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2017年9月14日 第108回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成29年9月14日(木)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

委員(五十音順、敬称略)

青木 健、明石 祐二、熊崎 美枝子、栗林 正巳、袈裟丸 暢子、佐保 昌一、城内 博、
高田 礼子、土橋 律、中澤 善美、増田 将史、村上 陽子、最川 隆由、矢内 美雪

事務局:

田中 誠二 (安全衛生部長)
久知良 俊二 (計画課長)
小沼 宏治 (調査官)
井上 仁 (安全課長)
縄田 英樹 (建設安全対策室長)
高橋 洋 (主任中央産業安全専門官)
神ノ田 昌博 (労働衛生課長)
毛利 正 (産業保健支援室長)
山本 要 (電離放射線労働者健康対策室長)
丹羽 啓達 (主任中央労働衛生専門官)
奥村 伸人 (化学物質対策課長)
穴井 達也 (化学物質評価室長)
木口 昌子 (環境改善室長)
藤枝 茂 (労働条件政策課長)

○議題

(1)働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について(諮問)
(2)第13 次労働災害防止計画について
(3)その他

○議事

○土橋分科会長 それでは定刻になりましたので、ただ今から第108回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。本日の出欠状況ですが、公益代表委員は三柴委員、水島委員、山口委員、労働者代表委員は勝野委員、縄野委員、水田委員、使用者代表委員は中村委員が欠席されております。また、田中安全衛生部長と労働条件政策課長は、所用のため途中退席されるとのことです。それでは傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。

 議事に入ります。議題1「働き方改革を推進するための関係法令の整備に関する法律案要綱について」、まず事務局から説明をお願いいたします。

○久知良計画課長 それでは、議題(1)「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱について」、私から説明いたします。資料1を御覧ください。これにつきましては、前回9月6日の本分科会の段階では要綱として、まだ正式な諮問がなされていなかったということで、法案の概要ということで要綱に盛り込むべき内容をお示しして議論をいただきました。基本的にはその段階で、既に要綱に盛り込むほぼ直前のような形の内容で御議論をいただいたところですが、その後、少し追加される部分等がありましたので、本日は追加される部分を中心に御説明いたします。

 また、この法律につきましては、働き方改革の関連の8本の法律を一括の法律として整備しているものです。この法律につきまして、まず最初に少し違和感を持たれる方がいらっしゃる可能性がありますので、1つ、この並び方について最初に御説明申し上げます。第一の労働基準法の一部改正のあとに、第二にじん肺法が来るということで、前回私が行った概要の説明の順番と少し違ってきているわけですが、これは法制的な話ですが、8本の法律の並べ方として、制定年月日の古い順に並べているということで、第一に昭和22年制定の労働基準法が来ており、その次に昭和35年制定のじん肺法が来ております。その次に昭和41年制定の雇用対策法が来ており、労働安全衛生法については昭和47年の制定ですので、第四ということに整理をされております。

 引き続き、内容について御説明いたします。前回御説明した部分については、本日は、もう1つ議題がある関係で説明を省略し、新たに追加された部分について説明いたします。追加された部分として、第四の労働安全衛生法の一部改正のうち、一の2の22ページの部分からです。22ページの最後の所に、特定高度専門業務・成果型労働制の対象労働者に対する面接指導等ということが、タイトルとしてあります。これは、第一の労働基準法の改正の中に特定高度専門業務・成果型労働制、いわゆる高度プロフェッショナル制度の創設というものが盛り込まれていることに対応するもので、その対象労働者に対する面接指導等の規定を労働安全衛生法に置くものです。

 内容としては、事業者は、高度プロフェッショナル制度の対象労働者で、健康管理時間、これは基本的には社内にいた時間プラス、事業場外で労働した時間というのを示す概念ですが、それが一定の時間を超えるものに対して、医師による面接指導を行わなければならないものとするということです。これは申出によらず、一律に行わなければならないとする義務を課すものです。なお、この時間につきましては、1週間当たり40時間を超えた場合のその超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者について面接指導を実施すべき旨を厚生労働省令で定めることを予定しております。

 (二)の部分は、(一)の労働者について、面接指導の受診義務を課すというものです。(三)につきましては、事業者が(一)の面接指導の結果の記録、当該面接指導の結果に基づく必要な措置についての医師の意見の聴取、及びその必要があると認める場合の職務内容の変更、有給休暇の付与、健康管理時間が短縮されるための配慮等の措置を講じなければならないものとするものです。これに(一)に対応する罰則として、29ページの4行目に罰則とあります。この罰則のうち一の2の(一)に違反した事業者については、所要の罰則を科すという部分が、この高度プロフェッショナル制度の関係の面接指導にかかる罰則の部分です。

 それから、前回、概要では御説明申し上げなかった部分ですが、47ページ、第九の附則の施行期日の部分です。施行期日につきましては、この法律は平成31年4月1日から施行するということです。ただし、第三にあっては公布の日ということですので、雇用対策法の部分につきましては公布の日から施行ということです。労働安全衛生法及びじん肺法については、平成31年4月1日から施行するということです。

 それと、もう1つ、48ページの検討規定の部分です。三の1の部分ですが、これは法律全体に掛かっている部分です。政府は、この法律の施行後5年を目途として、改正後の各法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることとしております。追加された部分を中心に説明いたしました。私からの説明は以上です。

○土橋分科会長 それでは本件について、質問等発言のある方は挙手をお願いします。

○村上委員 ありがとうございます。今御説明のあった資料1の22ページについて意見を申し上げます。22ページの2において、いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象労働者に対する面接指導のときの改正についての説明がありました。この点については、労働条件分科会で労働時間の問題は議論しておりますので、私ども、そちらで意見を述べているところです。基本的に、この高度プロフェッショナル制度は労働時間規制の適用を除外する制度であるため、私どもとしては、創設をすべきではないという立場であり、そのことは変わるものではありませんが、2年前にもこの法案要綱に関する議論を行っており、その際も、そういった前提を置きながら、ただ建議の中身を条文化していくという中での意見を申し述べたところです。

 本日の参考資料3で配布していただいておりますが、2015年2月の労働時間法制等の在り方についてという建議の8ページ以降になります。この中で高度プロフェッショナル制度の創設に関して、対象労働者の健康確保として、健康管理時間を基にした医師の面接指導が盛り込まれております。この点に関しては、2年前にも建議を忠実に条文化するということで、この内容については、こういったことだという理解をしたところです。

 ただ繰り返し申し上げますが、私どもとして、この法案要綱全体に対して高度プロフェッショナル制度が盛り込まれていることについては、やはり残念であり、そうした制度を容認するとか、是としているわけではないことは申し上げておきたいと思います。

