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2018年1月26日 第7回「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」議事録

雇用環境・均等局雇用機会均等課

○日時

平成30年1月26日


○場所

中央労働委員会講堂(労働委員会会館7階)


○議題

(1)安藤委員、岡田委員によるプレゼンテーション
(2)論点(案)について

○議事

 

 

○佐藤座長

 出席の連絡を頂いている委員の皆様はお出でですので、第7回「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」を始めさせていただきます。お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。本日は内藤委員から欠席の御連絡を頂いています。浜田委員は欠席になるかもしれないということです。私も空気の温度が変わったりすると咳が出たりするのですが、うつるわけではないので御了解いただければと思います。

 では、早速ですが、これまでパワーハラスメント防止対策について、それぞれの論点ごとに皆さんに御議論していただきましたが、それも一段落しましたので、今日はそれらを踏まえて、全体の論点の案について御用意いただいていますので、本日はそれについて御議論いただければと思います。

 ただ、その前に前回までの検討会の中で、「部下に対してどのような指導を行うのが適切か知りたい」と。これは、これまでも管理職の部下マネジメントにいろいろ課題があるというお話を伺いましたので、それを踏まえて、この分野について専門である安藤委員と岡田委員より、最初にプレゼンテーションしていただければと思います。

 それでは議題1、「安藤委員、岡田委員によるプレゼンテーション」について、お話を頂く。その後に議題2の「論点()について」、事務局から御説明いただいて議論することにしたいと思います。それでは議題1、安藤委員、岡田委員のプレゼンテーションから始めさせていただければと思います。まずは安藤委員より、資料7について御説明いただければと思います。

 

○安藤委員

 皆様、おはようございます。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の安藤です。今日は御指名を頂きましたので、私どもはアンガーマネジメントという、怒りの感情と付き合うという方法論を行っていまして、昨今、パワハラあるいはリーダーシップ研修の御依頼を多く頂いています。その中でどういったことを、アンガーマネジメントの視点から話をしているかといったところを掻い摘んで、10分ほどお時間を頂きましたので話をさせていただければと思っています。

 まず、私どもはアンガーマネジメントをやっているのですが、私たちに研修がくる企業さんというのは、基本的にはパワーハラスメントに関する、ある程度、ある一定レベルの研修というのは既に行っている所がほとんどです。パワハラに関してアンガーマネジメントの研修をやってくださいということで御依頼を頂く企業さんというのは、基本的にはパワハラに関しての研修というのは一通りされている。それで、頭では分かっているけれどできないというので結局私たちの所に来て、では、どうすればいいのかということで御依頼をされる所が非常に多くなっています。

 ですので、具体的に言うと、実際は管理職研修です。リーダーシップとパワーハラスメントに絡めて研修をしてくださいと。それから、昨今少し多いのが、もちろん人事や研修といった担当部門から御依頼を頂くのと同時に、人権啓発の部署から御依頼を頂くことも最近は少し増えています。人権啓発部署で、例えば役員の方ですとか、あるいは全体でもいいのですが、そういった所でパワハラに限らず人権啓発ということで、では、人がどう感情と付き合っていけばいいのかという話をすることが、今は増えているのかなというところです。

 パワハラの研修をしつつ私たちの所に来るという事例なのですが、基本的にはリーダーシップ、そして一般職に対する研修もあるのですが、行って1時間半とか3時間、半日、1日といった研修をするというのが基本的にはあるのですが、手の込んだ企業さんですと、会社の中のあるある事例みたいなものを、ちゃんと俳優さんを使って再現VTRみたいなドラマ仕立てで何本か作って、「この中に実はやってはいけない怒り方だったり、指導方法というのが入っています。では、それは何でしょう」と言って解説をし、改まった例で、また具体例、ドラマで再現するといったような、非常に手の込んだ研修などをされている企業さんも、実は1社だけではなくて、これが数社あったりもしますので、割とそういった方法も、最初は珍しいのかなと思ったのですが、意外とそういった取組をされている企業さん、もちろん従業員が何万人単位の所なのですが、そういった所もあるということです。

 昨今、この検討会の中では、パワハラをしてしまうというのはどちらかというと、怒ってしまってどうしようもないという人が対象になることが多いのかなと思いつつ、私たちの所に来る企業さんの中には、少なからずパワハラという概念が先に浸透しすぎてしまって、怒れなくて困っている企業さんというのも実は多いです。大雑把に分けると、割とコンプライアンスとか、そういったものの制度とか研修とかをしっかりしている企業さんほど上司がなかなか怒れなくて困っているという傾向にあり、余りパワハラとか、そういうものをやっていない企業さんは、怒ってしまってどうしようもないのでどうにかしてくれといったような御依頼に割と分かれるかなと。その分かれ方としては、やはり大手になればなるほど、コンプライアンス意識が高くはなっていきますので、どちらかというと怒れないので、上手に怒るためにはどうしたらいいですかみたいな、そんな御依頼を頂くことが多くなっているのかなというところです。

 今日お持ちした資料7の所で数枚御用意しているのですが、私たちが実際にいろいろな研修をする中で、叱り方、どうやって叱ったらいいのですかなんていう話をされたときに、大雑把にこんなことをお話していますというのをポイントを掻い摘んでお話したいと思っています。2ページ目に「叱るを再定義する」というのがあります。私たちは、実は「怒る」と「叱る」というのを全く同じ意味で使っているのです。一般的に言うと、「怒る」は身勝手に怒り、「叱る」は相手のことを思って叱るというのが一般的なイメージですが、言葉の定義で言うと、「叱る」というのは目上が目下を怒ることなのです。ですから、上司が部下を叱る、親が子を叱るとは言うけれども、子が親を叱る、部下が上司を叱るとは言わないという、その方向の問題だったりします。なので、私たちの研修の中では、別に「叱る」も「怒る」も、更に言ったら「注意する」も、実は一緒なのだという説明をしています。

 「叱る」というのは、実は主の目的はリクエストであって、サブの目的として自分の気持ちを伝えることというのが「叱る」であり、それは練習さえすれば上達するものと定義しています。ところが、基本的に多くの人は叱ったり怒ったりするときに、この主と副が逆転してしまって、どうしても気持ちだけで怒ってしまう。なので、気持ちだけで怒っていると、やはり具合のいい怒り方ができなくなってしまって、パワハラであったり、責めすぎてしまうであるとか、そういったことが起きてしまうので気を付けましょうということで、では、リクエストとは何なのかということです。

 例えば、報告などを怠る部下に対して上司が怒るときというのは、ほとんどの上司の方というのは、例えばこんな怒り方をするわけです。「何で報告してこないんだ。こっちにどれだけ迷惑掛けているか分かっているのか」という怒り方をされる方が多いのですが、実は今の中にはリクエストというのが入っていないのです。なぜできない、何で報告してこない。それから自分の気持ちとしては、なぜ迷惑を掛けているのが分からないといったような怒り方をしてしまう。これだと相手を責めているだけで、どうしていいか分からないので、では、それをリクエストに変えていこうと。要はリクエストというのは、報告書を期日までに出してくださいというのがリクエストなので、それを言えるようになりましょうという指導です。これはロープレなどをやっていくのですが、叱り方のときにやってはいけない態度が幾つかあります。ポイントだけ申し上げると、まず1つが「機嫌で叱る」です。「機嫌で叱る」というのは、同じ出来事があったとしても、ある日は叱るけれど、ある日は叱らない。これだと結局、よく分からないわけです。更に言ってしまうと、機嫌で叱っている人というのは、人によって叱ることを変えてしまっているのです。ある人がやっても叱らないけれど、ある人がやったら許さないというのでやってしまうと、結局、機嫌で叱っているのではないかということで伝わらないです。

 そして、もう1つが「人格攻撃」です。ですから叱るときに、叱らなければいけないのは事実、結果、行動であって、人格、性格、能力みたいなものを言った瞬間に、これはアウトですよと。ですから、例えば遅刻をしたということを叱責するのはかまわないけれども、「お前、社会人としてなっていないから遅刻するんだよ」みたいな言い方をした瞬間に、「社会人としてなっていない」というのは、ただの思い込みであって、事実ではないので、そういったことを言ってはいけないのですよみたいなことを話したりします。

 また、「人前で叱る」のもいいことではないですし、それから「感情をぶつける」です。どうしても多くの人というのは、感情ばかりぶつけてしまって、肝心のリクエストがないということで、問題がありますよという話です。

 そしてNGワードです。例えば叱るときに、こういった言葉を使っていると、どうしてもアビューシブといって、人を責めているような非常に攻撃的な内容になってしまうので、使わないようにしましょうと。例えば「前から言ってるけど」、これは怒っている側が、要するに自分がいかに正当かを強めるための修飾語であって、怒られている側にしてみると、今は関係ないと思っているのです。それから「責める」、何でできないという理由を聞きたくなるのは人情なのですが、私たちの場合は基本的になぜできないではなく、どうしたらできるという未来をまずは聞きましょうという話をしています。

 それから、いつも、絶対、必ずといった表現、これも修飾語です。「いつも」と言った瞬間に、叱られている側は、いつもじゃないのにと反発をしてしまう。それから「程度言葉」、ちゃんと、しっかり、きっちりといった言葉も、結局よく分からない言葉を使ってしまっているということです。

 上手な叱り方として、「基準」「リクエスト」「表現」。基準が明確であることです。いつでもどこでも誰に対しても、同じルールで叱れているのかどうか。その基準というのが、納得性が高いか。例えば「俺の気持ちを分かれ」という叱り方だと、納得性は高くないわけです。例えば「どれだけ迷惑しているか分かっているか」と叱った上司に対して、部下は「分かっています」と答えると、ほぼ上司は「お前は分かっていない」と被せて怒るわけです。なので、「気持ちを分かれ」という怒り方は、実は成立しないのです。なので、基準で怒りましょうみたいな、あるいは具体的で明確であるとか、穏当な態度で、相手を責めずに叱れるようになりましょうとか、こういった叱り方ができるようになりましょうといったことで、管理職の方々に研修をアンガーマネジメントという視点から行っているというのが現状です。簡単ではありますが、私からは以上とさせていただきます。

 

○佐藤座長

 どうもありがとうございます。それでは、御質問なり御意見があれば、どなたからでもお願いしたいと思います。もう少しここを知りたいとかでも結構ですが、いかがですか。私なんかも学生に言いそうなので、気を付けなければいけないと思います。

 

○川上委員

 効果の評価というのはどのぐらいされていて、あるいは実感として、あるいは数量的に、どのぐらいこの研修のインパクトというのはありそうな感じですか。

 

○安藤委員

 数自体は完全に増えています。

 

○川上委員

 数というより、これをやった後どのように上司のビヘイビア(行動)が変わったかという。

 

○安藤委員

 なるほど。具体的に指標までは、なかなか今は取れてはいないのですが、多くの企業さんでは基本的にリピートされていますし、アンケートベースの声では大分、相談件数の中で、良くはなってきている、だけれども、まだ問題は残っているみたいな声はあるのですが、改善は見られているといった声が多く、リピートの方もすごく多かったりするのです。

 

○川上委員

 研修への満足度は結構高いということですか。

 

○安藤委員

 そうですね。研修への満足度というのは、高いというのが印象としてはあります。

 

○佐藤座長

 ほかにはよろしいですか。

 

○中澤委員

1つお聞きしたいのは、こういった基準というのを研修でやられる一方で、マイナス面は何か考えられるのでしょうか。1つ思ったのは、部下と上司の関係の中で、非常によそよそしさみたいなものが状況としては出てくる可能性があると思います。それは多分、組織にとってはマイナスに働く部分があると思うのですが、その辺はどんなお考えをお持ちでしょうか。

 

○安藤委員

 実はこの資料の中では、コミュニケーションという括りの中で、コミュニケーションの量を増やすことが、実は生産性が上がるといったような研究などもあったりしますので、距離を取りましょうということではなく、むしろコミュニケーションの時間は増やしましょうといった方向での説明というのが入ってくるのです。ですので、言ってしまえば、普段の人間関係というのはやはり大切だなというのはあるかなと思います。

 

