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2017年11月21日 第28回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会

医薬・生活衛生局生活衛生課

○日時

平成29年11月21日(火)15:00~17:00


○場所

全国生衛会館 大研修室(4階)


○出席者

新井 眞一 (全国食鳥肉販売業生活衛生同業組合連合会会長)
市川 まり子 ((一財)日本消費者協会消費生活コンサルタント)
遠藤 弘良 (聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科長)
大森 利夫 (全国理容生活衛生同業組合連合会理事長)
岡部 修 (株式会社日本政策金融公庫 常務取締役)
倉持 繁夫 (全国食肉生活衛生同業組合連合会理事)
後藤 巻則 (早稲田大学大学院法務研究科 教授)
櫻田 あすか (サービス・ツーリズム産業労働組合連合会副事務局長)
佐々木 伸一 (全国興行生活衛生同業組合連合会会長代理)
佐野 真理子 (主婦連合会 参与)
武井 寿 (早稲田大学商学学術院 教授)
野々山 理恵子 (生活協同組合パルシステム東京理事長)
原田 一郎 (東海大学 早稲田大学 中央学院大学 講師)
山縣 正 (全国すし商生活衛生同業組合連合会会長)
吉井 眞人 (全日本美容業生活衛生同業組合連合会理事長)
山下 綾子 (全国食鳥肉販売業生活衛生同業組合連合会理事)

○議題

(1)食鳥肉販売業の振興指針の見直しについて
(2)食鳥肉販売業の経営実態について

○議事

○加藤課長補佐 定刻になりましたので、ただいまより、第 28 回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会を開催させていただきます。

 委員の先生方におかれましては、御多忙の中、本検討会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。小熊委員、小池委員、渋谷委員、多田委員、西尾委員、藤田委員、堀口委員、三村委員、山本委員から欠席される旨の連絡を頂いております。委員総数 24 名中 15 名の委員の先生に御出席いただき、過半数に達しておりますので、厚生科学審議会令第 7 条第 1 項の規定により、本日の会議は成立いたしますことを御報告させていただきます。それでは、開催に当たり、宇都宮生活衛生・食品安全審議官より御挨拶を申し上げます。

○宇都宮生活衛生・食品安全審議官 生活衛生・食品安全審議官の宇都宮と申します。よろしくお願いいたします。この 7 11 日付けで、それまでの部が、組織改変により審議官という名前になりまして、私が着任したところです。何とぞよろしくお願いいたします。

 本日は、委員の皆様におかれましては大変御多忙のところ、また今日は冷え込んでおりますが、お寒いところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、生活衛生行政に関しまして、日頃より御指導、御協力いただいておりますこと、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 さて、皆さん御存じかと思いますが、本分科会は生活衛生関係営業の振興指針、あるいは生活衛生関係営業に関する重要事項について御審議いただくという場となっています。本日は、この議事次第にありますが、食鳥肉販売業の経営実態についての調査の報告をさせていただき、また、そういうものを踏まえまして、振興指針の見直しについて御議論いただこうということです。この振興指針は各生活衛生関係営業の業種の振興目標を達成するための手段、配慮すべき事項等を定めるものであり、今後の振興の基本となるものです。委員の皆様におかれましては、幅広い観点から忌憚のない御意見を頂ければと思います。甚だ簡単ではございますが、以上をもちまして御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○加藤課長補佐 宇都宮生活衛生・食品安全審議官は、公務のため退席させていただきますので、御了承ください。

 それでは、議事に入る前に、私から本日御出席の本会議の委員及び参考人につきまして、御紹介申し上げます。お手元の委員名簿と座席表がありますので、これに基づき御紹介させていただきます。
 向かって右側ですが、全国料理業生活衛生同業組合連合会会長の佐竹委員に代わりまして、今回から新しく全国食鳥肉販売業生活衛生同業組合連合会会長の新井眞一委員です。
 一般財団法人日本消費者協会消費者生活コンサルタントの市川まり子委員です。
 聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科長の遠藤弘良委員です。
 全国理容生活衛生同業組合連合会理事長の大森利夫委員です。
 株式会社日本政策金融公庫常務取締役の岡部修委員です。
 全国食肉生活衛生同業組合連合会理事の倉持繁夫委員です。
 早稲田大学大学院法務研究科教授の後藤巻則委員です。
 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会副事務局長の櫻田あすか委員です。
 東海大学
早稲田大学 中央学院大学講師の原田一郎分科会長です。
 広島県興行生活衛生同業組合連合会理事長の蔵本委員に代わりまして、今回から新しく全国興行生活衛生同業組合連合会会長代理の佐々木伸一委員です。
 主婦連合会参与の佐野真理子委員です。
 早稲田大学商学学術院教授の武井寿委員です。
 生活協同組合パルシステム東京理事長の野々山理恵子委員です。
 全国すし商生活衛生同業組合連合会会長の山縣正委員です。
 全日本美容業生活衛生同業組合連合会理事長の�井眞人委員です。

 続きまして、意見聴取人を御紹介いたします。全国食鳥肉販売業生活衛生同業組合連合会理事の山下綾子さんです。
 審議会へ参加していただく方々は以上です。

 続いて、お手元の資料の確認をさせていただきます。机上に配布しておりますが、配布資料一覧に記載している資料を一式を準備しております。議事次第、委員名簿、座席表、配布資料一覧、資料 1 は、諮問書の写し、資料 2 は、付議書の写し、資料 3 は、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律 ( ) 、資料 4 は、平成 26 年度生活衛生関係営業経営実態調査報告食鳥肉販売業 ( ) 、資料 5 は、食鳥肉販売業の実態と経営改善の方策、資料 6 は、振興指針の見直し方針 ( ) 、参考資料 1 は、厚生労働省設置法 ( ) 、参考資料 2 は、厚生科学審議会令、参考資料 3 は、厚生科学審議会生活衛生適正化分科会所掌事務、参考資料 4 は、厚生科学審議会運営規程、参考資料 5 は、生活衛生適正化分科会に係る参考資料、参考資料 6 は、食鳥肉販売業の状況について、参考資料 7 は、サービス産業の活性化・生産性向上、参考資料 8 は、最低賃金制度についてです。資料は以上ですが、落丁等がございましたら事務局までお申し出ください。

 それでは、以降の議事進行については、原田分科会長、よろしくお願いいたします。

○原田分科会長 本日は本当にお忙しいところ、また急に寒くなったところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。前回の流れで、大変恐縮ですが議事進行役をやらせていただきます。

