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2017年8月2日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第10回) 議事録

○日時

平成29年8月2日(水) 13:55~16:09


○場所

中央労働委員会労働委員会会館講堂(7階)


○出席者

真野主査、石井構成員、橋田構成員、松原構成員

○議事

○真野主査

 本日は構成員が少なくて恐縮です。松原構成員から遅れるという連絡が入りましたので、少し定刻より早いのですが、盛りだくさんでもありますので、第10回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WGを開催いたします。本日は、五十嵐構成員、石渡構成員、名里構成員、三田構成員が御欠席です。松原構成員は遅れるということです。それでは、最初に本日の議事について、事務局から御説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは、本日の議事について事務局より御説明いたします。本日の議題は、議事次第にありますとおり、2つございます。福祉医療機構の(1)中期目標期間見込評価に係る意見について、(2)業務及び組織の全般にわたる検討の結果並びに講ずる措置の内容に係る意見についてです。それぞれについて御説明いたします。

 参考資料111ページを御覧ください。本日の議題となります福祉医療機構に関しましては、本年度、平成29年度が5年間にわたる中期目標期間の最終年度に該当し、来年度から新しい中期目標期間が始まりますので、新しい中期目標を作る過程に入ります。そのため、その策定作業の最初ということでさせていただくのが本日の会議です。1つ目として、(1)中期目標期間見込評価に係る意見聴取ですが、最初の1つ目の箱に書いてあります中期目標期間見込評価の実施です。こちらは、5年間にわたる中期目標期間の最終年度に実施される業務実績の評価です。5年間における中期目標の達成状況などを考慮し、年度評価と同様に、行うこととされております。この見込評価を行うことによって、業務・組織全般の見直しや、来年度新しく策定する次期中期目標の策定に活用することを目的として評価を実施するものです。

2つ目の議題としましては、業務・組織全般の見直しに関する意見を頂くことです。この業務・組織全般の見直しは、独立行政法人の通則法第35条の規定を根拠として行うものです。主務大臣が、中期目標期間終了時までに、この法人で申しますと本年度終了時までに、法人の業務の継続又は組織の存続の必要性その他その業務及び組織の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、業務の廃止若しくは移管又は組織の廃止その他の所要の措置を講ずるものと以置付けられております。これもまた次期中期目標の内容に反映することを目的として実施するものです。

 なお、議題の取扱いですけれども、本WGにおける業務・組織全般の見直しにつきましては、本WG開催要綱の意見聴取の対象の中に明示的には入っていませんが、従来、法人所管課の意向を踏まえまして、意見聴取を直接には書いておりませんが、その他評価に関し重要な事項と位置付けて、WGの御意見を賜ることとしています。事務局からは以上です。

 

○真野主査

 それでは早速、議事に入りたいと思います。今、言われましたように、福祉医療機構の中期目標期間見込評価に係る意見ということです。例によってA評価のところを詳しくやっていきたいと思いますが、順番に進めて行きます。最初が「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」です。まず、評価項目1-1についてポイントを絞って御説明をお願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 福祉医療機構企画管理部長の風間です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。資料1-1のカラー刷りのパワーポイントで御説明いたします。2ページ、こちらが事業体系図になっており、ここの記載につきましては、先日76日に御説明した単年度実績ではなく、今回は4年間の実績累計を中心に記載をしました。

3ページが評価項目の一覧です。全体で16項目あり、25年度、26年度、27年度とありまして、平成28年度については、現時点では大臣評価がまだ出ておりませんので、先般御説明いたしました自己評定の内容を記載しています。平成27年度からは、平成269月に策定された新評価指標を踏まえまして、定量目標達成が平均120%以上、かつ、質的に顕著な業績が認められるものをA評定としたこともありますので、今回の見込評価につきましても、同様の基準で評価をさせていただいております。この3ページの一番右の見込評価の欄を御覧いただきますと、第3期におきましては、1-1の福祉貸付事業、1-2の医療貸付事業、1-4の福祉医療経営指導事業、1-6の退職手当共済事業、これらをA評定といたしました。このABの右にある○につきましては、脚注にありますように、重要度を「高」に設定している項目に○を付けております。

 それでは、具体的に各事業の説明をいたします。基本的には、偶数ページが文章編、奇数ページがデータ編という形で、見開きで各事業を説明いたします。

 まず4ページ、「福祉貸付事業」です。中ほどの、目標と実績との比較の欄、これも基本的には単年度実績の累績になりますけれども、特養待機者解消や保育所の整備などに積極的に対応したこと、それから東日本、熊本の災害についても優遇措置を講じながら実施をしてきていること。そして3行目に書かれているとおり、平成25年から平成28年度の4年間の累計になりますが、福祉貸付事業で1532億円の審査を実施しました。このように、国の目指す福祉、介護サービスを安定的かつ効率的に提供する基盤整備を推進するとともに、当該施設に従事する介護職員等の新たな雇用の創出に貢献することができたと考えております。

2つ目につきましても、融資相談を積極的に実施し、多面的な支援・助言等を積極的に実施するとともに、融資制度のPRを積極的に行う、それから制度周知も行う、こういったことを通しまして、お客様からのアンケート調査におきまして、4年間平均で97.7%のお客様から「満足した」との回答を得ました。3つ目の○につきましては、5ページの右側を御覧いただきますと、審査処理期間、資金交付処理期間、それから協調融資金融機関数、こちらにつきましても赤の帯にありますように、全体で153%を達成しております。

 以上のとおり、国の福祉政策に即して民間の社会福祉施設等の整備に対し、私どもの特長である長期・固定・低利の資金を提供すること等によりまして、福祉、介護サービスを安定的かつ効率的に提供する基盤整備に資する取組を定めた中期計画を大幅に上回る業績を上げたことから、A評価といたしました。

 御参考までに、5ページの左側になりますが、国の福祉政策に即して福祉の基盤整備を支援とありますけれども、具体的に申し上げますと、4年間の1532億円の内訳として、1つ目の緑の所、特養等介護基盤整備が4年間で1,275件、6,827億円、保育所事業整備が1,978件、1,643億円、それから東日本大震災・熊本地震が243件、353億円と、こういった融資をさせていただきました。福祉貸付事業については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。構成員から何か御意見、御質問はありますか。よろしいですか。それでは次の項目1-2に移ります。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 それでは引き続きまして、資料の6ページ、「医療貸付事業」です。こちらも自己評定Aです。6ページの1つ目の○、先ほどの福祉と同様になりますけれども、医療施設の耐震化整備を中心に、積極的に優遇融資を講じながら支援を行ったところになります。4行目にあるように、4年間トータルで5,148億円の審査実績を上げて、国の目指す医療サービスを安定的かつ効率的に提供する基盤整備を推進することができました。

 それから2つ目の○ですが、こちらも福祉と同様に、融資相談等を積極的に行うとともに、融資制度のPRなどを行うことによりまして、4年間平均で96.7%のお客様から「満足した」という回答を得ております。

3つ目の○は、次の7ページの右の上を御覧ください。こちらにつきましては2つの項目があり、1つが審査処理期間、それから資金交付処理期間、こちらは平均で163%の達成を上げております。

6ページの下から2つ目、こちらは民間金融機関との協調融資の促進を図る観点から、医療関係施設に関するデータや経営動向に関する情報を提供するとともに、利用者が円滑に民間資金を活用できるよう、協調融資制度の対象範囲を第3期におきましては医療関係施設まで拡充したものです。こういったことから、医療貸付についてもA評価とさせていただきました。

 御参考までに、先ほどと同様に7ページの基盤整備の状況ですが、耐震化につきましては、この4年間において131件、3,047億円、それから東日本、熊本に対しましては498件、514億円の融資をいたしました。医療貸付については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。これについて何か御意見などありますか。

 

○石井構成員

 病院の約3割が未耐震という表示がありますけれども、これはこの貸付をもって解消されたのですか、それともまだあるのですか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 こちらにつきましては、まだ解消されてはおりません。徐々に進んでおりますけれども、具体的には直近データでも71.5%で、さほど飛躍的に伸びているわけではありません。国としましても、新たに平成30年度までに89%という目標を設定しており、人の安全・安心に関わる部分ですので、こういったところにつきましては、国の政策を後押しする意味でも、積極的に対応させていただければと思っております。

 

○石井構成員

 ありがとうございます。

 

○真野主査

 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。では次、お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 それでは、1-3の福祉医療貸付事業に係る「債権管理」の関係です。こちらは自己評定がBとなっております。こちらもほぼ4年間を通して、貸付金の残高としましては35,000億円弱を維持しております。8ページの目標と実績との比較の欄を御覧いただきますと、1つ目の○で、いわゆる貸付債権の適切な管理、融資後30年間の長期にわたり管理をしていくため、期中の債権管理は大事だと考えておりまして、こちらに対する高度化を毎年度図っております。1つ目の矢印につきましては、これは従前から行っておりますが、お客様から毎年度1回、事業報告書を頂いておりますので、これを収集・分析し、状況の把握に努めております。次の2つの矢印、これは平成25年度から実施しておりますが、決算に基づき、今後、リスク管理債権化するおそれのあるもの、これをイエローゾーン先として機構独自で定義をしておりますけれども、こういったものについて状況の分析を始めたものです。それから3つ目の矢印、短期延滞先へのフォロー、私どもは東京と大阪しか事務所がありませんので、お客様の状況を把握するには、入金状況を見ていくのがかなりのポイントになりますので、ここでまず最初の状況を確認をする、それで必要があれば御指導させていただくことを考えております。それから4つ目の矢印、これは平成27年度から実施しておりますが、小さい法人ですと再建計画が立てられないお客様がいらっしゃいますので、こういったところにつきましては機構で「再建計画作成支援ツール」を作り、一緒にいろいろ考えながら改善に向けた取組の実施に着手しました。

 次の3つの矢印は、平成28年度から実施しているものになります。平成28年度におきましては、イエローゾーン先の抽出基準策定から3年経過したことから、3年間の経年分析を実施する、また、貸付金残高が1貸付先当たり50億円以上については大口先と位置付けまして、個社別の管理を実施し、その内容につきまして、私どもの信用リスク分科会において適宜状況を報告して、理事長等からの指示を仰ぐ体制を整備しているところです。

