ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(平成30年度報酬改定)> 第7回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録(2017年8月25日)




2017年8月25日 第7回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

○日時

平成29年8月25日(金)14:00~16:00


○場所

全国都市会館第2会議室(3階)


○出席者

井出アドバイザー、上條アドバイザー、千把アドバイザー、野沢アドバイザー、平野アドバイザー、二神アドバイザー、大沼厚生労働大臣政務官、宮嵜障害保健福祉部長、朝川企画課長、内山障害福祉課長、武田精神・障害保健課長、三好障害福祉課障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、市川障害福祉課長補佐、照井障害福祉課長補佐、中村職業安定局雇用開発部障害対策課調査官(オブザーバー)

○議題

1.関係団体ヒアリングにおけるご意見等について
2.平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて
3.その他

○議事

○内山障害福祉課長 定刻となりましたので、只今から「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第7回会合を開催いたします。

 御出席いただきましたアドバイザーの皆様におかれましては、御多用のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 本日のアドバイザーの方の出席状況ですが、岩崎アドバイザーにつきましては、所用により欠席でございます。また、野沢アドバイザーが少々遅れているようでございます。

 続きまして、本検討チームの主査についてですけれども、8月7日付で堀内厚生労働大臣政務官から大沼厚生労働大臣政務官に交代となりましたので、大沼政務官から一言御挨拶を申し上げます。

○大沼政務官 皆様、こんにちは。このたび、厚生労働大臣政務官を8月7日より拝命いたしました大沼みずほと申します。本日は、お忙しい中、また、お暑い中、本検討チームにお集まりいただいたアドバイザーの皆様に、心から感謝を申し上げます。

 これまで5回にわたりまして、様々な団体、また、関係各位よりの御要望を伺うとともに、年末にかけてサービスごとに改定に向けた御議論をいただくことになっていることと承知しております。

 障害福祉サービスに係る利用者は約100万人、また、国の予算額は約1兆円と、それぞれ倍増する中、その支援を年々拡充しているところでございます。また、私も、山形県選出でございますので、先日県の障害福祉大会に参加させていただいた際には、平成30年4月1日より施行される改正障害者総合支援法に係る様々な皆様からの御要望も頂戴してきたところでございます。私自身、おいっ子が車椅子の生活をしておりまして、障害児を抱える家族の一人として、この改定についても家族と同じ気持ちでしっかり取り組んでまいらないといけないと思っておりますし、特に年々医療の発達によって医療的ケア児のお子さんが増えている。そういった方々も地域でしっかりと着実に支援を受けられるといった視点も含めて、サービスの質の向上と制度の持続可能性の両方の側面から、皆様方におかれましては、各サービスの報酬のあり方について議論していただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、誠にありがとうございます。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 大沼厚生労働大臣政務官につきましては、公務によりここで退席をさせていただきます。

(大沼厚生労働大臣政務官退室)

○内山障害福祉課長 また、厚生労働省の人事異動によりまして、構成員に変更がありましたので、御紹介させていただきます。

 障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援室長の三好でございます。

○三好障害児・発達支援室長 三好でございます。よろしくお願いいたします。

○内山障害福祉課長 撮影はここまでとさせていただきますので、報道カメラの方は退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○内山障害福祉課長 続きまして、本日の資料の確認でございますけれども、資料が2つございまして、資料1「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に関する主な意見等」でございます。こちらは、前回まで5回にわたり行いました関係団体ヒアリングにおける各団体の意見を整理させていただいたものでございます。

 資料2「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた主な論点(案)」でございます。こちらは、障害福祉サービス等の直近の動向、平成27年度にまとめられました社会保障審議会障害者部会の報告書や今般のヒアリングにおけます関係団体の要望等を踏まえまして、今後、本検討チームにおいて検討を進めていただく主な論点の案を示したものでございます。

 過不足等がございましたら、事務局にお申し付けいただければと思います。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 まず、資料1について、事務局から説明をいたします。

○照井障害福祉課長補佐 それでは、早速ですが、資料1について説明をさせていただきたいと思います。

 こちらは、前回まで合計47団体の皆様から障害福祉サービス等報酬に関する意見や要望についていただいてまいりました。

 その意見数につきましては、420430ぐらいと非常に多くの意見を頂戴しております。

 ヒアリングにつきましては、今回、主に3つの視点に基づいた意見ということで、障害福祉サービスの質の向上に関する視点、サービスの提供体制に関する視点、制度の持続可能性の3つの視点に基づいた意見を頂戴してございます。

 今回、お時間もあまりありませんので、意見の詳細につきましては、それぞれのサービスの議論の中でまた紹介をさせていただきますけれども、今回は主に意見の内容、方向性について、どういったものであったかということについて説明をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、資料1の2ページです。

 こちらは、平成30年4月から施行を予定しております「1.自立生活援助」に関しての意見になっています。

 主な意見です。

No.2、標準利用期間を設定する際には1年を基準として、サービス等利用計画案を勘案したうえで延長できる仕組みとすべきという御意見。

No.3、報酬単価は、サービスの利用頻度は利用者によって異なることから、月払いにしてはどうかという御意見。

No.5、ほかの事業との併設ができるように人員配置に配慮が必要ではないかという御意見が寄せられております。

 1枚おめくりいただいて、「2.就労定着支援」でございます。

No.2、就労定着支援につきましては、利用対象者は障害福祉サービスを利用後、一般就労をした者としているところなのですが、そういった利用者の限定をすべきではないのではないかといった御意見です。

No.3、サービスの利用期間について、延長可能とすべきであるといった御意見。

No.5No.6、就労定着支援の従業者の専門性について、一定程度のスキルが必要ではないかという御意見が寄せられております。

 1枚おめくりいただいて、今度は「3.居宅訪問型児童発達支援」でございます。こちらは、御意見としては2つございますけれども、2つ目の御意見としましては、医療提供体制を評価すべきであるという御意見が寄せられております。

