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2017年9月14日 第2回労働政策審議会雇用環境・均等分科会

雇用環境・均等局総務課

○日時

平成29年9月14日(木)


○場所

三田共用会議所大会議室


○出席者

公益代表委員

奥宮委員、権丈委員、武石委員

労働者代表委員

井上委員、齋藤委員、山中委員

使用者代表委員

飯島委員、中澤委員、中西委員、布山委員

厚生労働省

宮川雇用環境・均等局長、成田大臣官房審議官、岸本総務課長、堀井雇用機会均等課長、源河職業生活両立課長、元木在宅労働課長、岡企画官、田村労働紛争処理業務室長、池田ハラスメント防止対策室長、宇野多様な働き方推進室長

○議題

1 2016年度の年度評価及び2017年度の目標設定について
2 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について(諮問)
3 同一労働同一賃金部会の報告について

○配布資料

資料1 2016年度の年度評価及び2017年度の目標
資料2 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱
資料3 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について(平成29年9月12日同一労働同一賃金部会報告)
参考資料1 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱関係参考資料
参考資料2 労働時間等設定改善法の一部改正、雇用対策法の一部改正に関する参照条分
参考資料3 同一労働同一賃金に関する法整備について(平成29年6月9日報告)
参考資料4-1 労働時間等設定改善指針の一部を改正する告示(案)に関するご意見について(パブリックコメント)
参考資料4-2 子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する告示(案)に関するご意見について(パブリックコメント)

○議事

○奥宮会長 それでは、ただいまから第2回「労働政策審議会雇用環境・均等分科会」を開催いたします。
 本日は、小畑委員、川田委員、中窪委員、松岡委員、山崎委員、塩島委員から御欠席の御連絡をいただいております。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日の議題は、
 1 2016年度の年度評価及び2017年度の目標設定について
 2 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について(諮問)
 3 同一労働同一賃金部会の報告について
でございます。
 まず、議題1について、事務局から説明をお願いいたします。

○岡企画官 それでは、お手元の資料1-1をごらんいただきたいと思います。「2016年度評価シート(案)」でございます。
 我が局では、3つの目標を立てて施策を推進してまいりました。
 まず、1つ目が「マル1 常時雇用する労働者が300人以下の事業主の女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画届出件数」でございます。2016年度の目標を2,000社としておりましたが、実績のほうは2,788社ということで目標を達成することができました。
 「マル2 次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみんマーク取得)企業数」は、2016年度の目標を2,700社としておりましたが、実績は2,695社ということで5社足りませんでしたけれども、ほぼ目標を達成したところでございます。
 「マル3 男性の育児休業取得率」につきましては、ここ数年4%の目標を立ててまいりまして、2016年度も4%の目標でございましたが、実績については3.16%でございました。
 なお、参考値といたしまして、その下に数字を2つ載せてございます。1つ目は「配偶者の出産直後の休暇取得割合」ということで、2015年のデータでございますけれども55.9%、「産後休業中の育児参加のための休暇制度利用者割合」は2016年度のデータでございますけれども、24.5%ということで男性の育児に係るデータでございます。
 2ページの上は、「2016年度目標設定における考え方」を示してございます。
 マル1の女性活躍推進法に基づく行動計画の件数につきましては、2016年度が施行初年度ということもありまして、次世代法の施行初年度のときの状況を参考にいたしまして、2,000社を目標としたところでございます。
 マル2の次世代育成支援対策推進法に基づく認定企業数につきましては、2020年度に3,000社とするという目標がございます。それに向けてということで2,700社を目標としておりました。
 マル3の男性育休取得率につきましては、先ほども申し上げましたけれども、ここ数年来4%の目標を立てておりましたが、目標を達成していなかったことから4%に据え置いておったものでございます。