 このような取組によりまして、9ページの左下を御覧いただきますと、リスク管理債権比率は、直近の平成28年度末で2.30%、こちらにつきましては、前中期目標期間の最終年度である平成24年度の2.86%を下回っており、第3期におきましても低い水準を維持することができております。

 また、東日本大震災で被災したお客様に対しまして、最長5.5年の返済猶予をする措置を講じておりますが、平成28年度において全てのお客様が返済の再開を完了することができました。さらに熊本で被害に遭われたお客様に対しましても、最長3.5年の返済猶予期間の延長等、必要な措置を講じながら継続的にフォローしております。現状福祉・医療ともに、取り巻く環境については、診療報酬、介護報酬のマイナス改定等を受けまして厳しい状況が続いておりますが、お客様からの御相談には積極的に対応し、最終的には地域の社会福祉施設・医療施設の維持・存続を図ることが機構の役割であることを認識しながら、対応をさせていただいております。債権管理については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。1-3について何かお願いします。

 

○石井構成員

 平成27年度から実施されている再建計画作成支援ツールというのを、既に用いて、この成功例として、例えば東日本大震災での返済が全て開始されたと解釈してよろしいのですか、それとも別立てですか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 東日本大震災につきましては、一時的に状況が悪くなっている方を対象として、復旧復興を目的として御融資をしておりますが、この再建計画作成支援ツールにつきましては、徐々に経営が悪化してきているという部分からしますと、対象としては直接はリンクはしておりません。今、その中で、このようなツールを用いながら改善している所は幾つか出てきている状況ではありますが、まだ発展途上と考えていただければと思います。

 

○石井構成員

 すごくいいツールであれば、他社が使えるようなというか、お手本になるような汎用性があるものになるものなのでしょうか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 いろいろ評価があるところかと思いますが、私どもとしては、積極的な対応をしていなかった状況から、1歩ずつお客様と共に改善に向けた取組ができればと考えております。

 

○石井構成員

 ありがとうございます。

 

○真野主査

 ちょっと私も定量的な数値はあまり詳しくないのですけれども、最近、病院経営が厳しいという話で、正に再建が必要なケースというのが増えているのではないかと思いますけれども、その辺りはどのようにお考えでしょうか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 経営が厳しくなっている1つの理由としては、やはり法人のガバナンス態勢がうまく回っていないといったところが大きいという印象を受けております。そのほかには、診療報酬、介護報酬のマイナス改定だとか、そういう意味では収入が公定価格で抑えられていて厳しい状況と、なおかつ人件費については上がってきているとか、人が集まらないために人件費を高くしなくてはならないという部分で圧迫しているというところがありますので、個々の状況によって様々だとは思いますので個々の状況に応じながら、アドバイスをさせていただいております。

 

○真野主査

 そうすると、この再建ツールというのは、多分、今の御質問があったように割と普偏化したものだと思うのですけれども、それを基に個別性を持ってということですかね。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 当然ながら、ステークホルダーに対してはこんな対応をするとか、そういう一般的な話が散りばめられているのは事実です。その中で、お客様に合わせながら、弱いところを強みに変えていくような対応をさせていただいているところです。

 

○真野主査

 ありがとうございました。ほかはよろしいですか。それでは次、1-4です。お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 それでは、1-4の「福祉医療経営指導事業」です。10ページの1つ目の○につきましては、11ページの左側を御覧いただきたいと思います。こちらは指標の部分になります。経営指導事業については、5つの指標がありまして、各指標とも120%をクリアし合計達成率は平均134%に達しており、全ての項目において目標値を大幅に上回ることができております。

10ページの2つ目の○になりますが、セミナーの内容につきましては、基本的には民間ができることは民間にということですので、機構ならではのテーマ設定をさせていただいています。特に、お客様で必要としている、時宜を得た政策動向に関する情報提供などを積極的に行っています。それから、民間金融機関への経営指導の研修会への講師の派遣も積極的に行わせていただいたり、地方銀行協会への情報提供、民間金融機関への経営指導ノウハウの普及にも取り組んでおります。

 次に11ページの右上を御覧いただきますと、積極的な情報収集・分析・公表等と記載をしていますが、この4年間において、リサーチレポートを47回発信しており、レポートの内容については記載のとおりですが、その結果、マスコミ記事引用は199回に及んでいます。右の部分ですが、社会福祉法人の経営動向調査については、日銀短観の社会福祉法人版という感じになりますが、27年度から四半期ごとに実施をしております。28年度までの間に6回実施、その結果、マスコミ記事引用11回となり、関係者から一定の評価を得ることができたと考えております。

10ページに戻っていただき、下から2つ目ですが、個別経営診断につきましては、平成27年度から、基本的にはここに記載の経営分析プログラム、ガバナンス診断プログラム、個別支援プログラムと3つのメニューを提供させていただいております。特に、お客様のニーズに合わせた改善の方向性を提示するなどのコンサルティングを実施しているところが特徴的なことかと思っております。

 以上のとおり、福祉・介護・医療サービスを安定的かつ効率的に提供できる施設の経営に資する取組みを定めた中期計画を、大幅に上回る実績を上げたことから、A評価とさせていただきました。経営指導につきましては以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。この経営指導について、何か御質問などございますか。よろしいですか。では、次の1-5、よろしくお願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 次の1-5、「社会福祉振興助成事業」です。目標と実績です。1つ目の○につきましては、具体的には13ページの左側を御覧ください。こちらについては、定量指標が5つあります。こちらは残念ながら全体では達成率118%となり120%を達成しておりませんが、各年度において目標値を上回ることができています。

12ページの2つ目の○に「助成事業の募集にあたっては」とありますが、こちらにつましては、13ページの右側を御覧いただきますと、助成事業の重点化、政策動向等を踏まえた募集要領の見直しを随時実施しています。特に、29年度の募集に当たりましては、13ページの右の半分から下になりますが、募集時期の早期化を実施しています。従来ですと、29年度に入ってから募集するところを、3か月前倒ししまして、年度の当初から1年間活動ができるような体制に改めたものです。助成テーマの見直しについても、国で進めている「ニッポン一億総活躍プラン」を後押しするためのテーマに改編し、対応いたしました。

12ページの上から3つ目の○に「これらの取組により」と記載がありますが、今申し上げました助成事業については、3か月前倒しをして、28年度に29年度分の助成の募集・採択を行ったということがありますので、ここに記載のデータにつきましては5年分になります。25年度から5年分の応募については、トータル3,564件、160億円の応募があり、それに対して、予算の縛りがありますので、1,055件、477,500万円の採択を行いました。こういったことにより、NPO等による民間の創意工夫ある活動に対して資金助成を行うことができています。

12ページの一番下になりますが、単に助成をするだけではなくて、助成先団体へのヒアリングを通して、その中でPDCAを回していくいろいろな仕組みを法人にお伝えをするとともに、また、事業の継続、発展・改善等の意見交換を行っています。課題を抱えている団体につきましては、相談・助言を実施しています。任意団体にも助成をさせていただいていますが、ガバナンス部分が弱い所もありますので、こういった所につきましては、1つの例ではありますが、助成金支出管理システムをお渡ししながら、金銭管理も含めて、御指導をさせていただいています。助成事業ではこういった取組をさせていただいております。以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。質問はいかがでしょうか。

 

○橋田構成員

 この助成事業の募集要領の見直しというところなのですが、例えば安易に固定してずっと続くというのは問題があると思いますが、固定化回避の強化というところ。ただ、場合によっては1つのプログラムで非常に順調に伸びていかれて、むしろ継続的に助成することが望ましいというようなケースもあるかと思うのですが、それはそういうことではないのですか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 例えばマイナス点を加算することによって認めるというケースもありますが、そういった御意見を参考にしながら、今後も、少ない財源の中で、引き続きより効果的な事業ができるような見直しを図っていきたいと考えています。

 

○橋田構成員

 あと、助成テーマは、政策をその都度反映した形で、いろいろ新しいものを出していかれているということですね。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 はい。

 

○橋田構成員

 ありがとうございました。

 

○真野主査

 ありがとうございました。さっきちらっと最後のほうに言われましたが、任意団体にもお金を助成するというお話なのですが、任意団体というと、もう法人格がないという意味ですよね。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 そうです。まだNPOの認定を受けていない、正に御近所の方で何かいろいろ事業を実施している方も含めてということです。

 

○真野主査

 それはNPOになることを申請しているのだけれども、まだなれないとか、そういう基準ではなくて。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 決してNPOを前提としてというわけではなくて、やはりいい事業をやられる方に対してはということになりますので、結果的にはNPOと任意団体を含めて80%以上に対して助成をするというのが目標になっています。

 

○真野主査

 任意団体というと、変な言い方ですけれども、いつ解散してもおかしくないと思うのですが、その辺のチェックというのはないということですね。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 チェックといいますか、事業に対してどうなのかというところは審査をさせていただいているところではあります。

 

○真野主査

 いずれにしても今までは問題があったわけではないのですね。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 そうですね。はい。

 

○真野主査

 分かりました。ありがとうございます。

 

○松原構成員

NPOに対しては、期待は高まる一方でありつつも、やはりガバナンスが弱いという印象は非常に強く持っていますけれども、実際に助成してみて、ガバナンスの問題に限らなくてもいいのですが、事業が遂行しなくなってしまったような事例というのもあるのでしょうか。私が見ているNPOは、結構、最初盛り上がっても、途中で駄目になってしまうようなケースが少なくはないのですが、助成先としてはどうでしょうか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 年に1件ぐらいはそういった所もございますが、事業が継続できるというのを前提に審査をしているということもありますので、ほぼ皆さん実施はされているというように考えています。

 

○福祉医療機構理事(須田)

