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2017年12月1日 第1回戦没者遺骨収集推進法に基づく指定法人への指導監督等に関する有識者会議

社会・援護局事業課

○日時

平成29年12月1日(金)10:00~12:00


○場所

経済産業省別館 1031会議室(10階)


○出席者

戸部座長  犬伏構成員  熊谷構成員  浜井構成員

オブザーバー

一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会専務理事

○議題

(1)戦没者の遺骨収集事業及び指定法人について
(2)平成28年度事業実績及び指定法人に対する指導監督について
(3)その他

○議事

資料に沿って、事務局より説明後、質疑応答。

主な発言概要は以下のとおり。

(以下、構成員を○、事務局を●、オブザーバーを◇と表示)

 

(1)戦没者の遺骨収集事業及び指定法人について


○フィリピンの疑義がある遺骨について、納骨したのか。現在、解決に向けた調査を行っているのか。
●検証により、現地の方々の遺骨の混入が認められないと認定された御遺骨は、厚生労働省内の霊安室に安置している。明らかに混入が認められる御遺骨については、フィリピン国内に留まっており、今、専門家に調査していただいている。
○戦没者遺骨収集推進法は、平成28年度~平成36年度までを集中実施期間としているが、この期間内に残りの約113万柱の全てを持ち帰ることは到底考えられない状況。政府として、この遺骨帰還事業について、どのような長期計画を立てているのか。最終的な目標をどこに置いているのか。
●海外にある遺骨を一人残らず日本に連れて帰るというのが、究極の目標になるのだろうと思う。集中取組期間を過ぎた後、どういう取り組み方をするかということについて、現時点で何かビジョンを持っているわけではない。現時点においては、この集中取組期間において、できる限りの成果を上げるということに全力を投じながら、また、それを一つ一つ検証しながら、その先の取り組みの在り方を考えるべきものと思っている。
○法人の設立の経緯を教えていただきたい。
◇平成28年2月に協力団体の皆さんが呼び掛けて、定款や組織について協議を行った。7月1日というのは登記日であって、事実上のその半年くらい前から準備をしていた。
○委託期間はどのくらいになるのか。
●法律に基づく指定法人なので、解除すべき要件に当たらない限りは、指定は続く。一方、委託契約については、国の予算で単年度毎になるので、契約は年度毎に結ぶこととなる。
○推進協会としては、集中実施期間は関係なく、その先も続けていくという趣旨で設立されたのか。
◇定款には、終期などは書いていないが、もともと法律に基づいてということで、集中実施期間以降は白紙。
○人材を集める際に、集中実施期間以降は白紙で人材は集まるものなのか。
◇法律によって集中的な期間に作業することになっているので、その時点で解雇あるいは縮小も有り得ることを労働条件で断ったうえで採用している。

