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2017年9月6日 第107回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成29年9月6日(水)17:00〜


○場所

厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

委員(五十音順、敬称略)

青木 健、明石 祐二、勝野 圭司、熊崎 美枝子、栗林 正巳、袈裟丸 暢子、佐保 昌一、城内 博、
土橋 律、中澤 善美、中村 節雄、縄野 徳弘、増田 将史、三柴 丈典、水田 勇司、村上 陽子、
最川 隆由、矢内 美雪、山口 直人

事務局:

田中 誠二 (安全衛生部長)
久知良 俊二 (計画課長)
井上 仁 (安全課長)
神ノ田 昌博 (労働衛生課長)
毛利 正 (産業保健支援室長)
奥村 伸人 (化学物質対策課長)
藤枝 茂 (労働条件政策課長)

○議題

(1)産業医・産業保健機能の強化等に関する法整備等について
(2)その他

○議事

○土橋分科会長 それでは、ほぼ時間となりましたので、ただいまから第 107 回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。本日の出欠状況ですが、公益代表委員の高田委員、水島委員が欠席されております。それでは、傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等は、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いします。

 議題に入ります。議題1「産業医・産業保健機能の強化等に関する法整備等」について、まずは事務局から説明をお願いします。

○久知良計画課長 安全衛生部の計画課長の久知良でございます。それでは、私のほうから3月の働き方改革実行計画と、6月の労政審建議を踏まえた法案の検討の状況について説明させていただきます。本日、要綱という形では、まだお示しできておりません。これは、働き方改革に関わる様々な法案について、それを一本化して法案要綱としてまとめることを行おうとしているところですが、現在、本日の時点では、まとまった形で労政審のほうに諮問ができていないという状況ですので、本日法案の要綱という形ではお示しできておりません。ただ、安全衛生法等の改正に係る改正内容の部分につきましては、法制局等との調整も含め、ほぼ最終的なところまできておりますので、本日説明する内容は限りなく要綱に近い内容だと御理解いただいて結構かと思います。

 それでは、まず簡単に3月以降の経過から説明します。3月に働き方改革の実行計画がまとめられたところですが、この中に私どもの関係の「産業医・産業保健機能の強化について」という部分が盛り込まれたところです。これを受けまして、4月以降、非常に限られた時間の中で精力的な検討をいただきまして、6月6日に、この場で建議をまとめていただいたわけです。ここで改めて御礼を申し上げます。

 もう1つ、同じ時期に平行し、特に時間外労働の上限規制等についても働き方改革の実行計画を踏まえて労働条件分科会で御議論を頂き、6月5日に建議としてまとめられたところです。その建議につきましても、多くは労働基準法の改正を内容とするものですけれども、一部労働安全衛生法の改正、関係省令の改正に関わる部分がありましたので、6月6日に、この分科会においても関係部分を説明したところです。その後、この2つの建議を踏まえまして、私どもで法案の作成作業をやってまいりました。その過程におきまして一部、後ほど細かく説明しますが、特に安全衛生法の改正の中の情報の取扱いの部分につきまして、じん肺法にも「じん肺法に基づく健康診断」という制度がありますけれども、この部分について安全衛生法の健康診断と同様の規定を置かなければ相互に不均衡が生じてしまうということで、じん肺法についても安全衛生法の情報の取扱いと同様の規定を置くことが必要であるということで、本日は、安全衛生法と、じん肺法の一部の改正案ということで御説明申し上げることになった次第です。

 もう1つ、働き方改革の関係ということでは、働き方改革の実行計画の中でも、法制面での基本的な対応ということで後ほどまた説明しますが、それに対応する雇用対策法の改正という部分が働き方改革の中でも出てきています。この部分につきましては、主として職業安定分科会で御審議することになっているわけですけれども、個々の改正事項の中で、安全衛生分科会を含め、ほかの分科会に関わる部分も出てきておりますので、その部分については、それぞれの分科会でも法案要綱を正式に諮問した段階では、お諮りすることがございますので、本日、その関係も事前に説明したいと思います。