 御指摘のように、NPOに関して、ガバナンスにおける弱点というのが懸念されるところでございまして、平成25年に閣議決定があり、この助成事業だけではないのですが、独立行政法人が行う助成事業全体に対してのガバナンスの強化ということが示されました。それを受けて、平成26年には、監事というか、目付け役の方を必ず組織の中に置くということを助成の条件にするとか、あるいは複数の役員がいらっしゃるところに限定をすると。27年には、意思決定の組織を、組織の規定として明文化している、あるいは行政に対する報告義務について着実に履行しているとか、そういった条件を満たした所に対して各助成を行うという形で行ってきております。さらに、28年度からは、先ほども御説明申し上げましたように、支出管理のシステムということで、エクセルを活用した帳票の管理などの体制を求めることにしており、これらによって、今申し上げたように、事業の実施が困難になるというような事例は、全くないわけではないのですが、極めて少ない状況になっております。こういった指導を強化しながら、不祥事が生じないように努力していきたいと考えております。

 

○真野主査

 ありがとうございました。

 

○石井構成員

 先ほどテーマの所で「政策動向や国民ニーズ等を踏まえて」と書いてあり、確かに政策に関して、「ニッポン一億総活躍プラン」とここに書いてあるのですが、国民のニーズというのをどうやって反映させているでしょうか。というのは、ガバナンスうんぬんになってくると、政策動向のほうが優先されてきて、国民のニーズというのをどのように吸い上げてテーマ設定をしているのか、逆に見えにくくなったものですから。

 

○福祉医療機構理事(須田)

 それにつきましては、私どもこの事業を進めていく過程で、審査評価委員会という、学識経験者からなる組織がございます。そういった所で実際の審査、評価を行うわけですが、事業の実施に当たっての基本的な方針についても、そこで御審議をいただいているということ。それから、様々な助成のセミナーとか、外部との接点がありますので、そういった場で、関係する団体などの意見を聞きながら案を作成しています。その結果、政策との整合性を確保するために、本省とも調整をしながらテーマを設定してきております。

 

○真野主査

 ありがとうございました。よろしいですか。では、次の1-6をお願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

1-6の「退職手当共済事業」です。こちらにつきましては、例えば共済契約者数、こちらは法人数になりますけれども、25年度時点で16,678法人だったのが、28年度では16,945法人、被共済職員数につきましても、25年度の76万人が、28年度は83万人弱ぐらいと、かなり伸びてきている状況です。

14ページの目標と実績ですが、給付が主たる目的になりますが、退職金の給付事務につきましては、従来、月4回退職手当金を支給していますが、これに加え、事務処理の更なる標準化を図ることで、届出書類の記載ミスが多い所というのはある程度特定されますので、その結果につきまして、契約者様へ周知を進めた結果、請求書受付から給付までの平均処理期間が、中期計画を大幅に上回る実績を上げることができました。

 また、電子届出システムについては、システムの中でエラーが分かるような仕組みを取っておりますので、こういったものを促進することによって、エラーが減り、機構からお客様に照会を掛けることが減ったり、機構もそういった手間が減ることから、双方の事務処理の負担軽減につながっています。こうした取組から、4年間平均で95.2%の御利用者様から「事務負担が軽減した」という回答を得ているところです。

 下から3つ目になりますが、利用者の手続面の利便性の向上という観点からは、利用者の意向を踏まえたマニュアルの作成・配布、FAQの改訂、FAX自動送信サービス、28年度からはナビダイヤルなどを導入しています。

 その次の○ですが、平成28年の共済法の改正につきまして、速やかに対応できるよう、システムの改修や制度周知を図るといったことをやりながら、制度の円滑・安定的な運営を図ることができました。

 以上のとおり、給付事務の効率化等に積極的に取り組むことで、事務負担の軽減、利用者サービスの向上に貢献するとともに、共済法の改正に適時・的確に対応し、中期目標期間において296,000人に3,951億円の退職金を支給するなど、福祉人材の確保・処遇改善に寄与することができたことから、A評価とさせていただいたところです。退職手当共済事業については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。何か御質問などよろしいですか。これはよろしいとして、では、次の1-7、お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

1-7「心身障害者扶養保険事業」です。16ページの中ほどの目標と実績を御覧ください。こちらは、扶養保険事業の安定的な運営が重要なポイントになりますので、このためには、前年度の決算を踏まえた財務状況の検証を行い、その結果を毎年度、厚労省及び実施主体である地方公共団体へ報告し障害者関係団体等へ公表することによりまして、事業の透明性の確保に努めているところです。

 運用については、基本はパッシブ運用しており、安定的な運用を図っているところですので、基本ポートフォリオとの乖離状況の把握だとか、基本方針の見直しの検討、運用環境の検証を実施し、適切な管理を行った結果、運用利回りにつきましては、中期目標期間を通して、おおむねベンチマーク収益率を確保しています。

 下から2つ目の○ですが、実施主体である地方公共団体の的確な事務処理の実施について指導を行う。地方公共団体の事務処理については、正直言ってばらつきがありますので、こういったものの標準化を図るとことにより、地方公共団体の事務処理の遅延防止につながっているところです。

 最後になりますが、中期目標期間において、延べ218,000人に525億円の年金を支給し、その結果、保護者死亡後の心身障害者の生活の安定に大きく寄与したところです。扶養保険事業については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。何か御質問とかよろしいですか。では、次の1-8についてお願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 それでは、18ページの1-8WAM NET事業」です。目標と実績の1つ目の○を御覧いただきますと、平成27年度末における社会福祉法の改正によりまして、整備が法定化された社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムの構築については、厚労省と調整を図りながら試行運用などを行い、平成296月から本格稼働を実施することができました。

2つ目ですが、情報提供サービス事業ということですので、情報提供の拡充が求められていますが、情報の質の向上を図るため、毎年度、コンテンツの新設、見直しを行いまして、情報提供の質の向上を図っているものです。4点は、各年度の主なものを記載させていただいています。

 その次の○ですが、WAM NETの利用状況等の調査を踏まえまして、利用者の利便性の向上を図っております。RSS配信の開始、WAM NETのレイアウトの全面リニューアルを行っております。

 それに加えまして、19ページの右上を御覧いただきますと、機構業務の効率化という欄がありますが、せっかくいいインフラがありますので、こういったものを積極的に他の事業でも使っていく方針に基づき、機構業務における連絡用掲示板を設置したり、助成事業でも実施しているメールマガジン、WAM短観、診療報酬改定、介護報酬改定の影響などについても、WAM NET基盤を使いながら、お客様からのアンケートを頂き、その発信にも使っています。18ページの一番下になりますが、これらの取組により、ヒット件数は中期計画については7,000万件ということですが、年々増加していきまして、28年度は1億件を超え、4年間平均でも8,820万件となっています。満足度についても、平均94.3%ということで、中期目標の目標値を大きく上回る実績を上げることができたというところです。

 

○真野主査

 ありがとうございました。御意見いかがでしょうか。

 記憶が必ずしも明確ではなくて、今回の年度かどうか忘れましたが、WAM NETが、必ずしも福祉医療機構がやらなければいけないものと、そうではない民間でもやれるものと、両方混ざっているのではないかというような議論があったような気もしていて、今回、社会福祉法人の財務諸表の開示とか、これは当然WAM NETだけしかやれないと思うのですが、何かその辺の切り分けの話は結局どうでしたか。今期でしたか前期でしたか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 以前の事業仕分けの中でいろいろ出てきたところでございます。運用経費もかなりかさむということで、後から経費の節減の所にも出てまいりますが、クラウド環境に変更をし、経費削減を図ったり、国と重複するテーマについてはやめるとか、民間でできるものは民間にということで、そういった対応をした結果、現在に至っているところです。

 

○真野主査

 すみません。対応済みでしたね。分かりました。よろしいですか。ありがとうございました。それでは、1-9をお願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

1-9の「年金担保貸付事業及び労災年金担保貸付事業」です。こちらにつきましては、21ページの右のグラフをまず御覧ください。左側の閣議決定を踏まえた見直しの実施だとか、廃止計画などを踏まえ、制度改正を2回ほど実施してきております。2度の制度改正を終えて、現在28年度の貸付実績というのは、年金担保貸付で28年度の直近で9万人のお客様が御利用になっていて、年間でも495億円を融資させていただいています。労災年金担保貸付はその下になり、少ない部分ではありますが、記載のとおりとなっております。あくまでも国の計画を踏まえ、段階的に縮減を図っているという状況が右のグラフです。御参考までに、その下は貸付の残高です。28年度末においても、年金担保貸付で22万人労災年金担保貸付でも3,400人のお客様が御利用されているというのが実態です。

 また、20ページの2つ目の○に戻っていただきますと、現在、国で廃止計画を検討しているところではありますが、こういった検討に当たり、利用者の実態を把握するために、28年度には御利用者1万人に対してアンケートを取らせていただきました。その結果につきまして、厚生労働省に報告をし、機構のホームページに公表をしています。

3つ目ですが、こういった年金担保の制度を知らないお客様がいらっしゃいますので、広報につきましても26年度において、従来は小さなリーフレットであったものをパンフレットに見直しをするとか、代替措置として俎上に上がっている生活福祉資金の紹介や窓口の掲載を行い、受託金融機関のほかにもいろいろな機関に幅広く広報をさせていただいています。また、29年度のパンフレットには生活困窮者自立支援制度の紹介や相談窓口を新たに掲載するなど、積極的な広報を実施しています。

20ページの下から2つ目の○ですが、電話による問い合わせに対しては、273月に自動応答システムを導入し、24時間365日の御案内ができるようになっています。また、幾ら借りられるのか分からないというお客様がいらっしゃいますので、そういった方に対しましては、機構のホームページに限度額計算のシミュレーションを設けて、この中で御自分で借入可能金額が分かるような仕組みを設けるなど、利用者サービスの向上を図っています。以上が年金担保貸付事業になります。

 

○真野主査

 ありがとうございました。何か御質問はございますか。よろしいですか。次、1-10、お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

1-10「承継年金住宅融資等債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務」です。こちらは自己評定はBになりますが、22ページの目標と実績の比較の欄を御覧いただく前に、23ページの一番上の横の長いグラフを御覧ください。こちらは、既に平成17年度において新規の貸付は停止をしており、私どもに承継したのが平成184月になりますが、その時点で37,000億円の残高がありました。それを毎年度適時・適切に回収を図ってきた結果28年度は6,718億円にまで残高が減っています。この間、承継時より3613億円を回収を図り、新規貸付はありませんので、粛粛淡々と回収を図っていく事業になります。

