ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(職業安定分科会雇用対策基本問題部会)> 第79回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録について(2017年12月7日)




2017年12月7日 第79回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録について

○日時

平成29年12月7日(木)15:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○議事

  雇用開発企画課長 

定刻より若干早いですけれども、皆様お揃いということでございますので、只今から第 79 回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会を開催いたします。本日は当部会の委員の皆様が本年4月に改選されて初めての会合ということでございますので、部会長が決まるまでの間ですけれども、事務方であります私共の方でしっかり務めさせていただきます。

雇用対策基本問題部会の部会長でございますけれども、労働政策審議会令第7条第6項におきまして、労働政策審議会の本審に所属いたします公益委員の中から、本審に所属する委員により選出されるということになっております。この基本問題部会におきましては、本審に所属する公益委員の方というのは、鎌田先生お一人ということでございますので、選出手続きを省略させていただきまして、鎌田先生に部会長をお願いいたしたいと思います。以降、議事進行につきましては、鎌田部会長にお願いできればと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

  鎌田部会長

 はい、今ご説明いただいたように、私がなるということですのでよろしくお願いしたいと思います。

今日は皆さんの忌憚のないご意見をいただきたいというふうに思っております。

議事に先立ちまして、雇用対策基本問題部会の委員に交代がございました。公益代表委員の阿部委員、猪熊委員、森戸委員、労働者代表委員の石橋委員、北野委員、使用者代表委員の市瀬委員、嘉勢委員がご退任されました。退任された委員の皆様におかれましては、この場を借りてお礼を申し上げたいと思っております。部会を代表して感謝を申し上げます。

続いて、新たに就任された方をご紹介いたします。私の方でご紹介をいたしますので、一言ご挨拶をいただければというふうに思います。まず、公益代表委員として東北大学大学院法学研究科准教授の桑村委員ですが、本日はご欠席ということでございます。次に、法政大学経済学部教授の酒井委員、一言ご挨拶をお願いいたします。

 

  酒井委員

 法政大学経済学部の酒井と申します。労働経済学社会保障の専攻をしております。どうぞよろしくお願い致します。

 

  鎌田部会長

 よろしくお願いいたします。次に、神戸大学大学院経済学研究科准教授の勇上委員、本日ご欠席ということでございます。次に労働代表委員でございますが、損害保険労働組合連合会中央執行副委員長の小保方委員でございます。

  小保方委員

 先ほどご紹介をいただきました損保労連で中央執行副委員長をしております小保方と申します。どうぞ宜しくお願い致します。

 

  鎌田部会長

 宜しくお願い致します。次に情報産業労働組合連合会政策局長の春川委員です。お願い致します。

 

  春川委員

 情報労連の春川と申します。どうぞよろしくお願いします。

 

  鎌田部会長

 よろしくお願いします。次、使用者代表委員でございますが、株式会社麻布タマヤ代表取締役の志賀委員お願いいたします。

 

  志賀委員

 株式会社麻布タマヤ代表取締役の志賀でございます。私は東京商工会議所女性会理事ということもございまして、こちらの席に参加させていただいております。よろしくお願い致します。

 

  鎌田部会長

 よろしくお願い致します。次に、東日本旅客鉄道株式会社執行役員人事部長の根本委員、よろしくお願い致します。

 

  根本委員

JR 東日本の人事部の根本と申します。どうぞよろしくお願い致します。

 

  鎌田部会長

 よろしくお願いします。どうも皆さんありがとうございます。またよろしくどうぞお願いいたします。

また、当部会の下に置かれる建設労働専門委員会、港湾労働専門員会に所属される委員につきましては、労働政策審議会令第7条第2項の規定により部会長である私が指名することになっております。机の上に配布している名簿の通り事前に指名させていただいておりますのでご覧ください。本日の委員の出欠状況ですが、先ほどご紹介いたしました通り、公益代表の桑村委員、勇上委員、労働者代表の小倉委員、それから使用者代表の渡辺委員がご欠席とお聞きしております。

