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2017年7月24日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第19回)議事録

○日時

平成29年7月24日(月)12:56~14:27


○場所

中央労働委員会労働委員会会館講堂(7階)


○出席者

高田構成員、松浦構成員、中村構成員、戸田構成員、関口構成員

○議事

○高田構成員

 定刻となりましたので、これより議事を始めさせていただきたいと思います。ただいまから「第19回独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、また猛暑の中をお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 本日は今村主査、志藤構成員、松尾構成員、三宅構成員、宮崎構成員が御欠席です。また、本日は今村主査が御欠席ですので、今村主査の指名により私、高田が議事進行を務めさせていただきます。

 本日の議事につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日の議事は、お手元に配布させていただいております議事次第のとおり、労働政策研究・研修機構の中期目標期間実績評価に係る意見聴取です。評価項目ごとに、法人側から業務実績及び自己評価について説明いただき、有識者の皆様から御意見、御質問をいただければと存じます。

 最初に、何度か繰り返しになりますが、評価の基本ルールについてポイントだけ述べさせていただきます。参考資料3に付けております「独立行政法人の評価に関する指針(抜粋)」、これにのっとり評価を行います。ポイントだけ申し上げますと、「B」評定が標準であること、「A」評定以上を付すには定量的指標において120%以上の達成度が求められていることなどに御留意いただきますようお願いいたします。

 それから、独立行政法人の評価スケジュール全体につきましては、参考資料110ページの図のとおりです。こちらが単年度の評価のスケジュールになっております。今回の場合は、中期目標期間の最後の目標期間の評価となりますので、年度全体をまとめて、5か年度をまとめた評価ということになります。事務局からは以上です。

 

○高田構成員

 それでは、評価の検討に入っていきたいと思います。前回、平成28年度の評価について議論をいたしました。本日は第3期、平成28年度も含みます平成24年度から28年度の第3期、中期目標期間実績評価の説明をお願いいたします。はじめに、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」のうち、1-1「労働政策研究の実施体制、厚労省との連携等」について労働政策研究・研修機構からポイントを絞って、ごく簡潔な御説明をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 総務部長の村松と申します、本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。私からは資料1-1、カラー刷りのもので御説明させていただきたいと思います。

2ページ目、1-1「労働政策研究の実施体制、厚生労働省との連携等」という項目です。まず、定量的指標につきましては、厚生労働省職員向け勉強会の開催件数10回以上とあります。これにつきましては、表の一番右に平均というところがありますが、年平均17回ということで、目標達成率170%という結果になっております。

 そのほか、何点か参考指標を掲げております。審議会・研究会等における引用実績につきましては、前期、第2期が平均96件のところ、第3期は195件と約2倍に増えております。うち、厚生労働省のものにつきましては、第2期が年48件だったものが136件とほぼ3倍でございます。また、国会審議における引用実績もかつては年3件程度だったものが、3倍以上の年10件という結果で、大きく数値、実績を伸ばしたものと認識をしております。

3ページ目からは具体的な業務です。まず、労働政策研究の実施につきましては、3ページ目の左にありますようにプロジェクト研究、課題研究、緊急調査と大きく3つのカテゴリーがございます。これらの研究テーマの設定に当たり、厚生労働省や労使団体等との交流、意見交換というものを積極的に行ったところです。研究者、厚生労働省幹部との認識の共有をはじめとして、ここに掲げておりますように労使関係者から様々な場面において意見聴取をし、これらの意見を踏まえて研究テーマの設定をしているところです。

 課題研究と緊急調査につきましては、それぞれ年1回、四半期ごとに1回という形で厚生労働省からの要請を受け、具体的なニーズに即した研究を実施したものです。

4ページ目、更に研究と政策のブリッジ機能の強化について、具体的にどのような意見交換の場を設けているのかということを、実績を踏まえて記載しております。まず、数値目標である厚生労働省職員向け勉強会につきましては、2つの種類がありますけれども、私どもの成果の発表に基づいた意見交換というものと、厚生労働省の人事課からの要請に基づいて職員向けに講義を行う研修という、2種類を実施しております。

 右側、更に研究員の審議会・研究会等への参画とございます。厚生労働省のみならず法務省、文部科学省等、各種審議会等において今期第3期においては344件と前期を大きく上回る研究参画を実施しております。