 昨年度の「施策実施状況」でございますが、マル1、マル2の2の女性活躍推進法に基づく行動計画、マル2のくるみんの企業数につきましては、それぞれの法律の制度の周知を図ってきたところでございます。また、マル3の男性の育休取得率につきましては、育休法の周知啓発とともにイクメン企業アワード、イクボスアワードの実施などによる社会的機運の醸成、また、助成金の活用による推進ということをやってまいりました。
 「2016年度施策実施状況に係る分析」でございますけれども、マル1の女性活躍推進法に基づく行動計画の届け出件数につきましては、先ほど申し上げましたように目標を上回ることができました。
 マル2の次世代法に基づく認定企業数につきましても、5社足りなかったわけですけれども、2020年度の3,000社に向けて順調に増加をしているところでございます。
 マル3の育休取得率につきましては、実績は2015年度の2.65%に対しまして、2016年度は3.16%ということで取得率は上昇して過去最高の水準にはなりましたが、依然として低水準にとどまっているところでございます。
 その下の男性の育休取得率の低い状況につきましてはいろいろなデータを見ますと、男性は「収入が減ってしまうから」という理由でなかなか取得できない、あるいは「職場で育児休業を取得している人がいなくて言い出しにくかった」、あるいは「仕事が忙しい」といった理由でなかなか取得できていないということでございます。なお、先ほども申し上げましたけれども、配偶者の出産直後の休暇取得割合というのは55.9%、あるいは産後休業中の育児参加のための休暇利用者の割合は24.5%ということで、ほかの数値を見ますと男性の育児のかかわりというのはあることがわかります。
 今後の方針でございますけれども、マル1とマル2はほぼ目的を達成しているということで、引き続き説明会や相談会の実施、あるいは助成金の周知を図りまして、さらに推進をしていきたいと考えてございます。
 4ページに行きますが、「マル3 男性の育児休業取得率」につきましては、先ほども申し上げたような背景もございますので、検討会を通じまして、今後、施策の見直しを総合的に検討していきたいと考えてございます。
 続きまして、資料1-2をごらんいただきたいと思います。2017年度の年度目標でございます。
 1つ目の女性活躍推進法に基づく行動計画の新規届け出件数でございますが、2017年度も昨年度と同じく2,000社ということを考えてございます。昨年度目標の2,000社に対しまして、実績としては2,788社ということで目標をかなり上回ったわけでございますけれども、施行初年度ということで意識の高い企業が多く高い実績を出すことができたわけですが、行動計画は計画期間を定めて取り組むものであり毎年決まって策定するものではないため、今年度に入りまして、少しその届け出のペースが落ちているということもありますが、少なくとも昨年度レベルの目標は達成しようということで2,000社にしたいと考えてございます。
 次世代育成支援対策推進法に基づく認定件数につきましては、2020年度の3,000社に向けて順調に増加しているということで、100社上乗せして2,800社にしたいと考えてございます。
 「男性の育児休業取得率」につきましては、2016年度も4%を達成できなかったということもありまして、2017年度につきましても、引き続き4%に据え置きにしたいと考えてございます。
 以上でございます。

○奥宮会長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。
 齋藤委員。

○齋藤委員 ありがとうございます。
 評価項目におきます「男性の育児休業取得率」についてなのですけれども、今回3.16%ということで初の3%台に乗ったということでございますが、依然として伸び悩んでおりまして、引き続き大きな課題であると考えております。
 この課題の議論に当たりましては、男性が数日休めばそれでいいのだというわけではございませんで、休業期間中に担う男性の役割であったり、あるいは休業後に継続して育児参加できるかが重要であると考えております。研究会におかれましても議論がなされていると思いますが、パパ・クオータ制などの抜本的な施策についても積極的に議論をしていっていただきたいと思っております。
 以上となります。

○奥宮会長 他にございますか。
 中西委員。

○中西委員 ありがとうございます。
 私からは、3点要望させていただきたいと思います。
 まず、資料1-1の2ページ目にございます「施策実施状況」の「マル1常時雇用する労働者が300人以下の事業主の女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画届出件数」の下に書かれている具体的な実施事項の2つ目、3つ目についてです。
 2016年度は中小企業のための女性活躍推進事業といたしまして、全国各地で説明会、相談会、シンポジウムなどが開催されていましたので、それぞれについて結果を分析し、より効果の高い実施にするための方策について御検討をいただきたいと思います。
 同様に女性活躍加速化助成金につきましては、申請件数や申請に関する相談内容などを御確認いただき、より有効に活用されるために改善できることがないかといった観点からの分析をお願いいたしたいと思います。また、どちらも次ページの「施策の達成状況を踏まえた評価及び今後の方針」の中で、今後も引き続き実施する事項とされていますので、昨年度実績の分析を踏まえつつ、より効果の高い実施をお願いしたいと思います。
 次に、要望の2点目は、くるみん認定についてです。
 3ページ目の「施策の達成状況を踏まえた評価及び今後の方針」のマル2に「引き続き、企業に対する認定取得の働きかけを行うとともに、2017年(平成29年)4月から施行された新たな認定基準について周知を図る」とございます。新たな認定基準について、周知に取り組んでいただくとともに、新基準に係る相談の内容や新基準施行後の申請件数への影響などにつきましても確認し、状況に応じた対策を講じていただきたいと思います。
 最後に3点目、「男性の育児休業取得率」につきまして、少々意見、要望を申し上げさせていただきたいと思います。確かに男性の育児休業取得率は一つの指標ではありますが、4ページ目「施策の達成状況を踏まえた評価及び今後の方針」のマル3の記載の通り、男性の仕事と育児の両立を支援することが目的であるならば、育児休業という形以外の育児参加にも目を向ける必要があるのではないかと思います。育児休業を取得する権利が保障されること、また、事業主が育児休業を取得しやすい職場環境をつくることは大切なことではございます。しかしながら、誰が育児休業を取得するかは各家庭や個人の判断に委ねられるものでもあります。したがいまして、例えば内閣府が公表している6歳未満の子供を持つ夫の家事、育児関連時間のデータのような日常的な側面にも目を向け、指標とすることについても御検討いただきたいと思います。
 以上でございます。

