ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 肝炎対策推進協議会(肝炎対策推進協議会)> 第20回肝炎対策推進協議会 議事録(2017年3月1日)
2017年11月6日 第20回肝炎対策推進協議会 議事録
健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
○日時
平成29年11月6日(月)13:00~15:00
○場所
三田共用会議所(大会議室)
○出席者
伊藤 綾子 (薬害肝炎原告団) |
大久保 暁子 (日本労働組合総連合会労働条件・中小労働対策局長) |
岡田 京子 (全国B型肝炎訴訟東京原告団) |
中澤 善美 (全国中小企業団体中央会理事・事務局長) |
川田 義廣 (日本肝臓病患者団体協議会幹事) |
清本 太一 (全国B型肝炎訴訟北海道原告団) |
小池 和彦 (東京大学大学院医学系研究科消化器内科教授) |
武田 せい子 (薬害肝炎原告団) |
田中 純子 (広島大学大学院医歯薬保健学研究院疫学・疾病制御学教授) |
西村 愼太郎 (日本肝臓病患者団体協議会相談役) |
林 紀夫 (関西労災病院院長) |
本多 伸行 (健康保険組合連合会理事) |
溝上 雅史 (国立研究開発法人国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト長) |
山中 朋子 (青森県健康福祉部医師確保対策監) |
米澤 敦子 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事) |
脇田 隆字 (国立感染症研究所副所長) |
考藤 達哉 (国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長) |
○議題
(1)平成30年度肝炎対策予算概算要求について
(2)肝炎対策の取組状況について
・各自治体の取組状況
・肝疾患診療連携拠点病院の取組状況
(3)その他
○議事
○小野肝炎対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第20回「肝炎対策推進協議会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
私は、事務局の厚生労働省健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室長の小野でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、柿嶋委員、釜萢委員、熊田委員、中澤よう子委員の4名の委員から欠席という御連絡をいただいておりますが、委員総数20名中16名の先生方に御出席いただいておりまして、過半数を満たしております。肝炎対策推進協議会令第4条第1項の規定により、本日の会議が成立しておりますことを御報告いたします。
また、10月16日付で委員の交代がございましたので、御報告をいたします。加藤篤志委員が御退任になり、かわりに中澤善美委員が御就任されております。
中澤委員、一言、お願いいたします。
○中澤(善)委員 御紹介いただきました、中澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小野肝炎対策推進室長 ありがとうございました。
また、本日は参考人といたしまして、国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫センター長、肝炎情報センター長の考藤参考人に御出席をいただいております。
続きまして、前回の協議会の後、事務局でも異動がございましたので、御紹介をいたします。
初めに、健康局長の福田より御挨拶をさせていただきます。
○福田健康局長 健康局長の福田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
ことしの7月の人事異動で着任をさせていただきました。林会長を初め、委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところを御参集いただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろより肝炎対策の推進に御理解または御協力を賜っておりますこと、この場をかりまして、まず厚く御礼を申し上げたいと思います。
肝炎対策につきましては、御承知のように本協議会での議論を経て、昨年6月に改定をいたしました肝炎対策基本指針に基づきまして、肝炎ウイルス検査、肝炎の医療費助成、地域診療連携体制の構築、普及啓発、研究開発、この5本柱から成ります肝炎総合対策の推進に取り組んでいるところでございます。
また、来年度に向けました概算要求におきましては、新たに肝がんの治療研究と患者への支援を推進するために必要な予算を計上しているところでございます。
本日の会議では、来年度の概算要求の内容につきまして、御説明させていただきますとともに、都道府県などにおきます肝炎対策の取り組み状況について、御報告をさせていただきたいと思います。
委員の皆様方におかれましては、それぞれのお立場から、忌憚のない御意見を賜り、活発に御議論いただきますことをお願いいたしまして、簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小野肝炎対策推進室長 このほかにも事務局に異動がございましたので、御紹介いたします。
本日所用により欠席をしておりますが、健康局総務課長につきましては、間が着任をしております。
また、健康局がん・疾病対策課長の佐々木でございます。
それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。カメラの皆様方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○小野肝炎対策推進室長 では、議事に入ります前に、まずはお手元の配付資料の確認をさせていただきます。
議事次第として、ホチキスで2枚紙がとじてありますけれども、その最後のページに資料の一覧がついております。その後、2つの資料の束があると思いますけれども、資料1から3まで、色刷りのものが1束と、参考資料をまとめたものが1束入っております。
資料につきましては、1ページ目からが資料1といたしまして「平成30年度肝炎対策予算概算要求の概要」となっております。
6ページ目からが資料2といたしまして「肝炎対策の取組状況について(地方自治体調査などから集計)」となっております。
42ページ目からが、これは考藤参考人に御提出いただいている資料ですけれども、資料3といたしまして「平成28年度全国肝疾患診療連携拠点病院現状調査と肝炎情報センターの活動」となっております。
次に参考資料ですけれども、もう一つの束になりますが、1ページ目からが参考資料1として「肝炎対策基本法」となっております。
7ページ目からが参考資料2として「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」となっております。
22ページ目からが参考資料3として「肝炎対策推進協議会令」となっております。
23ページ目からが参考資料4として「肝炎医療コーディネーターの養成及び活用について(通知)」となっております。
34ページ目からが参考資料5として「肝疾患に関する診療体制及び肝疾患患者に対する支援体制の整備について(通知)」となっております。
38ページ目からが参考資料6として「B型肝炎訴訟の提訴者数及び和解者数の推移」となっております。
40ページ目からが参考資料7として「全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議」の議事録となっております。
最後59ページ目からがA3の細かい表となっておりますが、参考資料8として「各自治体における肝炎対策取組状況等について(一覧表)」となっております。
資料に落丁などがございましたら、事務局までお申し出をお願いいたします。
それでは、以降の議事進行につきましては、林会長、お願いいたします。
○林会長 それでは、議事に入らせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日の議事でございますが、議事次第に書いてございますけれども、1つ目が「平成30年度肝炎対策予算概算要求について」、2つ目が「肝炎対策の取組状況について」、3つ目が「その他」となっております。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初の議題でございますが、「平成30年度肝炎対策予算概算要求について」、事務局、よろしくお願いします。
○小野肝炎対策推進室長 それでは、資料1をお願いいたします。
1ページ目、下の表ですけれども、平成30年度肝炎対策予算の概算要求の概要となっております。肝炎対策予算、総額としては159億円を要求しております。今年度153億円に比べまして、若干の増額となっております。先ほど局長の御挨拶にもありましたとおり、肝炎対策につきましては、5本柱で推進をしておるところでございます。
1.肝疾患治療の促進、いわゆる医療費助成などで73億円です。2.肝炎ウイルス検査、重症化予防の推進として40億円です。3.地域における肝疾患診療連携体制の強化として6億円です。4.国民に対する正しい知識の普及として2億円です。5.研究の推進として39億円となっております。
特に来年度概算要求におきまして、新規あるいは改定を行っている項目が2つございます。1つ目が、1.の2つ目の○に「新」とございますけれども、肝がん治療研究及び肝がん患者への支援のための仕組みの構築でございます。2つ目が、3.の2つ目の○に「改」とつけてございますけれども、肝炎情報センターによる支援機能の戦略的強化の中で、この下の2つポツがあるうちの2番目のポツになりますけれども、肝疾患診療連携拠点病院の相談員などが、肝炎患者からの相談内容を記録、検索、編集し、個々の事例に適した対応ができるように補助する相談支援システムの構築・運用を行うということで、新たな要求を行っております。
以降、この2つにつきまして、詳しく御説明をいたします。
2ページ目、肝がん研究及び肝がん患者への支援のための仕組みの構築といたしまして、来年度、新たに13億円の概算要求を行っております。
事業の内容といたしましては、B型・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん患者の特徴を踏まえ、患者の医療費の負担軽減を図りつつ、患者からの臨床データを収集し、肝がんの予後の改善、生活の質の向上、肝がんの再発の抑制などを目指した、肝がんの治療研究を促進するための仕組みを構築することとしております。
特に、患者の医療費の負担軽減の部分につきましては、下の黄色い表のところにございますが、実施主体としては都道府県を考えております。
負担軽減の対象者としましては、B型・C型肝炎ウイルスに起因する肝がんの患者さんであって、所得が年収370万円未満の方であって、また、感染原因については、特に問わないということで、B型肝炎の特措法やC型肝炎の特措法の対象者に限らず負担軽減の対象とすることを考えております。
