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2017年12月25日 第11回新型インフルエンザ対策に関する小委員会 議事録

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成29年12月25日(月)15:00~17:00


○場所

厚生労働省 共用第6会議室(3階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

(1)成人の新型インフルエンザ治療ガイドラインの改訂について
(2)抗インフルエンザウイルス備蓄薬の流通について
(3)パンデミックワクチンの状況について
(4)その他

○議事

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 おそろいですので、少し時間が早いですが、ただいまから、第11回新型インフルエンザ対策に関する小委員会を開催いたします。本日の出席状況ですが、委員12名中11名の出席となっております。山崎委員から欠席の御連絡を頂いております。また、釜萢委員から遅れる旨の連絡がありました。定足数に達しておりますので、会議が成立いたしますことを御報告いたします。

 また、参考人として6名の方をお招きしております。御紹介いたします。国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長の加藤康幸様です。東京都福祉保健局技監の笹井敬子様です。山口県環境保健センター所長の調恒明様です。国立感染症研究所感染症疫学センター第三室長の多屋馨子様です。りんくう総合医療センター総合内科・感染症内科部長兼感染症センター長の倭正也様です。成田赤十字病院感染症科部長の馳亮太様です。本日の会議、よろしくお願いいたします。

 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。それではここから岡部委員長に進行をお願いいたします。

○岡部委員長 こんにちは、川崎市健康安全研究所の岡部です。よく考えてみると来週の今ぐらいはお正月なのですが、大変お忙しい中、お集まりいただいてありがとうございました。それから、参考人の先生方もわざわざおいでいただいてありがとうございました。今日は新型インフルエンザ対策ですが、治療ガイドライン、備蓄薬、パンデミックワクチン、こういったことについての議論を頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、事務局からいつものとおりですが、審議参加に関する遵守事項についての報告をお願いします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 審議参加について御報告します。本日、御出席をされた委員及び参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄付金・契約金などの受取状況について申告を頂きました。該当する製造販売業者や各委員及び参考人からの申告については資料に配布しておりますので、御確認いただければと思います。事務局で申告内容を確認いたしましたが、谷口委員の申告において、武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の寄付金等の受領があったと申告がありましたので、プレパンデミクワクチンに関する意見を述べることはできますが、議決については賛否を表明することはできません。また、川名委員の申告において、塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の寄付金及び講演料の受領があったと申告がございましたので、抗インフルエンザ薬に関する意見を述べることはできますが、議決についての賛否を表明することはできません。

 いずれも定足数に達しており、このほかの審議や議決に不参加となる基準に該当はございませんでした。薬事承認等の申請資料等の作成の関与についても該当はございませんでした。以上です。

○岡部委員長 ありがとうございました。今の点については何かありますか。お二人の委員の方は議論には参加できるが議決には参加できないということですが、今までどおりですが、公平な専門家としての立場で御意見を言っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは配布資料の確認をお願いします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 議事次第、委員名簿、座席図。座席図については、事務局の位置が少し変更になっておりますことを御承知おきください。資料1から資料3のほか、参考資料1から参考資料4になります。議事次第に書かれております配布資料の一覧と照らして不足の資料等がございましたら事務局にお申し付けください。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。抜けているようなことがありましたら事務局におっしゃっていただければと思います。

 それではこの議事123に従って進めていきたいと思います。それでは議題1、資料1ですが、成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン、これは今まで出ているものですが、これの改訂について、御意見を頂きたいと思います。説明は事務局からよろしくお願いします。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 事務局から御説明いたします。資料1ですが、併せて参考資料1が対象になります。今回、成人の新型インフルエンザ治療ガイドラインを研究班で、森島班で改訂を頂きましたので、今回それに関して御報告をさせていただきたいと思います。

 改訂のポイントは主に5点ありまして、1点目が鳥インフルエンザなどの疫学情報の最新版へのアップデートを行っております。また、ファビピラビルの具体的な使用法についての記載が追加されております。3点目として、ノイラミニダーゼ阻害薬の異常行動に関する記述を今回新たに追加しております。また、前回のインフルエンザの小委員会でも御審議いただいたことに関係しますが、重症新型インフルエンザ患者に対するノイラミダーゼ阻害薬の増量、これは倍量、倍期間の投与についてになりますが、エビデンスがないということから削除されております。また、ガイドラインには2017時点で必要に応じて引用文献に追加等が各章において行われております。以上が主な変更点になります。

○岡部委員長 ありがとうございました。今、御説明いただいたとおりですが、これについてまず御意見がございましたらお願いします。よろしいですか。今、事務局から説明がありましたが、特に治療の、これまでの状況の変化というものから幾つか取り入れられているわけですが、既にこれは専門委員会で議論、専門委員会はどこでしたか。公衆衛生のほうですか。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 有識者会議等でこれまでガイドラインの改訂のときに合わせて議論をしていただいた内容が今回記載されております。

○岡部委員長 重症例についても既に議論は経ているので、委員の先生方はどこかで話を聞いていると思うのですが、よろしいでしょうか。

○押谷委員 ちょっと細かいことなのですが、7ページの発生の優先度の高いHA亜型の所で、2番目の一番上はH1N2になっていますが、H2N2の間違いではないのですかね。H1N2はその左側に出ていて。

○岡部委員長 わざわざ黄色く付いている所ですよね。ここは単純なミスではないかと思います。

○大石委員 修正が入ったと理解していたのですが、ちょっとミスがあったようですので、原著を確認させてください。

○岡部委員長 大石先生、実際はH2N2の可能性が高いですよね。

○大石委員 おっしゃるとおりです。

○岡部委員長 ちょっと確認しておいてください。コメントありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。それでは、ここについては、この改訂版の第2版ということになりますね。201711月ということで。これは201711月で出すのですね。それで、クレジットとしては研究開発代表者として森島先生で、厚労省というか、この委員会でエンドースした形になりますので、よろしくお願いいたします。この改訂案については報告をしなければいけないので、厚生科学審議会の感染症部会に報告をするというふうにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。事務局は今の手続についてはよろしいですよね。ありがとうございました。

 次は、これも今まで議論を行っていたことですけれども、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄、これの流通についてということで、議題2になりますので、これも事務局から御説明をお願いいたします。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 それでは、議題2の抗インフルエンザウイルス備蓄薬の流通について説明をいたします。表紙を1ページめくってください。ファビピラビル(アビガン)の流通体制に関しては、薬事承認時に承認条件を付与された形で承認がされております。

 その中で、今回に関係する項目2つを抜粋しております。本剤の使用実態下における有効性及び安全性について十分な検討が必要であることから、適切な製造販売後調査等を実施すること。もう一点は、製造販売する際には、通常のインフルエンザウイルス感染症に使用されることのないよう、厳格な流通管理及び十分な安全対策を実施することが承認条件となっております。また、新型インフルエンザ等対策ガイドラインでも、アビガンの流通体制に関しては記載があり、発生後、速やかに安全性及び有効性の知見・情報を集積する体制を整備する。2つ目として、国が備蓄・管理したアビガンに関しては、国の指示に基づき、指定された医療機関へ放出するという記載があります。

 次ページです。今のことを踏まえた上で、ファビピラビルの管理計画()を提示しています。1つ目に、製造販売業者による安全管理。製造販売業者である富山化学は、備蓄期間中の品質管理、発生時の流通管理、製造販売後調査報告等の方法を定めた安全手順を作成する。

2つ目として、アビガンを使用する医療機関です。新型インフルエンザ等対策ガイドラインにおいて、アビガンは安全性及び有効性の知見が得られていることを踏まえて、新型インフルエンザ発生初期は、感染症指定医療機関に入院した患者に限定するとされております。このことから、国が備蓄・管理をしたアビガンは、特定及び第1種感染症指定医療機関に放出することとしております。安全性及び有効性の知見が得られ、患者の発生状況に応じて使用できる医療機関を拡大することとしたいと思っております。なお、第1種感染症指定医療機関が未指定の都道府県では、知事により当該医療機関が指定されるまで、暫定的に当該医療機関に準ずる病院を指定することとしております。

3つ目として、厚生労働省による供給指示としております。厳格に流通管理し、安全性・有効性の知見・情報を集積するため、アビガン使用に当たっては、厚生労働省が感染症指定医療機関から供給依頼を受け、保管業者、富山化学に出庫、配送指示を出すとしております。

 次に4番目としまして、アビガンの流通を行う医薬品等販売業者に関しては、流通管理を厳格かつ迅速に行うために、アビガンの流通を行う医薬品等販売業者は、都道府県幹事卸とし、富山化学は都道府県幹事卸に十分な情報提供を行うとしております。

5番目として、アビガンの使用成績調査の実施体制につきましては、新型インフルエンザ発生時に迅速に対応できるよう、事前に富山化学は感染症指定医療機関と使用成績契約を行っていただきたいと思っております。また、発生後速やかに安全性及び有効性の知見・情報を集積するため、製造販売業者は厚生労働省に速やかに使用報告書を提出することとしたいと思います。