 右の真ん中の箱ですが、効率的な実施体制ということで、私どもはプロジェクト研究として大きく6本のプロジェクト研究を実施しており、それらを各分野の部門ごとに研究を実施しておりましたが、平成26年度には雇用システムと法プロジェクトというものを新たに立ち上げ、部門ごとのプロジェクトに加え、政策立案の基礎となるような基盤的研究と位置付けて、こうしたプロジェクトを実施し、その実施に当たっては研究部門全てを横串にする形で研究員が参加する取組を進めているところです。

 更に外部研究者との連携ということで、大学その他の研究者や労使関係者等にお願いをして、それらの方々のアドバイス等を受けながら研究を実施してまいったところです。

5ページ目にこれらを踏まえた自己評価を書いております。御説明は割愛いたしますが、以上、前期より大きく実績を上げたと考え、自己評価はAとさせていただいております。以上です。

 

○高田構成員

 ただ今、御説明いただいた事項について御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。

2ページに、平成24年度から28年度までの評価のまとめが書いてありますが、平成26年度までと27年度、28年度とは評価基準が変わっておりますので、それを総合した結果が自己評価としてAであるということでよろしいですね。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 はい。

 

○高田構成員

 いかがでしょうか、特にございませんか。

 

○戸田構成員

 御説明ありがとうございました。目標等も含め、定量的な数値で非常に高い成果を上げていらっしゃるということはよく理解しているつもりです。

 確認の意味で質問なのですが、今回、Aという評価に関しては妥当というように考えておりますので、特段異論等はありません。もし、定量的な数字以外で定性的に、今回、この中期目標の中で機構が特段に上げるべき成果と考えていらっしゃることとしては、やはり効率的な実施体制という、4ページの右側の資料の中で部門ごとに柔軟に連携を図って、幾つかプロジェクトを走らせたというところも定性的には1つの評価に値すべきポイントなのかと考えています。もし、そのほかに何か定性的に、この中期目標期間の中でやってきていらっしゃったことがあれば教えていただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 ありがとうございます。プロジェクト研究の中で横串的なテーマについて、研究体制を整えて研究を始めたということは、私どもといたしましても重要なポイントとなる事項かと思っております。更に、3ページ目に研究の種類がありますが、右下に緊急調査、四半期に1回の要請を受けてとありますが、こちらは直近の厚生労働省の要請を受ける仕組みとして、第3期から始めたものです。これによって、直接的に厚生労働省のニーズを受けるという形を取っております。

 

○松浦構成員

 御説明ありがとうございます。私もこの内容でA評価ということについては全く異論ございません。妥当な評価結果なのではないかと考えております。

 そのうえで念のため確認なのですが、スライドの2ページのところに、審議会・研究会等における引用実績とあります。この点、「等」には何が入っているのかを確認させていただきたいです。また、引用実績が非常に大きく伸びていますが、この要因をどのように分析されているかについて、以上2点お伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 研究会等における引用が大きく増えた原因としては、基本的には、平成24年度から始まるこの第3期が、非常に労働政策に関する注目を浴びた5年間であったということで、第2期と比べると毎年のように労働関係の法改正が行われておりますので、そうした議論の場が多かったことが一番のポイントかと思っております。

 審議会・研究会等についてですが、厚生労働省なり内閣府で実施されている会議で、研究会ではなく、検討会や専門委員会などの名称を冠しているものが多々ありますが、これら研究会に類するもの、検討会や専門委員会といったものにおける引用された回数です。

 

○松浦構成員

 それでは、基本的には、名前はいろいろありますけれども、国の傘下にある検討会や研究会、審議会ということでよろしいですか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 はい、そういうことになります。

 

○松浦構成員

 もう1つの御回答は、政策論議として雇用政策が非常に注目された中で、情報ニーズの高まりに適確に対応された結果、引用回数が増えたという御説明だと理解いたしました。どうもありがとうございます。

 

○高田構成員

 よろしいでしょうか。我々としてはA評価で異論はないということでよろしいですね。

それでは次の項目、1-2をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

1-26ページからでございます。「成果の取りまとめ及び評価」につきまして、数値目標につきましては4点ありますが、数値は達成しております。これらについてはまた、後ほど具体的に御説明申し上げたいと思います。

7ページ目、成果の取りまとめに当たって、どのような経緯でやっているのかということについてまとめております。成果の取りまとめの件数としては、労働政策研究報告書から始めて各種ありますけれども、5年間で241件の報告書を取りまとめております。この報告書の取りまとめに当たっては、基本的に個別研究成果について内部評価及び外部評価という形で厳格に評価を実施しており、それぞれ内部評価と外部評価において2名の内部研究者、また外部についてはリサーチ・アドバイザー部会といった外部の有識者会議において2名の先生方に評価をいただいて、厳正に評価をしていただいているものです。

