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2017年7月27日 第3回麻しん・風しん対策推進会議

健康局結核感染症課

○日時

平成27年7月27日(木)
14:00-16:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○議題

(1)麻しん・風しんの発生状況等について
(2)今後の麻しん・風しん対策の方向性について
(3)“風疹ゼロ”プロジェクトについて
(4)麻しん・風しん混合ワクチンの接種率向上に向けた取り組みについて
(5)その他

○議事

○結核感染症課課長補佐 ただいまより第3回麻しん・風しん対策推進会議を開催いたします。開会に当たり、三宅結核感染症課長より御挨拶申し上げます。

○結核感染症課長 三宅です。711日付けで結核感染症課長を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。この麻しん・風しんに関しては、実は私は9年ほど前に結核感染症課の野田さんの席に座っていたことがあります。その際に、ちょうどカナダに行っていた修学旅行生の女子高校生の方々に麻しんが発症したということで、検疫の関係でホテルから出られない状態になったり、麻しん輸出国だとして世界から非難されたり、麻しんの患者が大学生の中で大量に出た時期でした。その際に、麻しん排除計画を感染研と皆さんのお力を借りながら作らせていただきまして、ほかの課にいたときに麻しん排除が認定されたということで、ここの26階に集まって同窓会のようなパーティーをやったことを覚えています。

 そのような中で、麻しんだけではなく、風しんをしっかりと減らし、なくしていくということについて、この推進会議がまだしっかりあり、しっかりと推進していただいているということを非常に力強く思っていますし、麻しん・風しんの被害に遭われた方が委員になって、傍聴にも御家族の方も来ていただけているという中では、一層真剣にこの対策について皆様と議論しながら、頂いた議論を厚生労働省としてもしっかりと推進していくことを改めて胸に刻んでやっていきたいと思っています。

 今日は遠くから御足労いただいた方も多いと思います。実りのある会議になるようにしていただいて、頂いた議論を我々もしっかりと実行していきたいと思っています。本日はよろしくお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐 前回会議より構成員の異動がありましたので、御紹介いたします。今回の会議より新しく構成員として御参画いただいた委員の先生を御紹介いたします。日本医師会常任理事の釜萢構成員です。青森県中南地域県民局の山中構成員です。

 続いて、構成員の出席状況を御報告いたします。本日は、山口県環境保健センター長の調委員より、御欠席の御連絡を頂いております。また、矢野委員におかれましては、遅れる旨の御連絡を頂いております。また、本日は参考人として国立感染症研究所感染症疫学センターの大石先生、国立病院機構横浜医療センターの平原先生、沖縄県保健医療部の山内先生、東京都福祉保健局の影野先生に御出席いただいております。なお、平原先生は所用のため途中で御退席されます。

 続いて、配布資料の確認をいたします。議事次第のほか、資料1から資料5-2、参考資料1から参考資料7を御用意しています。不足の資料等がありましたら、事務局までお申し付けください。冒頭の撮影はこれまでとさせていただきます。

 以降の議事運営に関しては、中野座長にお願いいたします。

○中野座長 議事に入ります。司会を担当させていただく川崎医科大学小児科の中野です。本日、お手元の資料にもあるように、議事は「その他」を入れて5件あります。まずは、「麻しん・風しんの発生状況などについて」、2番として「今後の麻しん・風しん対策の方向性について」、3番として「“風しんゼロ”プロジェクトについて」、4番として「麻しん・風しん混合ワクチンの接種率向上に向けた取組について」、「その他」を議題として準備しております。

 まず、議題1、麻しん・風しんの発生状況等について、議題2、今後の麻疹・風しん対策の方向性についてということで、資料1について大石参考人から、資料2と資料3については事務局から説明をお願いいたします。

○大石参考人 資料1「麻しん・風しんの発生状況」について説明いたします。1枚めくっていただくと、麻しんについての全般的な説明があります。麻しんウイルスによる急性の全身性感染症である、臨床的な特徴として空気感染を起こし、感染力が強いということ、皮疹がみられ、薬疹様の皮疹を呈することもあります。

 次のページは亜急性硬化性全脳炎(SSPE)です。小児期に麻しんに罹患すると、長い潜伏期間の後に、従来より麻しん罹患者10万人に1人程度、こういう病気が発生することが知られており、麻しん罹患を防ぐことがいかに大事かということが、以前から強調されているところです。

 次のページです。麻しん患者の週別報告数、2008年以降の報告数の減少について示しています。御存じのとおり、2006年からMRワクチンを第1期、第2期に接種し、また2008年から2012年にかけては、5年間の措置として3期、4期に2回目の接種が実施されました。これによって、2009年以降は症例数がグッと減ったということがあります。2010年には土着株と言われていたD5ウイルスが最後に検出され、それ以降は検出されていません。症例数が減少し、2015327日には西太平洋事務局から、麻しん排除認定がなされたということですが、その前後でも、一定数の輸入例を発端とするクラスターが発生しているという事実があるわけです。

4ページです。累積報告数の推移が示してあります。2015年には年間35例と症例数が少ない年があったのですが、黄色で示している2016年が1592017年が164で、67日時点でそういった数となっております。昨年の夏にあった関西空港事例、アウトブレイクが起こったケースで症例数が増加し、今年になってからは幾つかのアウトブレイクが起こり、山形の事例で症例数がグッと増えたというところがあります。右側の図には、診断法別の麻しん症例の割合が示されています。遺伝子解析を含む検査診断が非常に多くなって、臨床診断が2014年以降減少しています。

5ページを御覧ください。最近の渡航後の麻疹患者が届出られており、とりわけ、インドネシアバリ島旅行後の症例が増加していることから、バリ島を含むアジアの国々から帰国された皆さんに対する注意喚起をしています。6ページ目は、感染症流行予測事業の2008年と2016年のものです。このように、第2期、第4期の効果が明確になっており、10歳代の年代では、95%以上の国民が抗体を保有している状況があり、このPA抗体価で見る限りは、全国民の95%が抗体を有している状況が示されています。

7ページです。2回接種の方は10代の方々では多いのですが、まだまだ1回接種のみの人たち、あるいは接種歴不明の人たちもかなりいるということが示されているところです。8ページは、WHO西太平洋事務局における麻しんの状況です。2012年以降のデータですが、中国が一定数あり、2014年にはフィリピン、パプアニューギニア、ベトナムで発生し、最近ではモンゴルなど、日本の周囲の国々でアウトブレイクが起こっている状況が分かっています。

9ページは、昨年の関空内の事業所で起こった麻しんの集団発生の状況です。最初は輸入例からのばく露があり、一番左の「薬疹疑い」となっていますが、最初の診断が少し遅くなり、事業所内での流行拡大になってしまいました。2次感染、3次感染が起こっているけれども、比較的3次感染は少数例で納まったというところです。症例の大半は若い年代で、33人中30人はB事業所の従業員でした。遺伝子が同定された29例全てが、H1という中国あるいはその周辺国で流行している遺伝子型でした。また、患者の詳細を調べたのが右側ですが、このように、症例の大半が修飾麻しんと呼ばれる非典型的な麻しん症状を示すもので、それは症例の大半が1回以上の接種、62%が1回以上のワクチンを接種しているということが影響しています。このように、麻しん排除認定後の状況下で、修飾麻しんの臨床診断が非常に困難であることから、地域における患者発生状況の共有が不可欠になっています。

10ページは2016年に検出されたウイルスの系統樹で、H1遺伝子型、D8遺伝子型が、2016年の遺伝子のメジャーなものでした。次の11ページには、H1の中でも詳細に見ていくと、もっと分類ができるということを示しています。この中でメジャーな遺伝子型というのは、H1-4という遺伝子型で、遺伝子の配列を見ることで更に遺伝子型を細かく分類できるということです。

 次のページで、D8-17という遺伝子型がメジャーなものでした。このH1遺伝子型は、2016年のある時期だけにしか発生していなかったのですが、D8についてはずっと発生しておりましたが、12ページに示しているように、グリーンで示しているD8-17というものは、18週、9週間検出されていない間隔があるということから、2か月以上同じウイルス株が国内で流行しているという事実はないことが示されています。

13ページはまとめですが、こういった疫学状況が確認されて、今申したウイルス株については、2016年に少なくとも2か月はD8-17ウイルスによる伝播の連鎖が認められない期間があることから、WHOが定義している再興には該当しない、麻しん排除状況は維持されているということです。

 次に、風しんについてです。14ページにあるように、風しんウイルスによる感染症であり、合併症は風しん脳炎、血小板減少性紫斑病があります。

15ページは、2008年から2015年までの風しんの流行と、先天性風しん症候群、そこに「CRS」と書いてありますが、「Congenital Rubella Syndrome」のことです。これは、御存じのとおり2012年、2013年に流行があり、CRSの発生は45例が届けられているところです。16ページにあるのは、先天性風しん症候群の特徴についてまとめたものです。三徴が知られています。

17ページには、2012年から2014年に届け出られた先天性風しん症候群45例のまとめです。このように、2012年から2014年の3年間にわたって発生し、そして11例が死亡例で、24%です。母親の風しんワクチンの接種歴についても、ゼロ回あるいは不明というものが、頻度的に非常に多くなっているということがあります。

 こういった2012年、2013年の状況を受けて、感染研、厚労省として、職場における風しん対策ガイドラインを作成し、発出したのが平成263月のことです。この時期の風しん患者の特徴としては、2060代の男性が非常に多かったということと、職場関連が7割近くを占めていたということです。