 次ページです。今御説明させていただいた内容を、図にまとめております。一番最初に、医療機関は、感染症指定医療機関と事前に使用成績調査契約を行っていただきます。発生時には、医療機関は、厚生労働省の備蓄薬品を使用するため、厚生労働省に使用申請をいたします。その申請時には、年齢、性別及び使用ガイドラインにおける適応に該当するかを報告していただきたいと考えております。3番目としまして、厚生労働省は、使用適応と判断した場合は、製造販売業社及び保管場所へ備蓄薬の出庫を指示いたします。製造販売業者より都道府県幹事卸を通じて医療機関へ送付します。緊急時など非常に急を要するときには、卸を経由せずに送付することも考えています。また、医療機関は、事前に決められた使用成績調査を行い報告をいたします。製造販売業者は、厚生労働省に使用した医療機関、使用した患者の年齢、性別、投与開始日、投与終了日、投与量を記載した使用報告書を、投与開始時と投与終了日に提出していただきます。これによって2番目の供給依頼のときの情報と突合することで、きちんと指定された患者さんに使用されたかということと、残薬等の管理ができると考えております。7番目としまして、製造販売業者は使用成績調査をPMDAに報告するとしております。以上になります。

○岡部委員長 ありがとうございました。新しく承認されているファビピラビルを流通薬として使う場合に、どういうスキームでいくかということですが、これまでの議論の所で御説明いただいたのですが、これについては何か御意見はございますでしょうか。

○坂本委員 1点だけ教えていただきたいのですが、これは既に議論されたかなと思うのですが、特定及び第1種感染症指定医療機関に限るということですが、その勤務しているドクターのスペシャリティや設備から言うと、2種でも相当レベルの高い所もあるし、人口配分からいって、2種も指定したほうがいいのかなというところがありますが、1種までに限定した理由をもう一度お聞かせ願いたいと思います。

○岡部員長 事務局からよろしいですか。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 本医薬品に関しましては、厳格な流通体制を取ることが条件です。したがって、資料の2ページの(5)の「事前に富山化学は感染症指定医療機関と使用成績調査契約を結ぶ」という所は、特定及び第1種感染症指定医療機関全部と契約をするだけでもかなりの数がありますので、これを実際に第2種まで全体にやるというのは、現実的には少し難しいと考えております。そういった背景から、今回は特定及び第1種感染症指定医療機関を、まず最初の医療機関ということにいたしました。

○岡部委員長 どうぞ、押谷委員。

○押谷委員 1ページ目に、安全性・有効性の知見・情報を集積する体制を整備するとあって、2ページ目、3ページ目に、安全性・有効性の知見・情報を集積するために、使用報告書を提出するとあるのですが、こういう使用報告書というもので、本当にきちんと安全性・有効性に関するエビデンスが出るのかというのはかなり疑問に思っていて、西アフリカでエボラが流行したときも、このファビピラビルも含めて、いろいろなものの効果を検証するようなシステムが事前にできていなかった。それでクリニカルトライアルをするのにかなり時間を要してしまって、きちっとしたエビデンスが出せないような、流行の後期になってからしか始められなかった問題が、WHOでもかなり議論されていると思うのです。実際に起きてから、本当にエビデンスを出そうと思ったら、こういう報告書とかでは駄目で、きちんとしたデザインを組んで、安全性・有効性をきちんと検証するようなシステムを事前に作っておく必要があって、それは多分、倫理委員会のクリアランスとかそういうことも含めて、そういうデザインを組んでおかないと、恐らく全く報告書というものでは、エビデンスとしては出ないのではないかと思うのですが。

○岡部委員長 事務局のほうからありますか。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 一番最後の図にある➅の使用報告書というのは、確かに安全性という意味での効果とか、そういったところの情報は入っていないのですが、PMDAに提出する使用成績調査報告書には、そういった臨床データ等を記載して送ることになっています。ただ、これに関しましては、押谷委員に御指摘いただいているような、臨床研究のスキームという形のデザインまでは組まれてはいませんが、そこのところを通常の医薬品の安全性評価に関して行われる使用成績調査報告という形では、PMDAに行っていただいて、それを速やかに厚生労働省で共有するという形で考えたいと思います。

○押谷委員 実際に致死率の高いようなパンデミックが起きた場合に、これを使うというオプションが生じるのは多分、致死率が高いようなパンデミックが起きた場合で、そのときにいかに重症度を下げる効果があるかということが、最大のポイントなのだと思うのですが、そこをどうやって検証するのかというのは、かなり綿密に考えておかないとできないと思うのですよね。

○岡部委員長 実際にパンデミックが起きて、しかも薬が効かないのではないかというような混乱している状態のときに、こういう薬を持ち出して実際に、先生がおっしゃるように、もともと重症の人たちだから、そういうような状態に使うときにどうしようかという議論を公衆衛生のほうでやったと思うのですが、そのときに、実際に使う立場になりそうな、加藤先生や倭先生は御意見としてはいかがですか。1つはデザインとして、その評価ができるようなものがあらかじめできるのか、そんなことはやっていられないぞというような状況なのか。もう1つは坂本委員から御指摘があったような、1種だけではなくて、2種の医療機関も使う可能性があるのではないか。この辺については、現実に医療機関の先生方にお尋ねをしておいたほうがいいと思うのですが、加藤参考人、何か御意見がありましたら。

○加藤参考人 国立国際医療研究センターの加藤です。まず1点目の評価ができるのかというところについては、可能ですとか不可能ですとは言いにくいと思います。このスキームで考えますと、特定あるいは第1種感染症指定医療機関の数が限られていますので、ベッド数を入れても100床ぐらいになるでしょうか。少ない数ですので、入院、退院を繰り返して、何症例に使うかというところが一番のポイントになるかと思います。厳密さもかなり要求されますが、倫理的にもエボラの例を見ますと、致死率が高いインフルエンザが出たときには、ファビピラビルを投与しない群というのがもしかすると生じにくいこともあるかもしれません。そういう問題もあるので、なかなか致死率が下がったとかいうところまでの評価は難しいのではないかという気がします。

 それと、指定医療機関については、やはりインフルエンザの拡大を考えると、先ほど申し上げましたように、特定・第1種の感染症指定医療機関は全国で数が各県で原則1つと限られていますので、もう少し可能であれば、例えば集中治療の機能がある程度整った第2種のような所も対象にしておいたほうが良いと考えます。第1種は大体県庁所在地とかそういう所に限られてしまうので、患者さんの移送の問題なども出てきそうです。厳密さをどれだけ追求するかという点と実際の患者さんに薬が届くという点の両方のバランスで考えなければいけないのかなという気はいたします。

○岡部委員長 ありがとうございました。馳先生の所も入院しそうな気配があると思いますが。

○馳参考人 私も対象とする医療機関の数については、難しい問題だと思います。私たちの委員会の話合いでは、ファビピラビルを投与するのはかなり限定された状況で、タミフル、リレンザ両方の耐性が疑われるような非常に限定した場面を想定していたと理解しています。事前に製薬会社と綿密な話合いをしておくということが必要なので対象となる医療機関の数を限定しないといけない事情は理解しましたが、仮にそのような患者さんが発生したときには、患者さんの移送について考える必要が出てきます。ファビピラビル投与の適応となる患者が第二種指定医療機関ないしは別の医療機関に入院したときに、薬剤を使用するためだけに搬送する必要があることに関してどのように考えるのか、整理しておいたほうがいいのかなと思いました。

○岡部委員長 ありがとうございました。倭先生。

○倭参考人 りんくう総合医療センターの倭です。事務局に教えていただきたいのですが、この特定及び第1種感染症指定医療機関に放出を限るというのは、その病院であれば、例えば第1種の届出、全体で104床でしたか、その数の中、あるいはその病院であれば何床とは限らないという理解でよろしいのでしょうか。

 例えばエボラのときのスキームであれば、第1種の病院で何床までという形があるのですが、それとは関係なく、その病院であれば、例えばうちであれば特定2床、第12床なのですけれども、エボラだったらそこまでなのですけれども、新型インフルエンザの患者さんでもしファビピラビルを使う患者さんに関しては、その床に限らないと、そういう理解でよろしいでしょうか。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 流行の初期の話として記載がありますので、あとは地域ごとにどのように患者さんが増えたときに拡大していくか。その医療機関で集約していくのか、それともある程度近くの病院に割り振っていくのかというところにもよってきますので、その状況にもよりますが、基本的にはまずは契約している病院という意味で記載がございます。

○倭参考人 そうしましたら、先ほどの第2種まで含めるかどうかなのですが、例えば第1種でありますと、やはり新型インフルエンザ、肺炎ですので、ECMOまで加えて、集中治療が全ての医療機関でできるかどうかとなると、必ずしも第1種に限ったわけではありませんし、第2種でもできる所はあるのではないかと思います。そこはその感染症指定医療機関全体という形であれば、救急あるいは集中治療のプロがいれば十分なのではないかと思います。

 それから、臨床研究のスキームにつきましては、やはりファビピラビルを使うような症例というのは、初期の頃に限っては少ないと思いますので、また安全性・有効性の知見を得られた上で、より使用できる、拡大するということで考えるのであれば、もう少しエボラのときのようなスキームがいいのかどうかということは分かりませんが、何らかの安全性・有効性のためのデータ、臨床研究のスキームがあってもいいのではないかなと個人的には思います。

○岡部委員長 逆に一般病院といいますか、指定医療機関ではない所の立場では、谷口委員、あるいは川名委員、何か御意見はありますか。先生の所は1種ではないわけでしょう。