(2)平成28年度事業実績及び指定法人に対する指導監督について

○指導監督のポイントは2点。1点目は、委託費の支出が、事業目的に合致し、契約に定められた手続きに準拠していること。2点目は、指定法人のガバナンスや経理的基礎が本業務を適正に実施できる水準で確保されていること。この2点の確認が厚生労働省に求められると考える。
事業の特性上、支出場所が海外であり、領収書等支出根拠を示す証憑書類を入手できない場合、現地活動の詳細な記録で補完するしかない。支出のチェックを網羅的に行うのであれば、相当の事務負担や専門性が必要とされることから、公認会計士等への外部委託の検討も必要。
また、委託先の指定法人には、経理的基礎が不足しているという実地監査結果における指摘もあるため、指定法人の監事に会計専門家を加える、会計監査人を設置する、経理職員を補充する等、経理的基礎を改善する必要があると思われる。
○一般社団法人の場合には、業務執行の意思決定は基本的に理事会で行うというのが法律上の規定。ただ、理事会の決議によって、意思決定を委ねられることになっており、恐らく推進協会の場合は、個別の理事に委ねないと、意思決定が回っていかないという法人になっていると思われる。意思決定の委任について、職務分掌規程等も含めて、理事会での決議が適正に実施されているのかチェックする必要がある。
実地監査で指摘されている議事録作成の不備について、理事会議事録の理事の署名は、法律上必須。一般法人法の規程がどうなっているのかを押さえ、単に、定款の規程に基づきというよりは、法律違反なので法令を遵守する必要があるといった指摘があった方が良いと考える。
○公文書館等の資料調査について、御遺骨の発見にどこまで結びついているのか、成果がどこまで出てきているのか示していただきたい。次回以降は、どれだけ資料を見たかということよりも、どう結びついたか実績を示していただきたい。
また、現地調査について、現地事務所を置くなりして、現地に常駐するような調査員を置いて調査することは検討しているのか。
●資料調査の成果については、パラオのアンガウル島に約530名埋葬されているという資料があり、現地に行って埋葬場所の特定を行っているところ。他にも、大人数の埋葬情報を示す資料が具体的なグリッド地図とともに見つかり、調査を行っているが、ヘリコプターを使わないと行けなかったり、なかなか行きづらかったりして、限られた期間の中で場所を特定することができていない。
現地調査については、推進協会や構成団体からも、現地に足場を置いた調査が必要だという指摘はいただいている。平成29年度からは、これまでの土日を使っての調査を、通年で調査していただけるよう予算措置を行ったので、これをまず活用していただきたいと考える。
○外務省の在外公館等が現地調査に協力するとか、そういったスキームはどうなのか。
●外務省では、戦後処理に携わる専門的なポジションを各在外公館、特に主要戦域の在外公館において指定していると伺っている。また、東部ニューギニアの在外公館には、専ら遺骨の情報収集に当たっている方も現にいるところ。
○支出のチェックについて、公認会計士に委託するとか、あるいは法人の方に会計の専門家を入れるとかについての検討はいかがか。
●今後、推進協会と相談しながら、予算措置が必要な場合にはそれも含めて検討を進めていきたい。
○今年はイレギュラーだったとして、今後の指導監査はどのようなスケジュールになるのか。
●6月頃に推進協会の決算が締まった後、実地監査をする流れになる予定。

(3)その他

○再発防止策として、1点目にコンプライアンス意識、2点目に違法行為や不適正行為が行われないような制度作り、3点目に、牽制、統制体制を作ることが書かれているが、指定法人においても同じような考え方でルール作りすると良いと思う。
コンプライアンス意識の向上について強調する法人は多く、重要ではあるが、順位としては3番目。重要なのは、不適正な行為が行われないような制度作りであり、まず集中的に取り組んでいただく必要がある。
さらに、内部監査などの事後チェックの体制作りがある。実際実施しないということがあると違法行為を惹起させることにも繋がるため、体制を作ったら、きちんと運用する必要がある。そして、最終的に、コンプライアンス意識の向上を図るという順序で考えると良い。
○この会議は、指定法人への指導監督の在り方について意見を述べることとなっており、今日議題になったような会計上の問題が大きな部分を占めると思う。また、この事業は協力者の方が半ばボランタリーでやってきて、使命感がないとできない事業だが、そういう事業であっても、国民の税金を使って実施している事業であるので、できるだけ透明性を担保したいと思う。今日の資料は結果の数字だけが出てきている資料だが、今後は、過程がわかる資料も出していただければ、より闊達な議論ができるような基盤になると思うので、検討いただきたい。
○今日のコメントについて、今後、厚生労働省の方で検討を行い、その成果をまた次回ここで報告してもらうことにしたいがよろしいか。次回の開催はいつ頃を予定しているのか。
●今年はややイレギュラーでこの時期になったが、今後は、年1回の開催で夏頃を考えているが、具体的な開催時期等については、その都度、座長にご相談いたしたい。

 

 


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