それでは議事に入ります。本日の議題は、「駐留軍関係離職者等臨時措置法の施行状況と今後の方針について」それから「国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の施行状況と今後の方針について」等であります。まずはじめに、議題1、駐留軍関係離職者等臨時措置法の施行状況と今後の方針についてでありますが、本法律は来年5月に失効することになっていますが、本日はその今後の方向性などについて議論いただきたいと思います。最初に事務局から説明をいただいた後に、皆様にご議論をしていただきたいと思います。それでは、事務局の方よろしくお願いいたします。

 

  雇用開発企画課長

 改めまして、職業安定局の雇用開発企画課長の田中でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。恐縮でございますが座らせていただきましてご説明申し上げます。

お手元の配布資料といたしまして、資料の1から資料の5までございますけれども、このうち資料の1-1から資料の2を使いまして、第1の議題につきましてご説明を申し上げたいと思います。

まず、資料の1-1というところでございますけれども、横長の一続きの資料になっております。まず、駐留軍関係離職者等臨時措置法の概要ということでございます。この法律でございますが、目的のところにも書いておりますように、在日米軍の基地の中で働いていらっしゃる駐留軍等労働者の方々が、一時的に離職を余儀なくされると。これは米軍の撤退であるとか、部隊の再編、縮小とこういったことに伴って、一時的に離職を余儀なくされると。こういったことの実情を踏まえまして、特別な措置を講じると、こういうことで成立している法律でございます。経緯といたしましては、昭和 33 年に所謂議員立法、議員提出の法案として成立をしているということでごいます。時代的背景から申しますと、サンフランシスコ講和条約、それから朝鮮戦争を経て日本に駐留している外国の軍隊が撤退していると、こういう時期でございます。その時期に駐留軍労働者の方が大量に離職するというような時代背景を踏まえまして、この時限立法ができたというふうになっております。その後5年ごとに更新といいますか、期限の延長をしているということでございます。昭和 38 年、昭和 43 年とずっと続きまして、直近では平成 25 年に有効期間の延長を行っているということでございます。先ほど部会長からもご説明がありましたように、法の有効期間が来年の5月 16 日ということでございます。

ページをお捲りいただきまして、資料1-2でございますが、当該法律に基づきます対策の概要ということでございます。左側から申し上げますと、在日米軍の撤退縮小等に伴って駐留軍関係離職者の方々が発生するということになった場合の対策ということでございますけれども、二つありまして、ひとつは駐留軍関係離職者に対する支援という右肩の方にありますけれども、駐留軍関係離職者の方を認定をいたしまして、ハローワークで認定をいたしまして、その方々に職業転換給付金の支給などを行っていくということでございます。これがひとつの対策でございます。それからもうひとつ、左下の方ですけれども防衛省の支援というところがありますけれども、離職前に職業訓練をすると、あるいは特別給付金を支給すると、こういった対策を講じているということでございます。

続きまして資料の1-3でございますが、駐留軍等労働者の労務管理ということでございます。駐留軍等労働者の労務提供に関する日米間の取り決めということでございます。これは合衆国軍隊やその米国歳出外資金による諸機関、いわゆる諸機関と呼んでおります。施設内に設置されております食堂や売店、こういうところにおきます我が国における労務需要につきましては、日米地位協定におきまして、日本国の当局の援助を得て充足されるということになっております。これを受けまして日本国政府として駐留軍等労働者の方を雇用してその労務を在日米軍に提供すると、いわゆる間接雇用という方式を採用しているということでございます。この方式による労務の提供を実施いたしますため、防衛省と在日米軍との間で三つの労務提供契約を締結しているということでございます。基本労務契約というところが一番多いのですが、これが各軍の司令部や部隊との事務員、あるいは技術要員や運転手、警備員といったところの方々でございます。それから船員の方々が若干名いらっしゃると。そして諸機関労務契約と、これは施設内の食堂や売店等で働いていらっしゃる方々ですけれども、これは 5,500 人ということでございます。それから駐留軍等労働者の身分というふうに書いておりますけれども、国家公務員ではなくて司法上の労働雇用契約により国に雇用される者となっております。したがいまして労働関係法令は原則としてすべて適用されると、それから社会保険、労働保険も含めましてすべて加入されているとこのような状況になっております。

