2023年1月11日 第95回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局総務課首席年金数理官室

日時

令和5年1月11日 14時00分~16時00分

場所

全国都市会館 大ホール

出席者

委員
翁部会長、野呂部会長代理、小野委員、駒村委員、佐藤委員、庄子委員、寺井委員、枇杷委員、山口委員

議題

  1. (1)令和3年度財政状況について-国家公務員共済組合-
  2. (2)令和3年度財政状況について-地方公務員共済組合-
  3. (3)令和3年度財政状況について-私立学校教職員共済制度-
  4. (4)その他

議事

議事内容

○村田首席年金数理官 それでは、定刻より若干早いですが、全員おそろいですので、ただいまより第95回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。
 審議に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
 本日準備している資料は、議事次第、委員名簿、座席図のほか、
資料1「令和3年度財政状況-国家公務員共済組合-」
資料2「令和3年度財政状況-地方公務員共済組合-」
資料3「令和3年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」
資料4「令和3年度実績と財政検証における将来見通しとの比較」
でございます。
 なお、各制度から御提出いただいた資料につきましては、平成27年10月の被用者年金一元化から一定の期間が経過したことを踏まえまして、一元化後の厚生年金の財政状況に焦点を当てたものとなるよう、委員の皆様に御確認いただきまして、令和3年度分より様式の変更を行っております。
 次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は全委員が御出席されております。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 また、駒村委員、庄子委員、山口委員につきましては、オンラインでの御参加でございます。
 それでは、以降の進行につきましては翁部会長にお願いいたします。

○翁部会長 委員の皆様には御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございます。
 社会保障審議会年金数理部会では、年金制度の安定性の確保に関し、毎年度報告を受けております。
 本日は、令和3年度財政状況について、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の報告を聴取いたします。
 カメラの方はいらっしゃらないですかね。
 それでは、本日の聴取に当たりましては、昨年度と同様、資料4につきましては、令和元年財政検証における実施体制を踏まえ、資料1から3までの各共済組合等の財政状況に関する資料とは別に、各制度をまとめた形で御準備いただいております。こちらにつきましては、そのほかの資料と併せて各共済所管省から御説明をいただきますが、皆様からの御質問に対しては、財政検証について主要な役割を担う厚生労働省からも御説明をいただくこととします。
 それでは、議題1に入ります。本日は、財務省主計局給与共済課の尾﨑課長と西尾共済計理官、国家公務員共済組合連合会の辻年金企画部長、水村資金運用部長、宮島運用リスク管理室長と高橋年金企画部数理第一課長に御出席いただいております。
 それでは、令和3年度国家公務員共済組合の財政状況について、説明をお願いいたします。