○佐藤座長

 ほかにはよろしいですか。では、どうもありがとうございました。続きまして岡田委員より、資料8で御説明いただければと思います。

 

○岡田委員

 では、私から発表させていただきます。安藤委員のほうは管理者向けの、叱り方のスキルみたいなところが中心だと思うのですが、私はもう少し全体の話をさせていただきたいと思っています。

 「パワハラが起きる要因」という所ですが、加害者要因、被害者要因、環境要因と分けた場合、私どもが接している感じですと、パワハラの行為者と言われるような方々というのは、非常にストレスフルな状況。環境的にストレスが高いというのと、自分自身がストレスを作ってしまう、自分自身を掻き立てるような、そういうもともとの性格を持っている方もいらっしゃる。いずれにしても過剰なストレスで、病気にもなるぐらいになっている人もいらっしゃるということです。

 それから大体、固定的な価値観を持っているように思います。非常に自分自身の力を誇示したい、その部門に自分の考えを浸透させたいという強い思いを持っているとか、あるいは具体的なことより精神論を言われる方とか、あるいは完璧主義。このような、その人の固定的な、非常に強い信念や価値観、これを持っている方が多いように思います。

 それから、世代間のコミュニケーションギャップがあ

ります。自分が伝えていることが、そのまま相手にも伝わるだろうと思っている方が結構いらっしゃるのですが、同じ言葉を使っていても、世代によって全然受け止め方が違うという認識が余りないかなという感じで、この辺が1つの要因です。

 それから、この前もそんな意見が出ていたかと思いますが、受け手のほうも少し問題がある。1つはストレス耐性の弱さです。ちょっと大きい声で言われると、もうシュンとなってしまうようなところがあるし、おかしいなと思っても上司に聞き返すということもなく、不当に怒られてもそのまま黙ってしまうことがあるかと思います。それから、社会的ルールやマナーが欠如している。これが、上司をイラつかせる大きな要因。仕事ができたとかできないというよりは、基本的態度がなっていないということに上司はイラッときて、部下に怒りをぶつけているところがあると思います。ということで、部下にも仕事の社会人としてのルールやマナーなど基本的な教育も必要なのかなと思っています。それから、依存体質というか責任転嫁体質。「私は悪くない」「ルールはこうだったから仕方がない」つまり私を責めないでくださいというような言い方をする。「それは言われていませんでした」とか、そういうこと言い訳ばかりおっしゃる方が多いように思います。そう言われると、やはり上司のほうもカチンとくるところがあるのではないかなと思っています。

 それから環境要因です。やはり、これはストレス要因の増加。国際化、24時間化、スピード化、超競争状態になって、以前にも増して一人一人がピリピリするような状況になっている。それから業績偏重主義です。これは、もしかしたら前から話題になっている、お客様からのハラスメントというのは、お客様第一というへり下り過ぎた考え方から生まれているのかもしれません。同じように業績を上げたらいい、それで上げた人が上に上がっていくというような、企業内での価値、評価の仕方に少し問題があるかなと思っています。

また、不公平感を生み出す雇用形態もあるかと思います。社員と非正規の社員であれば、同じことを言っても随分心理的な不安というのは違ってくると思うのですが、「何か私は恵まれていない」「大事にされていない」と思われるような雇用形態がたくさんあるので、そういうところも影響しているかなと思います。またそれから、不適切な職場環境もあります。音、温度、配置、整頓の具合などが不適切というのもあるのですが、非常に整頓されすぎて、非常にきれいすぎて、人間性を排除するような、職場に会話がなくて、大体メールでやり取りしているような所で、とても冷たい職場という中で、ちょっとした厳しい一言がハラスメントと受け取られがちになっている所があるかなと思います。あるいは現場などで言うと、非常に作業環境が劣悪だったりするところで心が荒んで起きてしまうこともあるのかなと、そういう環境要因というものもあるだろうと思っています。

 今後の課題として私が挙げたのは5つあるのですが、これを1つずつ次のページから説明していきますと、まず問題が起きたときに窓口対応を間違ってしまって事が大きくなるというケースがあるかと思います。私はご担当者から「これはハラスメントであるか、パワハラかパワハラでないか」「どう処分するか、しないか」ということを、よく聞かれるのですが、実際はそう深刻なレベルではなくて、非常に曖昧なところが多いので、どう裁くかという考えで対応するのではなくて、どうやったら問題解決できるかという対応が必要だと思います。両者に問題があるか、あるいは曖昧なところが多いので、そういうアプローチをしていくような対応が必要かなと思っています。

 それには相談窓口担当者が第一です。特に問題解決していくための社内調整力や両者の関係修復支援ということが必要かなと思います。実際に私どもが行為者のプログラムを実施した後は本人の行動変容ばかりでなく、職場全体にパワハラ防止の教育をしていく、あるいは職場ぐるみでパワハラの根底にある問題を解決していくようなこともやったりしています。

 それから、内部だけではなかなか難しいというところもあると思いますので、外部機関・専門家の効果的活用、また、こういった機関の教育、そういうことも必要かなと思います。その一環として、行政ではどうしたらいいかということですが、これは皆さん方にも是非いろいろ意見を頂きたいと思うのですが、問題解決プログラム、こういうのを実施したらどうか。問題が起きたという訴えがあったらプログラムを実施しなさいというようなことで、簡単な教育プログラムを提供するとか、そういったことがあるのではないか。これは、スウェーデンは義務化されているようです。

 それから、労基法違反でもないと介入できないかと思いますが、介入と言うと大げさかもしれないのですが、もう少し関与していくようなことができてもいいのかなと思います。そういう意味でもそのご担当者の教育ですね。

 次のページですが、「トップの理解」。今、多くの企業でコンプライアンス問題ということ範疇でも取り組んでいますが、もっと経営効果ということへの訴求が必要なのかなと思います。アンケートなどによる実態把握とその報告などでトップ層の意識を変えていく必要があると思います。トップ層の意識が低ければその下に教育をしたり、アンケートをしたりしても全然、効果は表れません。トップがいかに問題意識を持つかということが重要なので、定期的な勉強会などをやるのがいいのではないかなと思います。また、最近結構目につく、組織改編等が行われたりMAが行われた後に、風土、仕事の進め方が違う組織同士の対立になっていくようなことがあります。そういう組織を融合させていくということへの配慮、これはやはりトップレベルで十分に考えていく必要があるのではないかなと思います。トップの意識変革に対しての行政の役割ですが、この前出しましたが、ハラスメントによる経営損失をチェックする方法です。簡単に自分の所でチェックしてみて、ハラスメントが起きるとこんなに損失があるんだということを数字で分かるような、何か仕組みみたいなものを提供するのが1つかなと。それから経営者団体には経営者への教育を充実させるような要請をしていただければいいのではないかと思っています。

 次に「管理者のマネジメント力の向上」というのが必要だと思うのですが、その1つとして安藤委員がおっしゃったような、コミュニケーションとしての叱り方というのがあるのだと思いますが、管理者になっている人に対してマネジメント教育をしていないところもあります。大企業はやっているかもしれませんが、中小になると基本的なマネジメント教育がされていないということで、自分も説明の仕方が分からない結果、自分のやり方を押し付けたり、感情をぶつけたりということになってしまっていると思います。そういう基本的管理スキルの向上ということ。そして、先ほど言った固定的な価値観。頑張れば成果が出るとか、そういう固定的な価値観があること、それが問題になることもあることを考える感がエッセル教育があるかと思います。これは、

 働き方も属性も多様性があるわけですが、それを受容をしていくような、ダイバーシティの教育のようなことをもう少し充実させていく、それに合わせてハラスメントの防止をおこなっていくこともあると思います。

また管理者自身が非常にストレスが高い、ストレスをどうマネジメントするかという対策も必要かなと思います。

 行政への期待ですが、ハラスメントをしてしまう背景1つの企業で何か自分の存在価値を示そうとか、すごく頑張りすぎているところがあると思うのですが、もう少し人財を流動化させていくことによって、選択肢を増やしてあげることがあるかと思います。一方自分の能力不足というのでしょうか。劣等感みたいなものの裏返しでやっている場合もあります。もしかしたら、そこの組織に合わないということもあると思いますので、もっと流動化を促すような施策があったらいいのではないかなと思います。

また、教育ツールの提供。これは既に明るい職場応援団にてやっていますので、引き続きやっていけばいいかなと思います。

 次に「組織的な予防対策」ですが、この辺は目標設定や組織風土の見直しをやっていく必要があるということです。個々の一人一人に防止を促すだけでは問題の根本解決はなかなか難しいと思います。適正な目標の設定をしていくことや評価制度の見直し、組織風土の見直しということが必要です。

 働き方改革の一環で、大胆にビジネスモデルを変えていくというのも必要だと思います。つまり利益を落としてでも、自分の所のビジネスモデルを変えてでも人材確保をやっていかなければいけないという意識を持ち始めている企業も既にあるのではないかと思うのです。

 例で言うとヤマト運輸さんは今までのもっとも大切にしてきたサービス品質、きちんといつでも1時間とか2時間以内にお届けしますというものも変えつつあります。一定時間の休みを作ったりとか、料金を追加したりとか今までの主要なサービスを変えていますよね。そのようなハラスメントを引き起こしかねない要因を取り除いていくことも必要だろうと思います。行政としては働き方改革を推進する法整備やガイドライン、これも既に動いていると思いますが、こういったものとうまく連携させていくことではないかと。

 少し長引いてしまいましたが、社員のほうには受けないための工夫、そういう教育をやっていくのも1つではないかなと思います。一般社員には組織行動の理解とか、自他尊重意識の醸成、そういったようなことが必要です。社員同士でも結構、自分の考え方を押し付けたりとか、逆に「私が」ということで、自分のことばかり主張してしまう。私が主張するということは、ほかの人にも主張があるということをどこかで忘れている方もいらっしゃるので、互いを、互いの意見を尊重するそういうところです。

 それから、非正規の方にまず必要なのは、会社の窓口を使っていいということ、問題解決体制があるということを知らせることです。例えばセクシャルハラスメントでは派遣社員でも使ってもいいということになっていると思いますが、その辺りのことも結構知らないです。やはり、それを周知するということですね。行政のほうは、あかるい職場応援団を使ったらいいかなということです。

 それから、私にもう1つ与えられた課題として、いろいろなパワハラや何とかハラスメントというのが、たくさんあるがそれをどう分類したらよいかということです。何とかハラスメントというものが前に調べたときは30幾つありました。日々増えていますよね。それを何でもかんでもハラスメントと言って、企業が責任を取るのかというところが1つの課題になっていると思います。そのときのパワーとは何なのかという考え方で分けてみました。NOと言えない、強制力が強いものなのか。そこに1つあるのは評価の力。企業内でNOと言えないのが評価されたり、キャリアなどに影響するから、セクハラなどでもそうですけれどね。NOと言えないという部分で、評価の力というのがあると思います。

 それから、前回の委員会で出ましたが、上司の力だけではなくて、同僚同士のもあります。それは多くは集団の力を使っています。集団の中で同調するような圧力というのが掛かったりして、言いたいことも言えないし、個が尊重されないという中で起きている。それから正義の力、これは価値観や信念みたいなものです。お客様のため、会社のため、命が大事、そう言われると、そういう風に考えないことは悪いことだ、駄目だというような、相手に罪悪感を感じさせるようなやり方もあるかなと思います。これらは独立しているわけではなくて、複合してあるのだろうと。

 次のページで少し、幾つか最近言われているのをハラスメントを挙げてみたのですが、力がどのように関係しているかということですが、最近はスメルハラスメントなどが相談に上がってきますけれども、そういう領域とパワハラ、セクハラ、マタハラ、ケアハラと言われるのは、ちょっと違うのではないかなと思っていまして、パワハラ、セクハラ、マタハラ辺りは事業者の責任としてその防止に努めるべきところであって、図の右に行けば行くほど個人、お互いの社会人としてのマナー、対応、そういうレベルであって、教育をしていく必要はあるかもしれませんが、それをちゃんと企業が対応していないということで責任を問われるという領域ではないのかなと。これは皆さん方が考えていく上でのたたき台として作ってみましたので、御意見を頂ければと思います。私からは以上で終わらせていただきます。

 