○奥宮会長 ただいまのお二方の御意見に何かございますか。事務局。

○堀井雇用機会均等課長 雇用機会均等課長でございます。
 ただいまの中西委員から御質問をいただきました中で、当課の関係の女性の活躍推進法に係る目標に関する御要望をいただきましたので、その関連で、今の時点の私どもで考えていることをお伝えしたいと思います。
 まず、資料1-1の2ページの「施策実施状況」の中で、マル1の2つ目と3つ目のポツについてということで御指摘いただきました。確かに2つ目のポツの「中小企業のための女性活躍推進事業」につきましては、その効果的な実施が必要だろうと考えておりまして、今、委員から御指摘がございましたように、施策の実施状況についてはより効果的に、効果が高い方策をというところの問題意識も踏まえまして、来年度要求におきましては相談対応とか目標の達成状況の検証、あとは改善支援といったことを中心にきめ細やかな支援をやっていきたいと思います。その実施に当たりましても、御指摘のような観点を踏まえて検証していくことだと思います。
 それと、ポツの3点目の助成金のところは、省内でもいろいろな形で助成金の効果的な活用と周知ということも言われておりまして、有効活用されるために来年度要求におきましても事業主のインセンティブではあるのですが、目標達成時と数値目標達成時の助成金の支給で、その取り組みの実効性をより担保するということに着目をして、助成金の活用をしてまいりたいと思います。その前提として、この助成金自体の周知が不十分ではという御指摘もいただいておりますので、それは前回分科会の場でも御説明をさせていただきましたが、関係する方々の御協力も賜りながら引き続きやっていきたいと思います。いただいた御指摘なども踏まえて進めていきます。ありがとうございました。

○源河職業生活両立課長 中西委員から御意見いただきましてありがとうございました。職業生活両立課長の源河です。2点目、3点目についてお答えさせていただきます。
 まず、2点目のくるみん認定基準の関係でございますが、新たな認定基準の周知に関しましては、労使の皆様にも御協力をいただいて進めているところでございます。御指摘いただきましたように、今後この認定基準の影響等がどう出るかについては引き続き見ていきたいと思っております。
 3点目、男性の育児休業でございますが、雇用均等分科会で昨年度目標について議論したときに、男性の育児へのかかわりを示すものとしては育休だけではないのでは、他にも見るものがあるのではないかという御指摘を使側の委員からいただいたところです。今回参考として2つほど数値を出させていただきましたが、安定的、継続的に見られるものとして、どのようなデータがあるかというのは引き続き検討していきたいと思っておりますので、また何かありましたら御指摘いただければと思います。
 以上でございます。

○奥宮会長 布山委員。

○布山委員 今の両課長からの御回答に関連してお願い事項があります。
 まず、一つは助成金関係です。計画のみならず、実績も踏まえた上で、助成金を支給していくということ自体は重々承知しておりますが、たしか単年度でなかなか結果を出せるようなものばかりではなかったような気がしておりますので、助成金はそれぞれの年度の調整というのもきちんとお願いしたいと思います。
 もう一つ、男性の育児休業関連ですけれども、先ほどの中西委員の御指摘のとおり私も育児休業だけにとらわれず、男性がどういうふうにかかわっているかということは重要だと思っています。今、源河課長から発言があった、関連するような休暇制度等についても、経年的にきちんと調査ができるような形の体制を整えていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。

○奥宮会長 よろしいですか。他にございますか。
 それでは、もう御意見はないようですので議題2に入りたいと思います。
 議題2は、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について(諮問)」でございます。
 まず、事務局から御説明をお願いいたします。