○尾﨑給与共済課長 ただいま御紹介を賜りました財務省の主計局で給与共済課長をしております尾﨑でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。座って説明させていただきます。
 私より国家公務員共済組合の財政状況につきまして、資料に沿って順次説明をさせていただきます。私からの御説明ではこのファイルの中の資料1と資料4を使わせていただきます。
 まず、お手元の資料1のファイル「令和3年度財政状況-国家公務員共済組合-」をお開きいただければと存じます。目次をご覧いただきますと、資料1につきましては、大きく4つのパーツから成っておりまして、「1.収支状況」「2.給付状況」「3.被保険者状況」「4.積立金の運用状況について」ということでございまして、この4つにつきまして順を追って御説明をさせていただきたく存じます。
 1ページは国共済の厚生年金保険経理の収支状況の推移の表となっております。左の平成29年度から右にかけて令和3年度ということで、新しくなっていくということでございます。
 令和3年度の欄をご覧いただければと存じます。まず、収入について御報告いたします。一番上の数字、3兆2,337億円とありますのが収入総額となります。国共済の会計につきましては、法令上簿価ベースを原則としておりますので、簿価でございますが、預託金時価ベースにつきましては、32,337の2つ下にあります括弧書きのところ、3兆2,607億円ということになっております。
 その下に収入の内訳を示してございます。まず、保険料収入については1兆2,918億円、国庫・公経済負担は3,001億円、追加費用は1,323億円、運用収入は4,039億円となっております。
なお、正味の運用収入では、その下の4,038億円。預託金時価ベースの運用収入は、括弧の中にあります4,308億円となっております。これらを利回りにいたしますと、積立金の運用利回りは、簿価ベースでは6.40%、預託金時価ベースでは5.35%となります。
 その左にあります令和2年度の運用利回りと比較いたしますと、令和3年度の預託金時価ベースでの運用利回りは22.62から5.35ということで、少し低く見えますが、令和2年度は市況が非常によいものだったと思いますので、そのほかの平成29年度から令和元年度のところと比較していただきますと、令和3年度での時価ベースの運用利回りというものは、令和2年度以外のものよりは高いというふうになっております。
 このほか収入でございますが、基礎年金交付金は272億円、厚生年金交付金は1兆756億円、その他の収入は27億円となっております。
 次に、支出について御説明させていただきます。真ん中に線が入っているところの下になります。支出総額につきましては2兆9,462億円となっております。その内訳は、給付費が1兆2,472億円、基礎年金拠出金が5,873億円、厚生年金拠出金が1兆906億円となっております。
 被用者年金一元化後は、収入のところで御紹介いたしました厚生年金交付金と、支出でご紹介しました厚生年金拠出金によって、厚生年金勘定と共済組合等の間で交付や納付を行いまして、厚生年金等給付に要する費用を分担しておるところでございます。また、地方公務員共済との間では、被用者年金一元化より前の平成16年度から財政単位の一元化のための財政調整の仕組みが導入されております。これに伴う地方公務員共済への財政調整拠出金161億円が支出のところに計上されております。その下にその他の支出として51億円というものがございます。
 令和3年度には以上のような収入及び支出がございましたが、収入、支出の下の欄にあります収支残のところでございますが、プラス2,875億円ということでございます。
 また、その下の年度末の積立金につきましては、6兆7,130億円となっております。
 なお、預託金の時価ベースでは、収支残はプラス3,145億円、年度末積立金は8兆4,751億円でございます。
 次に、2つの大きなテーマ、給付状況について御説明いたします。資料の2ページをご覧いただけますでしょうか。まず、受給権者数と年金総額について御説明をさせていただきます。被用者年金の一元化前に受給権が発生した共済年金の受給権者と被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金受給権者の合計がこの表になっております。令和4年3月末のところをご覧いただきますと、国共済の受給権者数は、合計で132万人でございまして、前年度に比べましてプラス8千人、0.6%の増加となっております。
 その次の四角が年金総額でございますが、合計で1兆4,721億円でございまして、前年度に比べましてマイナス314億円、2.1%の減少となっております。
 続いて、資料3ページをご覧ください。2ページ目では共済年金の受給権者と厚生年金の受給権者の合計を御紹介いたしましたけれども、それぞれにつきまして御説明をさせていただきたく存じます。まず、共済年金の受給権者につきましてでございます。令和4年3月末の国共済の受給権者数は、合計で84万6千人でございまして、前年度に比べましてマイナス5万4千人、6.0%の減少となっております。
 続きまして、年金総額につきましては、下の欄の四角の一番上にありますとおり、合計で1兆499億円でございまして、前年度に比べましてマイナス834億円、7.4%の減少となっております。この年金総額には日本年金機構が支払っている基礎年金給付費は含まれておりませんが、昭和61年3月までに裁定された者の基礎年金に相当する分は含まれております。なお、被用者年金一元化前の共済年金受給権者の新規発生は原則ございませんので、前年度との比較では減少するのみとなっております。
 4ページは、厚生年金受給権者についてでございます。令和4年3月末の国共済の受給権者数につきましては、合計で47万5千人でございまして、前年度に比べましてプラス6万2千人、15%の増加となっております。
 その下の四角、年金総額につきまして、合計で4,222億円でございまして、前年度に比べましてプラス519億円、14%の増加となっております。この年金総額には日本年金機構が支払っている基礎年金給付費は含まれておりません。共済年金と異なりまして、厚生年金受給権者は、一元化後の新規発生によりまして年々増加しておるところでございます。
 5ページは、共済年金受給権者の減額支給、増額支給の状況でございます。令和4年3月末の欄をご覧いただきますと、男女合計では、減額支給につきましては5万5千人、増額支給が4千人となっております。
 次の6ページは厚生年金受給権者になりますが、令和4年3月末の男女合計でございますが、繰上げ支給が7千人、繰下げ支給が4千人という形になっております。
 続いて、7ページからは老齢・退職年金受給権者平均年金月額及び平均加入期間につきまして御説明をさせていただきます。まず、共済年金受給権者と厚生年金受給権者の平均で見た老齢・退職年金の平均年金月額及び平均加入期間でございます。受給権者計の令和4年3月末のところをご覧いただきますと、一番上の数字、男女合計の老齢・退年相当で12万8,697円でございまして、前年度に比べましてマイナス2,007円、1.5%の減少となっております。先ほど申し上げましたとおり、平均年金月額でございますが、年金機構から支払われる基礎年金が含まれておりません。そこで、厚生労働省さんから提供されたデータを用いまして基礎年金額を含む平均年金月額を推計してみますと、その下の欄、18万4,102円となりまして、前年度に比べましてマイナス1,389円、0.7%の減少となっております。
 平均加入期間は434月でございまして、前年度に比べまして1月の増加となっております。
 下段の男女別につきましては、男性の老齢・退職相当で13万1,492円、女性の老齢・退職相当で11万4,560円となっております。
 8ページは共済年金受給権者についてでございます。令和4年3月末をご覧いただきますと、一番上の男女合計の退年相当で13万5,617円でございまして、前年度に比べましてマイナス1,417円、1.0%の減少となっております。
 厚労省さんから提供されたデータを用いて、基礎年金額を含む平均年金月額を推計してみますと、その下の欄、19万3,055円となりまして、前年度に比べましてマイナス751円、0.4%の減少となっております。
 平均加入期間は430月でございまして、前年度に比べまして1月の増加となっております。
下段の男女別の説明につきましては割愛させていただきます。
 9ページは厚生年金受給権者についてでございます。こちらも令和4年3月末の数字をご覧いただきますと、一番上の男女合計の老齢相当で11万3,460円でございまして、前年度に比べましてマイナス423円、0.4%の減少となっております。
 厚労省さんから提供されたデータを用いまして、基礎年金額を含む平均年金月額を推計いたしますと、その下の欄、16万4,388円となりまして、前年度に比べましてプラス991円、0.6%の増加となっております。
 平均加入期間は443月でございまして、前年度に比べまして1月の増加となっております。
下段の男女別の説明は割愛させていただきます。
 10ページは、厚生年金受給権者の新規裁定者に係る平均年金月額及び平均加入期間でございます。平均年金月額をご覧いただきますと、一番上の男女合計で10万7,981円でありまして、前年度に比べましてプラス70円、0.1%の増加となっております。
 その下の平均加入期間は446月で、前年度に比べまして2月の増加となっております。
 また、新規裁定者数は2万4千人となっておりまして、前年度に比べまして6千人の増加となっております。
 こちらも下段の男女別の説明につきましては割愛させていただきます。
 11ページから13ページは、老齢・退年相当受給権者の給付状況を年齢別にお示ししたものでございますが、時間の都合もございますので、説明は割愛させていただきます。
 14ページは、老齢・退職年金受給権者(老齢・退年相当)の年齢構成でございます。共済年金の受給権者と厚生年金の受給権者の合計で見ました老齢・退年相当の年齢構成と平均年齢をお示ししたものでございます。男性、女性、男女計とも全て70歳から75歳の階級が最も大きくなっております。男女計ではその割合が23.0%となっておりまして、その後年齢階級が高くなるに従って減少しているということでございます。
 合計の下の欄に平均年齢が書いてございます。男性が76.5歳、女性が79.1歳で、男女合計では76.9歳ということになっております。
 15ページは、老齢・退職年金受給権者の年金月額の分布でございます。15ページと16ページで共済年金受給権者と厚生年金受給権者について、それぞれ年金月額、階級別分布をお示しさせていただいておるところでございます。
 15ページ、共済年金受給権者につきましては、退年相当の男女計では、年金月額階級が13万円以上14万円未満の割合が最も高く、計のところをご覧いただきますと、16%となっておりまして、こちらで分布の山を形成しております。
 また、右側の通退相当・25年未満の男女計では、年金月額階級が1万円未満の割合が最も高く、一番右のところの一番上をご覧いただきますと、63.4%という形になっております。これは加入期間の短い方、例えば任期制自衛官などの一部がこの階級に含まれているということでございます。
 16ページ、厚生生年金受給権者につきましては、老齢相当の男女計につきまして、年金月額階級が9万円以上10万円未満及び10万円以上11万円未満の割合が共に最も高く、14.0%になっておりまして、分布の山を形成しているところでございます。
 17ページ、3つ目の大きなテーマ、被保険者の状況を御説明させていただきます。令和4年3月末の欄をご覧いただければと存じます。一番上に108万6千人とございますが、これが被保険者数でございます。前年度に比べましてプラス2千人、0.2%の増加となっております。
 男女別では、男性77万8千人、女性30万8千人となっておりまして、全体の約7割を男性被保険者が占めておりますが、近年は女性被保険者の割合が徐々に増加してきております。
 その下でございますが、平均年齢は男女合計で42.0歳となっております。男女別では、男性が43.2歳、女性が38.9歳となっておりまして、年々僅かですが上昇しております。
 その下は標準報酬月額の平均でございますが、男女合計で41万5,280円でございまして、前年度に比べましてプラス1,071円、0.3%の増加となっております。男女別では、男性43万7,147円、女性36万41円となっております。
 その下の表です。一番上からご覧いただきますと、標準報酬月額総額は5兆4,043億円でございまして、前年度に比べましてプラス197億円、0.4%の増加となっております。
また、標準賞与総額は1兆7,356円でございまして、前年度に比べましてプラス177億円、1.0%の増加となっております。
 標準報酬月額総額と標準賞与総額を合算した総報酬ベースの標準報酬総額は7兆1,399億円となりまして、前年度に比べましてプラス374億円、0.5%の増加となっております。
 下の表の一番下、総報酬の被保険者1人当たり月額でございますが、男女計で54万7,437円でございまして、前年度に比べまして1,152円、0.2%の増加となっております。男女別では、男性57万8,661円、女性46万8,660円となっております。
 18ページからは被保険者の年齢階級別、加入期間別の分布表でございます。まず、18ページ、男女合計でございます。ここでは45歳以上50歳未満の階級が15.7%ということで、最も多くなっております。
 次の19ページは男性を示しておりますが、男性につきましても45歳以上50歳未満の階級が16.4%ということで、最も多くなっております。
 20ページは女性についてでございます。こちらは25歳から30歳未満の階級が15.8%、45歳から50歳未満の階級が14.0%で山を形成しておりまして、男女とも傾向といたしましては厚生年金1号被保険者とおおむね同様となっております。
 21ページは被保険者の標準報酬月額等級の分布表でございます。上のところに「男性」「女性」「計」とありますが、「計」の欄をご覧いただきますと、男女合計で65万円以上の階級が8.3%と最も多くなっておりますが、そこから少し上に行っていただきました平均付近の41万円と44万円の階級も7.8%ということで、山を形成しているところでございます。
 22ページは、4つ目のテーマ、積立金の運用状況についてということでございまして、こちらは厚生年金保険経理の積立金の資産構成を示しております。このページは預託金時価ベースの数値で御説明させていただきます。右の令和3年度のところをご覧いただければと存じます。令和3年度末の年金積立金の合計でございますが、「金額」のところの一番下の合計をご覧いただきますと、8兆4,751億円でございまして、そのほとんどを固定資産として運用を行っております。
 固定資産の内訳でございますが、少し上に戻っていただきまして、真ん中辺りにありますが、財政融資資金への預託金1兆7,825億円、有価証券等が6兆3,403億円となっております。なお、預託金の時価につきましては、財投預託金と同じ残存期間である国債の市場における利回りを基に算出しております。運用利回りにつきましては5.35%という形になっております。一番下の段の括弧の中でございます。
 表には出てございませんけれども、資産種類別に申し上げますと、国内債券がマイナス0.76%、国内株式が1.06%、外国債券が1.98%、外国株式が21.20%となっております。
 23ページは資産区分別の内訳を示しております。こちらも右側の令和3年度のところをご覧いただければと思います。構成割合の時価ベースのところをご覧いただきますと、国内債券が23.4%、国内株式が23.7%、外国債券が22.5%、外国株式が26.1%、短期資産が4.2%となっております。
 令和3年度末の国共済連合会の基本ポートフォリオは、国内外の債券、株式に4分の1ずつというのが中心値でございますが、実績といたしましてもおおむねこの基本ポートフォリオの中心値付近にあるということでございます。
 続きまして、資料4「令和3年度実績と財政検証における将来見通しとの比較」の7ページをご覧いただければと存じます。令和元年財政検証における将来見通しは厚生労働省で作成されたものでございますが、これとの比較を行うため、共済組合から実績を提供させていただいておるところでございます。
 8ページの表は、財政検証ベースの実績と令和元年財政検証に基づく将来見通しとの比較でございます。ここでの財政検証ベースの実績でございますが、下のほうにあります特記事項とか注1、注2に書いてございますように、確定値ベースの額に置き換えるなど、令和元年財政検証結果と比較可能となるように適宜組替えをしております。なお、比較の際の将来見通しでございますが、この表の中には経済前提のケースⅠ、ケースⅢと、ケースVという形で示しておりますが、ケースはⅢのものを参照させていただきたく存じます。
 まず、左側の収入の計をご覧いただきますと、将来見通しのケースⅢでは2兆8,350億円であったのに対しまして、一番上にあります実績では3兆1,025億円と、プラス2,675億円となっております。この乖離の主な要因は、計の2つ左の運用収入のところでございますが、時価ベースの運用収入がプラス3,087億円となったことで、見通しよりも運用利回りが上回ったということでございます。
 次に、右側にあります支出につきましては、計の欄をご覧いただきますと、将来見通しのケースⅢでは2兆8635億円だったのに対し、実績は2兆7,424億円と、マイナス1,211億円となっております。この乖離の要因といたしましては、基礎年金拠出金が、将来見通しに比べましてプラス182億円となりましたが、厚生年金拠出金が将来見通しに比べましてマイナス531億円、給付費がマイナス277億円、その他支出がマイナス585億円となったことが挙げられます。給付金のマイナスは受給者数と年金改定率の差、その他支出のマイナスは国共済、地共済間で行われている財政調整拠出金の差によるものでございます。なお、今回の様式におきましても、前回同様に、1号厚年と同様の平滑化を行った積立金を掲載しております。一番右にございます。1号厚年と規模は異なりますが、平滑化後の額は、直近年度末時価と比べれば多少低めという点は1号厚年と同様の傾向でございます。
 9ページは、被保険者数及び受給者数の将来見通しと実績の比較表でございます。令和3年度の一番左にあります被保険者数でございますが、将来見通しが105万7千人であったのに対しまして、実績は108万7千人と、プラス3万人となっております。
 その右の受給者数につきましては、将来見通しが132万1千人となっているのに対しまして、実績は127万5千人と、マイナス4万5千人となっております。
 10ページは、年金扶養比率について比較しております。令和3年度の年金扶養比率の実績は、上の表の一番下、1.73となっております。下の令和元年財政検証結果の令和3年度は1.70となっておりまして、実績のほうがプラス0.03となっております。
 11ページは、積立比率でございます。令和3年度につきましては、実績は6.0でございまして、括弧内の平滑化後で見ますと5.6となっております。
 下の表の財政検証結果では、ケースⅢの令和3年度のところをご覧いただきますと、5.0となっておりまして、実績のほうが高くなっております。
 最後に、これまで御説明した内容から国共済の令和3年度を総括いたしますと、資料1でご覧いただけました決算といたしましては、運用収入とその影響を受ける財政調整関連の収支以外はおおむね例年並みとなりまして、比較的好調な積立金運用利回りを受けて、おおむね良好な結果であったと考えております。また、資料4でご覧いただきました財政検証時の将来見通しと実績の比較につきましては、運用収入等を除き、それほど大きな乖離はなかったものと考えてございます。
 国共済につきましては以上でございます。