○土橋分科会長 ほかに、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは1件御意見をいただきましたが、この厚生労働省から諮問のありました法律案要綱のうち、じん肺法、雇用対策法、労働安全衛生法の一部改正については、おおむね意見の一致が見られたのではないかと思います。当分科会としては、当分科会所管関係についてはおおむね妥当と認め、労働政策審議会長宛てに報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○土橋分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で手続をお願いします。ここで、田中安全衛生部長から御挨拶をいただきたいと思います。

○田中安全衛生部長 一言御挨拶申し上げます。委員の皆様方には、法律案要綱の御審議をいただきまして、ありがとうございました。また、この法律案要綱の大本となります6月の建議、それに至ります4月以降の非常に短期間ではございましたが、非常に御熱心な議論をいただきまして、大変貴重な御意見を頂いたというふうに考えておりまして、これについても重ねて御礼を申し上げます。本日、御答申をいただきました点につきましては、全体として1つの法案として、ほかの分科会の結論を得る必要がありますけれども、法律案を作成しまして、次期国会に提出するべく手続を進めたいというふうに思っております。

 また、先にはなりますけれども、法律が仮に成立した場合には、その施行について省令等の制定が必要となっております。必要な時期にお諮りをしたいと考えておりますので、その節は、よろしくお願いをいたします。また、今後、働き方改革を進める上では、今般の法改正だけでなく、健康面、安全面で働きやすい職場環境を整備することが必要と考えております。本日は、引き続き第13次労働災害防止計画について御議論いただくことになっておりますが、そうした観点からも御議論いただいて、第13次労働災害防止計画を策定していきたいというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いをいたします。簡単ではございますけれども、御礼の御挨拶といたします。ありがとうございました。

○土橋分科会長 それでは、次の議題に移ります。議題(2)「第13次労働災害防止計画について」、まずは事務局から説明をお願いします。

○小沼調査官 計画課調査官です。本日は、第13次労働災害防止計画の策定に向けたキックオフになりますので、資料を用いて、まずは計画の目標や項目、柱立てといった大枠について、御審議をお願いしたいと思います。それから今後の進め方とも関係しますが、本日いただいた御意見を踏まえ、今後事務局で本文案を作成し、次回の分科会にお示しさせていただきたいと考えております。中には、本文案を見ないと御意見の出しようがないものもあろうかと思いますので、次回以降、本文を見ながら御意見をいただき、随時計画をまとめていきたいと思っております。

それでは、資料2に沿って、労働安全衛生をめぐる現状と、これらを踏まえた論点について、御説明させていただきます。少し説明が長くなりますが、御容赦をお願いします。

 2ページと3ページは、死亡災害についての状況です。7月24日の第106回分科会で、第12次の労働災害防止計画の4年間分について、労働災害の発生状況や対策の進捗状況について、御報告をさせていただきました。それだけですと非常に短期間ですので、2ページ、3ページに、もう少し長いスパンで、第9次の計画からの20年間分について、それぞれの計画期間の死亡災害の平均値を取ってまとめたものを示しました。

 まず、2ページ目は業種合計です。業種合計では、直近約20年間に45.7%減少ということで、ほぼ半減に近くなっている状況です。それぞれの業種を見ると、製造業については減少傾向にあり、この間ずっと重点業種としてやってきておりますが、業種合計には少し届いていない状況です。建設業については数値が上がっており、52.2%の減少ですので、全体を上回りかなり成果が出ているということです。ただし、件数だけを見ますと、依然として最も発生件数が多く、死亡災害の3分の1は建設業という状況です。陸上貨物運送事業についても、建設業と同様に53.4%の減少ということで、かなり大きな削減となっております。後ほど御説明しますが、この大きな要因としては交通労働災害の減少が非常に大きく影響しているということです。

 林業については、第12次の労働災害防止計画の中では重点業種としては入っておりませんが、参考で付けている強度率、すなわち100万労働時間当たりの労働損失日数で計算した指標では、他の業種に比べても非常に高い数値になっており、重篤な災害が起きていることが見受けられます。

 3ページ目は、死亡災害の事故の型についてです。上の囲みにもあるように、下から3段目の交通事故、交通労働災害が大幅に、60%ほど減少しております。ちなみにこの間、一般の交通事故死亡者について調べたところ、同じような期間で計算をしますと53.5%減少しており、労働災害の交通事故で亡くなる方はこれより減少しているということですので、各業界の取組の成果が出ているものと思っております。また、交通事故が非常に減少したこともあり、例えば、第9次防の段階では墜落・転落より交通労働災害が少し多かったのですが、第12次防になると、交通労働災害が少なくなっています。このように20年間で最も亡くなっている事故の型は、墜落・転落に変わってきているという状況です。

 続いて、4ページ目は死傷災害で、けがを含んだものになっております。死傷災害についてはこの間に全体で14.7%減少しております。死亡災害のほうが457%ですので、その3分の1くらいになっております。製造業、建設業については、減少幅が他の業種と比べて大きくなっております。ただし、件数としては依然として製造業が1番、建設業が2番という形で、多くなっています。第三次産業については、下のほうの小売業や社会福祉施設、飲食店とありますが、残念ながら、件数は年々増加傾向にあります。ただ、一方で、働いている方の数が増えていることもあり、参考の千人率を見ますと、第三次産業系は大体業種平均くらいで推移している状況です。この千人率で見ますと、林業についてはほかの業種に比べると、極めて高い状況になっています。

 5ページ目は、事故の型別で死傷災害を見たものです。一番上の墜落・転落、それから真ん中の少し下の、はさまれ・巻き込まれについては、重点対策として取り組んできていますので、平均の14.7%よりは減少傾向にあるということです。一方で、上から2番目の転倒、下から2番目の動作の反動・無理な動作、腰痛などになりますが、こういったものについては第9次防から第12次防までの間に着実に増加してきており、対策の強化が必要な状況です。やはりこの辺は、働く方々の年齢層が上がっていることと少し関係があるのではないかと思われます。

 6ページ目は、第12次労働災害防止計画の中で重点業種として分析したものです。建設業については、先ほど御説明したとおり、件数は非常に減っていますが、他の業種に比べると依然として多くなっています。墜落・転落などは、特に重点を置いて取り組んできておりますが、大体業種平均くらい減少しているということで、成果が上がっているのかと思われます。ただし、件数が多いので、引き続き死亡災害対策としては重要ではないかと思われます。

 7ページ目は製造業についてです。製造業についても、少し業種平均には至っておりませんが、かなりの減少が見られています。ただ、製造業では機械へのはさまれ・巻き込まれが、死亡災害の中で最も多くなっており、そういったものを減らすべく、この間ずっと取り組んできておりますが、その部分の減少率は、上から2段目の39.4%ですので、もう一歩成果がほしいのが正直なところです。そういう意味では、機械へのはさまれ・巻き込まれ対策を製造業において、引き続き取り組む必要がある状況です。