 それでは、座ってやらせていただいて、審議に入りたいと思います。本分科会におきましては、先ほど確認がありましたが、お手元の資料 1 の諮問書と、資料 2 の付議書に示していますように、本年度は、食鳥肉販売業の振興指針となっており、これについて御審議いただきたく、よろしくお願い申し上げます。審議に入る前に、新任の先生方もいらっしゃいますので、確認を込めて事務局より振興指針の位置付け及び当分科会の全体の概略、また、本年度の振興指針の見直し方針案に関して説明をお願いいたします。事務局、よろしくお願いいたします。

○加藤課長補佐 資料 3 の生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律の中で、第 56 条の 2 において「振興指針」について規定しております。下線部にあるように、厚生労働大臣は、業種を指定して当該業種に係る営業の振興に必要な事項に関する指針 ( 以下「振興指針」という ) を定めることができるとなっております。また、第 3 項にあるように、振興指針は、公衆衛生の向上及び増進を図り、あわせて利用者又は消費者の利益に資するものでなければならないとなっております。

 第 56 条の 3 は振興計画の認定について規定があります。こちらは、先ほど紹介した振興指針に基づいて都道府県の組合又は子組合が、組合員たる営業者の振興を図るために必要な事業に関する計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けることとなっております。裏返していただくと、この認定を受けて振興計画に基づいて振興事業を実施するということです。第 56 条の 4 に、政府は振興事業の実施に必要な資金の確保又はその金融のあっせん、運営に努めるという規定があり、日本政策金融公庫の融資をメニューとして御用意しております。また、第 56 条の 5 において、認定計画に係る共同利用施設について税制上の特別償却を受けることができるという規定もあります。

 第 58 条ですが、当審議会において厚生労働大臣が振興指針の設定を行う場合に、厚生科学審議会の諮問を受けなければならないという規定があり、本日、この分科会に審議をお願いするということです。

 参考資料 5 を御覧ください。生活衛生適正化分科会に係る参考資料ということで、振興指針の位置付け等について説明させていただきます。 1 枚めくっていただき、厚生科学審議会の各分科会の位置付けについて記載している部分を抜粋しております。皆様、御承知のとおり、生活衛生適正化分科会については厚生科学審議会の中に位置付けられて、その中で振興指針に関すること、標準営業約款の認可に関することについて審議していただくことになっております。厚生科学審議会令第 5 条ですが、厚生審議会の中で分科会に属する審議については生活衛生分科会で審議していただくこととなっております。

3 ページです。生活衛生営業に関する政策体系としては、生活衛生の適正化及び振興に関する法律の中で黄色いマーカーで示している所ですが、厚生科学審議会生活衛生適正分科会の位置付けと、国による振興指針の策定として、業種を指定して必要な事項について指定することとされております。

4 ページです。生活衛生関係諸法の体系ということでお示ししております。厚生労働大臣は、黄色のマーカーで塗っている振興指針の策定と標準関係営業約款について策定することとなっております。生活衛生関係営業 ( 生衛業 ) は、理容業、クリーニング業、旅館業、浴場業等、国民の生活に密着したサービスを提供しており、平成 24 年度の経済センサスの資料によれば、これらの事業所数は 112 万事業所 ( 全体の 19.7 ) 、従業員数は 689 万人従業員 ( 全産業の 11.2 ) となっております。

5 ページです。振興指針及び振興計画の位置付けを示しております。国で生衛業の振興を計画的に推進して、公衆衛生の向上及び利用者の利益の推進に資することを目的として振興指針を定め、それに基づいて各都道府県組合で組合員たる営業者の営業を計画的に推進するために振興指針の内容を、より具体化したものを振興計画として策定し、取り組んでいただくというように位置付けられております。

 振興指針の今後の改定については、今年度は、食鳥肉販売業。来年度は、理容業、美容業、クリーニング業、興行場営業、飲食店営業 ( すし店 ) 。平成 31 年度は、飲食店営業 ( めん類 ) 、旅館業、浴場業。平成 32 年度は、氷雪販売業、食肉販売業。平成 33 年度は、飲食店営業 ( 一般飲食 )( 中華料理業 )( 社交業 )( 料理業 ) 、喫茶店営業となっております。これらの各業種別に定められている振興指針を 5 年に 1 回のサイクルで更新しております。

6 ページです。生活衛生関係営業の振興指針の改定についてです。これまでは、平成 27 年から 28 年度まで、改定方針としては連続性の強化、戦略性の強化、役割の明確化の観点から改定を行い、地域コミュニティーの再生・強化、東日本大震災の対応・災害対応の強化、サービス産業の生産性向上について、引き続き、平成 27 年度から改定しているところです。

7 ページです。簡単ですが、標準営業約款制度について資料を付けております。こちらは、本年度改定の予定はありませんが、標準営業約款制度があり、全国生活衛生営業指導センターは利用者又は消費者の選択の利便を図るため、厚生労働大臣の認可を受けて約款を定めることができるということで、こちらの改定をする場合には、この生活衛生適正化分科会で御議論をしていただくことになっております。

 引き続き、今年度の振興指針の見直し方針 ( ) について説明します。資料 6 です。緑色の 1 枚紙のものです。こちらは、過去の振興指針、今回の食鳥肉販売業以外にも同じような方針で振興指針の見直しを行ってきているところで、振興計画の実施状況について共通事項等を記載しております。

2 ページに、振興計画事項として、青文字でアンダーラインを付けている部分ですが、項目の 2 番目に、サービス産業の活性化及び生産性向上への対応ということで、こちらは、平成 27 年度の改定より新たな事項として付け加えております。これに関する資料については、参考資料 7 として「サービス産業の活性化・生産性の向上」を付けております。振興計画事項の項目の 7 番目に災害への対応と節電行動の徹底を記載しております。一昨年度までは、東日本大震災への対応ということでしたが、その他の災害も発生していることから、災害への対応という形での見直しをさせていただければと思っております。項目の 8 番目は、最低賃金の引上げに向けた対応です。こちらは、昨年の改定から盛り込まれており、昨年の 10 月から最低賃金が大幅に引き上げられ、今後も引上げが予定されていることから、最低賃金の引上げに向けた対応について項目出しとして、昨年度から新たに付け加えて見直しをさせていただければと思っております。こちらに関連する資料については、参考資料 8 として、最低賃金制度ということで最近の改定額等について記載した資料を添付しております。