○翁部会長 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして何か御質問がございましたら、よろしくお願いいたします。寺井委員、お願いします。

○寺井委員 御説明いただきまして、どうもありがとうございました。
 4点ほど質問をさせていただければと思います。まず、資料1の6ページです。繰下げ支給の受給権者数、またそれに伴って年金総額の伸びが、前年度との比較としての伸び率が高いように思うのですけれども、国家公務員特有の事情が何かあるのかということをお教えいただけたらと思います。
 同じ資料の22ページです。表の下のほうに「流動負債等」となっていますが、できましたら内訳をお教えいただけたらと思います。
 あと2つは資料4の将来見通しとの比較についてです。8ページ、国庫・公経済負担というのが将来見通しに比べて若干高いと思いまして、何か事情があるのでしたらお教えいただきたいということです。
 もう一つは2ページですが、被保険者数が将来見通しに比べて実績が若干多いのです。この程度でしたら誤差の程度と言えるのか、あるいは例えば制度変更とか、何かイベントみたいなものがあってこの結果なのかというのをお教えいただけたらと思います。
 私からは以上です。

○翁部会長 お願いいたします。

○西尾共済計理官 お答えをさせていただきます。
 まず、1番目の御質問、繰下げ支給のところでございます。国共済の厚生年金受給権者につきましては、被用者年金一元化の平成27年10月以降に発生してくるということでございまして、現段階としましては年々受給権者が積み上がってきているところでございます。そうしますと、まだ分母が小さいということですので、分母に対する単年度の増加というのはどうしても大きくなるということがございます。
 2点目、22ページ目の「流動負債等」とあるところでございますが、ここは若干込み入っておりまして、一番下、67,130というものは、バランスシートに計上している年度末積立金ということでございます。ただ、こちらは会計上の経緯がありまして、上の有価証券等というところには、いわゆる委託運用での未収収益が含まれておりますが、一番下の67,130には、バランスシートとの整合性を優先した結果、未収収益が含まれないということになってございます。本当の意味での流動負債といいますのは、未払い金24億円、預かり金8億円で、30億円少々でございます。内訳の合計が一番下の合計に合うように調整した結果、マイナスの流動負債として未収収益3,400億円ほどが出てしまっているということでございます。
 3点目、様式4で、国庫・公経済負担の実績が見通しを上回っている原因としましては、国庫・公経済負担のほうは、基礎年金拠出金の2分の1国庫負担ということでして、負担の対象である基礎年金拠出金が見通しよりも増加したことに伴ってこちらも増加したところでございます。
 4点目、被保険者数が伸びていることにつきましては、特段大きな制度変更といったことは認識しておりませんけれども、被保険者数の将来見通しは、平成29年段階の将来推計人口における一定割合と推計しておりまして、その後の被保険者数の実績としましては、国立病院職員や自衛官といったコロナ対応にもあたられた職種で増えているのではないかと考えてございます。

○翁部会長 よろしいですか。もし御質問が追加的にありましたら。

○寺井委員 言葉が分からないのが1つございまして。

○翁部会長 どうぞ。

○寺井委員 未収というのは。

○西尾共済計理官 失礼いたしました。未収収益と申しますのは、例えば株式の配当でありますとか、債券のクーポン収入です。決算時点におきまして、入ってくることは確定しているのだけれども、現金、キャッシュとして入ってきていないものでございます。

○寺井委員 分かりました。ありがとうございました。

○翁部会長 追加的にございますでしょうか。佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 御説明どうもありがとうございました。
 前回の部会で年金財政に資産運用の影響が大きいということをコメントさせていただいておりますが、その資産運用のお話といたしまして、この機会に各共済の資産運用はGPIFと比べてどのような点に独自性があるのか、ポイントを絞って御説明いただくことは可能でございましょうか。まずは国共済さんの部分につきまして。

○西尾共済計理官 こちらは御案内のことかもしれませんけれども、厚生年金の給付費は中長期的にはいわゆる賃金上昇率に連動していくということが考えられますため、GPIFやKKRを含みます各実施機関におきましては、この給付費を賄うためということで、5年に1回の財政検証のほうで賃金上昇率などを踏まえた目標を設定しておりまして、その設定された目標を達成するために資金運用をしているということでございます。国共済連におきましては、先ほど申し上げましたような対賃金での運用利回りを達成する観点から設定した基本ポートフォリオが、国内外債券・株式4分の1ずつとなっておりまして、ここまではGPIFやほかの共済さんと共通でございます。
国共済連におきましては、この基本ポートフォリオが同じという枠内で、例えば国内債券の中では、一元化前から保有していた財投預託金がかなり多めになっているということが一つの特徴かと思います。
 2点目としましては、今回の決算ヒアリングの対象であります令和3年度いっぱいまでは、外国株式のベンチマークのほうが、GPIFやほかの共済さんですとエマージングも入ったMSCI ACWIかと思いますけれども、国共済連のほうではエマージングが入っていないMSCI-KOKUSAIでございました。この2点につきましては独自性があったのではないかと考えております。

○佐藤委員 どうもありがとうございました。
 できましたら、これから御説明がございます他の共済の方についても、簡単に独自性を御説明していただけるとありがたいかと思います。

○翁部会長 そのようによろしくお願いいたします。
 そのほかにいかがでしょうか。よろしいですか。野呂部会長代理、お願いいたします。

○野呂部会長代理 まず初めに、1ページの脚注の2のところで、財政調整拠出金につきまして、当年度概算額と前年度精算額の内訳を書いていただき、非常に明快になりました。本当にありがとうございました。質問が2つと、それから来年度以降へのお願いが1点ございます。
 質問の1つ目が同じ1ページ目の厚生年金拠出金で、これは共済制度の収支上、支出項目としては非常に影響の大きい項目だと思うのですけれども、例年に比べて結構伸びが大きいように思います。その理由を教えていただきたいと思います。要するに、給付費の合計と分担率とで決まってくると思うのですが、できればそうした要素に分けて教えていただければというのが1点でございます。
 質問の2つ目が、先ほど寺井委員のご質問と逆ですけれども、6ページ目の繰上げ・繰下げですが、例えば厚生年金などに比べますと、繰下げに比べて繰上げが非常に多いような気がします。その前のページの一元化前の減額支給・増額支給につきましても減額のほうが多いということで、厚生年金などと傾向が全く逆になっているので、その辺りも分析があれば教えてほしいというのが質問の2点目です。
 最後がお願いとしまして、来年度からで結構ですけれども、厚生年金などと同じように、6ページのところの脚注、特記事項に、繰下げの選択率のようなものを調べて、どれぐらいの人が繰下げを選択しておられるのかということを来年度から示していただければと思います。検討いただければと思います。
 以上です。

○翁部会長 それでは、回答をお願いします。

○西尾共済計理官 1点目、厚生年金拠出金の増加の要因といったところにつきましては、国共済の場合は、いわゆる分担率の増加が2.1%程度、7割方を占めておりまして、その他の部分として全体の給付費の増加等による影響というところが、2.9%のうち2.1%を除きました0.8%前後になるかと考えております。
 基礎年金拠出金につきましては、分担率の意味では0.5%程度減っているような状況になっておりまして、2.1%のうち、これを除く2.6%前後が全体の給付費の増加等による影響と考えてございます。
 2点目、繰上げ受給が多いことの原因につきましては、ずばりこれというのは難しいですけれども、例えば共済組合員の中には、定年が50歳台の自衛官の方などが含まれておりますので、そうした方が生活に必要ということもあって繰上げ受給をされているのではないかと考えてございます。
 3点目、繰下げ比率につきましては、1号厚年で御指摘がございましたような70歳時点での繰下げ者の割合といったものを作成できないかどうか検討しているところでございます。

○翁部会長 よろしいですか。

○野呂部会長代理 はい。

○翁部会長 ありがとうございました。
 それでは、山口委員、お願いいたします。

○山口委員 1点質問です。7ページですが、平均加入期間と平均年金額について、加入月数の平均は上がっているのですが、平均の年金額が下がっているのは、どういう意味なのかを確認させていただければと思います。よろしくお願いします。

○西尾共済計理官 資料1の7ページ目でございますね。減額の原因としましては、令和3年度の0.1%の改定というのがございました。ただ、それ以外に、実は共済年金につきましては一元化前の職域相当部分、いわゆる3階部分が年金額に含まれておりまして、そうした方が亡くなったことによる減少の影響が加入期間の増加を上回っているということかと考えてございます。