19ページには、風しん患者の年齢分布が示されています。患者の79割は15歳以上ということで、子供から大人のほうに患者がシフトしてきているということがあります。20ページ目は、感染症流行予測事業の結果を示しています。2016年の結果を示しています。女性に比べて男性では、35歳から50歳代の男性感受性者が蓄積していることが示されています。2012年、2013年の状況とは余り変わりない状況で推移しているということです。

21ページにいくと、風しん累積報告数の推移があります。ここにあるように、2014年、2015年と、300例、160例、その次に125例、19例で、2017年は途中ですが、症例数は非常に少ない状況で推移しています。輸入症例ということが明確な症例も右に示されていまして、フィリピン渡航後の症例が報告されています。西太平洋事務局の情報としては現在、フィリピンでは思春期から成人で風しんが流行していることが知られています。

22ページ目は、外国輸入例7例が発端だと考えられる、事業所での風しんの集団感染事例です。20151月に静岡県の事務所で発生したものです。工場で発生し、A事業所、B事業所、C事業所と、ほとんどはA事業所で発生し、ウイルスの遺伝子診断ができたものが数例あるのですが、1E型というアジアで多い型です。この事業所の性格として、インドネシアに工場があるというのが状況としてあったのですが、恐らく海外から持ち込まれたのではないかということが考えられたアウトブレイクでした。

 次に23ページは、我が国における風しんの検査診断についてまとめたものです。これは地方衛生研究所で調査したものです。2013年には検査診断例が非常に多かったわけですが、平成14年以降は症例数が減っています。メジャーな遺伝子型としては1E2Bが多いわけですが、もう15年、16年と数えるぐらいの症例でしか診断ができていないということがあります。

24ページは、ウイルス3部の森先生から頂いたデータです。麻しんで遺伝子型、そのサブタイプを解析することで疫学的なツールになるということを示したところでしたが、風しんでも同じように系統樹解析をすることで遺伝子型のサブタイピングができるということを示していただいています。もともと風しんウイルスは13種類の遺伝子型しかないのですが、近年周辺アジアで検出されているのは2B1Eで、ここに日本で検出されているような遺伝子型なのですが、こういう状況だと海外から持ち込まれたのか土着なのか、現状が非常に分かりにくい状況にあるということをまとめていただいております。

 次のページに、2015年~2017年の風しんウイルス遺伝子型の2Bウイルスについて系統樹解析したものを示しています。そこの中では、2Bの中でも少し分類ができそうだというところで、「2B-L1」と書かれている東南アジア、中国等で検出されたCluster Aには、2015年~2017年に日本で検出された遺伝子型の2Bウイルス(赤丸で示されたもの)があります。海外で検出されたものも少しあります。Cluster 2Bの中では、土着ウイルス代表株と考えられる株と、それから少し離れたところにCluster Bがあって、これは日本で最近検出されています。あるいはCluster Cも日本で最近検出されているということが示されています。一方、南アジアや中東、ヨーロッパ等では、2B-L2cという系統樹的には少し離れたものが存在するということが分かっています。こういった系統樹解析から、2Bウイルスの中でも世界的な地域性があるということ、新たに検出されたウイルス株についても土着株や海外流行株との関連性が解析できるだろうということが、ここに示されています。この2015年~2017年の日本で検出されたウイルスは、土着ウイルスが継続して伝播したものではなくて、恐らく海外から新たに侵入した可能性が高いと考えられるということです。

26ページにまとめを示しています。流行、そして血清疫学的なまとめと、風しんウイルスの遺伝子配列に基づく系統樹解析が有用な疫学的なツールとなるだろうということがまとめです。27ページに謝辞と作成者を示しています。以上です。

○中野座長 ありがとうございました。引き続き事務局から資料2、資料3を御説明いただいた上で、質疑応答に入りたいと思います。事務局からお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐 資料2「麻しん・風しん対策への取組状況」を御説明いたします。1枚おめくりいただき、「麻しんについて」というものです。内容については、先ほど大石参考人より御説明いただきました。常時行っている対策としては、定期の予防接種の積極的な勧奨、サーベイランスと患者発生時の対応、更に普及啓発をしています。現状の麻しんの状況としては、年間に多くても百数十例です。

3ページです。麻しんに関する特定感染症予防指針を作成し、それに基づいて対策を進めています。目標としては、現状は麻しんの排除を達成しているので、麻しんの排除の状態を維持していくことが重要になってきます。また、届出、検査、相談体制の充実、1期、2期の予防接種接種率目標の95%以上を達成・維持していくこと、更には予防接種法に基づかない予防接種についても奨励していくことを掲げています。

 次のページは、風しんについてです。風しんについて麻しんとの違いは、CRSがあるということです。現状は、年間に百数十例という状況で推移しています。また、CRSについては、過去数年は0例です。風しん対策の概要は、目標はCRSの発生をなくすとともに、2020年までに風しんの排除を達成することを目標としています。また、予防接種率の目標として、こちらも95%以上とすることです。更には、成人に対しての抗体検査、予防接種の推奨、自治体に対する技術支援も進めていきます。

5ページです。風しんに関しても、風しんに関する特定感染症予防指針を作成しています。こちらの目標としては、早期に先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成32年度までに風しんの排除を達成することを目標としています。こちらについても先ほど申したように、定期予防接種の接種率95%以上の達成・維持を目標としています。さらに、成人に対しての抗体検査、予防接種の推奨、先天性風しん症候群の児への医療等の提供について記載されています。

 次のページはワクチンの需給状況です。ワクチンについては、実施者数としては平成27年度に比べて平成28年度に関しては増えており、また接種率という観点でも増加していたという状況です。7ページは、麻しんに関する普及啓発及び広報活動です。厚生労働省のウェブサイト上のデザインを変更して見やすくしたということもありますし、本日のお手元にも御用意していますが、「皆で目指そう麻しんがゼロ」ということで、工夫をして普及啓発を推進している状況です。

 次のページは、風しんの抗体検査事業についてです。背景として、平成25年の風しんの流行により、14,000人以上の風しん患者と45人の先天性風しん症候群患者が報告された状況がありましたので、定期接種が必要な方を抽出するための抗体検査の情報提供を行うことにより、効果的な予防接種を実施し、風しんの感染予防や蔓延防止を図ることを目的とし、風しん予防の普及啓発活動というものと、風しん抗体検査を受検していただくことを進めています。平成27年度の実績としては、約10万人に検査の実施をしています。9ページです。これは今年の初めですが、風しんについてクリス・ハート氏とのコラボレーションをし、ポスターなども作成しています。このような普及啓発を通し、麻しん・風しんを知っていただくということを進めていきたいと考えています。

 資料3を御用意ください。前回の第2回の麻しん・風しん対策推進会議の中で、「今後の方向性について示してほしい」という御意見がありましたので、資料3を御用意いたしました。

 厚生労働省の今後の麻しん、風しんの対策の方向性としては、「3つのない」ということで進めていきたいと考えています。すなわち、「もちこまない」「かからない」「ひろげない」ということを徹底していくということです。麻しん・風しんは先ほど大石参考人からもありましたように、現状では海外からの流入が問題になってきているという状況ですので、海外からの流入を防ぐための普及啓発を進めていくということ、更に海外へ渡航される方に対して、海外で麻しんが起こっていることを知っていただくことを進めていくことで、持ち込まないことを進めていきたいと考えています。また、かからないという観点で予防接種、そして先ほども申しましたが、風しんに関しては抗体検査事業の中で、風しんの抗体検査の補助を継続する、更に普及啓発を行うことで麻しん・風しんを知っていただき、かからないということを進めていきたいと考えています。さらに、広げないということ、不幸にして麻しん・風しんにかかってしまった方がいらっしゃった場合には、サーベイランスを行い直ちに報告していただき、更に積極的疫学調査を、現状では麻しんについては1例でも発生した場合には実施していきますが、風しんに関しても、今後予防指針を改定することで、1例でも発生したら実施していくという方向で変更していきたいと考えています。また、サーベイランスに関して現状、風しんは診断後7日以内に報告するとなっていますが、6月の感染症部会で御了承いただきましたが、こちらを「直ちに報告する」と省令改正したいと考え、そのような形で進めていきます。また、先ほど大石参考人からもありましたが、麻しん・風しんがどこからきたかを知っていくためには、麻しん・風しんについて遺伝子検査を実施していくことが重要になっていきますので、遺伝子検査を徹底していくことも進めていきたいと考えています。このような、3つの「もちこまない」「かからない」「ひろげない」ということを徹底することで、麻しん・風しんの排除を進め、維持していきたいと考えています。以上です。

○中野座長 では、資料1から3につきまして、御質問がありましたらお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

○増田構成員 イオン株式会社の増田です。2点あります。まず資料19枚目、関西国際空港における事例について御説明を頂いたところですけれども、ちょっと確認のためにお伺いしたいのですが、修飾麻しんが増えた理由として、予防接種を受けていたというのがあるのでしょうか。それがあるならば、予防接種を以前、受けていたことが原因で、結果的に感染拡大につながったというように、先ほどの説明を聞いていて思ってしまいましたので、実際のところどうなのか、コメントを頂ければと思います。

○大石参考人 9ページに示されておりますように、この事業所で感染した患者さんは、かなり若い年代であり、先ほど感染症流行予測事業で示したように、抗体価はかなり高いレベルに保たれています。しかしながら、1回接種の人たちも、まだ含まれているような、そういう年代で患者が発生しています。ある程度の免疫を持ちながら発生するということで、抗体を持たない人が発症する典型的な麻しん(3つの定義全てを満たすもの)ではなくて、少し症状が軽くなるような修飾麻しん(定義にある➀➁)が発生しているだろうということです。