また、対象医療につきましては、肝がんの入院医療を対象とすることとして、過去1年以内に高額療養費の限度額を超えた月が4カ月を超えた場合に、4カ月目から医療費の負担を軽減するということにしております。この4カ月につきましては、4カ月連続、続けてという意味ではなくて、今月1週間でも入院があって高額療養費の限度額に達すれば、それで1カ月とカウントされることになりますし、また、月をまたいで入院があった場合であれば、それで2カ月と数えることもあります。必ずしも4回とか、あるいは4カ月以上続けて入院しなければならないというものではございません。
このような方につきまして、自己負担限度額を1カ月当たり1万円に軽減することを考えております。
財源につきましては、概算要求で13億円要求しておりますが、助成に充てる事業費が11億、都道府県などの事務費が2億円弱となっております。事業費の11億円につきましては、全額国庫負担で要求を行っているところでございます。
2ページ目の下、今回肝炎ウイルスによる肝がんにつきまして、特に支援あるいは研究を実施することとした理由をまとめたものとなっております。大きく5点ございます。
1つ目の○は、肝炎ウイルスによる肝がんは、ウイルスの感染から慢性肝炎、肝硬変を経て進行していく非常に長期の疾患であり、それだけ負担も大きくなるということ。
2つ目の○は、肝がんは、がんの中でも再発率が非常に高い。そして、診断から5年たっても、その後の生存率がなかなか上がらないといった特徴があるということ。
3つ目の○は、このように再発率が高く、治療を繰り返すことから、累積の医療費負担が重くなる傾向があるということ。
4つ目の○は、このように再発率が高かったりする原因としては、肝炎ウイルスによって肝臓全体が侵されていることが考えられ、このウイルスによって発がんする機序の解明が求められているということ。
5つ目の○は、肝炎対策基本法の中でも、この肝硬変及び肝がんへの支援について規定があるということがございます。
3ページ目、実際の負担軽減のイメージですけれども、所得や年齢によって医療保険の負担は異なりますので、ここでは70歳未満の現役世代で年収が156万から370万円までの方を想定しておりますけれども、この階層の場合、医療保険の自己負担の上限が当初は5万7,600円、4カ月目から多数回該当ということで、4万4,400円に下がることになっております。ここに今回の肝がんの治療研究事業による支援がさらにかぶってくるということになります。
パターン1は入院だけの場合ですので、この場合は医療保険の多数回該当と肝がんの研究事業による支援のタイミングが一致しますので、4万4,400円に下がる4カ月目から同時に治療研究事業の対象となって1万円に負担が下がることになります。
一方、パターン2の場合には、入院と通院がまざっているケースでして、この場合、肝がんの治療研究促進事業は入院のみで数えることになりますので、あくまで入院が4カ月目となるところから負担軽減となりまして、医療保険の多数回該当とはタイミングがずれることになります。
3ページ目下から、対象者の大まかな推計ということになりますが、昨年度「B型・C型肝炎による肝硬変、肝がん患者における医療費等の実態調査」というものを、厚生労働科学研究で実施をいたしました。平成24年度から27年度までの4年間のレセプト情報、いわゆるNDBと言われるナショナルデータベースのデータを使って集計・分析を行ったものでございます。
1のピンク色の赤字のところをごらんいただきたいと思いますが、B型肝炎・C型肝炎による肝がんの患者さんの数が、B型がおよそ2万2,300人、C型が8万300人となっておりまして、合計で10万人程度となっております。
4ページ目、上の表をごらんください。赤字のところになりますが、これらの患者さんの入院の月数を分析したものとなっております。B型肝炎による肝がんにつきましては、入院のあった月数が4カ月を超える方が9.3%、C型肝炎による肝がんにつきましては、16.1%ということになっております。ですから、B型肝炎であれば2万2,300人のうちの9.3%、C型肝炎であれば8万人のうちの16.1%が、入院月数が4カ月を超えていることになります。
このうち、この肝がんの治療研究事業につきましては所得370万円未満という制限がございますので、それを満たす方が本事業の対象になると考えておりますが、肝がんの患者さんにつきましては比較的高齢者が多いということもありまして、年収370万円未満という要件は、おおよそ8割の方は満たすだろうと推計しております。そうしますと、最大で10万人のうち1万人くらいの方は対象になり得ると見ております。
実際、この4カ月入院されている方の中には、肝がんの病名はついているけれども、入院の原因自体は違う病気というケースもあり得ますので、そこは全部が対象になるかどうかはまた細かく見る必要はありますけれども、広めに見積もるとそれぐらいの方が対象として見込まれ得るということでございます。
以上のような内容で、本事業につきましては概算要求を行ったところでして、今後年末、12月末の予算編成に向けまして、まずはこの予算を獲得できるように最大限努力をしておるところでございます。
ただ、一方で、そういう予算要求の途中段階ではありますけれども、この事業の内容について、急ぎ具体化をしていく必要がございますので、4ページ目下にございますとおり、この秋に研究班を立ち上げまして、事業の枠組みについて検討しておるところでございます。この研究班につきましては、本会議の委員でもある小池先生に研究代表者になっていただきまして、研究内容としては、主に3点をお願いしております。
1つ目が、この研究や支援の対象となる患者さん、あるいは医療の範囲を定めていただくということ。
2つ目が、臨床データの収集の内容あるいはその方法を御検討いただくということ。
3つ目が、研究や支援に御協力をいただく医療機関の要件を御検討いただくという、この3点につきまして、現在研究をしていただいているところでございます。
肝がんの治療研究事業につきましては、以上でございます。
5ページ目、2点目の肝疾患の患者相談支援システムについてでございます。
このシステムにつきましては、平成26年度から28年度まで、厚生労働科学研究で長崎の医療センターの八橋先生に研究代表者になっていただきまして、このシステムの構築について研究をしていただき、試験的な運用までしていただいたところでございます。その運用の結果も踏まえまして、このシステムを全国の拠点病院に導入を進めることとして、必要な予算を要求しております。
システムにつきましては、肝炎情報センターで管理・運用をしていただき、拠点病院の相談員の方にお使いいただくということにしておりまして、相談員の方が相談内容の記録をしたり、検索・編集に使っていただくことで、全国的な相談の件数や動向などについてこれまでよりも詳細に把握ができるようになることや、模範的・定型的な回答の事例などを集めることによって、相談員さんの相談能力の向上を図ることで、ひいては患者さんの満足度を高めることに資するものにしていきたいと考えております。
資料1につきましては、以上でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
それでは、御質問あるいは御意見等がございましたらお伺いいたしますが、いかがでございましょうか。
川田委員、お願いします。
○川田委員 日肝協の川田と申します。
最初の概算要求の件につきまして、意見を述べさせていただきたいと思います。この件は、現時点で患者会の最大の願望でして、実現が困難だとずっと言われ続けてきた課題でしたが、厚労省さんの御努力で風穴があいたという表現がなされておりますけれども、大変感謝しております。特に肝がんが他のがんとこう違うのだということを、その根拠としてきちんと明示していただいたことに対して非常に感謝して、評価をしております。実際のところ、患者会の中ではいろいろ議論がありまして、肝硬変が対象外になっているとか、入り口が非常に限定的で厳しいのではないかとか、そういう意見が幾つか出ております。
私がきょう申し上げたい最大の懸念というか、お願いではあるのですけれども、実効性のある運用を早くしてほしいということであります。なぜそのようなことを言うかというと、患者会はもう5年も前から、身体障害者の認定条件について、条件が厳し過ぎる、何とか改善してほしいと言ってきましたけれども、認定基準が改定されたのが5年後でありまして、毎年3万人を超える重篤者が亡くなっている現実を見ると、この案件だけはとにかく大至急効果が出るように、実効性を伴うようしていただきたいと思います。
特にお願いしたいのは、本件と身体障害者の認定の実施状況というか、申請状況というか、それについては肝炎対策推進協議会が開かれるごとに、こういう状況だということを御報告いただいて、これで本当にこの条件でいいのかどうか、今後改定する必要があるのかないのかということがわかるようにしていただきたい。これが強いお願いでございます。
以上です。
○林会長 ありがとうございます。
事務局、お願いします。
○小野肝炎対策推進室長 ありがとうございました。
本事業は、今、年末の予算編成に向けて調整中と申し上げましたけれども、先ほどのお話にございました肝硬変につきましては、患者団体の方からも大変強い御意見もあったということもあって、重度の非代償性の肝硬変について、この事業で対象とできるかどうかといったあたりは、予算編成過程の中でも検討させていただいておるところでございます。
また、実際の患者さんの対象の基準などにつきましては、先ほど御紹介した小池先生の研究班でも御検討いただいた上で、その範囲を明確に定めていきたいと思っております。この事業は、実施された後の実施状況の御報告というのも定期的にさせていただきたいと思っております。
身体障害者手帳につきましては、今日の協議会で報告できないかという声もあったのですけれども、担当の部局と話をしたところ、まだ最新のデータがまとまっていないということで、次回には御報告をできるようにしたいと考えております。
○林会長 それでは、それ以外の御質問、いかがでしょうか。
お願いします。
○伊藤委員 薬害の伊藤です。
肝硬変が入らないということで、検討中だというお話を伺ったところなのですけれども、4ページの1人当たりの月平均医療費なのですが、肝硬変も非代償性肝硬変の患者さんも肝がんの患者さんも同じぐらいの平均医療費がかかっております。
その下の3の治療頻度ですけれども、これにつきましても、B型肝炎のほうは3カ月までと4カ月を足しますと約4割、C型肝炎のほうも3カ月までと4カ月を足しますとほぼ5割の方がこれに含まれていて、肝がんの患者さんとさほど差がないということが見てとれるのではないかと思います。この辺も検討事項に入れていただきまして、私たちの願いなのですが、肝硬変患者の医療費助成を何とか検討して入れていただきたいと思っております。
○林会長 何かお返事をいただきましょうか。御要望だけでとりあえずよろしいでしょうか。
○伊藤委員 はい。
○林会長 それでは、そういう御意見でございますので、よろしくお願いいたします。
それ以外にいかがでしょうか。
米澤委員、お願いします。
○米澤委員 日肝協の米澤です。