 「4.重度訪問介護による入院中のヘルパー派遣」に関してです。

No.1、障害支援区分6に限定せず、障害支援区分4でも5でもその利用ができるようにすべきであるという御意見。

No.4、入院中も在宅と同じ時間数を利用できるようにすべきであるという御意見。

No.5、長期入院患者も定期的に外出や外泊ができるように、医療機関へ重度訪問介護の利用促進を図るべきではないかという御意見が寄せられております。

 おめくりいただいて、今度は「5.共生型サービス」でございます。

No.1、共生型サービスを提供する事業者が、共生型サービスを始める前に利用していた利用者のサービスの量や質に影響がないような制度設計と報酬上の評価が必要ではないかという御意見。

No.2No.3、障害者、老人の方、児童の方などが相互に理解をする研修が必要ではないかという御意見が寄せられております。

 以上が、新サービスに関する主な意見ですが、ローマ数字の2以降につきましても、少し内容を省略して御説明させていただきたいと思います。

 まず、訪問系のサービスとして一括りに説明をさせていただきたいと思います。訪問系のサービスというのが、「1.居宅介護」、「2.重度訪問介護」、「3.同行援護」、「4.行動援護」までということで、資料でいいますと5~10ページの意見になります。主な意見としましては、まず、報酬を引き下げないでほしいという意見、訪問系サービスは通年かつ長期の利用などいろいろな制限があるわけですけれども、そういった制限を廃止してほしいという御意見、従業者要件として研修の受講など一定程度経過措置を設けているわけですけれども、そちらの延長を求める御意見、盲ろう者の方がもっと利用しやすくなるような制度にしてほしいという御意見、利用対象者の高齢化・重度化についての対応を報酬上きちんと評価をしてほしいという御意見が寄せられております。

 内容につきましては、具体的なナンバーを申し上げますと、まず、「1.居宅介護」はNo.1No.10。「2.重度訪問介護」ですと、No.2、8ページ目のNo.15。「3.同行援護」の場合ですと、No.1No.10。「4.行動援護」の場合ですと、No.1、そういった御意見が多く寄せられております。

 引き続きまして、資料1の11ページ、「5.療養介護」でございます。医療の進展等により、障害のある方がより重度化してきているということで、高齢化・重度化による支援の量が増えてきているので、本来の従業者要件以上に人を配置している場合について報酬上評価をしてほしいという御意見です。意見の番号ですと、No.1No.2がそういった内容の御意見になっております。

 次が「6.生活介護」でございます。こちらも高齢化・重度化によって、医療提供体制を厚く配置したり、直接処遇職員を本来の配置より手厚く配置をしてきているので、そういったことについての評価を求めております。No.1No.2No.6No.8No.10No.15の辺りの意見がそういった内容の意見になっております。

 引き続きまして、「7.短期入所」でございます。こちらも、基本的には重度化に対応できる報酬体系にしてほしい。あとは、緊急時に受け入れる場合には、空きベッドというものがどうしても必要になるわけですけれども、その空床に対しての報酬上の評価もしてほしいという御意見を頂戴しております。

 ナンバーで申しますと、No.2No.3No.4No.6No.9辺りがそういった内容の御意見になってございます。

 次が「8.重度障害者等包括支援」でございます。こちらにつきましては、基本的には報酬のアップ、重度包括の重要性というのは認めつつも、それに見合った報酬にはなっていないという御意見が寄せられております。こちらはNo.1の御意見になっています。

 引き続きまして「9.施設入所支援」でございます。夜勤職員の配置の引上げを求めてございます。こちらの御意見は、15ページ、No.6の御意見でございます。

 次が、「10.自立訓練」でございます。自立訓練の種類は3つあるわけですけれども、その3つをまとめて、御意見としては、利用者の状態に応じた専門職の配置、医療職が必置となっておりますが、必置にしなくてもいいのではないか。その代わり、自治体にリハビリに必要な専門職の配置も認めてほしいという御意見、宿泊型の自立訓練にあるのですけれども、標準利用期間に満たない状態で地域移行をした場合に評価をしてもらえないかという御意見が寄せられております。

 引き続きまして、就労系の事業でございます。「13.就労移行支援」、「14.就労継続支援A型」、「15.就労継続支援B型」と3つございますけれども、こちらは全体的にはサービスの質の向上、一般就労への移行の促進、A型、B型であっても、一般就労への移行をした場合には報酬上もっと評価をしてもらえないかという御意見、工賃や賃金の更なる向上ということで、こちらにつきましても報酬上評価できないかという御意見が寄せられております。

 主な意見としましては、「13.就労移行支援」の場合ですと、1枚おめくりいただいて、No.7No.12No.23。「14.就労継続支援A型」の場合ですと、No.1No.6No.7No.11No.14No.15No.16などです。「15.就労継続支援B型」ですと、No.8といった御意見が、今、申し上げた内容の意見になっております。

 「16.共同生活援助」でございます。こちらは、最も多い40の御意見が寄せられております。主な御意見としては、3つあります。経過措置の制度の恒久化に関する御意見、新サービスとして自立生活援助を創設しますのでそれを利活用した地域移行の促進を求める意見、重度化に対応したグループホームの創設を求める意見、大きくこの3つの御意見が寄せられております。

 主なナンバーとしましては、No.1No.8No.17No.22No.25No.26No.27No.28などの御意見が申し上げたような内容の御意見になっております。

 引き続きまして、28ページ、「17.計画相談支援」でございます。こちらは、後半に出てきますけれども、障害児相談支援も含めてどういった要望かというところなのですが、こちらは大きく4つの御意見があります。一番大きな御意見としましては、まずは相談支援専門員1人当たりの業務量が非常に多いということです。それを反対に裏返して見ると、見合った報酬になっていないということで、相談支援専門員の業務量に応じて報酬を見直すべきであるという御意見、モニタリングの頻度についても標準の期間を見直すべきであるという御意見、主任相談支援専門員を積極的に養成して報酬上評価すべきであるという御意見、医療との連携が必要ではないかという御意見が寄せられております。