 今後の振興指針の見直しの予定は最初のほうで説明したとおりですが、今年度は食肉販売業となっており、平成 30 年度は、理容業、美容業、クリーニング業、飲食店営業 ( すし店 ) 、興行営業、平成 31 年度は、飲食店営業 ( めん類 ) 、旅館業、浴場業、平成 32 年度は、食肉販売業、氷雪販売業、平成 33 年度は、飲食店営業 ( 一般飲食、中華料理、社交業、喫茶 ) となっております。こういう形で、今後、振興指針の見直しを予定しているところです。非常に簡単ですが説明は以上です。

○原田分科会長 何か御質問等ございますか。

○後藤委員 本日の主要なテーマではなくて恐縮なのですが、気になったことを 1 つ質問します。資料 3 の第 56 条の 2 3 項の「利用者又は消費者の利益に資するものでなければならない」と書いてあります。利用者と消費者をどのように使い分けて書いているのかということが、拝見していて気になったものですから、御説明いただけたら有り難いです。

○原田分科会長 事務局の統一した見解はありますか。

○吉岡課長補佐 大きく使い分けたということではありません。生衛業の皆様は、大きく分けると飲食店系のサービスと、理容、美容、クリーニングのようなサービスの方がいらっしゃるので、消費者、利用者という形で、飲食の場合としては消費者というイメージで、いわゆるサービスを提供されるものについては利用者ということです。特段、取り立てて大きく意味を違えて位置付けているものではありませんので、同じような意味合いでお取りいただいて結構かと思っております。

○後藤委員 今の御説明で分かりましたが、やや違和感があるのは、役務と商品を分けて規定していて、そして役務は利用者、商品は消費者と言葉を使い分けているようなのですが、消費者というと商品を購入する場合と役務の提供を受ける場合があり、一般的には両方入ります。役務の利用者と区別するのでしたら、その後の消費者は、むしろ商品の購入者とすべきであって、もし、利用者と消費者という形で分けないとすると、むしろ利用者という表現を使わないで両方とも合わせた形で消費者という言葉を使ったほうが適切と思います。ここに出ているのは法律ですから言葉を吟味して使っていらっしゃるとは思うのですが、「消費者法」を専門にする者から見ると、やや違和感があるように感じますので、その点を少し頭に入れておいていただいたらと思います。以上です。

○原田分科会長 法律上の対応ですので、一概に今すぐに返事をするということはできないかと思いますので、検討項目としてお預りいただくという形でよろしいでしょうか。

○後藤委員 はい。

○原田分科会長 私が専門とするマーケティングの世界では、コンシューマーの場合は消費者を対象にして、利用者の場合は産業ユーザーを考えるという形なので、業者である場合が多いという捉え方をするのが我々の分野の学問の。

○後藤委員 この表現でおかしくはない。

○原田分科会長 私はこれで余りおかしいとは思いません。

○後藤委員 そうですか。分野によって捉え方が違うと思いますので。

○原田分科会長 サービスも消費者が受けるとかそういうことではなくて、生産財のユーザーみたいなものを利用者という形で、消費者は消費して使う人ということで、マーケットの世界では一般的に含まれています。

○後藤委員 業者を含め、役務を利用する者を利用者という形で。

○原田分科会長 そうです。利用という。

○後藤委員 確かに、これを見て、そうではないかという感じも受けました。

○原田分科会長 ですから、そこは事務局で確認をさせていただくということでよろしいでしょうか。

○後藤委員 はい。

○原田分科会長 それでは、今、基本的な姿勢に関しての説明がありましたが、御了承いただくということで、次へ進めていきたいと思います。審議に入りますが、まず、初めに事務局から経営実態等についての説明の後、意見聴取人から事務局の説明を補足する形で実際の現場での取組や現状についてお伺いし、御説明を頂き、さらに、その後に事務局から中小企業診断士からの改善、方策等についての説明、大変、恐縮ですが、その後に皆様の様々な御専門の立場から論議していきたいと思いますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず、事務局から経営実態等に関しての説明をお願いします。

○加藤課長補佐 それでは、経営実態調査について報告させていただきます。資料 4 の報告書です。振興指針の改定に先立ち生活衛生課で食鳥肉販売業について、経営実態調査を平成 26 10 1 日時点で行っております。 1 ページです。第 1 章、調査の概要です。調査の目的として、生活衛生関係営業の経営の実態及び社会・経済的な諸条件について調査し、生活衛生関係営業振興のための指針の作成に資するなど、生活衛生関係営業の健全な育成及び将来の展望を明らかにするための基礎資料を得ることを目的とするとしております。また、経営動向を計数によって把握し、これに基づいて規模別の経営指標、原価指標を作成し、経営合理化等の参考に資するとともに、経営指導及び経営診断指導等を行う場合の参考資料を得る目的とするとしております。

 調査対象は、食鳥肉販売業ですが、全国の 500 事業者にアンケート方式で調査票を配布し、経営主体、創業年等に関する事項等の調査票については 111 の事業者から回答を得て、こちらの調査票を取りまとめております。税務申告や損益計算書に関する項目については、 52 の事業者から回答を得て取りまとめを行っているところです。

 これらの食鳥肉販売業取り巻く状況については、時間が限られていることから、先ほどの調査報告書とは別の様式で実態調査のデータや、その他、総務省の統計データ等も利用して参考資料 6 として、食鳥肉販売業の状況についてということで、かい摘んだところを説明いたします。

○原田分科会長 参考資料 6 ですか。

○加藤課長補佐 はい、参考資料 6 の食鳥肉販売業の状況についてです。ページをめくっていただき、鳥肉の市場動向です。食肉類の家計消費動向です。こちらは総務省「家計調査」を基に加工して作ってあるものです。平成 28 年度の食肉類の家計消費としては豚肉が最も多く、次いで鳥肉、牛肉という状況になっております。ただし、平成 7 年の家計消費を 100 とした場合の平成 28 年の家計消費では、牛肉は 59.3 、豚肉は 145.5 、鳥肉は 151.7 ということで、鳥肉の消費がかなり上向いているところです。