 それでは資料1、労働安全衛生法及び、じん肺法の一部改正案の概要(案)について説明申し上げます。この関係の参考資料として、参考資料1の産業医・産業保健機能の強化についての労政審の建議、それから参考資料2の時間外労働の上限規制等についての労政審建議を参照しながら説明しますので、これを隣に置いていただければと思います。まず資料1の1ページ、労働安全衛生法の一部改正の部分です。1の「新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する労働者に対する面接指導等の部分は、6月5日の時間外労働の上限規制等についての建議の内容に対応するものですので、参考資料2の関係から先に説明します。参考資料2の3ページの1の(2)のマル3です。これは、労働基準法の労働時間の上限規制の適用除外の部分を記載した部分ですが、この中で1つ目のポツとして、新技術、新商品等の研究開発の業務についての適用除外ということが書かれているわけです。ここまでは労働基準法の改正のものですけれども、2つ目のポツ以下については労働安全衛生法上の対応が必要となるわけです。この2つ目のポツにありますのは、新技術、新商品等の研究開発の業務に従事する労働者の健康確保措置として、1週間当たり 40 時間を超えて労働させた場合の、その超えた時間が1月当たり 100 時間を超えた者に対しては、医師による面接指導の実施を労働安全衛生法上義務付けるということです。この面接指導につきましては、申し出を前提としない 100 時間を超えた者については一律、面接指導を義務付けることを趣旨として書かれたものです。

 4ページを御覧ください。その関連ですが、面接指導の確実な履行を確保するという観点から、この義務違反に対しては罰則を科すことが適当であるとされております。また、面接指導の結果を踏まえた健康を保持するために必要な事後措置の実施についても、安全衛生法上義務付ける。これは現在の現行の面接指導についても、事後措置の実施が義務付けられているものですが、この事後措置の内容に、代替休暇の付与を位置付けることが適当であるとされたところです。

 もう1箇所です。5ページ目の真ん中から下の部分です。3番として、長時間労働に対する健康確保措置ということで2つのことが書かれております。こちらにつきましては、(1)は医師による面接指導の部分です。これは過重な労働により脳・心臓疾患等の発症のリスクが高い状況にある労働者を見逃がさないために、労働者の健康管理を強化するという観点から、現行では、1週間当たり 40 時間を超えて労働させた場合については、その時間が1か月当たり 100 時間を超えた者から申出があった場合に面接指導を義務としているわけですが、この 100 時間という時間数を、省令の改正により、1か月当たり 80 時間超とすることが適当であるとされたところです。

 また、(2)労働時間の客観的な把握は、労働時間の把握については、客観的な方法、その他適切な方法によらなければならない旨を省令で規定することが適当であるとされたところです。

 今一度、資料1の1ページ目を御覧ください。これを踏まえ、1の(1)の部分が、正に先ほどの面接指導の 100 時間を超えた者について義務化するという部分です。(1)に書いている部分は法律で規定することを考えている部分です。

 その下の※が、省令で定めることを予定している部分です。以下、※に書かれているところについては、省令で定める事項であると御理解いただければと思います。(1)の所に、 100 時間超えの労働者については面接指導を実施すべきということを義務付けているということを書いています。

 (2)につきましては、建議で言及されている部分ではありませんが、現行の第 66 条の8の面接指導におきましても、労働者については、面接指導の受診義務がありますので、この並びで受診義務を規定するというものです。

 (3)につきましては、面接指導の結果の記録、医師の意見の聴取といった現行の面接指導の並びの規定、及び事後措置の部分ですが、例示として、就労場所の変更、職務内容の変更、有給休暇の付与、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じなければならないものとしているところです。このうちの有給休暇、年次有給休暇を除くという部分が、先ほどの建議での代替休暇の付与を位置付けたというところに対応するものです。その下の※2つにつきましては、先ほど申し上げました建議の中の省令で対応することになっている事項ということで、それを省令で定めるということを書いています。