 さらにこの調査は患者さんの血液の中、あるいはぬぐい液のウイルス量の調査をしており、ここに2次感染、3次感染とありますが、3次感染は比較的少数例です。こういった3次感染例で、どれぐらいのウイルス量が検出されているのかを検討中です。麻しん排除認定後の、麻しん流行時の患者の臨床像及びウイルス学的所見といったものを明確にして、公表したいと考えております。

 ですので、先ほどの御質問の答えとしては、修飾麻しんが増えたということではなくて、結果的に軽い症状の修飾麻疹症例が限定的に発生しているという状況です。よろしいでしょうか。

○増田構成員 ありがとうございます。もう一点よろしいでしょうか。

○中野座長 ちょっと今のところでいいですか。現場の小児科医としてコメントさせていただきたいのですが、麻しんは特定感染症予防指針に基づいて、現場の小児科医も行政も、本当に一生懸命に診断をきちんとやっていただきます。大石センター長がお話されたように、臨床医が麻しんと疑えば、ウイルス検査も含めて今は行われているわけです。ですので、軽症例も含めて拾い上げられてきているということであって、決してワクチンを打ったから非典型的な患者さんが増えているということではないと思います。

 それを如実に示すデータが、この関空の事例もそうですし、山形の事例においても相当な患者数が報告されておりますが、どちらの集団発生を見ても、1歳から20代前半までの、2回の公的接種を受けている患者数は非常に少ないと思うのです。そういう点で、やはり私は2回接種の効果、現在、私たちが続けているこの定期接種のやり方というのは、非常に効果があると理解しております。

○増田構成員 ありがとうございました。決して異を唱えるつもりはなかったのですが、この資料を見ていて、そのようにも読み取れてしまうと感じましたので、確認させていただいた次第です。

 もう一点ですが、資料25枚目、3つ目の○に「検査費用の助成を実施」と書かれているのですが、これは企業向けにはどの程度アナウンスされたのでしょうか。企業の本社におりまして、この助成が実施されていたのを知らなかったので、どのようなルートで企業に周知案内されたのか、教えていただければと思います。

○結核感染症課課長補佐 事務局から御説明いたします。この風しんの抗体検査の事業に関しては、都道府県の自治体を通して行っている事業です。基本的にどういう形で、より広げていくかというところについては、自治体にお任せしている所が多いです。実際には保健所などで行っていただくことが多いと思います。なかなか企業にまで補助するところまでは行っていないと思っております。そこは自治体ごとにという形になると思います。

○増田構成員 ありがとうございました。

○中野座長 ほか、いかがでしょうか。

○館林構成員 3点お伺いしたいと思います。1点目は先ほどの修飾麻しんのことなのですけれども、私は子供が2人いて、1人ずつおたふく風邪と水疱瘡にかかったのですが、予防注射をしていたために、全然親が分からずほったらかしておいて、たまたま受診して分かったとか、たまたま周りで流行っている話を聞いて分かったとか、そういう状況でした。修飾麻しんというのはどういう症状で、大きくなると普通の風邪だとわざわざ医療機関を受診しないので、どういうときに行けばいいのかなどを啓発していただければ、分かりやすいかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

○竹田構成員 修飾麻しんについて、現状、分かっていることをお話させていただきます。修飾麻しんは基本的に軽症の麻しんで、症状によっては本当に発熱しかしないとか、もっと言うと鼻水しか出ないという症例もきっとあるかと思います。そうなると極めて診断は難しいです。検査によって初めてウイルスが検出されることなどで分かります。

 問題になるのは、修飾麻しんは軽症のはしかですので、患者さんが排出するウイルス量も、通常の麻しんよりも少ないです。そういう意味では公衆衛生上の問題点も通常麻しんよりは低い。では、全く感染源とならないかというと、そこには議論があり、やはり場合によっては感染源になることもあるので、修飾麻しん患者についても(感染拡大を防ぐ)対応は必要です。いずれにしても、(ワクチン接種率が上がることにより修飾麻しんの患者割合は増加して)確かに診断は難しくなりますが、ワクチンとしては接種していくことが必要かなと思います。

○中野座長 竹田構成員と全く同じ意見で、大石参考人が御説明された3次発生が少なかったというのは、もしかしたら排出ウイルス量や排出期間が短かったので、かつて30年前のみんながワクチンを打っていない頃は、1人患者さんが出たら流行は1か月2か月続きました。それが短く収束するようになったのは、感染力としては弱いのはまず事実だと、私は臨床の現場でも推測しております。ただ、全く感染源にならないわけではないので、それなりの対策、ワクチンで予防するようになったこの時代には、感染症対策をそのレベルで考えていかなければならないのも事実だと思います。

○館林構成員 実際に多分、修飾だと思いますが、おたふく風邪や水疱瘡などになって全く気が付かなかった体験からすると、近くで流行った際に、何か熱があるなど似たような症状があったら、すぐに医療機関に行ってくださいというような啓発があったほうがいいかなと思いました。

○中野座長 そうですね、病原体の感染力も、おたふく風邪と麻しんを比べれば、きっと麻しんのほうがはるかに感染しやすいでしょうから、病気ごとにも少し異なる側面があるというのも関係するかもしれません。

○館林構成員 分かりました。

○中野座長 あと2つ、御質問ありましたね。

○館林構成員 厚労省の取組で、風しんについて、CRSになられた方の医療体制などを提供するというところがあったと思うのですけれども、そこについて詳しく御説明していただけないでしょうか。西村さんはよく御存じかもしれませんけれども、具体的にどのようなことが行われているのか、ちょっと教えてください。

○中野座長 これは「先天性風しん症候群の児への医療等の提供」という5ページのスライドかと思いますが、具体的な取組について、事務局よろしいですか。

○結核感染症課課長補佐 参考資料3に予防指針のことが書かれております。これは10ページ目の第43に記載しております。実際に医師会や日本産科婦人科学会などに対して、適切な医療を受けることができるように、専門医療機関等への紹介の対応を依頼するという形になっております。また、自治体に対して、必要に応じてではありますが、ウイルス排出の有無の評価に基づいて、その児への医療や保育等が適切に行われるように、情報提供を行うことをお願いしている状況です。

○館林構成員 ありがとうございます。西村さんはこれで対策が十分になされているという理解でよろしいですか。

○西村構成員 風しんをなくそうの会の西村です。CRS児を持つ母親として、今の説明を聞いていて、私自身、子供がCRSであるから、何かCRSだからこういう医療が受けられますとか、療育が受けられますといったような情報提供を受けたことというのは今までないので、そこの面に関しましては、十分に受けられている子供もいるかと思いますけれども、私はそこは十分ではないかと思います。

○中野座長 事務局、何か追加事項はありますか。よろしいですか。

○結核感染症課長 もちろん個々の患者さんの対策は非常に大切だと思います。今の点、例えば、お医者さんの医療の所で、障害者手帳など医療以外のいろいろな社会的な支援のようなものを、もう少し周知できたほうがいいとか、どういうことをしたほうがいいという御提言というのか、その辺もう少し足りない部分などを教えていただけると、その後どうなっているのか調べやすいと思うのですけれども。

○西村構成員 私の子供は妊娠7週目にかかった割には、CRSの症状が軽いということもあるかもしれないですけれども、療育に関しましても、医療に関しましても、自分で模索して療育を受けたり、こういうことをしてほしいという申出をしたからこそ今、療育を受けられたり、視力が悪いことが分かったりということがありましたので、その辺り大丈夫だからといって、定期的には検査は受けられているのですけれども。

 どういうことが必要なのかというのは、ちょっと今すぐには何かというのが出てこないのですが、療育に関しましても、聴力・視力その他のことに関しましても、医療の方ともう少し相談ができたらいいなと思っています。相談ができずに私が心配だからお願いして、やっと検査が受けられるというようなことでは、気付かないとそのまま見過ごされてしまうということもあると思いますので。すみません、うまく言えないのですけれども。

○結核感染症課長 ありがとうございます。先天性の風しん症候群と診断された後に、いろいろな御心配があって、医療的にこうなるかもしれないなどの話を、もっとお医者さんにお聞きしたいとか、子供が生まれた後に、障害の検査などがうまくいかなかったとか、社会的な支援がどこにあるのか分からなかったとか、もしその辺で足りない部分の整理があれば、是非、後からでも教えていただければ、どのようなことができるか、まずはその現状が分からないと、構成員がおっしゃったように、一部だけなのか、全体なのかというのが分からないので、今ここでこうしようと格好いいことを言えるはずではないと思うのですが、またお教えいただけたらと思います。

○中野座長 西村構成員がおっしゃられた療育の話とか、2012年以降に亡くなられた方の24%とか、きっと医学の領域でもまだまだ分からないこともたくさんあるので、きっとここで一言で決めることは難しいと思うのですが、治療と療育、両方含めて、全ての分野の者が協力して、今後の方向性を見付けていかないといけないという、貴重な御指摘かと思います。3番目、お願いいたします。

○館林構成員 思い切り素朴な質問で申し訳ないのですが、30歳後半から50歳代の男性の感受性者というのが、2008年から余り変わっていないというお話でした。それでたまたま、しばらく流行がないのですけれども、「2020年までに排除を目指す」とあるのですが、このままでいいのかなと、素人として素朴に思うのですが、この辺はいかがなのでしょうか。

○中野座長 大石参考人、お願いいたします。

○大石参考人 確かに2012年、2013年に国内流行が起こっていて、その時期と血清疫学的には、国民の抗体のレベルは余り変わっていないことを意味しています。だからこそ今現在、風しんの対策を強化し、3つの「もちこまない」「かからない」「ひろげない」という対策は進めていくということで、2012年、2013年のような国内流行を再発させないようにしなくてはなりません。