○谷口委員 2種ですけれども、県内で言うと、多分1種というのはあっという間にいっぱいになるのです。特に初期には重症あるいは軽症問わずに1種から入れていきますので、そうしますと、2種に流れてきて、それから重症になるということはあり得るかもしれませんし、実際に重症になった患者さんがどのぐらい出るかというのは予想はつかないわけですので、病床が溢れると。また逆にそういった重症であれば一般病床まで患者をはみ出していくということは、余計に怖いことではありますので、できれば陰圧の中でやったほうがいいのであれば、第2種でも使えるようにしていただくか、あるいは速やかに拡大できるようなメカニズムを作っておくかということではないかと思います。

○岡部委員長 ありがとうございます。川名委員は大学病院という、ちょっと特殊な所ですが。

○川名委員 新型インフルエンザ対策はいろいろなフェーズがあると思いますけれども、海外発生期とか国内発生早期とか、そういういわゆる封じ込め期の使い方と、国内感染期のように、どちらかというと医療資源を有効活用して、患者さんの重症化を抑制するという、目的が途中で変わりますので、その段階により、ファビピラビルの使い方も変わってくるのだろうと思います。最初の封じ込め期であれば、基本的には感染症指定医療機関でということになっていますので、ファビピラビルも感染症指定医療機関に限定ということは、ある程度理に適っているのかなと思います。

 あと、臨床研究の件ですけれども、確かに報告書のような形では学術論文に掲載されるようなデータが取れるかというと難しい部分もあると思います。しかし、2009年のいわゆる新型インフルエンザが発生したときにも、厚生労働省は、重症例、入院例、あるいは死亡例を全部集積していたと思います。そういうものを迅速に、例えばホームページ上にアップして、重症度ですとか、例えば最初の100例の重症度がどのぐらいなのかとか、そういった情報を速やかに開示するということも、厚生労働省の使命としてあるのだろうと思います。研究面での質の高いデータを取るというのは、むしろ研究班のようなところに委ねてもいいのかとも思います。大まかではあっても厚生労働省には迅速性と信頼性とが担保された情報を発信するというような役割もあるのかなと思いました。以上です。

○岡部委員長 ありがとうございました。やはり、完全に治験のようなことは、そこの状況から言うとできにくいと思いますけれども、できればあらかじめそれに対する報告書の内容として、どういう項目があって、どういう分析ができるかというのを、疫学の専門家と臨床家と両方集まっていただいて、ひな型を作っておいたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。報告書という形式は、やはりそれだけだと出せばいいやということになってしまうかもしれないので、できるだけの分析はしたほうがいいのですが、余り分析ばかりに重点がいくと、今度は実際の患者さんの治療に間に合わないということがあるので、あらかじめ調査する内容や何かを検討ができるようにしておいていただきたいというのが今の御意見だと思います。

2ページ目の(2)のアビガンを使用する医療機関も、限定的なのは発生初期となっていて、患者の発生状況に応じて使用できる医療機関を拡大する。これが多分患者さんが多くなってくれば、必然的に2類の所にも入院するので、そこは前の2009年の反省点の1つでもあるし、リジットにやらないで、そこら辺はやはり入院機関が2類のほうに行くようだったならば、2類の中にもいろいろあるだろうと思いますけれども、考慮できるようにするという意向は了解事項としても入れておいたほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。

○丸井委員 私もそのように思います。評価に関しては、お二人の先生がエビデンスという言葉で、どの辺りまでを考えていらっしゃるかにかかわります。いわゆる治験のようなことは当然できないわけですので、エビデンスは恐らく記述レベルでのエビデンスに留まるのかと思います。その場合には、本当に必要な項目をきちんとそろえるということで、後に残せるようなという意味で、エビデンスのレベルをどのぐらいに考えていらっしゃるかというのが1つあります。

 もう1つは、今、座長からもお話がありましたが、発生から流行に至る時間的な流れの中で、余り厳しく第1種の感染症指定医療機関だけというイメージを強く植え付けてしまうと、本当にそれ以外の指定医療機関で必要になったときに動けないというようなことがあります。時間経過を頭に置きながら、どこかで緩めるというか、広げるというか、そういうようなことができるようなことを書いておく必要があるかなと思いました。

○岡部委員長 ありがとうございます。というようなところで集約されると思いますが、大石委員、どうぞ。

○大石委員 新型インフルエンザの流行の初期段階で、重症肺炎例などに対して、既存の抗インフルエンザ薬の効果が無効、不十分という場合に、ファビピラビルの安全性だけではなくて、臨床効果が明確に評価できる研究デザインを議論していく必要があるだろうと思います。

○押谷委員 丸井先生がおっしゃったエビデンスのレベルの話ですけれども、加藤先生もおっしゃいましたけれども、コントロールが多くて非常に難しくて、きちんとした意味での、本当の意味でのエビデンスというのは、なかなか倫理的にも取りにくいというか、ほとんど無理だと思いますけれども、エボラのときもそうでしたが、やはりオブザベーショナルデータにならざるを得ないのだと思います。そのオブザベーショナルデータをどのようにしたら、ある程度のエビデンスをもって有効なのか、有効でないのかということが言えるところにどこまで持っていけるかというような、エボラのときも非常にそれを苦労していて、やる前のとやった後のヒストリカルデータを比較したり、いろいろな工夫をして考えて、それを考えるのに非常に時間を要したのです。

 倫理的なクリアランスを取らなければいけないということもあるし、デザインを考えるのに、非常に時間を費やしてしまって、もう流行がほぼ終わる頃になって、ようやく始められたということがあるので、その準備は必要なのだと。できるだけのエビデンスを作る。それは本当の意味での科学的な根拠になり得ないのかもしれないけれども、やはりある程度の根拠をもって、このくらいは有効、若しくは全く有効でないとか、そういうデータをある程度は作っていくということが必要で、そのためにはかなりの準備をしておくことが必要だと思います。

○岡部委員長 実際に起きてからこういうものを作り出しても絶対できないので、それは平常時の準備が必要なところだろうと思います。研究レベルでやろうとすると、それこそ倫理委員会を通すとか、いろいろなところの、あらかじめ研究計画を立てるとか、いろいろな状況があるので、結局報告書という形のほうが、そういう状況では出やすいのだろうと思いますが、ただ、先ほど申し上げましたように、それにしてもあらかじめにどういうデータを取れば、どういうことが出てくるかというのは、事前にある程度できるので、それに対する検討をグループになるのか、委員会になるのか、厚労省になるのか分かりませんが、少なくともそういうことを議論できる場を作っておいていただきたいというのが、この委員会からの要望ということでいかがでしょうか。

 それから、当面非常に数が少ないけれども、既にノイラミニダーゼ阻害剤は耐性があって使えそうにないということが分かった場合には、アビガンを使わざるを得ないことになるわけですけれども、発症初期段階はやはり限定したところで、今言ったような調査データも含めて、そこから必要があれば速やかにと言っていいと思うのですけれども、柔軟性を持って2類医療機関にも広げることができる。ただ、安全性に問題があった場合は当然それはできないわけですから、そういったような判断を速やかにするというようなことを、この中に入れ込んでいただきたいというのが、委員会としての結論としてよろしいでしょうか。それをノートを取っておくようにしてください。それでは、今のファビピラビルに関する管理計画はこれでよろしいでしょうか。余りエビデンスを強調する余り、患者さんの治療が成り立たないというのは本末転倒なので、そこを含めながら、バランスよくやっていただきたいと思います。

 それでは次に話を進めたいと思うのでずが、パンデミックワクチンについて、議論を進めたいと思いますので、資料3について、事務局から御説明をお願いします。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 それでは、資料3について御説明いたします。パンデミックワクチンの状況について、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金交付事業が現在行われており、これは国が新型インフルエンザ発生後、ウイルス株が決定されてから6か月以内に全国民分のパンデミックワクチンを製造することを目指したということで、細胞培養法に対し、今回このような交付事業が行われております。

 交付事業自体は下の表にある採択事業者3社、化学及血清療法研究所、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社の3社に、合計で全国民分の13,000万人分のワクチン製造を今しております。この事業は、平成30年度末までに整備することを目標としておりますので、あと1年と少しという状況です。それを踏まえた上でパンデミックワクチン全体の製造工程等を公表しながら、公衆衛生の対策及び課題等について洗い出していきたいと考えております。

2ページは、パンデミックワクチンについてのヒアリングを前回のワクチン作業班で行いました。主な製造工程について記載しております。目標としては新型インフルエンザ発生後、ワクチン製造用のウイルス株が決定してから6か月以内に全国民分のパンデミックワクチンを製造することを目指しております。ワクチン製造用のウイルス株が決定されてからというのは、各社によって少しスタートの時期が違っておりますので、次のページにはパンデミック発生からという形で期間を提示しております。

 製造工程を順番に御説明いたします。主な概略になりますが、まず、パンデミック発生後、国立感染症研究所等が速やかにウイルス野生株を入手し、ワクチン製造候補株を製造開発します。企業は国立感染症研究所からワクチン製造候補株を入手する前から、原液製造の準備を開始します。3番は、その後、企業はワクチン製造候補株を入手した後、培養細胞でのウイルス増殖性を確認します。各企業の増殖性の確認結果を踏まえ、ワクチン製造株を新型インフルエンザ小委員会等の議論を経て決定し、企業が正式に原薬製造を開始します。

 続いて4番は、企業はワクチン製造株決定後、引き続き原薬製造、製剤化、品質試験等を行います。H5N1でない場合は、原則として製造と並行して審査に必要な試験成績に基づく速やかな評価を行うため、審査を受け迅速に承認を取得します。この審査に関しては、既に2社に関してプロトタイプワクチンの承認を取っておりますが、通常の承認プロセスよりは短く済んではいますが、必要な試験等がありますので、それは実施していただくことになっております。