 次のページの平成 28 年度の我が国の食肉類流通量 ( 推計出回り量 ) です。日本全体の外食や中食を全部含めた形での肉類の流通量になっており、こちらでは、鳥肉が 44.4 %とかなりの部分を占めているところです。次のページです。食鳥肉販売業の経営実態調査1です。 3 ページ以降については、生活衛生課で行った経営実態調査報告からのデータを引用したものです。経営主体としては個人経営が約 6 割を占めている状況であり、創業年数別で見ても 30 年以上というものが、ほぼ 8 割以上を占めているところです。経営者の年齢別の施設数でも経営者の年齢階級における施設の構成割合となっておりますが、 60 69 歳が最も多くなっているところで、全体として 60 歳以上が 6 割以上を超えているところです。また、後継者の有無では、 6 割の所で後継者なしという結果が出ております。

 続いて、食鳥肉販売業経営実態調査2として、卸売・小売の別としては、卸売、小売の両方をやっている所が 45.9 %、小売業のみが 34.2 %という結果が出ております。小売業を営んでいるという点で言うと、約 8 割の所が小売を行っている状況です。事業者の規模別で言うと、 4 人未満の所が半数以上を占めており、中小零細の事業所数が半分以上というような状況です。

 続いて、食鳥肉販売業経営実態3として、生鮮肉の仕入れ先ということで、こちらは複数回答になっております。「卸売業者・卸売市場」が 72 %と最も多く、次いで食肉加工会社という状況です。設備等の状況も複数回答ですが、駐車場の整備が 44 %と多く、次いで真空包装機や肉加工設備 ( ロースター等 ) 32.4 %となっております。高齢者の経営者が多いためなのか、電子決済関連設備はほとんど普及していない状況も見て取れるところです。

 次のページです。食鳥肉販売業経営実態4ですが、経営上の問題点としては、原材料費の上昇が最も多く、次いで客数 ( 注文数 ) の減少、水道・光熱費の上昇、燃料費の上昇が上位を占めているところです。今後の経営方針のところですが、価格の見直しが 32.4 %と最も多く、接客サービスの充実、広告・宣伝等の強化、施設・整備の改装、更新という前向きなものも多く見て取れますが、右側から 4 番目に「廃業」とあり、 20 %とかなり高くなっております。

 続いて、食鳥肉販売業経営の実態調査5として、配送サービスを実施している食鳥肉販売店 ( 経営主体別 ) としては、約 7 割以上の方が食鳥肉販売の配達サービスを実施しており、この配達先の構成としては、飲食店、施設等の食堂、個人が上位を占めています。最後に、 8 ページで、食鳥肉販売業の経営実態調査6です。平均数値としての平均従業員数や経営資本対営業利益等の参考資料を付けております。経営実態等の説明は以上です。

○原田分科会長 今の説明について、何か御意見、御質問はございますか。

○佐々木委員 今の中身を聞いていると、食肉販売業の状況についてではなくて食鳥肉販売業の状況についてという資料でないとおかしくないでしょうか。

○吉岡課長補佐 タイトルが間違っておりました。食鳥肉の実態です。

○佐々木委員 御説明でも食肉と言ったり食鳥肉と言ったり、いろいろ言葉が前後しているので、お気を付けになったほうがよろしいかと思います。

○原田分科会長 今の説明に関連して補足する形で、意見聴取人から実際の現場での取組や食鳥肉を中心とする現状に関しての御説明を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山下意見聴取人 私は横浜で営業しています。現状と言うと、この資料にあるような平均値の人数や規模から言うと、私、「梅や」という横浜で鶏肉の専門店を経営しております。創業は 100 年を超えているということと、横浜の現時点の場所で 64 年という形でずっとやらせていただいております。今、現在の食鳥の協会での問題点は、どんどん組合員が少なくなっているということが現状です。

 弊社では、どういうところを回答すればよろしいのかということがあるのですが、今、一番、大変というか問題というのは、やはり人です。だんだん年齢を重ねていくごとに従業員が交代しておりますが、やはり、職業柄、朝も早いですし、冷たいですしと、なかなか若い方に業種として選んでいただけないと思います。そちらに対して、これから改革をしていかないといけないことが一番の問題であると思っております。

 経営に関しては、うちは卸と小売の両方をやっており、幸いにも卸のお客様の現状は実際増えております。それは、やはり横浜という場所もあるのでしょうが、かなり配送を踏まえて、お客様が増えている形になったおります。ただ現状で、人と人の兼ね合いなのですが、生産地の人手不足の影響もあり、実際、うちは仕入先の大元は産地で販売業をされている所から仕入れているのが量的に一番多いのです。そちらが、やはり人が少なくなっているというか、そういう土地柄、若い方がどんどん外に出ていくという状態もあり、鳥肉は豚や牛よりも、どれだけの羽数が出るのかというとかなりの量になりますので、手を加えるという、その細かい作業もかなりの量になってしまいます。

1 つ小さなことを言うと、焼き鳥の 1 本、うちも今は焼き鳥の串を刺す人員が 15 名ほどいるのですが、とても足りずに産地にお願いして刺していただいております。実際に刺している方たちが、もう 70 歳ぐらいを超えていらして次に入る方がいない、一時は外国の方を入れておりましたが、今現在の状況ではなかなか難しくなってきて、そうすると価格が上がるだけならいいのですが、刺せないとなってしまうと、今、それが大きな問題になっているかというところです。

 経営自体は、お陰さまで、卸と小売、生のお肉も売っておりますし、その生のお肉から我が社で直接加工して、唐揚げ等も売っておりますので、バランス的にはいい形の会社経営をしているつもりでいます。

○原田分科会長 よろしいでしょうか。

○山下意見聴取人 はい。

○原田分科会長 鳥は全部国産ですか。

○山下意見聴取人 全部ではありません。ブラジル産や冷凍物も扱っておりますが、そちらは卸のほうで、そのまま流通するという形です。

○原田分科会長 では、小売の場合は鮮度を保つという形で。

○山下意見聴取人 はい、国産で。

○原田分科会長 どちらかというと国産で。

○山下意見聴取人 はい。

○原田分科会長 しかも、なるべくなら自然で育った鳥をということで、ブロイラーみたいなもので囲い込まれたものではない元気な鳥を仕入れておられるという、地鶏というのでしょうか。

○山下意見聴取人 もちろん地鶏銘柄鶏等も取り扱っておりますが、やはり割合からするとブロイラーが一番多いです。
○原田分科会長 ブロイラーが一番多いのですね。

○山下意見聴取人 やはり足りませんし。

○原田分科会長 何しろ鮮度と流通、生産財のユーザーの業者に関しては配送が効いているとお話を伺ったのですが、それでよろしいでしょうか。

○山下意見聴取人 はい。

○原田分科会長 また後で御質問いただければと思います。

○山下意見聴取人 はい。

○原田分科会長 それでは、事務局から中小企業診断士からの改善の方策等について、御提案があったようですので説明をお願いします。

○加藤課長補佐 資料 5 は、食鳥肉販売業の実態と経営改善の方策です。この資料は、先ほど説明した資料 4 の生活衛生関係営業経営実態調査報告のデータを基に、中小企業診断士に依頼して、経営の改善に向けての提案等を頂いております。