○佐藤座長

 パワーハラスメント防止のためにかなり広めに、こういう課題があるということをお話していただきました。それでは御質問、御意見をお願いします。

 

○川上委員

 岡田先生、いつもすごく分かりやすいお話を頂いて感謝しております。たくさん参考になる点はあるのですが、先生が今お話になった中で、3ページ目のスライドに「相談窓口担当者の教育」というのがあって、相談窓口担当者の問題解決能力を増やすことが大事だというのはとてもよく分かります。一方で産業医、あるいは健康管理室という健康に関する相談窓口が存在して、通常、コンプライアンスの窓口とは別の形の窓口を設定されておりますが、この中で産業医、あるいは産業保健スタッフの役割はどんなふうに考えたらよいのですか。

 

○岡田委員

 産業保健スタッフに、具合が悪くなって相談に行くという被害者は結構いらっしゃいます。そのときに個人の問題として捉え、その人自身の問題なのか、関係者の中の問題なのか、少しごっちゃになっているケースがあって、本来、その人自身の問題なのに勝手にハラスメントはあったねということにしてしまうと、かえって問題をこじらせてしまうようなケースがあって、それは少し問題かなと思います。

 そういうときは、うまく窓口の方と連携する。コンプライアンスの方と連携するような姿勢が必要ですし、コンプライアンスの方々も個人的にメンタルの問題が起きているときは、そちらと連携してやるとか、やはり、社内での連携がかなり必要かなと思います。産業医がハラスメント問題を指摘し、全社教育を行った企業もあります。そういう意味での社内調整力とか、協力をしてもらうような関係性を作っておくことは重要かと思います。

 

○川上委員

 ありがとうございます。今のような基本的な方針が、余りきちんとマニュアルとかガイドラインで示されていないので、どうしても産業医はそこまでよく分かっていなくて、本人の話だけで「ハラスメントだね」と言ってしまって、問題が広がることもあるので、多少そういうところは今後の対策では考えたほうがいいかなと思います。

 

○岡田委員

 そうですね。やはり、先生の意見は非常に強いですから、それで先生に言われると、窓口とか企業も結構何も言えなくなるというか、それを何とかしなければということで、被害者寄りに偏ってしまう可能性もあるかと思います。

 

○川上委員

 ありがとうございます。

 

○中澤委員

1ページ目の所で、「パワハラが起きる要因」ということで、加害者要因、被害者要因、環境要因という形で分けていただいて、どちらかというと、これまでの研究会というのは、加害者側の要因的な話が中心であったと思っております。そういう面で、被害者側の要因をお示しいただいたのは非常に有り難いと思っております。最後の環境要因は、最終的には被害者の要因とか加害者の要因に影響を与えるようなものだと思いますが、基本的には両方に係る前提ですか。

 

○岡田委員

 そうですね。かなり個人的な特性で起きているというのは、加害者・被害者要因で、環境要因では、ある部長さんがパワハラをやっていた、それで外した。持ってくるとまた同じことをやってしまうということで、環境全体が、そのポジションに付くと、どうしてもせざるを得ないような状況になってしまっているとか、風土的にそうだとか、そういうものは結構あると思います。そういう場合を環境要因としています。

 そういうこととは別に、非常に個人として特性を持っている。ほかの人はやらなくてもやってしまうというのもあると思います。そちらのほうは加害者要因だったり、被害者要因だったりという分け方をしております。

 被害者要因のほうは、開き直ってしまったりするような、権利ばかり主張して、注意をされても聞かないというか、それで上司のほうが悪いと言っているようなケースは結構多くなっているかと思います。基本的にやるべきことをやっていないということで、上司のハラスメントを誘発しているところがあると思います。

 

○佐藤座長

 よろしいですか。ほかにはありますか。これは7ページの「社員教育」の所で、パワハラを受けないための工夫ですが、特に一般社員の所で、先ほど安藤委員からもあったのですが、例えば、「何で報告しないんだ」と。そういう言い方が悪かったにしても、明らかに報告することを理解していないみたいな社員がいたりする。この辺のパワハラを受けないための工夫というのは、一般社員自身というか、社員教育の中では企業としてどういうことをやろうと考えたのですか。

 

○岡田委員

 組織の中で、社員として、会社と契約して仕事をしているわけですから、当然、やるべきことはどういうことなのか、労働者としての義務があると思うのです。その辺りをきちんと認識しないと、普段の生活のサークル活動の延長みたいなつもりでいる方もいらっしゃって、「私は、これやりたいんだ」とか「上司がやらせてくれない」という方は結構いらっしゃいます。そういう自分の主張ばかりをする方がいらっしゃると思いますが、そういう若手には組織行動とか、やるべきことをきちんと教える。それから、私は視座を上に上げると少し違うと思います。いつも被害者の立場にいるような気分になってしまうと、何を言われても非難されている、攻撃されていると思ってしまうのではないかと。もう少し視野を広げていく、自己効力感を高めていくことが必要かと思います。

 

○佐藤座長

 こういう研修をやっている企業はあるのですか。先ほど、管理職のほうではなくて一般社員全体みたいな。

 

○岡田委員

 一般社員で言うと、普通によくやっているのはアサーショントレーニングと言って、自分の言いたいことを、あなたが、「それはパワハラだ」とか言うのではなく、「私は大声でがーっと言われるとドキッとしてしまって、何も言えなくなってしまいます」ということ。「アイメッセージ」とよく言いますが、自分を主語にしていうようなことをやっている企業はかなり多いと思います。それは自分の責任で自分のことを言っていることになるので、相手に受け入れやすく、自己効力感も高まります。厚労省でもそういうことはやっていませんか、明るい職場で。それはやっていないですか。

 

○佐藤座長

 ほかにはありますか。

 

○漆原委員

3ページの行政の比較が3つありますが、特に、一番最初の「問題解決プログラムの実施義務の制定」について、スウェーデンで実施されているというお話を伺いましたが、実施義務の制定と権限強化のイメージ的なものがあれば教えていただければと思います。海外ですので、パワハラの定義の違いもあると思いますが、そこをどうやって義務化という形でうまく実施しているのかという話をお伺いできればと思います。

 

○岡田委員

 スウェーデン語なので、余り詳しくは理解していないのですが、スウェーデンに行ったときにこんな話を伺いました。日本では労働局のような所に被害者が相談に行ってもなかなかパワハラだけでは介入しにくいだろうと思います。労基法違反みたいなことがあったりとか、そういうふうになれば別でしょうが、なかなかパワハラだけでは介入しにくいと思います。そういうときに、スウェーデンでは相談があったから企業に対してちゃんと対応しなさいよというそうです。その後こういうふうに対応しましたと、多分、報告するということだったように思います。何らかの手を打ちなさいよということだろうと思います。これは事務局でしらべていただけますか。

 

○佐藤座長

 よろしいですか。それでは、議題2に移ります。最初に御説明したように、これまでパワーハラスメント防止対策について、それぞれ論点ごとに議論してきましたが、今日は全体を取りまとめということで、論点()について事務局がまとめておりますので、それについて御説明を頂ければと思います。

 

○堀井雇用機会均等課長

 お手元の資料1の「論点()」を御覧ください。資料2以降の資料3、資料4、資料5、資料6については、資料1を補足する位置付けですので、まず資料1をベースに御説明します。

 これまで幾つか大きなパーツに分けて検討会では御議論を頂きました。大きなパーツの1つ目、「背景・取組む意義」については、職場のいじめ・嫌がらせに関する相談の増加傾向や、いじめ・嫌がらせ、暴行を受けたことによる精神障害の労災認定件数も増加傾向にあるという事実関係があります。

 厚生労働省が実施した平成28年度実態調査によれば、従業員向けの相談窓口で、従業員から相談されたテーマのうち、パワーハラスメントについてが32.4%ということで最も多い。過去3年間、1件以上パワハラに該当する相談を受けたと回答した企業も36.3%に上っている状況があるという御紹介です。

 また、従業員ベースで見ますと、過去3年間にパワハラを受けたことがあると回答をした従業員は32.5%いるということで、大きな問題となっていることの提示です。このパワーハラスメントについては、労働者の人格権を侵害する許してはならない行為であり、パワーハラスメントを受けた労働者の生産性や意欲の低下だけでなく、メンタルヘルス不調につながり得るほかに、休職・退職に至ることもあります。最悪の場合は、人命に関わることもあるという重大な問題であると認識されます。

 このような労働者に対する被害、影響のみならず、企業にとっても職場全体の生産性や意欲の低下、企業イメージの悪化、グローバル経営、そういうグローバル化が進んでいる企業環境、社会環境の中で、人材確保の阻害につながること、あるいは訴訟リスクということもあり、経営的にも損失ということがあるのではないかとこれまでも指摘されました。

 パワハラの防止対策を講じることは、コミュニケーションの円滑化、管理職のマネジメント能力の向上による職場環境の改善、労働者の生産性、意欲の向上、グローバル化への対応、こういったことに資する。そして、そういったことについて広く理解を求めて対策を講じていくことの重要性が指摘されたという流れが、大きくこの論点については指摘されていたと思います。

2つ目、大きな論点としてパワーハラスメントの定義(範囲)が書いてあります。これに関しては、白い○の所で、特に、何がパワハラに該当するかどうかという判断が難しいとか、あるいは対策を進めていくことで、パワハラに該当するものではない訴えや相談が増えるという懸念、こういったことも御意見として示されて、調査結果として出された状況です。したがって、今、社会全体として求められているパワーハラスメントの予防対策について、企業現場の労使が取り組むに当たって、不要な懸念や混乱がなく取り組めるよう、どういったことを念頭に置くべきかということです。

 それに関する意見等として、四角の中で、どのような対策を講じるかによって定義も変わってくるのではないか。既に平成241月に出された円卓会議のWGの報告の中にある概念、典型的な行為類型、こういったものを基に実効性ある対策を検討するべきではないか。このような御意見をこれまで頂きました。

 そのWGの報告書の概念と行為類型の代表例は下に書いてあります。このようなこれまでの御意見を踏まえますと、例えば、現在のWGの定義を基に考えた場合に、特にこれまでの御意見の中で出された大きな論点として、2ページの下の(1)、職場の優位性があります。3ページの丸1は、そもそも今、パワーハラスメントという形で、現場で言われている中で、行為者というのはどういったパターンが多いのかという事実関係を改めて見ますと、実態調査の結果によりますと、上司から部下に対するパワーハラスメントの割合が圧倒的に高いという状況です。次いで、先輩から、正社員から正社員以外、こういったものも1割を超えるという割合が次いでいるという状況です。それ以外に、例えば、割合としては低いのですが、部下から、あるいは同僚から、そういった行為を見聞きした例も調査結果では出ています。裁判例などでは、上司、先輩などの行為についての訴えが多く見られます。ただ、同僚からの行為についても多数の同僚から行為を受けたという裁判例もありましたので、そちらは資料3に参考で付けております。

 丸2、その優位性をどう考えるか。こういったことについても御議論があったと思います。労働者にとって精神的・身体的な苦痛が与えられる行為や就業環境の悪化は、いずれにしても避けられるべきものであるとは考えますが、そこで「優位性」が背景にある、ないということで、どういうふうに考えられるかということです。四角の中、これは現在の定義、概念です。その中は、職務上の地位に限らずに、人間関係や専門知識など様々な優位性が含まれる趣旨であることが明らかにされている結果、上司から部下という、職位の上位者から行われるものに限らずに、先輩・後輩間、同僚間、部下から上司に対して行われるものも含まれることになっております。検討会におきましては、パワハラの中で多い類型ということで考えますと、優位性を背景にしたものが多いという考え方で優位性が必ずしも必要だということではないのではないかということの御意見が示された一方で、幅広い意味での何らかの優位性があると考えられるので、優位性はポイントとなるという御意見もありました。

 また、この優位性については事前に、例えばリスト化するような形は難しいのではないかという御意見も頂いております。

 丸3、顧客など、要は企業の中だけではない、そういう行為について、例えば国、関係者、事業主、この行為に着目して、何らかの対応を取る立場から見たときに、どういうことを行うことができるかということも含めて、どう考えたらいいかという論点が大きくあったと思います。