 次は、パンデミックワクチン製造スケジュール(見込み)で、これは現在考えられている想定として記載しております。プロトタイプワクチンの日程で作成しております。パンデミックワクチン製造販売業者に対するヒアリングに基づき、平成31年度以降のパンデミックワクチン製造スケジュール(見込み)を作成しております。見込みでは、発生から18週で出荷が開始されます。2009年は23週で出荷されており、2009年と比較すると5週間の短縮になります。下の表で、18週で出荷が行われ、これは積み上げ式として徐々に生産されている量を足していくという形で表示しております。

 次に、ワクチン作業班では各社のヒアリングを基に、いろいろな意見を頂きましたが、前ページはパンデミックワクチン製造のスケジュールですが、実際に国民の皆様が接種をするまでのスケジュールを短縮するまで、まだ課題が幾つかあり、今回はこの課題に関して皆様にもほかにどういったものが挙げられるかを御検討いただければと思っております。

 製造に関する課題としては、ワクチン候補株製造までの開発に、もう少しいろいろな研究等で短縮等ができるのではないかとありました。ワクチン評価、試験方法の決定等に関し、事前に決めておくことで短縮が図れるのではないかという議論がありました。行政対応に関する課題としては、ワクチン製品性状の使い分けがありました。

 次のページは、パンデミックワクチンの比較があり、3社におけるワクチンの特徴の記載があります。このような形で3社の性状が少しずつ異なりますので、その使い分けというのが課題として挙げられておりました。また、流通体制に関して、どのようにするのかという課題もありました。

 次のページの参考2に、備蓄プレパンデミックワクチン製剤化スケジュールがあります。これは、原薬で備蓄しているものを製造するときには、これぐらいできるというのがあり、こういったものも含めて流通等が少し重なってくる時期が考えられますので、そういったものも含めての課題がありました。以上です。

○岡部委員長 ありがとうございました。現状での部分の議論と、将来的に変更していったほうがいいという両方の議論があると思いますが、まずは、今のところの状況でパンデミックワクチンの製造工程がこれでいいのか御意見を頂きたいと思うのですが、資料32ページ目の所が中心の話だと思います。御意見がありましたらお願いします。丸井委員。

○丸井委員 質問になりますが、この2ページで、この後も出てきますが、目標は新型インフルエンザ発生後ということで、12はパンデミック発生後で、このパンデミック発生というのは、考えてみると少し変な言葉だと思います。

 どこかで新しいタイプのインフルエンザが発生し、それがパンデミック化するまでの時間というのが当然あり、パンデミックであるかどうかの判断は、もちろん難しいのですが、そういう意味でも目標に書かれていることと、1に書かれていること、その後でまたパンデミック発生という言葉が出てきます。その辺り、新型インフルエンザ発生、実際、新しいものが出てくるのか、それとも、それがパンデミック化してというのが、この1になるのか、その辺りを御説明いただけるでしょうか。

○岡部委員長 事務局はいかがですか。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 パンデミック発生と新型インフルエンザ発生ということですが、新型インフルエンザに関しては、大臣から新型インフルエンザ発生の宣言がありますので、その宣言を含めての新型インフルエンザ発生後ということになります。パンデミック自体は、ほかのまだ新型と認定される前である可能性はありますので文言を使い分けている形になります。

○岡部委員長 押谷先生。

○押谷委員 今のに関連してですが、WHOは今もそれを使っているか分かりませんが、以前使っていたのは、エマージェンス・オブ・バイラス・ウィズ・パンデミック・ポテンシャルです。その時点でワクチンなどの開発を進めるという、パンデミックを起こす可能性のあるウイルスが出てきたときにワクチン製造工程のスイッチを入れると整理されていたと思うのですが、実際に2009年の頃はまだフェーズがあったので、実際に425日ぐらいにウイルスがメキシコ・アメリカで見つかり、その時点でスイッチが入っています。

 それでパンデミックを宣言したのは611日で、日本でも新型インフルエンザの宣言をする以前に、このスイッチを入れなければならないシナリオが十分あり得て、どこかでヒト・ヒト感染が起きているけれども、もしかすると、パンデミックを起こすかもしれないが、日本でも新型インフルエンザの宣言をするような状況ではないというときには、やはりスイッチを入れる必要があるのだと思うので、その辺の整理はきちんとしておく必要があると思います。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 すみません、そういう意味で下にパンデミック発生後という所で、速やかに入手するというのが製造工程の所に記載があるという形です。

○押谷委員 それはパンデミックではないのです。

○押谷委員 パンデミックを起こす可能性のあるウイルスが発生したということなので、それはパンデミックを、もしかしたら起こさないかもしれないという状況で、しなければいけないことが、シナリオとしてはあり得るということだと思います。

○岡部委員長 小田切先生、どうぞ。

○小田切委員 この作業班の班長をやっているので、大体、中身は承知しているのですが、今、事務局から説明していただきました資料で幾つか問題というか、質問もあり、先ほど委員長も言われたように、一番の議論点はこの課題という所だと思います。

 まず、最初に質問点があるのですが、2ページ目の表紙の次に各メーカーの一覧表が出ている、北里第一三共ワクチン株式会社の現状の所で、H5N1ワクチンの薬事承認取得、プロトタイプワクチンが薬事申請予定となっています。ということは、この北里第一三共ワクチン株式会社は、現時点ではH5N1しか作れないと、そういうライセンスだと思います。

 そうすると、今の現状からすると、H5N1でパンデミックというのは、恐らく、可能性としては低いと思うのですが、ほかのもので作らないといけないという状況のほうが、むしろ可能性は高いと思うのです。プロトタイプの申請がまだ行われていないということは、ここの生産量の4,000万人分というのは、この状態では余り期待できないということだと思うのですが、これを国はどう促していくのかというのが1点です。幾つかあるのですが。

○岡部委員長 一つ一ついきましょうか。先ほどの所もまだ全部の議論が進んでいないのですが、今、始まったので、小田切先生の御質問についてどうぞ。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 小田切先生から頂いたプロトタイプワクチンの申請が終わっていないという点については、現在、その準備はしていると伺っていますので、今回のスケジュールに関しては、平成31年度末の整備事業が予定どおり終了したときの計画という形で資料は作成しております。

○岡部委員長 現時点では申請が終了してはいないが、シナリオとしては申請があるので、この4,000万人分は、その申請が通った時点で動き出す数字であるということですよね。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 申請の準備を予定していると伺っております。

○岡部委員長 2つ目でよろしいですか。

○小田切委員 2つ目は次のページの製造工程という所で、3番の3行目で「増殖性の確認結果を踏まえ、ワクチン製造株を決定し、企業が正式に原薬製造を開始する」となっていますが、細胞培養ワクチンの問題点は、各メーカーが違う細胞を使っているということになります。そういう場合に、委員会、若しくは感染研から配ったウイルスが全部のメーカーで予定どおり製造できない可能性もあるということです。いかにして、ワクチンの製造株を絞り切れるかというところが、慎重に議論し、そういう戦略をある程度、事前に立てておく必要があるのではないかと思います。

○岡部委員長 今の点はいかがでしょうか。各メーカーで細胞が違うというのは承知しているのですが、全部の細胞で増えればいいのですが、1つの細胞、例えばMDCKだけで増えるということになったときに、ほかのメーカーは作れなくなるというのが前提ですか、それとも、MDCKで無理矢理作ってしまうと。

○小田切委員 MDCKばかりを持っている会社ではなく、MDCKを持っていない会社もあり、作れなくなるとなれば、予定量が供給できなくなります。この場合はどういう作戦をとるかということですね。

○岡部委員長 そこは今のところ、事務局では何かありますか。でも、今のは課題ですね。全部回答が出ているわけでは多分ないと思うので、その辺の課題を踏まえ、今後の議論の中に入れていかなくてはいけない部分であるということだと思います。現時点では回答はないと思うのですが。関連してですか、どうぞ調先生。

○調参考人 プロトタイプワクチンというのは、H7N9なども含めた形でのワクチンということでよろしいのですか。それと、先ほど先生がおっしゃっていた感染研で、この製造工程の1番の所で、ワクチン製造候補株を製造開発すると書いてあるのですが、それは各社の細胞で増殖性をチェックするところまでは含まれていないということなのですか。

○小田切委員 今のところ、それは含めていません。感染研で開発するというのは、恐らく、これは野生株の病原性がかなり強いウイルスの場合は、リバースジェネティクスで遺伝子改変し弱毒型にすると。現時点では卵を使っているわけですが、この場合は細胞なので、細胞でもある程度増えるようなものを作るという、そこまでなのです。各メーカーの細胞にうまく順化して、増殖性のいいものを作るというのは予定には入っていません。

○調参考人 プロトタイプワクチンについては、H7も含まれていると考えていいのですか。

○小田切委員 はい、含まれています。というのは、その前のページの表の下の所に、※で注釈があるのですが、プロトタイプワクチンの場合は、H5N1でライセンスを取っておいて、株名だけを変え、速やかに審査ができるという、そういうものとしてプロトタイプをそれぞれのメーカーが申請しています。