○山口委員 ありがとうございました。

○翁部会長 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 それでは、以上で国家公務員共済組合についての報告の聴取を終わります。
 続きまして、議題2、地方公務員共済組合について報告を聴取いたします。
 本日は、総務省自治行政局公務員部福利課の笹野課長、春原数理官、佐藤事務官、地方公務員共済組合連合会の岡資金運用部長、年金業務部の村上部長、宮武数理課長に御出席いただいております。
 それでは、御説明をお願いいたします。

○笹野福利課長 総務省福利課長の笹野と申します。座って説明させていただきます。
 それでは、地方公務員共済組合の令和3年度財政状況につきまして、資料2に沿って御説明申し上げます。資料2の1ページ目をご覧ください。1、収支状況でございます。厚生年金保険経理の令和3年度について説明申し上げます。まず、収入でございます。一番上の欄の収入総額は9兆3,678億円となっております。その内訳でございますけれども、保険料は3兆4,575億円となっております。国庫・公経済負担は7,699億円となっております。追加費用は3,086億円となっております。運用収入は1兆2,485億円となっております。また、有価証券売却損等の費用を除いた正味運用収入は1兆2,446億円。さらに正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は1兆2,582億円となってございます。
 基礎年金交付金は544億円、厚生年金交付金は3兆5,106億円となっております。財政調整拠出金は国共済から地共済に161億円が拠出されているところでございます。その他は23億円でございます。
 続きまして、支出でございます。支出総額は8兆5,709億円となっております。その内訳ですが、給付費が3兆7,367億円、基礎年金拠出金は1兆5,484億円、厚生年金拠出金は3兆2,742億円、その他は116億円となっております。
 収入総額から支出総額を引きました収支残は7,969億円。なお、時価ベースでの収支残は8,104億円となっております。
 その下の年度末積立金でございます。20兆4,284億円となっておりまして、積立金運用利回りは6.3%。また、時価ベースの年度末積立金は24兆9,506億円となっておりまして、同じく時価ベースの積立金運用利回りは5.19%となっています。
 以上が地共済の令和3年度厚生年金保険経理の収支概要でございます。
 2ページは給付状況でございます。まず、2ページ目は共済年金と厚生年金を合計した受給権者計について説明いたします。令和4年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数は323万7,000人となっております。前年度に比べ5万4,000人、1.7%の増加となっております。また、年金総額につきましては4兆4,486億円でございまして、前年度に比べ168億円の減少です。内訳については記載のとおりでございます。
 3ページは共済年金受給権者についてでございます。令和4年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数は194万7,000人となっておりまして、前年度に比べ10万1,000人、4.9%の減少です。また、年金総額につきましても2兆9,611億円となっておりまして、前年度に比べ1,821億円、5.8%の減となっております。なお、共済年金につきましては、新規の受給権者は原則発生せず、死亡失権等による減少のみとなっております。
 4ページの厚生年金受給権者について説明いたします。令和4年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数は129万人となっておりまして、前年度に比べ15万5,000人、13.6%の増となっております。また、年金総額につきましては1兆4,875億円となっておりまして、前年度に比べ1,653億円、12.5%の増となっております。厚生年金の受給権者は新規発生により毎年増加傾向にございます。
 5ページの表は、共済年金受給権者につきまして、減額・増額別に表したものでございます。減額支給の受給権者は令和4年3月末で4万8,000人、その年金総額は679億円となっております。また、増額支給の受給権者は令和4年3月末で8,000人、その年金総額は108億円となっております。
 6ページは、厚生年金受給権者について、繰上げ・繰下げ別に表したものでございます。繰上げ支給の受給権者は令和4年3月末で1万2,000人、その年金総額は92億円となっております。また、繰下げ支給の受給権者は令和4年3月末で6,000人、その年金総額は65億円となっております。
 7ページは、共済年金と厚生年金を合計した受給権者計の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。令和4年3月末の老齢・退年相当の平均年金月額は13万3,362円で、前年度に比べ2,013円、1.5%の減少です。その1段下をご覧いただきますと、基礎年金を含めた平均年金月額を記載しておりまして、金額は18万7,401円、前年度に比べ1,340円、0.7%の減少です。さらに2段下の平均加入期間につきましては432月となっております。
 8ページは、共済年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。退年相当の平均年金月額は14万4,319円で、前年度に比べ1,280円、0.9%の減少となっております。その1段下をご覧いただきますと、そこに基礎年金を含めた平均年金月額を記載しておりまして、金額は20万1,805円、前年度に比べ849円の減少となっております。さらに2段下の平均加入期間につきましては425月となっております。
 9ページは、厚生年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表です。老齢相当の平均年金月額は11万6,309円となっております。その1段下をご覧いただきますと、そこに基礎年金を含めた平均年金月額を記載しておりまして、金額は16万4,984円となっております。さらに2段下の平均加入期間につきましては442月となっております。
 10ページは、新規裁定者に係る平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。令和3年度における平均年金月額は11万931円となっております。その1段下の平均加入期間は444月となってございます。
 11ページ以降は、老齢・退年相当に係る支給区分別、年齢別の表でございます。説明は省略させていただきます。
 2ページ飛んでいただきまして、14ページは、受給権者計の老齢・退年相当に係る年齢階級別の表でございます。男性では70歳から75歳、女性では65歳から70歳の階級が一番多く、その後は年齢階級が高くなるにつれ減少しております。平均年齢は、男性が75.04歳、女性が75.92歳、男女合計で75.37歳となっております。
 また2ページ飛んでいただきまして、17ページは被保険者の状況についてでございます。まず、被保険者数でございますが、令和4年3月末現在で303万7,000人。前年度に比べ3万8,000人の増加となっております。また、平均年齢は、全体では42.8歳、うち男性が43.6歳、女性が41.8歳となっております。標準報酬月額の平均については40万4211円で、前年度から63円の減少となっております。
 下の表に移りまして、標準報酬月額総額が14兆6,396億円、標準賞与総額が4兆6,523億円、標準報酬総額が19兆2,919億円となっております。
 しばらく飛びまして、22ページは積立金の運用状況についてでございます。令和3年度末における厚生年金保険給付積立金の総額は、表右側の合計欄でございますが、簿価ベースで20兆4,284億円、時価ベースで24兆9,506億円となっております。
 23ページ目は資産区分別の状況でございます。構成割合は、一番右の時価ベースで、国内債券は21.6%、国内株式は24.9%、外国債券は23.5%、外国株式は25.9%、短期資産は4.1%となっております。
 地共済の資金運用の独自に基づく考え方についての説明でございます。資産構成割合は、先ほど申し上げたとおり、いずれもポートフォリオは25%ずつとなっております。これは他の管理運用主体と同様でございまして、資金運用全体の考え方について、他の管理運用主体と大きな違いがないものと認識してございます。
 一方、私ども地共済制度の制度上の特徴といたしましては、地共済におきましては、厚年法の規定に加えまして、地共済法の規定にのっとりまして、地方公共団体の行政目的の実現にも資するよう運用すると規定されております。この規定に基づきまして、地方債などでの運用が多くなっているという特徴はございます。以上、運用に関する地共済の特徴について付言させていただきます。
 以上が資料2の説明でございました。
 続きまして、資料4-2でございますが、通しページで14ページからになります。地共済の1ページ目からお願いいたします。まず、資料4-2、地方公務員共済組合に係る令和3年度実績と財政検証における将来見通しとの比較でございます。これは令和3年度実績と令和元年財政検証における将来見通しと比較したものでございますけれども、財政検証を実施されました厚労省数理課さんと連携いたしまして共同で作成いたしました。
 まず、通しページ14ページ、1ページ目、収支状況の比較について申し上げます。ここで厚生年金財政検証結果等の比較を行うに当たりまして、数理課さんに御確認させていただきまして実績を作成しております。なお、上から2段目の令和3年度実績と令和元年財政検証における将来見通しとしては、ケースⅢについて申し上げます。まず、収入でございます。保険料でございますが、保険料の令和元年財政検証の将来見通しでは3兆3,856億円となっているのに対しまして、実績は3兆4,575億円でございます。また、運用収入につきましては、将来見通しでは3,521億円となっているのに対しまして、実績は1兆2,582億円でございます。その他でございますが、将来見通しでは857億円に対しまして、実績は286億円でございます。このようなことから、収入の計では、将来見通しでは7兆9,899億円に対しまして、実績は8兆8,940億円でございます。
 続いて、表右側の支出でございますが、給付費の将来見通しでは3兆4,431億円に対しまして、実績は3兆3,707億円でございます。
 また、基礎年金拠出金の将来見通しでは1兆4,468億円に対しまして、実績は1兆5,096億円。厚生年金拠出金の将来見通しでは3兆1,975億円に対しまして、実績は3兆1,252億円でございます。このようなことから、支出の計は、将来見通しでは8兆937億円に対しまして、実績は8兆133億円でございます。収支残の将来見通しではマイナス1,038億円に対しまして、実績はプラス8,807億円となっております。
 続きまして、2ページ目、15ページ目でございます。被保険者数及び受給者数について比較したものでございます。被保険者数につきましては、将来見通しでは281万1,000人とされておりますところを、令和3年度実績では304万人となっております。
 受給者数につきましては、将来見通しでは312万4,000人とされておりますところを、令和3年度の実績は307万1,000人となっております。
 年金種別ごとの数字は、それぞれ右に記載のとおりでございます。
 3ページ目は年金扶養比率についてでございます。将来見通しでは1.39とされておりますところを、令和3年度実績は1.50となっているところでございます。
 4ページ目は積立比率でございますが、将来見通しでは5.5とされておりますところを、令和3年度実績は6.4となっております。
 最後に総括でございますけれども、冒頭申し上げました収支状況につきましては、令和3年度は、従前までの傾向と比較して大きな違いはないと考えております。積立金の運用状況につきましても、長期的に見まして、年金財政上、必要な運用利回りを確保しているものと評価しておりまして、今後も法令に基づきまして長期的な観点から安全かつ効率的な運用が行われていくものと考えております。
 被保険者数につきましては、令和3年度は303万7,000人と、令和2年度と比較しますと3万8,000人の増加、1.3%の増加となっております。こちらですけれども、令和3年度におきましては、道府県や市町村の職員を中心に新型コロナウイルス感染症対策のための体制強化、児童相談所の体制強化などの子育て支援への対応、国土強靱化に向けた防災・減災対策、地方創生への対応などにより増加したものと考えております。
 説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○翁部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして御質問がありましたらお願いいたします。枇杷委員、寺井委員、順番でお願いいたします。