22ページの一番上ですが、承継年金住宅融資の貸付先については、年1回の財務状況の把握・分析、必要に応じてヒアリング及び指導を行っています。

 また、条件緩和中又は条件緩和終了後の貸付先についても、交渉を重ねた結果、全額繰上償還されるなど、公的年金の給付財源の確保に大きく寄与しております。

4つ目ですが、29年度に現行の第三者弁済契約の期限が到来することを受けて、調整を行った結果、26年度において、関係金融機関、関係転貸法人等に「基本方針」を提示することができております。その後、更に協議を進めまして、特に、単独では10年間の存続が困難な7つの転貸法人については調整の上、新設合併という新たな方向性が見出され、協議、調整を経た上で、平成30年度以降も安定的な回収を継続できる体制基盤が確保されています。

 次です。福祉医療機構法の改正を受け、従来は元金部分の国庫納付は年1回でしたが、これを年4回の定期納付に変更して、円滑に進んでいるところです。第3期中期期間累計で7,289億円の元金を国庫納付させていただいています。

22ページの一番最後のところ、教育資金貸付あっせん業務の関係ですが、こちらは既に事業は休止していましたが、28年度末をもって廃止することが法律を改正して明確になったことで、関係機関との契約解除の手続を終えております。以上が承継年金住宅融資関係の説明となります。

 

○真野主査

 ありがとうございました。御質問などございますか。よろしいですか。順調に進んでおりますが、これで1-1から1-10までが終わりました。引き続き、業務運営の効率化、財務内容の改善、その他業務運営に関する重要事項の議論に入っていきたいと思います。今までと同様に、法人からポイントを絞って簡潔に御説明いただいて、質疑応答するということでいきたいと思います。2-1を、お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

24ページ、2-1の「業務・システムの効率化と情報化の推進」になります。24ページの中ほどの○になりますけれども、これは業務・システムの最適化計画に基づき、一般競争入札による業者選定を行うことで経費の節減を実現させているところです。

2つ目の○ですが、先ほどの社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムについては、定期的に厚労省等とプロジェクト会議を開催し、業者選定、そしてプログラムの構築を完了させ、その後、都道府県や所轄庁を対象とした説明会も十分にさせていただきながら、平成296月から本格稼働を無事に開始することができているところです。

3つ目の○ですが、この社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムと併せて、私どもが保有している、事業報告書のシステムがありますので、こちらと連動させることも含めて見直しを図っているところです。そういった再構築の中で報告様式の簡素化、報告内容の見直しなど、顧客の利便性の向上も図っているところです。

 情報化推進体制の強化では、専門性の向上に係る研修等を実施しているところです。システムの効率化については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。御質問とか、いかがでしょうか。このITに関する研修というのは、具体的にどういう研修なのでしょうか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 私ども、CIO補佐官がいらっしゃいますので、そういった方から実際に他の独法等で起こっている事例等も共有しながら、いろいろ防止に向けた取組を実施しているというものです。

 

○真野主査

 なるほど。正にそうすると、ICTリテラシーと書いてあるのですが、ちょっと変な言い方ですけど、もう少しレベルが高いものでしょうか。OA操作研修とか言うと、すごく基本というか初歩的なものに聞こえてしまうのですが。

 

○福祉医療機構企画管理部長

OA研修もやってはいますが、主体としては、もう少し高度な部分で対応しているというところです。

 

○真野主査

 ありがとうございました。ほかはよろしいですか。次、お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

2-2の「経費の節減」になります。26ページ、1つ目の○ですが、こちらにつきましては27ページの上のグラフを御覧いただければと思います。一般管理費の削減、27ページの左上になりますが、一般管理費については年3%の削減を図るという目標があり、それが今回は、4年間ですので12%削減するという部分について、4年経過の平成28年度末において、黄色で塗ってある部分ですが、21.5%となり、計画を上回る削減を図っています。その右の業務経費については年1%、5年間で5%という目標に対し、本来であれば平成28年度段階で4%のところが、平成28年度末では35%の削減を図り、順調に達成に向けて推移しているところです。

26ページの上から2つ目の○を御覧いただくと、その削減の理由等について記載しています。2つ目の○の1番目になりますが、こちらが業務経費の削減の所になります。先ほども申し上げたWAM NETの新システムの構築において、稼働環境についてクラウドを導入した結果、年間43,700万円と、ここで大幅な削減を図ることができました。この結果、上に記載のとおり業務経費が▲35.7%となり、これが一番大きなところになります。2番目につきまして、これは一般管理費の削減になりますが、神谷町にございます本部事務所の賃借料の削減です。これは2年毎の契約ですが、平成2628年度計▲4,400万円の削減を図っているものです。3番目の福祉医療貸付事業における預金口座振替案内の郵送料の削減が▲480万円、4番目の退手部分の周知の経費削減が▲1,000万円、5番目の承継年金住宅融資の抵当権移転登記費用の削減が▲3,300万円、こういった取組により中期計画を大幅に達成した実績を残しているところです。

3つ目の○で、契約の適正化については、契約監視委員会における点検を適正に行い、公正かつ透明な調達手続による適切で、迅速かつ効果的な調達を推進することができました。

4つ目の○になりますが、給与水準については、組織のスリム化の推進に加え、機構独自の特別都市手当据置を継続しています。それから、55歳を超える職員の給与体系の見直し、このような取り組みにより年齢・地域・学歴差を勘案したラスパイレス指数については、平成25年度から平成28年度の平均で100.4ポイント、特に平成28年度においては99.5ポイントとなり、国家公務員と同水準を維持しております。「さらに」という表現につきましては、職員宿舎を全廃したことにより、本・支店の移動でどうしても仕方ない部分として住居手当の支給がありますから、これを控除すると平均でも99.8ポイントになり、国家公務員を下回る水準という形になっています。

 参考までに、27ページ右下の所になりますが、随意契約の実績です。これも平成28年度の実績評価の際に申し上げましたが、平成27年度、平成28年度の件数が点線部分になりますけれども、6件から10件となり4件ほど増えています。これについては、今、申し上げた職員宿舎については随意契約していることから、やむを得ない部分として脚注表記をさせていただいたものです。経費の節減については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。何か御質問とかございますか。大小様々な取組でかなり経費の節減ができているところかと思います。よろしいですか。2の項目は終わって3-1です。よろしくお願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

3-1の「財務内容の改善に関する事項」になります。28ページの一番上の所について、「運営費交付金を充当して行う事業については」と書かれていますが、自己収入の確保も目標とさせていただいています。これにつきましても毎年度、予算額を上回る自己収入を確保することができています。

2つ目の○になりますが、福祉医療機構債券の発行、具体的には福祉医療貸付事業、年金担保貸付事業の貸付の財源として機関債を発行しています。こちらを発行するに当たり、アナリスト、投資家に対する説明会を丁寧にさせていただいています。具体的には、ここに記載のとおり投資家向けのIR活動について4年間に124回実施しています。このような取組みにより、最終的には適切な発行条件で円滑な資金調達を行うことができています。

3つ目の○になりますが、不要財産の国庫納付については、平成28年度において全ての職員宿舎の売却手続を完了することができました。「また」書きの所になりますが、会計検査院による意見表示への対応として、労災年金担保貸付勘定に係る政府出資金14億円を平成273月に国庫納付し、政府出資金の規模を縮減しているところです。以上になります。

 

○真野主査

 ありがとうございました。何か御質問とかございますか。この債券ですが、金利はどれぐらいなのでしょうか。どこかに書いてあったような気もしますけれども。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 債券の金利ですか。

 

○真野主査

 ええ。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 金利につきましては、基本的には独法としてAAという形になっていますので、ほぼ変わらないのですが、発行するタイミング、例えば私どもですと6月、12月になりますが、この頃が一番買っていただきやすい時期であるということもあり、ほかの独法さんよりもかなり低く調達ができているのが実態です。

 

○真野主査

 なるほどね、分かりました。ありがとうございました。お願いします。

 

○石井構成員

 不要財産の国庫納付と言ったところで、今、いろいろな宿舎の名前が書いてありますけど、この仲立ちもやられているということなのですか。いろいろな宿舎をもう不要売却しますよね。その間のどの部分を機構が。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 私どもの統合する前の団体が保有していた職員宿舎を全て売却をしたというものです。

 

○石井構成員

 こんないろんな所に点在しているということ。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 そうですね。

 

○石井構成員

 そうですか、分かりました。

 

○真野主査

 確かに点在していますね。いろいろな所にですね。よろしいですか。それでは、3はこれで終わりで、4-1になりますね。お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

30ページで、4-1の「効率的かつ効果的な業務運営体制の整備」になります。1つ目の○ですが、具体的には次の31ページの下の部分を御覧いただければと思います。トップマネジメントを補佐する経営企画会議を、原則、月2回開催しています。この中で「経営理念」の共有、理事長からの「機構運営哲学」及び「行動の指針」の提示、全役員による「重点目標」の指示、「業務実績評価の検証」等、こういった重要案件に対して、迅速かつ的確に経営判断を行うとともに、役員連絡会を毎週開催させていただきながら、機構内での情報の共有化、問題意識の統一の徹底を図ることができています。

 次ですが、31ページの左の上を御覧いただき、業務運営体制の継続的な見直しになります。こちらも事業の健全な発展を総合的に支援するため、継続的に時宜を得た組織の見直しを実施しているところです。具体的にはここに記載のとおりですけれども、左上にあるガバナンス態勢の充実・強化では、平成26年度においてガバナンス委員会を設置するなど、ガバナンス強化に向けた組織体制を整備しました。翌平成27年度につきましては、先ほどのイエローゾーン先の管理を専門に担う与信管理課を設置しています。

 その右になりますが、これは平成26年度に実施しており、社会福祉法人の経営高度化等に向けた更なる経営支援機能強化のため、経営サポートセンターを創設し、積極的なプレス発表とかコンサルを実施しているところです。