○調参考人 実際、今、中国で発生しているH7N9の増殖性については、各社いろいろな細胞を使っているということですので、ある程度確認は取れているのでしょうか。

○小田切委員 今現在、H7に関しては検討しているかどうか把握していません。事務局では分かりますか。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 H7に関しては、今の段階では臨床研究等のレベルで実施されていると伺っております。

○岡部委員長 参考人の先生方も、もし御質問事項があったら遠慮なくお願いします。それで、小田切先生は3つ目の質問の続きがあるのですね。

○小田切委員 3つ目は、やはり一番大変なのは、これから議論していかないといけないと思うのですが、その次のページの課題の所だと思うのです。行政対応に関する課題の➀が一番大変な課題なのではと私自身は捉えています。

 基本的に最初のページにメーカーごとの表があるように、メーカーで作られるワクチンは、それぞれ細胞が違うようにワクチンも違っていて、そこにアジュバントの添加の有無、アジュバントの種類も違うなどワクチンの剤型が異なるので、当然それぞれのワクチンの有効性は違ってくるはずなのです。

 それをどのように整理していくのか、その戦略をかなり慎重に議論しておかないと、ある地域では効いているワクチンが出回るが、ある地域に供給されたワクチンは全然効いていないと。流行ウイルスが高い病原性をもっていた場合、効いていないワクチンが供給された地域では死亡率が高くなるという不公平感が出てくるので、それにどう対処するか、そういう戦略を事前に考えておかねばならないと思っています。

○岡部委員長 そこは、正に課題のところで、現在、開発している最中なので異なった製法、成分のワクチンがあるのですが、それを統一して使うのか、実際には、ある1社だけに絞ると足りなくなってしまうという状況をどう考えるか、これは今日で結論が出る話ではないのですが、残された課題だと思います。

 そして、もちろん緊急事態にそんなことを言っていられないのかもしれませんが、アジュバントが入っているのは嫌だという方がおられる可能性もあり、アジュバントが入っていないと嫌だという方も出てきたときに、こういう緊急事態にどうするかというのは、もう一歩進めて、この委員会が適当かどうかは分かりませんが、新型インフルエンザ対策としては重要な課題として取っておきたいと思うのですが、正しく問題点であるということになると思います。坂元委員。

○坂元委員 今、小田切先生から行政対応の課題に関して出ましたが、今のところ、多分ワクチンが配布され、住民を接種するのは市町村業務になると思います。こういうものが市町村業務だけというと、かなり重いので、例えば、市町村が何をして県がどうするかという関わりの図式をきちんと作っておく必要があると思います。市町村といっても体制が様々ですので非常に難しいところがあるということと、次の製造から出てくる量を見ても、行政としてもっと難しいのが優先順位なのではと思います。どのような人を優先するのかです。最初を見ると1,000万人程度で10人に1人となると、これをどう振り分け、だれを優先するかというのは最も難しい課題になるので、それを市町村ごとに判断するのはほとんど不可能な話ですのです。もう少し高いレベルで、出荷された量に合わせた優先順位のようなものをしっかり決めていただかないと実際には難しいと思います。

○岡部委員長 優先順位については、今までの議論もずっと続いているのですが、そういう優先順位を付けざるを得ないことがあるということを、皆さんに知っておいていただかないと、最初の段階から全部公平にはいかないし、出てくる量は最初は目標は全員分かもしれませんが、10分の1の量であるという現状を知っていただかなくてはいけないし、そうなると、優先順位は何かというのが、これがなかなか議論として起きてこないのです。

 そこは、後ろにおられる方も、いろいろおいでになると思いますが、どのような優先順位を付けざるを得ないかというのは、今、突き付けられていることではないかと思います。そのような議論の了解をしておいてもらうと、リスクコミュニケーションはそういうことも必要ですよね、丸井先生。だと思うので、その辺は課題ではありますが、是非よろしくお願いしたいと思うところです。それから、押谷先生から意見がありましたね。

○押谷委員 先ほど小田切先生が言われたことと関係するのですが、この3ページのパンデミックワクチン製造スケジュール(見込み)というグラフです。これは恐らく、H5N1のワクチンをベースに考えられている見込みではないかと思うのですが、先ほど小田切先生が言われた、次に出てくるパンデミックが必ずしも全ての細胞で増えないかもしれないと、もしかすると、全ての細胞で増えないかもしれないという状況もあり得るわけです。

 同時に、多分、この抗原量もH5N1を基準に考えられているのだと思うのですが、この抗原量では全然足りないと、次のパンデミックワクチンはこの抗原量を入れても全然抗体反応が起きないというようなシナリオも十分に考えられ、もし、10倍入れなくてはいけないということになると、作る量は10分の1になるという可能性が理論的にはあるわけです。そういうことをきちんと整理し、必ず国民に全部行き渡るようなワクチンを作りますというような説明をするべきではないと思うのです。

 いろいろな条件が整うとこうなるかもしれませんが、そうならない場合も十分にあり得る。多分、そうならない場合のほうが可能性が高いのかもしれない。そういう説明は国費をこれだけ使っているので、きちんとできますと説明しなくてはいけないという事務局の都合もあるのかもしれませんが、やはり国民に説明する上で、いろいろな条件があるのだということを説明しておくというのは必要なのだと私は思います。

○岡部委員長 ありがとうございました。大変重要なところだと思うのですが、信澤先生どうぞ。

○信澤委員 先ほどからの議論で、ワクチン製造株についてコメントさせていただきたいのですけれども、1ページ目の各社の生産量の見込み等が書かれているそのもとというのは、鶏卵用のワクチン株を細胞に打った結果なのですね。その2ページ目以降に書かれている、感染研でワクチン製造候補株を製造開発するとなっているのは恐らく、臨床検体あるいは野生株を入手しと書いてありますから、その野生株が細胞で分離したのか、エッグで分離したのかによってもかなり変わってくると思いますが、そこからは、それを感染研の細胞で増殖させて製造候補株を作るという話になっているので、その細胞でワクチン製造候補株を作って各社の細胞で試すということは、そのプレパンに関してまだ1度もやっていないことです。季節性では今、検討中ですが、これまで見通しが立っているのはあくまでも鶏卵で増やしたウイルスですので、それとまた同じ状況になればいいのですけれども、細胞で分離して、それを各社に配ったときというのは、できる限り早めに研究レベルでもいいので検討する必要があるかという気はします。

 事務局のほうで、野生株を入手してワクチン製造候補株を製造開発すると書かれているのは、この野生株というのは、細胞分離株を入手するという前提をイメージされているのか、あるいは、今までというか、実際にパンデミックが起きたら海外のWHOCCが、鶏卵用のワクチン製造候補株を作り始めると思いますけれども、鶏卵用のでも取りあえず入手して、細胞に掛けてみるというのを考えられているのか、余りこれは限定的な言葉ではないのか、そこら辺を確認したかったのですけれども。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 実際のときに入手できるものというのは、やはり優先順位が高くなると思いますので、この段階では限定的な言葉ではなく、広い意味で使っております。

○岡部委員長 不測の部分がかなりあるというところで、その場で多分WHOなどでもどれを推奨株にするかというのはいろいろな議論が出てくると思うので、だから逆に、余り限定的にしないで、柔軟にに対応ができるようにしておいたほうがいいということでいかがですか、今のは。

○信澤委員 はい。

○岡部委員長 川名委員、どうぞ。

○川名委員 先ほど優先順位という話が出ましたので、ちょっと気になっている点を述べさせてください。今の新型インフルエンザ対策の行動計画ですと、H5N1を想定したプレパンデミックワクチンを用いた特定接種がまず行われて、パンデミックワクチンが出来たら、それを住民接種という形で優先順位に従って国民全体に打っていくということになっていると思います。先ほど小田切先生からもお話がありましたように、H5が出て来る蓋然性が低いということになると、パンデミックワクチンを使って特定接種から始めていかなければいけないということも十分あり得ると思います。そうなると、優先順位をどうするのだということは根本から見直していかなければいけない可能性もあるということを、私も非常に気になっておりまして、そこら辺は検討していく必要があると思います。

○岡部委員長 従来の住民接種のときも、一応のシナリオでは優先順位というか、順番は付けています。それで、このグループができたら、このグループ、このグループと、でも、実際は全部になってしまうかもしれませんし、ほんの一部しか接種できない場合もあるのですが、自治体などの行動計画というか、そのようなプランを拝見していることが結構多いのですが、まずあるというのが前提で訓練が行われているので、実際にはない場合もあるのだということは、やはり残念ながら今の段階では伝えておく必要もあると思います。もちろんなくならないように努力をしていくのが我々であり、行政のほうの立場ではあると思いますが、「何千万人分を作りなさい」「はい」と言ってできるわけではないのだというようなことはきちんと、そこはオープンな話であるというようにも思うのですが。大石委員、どうぞ。

○大石委員 私はワクチン製造過程の製造スケジュールの課題について、もう少し整理する必要があると思います。ワクチンウイルス株の増殖が悪い可能性もあります、ウイルスは増えて、ワクチン自体は出来たけれども、いざヒトに接種すると免疫原性がないと言うことも想定されます。H7ウイルスでは免疫原性が低いということはよく知られていることだと思います。また、いざワクチンが製造されて、異なるメーカーから異なった製剤が製造されて、それをどのように行政的に接種していくのかということもあります。多くの状況を想定したワクチン製造プロセスを整理しておかないといけないのだろうと思います。事務局には、悲観的な意見ばかりで恐縮なのですが、今後の対応を準備していただければと思います。

