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2017年12月20日 第33回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成29年12月20日(水)15:00~17:30


○場所

厚生労働省18階 専用第22会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2


○出席者

大山部会長代理、岩瀬委員、金田委員、齋藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、椎野委員、西沢委員、西村委員、原委員、安井委員、山口委員

○議事

○藤原参与 それでは、ただいまより第33回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきありがとうございます。

 初めに、委員の出席状況ですが、増田部会長におかれましては、急遽他の用務のために御欠席との御連絡をいただいております。
 この他石井委員、喜多村委員、藤井委員及び松山委員が御欠席でございます。また、原委員は20分ほど遅れるとの御連絡をいただいております。

 それでは、本日の議事進行につきましては、大山部会長代理よりお願いしたいと存じます。

 恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで御退室をお願いいたします。

(報道関係者退出)

 

○大山部会長代理 ぎりぎりになりまして申し訳ありません。前の会議とぶつかっていまして、少し遅れて来る予定だったのですが、部会長が欠席ということになったので、ちょっと時間をずらしまして、すみませんでした。

 それでは、議事次第に沿って「日本年金機構の平成29年度上半期の取組状況について」を議題とさせていただきたいと思います。

 これにつきましては、機構の今年度の計画達成に向けた取組状況を中間的に確認して、進捗管理を行おうという趣旨で御報告いただくものであります。

 それでは、機構から説明をいただきます。お願いいたします。

 

○田中企画調整監 日本年金機構経営企画部の田中と申します。

 私のほうから、資料1の「平成29年度上半期の取組状況」について御説明をさせていただきたいと存じます。

 それでは、ページをおめくりいただきまして、目次でございます。項目1から11までございまして、このそれぞれにつきまして、平成29年4月から9月まで、また、項目によっては、わかりやすいように、10月以降の取組ですとか、今後の取組について記載をさせていただいております。30ページ余りございますので、30分程度お時間をいただいて、なるべく簡潔に御説明させていただきたいと思います。

 まず、1ページでございますが「1.再生プロジェクトの実施状況」ということでございます。再生プロジェクトにつきましては、平成28年度からの3年間を集中取組期間として進めておりますが、本年10月、折り返しということでございますが、改革はおおむね計画どおり進展しているところでございます。

 このプロジェクトは「組織改革」「業務改革」「人事改革」及び「情報開示・共有の促進」という4つの柱で構成されておりますが、2年目の本年は中身を入れる年ということで、各種取組を進めているところでございます。

 また、各改革を進めている中で新たに生じた課題対応事項を重点取組テーマと位置づけまして「年金給付業務の役割見直し」「事務センター業務のビジネスモデルの見直し」「お客様チャネルのグランドデザイン策定」「現場機能の充実と職員の働き方改革を促進するための更なる人事改革」について、組織横断的な検討を進めているところでございます。

 表のほうに参りますが、まず【組織改革】でございます。これについては、本部組織の再編・効率化ということで、今年の4月に、地域部の現場支援・管理機能を本部に完全統合いたしまして、正規職員312人、非正規職員256人の定員を現場へシフトいたしました。

 次に【業務改革】でございます。 「マル1年金事務所の機能集約」ということで、法人向け業務を集約しているところですが、平成2911月に5カ所の厚生年金保険の適用・徴収業務を近隣年金事務所へ機能集約を実施いたしました。今後もこれを引き続き進めていく予定です。

 「マル2事務センターの広域集約」ということでございますが、これにつきましては、平成2910月には2つの事務センターを近隣事務センターに集約いたしまして、来年1月には9事務センターを集約して27から18になるという予定でございます。

 ページをおめくりいただきまして「マル3障害年金センターの設置」ということで、障害認定事務の統一や業務効率化を進めるために、平成29年4月に、各事務センターで実施していた障害基礎年金の審査業務を全て障害年金センターに集約いたしました。

 「マル4予約相談の拡充」ということでございますが、昨年10月から予約相談を開始いたしましたが、昨年10月の予約率は約10%でございましたが、この10月には約48%ということで、非常に予約率は向上しているということでございます。

 「マル5指示文書の発出件数の削減」「マル6ルール徹底の取組」「マル7業務削減の推進」につきましては、それぞれ必要な取組を進めております。

 「マル8年金給付業務の役割見直し」ということで、年金事務所と事務センターの役割分担を見直すということで、この7月から一部の年金事務所で試行的に年金給付の審査業務を実施いたしました。この結果を踏まえまして、来年1月以降、準備の整った拠点から、順次、審査事務の移管を実施していくということにしております。

 「マル9お客様チャネルの拡充」ということで、テレビ電話を利用した年金相談につきまして、来年1月下旬を目途に佐渡市でモデル的に実施開始予定としておるところでございます。

 次に、3ページ下の【人事改革】でございます。これにつきまして「マル1役職と資格の関係見直し」以下7項目について、昨年来、順次実施しているところですが、例えば「マル2専門職の設置」につきましては、上席年金給付専門職を75人配置、年金給付専門職を179人登用、あるいは上席システム専門職を7人配置して、システム専門職を37人登用するといったように、順次取組を進めているということでございます。

 ページをおめくりいただきまして【情報開示・共有の促進】ということでございまして、透明性を確保してお客様に安心いただける組織づくりのため、これまで情報開示規程の制定など、情報開示体制の見直しをしてきております。また、組織内及び厚生労働省との間の情報共有を強化ということでこれまでも取り組んでまいりましたが、今年度は「マル1

本部と現場間の情報共有の促進」ということで、テレビ会議システムを平成29年4月に導入いたしまして、この9月末までに会議477回、指示等の拠点説明125回、研修147回ということで実施をしております。

 マル2は「本部内の情報共有」ということで、常勤役員会を随時開催しているということでございます。

 【その他の取組状況】は、御覧になっていただければと思いますが、例えば「マル3再生プロジェクト推進チームの設置」ということで、組織風土改革や業務改革全般について、取組を進めているということでございます。

 5ページは、冒頭申し上げました4つの重点テーマということでございまして「マル1年金給付業務の役割見直し」を始めとして組織横断的な検討を進めておりますので、記載について、後ほど御覧になっていただければと思います。

 6ページからは「2.情報セキュリティ対策の実施状況」ということでございます。

 情報セキュリティ対策でございますが、情報セキュリティ上の脅威に対して強固な情報セキュリティ・システムを構築するとともに、お客様の重要な個人情報の保護を確実に行うために、組織面、技術面、業務運営面の3つの観点から対策を強化することとしておりますが、対策はおおむね計画どおり進展しているところでございます。

 1点目は【組織の一体性の確保(組織面)】ということでございますが、これにつきましては「マル1情報管理対策本部の運営」他、マル2からマル4まで記載の項目について、着実に取組を実施しているところでございます。

 2つ目の【システム上の対策(技術面)】ということでございますが、これにつきましては、まず「マル1情報システムのセキュリティ対策」ということで、年金個人情報等専用共有フォルダのセキュリティ強化ということで、昨年度来、既に取り組んできたところですが、さらにセキュリティ機能を強化するため、自動暗号化に向けた準備を実施中ということでございます。

 もう一点、電子媒体のセキュリティ対策ということで、これにつきましては、検疫PCを全拠点に設置して、外部機関からの電子媒体の検疫を開始したということでございます。

 7ページに移っていただきまして「マル2独立したインターネット環境の構築」に向けて、6月1日から本部各部及び全拠点に拡大した運用検証を開始したところでございます。

 ※で書いてございますが、これらの対策については、外部機関の監査ですとか、情報セキュリティ・システム専門委員会で御確認をいただくとともに、指摘事項に対しては適宜対応しているということでございます。

 3点目の【業務運営上の対策(業務運営面)】でございます。これにつきましては「マル1情報セキュリティポリシー等の整備」を始めとして、昨年度に引き続き、教育・訓練などを含め着実に実施しているということでございます。

 8ページからは「3.社会保険オンラインシステムの見直し」ということでございます。これにつきましては、フェーズ1、フェーズ2とそれぞれございますが、まず【フェーズ1の対応状況】ということでございます。

 右側の「マル1経過管理・電子決裁システム」でございます。これにつきましては、平成29年1月から稼働しているわけですが、各拠点からの意見や要望を受けて、運用や事務処理に影響を与える事項について、4月と7月にそれぞれシステム改修を行うとともに、障害等に随時対応いたしました。その結果、業務量が増加する夏期繁忙期については、特に混乱は発生しなかったということでございます。

 「マル2マイナンバーによる情報連携」ということで、平成30年3月以降、順次実施することとしている情報連携に向けて、段階的にシステム開発を行ったところでございます。

 次に【フェーズ2への対応】ということでございます。これにつきましては、ここに記載のローマ数字1からローマ数字6といった項目の実現を基本コンセプトとして、開発に向けた要件定義等を進めているところでございます。

 下のマルのフェーズ2開発の調達方法・開発スケジュールなどについて、本年2月から7月末まで開発業者と意見交換会を実施し、そこで得られた意見につきましては、情報セキュリティ・システム専門委員会で御議論いただいて「年金業務システム開発(フェーズ2)に向けた基本方針について」として取りまとめられたところでございます。

 9ページのマルについて、開発したシステムが現場で円滑に利用されるようにするため、利用者視点により設計内容の妥当性が十分に検証されることが必要なことから、現場の意見の吸収・反映のために全国の拠点職員の協力を得て、事務処理の実情、法制度、システム運用、セキュリティ等の多角的な観点から、現行及び見直し後の業務プロセス等の点検を機構が一丸となって取り組める仕組みづくりを進めたということでございます。率直に申し上げまして、フェーズ1は現場の意見を若干反映し切れていなかったところがございましたので、それを反映するような仕組みを構築したということでございます。

10ページの「4.事務処理の正確性の確保」ということでございます。

 【事務処理誤りの発生状況】でございますが、全体としては、10ページの右側の数字のとおり、年度ベースで申し上げますと1,495件から1,258件、上半期ということで申し上げますと547件から419件ということで、全般として発生件数は減少しております。

 一方、10ページの一番下のマル2に記載のとおり、事務処理遅延、書類紛失については、発生件数が大きく減少している一方で、誤送付・誤交付・誤送信については、11ページの表で細かく集計をしておりますが、今年度上半期は100件ということで、昨年度の94件、一昨年度の106件と比較して横ばいという状況が続いておりますので、ここの取組の強化を図ることが必要ということでございます。

11ページの真ん中以降、発生防止の取組ということで幾つか記載をさせていただいております。

 まず、1点目が書類の紛失対策ということで「マル1クリアファイルを活用した書類管理の徹底」を図ったところでございます。

 2点目が、複数回事務処理誤りを発生させたところを重点取組拠点ということで指定いたしまして、状況管理を行っているところでございます。

12ページでございます。先ほど申し上げた件数の多い誤送付対策の一つといたしまして「マル3委託業者の管理強化」ということで、立入調査ですとか、作業手順の確認といったことを行っているところでございます。

 「マル4研修等の実施」ということで、これは順次行っているところでございます。

 最後の「マル5年金事務所の発送物の削減」でございますが、これも誤送付対策ということでということで、事務センターに作成・発送業務を集約して効率化を図るなどの取組を行っているところでございます。

13ページからは「5.人材育成に関する取組状況」でございます。

 これについては、3つほどポイントというか、項目がございまして、1つは13ページの【本部主体の統一的な研修の実施】ということでございますが、これまで本部とブロック本部でそれぞれ役割分担しながら研修を実施しておりましたが、これを本部主体の統一的な研修とすべく、体制の見直しや、研修教材の統一といったことを行ったところでございます。

14ページ【新たな研修環境の整備】ということでございまして、非正規職員を含めた全職員が受講可能である新たな研修環境の整備ということで、そこに記載がございます「マル1テレビ会議研修の導入」ですとか、真ん中より下ですが「マル2音声付教材の提供」、あるいは「マル3年金塾の創設」「マル4非正規職員の研修の充実」といった取組を行っているところでございます。

15ページの真ん中より下でございます。【研修の質の向上に向けた取組み】ということでございまして、研修講師や実務指導を行う職員を養成することによって、研修レベルを向上させるための研修というものを実施しているところでございます。