○岡企画官 それでは、資料2をごらんいただきたいと思います。「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」でございます。これは、9月8日に厚生労働大臣から労働政策審議会会長の方に諮問がなされたものでございまして、現在、労働政策審議会の下の各分科会でそれぞれの関係する部分について審議をしているところでございます。
 非常にページ数もありますけれども、その中で8本の法律の改正がございます。このうち雇用環境・均等分科会に関係するものといたしましては、一つは労働時間等設定改善法の改正でございます。もう一つは雇用対策法の改正でございます。
 まず、労働時間等設定改善法でございますけれども、41ページの「第六 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の一部改正」ということで、「一 『労働時間等の設定』の定義に、深夜業の回数及び終業から始業までの時間を追加すること」は、現在、国会の方に提出されております労働基準法等の一部改正法案の中に既に盛り込まれている内容でございまして、現行では、この労働時間設定改善法の中の「労働時間等の設定」の定義の中には、労働時間ですとか休日数、年休の時期、その他の労働時間等に関する事項とされておるのですけれども、さらにここにありますように深夜業の回数、いわゆるインターバルの時間というのを追加いたしまして明確化をしておるものでございます。
 二は、今年6月の労政審の建議で盛り込まれた内容でございまして、その建議をもとに今回の法律の中に盛り込む内容でございます。労働時間設定改善法の第2条に事業主等の責務というものがございまして、現行ではその責務の内容といたしまして、業務の繁閑に応じた始業時間や終業時間の設定、あるいは年休をしやすい環境の整備ということが書かれておりますけれども、それに加えまして今回、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間、いわゆるインターバル時間の設定を講ずるように努めなければならないことという努力義務を追加することとしてございます。
 なお、三と四につきましても、労働基準法の改正法案に既に盛り込まれている内容でございますが、こちらについてはいわゆる労働基準法の特例措置に関することになります。労働条件分科会の所管でございまして、そちらで議論をされたものでございます。簡単に申し上げますと、三はより審議を適切化するために衛生委員会を労働時間等設定改善委員会とみなすという規定を廃止すること、四につきましては、現在事業場ごとに労働時間等設定改善委員会を設けまして、そこで決議をした事項が労働基準法に基づく労使協定に代替する効果があるという規定がございますけれども、それを事業場ごとではなくて、企業単位で決議した場合に代替効果があると改正をするものでございます。
 以上が、労働時間等設定改善法に関する改正でございます。
 ページがさかのぼりますけれども、18ページに「第三 雇用対策法の一部改正」がございます。この改正につきましては、これまで雇用対策法は労働者の雇用の安定を目的としておりましたけれども、それに加えまして、今般の働き方改革の考え方を盛り込みまして、職業生活の充実をあわせて図っていく。総合的な労働政策の法律に変えるというものでございます。「二 目的等」のところにも、今申し上げたように職業生活の充実を図っていくという趣旨のことを盛り込んでございます。
 そして、雇用環境・均等分科会に関係するものといたしましては、「三 国の施策」のところでございます。これまでは「三 国の施策」のところに職業安定の関係あるいは職業能力開発の関係施策を並べておったわけでございますけれども、今回の働き方改革では、労働時間の関係あるいは多様な就業形態の関係といったことが盛り込まれましたので、それにあわせまして、この国の施策のところにもそういった職業生活の充実に関する項目を追加してございます。
1といたしまして、 各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することを促進するため、労働時間の短縮その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及、雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保、いわゆる同一労働同一賃金に関する施策を充実すること。
 2といたしまして、女性の職業の安定、及び子の養育または家族の介護を行う者の職業の安定を図るために、雇用の継続、円滑な再就職の促進などの施策を充実すること、ということで、この雇用環境・均等分科会の所掌に関することもここに盛り込まれたものでございます。
 次のページに行きまして「五 基本方針」という項目がございます。この「五 基本方針」の中に今回の働き方改革の考え方などを盛り込みまして、3のところにありますようにそれを閣議決定いたしまして、働き方改革を一過性のものに終わらせずに今後継続的に行っていくようにしようということを考えてございます。なお、4のところにありますように、その基本方針の作成に当たりましては、労働政策審議会の意見も聞きまして実効性のあるものにしていくということにしてございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

○奥宮会長 ありがとうございます。
 ただいまの事務局の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。
 井上委員。

○井上委員 ありがとうございます。
 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の一部改正について、意見と要望を述べさせていただきたいと思います。
 まず、終業から始業までの時間を設定するインターバル休息ですが、1日24時間に占める労働時間に物理的上限、キャップをはめるものであり、長時間労働の是正には極めて有効な方策であると考えております。私ども連合では、かねてより全ての労働者を対象に勤務間インターバルを原則11時間で導入するということを提唱して取り組んでおります。
 今回の改正提案のような努力義務ではなく、法で義務づけるべきであると考えておりますが、この間の働き方改革実現会議あるいは労働条件分科会での建議に至るまでの経過を鑑みれば、今回、努力義務が入ることについては、第一歩として評価できるものであるのではないかと考えております。
 この間の連合の取り組みを少し紹介させていただきますと、春の春季生活闘争において、インターバル規制の導入について要求をしている組合が多くなってきております。一定程度妥結もしていたり、あるいは協約へ明文化をするなど着実に取り組みは進んでいるところだと思っております。その意味では、現在、有識者の検討会が開かれていると思いますけれども、こちらのほうは労使の委員も参加をして、年度内には取りまとめがされると聞いております。制度の名称はそれぞれさまざまであったとしても、多くの企業でこのインターバル休息が導入をされて、そして、労働時間の縮減につながることをぜひ期待したいと思っております。
 その意味では、検討会の事務局である厚生労働省の御尽力をぜひお願いしたいと思いますし、今回のインターバル休息の努力義務の導入なのですが、法律の名前自体が労働基準法と違いまして非常に難しい名前となっていて、そういう意味では、この周知をぜひしっかりと丁寧にやっていただき、労働時間の縮減に向けた取り組みが企業の中でできるようにお取り組みをいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

○奥宮会長 他にございますでしょうか。
 それでは、他に御質問、御意見ございませんようですので、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について、当分科会としては、厚生労働省案は、当分科会所管関係については「おおむね妥当」とし、その旨を私から労働政策審議会会長に御報告申し上げたいと思います。それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○奥宮会長 それでは、皆様の御異議がないようですので、この旨の報告を取りまとめることにしたいと思います。
 次に、議題3の「同一労働同一賃金部会の報告について」でございます。
 これにつきましては、既に同一労働同一賃金部会にて審議され、結論を得ておりますので御報告のみいただきたいと思います。
 事務局から、御説明をお願いいたします。