○枇杷委員 御説明ありがとうございました。
 3つ質問させていただきたいのですけれども、最初に資料2の17ページで、標準賞与の総額が今年マイナス1.9ということで、全般的な流れとか国家公務員共済さんの数字とは違う動きになっているのですが、その理由・背景をお聞きしたいというのが1点です。
 2点目は、戻っていただいて7ページになります。平均年金月額の金額、これも国共済さんとの比較感で恐縮ですけれども、平均年金額は地共済さんのほうが高い傾向になっていて、直感的にどうかなという感覚と、被保険者の標準報酬を拝見すると、地共済さんのほうが低いので、加入期間もそれで短いということなのに、なぜ高いのかなというところがお聞きしたいところです。特に9ページで経過措置期間終了後の方についても同じ傾向になっていますので、過去のものではなくて、何か別の要因があるのかなと推測したのですが、その辺を教えていただきたいと思います。
 最後ですが、これは細かい話で恐縮ですけれども、1ページ目で、運用収入の簿価の金額について、令和2年度はちょっと増えて、令和3年度は結構大きい金額になっていて、この辺は先ほどの運用のやり方の違いが少し影響しているということなのかもしれないのですが、その辺りのメカニズム、どうしてこういう数字になってくるのかということを教えていただきたいと思います。
 以上です。

○春原数理官 お答えいたします。1点目、標準賞与総額がマイナス1.9%となっている背景ということですけれども、一般論ですが、地方公務員の給料・ボーナスの改定は、基本的には国の人事院勧告などを踏まえまして、各地方公共団体の条例で定めることとされてございます。令和3年の国の人事院勧告では、月例給は改定なし、一方で、ボーナスについては引下げの勧告がなされたところでございます。通常であれば、夏の人事院勧告の後、それを受けて、国家公務員につきましては、秋の臨時国会で国家公務員の給与法が改正されまして、一方で、地方公務員につきましては、各地方公共団体の議会で条例が改正されて、それぞれその年度中に月例給とボーナスが改定されるというのが一般的な流れでございます。
 令和3年度におきましては、国家公務員の給与法の改正が令和3年度ではなく、翌年度の令和4年度に行われたところでございます。一方で、地方公務員におきましては、その夏の人事院勧告などを踏まえまして、令和3年度中に条例改正を行って、ボーナスを引き下げた団体というのが一定数あったところでございます。このように地方公務員は国家公務員に先んじて一部の地方公共団体がボーナスの引下げ改定を行ったために、国家公務員とは異なる傾向となっていると考えてございます。
 2点目、7ページの平均年金月額13万3,362円という数字が、国共済と比べるとちょっと高いのではないかというご質問でございますが、御案内のとおり、国共済と地共済は給付設計が同じでございますので、制度に由来してということではなくて、単純に年金額の計算の基礎となっている加入期間と平均標準報酬額によって地共済が高く出ているのではないかと考えております。
3点目、簿価ベースでの運用利回りが増加した理由でございますけれども、端的に言いまして、運用収入が増加したことによるものでございます。具体的には令和3年度は、リバランス等を行うために時価が上昇し、資産構成割合が増加した外国株式を中心に売却したために、運用収入の増加につながったところでございます。
 一方で、その前の令和2年度でございますが、この年は令和2年4月1日から基本ポートフォリオの見直しに伴いまして、具体的には国内債券の資産構成割合をそれまでの35%から25%に変更したことに伴いまして、国内債券を中心に売却を進めたということから、令和2年度と令和3年度で比較しますと運用収入に差が出たというところがその要因であると考えてございます。

○枇杷委員 ありがとうございました。
 2点目の部分は、加入期間も実は短くしていらっしゃるし、標準報酬も少なくていらっしゃるのに何で高いのかという趣旨の確認でしたので、今回でなくて結構ですけれども、もし何か分かりましたら教えていただけますと幸いです。
 以上です。

○翁部会長 ありがとうございました。
 それでは、寺井委員、お願いいたします。

○寺井委員 御説明いただきましてありがとうございました。
 2つ質問させていただければと思います。1つは資料2の1ページです。財政調整拠出金収入が令和2年、令和3年度と減ってきているのです。これに伴って国家公務員共済のほうを見ると、逆に拠出金のほうが同じように減ってきているということになっていて、財政調整の規模が小さくなっているということを意味しているのだと思うのですけれども、これはどういう理由によるのかなということが知りたいということと、財政調整の規模が小さくなるということは、制度の安定性という点から見たときに何かいいことが起きていると見ていいのか、どう解釈していいのかというところを教えていただけたらと思います。それが1点です。
 もう一点は資料4の16ページ、年金扶養比率についてです。令和元年財政検証結果ですと、年金扶養比率が徐々に下がっていくという見通しを立てているのですけれども、実績値を見ますと徐々に上がってきています。これもどうしてそうなのかというのを伺いたいというのと、同様に年金制度の安定性という点から見たら、どう評価していいのかというところもお聞かせいただければと思います。
 以上です。

○翁部会長 それでは、お願いいたします。

○春原数理官 お答えいたします。そもそも財政調整Bというのは何かということをお話ししますと、これは一方の制度の収支に赤字が生ずる場合には、他方の制度の黒字の範囲内で拠出金を拠出するというものでございます。財政調整B、マイナス566億円につきましては、令和元年度の概算算定時において地共済は赤字と見込んだために566億円を受け入れたところであったのですが、実際は令和元年度が地共済は黒字となったために、令和3年度において精算額として受け入れた566億円全額を国共済のほうに返還をすることになったというものでございます。このように当初赤字と見込んだにもかかわらず、決算では結果的に黒字と、なぜこういうことになるのかといいますと、これは運用収益が当初見込んでいたよりもプラスになったことが主な要因でございます。
 こういった財政調整について、制度の安定性の観点からどういうふうに解釈をすればいいのかということでございますが、財政調整の仕組みにつきましては、平成13年の閣議決定に基づきまして、趣旨としては、共に公務員共済という職域に適用される年金制度であり、給付設計もほぼ同じであるということから、長期給付全体を対象に法改正を行いまして、財政単位の一元化が図られたものでございます。
 平成27年の被用者年金制度の一元化に当たっても、国と地方は引き続き公務員共済として財政単位が一元化されていることを前提に、保険料率の引上げスケジュールですとか積立金仕分けなどの制度設計を行ったものでございます。したがいまして、財政調整によって国共済と地共済の間で資金移動しておりますけれども、これは公務員共済の内部の資金移動にすぎない、そういった捉え方ができるのかなと考えておりますし、厚生年金の他の実施機関、1号厚年とか4号厚年に何か影響を及ぼすものではないと考えているところでございます。
 2点目は年金扶養比率の件でございます。近年、被保険者の数が増えているというのは地共済の特徴の一つとなってございます。2つ要因がございまして、1点は、これは昨年度御説明いたしました令和2年度につきましては、地方公務員制度の制度改正による影響によりまして被保険者数が増えております。令和3年度につきましては、先ほど福利課長のほうから御説明しましたように新型コロナウイルス感染症対策のための体制強化などにより、市町村の職員や道府県の職員が増えているという状況にございます。
 年金扶養比率においては、被保険者が増えるというのはプラスに働くということに間違いはないかと思いますが、ただ、被保険者数が今後どうなるのかにつきましては、地方公共団体の職員数は、行政需要の変動とか、最近で言えば新型コロナウイルス対策とか、児童相談所の対応など子育て支援に力を入れたり、そういった住民ニーズの動向にも左右されますし、また、各団体においてさまざまな行政改革を進めるといったことがございますし、こういった影響を受けますことから、今後の被保険者数がどうなるのか、見通すのはなかなか難しいというのが正直なところでございます。

○翁部会長 それでは、駒村委員、お願いいたします。

○駒村委員 ありがとうございます。
 22ページぐらいでよかったでしょうか。資産の構成をお話しいただきました。すみません。主要4資産のそれぞれの収益率を教えていただけますでしょうか。

○岡資金運用部長 各資産の収益率でございますけれども、国内債券がマイナス0.82%、国内株式がプラス1.77%、外国債券がプラス2.46%、外国株式がプラス17.24%となってございます。
以上でございます。