○岡部委員長 笹井参考人、どうぞ。

○笹井参考人 東京都の笹井でございます。東京都では、区市町村の方々と接種の方法、体制などについて意見交換をしております。いろいろな御意見が出ている中で先ほど来お話の出ていました対象者の接種順位は各自治体の関心が最も高いところです。続いて、ワクチンの流通について、偏在する傾向がありますのでので一度にたくさん生産されるわけではないというお話もありましたので、用意できた量を均等に自治体の対象人口当たり、あらかじめ標準化した計算式を設けて流通するような準備ができないかなどの意見がございます。

 剤型について、実施主体となる区市町村での集団接種が基本になるのでプレフィルドがいいとか、あるいは集団接種で利用しやすい容量を検討、製造していただきたいなどの意見がございます。以上でございます。

○岡部委員長 ありがとうございます。製造方法、それから、デバイスについても大きな課題だと思うので、そこも今後のやらなければいけない部分として取っておいていただきたいと思います。宇田委員、どうぞ。

○宇田委員 4ページの接種スケジュールの短縮への課題ということで、2つ製造に関する課題と、行政対応に関する課題と挙げられておりますが、基本的に18週でパンデミックワクチンの製造が可能になり、37週で全国民分ができるという想定と、今現在想定されている6か月から1年半、2年ぐらい掛かってワクチンが製造されるということで、短縮されることによって行政対応でどういうことが考えられるかと、ここは2つ挙げられているのですが、やはりもう1つ、整理されたという話ではあるのですけれども、接種体制に関するものは、やはり課題の1つに挙げざるを得ないのではないのかと。多分、6か月から1年半、あるいは全体で2年掛かって接種体制を準備してというか、接種していけばいい話と、37週というと、69か月ぐらいの間で、一応、想定としては全国民分を製造していただいて、それを全国民に接種するということになれば、かなりスケジュールがタイトになってくるといったことは、やはり課題の1つとして可能かどうかということも含めて、あと、地域格差とか、いろいろなことも出てまいりますので、それは非常に大きな課題ではないかと。もちろんその薬の管理の話もありますので、流通体制とかぶるところはあるのですが、1つの柱立てとして挙げるべきではないかなと思います。

 それと、先ほど出ていましたが、パンデミックワクチンの製造プロセスが早くなると、プレパンデミックの製造、接種に掛かる期間と、場合によっては若干、近くなると。オーバーラップするところも出てくるでしょうし、あるいは、そのプレパンデミックワクチンを接種した後、必要に応じてパンデミックワクチンをまた接種したほうがいいといったような状況があるとすると、その辺の有効性・安全性といったところの、いわゆる特定接種と住民接種の棲み分けというか、その辺の考え方は当然区分けがなされているのですけれども、技術的にかなり近しい接種となると、それをどう考えてどのように安全にやっていくのか、あるいは有効性を担保しながらやっていくのかという論点は、これ、1つ立ててもいいような気がするなと思っています。

○岡部委員長 ほかにいかがでしょうか。

○谷口委員 皆さんの御意見も拝聴しまして、やはりアンサートゥンティというのは、どうしても避けられないものだろうと思うのですけれども、そうすると、先ほどの新型インフルエンザとパンデミック、これ、単に英語に訳しただけだと思っていましたが、どうも行政の中では違う。「新型インフルエンザ」というのは日本の行政用語であって、英語の「パンデミック」とは同義ではないようなお話でありましたので、やはりこういうのを見ていると、その微妙な誤解というのか、結構議論がおかしくなってしまうかなとも思いますし、この見込みも、製造開始から6か月と、配布から6か月と、いろいろなことを書き分けられているのですが、これもパッと見ると、一緒にしてしまうようなこともあるかと。あるいは、ワクチン候補株の配布というのが、感染研でユニバーサルに作ったものを配布した時点で、その後、各社でこれは調整して、最終的に決定した時点ではないですね。これは感染研が出した時点ですよね。その後もそういうのがいるわけで、もう少し正確に書いていただくほうが多分、誤解が少ないかなという気がいたします。以上です。

○岡部委員長 ありがとうございます。事務局、ありますか。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 ワクチン製造用ウイルス株が決定されてからというのは、当初、例えば1株しか感染研から配布されないという状況であれば、ここは一緒だったのですが、WHOCCと幾つかで同時に開発されたりということもありえますので、複数の株が少しのタイムラグで製造される、配布されるかもしれないということが想定されるということは先日の意見等でありましたので、新たに企業等に期間を入れてもらうようにしています。その期間が入ってくると、各企業によって期間が変わってきますので、このワクチン製造ウイルス株が決定されてからというのは、ただ、複数の候補株が配布された場合、それぞれの企業がこれだと決めたときからという形になります。

○谷口委員 企業が決めてから。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 企業が決めて、小委員会の先生方の御議論を経て決定してからという形で、実際の企業が工場で作っていく経過を考えると、それにスケジュールが間に合わないということになります。

○谷口委員 分かりました。ありがとうございます。

○岡部委員長 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 1点ですが、これは確か2回接種ですよね。そうすると、すごく供給量が少なかったときに、1回打った人はもう一回3週間後に受けるけれども、量全体が足りないときに、変な話ですが、受けていないよりは受けたほうがいいだろうという、多分一回接種の問題も起きてくるのかと思います。、つまり例えばそういう場合に、やらないよりはやったほうがいいので、できるだけ広く多くの人にやるかどうかということもあらかじめ検討しておかないと、3週間後の再接種という問題が1つ出てくるので、その辺の検討も必要かなと思います。これは意見です。

○岡部委員長 接種回数の整理ということだと思います。信澤委員、どうぞ。

○信澤委員 今、谷口先生がおっしゃったワクチン製造候補株のことなのですが、細胞培養法でパンデミックワクチンを作ろうとしているのは日本だけなのです。ほかの国ではまだそれは今のところ、表立っては多分公表されていないと思います。そのときに、先ほど谷口先生に言われて思い付くというか、決めておかなければいけないなと思ったのは、感染研が、仮にワクチン候補株を作って各社に配布して細胞で増やしてもらっても、その抗原性が変わってしまう可能性があるのです。卵の場合は、卵で増やしたワクチン株をメーカーは卵で増やしていますので、抗原性はそれほど変わる可能性はないのですけれども、細胞で増やす場合は細胞がそれぞれ異なりますので、感染研ではパンデミックウイルスのメジャーな抗原性を示すようなワクチン株が出来たとしても、メーカーの細胞で増やした後どうなるかは分からないです。そうすると、そのメーカーの細胞で増やして、メーカーが増殖性がいいと言った後で感染研で再度、抗原性の確認をするというステップを踏んでからでないと、そのワクチン株決定というのは、抗原性の確認が必要なのではないかと思いました。

 季節性のインフルエンザワクチンでは、細胞培養法で今、検討していますが、やはり同じウイルスを配っても、メーカーによっては抗原性は変わってしまうということを検討していますので、パンデミックウイルスの場合にもその可能性を考慮して、抗原性の検討は必要事項として入れるべきかと思います。以上です。

○岡部委員長 質問ですが、世界でパンデミックワクチンについて細胞培養で計画している国はない。

○信澤委員 計画はあるのです。

○岡部委員長 既にシーズナルインフルエンザは細胞培養用に変えている所もあるので、そういうようなところの切替えも考えられていないということですか。

○信澤委員 国の、どうなのでしょうか。細胞培養法でパンデミックワクチンを作りますと宣言している国というのはあるのでしょうか、あるいは、そこまでは公開できないということかもしれませんけれども。

○竹下新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 国によってはこういう情報自体を公開していない国もたくさんありますので、現時点でははっきり分かりません。

○岡部委員長 押谷委員、どうぞ。

○押谷委員 このスケジュールに関してですが、もう1つ考えておかないといけないのは、いつパンデミックを起こす可能性のあるウイルスが、具体的に言うと、何月何日に起こるかということによって、非常に大きく変わってくると。だから2009年の日本をベースにいろいろなことが議論されているところもあるのですが、2009年の日本というのは、割と理想に近いような形で、流行が4月下旬、425日ぐらいに分かって、最初の頃はワクチンが足りなかったのですが、10月の下旬ぐらいにワクチンが出荷されて、その頃にピークを迎えたという。ただ、アメリカなどは、56月に、かなり大きな第一波の流行があって、この第一波の流行は全然間に合わないということになるし、オーストラリアなどはもっとひどくて、南半球ですので、68月にほとんど大きな流行は終わってしまったと。これ、このスケジュールでも、全くワクチンがない状態でパンデミックを迎えなければいけないという、オーストラリアの状況だったらなるわけです。だから日本でも、例えば10月ぐらいにパンデミックが起こりそうなウイルスが出てくると、そうなる蓋然性が非常に高いといったことも考えておかなければいけなくて、やはりそういうことも国民に説明しておくということが必要なのだと思います。だから、パンデミックワクチンをきちんと6か月以内に作って国民全体に行き渡りますよという説明だけをしていたのではよくなくて、全くパンデミックにはワクチンは間に合わないというシナリオも、十分可能性としてはあるのだということをやはり説明する必要があるのだと思います。