 更に、左下にありますように厚生労働省の政策担当者からの評価もいただき、それらを踏まえて調査研究の在り方について適宜顧みているというものです。取りまとめられた成果物については、研究会・審議会等での活用件数は先ほど申し上げました195件、これらのフィードバックによって適切にまわしてきていることの結果だと思っております。

8ページ目に具体的な数値目標の達成結果がございます。まず左上、政策の企画立案等に貢献した研究成果につきましては、目標は全体の2分の1以上ですが、結果としてこの5年間の全ての研究報告書の80.3%ということで、161%の達成率となっております。

2番目、厚生労働省からの行政評価ですが、目標は毎年度80%以上ですけれども、この5年間で平均98.7%、これも達成率120%を超えております。

 右上、外部評価(リサーチ・アドバイザー部会による評価)ですが、これはSABCDですけれども、A(優秀)以上と評価された成果の数を3分の2以上確保とされているところを、95.8%と大きく上回り、これも達成率144%と大きく達成をしております。

 最後、有識者アンケートにおいて有益であるとの評価を3分の2以上得るというものについても97.1%、達成率146%ということで120%を大きく上回ったものです。これら数値目標を全て、120%以上を大きく上回るということで自己評価としてはAとさせていただいております。以上です。

 

○高田構成員

 ありがとうございました、御意見、御質問をお願いいたします。

 

○戸田構成員

 ありがとうございました。1点確認なのですが、資料1-18ページ目、(3)外部評価という項目があるかと思います。最初の文章の2行目、「これまで、評価を受けた48件のうち」と書いてあります。この48件というものの根拠というか、前の7ページですと、成果の取りまとめとして、全部で241件ある中で、48件評価を受けたということです。数が少し、全体の241件と異なっているといいますか、一部割愛されているような印象を受けるのですが、48件だけを評価に挙げている根拠やその背景について教えていただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構研究調整部長

 御質問ありがとうございます。48件の内容ですが、研究成果の取りまとめに当たりましては資料1-17ページでaからeまでを挙げております。対象となりますものにつきましては、aからe5種類の中でaの労働政策研究報告書とcの研究開発成果物をまとまった成果物として出しております。なぜ、全部外の先生に見ていただかないのかという御質問だと思いますが、まず外部評価者が外部の、主に大学の先生方に学術的な観点からも評価をいただきますので、政策のインプリケーションや研究手法が学術的に一定の水準以上のものということで、労働政策研究報告書と研究開発成果物としております。

 ほかのものが何かを少しお話したいと思います。eの調査シリーズがありますが、これは基本的にはアンケート調査をした場合、その結果をもちろん集計をして解析はしますが、そういうものを取りまとめて報告をする媒体です。資料シリーズと申しますのは、ヒアリング調査、あと先行研究を調べたりする場合に、研究の前段階でいろいろなことを調べているところで得た知見や蓄積などを、1つにまとめているものです。それから、dのディスカッションペーパーというのは御案内のとおりですが、個人が関心を持った少し萌芽的と申しますか、そういうものを簡潔に取りまとめて、それがだんだん大きな研究テーマになって報告書などにつながるものです。先ほどから申し上げているように、48件は労働政策研究報告書がほとんどですが、あとは研究開発成果物ということでお願いをしているものです。

 

○高田構成員

 よろしいですか、ほかにはどうでしょうか。

 

○松浦構成員

 御説明いただきありがとうございました。スライド6に、平均の実績や達成状況がございます。達成状況は、前期との比較では、ほぼ横ばいという傾向になっているのでしょうか、前期と比べた結果を教えていただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 前期についてはこうした目標を設定しておりませんので、数値はございません。

 

○松浦構成員

 前期はこういう項目の達成状況を把握されていないということですか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 把握しておりません。

 

○松浦構成員

 なるほど。分かりました、ありがとうございます。

 

○高田構成員

 例えば、厚生労働省からの評価だと平成24年度が84.6%、平成25年度が82.8%ですから、対前年比で言えば若干下がったということですね。平成26年度になると今度は83.3%ですから若干上がった、というように上がったり下がったりという動きであるというように理解してよろしいですか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 この政策の企画立案に貢献したものについては、目標期間中においてということで、順次、対象の数が増えていきます。その年に過去の平均よりも高い評価を受ければ少し上回ります。だから、平成24年度で84.6%から平成25年度、26年度と来て、平成25年度については少し平成24年度の評価よりも25年度単年度の評価が低かったがために、全体としては少し落ちたというものである。数値としてはそういう見方になります。