 ナンバーとしましては、No.1No.2No.3No.5No.7No.11No.18No.22No.23No.24などがそういった内容でございます。

 引き続きまして、31ページ、「18.地域移行支援」でございます。こちらは、「19.地域定着支援」とセットにして説明させていただければと思います。まず、「18.地域移行支援」の1番目ですが、措置入院の方、医療保護入院の方については、何カ月入院したかによらず、地域移行支援の対象者とすべきであること。「19.地域定着支援」の要望のNo.7ですけれども、こちらは常時の連絡体制の確保について、報酬上もっと評価してもらえないかという御意見が寄せられております。そのほかに、例えば、「18.地域移行支援」ですと、資料1の32ページ、No.8の内容の御意見を頂戴してございます。

 引き続きまして、今度は児童系、障害児の関係の事業でございます。こちらは、「20.児童発達支援」、「21.放課後等デイサービス」、「22.保育所等訪問支援」「23.福祉型障害児入所施設」、「24.医療型障害児入所施設」がございますけれども、いずれの事業につきましても、意見の内容としましては、医療的ケア児への対応について報酬で評価すべきであるという御意見、サービスの質の向上について検討してはどうかという御意見、人員配置を厚くした場合や専門職の配置について評価をしてはどうかという御意見が寄せられてございます。

 主な内容としましては、まず、「20.児童発達支援」につきましては、No.1No.4No.7No.8No.12No.13No.16No.19になっております。

 「21.放課後等デイサービス」につきましては、No.2No.10No.11No.12No.14でございます。

 「22.保育所等訪問支援」につきましては、No.1の御意見が主なものということになっております。

 「23.福祉型障害児入所施設」につきましては、No.3No.4No.7No.8です。

 「24.医療型障害児入所施設」につきましては、No.1でございます。

 「25.障害児相談支援」につきましては、先程も説明しましたけれども、意見の内容につきましては、No.1No.2ということが言えるかと思います。

 最後に、「ローマ数字の3.横断的事項に関する意見」でございます。こちらはいろいろな種類の意見が載っておりますけれども、たんの吸引の専門性の更なる評価、人材の確保に関する御意見、処遇改善に関する意見、食事提供体制に関しての御意見、重度者や盲ろう者の送迎に関する報酬上評価ができないかという御意見等、いろいろな意見が寄せられてございます。申し上げた意見が、No.1No.2No.5No.6No.18No.21No.29などとなっております。

 主な御意見の説明は以上になりますが、48ページの一番下に厚生労働省ホームページのURLを掲載しており、実際に47の団体がヒアリングの際に御提出いただいた意見書は、厚生労働省のホームページに載ってございますので、詳細版はそちらを御覧いただければと思います。

 私からの説明は、以上になります。

○内山障害福祉課長 今まで5回にわたりまして関係団体からヒアリングをさせていただいた状況を資料としてまとめさせていただいたわけですけれども、今の資料1の説明につきまして、御質問、御意見、あるいはヒアリング5回を聞いていただいての感想や受け止めも含め、御意見ございましたら、アドバイザーの方からお願いしたいと思います。

 それでは、井出さん、お願いいたします。

○井出アドバイザー 5回にわたって、私はちょっと出られない回もありまして、大変申し訳ありませんでした。今、おまとめいただきまして、お話を聞きました。ありがとうございました。

 私は、本当に様々な御意見等、ある意味切実な状況をお聞きして、これからの課題を自分の中で考えていきたいと思いますけれども、お答えできるところが、ヒアリングの時もそうですが、論点、視点の3番の限られた財源というか、この制度を続けるという中で、どうやってある種考えていくかというのを、今日いただいた御意見、これまでの5回を含めてこれから考えていきたいと思うのですが、今、質問なのですけれども、次の資料2でも若干あるのかなと思いますけれども、照井さんにお聞きしたいのですが、ヒアリング全体をお聞きして意見をまとめる中で、キーワードみたいなもの、多分何回か重度化や高齢化と出てきましたけれども、そのほかに何かキーワード的なものというものがあれば、念のため教えておいていただければありがたいと思うのです。

○照井障害福祉課長補佐 重度化・高齢化というのは多く意見としては寄せられておりましたけれども、それと同時に医療的ケアの評価というのも相当多く寄せられてきているなと感じております。

○井出アドバイザー ありがとうございました。

○内山障害福祉課長 ほかにアドバイザーの方からございますでしょうか。

 平野さん、いかがでしょうか。

○平野アドバイザー 大変仕事がかさんでいてなかなか出られなくて申し訳なかったのですけれども、毎回の資料と議事録を見せていただきまして、全体として、1つは危機感があるのかなと。今の水準ではやっていけないというのが根底に感じられたのが1つ。

 2つ目は、新しい法律。改正されて、新しいサービスをどのようにやっていけばいいのかというのが2つ目にある。

 3つ目が、制度の考え方と現場のずれというのですかね。事務の煩雑さはその最たるものですけれども、そういうものを何とかしたいということと、多かったのは、施策に対してもっとこういう力を入れるところをはっきりしてほしいというものが全体にあったかと思っています。

 次のところにも関わるのですけれども、そういった意味では、報酬、安心してやっていけるんだよというメッセージと、今度はこういう方向性、今、照井さんが言ったように、在宅の重度の子、特に医療的ケア児等、こういうところにメリハリを付けてやっていくんだよというメッセージを出していかないといけないのかなというのを、読んで感じたところでございます。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。