16ページにお移りいただきまして「6.国民年金適用・収納業務」でございます。これにつきましては、行動計画を策定して収納対策を効果的・効率的に推進することとしておりますが、今年度は最終納付率70%を達成することを目指して取組を行っているところでございます。

 右側にそれぞれ現年度納付率から最終納付率まで記載がございますが「マル3平成27年度分保険料納付率(最終納付率)」は71.8%ということで、上半期の時点で既に目標を達成しているということでございまして「マル1平成29年度分保険料の現年度納付率」「マル2平成28年度分保険料納付率(過年度1年目)」もそれぞれ伸びており、順調に推移していると考えております。

 【収納対策の取組】でございますが、1つは未納者属性に応じた収納対策ということで、現年度保険料・過年度保険料のより一層の納付率向上を図るため、特別催告状を毎週計画的に実施するということになっておりまして、17ページでございますが、効果の高いカテゴリーや取組時期を考慮した計画を策定して、未納者属性に応じた効果的・効率的な収納対策を推進するということにしております。

 本年度は平成28年度の実施件数から15%削減を図って、900万件の送付を計画いたしました。この上半期の実施状況ですが、計画どおりの送付件数となっておりまして、今ほども御説明申し上げました納付率も順調に推移しているというのは、こういった効果的・効率的な収納対策の取組の結果とも言えるかと考えております。

 次に、強制徴収の着実な実施でございますが、平成29年度は、控除後所得300万円以上かつ未納月数13月以上の滞納者等に督促を実施しております。平成29年9月末までの送付件数は7万9,000件ということ、また、督促状の発行件数は2万5,000件ということで、それぞれ前年を上回っております。

 3つ目のポツの「会計検査院の指摘を踏まえ」というところでございます。これは後ほど厚生労働省から御説明があるかと思いますが、督促保険料等の確実な徴収と適正な債権管理の徹底を図るため、強制徴収業務に係る指示書を9月5日に発出したところでございます。指摘事項に係る実施状況については報告を求めて、進捗状況については適切な管理を図っているところでございます。

 国民年金の最後、17ページの一番下でございます。【第3号不整合問題への対応】ということで、これにつきましては、これまでも様々な取組をしてきたところですが、平成29年度につきましては、マル1ということで、来年3月末で終了になります特例追納制度についての周知を図るとともに、マル2でございますが、平成30年4月以降、年金額が減額となる特定受給者の方への周知を進めているところでございます。

18ページは、今ほど申し上げました3号不整合問題の対応の詳細でございますので、時間の都合上省略をさせていただきますが、きめ細かな対応をしているということでございます。

 次に、19ページからは「7.厚生年金保険適用・徴収対策」でございます。

 まず【適用対策】でございますが、行動計画を機構全体及び年金事務所ごとに策定して進めているところでございます。

 右側のマル1の適用件数でございますが、機構全体で9万3,007事業所、308,384人を適用しているところでございまして、平成29年度の目標に対する進捗率は、それぞれ62.8%、80.5%ということで、上半期で半分を超えているということでございます。

 また、マル2は、適用すべき被保険者数が5人以上の事業所などから優先的に適用促進をするということでございますが、10人以上の事業所に係るものは68.7%、適用すべき従業員が5から9人の事業所に係るものは84.2%と、それぞれ半分を超えているところでございます。

 下のほうは適用事業所の調査ということで、これまで全国で313,329事業所を対象として事業所調査を実施いたしました。このうち、特に詳細な確認を総合的に行う総合調査につきましては、昨年同期比約1.2倍の事業所に対して実施しているところでございます。

 ページをおめくりいただきまして、そうした結果、マル2でございますが、指摘率ということで、指摘を行った事業所の割合は2.81%、調査により適用した被保険者数は8,935人ということで、それぞれ括弧内の前年度を上回っているという状況でございます。

 【徴収対策】につきましては、右側の真ん中あたりのマル1の収納率でございますが、97.7%ということで、前年度実績を上回り順調に推移している状況でございます。

21ページにお移りいただいて「8.年金給付」でございます。これにつきましては「サービススタンダード」ということで、一定の月数以内で年金をお支払いするという目標を掲げまして、達成率90%以上を維持するように取り組んでいくということですが、今年につきましては、受給資格期間短縮に係る年金請求書の初回支払い、これは10月の初回支払いに向けた処理が発生したこともありまして、一部の年金種別では90%を達成できなかったという状況でございますが、この受給資格期間短縮の受付も一段落したということでございますので、年度末に向けてさらに努力して、改善していこうと考えております。

 次に、21ページの下のほう【年金受給にできる限り結びつけていくための取組】ということで、これにつきましては、これまでも年金請求書のターンアラウンド方式で本人宛てに送付しているところですが、今年はマル3にございますとおり、受給資格期間短縮に伴って、期間が10年以上ある方に対して年金請求書を送付させていただくなどの取組を進めておるところでございます。

 マル4は、前回この場で御報告させていただいた振替加算の支給漏れ事案について、総点検をして公表いたしましたが、お支払いができる方へ11月支払いに向けて対応したということですが、これにつきましては、後ほど詳細に御説明をさせていただきたいと思います。

22ページの【障害年金をめぐる諸課題への対応】【年金不正受給対策や債権管理対策の強化】につきましても、それぞれ必要な取組を進めさせていただいているところでございます。

23ページからは「9.年金相談等の状況」ということでございます。

 1つ目は【窓口相談体制の見直し】ということで、年金相談体制を見直して、知識、経験を有する年金給付専門職の配置や、無期転換した年金相談職員を長期的に配置することにより、安定した相談体制を構築するということでございます。

 まず、マル1でございますが、今ほど申し上げましたが、年金相談職員329名を配置いたしました。また、マル3にございますが、平成29年4月に、先ほど申し上げました年金給付専門職員を179名配置いたしまして、給付体制の強化を図っているということでございます。

 次に【予約相談の活用】でございます。

 マル1は、受給資格期間短縮に関する裁定請求書ですとか、機構からの送付物に予約相談の周知を記載いたしまして、周知を図ったということでございます。

 その結果もあったかと思いますが、マル2でございます。先ほど申し上げましたが、全国の平均予約率は昨年10月の開始当初は約11%だったのですが、今年10月には約48%まで上昇いたしまして、20万件を超えるお客様が予約相談を活用する状況となっているところでございます。

24ページでございます。【年金事務所での相談】ということで、待ち時間は通常期で30分、混雑時でも1時間を超えないよう対策を講じるということでございます。今ほど申し上げましたが、受給資格期間短縮等で相談件数が約295万件、平成28年度比で約126%、平成27年度と比べても111%ということになっておりますが、待ち時間につきましては9分ということで、目標についてはしっかり達成しているという状況でございます。

25ページ【コールセンターでの相談】のマル1でございますが、ねんきんダイヤルの応答率の向上を図るため、ホームページに混雑予測、Q&Aの掲載を行っております。また、各種通知の発送時期の見直し、あるいは分散発送を行いまして、繁忙期にはオペレーターの増席対応を行いました。

 ただ、やはり上半期は統合通知書の送付だけではなくて、先ほど来申し上げている受給資格期間短縮に伴う裁定請求書の送付ですとか、税制改正に伴う扶養親族等申告書の送付によりまして入電が非常に集中いたしまして、昨年度と比較して応答率が80.3%から41.6%と38.7%低下いたしました。これにつきまして、現在、契約内容の見直し、効率化・集約化を含めて、今後のあり方を支援業者も交えて検討しているというところでございます。

26ページ「10.制度改正への対応状況」ということで、繰り返し申し上げております受給資格期間短縮は8月施行ということでございますが、年金請求書の送付等を2月から7月にかけて67.6万人に送付いたしました。

27ページに状況を記載させていただいておりますが、ローマ数字3を御覧になっていただきますと、10月、11月及び12月に初回の支払いがされた方は約46.9万人ということで、これらの方に新たに年金が支給されたということでございます。

28ページの真ん中から下でございますが【持続可能性向上法(短時間労働者への任意適用拡大)】ということでございます。これにつきましては、労使合意に基づいて事業者の申し出があって適用となるということもございますので、周知を行って制度への適用を促したところでございます。

29ページ真ん中下からは、これからの制度施行でございます。1つは、国民年金保険料産前産後免除、もう一つは、一番下のマイナンバー制度への対応ということで、今、それぞれ円滑な施行に向けて準備を進めているということを記載させていただいております。

31ページからは「11.年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止のための対応」ということでございます。

 まず【年金記録の確認等の対応】ということで、未統合記録の解明に向けた対応を行っておりますが、今年度、優先的に実施することとしている年金記録照会申出書の再調査を遅滞なく進めているところでございます。

 記録問題の解明状況につきましては、お手元の参考資料を御覧ください。まず、そちらの35ページをおめくりいただきますと「未統合記録(5,095万件)の解明状況」を資料として付けさせていただいておりますが、37ページを御覧になっていただけますでしょうか。

 これにつきまして、さらに記録の統合を進める取組を検討する材料を得るため、戸別訪問によるサンプル調査を平成291130日から12月8日まで行いました。これにつきまして、ちょうど結果が取りまとまりましたので、この場を借りて御報告をさせていただきたいと思います。

 この調査でございますが、戸別訪問によるサンプル調査ということでございまして、全国の年金事務所で名寄せ特別便等に未回答の60歳以上の方に対して、名寄せ特別便等で該当した記録が御本人の記録であるか否かという確認を行ったものでございまして、結果として、計4,281人のうち、御本人の記録であると回答された方が受給者の方で267件、12.8%、受給待機者・被保険者の方で611件、27.9%でございました。未回答者の方に対して、記録確認のお知らせをなるべく早く再度お送りできるように検討していきたいと考えておるところでございます。

  資料1に戻っていただきまして、32ページから33ページの【分かりやすい情報提供の推進】ということで、ねんきんネットサービスの提供ということでございます。ねんきんネットやユーザIDについての周知は、32ページに記載のとおり、様々な周知活動を行っておるところですが、32ページから33ページにかけて数字が出ておりますが、平成29年9月末時点の累計のユーザID発行数は約487万件ということでございますが、今年は上期に新たに約30.2万件発行いたしまして、目標にはちょっと届いていないということですが、発行を進めているということでございます。

 長くなって恐縮ですが、説明については以上でございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、只今いただきました説明内容につきまして、御意見、御質問等がありましたら、お願いしたいと思います。

 どうぞ。

 

○金田委員 金田です。

 3ページの「マル4人事評価制度の見直し」のところなのですが、「平成29年1月に実施した職員アンケート等を踏まえ、苦情申し立てを処理する内部委員会の立ち上げなどを実施」とございますけれども、この内容を「人事評価制度の見直し」のところに記載するのがふさわしいのかどうなのかということは置いておきまして、これらの苦情の中には職場環境の問題とか、あるいはパワハラ・セクハラ等々が含まれているのではないかと思いますので、機構の職員に対するメンタルヘルス対応・対策についての説明をお伺いしたいなと思います。

 特にメンタル不調者を出さない未然防止策、あるいは不幸にしてメンタル不調者が出てしまったときの対策、あるいは窓口相談といいますか、メンタル相談対応の状況等々について御説明をお願いしたいと思います。

 

○大山部会長代理 回答していただけますか。

 では、お願いします。

 

○木谷日本年金機構理事 人事・会計部門担当の木谷でございます。

 メンタル不調者の対応ということでございますけれども、機構では相談窓口を全国に設けておりまして、そこに常に相談できる体制としているということでございます。その後に万が一メンタルにかかった場合につきましても、産業医とか、そういう方々に相談をしながら復帰プログラムをつくりまして、本部の労務管理部が中心になってその対応を行って、復帰までフォローしていくという体制はとってございます。具体的には、今、手元に持っていないのですけれども、対応としてはそういう形をとっているということでございます。

 

○大山部会長代理 金田委員、どうぞ。

 

