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2017年9月25日 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第20回) 議事録

○日時

平成29年9月1日(金)15:00~17:00


○場所

厚生労働省共用第8会議室(20階)


○議事

○田中難病対策課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから「第20回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」を開催いたします。委員の皆様にはお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。前回の指定難病検討委員会以降、事務局の職員に異動がございましたので御紹介申し上げます。711日付けで、健康局長に着任いたしました福田でございます。

○福田健康局長 福田と申します。よろしくお願いいたします。

○田中難病対策課長補佐 同日付けで、健康局難病対策課課長に着任いたしました川野でございます。

○川野難病対策課長 川野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中難病対策課長補佐 81日付けで、健康局難病対策課課長補佐に着任いたしました田中でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 委員会開催に際し、福田健康局長より御挨拶申し上げます。

○福田健康局長 福田でございます。改めましてどうぞよろしくお願いいたします。委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、お集りいただきまして誠にありがとうございます。また日頃より難病対策をはじめといたしまして、健康行政全般にわたりまして御指導また御鞭撻を頂いておりますことに、この場を借りましてまず深く感謝申し上げたいと思います。

 先生方には、釈迦に説法ですけれども、難病対策につきましては平成2711日から、難病の患者に対する医療等に関する法律、こちらが施行されておりまして、新しい医療費助成制度が開始されているところでございます。このいわゆる難病法に基づきます医療費助成制度の対象となっている疾患につきましては、昨年の当委員会におきます御審議の結果、新たに24疾病を追加いたしまして、本年4月から、合計330疾病を指定難病として、医療費助成の対象としているところでございます。

 本日より、新たに医療費助成の対象として指定する疾病の検討及び既存の指定難病の支給認定に関わる基準の見直しにつきまして、検討、再び御議論いただきたいというようにお願いしているところです。今回は、平成28年度及び平成29年度の難治性疾患政策研究班の成果として情報提供のありました疾病、及び小児慢性特定疾病のうち日本小児科学会から御要望を行っていただいた疾病を対象として、御検討いただくことといたしております。本日も活発な御議論を賜りますよう、改めましてお願いを申し上げ、冒頭に当たりましての挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中難病対策課長補佐 本日の出席状況について報告いたします。千葉委員と錦織委員より、御欠席の連絡を頂いております。

 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。以後の議事進行につきましては、水澤委員長にお願いいたします。

○水澤委員長 それでは、以降の進行を担当させていただきます。まず、資料の御確認、事務局からよろしくお願いいたします。

○田中難病対策課長補佐 資料の確認をさせていただきます。資料4枚目、資料1-1は研究班や関係学会から情報提供のあった疾病の一覧表です。全部で61の疾病についての表になっております。続いて、資料1-2は資料1-1を疾患群別に一覧表にしたものです。続いて、参考資料1は今後の指定難病の選定に関する検討の進め方について、これは第19回の指定難病検討委員会で配布された資料になります。続きまして、参考資料2は指定難病の要件について、こちらは第14回指定難病検討委員会で配布されたものです。参考資料3として、平成27年度における指定難病検討委員会の検討において、指定難病の要件を満たしていないと判断された疾病の一覧、また参考資料4として、平成28年度における指定難病検討委員会の検討において、指定難病の要件を満たしていないと判断された疾病の一覧です。最後に、参考資料5として、厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会の設置について、の資料を配布しております。また、今回の疾病の個票につきましては、机上資料として、先生方の机の上に配布させていただいておりますので、必要に応じて御参照いただければと思います。資料につきまして、欠落などございましたら事務局までお知らせください。

○水澤委員長 資料はよろしいでしょうか。先ほど福田局長からもお話がありましたが、本日は指定難病の平成30年度実施分といたしまして、この指定難病検討委員会におきまして検討する疾病などについて、委員の皆様に御議論いただくということです。進め方等について、事務局から御説明をお願いします。

○片倉難病対策課長補佐 本委員会で御検討いただく疾病の説明の前に、確認事項として、参考資料1、参考資料2について、簡単に説明させていただきます。まず、参考資料1です。これは前回、第19回の指定難病委員会で提示させていただいた指定難病の募集についての説明です。1ページ目、今後の指定難病に係る検討に向けた整理についてです。これら14の事項を受けまして、平成30年度実施分における検討の進め方として、今回はチェックリストを策定し、また研究班や関係学会で情報が整理された疾病を検討対象としました。