 

○高田構成員

 まあ、それぞれ目標値に対してその年度の達成率を見ている。ですから、対前年何パーセントという形ではありませんけれども、変動は4%とか、それほど大きくないわけです。厚生労働省からの評価は平成24年度の84.6%が一番高くて、一番低いところが平成28年度の80.3%、4%ぐらいの変動幅と読めばよろしいのでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 そうですね、少し平成28年度について申し上げると、過去の評価水準から比べると評価の低いものがやや増えてしまったという結果です。

 

○松浦構成員

 私はそれより先、その前の5年間について質問したのですが。

 

○高田構成員

 ああ、第2期の中期目標。

 

○松浦構成員

 はい、そうです。前期と比べてどうなっているかを質問したのですが、それについては数字がなかったということでしたので。

 

○高田構成員

 すみません、誤解をしておりまして。

 

○松浦構成員

 ありがとうございます。

 

○高田構成員

 第2期の平均実績との比較でどうなのでしょうかということですね、それは分かりますか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 前期においてはこうした数値設定はしておりませんでしたので、第3期において開始をしたというものです。

 

○高田構成員

 ああ、そもそも評価方法が違っていたということですか。なので、こういう形の評価をしなかったので比較ができない。これはちょっと、そのときどきでいろいろ工夫しながら評価方法を改善してきていますので、ずっと時系列で追うことが必ずしもできないということです。よろしいですか、ほかにございますか。結論としては、シート1-2についてA評価、特に異論はございませんということですね。それでは1-3をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

10ページからが、1-3「国内労働事情、各種統計データの収集・整理」の項目です。この項目の定量的指標については、表の一番上の国内労働関係情報の収集・提供、年100件以上でして、また後ほど御紹介しますが、数値目標は大きく上回っております。そのほか2点ほどの参考指標がありますが、後ほどまた御紹介申し上げます。

11ページに実績報告がありますが、国内労働事情の収集・整理については、平成24年度から各年度目標を大きく上回り、全ての年度において120%を超え、第3期平均で137件というものになっております。

 こうした情報の労働現場の実態把握に当たっては、右側の箱にありますように、労使関係者との間で長年構築されてきたネットワークの活用による取材等のほか、モニター調査、定点観測調査等を継続的に実施することによって、情報を収集しているところです。左下にありますが、収集した情報については、様々な場面で企画立案や議論の活性化に貢献をしてきたものと考えており、ここに幾つか例示をさせていただいているとおりです。

12ページについては、各種統計データの収集・整理です。各種のデータを継続的に収集し、ホームページ等で公表しているところでして、特に「早わかりグラフで見る長期労働統計」といったことで、視覚的に分かりやすい情報・統計データの提供に努めておりますし、また、「ユースフル労働統計」や「データブック国際労働比較」も非常に評価が高く、活用がなされていると考えており、矢印の所に書いてありますように、ユースフル及びデータブックの有意義度では、第3期平均98.4%と高い水準を維持しております。また、「統計情報」のホームページでの閲覧については、平均158万ページビューということで、約2倍に達しているところです。

 さらに、13ページで図書館の関係ですが、私どもの上石神井本部の1階に労働分野の専門図書館ということで、専門図書館協議会に入りつつ運営しているところですが、これらについて右側にありますような貸出冊数、レファレンス対応数等の数字になっております。また、図書館の業務運営については、先日も御説明申し上げたとおり、平成284月から効率的な運営と効率化・簡素化という観点から外部委託を導入し、この結果、効果として右側にありますように、100%に近い満足度評価を得るといった効果が現れていると認識しております。

14ページで自己評価ですが、これら今まで申し上げたところを踏まえて自己評価はBとさせていただいております。以上です。

 

○高田構成員

 ありがとうございました。前の2つの項目が専門家向けのものであるとしましたが、こちらは専門家も含め一般市民向けに対する活動ということであろうと思います。これに関してはいかがでしょうか。

 