○金田委員 資料等々は後ほどお願いするといたしまして、効率優先の組織になってしまいますと、どうしてもその辺りが置いていかれるということがございまして、そこがここの職場で働く職員にとっては非常に大事なところなものですから、是非慎重にといいますか、積極的に対応していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○木谷日本年金機構理事 今、時間外勤務の縮減という対策もやっていまして、どうしても長時間働くとメンタルにかかるということもあろうかと思いますので、きちんと勤務時間管理を徹底して長時間勤務にならないような形をとるとともに、今は60時間ぐらいを考えているのですけれども、そういった時間を超えた場合には、本人に自己チェックリストをお渡しして、それによって、場合によっては上司の面談とか、あるいは産業医の面談とか、そういった形でフォローしていくということもやってございます。

 

○金田委員 もう一点だけ。ぜひその具体的な資料等を出していただければと思いますので、よろしくお願いします。

 

○木谷日本年金機構理事 わかりました。

 

○大山部会長代理 他にございますか。

 どうぞ。

 

○岩瀬委員 何点かありまして、障害年金センターについて、どのような体制でこれをおやりになっているのか。あと、今日説明は結構なので、スタートして現在までの処理状況の資料を後でいただけますか。

 同じ障害年金に関しては、サテライトオフィスをつくっているという記述もありましたけれども、これは一体どういうもので、どんな機能を持たせているのか。これも資料でいただきたいと思います。

 それと、テレビ年金相談に関してモデル実施をするということですけれども、この効果測定というのはどういう形でいつやるのか。それは今、説明できるのでしたら教えていただきたいと思います。

 もう一つ、4ページの【情報開示・共有の促進】という項目の中で、先ほど情報共有のことは説明がありましたけれども、情報開示体制を見直すということに関しての説明がなかったような気がするのですが、これはどういうことなのか、分かれば説明いただきたいし、資料もいただきたいということでございます。

 

○大山部会長代理 どなたが回答いただけますか。

 では、理事長、お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 今の御要請でございますが、障害年金センターの資料についてはお出しいたします。

 それから、テレビ電話相談の効果測定でございますが、1月から佐渡でスタートするということでございますので、この状況については、随時把握をして御報告を申し上げたいと思います。

 情報開示に関しましては、情報開示規定を整備いたしておりまして、毎月の事務処理誤りも含めてきちんとした開示を行っていると考えておりますが、具体的な御質問等がございますれば、お答えいたします。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○岩瀬委員 この取組状況の中には「情報開示体制を見直す」ということが書かれているのですね。どんな見直しをやったのか、今までとどこがどう違っているのか、その辺の説明と資料もいただきたいのです。

 

○田中企画調整監 参考資料の20ページを御覧ください。これは再生プロジェクトの取組状況につきまして、71項目それぞれの取組方針と対応状況を記載しているものでございます。

 まず「(12)情報開示の促進」につきましては、今回御報告したのは平成29年度上半期ということで、記載はしておりませんでしたが、「情報開示の担当部署と担当理事の設置」を既に平成28年1月、平成28年4月に行っているところでございます。

 また「モニタリングシステムの構築と監査機能の活用」、あるいは今、理事長から御説明申し上げました「情報開示ルールの見直し・規定化」ということで、情報開示規程の策定を既に様々行ってきたということで、今回の4月から9月の実績には記載しておりませんが、こうしたことを平成28年度に既に実施したということでございます。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 

○岩瀬委員 では、その実施のまとめられた資料はいただけますか。

 追加で済みませんが、情報開示体制の見直しというのは、今後はもうやらないということですか。ここに書かれていることが全てであるという理解でよろしいのでしょうか。

 

○水島日本年金機構理事長 当面はそういうことでございます。

 

○岩瀬委員 当面というのはどういうことですか。

 

○水島日本年金機構理事長 もちろん情報開示体制について、常に見直しをしていくということが必要でございますので、その見直しを行ったときには御報告をしてまいります。

 

○岩瀬委員 ということは、もうこれ以外は当面の計画はないという理解でよろしいのですか。

 

○田中企画調整監 先ほど私が1ページから5ページまで御説明したときに「1.再生プロジェクトの実施状況」ということで、再生プロジェクトに書かれた71項目の実施状況を御報告して、さらに、5ページで【今後の重点取組テーマ】ということで4つほど重点テーマの改革を進めている中で、新たに生じた課題への対応を位置づけてやっていると御説明申し上げましたが、仮にそういうことがあれば当然やっていくということですが、現時点ではないということでございます。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 それでは、もし他の方がいらっしゃれば。

 どうぞ。

 

○西沢委員 資料1の25ページの【コールセンターでの相談】と、参考資料の34ページのねんきんダイヤルの月別応答状況に関連してなのですけれども、応答状況を見ますと9月は300万件です。グラフは100万までしかないので、もっと突出しているはずですけれども、25ページを見ますと、事前の説明でも、扶養親族等申告書の送付が原因の一つであると伺っています。

 私が高齢者になったときに手間だと思うのは、この扶養親族等申告書を毎年送れというのは結構大変だと思うのです。所得税の源泉徴収をするために、これを出さないと扶養控除の分をやってくれないので、税金が重くなってしまうから出してくれということだと思うのですけれども、これがあったことで、今回、コールセンターに着信があったということで、やはりこの手続がそもそも煩雑ですし、仕組み自体がロジカルではないと思うのです。

 というのも、私が年金受給者になったら、扶養関係とか私の所得、家内の所得を市町村には伝えているはずであって、これを見ると、年金機構の皆さんは国民健康保険と介護保険は天引きしているので、介護保険料や国民健康保険料の情報の中には私や家内の所得や扶養関係が既に織り込まれているはずですから、その中で、なぜさらにまた別途、扶養関係とか家内の所得を日本年金機構に通知しなければいけないのかなと単純に思いますし、日本年金機構は私や家内のマイナンバーを把握しているはずなので、なぜまた改めて書かなくてはいけないのかなと純粋に疑問に思います。

 これは国税や市町村との交渉になりますけれども、人生100年時代と言われる中で、年金受給者の方の認知能力も若いころに比べれば落ちてくる中で、切手も多分貼らなくてはいけなくて、家内のマイナンバーの通知書もコンビニか何かでコピーをしないといけなかったり、そうやって大変なので、そこを削減する目線をぜひ持ってもらえたらなと思います。

 以上です。

 

○大山部会長代理 回答できますか。

 では、課長。

 

○竹林事業管理課長 西沢委員、御質問いただきまして、どうもありがとうございます。

 年金受給者の方の色々な記入上の御負担などを減らしていく努力は常にしていかなければいけないと思っておりますけれども、今、委員から御指摘のあったことの中で、少し事実関係だけ御説明させていただきたいことがございます。

 1つは、もともと市町村は既に色々な受給者の方の御家族の情報とか、所得の情報を持っているのではないかという御指摘がありましたけれども、実は順番からいうと逆でございまして、市町村はどうしてそういう色々な方の所得の情報を知っているかと申しますと、1つは国税ルートで、国税で確定申告をした方については、複写式になっていまして、国税のほうからその情報が市町村に送られてくる。

 それから、実は我々のように給与が源泉所得されている方については、会社から市町村に送られてくる。そして、年金受給者については、実は日本年金機構のほうから、そういう色々な源泉徴収をした情報を市町村に送る。

 つまり、市町村が持っている情報は1年遅れの情報で、国税なり、源泉徴収義務のかかっている民間企業や日本年金機構の情報を送って、彼らは知っているという状態になっているということがございます。

 したがって、今回の扶養親族等申告書で記入していただこうとしているものは、既に市町村が知っている情報ではなくて、平成30年度に扶養している方がいらっしゃるかどうか。去年と変わっていない方もいらっしゃると思いますけれども、扶養されている方が亡くなったとか、新しく扶養に入った方がいる場合もございますので、毎年そういう情報をいただいていて、1年遅れでそれが市町村のほうに伝わっていくという状況になっています。

 それから、マイナンバーの記載についても、今年問い合わせが殺到した主たる要因にはなっておるのですが、実はこれは所得税法という法律で、年金の受給者については、マイナンバーを記載した申告書を、正確には「公的年金等の支払者」と書いてあるのですけれども、日本年金機構等を経由して提出しなければいけないという法律上の規定になっておりまして、私どもや日本年金機構は執行機関でございますので、そういう法律上の制約の前提の中で、どこまで受給者の方の御負担を減らせるかというところをやっていかなければいけない立場でございます。

 ただ、今年度に関しては、私どもなりに受給者の方にわかりやすい記入方法、記入例の作成とか、あるいはコールセンターの増設もしたつもりでおったのですけれども、結果としては問い合わせが殺到し、コールセンターにつながらないような状況もあったのは事実でございまして、そこは反省をしております。

 申告書に一度マイナンバーを書いていただくと、2年目からは要らないとなっておりますので、来年度からは記入が必要な方は大幅に減ると考えておりますけれども、引き続き今年度の反省を踏まえて、わかりやすい記入方法の手引きの充実などを図ってまいりたいと考えております。

 どうもありがとうございました。

 

○大山部会長代理 後ろの方、手が挙がっていましたが、何か補足はございますか。

 

○田中年金給付部長 まず、御理解いただきたいのは、所得税の世界でのルールに従って我々はやっているということであります。これは我々がコントロールできない部分であるということについて、御理解いただきたいと思っています。

 それから、機構によるマイナンバーの利用が遅れたということで、扶養親族等申告書でマイナンバーの記入を求めるというのは、今回が初めてということになります。あわせて、今回は配偶者控除の見直しというのがありまして、受給者本人と配偶者の両方の所得を考えなければいけないというのも初めてでした。

 このために、通常の年ですと、簡易申告と申しまして、前年と変更がないという申告が可能なのですけれども、今年は一から全て記入していただかなければなりませんでした。マイナンバーだけではなくて、配偶者控除の見直しの問題もあったということでありますので、かなり特殊な年だったということについては、御理解いただきたいと思います。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 

○西沢委員 前段はすみませんでした。私の認識違いでした。

 ただ、年金受給者の人にとって簡便になることが重要なので、私が理解しても仕方ないのです。事前の説明の中でも、殊に源泉所得税に関しては、日本年金機構は国というよりも一民間企業としての所得税法上の扱いだなという理解に至って、ですから、今、私の勤務先のような民間企業と全く同列に日本年金機構が論じられているという理解に至ったのですけれども、一般の国民の方は必ずしもそう思っていないと思うのです。

 やはり国は国で、市町村なり、国税なり、どこかに伝えたマイナンバーは年金機構で情報連携してくれるのではないかなと思っているはずなので、それは国税側の事情もあるのかもしれませんけれども、やはり、要望は要望として年金受給者の利便性を高めるために常に要求し続けたりしていくことが、事務誤りにも、負担軽減にも大きくつながると思うので、すぐにできなくても重要かなと思います。

 

○大山部会長代理 今の話は要望ということで出ておりますが、私も個人的にはそう思うのです。ただ、情報の確定、例えば、今回出してもらうにしても、情報の正確性はどのように考えているのですか。

 

○竹林事業管理課長 情報の正確性という意味でいえば、どういう方が扶養家族としていらっしゃるかということについては、一義的に機構のほうに情報があるわけではないので、これはどうしても御本人からの申告をベースにしなければならない。それはある意味、会社員の我々も同じ立場であって、勤め先に対して適切な報告をするということを前提に源泉徴収義務の制度ができておりますので、そこはそういったものとして進めていきたいと思っております。

 西沢先生の最初のお話につきましては、どうしても法律上の枠組みはございますが、私どもとしても国税庁とも日頃から色々お話をしておりますので、年金受給者の色々な負担の軽減、もちろん適正な税務処理というのも必要なわけですけれども、その中で年金受給者に対してどのような負担軽減をしていけるかということは、国税庁ともよく御相談しながら、引き続きしっかり知恵を絞ってまいりたいと思っております。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 他に。山口委員、どうぞ。

 

○山口委員 取組状況の5ページに、3カ年の再生プロジェクトということで、今後の取組の重点テーマが4点挙げられています。ちょうど折り返し地点ということなのですけれども、この4点というのが、今後、3年目に向けて追加的、あるいは軌道修正として盛り込まれていくという形で具体化されるのか、それとも、3カ年の集中取組期間の後も見据えた、もっと何か大きな体制整備ということでお考えになっているのか。まだ課題が見えてきたという段階かもしれないのですけれども、もし今後の具体化の見通しがあれば、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