 続きまして、2ページ、産業医・産業保健指導の評価の所を御覧ください。こちらは参考資料1の産業医・産業保健指導の評価に係る建議です。1つ目としてマル1産業医の活動環境の整備の(1)の部分ですが、これについては建議の4ページの2のアの(ア)を御覧ください。産業医が企業内で産業医学の専門的立場から、独立性を持って職務を行うことができるように、産業医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならないことを法令に明示することが適当であるとされています。

 関連して(イ)の所では、産業医が、知識・能力の維持向上に努めなければならないこととすることが適当であるとされたところです。これに対応するものとして、資料1の2ページの(1)の部分で、誠実にその職務を行わなければならないという部分は、法律で規定すると考えております。また、産業医が知識・能力の維事・向上に努めなければならないという旨は、※にありますように、省令で定めることを考えているところです。

 次に(2)ですが、建議の3ページの1のアの(イ)の部分です。こちらで産業医の勧告の実効性を確保するという観点から、1つには産業医が勧告を行う場合に、事前にその内容を示して、事業者から意見を求めること、それから、産業医から勧告を受けた事業者については、その内容を衛生委員会に報告をするということで、産業医の勧告が実質的に尊重されるようにしていくことが適当とされたところです。これに対応いたしまして、(2)の所で、まず法律で産業医の勧告を受けた場合に、その勧告の内容等について、衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければならないとものとするという規定を置こうとするものです。建議において、衛生委員会に報告とされたところですが、これを法律化していく場合に、衛生委員会を置いていない事業所で、衛生委員会の機能を安全衛生委員会が行っているという場合のことも規定しなければいけないということですので、ここは衛生委員会、安全衛生委員会を置いている場合は安全衛生委員会に報告をしなければならないということになっているものです。

 また1つ目の※にありますように、建議を踏まえまして、産業医が勧告しようとするときに、事業者の意見を求めなければならないという旨を省令で定めることにしているものです。

 2つ目の※につきましては、建議の5ページの3番の「その他」の冒頭の所にあるように、今回建議に掲げられている様々な措置の履行確保のために、産業医の勧告等につきましては事業者が記録をし、保存することが適当だとされています。これを踏まえ、省令において、勧告の内容を受けて講じる措置の内容を記録し、保存しなければならない旨を省令において定めるということにしたいと思います。

(3)と(4)はセットです。建議の3ページの1のウの(イ)を御覧ください。こちらは、労働者が産業医等に直接、健康相談ができる環境整備等の一環として、事業者が産業医等への健康相談の利用方法ですとか、産業医の役割、事業場における健康情報の取扱い方法について、各作業所の見やすい場所に掲示し、備え付ける、若しくは書面によって交付する、あるいは磁気テープ、磁気ディスク等の電子的な方法によって周知しなければいけないという部分に対応するものです。それに加えまして、5ページの「その他」の部分にもありますが、この2つ目の「その他」の中のパラグラフの中で、今回の一定の措置については、 50 人未満の事業場におきまして産業医に準ずる役割を行う医師等についての措置としても事業者の努力義務とすることが適当であるとされているものです。これを踏まえたものが資料1の(4)の部分です。(3)(4)におきましても、先ほどの建議に対応する部分を法令で定めるということです。更に、この※の1つ目、2つ目につきましても、先ほど申し上げた一定の事項について、厚生労働省が定めていますし、また2つ目の※につきましても、先ほど申し上げましたように、書面の交付以外でも、電子的な方法で、パソコンで、企業のイントラネットで周知するというような方法もできるということを、厚生労働省令で定めるということです。