制度の中身について少しだけ意見を述べさせていただきたいのですが、3ページの上の図のところなのですけれども、この医療費助成に関しては、4カ月目にようやく医療費助成がスタートするという内容になっているのですが、肝がんの場合は、御存じのように、4カ月目から対象になるということになると、余りにも対象者が少なくなってくる。つまり、こういった患者はもう既に肝がんの再発を繰り返し、長年治療を続けてきた患者であることは、ここにいる専門委員の先生方もよくよく御存じだと思います。言ってみれば、本当に末期という患者だと思います。ですから、この内容をもう少し緩和していただけないか。1年間に4カ月目ということになるので、非常に厳しいと感じております。
それから、2つ図がありますけれども、この下のほうに通院というものがありまして、これが省かれる形で、これは5カ月目から助成がつくという内容になっているのですが、通院においても、高額でがんの治療をする場合があります。そういう抗がん剤もありますので、これは意見ですけれども、ぜひ入院だけでなく通院も入れていただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いします。
○林会長 事務局、お願いします。
○小野肝炎対策推進室長 対象につきましては、いろいろ御議論、御意見があることは我々も承知をしております。基本的な考え方としては、肝がんを支援する理由でも述べましたように、非常に再発率が高くて、治療を繰り返して大変なところがあるからそこを支援していくということで、そこで一定の治療の頻度が高くなっている方を重点的に支援するという考え方で、今回このような要件を設定させていただいているところでございます。
○林会長 よろしいですか。
○米澤委員 厳しいということなのですね。これに関しては検討の余地はないということですか。
○林会長 検討の余地がないとはおっしゃっておられないとは思います。いかがでしょうか。
○小野肝炎対策推進室長 正直、現状を申し上げれば、まずはこの13億の予算を確保することが最優先であり、かつ肝硬変をどうするのかがまた次の宿題と認識をしておるところでございます。
○林会長 恐らく事務局もことしの12月の予算をとろうと思うと、いろいろな努力が必要だと思います。どうぞよろしくお願いします。
○米澤委員 わかりました。次ということで。
○林会長 それ以外に、いかがでしょうか。
武田委員、お願いします。
○武田委員 薬害の武田と申します。
この対象者の年収370万円というのは、患者さん個人ですか。それとも世帯の金額になるのですか。
○小野肝炎対策推進室長 これは世帯を考えております。
○武田委員 世帯だと、370万はちょっと狭いのではないかと思うのです。最近ですけれども、私の夫の姉ががんで亡くなったのですけれども、部屋代というのはたくさん要りますし、治療費だけというのは。混合診療になると、保険がきかないとその対象にならないのですね。そうなるとすごい金額になると思うのです。姉は順天堂大学に入っていたのですけれども、1日の入院の部屋代が5万円でした。すごい金額でして、もっと世帯の対象の金額の幅を広げていただかないと、ちょっと狭過ぎるのではないかと思うのですけれども、考える余地はないのですか。
○小野肝炎対策推進室長 そこはこの助成制度以前の医療保険制度自体の話もあるかと思うのですけれども、部屋代ですとか混合診療の部分までこの制度でというのは難しいとは思います。
○武田委員 対象をもう少し伸ばすと、少しでも楽になるのではないかと思うのですけれども。
○林会長 よろしいですか。恐らくここに書いてある最初の金額は保険の支払い金額なので、保険の診療内の金額でしか評価できませんので、それ以外のことについては今の事務局のお答えのように。
○武田委員 それはしないのはわかるのですけれども、だから、そういうお金も要るから、そういう幅を広くとってもらえないかなということなのです。それをしてくれというのではないのですけれども、無理なのでしょうか。
○小野肝炎対策推進室長 確かに部屋代など、そういうところまでかかると大変な方もいらっしゃるかもしれませんけれども、最初にも申し上げたように、370万でも高齢者などは大部分カバーできるとは我々は考えております。
○林会長 よろしいですか。
西村委員、お願いします。
○西村委員 日肝協の西村です。
3ページの図表のパターン2の件ですけれども、肝臓がんの場合、御存じのように、肝硬変を伴うということと、肝硬変で腹水や静脈瘤がありますと、そちらの治療から始めて、その後、肝がんの治療ということになって、腹水対策や静脈瘤対策で高額な治療薬を使うこともありますので、今後の検討として、この通院のこの部分ですね。肝がんの治療のための肝硬変の治療など、考慮していただくように要望したいと思います。
以上です。
○林会長 これは御要望としてお聞きいただきたいかと思います。
それ以外にいかがでしょうか。
お願いします。
○伊藤委員 先ほど米澤委員から厳し過ぎるというお話の中で、予算13億という枠がありますというお話を室長さんはされたと思うのですけれども、1万人の方が対象ということで、細かいことで大変申しわけないのですが、例えば4カ月目から5カ月まで入院したということを考えて1万人が対象ということを考えると、13億という金額は十分というか、予算を使い切るほどの金額ではないのかなと素人ながら計算したのですけれども、その辺はどう試算というか、お考えでいらっしゃいますでしょうか。
○小野肝炎対策推進室長 どういう試算をされたのかはあれなのですけれども、1万人には1人で年何回も支援を受ける方もいるので、この4ページの上の3の分布を見ながら、支援回数が何回にもなる方もいらっしゃる、このデータ上はなるという前提で試算をすると、このぐらいの金額にはなるということです。
○伊藤委員 1万人の方が、これをマックスでという感じですか。
○小野肝炎対策推進室長 予算なのでマックスで計算しています。
○伊藤委員 1万人と考えた場合にどういう計算式なのかわかりません。
○小野肝炎対策推進室長 データ上は、その1万人の中には、例えば10カ月入院している方もおられるので、そういう方は7回支援を受ける計算になるので、単純に1万人掛ける幾らという計算ではないです。10カ月の方、11カ月の方、それぞれいる前提で考えています。
○伊藤委員 その辺の具体的な試算の計算式みたいなものを、今回でなくてもいいのですけれども、教えていただきたいと思います。
○小野肝炎対策推進室長 はい。
○林会長 後日でよろしゅうございますね。
それ以外によろしいでしょうか。
清本委員、お願いします。
○清本委員 北海道B型肝炎訴訟原告の清本です。
4ページの内容の2の臨床試験データの収集というところの御質問なのですけれども、現状のこの制度だと、かなり重篤な方の臨床データしか集まらないと思うのですが、どうでしょうか。
○小野肝炎対策推進室長 具体的な仕組みはまだ検討中ではあるのですけれども、できればデータ自体は、実際に支援を受ける前からでも、治療を始めた段階から御提供いただけるような仕組みを考えられないかと思っております。
○清本委員 2ページ目にもあるように、がんになる前のほうが医療費も安く済むというか、がんにならないことも重要なのかなと思いますので、ぜひ臨床データの収集については、再発だけではなくがんの発生のメカニズムの研究につながるように持っていっていただけると助かります。お願いします。
○林会長 わかりました。
それ以外にいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、また後ほどございましたら、最後にお聞きしたいと思います。
次の議題でございます。「肝炎対策の取組状況について」ということで、各自治体の取り組み状況と肝疾患診療連携拠点病院の取り組み状況、2つございますので、まず事務局から御説明をお願いします。
○小野肝炎対策推進室長 資料2、6ページ目から御説明をいたします。
7ページ目、まずは都道府県におきける肝炎対策に関する計画や目標の策定状況をまとめております。
上に一覧で表示をしておりますけれども、この真ん中の表は、横に見ると数値目標を定めている、数値目標以外の目標を定めている、そして、そもそも目標がないというように分類をしております。
また、縦に見ますと、肝炎対策計画といった肝炎のことだけをまとめた計画があるというところ、それから、肝炎だけに特化した計画はないけれども、医療計画やがん対策計画の中で肝炎について定めているというところに縦横で整理をしております。
大きな数字がそれぞれに該当する都道府県の数となっております。また、その横の小さな括弧書きが、昨年度の調査の際の件数となっております。これによりますと、肝炎対策に特化した計画があり、かつ、その中で数値目標も定めているというところが、昨年度の15カ所から19カ所に増加したという結果が出ております。
また、その下の細長い横の表ですけれども、目標の達成状況をどのくらいの頻度で評価・把握をしているかということも聞いております。そういたしますと、27の都道府県では毎年度把握をしている。12の都道府県では、目標の改定のある年、計画の見直しなどがある年に把握しているという回答を得ておりますけれども、8カ所については、そもそも把握をしていないという答えをいただいておりますので、このあたりは改善を求めていきたいと考えております。
7ページ目の下、各都道府県の計画の主な目標の内容となっております。
8ページ目以降、ごらんいただきますと、赤字になっているところがございますが、これが昨年度の調査から変更があった部分となっておりますので、後ほどごらんください。
14ページ目、上の表は、各都道府県が定めている目標を分類したものとなっております。横に見ていきますと、分野として肝炎ウイルスの検査の関係の目標、真ん中が受診の勧奨やフォローアップに関する目標で、一番右側が医療体制・支援体制に関する目標という整理になっております。
一方、縦に見ていきますと、一番上が施策全体にかかわるような目標で、その後がいわゆるストラクチャー、プロセス、アウトカムという形で分類をしております。それぞれに当てはまる目標と、丸囲みの数字がその目標を定めている都道府県の数となっております。これで行きますと、例えば真ん中のプロセスの肝炎ウイルス検査のところの箱にありますウイルス検査の受検率や受検者の目標を定めているところが22カ所とか、その右側の陽性者の受診率とか受診者の数を定めているところが12カ所といった形で、この辺の目標を定めているところが比較的多いといったことが見えてまいります。
14ページ目の下、各都道府県の肝炎対策協議会の開催状況となっておりまして、平成28年度は、46都道府県では最低1回は協議会を開催されている状況でございますが、1カ所開催のないところがございました。また、患者の方を委員に含めているところが44カ所、会議を公開しているところが40カ所などとなっております。
15ページ目、上のグラフは協議会のメンバーということで、大多数のところで拠点病院、医師会、専門医、患者代表などを委員に入れていただいておりますけれども、まだ全てにはなっていない状況でございます。
15ページ目の下、肝炎対策推進協議会の議題を整理したものでございます。
16ページ目から、肝炎ウイルス検査の実施状況となっております。