 8ページ目は、陸上貨物運送事業における災害の発生状況です。死亡災害と死傷災害の両方が出ております。第12次防の計画の中で、両方の目標が出ているということで、このようになっております。死亡災害については先ほど申しましたように、交通事故が死亡災害の欄の下から3段目、66.9%ということで、大変大きく減っております。労働災害全体で60%ほど、世間一般の交通事故で53%ですので、この業界では交通事故の防止にかなり力を入れておられるのではないかと思われます。

 死傷災害については、大体この20年間で1万4,000件〜1万5,000件くらいで推移しており、余り減っていないという状況です。そういう中で、第12次防の計画の中では、大体この死傷災害の7割くらいを占めていると言われている荷役災害を減らすべく、いろいろと取り組んできました。そういう点を見ますと、例えば荷台からの墜落・転落という一番上の段や、上から3段目の激突。激突というのは荷台から飛び降りて地面に激突して足を痛める等の災害は確実に減っており、一定の成果は出ているという状況です。ただ、全体として件数は余り減っていないため、引き続き対策が必要な状況です。

 9ページ目は林業の死亡災害の状況ですが、全体で32.4%の減少です。林野庁のホームページなどを見ますと、この20年間に林業で働いている方は大体30%くらい減少ということですので、それを考えますと、実質的にはあまり減っていない状況にあろうかと思います。上から3段目の激突されについてですが、林業の中では一番この事故の型で亡くなる方が多くなっております。こちらは、木を倒したときに隣りの木にもたれかかったり、あるいはツルがあってうまく倒れない状況において、それを無理に倒そうとした際に、自分のほうに倒れてきて亡くなるという事故ですが、そういったものが余り減っていない状況が見られるようです。やはりこういった部分にしぼって、対策をしっかりやっていかないといけない状況が見られます。

1011ページ目は第三次産業の中の小売業と社会福祉施設です。傾向として大体同じですので、一緒に御説明します。まず、小売業については、転倒と動作の反動・無理な動作のところが非常に件数が大きくなり、増加率も著しい状況です。小売業については、50歳以上の方の災害が現在54.8%を占めております。全業種平均で47.7%ですので、それと比べても少し高くなっている状況です。これは社会福祉施設も同じような状況です。小売業だけの特徴ですと、一番上の墜落・転落が、件数が多くなっております。第12次防のところだけを見ると、あまり増加傾向になっていませんが、件数的には非常に大きくなっています。棚の上の荷物や商品を取ったり、そういったことで転落したりしてけがをされる方が多いのではないかと思うのですが、この辺は小売業の特徴になっています。社会福祉施設については墜落・転落はあまり見られない状況です。

12ページ目は飲食店です。飲食店については、今説明した小売業や社会福祉施設と同じ第三次産業ですが、少し様相が異なり、まず被災者の年齢層が若くなっております。30歳未満の方が33.4%、50歳以上の方は、50歳代、60歳代を合わせても35%くらいですので、若い方の災害が非常に多くなっております。転倒や動作の反動もあるのですが、切れ・こすれ、調理中に手を切ってしまう、あるいは調理中に火傷をしてしまう。そのような高温・低温の物との接触という事故の型が多くなっており、対策の方法も少し違う状況になっております。

13ページ目は過労死等の状況です。よく言われます脳・心臓疾患、精神障害の状況ですが、過去5年間を見ても、脳・心臓疾患、精神障害を合わせて大体800人くらいの方が毎年労災で認定を受けております。そのうち200人くらいの方が、残念ながらお亡くなりになっているということで、この5年間はほとんど数字は変わっていない状況です。

 先ほどから繰り返し高齢化というお話を申し上げているのですが、14ページ目は、高齢化に特化してまとめたものです。平成24年以降の5年間だけで高齢化の状況を見ているのですが、この5年間で50歳以上の方が労働災害全体に占める割合は3.6%増加しております。この状況が継続しますと、次の第13次防や、それが終わる頃には確実に5割を超えるのではないかということで、年齢の高い層の方々の労働災害防止対策が重要になっているのではないかと思われます。

 少し飛びまして、下から2つ目の項目のように、業種別に見ると陸運事業や小売業、社会福祉施設の業種で事故が増加しており、特に年齢の高い方の対策が必要であり、事故の型別では転倒が多いということが見受けられます。先ほどありました小売業の墜落・転落などが増えているということで、このような年齢、事故の型、業種をクロスしながら対策をしていく必要があるということではないかと思われます。

15ページ目は、治療と仕事の両立に関する現状です。現在、日本の労働人口の3人に1人が、既に何らかの疾病を抱えながら働いております。その疾病があることを前提として能力を発揮していただく仕組みが必要ではないかということで、ガイドラインが出来ております。そこで、主治医や会社と連携したコーディネーターによる支援が必要でありますとか、治療をしながら頑張っておられる労働者の方にとって、身近な相談先が不足しているのではないかというようなことが課題にあります。安全衛生分科会とは少し離れるかもしれませんが、休暇制度・勤務制度の整備ということも必要になってくるのではないかということが書いてあります。

16ページ目は化学物質の関係です。まず課題1から御説明します。真ん中のピラミッドの上のほうの663物質、ピラミッドの上の3段の部分については法令でいろいろな規制がありますが、それ以外の化学物質については規制が緩くなっています。ただ、欧米諸国を見ますと、このような部分についても事業者、いわゆる製造者、化学物質を作る方、それから輸入しようとするような方などが国際的な分類手法であるGHS分類に基づいて有害性や危険性を判断し、ラベルに表示したり、セーフティデータシートを交付したりするということが行われております。このような仕組みを日本においても検討を始める必要があるのではないかというのが、課題1です。

 課題2ですが、印刷会社における胆管がんや、化学工場における膀胱がんがここ数年間に発生しております。このようなものについては研究者が情報を得たり、事業場側から監督署のほうに相談があったということで、把握できておりますが、このような労働災害であるかどうかが疑わしい段階では、国としては把握することが難しいので、そういったものを把握する仕組みが必要ではないかということが、課題2です。それから課題の3については石綿になります。解体工事の事前調査が不十分という指摘がいろいろなところでなされており、こういったものはしっかりしていく必要があるのではないかということです。

17ページ目は、東京電力福島第一原子力発電所における安全衛生管理の状況です。今でも毎日5,500人〜6,000人くらいの方が廃炉作業に向けて働いておられます。労働災害の発生については波がありますが、少し落ち着いてきているような状況です。右下のほうの被ばく線量の推移も、今のところは少し落ち着いてきているところです。ただし、これから廃炉作業で、溶けた燃料デブリを取り出すといった作業も増えてまいりますので、油断することなく進めていく必要があるということです。以上が御議論いただく前提となる課題です。

19ページ目からは、論点になります。御議論いただきたい点について、私どもで作ったものを御説明いたします。現状の概要については、今御説明したとおりですので割愛します。まず、論点のマル1は計画の柱です。どのような柱立てにするかということで、現状を踏まえて以下の対策を柱としてはどうかというもので、項目は8つあります。まずマル1は死亡災害の撲滅です。第12次防では死傷災害、すなわちけがをされた方の件数をいかに減らすかを重点としてきたわけですが、取り返しのつかない死亡災害というものにしっかり取り組んでいくべきではないかということがマル1です。マル2の過労死等についての御説明は、割愛します。