資料の1-4が駐留軍等労働者の在職及び離職状況ということでございます。労働者の方々がどれくらいで推移しているかというのが上の段でございます。それから下の段離職者数というのがございますけれども、これは定年退職であるとか、あるいは自主的におやめになる方を除いていわゆる合衆国軍隊の撤退でありますとか、部隊の縮小等に伴って離職を余儀なくされた方、こういった方々について掲げております。過去見てみますとだいたい 100 人前後で推移をしているということですが、昨年度はゼロだったということでございます。

そして次に再就職の状況ということですけれども、資料1-5というところでございます。一番左側に新規の求職の申込件数、そして再就職等数ということで、どれくらいの方が再就職されているかというのを資料の1-5に掲げております。右のほうに年度末でどれくらい措置対象者がいらっしゃるかということで掲げておりますが、概ね 100 人代~ 200 人で推移をしているとこのような状況になっております。

次のページでございますが、資料の1-6ということでございます。実際に職業転換給付金がどれくらい支給されているかというこの実績でございますが、これも過去だいたい3億円台ということでございます。カッコ内延べ人数ということなんですが、月に1回支給しておりますので、だいたい 12 で割ると月平均の数が出てくるということですが、月平均 200 名弱ということになろうかと思います。

それから資料の1-7のところでございます。職業転換給付金と並んで対策として防衛省さんの方で行っていただいておりますが、特別給付金の支給と、あるいは離職前職業訓練の実施ということでございます。特別給付金につきましては、これは 107,000 円から 1,793,000 円の間で支給されているということでございますが、退職金にプラスオンされる形で出ております。それから、離職前職業訓練の実施ということで、これは離職前に職業訓練を実施していただくと、フォークリフトの運転であるとか大型特殊自動車の運転、あるいはパソコンの操作などといったものがあるということでございます。

これらが今までの施行状況ということですが、今後駐留軍関係離職者等臨時措置法についてどうするかということにつきまして資料の2ということで提案をさせていただいております。1~3まで掲げておりますけれども、それらの理由によりまして有効期間をさらに5年間延長してはどうかと思っております。まず1番目の理由といたしまして駐留軍等労働者の方の雇用につきましては、近年比較的安定しているということでございますが、やはり本来的には米国の安全保障政策の変更でありますとか、米軍の改編、部隊の撤退縮小とこういったものに影響されるということで非常に不安定だということが挙げられるかと思います。それから二つ目といたしまして、すでに再編が予定されているという施設があります。これは平成 18 年5月でございますけれども、再編実施のための日米ロードマップというところで沖縄8施設、それから本土1施設ということで米軍の再編が示されているということでございますので、今後その地域に置きまして駐留軍等労働者の雇用に影響が生じる可能性があるということでございます。それから平成 24 年の4月になりまして沖縄からグアムへ海兵隊が移転するということが日米間で合意をされております。海兵隊の沖縄からグアムへの移転でございますけれども、 2020 年代前半に開始されるということで公表されているというような状況でございます。それから三番目といたしまして、これは従前からでございますけれども、駐留軍等労働者の職種は極めて細分化され、 1,400 弱の職種に細分化されているということでございます。離職を余儀なくされた場合には、ほかの職種に転換が困難な場合もあるということでございます。そういう場合につきましても、やはり再就職が非常に難しいということでございますので特別な対策が必要ではないかというふうに考えております。以上のような三つの理由によりまして、当方といたしましてはさらに5年間延長することにしてはどうかということでご提案をさせていただいているところでございます。議題の1については以上でございます。

 

  鎌田部会長

 はい、どうもありがとうございます。それではこの件につきましてご意見ご質問があれば皆さん宜しくお願いしたいと思います。

 

  紺谷委員

 よろしいでしょうか。

 

  鎌田部会長

 はい、どうぞ。

 

  紺谷委員

 よろしくお願いします。労働側委員として雇用問題基本部会に参加させていただいておりますけれども、まさに今ご説明いただいた駐留軍関係離職者等臨時措置法の適用を受ける基地従業員の代表として、補足的な説明をさせていただくことをご理解いただきたいと思います。今ご説明いただいた資料1-3の3にも記載されている通り、私たち駐留軍等労働者は国家公務員ではありません。したがって労働基準法をはじめとする日本の労働関係法令が適用されることとなってはおります。しかしながら、皆様ご案内の通り、事件事故等が起きるたびに日米地位協定の問題が取りざたされますが、私どもも同様でありまして、この日米地位協定、それから資料1-3の1に書いてあります3つの労働契約の影響により、労働関係法令が改正された場合においても、アメリカ側の同意がなければ法改正に関連する労働条件等の改定および適用がなされない仕組みになっております。そうした特殊な職場環境であるということに変わりはないということを申し上げたいと思います。

