう考えればいいのかということをどういうふうに強化していけばいいのかという観点。
3番目は、行動経済学の活用などで、行動変容をどういうふうに促していくのか。一方的に、言われたとおりに、こうしてくださいということではなくて、一人一人、自分で考えて行動を変えていく。そのためには、どういうふうな広報をすればいいのかというのが3番目の観点。
また、4番目の観点としまして、一方的に広報を伝えればおしまいということではなくて、それがちゃんと伝わっているのか。また、その結果として、こちらが思ったようなと言うと言い方はあれですけれども、それによってどう変わったのかということをちゃんとはかった上で、伝えた広報をもう一回見直していくといったサイクルも必要なのではないかということを書かせていただいております。
それで、Ⅱ-4 当面の年金広報の展開としまして、2つありまして、そうは言っても、今までずっと私たちがやっている広報がありますので、そのやっている広報について、これで本当に時代に合っているのか、もしくはちゃんとやっているのかという見直しが引き続き必要だろうということ。
さらに、先ほど年金のコンテンツ等の話も見ていただいたとおり、新しい取り組みをしていくに当たって、せっかく新しい取り組みをするのであれば、こういうふうにしたらいいのではないかという観点で、その両にらみで、今後もこういった検討会の場で御議論いただきたいと思っております。
最後になりますが、その一つの新しい展開例としまして、年金局としても学生との年金対話集会ということをやろうと思っております。本年6月から順次、いろいろな大学のほうで学生さんたちと直接会って、30人ぐらいの小ぢんまりとした形かもしれませんけれども、膝詰めで学生がどういうふうに思っているのかということを聞く。と同時に、私たちも伝えたいことはしっかりと伝えてくるということをしていった上で、年金はどう思われているのかということを聞いていきたいということを考えています。
手初めに、来月6月12日水曜日には愛知県立大学のほうで、また7月23日火曜日には北海道大学のほうで、そのほか、ここに書かれているような大学さんのほうの御協力をいただきまして、やっていこうと思っています。これは、ほかの大学でも、もし可能であれば、ぜひやりたいと考えております。
私からの説明は以上です。済みません、長くなりました。
○上田座長 ありがとうございました。
こちらの広報戦略の話は、非常に大きな話でございますので、短い時間ではなかなか議論が尽くせませんし、お時間の関係もありますので、きょうは御説明いただいて、御理解いただいたということにいたしたいと思います。
また、次の検討会は、6月26日に御予定と聞いておりますので、またそちらのほうで御議論したいと思っています。
それから、先ほど博報堂さんのほうから大きな方向は出ないですかというお話があったのですけれども、いろいろ御議論があるところでありますので、構成員の皆様と博報堂さんとで意見交換等ができる、何かしらの機会があればいいなと思っております。
それでは、これで本日の議事は終了いたしましたが、最後、事務局のほうから何か御連絡等があれば。
○大臣官房企画官 次回の検討会は、今、座長からありましたとおり、6月26日水曜日を予定しております。また、お集りいただいて、この年金生活者支援給付金の話と、あわせて、今度は、各団体のほうから広報を紹介させていただきまして、御議論いただければと思っております。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、これで本日の議事は全て終了いたしました。
皆様、御多忙の折、御参集いただきまして、ありがとうございました。

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