1 ページに食肉販売の動向等がありますが、 41 ページに、食肉販売業の経営改善の方策が記載されております。こちらについては、先ほど申し上げた経営実態調査報告を基に経営の動向ということで、要点をこのような形でまとめていただいているところです。例えば、2で言うと、平成 26 年度の食肉の消費量は 10 年で比較すると、 112.8 %と大きく増加しているとか、最近の鳥肉価格が上昇しているとかという経営の動向等について記載しております。

42 ページです。経営状況等を上げながら、販売の特徴点を勘案して外部環境の機会と脅威、内部環境の強みと弱みという形で分析していただいております。例えば、外部環境での機会としては、鳥肉は安価でヘルシーで今後の需要増が見込まれる、 1 人当たりの消費量が増大しているというところです。脅威としては、事業所数は平成 3 年度比で 3 分の 1 、従業者数、年間販売額では半減となっている所があるということです。

 内部環境の強みとしては、平成 21 年と比べて特に利益率の数字の改善が目立っております。土地や建物とも自己所有が半数を超えており、 3 年間の資金調達は自己資金が半数を超えているという所もある一方で、弱みとしては、 1 人当たりの純利益はマイナス、営業年数は 30 年以上と長く、 20 年未満は少ない、また経営者の年齢が 60 歳以上が半数を超えている、「後継者なし」の割合が 6 割を超えている等という分析がされているところです。

 経営の問題と課題等については、 43 ページ以降に記載されております。こちらについては、事業者の零細化かつ老朽化とか、後継者の不在、鳥肉が安価でヘルシーであるということで、近年需要が増加しているものの、なかなか、そういう好環境の条件を生かし切れていない現状があると思われる、業界を取り巻く環境の悪化ということで、原材料の上昇が高い、客数が減少になっているところもある、経営意欲の減退として若手経営者の参入不足等が上げられております。

44 ページです。経営改善の方策として、経営の刷新 ( 後継者の育成を含めて ) 、経営戦略の明確化、ネットやホームページを通じた独自性の伝達、既存の業務方式の見直し、後継者の育成 ( 若手の採用 ) が上げられております。 45 ページです。今後、推進すべき具体的施策として安全・安心戦略の推進、サービスの見直し及び向上、宅配、御用聞き等の実施、高齢者の調理しやすい食材の提供等という点が上げられております。以上です。

○原田分科会長 先ほど御案内申し上げたように 3 つに関して説明がありました。それに基づいて、これから議論に入っていきたいと思います。何か御意見、御指摘、あるいは御批判でも結構ですが、お願いいたします。

○佐野委員 資料 5 8 ページです。先ほど参考人の方がおっしゃっていた組合への加入状況が減っていることについて、ここでは約半分の方が加入しているのですが、どのくらい減ってきているのかという状況と、あと、何か努力なさっているのか、どのようなことをされているのかということ。

 もう 1 つは、 16 ページに (4) 健康診断の実施状況とありますが、ここで少し驚いたのですが、総数で 1 回も健康診断をやっていないのが 32.4 %とあり、食品を扱っている所なのにこれでいいのですか。そうでなくても、会社では健康診断を 1 年に 1 回はやりましょうというところなのに、なぜ、食品を扱っている所がこういう低い数字でいいというか何事もないのか、本来ならば 100 %やるべきではないかと思うのですが、そこはどのようにお考えになっているのかということをお聞きしたいです。

 もう 1 つは、先ほど設備投資というお話があった中で、駐車場が 1 位というのは、駐車場は設備投資に入るのか、それは誰のための設備なのか、要するに、消費者が車で鳥肉を買いに行くためということは考えられないので、事業者の車が置けるようにだと思うのです。それも設備投資と言うのかというのが疑問だったので、その辺りを教えていただければと思います。

○原田分科会長 誰が答えたらいいのかと、やはり業界の方に。

○佐野委員 業界の方に。

○原田分科会長 答えていただく。でも、業界の方は、業界全体と、また御自分の所とは少し違うかもしれませんので、なかなか答えにくいかという気がするのです。まず、組合の加盟度が低いというのは、組合への加盟を増やす形で何か活動されているようなことがある場合は、御紹介いただければと思います。

○新井委員 組合では会員増強を毎年進めております。組合の会員が減る、廃業される方が多くて、御夫婦でされておるとか、山下さんの所はかなり企業的にやっておられるのですが、本当に零細の業者も結構あるということです。その辺りが一番大きな問題なのです。

○原田分科会長 やはり、結局、廃業が響いてしまっていると考えて。

○新井委員 はい。

○原田分科会長 なるべく、若手の方が会員になって組合を盛り立てるというか。

○新井委員 後継者です、はい。

○原田分科会長 そういう雰囲気は維持されていると思います。ということで、もう 1 つの健康診断についてはいかがでしょうか。

○山下意見聴取人 うちは毎年やっています。

○原田分科会長 これは、ばらつきがありますよね。

○山下意見聴取人 そうですね。

○新井委員 どうしても個人経営の方が、その辺りのことがはっきり、企業的なところは、年に 1 回か 2 回は必ずやっています。

○原田分科会長 株式会社みたいな形になっていたり法人格を持っていたりする所は、規制があるので、健康診断はきちんとやらざるを得ないということになっていると思います。残念ながら食肉を取り扱っている業者の大多数は個人経営という形があり得ると、そうすると、従業員も含めて、時間的余裕もないし費用的余裕もないということが、どうしても中小に見られる傾向として存在していると思います。

 ですから、その辺りのことは組合を通じて、健康診断をきちんとやりましょうというようなキャンペーンをやっていただいたり、店主に理解を求める等、そういう活動が必要かと思います。どうしても零細産業の健康診断、社会保険は、なかなかうまくいっていないということが実状なのです。

○佐野委員 ここで見ると、有限会社が一番悪いと言うのは申し訳ないのですが、「実施なし」が 57 で、有限会社が一番実施していないのです。これは、食品を扱う所でやらなくてもいいのですか、ということがとても気になります。