16ページ目の下、毎年度地方自治体が実施をしている肝炎ウイルス検査の受検者数となっております。都道府県や保健所設置市で実施をしておる検査の受検者が、B型・C型ともに30万人ちょっと。市町村が健康増進事業で実施をしている肝炎ウイルス検査が90万人弱ということで、合わせますと、B型・C型、それぞれ120万人程度の方が27年度に検査を受けられたということになっております。
17ページ目、上の表が都道府県などの検査の実施状況となっております。赤い枠で囲ってありますとおり、肝炎ウイルス検査は無料実施という面では、都道府県、保健所設置市、特別区、全てで実施されている状況になっております。
17ページ目、下のグラフは、B型肝炎ウイルス検査の受検者数を人口で割って出したものでございます。薄い色の棒グラフが26年度で、濃い色のほうが27年度になっております。受検者の割合が一番多いのは26、27年度とも佐賀県が1位となっておりますが、2番目につきましては、宮崎県が27年度になって急速に人数をふやしている状況になっております。
18ページ目の上段、先ほどがB型肝炎でしたけれども、C型肝炎となっておりまして、傾向は大体同じとなっております。
18ページ目、下のほうが、個々の自治体ごとに受検者の増加状況を見たものとなっております。こちらは特定感染症検査事業のほうになりますが、都道府県単位で見ますと、岡山県の3.2倍が、一番増加率が高かったということになっています。
また、政令市で見ますと、岡山市の3.6倍が、一番増加率が高くなっておりました。この岡山県、岡山市につきましては、いずれも普及啓発にかなり力を入れられたと聞いております。
また、その他の保健所設置市で言いますと、下関市が17倍ということで非常に増加率が高かったのですけれども、こちらにつきましては、実は厚労省の研究班の支援を受けてモデル的に取り組んだ事例となっております。それ以外で言いますと、先ほど宮崎県が県単位でも非常にふえておりましたけれども、この宮崎市の11倍というのが、増加率が高くなっております。
この宮崎市がどのような形で受検者をふやしたかということを聞きましたところ、19ページの上の図になりますけれども、平成27年度から特定健康診査やがん検診と一体化をした受診券というものをつくられて、その中で、あなたは肝炎ウイルス検査を受けられますよということを一人一人に通知するような形で勧奨を行ったところ、大幅に受検者がふえたということでございます。
19ページ目、下が健康増進事業になります。1,700の市町村全ての分析はできていないのですけれども、都道府県単位で見た場合に一番増加が多かったのは福島県となっております。
20ページ目、これも福島県に要因を聞きましたところ、福島県の中でも特にいわき市で大幅な増加があったということで、26年度は200人台だったところが、27年度は1万人を超えたということで、一気に50倍以上ふえたという状況になっております。取り組んだ内容は先ほどの宮崎市とほぼ同じでございまして、受診券をつくって、その中で肝炎ウイルス検査が受けられるということを示して勧奨をしたということでございます。
このような個々の自治体の取り組みにつきましては、他の自治体にも御紹介をして、参考にしていただくように周知をしているところでございます。
20ページ目、21ページ目の表は、ウイルス検査の周知方法や利便性を高める取り組みについてアンケートをとったものとなっております。
次からが、重症化予防事業になります。
22ページ目、上の棒グラフが重症化予防推進事業に取り組んでいる都道府県の数となっておりまして、平成26年度に事業をスタートして以来、年々増加してきております。29年度は新たに滋賀県と兵庫県が定期検査への取り組みを始めていただいておりまして、未実施のところは、初回精密検査、定期検査とも2カ所という状況になっております。
22ページ目、下のグラフですけれども、こちらは初回精密検査の助成の受給者数となっておりまして、平成27年度という若干古いデータで恐縮ですけれども、都道府県ごとの数を出しております。赤い棒グラフが受給者の人数ということで、東京都が一番多く、2番目が兵庫県という状況です。
折れ線グラフが、これは27年度の地方自治体の肝炎ウイルス検査で陽性と判定された方の数を分母にとって、精密検査の助成の受給者数を割った数になっております。厳密に言いますと、27年度に陽性とわかって、28年度に精密検査を受ける例もありますので、ぴったりとその時期が一致しているわけでもないのですけれども、大まかな傾向を把握するために、このような計算をしております。
それによりますと、陽性者の中で初回精密検査の助成につながった方の割合が高いのが秋田県、島根県、高知県あたりで、この辺が30%を超えるということで、陽性者の3分の1ぐらいが初回精密検査の助成につながっている状況になっております。
23ページ目、上段は定期検査の助成の受給者ということで、こちらも平成27年度の状況ですので、この当時はまだ住民税が非課税の方だけが対象となっていた時期で、今に比べますと対象者自体がかなり限定されていた時期ということもありますが、一番多い埼玉県で100人弱といった受給状況になっております。これにつきましては、28年度、29年度と対象の拡大などを図ってきておりますので、またその状況を見ながら考えていきたいと思っております。
23ページ目、下は初回精密検査の勧奨方法ということで、肝炎ウイルス検査で陽性となった方に対して、地方自治体がどのような内容で勧奨しているかアンケートをとったものでございます。受検できる医療機関の案内をしているところ、あるいは医療機関への紹介状を出しているというようなところもございますが、赤枠で囲ったとおり、助成が受けられるという案内をしているところが都道府県で38カ所ということで、助成の案内をしていないところがまだ10カ所近くあったということですので、このあたりは都道府県に対してしっかり案内していただくようにお願いをしているところでございます。
24ページ目から、肝炎の医療費助成の状況でございます。
25ページ目、上の表の右側の棒グラフになりますけれども、こちらが治療法ごとの助成の受給者の人数となっております。青いグラフがインターフェロンになりますけれども、こちらはもう最近は受給者が減っておりまして、27年度は2,000人ちょっとという状況になっております。
赤いグラフが核酸アナログ製剤でして、こちらは年々受給者がふえてきている状況にあります。
また、黄緑色がインターフェロンフリーとなりますが、これは26年度に導入されて、2万人弱の方が受給をされ、翌27年度には9万人弱まで受給者が伸びております。28年度以降は受給者数は減っているものと見込んでいるところでございます。
25ページ目、下が都道府県ごとの受給者数となっております。
26ページ目、これもやや乱暴ではあるのですけれども、先ほど肝がんの支援事業のところで御紹介をしましたNDBの調査の中で、肝炎の方の治療の患者数というものが出ておりますので、医療費助成を受けた方が治療している患者さんの何%ぐらいになっているのかを試しに出してみたものでございます。B型肝炎につきましては、患者さんの大体半分が核酸アナログ製剤の助成を受けている。その下のC型肝炎につきましては、患者さんの大体4分の1がインターフェロンフリーの助成を受けられたという結果が出ております。
27ページ目からが、肝疾患診療体制でございます。これにつきましては、前回の協議会のときに通知の見直しについて御議論をいただきまして、その後、新しい通知を3月の末に出したところでございます。
28ページ目、通知の内容の概要がございますけれども、上の1.のところで基本的な考え方というものをお示ししておりまして、特に(1)の目標や指標をしっかり設定するということ、(2)の受検、受診、受療とフォローアップがつながるような体制づくりを進めるということ、(3)患者本位の診療体制を実現する、このあたりが今回特に新たに強調した考え方となっております。
この通知を出したことも踏まえまして、今後、これに基づく各地域の取り組み状況を国としてもフォローしていきたいと考えておりますが、現状につきましては29ページ目で簡単にまとめております。上の表が、拠点病院、専門医療機関の選定状況ということで、拠点病院につきましては、全国70カ所で、15の都道府県では複数が選定されている状況でございます。また、専門医療機関につきましては、現在、全国で3,000カ所弱が指定をされている状況にございます。
その下が都道府県での指定のやり方ですけれども、指定要件につきましては、厚労省が出している通知どおりにやっているところが32カ所、自治体独自の基準を決めているところが14カ所となっております。また、要件を満たしているかどうかの把握ですけれども、定期的に把握をしているところが12カ所しかなくて、34カ所では最初に指定をしたときしか要件を見ていないということですので、このあたりも改善を求めていきたいと考えているところでございます。
30ページ目、肝炎医療コーディネーターにつきましても、前回の協議会で御議論をいただきまして、ことし4月に通知を発出したところでございます。
31ページ目、上が各都道府県の養成数となっております。コーディネーターの養成を実施しているところが現在37都府県となっておりまして、累積では1万人弱の方が養成をされております。グラフで言いますと、グラフの一番上に出ている数字が累積の養成数で、下の赤地の濃いところに出ているのが28年度の養成数となっております。例えば岩手県で言いますと、一番左側ですけれども、28年度に24人の方を養成されて、その24人も含めて、累積では176人がこれまでに養成をされているという意味でございます。
31ページ目、下がこのコーディネーターの養成について何か目標を定めているかということを都道府県に照会した結果でございます。13の都府県で目標が設定をされておりまして、栃木県のように500名といった人数を目標にしているところもあれば、岩手県のように全ての市町村に配置をするといった形で目標を定めているところもございます。また、3番目の東京都のように、従業者の就労と治療の両立を支援するために特に養成をするといった、そういう方針を示されているところもございます。
32ページ目、上がコーディネーターの職種でございます。これは養成をしている37の都道府県に照会をした結果ですけれども、看護師、保健師などが一番多くなっております。それ以外ですと臨床検査技師、医療ソーシャルワーカー、医療機関職員、管理栄養士、また、行政職員などとなっております。また、半分ぐらいの県では産業保健の保健師や健康管理担当といった、職域での配置も進んでいる状況になっております。
また、右側のほうで、患者さんの関与の状況を書いておりますけれども、コーディネーターに患者さんがなっているところが8カ所、また、研修会の講師として患者さんを招いているところが8カ所となっております。
32ページ目、下がコーディネーターの養成研修の内容となっておりますが、4月に出した通知の中で、養成内容について一定の考え方をお示ししておりますが、その中で、養成研修の内容として5つお示しをしております。コーディネーターの役割、心構え、肝疾患の基本的な知識、都道府県の対策、地域の医療体制、そして、具体的な事例という5つをお示ししておりまして、その5つについて、研修を実施しているかどうかを尋ねたものになっております。肝疾患に関する知識や県の対策については、ほぼ全てのところで研修が行われておりますが、活動事例などについてはまだ研修として取り上げているところは少ない状況になっております。