 以前とは違う、広げないで早く検出して、早く見付けるというような対策を取れば、ある程度は2012年、2013年のアウトブレイクのようなこと大きな国内流行は起こらないかもしれません。しかし、風しんウイルスが国内に持ち込まれる可能性があり、それだけの感受性者がいるということですから、絶対国内流行が起こらないとは言えないというところだと思います。科学的には分からないというのが現状だろうと思います。

○中野座長 きっと具体的には2008年の特定感染症予防指針の麻しんを改定したときのように、感受性者をなくすために、ある世代にワクチンを打つことを考えなければいけないのでしょうけれども、どの世代をどういうターゲットにして、どれだけワクチンを確保して、どう行うかというのは、結構いろいろなことを考えなければいけないと思うのです。きっとここで、今、議論して結論が出ないと思うのですが、方向性としては、私は1つの大切な柱だと思っております。よろしいでしょうか。

○竹田構成員 それについて私もコメントさせてもらうと、長期的に見ると、今、1期・2期をしっかりやっていくことで、将来的には風しんもなくなっていくと思うのですが、2020年という目標を考えると、この成人男性に感受性者が残っていることは、2020年の目標のためには大きな問題かなと思っています。ただ、その一方、この世代の男性たちというのが、最も風しんのワクチンを受けましょうと言っても御自身のモチベーションの余り起こらない世代なので、ここにワクチンをどうやって接種するかということが、短期的になくすという意味では、一番難しい課題だなと思っています。

○中野座長 後でまた御質問を受けようと思います。最後に辻構成員から、先ほど挙手があったので、御質問をお願いします。

○辻構成員 SSPE青空の会事務局の事務局をしております辻と申します。昨年、今年と麻しんがスポット的に流行しておりますが、ある程度のところで抑えられていることは、この会議や先生方のお陰だと、私たちの会も大変感謝をしております。

 ここで2つほど質問があります。ワクチンに関してですが、昨年の関空で発生したときに、私の知り合いの、大人ですが、2回目のワクチンの接種をしていなかったので、ワクチンを接種したいとあちこち探し、また保健事務所にも聞いたのですけれども、結局見付からずに自分で探してくださいと言われて、途方に暮れたという経過があります。その後もSNSなどでワクチンが足りない自治体があるというのは見ていたのですけれども、すみませんが、もう足りているだろうなとは思っていました。

 つい昨日ですけれども、うちの子の所に来ています訪問看護師さんが、別に産科にも勤めていらっしゃるということで、産科では妊婦さんに風しんの抗体価検査をしまして、低い方は出産後に退院されるまでに風しんのワクチンを打つというようなことをされているようなのですけれども、昨年までは、そのワクチンというのがMRワクチンだったそうなのです。

 現在はそのMRワクチンが足りていないということなのか、風しんのワクチンだけになってしまったということをお聞きしました。その看護師さんも、できれば風しんもMRワクチンも金額的な大差はないので、MRワクチンを打てばいいのにという話をされていました。先ほども修飾麻しんの話も出ていましたので、できればそのワクチンを、そういった機会であればMRワクチンを打っていただけるように、ワクチンの体制が整っているのかどうかというのをお聞きしたいというのが1点です。

 もう一点、資料3に「風しんの抗体検査の補助を継続」とありますけれども、麻しんのほうの抗体検査の補助というのはどうなっているのか、お聞きしたいのですけれども。

○予防接種室長 麻しん・風しんワクチンの供給に関しては、昨年、非常に多くの方に御心配をお掛けして、医療機関の現場の方々、あるいは接種を受けられる方々にも非常に不安を持たせてしまったということを、大変申し訳なく思っております。

 昨年度のワクチンの供給は、非常に足りないという声もたくさんある中で、施策としての一番の基本であります定期接種を中心にやっていくということで、現場の先生方にも協力を頂いてやってまいりました。その関係で恐らく定期接種ではない方の接種というものが、少し後回しになったということではないかと思っております。

 麻しん・風しんワクチンの供給に関しては、一番厳しい時期が昨年の夏の段階であり、その後、冬にかけては時期的にたくさんワクチンが供給されるタイミングでしたので、昨年に比べれば改善している状況にあるとは思いますが、引き続き定期接種をしっかりやっていくという中で、定期接種以外の方への接種にまだ課題がある可能性はあるなと思っております。

 妊婦さんが出産された後に、風しんの抗体価が低い方について、MRワクチンの接種を勧める取組については、産婦人科学会の先生方とも意見交換をしております。今、MRワクチンではなくて、風しんのワクチンのみでという取組も現場で行われているというお話については、今日お聞きしたので、現状はどのようになっているのかというのを、調べていきたいと思っております。ワクチンの供給に関しては、これからも定期接種を中心に、接種を受けたい方が受けられるように、供給のほうをメーカーの御協力も得ながら、しっかり進めていきたいと考えております。

○結核感染症課課長補佐 麻しんの抗体価を検査する事業に関しては、先ほども説明しましたが、平成25年の風しんの流行に基づいて行っているということですので、実際に風しんのみということで、麻しんは行っていないという状況です。

○結核感染症課長 すみません、今ので大丈夫ですか。私の理解では麻しんの抗体価を見ると、ほぼ90%以上の方が打っているが、風しんは先ほどの報告のように、麻しん排除計画を作ったときのように、中高生にガツンとやるのとは違う、30代~50代という大人の世代なので、そこに対してはMRワクチンの話もあって、迂遠ながら抗体でまず調べて、その人を見付けて打つということをやらないといけないのです。ですから、抗体価を測る事業は我々としても、その30代~50代にワクチンも打てないし、集中的にするのがなかなか難しい中でやらなければいけないと思いますけれども、麻しんについての抗体価をわざわざ補助してまで一生懸命やるというのは、今の状態では優先順位が低いのかなと私も思っているのです。そこでまだ齟齬があれば、ちょっと教えていただきたいと思うのですけれども。

○辻構成員 風しんの抗体価検査をするときに、麻しんの抗体価検査も一緒にするということは難しいことなのでしょうか。

○結核感染症課長 ですから、お金の使い方の優先順位だと思っています。

○中野座長 よろしいでしょうか。

○竹田構成員 先ほどのワクチンの供給に関して、私は国立感染症研究所でワクチンの国家検定もやっていて、どのように市場に出ていくかに少し関わっているのですけれども、生ワクチンという性質もあって、有効期限が比較的限定されているので、たくさん作っておいて、たくさんストックするということが、やはりなかなか難しいということ。

 あとは各ワクチンメーカーさんもいろいろなワクチンを作っていて、やはり作れる量の限界もあって、なかなか常に大きな余裕を持って作るということは難しいものなので、そういった意味で供給がしっかりするためには、自治体で無駄に破棄されるものがないとか、そういうことを一生懸命やることが大事かなと思っています。

○中野座長 ちょっと時間のこともありますので、次の議題にまいりたいと思います。後でまた時間があれば続けたいと思います。

 では議題3、“風しんゼロ”プロジェクトについて、資料4について平原参考人から御説明をお願いいたします。

○平原参考人 平原でございます。私は産婦人科医です。これから縷々説明申し上げますが、先天性風しん症候群に関する研究班を、2004年に厚生労働省のほうで策定いただいた研究班の班長をずっと現在まで継続しております。資料45ページを見ていただくと、文章で書いてある資料です。今回は「“風しんゼロ”プロジェクト」について説明せよということでお呼びいただきまして、こういう機会を頂きました。

5ページのゴシックで書いてある真ん中辺りに、「“風しんゼロ”プロジェクト(要約版)」で、プロジェクト提案内容と書いてありますが、ここを見ていただくと、要するに、先天性風しん症候群のお子さんの発生をゼロにするためにワクチンをとにかく進めたい。それから、いろいろなことで方策を取りたいということが書いてあります。

 今回、“風しんゼロ”プロジェクトが、にわかに話が出て、20172月と書いてありますが、別に2017年に思い付いたわけでは全然ありません。1ページ目の所に戻っていただくと、「先天性風しん症候群に関する研究班の経緯」とあります。

 これは、一番最初は2004年に、全国で4万人ぐらいの風しんの罹患者が出ました。これは2013年の罹患者に比べるとはるかに多いです。でも、子供が中心でしたので、実は先天性風しん症候群の子供の数は2013年よりも少なかったということになっておりますが、この10人の先天性風しん症候群のお子さんがお生まれになりました。このときに急遽、結核感染症課からお声を掛けていただきまして、岡部先生の班の所に作ったわけです。そのときに、いろいろな提言ができたのですけれども、その中で、現在に至るまで全うできていないのが、ワクチンを周知・徹底して行うということで、そのときの緊急提言からずっと続いているわけです。4ページに戻っていただきます。

 “風しんゼロ”プロジェクトについてです。これは先ほど申し上げたように、2004年に先天性風しん症候群の出来事が起こりました。そのうちに、この研究班では、次、必ず起こる、必ず起こると言って何とかしなければと言いながらずっと10年たったところで、やはり2011年、2012年から兆しが出まして、2012年に一気に流行が始まりました。2013年は御承知のように大流行となったわけです。