○宇野多様な働き方推進室長 多様な働き方推進室長でございます。私から資料3を御説明させていただきたいと思っております。
 資料3にありますとおり、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」、先ほど議題2にありました全体の法律案要綱の中で同一労働同一賃金部会の所管部分について、9月12日にここにありますとおり「当部会所管関係については、別添のとおりとして、おおむね妥当と認める」という御報告をいただいております。本日につきましては、この部会報告の内容につきまして私から説明をさせていただきたいと思っております。
 全体の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」自体は、制定順に並んでおります。その順番が前後しますけれども、説明の理解のために12ページから御説明させていただきたいと思います。また、あわせてこの法律案要綱につきましては、参考資料3にあります「同一労働同一賃金に関する法整備について(報告)」という建議がございます。基本的には、この建議を忠実に法案化したものでございますので、適宜資料説明の中で建議を引かせていただければと思っております。
 それでは12ページ、「第七 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部改正」でございます。
 今回の改正は、いわゆるパート法の対象に有期雇用労働者も加えることにしたいと思います。そのため、まず一番ですけれども、題名を「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」に改めさせていただきたいと思っております。
 「二 定義」ですけれども、改正事項といたしましては、まず1番の「短時間労働者」につきましては、「同一の事業所」という今まで事業所単位だったものを今回「同一の事業主」と企業単位で見る旨の改正を行います。これは、有期雇用労働者につきましては後ほど説明いたしますけれども、今まで労働契約法で同様の均衡待遇の規定がございましたが、こちらが同一事業主という企業単位で見ていたものですから、そこと整合性を合わせるために企業単位で改正をさせていただきたいと思います。このほか2番、3番でありますとおり、有期雇用労働者、短時間・有期雇用労働者の定義を置くこととしております。
 「三 基本的理念」につきましては、建議にあります「1 基本的考え方」の部分について反映させていただきまして、基本的理念として表現したものがここにあります。
 「四 不合理な待遇の禁止」は、現行のパート法の第8条にありますいわゆる均衡規定でございます。均衡規定につきまして、建議のほうで引きますと参考資料3の3ページの2つ目の○にありますけれども、「待遇差が不合理と認められるか否かの判断は、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に対応する考慮要素で判断されるべき旨を明確化することが適当である」とされております。この表現を踏まえまして、ここの「ごとに」という待遇のそれぞれについて、待遇ごとに不合理の判断をするという改正案になっているのが資料3の四番でございます。プラスで、有期雇用労働者も対象に加えた改正になっております。
 14ページ、「五 通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止」でございます。これは、現行のパート法第9条のいわゆる均等規定でございます。
 均等規定につきましては、同じように有期雇用労働者を対象にしまして、有期雇用労働者についても、この均等の規定の対象とするような改正となっております。
 14ページの後ろから2行目、「六 賃金」も現行で申しますとパート法第10条でございます。パート法第10条の規定で改正した部分は、同じように有期雇用労働者を加えるという部分と、15ページの六番のところの後ろから2行目の「その賃金」というところに「(通勤手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)」とありますけれども、これは現行条文では通勤手当と退職手当を例示しておりました。今回の改正では退職手当につきまして、職務費関連の手当とは言い切れない部分もございますので、法律の例示からは削除した改正を行うこととしております。
 「七 福利厚生施設」につきましては、有期雇用労働者を加えるとともに、今回は均衡規定、均等規定を強化しておりますので、それのバランスをとりまして、今までここは配慮義務だったのですが、義務規定に改正させていただいております。
 「八 事業主が講ずる措置の内容等の説明」は、事業主が講ずる措置について内容を説明しなければならないという義務規定でございます。現行にもございましたけれども、一部ここを強化させていただいております。
 まず、第1項は雇い入れ時の説明義務でございます。「事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、四から七まで並びに第十一条及び第十三条の規定により措置を講ずべきこととされている事項に関し講ずることとしている措置の内容について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならないものとすること」というものですけれども、現行からは対象に有期雇用労働者を追加しておりますことと、四番は均衡規定ですけれども、ここが説明義務として追加されております。
 第2項は実際に雇われた後、労働者への待遇差等の説明義務でございます。これは労働者から求めがあった際には、待遇差の説明義務をお願いしています。現行条文と比べますと、「待遇の相違の内容及び理由」の部分、または四番の均衡規定の部分が追加されております。対象者が有期雇用労働者であることも追加されております。
 16ページを見ていただきますと、3番で解雇その他不利益な取り扱いの禁止規定がございます。これは、2番で説明を求めた労働者に対しての不利益取り扱いの禁止でございます。
 「九 指針」に対しては、昨年12月末に働き方改革の関係で同一労働同一賃金のガイドライン案が出ております。そのガイドライン案の法的根拠となる規定として、ここに設けさせていただいております。
 「十 紛争の解決」の改正につきましては、現在パート法には紛争の解決に関する規定といたしまして、いわゆる裁判外のADR、調停の機能がございますけれども、この対象に四番の均衡規定について追加するということでございます。
 「十一 その他」ということで、「四から八までのもののほか、この法律の規定の対象に有期雇用労働者を追加すること」とありまして、この紛争の解決につきましても、有期雇用労働者が追加されてございます。
 17ページ、「第八 労働契約法の一部改正」でございます。