 次の4ページの四角ですが、既に御覧いただいたように、男女雇用機会均等法に規定するセクシャルハラスメントにおきましては、職場の上司のみならず、顧客や取引先による言動も対象となっております。

平成28年度の実態調査の結果、パワハラの行為者として、顧客や取引先が挙げられたのは少なくなっております。これは資料225ページの「社外の人から受けたパワハラ」という表題の資料を御覧ください。こちらは平成28年度実態調査の従業員調査の結果からのものです。回答者1万人のうち、過去3年間のパワハラを受けたことがないと回答した方が6,750人いたと。パワハラを受けたことがあると回答した3,250人のうち、上司から部下などの社内の人からパワハラを受けたと回答した者が3,173人。その他から受けたと回答した回答者が77人いたという状況を踏まえて、この77人の細かい内訳を改めて見たものです。

 これは77人を見てみますと、実際には社内の人からパワハラを受けていたという回答者が61人おりました。更に幾つか白い○が並んでいる中の一番下で、77人のうち5人はパワハラを受けていないという回答です。その1つ上の、77人のうち社外の人からパワハラを受けたと回答した人は11人おりました。その中身を見ますと、取引先、発注者、元請、客ということです。その回答の中には上司とか、社内の人についても回答をしている記述もあるのですが、ただ、11人の方については、それ以外の方も含まれているという結果です。この25ページを、資料14ページの上の四角の2つ目のポツで出しております。

 検討会の中の御意見については3つ目のポツです。顧客や取引先からの迷惑行為が、従業員への負担につながっており、社会的な問題になっているという意見が示されました。他方で、顧客や取引先からの行為について、事業主が対応できることには限界があるという御意見が示されております。

 資料4を御覧ください。顧客からのハラスメントに関して、こちらの検討会でも御議論されたことを踏まえて、私ども事務局で幾つかの企業に御協力を頂いてヒアリングを行った結果を出しております。調査対象企業数は4社ということで御協力を頂いております。主なヒアリング項目は丸1~丸7ということで書いております。これは、次ページ以下に改めて御説明しますが、各社、企業名と業界等の特定ができない形の取りまとめという条件で頂いております。以下、2ページ以降に付いているものは、各社から頂いた回答を、私どもの責任で聞いた内容を取りまとめたものです。

2ページ、顧客からのハラスメントについて、どのような端緒があるかと聞いたものです。企業側に落ち度がある場合、そうではない場合、その程度など、本当に事案ごとに様々であって、個別性が高いというお話もありました。また、ほかの所では、基本的には何らかの形での企業側に落ち度がある場合が多いと。例えば、提供したものの中身や、応待をした企業の従業員の対応であったりとか、程度問題はあるのですが、そういう落ち度がある場合が多く、そのようなクレームはハラスメントというよりは真摯に対応をしているという御意見もありました。

 ハラスメントの対応で極端なもの、クレームの中の極端なものと言ってもいいかもしれませんが、そういったものを伺ったところ、極端なケースでは暴力、金品等のゆすり、執拗な叱責、この叱責の中には、言っておられる方の御本人の自覚がある場合と、そうではない場合もあると。さらには、長時間の拘束、大体3時間から5時間あるというお話でした。企業などで、特に顧客に対応している所では、営業時間が決まっている所もありますが、その営業時間後も続く場合もあると。また、別の会社でも、強要、脅迫、恐喝、不退去などもあり、営業時間が過ぎても不退去といった例もあるということをおっしゃるケースもありました。

SNSが最近非常に普及しておりますので、それを用いた根も葉もない中傷行為などもありますと。個々の従業員を攻撃するような、その名前を書いたりするようなものもある場合もありますが、企業全体の評価を貶めるような事例もあるということがありました。

 そういうことについての企業の体制については、顧客からのクレームなどの情報を全社的に共有するシステムの整備。また、現場が顧客に対して強い対応ができない場合は、全然違う所ということで、例えば、本社の総務部から言うこともあります。次は、1人に任せず、必要に応じて人を替えるなどの人事的な措置の実施。あるいは判断が難しい場合はどう対応したらいいかという判断や、クレームからそうでない所の転換という判断や、いろいろなことがあり得るのではないかと推測します。そういったものについては、本社が対応するなどの体制を整備している。

 次のポツですが、基本的に初期対応するのは現場の従業員ですが、段階によって、その上の人が対応する体制を取っている。そして判断が難しい案件については、本社も一緒に対応を考える。会社がどこまで、ここまでしか対応できないという線引きは、それぞれの現場の総括をする人がやっているとか、そういうお話もありました。女性の従業員が多い現場は各店舗に、多分相談をしやすいようにということだと思いますが、女性の担当者を配置して、一次対応の窓口としているという御紹介もありました。

3ページ、企業としての対応の事前の対応と抑止策について伺ったところ、まず1つ目のポツとして、ハラスメント全体の研修を、被害者へのフォローをどうするかということも含めてマネジメント層に実施していると。あとは初期対応マニュアルを作成して、マネージャーに配布していると。あとはホットラインを設けるとか、従業員に対してもハラスメントに関するリーフレットの配布。その中でも、悪質なクレームもハラスメントになり得ると、この会社では考えて記載をすることを検討していると。実際にやっているということではなく、なかなか難しさもあるのでということだと推測をしますが、そういったことも中では問題意識として持っているという御紹介がありました。

 本当に悪質なクレームは、関係者と情報を共有するようにしていますと。マニュアルを作成し、悪質クレームの行為類型等を挙げております。ただ、実際の判断は個別事案ごとに対応することにしていますという御紹介です。ハラスメントについての研修、クレーム対応マニュアルの作成、悪質クレーム事例の共有、電話の録音、ボイスレコーダーによる記録、防犯カメラの設置等を実施していると。ただ、やはり事案の個別性が高いというのは各社言っております。マニュアルは作っても、あってないような部分もあると。実際の事例の共有のほうが現場の需要が高いというお話がありました。電話を録音することが抑止に一定の効果があるという御紹介も頂いておりました。

 事後対応ということで、どういうことをされていますかと伺ったところ、まず、顧客に関しては、先ほど、本当に極端な事例で何がありますかと言ったときに、刑事事件になりそうな事案も含まれていたのですが、やはり、悪質なものについては警察への相談を行っていますと。そういう事案は、企業としても当該顧客に対して、その後の入店禁止等の措置を行うことが考えられる。その次のポツですが、悪質な行為を続ける場合には、法的措置を検討する旨を顧客に伝える等の強い対応をする一方で、やはり、事案ごとに個別性が高いので、その都度いろいろな所で対応を検討する必要があると。画一的な対応にはなかなか難しさがあるという話だと思います。

 従業員に対する事後対応ということで、要はそういう対応を従業員に対してせざるを得なかった。顧客対応をする従業員の交替、配置転換などを行うことで、従業員の負担軽減を行っていると。次のポツですが、店舗の責任者や外部のカウンセリング、ハラスメント相談窓口、その他、本社の専門部署など、適宜メンタルケアなどを実施しているという御紹介がありました。

4ページ、課題を伺ったところ、次のような課題がありました。特に顧客からのものは個別性が高く、一律の対応が困難。したがって、こういう言葉が出たらハラスメントとか、何分以上は対応しないとか、そういったことを事前に決めるのはとても難しいと。2つ目は、判断基準を設けることが困難なので、画一的な研修、教育は難しいと。したがって、情報の蓄積を活用した対応を考えざるを得ない。

 次は、会社としてこれ以上対応できませんと、顧客に伝えない限りクレームは収まらないと。冒頭で、基本的に何らかのこちら側の落ち度がある場合、そういうケースもある、そういうケースがほとんどだという、いろいろ各社にも事情があったので、どのタイミングでそれを伝えるかというのが悩みどころであると。従業員もいろいろな方がいて、先ほど従業員教育というお話がありましたが、クレームへの考え方が違うということから、従来であれば、そういったことが相談窓口に来なかった事例も上がってくるというお話も聞きました。

 また、企業規模が大きいときは専門部署の対応ということもあるのですが、企業規模が小さいときはなかなかそれも難しいと。その次は、悪質クレーム客への対応を強くしたいと思う一方、そのやり方を間違えると来店しづらい雰囲気になっても困るので、そこをどうするかという課題です。やはり、いろいろな御注文に応えることがサービスの一環なので、そう考えて十分に対応していると。ですから、従業員によってはそういった形で対応して、問題なく終わっているケースもある中で、それを考えたときにどう対応したらよいのだろうかということです。

 今の話以外に、何かありますかと伺った中で2つ書いてあります。個別企業の対応というのは1つあるかもしれませんが、悪質クレームが問題となっていると、社会的にいろいろ取り上げられることでも一定の抑止効果があると。いろいろな個々のケースがある中で、意識をせずに、その企業のサービス向上のために顧客としても言っているというケースもあって、ただ、その言い方が非常に問題があるとか、そういうケースなど、割とそういう言い方自体で問題化していることが、社会的に違う所から聞いたりすると、こういう言い方ではなく違う言い方にしようということがあるのではないかということです。そういったこともあり得るのだと思います。

 次は、企業と消費者のクレームを紛争を仲裁していただく第三者機関。これは、例えばこういうクレームがありましたが、ここはどうかというのを、客観的な立場で、いや、これは過度に企業に対する要求ではないかとか、逆のパターンももちろんあると思いますが、そういったことがあると企業が対応しやすいのではないかという話がありました。少し長くなりましたが、そういうことでヒアリング結果をまとめております。先ほどの資料14ページの上の箱の最後のポツは、そういったことをまとめております。

 次の論点として、(2)業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させるというところの関連です。この検討会でも、これは明らかにひどいだろうと、本当に裁判例などいろいろありますが、人権の侵害になるようなケース、あるいは身体的に暴力を加えるなどのケース、明らかに業務の適正な範囲を超える行為を明確化することができるかという論点があったと思います。

 例えば、セクハラでは指針において、具体的な行為例を全てではないのですが、示しているのが1つ目です。2つ目は、裁判例においては、明らかに業務との関連性が認められない暴力等の身体的な攻撃や言動の内容、目的、方法、程度等から人格権の否定となるような精神的な攻撃については不法行為の判断でということではありますが、該当するとされております。

5ページの丸2、そこまでいかない、そういうケースはそういうケースで、これは著しいケースということで、割と検討会でも真っ黒なケースという表現もあったと思いますが、そこまでいかなくても、丸2の例えば業務方針をめぐる意見衝突とか、指導監督・業務命令との間に連続性があるようなケース。その場合は「業務の適正な範囲」の判断基準は更にあるわけで、そのときにどういう要素、そういったことをどう考えるかという論点です。

 箱の所の1つ目は、例えば、加害者の動機・目的、受け手との関係、属性、加害者の数、行為の継続性・回数、こういったことを考慮して、総合的に判断を行っているという例がありましたが、ここは検討会でも様々な御意見が示されております。

 丸3、例えば受け手の感じ方についてどう考えるかという論点で、裁判例では、問題となった指導や叱責について、業務内容や問題発生に至るまでの経緯、こういったものを勘案して、社会通念上、これは許容される範囲を超えているかどうかというのを全体的に判断しているというケースがあったという御紹介が1つ目です。

2つ目は、これは検討会の御意見でもあったのですが、相談を受けて被害を受けたと言ってきた人が、聞いてみると、実は加害者であったというケース。ですから、一律の判断が難しく、実態を聞かないと分からないというケースがあるという御意見がありました。

 あとは先ほどの岡田さんのプレゼンテーションの中にあったことと近いかもしれませんが、本人の意に沿わないということが全てハラスメントになるとすると、現場が混乱するという御意見がありました。あとはセクハラについての判断例を御紹介しております。丸4、今の典型的な6類型以外何か考慮するものがあるかという論点です。