それから、原則5年ごとに見直されます特別協定は、皆様にはいわゆる思いやり予算ということでなじみがあろうかと思いますが、これによる労務関係予算が削減された場合には、日米地位協定の原則に則りまして、駐留軍等労働者の人件費のほとんどをアメリカ側が負担しなければならないということになりますので、アメリカ側の判断により即人員整理という可能性も発生します。また、資料をお捲りいただいて資料1-4に平成 28 年度の離職者数がゼロという数字が出ていますが、これは昨年4月から始まった現行の特別協定見直しの際に、雇用安定を日米間で合意した結果であり、まさに先ほどご説明させていただいた特別協定、いわゆる思いやり予算と離職者数に関してはリンクしていることをご理解をいただければと思っております。

加えて、現在の制度利用者は確かに多くはありませんが、ロードマップで示されております在日米軍再編の実施、とくに 2020 年代前半から始まる海兵隊のグアムへの移転によって返還対象となる沖縄の嘉手納基地から南の基地施設について、対象施設では現在 3,800 人の従業員が勤務をしております。米軍再編問題が目の前に提示されていることを踏まえれば、私たち在日米軍基地で働く者にとってこの制度は離職者対策の重要な柱であるという位置づけでおりますので、是非ともご理解をいただければと思っている次第であります。よろしくお願いします。

 

  鎌田部会長

 ありがとうございます。それでは、別の方いかがですか。よろしいですか。はい、今ご意見をいただきまして提案の通りということでご了解いただいたというふうに思いますので、当部会としては駐留軍関係離職者等臨時措置法の今後の方針については、延長の改正を行うことが適当ということにさせていただきます。

それでは、これにより案文を配布しますのでそれを以て職業安定分科会に報告したいと思います。よろしくお願いします。

とくに読み上げたりいたしませんが、ご覧の通りでよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。それでは、そのように処理させていただきます。では、次に議題2「国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の施行状況と今後の方針について」であります。本法律は来年6月に失効することになっております。そこで、その今後の方向性について、同じく議論をしていただきたいと思います。それでは、事務局からの説明をお願いいたします。

 

  雇用開発企画課長

 それでは、お配りしております資料の資料3-1から資料の4までに基づきましてご説明申し上げたいと思います。

まず資料の3-1ということでございますが、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の概要ということでございます。この法律につきましては、国際協定の締結等におきまして、例えばマグロの漁獲高が制限されると、こういったことによりまして一時的に漁業離職者が発生すると。このような場合に離職者の方々の特別な対策を講じると。こういう目的で成立しております法律でございます。この法律につきましても、いわゆる議員立法、議員提出により成立をしております。昭和 52 年ということでございます。背景といたしましては、 200 カイリ問題、とくに当時のソ連との関係で色々漁獲高の制限等の問題があったということで成立しているというふうに聞いております。最初は2年の時限立法だったんですが、その後4年延長されまして昭和 58 年からは5年延長されたと。それ以降は5年ずつ延長していると、このような状況でございます。先ほどの駐留軍離職者法と同じ時期に延長するということで国会においてもいわゆる及び法でですね、この延長をしているというような状況でございます。

それでは、失効期間につきましては先ほど部会長からお話がありましたように、来年6月 30 日ということになっております。この内容ですが、資料の3-2でございます。対策といたしましては、先ほどの駐留軍離職者法とほぼ同様ということでございます。職業転換給付金を支給して求職者の方に対して支援をしていくということでございます。先ほどの特別給付金であるとかそのような対策はありませんけれども、これは純粋に民間の労働者の方であるからということであります。そういう理由で職業転換給付金の支給を行っているということでございます。