33ページ目、下の白黒のグラフですけれども、肝炎医療コーディネーターが配置されている、活動している場所と、どの程度活動しているのか、これはあくまで都道府県の担当者の主観的な判断ではありますが、アンケートをとったものとなっております。これでいきますと、拠点病院とか専門医療機関あるいは保健所などについては配置も進んでいて、かつ活動しているという評価もある程度得ている。民間の企業などにつきましても、一定程度は活動しているという答えを得ておりますけれども、ただ、全体としてはこの真っ白い部分、活動状況がわからないという回答が非常に多くなっておりまして、養成はしたけれども、その後どう活動しているかを十分都道府県として把握できていないのが現状ということが浮き彫りになったかと思っております。
34ページ目、上が、渡辺先生のところで肝疾患の就労支援についての研究をしていただいておりましたけれども、その班の成果として「治療と仕事の両立支援のための肝炎医療コーディネーターマニュアル」というものをおつくりいただいたものでございます。
34ページ目、下が肝炎の患者手帳の作成状況となっております。47都道府県中30カ所で手帳が作成されております。作成数につきましては、35ページ目の上のグラフのとおりとなっております。
次が、普及啓発でございます。
36ページ目、肝炎の普及啓発といたしましては「知って、肝炎プロジェクト」ということで、杉特別参与を初めとする芸能界、スポーツ界の方にも御協力をいただきまして、普及啓発を進めているところでございます。
37ページ目、上に地図がございますけれども、肝炎の大使・サポーターの皆様に地方自治体への首長訪問を実施していただいております。現状、都道府県で言いますと、47都道府県中27都府県、さらに20の市町村に訪問しまして、知事や市長の方に肝炎対策の充実を訴えるとともに、その状況をマスコミなどでも報道していただいて、普及啓発を行っているところでございます。
37ページ目、下ですけれども、これは今年度新たな取り組みといたしまして、肝炎ウイルス検査の啓発のための危険予告動画を作成しております。都道府県や拠点病院にDVDをお送りするとともに、ホームページでも公表しておりますので、ごらんになられた方もいらっしゃるかもしれません。肝炎の検査を受けなかったために、そのまま放置をして肝硬変が悪化してしまったというような事例を御紹介して、おどかすような内容にはなっておりますけれども、普及啓発を図るという内容になっております。このDVDをさまざまな場所で普及啓発のためにお使いいただきたいと考えておるところでございます。
38ページ目、上段が「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」ということで、もともとガイドラインは平成28年に作成されたものでございますけれども、ことしの3月に「肝疾患に関する留意事項」が追加されております。事業主の皆様に、肝疾患に関する正しい知識を持っていただけますように、肝疾患に関する基礎知識であるとか、あるいは肝疾患の特徴を踏まえた対応につきまして啓発を図る内容となっております。
その下が、肝炎対策に関する英語論文ということで、日本でさまざまな肝炎対策を実施しておりますけれども、海外に報告できるようなまとまったものがなかったということで、肝炎情報センターの考藤先生の御指導もいただきまして、今回、英語論文という形でまとめたものとなっております。
最後、研究開発でございます。これも昨年の協議会で御報告をいたしましたように、平成28年度に肝炎研究10カ年戦略の見直しを行ったところでございます。このうち、政策研究につきましては、40ページ目の上にありますとおり、29年度、ここの6課題の研究を実施しております。このうち、特に今回新規のものといたしまして、3つございます。
40ページ目の下が、これはきょうお越しいただいている考藤先生に研究代表になっていただいておりますけれども、「肝炎の病態評価指標の開発と肝炎対策への応用に関する研究」ということで、国や都道府県が肝炎対策を進めるに当たっての目標や指標をどう設定していくのかということについて、研究をいただくものとなっております。
41ページ目、上の段ですけれども、こちらは佐賀大学の江口先生に代表になっていただいておりますが、「肝炎ウイルス検査受検から受診、受療に至る肝炎対策の効果検証と拡充に関する研究」ということで、これは肝炎ウイルス検査を受検していただいて、そこから受診につなげていくという取り組みを進めるに当たってのさまざまな施策の効果とか、課題を検証していくものとなっておりまして、また、その中で肝炎医療コーディネーターの活用についても研究していただくことになっております。
最後、これは八橋先生の研究班になりますけれども、「肝炎ウイルス感染者の偏見や差別による被害防止への効果的な手法の確立と肝炎に関する教育現場における普及啓発方法に関する研究」ということで、肝炎ウイルスの患者に対する差別や偏見の問題につきましては、これまでにも研究をしていただいてきたところでありますけれども、それをさらに一歩進めまして、より具体的な取り組みについて、確立を目指して研究していただくものとなっております。
資料2につきましては、以上でございます。
○考藤参考人 引き続きまして、肝炎情報センターの考藤から「平成28年度全国肝疾患診療連携拠点病院現状調査と肝炎情報センターの活動」について、資料をもとにして説明させていただきます。
42ページ目、下段からお話しいたしたいと思います。これは先ほども小野室長から御説明がありましたように、肝疾患診療体制のイメージ図であります。肝疾患診療連携拠点病院というのは、全国の各都道府県に最低1つ、全部で70施設ありまして、その自治体中の肝疾患専門医療機関と連携しまして、地域の肝疾患診療に対して責任を持って進めていく立場にある病院であります。肝炎情報センターは、主に肝疾患診療連携拠点病院と連携しまして、その地域の診療体制の底上げ、あるいは充実に力を、手をとり合って進めていく形で活動をしております。
43ページ目、上段をごらんいただきますと、肝炎情報センターの役割として1枚の図にまとめておりますが、実はこれは肝炎対策基本法に明記されております。当センターは平成20年に設置されました。現在は3つの役割という形で大きく整理して進めております。1つ目は、最新の肝炎診療に関する政策も含めての情報提供を行う。2つ目は、拠点病院間の連携を深めるために情報共有の支援を行う。3つ目は、研修機能ということで、肝疾患診療に携わる広く多くの方々の研修の企画あるいは立案、推進を行っていく。この3つが大きな、当センターに与えられた役割であります。
43ページ目、下段は、自治体によっては複数の拠点病院がある都道府県が全国に全部で15個あります。この中、幾つかごらんになっていただくとおわかりのように、2つの自治体もあれば3つ、あるいは大阪府のように5つの拠点病院が同じ都道府県に存在している地域もあります。複数の拠点病院がある是非といいますか、非常にいい面もあります。といいますのは、北海道、この3つの診療連携拠点病院がありますが、3つの拠点病院が合同して研修会あるいは医療情報の提供の会を複数回充実して各地域で行っているということを聞いておりますので、そのように複数の拠点病院がうまく連携して進めているというところも確かに存在しております。
44ページ目以降は、平成28年度の肝疾患診療連携拠点病院の現状調査です。これはことしの7月に実施いたしました。上段をごらんいただくとおわかりのように、この調査は平成21年度から開始しまして、継続して調査を行っております。調査項目に関しましては、44ページ目の下段にトップページだけ新しく平成28年度の調査の用紙を出しておりますけれども、ほぼ内容は同じなのですが、昨年大きく肝炎対策基本指針の見直しによりまして、変更いたしました。
45ページ目以降は、現状調査の結果のサマリーになります。45ページ目の上段は、肝疾患診療連携拠点病院数で、右側が同病院の中に相談・支援センターが設置されている数になります。これはいずれも28年度は全部の拠点病院が設置していることがわかります。
45ページ目、下段ですが、同支援センター、相談センターに寄せられるさまざまな相談件数を、これは単純に全国集計した数になります。ごらんになるとおわかりのように、平成27年度までは右肩上がりで増えております。これは恐らくC型肝炎治療の充実によりまして、疾患の情報を求める方、あるいは医療補助の情報を求める方がふえた、それが理由であろうと考えております。ただ、平成28年度は少し減少しております。前年度比で94%ということで約6%減少しておりますが、これはC型肝炎治療がかなり行き渡っているということのあらわれではないかと考えています。
46ページ目、相談件数を各ブロック別に推移を見ております。全国6つのブロックに分けまして、それぞれの年次推移を見ております。これは先ほどの全国集計とほぼ同じでありまして、27年度がピークで28年度がやや下がる傾向が、関東甲信越ブロックを除いて同じ傾向であります。
その下段ですが、相談業務の担当者数です。複数の相談業務の担当者を置いている拠点病院の数が、27年、28年と年次が進むにつれましてふえているということが見えておりますので、相談の充実といったことが伺えるのではないかと考えています。
47ページ目、上段は、各拠点病院におきまして、相談対応に当たっている職種別に、年次推移を色分けして示しております。左から肝臓専門医、消化器専門医、非専門医、看護師といった、このあたりの職種が非常に中心になって対応しているということが見てとれます。一番右側のその他、これは主に事務員になりますけれども、事務員の方もいろいろな講習会あるいは研修会の案内等で対応いただいていると聞いております。
その下段は相談内容になります。これは上から病気、あるいは病気の治療、医療費助成制度に関して、こういったものが、相談される内容としては非常に多く見てとれます。3つ目の医療費助成制度といったものが、DAA治療といったものの普及に伴いまして、非常に平成27年度に増加していることが見てとれます。先ほどの相談件数と同様に、この相談の数も平成28年度には下がってきているということで、ここからもC型肝炎の治療がかなり行き渡っている状況が見てとれると思います。
48ページ目、相談員用のQ&A集を設置しているかどうかという問いかけに対するありなしの返事であります。下のブルーのところが、相談員用のQ&A集を用意していると答えていただいた拠点病院数なのですが、これはそれほど伸びていっていないということが見てとれます。この部分に関しましては、先ほど小野室長からも説明がありましたように、概算要求で請求しております拠点病院に普及する予定の相談員のQ&Aシステム、相談員研修システム、そういったものを活用することで、今後伸びていくのではないかと期待しているところであります。
48ページ目、下段は、肝臓病教室の実施と実施回数ということになります。これは8割以上の拠点病院で実施しているということが見てとれますし、中には非常にたくさんの回数の肝臓病教室を実施して、患者さんあるいは家族の方に情報提供を試みておられるといったところも見てとれます。