 マル3の就業構造の変化については、先ほどの高齢化の話や転倒、腰痛など業種横断的な対策、あるいは副業・兼業・テレワーク、また、労働者の範ちゅうに入らない、いわゆる一人親方と呼ばれるような方をどうしていくのか、そういったことを考えてはどうかというものです。続きましてマル4については、両立支援という部分になります。マル5は化学物質になります。マル6については、企業・業界単位での安全衛生の取組の強化ということです。例えば、経営トップの方々に、安全衛生の活動にもっと積極的に参加いただくことを啓発できないか、それから労働安全衛生マネジメントシステムというものを活用できないか、企業単位での安全衛生管理の仕組みを、例えば第三次産業について考えていけないか、そういったことを考えてはどうかというものです。

 続きましてマル7は安全衛生組織の強化についてです。こちらは正に安全衛生への経営陣の参画や、元方事業者による下請け事業者の健康管理も含めて、少し御支援をいただくことができないか、そういったことを考えております。マル8は国民全体の安全・健康意識の高揚ということで、例えば学校教育、高校・大学における教育の中で安全衛生に取り組んでいただく。あるいは安全衛生の研究の進行、国際協力といったような諸々のものを入れたいということです。このような8つの柱で議論してはどうかとういうのが、論点のマル1です。

20ページ目は、論点のマル2の計画の目標についてです。3つあります。一番上は、死亡災害・死傷災害の目標をどのように設定するかというものです。死亡災害については、第12次防では15%減少、死傷災害も15%減少としております。ただし、現実問題として、死亡災害については15.1%の減少で、ほぼ目標を達成していますが、死傷災害については1.4%の減少ということで、目標達成が大変厳しい状況です。そういう中で、目標案として5年後の2022年に、今年の2017年と比べてどの程度死亡災害、死傷災害を減らしていくのが適当なのかについて、御審議をいただきたいと思っております。

 2つ目は重点業種です。死亡災害については従来どおりの建設業・製造業に加えて、今回は林業を追加してはどうかというものです。死傷災害については件数が増加傾向にあるので、第三次産業系の小売業、社会福祉施設、飲食店、それから陸上貨物運送事業を重点業種として設定してはどうかというものです。特に、第三次産業系の業種については目標設定に当たり、件数だけですと、非常に労働移動が大きくなっておりますので、件数ではなくて、千人率で考えてはどうかということもあります。

 一番下は、労働衛生分野の目標です。第12次防の中では、例えばメンタルヘルスであれば取り組む事業場の割合は80%以上、そのような目標を掲げておりますが、引き続き同様の目標を掲げていくことでよろしいかということです。

21ページ目は論点のマル3です。まずマル1の柱についてそれぞれやっていくのですが、マル1の死亡災害の撲滅を目指した対策の推進ということで、このように進めてはどうかというものです。一番上ですが、死亡災害に重点を置く。中でも業種の選定に当たっては、もちろん死亡災害の件数プラス大きな改善が見られないものを取り込むべく、建設、製造、林業を選定してはどうかということです。

 真ん中は、業種プラス事故の型で絞り込みをかけて重点的に取り組んではどうかというものです。建設業であれば墜落・転落、製造業であればはさまれ・巻き込まれ、林業であれば伐木作業ということを進めてはどうか。対策の案にあるように、例えば建設業についてハーネス型安全帯の使用の原則化や、解体工事の安全対策、オリンピック・パラリンピックがありますので、大会施設工事におけるメンタルや衛生面も含めた安全衛生対策の徹底をしてはどうか。製造業については先ほどのはさまれ・巻き込まれがありますので、機械対策をしてはどうか。林業については伐木作業について。日本は非常に山が多いので、私どもや林災防団体のほうで指導と言っても比較的難しい部分がありますので、林野庁など、関係官庁との連携をしてはどうか。

 一番下については、依然として爆発やクレーンの横転のような重大な災害が起きておりますので、こういったものの対策をしっかりやっていく。特に、高経年設備、高度成長期に作られたまま使われている物がありますので、そういった物の点検や補修などについて、何らかの対策が要るのではないかということです。対策案の一番下の行に、例えばプレス機械などの安全装置などが旧式なものであっても、構造規格の改正時に経過措置としてそのまま使うことが認められており、こうした旧式な機械でけがをされる方がおられますので、そういった機械を新しい物に更新していくための何らかの仕組みについて考えていったほうがよいのではないかということもあります。

22ページ目は、過労死等の防止等、労働者の健康確保対策の推進です。こちらについては先ほど議論していただいたようなものになります。1つ目は、多少付け加えると、オリンピック・パラリンピックもありますし、スポーツ庁で「スポーツ基本計画」も作っていますので、そういったものと連携して、私どもでやっている心身両面の健康づくりに何か連携ができないかということを盛り込んではどうかということです。

 真ん中は、雇用形態の違いに関わらないという部分です。まず、副業や兼業については、健康に関する情報を一括して把握できるように管理して、必要な措置につなげていく仕組みを考えておかないといけないのではないかということです。テレワークについては御自宅で仕事をするようなこともありますので、安全衛生教育をどうするのか。そういった方々の健康診断などはどうしていくのかについて、もう少し詰めていく必要があるということで、記載してはどうかということです。一番下は、現在行っている過労死等の研究です。研究を開始してちょうど3年間たちますが、引き続き継続して疫学研究等もありますので進めていきたいというものです。

23ページ目は、就業構造の変化及び働き方の多様化に対応した対策の推進です。一番上については、高齢化による影響なども考慮しながら、いわゆる災害件数の多い第三次産業や陸上貨物運送事業に対する対策を進めてはどうか。対策の業種については、今申しましたように第三次産業系の小売業、社会福祉施設、飲食店、それから陸上貨物運送事業です。

 対策案としては企業単位における安全衛生管理が挙げられます。特に第三次産業系の場合には、個々の店舗や事業場に必ずしも安全衛生管理をしっかりやるだけの体制を組めるかという部分もありますので、企業本社でそういったことをやっていただくことも含めて検討してはどうかというものです。

それから、業界団体による自主的な取組を推進するための人材・組織整備の支援をしてはどうかということです。特に、第三次産業系の業界団体の中には、安全衛生委員会のようなものをお持ちにならないところもありますので、そういったところの委員会の設置や、委員会を運営する人材や組織の整備などを御支援して、業界としても取り組んでいただくことをやってはどうかというものです。あとは専門家による支援です。専門家というと、労働安全・衛生コンサルタントがあるわけですが、第三次産業の現場は製造業や建設業とは異なる部分がありますので、そういった部分についても指導いただけるように、育成支援などをやってはどうかというものです。