 次に(5)です。これは建議の3ページの1のウの(ア)に対応する部分です。こちらも労働者が相談しやすいような体制を整備するという環境整備する観点からのものですが、労働者が産業医・産業保健スタッフに直接、健康相談できる仕組みなど、安心して健康相談を受けられる体制の整備に努めることとすることが適当であると建議においてされていることに対応するものです。また、先ほど「その他」の所にありましたように、この措置につきましても、従業員 50 人未満の事業場についても、努力義務として設置することが適当であるということとを受けまして、産業医、 13 条の2に規定するものによる労働者の健康管理等の適切な実施を図るために、そのような方々が労働者からの健康相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、その他の必要な措置を事業者が講ずるように努めなければならないという規定を法律に置くものです。

 その下の1つ目の※は、建議の4ページの2のアの(ウ)に対応するものです。ここで産業医の身分の安定性を担保して、職務の遂行の独立性・中立性を高めるという観点から、産業医が離任した場合には、事業主がその旨とその理由を衛生委員会に報告することとすることが適当だとされたところです。これに対応して、省令において事業者が産業医を解任したとき、又は産業医が辞任したときは、その旨とその理由を衛生委員会、また衛生委員会が置かれていないが安全衛生委員会が置かれている事業所においては、安全衛生委員会に報告をしなければならないという旨を省令で定めるものです。

 その次の※ですが、5ページの2のウの(ア)(イ)の部分に対応するところです。(ア)は、産業医が調査審議を求めることができることとすると、衛生委員会において調査審議を求めることができることとするということです。それから、産業医が衛生委員会に出席して、必要な発言等を積極的に行うということが書かれております。(イ)は、産業医について、現場の労働者等からの情報収集、事業者や作業主任者等に対する意見、危機的緊急事態での現場で作業する労働者等への指示など、産業医の権限について、より具体化・明確化することが適当であるとされています。この(ア)及び(イ)を受けまして、事業者が産業医に与えなければならない産業医の具体的な権限を厚生労働省令で例示をすることとするということです。

 続きまして、3ページです。マル2の産業医に対する情報提供等です。(1)は産業医に対する事業者からの情報提供の規定ですが、これは建議でいうと2つの場所を受けたものです。1つは2ページの1のアの(ア)です。こちらのほうでは、長時間労働者等への就業上の措置に対して、より的確に産業医が関与するための方策として、就業上の措置の内容を産業医が適切に把握することが必要だということです。したがいまして、事業者につきましては、産業医等からの意見を勘案して就業上の措置を行った場合はその内容を、行わなかった場合は行わなかった旨とその理由を情報提供しなければならないとされています。

 もう1つの箇所として、4ページの2のイです。産業医が、より効果的に活動するために必要な情報が提供される仕組みの整備です。ここに掲げられている「休憩時間を除き1週間当たり 40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり 80 時間を超えた労働者、つまり長時間働いた労働者の氏名、及び超えた時間に関する情報」、更には「労働者の健康管理のために必要となる、労働者の業務に関する情報」を提供する仕組みが必要だとされたところです。これを受けて(1)ですが、 50 人未満の事業場については(2)の形で努力義務として置くということです。※に、具体的に提供しなければならない情報を省令で定めていることが書かれていますが、これは先ほど申し上げた内容のものです。

 (3)以降は、情報の取扱いです。建議の3ページの1のイの(ア)の部分です。健康情報を事業場内の取扱いルールの明確化、適正化の推進ということで、事業者の健康情報の取扱いについての建議としていただいています。これを受けまして、(3)及び(4)の規定を置こうとするものです。(3)は、情報の取扱いの一般的なルールです。労働者の心身の状態に関する情報を収集し、保管し、使用するに当たりましては、労働者の健康の確保に必要な範囲内で労働者の心身の状態に関する情報を収集し、当該収集の目的の範囲内で保管しなければならないというものです。ただし、本人の同意がある場合、その他正当な事由がある場合については、この限りではないとするものです。