 有期雇用労働者の均衡に関する規定は、これまでは労働契約法の第20条に規定されておりました。今般パート法に寄せまして、いわゆるパート有期法ということで有期雇用の均衡に関する規定がパート法に移ることに伴いまして、「一 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止に関する規定を削除すること」「二 その他所要の規定の整備を行うこと」というのが一部改正の内容でございます。
 以上が、パート有期法及び労働契約法の改正内容でございます。
 続きまして、派遣法の説明をさせていただきたいと思いますので、1ページに戻っていただけますでしょうか。
 今回は、非正規労働者の待遇改善ということで、パートタイム、有期雇用契約、派遣労働者、これらの処遇改善に資する規定の改正を行うこととしております。そのため、この派遣労働者につきましても、基本的にはパート、有期と並びというか同じ規定を置くこととしておりますけれども、派遣労働者につきましては、働き方の特性によりまして若干規定が異なっております。
 異なっている部分につきましては、恐縮ですが、建議の4ページの「(2)派遣労働者」というところがございます。ちょっと長いのですが、1パラでありますと現在派遣労働者につきましては、労働者派遣法で配慮義務という形で規定がマル1からマル2、マル3とございます。次の2つ目の○にありますとおり派遣労働者というのは、御存じのとおり実際の就業場所は派遣先です。業務内容も派遣先の業務内容に近いものですから、当然、均衡・均等の判定は派遣先というのが考えられております。2つ目にありますとおり、派遣元の正規雇用との均衡の判断は現実的には容易とは言えないということでございます。
 ただ、3つ目の○にありますとおり、派遣先の均等・均衡につきましては賃金決定を行う場合、派遣先が変わるごとに賃金水準が異なる。そのため、派遣労働者の所得が不安定になることが想定されると。
 もう一つは、次のパラグラフで「また」にありますとおり、賃金水準が大企業であるほど高く、小規模の企業になるほど低い傾向があるけれども、派遣労働者の担う職務の難易度が同種の業務であって、大企業ほど高度で、小規模の企業ほど容易とは必ずしも言えませんということで、派遣元事業主において、派遣労働者のキャリア形成を考慮した派遣先への配置を行っていくことが困難になってくるということが懸念されるというか、結果としては、不整合な事態を招くこともあり得ると建議では求められています。
 それに従って建議の中では、5ページの1つ目の○にありますとおり、「1)派遣先の労働者との均等・均衡による待遇改善か、2)労使協定による一定水準を満たす待遇決定による待遇改善かの選択制とすることが適当である」ということになっております。派遣労働者につきましては、いわゆるパート有期法と同じような形で派遣先との均衡・均等と労使協定の制度と2つに分かれておりますので、そういった今回の建議の内容を踏まえた法案になっていることをあらかじめ御承知おきいただければと思っています。
 具体的な内容につきましては、1ページ目をごらんいただければと思います。一番につきましてはまさに派遣の特有ですけれども、派遣先に対して派遣先の労働者の賃金等の待遇に関する情報提供義務を課しております。変更があった場合も同様でございます。派遣先からの情報提供がない場合には、派遣契約を締結してはならないという規定もございます。これは、要は比較すべき情報がないと、派遣元で派遣労働者の待遇が決められないために置いた規定でございます。具体的には、第1項で派遣先から派遣元への待遇情報の提供義務に関する規定を置いております。
 2番では、実際に提供する「比較対象労働者」の定義規定も置いております。
 3番は、待遇情報の提供がない場合には、派遣契約の締結をしてはならないということの規定を置いています。
 4番では、待遇情報に変更があった場合は、遅滞なく派遣元に情報提供しなければならないという形になっています。
第5項は、派遣料金に関する配慮義務規定でございます。建議の中で派遣先に対し、派遣料金の設定に際し、派遣元事業主が派遣先均等・均衡方式、労使協定方式を遵守できるよう、必要な配慮義務を設けると書いてあるところを受けて書いております。
 「二 不合理な待遇の禁止等」でございます。先ほど御説明いたしましたとおり、ここで派遣労働者の均衡・均等、労使協定方式について規定をしております。
 まず、1番が派遣先均衡に関する規定でございまして、先ほど申し上げましたパート有期法の四番の均衡規定とパラレルとして同じ規定を置いております。
 3ページを見ていただきますと2番、規定が長くて恐縮ですけれども、今度は派遣先との均等規定で、これはパート有期法の部分の五番に当たる均等規定とパラレルの関係になっております。
 3番のほうが、派遣特有のもう一方の選択方式である労使協定方式でございます。労使協定の内容の要件は4ページ目に書いてあるのですが、これらの定めた労使協定の要件を過半数代表者と締結すればということで、3ページの後ろから2行目のところの「次に掲げる事項を定めたときは、1及び2」というのは、先ほど前にありました派遣先均衡・均等ですけれども、「1及び2は、(一)に掲げる範囲に属する派遣労働者の待遇については適用しないものとすること」となっていまして、1番、2番を適用しない。3番を結べば1番、2番を適用しないという条文構成になっております。
 なお、ただし書きにつきましては、協定内容の実際の履行を担保するための規定でございます。実は、この規定につきましては、諮問案文の中に入っておりませんので、諮問後に修正したところでございます。同一労働同一賃金部会につきましては、この修正点を含めておおむね妥当とされたところでございます。
 4ページに労使協定の内容が規定されております。(一)が派遣労働者の協定を定めるところによることとされる派遣労働者の範囲でございます。
 (二)が、その範囲に属する派遣労働者の賃金の決定方法のことであります。賃金の決定方法につきましては、イとロを満たさなければなりません。
 イにつきましては、「派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものであること」。
 ロのほうが、「派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に賃金が改善されるものであること」。この2つを満たした賃金の決定方法を協定に記していただきます。
 (三)は、(二)の賃金の決定の方法により賃金を実際に個々の労働者に決定するに当たって、職務の内容、職務の成果、意欲、能力、または経験等を公正に評価し、その賃金を決定することというのを規定していただきます。
 (四)は、賃金以外の待遇の決定方法でございます。派遣労働者の賃金以外の待遇のそれぞれについては、通常の労働者と不合理と認められる相違が生じることにならないものに限るように規定するようになっています。
 5ページの(五)の「第三十条の二第一項」は、労働者派遣法にあります段階的かつ体系的な教育訓練が派遣元事業主の義務規定になっていますけれども、そこの規定に基づく教育訓練を実施しなさいということでございます。(六)は「(一)から(五)までに掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項」について規定してくださいということになっております。