○原田分科会長 やらなくてもいいということはあり得ないと思いますが。食品を扱って、特に生ものを扱う可能性が高いわけですから、健康診断は絶対的に必要です。トラック業界もこういう問題を抱えていて、トラック業界の場合は、健康診断をやらないと運転中に死んでしまったりして大事故になる可能性がありますから、大分、問題視して組合がかなり強いリーダーシップを取るような方向性を取っています。この辺りのところも組合が軸になって健康診断を、やはり、生ものを扱っているので、食中毒の原因になる可能性もあるわけですから、もっときちんと健康診断を重視すべきだみたいな方向性を出していただくように圧力を掛けていただくことが大事かと思います。

○新井委員 啓蒙していかないと駄目ですね。

○原田分科会長 今後の問題ということで、お聞きしておくということで、今、ここでは、それ以上のことはできないと思いますので、それでよろしいでしょうか。

 では、次にお願いします。

○野々山委員 すみません、知識がなくて、論議の前提で、ここの論議の範囲を 3 点ほど伺います。まず、食鳥肉の範囲ですが、大体ニワトリが中心かと思ったのですが、ニワトリのほかにシチメンチョウ、カモ、ダチョウなどいろいろな鳥があるのですが、今まで頂いたデータやこの論議の範囲は、そのどこまでを指すのか、食鳥肉全体を指すのか、ニワトリだけなのかを教えていただきたいと思います。これが 1 点です。

 あと、私たち消費者がイメージする食肉は肉屋で全ての肉を扱っている店をイメージするのですが、食鳥肉の専門の店が、肉全体の中での割合として、どのぐらいの専門店があるのでしょうか。それと、論議をする範囲は、いろいろ扱っている肉屋と、食鳥肉専門の肉屋と、両方を含めて論議するのか、別個に論議するのかを教えていただきたいと思うのが 2 点目です。

 もう 1 つは、先ほど生産地に卸しの所が多いという話がありましたが、全国の食鳥肉の販売量の分布はどのようになっているのかが分かれば教えてください。

○原田分科会長 分かる範囲で、お答えできる範囲で結構だと思うのですが、事務局からお願いできますか。まず、ニワトリのウエイトが圧倒的に高いと思いのですが、それ以外のシチメンチョウやカモとかが食鳥肉のデータに入っているのかどうか、従事員についてもそうですね。

○加藤課長補佐 こちらのデータの全体としては家庭消費ということになるので、ニワトリ以外の販売されている鳥も含まれていると思うのです。どこまでかと言われると難しいところがあるのですが、総務省で、 9,000 の家庭からアンケート調査をしたということを考えると、スーパーや食鳥肉販売店で売られている鳥肉になると思います。

○原田分科会長 ニワトリだけではないということになると思いますが、多分、主力はニワトリなのかなということだと思います。

 もう 1 つは、鳥肉の専門業者で、肉屋で鳥肉も扱っているような形と、鳥肉の専門の業者、鳥肉だけしか扱っていない所もあるので、しかもそれは卸しだけしかやらないとか、そういう所もありますから、そういう所は鳥肉も、かえってニワトリだけではなくて、いろいろな他の野鳥も含めて、焼き鳥の材料を扱っているという専門店も、豚肉や牛肉は扱わないという所もあるようですので。

○野々山委員 論議の対象は両方を含むのか、どちらなのかということです。割合とか。

○原田分科会長 データの対象になっているのは、どうなっていますか。鳥を扱っていれば入ってしまっているわけですか。

○加藤課長補佐 今回の経営実態調査のほうのデータについては、鳥肉を基本的に扱っている卸と小売りの所が専門になっています。客体数としては、全国 500 のそういった所にお送りさせていただいて、経営状況等について、こういった所については 111 の所から回答を頂いている状況です。

○原田分科会長 そうすると、肉として鳥を扱っている所ということになりますか。

○加藤課長補佐 基本は専門店です。

○倉持委員 野々山委員の質問と関連するかもしれませんが、私は食肉販売なのです。実は食鳥と食肉と組合自体が分かれています。これはどうして分かれているのかという素朴な疑問です。

 それと、文字的に「鳥肉」と「鶏肉」がありますが、そこは分けているのでしょうか。先ほどの説明ですと、こちらの表は「鳥肉」です。これは我々食肉店が扱っている商品というのは、豚肉、牛肉、鳥肉、そのほかにもありますが、基本的にはこの 3 種類なのです。鳥肉が消費的には一番多いかなと思いますが、普通の鳥肉と鶏肉の分け方について、資料ですと「鳥肉」と「鶏肉」のバラ付きがあると思うのですが、今では、ジビエの肉ですと、キジだとか野鳥の肉も全部含まれているということなのでしょうか。

 それから、鳥肉でも、カモ肉だとかアイガモだとかキジだとか、あと廃鶏もありまして、卵を産まなくなった鳥の肉というか。一般的にはブロイラーが圧倒的に多いかと思いますが、その辺のデータはお持ちですか。

○加藤課長補佐 申し訳ありません、そこまでは持っておりません。

○倉持委員 では、食肉組合と食鳥組合と別々になっていますが、この経緯は分かりますか。我々は鳥肉も含めて「肉屋」と呼んでいるのですが、いろいろと書いてある資料を見ますと、今日は食鳥販売ですから鳥肉だけですよね。その辺は、どうしてこのようになっているのでしょうか。もし分からなければ、それは。

○新井委員 昔は鶏肉と言っていたのですが、鳥の中にも、カモとか、いろいろなものがあるものですから、「食鳥」というように、ブロイラーが入ってきて、そのように変わってきたのではないかと、私は経緯としてはそう思うのですが。

○倉持委員 我々は、例えば、牛肉とか豚肉というのは、大体が明治以降の文化ですから、鳥肉というと江戸時代よりもっと前ぐらいから食していたということで、もともと我々の食肉よりも食鳥のほうが組織としては古いのでしょうか。その辺の歴史が分からないのですが、どうなのでしょうか。

それから、先ほど言った疑問で、鶏肉と鳥肉の違いです。山下さんの資料を見ると鶏肉になっていますが、ほかの資料はみんな普通の鳥肉です。この辺の文字の分け方というのは、何か意識しているのでしょうか。