 それから、先ほど申しました陸上貨物運送事業についての荷役作業関係、あと、転倒や腰痛といった業種横断的な対策について進めてはどうかというものです。

 真ん中は、高年齢労働者、非正規雇用労働者、外国人労働者及び障害者ということで、それぞれの方々に対応した対策をしていってはどうかというものです。高年齢であれば転倒や腰痛、非正規、外国人の方であれば安全衛生教育とか、健康管理、障害者の方であれば、その障害に応じた対応ということが考えられるところです。

24ページは、マル4の傷病を抱える労働者等の健康確保対策の推進についてです。こちらについても、先ほどの両立支援のところに書いたとおりですので、企業と医療機関の連携強化とか、そのためのマニュアル整備、労働者の方と主治医、企業・産業医のコミュニケーションというトライアングルで支援できるようなコーディネーターの養成といったことが考えられます。最後に、負傷の種類に対応した取組ということも、病気だけではなく考えていく。特に、脊髄損傷については損傷を負った方が非常に大変な生活をなされておりますので、そういった方々の支援方法について少し研究していってはどうかということです。

25ページ目は、化学物質等による健康障害の防止対策の推進です。こちらについては対策案のところで御説明してきました。化学物質による健康障害防止対策は、先ほど説明しました2点です。化学物質のラベル表示や、SDSの交付の規制がかかっていないところについては製造者が主体的に取り組むようお願いをできないかということを検討する。それから職業性疾病が疑われるような事案について、把握できる仕組みを考えることです。石綿についても、先ほど申しましたように、基本的には解体工事における事前調査をしっかりやるということです。そのための専門人材の確保や、発注者側における、情報提供、例として石綿を使っている、使っていないといった情報提供の取組強化などを検討してはどうかというものです。

 受動喫煙については、現在、健康増進法で議論がされていますので、そういった動きも見ながら、第13次防で取り組んでいくということです。

電離放射線については東京電力福島第一原子力発電所における電離放射線対策、それとは少し離れますが、医療従事者の被ばく管理についても取り組んではどうかというものです。

一番下は粉じん災害防止対策ということですので、トンネルの掘削業務に従事された方々の、現在リタイアされた方々のお仕事の履歴をきちんと管理をして、健康管理に役立てていただくことの支援をしてはどうかというものです。

26ページ目は、企業・業界単位での安全衛生の取組の強化です。安全衛生に関して企業における役員の関与を推進する、そのような啓発活動を推進したらどうか。コーポレートガバナンスとしての、そういう役員の関与を推進するということです。

それから安全衛生マネジメントシステムの普及や活用推進を図るということですが、労働安全衛生マネジメントシステムのISO規格が来年度発行の見込みという情報を得ております。そういった機会を捉えて、このような取組の普及を図るということ。それからメンタルヘルスや長時間労働といったこと、労働衛生分野も含めたことへの活用についても検討していってはどうかというものです。

次の真ん中ですが、企業単位での安全衛生管理体制については、先ほど申しました第三次産業系の本社において、一括して管理する体制について検討してはどうかというものです。

 その下、4番目ですが、先ほど申しました、林業における林野庁との連携といったような業所管官庁との連携というものです。

一番下は、中小規模事業場に対する支援とあります。中小規模事業場については現在も行っておりますが、災害防止団体のほうでの現場のパトロールや、現場の改善指導などについて、そういったものをしっかりと今後も続けていくことがあります。

その後の民間検査機関等の活用については現在行政側で行っておりますボイラー、クレーン等の検査も含め、少し民間のほうにお願いできるかどうかを検討してはどうかというものです。

 最後の27ページ目は、マル7安全衛生管理組織の強化及び人材育成の推進です。経営トップを巻き込んだということで、企業単位での安全衛生管理の推進の再掲です。

それから元方事業者による健康確保ということで、特に建設業で元方事業者については安全面に関して請負業者を支援するということはある程度制度化されていますが、先般の新国立競技場の事案のように、請負業者の労働者の健康確保という部分についてまでは及んでいないこともあります。そういった部分も含め何か対策ができないかということです。

 最後の、マル8は国民全体の安全・健康意識の高揚等ということです。1つ目は、高校、大学等と連携した安全衛生教育を学校教育の段階から進められないかというものです。最後は、例えば労働災害防止の上で、単に安全衛生教育と言って、座学をするだけでは効果が上がらない部分もありますので、危険体感教育といったものを推し進めてはどうか。それから安全衛生のいろいろな研究、日本が持っている技術を国際協力に使っていく。こういったような諸々のことを書いてはどうかというものです。非常に雑多な説明になりましたが、以上です。

○土橋分科会長 それでは、事務局から説明もありましたが、次回以降提示される本文案に入れ込むべき事項等について、本日は御意見を頂きたいと思います。質問、意見等、発言のある方は挙手をお願いします。

○中澤委員 13次防計画に向けた論点の中、21ページですが、論点3に対する対策についてということで、マル1の3つ目の○ですが、「死亡災害につながる重篤な災害を防止するため」の対策案で、「最新基準の適用が猶予された機械の更新促進等」と書かれているのですが、なかなか資金面等の問題で更新が不可能だということも考えられますので、できればその更新に向けた助成金等についても御検討、あるいは対策として掲げていただければ有り難いなというのが1点です。

 それから、22ページのマル2で「過労死等の防止等」の所ですが、2つ目の○の所で、「雇用形態の違いに関わらない安全衛生対策の推進、副業・兼業、テレワークの拡大への対応、個人請負等の労働者の範疇に入らない者への対応を図る必要がある」、これ自体はよく理解しており、テレワークのほうは、本業に関わることだと理解しています。そして、副業・兼業についても働き方改革の一環の中に盛り込まれていることも承知しているわけですが、使用者として見た場合に、本業については労働者への安全対策、衛生対策を行うことは当然だと思っていますが、副業・兼業に関して、副業の仕方、兼業の仕方、これは個人請負も含めてなのかもしれませんが、例えば独立で何か事業をやっておられる方がいらした場合、そこまで使用者責任というのが及ぶのか及ばないのかということで、若干疑問があります。国として取れる方針を考えていただければ有り難いなと思います。

 それから、最後に27ページですが、マル8の国民全体の安全・健康意識の高揚等の1つ目の○ですが、国民全体の安全・健康意識の高揚を図るために、高校、大学等と連携して、安全衛生教育等を実施する必要があるのではないかということで、全く反対ではありません。しかし気になるのは、どういう形で安全衛生教育をやっていくかということですが、1つはこういった災害防止計画だとか、あるいはその実態だとか、そういったものをつまびらかに教えることが、業種的な面でのマイナスを生む可能性もあるのではないかと思っています。教育の仕方ということにも御配慮いただければ有り難いと思います。以上です。