 以上が労使協定でございまして、4番はこの協定について周知義務に関する規定を置いております。
 5ページの三番及び6ページの四番は、パート有期法で同様の規定がございますが、三番は賃金の決定のことで、不合理な待遇差がない状態のままでも、通常の労働者との均衡を考慮した賃金決定を求めている努力義務規定でございます。これはパート有期法と並びでございます。また、「四 就業規則の作成の手続」はパート法の第7条にありますけれども、これも同じ規定を派遣法に適用するものでございます。
 「五 待遇に関する説明の規定」でございます。これも先ほど御説明しましたとおり、パート有期法と同様の規定でございますけれども、1番は雇い入れ時の説明義務を書いておりますが、7ページの2番は労働者を派遣するときの説明義務に関する規定を設けています。ここはパート有期法とは異なる部分でございます。3番は、派遣労働者が実際に派遣されているときに求めた場合の待遇差の内容及び理由の説明に関する規定。8ページの4番のところは求めをしたことによる解雇、その他不利益な取り扱いの禁止の規定でございます。
 8ページの「六 派遣先への通知」と「七 派遣元管理台帳」について、それぞれ協定対象か否かということについての別を追加するような規定でございます。
 「八 適正な派遣就業の確保等」は主に派遣先に対する規定です。ここは従来もあった規定を今回権利で許可するようにとお求めがございましたので、それに伴って規定をさせていただいております。
 まず1番ですけれども、派遣先による教育訓練に関する規定でございます。改正するのは語尾の部分で現在の配慮義務ですが、9ページの前から3行目ですけれども、配慮義務から「必要な措置を講じなければならないものとすること」と義務規定としたものでございます。
 2番は、福利厚生施設の利用に関する規定でございます。これも1番と同様に現行の配慮義務から「利用の機会を与えなければならないものとすること」という義務に格上げしております。
 第3項は、診療所等の適正な就業環境の維持に関する規定でございます。こちらは現在努力義務になっておりますので配慮義務に格上げをしております。
 第4項は、派遣先は派遣元が実施しなければならないこととされている段階的、体系的な職業訓練ですとか、派遣先均衡・均等方式、労使協定方式、待遇差の内容、理由の説明の措置が適切に講じられるようにするために派遣元事業主の求めに応じて、派遣先に雇用される労働者に関する情報ですとか、派遣労働者の業務の遂行の状況について、措置に必要なものを提供等必要な協力をするよう配慮しなければならないということになっています。これを努力義務から配慮義務に格上げをしております。
 10ページの「九 派遣先管理台帳」につきましては、協定対象派遣労働者であるか否かを追加するものでございます。
 「十 紛争の解決」は、パート法では現在もあるものですけれども、派遣法にはございませんので、労働者派遣法に新たに追加したことでございます。
 「1 苦情の自主的解決」につきましては、派遣元事業主は派遣先均衡・均等方式や労使協定方式、待遇等の説明義務の履行に関し、派遣労働者から苦情の申し出を受けたとき、あと、派遣先に対して申し出た苦情の内容が当該派遣先から通知されたときは、自主的な解決を図るように努めなければならないという規定でございます。(二)は、派遣先への自主的な解決を図るように努めなければならないという規定でございます。
 2番は、今申し上げた派遣労働者と派遣元、あるいは派遣先との間の紛争につきましては、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の規定は適用しないと。以下の3及び4に定めるところによるものとすることとしております。
 11ページの「3 紛争の解決の援助」につきましては、先ほどの紛争に関しまして、双方または一方から解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導または勧告をすることができるものとすると。(二)は「派遣元事業主及び派遣先は、派遣労働者が(一)の援助を求めたことを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないものとすること」という規定でございます。
 「4 調停」でございまして、「(一)都道府県労働局長は、2の紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第六条第一項の紛争調整委員会に調停を行わせるものとすること」。
 (二)は、不利益取り扱いの禁止を準用するという規定で、(三)は手続については均等法の規定を準用する。必要な読みかえを行うものとするということで、これは現行のパート法と同様の規定になってございます。
 12ページの「十一 公表等」でございます。これを派遣先に対する行政指導に関する規定の改正でございます。一の1というのは派遣先から派遣元への待遇情報提供、八の1、八の2の派遣先の教育訓練、福利厚生施設の利用に関する事項につきましては、厚生労働大臣の勧告及び公表の対象とするものとなっております。なお、ここには法改正事項ではありませんので記述しておりませんけれども、労働者派遣法につきましては、派遣元事業主が講ずべきこととされる事項については、その条文を指定せずに報告聴取、指導及び助言、改善命令、事業停止命令、許可取り消し等の対象になりますので、今まで説明しました派遣元に対する義務規定は対象となります。
 「十二 その他」で、「その他所要の規定の整備を行うこと」とされております。
 長くなって恐縮ですけれども、最後に施行期日等について御説明したいと思っております。17ページをごらんいただけますでしょうか。
 「一 施行期日」につきましては、今回働き方改革の関連法全体で労働基準法等も平成31年4月1日となっておりますので、この法律も平成31年4月1日から施行するとなっております。
 もう一つ「二 経過措置」がございまして、中小企業基本法の定義に合わせておりますけれども、中小事業主につきましては、17ページの一番後ろの行の「平成三十二年三月三十一日までの間、第七による改正後の短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第二条第一項、第三条、第三章第一節及び第四章の規定は、適用しないものとすること」ということで、パート有期法につきましては、中小企業につきましては1年間猶予という規定になっております。その猶予期間につきましては、現行の条文が「なおその効力を有するものとすること」という規定になっております。
 最後に「三 検討規定」でございまして、「1 政府は、この法律の施行後五年を目途として、改正後の各法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること」とされております。
 説明は以上でございます。