○松浦構成員

 御説明ありがとうございました。この中で達成率だけ拝見しましたら137%ということで、御説明をお伺いしていても、前期を上回る非常に高い成果を上げておられるというお話だったのですが、前の評価シートの1-2についてはA評価という判定をされ、一方で達成率が137%のこちらについてはB評価という自己評価をされた理由について、もう少し補足的に御説明いただけますでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 昨年度の有識者会議での御議論にもありましたが、この国内情報の収集・整理における数値目標、定量的指標の年100件以上というのが、そもそもレベルが低いのではないかという御指摘を頂いたところです。実は第4期については、実績を踏まえ年140件以上という設定をしたところです。ですから、目標水準が低いがために達成率が高くなっているだけであって、Aには値しないのではないかという皆様方の御意見を踏まえて、平成27年度のB、更にそれを踏まえて平成28年度もBと自己評価をしたところですので、これについては5年間を通じてもB評価が適当ではないかと思っています。

 それに対してシート1-2については、平成27年度に新たな基準設定をしていただいてからも、A評価を頂いておりますので、私どもとしては達成したことは当然として、有識者の皆様方の御意見を踏まえても、A評価に値すると評価をしたということです。昨年度来のこの場を踏まえた議論、また、厚生労働大臣の実際の評価も踏まえて、こちらはBとさせていただいたものです。

 

○松浦構成員

 ありがとうございます。

 

○高田構成員

 平成24年度から平成26年度までの評価基準と平成27年度以降とか、これは違った面がありますので、単純平均ができないということです。よろしいですか。では、シート1-3も原案といいますか、これについて異論は特にありません。

1-4をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

15ページから、1-4「海外情報の収集・整理、海外とのネットワーク」という項目です。この項目について、数値目標は1点だけでして、海外の労働関係情報の収集・提供、年100件以上という目標になります。それに対して達成状況は非常に高い水準でして、平均で174件、達成率174%となっております。そのほかの参考指標について、ここに掲げてありますが、また御説明の中で御紹介申し上げたいと思います。

16ページから実績報告ですが、数値目標の達成状況については、ただいま申し上げたとおりでして、海外情報の収集・整理に当たって、左下にありますように、国際比較の観点から重要な欧米諸国に重点を置きつつも、更に加えて第3期はアジア諸国を対象とした労働情報の収集・整理に注力したところです。中国、韓国をはじめとして、また、平成27年度はミャンマー、更に平成28年度にはカンボジアの研究にも取り組んでいるところです。

 右側で政策研究への貢献ということで、提供した情報の引用件数については、第3期平均151件ということで、前期に比べて約4倍に上っているところです。これら引用件数が増加した背景として、量から質への転換ということで、件数のみを目指すのではなくて、当然ながらその質を高める努力も、平成26年度から明示的に取り組んでいるところです。ここに掲げている3点というものに注意しながら、情報提供の質を高めるという取組を進め、右下にありますように、問合せや取材対応についても、第3期は平均113件ということで、前期を大幅に上回っております。

 次に17ページ、海外ネットワークの構築です。招へい・派遣ということで、海外からプロジェクト研究に関連の強い研究者の招へいをしているところでして、数では若干少ないわけですが、5年間で合計9人の研究者を受け入れております。また、一方、派遣者数については、特に平成28年度は10人となっており、第3期計28人の研究員等を国際学会等に派遣しております。

 加えて右側で、海外とのネットワークということで、日中韓、日韓のワークショップを毎年開催しておりますし、更に平成27年度まで「国際比較労働法セミナー」と「国際比較労働問題セミナー」を、隔年、交互に開催しておりましたが、第4期において、アジアにおける労働政策研究の拠点としての機能強化を図ると中期目標で示されたことを受けて、更なる海外ネットワークの構築ということで、これら2つのセミナーを合併というか衣替して、平成28年度末に「国際比較労働政策セミナー」を新たに拡充して実施したところです。これを更に第4期を通じて継続的に発展させていきたいと考えております。そのほか、海外からの労働関係者、研究者の来訪も、年間102件、計519名という受入れに上っているものです。

18ページが自己評価ですが、これら数値目標の達成とそれぞれの努力を踏まえて、十分に目標は達成できたということで、自己評価はBとさせていただいております。以上です。

 

○中村構成員

 御説明ありがとうございました。数字から見ると非常にいいという印象ですが、これについては、前中期目標のそもそもが低いのではないかという御指摘が確か過去にあったと思うのですが、その数字の達成率に対して、Bとした何か理由等がありましたら補足をお願いしたいのですが。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 国内情報と同様に、数値目標のそもそもの立て方が甘いという御指摘ですので、数値目標の達成したことをもって評定を上げるということは、なかなか理解が得られないのかと思っております。加えて、これまでややもすると、私どもが国際的にいろいろな情報を発信するとか、海外からの研究者等に対する支援を行うことについては、少し消極的になりつつある嫌いがあったわけですが、第4期からはこれを、先ほど申し上げたアジアにおける政策拠点としての機能を強化していくという観点から、一層の国際協力というか国際的な活動を強めていきたいと考えておりますので、今年度以降の海外情報の提供の事業については、できればAを目指していくということでして、第3期の期間における活動について言えば、平成27年度評価を鑑みてBが適当ではないか、という自己評価です。