 (4)は、事業者が保有している情報について、適正に管理するために必要な措置を講じなければならないというものです。

 その後の(5)及び(6)については、建議の3ページの1のイの(イ)に対応するものです。建議におきまして、国は、事業場において労働者の健康状況に関する情報の適正な取扱いが図られるように、必要な事項を定める指針を公表することが適当であるとされています。これを踏まえ、(5)は、厚生労働大臣がこの事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るために、必要な指針を公表するという指針の根拠規定を法律に置くとするものです。また、指針を置くという規定に付随して、(6)では、指針を公表した場合において必要だと認めるときは、事業者等に対しまして、必要な指導等を行うことができるという規定を置くものです。

 その下の※ですが、これは先ほど御紹介申し上げた建議の5ページの3の「その他」の部分の一番最初に出てきているもので、様々な措置の履行確保のために、記録・保存することが適当だということに対応するものです。それに対応して、事業者が衛生委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容を記録して、これを保存しなければならないという旨を厚生労働省令で定めようとするものです。

 次の3番につきましては、労働時間のほうの建議の内容に戻りますが、そこで 100 時間を超えた場合の面接指導の義務付け、それに対応して履行確保のために罰則を設けるべきであるということにされたことに対応するものです。新たな技術の商品等の開発に係る業務に従事する労働者について、面接指導に係る罰則を課すというものです。

 4として、その他所要の規定の整備ということで、条文の調整等を行うというものです。

 4ページです。じん肺法の一部改正に係る部分です。こちらについては、内容を見ていただければ分かるとおり、先ほど安衛法の中にありましたように、情報の取扱いに関する同様の規定を置くものです。これも冒頭に申し上げましたけれども、安衛法に基づく健康診断等の情報の取扱いと、じん肺法に基づく健康診断に係る情報の取扱いで差異を設けることは適当ではないということで、じん肺法にも同様の規定を置くものです。そういう意味では、今回、じん肺法特有の何か固有の改正事項があるというわけではございません。以上が労働安全衛生法及び、じん肺法の一部改正案の概要です。

 もう1つ関連するものとして、資料2「働き方改革を推進するための雇用対策法の改正について」も説明させていただきます。現行の雇用対策法につきましては、その名のとおり、雇用対策の基本法という位置付けですので、職業の安定というものを目的として、雇用対策の基本的な事項について規定をしているものです。したがいまして、雇用対策法の改正については、職業安定分科会において審議をするということで、9月1日に職業安定分科会に、本日提出しております概要案が示され、審議が始まっているところです。ただし、この従来の職業の安定だけを目的とするというものから、今回の働き方改革の議論を踏まえて、もう少し広い働き方改革のための労働政策の総合的な推進をする基本的な法律としての位置づけを行うというものにするということです。

 関連する働き方改革の参考資料3として、今回提出させていただいております働き方改革の実行計画の中で、3ページです。ロードマップに基づく長期的かつ計画的な取組みということを記載されているところですが、働き方改革の実現に向けて、これを長期的かつ継続的に実行していくことが必要であるとされたところです。この基本的な考え方と進め方を示して、改革実現の道筋を確実にするために、法制面も含め、初期の目的の達成のための政策手段について検討するとされています。それに対応するものとして、今回の雇用対策法の改正があるということです。雇用対策法につきましては、従来、先ほど申し上げたような性質の法律ですので、私どもの政策分野と直接あまり重なることもありませんでしたし、この安全衛生分科会に雇用対策法の関係で、何かをお諮りしたり御報告したりということはなかったと思いますが、今回、この改正に伴いまして、法律自体に、職業の安定に加えまして、職業生活の充実といったようなことも目的として掲げられ、それに見合うものとして、これまで国の講ずる施策として、雇用対策法の中では、職業紹介ですとか、職業訓練、再就職の支援といった分野のものが、これまでは国の講ずべき施策として掲げられてきたわけです。今回、法律の目的にも、職業生活の充実というものも加えられるということに対応し、国の講ずべき施策として、この法律に掲げられる施策が追加されるということです。その追加される施策につきましては、様々な政策分野に関係するものがありますので、ローマ数字の3「国の講ずべき施策」の部分につきましては、職業安定分科会だけでなく、法案要綱を諮問する段階では、関係の分科会におきましてもお諮りするということになるものです。そういう意味で本日、御説明を事前にさせていただいているものです。今回、追加される国の講ずべき施策ということで3つほど掲げております。1つ目は、労働時間の短縮その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及、雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保等に関する施策です。