 その下の部分になりますが、福祉医療貸付事業に係る組織の再編です。従前は福祉貸付部、医療貸付部と部が2つに分かれていたところを、福祉医療貸付部として部を統合することにより、病院と特養の合築にも対応できるように部を統一したというのが左側になります。更に平成28年度においては、NPOに対する強化という意味で、NPOに対する「助成」は助成事業部で行っており、また、NPOに対する「貸付」は福祉医療貸付部で行っていました。そうすると分断される形になりますので、助成の部分を福祉医療貸付部の中に入れ込むことによって、正に相談から助成、融資という形で、ワンストップで対応する窓口としてNPOリソースセンターを創設し、効率的・効果的な事業運営体制の整備を図っているところです。

31ページの右上になりますが、業務間の連携・強化においては、機構の多岐にわたる事業を実施している特長と専門性を生かしつつ、業務間の連携を強化した業務運営を図ることができています。特に東日本大震災及び熊本への対応については、機構として一体的に実施している中で被災地の復旧・復興を支援しているものです。

30ページの一番下の○ですが、広報活動や債権管理の強化についても業務間で連携した取組を実施し、多岐にわたる事業を実施している機構の特長や専門性を生かすことにより、機構の効率的な運営を図ることができていると考えています。業務運営体制については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。何か御質問とかございますか。よろしいですか。次に4-2ですね。お願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

32ページ、4-2の「業務管理の充実」です。33ページの上を御覧いただければと思います。内部統制の更なる充実の所です。平成25年度において内部統制基本方針等の規程体系の整備、ガバナンス委員会の設置等の新たなガバナンス態勢を整備するとともに、平成26年度からの運用において、ガバナンス委員会におけるリスク管理上のモニタリングに係る報告等、及びリスク対応計画の策定・評価等を通じた改善活動を行うことにより、ガバナンスの更なる高度化を図っているところです。

33ページの左下になりますが、情報セキュリティ対策についてです。こちらについては、インターネットと分離したオフラインネットワークの構築を行い、二重化を実施しています。また、全役職員向けの標的型攻撃メール対処訓練や情報セキュリティ研修を実施など、人的対策についても積極的に実施しているところです。

33ページの右下になりますが、業務改善活動の活性化です。こちらも職員からの意見提案箱制度というのを引き続き運用して、業務の効率化、顧客サービスの向上、職場環境の向上を図っているところです。業務管理については以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。御質問とかありますか。よろしいですか。次、最後ですかね、4-3になります。よろしくお願いします。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 最後になりますが、4-3の「人事に関する事項」、34ページになります。1つ目の○ですが、効率的かつ効果的な業務運営を行うため、管理職の参事制度を見直し、対象年齢を引き下げるとともに、課長代理職の副参事制度を導入するなど、組織の活性化に向けた取組を実施しています。2つ目の○ですが、人事評価制度については、引き続き、評価結果を昇給、賞与等に反映させています。3つ目、4つ目の○ですが、役職員に対する研修の関係です。機構としても若手職員の育成、専門性の向上を考えていて、こういった若手職員を中心として各種勉強会を開催しているものです。平成26年度から、係員を対象とした機構業務に必要な基礎知識研修等を実施しているほか、金融業務がメインということもありますから、こういった機能強化を図る目的で、貸付部門に所属する職員を対象とした通信教育を継続して実施するなど、研修内容の充実を図っているものです。

 人事に係る目標については、35ページの右になりますが、期初、第3期の初めが299人に対し、それ以内が目標になっていますので、実績としては264人で目標値を達成することができました。以上になります。

 

○真野主査

 ありがとうございました。これについて御質問とか、いかがでしょう。管理職の参事制度見直しとか、課長代理職の副参事制度とか、これがよく分からないのですが。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 管理職につきましては、例えば55歳をもって管理職定年を設けることを、今、実施しており、若手の登用を目的にしています。管理職定年制度のことです。

 

○真野主査

 それは、この間も聞いたと思いますが、参事制度とか副参事制度というのは何でしょうか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 管理職を辞められた方が、参事という名称で、役職手当は付かず、一般の職員として、働いて頂くものです。今までの知見を生かして職に当たっていただくという制度です。

 

○真野主査

 今までは、そういう制度はなかったので見直したという意味ですか。

 

 

○福祉医療機構理事(長尾)

 参事制度はもともとあったのですが、今回は参事制度の開始年齢について、57歳以上だったのを55歳以上に引下げたことが1つと、課長代理について参事とのバランスを見て副参事制度というのを作ったということであります。

 

○真野主査

 なるほど、分かりました。ありがとうございました。よろしいですか。ありがとうございました。ということで、非常に順調に進みまして、一応、項目は全て網羅したところですが、全体を通してよろしいですか。お願いします。

 

○石井構成員

1つ前の項目から含めて、ガバナンスの態勢というのもクリアで、むしろ自分たちの組織が、すごくこれを参考にしなければいけないのかなと感じているところです。その参事制度あるいは管理職といったものは、このガバナンスの態勢とどういうふうに絡んできているのですか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 直接、ガバナンス制度と参事制度との関わりはございません。

 

○石井構成員

 ここの各統括管理責任部門というのは、これは管理職なのではないですか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 これは各部の部長が任っております。

 

○石井構成員

 そこはあって、またそれぞれのリスク管理態勢が別途あるという理解ですか。33ページのガバナンス委員会みたいな所。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 例えば、今、信用リスクとありますが、この信用リスクを担っているのは、私どもの組織で申し上げれば、信用リスクの担当部署である顧客業務部が担っており、その責任者は顧客業務部長が担当しているのです。

 

○石井構成員

 なるほど、分かりました。ありがとうございます。

 

○真野主査

 信用リスクだけ、その分科会があるということですね。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 そうです。もともとはガバナンス委員会において全体を網羅しておりましたが、先ほど申し上げた35,000億円というかなりの資産を持っていて、いわゆる広く議論するよりは、人数を絞り込み、直接関係する部署の中で共有しながら、いろいろな意見を頂戴するため、これに特化した形で信用リスク分科会を設けたというのが平成28年度からになります。

 

○真野主査

 ありがとうございました。よろしいですか。それでは、以上で、次に法人理事長、監事の方からのヒアリングということになります。中期目標期間における中期目標の達成状況を踏まえて、今後の法人の業務運営等についてコメントを頂ければと思います。最初に法人の監事の方から、次に法人の理事長の方からお願いいたします。

 

○福祉医療機構監事(太田)

 福祉医療機構監事の太田です。それでは、当機構の業務運営の状況につきまして監事の意見を述べさせていただきます。先ほど来の見込評価の説明にありましたが、当機構においては経営企画会議、ガバナンス委員会を主体といたしまして良好なガバナンス態勢を整備しております。その結果、中期目標達成に向けた各年度の業務目標の進捗や実績の管理を、経営陣がしっかりと行っております。理事長の強いリーダーシップとマネージメントの下で、各部門それぞれが求められる役割を適切に果たして、中期目標を上回る成果を上げていると評価しております。

 残念ながら、中期目標期間中に評価に関する指針が示されて、その評価基準に基づきますと、定量目標の達成割合等の関係から、B評価にならざるを得なかった債権管理と助成事業についても、監事の個人的な意見としましては、十分A評価に値する実績を残していると考えています。債権管理部門に関して言えば、貸付先の期中管理の強化に加えまして、信用リスクの分析手法を格段に高度化していると考えております。助成事業につきましても、募集内容や審査手続など助成先の支援体制等も大幅に改善していますので、監事として高く評価しているところです。

 今後とも、理事長のリーダーシップの下、全部門が一丸となって業務改善に努めて、より一層効果的な体制を維持して、しっかりと業務を推進していくことを期待しているところでございます。以上、簡単ではございますが、監事の意見とさせていただきます。

 

○真野主査

 ありがとうございました。では、法人の理事長からお願いします。

 

○福祉医療機構理事長

 理事長の中村でございます。私ども機構の使命は、国の政策実施機関として、地域の福祉・医療基盤の進化・発展と安定の実現に貢献することと認識しております。第3期中期目標期間におきましても、引き続き福祉・医療政策の早期実現を目指して、より有効で効率的な業務運営に努めてきた結果、国の政策に基づいて設定した各事業に対する目標について、いずれも計画を上回る実績を上げることができたと認識をしております。

 この中期目標期間におきましては、平成2512月の閣議決定で、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」において、「財務の健全性及び適正な業務運営の確保のために、金融業務に係るガバナンスの高度化を図るとともに、福祉貸付事業及び医療貸付事業については金融庁検査を導入する。」とされました。そのため機構全体としては、ガバナンスの更なる高度化を図る金融検査マニュアルに準拠したガバナンス態勢を再構築して、平成26年度から運用を開始いたしております。

 具体的には、業務の健全性及び適切性を確保するためのコンプライアンス及びリスク管理に係るモニタリング等を実施する「ガバナンス委員会」、これを毎月開催としてスタートさせております。また、金融検査マニュアルをベンチマークといたしまして、「リスク対応計画」を毎年度策定いたしまして、当該計画に基づいての課題の洗い出し、把握を行うなど、PDCAのサイクルを通じた改善活動も始動をさせております。

 さらに、平成28年度からは福祉医療貸付事業に係る信用リスク管理の高度化を行うことを目的といたしまして、先ほども話に出ましたけれども、当該審議機能の一部をガバナンス委員会から委嘱をします、「信用リスク分科会」を設立するなど、より実践的なガバナンスが発揮できるような体制を構築しております。

 今後の機構の運営に当たりましては、機構経営理念であります「民間活動応援宣言」に加えまして、平成28年度から新たに明示をいたしました永続する進化を旨とする「機構運営哲学」についても、役職員が広く共有した上で、業務の有効性、効率性及び内部統制について進化をさせ、福祉・医療基盤に従事する民間活動を引き続き支援をしていきたいと考えております。

 さらに、業務の実施に当たりましては、政府が「ニッポン一億総活躍プラン」や「まち・ひと・しごと創生基本方針2016」に基づきまして、少子高齢化や地域包括ケアシステムの強化など政策方針を定める中、政策の実施・実現の一翼を担う機構といたしましても、環境変化も前広に捉えながら、進化をし続けねばならないと認識をしております。