2ページ目です。平成30年度実施分では研究班から情報提供を頂きました。また小児慢性特定疾病については、小児科学会が、指定難病の検討に資する情報が整理されたと判断した上で、研究班や関係学会からの情報提供をお願いいたしました。またその他にあるように、今回の検討対象とならなかった疾病について今後研究を支援することについては、これまでと変更はございません。

3ページ目、指定難病の検討の進め方については、指定難病検討委員会において各要件の検討を行う等の原則に変更はございません。

 続きまして、参考資料2、指定難病の要件について、こちらも簡単に説明させていただきます。1ページ目、難病の定義です。難病に関しては疾病の発病の機構が明らかではなく、治療法が確立していない希少な疾病であって、長期の療養を必要とするものということです。この難病に関して、患者数による限定を行わず、他の施策体系が樹立されていない疾病を広く対象として、調査研究・患者支援を推進するということになっています。その中で、この指定難病が医療費助成の対象となりますが、それについては、良質かつ適切な医療の確保を図る必要が高いものとして、そこの下にありますが、患者数が本邦において一定の人数に達していないこと、客観的な診断基準又はそれに準ずるものが確立していること、この要件を満たすものについて、指定難病の議論をしていただくという形になっております。2ページ以降はそれぞれの要件についての補足になりますので御参照いただければと思います。

 続きまして、研究班や関係学会から情報提供のあった疾病について説明いたします。資料1-1は、参考資料1にある手順にのっとって今回提出された61疾病の五十音順の一覧となっています。資料1-2は、これらの61疾患を疾患群別に入れ替えております。そのためこちらの資料に基づいて説明させていただきます。まず、神経・筋疾患に分かれます9つの疾患についてです。上から、「CDKL5遺伝子関連てんかん」、これは今年度初めて提出されてきました。「異形成性腫瘍」は、平成27年度、28年度ともA、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たしていないと考えられ、選定外となっております。「欠神を伴う眼瞼ミオクローヌス」は、今年度初めて提出されました。「自己免疫介在性脳炎・脳症」は、28年度判定はA、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たしていないと考えられました。「視床下部過誤腫症候群」は、27年度判定、28年度判定ともA、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たしていないと考えられました。「多発性海綿状血管奇形に由来するてんかん」は、今年度初めて提出されております。「ジュベール症候群関連疾患」は、27年度判定はE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられ、選定外でした。28年度は提出されておりませんでした。「特発性正常圧水頭症」は、27年度、28年度判定ともD、「患者数が本邦において一定の人数に達しない」との要件を満たしていないということで、選定外となっております。「脳クレアチン欠乏症候群」は、28年度E、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと判断されました。

 続きまして、皮膚・結合組織疾患の8つの疾患について説明いたします。「ウェーバークリスチャン症候群」、こちらはE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと昨年度判断されました。「家族性化膿性汗腺炎」は、昨年度C、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないとのことで選定外でした。昨年度、こちらは化膿性汗腺炎の疾病名で提出されておりました。「掌蹠角化症症候群」は、昨年度、一昨年度と掌蹠角化症として提出されておりました。いずれもE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。「乾癬性関節炎」は、28年度E、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと判断されました。「限局性強皮症」は、28年度C、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないとの判断でした。「硬化性萎縮性苔癬」は、27年度、28年度ともE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。「好酸球性筋膜炎」もEの要件で、27年度、28年度選定外となっております。「無汗(低汗)性外胚葉形成不全症」は、今年度初めて提出されております。

 続きまして、免疫系疾患に移ります。「A20ハプロ不全症(A20異常症)」は、今年度初めて提出されております。「関節型若年性特発性関節炎」は、昨年度E、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。「慢性活動性EBウイルス感染症」は、27年度Eの判定で、28年度にはA、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たしていないと考えられました。

 続きまして、循環器系疾患、2疾患です。「カテコラミン誘発多形性心室頻拍」は、27年度、28年度ともC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されました。「催不整脈性右室心筋症」は、昨年度は不整脈源性右室心筋症として提出され、C、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。

 次に、血液系疾患、8つになります。まず、「Erdheim-Chester病」は、昨年度E、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられます。「特発性多中心性キャッスルマン病」は、昨年度キャッスルマン病として提出されておりますが、その際にはE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。「TAFRO症候群」も昨年度はE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。次の4つです。「グルコース-6-リン酸脱水素酵素異常症」、「口唇赤血球症」、「ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血」、「不安定ヘモグロビン症」、こちらは27年度にはE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと判断されております。また28年度には提出されておりませんでした。「自己免疫性後天性凝固第V/5因子欠乏症」は、今年度初めて提出されております。