 2つ目は、もともとある条項の中に、子の養育、家族の介護を行う労働者についてのことを追加するものです。

 3つ目が、傷病の治療を受ける労働者等の職業の安定ということで、治療と仕事の両立というようなことを、国の講ずべき施策として明確にするというものです。

 2ページにありますが、事業主の責務ということでは、労働者の労働時間の短縮、その他の労働条件の改善等々につきまして、環境の整備に努めなければならないということを規定するものです。

 最後に、基本方針の策定ですが、働き方改革につきましての様々な分野につきまして、国の講ずべき施策を明示した上で、基本方針を定めて、これを閣議決定するということを法律に書くということです。これにつきましては、3つ目の○にありますように、厚生労働大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ都道府県知事の意見を求めるとともに、労働政策審議会の意見を聴かなければならないとするものです。また、5つ目の○にありますように、この働き方改革の推進につきましても、厚生労働省だけでやれるというものではありませんので、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して、基本方針において定められた施策で、関係行政機関の所管に係るものの実施について、必要な要請をすることができる旨の規定を置くというものです。

 以上が、働き方改革を踏まえた6月6日及び6月5日の建議に対応する法律の改正の部分、それから、現在検討されております働き方改革を推進するための雇用対策法の改正に係る部分です。私からの説明は以上です。

○土橋分科会長 それでは、ただいま御説明いただいた件について、質問等、発言のある方は挙手をお願いします。

○縄野委員 今回提案されております労働安全衛生法の改正内容について、長時間労働者に対する医師による面接指導は、対応が3段階に分かれるものと理解しておりますが、その確認をさせていただきます。まず、3段階のうちの1つ目は、先ほどご説明がございましたが、1週間当たり 40 時間を超えた労働時間が1ヶ月 100 時間を超える労働者につきましては、労働者本人の申出がなくても、事業者は医師による面接指導を実施しなければならない。それから、労働者本人も面接指導を受けなければならない。かつ、事業者に対する罰則もある。ただし、その対象は「新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する労働者」に限定されます。2つ目が、1週間当たり 40 時間を超えた労働時間が1ヶ月に 80 時間を超える労働者につきましては、労働者本人の申出がある場合、事業者は医師による面接指導を実施しなければならない。ただし、事業者に対する罰則はない。そして、3つ目としては、これは時間の基準を除けば現行と同じ枠組みだと思いますが、1週間当たり 40 時間を超えた労働時間が1ヶ月に 80 時間以下の労働者につきましては、安全衛生委員会などで審議・決定した事業場の基準に基づいて、事業者は医師による面接指導を実施するように努力しなければならない。この3段階ということで、確認をさせていただきます。

久知良計画課長  はい、ご指摘のとおりでございます。1つ目の部分につきましては、対象労働者が限られる、という先ほどまさにおっしゃったとおりのものでございますけれども、それも含めて、3つの段階というものになるという理解でございます。

○土橋分科会長 他にいかがでしょうか。水田委員。

○水田委員 資料1の1ページの(3)で、面接指導の結果に基づいて事業者が講じなければならない措置について、「就業場所の変更、職務内容の変更、有給休暇の付与、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等」との記載があります。これらの措置については、末尾に「等」がついておりますから、あくまでも例示列挙であって、具体的な措置については、労働者の健康確保を第一として、様々な類型のものが対象となるという考え方に立脚しているのか、そこのところを確認しておきたいと思います。