6ページ、これは防止対策の基本的方向ということで、前回も含めて出していただいた意見を追加して、更に不明な所を明確化して幾つかの類型を書いております。アがパワーハラスメントが違法であることを法律上明確化し、これを行った者に対して刑事罰による制裁や、被害者による加害者に対する損害賠償請求の対象とする。イは、事業主が職場のパワーハラスメントを防止するよう配慮する旨を法律に規定し、その不作為が民事訴訟、労働審判の対象となることを明確化することで救済を図る。ウは、事業主に対し、職場のパワーハラスメント防止等のための雇用管理上の措置を義務付け、違反があった場合の行政機関による指導等について法律に規定をする。エは、同様に事業主に対して、雇用管理上の措置を講ずることをガイドライン等に働きかけをして、個々の職場における職場環境の整備を図る。オは、様々なパワハラについての問題、あとは企業にとっての影響などについて広く遵守、理解をしてもらい、防止対策に対する機運醸成を図る。そういった御意見がいろいろあったと思います。

 丸1のアについては、発生を強力に抑制することは期待ができます。一方で、先ほどの論点の中で、その範囲を画することの難しさ、構成要件の明確化という論点があります。加害者に制裁を課するということはありますが、職場環境の改善のような根本的な問題の解決をどうするかという論点があると思います。

7ページの上、職場環境の改善に関しては、やはり、パワハラの職場ということで透けて見えてくる課題についての御意見などを出させていただいております。構成要件に関しては、強制力が伴うような措置を講ずる場合は、かなり限定的に定義付けが必要だという御指摘は、これもかなりの委員から頂きました。丸2、上記イ、これはパワハラの違法性をより明確化することが期待できるだろうと思います。この部分についても、法律要件の明確化という課題がありますので、労使等の現場の関係者に理解が得られるような規定を設ける。その課題をどう考えるか。やはり、規定を設けた場合、訴訟で解決をするということになりますと、防止対策の効果、実効性をどう見るかという課題があるということだと思います。対象をどう画するかの話で、定義、法律要件に関連して、例えば裁判例における判断基準や、あるいは御意見について下の箱で書かせていただいております。

8ページ、ウについて、丸3の論点で書かせていただいております。これは現場で必ずしも事業者側だけではなく、労働組合でもパワハラについては熱心に取り組んでいただいている。これまでの検討会の中でもいろいろな形で示していただいた相談対応、あるいは個々の労働者のケース、そういったことを考えて、現場の労使で対応していく。あとは行政も対応するということを考えた中で、共通認識を持つために、特に業務上の適正な指導との境界線をどう考えるか。いわゆる真っ黒なケース、人格権の著しい侵害、あるいは死に至ってしまうようなケース、そういうものではない、グレーの業務指導との関係性が出てくるようなケースで、特にどういう形で考えるかという共通認識を持つために、どういう基準があるかというイメージだと思います。8ページの四角の中で、これまで出た御意見や、あるいは既に法律上措置義務が明確化されているセクハラ、あるいはマタニティハラスメント等のハラスメントについては、共通する部分もありますが、ただ、それぞれのハラスメントに着目して定義、あるいは対応が決まっている部分もあるという御紹介です。次のポツでは、裁判例での考え方などが示されております。

 丸4、これはウとエに関連して、事業主が講ずる措置と考えたときに、その措置の内容ということでどういったことがあり得るか。つまり、これは言い方を変えると、パワーハラスメントを予防、あるいは発生したときの対応ということでどういう措置が考えられるか。セクハラについて講じられている措置や、パワハラについて既に円卓会議の報告書で示された7つの取組についての御紹介です。

 丸5、例えば、ガイドラインなどでより先進的な取組、あるいは特定の業態向けの取組、そういった幅広い取組を入れることがメリットとして考えられるという論点に対応して、仮に、もっと幅広い取組と考えたときに、どういったことがあり得るかということです。この整理の仕方として、行為者、被害者というアプローチもあるという御意見もありましたので、例えばそういった形で書かせていただいております。行為者に関しては、四角の中で職場における余裕のなさとか、あるいはもう少し行為者自身が適切な言い方などを把握していればパワーハラスメントに至らずに済むケースもあったのではないかという御意見が示されております。被害者に対するアプローチということでは、職場における実態調査(平成28年度調査)から、様々な取組がされておりましたので、それを四角の中で御紹介しております。職場環境に対するアプローチとしても取組例などから幾つかの例を御紹介しております。メンタルヘルス対策との一環で指導している例や、安全衛生委員会の議題として取り上げたり、ハラスメント委員会を設置したりしている例がありましたので御紹介しております。

 丸6、そもそもパワハラについてもっと認識を深めていくべきではないかと。本当に一部被害を受けた、あるいはそういう関係者とか、分かっている人、企業については取組は進んでいますが、全体として見た場合、まだ5割ぐらいの取組だったり、企業規模で随分差があると。そういうことを考えると、社会全体の機運醸成がもっと必要ではないかということでどういう手段が必要か。ここは四角の中で、検討会の意見ということでも出していただきましたが、定義を含めてもっと周知をしないといけないと。例えば、厚生労働省モデル就業規則の中では書いてあるのですが、ほかの所が作っているところまで全部書いてあるというところまではいっていないのではないか。そういったところの働きかけなども1つの例として示していただいたという状況があります。そういったことを御紹介させていただいております。私からの説明は以上です。

 

○佐藤座長

 これまでの議論を踏まえて整理していただいていると思います。取り組む背景の意義とパワーハラスメントの定義、それと6ページのパワーハラスメント防止対策基本的方向と大きく分かれていますので、前半の5ページまで御意見を伺って、その後6ページ以降、その後、全体としたいと思います。

 その前に、パワーハラスメントの範囲で、顧客からのハラスメントをどうするか。位置付けは後ですが、取りあえず、これについての御質問があれば、どう位置付けるかは後で聞きます。取りあえず、位置付けでなく、これはどういうことなのかということだけでも先に伺えればと思います。

 

○漆原委員

 どうもありがとうございます。この企業のヒアリングの所については、4社がこういった形でまとめていただきましたが、今日、私どもの中の浜田委員がきておりませんが、UAゼンセンの調査結果と重複する所もあり、そういった意味で顧客の業務を行っている企業での実態が表されているのではないかと思います。

 特に2枚目の所の顧客からのハラスメントの様態にもあるように、執拗な叱責や長時間の拘束などについて対応している従業員のメンタル上の問題だけではなく、生産性の低下にもつながると思いますので、ここだけでできることなのか、経産省において生産性の観点からの対応を別途お願いしたほうがいいのか、そういった検討も必要なのではないかと思っております。

 ただ、いずれにしても、こうした状況を看過していいとは思えないところもあるので、今後の対策として、この報告書もそうですが、今後の在り方や方向性についても、一定の記載が必要なのではないかと思っております。

 

○佐藤座長

 資料4で、ほかにあれば。位置付けは論点で議論していただければいいと思うのですが、よろしいですか。それでは、少し長いので取りあえず、資料1の取り組む意義、パワーハラスメントの定義(範囲)、それと対策は係るのですが、取りあえず5ページまでについて、御意見、御質問があれば。次に後半、あとはまとめでよろしくお願いします。

 

○川上委員

 この部分だと、職場内の優位性というのが、どうしても少しうまく理解できず以前から発言しておりますが、今までの資料説明を伺って、明確な職場内での優位性を背景としたもののほうが数が多く、パワーハラスメントというハラスメントの中でそういうものを優先して、ここで取り上げ何か対策を打つという、そういう整理であればすごく理解はできます。

 その場合は、そうではない、例えば、個人の優位性によるものではなく、職場全体の雰囲気やコミュニケーションといったような組識的な問題から起きているハラスメントがあることも記載し、それは何らかの対応がまた必要だということも記載していただけたらと思います。

 一応、私の理解だと職場内の優位性が事前に分かっていないと、この書きぶりというか、対策は成立しないと思います。例えば、新入社員が入ってきて、気に入らない人のお茶にいろいろな物を入れたり、あるいは、職位の低い方が職場全体に噂を流したりということは、事前の優位性があるかと言われるとよく分からない、やはり事後に初めて分かるというタイプのもので、こういうものは対策がどうしても落ちてしまうと思います。

 ただ、職位が上である、先輩である、知識をよく持っているという、明確にリストできる優位性に関連したパワーハラスメントに焦点を当てるという話だったら、私は理解できると思いました。

 

○岡田委員

 その優位性なのですが、結構私が聞くのは、企業の中でも責任がない方々、例えば、相談役が非常に力を持っていたり、地方で言うと奥様とか、関係ない所でも実際的には非常に力を持っていると。こういうものが大企業においても結構影響している。元何とかと言われるような人たちの力があるので、こういうところをどう捉えたらいいのか、この範疇で言えないのかどうか、その辺を少し議論していただければと思います。

 

○布山委員

 優位性というものをどのように捉えるかという問題はあるかと思うのですが、まったく対等な方の中で、いわゆるパワーハラスメントというものが起こるのかどうかと考えると、会社内での地位ということだけではなく、行為者のほうが何か優位に立つようなことがあるからこそハラスメントが起こるという意味で、これまでも定義に入っていると理解しております。

 

○小保方委員

 パワハラの議論をするか、そうでないかによって考え方が全然変わってくると思っており、パワハラという範疇で言うのであれば、何らかの優位性、基本的には広義の優位性で捉えるべきだと思うのですが、何らかの優位性があるものをパワハラと言います。

 一方で、資料13ページに書いてあるとおり、「精神的・身体的苦痛を与える行為や就業関係の悪化はいずれも避けられるべきものである」と。これはそのとおりなので、どこにスコープを当て、対策を考えていくのかは、報告書を作り上げていく過程では、しっかりと整理する必要があると思っており、パワハラについては優位性が関連するものと考えています。ただし、ここに記載しているような優位性なきものについても、看過されるものではないということを、この検討会での範疇をどのように捉えていくのかを少し整理をしないと、なかなか論議がしにくいという印象を受けています。

 

○内村委員

 今、優位性の話でいろいろ議論が出ています。いろいろな職場によってその優位性が違うと思うのですが、パワハラといわゆる職場のいじめや人間関係でのトラブルというのは、少し考えを整理しないといけないとは思います。

 例えば、ある一定の人数のいる職場だと、大して役職も何もないけれども、グループの親分のような人がいたりして、派閥ではないですがグループの中で対立したり何らかの嫌がらせがあったりというのは、これはもう仕事上のというよりも、好きか嫌いかのレベルでのトラブルもありますので、そういったものが同じ職場の中だけれども少し意味合いが違うというところは、それぞれの職場によって状況が違います。したがって、この優位性というのを、まず、単なる人間関係によるいじめなのか、あるいは、本当に権限を持った優位で行われていることなのかという判断基準を多少明確にしたほうがいいとは思います。

 

○久保村委員

 私どもの企業での実際のケースは一杯あります。弊社の優位性で言うと、過去の経験値や、長く働いていて、スキルを持っている方に優位性が強く出ます。もっと言うと、スキルを持っている人よりも自己主張が強い方のほうが、優位性という名の下で強く主張し、実際は自分がパワハラをしているのにパワハラの被害を受けたと言ってきている方も結構いらっしゃいます。ですので、優位性の視点を持つならば、人間関係や個の感情や気持ち、自己主張等も複雑に絡み合っているのではないかと思います。

 

○野川委員

 もう今年1月になってしまい、報告書が3月末には出るということになると、その報告書の内容の書き方も検討しなければならない時期だと思います。私は、当検討会は職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会ですので、報告書の中心になるのは具体的な防止対策としてこういうものがあり得るということを示すこと。これがなければ、この検討会を開いた意味がないので、これが中心になります。

 ただ、パワーハラスメントは、お宅の会社でどれぐらいありますか、どんなものがありますか、受けたことがありますかというアンケートにお答えいただく方々も、パワーハラスメントという言葉の内容について一致した認識はないので、今、出ている、何となく職場の中で優位な立場にある人から何かをされたり、あるいは顧客から何かをされたりすることも入っているわけです。

 したがって、私は報告書の中にそれも入れるべきだと思います。つまり、対策としてはこういうものがある。その対策の対象としては、やはり明確な職位の上下等の分かりやすい客観的なものについては具体的な対策を取る。ただ、その他、カスタマーを始めとしていろいろな形でいじめ、あるいは嫌がらせ等が職場内にある。これについての検討も重要であるということを明記するという形で分けたほうが良いと思います。それでまた、必要であれば、カスタマーハラスメント検討会も立ち上げることが望ましいということになるのではないでしょうか。以上です。