49ページ目、これは市民公開講座の実施状況になります。こちらも9割ぐらいの拠点病院の中で実施していることがわかりますし、下段になりますけれども、実施回数、これも複数回、2回以上実施している拠点病院が平成28年度はふえているということで、積極的に情報提供を行っている拠点病院の活動が見てとれます。
50ページ目、家族支援講座の実施状況であります。左に平成27年度、右側に平成28年度というように、円グラフで見せております。青色が実施していると答えていただいた拠点病院なのですが、ごらんになっておわかりのとおり、28年度には実施している拠点病院数が、23から32に増加しております。大体の平均の参加人数は、昨年度が18人、今年度が16人ということで、1回当たりの平均参加人数は若干減少しておりますけれども、実施回数をふえている状況であります。
50ページ目、下段は就労支援モデル事業の実施状況、同様に実施ありをブルー、なしをオレンジで見せております。これは実施ありと答えていただいた拠点病院が約26%ということで、平成28年度から新たに開始されているところが、北海道大学、旭川医大、藤田保健衛生、兵庫医大、鳥取大学といったことで、新たに始められている拠点病院もふえているということで、今後の増加が期待されるところであります。
肝炎サロン、これは患者さん同士が情報交換できるような形の場を設定しているかどうかという問いかけに対しまして、実施ありと答えていただいたのが13施設ということで、ここはなかなかテーマの設定が難しいという声も聞いておりますので、少し運営面で工夫が必要かもしれません。
51ページ目、これは先ほどもありました肝炎医療コーディネーターの養成の実施状況と、拠点病院から見ました養成人数ということになっております。左の実施の病院数になりますけれども、これは拠点病院側から見ると、平成28年度はほぼ半数の拠点病院に養成していると答えていただいておりますし、養成人数に関しましては、これは右肩上がりでふえておりまして、平成28年度は2,293人の養成人数をカウントしております。若干先ほどの自治体調査の人数と異なっておりますけれども、これはあくまで拠点病院の立場からカウントしている数と御理解ください。
コーディネーターの配置状況ですが、これも左に27年度、右側に28年度という形でお示ししております。この配置は、拠点病院のドクター等にとりましては、内部に配置、仕事をしてもらっていると答えていただいた病院が約半数あります。同様に外部と答えていただいたものも、3割か4割弱の病院にそのように答えていただいている。外部は、恐らく保健師さん等のことを示しているのではないかと考えています。
52ページ目、同様にコーディネーター養成状況をブロック別に上段と下段で示しております。上段が施設の数、下段が人数ということで、ブロックによりまして、少し差があります。中国、四国、それから、関東甲信越、こういったところは養成していると答えていただいた拠点病院は多いのですけれども、北海道東北あるいは近畿、こういったところは、逆にまだ養成を始めていないと答えた拠点病院の方が多い状況になっています。
同様の傾向は人数でも見てとれまして、ブロック別に、同様に人数を示しておりますけれども、関東甲信越、九州は養成していると、実際の人数を示していただいた数が非常に多い状況になっております。このような地域差をどうやって埋めていくのかというのは、非常に大きな今後の課題であろうと考えています。
53ページ目、これは肝炎専門医療従事者研修の実施状況、その下段が一般医療従事者研修の実施状況ということで、平成27年度と28年度を並べて示しております。ほぼ同じような状況でありますが、平成28年度に、どちらの研修会も増加しているという傾向が見てとれます。
54ページ目、これは肝疾患の診療連携拠点病院等連絡協議会の実施回数ということで、地域のいろいろな疾患の医療体制を充実させるためには、この協議会をきっちり定期的に、内容も踏まえて充実させていくことが非常に大事であろうと考えております。平成28年度の棒を見ていただきますと、青いところ、ゼロ回と答えた病院がまだ20あるということで、これは協議会を開催していただきたいという形のお願いを情報センターからもしていこうと考えております。
そのページの下段、これは診療連携クリニカルパスです。この実施状況に関しましては、平成23年度からそれほど大きな変化はないということで、東京都で始まりましたC型肝炎の連携クリニカルパス、これがどのような形で充実していくかを、情報センターとしても非常に注目して見ているところではあります。
55ページ目、これは肝炎ウイルス陽性者の注意喚起・受診勧奨の取り組みということで、主に拠点病院の中での話になります。左に27年度、右に28年度を示しておりますけれども、B型肝炎の再活性化肝炎の防止のためには、当然のことながら、HBVの既往感染の方の拾い上げ、それの消化器内科あるいは肝臓内科への紹介といったものが非常に大事になってくるわけなのですが、電子カルテシステムをうまく運用しまして、そこのアラートを肝臓診療以外の診療科に通知するシステムをとっていると答えた病院が青いところになりますけれども、そこは33から42ということで、平成28年度はふえております。全例コンサルトしているとお答えいただいたところが、これはオレンジのところになりますが、ここも10から12ということで、28年度はふえているということで、このことの重要性に関してましては、各拠点病院、非常に深く認知しておりますので、いろいろな拠点病院の中での状況、難しいところもあるのですけれども、そこをうまく打ち破って、患者さんのために、非消化器診療科に対する注意喚起を行う努力をしているということは非常によく伝わっております。
その下が、これは受診勧奨の取り組みをブロック別に見たところでありますが、その赤いところ、ここは取り組みなしと答えたところが北海道東北、東海北陸、九州で残念ながらまだ少し残っているということで、ここも重要性は十分認知しているということをお答えいただいておりますので、いずれ取り組みが始まるのではないかと期待しているところであります。
以上が拠点病院の現状調査報告になります。以降は、それを踏まえまして、肝炎情報センターの活動目標と現在の取り組み状況をかいつまんでお示しいたします。
活動目標は、冒頭で申し上げましたように3つあります。情報発信、連携強化、研修充実といったことで、それぞれの細項目として、そこに挙げてあるとおりの取り組みを現在しております。まず、56ページ目の下段、情報発信に関しましては、肝炎情報センターのホームページを、実は昨年完全リニューアルいたしました。ごらんになっていただいた方もいらっしゃると思いますけれども、そこに示しているようなトップページから、いろいろなところにいろいろな立場の方ができるだけスムーズに情報が得られるような形を意識しまして、つくり込みました。現在も新しい情報をどんどん更新しておりますので、ぜひ一度ごらんいただきたいと思います。
ホームページの、いわゆる成果に関しましては、一番わかりやすいのはアクセス解析になると思いますけれども、平成28年度のアクセス解析をしてみますと、毎月あたり大体ページビューで9万以上のページビューを得ているということです。比較対象として肝臓学会のホームページのアクセスを見てみますと、大体毎月4万件ということですので、こちらのほうがよく見ていると一概には言えないのですけれども、ある程度はアクセスして御利用いただいているのではないかと自負しております。
その下は、どういった内容へのアクセスが多いかをコンテンツ分析でお示ししておりますが、疾患に対する情報ですね。これが非常にアクセス数が多いことがわかります。上から、B型、C型、急性肝炎、肝硬変、少し下に肝がん、黄色にしておりますけれども、そういったところが患者さん、あるいは家族の方、いろいろな医療に携わる方、どうしても知りたい内容であろうということで、我々の立場としては、ここをどんどん新しい情報に変えていく義務があると深く認識しております。
57ページ目、これも昨年度から始めました取り組みです。「肝炎対策地域ブロック戦略会議」と言います。これは、肝炎医療に関する行動主体が、実は主なもので4つあります。それは、当然のことながら、拠点病院であり、都道府県であり、厚労省の肝炎対策推進室であり、当情報センターということになるわけなのですが、実はこれまでこの4者が一堂に会して、肝炎政策に対して膝を交えて深く話し込む場がありませんでした。そこで基本指針の見直しに対応しまして、この会議を昨年度から始めました。そこにありますように、3つ目の○をごらんいただきますと、全国を6つのブロックに分けまして、各ブロックで、この4者が集まって地域のいわゆる肝炎診療に関する問題、課題、取り組みの方法について、好事例の報告も交えて会議を行うということで、かなり突っ込んだ質問あるいはそれに対するお答えということも、こういったスモールグループですと非常に可能になっている実感があります。
57ページ目、下段をごらんいただきますと、昨年度の近畿ブロック会議の様子ですが、そのような形で御発表をいただきながら、このときは参加者数全部で76名ということで、かなりブロックによっては人数の多い少ないはありますが、担当の方々に全員必ず来ていただいている形で実施しております。今年度、平成29年度、実はもう先日終了いたしました。その結果はまた別の機会がありましたら、御報告したいと思います。
昨年度のブロック会議での主な討議事項ですが、主にその3つを情報センターとしては大事な御定義だろうと取り上げて、考えてきました。1つ目は、受検率、あるいは肝炎ウイルス検査で陽性になった受診率を向上するための方策をどうするのか。あるいは、目標設定をどうしたらいいのかということで考えてきました。ここに関しましては、事業評価指標が必要であろうと考えています。
2つ目は、職域検診とのタイアップ方法、あるいは、就労支援のあり方はどうしたらいのいいのだろうかという生の声を非常によく昨年度は聞きました。こちらは職域のアプローチをどうやっていくかといったところを考えていく必要があるだろうと考えました。
3つ目は、肝炎医療コーディネーターです。この重要性は、非常に皆さんよく実感されております。既に活躍されている自治体もかなり多いのですけれども、まだまだこれからだという自治体の担当の方は、一体どのように養成を始めればいいのかといったノウハウの問題ですとか、あるいはモチベーションの維持、資格の考え方、こういったことを非常にたくさん御質問いただきました。これに対応しまして、厚労省、肝炎対策推進室も非常に深く検討していただいたということが、今年度につながっていると考えております。
58ページ目、下段は、これは先ほど小野室長から説明のありました、私が担当させていだたいております指標班のアウトラインになります。これをその上の段の事業評価指標の重要性、必要性というものを、非常にブロック会議で認識しましたので、ここに対応した形で国に考えていただいたと私は理解しております。
59ページ目、こちらも先ほどありましたように、コーディネーターの方々のモチベーション、あるいはスキルの維持をするためには、Q&A集がどうしても必要になります。そこで、お互いの相談の成功事例の共有あるいは新しい知識の提供、こういったことをうまく全国的に進めていくためには、八橋先生の班でつくられた国立病院機構で現在運用されてきた、ウエブ上でこういった情報交換ができるシステムを、拠点病院にも使わせていただく形が一番いいだろうという話し合いを肝炎室と一緒にさせていただきまして、何とか概算要求につながってきている状況であります。その下段は省略させていただきます。