久知良計画課長  はい、ご指摘のとおりでございます。先ほど申し上げました部分、これはあくまでも例示ということでございますので、具体的な措置をどうするかということにつきましては、まさに、今おっしゃったような観点から、医師の意見を聴取したうえで、具体的には決められていくということだと理解をしております。

○土橋分科会長 はい、他にいかがでしょうか。はい、袈裟丸委員。

○袈裟丸委員 同じく資料1に関してですが、「労働者の心身の状態に関する情報」という文言が出てまいります。これまで労働側から、労働者の健康情報の取扱に関して、プライバシー保護の視点を重視してきたという趣旨の発言をしてまいりました。その結果、参考資料1の建議の中、3ページのイの(ア)、下段の方にある通り、「雇用管理に必要な健康情報の範囲は、労働者の業務内容等によって異なることから、その具体的な取扱について、衛生委員会等を活用して労使の関与のもと検討し、定めることとすることが適当である」という文言に至ったと認識をしております。ただ、先ほどご説明いただいた資料には、「衛生委員会等」の文言が記載されていないということで、そこについてどのような受け止めをしたらよいのかご説明をお願いします。

久知良計画課長  一つには法律段階で規定するという部分につきましては、基本的な一般原則の規定を置き、その上で、具体的なものについて、今後、指針を策定していこうというものでございます。この指針策定の過程におきましては、先ほどおっしゃったような観点も含めまして、労使の意見をよく聞きながら、指針を定めていきたいというふうに考えております。

○土橋分科会長 はい、他にいかがでしょうか。はい、増田委員。

○増田委員 資料1の面接指導のところですが、既に現場では労働安全衛生法第 66 条の8に準じまして、法定外労働時間 100 時間未満の基準で医師による面接指導を実施したりとか、疲労蓄積度チェックリストといった質問紙を使ったり、保健師あるいは心理職の面談によって高リスクと思われる労働者を抽出した上で、産業医による面接指導につなげるといったことを既に行ってきているところでございます。現行の法令の規定よりも幅広い対象範囲に優先順位をつけて、健康状況を確認するという取組をいわば先行してやってきております。今回の新技術等の研究開発に係る業務に従事する労働者につきまして、疲労の蓄積や、労働者からの申出の有無に関係なく面接指導を実施ということになりますと、既に産業保健の現場で定着している取組を後退させることになりはしないかということを懸念しております。 100 時間以上の労働者だけに健康障害、過労死やメンタルヘルス不調のリスクがあるのであればこれでよいと思いますが、実際に現場におりますと、 100 時間未満の人たちからもメンタルヘルス不調の人が結構でてきます。 100 時間以上の面接指導に時間を割くあまり、今取り組んでいる 100 時間未満の人たちへの対応がおろそかになるということになると、これは本末転倒になりますので、実際の運用に落とし込む際には、もう少し柔軟な対応ができるような配慮をお願いできればと思います。

久知良計画課長  ご懸念につきましてはもちろん、これをやることで現場の運用が後退するということになっては本末転倒でございます。一方でやはり、この新技術、商品の開発者についての面接指導という部分は、上限規制の適用を除外するということとセットでより強い義務を課して、罰則付きの義務を課すということでございますので、この部分はこの部分としてしっかり守っていただきながら、先ほどおっしゃったように、全体としての現在の取組が後退するということにならないように、運用面でしっかりやっていく必要があるのかなというふうに思います。

○土橋分科会長 他にいかがでしょうか。青木委員。

○青木委員 全国ガスの青木でございます。資料の2の雇用対策法の改正について、確認の意味も込めて、質問させて頂ければと思います。ローマ数字の3の「国が講ずべき対策」の3つ目の三角のところに、「傷病の治療を受ける労働者等の職業の安定を図るため、雇用の継続、雇用管理の改善及び離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職の促進を図るために必要な施策を充実すること。」を追加すると説明をされたと思います。この「雇用の継続」には、労働者が治療を受けながら就労をするということだけではなくて、労働者が治療に専念するために、いったん休職をした後、復職をするということも含まれているという理解でよいか教えて頂きたいと思います。