○翁部会長 駒村委員、よろしいですか。

○駒村委員 はい。

○翁部会長 そのほかにございますでしょうか。それでは、野呂委員、お願いいたします。

○野呂部会長代理 国共済での質問とよく似ていて申し訳ないのですが、まず1つ目は、財政調整拠出金の内訳の記載をどうもありがとうございました。それから、繰下げにつきまして、来年度からで結構ですが、どれぐらいの方が利用されているかということで、繰下げの選択率を示せるかどうかの検討をお願いできればと思っています。
 また、資料2の基礎年金拠出金あるいは厚生年金拠出金が結構増加していることの理由ですけれども、できれば因数分解で教えていただければなと思います。
 それから、先ほどの枇杷委員、寺井委員の御質問を聞いていてふと思ったのですが、資料4の14、15ページを拝見しますと、今ほどもありましたように、15ページを見ますと、いろんな理由で被保険者の数の実績が将来見通しよりも結構増えているということでした。割り算をしますと8%以上増えているのですけれども、それに比べて、14ページの保険料収入はそれほどは増えていない。これは言い換えると、賃金上昇率が将来見通しよりも実績のほうがかなり低いのではないかなと思います。なぜ被保険者が増えたかという原因については、コロナ対策とか国土強靱化ということで、先ほどのご説明で理解したのですけれども、一方で、賃金が将来見通しよりもかなり伸びていないことの理由はあるのでしょうか。
 質問はこの2点でございます。

○春原数理官 お答えいたします。まず、繰下げ率の関係につきましては、今あるデータでどういった数字が出せるのかというのは、また事務局とも相談させていただいて、国共済と同様に検討させていただきたいと考えてございます。
 2点目の拠出金の因数分解の御質問でございますが、厚生年金拠出金、基礎年金拠出金、いずれも厚労省さんにおいて按分率の算出や拠出金の各制度への請求などを行っておりますので、厚労省さんから提供があった情報に基づいて計算した結果で申し上げさせていただきますと、厚生年金拠出金は地共済は対前年度プラス6.7%増となってございます。このうちいわゆる按分率の増加によるものが3.4%程度、それ以外の要素によるものが差し引きしまして3.3%程度と捉えてございます。
 基礎年金拠出金につきましては、地共済は対前年度プラス2.6%増となってございます。このうち按分率の増加によるものが0.3%程度、それ以外の要素によるものが差し引きしまして2.3%程度と捉えてございます。
 3点目、保険料収入が被保険者数の増に比べて伸びていないのではないかという御指摘でございます。被保険者数は3万8,000人、約1.3%増加をしております。被保険者数の男女の内訳を見ますと、女性の被保険者数が約4万2,000人増ということで、この影響が大きいのかなと考えてございます。一方で、女性の標準報酬月額の平均を見ますと、36万9,842円ということで、男性の標準報酬月額の平均42万円余りと比べますと低いということが数字上からは見てとれます。この点が被保険者数の増ほど保険料収入の増になっていない背景ではないかと考えております。
 なお、地方公務員の給料水準は、職務の内容と責任の程度に応じて決まりますので、一般的に年齢が高くなるほど職務の内容も高度化し、責任が重くなり、給料も高くなっていく傾向があります。被保険者の平均年齢は女性のほうが男性よりも低くなっていますので、この点も男性と女性の標準報酬月額の平均の違いの背景になっているのではないかと捉えてございます。

○翁部会長 お願いします。

○野呂部会長代理 そうしますと、先ほどの寺井委員の御質問のときに、被保険者が増加して、年金財政上は扶養比率が下がってよかったけれども、地方財政的には必ずしもよかったとも言えないというお話でしたけれども、ただ、賃金から見ると、それがいいかどうかは別にして、それほど賃金が上がっていないので、被保険者数というか、雇用者数が増えたほどには、地方財政負担には影響がなかったという、そういう理解でよろしいのでしょうか。

○笹野福利課長 地共済の年金財政としては、御説明申し上げましたように、年金財政にはプラスの影響というか、マイナスの影響ではないと思っています。一方で、地方の場合、いろんな形で現場対応が多くて、保健所の行政とか、あるいは子育て支援の行政などをご覧いただきますと、最近は女性活躍ということもありまして、特に女性の公務員の方が増えてきている、若い方が増えてきているということで、そこの人件費負担に対する地方財政計画上の配慮というのが、別途財政上の配慮としてさせていただいているというふうに御理解いただければと思います。

○翁部会長 よろしいですか。

○野呂部会長代理 はい。

○翁部会長 ありがとうございました。
 それでは、以上で地方公務員共済組合についての報告の聴取を終わります。
 続いて、議題3に移りまして、私立学校教職員共済制度について報告を聴取いたします。本日は、文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室の秋庭室長と德成室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団の松澤数理統計室長、大山数理統計室主幹、資産運用部の田代部長と小守林次長に御出席いただいております。
 それでは、説明をお願いいたします。