○原田分科会長 その辺の細かいところは即答できないかもしれませんが、食鳥肉販売業の実態と経営改善の方策に関しての説明を頂いた調査の所の「食鳥肉販売業の動向」を御覧ください。これは経済産業省の商業統計から持ってきているのです。だから、経済産業省の商業統計の規定がどうなっているかを調べてみないと、正確な答えは出せないと思います。そして、商業統計のところで、そこまできちんと区別しているかどうかは、正直に言うと非常に疑問です。だから、鳥を扱っていれば、ほかの肉を扱っていても、鳥を扱っているときの調査の対象に入ってしまうのかなというのが、多分そうではないかという気がするのです。

 ただ、食鳥肉というデータであった場合においては、鳥を扱っていない所は外すだろうと思いますが、一緒にお肉を扱っていて鳥も扱っているとなると、それもその鳥の種類をかなり多く扱っている所は入ってしまうのではないかという気がするのですが、その辺は事務局で確認していただくということで、よろしいですか。一応、その商業統計に基づいているというところで、今回は勘弁していただきたいと思います。

○倉持委員 分かりました。

○原田分科会長 商業統計ですから経済産業省に聞いてみればいいのではないかと思いますが、そんな細かいことを聞かれても向こうも困るかもしれませんが、一応調べさせていただきたいと思いますので、確認の調査をお願いしたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○遠藤委員 この調査についてのコメントです。済んだことですので質問しても仕方がないと思うのですが、先ほどの健康問題に関連して、そもそも、この指針の法律の目的が、公衆衛生の向上というのがあるわけなのですが、この調査票を見ると、健康とか衛生的な質問事項というのは、 105 ページの「食中毒のリスクに備えた保険への加入状況」ということで、事後的なことしかありません。一方、指針のほうには、例えば平成 25 年の中にも衛生問題への対応ということで、今後の振興の目標の中に、保健所とのいろいろな公衆衛生の情報の共有等の方針が示されています。それをどの程度実行されているのかということの調査結果が、ここには見て取れません。これは平成 26 年にやったものなので仕方ないですが、今後は食中毒の保険に入っているか入っていないかだけでは、余りに事後的なものであって、予防的な観点がないので、是非その辺の観点も入れていただければと思います。

○原田分科会長 大変重要な御指摘だと思います。結果だけではなくて予防の方向性も振興指針に反映されてこなければ意味がないだろうと思いますので、それをきちんと振興指針に反映させるだけの背景を調査の中に入れてこなければいけないという御指摘だと思います。その辺のところは今後の課題として、事務局のほうで受け止めておいていただきたいと思います。今、これを直すのは無理だと思いますので。

○遠藤委員 次回に期待するということで、よろしくお願いします。

○佐々木委員  SWOT 分析で書いているのが非常に不思議だと思うのがあります。鳥肉の消費量を 10 年で比較していると大きく増加しているとなっているにもかかわらず、売上げは半分、従業者数は 3 分の 1 となっています。ですから通常、考えれば他業種の進出であったり、スーパーなどで買う人が多くなってきたというのが普通の分析の方法だと思うのですが、いわゆる業際の脅威のところでは一切触れられていません。

 それから、通常を考えれば、事業者数が 3 分の 1 になって売上げが半分にとどまっているのですから、 1 人当たりの売上げは当然増えているはずなのに、 1 人当たりの純利益額はマイナスになっているという分析なので、経営学のいろはとして、大規模になれば 1 人当たりの利益率が増えるというのが普通の考え方ですから、そうなっていないということに関しての考察も特段されていません。

 ですから、本来はこういうことがあれば普通の教科書的な形で言えば、業際の問題があるので総合的なスーパーや大型店にできないような、きめ細かいサービスをするとか、そういうような答申になるのが普通かと思うのですが、一部触れられているところもありますが、余りそういうような議論になっていないので、数字から出た分析と対策がミスマッチになっているのではないかというのが、拝見したときの正直な感想ですし、山下参考人の所のように、きめ細かなサービスをして、焼き鳥を手で刺しているとか、ほかにまねできないようなサービスを追及していくということが経営改善の。私は見識もないのに偉そうなことを言うのは大変恐縮なのですが、通常は数字から見るデータから言えば、そういうような結論になって然るべきだと思うのですが、どうなのでしょうか。

○原田分科会長 これは中小企業診断士の方が対策として出された原稿をそのまま持ってきたものですよね。

○加藤課長補佐 そうです。

○原田分科会長 だから、中小企業診断士に聞いてみないといけないのだろうと思うのですが、私が予測する範囲で考えるとするならば、 opportunities のほうに出てきている消費量が増えているというのは、全体だと思うのです。それに対してスーパーも何もかも全部入った形で、鳥肉の消費量というのは健康意識その他から増えてきている。でも、こちらの右側のほうの脅威は個別店舗のレベルです。そうすると、鳥肉の消費量の最大の持っていってしまう所というのは、多分にスーパーのパッケージで売っているものです。それがほとんど持っていってしまっていますから、生肉店的な形でやっている街の鳥肉販売業者は、鳥肉が増えているもののメリットを直接受け取ることができていない、むしろスーパーに取られてしまっているという部分が実情かもしれないわけです。だから、ますますこれは厳しいのではないかと思うのです。

 せっかく増えているのに半減してしまっています。それは競争相手としてのスーパーに、増えた分は多分に取られてしまっている。でも、生衛業の食肉、食鳥の専門業者は生衛業として存続してもらわなければいけないような形にして捉えなければいけないのが振興指針ですから、そういう面で振興指針はもっと厳しい現状に適合できるような配慮が必要だと私は読んだのですが、いかがでしょうか。

○佐々木委員 同感です。

○原田分科会長 そのように思える気がいたします。言ってはいけないのかもしれませんが、中小企業診断士にお願いすると、大体は全体のデータから持ってきて、こういう形で SWOT 分析をして、こうなっていると。その結果どういう政策があるのか、どのような方法論を考えなければいけないのかというところが甘くなっているというのが、残念ながら実情かもしれません。ですからこそ、ここでそういう意見を出していただいて、出していただいた結果が振興指針の中に少しでも反映されていくというのが、この委員会の意味があるのだと思いますので、今の御指摘を非常に大事にしていきたいと思います。ほかに何かございますか。

○佐野委員 先ほどは質問させていただいたのですが、今度は期待というか、新しい方策として発言したいと思います。平成 23 年に行った内閣府の食品に関するアンケートでは、食品の安全性、表示問題が完全にトップなのです。それから今まで時はたっていますが、それは変わっていません。行政だけでなく、事業者が実施した調査も安全性というのが非常に重視されている中、もう少し安全性のことを新しい方針の中にも入れていただきたいです。今度、食品衛生法の改正で HACCP が導入されることもきちんと書く必要があると思いますし、今は食品ロスの削減も、地域の消費者と一緒に何かできるのではないか。そういうことを事業者が提案すれば、もっと消費者を巻き込んでいけるのではないかと思います。