 

○大山部会長代理 理事長、どうぞ。

 

○水島日本年金機構理事長 まず、この4点は、今までやってまいりました結果、従来の業務、人事、組織、あるいは情報共有というテーマを、いわば横断的に見直していかなければならないテーマとして、このようなテーマがあると新たに考えておるということでございます。

 後ほども申し上げることになるかもわかりませんが、給付に関しまして、振替加算をベースにして事案を踏まえますと、非常に長い間、給付体制がそれぞれの責任の分担において行われてきたわけですが、その体制にやや問題がある。この見直しを進めなければいけないという意味でございます。そういう意味で、給付の正確性を確保するためには、これを何としてもやり遂げなければならないだろうと考えております。

 来年1年間で決着するかどうかということについては、多分、来年で形はできると思います。しかし、実際の運用に関して担保していくという意味では、さらに時間はかかるだろうと思います。

 事務センターに関しましては、これも再三申し上げておりますが、なかなか集約効果が出てこないというのが、今、我々として問題だと考えていることでございまして、そのためには、何度も申し上げておりますので詳しく申し上げませんが、いずれにしても、職員間の役割の見直しによって、正規職員を事務センターから現場に出していかなければならないと考えているということが1点。

 それから、刷新の効果をどのような形で、フェーズ1の効果は主として事務センターでありますので、それをいかに実現していくか。それによって、事務センターの仕事のやり方を効率化していくかという点に関して、さらにメスを入れていかなければいけないということだと思います。

 チャネルに関しましては、これも申し上げたことがあるかと思いますが、県ごとに事務所網ができ上がっていたということでございまして、全国的な人口動態の変化等に応じまして事務所網の見直しを行わなければならないだろうということが1点でございます。

 それから、街角の相談センターというのは、社労士会さん等にお願いをしてやっているところがございますけれども、そこの効率化をどうしていくかという問題があると思います。

 それから、情報セキュリティを踏まえてインターネットチャネルをどのように考えていくのかということについては、大きなテーマでございます。

 先ほど来、御質問がございますコールセンターについて、今年度、極めて応答率が悪いという状況に直面いたしておりまして、そのような色々な事態の変化にフレキシブルに対応し得るコールセンター体制というのはどうあるべきなのかということについて、かつ、事務所の電話もとりにくいという状況が発生していると認識いたしておりますので、この電話の体制をどうするかということについて、抜本的に考えなければならない。

 このような意味で、お客様に対するサービスの充実の原点と申しますか、早急に対処しなければいけないところの1つは、そこだと考えているということです。

 人事改革につきましては、現場重視と言っているわけですが、現場を重視するということで現場の人の評価を上げるということをやってきたわけですが、それは必ずしもイコールではないという点はあると思います。

 評価するべき人材をどのように定義して、教育をしていくかということに関しては、まだやらなければいけないことはございまして、今まで進めてきたことに関して、来年度は最終年度でございますので、一旦、一定の結論は出したいと思いますが、その先に向けてどのような施策を行うべきかということについても、同時に来年度に検討を行っていくということでございます。

 今申し上げたようなことをテーマとして考えておりますが、これ以外に、先ほど御説明いたしましたように、公権力行使業務に関しまして、もう一度見直しを行わなければならない、適正化を行わなければならないと考えておりますし、そのような意味で、まだやることはあると思います。まだ道半ばだと思いますが、集中取組期間については、基本的に来年度をもって一定の目処はつけたいと考えているところでございます。

 

○山口委員 ありがとうございます。

 3年経ってその達成度や到達点に対する評価が出てくると思うのですが、またいずれお話を伺えればと思います。

 

○大山部会長代理 他はいかがですか。

 どうぞ。

 

○椎野委員 13ページに職員の研修教材の統一というお話が載っておりますが、やはり非正規職員の方も採用されているようですので、その方々の初級、中級、上級のようなカリキュラムがあるようでしたら、見せていただければと思います。今日ではなくて次回でも結構ですので、よろしくお願いいたします。

 

○大山部会長代理 回答いただけますか。お願いします。

 

○木谷日本年金機構理事 承知しました。

 

○大山部会長代理 他はいかがですか。

 どうぞ、安井委員。

 

○安井委員 上期の報告ということで、ちょっとこのテーマにはそぐわないかもしれませんが、今と同じテーマで、人材育成に関する取組が色々な形で丁重に行われているということはわかったわけですけれども、人材の質的な育成・向上というのは、必然的に要求されることではあるのですが、近年言われております人口の減少に伴う労働力の減少、いわゆる質ではなくて、量の問題についても必ず着目していかなければいけないのではないか。

 といいますのは、これから年金機構としては、AI化やIT化ということで労働力の省力化というのは当然のごとく図られるわけでしょうけれども、ひょっとすると、それを追い越すような求人困難というのが、現在はちょっと極端な状況が発生しているとは思うのですが、やはり長期的に見ても、労働力の量的な減少を補うべく、対策を現在から長期的に講じておかないと、ある時点になって実は人がいなくてこれができないのだという話がどんどん出てくるのではないか。

 これに対して年金機構は長期的な計画、あるいはそういった対策というものはどの程度考えているのか、あるいはこれから考えようとしているのかということは、一応、伺っておきたいと思います。

 

○大山部会長代理 いかがですか。どなたか回答いただけますか。

 

○水島日本年金機構理事長 新卒の採用に関して、来年度、どのぐらい採れるかというところは、多分350人ぐらい採れるのではないかと思うのです。毎年何人ぐらい採っていかないと機構の今の仕事が回っていかないかと考えますと、大体400人ぐらい採らないといけないのではないかと思うのです。

 おっしゃるとおり、400人を安定的に毎年採っていくということは非常に大変なことでございますが、おかげさまで、今のところは、今年度についてはアプライしていただける方が多い。ただし、やはり通年採用のような形でやっていかなければいけないということが1つございます。

 それから、正規登用をしておりますので、正規登用の制度をどう使うか。今、正規登用が50名ぐらいだと思います。現在、そのような仕組みをつくりながら、人材を確保していくということをやっておりますが、今後やらなければいけないテーマというのは、機構のシステムが非常に大きな部分を占めます。

 その人材を何とかして確保していかなくてはいけないという意味がありまして、どういう形でそういう人材を確保していくのかということについて、各大学あるいは専門学校との共同体制とか、そういうことも構築していかなくてはいけないのではないかと考えていまして、検討には入っていますが、なかなか具体化しないという状況だと思います。

 実は、昨年は190名しか採れませんでした。そのために、今年度は現場の正規職員の不足というのが明らかに出てしまいました。そのような状況を踏まえながら、民間でございますので、既に試験で入ってくるという状態ではなくなってしまったわけでありますから、民間企業と競争していい人材を確保するというモデルの確立をしなければいけないと考えておりまして、順次やっていると思いますが、御指摘のとおりだと思いますので、さらに色々研究を進めていきたいと思いますので、ぜひ御指導をいただきたいと思っております。

 

○安井委員 人材に関しては、質的にも大変ですし、量的にも、たしか1万1,000人が正規及び準職員の方だと思いますので、単純に30で割っても大変な数字になると思います。

 ただ、長期的にと申し上げましたのは、この1万1,000人の方が、この10年なり20年なりの間でIT化、AI化によってどのぐらい減らせるのか。減らせるのはどのセクションなのか。それから、それらをフォローアップする人材をどうやって調達するのか。

 そういったことを具体的な形の戦略として持っていないと、1万1,000人を擁するこの大規模な年金機構を維持していけないのではないか。もうそろそろそういった長期的なビジョンをこの段階でつくり上げていく必要があるのではないかということを申し上げているのです。

 

○水島日本年金機構理事長 御指摘のとおりだと思います。重く受けとめさせていただいて、具体的な検討を進めたいと思います。

 

○大山部会長代理 他にございますか。

 どうぞ。

○斎藤(聖)委員 2ページに「マル5指示文書の発出件数の削減」というところがございます。8割の削減というのは大変大きな数字です。今まで文書が多過ぎると文句を言っていた立場の者からこんなことを言うのもあれなのですが、8割減らしてしまってコミュニケーションは大丈夫なのだろうかというのがちょっと気になります。

 コミュニケーション・連絡の質を落とさずに文書を8割減らすというのは、どういう工夫をなさったのでしょうか。減らすということだけを目標にしたのではなくて、きちんとそれなりのことをしていらっしゃると思うので、そのあたりを御説明いただけたらと思います。

 

○大山部会長代理 お願いします。

 

○石倉企画調整監 業務品質管理部の石倉でございます。

 こちらで御紹介しております指示でございますが、確かに8割という数字は非常にインパクトが大きく、大丈夫なのだろうかと思われることはごもっともだと思います。

 この8割削減の前に再生プロジェクトで調査をいたしました際に、実は過去「指示依頼」と呼んでいたルールの文書があるのですけれども、私どもが今おります高井戸本部以外に9つのブロック本部がございまして、このブロック本部から相当の指示依頼が出ている実態がわかりました。

 多分これは高井戸本部にも責任がございまして、高井戸本部から現場に対して重要なルールを指示文書で示す際に、現場にとって必要な情報が十分入っていないというところがございまして、すると、現場がそのルールを守って業務を行おうとすれば、もう少しかみ砕きが要るとか、そういうものがあるのです。

 恐らくこれは、社会保険庁時代も各都道府県に社会保険事務局の組織がございまして、当時もその社会保険事務局という組織が、本庁から出てくる通知・通達の類いをある程度かみ砕きながら現場に落とし込んでいた。そういう名残もあったのではないかと考えております。

 ただ、この組織改革の中で、今、既にブロック本部は一元的に本部の組織となって、地域部として機能しております。この組織改革とあわせまして、ルールについてはきちんと責任部署がまとめて出すという整理をいたしました。

 つまりは、この8割削減というのは、事実上、ブロック本部の発出を取りやめたことが非常に大きく、高井戸本部だけに限定して申し上げれば、こんなに数字は減っていないのです。2年目に入りまして、今、月当たりの指示の平準化も行って、昨年に比べて安定してまいりました。

 さらに、今年の新しい取組なのですけれども、今、指示を出すときに、紙でお示しするだけではなく、テレビ会議システムを使ってテレビ解説を行っております。直近の現状で申し上げれば、最近出した指示の約半数は、テレビ解説によって本部側の職員が直接顔を見せて、かみ砕きながら背景をお伝えして、現場にお仕事をしていただいているという状況でございます。

 

○斎藤(聖)委員 ありがとうございます。

 

○大山部会長代理 大丈夫そうですか。

 では、どうぞ。

 

○岩瀬委員 先ほど理事長に質問したことで、わからないというか、ちょっと理解ができなかったことがあるので、追加でお尋ねしたいのですが、テレビ電話年金相談に関しての効果測定の件ですけれども、随時把握をするということをおっしゃいましたが、効果測定を把握した上で、随時、部会に情報提供をしていただけるのか、ある一定期間経た上での提供なのか、そこを確認させていただけませんか。

 

○水島日本年金機構理事長 いかようにも御報告いたしますけれども、まず、効果測定をどのように行うかというのは、やはり御利用いただけるかどうかということが第一だと思います。ですから、御利用いただく件数あるいはお客様の数がどのようになっていくのか。

 一方で、コストという面でいきますと、例えば、今、出張相談をやっているわけですが、その出張相談コストがどれだけ削減できたかということになりますが、コスト削減効果を目的にこれをやるというのはやはりちょっと本末転倒かなと考えております。

 そういう意味で、どれだけお使いいただけるかということについて実績をとってまいりますので、これに関しまして御報告申し上げることに関しては、御指示のとおりにいたします。

 

○大山部会長代理 要求すればいいという感じですね。

 

○岩瀬委員 要求すれば出してくれると。随時そちらから提供できるというわけではないですか。

 

○水島日本年金機構理事長 いや、どちらでも。例えば、毎月、この部会に何件の実績があるということをそのたびに御報告申し上げろということであれば、そのようにいたします。

 