 上條さん、いかがでございましょうか。

○上條アドバイザー 各回を通して聞いていて、最初のころは相談支援に絡めた御意見が結構あったかなということと、全体を通してですけれども、医療的ケアの話も多かったかなと思います。視点3も含めて言うと、質を高めていくということで、それに沿った加算を工夫することによって質を高めていく、あるいは持続可能性の部分でもそういったところが挙げられていたかと思いますし、それと絡むのですけれども、重度化・高齢化に対応するにしても、現場のスタッフさんがより専門性を求められてきているのかなと思います。専門性のある人を配置すれば、それもまた加算ということになるのですけれども、長らくこの障害の福祉サービスの現場は、特に資格は求められずにやってきたところがあるかと思うのですが、利用する人が増えてきたり、あるいは重度化したり高齢化したりというところに対応するためには、現場の職員さんの質を高める。そこには専門性というところが求められる。専門性というのが、ドクターやナースみたいな医療スタッフだけではなくて、相談支援のところでも主任相談員ということも言われていますし、新たに現場のスタッフさんのやりがいとか評価のしやすさみたいなところも考えて言うと、何らかの資格といいますか、そういったところをもっとつくっていったり、認めていったりというところが必要なのかなという感じを受けました。1つとして、強度行動障害の方に対応するのに対して、研修が全国で進められていますが、その強度行動障害の研修を受けた人の評価をされる加算もありますけれども、その辺の配置をいきなり義務付けるというのはなかなか難しいところはありますけれども、そういった点をこの報酬改定の中でも見られるようにしていくというのは一つの方法なのかなと感じました。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。

 二神さん、いかがでしょうか。

○二神アドバイザー 各団体の方から非常に御貴重な意見をいただきまして、今日は特に印象に残ったところで、就労系のほうの団体の方からいただいたところで私が感じたことを申し上げたいと思います。

 まず、「13.就労移行支援」のところでは、ある程度サービスの持続可能性ということからも、成果主義をある程度導入するのがいいのかなという印象を受けました。特に17ページの辺りでNo.7の御意見だったと思うのですけれども、就職した人数の実績に合わせて報酬を決定していただきたいという要望があったので、それも当然ですし、逆に実績がない事業所も30%近くあるというのは非常に多いという印象を私は受けまして、そういった場合はある程度減算するという、ある程度成果主義を導入するのはこれから必要になるのかなということを思いました。

 また、検討チームでの視点に質の向上や専門性といったこともありますので、その専門サービスの提供という意味でも、専門人材の育成や定着が非常に重要かと思いました。例えば、就労移行支援だと、企業経験者や労働分野の専門家の配置も非常に重要かと思いました。

 就労継続支援B型で印象に残ったのは、これも成果主義と関連するのですけれども、目標工賃達成加算について、何団体かから意見が幾つか重複してあったと思うのですけれども、前年度が前々年度を上回るという定めがあるのですけれども、それだけよりは、むしろ高い工賃を達成している事業所を評価することが重要なのではないかという御意見があって、これも成果主義を導入することがいいのかなと思いました。

 また、就労継続支援A型の中ですと、精神障害者の方の話があって、今、企業でも非常に精神障害の雇用の問題が課題になっていて、どうやったらうまく活用し、また、精神障害の方が生き生きと仕事ができるかという意味では、短時間でも何とか仕事を繋げていくということも重要だと思うので、精神障害の方が短時間であってもそれを減算対象にするのは問題なのではないかという御意見があったので、精神障害者の方はその労働時間の中での扱いを別にしたほうがいいのではないかということも思いました。

 専門家ということに関連しては、就労継続支援A型においても、例えば、営業人材などの配置もすべきなのではないかという御意見があったので、これも非常にそのとおりだと思いました。

 再度、就労継続支援B型の話なのですけれども、22ページぐらいの御意見の中で、最低賃金が3分の1以上の事業所を評価すべきなのではないかという御意見があって、本当は3分の1でもすごく少ないと思って、2分の1とか、本当は目標をもうちょっと高くしたほうがいいとは思いますけれども、まず、現実的には3分の1以上を達成している事業所に対しては、高い工賃に対しては評価するというやり方が非常に重要なのかなということを思いました。

 就労継続支援B型には非常に重度の方が多いので、重度の支援の体制加算、重度の方を支援サポートするようなやり方も重要なのかなと思いました。

 3ページの「2.就労定着支援」の中で、1番の中にあったと思うのですけれども、これも団体さんからの御意見で思ったのは、新しく事業が創設されてすばらしいと思うのですが、就労定着支援と就労移行支援との連携が重要だと思うので、そういう新しい事業創設の部分と今までの既存の事業所の連携を強めていくのが重要かということで、特に就労系に絞って意見を申し上げさせていただきました。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 千把さん、いかがでしょうか。

○千把アドバイザー 私からは、3点申し上げたいと思います。

 まず、計画作成の関係でございます。私の町におきましても、事業所が大変多忙で困っているという状況にございます。何分計画作成は入口でございますので、ここはどうにかしたいという思いが非常にございます。

 2点目でございますが、「21.放課後等デイサービス」でございます。私の町もそうなのですが、最近、利用が多くなってきた。御意見を見させていただきますと、報酬を見直してほしいという意見が多く見られたことでございます。

 3点目でございますが、障害者の方が社会の中で生活している方法ということで、発言があったことで非常にすとんと腑に落ちたのですが、私どもの町でもそうなのですが、グループホームと就労継続支援B型、プラス、年金でどうにか生活していけるようにという、ある面、私にとってはスタンダードな発言だったかなというところが非常に心に残ったところでございます。

 以上でございます。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 これまで5回にわたるヒアリングについての受け止め、感想を含めてお聞きしたいと思うのですけれども、野沢さん、何かございますでしょうか。

○野沢アドバイザー 遅れて来てしまい申し訳ありません。

 とりあえず思いついたことをランダムに言わせていただきたいと思っています。

 1つは、全体の大きな流れとしては、施設から地域へ、より個別性の高い支援を重視するという方向ですね。あと、医療的ケアや行動障害や支援の難しい人たちをきちんと支援しているサービスにインセンティブを与えることは最重視して考えていってほしいと思うのです。その中でいろいろなサービスの見直しを考えていってほしいと思っています。

 具体的に言うと、ヘルパーとか短期入所というのは非常にニーズが高いと思います。今、放課後等デイサービスがすごい勢いでできていますけれども、本来の療育とはまたちょっと違ったところで、レスパイト的な目的で使われているケースが相当あります。それをきちんと整理した時に、短期入所やヘルパー、あるいは重度障害者等包括支援とかも今回の論議では論点に挙がってきていますけれども、こういうものをもっと使いやすくしていく、事業者も増やしていくことによって、放課後等デイサービスだけに集中しているニーズをきちんと整理して、本来の役割を持ったサービスみたいなことにできるのではないかということを思っていたりします。