 

○中村構成員

 はい、分かりました。海外等も含めて、これから勢いを持ってやるという話です。非常に期待しておりますので、よろしくお願いします。

 

○戸田構成員

 御説明ありがとうございました。評価委員の場は機構がBを付けてくると、こちらがAにしろというのは、なかなか言いづらいところもあって、そういうことを踏まえた上で少しコメントさせていただきたいのです。この点に関しては、私も有識者会議の場で何回か発言させていただいて、そもそもの目標が厳しいということも、私というよりは、むしろほかの委員だったような印象もあるのですが、申し上げたところもあります。

 海外の件に関しては、着実に成果を上げているところもあるという印象も持っておりますので、機構としても3期の中期目標を全部見ると、Bという評価は厳格な評価と言ってもいいのではないかと考えております。海外のネットワークを構築するという件に関しては、前回の有識者会議の場でも申し上げましたように、機構としては、是非頑張ってやっていただきたいというところも思っておりますので、今回は仮にBだとしても、先ほど御指摘がありましたように、来期はAを目指していただくよう頑張っていただきたいと思っておりますし、今回の中期目標期間の成果を振り返って見ても、Aとしてもいいのではないかとも考えておりますので、その点、機構がBとしている中でAでもいいのではないかというコメントは、こちらとしてはなかなか言いづらいところもあるのですが、そういった意見もあることを御理解いただければと思います。

 

○松浦構成員

 御説明ありがとうございます。確かにそもそもの数値目標が低過ぎるという御指摘があったということですので、174%であったとしても、A評価がなかなか難しいという御判断だということは理解ができたのですが、それに加えて、例えば取材要請の対応件数であれば、対前期で13倍、あるいは、英文情報全体のホームページビュー数も、対前期の2倍ということで、精力的に取組がなされている様子が見て取れますので、こういったことを側面的な支援材料にして、Aにすることについては、御議論がなかったのでしょうか。御議論の経緯についてをもう少し御説明いただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 自己評価の決定に当たりましては、まずそれぞれの項目を担当する各部門、各部の評価があり、それを事務的なことで言えば、各部の部長等会議等を踏まえて、理事長をトップとする経営会議でもって最終的に決定するというプロセスを踏むわけですが、確かに内実を申し上げてしまえば、この海外の項目については、当初、海外部門からはA評価に値するのではないかという判断がありましたが、平成27年度の評価と先般の平成28年度の評価ではB評価が妥当だという御評価だったわけでして、それらを踏まえると、中期5年間の評価としても、平成27年度評価及び平成28年度評価がBということに鑑みれば、Bが適当ではないかというのが、我々の最終的な判断になります。

 

○松浦構成員

 ここでのやり取りも踏まえて、最終的に御判断いただければと思います。どうもありがとうございます。

 

○高田構成員

 上方修正の意見も、強い意見も出たということで、1-4はまとめさせていただきたいと思います。来期の強化に我々としては期待をしております。よろしくお願いします。

1-5を御願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

19ページから、1-5「労働政策研究等の成果の普及」です。数値目標等については、この表に掲げているとおりですが、また後ほど御紹介申し上げます。

20ページで数値目標の達成状況がそれぞれあります。メルマガの発行回数及び読者数については、共に達成をしておりますし、有益度も95.5%ということで、120%を僅かに下回ると。そして、ニュースレターの発行回数、有益度、更に研究専門雑誌の発行回数という目標についても、これらを達成したところです。右下にありますように、これらの成果の普及を通じて、マスメディアでの記事掲載、引用数は1,301件、年平均260件ということで、前期を上回る実績を上げたところです。

21ページで、ホームページの改善についての記載をさせていただいており、平成26年度に私どものJILPTのホームページ、トップページをはじめとして、あらゆるページの改善を実施したところです。これらの改善の結果と考えておりますが、ホームページのページビュー数は、第3期平均約686万ということで、第2期の2倍近いものになっております。また、有識者の御意見を踏まえて、成果物等のアクセスの解析、公表もしておりますし、前回、御説明申し上げたとおり、研究成果を研究領域ごとに紐付けして見付けやすくするという取組みもしております。