○岩瀬委員 これは新規の事業ですし、一体どうなるかわからない事業でもありますし、できたら日次ベースで集計をとったものを部会ごとに資料として提供いただけるとありがたいと思います。

 

○水島日本年金機構理事長 もちろん結構でございます。岩瀬先生がおっしゃいましたように、私どもといたしましても、このようなサービスがどれだけ利用していただけるかというのは、1カ所からスタートいたしまして、ただし、それを拡大していくかどうかについては、まさに実績を見ながら判断していきたいと思いますので、実績をお出ししますので、ぜひ御意見を頂戴したいと思います。

 

○岩瀬委員 では、よろしくお願いします。

 

○大山部会長代理 他にございますか。よろしいですか。

 それでは、時間の関係もありますので、次へ進ませていただきます。

 次はその他事項でありますが、その他が結構ありまして、その1つ目として、振替加算の未払いへの対応状況と事務処理誤り等の総点検について、機構から説明をいただきます。お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 資料2と3でございますが、特に資料3につきましては、後ほど担当者から御説明をさせますが、冒頭若干申し上げたいと思います。

 前回の9月13日の部会におきまして、振替加算に係る総点検の結果を御報告いたしました。本事案に関しまして、本来支給されるべきお客様が支給されていなかった。また、その他の方々にも大変御不安、御心配をおかけしたということに関しましては、機構として大変申し訳なく、心から改めてお詫びを申し上げる次第でございます。

 その後、未払いとなっておりますお客様への振替加算のお支払いについては、個別確認などを急ぎ進めてまいりました。

 お手元の資料2を御覧いただきたいと思いますが、振替加算の未払いが判明したお客様は合計で105,963人でございました。そのうち、1215日の定期支払いまでの間で103,626人の方々にお支払いが完了いたしております。お支払いがまだ完了していない方は2,337人となっております。

 これらの方々、死亡者の御遺族の方への確認、あるいは他の年金を受給していらっしゃって選択関係にある方々について、必要な確認を行っているところでございますが、死亡者の方は残念ながら4,031人いらっしゃいました。そのうち2,196人につきまして、御遺族の方へのお支払いが完了いたしております。

 その他の方につきましては、現在、御遺族の状況について調査を開始したところでございまして、また、選択が発生する方々につきましても、関連文書の発送を完了したという状況にございます。

 この他、資料の下の方にございますけれども、ややテクニカルになりますが、対応をさらに要すると考えております方々は、1つは、御主人が共済で奥様が年上の場合に、振替加算が支給されていないという事態が発生しているケースです。

 もう一つは、御主人に加給年金が支給されていながらも、奥様からは御主人との生計維持関係がないというお届けのある方々がいらっしゃいます。その方々が本当にそうなのかということについて、もう一度確認をする必要があると考えておりまして、この方々にお申し出いただいている内容は正しいのかということについて、今、順次確認作業を進めているところでございます。

 現在までのところ、対応状況については、スケジュールに沿って進んでいると考えておりますが、いずれにいたしましても、早期にお支払いを完了すべく、努力を引き続き行っていきたいと考えております。

 次に、資料3についてでございますが、当機構では、今申し上げました振替加算の公表を契機といたしまして、振替加算と同様の構造的な問題を有する事案がないかという観点から、9月から再生プロジェクト推進室内に年金給付適正化プロジェクトチームを設置し、年金局と連携・協議をしながら事務処理誤りの総点検を実施してまいりました。

 資料の内容について、詳しくは後ほどプロジェクトリーダーから報告をさせますが、総点検は「1.事務処理誤りの総点検」「『お客様の声』の総点検」「リストの総点検」という3つのアプローチで行っております。

 具体的には、事務処理誤りに関しましては、機構発足後、お客様対応が完了いたしまして、既に公表済みの事案約1万件につきまして、その内容について分析を行いました。

 また「お客様の声」は、6,000件について分析を行いました。

 リストの総点検は、システムで処理した結果、確認をすべきではないか、あるいは処理をすべきではないかということについて、システムから出てくるリストでございますが、約1,000種類ございます。これに関する内容についても、集中的に行ってきております。

 結論から申し上げますと、この総点検の結果といたしましては、先般御報告申し上げました振替加算と同種、すなわち発生原因がシステムあるいは事務処理手順に起因して、今後も継続的に発生し得る事案というのは確認されておりません。

 しかしながら、既に新規発生は防止されておりますが、過去分の対処が不十分であると把握されました事象、それから、システムによって事後的に誤りの発生は確認できるが、対応が不十分であったという事案を確認しております。

 また、主としてヒューマンエラーに属しますが、年金給付体制の強化によって再発防止をさらに徹底していくべき事象につきまして、今後、対処が必要だと考えております。

 今、3つのパターンを申し上げましたが、このパターンに沿ってそれぞれ必要な対応を進めていきたいと考えております。

 特に過去の対応が不十分であった事例で、システムによって対象者の方の抽出が可能なケースが考えられます。これに関しましては、システムの要件を詰めまして、現在、対象者抽出のシステムをつくる作業に入っております。早ければ来年4月ごろには具体的にお客様に御連絡申し上げることをスタートできるように、努力をしてまいりたいと思っております。

 当機構といたしましては、報告書に記載しておりますが、現在、年金給付体制の一層の適正化、あるいはシステム面では手作業処理のシステム化、あるいは運用面ではチェック体制の強化という点に関しまして、種々の施策を実施する準備に入っております。このような事案を踏まえて、年金給付体制の抜本的な見直し及び強化に努めてまいる所存でございます。ぜひとも引き続き御指導をお願い申し上げる次第でございます。

 

○石倉企画調整監 代わりまして、私、業務品質管理部とあわせて経営企画を併任しておりまして、この説明につきましては、経営企画のほうから御説明をさせていただきます。改めまして、石倉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、着座させていただきます。

 まず、この総点検でございますが、9月の振替加算の公表の折に、本当に多くのお客様、国民の皆様に御心配をおかけして、大きな事件となってしまいました。この事件を踏まえまして、当然、他にこんなに給付に問題があってはいけない。システムであるとか、事務手順の不備によって数多くの事務処理誤りが出てしまうような構造的な問題が他にあってはいけないという観点で、機構の中にプロジェクトチームを立ち上げまして、これまで総点検を行ってまいりました。

 このアプローチでございますが、厚生労働大臣の御指示も踏まえまして、今まで機構が公表してまいりました事務処理誤りの他、「お客様の声」というのは、まさにお客様から機構に対してお寄せいただく各種様々な声でございます。こういった御意見も分析し、かつ、振替加算の折にリストの問題が出ました。

 リストといいますのは、私どものリストはたくさんございまして、今日、こちらの資料にも1,065種類とありますが、リストの中に不要な情報がたくさん紛れ込んでいるがゆえに、リストの出力を抑止して、その結果、振替加算の未払いにつながった案件がございましたので、リストにつきましても総点検をするということで、3つのアプローチからこれまで総点検を実施したところでございます。

 これから御説明する内容でございますが、概要ペーパー1枚と、また別で資料3-2という、いわゆるこれが報告書でございますが、こちらはお手元に置いていただきたいと思います。

 私のほうからは、1枚紙の概要ペーパーに則って基本的なお話をさせていただきたいと思うのですが、中にはこの報告書を御覧いただいたほうがわかりやすいところもございますので、そこは随所で御案内を差し上げたいと思います。

 まず「1.事務処理誤りの総点検」でございます。先に理事長からも申し上げましたが、機構が発足して以降、数々の事務処理誤りが判明したものにつきまして、完了の都度、公表してまいりました。

 また、公表してまいりました事務処理誤りの中で、この度は年金給付に影響する事務処理誤りに特化しております。これは1万902件です。

 実は月次の公表といいますのは、こんな事務処理誤りがありましたという結果だけを毎月お知らせしていたのですけれども、今回は、この前公表したデータをもとに、改めてその内容であるとか、処理プロセスとか、その影響といったところに着目いたしまして、事象の分類をしようということで点検を行いました。

 さらに、後ほど申し上げますが、分類した際に、そもそもこれからその事象の新規発生のミスを起こさないための再発防止の仕組みができているかどうか。さらには、もし事象があったとして、この事象が既に完了した方の数字が1万902件なのですけれども、この事象に該当するような同種のお客様がいると思っているのです。神の目で見ると、私どもがミスに気づいていないだけの方がいるかもしれない。そうした場合に、そういった方をシステム的に特定できるかどうかといった観点から分析を行ってまいりました。

 点検結果でございます。結果といたしまして、構造的な問題がないかどうかを見るに当たりまして、色々分類分けをいたしました結果、10件以上の事象として分類できたものが33種類ございました。

 この33種類につきましては、本日の資料に処理プロセスを含めてまとめてございます。お手元の資料の10ページを御覧いただきたいと思います。左肩に「別紙1」と表示してございますが、今回の33事象につきまして、件数の多いものから順位をつけて表示してございます。

 この資料でございますが、真ん中に事務処理誤り件数を表示しております。3つ数字が並んでいる中で、左側は機構になってから事務処理誤りが判明して対応を完了した数字でございます。右側を御覧いただきますと機構設立前と設立後になっております。分析の際、そもそもそのミスがいつ起こっていたのかというところを今回分類いたしました。

 年金給付の事務処理誤りといいますのは、お客様にすぐにお気づきいただけるものもあれば、お客様自身がなかなか気づかずに、わからないまま結構な年数を推移するものもございます。このため、これから幾つか御紹介したいと思いますが、機構になってから判明したものの中にも、かなり古い時代に発生していたことが機構になってからわかったというものもございます。

 時間がございませんので、33事象全てを申し上げることはできませんが、今、皆様に御覧いただいているトップ3といいますか、件数の多いものを簡単に御紹介いたします。

 最も件数が多かったものは、1番の「振替加算の支給漏れ」です。まさに今、資料2で御紹介いたしましたが、資料2は、総点検ということで改めて拾い上げた対象者になりますが、ここで御覧いただいているものは総点検前にわかったものでございます。

 次いで件数が多かったものは「配偶者状態の登録誤りによる加給年金の支給漏れ」でございました。老齢年金に家族手当的につける加給年金については、私どもが配偶者の情報をシステム的に正確に把握しておかないと、きちんとお支払いができないのですけれども、実はこの配偶者の情報というのは、職員が入力などを行うときに幾らかコード化されたものを正確に入れなければいけないのですが、こういったところのミスがあって、結果として未払いになったものがございました。

 真ん中より少し右側の対応状況を御覧いただきますと、平成1710月にシステム改修を行っております。夫と妻で配偶者状態に不整合があったり、登録に何か問題があったりしたときに、昔はそのまま入力が終わってしまったのですけれども、平成1710月以降はそういうことができないようにシステム改修いたしました。

 数字を御覧いただきたいと思いますが、実は今回の総点検でわかった加給年金の未払いは、全て機構発足前のものでございます。ただ、平成1710月にシステム改修をした折に、過去分の方が拾い切れていなかったのです。このために、システム改修がされたとはいうものの、機構になってから未払いがわかったものが940件あったという内容になっております。

 続きまして、3番目を御覧いただきたいと思います。旧船員保険法は1961年3月で廃止されておりますが、この旧船員保険法の戦時加算の加算漏れがございました。

 戦時加算というのはかなり古い制度なのですが、具体的には太平洋戦争中です。昭和1612月から戦後の昭和21年まであるのですが、いわゆる戦争危険のある海域に船で出てお仕事をされていた、乗船されていた方については、その間の被保険者期間が上乗せされるという制度がございます。

 非常に古い制度なのですが、なぜこれが機構になってからこんなに上がっているのだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれないのですけれども、老齢年金を受けるときには、当然、お客様本人がいらっしゃいますので、そういう記録をお申し出いただいて、戦時加算をつけているのですが、その方が御高齢になられて亡くなられまして、遺族厚生年金の請求等に来られたときに、当然、奥様はなかなかそういうことも十分御存じないということもあるのですが、私どもが遺族厚生年金を決定する際に、画面を見ながらこの戦時加算の記録をきちんと正確に拾って、かつ、正確に入力処理もしなければいけないのですが、そこのミスがあって未払いがあるという事象がございました。