 もう 1 つあるのが、消費者庁でやっている消費者志向経営の推進です。これは中小でも大手でもどこでもいいのですが、事業者が自己宣言で、きちんとやっているということを自分で言うということなので、それはできると思うのです。そういうことも 1 つの商店街なりの核になって、進めていって、特にこれで見ると鳥肉は加工品や外食は減っているけれども、家庭の中の消費が増えているということですから、地域の消費者ともう少し連携しながら、うまく取り込みながら、もっとイベントに参加したりして、一緒にやっていくということが、今の厳しい状況の中で反映できるのではないかと考えます。そういうことを書き込んでいただければ今後の方策に少しは貢献できるのではないかと思います。

○原田分科会長 今の御指摘は非常に重要だと思います。経営の現状を調べるというのは、そういう形のことまでできるだけの体力があるかどうかということで、その体力に応じてやらなければいけない項目を作り込んでいかなければいけない。それが振興指針の中に反映されてくるということが本質的には大事なことだと思うので、録音も取っていますから、今、頂いた御指摘は非常に大事だと思うので、まして制度が変わっていったときに、対応すべきポイントで何が出てくるかということも検討していただいて、振興指針の中になるべくまとめていく。

 ただし、振興指針というのは 5 年間続くものですから、振興指針は 5 年間で、一過性であってはいけないわけです。ブームに乗るような形で振興指針に項目を付けてはいけないのだと思いますので、そこら辺の選択は事務局できちんとしていただいて、どれは盛り込むけれども、どれは盛り込まないというところは、事務局と私とで相談させていただくということで、なるべく御意見を反映していきたいと思いますが、全て載せるわけにはいかないので、その点は御容赦いただきたいと思います。そのほかに何かございますか。

○市川委員 今、部会長がおっしゃったように、これまでの指針の流れのようなものを意識しながら、どのような課題が出されてきて、それがどの程度解決されてきたのかというような資料も私たちに示していただけたら、もう少し理解も深まるし、いい意見も出せるのかなと思っています。

 例えば今回の経営改善の方策については、平成 26 年の調査結果に基づいた内容です。それに基づいて、現状の問題点、課題を洗い出し、それから具体的に今後推進すべき具体施策という形で出ているわけですが、その 5 年前の平成 21 年には一体どのような問題点や課題が出て、それが 5 年間たって、どのぐらい解決されたのか、解決されなかったのか、あるいは悪化したのかというようなことも、全部を網羅するということは難しいかもしれないのですが、少なくともこのような傾向があるという程度のことはお知らせいただけたらなと思います。これは要望です。

○原田分科会長 振興指針は、これから先の 5 年間に向けての指針ですから、結果がどうなったかというのを全て追っていくというのは難しいかもしれません。ただ、こことここを変えていって、次の振興指針が出て、その次の振興指針は更にどこを変えていったかという流れを指摘してほしいという御指摘には応えることができると思いますが、一つ一つがどういう結果が出たかというのは事務局で把握するのは難しいと思います。

○市川委員 例えば、今でいう資料 5 の経営改善の方策について、 5 年前に出された資料では、問題点や課題は何が出たのか。それと、これから推進すべき施策というと、両面 2 枚で済む話なので、過大な資料を要求しているつもりはありません。それで、委員の理解が進んで、いい意見が出れば、より良い成果が生み出せると思います。

○原田分科会長 どういう項目が出て、それに応える形で指針の中にどう盛り込まれたかというのは追うことができると思います。その結果がどう出たかというのは、組合レベルでないと分からないのだと思いますので、事務局は方向性を示すのであって、結果をチェックして規制を掛けるということではないと思いますので、方向性をきちんと、路線を敷いていくというのが、指針と、それを作るための事務局の役割、委員会の皆さんの役割だろうと思いますので、どういう流れで指針がこのように変化してきたというところは、御指摘には応えられると思います。結果がどうだったかというのは難しいと思いますので、そこは勘弁していただきたいと思います。組合に聞いてみて、どのような結果、あるいはどのような活動を行ったかというものをフォローしてもらうぐらいのところしかできないと思います。

○市川委員 ただ、アンケート結果がきちんとデータ的には出ていますので、それとリンクさせれば、一定程度の推定、このような感じというような辺りは出せるものがあればということで。

○原田分科会長 大変難しい宿題を頂いた気がしますが。何か、ほかにございますでしょうか。

 それでは一応、意見が出払った感がしないでもないですが、事務局で対応できる範囲と、御指摘として、やったほうがいいのは当然だと思うのですが、できる範囲には限界がありますので、ある程度その辺は勘弁していただいて、なるべく皆さんから頂いた意見に沿うような形で、事務局で検討していただいて、それを振興指針の中にどのように入れるかという、検討することと、どのように書き込むかというのは別問題ですから、そこら辺の調整は事務局と私の役になるのかもしれませんが、事務局にいろいろな角度で検討していただいて、その結果を 1 月ぐらいに出てくると思うのですが、そこは事務局に期待を寄せたいと思います。事務局から何かございましたら、御指摘いただきたいと思います。

○吉岡課長補佐 本日は活発な御意見、事務局への御指摘もいただきました。当方の不手際で説明が分かりにくかったという御指摘も踏まえまして、座長とも御相談させていただきながら原案と次回の検討に役立つような資料を御用意させていただきます。なお、本日、この場で御意見が出なかった部分に関しても、適宜、私どもにファックスなりメールなりを頂ければ、準備をさせていただきたいと思いますので、遠慮なくお申し付けくださればと思います。

 本日の議事録については、まとまった段階で内容の確認等をお願いする予定にしていますので、その際は御協力のほどお願いいたします。最終的にまとまったものについては、厚生労働省のホームページに掲載させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

 なお、次回の日程は、 12 月の予備日はやらないということで、 1 18 日の 15 時から 17 時で開催を予定しております。詳細については、また改めて御連絡させていただく予定です。よろしくお願いいたします。

○原田分科会長 それでは、以上をもって第 28 回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。

 

※事務局発言における「食肉」「食鳥肉」の読み間違いについて、本議事録上では修正しております。


(了)
本件に関するお問い合わせ先: 医薬・生活衛生局生活衛生課
代表電話:03-5253-1111

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