 このことは、今後想定される厳しい報酬改定や、後期高齢者人口の2025年に向けた増加、その後の2040年代からの高齢者人口そのものの減少も含めまして、大きな環境変化に対して福祉・医療基盤を支える施設・法人が、結果として強靱な組織適応力を発揮し続け、経営の安定性を保つことに繋がらなくてはならないと考えております。

 福祉・医療基盤は、日本の価値観、文化に沿うものであり、さらには経済的負担も含めまして多くの議論に基づく結論を積み重ね、築き上げられてきました。また、現状は、最近の英国医学誌『Lancet』の195か国医療システムの調査の状況や、国際通貨基金IMFの「アジア太平洋地域経済報告書」における、高齢化に対する将来を見据えた日本の政策への言及など、国際的にも極めて高い評価を得ているものでもあります。

 今後も、一人一人の尊厳を守り、人間的に魅力ある社会を作り上げるために必須の「社会的共通資本」である福祉・医療基盤を、国の政策の遂行を担う独立行政法人として、しっかりと支援をしてまいる所存でございます。

 有識者会議の委員の皆様には、当機構の第3期中期目標期間見込評価を通じて、機構の業務運営に対しまして多くの御意見を頂き、誠にありがとうございました。本日、いただきました御意見を今後の業務運営の改善に反映させるとともに、機構として、更なる進化に努めてまいりたいと思います。以上でございます。

 

○真野主査

 ありがとうございました。何か御質問とか御意見、よろしいですか。それでは、今回、もう1つありまして、福祉医療機構の「業務・組織全般の見直し」に関わる意見ということで、福祉医療機構の「業務・組織全般の見直し」について少し議論をしていきたいと思います。はじめに、見直し内容について、法人所管課からポイントを絞って簡潔に御説明いただきまして、その後、質疑応答ということで進めていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○社会・援護局福祉基盤課長

 厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長です。それでは、お手元の資料1-3「業務及び組織の全般にわたる検討の結果並びに講ずる措置の内容()」に基づき、先ほどの機構からの期中の項目ごとの評価と重複する部分などもありますが、そうしたところは適宜省きながら御説明をさせていただきます。

 まず最初に、「第1」の前のパラグラフですが、福祉医療機構は、先ほど来御説明いたしましたように、我が国の福祉と医療の基盤を整備し、そういったところが国民のニーズに合うように発展するための機能を果たしているところです。我が国の福祉・医療をめぐる状況については、皆様御案内のとおり、今でも待機児童の問題、特養の待機者は依然として何十万人もいる状態、それから医療の需要についても高度化の中、地域の医療ではどういう体制にするかは地域ごとに違い、いろいろと難しい問題があったりします。また、福祉サービスの提供については、過去からあったとは思うのですが、かなり最近いろいろな流れの中で顕在化しているのが課題の複合化や複雑化、それから地域とのつながりが希薄になっているところなど、そういった多くの課題は今でも非常に強くあるところです。私どもとしては、こうした課題の解決について福祉医療機構に協力をお願いしながら、政策を実現していただくということでやっているわけです。

 福祉医療機構はいろいろな事業をやっており、ともすれば規模が大きく、硬直的な執行機関と思われがちなところがありますが、「小回りのきく福祉・医療支援の専門店」というスローガンで、いろいろと工夫をしながら業務をしていただいているところです。そうしたことを踏まえ、福祉・医療基盤の整備に寄与することを第一にしながら、2つ目としては、制度の谷間の要支援者を支えるような団体、後ほど具体的に御説明していきますが、そういった所の支援をすることによって、地域包括ケアシステムとか、これから私どもが目指している地域共生社会の実現といったことに協力をしていただく。また、先ほど御説明がありましたが、機構側の福祉保健医療情報サービス基盤、WAM NETなどを持っておりますので、こういったものを活用していくこと、こうしたことにより、独立行政法人が担うべきものを中心にしながら、国の財政支出の縮減にもつながるようにということで、努力をしてまいりたいということです。

 業務についてです。まず「第1 事務及び事業の見直し」です。1つ目は「福祉医療貸付事業」ということでまとめております。機構の業務については、様々なものをWAM NETなどを中心にして、いろいろと相互に連携をして業務を行うようにしていただいているわけですが、その中でも福祉貸付と医療貸付、またそれぞれの債権管理についてはまとめて考えることがより必要だろうということで、ここではこれまでの評価項目とは別に、1つにまとめております。

 これについては、各種法改正でいろいろ施策の実現をしてきたわけですが、本文では4行目以降、先ほど来申しましたように、まだまだ待機児童問題や特養の待機者問題解消のためには、福祉の受け皿の整備が必要な状況です。地域医療構想に沿った病床機能の分化や連携、それから福祉・医療共通ですが施設の耐震化の推進、こういった問題はまだまだ充実させていく必要があると考えております。このため、国のそういった政策の優先度に即した効果的で効率的な政策融資を実施していただきたいと考えております。

 また、政策融資ですので、特に公共性、緊急時の対応が非常に大事だと思っております。最近いろいろなところで災害も起きておりますが、災害時であったり、あるいは自然災害以外にもリーマンショック等の金融危機、こういった緊急時に、どうしても資金需要が民間の市場機能とは別のところで必要になる場合があります。そうしたところに引き続き迅速に対応していただくこともございますし、また、地域で福祉・医療施設それぞれの報酬の問題、あるいは過疎化が進んでいるなど、いろいろな環境の中で経営環境が全般的には厳しくなっておりますので、維持や存続が図れるような、そうした中でも貸付債権の期中管理などをしっかり行いながら、後ほど触れますが、経営的なアドバイスなどもしながら、要するに福祉と医療の基盤が整備されるように充実させていく必要があると考えております。

 一方で、公共の政策的な金融ですので、財政融資資金を使って融資をさせていただいておりますが、国だけで全てできるわけではありませんので、民間金融機関などとの協調した融資が円滑に進むようにということにも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

2ページ目、これらを踏まえて、冗長になりましたが、取りまとめますと、この融資の部分については以下の4つの留意事項を踏まえて実施をしていきたいと考えております。(1)は国の政策方針、これからもいろいろと状況に応じてあると思いますが、国の政策方針、その時々の状況を踏まえた福祉・医療基盤の整備を推進することをまず重視をしていきたい。(2)は繰り返しになりますが、災害や金融危機などのときに十分対応していきたい。(3)は融資後においても、利用者への支援を図るということで、債権の期中の管理、経済的な返済可能性の観点というのはありますが、法人や施設がきちんと国民に向けたサービスを提供していけるところまで含めた、総合的な観点で業務を行っていただきたいと思っています。(4)公的な金融ですので、民間金融機関の方々と協調した融資を実施していく。ただ、この場合も、民間金融機関と一口に申しましても、大きな金融機関から地域に密着した信金や信用組合などといろいろあり、地域によっても状況が異なりますが、何より大事なのは利用していただく法人、そこでサービスを受ける国民の方々だと思いますので、そういった実情を踏まえながら、効果的な協調融資が実施していけるようにということで考えております。

2番は「福祉医療経営指導事業」です。先ほど来申し上げておりますように、福祉・医療の施設については様々な環境の変化や経営の状況により厳しい面がかなり出てきております。そうした中で安定的に運営をするための1つの方策として、こうした施設の経営が効率的、安定的に運営されるように支援することが必要だと考えております。先ほど機構からも業績の評価のところで説明がありましたが、これまでの業務の蓄積の中で様々な情報やノウハウを保有しておりますので、こうしたものをうまく活用しながら、経営の安定化に資するようなレポート等の提供などをしたり、研修会への講師派遣、セミナーの開催など、そうした個々の状況に応じた支援の仕方をうまく使って、これからもサービスを提供していくということでございます。第4期の中期目標期間においても、貸付の関連事業、一部は今後はNPOの支援などにも経営のノウハウ面での指導などがあるかもしれないと思っておりますが、そうしたところでの支援体制の充実や拡大を図っていきたいと考えております。

3番目は「社会福祉振興助成事業」です。NPOなどの立上げ時の支援ということで主に使わせていただいている事業です。これにつきましては、私ども厚生労働省の中で「地域共生社会」の実現ということが今後5年間の中で重要な課題だと思っております。地域において様々な社会福祉に関する資源が均一ではない状態の中で、地域の状況に応じたNPOを育てていき、どんな地域に住んでいても、それぞれの資源を活用して共生社会が実現できるようにすることが大事だと思っております。そうした中で考えますと、地域の資源の状況を把握し、必要なところについてはこうした社会福祉振興助成事業などもうまく使って支援をしていくことで、地域共生社会の実現に向けた活用なども考えられるのではないかと思います。

 加えて、2ページの下から3行目からですが、助成先法人がその助成している間だけ事業ができるというのでは、資金がある間だけのことになってしまいますので、継続して活動するためにはどういったことができるかということで、優良事例の紹介や、先ほど申しました経営面でのサポート支援、情報提供といったものも含め、3ページ目で、評価なども加えながら、お金を入れている間だけではない助成先の活動の発展・充実ができるようにしていきたいと考えております。「なお書き」のところで、そうした助成金をもらうために結構手間が掛かる、手続が掛かるということではなかなか活用もされにくいですし、制度の有用性としてどうかというところがありますので、ITの利活用などにより、WAMはいろいろなシステムなどがもともとありますので、そうしたものの活用も含めて、助成先法人の事務負担の軽減、それから機構側の事務処理の短縮等、円滑に進め、間違いも少なくするといったことで取り組んでいただきたいと考えております。

4番目は「退職手当共済事業」についてです。こちらについては、保育士の確保などを中心にですが、ほかにも介護人材、障害者の支援の人材の確保ということで、退職共済に加入している方が80万人以上いらっしゃいますが、今、いずれの福祉の分野も人手が不足している中で、そうした方々に安心して働いていただくためには、この退職手当共済制度をしっかりと運営していくことも引き続き必要だと考えております。このため、機構のほうにも、利用者が増えておりますので事務量が増加しておりますが、事務の効率化をすることに加え、電子届出システムなども活用して、利用する側の方々の利便性の向上といったものも図っていただきたいと考えております。