 もう一つが、いろいろ考えるのですけれども、評価です。私が前も言いましたけれども、評価というのもきちんともう少し組み立てないといけないかなと、毎回そう思うのです。いつも終わるころに言って、そうですねということになって、そこでまたスタッフも異動したりなどすると、積み残したまま、また次回に同じようなことになっていて、就労の話もよくあれなのですけれども、例えば、今度は就労定着支援ができましたけれども、就労移行支援もよく見てみると、大したことはやっていないのに、たまたま近くにいい企業がいっぱいあって、そのまま自動的にどうぞどうぞみたいな形でどんどん実績を伸ばしているところは結構ありますね。あるいは、一生懸命やっていてもなかなか苦戦しているところもあるし、定着だって誰の尽力で定着できているのかというのは全く分からないと思います。本人が頑張っているかもしれない、家族かもしれないし、企業が頑張っているかもしれないし、送り出した母体の法人がどのぐらいきちんとやっているから定着できるのかなどということは分からなくて、この評価のところはちゃんとしないと、貴重な財源が有効に生かされないということだと思います。

 別の委員会で、ソーシャルインパクトボンドの話題が出た時に、それを運営しているところが、社会に出すインパクトの評価を一生懸命研究されているそうなのです。そういう数量や数字だけではなくて、いろいろなものを駆使して評価をしてもいいのではないかと思うのです。

 私は、千葉県で総合相談の県の単独事業を十何年前から始めているのですけれども、その創設にちょっと関わって、その後も評価委員会などに関わっているのです。それも、最初は相談支援、これは計画相談ではなくて普通の一般相談です。いろいろな困り事、難しい事例もいっぱいあります。その時に、何件の相談に乗ったのかとか、何件訪問したのか、電話を受けたのかと、数字だけ見せられても分からないのです。始まってから3年ぐらいして、これはだめだなと思って、数字は数字でいいのだけれども、もう一つ別に、この1年間でそれぞれの事業所が一番自慢できる仕事を具体的に3つ挙げてくださいと言って、すごく古典的なやり方なのですけれども、そうすると、どんなふうにやっているのかというのがこちら側にすごく見えるのですね。どのぐらいの深さで、どのぐらいの本気度できちんとやられているのかなとか、すごくアナログ的なやり方ですけれども、数字だけよりもむしろそちらのほうが実態に近いものが評価できるという実感もありますし、これは一つの提案なのですが、研究班をつくって評価に関する研究を徹底してやっていただきたいと思います。

 本当に頑張っている人をきちんと評価してあげるということが、これからのこの限られた財源の中でいい事業を伸ばしていくところにとっては、すごく大事なのではないかと思います。

 もう一つは、どうしてもこれまでのいろいろな事情があって、いろいろ制度で手当てをしてきたものが、今、客観的に見てみると、割と不公平なものが出てきて、例えば、入所施設に対する補足給付や、グループホームの家賃補助、あるいは食事提供加算もそうかもしれませんけれども、利用者あるいは経営する側にとっても、どこにいるかによっての損得、こういうものをもう一度ゼロベースで考えてみる機会にしてほしいと思います。

 施設から地域へと考えた時に、なかなか消費者側のニーズだけでは選ばれないというのがこの分野の特徴だと思うのです。自ら判断能力やコミュニケーション能力にハンデがあって、自分でどのぐらいいいのか、どこに行きたいのか、どういうサービスが欲しいのかというのはなかなか表現できない人たち。それでは、家族がするのかといったら、家族のニーズと本人のニーズは相当違いますので、そういう時にサービスを提供する側を変えていかないと、やはりこの流れは変わらないなと本当に実感するのです。

 つまり、入所施設を経営している人たち、結構グループホームをやったりしていますけれども、入所の経営よりもグループホームの経営のほうが本人にとってもいいし、経営する側にとっても悪くないねというところまで持っていかないと、なかなか地域移行は難しいなと思うのです。その点を見てものすごく気になったのは、津久井やまゆり園の事件を引き合いに出して、夜の安全防犯上の対応として夜勤職員の配置基準の引上げ、これは結構通りそうな気がして、私はすごく危惧を持っているのです。これを出されると、政治的にもそうだよねということになりがちだと思うのですけれども、正直に言うと、こんなことをやってしまっていいのかなと私は思うのです。

 あの事件は、全く第三者の通り魔による事件ではないですね。5カ月前まであの施設で働いていた職員による事件です。本当は施設側のいろいろな問題があってああいうゆがんだ動機が形成されてしまったのかもしれないし、あるいはいろいろな兆候がありながらそれを止められなかったのは施設側の問題かもしれないし、彼がいろいろな虐待行為を中でやっていたのに虐待防止法に基づく市町村の防止センターへの通報はちゃんとしていたのかとか、施設側の問題をきちんと検証もせずに、ああいう事件を起こされないように、起きた時のためにと言って、人員配置の基準だけ引き上げろって、言葉は悪いですけれども、焼け太りみたいなことを私は許してはいけないと思います。

 サービスを提供する側のインセンティブをきちんと考えていただきたいということを先程言ったのですけれども、今、やまゆり園の場合でも、見て、やっぱりなと思ったのは、夜勤の職員さんというのは15人の棟で1人ぐらいですね。グループホームは4人とか5人とか6人に1人ですね。入所というのは経営する側にとっては経営しやすいのかなと、正直に言うと、私は思いました。この辺りをもう一度ゼロベースで、経営する側にとってどのようにしたら地域移行が進むのかということを考えて、踏み込んでいってほしいと思います。

 ほかにもいっぱいあったのですが、とりあえず。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 それでは、この資料1も参考にしながら、資料2で今後検討していただく論点の整理を試みていますので、事務局から整理の説明をさせていただきます。