○秋庭私学共済室長 文部科学省で私学共済室長をしております秋庭と申します。どうぞよろしくお願いいたします。座って御説明させていただきます。
 まず、資料3、財政状況、私立学校教職員共済制度について御説明いたします。全体について、フォーマットは国共済、地共済さんと同一ですので、同様に御説明いたします。1ページ、厚生年金勘定の厚生年金経理分の平成29年度から令和3年度までの収支状況でございます。令和3年度については、収入総額1兆809億円となっております。2段目の括弧書き、時価ベースの収入総額ですけれども、1兆1,520億円となっております。内訳ですけれども、保険料については4,967億円、国庫負担が1,358億円となっております。
 運用収入については、簿価ベースで917億円。これに年度末積立金の評価損益の増減分を加算して、時価ベースで、その下段の括弧書き、1,628億円となっております。厚生年金交付金は3,152億円となっております。その他の394億円は、厚生年金勘定の職域年金経理からの保険料軽減分の受入れや都道府県補助といったもの等を計上しております。
 次に、中ほど支出の欄、令和3年度の支出総額は9,349億円となっております。このうち給付費が2,972億円、基礎年金拠出金が2,682億円、厚生年金拠出金は3,669億円となっております。先ほど御質問のありました基礎年金拠出金、厚生年金拠出金の増の因数分解でございますが、先ほどの地共済さんと同じで、厚労省さんにいただいたデータを基にしますと、厚生年金拠出金のプラス8.8%のうち按分率の増加によるものが6.1%程度、それ以外の要素、前々年度精算の分などによるものが残り2.7%かと考えております。基礎年金拠出金のほうは、按分率の増加については変化はほぼなく、それ以外の要素、前々年度精算によるもの等がほとんどかと考えております。
資料に戻りまして、その他は事務費繰入れ等で27億円となっております。
 収支残が簿価ベースで1,460億円、時価ベースですと2,170億円となっております。
 その下の年度末積立金は、簿価ベースで2兆4,293億円、時価ベースで3兆656億円となっております。
 積立金運用利回りにつきましては、簿価ベースで4.00%、時価ベースですと5.70%となっております。
 先ほど御質問のありました分類ごとの運用利回りは、国内債券でマイナス0.27%、国内株式でプラス0.42%、外国債券でプラス4.35%、外国株式でプラス17.35%となっております。
 次に、給付状況でございます。2ページをご覧ください。一元化前に受給権が発生した共済年金と一元化後の厚生年金の合計ですけれども、令和4年3月末で受給権者数59万8,300人、前年度比較で2万5,600人、4.5%の増でございます。このうち老齢・退年相当が14万1,200人、通老・通退相当が36万5,400人ということで、私学の特徴が表れているところですけれども、幼稚園の先生などを中心に、短期間、短い年数での退職者が多いので、通老・通退相当の割合が高くなっております。
 年金総額は合計で3,660億1,000万円で、前年度比43億6,000万円、1.2%の増でございます。このうち老齢・退年相当については2,264億9,000万円で、9億7,000万円の増。通退相当が740億8,000万円で、21億8,000万円の増でございます。
 3ページをご覧ください。一元化前に受給権が発生した共済年金の受給権者です。受給権者数は31万8,900人で、前年度比1万2,500人、3.8%の減。このうち退年相当が9万3,900人、通退相当が16万8,000人となっております。
 年金総額の欄ですけれども、2495億9,000万円で、前年度末と比較して116億3,000万円、4.5%の減少。このうち退年相当につきましては1,618億7,000万円で、71億4,000万円の減少。通退相当が446億4,000万円で、20億9,000万円の減でございます。
 4ページは、一元化後に受給権が発生した厚生年金4号厚年の受給権者についてです。受給権者数27万9,400人で、3万8,100人の増。このうち老齢相当が4万7,300人、通老相当が19万7,300人となっております。
 年金総額ですけれども、1,164億1,000万円で、前年度末と比較して159億9,000万円の増でございます。このうち老齢相当が646億2,000万円、通老相当が294億4,000万円となっております。
 続きまして、5ページでございます。共済年金における減額支給、増額支給の人員と年金総額でございます。令和4年3月末で減額支給の人員が1,300人、年金総額が8億5,000万円、増額支給の人員が1万6,300人、年金総額177億9,000万円となっております。
 6ページの厚生年金の繰上げ、繰下げの人員です。令和4年3月末で繰上げ支給が2,900人、年金総額が4億7,000万円、繰下げのほうは5,200人、年金総額48億6,000万円となっております。
人数比率につきましては他共済さんと同じですけれども、分母と分子をどう取るかという世界かと思いますので、後ほどまた厚労省さん等と御相談いたしたいと思っております。
 7ページに参ります。共済年金と厚生年金を合計した受給権者計の平均年金月額、平均加入期間でございます。令和4年3月末の老齢・退年相当の平均年金月額が13万3,664円、前年度に比べて1,547円、1.1%の減でございます。1つ下の欄、基礎年金を含めた平均年金月額が18万8,450円で、前年度末より1,198円、0.6%の減でございます。
 続きまして、8ページでございます。共済年金の退年相当の平均年金月額と平均加入期間でございます。令和4年3月末の退職年金の平均減額が14万3,647円、前年度末に比べて1,097円、0.8%の減。1つ下の欄、基礎年金を含めますと20万1,371円で、前年度末より889円、0.4%の減でございます。
 9ページは厚生年金の老齢相当の平均年金月額と平均加入期間です。平均年金月額が11万3,845円、前年度末より881円、0.8%の増でございます。1つ下の欄、基礎年金を含めた額ですと、16万2,757円で、前年度末より2,544円、1.6%の増でございます。
 続きまして、10ページでございます。厚生年金における新規裁定の老齢相当の平均年金月額です。令和3年度11万5,084円で、前年度比で114円、0.1%増加しております。平均加入期間は422月となっております。
 11ページは、年齢別、年金額の構成要素別、12ページ、13ページは、11ページの男女別ですので、説明は割愛させていただきます。
 14ページは、老齢・退職年金受給権者(老齢・退年相当)の年齢構成でございます。右側の計の欄、年金受給権者数が合計14万1,200人でして、年齢構成では70~75歳の割合が男性、女性共に最も高くなっております。平均年齢につきましては、男性が75.2歳、女性が76.5歳でございます。
 15ページに参ります。共済年金の年金月額の分布の状況です。退年相当では男性14万円以上20万円未満のところがそれぞれ7~8%台で分布しております。ここのところで全体の51.25%を占めております。女性は7万円以上14万円未満の階級にそれぞれ7%近い割合で集中しておりまして、ここのところで全体の47.54%を占めております。通退相当では男性、女性とも1万円未満の区分のところが一番多くなっております。
 16ページ、厚生年金の年金月額の分布です。老齢相当で男性で13万円以上14万円未満を頂点に分布しておりまして、女性では9万円以上11万円未満が頂点となって分布しております。通老相当では男性、女性とも1万円未満の人数が最も多くなっております。
 17ページ、被保険者の状況です。被保険者状況のうち、上段の欄で被保険者数、平均年齢、下段の欄で標準報酬月額総額などを記載しております。被保険者数は、令和4年3月末で58万6,400人で、前年度末に対して6,600人、1.1%の増となっておりまして、増加の大部分が女性となっております。
 学校種別で見ますと、大学と幼稚園の加入者が増えておりまして、主に大学病院ではないかと。あと、認定こども園や幼稚園の教員などの増加が要因と考えております。そのほかの学種でも、少子化等もありますが、例えば18歳人口も当然減少しておりますが、一方で、大学進学率が上がっていて、それが打ち消しに働いて、プラス社会人の学び直し、今で言うとリスキリングみたいなこともありまして、大学入学者数、志願者数はそれほど落ちていないということなどもあって、高等教育機関の教職員数もそんなに減っていないどころか、増えているということや、それより前、小・中・高校におきましても私学人気というのが最近高まっているところもありまして、それぞれの学種別で増か、ほぼ横ばいという状況になっております。児童生徒数の減からすると、横ばいでも相対的には増という状況になっております。
 被保険者の平均年齢が43歳、男性が47.1歳、女性は40.2歳となっております。標準報酬月額の平均は36万7,258円で、前年度に比べまして2,956円増加しております。
 下段の令和3年度の状況ですけれども、標準報酬月額総額が2兆5,744億円で、504億円の増、標準賞与総額が7,177億円で、前年度に比べ145億円の増。これらを合わせた総額につきましては3兆2,921億円となっております。
 被保険者数の年度間平均が58万9,300人で、前年度と比べて7,500人の増でございます。
 標準報酬総額の1人当たり月額が46万5,575円で、前年度に比べて3,320円増となっております。
 短時間労働者については再掲で記載しておりますけれども、令和4年3月末で被保険者数が4,500人、400人、10.6%の増加となっております。
 続きまして、18ページでございます。被保険者の分布について、加入期間別、年齢階級別でございます。上段の一番右の合計で、年齢階級で一番割合の高いのが25歳以上30歳未満、13.6%となっております。以降50歳台まで9%から12%ぐらいといった割合となっておりまして、60歳以上の加入者も相当程度おります。大学の先生などでそういった方が多いということになっております。60歳以上65歳未満8.4%と65歳以上4.0%で、そこだけでも12.4%となっております。
 加入期間別の分布ですと、加入期間5年未満の方の割合が一番高くて31.6%。5年以上10年未満の22.6%を合わせますと、10年未満の方で54.2%と半数を超えるということになっております。
 19ページが男性の加入者の分布状況です。25歳未満の割合が低く、25歳から60歳台前半までほぼ均等に分布しております。60歳以上65歳未満で加入期間5年未満の方の人数が6,570人と比較的多くなっております。
 20ページが女性の加入者の分布です。男性と大分異なりまして、30歳前後の方の割合が高い傾向にありまして、約4割を占めております。加入期間5年未満の方35.9%と5年以上10年未満24.3%で、合計しますと60.2%という方が10年未満のところに固まっているということで、加入期間が短い人が多いというのは、主に幼稚園の先生などが多いのではないかと考えております。
 21ページ、標準報酬月額の等級別の分布状況です。上限65万円のところに男性が18.77%というのが若干特徴的になっております。一方、女性は20万円のところを中心に分布しておりまして、22万円のところが9.51%と最も高い割合になっております。
 22ページ、積立金の運用状況でございます。令和3年度末の積立金が簿価ベースで2兆4,293億円、時価ベースで3兆656億円。このうち包括信託による運用が、簿価ベースで86.6%、時価ベースで89.4%を占めております。
 運用利回りにつきましては再掲ですけれども、簿価ベースで4.00%、時価ベースで5.70%となっております。
 23ページに資産区分別の状況を記載しております。
 それから、先ほど御質問のありました運用に関する独自性ということでございますが、モデルポートフォリオに倣った25%ずつの区分で運用するという点は、他共済さんとも同じでございまして、まだ一元化から6年そこそこというところで、今後どういうふうにしていくのがいいのかというのは、また検討していくということになるのだと思うのですけれども、一部独自のこととして申し上げられるのが、一元化の際に、各共済について、共済のそれぞれの目的に沿った独自の運用ができるということが法律上認められておりまして、それに基づきまして、一元化前からやっておりましたが、私学助成の勘定に貸し付けるということをやっております。それによって各学校法人がそこからまた資金を借りて建物を建てたりといったことを行っておるということで、一部独自性があると言えばそういうところかなと考えております。
 続きまして、資料4-3、実績と財政検証における将来見通しとの比較でございます。通しで19ページからが私学共済制度のところになっております。通し番号19ページが表紙で、20ページからが中身ですが、収支状況の比較でございます。将来見通しでは、収入の合計が1兆332億円でしたけれども、財政検証ベースでの令和3年度の実績が1兆1,279億円ということで、947億円多くなっております。内訳ですが、保険料の実績が5,354億円で、将来見通しよりも88億円少なくなっております。運用収入が実績では1,628億円となっており、将来見通しよりも1,203億円高い結果が出ております。
 支出の将来見通しは、合計で9,484億円でございますけれども、これに対して実績が9,054億円で、430億円少なくなっております。このうち給付費は2,952億円で、将来見通しよりも187億円少なくなっております。
 この結果、収支残が将来見通しでは847億円であったのに対しまして、実績が2,224億円ということで、1,377億円多くなっております。年度末積立金については、将来見通し上は2兆5,652億円でしたけれども、実績といたしましては3兆573億円となっております。
 通しの21ページ、被保険者数と受給者数の比較です。令和3年度の実績が58万9,300人ということで、将来見通しの57万7,300人を1万2,000人ほど上回っております。受給者数の実績が56万4,500人で、将来見通しの61万6,700人より5万2,200人ほど少なくなっております。
 通しの22ページ、財政指標の比較でございます。年金扶養比率は、上の表でございますが、令和3年度の実績で4.34、将来見通しよりも0.28ポイント高くなっております。
 23ページが積立比率です。令和3年度は実績で6.0となっております。
 資料につきましては以上でございます。
 全体の財政状況の総括でございますけれども、私学共済の特徴として、今、保険料率がまだ18.3%に届いていないということで、引上げ段階中であるということ。それから被保険者数が伸びているということを踏まえまして、保険料が伸びているということ。被保険者数の増につきましては、先ほど申し上げたように、各学種でそれぞれの状況において増えているというところでございます。保険料収入が現段階こうやって増となっておりますが、今後の動向など、制度全体との関連性も今後注視しながらやっていくものと考えております。運用状況につきましては、年金財政上必要な運用利回りを確保しておりますが、今後とも様々な状況に留意して運営していくものと考えております。そういったことを踏まえまして、加入者増、運用利回り共に財政的にはプラスに働いていると考えております。
 ちょっと走りの説明になりましたが、以上でございます。

○翁部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして質問がありましたらお願いいたします。小野委員、お願いします。