 右側で、労働教育講座ですが、長年実施しております東京労働大学講座を5年間を通じて実施しています。総合講座、専門講座は多くの受講者を迎え、有益度は93.1%、94.7%と高い評価を頂いておりますし、平成27年度からは特別講座も実施しているところです。研究専門雑誌についても、「有益である」との評価が96.2%と高い評価を頂いております。

 以上、22ページにまとめて自己評価を書いておりますが、数値目標はしっかり達成できたということで、自己評価はこれもBとさせていただいております。

 

○高田構成員

 ありがとうございます。いかがでしょうか。特に御異議はありませんか。

1-6をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

23ページ、1-6「政策論議の場の提供及び政策提言」です。定量的指標については、労働政策フォーラム関連の指標が2つあり、共に達成をしております。

24ページ目から、実績報告です。労働政策フォーラムについては、ほぼ年度計画どおり6回開催し、平均266名の参加を得て、参加者のうち「有益であった」という評価が93.1%という高い評価を頂いております。加えて、右側に有効な開催とありますように種々工夫をし、東京以外での地域における開催や、私ども単独で行うのみならず、共催フォーラムということで国際キャリア教育学会や日本学術会議との共催、また各種後援を得る工夫もしたところです。

25ページ目は、国民各層に対する取組です。政府・与党・国会議員からの問合せへの対応も、ここのところ数多く受けておりますし、また個別の取組として最新の政策課題を分かりやすく整理して提示するということで、ホームページ上で「リサーチアイ」というコラムを設け、研究員のみならず様々な有識者からの提言を公表しているところです。また、専門雑誌ですが、日本労働研究雑誌に毎月「労働政策の展望」ということで、大きなテーマに関して有識者の方々から大所高所から提言を頂くページも設けたところです。更に第3期からは、「政策論点レポート」を毎年発表しております。

26ページに自己評価を書いておりますが、数値目標は達成しておりますし、また各種工夫を講じているということで、自己評価はBとさせていただいております。以上です。

 

○高田構成員

 ありがとうございます。いかがでしょうか。

 

○戸田構成員

 御説明ありがとうございました。1-6に関しては、数値目標が労働政策フォーラムでの有意義度が80%以上というところかと思います。単純に計算して、80%という目標でそれを120%超えるとなると、96%という形でかなり高い水準になってくると考えているのですが、今回の5か年の数字を見ても、ほぼ9割を超える高い水準であるということは理解した上での質問ですが、仮に例えば全体平均で93.1%というと、残りの6.9%の方々は有意義でないと判断していることになるわけです。この人たちが、なぜ有意義でないと判断していらっしゃるのかということについて、何か分析や判断されたことはないでしょうか。こういった質問をさせていただくのは、今後もこうした数値目標に関して高い水準を上げていくためには、やはり有意義でない方がどのような意見を持たれているのかを見ていくことが重要だろうと考えますので、そういった観点から質問させていただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 回によって違いますが、専門性の高い議題でフォーラムを行う場合には、理解の浸透が少し薄いというか、よく分からなかったという方も増えてしまうのかなということです。介護問題のフォーラムを開催したときなどは、非常に関心の高さもあり、会場自体が大きかったこともありますが、参加人数も多く、かつ有益度も高かったということで、フォーラムの課題設定と実際にどう議論を発表していくのかということは、毎回それぞれ担当部で工夫をしているところですが、思うように理解が進まない部分があり、それはまた次のフォーラムの設定に当たっては、やり方も含めて更に改善をしていく努力は進めていると思っています。

 

○関口構成員

 今の政策フォーラムに関連してですが、工夫として東京以外での地域の開催も実施されているかと思うのですが、そういった点での工夫や、テーマ設定に当たっての工夫、あるいは今の満足度といったところで、何か傾向みたいなものが、もしあれば教えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構研究調整部長

 労働政策フォーラムの開催ですが、先ほど申し上げましたように、参加者からアンケート調査をいたしますが、その中で今後どのようなテーマで開催を希望されるかなどを聞いたり、少し難しかった場合などは、もう少し具体的な例を出すよう工夫したりということがあります。