最後60ページ目、これも先ほど小野室長から御紹介をいただきました日本の肝炎政策に関する英語論文です。これは非常に私自身も必要性を感じておりました。といいますのは、海外に出て、日本の肝炎政策を説明するときに、どうして日本はそのようにうまくいっているのだという説明を求められることが非常に多いのです。WHOの会議、あるいはそれに付随する専門家医療会議ですね。そのときに、こういった英語論文があれば、広く全ての海外の方々に読んでいただける、日本のすばらしいところを学んでいただけるのではないかと実感しましたので、肝炎室小野室長、磯田先生を初め、いろいろお願いいたしまして、共著という形で論文を作成いたしました。これをぜひ、できるだけ広く海外に普及して、日本の政策をわかっていただくということが国内の充実にもつながるだろうと深く考えております。
私からは以上です。
○林会長 どうもありがとうございました。
いろいろな内容がございますが、最初の各自治体の取り組み状況につきまして、御質問、御意見がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。かなりいろいろな内容がございます。いかがでしょうか。
岡田委員、お願いします。
○岡田委員 B肝原告団の岡田です。よろしくお願いいたします。
まず、資料の23ページに出ている定期検査費助成の受給者数です。27年度なのですが、ここの表の中で、埼玉県が突出して人数が多くなっているので、驚きとともに興味深く思いまして、私どもでも埼玉県に聞いてみたところ、現在の取り組みなのですけれども、「肝炎治療医療費助成を受けられた方へ」として、過去に核酸アナログやインターフェロン、新薬ですね。そういう抗ウイルス療法を受けた方を対象として、その定期検査費用助成のお知らせというものをどうやら送っていることがわかったのです。この表はまだ27年度なので、まだ非課税世帯が対象のデータなのですけれども、この埼玉県の努力が過去にもつながっていたのかと想像はできるのですが、厚労省の方の分析ですね。この数が多いということをどのように分析されているのか。また、突出して数が大きい理由、もしはっきり御存じでしたら教えていただけたらと思います。
○林会長 事務局、おわかりになりますか。
○小野肝炎対策推進室長 正直申し上げますと、ここでの自治体の差について、まだ分析は十分にはできておりません。27年度は非常に対象者も限定されていた時代のものですので、これだけを分析しても現状の参考にはつながらないかなと思っておりまして、28年度や29年度の状況も見ながら分析したいと思っております。ただ、もう27年度の時点でもこれだけ都道府県による差が出ているということは我々も驚きましたし、その要因は見ていかなければいけないとは思っております。
○岡田委員 これに対して、特に埼玉県に理由を問い合わせたりなどはされていないのでしょうか。
○小野肝炎対策推進室長 埼玉県さんは、もともとウイルス検査にしても普及啓発にかなり力を入れて、埼玉医大などとも協力をしてやっておられるということは承知しておりますけれども、これについて個別の照会は、今回はしておりません。
○林会長 溝上委員、御意見があるようなので、お願いします。
○溝上委員 ウイルス検査については、埼玉医大の持田教授があるコンビニと組みまして、全県的に大々的に宣伝をやったのです。その結果、これほどの増加になったと思います。また、それは成功事例として情報センターで解析して、その方法と結果を他の件で皆さんが共有していくということが大事と思います。
○林会長 それ以外に御質問等、いかがでしょうか。
川田委員、お願いします。
○川田委員 日肝協の川田です。
先ほど興味深い資料でしたけれども、18ページから19ページ、あるいは20ページにかけて、たった1年間で11倍や3倍など、そういう数字が出るというのは、単なる啓蒙活動だけでは説明がつかないと思うのです。私は、宮崎の件はここに具体的な例が書いてありましたけれども、何をやったのだろうと思いまして、きょうの資料でいけば参考資料8ですか。たくさん細かく表になっているものです。それを眺めさせてもらいました。これだけではあれなので、たしか前々回のこの協議会でも各地域の取り組みの一覧表が出ていましたので、それと両方にらめっこして、もちろんポイントのところだけ見たけれども、実は全くわからなかったです。何も差異が見出せない。
ただ、宮崎に関しては、この受診券でしたか。この記載がきちんとありました。同じ趣旨のほかの地域のところは大半が空白というような状況でして、どうもこの取り組みの状況一覧は、PDCAで言えばほとんどCに相当しているなと私は感じたのですが、ここまではっきりすれば、Pの部分をもう少し具体的に考案なされて、例えば厚生労働省推奨のプランだと、そのようにしたほうがよほどみんなのためになるような気がするのですが、いろいろ差しさわりがあるのかもしれません。いかがなものでしょうか。
○林会長 何か御意見がございましたら、お願いします。
○小野肝炎対策推進室長 御指摘のとおりでして、毎年この参考資料にありますA3の細かい表をお出ししているのですけれども、確かにこの表だけ見ても具体的な取り組みはなかなか見えてこない部分はございます。今回、我々も一つ一つ自治体をチェックして受検者数が大きくふえているところを見つけてきて直接聞いてというやり方をやって、ようやくそれで具体的にどのようなことをやっているかが少しずつ見えてきたということで、今回御紹介したということでございます。
こうした取り組みにつきましては、先ほど研究のところで御紹介した中で、江口先生の研究班が受検の促進などをテーマにしておられますので、そちらでもまた個別に自治体を回ってヒアリングなどをしていただいて、優良事例を探すようなこともやっていただいておりますので、我々としては、そうしたできるだけ具体的な取り組みを把握して、最終的にどういう取り組みをするかはそれぞれの自治体の御判断になりますけれども、そうした情報をしっかり提供していって、取り組みに生かしていただけるようにしていきたいと思っております。
○林会長 田中委員、何か具体的にやられたことなど、御存じでしょうか。
○田中委員 国の肝炎ウイルス検査が始まってもう長くたっているのですけれども、自治体によって早く取り組みをやっているところ、広島県や佐賀県、岩手県など、いろいろなところでパンフレットを配ると、確実に2倍ぐらいまでにはふえるのです。ですから、各都道府県で、その都道府県に合ったやり方でパンフレットを配る、チラシを配る、あるいはどこかのイベントで啓蒙活動をする。その土地に合った啓蒙をすることで、各都道府県が受検率の上昇を図っていると思います。
特に今日厚労省から示されたこのデータでは、この地域ではこういう取り組みをやると、例えば、この検査受検可能な条件や場所を通知すると効果的であった、という一つの事例。各都道府県に合ったやり方をすれば、確実に受検率が少しずつじわじわと上がってくるのではないかと思っています。
○林会長 それ以外に御質問等ございますか。
西村委員、お願いします。
○西村委員 日肝協の西村です。
ウイルス検診のことについて、意見と質問をしたいと思います。資料の17ページ、18ページに人口比の率が出ております。割と人口の多い大都市部では、受検率がおおむね他県に比べて低いということもありますし、大阪の例で言いますと、43市町村があるのですけれども、市町村によって格差が物すごくあるということで、宮崎の例がいいように、大阪でも受検率のいいところは個別勧奨をほかの検診とあわせてやっているところが割合多いのと、自己負担を無料にするとか、経済的な配慮をしているという例があります。
都道府県別のこの表を見ましても、都道府県の取り組みのところで、市町村との連携がないというところが割とあるのです。この辺は、個別勧奨をどう進めるかということと市町村との連携をどうするのかということをもうちょっと具体的に示していただいたほうがいいのではないかと思います。それが1点目です。
2点目、県によってはいろいろ御苦労していただいて、特に人口の少ないところでは、出前検診なども積極的にしようということも考えられるのですけれども、採血を出張先ですることになりますと、県によっては臨時の診療所の開設届を出さなければいけないとか、いろいろな厄介な事務手続上の問題があって、専任の職員の少ない肝疾患連携拠点病院の相談・支援センターあたりが計画をすることは非常に難しい問題があります。
特に出前検診につきましては、実施マニュアルみたいなものをつくって、各県で取り組みやすいような仕組みをつくっていただくことも検討していただきたいと思います。
以上です。
○林会長 わかりました。
それ以外ではいかがでしょうか。
武田委員、お願いします。
○武田委員 薬害肝炎の武田です。
愛媛県では、平成29年度は愛媛県の地域の広報の推進になっているらしくて、今年度になってからは市民講座もたくさんありますし、新聞の半ページを使って広報しているのが、今年に入っても何度もあるのです。半ページを使っているからすごく目立つのですけれども、それで受診者数がどれぐらいふえるか楽しみではあるのですが、すごく頑張っているなと思って見ています。
以上です。
○林会長 ありがとうございました。
清本委員、お願いします。
○清本委員 26ページ目の核酸アナログ製剤治療の受給者の割合で、ならすと52.7%になるのですけれども、上限が70%超えで下限が35%程度で、ばらつきが見えると思うのですが、ここら辺の情報として何かありますか。
○小野肝炎対策推進室長 これもそこまでの分析はできておりません。もともと助成の対象者数は補助事業の中で把握した数字で、治療の患者さんはNDB調査という、全く別の統計で出てきた数字をかなり機械的に大まかな傾向を把握するために出したものでして、確かに私も思ったより都道府県の差があるなという印象は持ちましたけれども、そもそも助成を受けていない方がどういう理由で受けていないのかもいろいろな理由があると思われますし、都道府県ごとの違いにつきましても、分析まではできておりません。
○清本委員 引き続き、お願いします。
○林会長 よろしいですか。
後でまたでも結構です。
次に、肝疾患拠点病院の取り組み状況について、御質問、御意見がございましたら、どうぞ。
西村委員、お願いします。
○西村委員 日肝協の西村です。
先ほどの清本委員の質問にもありましたことに関連して、専門医療機関の診療機能についてということで、都道府県の一覧表にいろいろ資料が出ておりますけれども、もとの資料のほうでは29ページ目になります。専門医療機関の診療機能のところで「インターフェロンなどの抗ウイルス療法が可能」というところを満たしていないところが5カ所ある。この辺も一番大事なところですね。ウイルス検診をして、陽性になった人を専門機関に結びつけて、的確な治療を提供していく。それが専門医療機関でできていないという問題は非常に大きな問題ですので、これを早く解決するようにしていただきたい。