○土橋分科会長 御意見、一部御質問もありましたが、事務局側からありますか。

○井上安全課長 ありがとうございます。安全課ですが、最初の機械の更新の促進の件です。資金面であるとか、税制面であるとか、いろいろな更新の促進策があると思いますので、その辺りはこれからどういったものが効果的かといったところを、いろいろな方の御意見を伺いながら検討したいと思います。

○小沼調査官 あと、2番目の副業・兼業についてです。

○神ノ田労働衛生課長 多様な働き方について御指摘がありました。副業・兼業、テレワークといったことについて、御指摘のとおり、多くの課題があるということで認識していまして、省内関係部局で、今後そこら辺の課題について、検討を進めていくことになっています。その中で労働時間の把握、あるいは健康管理等の在り方等々についても整理していきたいと考えておりますので、また現場の実状をいろいろと教えていただく中で、整理させていただければと思っています。

○小沼調査官 あと、3点目の学校教育ですが、おっしゃる通りでして、例えば単純に三次産業系の業種で災害が多いということだけを教えてしまいますと、非常に誤解を招きかねませんので、その辺はよく工夫して、業界側のイメージの低下にならないように、よく考えながら進めていく必要があると思っています。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○青木委員 全国ガスの青木です。先ほどの中澤委員の2点目の意見と関連するところですが、22ページの○の2つ目にある「雇用形態の違いに関わらない安全衛生対策の推進」についてです。僅か数行ですが、対象者の範囲が非常に広いと思いますし、事務局の答弁もありましたが、それぞれにいろいろな課題があるのではないかと思います。対策だけではなく、場合によっては、法的に何らかの措置を講ずる必要があると思いますので、結構奥の深い課題ではないかと思っています。

 したがいまして、従来の労働者の概念では捉えきれないような対象者についても、幅広く対応しようという姿勢は良いと思いますが、具体的にどのような検討過程を経て対策を講じるかなど、場合によってはもう少し対象を細分化して、検討いただく必要があるのではないかなと思っています。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。事務局はよろしいですか。ほかにいかがでしょうか。

○最川委員 建設業の取組の中で、挙がっていない項目なのですが、適正工期の確保というのが、健康管理の面で長時間問題も含めて、すごく重要な点だと考えていまして、特に公共工事を見本とした適正工期の確保というものを、是非取り組んでいただきたいなというのが1つです。

 それと、ちょっと細かい点になるのですが、16ページの化学物質に関する現状ということで、当時は640物質ぐらい、私が管理に入ってからは640物質から、今は663物質というところで、どんどん増えていく中で、現場の取扱いの分かりづらさというのがすごくありまして、今日も付けていただいているパンフレットですね。まず化学物質のラベルを見て対策を講じるというのは、すごく分かりやすいのですが、対策の中でラベルを見て、安全データシートをもらう、それでリスクアセスメントをやるというところの、特に建設業の場合はいろいろな物質を扱っていまして、その都度リスクアセスメントに掛かる時間というのは、今、ものすごく掛かっている。

 今、コントロールバンディングですとか、いろいろな手法が載っているのですが、そういう手法を使うとものすごく時間が掛かって、実際に講じる注意事項というところよりも、そちらの書類作りのほうに力が掛かってしまうという点が、すごく感じていまして、これは是非、分かりやすい形の取組というのを考えていただきたいというのがお願いです。

 それと1つ質問がありまして、今、化学物質の菱形のラベルが9個あるのですが、これはよく見ると、スプレー缶などの裏を見ると、三角形の中に同じマークがあるというものがあって、現場はそれが化学物質なのかどうかというのが、ちょっと判断しづらいのがありまして、是非その点について教えていただければと思います。以上です。

○土橋分科会長 質問もありましたが、いかがですか。

○縄田建設安全対策室長 最初の御意見にありました、適正工期等に関するガイドラインですが、これは国土交通省が作成したものですが、厚生労働省も一緒になって、この周知啓発に今後努めてまいりたいと考えています。

○奥村化学物質対策課長 続きまして化学物質対策課です。化学物質のラベルについては、今、委員から御紹介いただきましたように、このラベルでアクションというリーフレットで推進しているところですが、確かにラベルといっても、注意書きの中にいろいろ情報がありまして、なかなか注意点が多いところです。更に品目も多い現場ですと、余りに情報が多いと、かえって情報がよく伝わらないという問題点も指摘されているところです。

 この点、建設会社ですとか現場の工夫によりまして、例えば資材置き場にパネルを掲示して、GHSの表示と一緒に、どういう保護具を使えばいいか、火気厳禁とか、そういったことを作業者に分かりやすく伝えるという取組が行われていると承知しています。厚生労働省の化学物質の危険・有害性の表示・通知促進指針におきましても、そういった掲示の仕方について推進しているところです。

 更に御指摘のとおり、コントロールバンディングなどのリスクアセスメントにつきまして、なるべく簡易なリスクアセスメント手法を提供しているところですが、必ずしも誰にでも使いやすいものではないという御指摘を受けています。今年度も委託事業で、サービス業を対象とした分かりやすいリスクアセスメントツールを開発しています。これが建設業においても使いやすいものとなるように努めているところです。

 さらに無料相談でのリスクアセスメント支援も行っています。電話におきまして相談対応とか、あるいは個別指導として、現地に行っての指導も行っています。平成28年度の個別事業場への訪問指導は、506事業場に対して行いましたが、そのうち8%が建設業から相談を頂いて、現地で指導しているということです。これは業種別に見ますと、最も多い製造業全体の67%に続きまして、2番目が建設業です。更にこの建設業をはじめ、製造業、化学工業以外の様々な業種から、こういった無料サービスを利用いただけるように、このサービスの周知に努めていきたいと考えています。

 最後にGHSラベルは、正しいものは正方形を45度回転させた菱形のものです。これはJISの規格にもなっていますし、国際的にもこれが標準となっています。三角形というのは私ども、ちょっと実物は余り把握していないかもしれませんが、インターネットで見ると確かにそういったものも、流通しているようです。これはJIS、あるいは安衛法令で推奨しているものとは異なるものですので、本来こういうのは流通しないように、そういった指導をしていきたいと考えています。以上です。

○最川委員 今の点ですが、この600何十物質もある判断がラベルでしかできないというのが現状でして、物質の名前を調べてというのは多分、現状ではできないと思っています。ラベルの表示も、必ずしも100%されていないというのも、前回だったか前々回のときに報告があったと思うのですが、必ずラベルを表示していただくというのと、違うマークが流通しないような、分かりやすい形で指導をお願いしたいと思います。以上です。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○袈裟丸委員 24ページの傷病を抱える労働者等の健康確保対策の推進に関して、意見を申し述べたいと思います。今回、この項目を論点の1つとして上げていただいたことについては、第106回安全衛生分科会で労働側から、治療と職業生活の両立支援などの新しい課題も含めて検討していただきたいといった趣旨を踏まえたものとして受けとめております。