○岡部委員長 実際はうんと短くなれば別ですが、第一波に間に合わないのが、我々としては常識だと思うのです。世間は第一波が出たら、もうそこでワクチンが出来ると思っていると思うのですね、そこが誤解のあるというか、科学的にはなかなかどうしても解決ができないところなので、そういうことも含めて一般の方々にも説明していかなければいけないし、最大限の努力はしているけれども、最初からワクチンがあるわけではないというのを相当お話をしないと、シーズナルインフルエンザでも10月にワクチンが足りなくなって、あれだけの大騒ぎになっているので、これはやはりコミュニケーションという意味では非常に重要な課題があると思います。ちょっと意見、私も加えてしまいましたけれども。多屋参考人、どうぞ。

○多屋参考人 今までの議論も拝聴していまして、3つのポイントがあると思います。まず、製造株、製造がうまくいくかどうかの1ポイントと、2つ目が、そのワクチンに効果があるかの2ポイントと、全てのワクチンが効果があったときに、今度は接種をどうするかという3つのポイントに分けて想定できる範囲で考えておく必要があるかと思いました。

 製造のほうはおいておいて、次の効果をいつ見るかなのですが、どの時点でどういう効果があったときに、この3つは同じ効果があるとみなすかということもある程度想定しておかないと、検査のスケジュール等も立てにくいかなと思ったことが1つです。

3つ目のポイントですが、例えば、3つワクチンが全て効果があるとなった場合に、世の中に出て行くわけなのですが、2回接種ですと、1回目と2回目同じワクチンで接種する等の縛りが出てきたときに、なるべく現場の先生方に混乱が生じないように、分かりやすいデバイスというか、違いが分かりやすいようなものを検討しておくと。それから、どこの場所でこのワクチンは接種する、そういったロジもできるだけ想定できる範囲で決めておく必要があるのではないだろうかと思いました。

2009年のときも、ワクチンを1回接種、2回接種で議論が長く掛かりましたので、それについては、あらかじめ決めておく必要は確実にあるのではないかと思いました。以上です。

○岡部委員長 ありがとうございます。住民接種、それから特定接種も含めてですが、もう23年たっていますけれども、研究班を私がやらせていただいて、それで、現在、三重大の田辺先生が、馬力をもって作ってくれたのがあるのです。それもトレーニングのようなものを加えていくと、やはりある一定の期間でやるのはなかなか難しいとか、それから、量が足りないときにはまた別の工夫が要るとか、今の接種方法や何かまで十分行き届いていないのがあるので少し落ち着いたら、というのはこういうようなことが熟してきたら、もう一回そこら辺は見直して、研究班というような形でもいいのではないかと思います。どちらかでいろいろな工夫をやるようなことを今後やっていただければというのが、前回の研究班でやったものは、あれで完成したわけではないというようなことを、ちょっとお伝えしたいと思います。そのほかに御意見はありますでしょうか。

○丸井委員 話題があちこちにいきますが、優先順位に絡んで、先ほど、人口当たりで公平に分けるというお話もありました。ある程度沈静化すれば、公平にというのでも構わないわけですが、状況によっては、地域的にもかなり偏って供給するという必要があるときもあると思います。ですから、優先順位というときに、どういう特定業種に、プレパンデミックワクチンのように、どういう階層にと、どういう職種にというのと同時に、発生状況によっては、地域的に例えば、西日本に極端に固めたほうがよい場合とか、あるいは、北海道は非常に薄くてもよいとかいうこともあります。特にワクチンの供給が十分でないときには、そのような、ある意味では優先順位という言い方でもありますが、住民としては、不公平感を持つかもしれないけれども、施策としてはしなければいけない。公正性的にはしなければいけないという状況が出てくるということも考えられます。そういう意味でも先ほどから座長も何度か触れられていますように、事前にそのワクチンはそう簡単には出来ないとか、出来ても、徐々に出来てきたら、みんなに公平に分けるのではなく、必要に応じて決定されるというようなことを、ある意味でリスクコミュニケーションというか、少しずつきちんと根付かせていかないと、そのときに要らない混乱がまた起きてくるようなことがあってはいけないと思います。

○岡部委員長 ほかに御意見はありますか。

○押谷委員 今、丸井先生が言われたことと関連します。ワクチンが足りないという状況も非常に厳しいと思うのですが、同時にワクチンはあるけれども、接種体制が追い着いていかないということがある。国民全員にこれだけの量のワクチンをやるというのは、ものすごく大きな事業で、非常に時間が掛かる。そういう中で、仮に高齢者に非常に重症化しやすいウイルスが出てきた場合に、寝たきりの高齢者などにどうやって接種するのかということが、非常に大きな問題になってくると思うのです。そうすると、接種を受けられない人たちが相当出てくる。そういう状況にどう対応するのかというのは、非常に厳しい課題かなと。その辺はガイドラインの中にも若干触れられてはいると思うのですが、必ずしもきちんと整理されていなくて、行政の人たちは多分、非常に大変な状況に陥るのではないかと思います。

○岡部委員長 ガイドラインづくりの中で一番やらなければいけなくてできないことは、やはり体制づくりの部分の中で、対象者の登録です。どの方が対象になるかというのが、スーッと電子化などで出てくるといいけれども、結局はそこがきちんと取れてないのです。優先順位にせよ、年齢にせよ、移動している人にせよ、もうちょっとあらかじめの登録制度ができると、混乱はかなり回避できるのですけれども、費用の問題と現実のところで、なかなか動かないで困ったなと、川崎市では考えているのです。

○坂元委員 特に高齢者に関しては、大都市圏での喫緊の課題として、2025年問題でどのような高齢者が増えるかということと、今、それは地域医療構想や医療計画を都道府県でやっていて、在宅医療の見込数を出そうとしている中で、恐らく相当な数が在宅医療に移行することになると思います。押谷先生の言った問題は、施設に入れば一括でできるのですけれども、在宅の場合は11軒行かなければいけないということで、自治体として最も悩ましい問題だと思っています。

○宇田委員 今日が項立ての話ということだったので、余り詳しい問題意識は申し上げなかったのですけれども。接種体制に関しては岡部委員長から、平成24年に手引書を作っていただいて、自治体においてはそれを参考にいろいろとシミュレーションをし、医師会の先生方と協議をして準備をしている所もありますけれども、むしろ準備がまだできていない所のほうが多いかもしれません。今、パンデミックワクチンを接種するということで、実際にモチベーションが上がって準備をし始めればいいのですが、まだ災害対策などのほうが、危機管理としては優先順位が高く、感染症に関しては少し優先順位が下がってきつつあるという現状があります。

 接種体制の中でも、確かに様々な課題があります。あれは確か17時間ぐらいで420人ぐらいを対象として接種できるような、そういうことをイメージした手引書になっていたと思うのです。しかし場所によっては、もう少し多くの人たちを対象としてやらなければいけない。医療リスクの高い方々に対しての接種の優先順位が高いのですけれども、医療リスクの高い人たちのリストアップというのは、総論ではそうだけれども、各論としてはどういう案内をどういう人たちに出せばいいのか。あるいは、あらかじめリストアップするという御指摘もありましたが、重症度が悪化するとか医療リスクが上がるというのは、かなり経時的に変化するのです。接種主体になっている市町村に対しての指導というか、保健所がやったり、手引書を見ていろいろと検討したりはするのですけれども、あらかじめレジストレーションしておくというのは、なかなか難しいところがあります。

 そこで、どういうように接種していければいいかといったことは、先生からアイディアを出していただいたように、改めて何らかの形でマニュアルなり、ガイドラインなりを作っていただくとともに、何らかの手引きを参考にして、市町村単位でできるような仕掛けをしていかないと。例えば研修や行動計画は作れているのですが、行動計画のある程度の総論的な項立てはちゃんと書いてあると思うけれども、いろいろな細かい手順に関しては、なかなか書けていないというのが現状だと思うのです。そういう住民接種に関して言うと、市町村単位でやっていくべきことを実際にやれるような研修や訓練も含めて、今後の課題ではないかと思います。

○岡部委員長 貴重な意見をありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

○笹井参考人 ガイドラインは示されているのですが、予防接種要領がまだできていないかと思いますので、これはどういう予定になっているのでしょうか。

○岡部委員長 事務局は何か御意見がありますか。

○竹下インフルエンザ対策推進室室長補佐 現在準備をしているところです。

○岡部委員長 オンゴーイングであると。

○笹井参考人 区市町村によって準備の状況は様々ですけれども、やはり予防接種要領がないと、具体的な検討ができないという意見もありますので、よろしくお願いいたします。

○岡部委員長 それと、私が接触のある自治体にはよく申し上げているのです。とにかく訓練でも何でもやってみなくてはいけないけれども、そこで実際に実行できそうかできそうではないかを、厚労省に報告してくださいというお願いをしています。そうするとできるものはできるし、できないものを無理くり作ってもしようがないので、現実的なものに合わせると。それが次の課題に結び付いていくのではないかと思うので、何もやらずに机上だけでやっていくのは実施が難しいのです。実際に訓練をやってみて、その結果できるできないというのを是非、厚労省でまとめていただければと思います。

○調参考人 また製造のほうに戻って恐縮ですけれども、この新しいガイドラインでも、H7の発生のリスクがかなり言われていますので、製造のほうでH7のワクチン製造に関する取組を、これから進めていく必要があるのではないかと思います。

 それから、先ほど信澤先生が言われていたことですが、細胞において抗原性が変化していく可能性が指摘されているので、もう少々感染研で一括して、各細胞における増殖性や抗原性の変化をチェックできるような体制が取れないかということは、検討していただく必要があるのではないかと思います。