5番目は「心身障害者扶養保険事業」です。障害のあるお子さんや御家族を持った方々には、非常に大事な制度です。4行目辺りからですが、機構はこの制度を全国的な規模の事業としてまとめて運営していることで、保険料を低廉化できたり、あるいは転居などをしても継続的に加入できることで、利用者の方々にもメリットがあるようになっておりますので、引き続きしっかりと運営をしていただきたいと思います。加入する方についてですが、まだまだ知らない方がたくさんいらっしゃいますので、福祉・医療の分野では認知度の高いWAM NETなどの基盤も活用しながら制度の周知、加入や利用の手続なども利便性が高まるように取り組んでいただきたいと考えております。

4ページ目、6番目は「福祉保険医療情報サービス事業」、いわゆるWAM NET事業についてです。インターネットの利用については、申し上げるまでもなく、いろいろと活用が全般的に進んでいる中で、WAM NET事業の中では国やほかの所でできるものとの役割分担を進めながらも、福祉・保険・医療についてはいろいろな情報がかなり集積をされていますが、利用する方もあちこちばらばら見るよりは、WAM NETを見ればいろいろな情報が一通り手に入るということで、非常に便利に使っていただいていると考えております。

 今までのような利用情報的なものを集めることも引き続きしっかりとやっていただきたいと思っていますが、私どもの社会福祉法人制度を中心に、まず社会福祉法で社会福祉法人の財務諸表、現況報告書を含めたものを集めて公開する仕組みが法制度上定められたこともあり、この情報を一元的にWAM NETで集約していただいております。第4期の中期目標期間中についても、これ以外にももともと情報の基盤がありますので、一から何もないところに整備をするというよりは、コスト面でも優位性があると思っていますし、そういう情報をまとめるノウハウも福祉医療機構に蓄積されてきていると思いますので、こういったものをうまく活用して、効率的な運営をお願いしたいと思っています。

 「なお書き」の所ですが、この社会福祉法人の電子開示システムは引き続きしっかりとお願いしたいと思いますが、障害福祉分野で、やはり情報公開が必要だという動きになってきておりますので、こういったものもこのノウハウを活用して整備をしていただきたいと思っておりますし、地域共生社会についても、これが実現したときに地域の方々が余り自分たちの気付いていないところにいろいろな福祉の資源があることも、よく御承知おきいただかないと、それぞれの地域での取組がなかなか進みにくいと思いますので、こうした基盤作りの中でも、福祉医療機構の基盤を活用していくことが想定されますので、私どもの役所も当然含めながら、ほかの関係機関とも調整しながら、実効性のある形で進めていただきたいと考えております。また、そういった中でも、せっかく情報システムの基盤がありますので、こういったものをうまく使うことにより、利用する方々の手続が簡便で効率的なものになるように、努力をしていただきたいと考えております。

7番目は「年金担保貸付事業及び労災年金担保貸付事業」についてです。こちらについては、政府の方針として廃止していく方向で、順次縮減をしてきていることは説明のとおりです。廃止後に支援が必要な方々に対する主な代替措置としては、生活福祉資金貸付制度などが挙げられております。この生活福祉資金制度をどうするかについては、年金担保貸付事業などとの比較もしながら、現在、関係の審議会などの場でも議論がされているところで、そうした中で今後いろいろと検討されていくという状況です。一定の周知期間などを置いた上で、新規の貸付については廃止していく方向で考えているところです。当然、これまでも、今でもかなり多くの方が利用されている事業ですので、廃止するまでの間に円滑に代替制度にうまく移行していただくように、そうしたところの手当てもしっかりとお願いをしたいと考えております。

8番目は「承継年金住宅融資等債権管理回収事業」です。こちらについては、国庫への納付回数を増やしたりということで、しっかりと着実にこれまで業務を行っていただいてきたわけですが、次の5年間を見据えた場合に、減少傾向が続く貸付の残高などの状況もよく見極めた上で、事業が終了するときにどういう対応をしていくのか、そこまで見据えてどう円滑に進めていくのかという具体的な検討を行っていただくことが必要だと思っております。

 「第2 法人全体の業務運営の改善に関する見直し」についてです。1つ目は、今まで申し上げたような業務を様々実施をしていただくことが基本なわけですが、そういった中でも、国の政策を実施する執行機関として引き続き国と連携をしつつ、業務運営の体制については実情に応じて適宜見直しをしていただきたい。また、既に実施をしていただいていますが、定期的な経営企画会議などを通じて、理事長のリーダーシップの下、ガバナンスがしっかりと確保される環境で業務をしていただいていると思いますので、引き続き、こうしたものを進めていただきたいと考えております。

 財務内容の改善についてですが、運営交付金を充当して行う事業については、引き続き、それぞれの事業目的を損なわない範囲で自己収入などの確保に努めながら、福祉医療貸付事業及び年金担保貸付事業において、債券の発行なども行いながら、資金調達を適切に行っていただきたいと考えております。

 業務のリスク管理の充実についてですが、繰り返しになりますが、経営会議やガバナンス委員会なども活用しながら順次行っていただいておりますので、状況を踏まえながらしっかりと対応していただきたいと思います。「また書き」のところですが、機構は各種事業を通じて、各種法人団体等の顧客情報や個人情報も非常に多数保有しておりますので、セキュリティ対策などはしっかりと進めていただきたいと考えております。今後の方向性としてはこうしたことで考えている状況です。以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。それでは、今の御説明について御意見や御質問などありましたら、お願いいたします。

 

○松原構成員

 質問ではなくて意見なのですが、社会福祉法人の財務諸表のデータがWAMで公開されるということで、正に社会福祉法人が国民に開かれた法人となるための一つだと思っており、是非、ユーザーフレンドリーになってほしいと思います。1つは、使う側にとってユーザーフレンドリーという意味です。最近の国のデータはエクセル状態で公表されますので、まだ始まったばかりですから、今ここでガタガタ言うつもりは全くありませんが、中期的には是非使う側にとって使いやすい形の公表をお願いしたい。また、法人側にとっても使いやすいようにお願いしたいと思います。例えば、膨大な量を入力することになりますが、入力している際中に途中で消えるとか、そういうことがないように。多分今は保存がきかないタイプだと思いますが、たくさん入力しておいて、途中で仕事が入ってしまって保存がきかなくて消えるということなどがないように、ユーザーフレンドリーというのを是非お願いしたいと思います。

 意見の2点目は、話のレベルがいろいろ変わって申し訳ありませんが、融資についてです。ここ近年、資金調達の多様化がどんどん発達し、多様な手法が出て来て、医療や介護などでも使えるようになってきていますが、やはりヘルスケアの分野の特徴、例えばロットだったり、資金上の頻度などを考えれば、間接金融が一番合理的というのは変わらないと思います。間接金融という意味において、前回申し上げましたが、WAMのように景気動向に左右されずに安定的に資金供給できるという機関はとても重要です。また、日本の場合、病院の7割が民間という特徴があります。このような中、政府系金融機関として、地域で期待される機能が何か、一方で、事業の安定継続をどのように図るかという、重要な2つの目線、両方セットで融資できるという意味で、WAMの存在意義というのはこれからますます重要だと思います。医療貸付の規模が減っていますが、是非、ここはWAMならではの機能を発揮するように頑張っていただきたいと思います。

3点目が、ここで言う話かどうか分かりませんが、全体のA評価が15%までという上限は、どうしても組織がもっと頑張ろうというときに足かせにならないかが非常に心配なので、もっとそこは柔軟な運営といいますか、評価、そういう体制が必要ではないかと考えております。以上、意見です。

 

○真野主査

 ほかの構成員の方、いかがでしょうか。お願いします。

 

○石井構成員

 まず、金融の貸付のほうですが、今度、平成30年度の診療報酬改定も厳しいということですし、いろいろな意味でお金に関してはとても厳しい状況で、潤沢に融資をするにはどうしたらいいのかという具体的な案とか、あるいは、今、民間の金融機関と協力と言っても、民間がどれぐらい協力してくれるかというのはちょっと不安定な状況ではないかと思いますので、その点、やはり工夫をして、滞ることがないようにお願いできればと、まず1点思いました。

 次に、この4ページの7番、年金の担保貸付事業、これは実際に廃止というところです。それに代わる代替案が既に提出されていますが、先ほどの御説明のこちらの元の資料に戻り、1-92021ページですと、貸付制度をもうやめると決めながらも、その周知をしているというところもあります。そして繰り返しおっしゃったのが、「必要な方がいらっしゃる」というところが強調されて御説明されているかと思いますので、やはり必要な方が必要なものを受けられないということにならないように工夫して、さらに、引き続き御支援をいただければと感じました。

 また、この新しい制度については、この医療福祉機構さんが請け負うか請け負わないかまではまだ決まっていないということなのか、それとも、委託事業になっていくのか、その辺りはここには明示されていないようですので、今決めていらっしゃるということなのでしょうか。ありがとうございます。私からは以上です。

 

○真野主査

 質問というわけではないのですか。

 

○石井構成員

 質問というわけでは。

 

○真野主査

 大丈夫ですか。ありがとうございました。よろしいですか。

 私も、かなり前から構成員というか、委員をさせていただいておりますが、僭越な言い方をすれば、福祉医療機構が非常に改善されてきているなとは思っております。松原構成員の言われたことに多少関係するかもしれませんが、この医療福祉の組織といいますか、病院とか社会福祉法人の継続性というのが今後、多分非常に問われるのではないかと思っているのです。そのときに、当然、次にどんどん投資をしていかなければ、先ほどの耐震に対しての建て替えなども当然なのですが、いかないはずなのだと思うのです。福祉と医療で若干の相違はあるのですが、私はどちらかというと医療のほうが詳しいものですから、まず医療のほうに限って言いますと、やはり融資が減っているわけです。多分、それは民間が少し代替している可能性もあるし、もしかすると医療機関が、本来は永続的にやらなくてはいけないのだけれども、先行きが不安なので、ちょっと投資を控えていることも考えられると思うのです。その辺りは、民間がかなり代替していると考えていいのか、そもそも医療機関の積極的な投資が減っていると考えていいのか。多分マクロの投機は、もしかしたら松原構成員などは詳しいのかもしれませんが、余りないような気がするのですが、その辺の御意見は何かありますか。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 医療の関係については、若干ではありますが、全体的にはやはり民間のほうが積極的に投資先として考えられているようで、伸びているのかなというところはあります。ただし、昨今の資材高騰とか、そういった形で手控えられているというのも、一方ではあるのかと考えております。どちらが多いのかよく分かりませんが、双方の要因があるのではないかと考えております。