 今回、傷病を抱える労働者等の健康確保対策の推進に関して、3つの柱が示されているわけですが、連合が本年実施しました、労働安全衛生に関する調査結果の中で、病気治療と職業生活の両立支援における課題は何ですかという設問がありました。これは加盟組合を対象に行っていますが、回答の上位3つについては、次のようになっています。第1位が復職後の仕事の与え方・配属、これが73.9%。第2位が代替要員の確保、これが57.1%。第3位が再発の防止で、45.2%という回答になっています。

 こうしたことを踏まえますと、治療と職業生活の両立支援を進めたいと考えていらっしゃる企業の背中を後押しする上では、本日示されている3項目のほかにも、労務管理の面から企業を支援できる人材の育成強化や制度の在り方についても、検討してはどうかと考えています。詳細については、次回以降の分科会の場を通じて是非御検討いただければと思います。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。よろしいですか。

○明石委員 

今の両立支援のところで、先ほどおっしゃられたように24ページ、ここにはガイドラインの周知啓発というのが最初に書かれていて、我々もこのガイドラインをもって周知啓発を行っています。御紹介頂いた15ページの現状、課題、今後の対応が、これはいずれも患者という観点からとなっていて、現状の所もがん患者さんですし、課題の所も2番目に「患者にとって」という表現があります。

 それから今後の所も、トライアングルの所の2つ目に「患者」というのがあって、これは患者さんから見られて、かなり事業者が怒られているという図に見えます。事業者にとっては、これはやらないといけないということは重々承知をしていますが、このトライアングル型というのは、ガイドラインにあるものとかなり違うもので、我々はこれはプレ両立支援だと思っています。このあたり、道が行ったり来たりしているように感じていますので、少し考え方を整理していかないと、せっかくこういうことをやっても、余り成果が上がらないということになります。もう1つ、やはりこれは外で見るのと現場でやるのは相当違っています。労働者から申出がありましたので全員の両立支援を受け入れましょうというのは、法律上の「病者の就業禁止」や就業規則等もあり、現場を考えるとかなり難しいことだと言えます。

 ですので、患者目線ばかりでなく、事業者から見ると、やはりこういうところはもう少し考慮してほしい。幾つか問題はあると思います、例えば主治医の診断書の書き方とか、もう随分昔から言われていますが。コーディネーターについては先ほど申し上げましたが、資格が何かあるのですか。この両立支援のコーディネーターというのは、国家資格になるのですか。

○丹羽主任中央労働衛生専門官 労働衛生課です。今、明石委員から御質問がありましたが、両立支援のコーディネーターの資格に関して、国家資格というものではありません。コーディネーターになり得る方には、いろいろな方が想定されまして、MSWの方ですとか、社労士の方ですとか、いろいろな方がコーディネーターの研修等を受けていただいて、なるということを想定しています。ですので、今は国家資格ということでは想定しておりません。

○明石委員 それで支援を行われるということは分かるのですが、資格がない人は、勝手に事業場には入れないので、このトライアングル型がなかなか成り立つのは、職域を考えると難しいと思います。今後、このあたりの議論もさせていただければと思っています。やはり基本は「労働者」からの申出ですから、労働者が支援の申出を行い、要はもう患者ではない状態で、労働者が自ら仕事をしていただくためには、やはりここから自らのリテラシーを上げ、申出を行い、職場の中で働いていただく。コーディネーターの方が事業場外で支援をするとか、そういうことは十分やっていただければと思いますが、あくまでもこれは労働者が働くという観点が一番重要だと思っていますので、その点については申し上げておきます。

 もう1つ、高齢化のところで、資料的には50歳というので数値を取られています。当会も高齢者の安全衛生対策については検討しているのですが、一応、法律的に55歳でやっています。このあたりは、いかがでしょうか。

○小沼調査官 私どものほうが10歳刻みでデータを取っていたものですから、必要であれば次回以降、その辺を55歳ということで切るデータをお示ししたいと思います。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。

○増田委員 考え方の整理として、確認させていただければと思います。先ほどの、傷病を抱える労働者等の健康確保対策の推進。もちろんこれは重要で、やっていかないといけないというのは分かるのですが、第13次労働災害防止計画の中での位置付けというのはどうなりますでしょうか。

 といいますのは、労働災害そのものを減らすことに直結する対策ではないのではないかと思いまして、労働災害防止計画における、傷病を抱える労働者の健康確保の位置付けについて、事務局の見解を確認させていただければと思います。

○丹羽主任中央労働衛生専門官 労働衛生課です。増田委員からお話がありました、治療と仕事の両立支援の取組推進が、労働災害防止に直接反映しないのではないかという趣旨。これも1つの健康確保の対策の一環として捉えています。

 先ほどの明石委員のお話もありましたが、治療と仕事の両立支援につきましては、新しい取組として、国もガイドラインをお示しして、国のガイドラインは事業場における治療と職業生活の両立支援ということですので、事業場において取り組んでいただく流れを書いているものですが、今現在、そのガイドラインに基づいて取組を進めていただいておりまして、そのガイドラインに基づいた取組が進んでいくように、まず国としてはしっかりそれをサポートし、それが推進できるよう各種対策とその道筋を、この13次防でお示しできればと、今のところは考えています。

○増田委員 ありがとうございます。それでは、傷病を抱えながら仕事をなさっている労働者の労働災害発生率が少し高いとかいうものではない、ということでよろしいでしょうか。労働災害防止という観点ではなくて、今後の労働衛生関連のあるべき姿を、ここで示したという位置付けという理解でよろしいでしょうか。

○丹羽主任中央労働衛生専門官 傷病を抱える方の労働災害の発生率が高いとか、そういう観点ではありません。そもそも最初のほうの死傷災害発生状況ですとか死亡災害発生状況というのは、傷病を抱える方、抱えない方という区別ではなくて、労働者全体にわたってどのぐらいの災害が起こっているかという率なり数でありまして、ここで傷病を抱える方の労災が高いか、低いかという議論をしているわけではないという理解です。

 すみません、お答になっているかどうか分らないのですが、いずれにしても先ほど申したとおりでして、国がまずガイドラインを示して、その取組を事業場において進めていっていただきたいと。13次防におきましては、その道筋を示していければなということで、またいろいろな御意見を頂きまして、次回以降、議論を深めていただければと思っているので、よろしくお願いします。

○増田委員 御説明、ありがとうございました。それに関連するかどうか分からないのですが、第12次労働災害防止計画で示された種々の計画、いろいろな施策についての効果検証が、やはり必要ではないかと感じました。例えば12次防で示された対策をとった企業と、そうでない企業とで、労災発生率に統計的に有意な差があったのかどうかといったデータがあれば、それに基づいての振り返りが必要ではないかと思います。統計的な有意差があったのであれば、それは有効な施策として、更に推進すべきだと思いますし、それがなかったということであれば取捨選択して、別の対策をやっていくといった具合です。