 

○佐藤座長

 職場で働いている人たちが、そこでパワーハラスメントを受けると。行為者は今言ったように、顧客もあるかもしれないし、例えば、社長の親戚とか、行為者が上司ではない人もいるかもしれません。ただ、具体的に企業に取組を求めるとすると、ある程度限定されるのではないかという。それはないと言っているわけではなく、大事でないと言っているわけではないという御意見だと思います。ただ企業に、事前あるいは事後、特に事後にできることに事前も含めるとなると、当然、ある範囲ということになるのではないかということがあるのかも分かりませんが。

 

○岡田委員

 カスタマーのこれを見てみると、かなり個人的に異常な人が割と多いように思うのですが、業界としてお客様が非常に優位な立場で無理難題を押し付けてくるということがあります。それを断ることができずに管理者も非常にほかの人たちに無理難題を強いるというケースが結構あると思うのです。そういうところも少し触れ、異常なカスタマーだけではなく、そういう慣習がおかしいというようなことをしないと、なかなかお客様に断りにくいということが結構あると思うのです。前の日に言って明日までに出せとか、結構、それによって無理難題を強いられているところがあると思いますので、それは個人の異常性というよりは、そういう業界の慣習みたいなことについても一言触れないと、社内の圧力というのは変わらないと思います。

 

○佐藤座長

 ここの最初の所のパワーハラスメント、現状で2ページの職場内の優位性で職場で起きるというと、この書き方は取引先からのパワーハラスメントをもともと排除しているのです。職場内の優位性ですから。ただ、職場で働いて受けている実態があるのは事実なので、これを受けると後ろのほうの対策は企業がやれることです。社会的にやらなければいけないことはあると思うのですが、企業が事前・事後を含めてできることというと、顧客については、職場の中の人が起こすこととはかなり違うという話だと思います。

 

○杉崎委員

 顧客、取引先をどう扱っていくかということですが、これは企業からしてみると、いわゆるクレーマーやこういう人たちに対応していくというのは、重要な経営課題であることは間違いないし、大事な問題であるということも間違いないと思います。ただし、先ほどの資料4で、こういった顧客からのハラスメントに関するヒアリングで、個別性が高い、企業サイドに落ち度がある場合が多い、また、いろいろな事案に対して、刑法で対応できるものがあるというところからすると、いわゆるパワーハラスメントと顧客からのいろいろなクレームについて、別次元の問題として捉えるのが良いと考えます。

 

○布山委員

 私も同様の意見を言おうと思っていました。前にも申し上げたかもしれませんが、直接対応した従業員だけではなく、会社そのものもある意味被害者だと思います。一方で、先ほど業界の慣習といったご説明がありましたが、実際にお客様に対してどこまで言えるかとなりますと、ここまでやると企業のほうでもこういう対応を取るということが当然だという社会的な機運にならない限り、なかなか実際は難しいと思っています。

 そういう意味では、今回は職場内のパワーハラスメントの防止について、労使も含めて更なる議論をするのがこの会の趣旨だったと思いますので、顧客や取引先からのパワーハラスメントが問題点としてあるということを何かしら報告書の中に書くこと自体を否定するわけではありませんが、実際の企業の対応というところまで落とし込むのは少し難しいとは思っています。

 

○原委員

2点あります。1点目は、資料14ページ、上の囲みの2つ目の黒丸で、パワハラの行為者として顧客や取引先を挙げたものは少ないということについてです。これは、そもそも自分が受けたことはパワハラではなくクレームだと考えた、つまり、パワハラのイメージに合わないから挙げていないだけ、という可能性も高いと思われます。実態調査はファクトとして大事ですが、この「少ない」ということはあまり重要視されるべきではないように思います。

2点目は、様々な御意見があるとは思いますが、職場のパワハラ対策が今回の報告書の中心になるとして、それとは分けた形で、この検討会が何かを最終的に決定する権限がないことを逆に活用し、顧客からのパワハラの問題は今後の課題として絶対重要なので、できればこういう対応をすべきだ、ということを報告書の後半で提案するのがよいと思います。やはり報告書に載せることにインパクトはあると思いますので、顧客からのパワハラの問題を明記することは重要だと考えます。

 

○小保方委員

 参考までにですが、人事院が作っているパワーハラスメント防止ハンドブックを見ますと、今の顧客や周りの範疇をどう書いているのかというと、対象者の範囲の中に、行政サービスの相手方やという、周りも含めて、しないようにするように留意したほうがいいですよと記されています。要するに、従業員側が取引先などの相手側にしないようにするように留意する必要があるということを教育しているという、こういうアプローチは十分に取り得ると思います。どうやって切り分けて論議していくかというのはあるとは思うのですが、打手としてはできることには限界がある一方で、できることはあるという視点で、考えていくというのが必要だと思います。

 

○中澤委員

 今のお話の中で、行政サービスに携わる人間に対するものというのは、一般の民々の関係とは若干違った角度で出されるべきである。つまり、税金を払っている側の人間がクレームを言うという観点もある程度あると思っています。ですから、人事院から出ているのは、公務員としての対応を書いているわけですか。

 

○小保方委員

 何ですか。

 

○中澤委員

 公務員としての、いわゆるサービス提供者としてのハラスメントへの対応ということですか。

 

○小保方委員

 ここで書かれているのは、一般市民に対してハラスメントをしないように注意しなさいということを言っています。

 

○中澤委員

 ですから、その市民というのは、税金を納めている方々ですよね。

 

○小保方委員

 そうですね。

 

○中澤委員

 ですから、一般にいわゆる民々の取引とは、また少し違った側面があると思います。

 

○小保方委員

 なるほど。打ち得る手の1つとして、企業ができることとしては、自社の従業員が相手方、取引先に接するときに、しないようにしなさいよというアプローチは十分取れますということです。

 

○佐藤座長

 そういう意味ですね、全ての企業がやればね。

 

○小保方委員

 そうですね。

 

○佐藤座長

 取引関係は現状減るのではないかと思います。

 

○安藤委員

 私も検討会の範囲をどこまで区切るかというのは、なかなか難しいとは思うのですが、ある程度切らなければいけないというのはある一方で、ハラスメントの根は本当のところ、どこにあるのだろうと考えたときに、私たちの専門からすると極端な話、朝出掛けに夫婦喧嘩して、機嫌が悪くてそのまま当たってしまったみたいなものも現実的にはあったりします。

 この検討会も含めて、一番はより良い社会になるというのが、多分、一番の目的だと思います。範囲は職場に限ったとしても、今もお話が出ているように、対内、対外に向けて、いずれにせよ、やはりハラスメント的なことをやってはいけないということを、何となく社会認識として持たなくてはいけないというアイデアというか、概念みたいなものは少しでも触れていただいたほうがいいのかなとは思います。

 

○佐藤座長

 この類型をどうするかは別として、2ページの所のパワーハラスメント行為、こういう行為はハラスメントだと、それはなぜ起きるかというと、職場内の優位性を少し限定するかどうかということと、今みたいに、出掛ける前に少し奥様と喧嘩してイライラして職場で実際上身体的な攻撃をしたと。背景にあるのは職場内の優位性ではなく、直接的には部下を偶然怒ってしまった。これをパワーハラスメントと言わないとするかどうか。これはセットでないとパワーハラスメントと言わないかどうかということがあるかと思うのです。ただ、企業としては、そういうことが起きたときに何もせず、事後的でいいかということはあるかと思うのですが、パワーハラスメントと優位性はセットなのか、それはどのように考えていますか。

 

○野川委員

 優位性という言葉と同時に、業務の適正な範囲とありますよね。この2つが1つになっていますので、明らかに単なる優位性から出ているというものは、それはもちろん入らないです。今の例で言えば、非常にむしゃくしゃしていた課長さんが、昼休みにいじわるを部下にしたという場合は問題にならない、はっきり言って単に私的な関係の中での問題です。ですから、業務上の、例えば、いつもなら仕事をそこで済ませられるのに不必要に残業を命じるとか、そういう形になった場合には、当然パワハラの問題になっていくだろうと思います。

 ついでに付け加えますと、例えば、職場の中に非常に有力な御局様がいて、そういう方が新入社員のある人に対して非常につらく当たるということも、当然、皆さんの頭の中にはあると思います。そういう場合でも優位性というのは人間関係の中での優位性で、業務との関係がそこで伴っていなければ、例えば、上司ではなかったら、それはやはり今回の検討会の対象ではなく、報告書の中ではそういった問題があり、それもまた絡んでくるということは留意すべきという形で対応すべきではないかと思います。

 

○佐藤座長

 マネジメント上、企業としてそういうことが起きたら事後対応することは必要ですが、法律上どうこうという話では。

 

○野川委員

 そうだと思います。

 

○佐藤座長

 ここで議論するね。

 

○野川委員

 はい。

 

○内村委員

 今、話のあった業務の適正な範囲を超えてという文言を見ていて思ったのですが、業務の適正な範囲を超えていなければ精神的・身体的苦痛を与えてもいいのかと読み取れてしまうのではないかと思います。本来であればパワハラかパワハラでないかというところでいくと、やはり人格否定などが1つ大きなポイントになってくるのだと思います。これが業務上の適正な範囲を超えていなければ何をやってもいいということにはなりませんので、この辺の文言を円卓会議の中で定義してきているのですが、そのときの議論、こういう背景があってこのようにしたということがあれば教えていただき、そうでなければ、もう少し整理をしたほうがいいのではと思います。

 

○野川委員

 逆にお聞きしたいのですが、業務上の適正な範囲を超えていないけれども、精神的に打撃を受け、それが違法である、あるいは不当であるという具体的な例を1つ挙げてください。

 

○内村委員

 例えば、営業などで、それぞれ目標が与えられていて、その目標が高いか低いかもあるかと思いますが、その人にとってはすごく高い目標だとします。その人に対して、最低限目標を達成するまでお前は帰ってくるなとか、目標を達成するまでは休みも取るなといった行為があったときに、目標達成に向けた業務遂行自体は業務の適正な範囲に収まっているという理由でパワハラには該当しないのか。目標を達成できていないものの有給休暇を取れる権利はありますが、休むなといった圧力がかかるケースもよくあります。指導する側としてみれば、これだけの目標をあなたに与えているのに、全然目標を達成できていないではないかと。これは業務の適正な範囲だよねという指導の仕方になっているのですが、受け手にしてみれば相当なプレッシャーになるということでは、1つの事例として、適正な範囲を超えていなければ何をしても良いのかと感じた次第です。

 

○野川委員

 ありがとうございます。今のは、業務の適正な範囲自体が問題になるわけです。つまり、与えられた課題が過度の要求になっていたら、それは業務の適正な範囲を超えていると例にも出ています。そこで十分に議論することは可能なので、一般的に業務の適正な範囲を超えていないけれども、違法な、例えば、精神的な打撃を受けるような言動をそれほど考える必要はないと思います。業務の適正な範囲、優位性ということの中で仕分けは十分に可能だと思うので、余り神経質になる必要はないと思います。

 

○岡田委員

 業務の適正な範囲であっても、先ほどの安藤さんのお話ではないですが、毎日のように、できなかった理由を「なぜなんだ、どうしてなんだ」とかなり語調も強めて言うと、なぜかかと、業務でその理由を聞いているという、言ってみれば適正だと思うのですが、もし、付け加えるとしたら、その表現方法が適切であるかということを入れないと、今、起きているのは対応しきれないと思います。むしろ、行為者が言っていることなどを見ると、そんなに外れたことは言っていない、でも、言い方が非常に詰問調であるというケースがハラスメントにつながっているように思いますので、それなどを付け加えて。

 

○佐藤座長

 それは多分、身体的より精神的攻撃だと思うのです。

 

○岡田委員

 結果定義してるからいいということですか。

 

○佐藤座長

 それで一応は、そのことは類型の中に入っています。

 

○岡田委員

 でも、必ずしも。

 

○佐藤座長

 ではないかと思うのですけれども。

 

○岡田委員

 うーん、そうですかね。

 

○佐藤座長

 別に、業務の適正な要求のやり方があれば、12になるということだと思うのです。

 