○奥宮会長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明について、御質問がありましたらお願いいたします。
 中澤委員。

○中澤委員 派遣法のところなのですけれども、労使協定による場合とそうでない2つのとおりがあるのですけれども、ずっと御説明いただいていて、教育訓練のところが2か所出てくるような気がするのですが、それは正確にはどういうことなのでしょうか。

○宇野多様な働き方推進室長 説明をはしょってしまったもので申しわけございません。派遣元と派遣先とそれぞれ教育訓練がかかりまして。

○中澤委員 それは両方受けるということですか。

○宇野多様な働き方推進室長 それは内容によって、具体的な派遣先の教育訓練の義務というのは、派遣先において、派遣労働者が実際に仕事をする際にどうしても必要な訓練については派遣先が提供しなければいけない。実際派遣先の雇用されている労働者がその業務を行うに当たって必要な訓練があると思います。行うその訓練については、派遣労働者に対してもその場合は応じるようにということで、それに関してだけ義務規定がかかっていると。例えば特殊な機械を使わなければいけないような特殊な仕事の場合に、その機械の訓練をさせないとできないものですから、そういうものに限っては派遣先、それ以外のキャリアアップにつながるような段階的、体系的な職業訓練は派遣元という制度です。

○中澤委員 福利厚生も同じですか。

○宇野多様な働き方推進室長 そうです。福利厚生は派遣先のほうで、基本的に更衣室とか食堂というものにつきましては働く場所によってやっていますので、そういったものについては協定対象になくても派遣先の義務規定になっています。

○中澤委員 わかりました。ありがとうございました。

○奥宮会長 他にございませんか。よろしいでしょうか。
 他に御質問等がないようでしたら、議題2及び議題3をまとめまして、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について、当分科会としては、厚生労働省案は当分科会所管関係についてはおおむね妥当とし、同一労働同一賃金部会の所管事項については、先ほどの資料3のとおりとして、私から労働政策審議会会長に御報告申し上げたいと思います。
 これについて、事務局から案文が用意されておりますので配付をお願いいたします。

(報告文(案)配付)

○奥宮会長 今、配付されました案文について、事務局から補足説明をお願いいたします。

○岡企画官 今、配付いたしました案文の中で、「同一労働同一賃金部会の所管部分については、別紙『記』のとおり」とございます。本来であれば、この紙の後ろに「別紙」といたしまして、先ほどの資料3の同一労働同一賃金部会長から雇用環境・均等分科会長への報告の一式をつけないといけないのですけれども、そこは省略させていただいておりますが、内容といたしましてはこの報告のとおりということでございます。
 以上でございます。

○奥宮会長 よろしいでしょうか。
 それでは報告文について、ただいまお手元にお配りした案文のとおりでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○奥宮会長 異議がないようですので、この案文をもって私から労働政策審議会会長に報告いたします。
 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。
 最後に、本日の議事録の署名委員は、労働者代表は齋藤委員、使用者代表は中澤委員にお願いいたします。
 皆様、お忙しい中、ありがとうございました。


(了)

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