 そのようにして、労働災害防止計画につきましても、PDCAサイクルの観点で効果検証を行って、次の労働災害防止計画につなげていくという仕組みを構築すべきではないかと思いまして、そのための基礎データです。労働災害防止計画という言葉に、ちょっと私が引きずられたからかもしれませんが、両立支援のところの記載に、ちょっと違和感を覚えましたので、先ほど確認させていただきました。趣旨としましては、効果検証のデータを交えながら、今後の13次防の議論をさせていただければと思います。よろしくお願いします。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。よろしいでしょうか。それでは、ほかにいかがでしょうか。

○明石委員 26ページの3つ目の○です。「事業場単位のみならず、企業単位での安全衛生管理体制の検討」という箇所です。労働安全衛生法は事業場単位で書かれているので、事業者としてはそれぞれの事業場に、権限とか、予算とか、全部下ろしてきたのですが、12次防からこの企業単位が出てきまして、過労死ゼロの緊急対策でも盛り込まれていますが、この企業単位で行うというのは、ある特定の部分でやられるのか、全体的なことで今の事業場単位を見直そうということなのか、いかがでしょうか。

○井上安全課長 これまでの安全衛生対策は事業場単位で行われていますので、その辺の状況も踏まえつつ、もう少し違った面から安全衛生対策というのがないのかということで、企業全体の風土とか、そういったところはあろうかと思います。

 そういった面で、これからいろいろな方の御意見も伺いながら、それから実態も見ながら、企業単位で行うのが効果的な部分もあるでしょうし、そうではない部分もあるということも考えられますので、これから検討を重ねていきたいと思っています。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○佐保委員 私からも26ページの上から3つ目、「企業単位での安全衛生管理体制を検討する必要」ということについて、意見をさせていただきます。企業単位では多くの従業員がいながらも、事業場単位で見たときには従業員数が少ない産業や業種、例えば小売店、飲食店、社会福祉施設、その他サービス業などが実際に存在します。これらの産業や業種では、従業員数が50人未満の事業場も少なくなく、安全衛生委員会などの設置義務もありません。その一方で、労働災害が増加傾向にある点については、既に公知の事実であります。

 今回、対策案として取り上げられている、企業単位での安全衛生管理体制の検討は、これまで安全衛生分科会において労働側から、「事業場の捉え方を再考することも検討してはどうか」と指摘した点とも重なるものであり、事業場単位での労働安全衛生対策が難しい産業や業種における対策を推進する上では、有益ではないかと考えます。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。ほかにいかがでしょうか。

○村上委員 22ページについて、2つありまして、1つ目は○の2つ目、「個人請負等の労働者の範疇に入らない者への対応」といった部分についてです。関係部局とも連携してというお話でしたが、本気で取り組むのであれば、多様な雇用形態のもとで働く方々の実態を把握しない限り、有効な対策がとれないのではないかと思います。今後具体的な計画を盛り込んでいく際には、そうしたことも是非御検討いただければと思います。

 2つ目は、○の3つ目の過労死についてです。2015年から安全衛生分科会にも参加しており、その他にも労働条件分科会や労災保険部会、過労死等防止対策推進協議会にも参加していますが、過労死防止の対策をどこが主管でやっていくのかということが、今一つ掴めないように感じています。

 働きすぎの問題といえば、労働時間の問題であるため、労働条件分科会が主管になりますし、面接指導といえば、安全衛生分科会が主管になると思います。労災防止計画として過労死防止対策を掲げる際に、どこまでこの分科会で議論ができるのか、しっかり整理していただきたいというのが要望です。

 ○の3つ目で、過労死の実態解明と防止対策に関する研究ということで、かなりいろいろなデータの収集や調査分析をされていて、成果も出てきているというところを踏まえますと、何が一番要因なのかというところを、少し明らかにした上で、対策を考えていくことが必要だと思っていますので、そういった資料を是非出していただきながら、検討に参加していきたいと思います。よろしくお願いします。

○土橋分科会長 御要望を頂きました。ほかにいかがでしょうか。

○城内委員 私から2点、お願いというかコメントしたいと思います。最初に化学物質等による健康障害の防止対策の推進ということで、先ほど16ページで課題1等をお示しいただきましたが、これで更に一歩、欧米に近付いたかなというか、前進するのかなと思っています。

 これは8番とも関係するのですが、今日お配りいただいたラベルでアクション、開いていただくと絵表示が示されていますが、是非この教育は小中学校から進めていただくと容易に理解され、なおかつそれは労働安全衛生にもつながるのではないか、さらにここでの議論とは関係ありませんが、家庭内の事故等も防げるのではないかと思っています。是非、小中学校からの教育に入れていただくよう、働き掛けていただければ有り難いと思います。

 それから、同じく16ページの課題2で早期発見ということ、化学物質等によっての障害・疾病を早期に発見することが重要だと思っています。つまり1人か2人の患者さんが出たときに、すぐそれを発見するというのは、やはり臨床の先生たちの協力が必要なわけですが、職業病と職業をどう結びつけるかというのは、かなり議論をされてはきましたが、実現されていないように思います。是非その辺を取っ掛かりに、この対策を一歩前に進めていただきたいと思っています。

 それから7番目についてです。安全衛生管理組織の強化及び人材育成の推進ということですが、これは労働安全衛生法が、有害要因に関する対策について、さまざま規定してきましたが、いわゆるエルゴノミクスに関係する専門家の育成が抜けていたように思われます。

 現在、三次産業、医療福祉系の労働災害が増えていますが、そこには特にエルゴノミクスの専門家が必要だと思っています。更に過労死やシフトワーク等についてもそうですが、これは広くはエルゴノミクスの範疇でもあります。是非エルゴノミクスについての専門家を育てていただきたいと思います。以上です。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。ほかにいかがでしょうか。私からも1件、災害統計のところでかなり交通事故が減っている、半減よりもっと少ないということで、かなり劇的に減っていると思うのですが、聞いたところでは、1つの大きな原因としては自動ブレーキのような、そういう新しい安全技術を入れたことが、かなり効いているのかということですので、交通事故だけではなくて労働安全という意味で、製造機械とか、あるいは現場で使う建設の車両とか、そういうものにも何かこういった新しい安全技術を入れることで、事故が下がらないかということも多少期待があるわけですが、余り実態を私は存じ上げているわけではないので、そういったものがもしあるようであれば少し検討いただいて、何かそれを支援する、進めていくようなことも考えてもよいのかなというところで、少し御検討いただければと思います。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日の議論はここまでといたしまして、次回以降、事務局から本文案を提出していただき、引き続き議論していただきたいと思います。全体を通して、そのほかに何かありますか。それでは、事務局から連絡事項をお願いします。

○久知良計画課長 本日も熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。次回の分科会につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。以上です。

○土橋分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。なお、議事録の署名につきましては、労働者代表委員は青木委員、使用者代表委員は中澤委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。


(了)

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