20143月に特定指針、特定感染症予防指針が風しんに関して出たわけですが、このときに、とにかく2020年を目指してロードマップを作って、少しずつ進めようという話になっていたわけですけれども、ロードマップがなかなか産婦人科医の立場からすると見えてこない。どのようになっているのだろうと。当然、先ほど来話がありましたように、抗体の検査の助成事業を続けていただいて感謝しております。これによって、かからないようにする、プロテクトする、防御側の人たちにとっては、少しでもこの恩恵にあずかった人たちが大勢いることは事実です。いずれにしても、何とかしてゼロにしようという環境整備に関してはなかなかロードマップが分からないということで、産婦人科医会もこれはどうしたものかという議論が何回もありまして、産婦人科医会の木下会長が待っていられないからとにかく動きなさいというようなことで、私が産婦人科医会の役員でしたので、作業部会ということで、隣におられる大石参考人も含めて、産婦人科学会等でこのプロジェクトの声掛け運動をしようということになりました。これは予算がありません。ですから、とにかく声掛けで何とかやれるところからやっていこうという、ロードマップというよりは、泥縄式でやっていこうということになったわけです。

 結局、たまたまこのプロジェクトを立ち上げていたのが昨年の夏ぐらいなのですが、麻しんの騒ぎがありまして、麻しんのワクチンがどんどん無くなっていって、当然MRワクチンですから、風しんのことも含めてこのワクチンを回す方法はないですねというようなことがいろいろでしたので、苦肉の策で4ページの青い枠で囲ったことを“風しんゼロ”プロジェクトで2017年を目指して発言するということにしました。それで、24日を風しんの日、風しんゼロの日ということにしました。これは語呂合わせです。24日を風しんということで、何とか分かってもらうためには何か分かりやすい方法はないかということで決めたのが、24日を風しんゼロの日という形にして、そういうことで国民に理解してもらおうということを行ったわけです。

 四角の枠の中を見ていただくとお分かりのように、風しんは全く解決できていない、危ないですよということを国民に知ってほしいということを、まずは言いましょうということにしました。もちろん風しんになるケースが妊娠週数によって起こるとか、それと、先ほど来から話が出ていますが、30代~50代の男性が風しんの感受性者ということも書いてあります。今回は、ワクチンもなかなか手に入らないということもありまして、4番の所の海外流行地への渡航に対して、とにかく風しんを持ち込まないように水際作戦を何とかできないかなということの啓発をしたかったというのが今回の苦肉の策でした。

5ページです。青枠で囲った所ですが、これは大体40組織以上のユニットの方々に、是非、これを一緒になって声を上げていただけませんかということで持ちかけていったわけです。草案は幾つかの学会のメンバーだけで動きましたけれども、これはそれぞれの所でまた意見を頂くと、いつまでたってもまとまらないので、一方的にこれをお願いしますということでお願いいたしました。今回は海外へ行く人たちの特に3050代で、世界を股にかけて働いているビジネスマンの人たちに気を付けてくださいというのを言いたかったので、外務省にもお話をしました。

 外務省はなぜか、この40組織の中で唯一、バックアップの後援をしていただくことになりました。それで後援をしていただいたのですが、では、外務省で是非ホームページに海外渡航注意情報を載せてくれませんかと言ったのですが、これは厚生労働省のほうから言われればしますと。検疫所のホームページに書いてありますかと言われたのですが、書いていません。検疫所にもこれを送りました。ですが、残念ながらこれに関しては、外務省はバックアップしてくださったのですが、それだけになっています。今年もまた24日に向けて国民に情報を提供する形で何か動こうということで、今、準備をしております。とにかくやれることを何とかしたいというのは切実な願いでして、何も全員にワクチンを打ってくださいとか、ワクチンを何とか増産してくださいといっても、間に合わないことも分かっておりますので、やれるところから、しかもお金が掛からないことから、何かやれるところからしようという切実な声です。

 先天性風しん症候群は人間の知恵で防ぐ方法も分かっておりますし、防ぐ武器も持っているわけですが、防げない、それで先天性風しん症候群の子供が生まれるということは、これはやはりあってはならないことではないかと産科医としては思います。ですから、何とかできる方法を考えたいと考えております。

45例の先天性風しん症候群の子供が生まれたのは、2012年、2013年からの出来事ですが、産科医としては、実を言いますと、ある程度はっきりした感染歴があるとか、あるいは症状がはっきりした子供たちであるがゆえに、45例の方々が明確になったわけです。例えば、心臓の異常を持った子供は、年間1万人から2万人ぐらい生まれます。でも、この中に先天性風しん症候群の子供は2013年のときにいましたかと言われたら誰も調べようがない。現実に調べられませんでした。ですから実際には、45例で本当にそうなのかなと産科医はみんな頭の中にクエスチョンマークが付いています。それから同じように、2004年の研究班のときに、相談窓口を全国に産科の施設中心につくりました。風しんの疑いがあって、妊婦さんがどうしたらいいかと困っているときにはそこへアクセスしてくださいということで、これは産婦人科学会のガイドラインでルールとして決めておりますので、たくさん来ます。でも、そこで相談を受けても、再度、いろいろ考えられて、最終的に中絶を選ばれた方たちは2013年のときは大勢いらっしゃいました。ですから、45人の方の背景には、多くの先天性風しん症候群の予備軍であった。あるいは、その可能性があった方たちがいたのだということは、45例というわけでは全然ないのだということは改めて認識しておくことが必要ではないかと思っております。

 今回の“風しんゼロ”プロジェクトに関しては、職場に向けて是非お願いしたいということを呼び掛けておりまして、これは特定感染症予防指針でも、もちろん職場のこととか企業に向けてアナウンスが出ておりますし、国立感染研究所から出ている職場における風しん対策ガイドラインは、先ほど大石参考人からも話が出ておりましたけれども、これでも具体的に書いてあります。これ、では、実際にできるのですかという話だと思います。先ほど来いろいろ議論が出ていたのを私も実は質問したかったのですが、参考人だったので黙っていました。

 今、都道府県で、国の、厚労省からの助成事業で抗体検査をしております。実際にして、受けている方たちは全部の妊婦のうちの5%ぐらいです。ですから妊婦側として身を守る側も5%ぐらい程度しか受けていないということです。もちろんその5%の方たちは抗体検査をして低かったらワクチンを打っているわけですけれども、5%全員が打っているわけではありません。都道府県によっては2030%が受けている所もあれば、2%の所もあります。ですから非常にモザイクな状態です。これは「風しん対策推進会議」というのを各都道府県で作るということになっていますけれども、どうなっているのかなという問題点もあります。いずれにしても、できるだけ今回に関しては、職場で海外から持ち込むときだけ気を付けてくださいということだけでも何とかならないかなという話なのですが、医療機関では、海外出張して帰ってきたときは健康状態を気を付けろと、おかしな状態だったら絶対病院に出て来るなということを言います。これはルールで、法律でも何でもありません。病院側が自分たちで自ら作ったルールです。訳の分からない感染症を持ち込まれたら病院が大変なことになるのは分かっているから、海外から帰ってきたときは何の病気になるか分からないのだから、とにかく健康状態に気を付けなさいと、もし熱でも何かあったときは、すぐにそちらの医療機関ではっきりしてから、それから病院に出勤しなさいということは医療機関だったら全部やっているわけです。

 では、これを企業のほうでやっていただけないのですかと、声を掛けていただけませんか、具合が悪い人は出て来ないということぐらいは企業で言っていただけないのでしょうかと、これはお金が掛からないではないですか、ワクチンを打ってください、抗体検査をしてくれと言っているわけではないのです。それだけでも声掛けしていただけませんか、それで守っていく妊婦さんたちがいるはずなのです。実際に45例の、今回流行していた中では、職場で同僚からうつったという方は大勢いたわけです。75%ぐらいいました。私がカウンセリングした方でもそういう方がいました。非常に職場の関係の仲が後で悪くなってくるのです。非常に気の毒なケースをたくさん見ております。せめて産業医の方も企業の中で何かの形でそういうアナウンスだけでもしてくれれば、外務省も言ってくれないかなと思っていたのですが、それもなかった。

FORTHという検疫所のホームページがありまして、これも風しんのことを書いてあるのですが、風しんは、妊婦さんが風しんになると先天性風しん症候群になるということは書いてあります。でも、3050代の人がなって、日本に持ち帰ってきて流行させて、うつしてしまうことがあるということはどこにも書いていません。これは、書いてほしいとお願いしていたはずだと私は思っていたのですが、残念ながら、いまだもって書いてありません。

 そういうことも含めて、ちょっと辛辣なことを先ほどから申し上げておりますが、2004年から我々は、これ、起こるに違いないと言いながらやっていて、それで1人でも2人でも先天性風しん症候群の子供が生まれると、臨床医として防げるものが防げなかったわけですから、これは本当に忸怩たる思いをしているのが同じような業務をしているメンバーの仲間の意見です。

2013年に大流行が起こったときは、アメリカのCDCは、日本に渡航する若い女性、妊娠を考えている人は行くな、妊娠している人は行くなというアナウンスです。学会にも妊婦さんたちはみんな本当に来ませんでした。学会に女性の演者たちは本当にいなかったというのは現実でした。非常に情けない思いをしながら見ていたのが私たちの直々の感情でした。そういうこともありますので、やれることから何とかしてもらえないかと、とにかくいろいろなことを、2020年を目掛けて最後に全部済めばいいのですけれども、予算のことや、いろいろなこともありますし、でも、やれることからやれないでしょうかということを、我々は考えているというようなことで進んでおります。一つ一つの書類に関しての細かい説明は申し上げませんけれども、一番大事な申し上げたいことだけを勝手ながら、非常にお聞き苦しいことがあったかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。以上でございます。