資料の3-3でございますが、これはどれくらい対象者の方がいらっしゃるかということを示しております。公共職業安定所における状況と地方運輸局等における状況ということでございますけれども、これは漁業離職者の方々、ほとんどすべての方が船員ということでございますけれども、船員の方が船員にまた再就職されるということであれば地方運輸局の所管と。それから、船員の方が船員ではなく、いわゆる陸転と言いますけれども船員ではない仕事に就かれるということであれば公共職業安定所において取り扱うということになっております。ご覧いただきますと地方運輸局における取り扱いのほうが多いということでございますし、例えば最近は非常に少ないですけれども平成 21 年度を見ますと 263 件発給しているということで、そういう意味では急にそのような事態が起こるということを示しております。

実績でございますけれども、資料3-4ということでございます。次のページでございますが、昨年度でございますけれども、そこに掲げておりますように延べ人数では 73 人ということで少ないながらも実績があるというような状況になっております。

資料の4といたしまして、この法律の今後の在り方ということでございますけれども、やはりそちらの2点掲げておりますけれども、今後とも有効期間を駐留軍法と同じようにですね5年間延長してはどうかというふうに考えております。一番目の理由と致しましては、将来的な懸念ということでございます。資源状況の悪化が懸念されておりますまぐろ類につきましては、地域漁業管理機関という、例えば大西洋まぐろ類保存国際委員会など、地域漁業管理機関を通じた漁獲高、資源管理を行っているところでございますけれども、年々漁獲規制が強化されているとこういう状況でございます。今後もそのような規制が強化されるという可能性があるということでございます。それから、近隣諸国ですけれども、韓国でありますとか中国、こういった近隣諸国の排他的経済水域においては、漁業資源が減少傾向にあるということでございまして、資源管理のための規制強化が行われる可能性があるということでございます。さらに近隣諸国ということでロシア連邦の動きですけれども、極めて厳しいということでございまして、ロシア連邦は新たな規制を行うような可能性も無きにしも非ずというような状況です。こういった将来的な懸念もございますので今後大幅な減船を行わざるを得ないと。すなわち漁業関係離職者が発生するというような可能性があるということでございます。また、二番目の理由といたしまして、技能が特殊であるというようなことが挙げられるかと思います。なかなか他の職種に転換できないというようなこともありますので、離職を余儀なくされた場合には再就職は困難となるような恐れもあるということでございます。以上のような2点を以てですね、今回も5年間延長をすることが適当ではないかなと考えているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。説明は以上でございます。

 

  鎌田部会長

 はい、ありがとうございます。それでは、この件につきましてご意見、ご質問があればお願い致します。

 

  小保方委員

 よろしいですか。

 

  鎌田部会長

 はい、どうぞ。

 

  小保方委員

 ご説明いただいた内容に賛成の立場から意見させていただければと思います。水産資源の持続的な利用、あるいは生物多様性の確保に向けて諸外国と強調しながら主導的な役割を果たしていくということが日本には求められていると認識しております。先ほど申し上げた水産資源の持続的な利用を実現していくためには、今後も必要に応じて漁業の再編あるいは整備等が必要となり、時には操業の隻数を抑制することも求められるのではないかと感じております。このような漁業に関する政策の動向、あるいは諸外国との操業条件に関する協議等については、労使による努力が及ばない範疇であると認識しておりまして、今後の国際協定の締結等によって、あらたな漁業離職者が発生しないとも限らないと考えておりますので、やはりセーフティーネットとしての役割を持つ本臨時措置法については、引き続き継続延長されるべきと考えております。私からは以上です。

 

  鎌田部会長

 ほかの方はございませんか。よろしいですか。

それでは本件についての提案の通りということでご了解いただいたというふうに考えます。従いまして当部会としては、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の今後の方針については、延長の改正を行うことが適当ということにさせていただきます。それでは、これより案文を配布致しますので、それを以て職業安定分科会に報告したいと思います。お願いいたします。

はい、これも特に読み上げはいたしませんけれどもご覧の通りということでよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。それでは、そのように処理させていただきます。

はい、小川局長どうぞ。

 

  職業安定局長

 皆様方には日ごろから職業安定行政につきまして大変なご理解とご協力を賜り厚く御礼を申し上げます。本日は駐留軍関係離職者等臨時措置法と国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法につきまして、延長すべきとのお取りまとめをいただき誠にありがとうございます。今後のスケジュールですが、本件につきましては部会長から職業安定分科会にご報告をいただき、分科会でこの報告をご承認いただいた後、私どもの方で法案作成作業を進めてまいりたいと考えております。今後ともよろしくお願いします。