○野川委員

 私も職場の優位性については、先ほど言ったように、例えば、職務上の上下関係などの客観的な基準は比較的立てやすい。それでもいろいろグレーゾーンはあります。ただ、この業務の適正な範囲については、具体的な対応策を提言するときに、そこは少し細かく書く、あるいは拾い上げる必要はあると思います。しかし、業務の適正な範囲で切れないもので非常に重要な問題が出てくることを余り想定する必要はないと思います。

 

○小保方委員

 今の論議の所で、定義や業務の適正な範囲を、どう判断していくかという話の方法論なのですが、アプローチとしては、基本的には6つの類型をベースにしつつ、厚労省が出している対策マニュアルの7ページにどう書いてあるかというと、6つの類型とそれに当たる例示というアプローチをとっています。基本的には判断の軸として、こういう観点で判断していくというアプローチというのは、結構難易度が高いと思っており、こういう類型に該当し得るのは、こういう典型的な例、セクハラも同様だと思うのですが、典型的な例としてはこういうものがあるということをブラッシユアップしていくというアプローチと、逆に、業務上適正な範囲というのは、どういう範囲の例が考えられるのかという、逆の例示としても書いていただくことが必要だと思っております。取り分け、その類型の中でも過大な要求と過小な要求については業務との線引きが難しい部分であり、こういった場合においては業務上適正な範囲と言えますということを、しっかりと整理していくというアプローチが必要だと思っております。

 参照ばかりですが、これも厚労省から出ているハラスメント対策マニュアルで、これはハラスメント全般について論じているものです。例えば、マタハラのケースにおいて、業務上の必要性に基づく言動の具体例はどういうものかを結構スペースを割いて書いているのですが、こういうアプローチで、グレーゾーンはどこまでいってもなくならないと思うのですけれども、例をしっかりと示しながら定義付けというか、定義付けプラス例で一定程度、整理をした上で対策を講じていくことが必要だと思います。これは前から申し上げている話ですが、どういう対策を講じるかによって、定義付けの厳格さが変わってくるので、私が今申し上げている意見は、措置義務を課す、法制化するという前提と、その具体的内容を指針で示すという、セクハラと同等の対応を考えるのであれば、今のようなアプローチで十分やり得るのではないかという話なので、もし、そういう前提であってもこういう懸念があるというのが企業側の皆さんにあれば、逆に教えていただきたいと思います。

 

○佐藤座長 まだ前半もあるかと思いますが後半もありますので、少しまた時間があれば戻る形で、6ページ以降の対策の基本的方向、ここは基本的には職場内でということに限定されているものについて、今、措置義務というお話がありましたが、つまり、今の企業の取組をより進めるために、いろいろなやり方があると思うのですが、現行、もう少し社会的機運というものから、かなり法律の明確化まであったと思うのですが、それに応じて、いろいろ課題を書き分けていただいていますが、これについていかがでしょうか。

 

○杉崎委員

 今もいろいろ議論がありましたが、今回のパワハラについて、パワハラかどうかの判断が難しいということや、業務上、適正な指導との境界線がなかなか明確にならない部分があるということを踏まえると、6ページにア、イ、ウ、エ、オと書いてありますが、エとオからやっていくということが適当と考えます。オの機運醸成については非常に大事な問題ですし、エのガイドラインをもっていろいろな取組を進めていくことも重要です。今の御発言にもありましたが、ガイドラインの中にいろいろな事例をふんだんに盛り込むことによって、パワハラ防止に役立てていくということが現実的な対応かと考えております。

 

○漆原委員

 確かに、今の御意見もそのとおりだと思います。機運の醸成が必要なことは、正に異論はないわけです。これまでも円卓会議、ポータルサイトの開設、パワハラ対策の導入マニュアルの作成、個々の企業がセミナー開催したり、安藤委員や岡田委員がいろいろな所で講演をされている。そういう意味で、パワハラに対しての認知度はどんどん進んでいるところもあると思います。

 ただ、これでいいのかというと、更にそれを進めていく必要があるので、そういう意味では、正に、オの対策もエの対策も同時に必要だということには全く異論はありません。また、連合が実施している労働相談では、パワハラに関する相談が増えているということも、それはそれで事実です。そういうことからすると、更なる醸成を図るため、法制化というのは、アナウンス効果も当然あると思います。オの対策と同時に法制化をやるということも、可能と思っております。

 また、法制化に向けて、違法とならない教育指導の在り方の検討や、それぞれの労使が効果的にどのように対応していくのかということも、今後の議論として十分あると思います。その取組を進めていくことも、必要であると考えております。

 

○布山委員

6ページの所について、私も杉崎委員と同様の意見です。まず、オで全体的に取組んでいくということです。今でもオの部分は、厚労省から出ている当時のワーキンググループの報告書に基づいて、既に企業は取組を進めています。その方法をもっと周知していく形になると、この検討会が更にもう一歩何か進むということで議論するのであれば、具体的にパワハラの防止が重要だということを踏まえた上で、エの企業が自主的に取り組む際のガイドラインを厚労省が策定するということが次のステップなのではないかと思っております。

12ページに戻ります。そのときの定義というか概念について、既に取組んでいる企業からすると、急に概念なり何なりを変えられると、今までの取組が何なのだということになります。その混乱はないようにしていただきたいので、今の6類型というものを中心にまとめていただければと思います。

 そのときに問題になるのが、過大な要求と過小な要求という、正に、業務上、どのようにするのかという部分は、なかなか一律的に出すことは難しいと思っておりますので、概念的なもの、一定の考え方は出していただいて、各企業の労使で、それをきちんと受け止めて対応できるような形にしていただければ有り難いと思っております。そういう意味で、私はオとエと考えています。

 

○中澤委員

 私どももエとオを中心にしながら記載していただきたいと思っております。この報告書の書きぶりなのですが、これは両論併記ということもありうるのでしょうか。

 

○原委員

 今の点は事務局からもお話があるかもしれませんが、私自身は、ア~オまで様々な選択肢があるという総花的なものではなくて、選択肢は示しつつも、この検討会としては、これが一番に考えられることだという立場を明確に示すことが、後々の議論につながるという意味でもよいと思っております。

 そこで、資料1の6ページのア以下の選択肢を御覧いただければと思います。私自身はウがよいと考えております。順番に見ていくと、アは法的に難しいわけですし、これまでの検討会でも賛成する意見はなかったと思います。イの職場のパワハラ防止の配慮ということは、企業が既に安全配慮義務ないし職場環境配慮義務といった義務を今日の時点でも負っているわけです。その不作為は訴訟や労働審判の対象になりますので、このことについては、指針やガイドラインで周知すれば済むことであると思われます。ですから、イはほかの選択肢と十分両立し得ると思います。

 一旦、ウは置いておき、エについて事務局に質問です。エの場合、根拠法令は何法ですか、根拠法令はありますか。

 

○堀井雇用機会均等課長

 先ほどの御質問と今の御質問に併せてお答えいたします。事務局としては、まだ、取りまとめが今日で終わりということではありません。そして、今日、かなり具体的な御意見がこれまでよりも出てきたということもありますので、検討会の今後の御意見を踏まえた形での取りまとめになろうかということがあると思います。

 それと、根拠法令についても、結局、どういう趣旨や目的で、どのようなことをやるために法律かということになりますので、何法ということは、取りあえずございません。

 

○原委員

 分かりました。もし、根拠法令がないままのガイドラインということになると、行政は違反があっても何も言えないわけですね。そうすると、先ほどの岡田委員のお話にもありましたが、行政があまり現場に入っていけず、強制力の面で問題があるということになります。そうすると、対策してはいかがなものか、という部分が残ります。

 それから、オはどんな対策をやってもいわばセットで付いてきます。社会全体の機運の醸成とありますが、どのような対策を打っても、必ず機運の醸成つまりオにつながるはずですから、オが対策の選択肢として独立で存在することはあり得ないと思います。

そこで、ウについての検討ですが、まずは資料1の8ページ、丸3の最初をご覧ください。懸念としてパワハラについて共通認識がない、ということが繰り返されておりますが、これは以前の検討会でも出てきましたように、セクハラも最初はそうだったわけです。セクハラ対策の歴史を考えれば、この懸念は全く考えなくてよい、とまず言えます。

 その上で、このページの内容については、先ほど、野川委員もおっしゃってくださいましたように、様々なパワハラ的な問題がある中で、今回は職場におけるパワハラに絞る。つまり、解決しなければいけないものはいろいろあるけれども、欲張るのではなくて、典型的なもの、許してはいけない職場のパワハラに絞って、防止措置を企業に求めるとか、そういう形で行っていけば、8ページの丸3にあるような諸々の懸念は全く心配する必要はないと思われます。そうすると、ウが相対的に有力な選択肢として浮上してくるのではないかと思います。

 

○小保方委員

 労働側としてということで、本来であれば、まず、ア~オの全てをという大前提があるのだと思います。ただ、現実的なことを考えると、私もアとイは現行法で一定程度対応が可能だというところが大きいと思っております。その周知をしっかりするということが必要なのだと思います。

 極端な例で言えば、アでは刑罰を受けることをしっかり周知する。これが抑止力を生むということになると思います。イも然り、民法上の不法行為で訴えられる可能性があるということをしっかり周知することが必要だと思います。エとオしか講じなかったら、これは基本的に今と変わらないということなのだと私は思っております。これだと、恐らく、約半数が対策を講じておらず、かつ、対策を講じている企業においても、実効性があるのかというところが疑わしいということなのだと思いますが、そこが絶対変わらないと思います。したがって、ウは必須だと思います。

 ウを想定していた場合に、実際に講じる措置義務の内容、ガイドラインに書く内容は何になるのかというと、これは、大きくはセクハラやマタハラで書かれているような、例えば、企業として方針を明確に出す、あるいは、マネジメント層も含めて社員に対して研修をしっかりやるという内容になってくるのだと思います。その前提に立ったときに、先ほど、原委員もおっしゃるとおり、私も言っているとおり、明確にバツなものとプラスいいものと悪いものを例示、これをしっかり整理していった上でもなお、なぜウを取り得ないのかという理由があれば、企業側の方々からお聞きしたいというところです。

 

○布山委員

 まず、エとオだと今と変わらないというのは違うと思います。今、エで言っているものは、根拠法は特にないガイドラインを考えていますが、結局、ガイドラインで示したことによって、今の報告書の内容に基づいて企業がやりましょうという話と、ガイドラインになるとある程度の書き込みがあるわけです。具体的にどのようなことをすればいいのか、このようなことは駄目だという。おっしゃっている中身は、ガイドラインなのか告示というか指針なのかの違いだけのような話をしているような気がするのです。そうすると、それによって企業が、まずは自主的に進めていくということが必要かという意味で、私はエと申し上げているのです。

 それに関連して、5ページの丸3、結局、これはガイドラインにせよ、どうするにせよ、必要な部分だと思います。被害者の個人の主観を基準とするかどうかというところについて、意見を言おうと思っていて忘れていたので言わせていただきます。まず、受け手の主観を基準としてしまうと、冒頭に岡田委員や安藤委員からもお話があったように、上司の指導、それは適正な指導という意味ですが、指導する上で、適正な指導であっても結局それをためらってしまったりということになると、最終的に適切な人材育成もできなくなると思っています。

 そういう意味では、今は円卓会議のWG報告の中でも、個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や、あるいは注意を不満に感じたりする場合でも、これらが業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワハラに当たらないということを明確に書いてあります。先ほど、議論としては職務上のことはきちんと入れますという話になっているのですが、これは、改めて本人だけの気持ちではないということは入れていただきたいと思っております。

 

○野川委員

 私はア~オまでに提示されたものであれば、今、幾つか御意見が出ていたように、ウを中心にして、望むらくはイも加えるべきだと思います。企業からの御意見は分かりますが、例えば均等法で現行12条が出来て、セクハラが起こらない職場を作る措置義務があります。あのお陰で、実際に世の中、特に企業においてセクハラは随分なくなったし、そもそも、社会的な認識が非常に高まりました。企業も、こういうことに余りリラクタントであられると、かなり世の中の風当たりが強くなるのではないかと思います。この問題はお勧めではなくて、つまり、こうしたことはないほうがいいですという問題ではなくて、ルールの問題なのです。オブリゲーションなのです。パワーハラスメントは、その結果が人権の侵害や犯罪をもたらし得るものであるので、お勧めではなくてルールを定着させるということを、何らかの形で実現しなければいけない問題なのです。