○中野座長 ありがとうございます。資料4について質疑がありましたらお願いいたします。

○矢野構成員 質疑というか、私どもの取組を少し申し上げたいと思います。企業などでの検査というのはなかなか難しいのですが、私どもはワクチン渡航外来というのをやっております。海外などに行かれる、特に男性の方々に麻しん・風しん、水疱瘡(水痘)、おたふくの抗体検査はしております。抗体が無い方にはMRワクチン、おたふく、それから水疱瘡(水痘)のワクチン等はしております。今後、私どもの地域では、お近くの開業医の先生などとも連携しながら人間ドック等の検査項目に麻しん・風しん、おたふく、水疱瘡(水痘)を入れ込んで、予防医学の一環として取り組みたいと考えております。

○中野座長 ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。

○結核感染症課長 結核感染症課長です。平原先生、ありがとうございます。部下に平原先生の一団で今、すごくいいことをやっているので、是非ここで発表してもらったらいいのではないか、盛り上がるし、しっかりやるということになるということで、非常に楽しみにしていたのですが、このような所でわざわざ言っていただかなくても直接話していただければできることがたくさんあるのに、何で厚生労働省ができることをわざわざここで大声で言わないといけないのか、我々の感受性がなかったのかというのは、反省をすごくするところです。

 先ほど厚生労働省のせいで外務省がやらなかった、厚生労働省のせいで検疫所がその行動をしなかったとわざわざここで言っていただかなくても、ここに呼ぶ先生だったら我々としっかり話をして、それぐらいは我々できると思っていますので、もうちょっと我々もセンサーを高くして一生懸命やりたいと思います。この後、言いっ放しではなく、一緒に是非やらせていただければと思います。非常にきつい言葉をいろいろしっかり言っていただきましてありがとうございます。頑張ります。

○中野座長 ありがとうございます。では、次の議題です。議題4は、麻しん・風しん混合ワクチンの接種率向上に向けた取組についてです。資料5-1について、山内参考人から、資料5-2について、影野参考人から説明をお願いいたします。

○山内参考人 皆さん、こんにちは。沖縄県保健医療部地域保健課結核感染症班の班長をしております山内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。沖縄の麻しん・風しんの対策の予防接種の向上についてということでお話を頂いていましたが、全体的に沖縄の取組を発表させていただきます。

 昔から関わっていた先生方はよく御存じかとは思いますが、沖縄県は「はしか“0”プロジェクト」というものを持っておりまして、主にそれで予防接種向上に向けての話合いなどをしているところです。もう1つは、沖縄県の観光客の増加がありまして、そのほかにも国際的イベントがあるということで、持ち込まれる感染症がこれから本当に懸念されるところで、それについての対策をまとめましたので、それを発表させていただきます。

 次ページです。はしか“0”プロジェクトはということで、右側にあるはしか“0”プロジェクト委員会の先生方が10年以上前に作られた本になっておりますが、私たちは今でも活用しております。

 次ページ、沖縄県における麻しんの流行が、1998年から2001年にかけて起こっております。患者数もたくさん出ました。4ページにあるように、沖縄県では麻しんが流行したときに、9人のお子さんが亡くなりました。予防接種の接種率を見ていただくと、全員のお子さんが接種歴なしということになっております。

5ページ、はしかプロジェクトができるきっかけとしては、小児科医の先生方が、もしもあの時、沖縄で多くの人が予防接種を受けていたら、これほど多くのお子さんが亡くなることはなかったのではないかと、悲劇は防げたかもしれないという思いから先生方の声掛けで、保健所、県庁職員、公衆衛生の担当者、地域の市町村の保健師とかがみんなで集まって、はしか根絶に向けて沖縄県独自で、平成13年にはしか“0”プロジェクトを立ち上げております。

6ページ、はしか“0”プロジェクトがこうやって平成13年にできたのですが、現在もメンバーの入れ代わりは多少ありますが、主立った先生方に来ていただいて、年に数回集まって会議をさせていただいております。内容としては、今のこの会議の縮小版というか、沖縄県としてどういった状況があって、どのような対策ができるのかといったお話を活発に議論しているところです。

7ページ、2大プロジェクトということで、予防接種率のアップ、発生したときの蔓延防止ということでやっております。当時の県の接種率は6070%と言われています。全国平均に比べて、極めて低い状況だったといったところから、予防接種率をどういった形でアップしていくかという協議です。

 もう1つは、発生したときに迅速に確実に検査して、全数把握をしようということで、麻しん全数把握システムを構築しております。8ページにその経過を載せております。平成10年から12年にかけて、8名、1名ということでお子さんが亡くなられた後に、平成12年から13年にかけて、そういったセミナーをやってプロジェクトが発足しているわけなのですが、平成151月に「麻しん全数把握制度」の実施を行っております。これは平成20年に、国が麻しん全数把握制度を改定する約5年前に、沖縄県のほうは全数PCRで確認しようということでやっております。国の法律も改正された後も、今現在もそれについては周知を行っております。平成25年に風しんが全国的に大流行して、沖縄県でも52件発生しているということで、平成26年からはしかキャンペーンをやっているのですが、はしかに風しんを加えて「はしか・風しん“0”キャンペーン」という形で実施しております。

 次ページ、今、風しん児の話も出ておりますが、沖縄県では本当に過去に学校が1つできるぐらいの患者さんが出ています。そういった苦い経験もありますので、やはり風しんも力を入れていかないといけないというのは、私たち地域にいる人間は強く思っているところです。

10ページ、はしか・風しん“0”キャンペーン週間というのを持っております。平成14年にプロジェクトを立ち上げて、毎年5月の母の日に、はしかを忘れない週間をつくるということで、今はどうなのか分かりませんが、当時、唯一沖縄県だけの、はしかをアピールする週間を独自で設けたわけです。これは今現在もやっています。母の日には朝の新聞も半面使って“はしかゼロ”というキャンペーンをしますということでやっております。県庁前の広場がありますので、幼稚園児、保育園児に来ていただいて、アトラクションや寸劇を楽しくやっていただくという形で、その際に母親にチラシを配るということで、予防接種の向上に向けてのアピールをマスコミも通じてやっているところです。

11ページ、いつも配布する“はしかゼロ”プロジェクト委員会が作られているチラシを載せております。

12ページ、麻しん全数把握の事業としては、先ほども言いましたように、疑いがあった段階で全部の報告をして、病院から保健所に報告をしてもらいます。保健所がすぐ衛生研究所のほうに検体を持って行って、全ての症例でPCRの検査を実施しています。プロジェクト委員会の先生方はメーリングリストにみなさん入っておられますので、疑いの段階でメールが来ます。陰性だったということであれば陰性でしたという報告で、随時、県内の関わるような先生方は、全てメーリングリストで情報を共有しております。

 次ページ、麻しん全数把握事業の経歴です。平成15年からのグラフになっておりますが、疑い例を全部出してPCRをしております。平成17年に1度、陽性が0件になったのですが、ちょっとその間も出ていましたけれども、沖縄県は平成22年から県内発生は、平成26年の輸入例の1例を除いて今のところはゼロを維持しております。

 次ページ、そういった形で沖縄県としてはいろいろキャンペーンをしている割には、全国でワーストワンというか、接種率がまだ届かない。もともと始まったときに6070%台だったものが、90%台まで上ってきていますので、プロジェクトの効果というのは大分出てきたのかと思います。15ページを見ていただくと、90%を超えた後からは95%をなかなか超えないという時期で、このグラフを作るときに、平成28年に95%を1期で達成しており、私も作りながらびっくりしてしまったのですが、ただ、2期が89.8%ということで、まだまだ沖縄県の接種率の向上というのは今後も強化していかないといけない。

16ページ、県内の市町村別を見てみると、やはり市町村ごとで大分ばらつきが見られます。低い所は本当に低い所もありますので、例年、市町村の担当者の研修会を開催していまして、今年度も麻しんについて感染研の先生をお呼びして講演を予定しているところです。引き続き接種率が低い市町村への支援というのを強化していきたいと考えております。

 次ページ、観光客の増加と、国際的イベントの対策です。蔓延防止の対策の一環として、はしかプロジェクトで去年、やはりこちらも対策をしないといけないのではないかという意見を踏まえて、今年度やっているところです。

18ページ、全国的な流れだとは思いますが観光客が増加しています。下の段は、これは外国人の観光客の伸び率になっています。沖縄県は国内からの観光客も増えていますし、国外からの観光客の増加も著しいところになっています。

19ページ、では、そういった観光客に対してどうしたらいいかということで、県の観光部局に一応相談して、そういった集まりがある度に、ちょっとのコマでもいいから感染症の啓発をさせてほしいとお願いしました。観光の方たちの御協力を頂いて、インバウンド連絡会議を沖縄本島、宮古、八重山、沖縄本島の北部のほうの4か所でやりますということだったので、今年の6月にそちらへ出向きました。観光客にまず気を付けてほしい沖縄の感染症があります。レプトスピラというのは、沖縄の観光で遊んだ後に家に帰ったら、そこで発症して、何だこの病気というのもあります。もう1つは、受け入れる側の観光業者の方たちが気を付けないといけない輸入感染症です。麻しん・風しんの話をして、では、どういったことができるのかと、若い人たちにはやはり抗体価がない人もいるから、是非、予防接種、特にそういった海外の方を対象にする仕事に就かれている方たちはこういうことが必要ですというところを周知しているところです。

20ページ、国際的イベントです。沖縄県は本当にいろいろなイベントを誘致しており、観光的にはすごくいいことですけれども、私たちは毎日ドキドキしている状況なのです。昨年、「第6回世界ウチナーンチュ大会」といって、沖縄県民で昔海外に移住された方々の、その方もいるし、子孫、そういった方たちが5