 後で皆様に御覧いただきますと、実は4番以降にも旧年金法に関するような事務処理誤りが機構になってから判明したものが多々ございます。そのように見てまいりますと、今、私どもが最も多く処理しておりますのは老齢厚生年金などなのですが、必ずしも処理件数の多いもののミスが多いというわけではなく、この戦時加算のように非常に古い制度の適用や判断を職員は正確に行う必要があるのですけれども、このようなポイントでミスが出ているのだなということが今回の検証でわかったところでございます。

 それでは、概要ペーパーのほうに戻っていただきたいと思います。

 今御紹介したような33種類の分析でわかったところなのですけれども、こちらの点検結果の3つ目に書いてございますように、振替加算の加給があったのは旧法関係が多いということは、今御紹介したとおりでございます。

 また、今回、機構発足前か発足後かということでこの件数を色々検証してみたところ、いつ起こっていたのかということを見ましたときに、機構設立前のことを足し上げますと、ここが全体の80%を超える件数だったという状況でございました。

 また、次のポツで再発防止のことを御説明しております。こちらにつきましては、報告書の3ページを御覧いただきたいと思います。

 上から1つ目のマルに、33事象の事務処理誤りについて、再発防止が実施されているかどうか。再発防止と申しますのは、今後、新規発生がないかどうかといった観点と、同種の事案の方がもしおられた場合、その対象者をシステム的に特定できるかどうか。この2つの観点から分類した内容を下にお示ししております。

 まず、新規発生の再発防止が済んでいるか、いないかを分類した場合、済んでいるものが15事象、済んでいないものが18事象でございました。かつ、この18事象でございますけれども、18事象の中で、マル2マル3で御紹介しておりますが、マル2の事象につきましては、新規に発生してしまうことはあるのですけれども、その方たちをシステム的に拾い上げて、ミスのあった方を特定することが事後的にできる事象でございます。

 一方、マル3でございますが、年金で申し上げますと「カラ期間」と言われる、いわゆる合算対象期間といいまして、年金に加入している状況ではなく、年金に加入していない理由を色々お客様に正確に確認しなければならない。例えば、お客様が海外に住んでおられた期間を正確に確認してあげないと、お客様の年金権や年金額に影響を及ぼすことがございます。あるいは年金を複数お持ちであれば、選択状況とか、どういった年金をお受けになっているのかなど、きちんと正確にお客様から情報を入手することが必要なものがございます。

 このようなお客様情報を正確に入手することが必要なものが9パターンございまして、こちらは基本的にお客様のお申し出等によって年金が一旦決定されてまいりますので、もともと私どもは、お客様の情報をシステム的に管理しているものではございませんので、事後的にシステム的に対応することが難しい、できないというものでございます。

 今申し上げましたマル1からマル3の内容は、パターン1、パターン2、パターン3と分類しておりますが、先ほど理事長から御紹介いたしましたが、パターン1が、既に新規発生は防止しているのだけれども、過去分の対処が不十分であった事象に当たります。

 マル2は、システムによる事後的対応が可能であったのだけれども、実態は可能な事象に対して十分対処していなかった事象に当たります。

 マル3は、先ほど再生プロジェクトの取組の中でも出てまいりましたが、年金給付事務の見直しも含めまして、より一層の給付事務の体制の強化を行うことによりまして、ミスの再発防止を徹底すべき事象に当たります。

 この15事象、9事象、9事象を合わせて33事象という状況でございます。

 このような事象もありまして、今後の対応方針を概要ペーパーに簡単にまとめております。また概要ペーパーを御覧いただきたいと思います。

 再発防止の対応強化、つまり、新規発生が防止できていない部分があると御紹介いたしましたが、事後的にシステムで対象者を拾うことができる9事象は、定期的な事後的なフォローを行ってまいります。

 また、正確なお客様情報を入手しなければならないパターン3の9事象は、取り扱いルールの徹底や監査等によるチェックを強化してまいりたいと考えておりますし、さらには、本部の中に、きちんと処理をしているかどうかチェックをするための専任部署の設置を検討しております。

 2つ目のポツでございますが、先ほどのシステムと重複いたしますが、対象者をシステム的に特定できるものにつきましては、パターン1の15事象、さらにはパターン2の9事象ございます。この合わせて24事象の方につきましては、現在、その対象者を特定するためのシステム改修の準備を進めております。できるだけ早くお客様に御案内したいと思っているのですけれども、特定に結構時間のかかるものもございます。ただ、早いものでは平成30年4月、遅くとも平成30年度中には、まず、お客様への御連絡については対処を終えたいということで、今、準備を進めているところでございます。

 対応状況でございますが、今回御報告しております総点検は振替加算の総点検結果とは異なりまして、このタイミングで何人ですとか、あるいは何万円とか何億円ですという規模感を申し上げることはできません。

 先に申し上げましたとおり、これから対象者を特定し、お客様から御連絡をいただいた中で金額が特定できるものもございますので、個別に御連絡いたしまして、実は今回は過払いの対応もございますが、年金の未払い、過払いの対処が終わった段階で、通常どおり、毎月の機構ホームページの公表の中でそれぞれの事象の結果を御報告したいと考えております。

 最後のポツでございますが、当然、事務処理誤りはこれで全て解決できるわけではございませんので、これからもきちんと事務処理誤りを減らしていく必要がございますので、今後の取組でございますが、例えば、これから前年度1年分について定期的にこのような点検を行って、年次公表でその結果をお知らせするということを行ってまいりたいと考えております。

 以上が「1.事務処理誤りの総点検」でございます。

 続きまして「2.『お客様の声』の声の総点検」結果について御説明いたします。こちらにつきましては、報告書の中に「お客様の声」の資料を御用意しておりますので、こちらで御説明いたします。21ページを御覧いただきたいと思います。

 「お客様の声」につきましては、冒頭申し上げましたとおり、さまざまなツールを通じてお客様から寄せられる御意見の他、機構の職員がお客様と接した結果、本部に報告するものなどもございます。

 今「お客様の声」につきまして、およそ6,000件について総点検を行いました。この総点検の結果、左側にどういった内容であったのかを御紹介しております。

 一番多かったのは、具体的にお客様が出された請求書などについて、決定が遅いではないかとか、あるいは私の年金の支払いはいつになるのかとか、そういったお客様の個々の処理状況に対する御意見が最も多く、2,400件ほどございました。

 次いで多いものが、これは機構の反省でもあるのですが、機構からお客様にお送りする様々なお知らせについて、わかりづらいとか、勘違いするからもっと改善してほしいといったような御意見でございます。

 この下に御紹介しておりますが、中には不正受給の声も一定ございました。最近、御近所のおじいちゃんの姿が見えないのだけれども、どうもおかしいのではないか。本当はもう亡くなっていて、年金をもらえる人ではないのではないかという内容とか、あと、遺族年金について、ある奥さんは御主人が亡くなって遺族年金をもらっているのだけれども、どうも内縁関係の男性がいるらしいとか、障害年金をもらっている方が階段を元気に歩いているよとか、こういったいわゆるたれ込みに近い声が299件ございます。

 このようなことにつきましての対応状況は、右側に御紹介しております。さまざまな内容がございますので、相談サービス担当部署が調整をした結果、改善した内容を右上にございますサービス・業務改善委員会のほうに色々報告をしています。

 ただ、実は今回、総点検でわかったことがございまして、事務処理誤りは全部で141件ございましたが、「お客様の声」の中に事務処理誤りの疑い、あるいは今回の3事象に匹敵するような内容、33事象の声だねというものが59件ありました。

 そうしますと、現在、私どもは「お客様の声」について、わかりやすさ等のサービスの改善や、ホームページをよくしましょうなどの業務改善というところを中心に取り組んできたのですけれども、このような声があるということを考えますと「お客様の声」をより一層活用する仕組みを考える必要があると考えております。

 ここは私どもの反省点だと考えておりまして、今後の取組につきましては、サービス・業務改善委員会の中に新しく業務適正化部会を設置いたしまして、この中で「お客様の声」の分析結果として、例えば、事務処理誤りの未然防止を察知できるようなものがあれば、具体的な取組につなげていこうと考えているところでございます。

 以上が「お客様の声」の分析結果でございます。

 最後に「3.リストの総点検」でございます。次のページを御覧いただきますと「各種リストの削減に向けた取り組み」が書いてございます。

 リストというのは、本当は年金給付システムで全て処理できればいいのですが、職員の確認を求めてさまざまなリストが数多く出ております。リストの種類は1,000種類ですが、左下を御覧いただきますと、年間で260万件も出ているという状況でございます。こちらにつきまして主な原因は、上に紹介してありますが、ここは省略させていただきました。

 ただ、今回の分析の結果、リストが重複して出ていたり、改善できたりするものがたくさんございまして、右側にお示ししておりますが、リスト数を5割削減できるのではないか。年間出力件数も8割削減できるのではないかということがわかりました。ここはもう着々と削減を進めてまいります。

 また、リストの作業についても、マニュアルの整備を進めて、ヒューマンエラーによるリスク低減をしっかり図る必要があると考えております。

 以上が「3.リストの総点検」結果でございます。

 簡単でございますが、よろしくお願いいたします。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 では、今の件につきまして、何か御質問、御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○岩瀬委員 「お客様の声」の総点検について、ちょっとお尋ねしたいのですけれども、これは平成26年以降の声を集計したということですね。それ以前の声を集計しなかった理由を教えていただきたい。つまり、機構発足以降、平成26年以前に非常に重要な指摘があった可能性もあるわけですね。それをここで切ってしまったというのは、もしそこに重要な指摘があれば、非常に残念な総点検になるのではないかなと思うのですが、その点をちょっと教えていただけますか。

 

○石倉企画調整監 実は今回は事務処理誤りの構造的な問題を探すという目的がございまして、まずは事務処理誤りのデータを最優先にやったのですけれども、機構の仕組みといたしまして、お客様からいただいた御相談の中でも、私どもが見てこれは事務処理誤りだということになると、「お客様の声」として上げるのではなく、職員が事務処理誤り報告を上げるという仕組みになっております。

 なので、今日も御紹介いたしました1万902件は、職員がちゃんと見つけたものなのですけれども、職員が作業をやっていて見つけたものだけではなく、「お客様の声」を受けて調べて判明したものもたくさんございます。

 ただ、これだけでは多分足りないのだろうということで、今回「お客様の声」の点検をした際に、元々この総点検の結果につきましては、9月20日の閉会中審査でも年内に御報告するというお約束もございましたので、まず、今、私どもが管理しているデータベースを見て、当然「お客様の声」の推移、特徴、事象を見ようということで総点検したものでございます。

 ですから「お客様の声」の特徴というのは、今日、資料で御用意いたしましたように、個別の処理状況が多いというのは平成26年以前も以降も変わらないと考えておりまして、今回は平成26年以降のものをデータベースで細分した結果を資料でお示したところでございます。

 

○岩瀬委員 平成26年以降と以前と変わらないというお考えだったということですけれども、その根拠は何なのですか。

 

○水島日本年金機構理事長 それはお客様業務管理システムというものがありまして、システムで管理を開始したのが平成26年以降ということなのです。それ以前はシステムで管理しておりませんでしたので、今回の声を抽出して分析するというデータベースというのは、平成26年以降だったということが理由でございます。

 

 

○岩瀬委員 わかりましたけれども、平成26年以前にも非常に重要な指摘があるのではないかという問題意識で聞いているわけです。ですから、これは年内に報告を出さないといけないというので、平成26年以降で一度切ったというのはわかるのですけれども、それ以前もデータは当然あるわけでしょうから、お客様の視点に立ってサービス及び業務運営の改善に努めるに当たっては、総点検と言う以上は、以前の部分もおやりになるべきではないかなと思うのですが、それについてのお考えをお聞かせいただけませんか。

 

○水島日本年金機構理事長 どのようなデータがあって、どういう形で調べられるか、紙であるのか、どんな形であるのかということは、今、把握できておりませんので、それについて把握をした上でお答え申し上げたいと思います。

 