○照井障害福祉課長補佐 それでは、資料2につきまして、説明をさせていただきます。

 「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた主な論点(案)」で、今後、検討チームの中でそれぞれのサービスの報酬等の内容について話し合いが持たれるわけですけれども、その前段としまして、世の中の情勢がこういったことであるので、主にこういった論点で議論してはどうかという提案をさせていただければと考えております。

 資料に沿って、説明をさせていただきます。

 まず、「ローマ数字の1.はじめに」でございます。

 先程大沼政務官からも話がございましたけれども、まずは障害者自立支援法の施行から11年が経過しまして、利用者数、予算額はそれぞれ倍増しております。その支援は年々拡充しているという状況でございます。そうした中で、平成30年4月1日に、障害者総合支援法と、今、議論をしております平成30年度報酬改定が同日に施行される予定をしてございます。

 報酬改定におきましては、自立生活援助や就労定着支援等の新サービスの報酬の設定について検討することはもとより、障害者の重度化・高齢化、医療的ケア児や精神障害のある方の増加などによって、障害福祉サービス等の利用者が多様化している中で、それぞれのニーズに応じたサービスの提供体制の整備が必要となってきております。

 さらに、昨年6月に閣議決定されました「ニッポン一億総活躍プラン」におきまして「障害者の就労支援等の推進」もテーマとして挙がってきていることもございます。一方で、サービス提供をする事業所が大幅に増加している中で、サービスの質の向上が求められているなど、長期化した経過措置をどのように対応していくかということも含めて、制度の持続可能性等の観点も踏まえた上で、メリハリのある報酬体系への転換が求められてきているということが言えるのではないかと考えております。

 こういった状況などを背景に、2ページ目以降、こういった論点で議論をしてはどうかと考えております。

 資料2の2ページ目、「ローマ数字の2.主な論点」としまして、5つあるのではないかと考えております。

 まず、「1.障害者の重度化及び高齢化を踏まえた、障害者の地域移行・地域生活を支援するサービスの評価と地域生活支援拠点等の整備促進及び地域移行後の生活の場の確保」について、論点としてはどうかというところです。こちらにつきましては、「また」以降、障害者の自立支援の観点で地域生活支援拠点等の整備を促進して、その機能の充実・強化を更に進めるとともに、生活の場であるグループホームの確保などを行う必要があるのではないかということでございます。主な論点として3つ挙がっておりますけれども、まず最初の(1)につきましては、一例ですと、入院中の重度訪問介護の支援の内容・報酬等についての検討や、通勤・通学の訓練についてどのように評価をしていくかということについて論点としてはどうかということでございます。(3)につきましては、共生型サービスの報酬等の内容について検討を進めるべきではないかということを裏に含んでいるということでございます。

 「2.障害児支援のサービスの提供体制の確保と質の向上を図る観点からの報酬・人員配置基準等の評価(医療的ケア児への支援及び居宅訪問型児童発達支援の報酬等を含む)」について論点としてはどうかということでございます。障害児支援のサービスにつきましては、医療的ケア児が増加している中で、そういった児童に対するサービス提供体制がまだ十分ではないという現状がある一方で、放課後等デイサービスなどの障害児通所支援につきましては、その質の向上と評価について検討する必要があるのではないかということを論点としてはどうかと考えております。

 3ページ、「3.精神障害者の地域移行を推進するための、地域生活支援拠点等の整備促進及び地域移行後の生活の場の確保とサービス提供体制の強化」でございます。こちらにつきましては、先程の1番でもちょっと申し上げましたけれども、地域生活支援拠点の整備促進など、地域移行後の生活の場の確保、サービス提供体制の強化が必要ではないかと考えております。主な論点の例としまして、先程申し上げたもの以外では、3つ目、精神障害の方も含めて、地域移行・地域定着を図る事業、地域移行支援・地域定着支援の報酬などについて論点としてはどうかということでございます。

 「4.就労支援に係る工賃・賃金の向上や就労移行、就労定着の促進に向けた報酬の見直し(就労定着支援の報酬等を含む)」の関係でございます。こちらにつきましては、2行目以降です。就労系障害福祉サービスにおける工賃・賃金の向上や一般就労への移行を更に促進させ、一般就労への移行実績や工賃実績等に応じた報酬を検討する必要があるのではないかということを論点としてはどうかと考えております。

 最後でございます。1枚おめくりいただいて、「5.障害福祉サービス等の持続可能性の確保と効率的かつ効果的にサービスの提供を行うための報酬等の見直し」はどうかということでございます。こちらにつきましては、下の本文のマル1、支援の内容や質に応じた評価、マル2、利用ニーズはあるのだけれどもサービス提供体制が十分ではない事業がある一方で、必要な量を超過してサービスが展開されている事業もある。そういった事業について、適正なサービス量をどうしていくかという論点としてはどうかというところです。

 申し上げた1~5の範囲である程度の議論はできるかと思いますけれども、「6.その他」ということで、そういった中で新たな論点が発生した場合には、この6番で包含し、今後、検討チームの中で話し合いが持たれると考えております。

 説明は以上でございます。

○内山障害福祉課長 今、御説明いたしましたように、論点として「6.その他」も含めまして6点を挙げさせていただいてございます。これにつきまして、御質問、御意見等があれば、アドバイザーの方からお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 井出さん、お願いいたします。

○井出アドバイザー ありがとうございました。

 私は、この資料2を拝見して、この主な論点の1~5番、もしほかのものが出てくれば6番ということで、私は基本的にはこの流れで結構だと思っています。

 一貫して私の場合は5です。いわゆる制度を保つのにどうするかという流れの中で、論点1~5の中にも、質の向上という中で、その良否というのか、向上の是非によっては、ある意味のマイナスと言うと怒られてしまいますけれども、評価をしていくという流れの中でも、メリハリという言葉もありますけれども、特に私の場合は、できる限り先程のいろいろな御意見があったものを反映させたいという思いの裏腹に、そういう制度をどうするかということをこの論点の中で考えさせていただきたいと思います。各サービスの論点は、これから次回以降ということになるので、またその場で御意見させていただければありがたいと思っています。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 野沢さん、お願いいたします。