久知良計画課長  その部分につきましては、まさにそういうものも含めた雇用の継続という風に理解をしております。

○土橋分科会長 他にいかがでしょうか。佐保委員。

○佐保委員 今の青木委員の質問と厚生労働省の回答を受けて、要望を申し述べたいと思います。 2016 年2月に厚生労働省が公表した「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」の中では、治療と職業生活の両立支援について、「労働者が治療しながら就業を継続する場合」、「労働者が長期に休業する必要がある場合」、の2つを大きな柱として掲げています。今後国の講ずべき施策において、治療と職業生活の両立支援を議論するに際しては、このガイドラインに示された考え方や内容も反映させていただきたいと思います。

久知良計画課長  そのガイドラインの内容は、我々施策を進める側の考え方と一致しておりますので、そのようなご指摘を踏まえた進め方をしていきたいと思います。

○土橋分科会長 他にありますでしょうか。明石委員。

○明石委員 確認ですが、資料1の(3)のところに※印で労働時間の把握の問題がございます。2年前の建議で管理監督者を含む全ての労働者を対象にと書いてありまして、今年1月 20 日に出たガイドラインでは、労働基準法第 41 条の方々を除くと書いてあります。その辺りの考え方について、ご説明頂ければと思います。

○労働条件政策課長 労働条件政策課長でございます。ご指摘の点は労働条件分科会の建議を踏まえた記載でございますので、私の方からご説明をさせていただきますと、参考資料の2で6月5日にまとめをさせていただいた、労働条件分科会の報告、建議がございます。その中でこの労働時間の客観的な把握につきましては、5ページでございますけれども、5ページの一番下の(2)、労働時間の客観的な把握、のところでございます。これは、平成 27 年2月の労働条件分科会報告にも記載された内容ではございますけれども、そこにございますように、この面接指導の適切な実施を図るためとしまして、管理監督者を含む、すべての労働者を対象として、労働時間の把握について、客観的な方法その他適切な方法によらなければならない旨を省令に規定することが適当、というふうにされました。また、その際ということで、客観的な方法その他適切な方法の具体的内容については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」、先ほどご指摘いただいたガイドライン、これを参考に、通達において明確化することが適当ということになってございまして、管理監督者の方も含めて、このガイドラインを踏まえた通達を今後策定し、面接指導が的確に実施されるよう、対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○明石委員 もう一つですが、資料の1、2ページの(5)、2行目くらいのところに「健康相談」という言葉が出てきますけれども、これについては、何か、定義とか範囲とかがあるのでしょうか。

久知良計画課長  すみません、健康相談について、どこか別のところで何か定義しているものはございません。今後まさに、施行に向けて行っている段階で、もしそこが不明確であって、現場に下ろしたときに問題が生じるようなことが起こりそうなのであれば、そういうことも踏まえて、施行段階ではしっかりとやっていきたいと思います。

○明石委員 ごくごく普通の相談と読めばよいのであれば別に問題ないと思うのですが、直接相談になると、何を話しているのか内容は外にでてきません。定義や範囲を決めてもそれは直接相談の中でやることですので、色々なところで混乱はあると思います。健康相談という名で、健康に関係のない色々なことを話されるのは、趣旨としてちょっと違ってくるかなと疑問があるところです。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。冒頭の計画課長の説明にもありましたが、本日は法案要綱の諮問に先立つ事前の概要説明であるということです。改めて、諮問されたのちに、また議論を頂きたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。その他に何かございますでしょうか。それでは事務局から連絡事項をお願いします。

○久知良計画課長 次回の安全衛生分科会につきましては、9月 14 日木曜日 15 時から厚生労働省省議室、この部屋において開催予定でございますので、よろしくお願いします。

○土橋分科会長 本日の分科会はこれで終了いたします。なお、議事録の署名につきましては、労働者代表委員は水田委員、使用者代表委員は矢内委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。


(了)

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