 

○真野主査

 それこそ先ほどの「小回りのきく福祉・医療支援の専門店」という位置付けからいくと、やはり積極的に投資を促す、促してももちろん返してもらえないと困るのですが、促すような行動といいますか、働き掛けも必要かと思わないでもないのですが、その辺りというのはなかなかアクションはないですよね。

 

○福祉医療機構企画管理部長

 この辺りについても、私どもとしても特に医療のほうが減少している状況を踏まえて、積極的に融資相談会を開催するとか、セミナー会場にブースを設けて相談に乗るとか、あとは都道府県を回っていろいろ、こういった制度もありますとか、医師会にも、県医師会とか小さな医師会も含めて、表現が適切かどうか分かりませんが、営業活動を積極的に実施をしております。

 もう一方で、以前に融資を行った貸付先様に対して、例えば20年とか25年経過した病院様のほうに御連絡をさせていただきながら、そろそろどうでしょうかとか、今はこういう制度になっていますとか、以前書類が多かったのが今減りましたとか、そういったものも含めながらもいろいろ積極的な対応をさせていただいています。現状の診療報酬の厳しい状況において、経営が厳しいという中では、やはり私どもの長期・固定・低利という商品を御利用いただいたほうが最終的にそれが一番いいのかなと考えておりますので、機構の特長を説明をさせていただきながら、営業活動をさせていただいているというのが現状です。

 

○真野主査

 正に今は未曾有の低金利時代なので、民間の代替も増えているのかもしれませんが、御指摘があったように、長期で固定でかつ低金利と。そういったところを是非生かしていっていただければと思います。私からは以上ですが、ほかに何かありますか。

 

○社会・援護局福祉基盤課長

 各委員から幾つか御質問や御意見をいただいたことについて、少しお話をさせていただきます。まず、松原委員からお話いただきました点は、おっしゃる点はごもっともでございまして、私どもも情報の公開ということで、取りあえずシステムも順次改善していく部分もあると思いますので、そういった中で、様々な利用者や関係者の御意見を踏まえながら、改善を進めていきたいと考えております。

 その情報を集める法人側の方の部分なのですが、情報を入力して途中で消えてしまうというお話をエピソードとしてよく伺うのですが、これについては、私ども6月から本格的に施行する前に、12月ぐらいに先に暫定版といいますか、試行版のときに出させていただいたことがあります。そのときには、大変お恥ずかしい話なのですが、入力をしてから途中でやめた間に消えてしまう不具合もかなりありましたが、6月以降、本格稼動のときには、春の間に不具合を修正いたしまして、何段階かでそれぞれの書類を入力していただくのですが、ある1つの項目の修正の際には仕様上やはり最初からとなるのですが、それ以外の項目でまた最初からということはシステム上なくなっております。現状はそういった状況になっておりますが、そこは改善を含めて努力をしていきたいと思います。

 石井委員からお話いただきました、貸付に関してですが、民間金融機関の方々と、協調融資を結んでいる先としては、現在350以上の金融機関と協定を結んでおりまして、信金等も含めてかなりの地銀、第二地銀といった所は含まれてきていると思います。今、貸付の中でも大きいところは原則、民間金融機関と一緒にやりましょうという形に今年度からなっています。ただ、先ほども触れましたが、大きい所から小さい所までいろいろな金融機関がありますので、それぞれの状況にあった形で一緒に融資をさせていただいているところです。

 年金担保貸付の廃止の関係の話についてですが、生活福祉資金という、各地の社会福祉協議会で実施している生活困窮者向けの小口の融資というのがありまして、ただ、それ自体ですと、今の年金担保融資と条件も少し違っていたりしますので、そこをどうするか、そういったところを正に今、審議会で御議論いただいているところですので、これからはいろいろな利用者の便宜も含めて対応していくことになると思います。

 真野先生から御指摘いただきました、医療の貸付が減っているところですが、低金利など、いろいろな事情もあると思いますけれども、今、機構の部長からも話がありましたように、ニーズは聞きながらやっておりますので、そういったところを引き続きしっかり対応していくということだと思いますので、よく御意見を踏まえて、これから業務の見直しにつなげてまいりたいと思います。

 

○真野主査

 ありがとうございました。構成員から何か追加などよろしいですか。

 

○福祉医療機構理事長

 一言、福祉医療貸付のことですが、各委員の皆様からいろいろ御指摘を頂いたとおり、今後厳しい改定を想定しますと、キャッシュフローという意味では、医療の現場、それから福祉のほうもそうなのですが、大変厳しくなってくると思います。そういう意味からすると、政策金融の意味合いは、30年で分割で元本が返せる、財投の力を生かして低利であるところは重要だと思っております。それから、財政への負担という意味からしますと、国の信用力を使って、民間の法人施設に貸し出すという意味では、これは大きな支援だと思っておりますので、我々も引き続きしっかりと、先ほど風間からも説明いたしましたとおり、何せ30年に1回、ないしは20年に1回のお付き合いですので、この制度があることはしっかり周知を進めながら、やっていきたいと思っています。

 民間金融機関との協調の件ですが、これは我々、政策融資ですので、目的が限定列挙でしっかり定められております。そういう意味からすると、急な状況の変化による資金繰り対応のようなものについては、やはり民間で対応いただくことが福祉・医療基盤の利益のためでもあると理解しておりますので、そういう意味で、政策金融もきっちり使っていただきながら、民間ともまさかのときに備えてお付き合いをいただきながら、福祉・医療基盤の安定性を保っていただくことが肝要かと思っており、我々、協調融資制度も進めておりますので、引き続き頑張っていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

○真野主査

 ありがとうございました。では、そういったことで意見の集約はよろしいでしょうか。最後に、閉会ということになりますが、事務局から今後の流れについて、御連絡をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れについて御連絡させていただきます。本日、御議論いただいた、中期目標期間見込評価、それから、業務及び組織全般の見直しにつきまして、本WGにおける御意見、法人の幹事及び理事長のコメントなどを踏まえて、厚生労働大臣による評価及び見直しについて決定いたします。決定した内容は、法人に通知するとともに公表いたします。今回、中期目標期間見込評価ということで、中期目標の策定に流れが移っていくという、少し単年度の業績評価とは別の流れがありまして、独立行政法人評価制度委員会に通知するという手続もありますので、申し添えます。独立行政法人評価制度委員会は、総務省にある委員会で、各省庁の独立行政法人評価を横串で監督する立場の委員会です。そちらに通知する手続もありますので、申し添えます。それから、決定したそれぞれの内容、見込評価の内容と見直しの内容につきましては、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。

 今回、新しい来年度以降の中期目標についての策定の手続が始まることを冒頭に申しましたので、その目標策定に向けた流れについても、この場で併せて御説明させていただきます。冒頭に少し御紹介いたしました、参考資料111ページの流れの図を御確認ください。今日、御議論いただきました、中期目標期間見込評価と、業務・組織全般の見直しにつきましては、ここの流れにありますとおり、今後、下の総務省の独立行政法人評価制度委員会に通知をいたします。それを基に総務省の委員会で点検が行われて、その点検結果に基づき出される意見なども踏まえて、厚生労働省において次期中期目標案を作成することになります。総務省の独立行政法人評価制度委員会では、来年の1月以降、中期目標案について審議に付される流れが予定されております。ですので、厚生労働省の独立行政法人評価有識者会議におきましても、来年1月頃に本WGで中期目標案についての意見聴取を予定しておりますので、また構成員の皆様にはよろしくお願いいたします。中期目標の策定に向けた流れについては以上です。

 それから、本WGの本年度、この夏の次回の開催ですが、連日の開催となり恐縮ですが、来週87()14時からを予定しております。場所はずっとこちらの会場での開催が続いておりましたが、来週月曜日は厚生労働省の建物での開催になりまして、20階の共用第8会議室を予定しております。議題としては、本日行いました中期目標に向けた見込評価、見直しと同じ内容ですが、法人としては、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の中期目標期間見込評価と業務・組織全般の見直し内容について御意見を賜ることとしております。のぞみの園につきましても、本年度が中期目標期間の最終年度に該当し、来年度の中期目標を作るといった段階にあります。

 最後に事務的なお知らせになりますが、本日配布した資料は大部にわたりますので、郵送を御希望される場合は、前回と同様ですが、机上にそのままにして御退席いただきますよう、お願いいたします。事務局からは以上です。

 

○真野主査

 お願いします。

 

○福祉医療機構理事長

 一言、最後に御挨拶をさせていただきたいと思います。本日は、当機構の第3期中期目標期間の見込評価及び次期中期目標期間に向けた業務及び組織の全般にわたる検討につきまして、大変貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございます。

 福祉・医療基盤は、大変に重い責任と厳しい環境に直面していると思っております。「世界で最も早く進行する高齢化への対応」と、「切実な少子化への挑戦」については、基盤がしっかりと機能することで、「社会、経済の安定性への脅威」を最小限に押さえ込む必要があると認識しております。また、厳しい財政環境の中にあっても、重要な社会的共通資本として「福祉・医療基盤の持続可能性」を再担保し続け、担い手不足も克服し、必要な役割を果たし続けていかなくてはならないと認識しております。

 そのような中で、国の責務である、「社会福祉、社会保障及び公衆衛生向上及び増進」につきまして、厳しい環境も踏まえ、課題に対処する厚生労働省の政策に基づき、「地域における福祉・医療の向上」を目指して支援を行い、福祉・医療基盤の進化と安定性を確保する当機構の使命は、今後とも重要なものであると認識しております。本日頂きました御意見を踏まえながら、福祉・医療基盤の進化、発展、安定に向けまして、引き続き「小回りのきく福祉・医療支援の専門店」として、役職員が一丸となって取り組んでまいる所存です。最後に、当機構の業務運営につきまして、今後とも御指導を賜りますことをお願い申し上げまして、挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

 

○真野主査

 ありがとうございました。それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)

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