 

  鎌田部会長

 それではよろしくお願いします。

 

  雇用開発企画課長

 すみません部会長。

 

  鎌田部会長

 はい、どうぞ。

 

  雇用開発企画課長

 すみません、今お配りしました国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の改正についてということで、案をお配りさせていただいたのですが、記の下のところなのですが、5年間有効期間をというふうになっておりますけれども、有効期間を5年間というのがおそらくわかりやすいと思いますのでそのようにちょっと文言を。有効期間を5年間延長すること。そうですね、駐留軍離職者法も同じような文言ですので、有効期間を5年間というふうに書いておりますので。すみません、恐縮でございます。

 

  鎌田部会長

 駐留軍と合わせて有効期限を5年間延長するということですか。

  雇用開発企画課長

 はい。

 

  鎌田部会長

 では、そのようなものとして案文を修正してご了解いただいたということでよろしいでしょうか。

では、次に議題の3「平成 29 年「高年齢者の雇用状況」集計結果について」です。では事務局から説明をお願いします。

 

  高齢者雇用対策課長

 高齢者雇用対策課長の上田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私の方から、平成 29 年の高年齢者雇用状況報告について簡単にご説明させていただきたいと思います。

資料は5-1と5-2ですが、5-1を使いながらご説明をさせていただきたいと思います。

まずこの報告は、高齢法の 52 条に基づいて、定年及び継続雇用制度の状況その他高年齢者の雇用に関する状況を事業主が職業安定所長に報告するという義務付けをしているものでございます。その集計結果を 10 27 日にまとめたところでございます。この集計については常用雇用する労働者が 31 人以上の企業を対象としており、今年度の対象企業数が 156,113 社でございます。去年に比べて約 3,000 社増加しているという状況でございます。

次に、高年齢者雇用確保措置の内訳についてですが、ひとつが 65 歳までの定年の引上げ、それから 65 歳までの継続雇用制度の導入、それから定年の廃止。これらのいずれかを企業がしなければいけないような形で定めているところでございます。この表を見ていただきますとわかりますように、今年度の対象企業数である約 155,000 社のうち、何らかの確保措置がとれているものが 99.7 %まで上がっております。去年が 99.5 %でしたので 0.2 %の増加となっております。未実施の企業がまだいくつか残っており、今現在が 475 社でございます。前年 28 年度が約 750 社、その前の 27 年度が約 1,250 社と、徐々に減ってきていて最後のところまで来ているという状況でございます。雇用確保措置の内訳につきまして、継続雇用制度の導入が 80.3 %、定年の引き上げが 17.1 %、定年の廃止が 2.6 %という状況でございます。定年制の廃止と 65 歳以上の定年企業の状況についてですが、定年制の廃止および 65 歳以上の定年企業はだいたい 19.6 %というところでございます。去年が 18.7 %でしたので若干増加しているというところでございます。大企業と中小企業の割合では、中小企業の方が高くなっております。

続きまして希望者全員 66 歳以上の継続雇用制度を導入している企業の数も増えてきており、前回が 4.9 %のところ今回は 5.7 %で 0.8 %の増ということになっております。これも順調に右肩上がりに上がってきているというところでございます。

それから希望者全員ではないものの 70 歳以上まで働ける制度を導入している企業は、昨年の 21.2 %から今現在 22.6 %まで上がっておりまして、 1.4 %の増。毎年このくらいのペースで右肩上がりに上がってきています。最後に、 60 歳以上の常用労働者数は 347 万人余りが労働者になっていると、去年に比べて約 23 万人が増加しています。以上のとおり、高年齢者の働ける状況が少しずつ増えていっているということがわかるというふうに思います。

報告としては以上でございます。

 

  鎌田部会長

 はい、ありがとうございます。それでは、只今の報告につきましてご質問ご意見があればお願いいたします。はい、どうぞ。

 

  小林委員

 質問を1点お願いします。最初のページにもあるのですが、定年制を廃止した企業について、 300 人以上では 0.5 %、 31 人から 300 人では 2.8 %という数字が出ておりますが、これら企業において定年制を廃止したことで継続して働くことが可能となった労働者の全体の人数と年齢分布がわかればぜひ教えていただきたいと思います。