 続きまして、腎疾患の3つです。「先天性腎尿路異常(CAKUT)」は、昨年度E、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。「ネフロン癆」は、27年度、28年度ともEの要件を満たしていないとの判断でした。「バーター症候群/ギッテルマン症候群」は、27年度バーター症候群とギッテルマン症候群、別々に申請となっております。また27年度、28年度ともE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられ、選定外となっています。

 次に骨・関節系の疾患で、「ラーセン症候群」が提出されております。こちらは28年度C、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断され、選定外でした。

 続きまして、内分泌系疾患の4つです。「インスリン抵抗症(インスリン受容体異常症)A型」は、昨年度インスリン受容体異常症として提出されておりました。E、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たさないと判断されています。「ターナー症候群」、27年度、28年度ともC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されました。「多嚢胞性卵巣症候群」は、今年度初めての提出になります。「マッキューン・オルブライト症候群」は、27年度はE判定、28年度がA、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たしていないと考えられ、選定外となっています。

 次に、代謝性疾患の7つです。「高メチオニン血症」、27年度はE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。28年度はC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症」、昨年度C、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「3-ヒドロキシ-3メチルグルタリルCoAリアーゼ欠損症」、こちらも「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されました。「シスチン尿症」は、27年度E、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと判断され、昨年度28年度はC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症」、27年度、28年度ともC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「ホモシスチン尿症」は、28年度判定はC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないとの判断でした。「メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症」は、27年度判定はEでしたが、28年度判定はC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。

 次に呼吸器系疾患です。「先天性声門下狭窄症」は、昨年度は声門下狭窄症として提出され、28年度判定はE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと判断されました。「先天性膿疱性肺疾患」は、27年度28年度ともE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと判断されました。

 次に消化器系疾患の12です。「Cowden症候群」、「Peutz-Jeghers症候群」、「家族性腺腫性ポリポーシス」、「若年性ポリポーシス」、これらはいずれもA、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たしていないと考えられ、選定外となっています。「カロリ病」は、昨年度「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと、Eの判定でした。「肝外門脈閉塞症」もEの「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」の要件を満たしていないと考えられました。「進行性家族性肝内胆汁うっ滞症」、27年度E判定、28年度はCの「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「先天性胆道拡張症」は、27年度、28年度ともC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「クリグラー・ナジャー症候群」は、27年度がE28年度がC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「周期性嘔吐症候群」は、昨年度Eの「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと判断されました。「先天性胆汁酸代謝異常症」、こちらも28年度はE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。「短腸症」も28年度判定はE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられました。

 次に、視覚系疾患、「膠様滴状角膜ジストロフィ」は、Cの「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されています。「メニエール病」は、27年度判定がC、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断され、28年度はE、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」との要件を満たしていないと考えられ、選定外となっています。以上になります。

○水澤委員長 ありがとうございました。一通り疾患群別に御説明いただきました。新しいものも幾つかあるのですが、かつて提出されて、それぞれの理由で選ばれなかったものが来ております。今日は、この一つ一つを詳しく議論するというよりは、こういう疾患を検討の対象にするということの御議論ですので、そういう観点で御意見、御質問がありましたら、是非お願いしたいと思います。

○田中難病対策課長補佐 申し訳ありません。事務局から補足をさせていただきます。今、AEの要件について御説明申し上げましたが、先ほどの参考資料34に表が出ておりますので、御参照いただきたいという点と、平成28年に関しましては、「提出資料から十分な情報が得られないもの」というのも、指定を見送る理由とさせていただいております。また、「発病の機構が明らかでない」、Aという要件の中には、「他の施策体系が樹立している疾患を含む」という理由も含まれていることを追加させていただきます。今、AEについての理由を御説明させていただきましたが、これは主な理由でして、1つの疾患で理由が2つ以上あるものに関しましては、主な理由を採用させていただいているという点を付け加えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○水澤委員長 今の点は、我々がこれまでずっと寄ってきた基準ですので、特に御異論はないかと思いますが、再確認だったと思います。どうですか、疾患群ごとに多少まとめてお話をしたほうがいいですか。今のお話の点ですが、例えば最初の神経と筋肉の所で2番目くらいでしょうか、「腫瘍」という言葉があります。4つ目ですが、「脳炎」といった言葉があって、この「炎症」とか「腫瘍」といったものは、そういう施策体系が別にあるという考え方がありますが、そういうものも入ってくる、ここに含まれてきているということがあります。