 その中で、では、刑罰かというと、そうではない。今でも極端なパワハラ、つまり、暴力を振るい、それが傷害になれば、当然刑法の適用があり、違法性があれば損害賠償の請求も可能です。なので、アとイは、既に今でもたくさんの判例が積み重なっていますので、そこから対応できる。具体的に新たに設定すべき措置としてはウであり、職場の中でパワハラが起こらないようにするための措置義務を講じることを義務付け、その方法及び措置義務を作るに当たって、様々なガイドラインを役所で作っていただくということにするのが、最も現実的であるし効果的であると思います。

 その中身としては、例えば、就業規則にパワハラというものはこういうもので、これをしてはいけないということを服務規律の一環として明確に規定し、それに対する懲戒処分を明記するということが1つのモデルだと思います。その中身についても、十分に今までの経験、あるいはワーキンググループ等の対応を踏まえて提示できるであろうと思います。パワハラが違法であるということを世間に十分周知させるというのは、既に行われていることだと思います。ここがセクハラと違うところで、セクハラのときは、はっきり申し上げてセクハラが違法であるという常識はなかったのです。当時、私の周りにいる会社の人も、「いやー、女の子のお尻をさすって、わー、嫌だと言われて和気藹々と仲良くなるんだよ」ということを平気で言われていましたから、とにかくセクシャルハラスメントが違法な行為であるということを、まず徹底させることには意味がありましたが、パワハラが、全然問題ないということは少なくとも常識ではない。

 それから、まずは職場の行為規範を定着させるということと、なぜ、イも必要なのかというと、実はイとウは二重になっているのではなくて、少し機能が違う面があります。というのは、例えば、あるパワーハラスメントとみなされる行為があり、就業環境が非常に乱されたというときに、それは就業環境を悪化させているけれど、違法性という観点から見ると、損害賠償の請求は認められるようなものではないというとき、それを、就業規則の中でこういうことはやめましょうと書いておくことによって、そこで明らかに就業環境が乱されるような行為が行われたことに企業は対応するということを明確にするには、ウの方式がとても機能する。

 逆に、当人はパワーハラスメントが明らかに行われたと思っているし、客観的に見ればそういう行為が行われている。ところが、その職場はそういうことが当然だと思っている節があるということもあり得ます。そういう場合には、職場の環境という意味では、特にそういう職場であるという認識の下に、余り害しているという意識が生まれてこないけれど、でも、それは訴えれば、すぐに損害賠償が取れるのだよ、違法なものなのだよということによって、例えば、その方が訴訟を起こし違法性が認められれば、その職場の認識自体が、その職場において常識だと思っていたこと自体が改善される。なので、イとウは、そのように機能を異にする場合があるので、両方が必要になるのだろうと思います。

 もう1つは、イに「労働審判の対象になる」と書いてありますが、現実的には難しい。なぜかというと、確かに、労働審判の対象にはなりますが、恐らく、裁判官は少し筋違いではないかと思うと思います。なぜかというと、労働審判は御案内のとおり、3回の期日で決着を付けるという原則なのです。なので、解雇や賃金の未払いというように、何らかの判断において客観的な指標が提供し得るようなもの。それだと、例えば、和解のための提案もしやすいけれど、パワハラについては、3回の期日までに十分な判定ができるような証拠がそろわないし難しいだろうと思います。恐らく、それは訴訟にいってくださいというのが裁判官の本音だと思います。

 そのためにも、イはそういう意味で重要ではないか。なので、対応としては、まずは措置義務を定めた法令を何らかの形で作る。そして、義務としてはパワーハラスメントについての措置を講じる。ただし、例えば、カスタマーハラスメントが起こらないような職場について、企業としての対応をすれば、それは歓迎します。義務ではないがウェルカムですよとすればいいと思います。そういう方向を1つのたたき台として検討すべきだということが私の意見です。

 もう1点だけ、カスタマーハラスメントについては、随分丁寧に御説明いただきましたので、意見を申し上げます。中にはパワーハラスメントの領域に含め得るものもあると思うので、その観点からは、今私が言った対策でも対応できると思います。例えば、コンビニエンスストアのような所で顧客からハラスメント的行為を受けるというのは、不特定多数が相手であって、どの客にも平等に対応しなければいけないので、それをパワハラの観点から考えるのはなかなか難しい。

 しかし、生命保険の外交員で営業している方々は、領域と人間が決まっているのです。例えば、私の担当の生命保険会社の方は決まっているのです。誰々さんが何々生命の私の担当なのです。そうすると、それは業務ですね。明らかにハラスメントをするという苦情が申し出されているような人に担当の業務をさせている。それが、例えば、少し困っているのですけれどもと言ってもやめないというのであれば、それは業務の適正な範囲という観点から間接的な形で対応できるのです。先ほど申し上げた、そうでない、コンビニのように不特定多数の方から場合によっては受け得るというところまでは、別途、検討の対応とするということでいけるのではないかと思います。以上です。

 

○杉崎委員

 今、ウの取扱いについて多くの意見が出されました。資料2の参考資料の7ページ、パワハラの予防・解決の取組のための実施状況のグラフを見ると、これは平成28年度調査で、中小企業など企業規模が小さくなるほど取組を実施している割合が小さくなり、99人以下については26%という実施状況です。これを高めていく必要があるのは言うまでもないのですが、こうした状況を踏まえ現実的にはエとオを通じて高めていくことが適当と考えます。ウの取扱いについては、こうした調査状況を踏まえて、将来的な検討課題とするのが現実的な対応だと考えます。

 

○久保村委員

 私もエとオで進めていくべきかと思います。現場感で言うと、パワーハラスメントという言葉は、研修やその他意識付けの教育はやり続けており、ある程度浸透してきています。同じグループでも、非常に小さい規模の企業においては、パワハラという言葉を知っていても、実際、どのように対応すればいいのかということさえ分かっていない企業はあります。

 そういう中で、最低限の意識付けというところから、まずは進めていかなければいけないのが現実だと思います。今、世の中には中小企業が非常に多く、そこにきちんと浸透させていくという意味においても、まず一歩というところから進めていくべきかと思います。

 

○内村委員

 労働相談を受けている立場から、申し上げます。ここのところ連合、労働組合、各行政でも、多くの相談の中で、いわゆるパワハラの相談事例が多くなってきているということが、まず1つ現実としてあります。私ども連合の場合は、労働組合がある所はまだそれでもいいのですが、御存じのように、今、労働組合のない職場で働いている方の相談が圧倒的に多いということで、職場のパワハラを防止しなければいけない。

 全体的な機運が高まっていけば高まっていくほど、「私、今まで我慢してたけど、やっぱりなんとかしなきゃ」と手を挙げて相談をしてくる方もどんどん増えてきます。その一方で、実際に過労自殺と言われていますが、過労でなくても精神的なストレスが原因でメンタルになって、突発的な自殺が現実としてある。特に若者に増えてきているということもありますので、ここは一刻も早く、段階的にという気持ちも分かりますけれど、これは早くやらなければいけないのではないかと思います。

 ウの場合、「事業主に対して、職場のパワーハラスメントの防止等について雇用管理上の措置を義務付けて、違反があった場合の行政機関による指導について法律に規定することで、個々の職場において、パワーハラスメントが生じない、労働者が就業しやすい職場環境の整備を図る」と。これは、単純に言えば、どこもおかしくないと思います。逆に言うと、なぜ、この措置ができないのかということを教えていただければと思います。

 

○野川委員

 企業側のおっしゃっていることはよく分かりますが、先ほど申し上げたように、アカウンタビリティが企業側にあるのはオブリゲーションだからなのです。オブリゲーションではないということが立証されない限りは、やはり、オブリゲーションは何らかの措置を講ずることによって果たされるのであって、今回の措置義務というのは、最も柔らかな形で示されているわけです。

 直ちに、ウはパワハラ罪やパワハラ不法行為であるというものを作ろうということではない。先ほどもあったように、まずはパワハラが起こらないような職場を作るという措置を具体的に講じるということを出発点として、かつてセクハラがなぜ悪いのだという社長もたくさんいましたが、今ではそうではなくなったように、それは企業にとっても国際的に見ても、とてもいい日本の企業の慣行になったと思いますので、その点は、認識していただければと思います。

 

○布山委員

 同じように使用者側から意見を言っているもので共通していると思うのですが、まず、誤解していただきたくないのは、パワハラがあっていいとは少しも思っていません。どのように対応するのかという中で、エがいいのではと思っているのは、パワハラの背景や内容は、これまで議論していたとおり千差万別だということを懸念しているからです。その中で、具体的にやってはいけないと書いて、防止措置を事業主に義務付けるとしたとき、ではパワハラとは何なのだと、また元へ戻ってしまいます。

 定義がきちんとしていれば、それはパワハラに該当するのでしてはいけないという対応ができるのです。結局、今日の段階でも、うやむやのままになっているので、それで義務付けたときにどのようになるのかという、そういうことも含めて、今、本当にできるのかどうかということを議論したいと思い発言してみました。そういう意味で、まず、ガイドライン的なものを作って、その中身で、ある程度確定したものが進めば、その次のステップで、何かあるのかということは考えられるかと思っています。

 

○小保方委員

 先ほど、杉崎さんからお示しいただいた資料の7ページがあったと思うのですが、私は逆に、こういう状況だからこそ、できるだけ強制力のある形で法制化しないと、やはり厳しいと思っています。大企業は比較的、取組が進んでいると思うのですが、恐らく、示されてくる措置義務の内容は、多くの大企業においては一定程度形が整っているものが出てくると思います。そこは、今用意しているものが、実効性のあるものになっているのかというPDCAを回していくという視点が大企業に必要な視点だと思います。

 逆に、中小企業になればなるほど対策率が低くなっているというのは、恐らく、パワハラだけではなくてセクハラもそうだと思いますし、もっと言えば、ほかの何らかの対策においても大体同じような傾向になっているのだと思っております。法制化をしていく上での1つの視点として、これは難易度が高いと思うのですが、中小企業において、例えば、大企業と同じように研修をしっかりとやるためにはどのようにしたらいいのかという、ここの視点は持ち合わせた上で支援策を検討していく必要があるということと、最後におっしゃられた、結局、パワハラとは何なのだというようにならないようにできるだけ定義はクリアにし、かつ、例示も充実させるという前提は必要だと思います。例えば、マネージャーだけではなくて、社員も含めた研修を毎年繰り返していく中で、パワハラとは何かというところが、大分クリアになってくる。これをしっかりやっていくことが必要なのではないかと思いますので、その前提だけお伝えしておきます。

 

○佐藤座長

 まず、パワーハラスメントが増えているという現状の中で、これまで以上に防止対策を進めるという点では、皆さん意見が一致されていると思います。どのようにそれを進めるのかということで、エ、オでいいという方もいらっしゃれば、ウあるいは少しイも含めてということがあったと思います。

 多分、ウにしてもエにしても大事なのは、「パワーハラスメントが何か」です。どういう背景で起きたのかという、多分、そこのところをどのようにきちんとやるのかで、実際、エやウも同じで、ガイドラインでやる場合も同じだと思います。では、措置義務とは何をやればいいのかということです。これがパワーハラスメントなのかということが、分からないとやりにくいという話だと思いますので、前半で出た議論をもう少し、野川委員が、職場の上司のということも含めて、多分、そういうことがきちんとなっていくと後ろの所も変わってくると思いますので、その辺りを少し、もう一度整理していただければと思います。

 

○上田雇用機会均等課長補佐

 本日は誠にありがとうございました。次回については詳細が決まり次第、改めて御連絡いたします。また、毎度お願いしている話ですが、検討会終了後、議事録の確認をお願いしており、今回も御協力をお願いしたいと思っておりますので、また改めて、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。

 

○佐藤座長

 第7回職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会を終了いたします。活発な御議論ありがとうございました。

 


(了)

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