○岩瀬委員 確認したいのですが、把握の結果とそれに対する対応の方針というのは、次回部会で教えていただけるということでよろしいわけですね。

 

○水島日本年金機構理事長 これは非常に大作業になる可能性もございますので、果たしてそれが効果的なものであるかどうかということについても検討した上で、御回答申し上げたいと思います。

 

○大山部会長代理 他にございますか。

 どうぞ。

 

○西沢委員 「お客様の声」の総点検という仕組みはとてもいいと思うのです。サービス改善だけではなくて、事務処理誤りに結びつけるといいますか、せっかくの情報なので、色々使うというのはとてもいいことだと思います。

 リストの総点検とありましたが、リストというのは聞きなれなくて、これが物理的に高井戸で出力されるのか、年金事務所で出力されるのか、どれぐらいのボリュームなのか。今回の振替加算もこれのチェックが十分でなかったことが一因だったと聞いていますし、ですから、ルーチン化してあまりにも大量に紙がアウトプットされると、例えば、処理するほうも忙しければ見過ごしてしまうし、物理的にどんな状況なのかもあわせて教えていただけるとありがたいです。

 

○大山部会長代理 いいですか。

 

○石倉企画調整監 それでは、まず、私が説明を端折ってしまった部分を補足させていただきます。

 このリストでございますけれども、中央年金センター、障害年金センターのほうで主に出力されるものでございます。この現物はないのですけれども、本当にリストの種類とか契機に応じて、様々な形でリストに全部出てくるのですね。ベテランの職員ですと、それを見ればどういうことを求められているのかというのがわかるのですけれども、初めて見る人間だとなかなかわかりづらく、そのためにマニュアルも整備しているというところでございます。

 振替加算の件でございますが、報告書の中で説明を漏らしておりました。申し訳ございません。6ページ、7ページをごらんいただきたいと思います。

 6ページの最後のマルを御覧いただきたいと思います。今、先生から御指摘いただきました、振替加算の事例がございましたので、今回、改めて振替加算に関するもので、どういうリストを抑止していたのかということも検証いたしました。

 こちらに御紹介してございますが、抑止をしていたリストとしては合わせて7種類という結果です。ただ、今日、私、リストの状況で、色々重複して出ているものとか、言うなればちょっと無駄のある出し方があったというお話をさせていただいたのですけれども、このうち、他のリストで確認が可能であるか、あるいは出力した後の処理が元々不要だとか、念のために出していただけなど、要は、リストを抑止したことによる給付額に対する影響がないものも5種類ございました。

 次に、7ページでございます。これが先般、9月の振替加算の総点検の際にも問題になったのですけれども、1種類は確かに振替加算に影響のあるものだったのです。ここは9月に公表いたしました振替加算を総ざらいするという総点検の対策がございまして、既にこのリストの処理は不要ということになっております。

 実は残る1種類がございます。専門的なリストの名称が出ておりますが、これは本文の括弧でも紹介しておりますが、もともと加給金というのは、妻と夫の年金の情報の中で、それぞれの情報にきちんと整合性があって、紐付いて入っているのが当たり前なのですが、例えば、AさんはBさんを配偶者と登録しているのだけれども、Bさんの情報を見にいくとAさんの配偶者の登録がないとか、場合によってはCさんという別人が入っているとか、こういうものがございました。

 これについては、平成17年1月にシステム改修が完了しておりまして、今、私が申し上げたような不整合な状況では処理が終わらないようになっているのです。

 ただ、なお書きで書いてございますが、実際、改修前の過去分対処が十分でなかったということもありまして、今回、この改修前の時期にデータに齟齬があった方につきましては、9月の振替加算の際に、ちゃんと加給の情報が入っていない方のお話があったかと思うのですけれども、お客様に個別に勧奨を実施するケースに加えまして、やはりこちらもお客様に個別に届け出の勧奨を行うという予定を考えております。

 先ほど説明が漏れた点は以上でございます。

 

○西沢委員 物理的な形状に関して、例えば、昔ながらの出力形式で、略語で書かれていて、その略語を紐解くためにマニュアルを見るとか、その辺は、私たちはわからないのですけれども、そういったところも改善されないと、若い職員の方とかはわからないですね。私だってわからないです。ですので、そういうものを改善されたらいいかなと思います。

 

○水島日本年金機構理事長 ちょっと簡単にそこだけ。

 御指摘のとおりだと思いますが、要するに、件数としてはリストが1,000種類で260万件出ている。それを500種類で40万件ぐらいまで絞りましょうというのが今やっていることです。ただし、40万件のものが処理をしなければいけないものなのか、あるいはお客様に確認しなければいけないものなのか、そのリストの性格が明確にならないといけないわけでそれを明確にしましょうと。

 処理をしなければいけないものについては、それは受付進捗管理システムの中に入れて、処理をしないと、それがフォローできるような体制にするということをやろうというのが今御説明していることなのです。

 おっしゃるとおり、確かに記号とか何かというのは私もなかなかわかりにくい部分があります。ただ、それがわかるように、来年度中にマニュアルの整備を同時に行うということを決めておりますので、したがいまして、マニュアルとシステムの精緻化も含めて、ただし、他の共済のシステム等々との連携でやらなければいけないものもございますので、システムの最終的な決着は平成32年になりますが、基本的にはそういう方向で考えているということでございます。

 

○大山部会長代理 どうぞ。

 

○齋藤(衛)委員 そういう意味では「リストの総点検」という項目の評価軸というのは、リストの数の削減ではなくて、7ページの(2)のマル2のアにある出力目的に応じた処理の結果、データの整合がとれたものが何件あるとか、後処理に回ったものが何件あるとか、そこの数で評価すべきなのではないでしょうか。

 

○水島日本年金機構理事長 おっしゃるとおりです。ですから、そういう整理を。

 

○齋藤(衛)委員 今後は整理されたものは、そういう数字で出してください。

 

○水島日本年金機構理事長 そこも御報告申し上げなければいけないと思います。

 

○大山部会長代理 時間の関係があるのですが、まだございますか。では、1件だけで終わりにさせてください。

 

○安井委員 事務処理誤りの総点検ということで、積極的な終戦処理と考えてよろしいのか。この総点検について、事後で結構ですので、いかなる陣容あるいは体制で、いかなるコストが費やされてこういうことがされたのかということを教えていただきたいと思います。

 

○水島日本年金機構理事長 わかりました。最終的にまとめて御報告を申し上げます。

 

○大山部会長代理 今、思ったより短かったので、時間の関係ではもう一件とれそうですが。

 どうぞ。

 

○西村委員 単にお願いです。表現上、大変申し訳ないのですが、あまり役に立っていないものを作ってしまったというのは、先ほどの中間報告にありました、きちんと一丸となってというところがきちんとできていれば、できていたことかと思います。当時のことを掘り返す気はあまりありませんけれども、やはりそういうところがきちんとできていなかった面もあるかなと自分ながらも反省するところはありますので、ぜひともそういう体制をきちんとつくってやり遂げていただきたいと思います。

 あれはあくまでも新しいシステムに関してというところではあるのですけれども、これ自体もまさにそのものだと思いますので、新システムというところに関わらず、新しい体系というものが現場の役に立つということを目標にしてやっていただければありがたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 

○大山部会長代理 安井委員、先ほど短くしてしまったのですけれども、もしあれば。

 

○安井委員 いや。

 

○大山部会長代理 いいですか。すみません。

 それでは、次に進めさせていただきます。続きまして、その他の2つ目でして、情報セキュリティ対策の実施状況等についてです。

 進行している役の人間が説明しなければいけないのは変なのですけれども、状況が状況なので、私のほうから説明させていただきます。その後、資料4-2を西岡室長に御説明いただきます。

 まず、資料4-1を御覧ください。平成2911月1日の日付になっておりますが「日本年金機構の情報セキュリティ対策の実施状況の検証について」でございます。

 短いので、1分ちょっとで読み上げられると思いますので、読み上げます。

 日本年金機構の情報セキュリティ対策については、昨年11月に社会保障審議会年金事業管理部会のメンバー(「日本年金機構における情報セキュリティ対策に対する『今後の情報セキュリティ』チーム」)において、「業務改善計画」の初年度となる取組状況について、検証を行った。

 今回、その後の更なる情報セキュリティ対策の取組状況の検証に当たって、電子媒体管理ツールの導入や書き出し情報(ログ)の点検などの対策や平成29年1月から始まった個人番号(マイナンバー)の利用に伴う特定個人情報の取り扱い、また、昨年11月以降に行われた個人情報保護委員会や内閣サイバーセキュリティセンターの立入検査等による指摘等に対し、8月30日に現地に赴き検証を行った。

 その結果、電子媒体管理ツールによる業務の負担軽減やログの点検による持ち出しリスクの低減などを確認し、「業務改善計画」に基づく情報セキュリティ対策が引き続き実施されていること、また、特定個人情報については、管理簿への記載や保管・廃棄の取り扱いに当たって、適切に対応されていることを確認した。

 一方で、現在の業務における情報セキュリティ上のリスクは、依然として、紙や電子媒体の利用に依存していることによるものであり、今後の業務の見直しの中で、紙や電子媒体を介しない電子申請による事務を推進してくことなどにより、より一層、安全性を高めていくことが望まれる。

 今後は、個人番号が記載される届書等も大幅に増え、より一層その取り扱いに際し、厳格な対応が求められる。また、地方自治体等との情報連携も進んでいくことから、その運用に当たっては、研修などにより職員の理解向上を図っていく必要がある。一方、ルールの浸透・定着を進める上で、現場の状況を踏まえつつ、現場に見合ったルールの見直しを行いつつ、引き続き、情報セキュリティ対策の強化を図っていく必要がある。

ということを報告させていただきます。

 以上です。

 このチームに御協力いただいた委員の皆様方には御礼を申し上げたいと思います。

 それでは、西岡室長、お願いします。

 

○西岡システム室長 続きまして、事業企画課システム室長の西岡でございます。

 私から、資料4-2を説明させていただきます。

 年金機構は、情報流出事案を受けて、当初、マイナンバー法上、番号を利用してはいけない、番号を用いた情報連携をしてはいけないという制約がかかっていたところですけれども、業務改善計画に基づく情報セキュリティ対策に取り組んでいったことで、昨年秋、番号利用政令が発出されまして、本年1月からマイナンバーの利用が始まっていたところでございます。

 今年に入って、次のステップとして情報連携の政令を出す前提として、年金機構はさらなる情報セキュリティ対策に取り組んだ上で、まず、厚生労働省がその対応状況を確認し、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)や個人情報保護委員会(PPC)の確認をいただくという手続が求められていたところでございます。

 このため、先ほど大山部会長代理から説明があったとおり、資料4-1で情報セキュリティ・システム専門委員会としての検証結果を取りまとめていただいたところですけれども、そこに至るまでの経緯をこの資料4-2で書いているところでございます。

 まず、今年度に入りまして、厚生労働省として、下のほうにありますが、平成29年5月、平成29年8月ということで、昨年度来、NISCPPCからいただいた宿題・指摘事項について、対応ができているかを確認いたしました。

 その状況を受けて5月から7月にNISCPPCによる立入検査等が行われまして、NISCに関しては、7月13日に官房長官をトップとするサイバーセキュリティ戦略本部にて、必要なサイバーセキュリティ対策が実施されていることを確認したと報告されました。

 また、PPCにつきましては、9月5日に、7月までに行われた立入検査における検査結果の通知をいただき、それに対して10月5日、厚生労働大臣から個人情報保護委員会委員長宛ての文書で改善状況の報告を行ったところでございます。

 これを受けまして政府内で調整が行われ、1110日閣議、15日公布でいわゆる情報連携政令を発出していただいたところでございまして、この政令には、括弧で書いていますが、政令で定める日というのを「1116日」ということで、その翌日から情報連携をしてもよいというような状況になった次第でございます。

 その後は情報連携を行うためのシステムの準備を今進めているところでございまして、その実施に当たって、テストや関係機関との調整が必要ですので、平成30年3月以降となりますが、市町村から機構への照会の業務を開始して、さらに平成31年1月以降となりますけれども、機構から市町村への照会業務を開始するという予定で進めております。