○野沢アドバイザー 論点1のところなのですけれども、重度と高齢の障害者、これは本当にどこへ行ってもいろいろなことを聞きますし、見せていただいて切実だと思うのですけれども、具体的に重度障害者というのはどういう人たちか、その像ですね。あとはどのぐらいのボリュームでどういうサービスを今は利用しているのかみたいな基本的なデータがあるといいと思うのです。その人たちにとって何が今はサービスとして欠けているのかとか、ニーズですね。どういうサービスを求められているのか。その辺りのまとまった重度障害者・高齢の障害者に絞ったデータが欲しいなどと思っています。

 3番のところ、地域生活移行支援なのですけれども、先程もちょっと言いましたけれども、経営する側、法人側から見て、入所からグループホームあるいは地域へのサービスに移行していく、うまくいったモデルみたいな、経営のモデルみたいなものはどこかにないのかなと思っているのです。つまり、どのようにすれば、利用者本位といいますか、地域移行が進むのだろうかということを提示できると、随分今後は違ってくるのではないかと思いました。我々の側も、我々というより私の側にないものですから、思いついたことを単発で言っているだけなのですけれども、まとまった経営モデルみたいなものが頭の中に入ると、いろいろな部分で見えるものが違ってくるのかななどということを思うのです。あまり見たことがないのですけれども、どこかにそういうものがあればいいなと思って、発言させてもらいました。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 上條さん、いかがでしょうか。

○上條アドバイザー 論点の1にも3にも出てくるのですけれども、地域生活支援拠点の整備促進というところに関して、地域生活支援拠点が拠点型と面的整備というところが示されているところなのですが、どういう取組をしていくかという方向性もそうなのですが、何かをやろうと思った時に、なかなか自治体が予算的にも厳しいというところがあるので、例えば、コーディネーターを配置するといったところに対して、何らかの使えるものがあるといいなということがありますし、ただ形だけ整備すればということであればあってもなくてもいいようなものになってしまうので、どういうことをこの地域生活支援拠点の中でできるのかといったところ、イメージを各自治体も持てるようなもの、今回の議論の中でそれがどこまでできるのかというのは分かりませんけれども、そんなことを思っています。

 いずれにしろ、いろいろな事業者さんと話をする時に、人の確保が非常に厳しくなっているというのがありますので、先程言った資格みたいな話というのは、職員の報酬、賃金だけではないやりがいみたいなところがかつてはあったはずだと思いますし、今、大変だという中で、賃金以外にやりがいを持てるような、現場が元気になれるような、そういったものが今回の議論を通して発信したいなどということを思っております。論点に直接関わってくるところではないかもしれませんが、1つ、そんな感想を持ちました。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 二神さん、お願いします。

○二神アドバイザー ありがとうございました。

 論点ですと4番目の就労支援に関連するところの報酬の見直しということで、おっしゃるとおり、私も先程申し上げたとおり、実績、特に一般就労への移行実績や工賃の実績に応じた報酬体系というのは重要だと思いました。あとはヒアリングの中で、就労系の団体さんに御質問させていただいたのですけれども、障害のある方も生きがいや働きがいを持ってもらいたいし、そういった人たちも含めた共生社会をつくっていくためには、そのスキルや職業訓練というのも重要なのではないかということです。職業訓練プログラムみたいなものがあるのでしょうかとお伺いした時に、非常に簡単なプログラムのことは教えていただいたのですが、これをもう少し充実させていくことが非常に重要なのかなと、障害のある方が体系的にしっかりとしたスキルを身に付けることも重要なのかなと思いました。

 海外なのですけれども、例えば、ドイツの企業の場合なのですが、障害のある人のコンピテンシーやスキルというものと実際に求められる仕事のコンピテンシーをうまく照合して、人間工学的な分析をしたりして科学的にうまく照合して、そのための教育訓練プログラムをつくっています。国内だと、外資系の企業なのですけれども、ストレングスファインダーということで、障害のある方の強みみたいなものを科学的に分析して、それに見合った仕事をさせるようなプログラムがあったりします。したがってもう少し科学的というか、体系的なプログラムや、教育プログラム、職業訓練のようなものをつくっているような事業所には、例えば、報酬を加算するなどというようなことも、あまりそういう意見はヒアリングを聞いても出てこなかったのですけれども、そういうことができると、長期的には非常にいいのではないかということを1つ思いました。

 5つ目の論点に関連して、持続可能性ということで、これもこの検討チームの大きなテーマだったと思うのですけれども、これに関連しても、私は就労系の団体さんに就労系に関しては高い工賃を実現するというのが重要なので、そのためには福祉作業所であっても提供するサービスに市場性を持たせるとか経営的視点が大事なのではないですかということを質問した時に、お答えとしては、もちろん優先調達の話はあったのですけれども、それ以外に伺って興味深かったのは、地域企業との連携という話があったので、なるべくサービスや製品に市場性を持たせるような工夫とか、そういうことをすることで福祉サービスも持続可能性を見出していく。そういう試みも、地域の連携や地元企業との連携なども、今後、検討すると非常によいかなと思いました。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 それでは、平野さん、お願いします。

○平野アドバイザー 基本的に今回の主な論点についてはこれでよろしいと思うのですけれども、いろいろ現場と話をすると、論点の1のところで重度化、障害の重複化というものもあるのですけれども、聞いていると、当事者の人たちが地域に行くことが怖いと言っていることが多いのです。今、地域移行と私どもは言っていて、これは間違いない方向だと思うのですけれども、その当事者である重度の障害者の当事者とか、精神などは特に話をすると地域が怖いと。なぜ怖いかと言ったら、地域が認めてくれるかという問題もあるのですけれども、サービスが保障されるのかと。ぷつっと切れてしまったら、はしごを外された感じになってしまうという不安があるというのをよく言うのですね。そういう意味で、施設はある意味では安定しているわけですね。そこにいればサービスが受けられる。そういうのもあって、特に重い人の場合、正直、地域に行けと言っても難しい現状があると思うのですね。