○小野委員 ありがとうございました。
 すみません。私学共済さんということでもないのですけれども、ひょっとしたら事務局のほうで御検討いただくことになるかもしれないのですが、今日拝見していて、積立金の運用状況の御報告というのは、厚年、国年も含めた実施機関ごとに比較すると、果たして基準に一貫性があったかどうかということについて、少し検討いただく必要があるのかなという気がいたしました。例えば運用利回りは、厚年、国年の場合には時価ベースのみだったわけですが、3共済さんの場合には簿価ベースも御報告いただいているとか、あまり本質的ではないかもしれないのですけれども、そういった違いもあります。
 ただ、保有状況と資産運用区分別の内訳については、どのように仕分けるかということについて一貫性があるかどうかというのはやや疑問に思いました。
 例えば短期資産に関して、厚年と国年は伝統4資産の中に含めていますが、金額が不明ということになっています。一方で、3共済に関しては、国共済と私学共済は流動資産と流動負債等との差額が計上されているということですが、地共済さんの場合には、伝統4資産の合計が包括信託を上回る等の影響などによりまして、短期資産が22ページの表からは直接は導けなかったということです。
 各実施機関の表示の基準が整合的かどうか、もし違いがあるならば、実施機関間のアセットミックス等の運用状況の比較に当たって支障がないのかどうか、これがよく分からなかったというのが正直な印象です。財政状況報告書の中には各実施機関のポートフォリオを帯グラフで横に比較しているという一覧のグラフがありますので、そのグラフの基準が違うということであると、ちょっと検討が必要なのかなと思いました。
 以上です。

○翁部会長 これについては事務局のほうで少し検討していただくことができますでしょうか。

○村田首席年金数理官 実態がどうなっているかということも踏まえまして、こちらで少し検討させていただきたいと思います。

○翁部会長 よろしくお願いいたします。
 では、寺井委員、お願いいたします。

○寺井委員 ありがとうございます。
 1つだけです。資料3の19ページ、被保険者の分布で、男性も加入期間が短い方が、今日御説明いただいたほかの2つの年金制度に比べると多いように思いまして、先ほど若い女性、幼稚園の先生というのが特有の要因というふうに御説明いただいたのですが、男性については何か理由がございますでしょうか。
 以上です。

○秋庭私学共済室長 御質問ありがとうございます。
 全部がこれでということでもないのですけれども、例えば国公立の学校に長くお勤めになった後、私学に来られて数年で退職されるといった方などが一定程度おられるものと思っております。

○寺井委員 分かりました。ありがとうございます。

○翁部会長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 ありがとうございます。
 私も資産区分の基準などは小野委員と同感でございまして、そこに関連もあるのかもしれないのですが、まず短期資産が見かけ上2年連続で非常に高めですけれども、これは給付とか独自の状況があるのかどうかということを教えていただけないでしょうか。これが質問の1点目です。
 2点目は、今回は資産ごとの収益率も聞いてしまったので、つい聞いてしまうのですが、地共済と私学共済では随分債券のリターンが違っています。これも多分資産区分の基準によるところもあるかもしれないのですけれども、例えばオルタナティブと言われている資産の組入れ状況によって随分債券のリターンも変わってくると思うのですが、そういった工夫があるのかどうかというところを教えていただけないでしょうか。これが質問の2点目です。
 ありがとうございます。

○翁部会長 まず、私学共済からお話しいただいて、2点目は地共済からも何かコメントがありましたらお願いいたします。

○田代資産運用部長 資産運用部長、田代と申します。お答えいたします。
 まず、短期資産のウエートですが、これは年度末の断面ということになりますが、3月末におきましては、4月と6月の年金の定期払いに備える必要がありまして、比較的多めの短期資産を留保しておく必要があると。給付を行っているということに起因するものでございます。
 債券の利回りということですけれども、おそらく国内債券のことをおっしゃっているのではないかと思われますが、これはベンチマークの違いによるものと考えております。国内債券につきましては、私学事業団の場合は全て自家運用で行っておりまして、その関係もありまして、ベンチマークをいわゆる一般的にはNOMURA-BPI総合を使っているのではないかと思われますが、事業団におきましては、カスタマイズした、インハウス向けのといいましょうか、少し違うインデックスをベンチマークにしている関係上、金利が比較的動く局面においてはリターンに差が出るということではないかと思っております。
 以上でございます。

○翁部会長 今の点につきまして、地共済から何かコメントございますか。

○岡資金運用部長 先ほどの私学共済のお答えのとおりと思っておりまして、地共済はNOMURA-BPI総合をベンチマークとしておりますが、私学共済では違うベンチマークとしていることがその差の大きな要因であると考えております。

○佐藤委員 ありがとうございます。
 外国債券も先ほどお聞きしたところではかなり差があったような気がするのですけれども、いかがでございますか。また、給付は4月、6月に備えて短期資産の比率が高めということなのですが、これは他の共済も似たような御事情にあるのか、私学共済独自の状況なのか、この辺りはどうなのでしょうか。

○田代資産運用部長 私学事業団です。お答えいたします。
 外国債券につきましても実はベンチマークが違っておりまして、事業団の場合は、外国債券はブルームバーグ・グローバル総合インデックスを使っております。したがいまして、一般的にはWGBIと言われる世界国債インデックスがベンチマークとして採用されているのではないかと思いますけれども、私どもはブルームバーグ・グローバル総合を使っている関係上、例えばクレジットリスクが内包されていることであるとか、米ドルのウエートがやや高めになっているというところによりまして、クレジットスプレッドの影響であるとか、ドル円の関係によって少しリターンに差が出るということではないかと思っております。
 もう一点、何でしたでしょうか。

○佐藤委員 給付の時期です。4月や6月にあるというのは、ほかの共済でも一緒なのか、それとも私学共済独自でたまたま断面で見たときに比率が高いということなのか、そこを確認させていただければと思います。

○西尾共済計理官 国共済でございます。
 基本的に4月、6月の給付に備えるという意味では、3共済それぞれ備える必要はもちろんあるかと思います。国共済のほうも3%、4%といった、私学さんに比べれば低めの保有割合ではございますけれども、年金の支給月は偶数月ということで、奇数月末におきましては偶数月の支給に備えて、偶数月末に比べると短期資産の割合が相対的に高めとなっているかと思います。その上で、実際4%持つのか、10%持つのかといった辺りは、年金給付の規模などに応じて検討しているということかと考えてございます。

○翁部会長 ありがとうございました。
 庄子委員、お願いいたします。

○庄子委員 ありがとうございます。
 最初に、総括的なお話を頂きたいと前回の数理部会で申し上げたところ、今回は各制度で冒頭に総括的なコメントいただき、大変ありがとうございました。来年に向けては、それを資料冒頭に文字で落として頂けるとありがたいですので併せてお願い致します。
 質問は1点ございまして、資料4、21ページ、私学共済の受給者数の将来見通しと令和3年度の実績が、他の制度と比べて下がり方がかなり大きいと思いました。何か特徴的なことがあれば教えていただきたいというのが質問です。

○翁部会長 どうぞ。

○秋庭私学共済室長 御質問ありがとうございます。
 見通しのほうは厚労省さんのほうで出ているので、実績のほうにつきましてですけれども、未請求が結構な数といいますか、ある程度の率おられるというのが現状、実際のところありまして、というのは、若い頃に少しの期間勤めていた方で、その方が63歳とか64歳になったときに、その期間があったっけというような感じで、請求することを忘れてしまうといった方が一定程度おられるようで、その辺のことで実績としては予想より下がると。ただ、これが全部そうだということではないのですけれども、そこは見通しとの差もありますし、見通しのつくり方との関係もあるので何とも言えないところなのですが、マイナスに働く要因としてはそういうことが若干あるかなと考えております。

○庄子委員 ありがとうございます。

○翁部会長 その関連ですね。

○佐藤数理課長 関連で。厚生労働省の数理課長です。将来見通しのつくり方でありますが、今、お話しになった未請求の方、待期者の取扱いですけれども、これらの方については今後5年間で全員裁定されるという前提を置いて将来見通しをつくっています。
 一方、新たに支給開始年齢になった方も皆さん裁定されるということなので、その結果、実績はどうしてもある程度未請求の人が出てくるかと思いますけれども、将来見通しは未請求が5年間でなくなるという前提になっています。その関係で差が出てきて、将来見通しのほうが保守的に、受給者が多くなるような構造的な要因はあるかと考えております。私学共済が特にその差が大きいというのは、おそらく一定程度未請求、遅れて裁定するという方が、ほかの共済より多いということではないかと考えているところであります。
 以上です。

○翁部会長 分かりました。ありがとうございます。

○庄子委員 ありがとうございました。
 今のお話でよく理解できました。一方、未請求の方が最終的に未請求となるのは、制度的に望ましくないと考えます。私の所属する保険会社では、社会的にも請求勧奨は行ったほうが望ましいとの考えの下、実際に請求勧奨を行っております。その辺はいかがですか。

○翁部会長 お願いします。

○秋庭私学共済室長 今ですと、基礎年金番号とかマイナンバーとか、そういったひもづけの制度がありますので、御本人が忘れていても、そういう記録があるよということで、ひもづいて気づくといったようなことで未請求は防げる方向に行くのかなとは考えております。

○庄子委員 ありがとうございました。

○翁部会長 ありがとうございます。大事な課題でもありますね。よろしくお願いいたします。
以上でよろしいですか。野呂委員もよろしいですか。

○野呂部会長代理 はい。

○翁部会長 それでは、以上で私立学校教職員共済制度についての報告の聴取を終わります。
 今後も審議の過程でいろいろ質問が出てまいりましたら、事務局を通じて照会いたしますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 今後の進め方ですけれども、令和3年度につきましても、公的年金財政状況報告を取りまとめることといたします。その起草作業はこれまでと同様に作業班で進め、その報告書の草案の準備ができれば、部会を開催して審議を行いたいと思います。
 最後に、事務局から連絡があればお願いいたします。

○村田首席年金数理官 次回の部会の開催日時等につきましては、また改めて御連絡させていただきます。

○翁部会長 それでは、第95回「年金数理部会」はこれにて終了いたします。
 どうもありがとうございました。