○小田切委員 今の調先生の最後のコメントについてです。各メーカーが持っている細胞というのは、それぞれのメーカーに特許があり、基本的に感染研には分与できないシステムになっているので、感染研でそれぞれのメーカーの細胞を調べる、チェックするというのは、なかなか難しい状況です。

○調参考人 そうすると、製造したものをできるだけ早く感染研で抗原性などをチェックして、効果をチェックしていくという体制が必要ということになりますか。

○小田切委員 そうだと思います。感染研からまずメーカーに行って、メーカーでやったものを一度バックしてもらって、そこで抗原性が変化しているかどうかをチェックしてという体制になると思います。

○信澤委員 ちょっとだけコメントします。メーカーによっては細胞を供与してもいいという所も、今は2社ぐらい出てきています。後ろに外資系の会社が控えているメーカーと、そうではなくて自社で細胞を開発している所があるのです。自社で細胞を開発した分は、感染研でも性状を調べることができれば調べたいと思っています。それ以外のメーカーに関しては小田切先生が言われたように、入手が難しいという状況です。

○釜萢委員 遅参いたしまして申し訳ありません。皆様からいろいろ御意見が出て、先ほど多屋参考人からお話いただいたように、幾つか分けて考えなければいけないことがあるのですが、谷口先生がおっしゃったように、不確実な部分が余りにも多くて、とても想定し切れないという感じがいたしました。

 一方で厚労省に伺うと、もう特別措置法ができていて、差し当たって特に今の方針を大きく変更しなければいけない事態でもないだろうと思います。そうしますと、その中で国民に対してできるだけの準備を。私どもがしっかり意見を述べながら、厚労省のほうで体制を取っていただくことが大事なわけですが、現在やり得るところとして、ウイルスがどういうように取れて増えるかというのは、余りにも不確実で、やってみないと分からないというか、その事態にならないと何とも言えないように思うのです。

 今できることは、川崎市がやっておられるように、仮に自治体にワクチンがある程度供給される。それもワクチン量がどのぐらい出るかというのは、幾つか分けなければいけないと思いますが、その中で行政が、特に市町村が主体になって住民接種を行うという事態に対して、それぞれの行政がどこまで準備できているかというのはすごく温度差があります。できている所と、ほとんど検討が進んでいない所があるので、今私どもが少し手を付けて、積極的に動けるのはその部分、それぞれの自治体の準備の状況をなるべく引き上げておくことではないかと思います。

 集団接種を行政に実施できるノウハウが、今はほとんどないのです。もうほとんどが、みんな個別接種になっている。以前、集団接種をやっていたときは優れた保健師や看護師がいて、事務方もあって非常に能率よくできたのですけれども、今はそのノウハウがほとんどないので、集団接種がうまくできるかどうかというのは、全く心もとない限りです。むしろ、ある程度ワクチンが供給された場合に、それぞれの自治体がどういうように具体的に接種するかというところについて、各市町村行政の準備のレベルを高めておくというのが、まず今の段階でできることとして、優先順位が高いのではないかと私は感じますので、発言させていただきました。

○岡部委員長 大変重要な御指摘をありがとうございました。実際に何もやらないのは良くないです。少しでも上がって、そこで先ほどのように問題点を集約していって、少しずつ上向きにしていくというのが実際面での出来事ではないかと思います。

 もともとのところに話が戻ってしまうのですけれども、2ページの目標の新型インフルエンザやパンデミック発生の話です。以前にも「新型インフルエンザ」と言うと、いつでも新型インフルエンザは発生するので、押谷先生がおっしゃるように、言葉の使い方として「新型インフルエンザでパンデミックになるポテンシャルのあるもの」というのを、一応クリアにしておいたほうがいいと思うのです。また、パンデミック発生というのは本当にパンデミックが起きてからのことではなく、パンデミックが起きる可能性のある場合という条件であることを、これも用語の使い方としてクリアにしておいたほうがいいだろうと、今回の議論でそう思います。

 それから、私がやはり気になっているのが3番目の3行目の所です。「ワクチン製造株を、新型インフルエンザ小委員会等の議論を経て決定」とありますが、この決定の主語は国と考えていいですか。いつも主語の抜けているのはどこですかという議論が出るのですが、この場合も最終的には国であるという理解でよろしいですね。ありがとうございました。私の気にしていたことはそこなのです。

 それから「成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン」は、森島班の了承も得ているので最終版になっているということでよろしいですか。ありがとうございます。それぐらいですかね。あと、全体で何か御意見はありますか。

○押谷委員 先ほど優先順位の話が出ましたけれども、私の記憶が正しければ、行動計画、ガイドラインを改訂したときに、いろいろな議論がきちんとできなくて時間切れになって、継続して議論をしなければいけない課題が幾つかあって、その中に優先順位が入っていたはずなのです。ほかのどこかの小委員会などでされているのかもしれませんが、そう言っていながら、改訂されて何年たつのですか。本当に議論がどこまで進んでいるのか。これ以外にも医療体制の問題とか、いろいろな課題があって、継続して議論していきますというように多分、事務局は説明していたはずなのですが、それが本当にやられてきているのか。

 これは内閣官房のほうかもしれませんが、どこまで課題があって、それぞれの課題がどこまで本当に議論されてきたのか、それをきちんと整理をして、もう一度何を議論しなければいけないのかを。ここまでの議論もワクチン株をどうするかとか備蓄量をどうするかという、割と枝葉末節に近いことで、大局的な話が余り議論されていないように私は思うのです。どういう課題があってどういうところまで、それぞれの課題の議論がきているのかという整理を、もう一度する必要があるのではないかと思います。

○岡部委員長 そういう意味で今日の議論は、かなり課題が出てきていると思うので、言いっぱなしではなくて課題を整理して、こういう問題点が出てきたということを羅列でいいので、次にどうやって来年度に持っていくかという議論に進めていただければ、この小委員会も議論した甲斐があると思うので、よろしくお願いします。そういう形でいいですよね。

 それと、今日の議論には出ていませんけれども、大きい課題として挙げるならば、例えばH5N1を用いたプレパンワクチンが現状のままでいいのか。あるいは、プレパンワクチンという形で備蓄をしているわけですが、そういう方針が良ければ良いということでやっていいと思うのですけれども、それがいいかどうかという議論は、やはりどこかでしていったほうがいいと思います。ようやく被害想定というか、被害のときのシナリオの見直しが動いているので、そちらはそちらで根本的なこととしてやっていただきながら、これからのストラテジーとしてのワクチンの備蓄などを。抗インフルエンザウイルス薬の備蓄のほうは、ほかの国よりもかなり進んでいるのではないかと思うのですが、パンデミックワクチン、プレパンデミックワクチンの考え方については、更に課題があると思いますので、その辺を整理していただく。

 本年は年末の本日でで終わりにしておいて、来年になってまた新たにこの委員会か、この下のワーキンググループかで。公衆衛生やワクチン製造などがありますし、ワーキンググループになるのですかね。課題山積で申し訳ないのですけれども、必要があれば先ほどお願いしたような実際面のガイドラインを、もう一回見直すチームなどを是非進めていただければと思います。

 そういったことで、今日は議論というようになっていますけれども、1つには治療ガイドラインについては改訂を了承していただいて、抗インフルエンザウイルスの備蓄薬の流通機構としては、これで了解できるけれども、対象が実際にもう少し柔軟に動く必要があるとか、調査票を出すときの内容については、できればエビデンスがきちんとできるような形での調査ができるようにというのが2点目だと思います。

 パンデミックワクチンの現況もいろいろやっていただいて、少し進んでいるところもあり、課題もできているわけですが、もし明日起こるとすると間に合わなくて、抗インフルエンザウイルス薬を最初に使いながら、ワクチンの出来上がりを見るという状況です。今後の製造や評価、デバイスも含めた細かいところから根本的なワクチンの作戦などについても、まだまだやらないことはいっぱいあるようです。そういったことが今日の中で出てきているので、是非その課題をまとめていただくと。できるものとできないものとがいっぱいあると思いますから、我々委員はそれについて、適切にアドバイスをやっていくというようにまとめておきたいと思います。そういったことでよろしいでしょうか。

 それでは、今日の委員会はこれで終了したいと思います。事務局あるいは課長のほうから何かありますか。

○三宅結核感染症課長 宿題をいっぱいいただきました。年の瀬で毎日忘年会をやりながら全部忘れたい位まだまだあるなと言うのが実感です。5年前、10年前から変わってない課題も多かったのですけれども、今回の1つの成果としては、6か月でどのようなペースで製造されていくかということが、初めて各社のワクチンを合わせた形で大体分かってきました。そうすると初めて今言ったような住民接種などの分け方とか、いろいろなことが具体的に検討しやすくなりますので、その土台がやっとできたというように聞いております。それを基に、今回いただいた課題を3つに分けるのか、いろいろなリスクなどで4つ、5つに分けるかは考えますけれども、まずは今日の課題を分類して、できればどこでどんな方向でいくかを。我々、新型インフルエンザ室は相変わらず弱小ですので、どこでどんな人たちに手伝ってもらうかも計画を立てながら、皆さんといろいろと議論をするし、できれば加速していきたいと思います。このことは忘れずに、来年もきちんとやっていきたいと思います。本日はありがとうございました。

○岡部委員長 次回については何かありますか。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 次回の日程については、決まり次第御連絡を差し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○岡部委員長 今日はどうもありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 


(了)

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