 私から確認ですが、今お話がありましたように、前には、例えば診断基準等、それが不十分で、書類が不十分で却下されたものがあったというお話だったのですが、今回、これは一応そろっているということでよろしいでしょうか。

○田中難病対策課長補佐 そのような認識で結構です。

○水澤委員長 では、宮坂先生、どうぞお願いします。

○宮坂委員 今、委員長が言われた腫瘍を除くというのは、他の施策体系があるからいいと思うのですが、炎症は非常に広いですから。

○水澤委員長 感染ですね。

○宮坂委員 そうですよね、感染ですよね。分かりました。

○水澤委員長 炎症全部というわけではなくて、これは自己免疫疾患がたくさん入っていますので、そういう意味ではなくて、少し説明が足らなかったかもしれませんね。感染ということで、原因がはっきりしている炎症でしょうかね。

 ほかにはどうでしょうか。いかがでしょう。よろしいですか。再確認みたいな感じになりますが。ここに挙がってきているものでは、特に御議論がないですか。あと、急性・慢性がありますね。急性疾患、「長期の療養を必要とする」という観点で、急性の疾患が一般的には含まれにくいということかと思いますし、私の記憶では、神経ではギラン・バレー症候群が外れて、慢性のCIDPは残っているといったことがあったかと思います。そういう観点もあるかということが1つあります。

 あとは、難病というとなかなか治らないという部分がもちろん定義にも入っているのですが、どのような病気でも重症型というのは大体ありますので、そういうものは、もちろん治りにくいわけですが、難病ではその疾患群が全体として治りにくいといった観点が含まれているかとは思うのですが、そういう点についてはどうですか。事務局としては何かお考えはありますか。

○田中難病対策課長補佐 長期の療養のところに関しましては、生活面への支障が生じない疾病というものについては、該当しないと1つ基準を定めているのと、今、先生から御指摘のありました全ての疾患、やはり重症型がありますが、これのみを切り取って難病として指定をすることは認めないという方向で、今まで御議論をしていただいているという認識です。

○水澤委員長 ありがとうございます。そのほかどうでしょう。

○直江委員 全体的なことですが、E判定は情報が少ないということなので、改めて出されれば、ここできちんと検討はできると思いますし、そこはいいと思うのです。ほかのE以外のもので、例えばCとか、Aとかという判定になったもので、今回また出てきている。もちろん中にはもう一回検討したほうがいいと思う疾患も含まれていると思うのですが、今後のことを考えますと、学会とか研究班にフィードバックしていて、それでもなおかつリベンジといいますか出てきているということは、そこは何か新しい情報、そういうものが新しくなっていると、だから、もう一回検討してくれという理解でよろしいですか。

○田中難病対策課長補佐 世界で新しい知見が出たとか、そういったものについて新たに検討することにしております。前回とほぼ同じようなものについては研究者に確認をさせていただいて、それでも今回やはり申請をと、もう一度議論をということであれば、一部申請を受け付けているものもあります。ただ、研究者の先生方には、前回の理由については説明を申し上げ、その上で何か変わった点がないかということも併せてお願いをしているところですので、今後もそのような形で進めていきたいと考えております。

○水澤委員長 そうすると、これまでかなりいろいろなものが入っておりましたが、より効率よくきちんとディスカッションできると考えてよろしいわけですね。

○田中難病対策課長補佐 今回は一定の整理を終えたものということで出していただいている、という御認識でいていただければと思います。

○水澤委員長 ありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。進め方ということで、少し漠然としているかもしれませんが、よろしいでしょうか。そうしましたら、皆さんには大体御認識いただいたと思います。今、御説明いただいた議題を含めてですが、全体としてどういう観点でも結構ですが、御議論はありますか。

○大澤委員 ついていけてないかもしれないのですが、前回、腫瘍が根底にある場合には省くということになっていて、神経・筋疾患の上から2番目の異形成性腫瘍と上から5番目の視床下部過誤腫症候群、これについては、腫瘍があるから駄目というか別の救い手があるので、そちらにお願いするということで、この難病では取り扱わないということになっていたかと思うのですが、それが今回また挙がってきているのは、事務局で必ずしも腫瘍は取り除かなくてもいいというお考えがあって挙がってきているということでしょうか。