年に1回沖縄に戻ってきてイベントをするということで第6回がありました。当時、最初の予定では、5,000人以上の海外の方たちが沖縄に集まってくると。そのとき、ジカ熱、ジカウイルス感染症がすごく騒がれていた時期だったと思います。ブラジルからも1,500名ぐらい来ることもありましたので、感染症課としては、では、そういった方たちの対策をどうしたらいいかということで強化サーベイランスの実施をして、早期に異常を確認、探知して、蔓延しないようにということをやらせていただいております。

21ページ、そこで一応その一環として、同じ時期というか、夏に関空の事例もありましたので、麻しんについての対策も一緒にやっていきたいということで、若い先生たちもいることですので、はしか“0”プロジェクトとか、全数把握の事業についても改めて通知等で周知を行いました。この間、麻しん疑いの報告例は3例ありましたが、検査では全て陰性、学校サーベイランスにおいても、麻しんという形で入力があってアラートが鳴ったりもしたのですが、保健所が速やかに学校にも調査を行って、麻しんではなかったという確認ができたということです。

22ページ、まとめです。沖縄県は定期的にウチナーンチュ大会や、大規模なスポーツ大会といった国際的なイベントの開催、あとは、観光客の増加もあります。こちらでは米軍基地の存在とも書いてありますが、最近は、米軍は逆にきちんと予防接種も打っているし、それなりの感染症対策はやられているので、そちらよりはワクチンの徹底、接種率が低い地域である、アジア系の国から来られる就労者や学生の方たちが大勢コンビニ、居酒屋で働いています。ですから、そのような動向を考えると、麻しんを含む輸入感染症の発生リスクが沖縄県は大きいのかと考えておりますので、感染症対策として市町村、医療機関、学校、県民が一丸となって引き続き強化していきたいと考えております。その上で、予防接種の接種率の向上は主な対策に位置付けていきたいと、今後も国の御指導を頂きながらやっていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。キロロ、「はしかにならない」「はしかにさせない」ということです。御清聴ありがとうございました。

○中野座長 ありがとうございます。では、引き続き、資料5-2について、影野参考人からお願いいたします。

○影野参考人 東京都福祉保健局健康安全部感染症対策課の影野と申します。東京都において、主に予防接種に係る業務を担当しております。本日はこの会議において、東京都の取組を発表するお時間を頂きましたので、タイトルにありますとおり、麻しん・風しん定期接種の接種率向上の取組等について、発表いたします。お時間もなくなってきているようですので、若干駆け足で進めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2ページ目に、本日の発表の目次を設けております。最初に、簡単ではありますが、東京都の麻しん・風しん対策会議の開催状況を説明してから、本日メインの都内区市町村の取組事例を紹介いたします。その後、東京都の取組等を紹介させていただく流れで発表いたします。

3ページ目は、既に皆様御存じの内容かとは思いますが、各都道府県における麻しん対策、及び風しん対策の会議については、特定感染症予防指針を根拠としております。東京都では、風しんに関する指針が示されて以降は、麻しんと風しんの会議を合同で開催しております。資料の3ページに、これまでの開催の状況を簡単に示しております。東京都では、おおむね年12回のペースで関係者の方にお集まりいただき、都内における状況を議論しているところです。時間がありませんので、より具体的な議論の内容は割愛いたしますが、4ページ目に昨年度末に開催をしました会議の概要もお付けしておりますので、後ほど御参照いただければと思います。

5ページ目は、都内区市町村の取組をまとめたものです。こちらは、資料の一番下にも書いてありますが、今申した東京都の麻しん・風しん対策会議で報告された内容を中心にして、定期接種の接種率向上に向けた都内の区市町村の取組を紹介してまいります。まず、5ページ目の一番上の表は、都内区市町村に対して実施をした調査結果を紹介しております。(1)は、麻しん・風しんの第2期の接種率向上を図るための対策について、その手法ごと、どういったものが効果があるかをアンケート形式で確認を取りながら調査をしてみたものです。見ていただくと、実施率を2つにカテゴリー分けをしておりますが、左側は接種率を一旦90%で切って、接種率が比較的高いグループと、90%未満でそうではないグループに分けてみて、何か違いが出るかを確認したものです。実際の調査では、実はここで示している2つの事項以外にも幾つかの手法はアンケートとしては示しているのですが、有意性が確認できたものはこの手法の2つということで紹介しております。(1)の表の上の事項、幼稚園・保育園を通じた接種勧奨ですが、こちらは今申した定期接種の接種率が比較的高いほうに属するグループのうち、37.5%に当たる区市町村で実施されており、そうではないグループと比較して5.9ポイント差が出ている状況です。また、その下の2つ目の手法は、医療機関と協力をした接種促進です。こちらに関しても、接種率が高いグループが9.4%ということで、そうではないグループの2倍近い1.8倍の数字となっております。こういった結果からも、地域の関係機関、保育園・幼稚園、医療機関の方と連携した取組が、このMR2期の接種率向上に対して寄与するのではないかと考えております。

 今のことは、(2)の調査結果にも表れております。こちらは少し設問が変わるのですが、感染症対策、そして予防接種の重要性の理解・促進について、関係機関と連携をしているかという質問を投げ掛けました。こちらに関しても、やはりMR2期の接種率が高いグループのほうが、例えば事項にありますとおり、学校や幼稚園・保育園などの関係機関と積極的に連携をしている状況が確認できます。(3)は少し毛色が変わる調査なのですが、予防接種台帳の電子化に係る調査も、昨年度実施をしております。表を御覧いただきますと、こちらは都内のほぼ全ての区市町村が予防接種台帳の電子化を実施しており、更にこの予防接種台帳を基にして多くの区市町村で再度接種勧奨の取組も進めていただいている状況です。

 続いて、6ページ目です。先ほどは全体のアンケートの紹介をいたしましたが、各区市町村の個別の取組事例も少し紹介いたします。実は先ほど紹介をしました東京都の麻しん・風しんの対策会議ですが、こちらの会議の場で東京都ではMR2期の接種率が高い区市町村の方に御出席を頂き、その取組を発表していただいております。それをまとめたものが、この資料です。資料にあります各区市の取組を御覧いただきますと、例えばA区であれば、接種時期に合わせてお知らせを送付しているであったり、B区であればそのお知らせとは別に今申したような保育園や幼稚園の方と連携して、ポスターやチラシを配付しているといった取組が見て取れると思います。大きくまとめると2点になります。接種の開始時期や、就学時健診などの時期に合わせて、何らかのお知らせを配付することが1つの共通項として見えてきます。もう1つは、先ほど全体のアンケートでも申し上げたとおり、保育園や幼稚園の関係機関の方との連携が、接種率が高い区市に共通するものであることは御理解いただけるのではないかと思います。こうした取組事例は、もちろん都の麻しん・風しん対策会議で、各関係機関の代表者の方に御出席いただいておりますので、その方には当然お伝えをしているのですが、加えて会議の資料も都のホームページで公開をしており、都内の関係者に広く周知を図っているところです。

7ページを御覧ください。ここからは、東京都の取組を少し紹介いたします。このMR2期の接種率向上に限らず、接種率向上全体については、当然ですが、定期接種の実施主体である区市町村の取組がメインになってきます。そういった都内区市町村の取組を支援・サポートする形で、都としても事業を展開しております。7ページ目には取組の概要をまとめておりますが、(1)は先ほど来申し上げました麻しん・風しん対策会議ですので、説明は割愛いたします。(2)は➀➁とあります。これは、東京都が都内の区市町村に対して実施をしている補助の事業です。実は東京都が行っている補助事業は多岐にわたるのですが、その中でもMR2期に特化して、若しくはそれに関係する形で補助を行っているものもありますので、ここではそれを抜粋して紹介しております。➀は、定期接種については、御承知のとおりMRに限らずワクチンの種類も増えてきており、多岐にわたる状況です。実際に接種をされる方、基本的には保護者の方がスケジュール管理等をされると思うのですが、かなり負担になってしまっている部分もあるのではないかということで、接種の時期が近付いてくるといった情報管理の部分をある程度自治体で担えないかという形で、ここに書いてありますとおり、スマートフォンや携帯電話を通じて、保護者の方に対してお知らせをするということで、少しでも負担を減らせないかという自治体も増えてきております。そういった取組を、都としても財政的に支援をさせていただきたいということで、(2)の➀の事業を設けたところです。

 もう1つ➁のメニューは、先ほど都内区市町村の取組の説明の際に、保育園や幼稚園など関係機関との連携が接種率の向上に寄与しているのではないかというお話をいたしました。そういった取組に対して、都としても支援をさせていただきたいということで、今年度から新たに➁のメニューを事業化しております。対象は、MR2期としており、2期の接種率向上の取組も都として推進をしております。

 次は補助メニューではないのですが、接種率の高い自治体の取組に共通するもう1つのキーワードしては、お知らせの配付があったかと思います。時期としては、接種の開始時期、若しくは就学時健診の時期を狙ってお知らせを配付することに効果があるのではないかということも昨年度見えてきたところもありますので、7ページの(3)にあるように新規の事業を作成しております。我々は、今回は就学時健診をターゲットとして、今年度から事業を設定いたしました。関係機関の方は、就学時健診ですので、実施される教育委員会の方や、区市町村の御協力が前提にはなりますが、御協力を頂きながらその時期を狙って、都として啓発物を作成して配付するということで、受け忘れてしまって年度を超えてしまう、そもそも受けるべきかどうか悩んでいる方に対する意識の啓発のようなものをさせていただきながら、2期の接種率向上を図っていきたいと考えております。最後の(4)は、これ以外にもホームページ等を通じて、チャネルで都民の方への情報提供も行っております。