 ですから、これからどうするかということを考えた時に、イソップの北風と太陽ではないのですけれども、施設のほうを叩いて出せ出せと言っても、利用者の人たちは怖いと思うのですね。地域でちゃんと暮らせるのですよ、地域で保障があるのですよという、太陽政策というのですかね。追い出すよりもきちんと地域に出たら安心して受け入れますよという方向にしていかないと、これから厳しいのかなと。

 特に精神の方などが言うのは、病院を出たのはいいのだけれども、結局、自分の家に閉じこもって終わってしまうのではないか、そこからどう出かけるのか、それがないとまた病院に戻せないという不安も、そういう地域に出ることの魅力とか、安心して出られますよということは発信していかないと、当事者たちが出ようという気にならないのではないかというところを、今回のメッセージとして併せて出していくことが必要かと思っています。特に重い人の場合には、本人に出たいという意欲がないと、支える側もかなり厳しいですね。

 もう一つは、この間のいろいろな声を聞いていると、しっかりやっているところ、イコール、報酬的にちゃんと入ってくるかというと、イコールではない。しっかりやっているのだけれども、その報酬と制度がうまくかみ合わなくてなかなか入ってこない。一方で、そこそこでやっているのだけれども、制度をうまく使って収入は入ってきてやっているという、このミスマッチがかなり現場のほうからあって、さっき野沢さんから出されたのですが、そういう評価の問題なのですけれども、しっかりやっているところにちゃんと行くように、そういう意味で、私もメリハリというのはあっていいなと思います。

 3番目なのですけれども、重度・高齢の方というのに対応するのもそのとおりだと思うのですけれども、一方で、現場、福祉事務所でそのように聞くと、一方で、手がかかっているのは意外と軽度者なのですね。軽度であまり手がかからないでたまにしか行かないと、それはいろいろ問題を起こしている。この前、ある事務所に行ったら、グループホームでアパートに暮らしているのだけれども、ごみの出し方、ごみを出す日の分別とか、これがうまくいかなくて、地域の方とコンフリクトを起こしてしまっている。それで、またグループホームに戻ってしまったとか、軽度は軽度なりの援助もあるので、そういう意味では、せっかく自立生活援助ですとか、就労支援ですとか、生活面に重点を置いたメニューができたというのはすごくいいことだと思うのですけれども、こういうものをうまく使ってそういう軽度の人たちが円滑に社会生活ができるような、そういうところも目を向けていくというのが必要かなと、その辺を考えていきたいと思います。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 千把さん、いかがでしょうか。

○千把アドバイザー 私のほうからですと、まず、4番目なのですけれども、就労支援の関係なのですが、私どもの杉戸町では、平成27年は就労継続支援A型が増えたのですね。これから9月議会で昨年の決算の数字が出たのですが、今度は就労移行支援がぐっと伸びてきているのです。デスクのほうから見ていますと、事業所の評価はかなりばらつきがある。そういったところでこの点はかなり注視していきたいなという気がしております。

 それから、井出先生からもお話がありましたが、5番目、最初の時から申し上げておりますが、中小自治体にとりましては非常に予算が厳しい。この厳しい予算をいかにうまく効果的に使っていくか。平野先生もおっしゃっていましたけれども、頑張っているところにお渡ししたい。予算をそういったところに使っていきたいという気持ちが非常に強くございます。ですから、その評価をどうやっていくのか、そういったシステムも考えなければいけないなというのはつくづく感じております。

 以上でございます。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。

 それでは、野沢さん、お願いいたします。

○野沢アドバイザー 言い忘れていたことがあるのですけれども、この間、サービスが非常に増えてきたというのはあるのですが、もう一つは事業所の数が増えてきたのですね。新しいところもどんどん出てきて、どこで誰がやっているか、どういう人たちがやっているのか分からないものも結構あったりなどして、今、問題になっているのですが、この間も岡山や愛知で就労継続支援A型の事業所が突然閉鎖して、障害者の方が行き場がなくなってしまっているみたいな問題がある。これはよく言われている就労継続支援A型のいろいろな問題で、この春に厚労省がいろいろ要件を厳しくした。こういうよくないところが淘汰されていいところに移っていく、これはいいと思うのです。流動性が高まることは必ずしも私は悪くないと思っているのですけれども、障害者サイドにすると、ある日突然自分のかかるところがなくなってしまう。また違う環境のところに行ってやらなければいけない。一般の人でも大変なのに、精神の方もそうですけれども、そういう環境に過敏性のある自閉の人だったら結構大変かなと思うのです。

 これからいろいろな選択肢があって、いろいろ変われる、流動性が高いということはずっと求めていかなければいけないと思うのですが、その一方で、そういう時に放り出されないような地域の中でのコーディネートをする機能がもっと高くないと安心できないと思うのです。

 これは相談支援や自立支援協議会とかがそういう役割を果たすのかなと思うのですけれども、こういうところに繋がってこないで、簡単に利益だけ追求して、だめだったらぱっと手を引いていくみたいな、こういう事業所を淘汰していく仕組みですね。資格要件というか、何と言うのでしょうかね。それと、いい事業所を育てていくという仕組み、もう一つは、事業の所管のコーディネートをもっともっとうまくやれる状況をつくっていくみたいなことを考えてもいいのかなと思っております。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。

 それでは、本日、御説明させていただきました資料1のような意見を踏まえながら、また、資料2でお示しさせていただいたような論点を見据えながら、今後、各論点、各サービスごとに議論を深めていただければと思っております。

 次回の検討チームの具体的な日時については追って連絡をさせていただきますが、今日の会議はこれをもちまして閉会させていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

 それでは、本日は、お忙しい中、長時間にわたりどうもありがとうございました。次回以降、また各論点、各サービスについての議論をよろしくお願いしたいと思います。

 これをもちまして、第7回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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