 いずれにいたしましても、年金機構として引き続き情報セキュリティ対策にしっかり取り組んでいきつつ、情報連携の業務を行っていくための準備をしっかり行った上で、段階的に業務を広げていくということになると思います。

 その状況につきましては、本部会においても適宜報告させていただきたいと思います。

 以上でございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 今お話がありましたように、セキュリティの関係については、一定の進捗を見てこういう形で進むようになっているわけでありますが、システムの開発については、色々とまだ課題があります。

 それについては、申し訳ないのですが、引き続きこの委員会、すなわちセキュリティチームと呼んでいる専門委員会で皆さんのお力添えをいただきたいと考えていますが、それについては、また報告を適宜させていただきたいと思います。

 もし皆さんのほうから何か御意見、御質問があればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 ありがとうございます。

 それでは、引き続きその他の3つ目でございます。会計検査院の決算検査報告への対応について説明があるようです。お願いいたします。

 

○竹林事業管理課長 事業管理課長でございます。

 私からは、資料5に基づきまして、会計検査院の平成28年度決算検査報告への対応について御説明させていただきます。

 会計検査院からは、厚生労働省と日本年金機構に対して指摘・勧告が行われておりますけれども、便宜上、私のほうでまとめて御説明をさせていただきます。

 おめくりいただきまして、平成28年度決算報告では大きく分けて2つの内容について御指摘をいただいていますが、そのうち1点目でございます遺族年金の支給に関するものでございます。

 その中で、細かく分けて内容的には3点の御指摘をいただいていますが、それを1ページと2ページに、会計検査院の指摘事項、厚生労働省の対応、それを受けた日本年金機構の対応という形で整理をさせていただいております。

 項番1でございますが、会計検査院の御指摘で、遺族年金の失権事由、これは例えば、元奥さんであれば、再婚された場合には失権になります。あるいはお子さんであれば、養子縁組などをされると失権になります。特に再婚されたケースについて、失権事由に該当しているにもかかわらず、再婚したという失権届が出てこない受給者に対して、遺族年金を支払っていた事例があったとの御指摘でございます。

 厚生労働省では9月27日付で日本年金機構に対応を求める通知を出しておりますけれども、この点につきましては、住基ネットの住民票の氏名情報と機構が管理している氏名情報を突合していただいて、そこで不一致になった場合は、再婚して名前が変わったという可能性がございますので、そういう方に対しては失権届、あるいはもしかしたら再婚ではなくて、例えば、旦那さんが亡くなったことをきっかけに旧姓に戻したような方もいらっしゃるかもしれませんので、そういう場合は氏名変更理由届、これは省令改正で新設予定でございますが、どちらかを出していただくような提出の勧奨をしていただくと。その結果、どちらも出てこないような方がいた場合には、戸籍の公用請求などを行って、失権事由に該当する方であれば、職権で失権処理を行うという通知をしております。

 これを受けて日本年金機構では、右の欄になりますけれども、過去に氏名変更を行った方につきましては、本年11月末までにシステム的に住基ネットとの氏名変更情報の突合をしていただいておりまして、今後、戸籍の公用請求等を行って、失権事由に該当することが確認できれば職権による失権処理を行う。

 あるいは今後、氏名変更を行う方につきましても、平成30年3月より月次で住基ネットの氏名変更情報を取得し、こちらからお願いしたような失権届または氏名変更理由届の提出勧奨を行ったり、期限までにそういう提出がない場合には、戸籍の公用請求等を行って、職権による失権処理も行っていただくと、このような運用をしていただくことになっております。

 2ページでございますが、会計検査院の指摘事項の2つ目、失権届は出てきているけれども、それが大幅に遅れている。平成23年に再婚されたのに、平成28年になって出てきているような方がいて、その間ずっと受給権者に遺族年金を支払っていたという御指摘です。

 この点につきましては、遺族年金は10日ないし14日以内に提出することになっておりますので、機構の対応というところでございますが、本年11月に機構のホームページを更新し、遺族年金がどういう場合に失権するのか、あるいはその届出書の提出期限についての周知を行っておられます。さらに、来月からは年金証書に同封するパンフレットに遺族年金の消滅事由、あるいは失権届の提出期限を明記して周知をするというような対応をしていただくことになっています。

 項番3でございますが、今度は、失権届は出てきているのですけれども、事実と相違する日付が書いてある。本当は平成23年に再婚したのに、平成28年に再婚しましたと言っているような事例も見つかってございます。

 これに対しましては、右側の日本年金機構の対応でございますけれども、今月より戸籍の公用請求等を行って、出てきた失権届に記入された失権年月日が正しいのかどうかの確認を行うということになっております。

 3ページ目からは、もう一つの大きな議題でございますけれども、国民年金保険料の強制徴収業務等につきまして、内容面で5つの御指摘をいただいております。

 1点目は、内容面ではございませんけれども、厚生労働省が強制徴収業務をしっかり行われるように機構に必要な指導監督を行っていないという御指摘でございまして、今回、これから御紹介する内容面で、項番2から5の御指摘事項にしっかり対応するように機構に対して指示をしているところでございます。

 内容面では4点ございまして、項番2でございますけれども、1つは、今、国民年金保険料の時効が2年ということになっていますので、納期限の関係もあり、今、システム上、25月よりも古いものには督促状が発行できないようなシステムになっている。あるいは実際には、そうはいっても、時効中断、例えば、督促状を出したり、あるいは納付誓約書をとったりすると時効中断が起きますので、25月より古い未納保険料というのもあり得るのですけれども、そういうものに対して手作業でとりにいくという手順も示していないと。このような御指摘を受けているところでございます。

 これを受けまして、右の欄ですが、日本年金機構の対応といたしまして、システム改修はすぐにはできませんけれども、まず業務処理要領等の見直しを行って、25月を超えるものについても、しっかり督促などをして未納保険料を取りにいくような業務処理要領の見直し、督促状の追加発行というものをしていただいているところです。

 項番3でございますけれども、色々な財産調査等を行った結果、特に生活に大きな影響を与えないような差押可能財産が確認されたのに、それを速やかに差し押さえを行っていないといった御指摘を受けております。

 これに対して右側の日本年金機構の対応でございますけれども、日本年金機構の本部から各年金事務所に対しまして、このような差押可能財産を保有していることを把握したときには、速やかに差し押さえを行うように再周知し、徹底するよう指示をしていただいております。また、現時点でそういう財産が判明しているものについては、速やかに差し押さえをするという指示もしていただいております。

 4ページの項番4で、今度は国民年金保険料の滞納があった場合には延滞金も発生しますが、この延滞金の納付督励をしっかり行っていないという御指摘でございます。

 右側の日本年金機構の対応でございますけれども、最初に延滞金の納付書を送付する際には、しっかりチラシなどを同封して納付を促す。ただ、送った後、反応がなくて4カ月を経過しても延滞金の納付がない場合については、2回目の延滞金の納付書を再送付して納付督励を実施する。ここが新しい部分でございまして、このあたりを業務処理要領にしっかり明記しておられます。

 最後に、項番5になりますけれども、今、強制徴収の業務については、進捗管理表というものをつくって、時効中断の日付とか、差押可能財産があるか、ないかというのを書き込むようになっていますが、そういうことがしっかりされていないという御指摘を受けているところでございます。

 これを受けまして、日本年金機構の対応でございますけれども、こちらも機構の本部より各年金事務所に対して、年金事務所長や国民年金課長は要領に基づいてしっかり進捗管理をして、保険料の確実な徴収、あるいは適正な債権管理の徹底を図る指示をしていただいております。また、機構本部も定期的に報告を求めることで進捗管理の確認を行うことになっております。

 私からの説明は以上でございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明内容につきまして、御意見、御質問を受けたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○西沢委員 3ページの3の「差押可能財産を保有しているのに」というところで、日本年金機構の対応には「生活の維持又は事業の継続に影響が少ない差押可能財産」と入っていますが、これは会計検査院もそうだったのか、あるいは厚生労働省から日本年金機構で解釈する際にそうつけ加えられたのかということと、あと、例えば、私が年金事務所で働いているとしたら、この文言を見て、事業に影響がないかどうかというのは結構判断に迷うと思うのですね。現預金とかがあっても、運転資金で使っていて、それを差し押さえてしまうと事業の継続が無理かなと。ですから、結構その現場で判断を迷ったときには、照会があってどう対応されているのかとか、あるいはもっと詳細な指示を出されているのかというところがちょっと気になりました。

 

○大山部会長代理 お願いします。

 

○竹林事業管理課長 現場での運用のことは日本年金機構から御回答いただきたいと思うのですが、差押可能財産の定義について、会計検査院が言っているものと、厚生労働省や日本年金機構の受けとめが同じかどうかという前段の御質問につきましては、後ろのほうに会計検査院からの検査報告そのものをつけておりまして、少し小さな字ですが、266ページが会計検査院が国民年金保険料の強制徴収に関して出ている部分の一部でございまして、これの上から5行目の「その結果」の後に、会計検査院の文章で「未納者等の生活の維持又は事業の継続に影響が少なく、差押えなどを行うことが可能な預貯金等の財産(以下「差押可能財産」という。)」となっております。

 私どもの資料のつくり方が少し誤解を生んだかもしれませんけれども、もともと会計検査院がこういったものを差押可能財産と定義づけて、それをもとに色々な御指摘をいただいているので、それを受けた作業をしているということでございます。

 私からは以上でございます。

 

○大山部会長代理 お願いします。

 

○深田日本年金機構理事 差押は基本的に国民年金の保険料ですので、金額的にものすごく大きな厚生年金のようなものにはなりません。基本的には預金の差押というのが一般的には多いものですので、生活上、ものすごく重大な影響を与えるかどうかというのは、なかなか当たらないケースが多いのではないかと思いますが、例えば、物を差し押さえるとかいうケースに至った場合に、もしそれが必要であれば、それは我々のほうでちゃんと現場のほうから意見をもらって、それは押さえていいのものかどうかという判断をさせていただくようにしたいと思っております。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 他はいかがでしょうか。

 どうぞ、原委員。

 

○原委員 ありがとうございます。

 今、御説明をいただいた内容でぜひしっかりと取り組んでいただければと思います。

 特に今、西沢さんもおっしゃられた強制徴収の部分に関しては、拝見していると、会計検査院から指摘されるまでもなく、機構でこれまでも重点的に取り組んでこられたことだったのだろうなと思うわけですが、指摘がないとこういう問題が出てこないというのは、仕方がないことなのか、あるいはそこで起きている問題の抽出についても、機構さんとして何らかの手立てがあるのか。

 

○深田日本年金機構理事 御指摘のとおりだと思います。やるべきことですし、行わなければならないことだと思っております。この点について、我々本部や、あるいは地域部を含めて、きちんとした現場に対する指導ができなかったことは大きな問題だと思っております。

 ただ、国民年金の強制徴収は、以前はあまり手を染めていなかった分野でありまして、最近といいましょうか、ここ数年来、ちゃんとやるものはやっていこうということで、納付率の問題もありますので、取り組み始めたということで、現場には少し混乱があったのかもしれませんが、それはあまり言い訳にはならないと思っていまして、こういったことも契機にしながらも、現場に対する指導を徹底的にやっていきたいと思っています。大変申し訳ございませんでした。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。他にございますか。

 皆さんの御協力で予定の時刻に終われそうなのですが、それでは、全体を通してもし何かあれば、委員の皆さん方からの御意見等を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 

○岩瀬委員 では、一つだけ。

 今日、色々な委員から資料請求があったと思うのですけれども、その資料というのは、請求した委員だけではなくて全委員に配付をしていただきたい。これは前から何度もお願いしていることなのですが、なかなか守っていただけないので、そうしないと、情報の共有ができないと思いますので、そこはお願いしたいと思います。

 

○大山部会長代理 よろしいですか。

 

○高橋年金管理審議官 そのようにいたします。

 

○大山部会長代理 委員の皆様方、他はいいですか。

 事務局側からは何かございますか。よろしいですか。

 それでは、本日の議題は全て終了させていただきます。

 次回の日程につきましては、改めて事務局から御連絡するということにいたします。

 では、この会議はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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