 

  高齢者雇用対策課長

 はい、定年制を廃止している企業ですけれども、企業の割合としては、全体では、 25 年度から 29 年度まで 2.6 %、 2.7 %、 2.6 %、 2.7 %、 2.6 %とほとんど変わっていない状況でございます。企業数もほとんど変わっておらず、約 4,000 社で推移しているという状況です。労働者の数、定年制、 65 歳以上の高年齢者の数といいますと 25 年度は 18 500 人、 29 年度は約 27,000 人となっております。

 

  鎌田部会長

 よろしいですか。さらに追加で質問があれば。

 

  小林委員

 人数とはまた別の話となりますが、大手企業より 31 人から 300 人の企業の方が、定年制の廃止や 65 歳以上定年、 66 歳以上の継続雇用の割合が高いことについて、恐らく中小企業では人材不足という課題が背景にあると思います。私の所属しているJAMでは 8 割が中小企業でして、やはり人材不足ということで若者が入ってこない中、熟練技能を持っている方も定年によりどんどん辞めていかざるを得ないのですが、その技能を継承するのも大変だということで、年齢の高い方にも働いてもらわなければいけないという状況が起こっています。こうした状況を踏まえたお願いとなりますが、若者雇用もこちらの部会で扱っておりましたので、例えば厚生労働省で行っているユースエール認定制度の積極的な活用など、中小企業への若者雇用に向けた働きかけをお願いしたいと思います。また、 65 歳以降の再雇用や 60 歳以降の働き方について、今後働き方改革における同一賃金同一労働の議論があると思いますが、正規・非正規の均等・均衡待遇については、 60 歳以上の方は非正規社員として働いている方が多い現状がありますので、 60 歳以上の待遇についても今後の同一労働同一賃金や働き方改革と合わせて是非ともしっかりと政策を立てていただきたいと思います。

 

  鎌田部会長

 何かコメントありますか。はい、ご意見をいただいたということで。その他ございますか。よろしいですか。

 

  村上委員

 意見と質問となりますが、意見としては資料5-1のマル4で 70 歳以上まで働ける企業の状況について、かなり増えてきているとのご説明がありました。ご説明の中でも希望者全員ではないという断りを入れていましたが、中身を見ると定年制の廃止や基準を満たした場合には 70 歳以上まで継続雇用できるといった条件も付いているものも含まれているようですので、必ずしも全員が 70 歳以上まで働けるということではなく、そうした可能性があるということだと思います。今後は資料などにもそうした注書きを入れて、だれでも 70 歳以上まで働けるというような誤解を招かないようにしておいたほうが良いのではないかと思いました。

それから、質問となりますが、高年齢者雇用安定法も改正したところではありますが、今後働くことを希望している方が能力に応じて働く環境を整備していくことが政策課題にもなっていると思いますが、 65 歳を超えて働いてもらいたいが環境が整わないから難しい、あるいは、もっとこういうことをやってもらえれば働けるのにといった声を都道府県労働局などで把握されているのか教えていただければと思います。

 

  鎌田部会長

ご質問の部分についていかがですか。

 

  高齢者雇用対策課長

 具体的にそういったアンケートみたいな形をとっているわけではないのですが、ただ問い合わせとすれば当然、労働者の方からは確保措置の内容等についての問い合わせは本省にも来ています。法律に沿った形で運営をしてくださいということを企業にお願いする等の指導を行っているのが一つです。

あと 65 歳以上の雇用について、企業側からの問い合わせとすれば、例えば 65 歳の定年引き上げ等いろいろな形で取り組もうとする企業もあります。当然賃金テーブルの改正などをやりながら、あとは労使の間で調整しながら取り組んでいると。そのときの注意点や好事例みたいなものなど、そういった問い合わせについてはお答えしているというところでございます。

 

  鎌田部会長

 よろしいですか。ほかにございますか。

特にないようですので、本日の議事は以上を持ちまして終了いたします。本日の会議の議事録の署名委員につきましては、小保方委員及び根本委員にお願いしたいと思います。それでは、本日の会議は以上で終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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