 次は、東京都の取組のその他を紹介いたします。これまでは、定期接種についての取組の説明をさせていただきましたが、先ほど何回か御紹介がありましたとおり、平成24年度から25年度にかけて起きた風しんの流行に関しては、患者さんの多くが定期接種の機会がなかった成人の男性、若しくは定期接種の接種率が低かった成人の男女ということもありました。従って、今申し上げたような定期の接種率の向上と合わせて、抗体価が十分ではない成人の方に対しての任意接種の取組も進めていきたいということで、実施をしております。

8ページです。(1)は何度か御紹介をされていた風しんの抗体検査ですので、これは割愛いたします。(2)が、都として実施をしている事業の紹介です。こちらも都として、基本的には区市町村が行っている事業を支援させていただきたいという趣旨で作っている補助の事業で、➀の1つ目の風しん抗体検査事業の受検を勧奨してくださいというものです。検査事業があっても、そもそも受けていただかなければ何も先に進まないので、検査の受検を勧奨することをお願いして、都としてもそれを財政的に支援をさせていただいております。

 他には、➁にあるような検査や接種の履歴が分かるようなカードの交付、あとはいわゆる普及啓発も実施しております。更に➃➄は、今申したように定期接種を逃してしまった方は当然いらっしゃると思いますので、そういった方、若しくは逃したかにかかわらず抗体検査で結果的に抗体価が低いことが分かった女性に対しての任意接種の取組を区市町村で実施していただいていますので、都としてもそういった事業を支援させていただきたいということで、補助メニューに載せております。それから、この資料には記載はないのですが、これ以外にも例えば東京都の医師会とタイアップをする形で講演会を実施したりといった取組もしております。

9ページです。もう1つ、都の事業を紹介いたします。タイトルが、「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」という形で、若干ポップなものとなっております。こちらは、平成27年度から実施しております東京都の事業です。先ほど申しましたとおり、平成2425年度にかけて起きました風しんの流行においては、患者さんの多くが勤労世代だったこともあり、更に感染経路では多分先ほど御紹介もあったと思いますが、職場関連という感染経路が一番多かったというデータもありました。そこで、職場での感染症予防と蔓延防止を図ることを目的として開始をしたのが、この事業です。この事業は、資料➀の事業内容にありますとおり、従業員の方への研修やBCPの作成です。BCPは、何か起きたときの事業の継続計画と呼ばれているもので、感染症が起きても事業が止まらないように事前に準備しましょうというものです。それから、感染症予防対策の3つのコースを東京都で設定をしており、それぞれについて研修教材の提供等を行うことで、企業の職場での感染症対策を推進していきたいというものです。

 また、この事業ですが、➁を御覧ください。実施方法は、実は都が単独で実施をしているものではなく、ここにありますとおり、東京商工会議所、東京都医師会、そして東京都の3者で実施をするという連携したスキームを取っており、それぞれの強みをいかしながら都内の企業の取組を推進しているところです。なお、当プロジェクトへ御参画いただいた企業、そして各コースの目標を達成していただいた企業については、東京都の福祉保健局のホームページにて、お名前を掲載させていただいております。このプロジェクトは、様々な企業や関係者の方の御賛同を頂き取組を進めているところですので、是非一度、都のホームページを訪れていただければ幸いに存じます。東京都の取組については以上です。

 最後に、麻しん・風しん対策における課題を簡単に述べさせていただきます。10ページを御覧ください。(1)は何度も言われている部分だとは思いますが、定期、任意どちらも共通になっております。例えば、我々が会議、若しくは何か取組をして、MRワクチンの接種を推進したいという話をさせていただくときに、必ず関係者の方からお声を頂くのが、(1)のワクチンの安定供給です。本日何度も御紹介がありましたが、MRワクチンの供給に関しては昨年度も若干不足感が出たところもあります。やはり、不足感が出てしまうとどうしても1期の接種を優先せざるを得ない、若しくは定期、任意とあった場合には定期を優先せざるを得ない状況になってしまうというお声も聞きます。こちらについては、東京都からも先日、国に対する提案要求を出させていただいていますが、引き続き安定供給については御配慮をお願いできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2つ目は、なかなか解決が難しいところなので、解決策がどうという課題ではないのですが、予防接種においては任意接種者の状況の把握がなかなか難しいと思っております。例えば、これはどこの自治体というわけではないのですが、海外から帰国された方がいた場合に、その方が海外でワクチンを接種しており、抗体を持っているというのも当然あるかと思います。そういった方が日本で定期接種を受けていないとなった場合に、そういった方は定期接種の実績には上がってこないのです。ただ、状況としては既に抗体価もお持ちなので、麻しん・風しん予防、感染拡大の問題はありません。もちろん、定期接種率の向上も大事ですが、ただ一概にそれだけではなかなか測れないのが難しいところではないかと考えております。

都としては、今申した課題も含め、国をはじめ関係者の皆様方にお力添えを頂きながら、平成32年度までの風しん排除達成に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。時間のない中、駆け足の発表となってしまい申し訳ありませんが、私からの発表は以上です。御清聴ありがとうございました。

○中野座長 先ほどの議題4の資料5-15-2に関して、御質疑がありましたらお願いいたします。

○西村構成員 風しんをなくそうの会の西村です。山内参考人と影野参考人に1つずつ質問をさせていただきます。沖縄の予防接種率アップ対策に関して、はしかゼロを目指してのプロジェクトとしては、予防接種率アップ対策として、いろいろと対策をされていると思うのですが、風しんのワクチンを打っていなかったお子さんや感受性者の成人に対しては、どのような対策をされているのかを是非お聞かせいただきたいと思います。

○山内参考人 前回流行があったときに、無料の抗体検査の形で沖縄県でもやっているのですが、現在はそれはやっておりません。これは「はしか“0”プロジェクト」となっているのですが、そのプロジェクトの協議会の中でも問題とされていて、これを「はしか・風しん“0”プロジェクト」にしようとか、名前からの協議が始まってはいるのです。今は国の指針で風しんの対策を強化しようという、全数把握も含めた指針で出てくるようなことを正に今、プロジェクト内でも風しんのほうの話合いは出ております。その中には、そういった抗体検査と予防接種の補助なども踏まえて、検討をしていかないといけないねという段階ではあります。恐らく、私たちが昨年度までに話し合った内容よりも、もしかしたら指針のほうが早く出て、私たちはそれについて行かないといけないかもしれないのですが、取りあえず沖縄県としても指針に出てくるようなことは今でも考えており、できるだけ早めに何らかの対策をやっていきたいと思っているところです。何回か言っておりますが、観光業者の方たちは本当に若い子たちなのです。働き盛りのお父さんたちもいて、海外から来られて就労をしていて集団発生があったりすると、やはりその家はどうしても340代のお父さんがいる家庭なのです。そういった輸入感染症も踏まえた対策は今は身にしみて思っているところですので、是非検討させていただきたいと思います。

○西村構成員 ありがとうございました。影野参考人は、東京都の取組で、保育所や幼稚園、医師会などと連携をした対策をされているとのことなのですが、平成27417日に指定保育士養成施設校の保育実習における麻しん及び風しんの予防接種について、厚労省から通達を出していただきました。保育所・幼稚園、学校の教員や教諭、又は保育士に対する対策などは、何かされていますでしょうか。

○影野参考人 御質問ありがとうございます。今の御質問ですが、確かに東京都の取組は、被接種者、若しくは保護者の方への勧奨が多く、御指摘のあった職員の方に対する取組は、若干少ない部分があるかと思います。ただ、今説明しました職場における感染症の対応力向上プロジェクトにおいて組織内の方に対して感染症の知識を持っていただく、若しくは御自身に風しんの抗体を持っていただくという取組をしておりますので、そういった形で組織内のほうが推進できればとは考えております。

○西村構成員 ありがとうございました。

○矢野構成員 沖縄県の対策で少しお聞きいたします。他の県に比べて、第1期、第2期の接種率が低かった理由は、何か推測はありますか。

○山内参考人 市町村によって、接種率のばらつきが見られます。統計の取り方を含めて、接

種率が低い市町村に対しては、個別に確認、支援していきたいと考えます。

○中野座長 司会の不手際もあり、時間がオーバーしております。本日議論されたことで、何よりも麻しんも風しんも、ワクチン予防可能疾患です。予防できるワクチンがあるのに、その病気にかかる人が何人か出ていた。これは、大きな問題で、ワクチンで予防すべきだと思います。そして、その中でワクチンが普及すると、きっと患者さんの年長化とか、いろいろな問題が起きてきます。それから、麻しんと風しんでは、それぞれその健康被害を受ける方も異なると思うのです。その中で、冒頭の議論で課長がおっしゃられたように、公衆衛生施策ですので、どこに優先順位を付けて、何をやっていくか。そういった意味では、最後の議題で御紹介いただいた市町村の取組は、まずは定期接種。その中で漏れているところをどうしていくかも、全面に出ていたかと思います。今後は、きっと今までのワクチン予防可能疾患の制御から更に一歩踏み込んで、排除の話になってくると、2008年にも特定感染症予防対策が更新されたように、何か考えていかなければならないことが出てくるかもしれません。それを目指して、私たちも今後も協力して頑張っていきたいと思いますので、今日の議論を踏まえて前に進んでまいりたいと思います。

 最後に、事務局からお願いいたします。

○結核感染症課課長補佐 次回の会議に関しては、改めて御連絡差し上げます。以上です。

○中野座長 どうもありがとうございました。

 


(了)

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