拠点病院の役割として、コーディネーターの養成の問題がありますけれども、32ページ目、ここでどういう方がコーディネーターになっているかというところで、薬剤師さんの役割が非常に少ないのです。血圧が高くても、高血糖でも、そのほかの病気も必ず医療機関にかかりますと薬局に行ってお薬をもらうということですので、そこには必ず調剤薬局の薬剤師さんがいるわけです。いろいろな薬で薬剤性肝炎もあるわけですから、肝炎についての御勉強も多分やっておられますから、薬剤師さんに対する医療コーディネーターの役割にもうちょっと重きを置いて、全ての調剤薬局の薬剤師さんにコーディネーターの資格を取っていただくという取り組みをしていただいたらどうかと思います。
以上です。
○林会長 御意見だけお聞きすればいいですか。
事務局、お願いします。
○小野肝炎対策推進室長 最初の専門医療機関のところにつきましては、抗ウイルス治療が可能でないところが5カ所あるということで、どういうところなのかというのを把握はしておりませんけれども、例えばすごく過疎地にあるとか、何か特殊な事情があるのかもしれませんが、その辺の状況もまた聞いてみたいと思います。
コーディネーターにつきまして、薬剤師さんの活用というのは、それはおっしゃるとおりだと思っておりまして、先ほど考藤先生から御紹介のあったブロック会議でも薬剤師さんを活用して受検や受診の勧奨をするとか、そういうお取り組みの御紹介もありましたので、まずは具体的な取り組みの把握をして、そうした取り組みが進むようにしていきたいと思います。
○林会長 ほか、御質問等、ございますでしょうか。
武田委員、お願いします。
○武田委員 先ほど聞き漏らしたのかもわからないのですけれども、46ページの各ブロック別の相談件数が、関東甲信越だけがずっと上がって、ほかのところはC型肝炎とか何かで下がっているのですけれども、関東だけがずっと上がっているのはどうしてですか。
○林会長 考藤参考人、何か理由はわかりますか。
○考藤参考人 実は特定の拠点病院で一挙に年度をまたいで数がふえた状況がありまして、恐らくどこまでを1件と考えるかというところで、少し拠点病院の中で認識の違いがあるのかなと考えています。特別に関東地区だけ全部がふえているということではなくて、特定のところだけが非常にふえていたということなので、そこは改めて聞き取り調査をしていきたいと思います。
○林会長 ほか、よろしゅうございますか。
西村委員、お願いします。
○西村委員 何度も済みません。日肝協の西村です。
拠点病院の相談室の相談業務の件ですけれども、46ページになります。件数は書かれていまして、職種についても書かれていますが、ある県の相談員さんからというよりも、患者会と意見交換会をやりまして、その中で非正規の職員さん、看護師さんにしろ事務員さんにしろ、常勤のドクターがセンター長でいて、あとはみんな非正規という場合に、いろいろな病院の会議に出られない。また、具体的に直接患者さんとの相談を受けられない。面談などね。そういう制限のあるところもあるようです。それで、考藤先生にお聞きしたいのですけれども、各70カ所ある相談室の雇用条件といいますか、そういうところまでは調べておられるのですか。
余談ですけれども、収入の面も非常に困っておられる方がたくさんおります。週3回の勤務で、それだけでは生活できないので、他の日は他の病院にアルバイトに行くとか、そういう状況もあるようです。雇用形態を安定的にして、病院の業務に一定責任を持ってかかわれるような立場の人が相談員になるべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○林会長 わかりませんよね。雇用状況は調べていませんよね。
○考藤参考人 非常勤か常勤かは聞いています。ただ、西村委員のおっしゃるとおりで、非常勤の方が特に事務員の方などはやはり多いです。
○林会長 溝上委員、追加意見をお願いします。
○溝上委員 最初の立ち上げのときに、時間も人もシステムも手探り状態でした。その時に思いついたのが、その病院に慣れている方で、その1-2年前にリタイアされた看護師長や事務で担当されていた方を中心にお願いしました。その結果、非常に上手く滑り出せたと思います。しかし、今となってはそれらの方々がどんどん交代されていますので、西村委員が指摘されたような問題点が出てきたのだと思います。
○林会長 私の病院でも実際問題いろいろな相談もあるのですけれども、なかなか現在常勤で働いている方をそこに回すと、もとのところの部署の人数が減ってしまいますので、どうしてもそこの部分はすぐ雇用できる非常勤などを雇わざるを得なくなってしまいます。西村委員のおっしゃるとおりだとは思うのですが、なかなかそこを急激に変えられるかというと、現状では厳しいかもわからないとも思っています。とりあえず来ていただく、人を集めるだけでもかなり大変な状況かもわかりません。
ほか、よろしいですか。
また後でございましたらお聞きするとして「その他」でございますが、何かございましたら、どうぞ。
お願いします。
○伊藤委員 39ページに戻らせていただきます。ことし3月に、泉先生の研究班でC型肝炎に対するインターフェロンフリー治療の不成功例の実態と今後の課題ということで発表がございました。残された患者さんの治療ということで、私たちは大変心配しておりますし、私の知り合いにもおりますので、とても気にしているところでございます。
現在のガイドラインでは、耐性についてY93とL31の変異が惹起される部分についてはということで、症例の対応について記載がございます。今度C型肝炎の新薬のマヴィレットが承認されたということで、素人なのでよくわからないのですけれども、耐性にも強いというお話を伺っておりますし、データの中にそういう記載も一部分あるようでございますので、その辺につきまして情報等ございましたらお教えいただきたいと思います。
○林会長 小池委員、ガイドラインの変更の件はお答えいただいてもよろしいでしょうか。
○小池委員 実際には余り先立って公表するとまずい点がありまして、発売された時点で肝臓学会のホームページにアップすると。
○林会長 既にもう検討済みです。
○小池委員 当然中に入っています。
○林会長 検討済みですが、現時点では公表されていないと。
○小池委員 いろいろな影響がありますので。
○林会長 公表いたすそうでございますので、発売時には公表されることになります。
○小池委員 発売とほぼ同時に。
○伊藤委員 では、要望といたしまして、今、問題になっていますP32の欠損とか、A92Kのことについてもわかるようにしていただけたらというのが要望でございます。生意気で申しわけございません。よろしくお願いいたします。
○林会長 ほか、ございませんでしょうか。
米澤委員、お願いします。
○米澤委員 少し話が戻るのですけれども、診療連携体制、診療連携について、先ほど考藤先生から御説明がありました。東京都が29年度から診療連携パスをスタートさせまして、まだ実績ははっきりとあらわれていない状況です。私ども、電話相談を受けておりまして、いまだにC型肝炎のDAA治療について知らない、それから、かかりつけ医からの治療提示も全くないという患者からの電話がまだまだあるのです。これだけ多くの患者が治療に進んでいる状況の中で、まだまだこのような患者がいるということで、これは全国の患者からかかってくるもので、そういう電話を受けるにつけ、なかなかかかりつけ医から専門医へのスムーズな移行がなされていない地域があるのだと実感しております。
何を言いたいのかというと、都道府県で診療連携パス、あるいはクリニカルパスでもいいのですけれども、そういうものが成功している成功事例など、その仕組みなどを具体的に御紹介できるものがありましたら、ぜひ教えていただきたいのです。
○林会長 事務局、おわかりですか。県単位でつくっているところはございますか。私も知らないです。県単位ではないと思います。
○小野肝炎対策推進室長 やっているところが、拠点病院で半分ぐらいでしたか。あと、昔泉先生の研究班で一定の類型化をしたものはやっていただきましたけれども、我々が持っているのもそれぐらいですね。
○林会長 基本的にクリニカルパスの作成は地域でつくられることが多いので、中心病院があって、そこに患者さんが割と来るところについては、共通のパスの作成ができるのですが、県単位になると、実際問題、県内でも治療方法が少しずつ異なっているので、共通のパスはなかなか難しいです。がんでもなかなかつくれない状況なので、今のところ県単位ではないのだと思います。
○米澤委員 そうすると、都道府県でもなかなか把握しにくいということですか。拠点病院が中心であれば、それは把握できる。
○林会長 県によっては、1県に1拠点病院しかありませんので、割と小さな県だと、そこの拠点病院がどの地域でどうかと御理解されていると思うのですが、広い都道府県だと、拠点病院でもそこまで恐らく把握はできていないと思います。
○米澤委員 わかりました。ありがとうございます。
○溝上委員 一般的には二次医療圏でやるしかなくて、全県化というのはほぼ無理だと思います。田中先生、広島は長い経験がありますけれども、あれも二次医療圏を主体にした形だったですね。
○田中委員 そうですね。拠点病院を中心に関連病院、二次医療圏の病院を含んでのパスを動かしています。
○林会長 私のおります兵庫県でも、南には専門医がたくさんいるのですが、北に行くとゼロになってしまいますので、先ほどおっしゃったようにDAA治療を御相談に行っても知らないということは、当然起こり得ると思います。それはできるだけ解消しようとは思っていますが、なかなか厳しいと思います。また検討させていただければ。
ほか、何か御意見等はございますでしょうか。
全体でも結構でございますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
西村委員、お願いします。
○西村委員 日肝協の西村です。
重症化予防事業の初回と定期ですが、長野県は別の制度が県独自であるみたいです。大阪府は何もない上に、22ページ目にも示されているように、できていない状況で、大阪府と厚生労働省と、いろいろ相談をしながら、来年度に向けてせめて初回検査だけでも始める段取りをしたいと担当課は説明をしておられるのですけれども、うまく調整ができるものかどうか、よろしくお願いしたいと思います。
○小野肝炎対策推進室長 担当課というのは、大阪府の担当課さんということですか。
○西村委員 そうです。
○小野肝炎対策推進室長 実際、我々と大阪府とで話し合いを重ねておりまして、私もみずから大阪府に行きまして話をしました。もともと大阪府には大阪府のお取り組みというものがあって、それと国の補助事業の要件がマッチするかどうかという話があったわけですけれども、調整は我々としてはもう大分進んできたと思っておりますので、引き続き大阪府の御相談には乗りながら、何とか事業を実施していただけるように働きかけをしていきたいと思っております。
○林会長 それでは、ほか、よろしゅうございますか。
大体時間になってまいりましたので、本日の議事はこれで終わらせていただきたいと思います。
事務局のほう、よろしくお願いします。
○小野肝炎対策推進室長 本日は活発な御議論ありがとうございました。
本日の議事録につきましては、原案ができた段階で委員の先生方にお送りさせていただきますので、内容の御確認をお願いいたします。その上で、ホームページで公表させていただきます。
以上です。
○林会長 それでは、本日はどうもありがとうございました。
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