○田中難病対策課長補佐 参考資料24ページ、「指定難病の要件について」の中の「補足2がんについて」というページの中に、「髄膜又は脳、脊髄、脳神経、その他の中枢神経系に発生した腫瘍」は除くとされてはいるのですが、その中に視床下部については言及がされていないのではないかということで、研究班から再度検討いただきたいということで、今回申請を頂いております。過誤腫だということで、腫瘍と過誤腫の違いについても併せて御議論いただきたいということです。

○大澤委員 分かりました。個人的には認めていただきたいと思っているのですが、ありがとうございました。

○水澤委員長 あと、確か記憶では腫瘍という名前は付いているのですが、もちろんそれは良性で、形成異常のようなものであって、実質は腫瘍ではないという御説明が、ほかの疾患だったかもしれませんがあって、ある種のものは議論する余地はあるのかもしれないと思っております。ありがとうございます。そのほかはどうでしょうか。病名だけでパッと決められると、すごく楽でいいと思うのですが、やはり中身を見ていただくことになろうかと思います。そうしますと、全体的な進め方等についてもよろしいでしょうか。かなり早く進んできたという感じがするのですが。

○直江委員 今の大澤委員の腫瘍の件ですが、これは厚労省の中でもがん対策室とのすり合わせで、そういう切り分けでいいということで、厚労省の中では一応話は済んでいるということでいいのでしょうか。つまり、こちらは「そちらでこういうふうに施策体系があるものは除く」というのですが、両方ともそう思い込んでいて、実はどちらにも引っ掛かっていなかったとなると、患者さんは困ると思うのです。そうなので、これはどちらかというと、本当に腫瘍かどうかという生物学的な話よりは、政策的にそこはカバーしていますということの整理なので、医学専門家が幾ら考えても議論がかみ合わないかもしれないと思います。そこは、事務局からこれはこういう整理ですという新しい何かがないと、話が前になかなか進まないかと。

 あと、消化器がんも結構出てきていますよね、先天性の腫瘍というのが。今回また出てきているので、前回と同じ話の蒸し返しにならない何かの工夫が必要ではないかという感じで申し上げました。よろしくお願いします。

○田中難病対策課長補佐 頂いた御意見を踏まえて、関係課とも調整をして御説明できるようにさせていただきたいと思います。

○飯野委員 1つ確認ですが、新しく出てきた疾患が幾つかあるのですが、これは新しい研究班ができて、今回新しく資料ができたという意味なのか、それとも以前からあった研究班で、今回初めてということなのか、どう捉えたらよろしいですか、お教えください。

○福井難病対策課長補佐 今、全てかどうかは、はっきりしないのですが、もともとあった研究班に新たに情報をおまとめいただいたケースが多いように思います。

○飯野委員 分かりました。

○水澤委員長 ここはよろしいですか。これはなかなか難しい問題ですよね。非常にボーダーライン的なものとか、両方のカテゴリーに掛かってくるものとか。今の資料についても、希少がんで遺伝性の腫瘍とか、そういったものについては、恐らくかなり前ですが難病という認定があったものがあったと思いますし、これは感染といったものについてもありますし、その疾患の本体はこちらで議論をして、これはお認めしようというのがあっていいようには思いますので、ここではそういう医学的な側面の議論を主にやり、行政的な棲み分けについては、厚労省にきちっとやっていただいておくと、こういう切り分けになるかと思いますので、よろしくお願いします。ほかにはいかがですか。よろしいですか。和田先生、大丈夫でしょうか。そうしましたら、よろしいということですので、あとは事務局で御説明がありますか。

○田中難病対策課長補佐 予定より議論が早く進んだようですが、本日は来年度に追加する指定難病の検討対象として、本委員会で審議をしていただく疾病について、事務局から説明をし、フリーディスカッションという形で御議論を頂きました。次回は、指定難病の要件を満たすかどうか、疾病ごとに個別に審議をしていただきたいと思います。議論の性質上、これらの議論を公開で行った場合、公平・公正・中立な議論に影響を及ぼし、委員の皆様の率直な御意見の交換や活発な御議論に支障を来す可能性があるため、次回は非公開の開催とさせていただければと思います。

○水澤委員長 今、御提案がありましたが、次回は非公開で徹底的に議論するということかと思いますが、よろしいでしょうか。よろしいということのように思います。

○田中難病対策課長補佐 それでは、次回、第21回の指定難病検討委員会の日程ですが、決定し次第、御案内を申し上げます。事務局からは以上です。

○水澤委員長 それでは、今日は少し早いのですが、皆さんの御協力で非常にスムーズに進みました。これにて委員会を終わります。どうもありがとうございました。


(了)

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