 それから地域開催の工夫ですが、テーマ設定について、地域のほうからこういうテーマでとご提案をいただくということがあります。地域については、前期、労働部会の時代から地方でも開催をしたらどうかというアドバイスをずっと受けてきた中で、初めに大阪や福岡で開催しました。私どもでは地域の雇用に関する研究、東日本大震災の復興・復旧に関する研究をテーマにプロジェクト研究で立てております。その研究蓄積を持って、昨年度仙台、宇都宮に出かけたところです。その中でも、労働局や労使、それから宇都宮ですと、大学にも御後援いただきました。昨年度一番工夫をしたこととしては、先ほど御指摘がありました「介護ゼロを目指して」というフォーラムでは、労使や企業の具体例を出して、厚生労働省からも政策の動向などを具体的に説明をしていただいたおかげで、非常に高い評価を得ました。一方、放送大学から労働政策フォーラムをテレビで放送しつつ、1回放送大学で開催していただけないかという御要望があり、開催いたしました。私どもは初めての経験で、先方もそうだったのですが、少し学術的すぎたと反省しているところです。運営についても、アンケートでたくさんご指摘をいただきます。報告時間、人選を含め、そういうご意見を踏まえて工夫・改善をしているところです。

 

○高田構成員

 結論としては、自己評価で異論はないということでよろしいでしょうか。

 それでは、次の項目1-7をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

27ページの1-7「労働関係事務担当職員等に関する研修」です。こちらの定量的指標については、研修生及び所属長の有意義度で、数値目標85%以上ということでありまして、ともに97.4%、96.2%と非常に高い評価を得ておりますが、そもそもの目標である85%の達成率120%は100%を超えますので、もとより120%には到達しないというものですが、極めて高い実績を得ているところです。そのほか、業務実績について、28ページ以下で説明申し上げます。研修の効果的な実施ということで、新たな行政ニーズに迅速・的確に対応したコース・科目の設定や、研修生の意見の分析、また厚生労働省との協議の結果として、研修内容の充実というものに毎年取り組んでおり、右側に幾つかその結果を記載しております。数値目標の達成状況については、先ほども申し上げましたが左下にありますような高い成果を得ております。また、受講者数、参加者数については、右下に表になっておりますが、第2期平均3,200名余と比べて、平成27年度、28年度は4,000人を超える高い水準の受講生を受け入れて、研修を実施したところです。ほぼ、キャパシティーの限界の人数と認識をしております。

29ページ、研修と研究の連携です。右側の表にありますように、研修と研究をそれぞれが効果を発揮し合うということで、研究員が講議に参加し、研修効果を上げ、また研究員にとって現場の問題意識等を吸い上げることを目標に連携をしているところです。数字的には左上にありますイブニングセッション、これは本科授業外の夕方に研究員が研究成果等を発表して討議を行うものですが、年15回以上という目標に対して、おおむね年30回の実施をいたしました。そのほか、職業相談技法におけるツールを開発しておりますので、そうしたキャリアガイダンスツールの講習会も随時開催をしたところです。

30ページに自己評価がありますが、これらを踏まえて自己評価は、研修の部分はBとさせていただいております。以上です。

 

○高田構成員

 いかがでしょうか。全体としては、高い水準のパフォーマンスを着実に続けていらっしゃるということで、B評価ということになっているかと思います。

 

○戸田構成員

 質問というよりは、むしろコメントなのですが、この項目に関してはBで妥当だと考えます。やはり機構のみならず、独立行政法人に求められていることの1つとして、やはりいわゆるシナジー効果というところで、今回この項目でいうと研究と研修がいかにシナジーを持つかが重要なポイントだと考えます。もちろん、成果に対する評価に関しても、やはり定量的なものでいろいろと数字目標を立てておりますが、それ以外に定性的にどういった成果があったかというところも、我々としても大いに評価したいと考えておりますので、是非今後はそういった研修と研究のシナジー効果を生むというところを是非御検討いただければと思います。以上です。

 

○松浦構成員

 御説明ありがとうございました。スライドの27ページの研修実績の所で、平成24年度、25年度ときて、平成26年度に参加者数が大きく上昇し、更に平成27年度に4,000人ぐらい増えているというような動きがみられます。平成25年度から26年度については、コース数がかなり増えているので、それが参加者数の増加に影響したのかとも思われるのですが、平成26年度から27年度、28年度にかけては、多少コース数も増えているものの、参加者数が非常に増えていると。この参加者数の変遷について、どのように分析をされているか、御教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構労働大学校長

 労働大学校の清川です。私どもが行っている研修のうち1つ大きな分野を占めているのが、労働行政に新たに入った方に対する研修ということで、全員に対する研修をしておりますので、かなりのボリュームになっているところです。この研修の参加人員については、その年々の採用状況によってかなり大きく変わってきます。ここで、平成24年度、25年度がかなり少なくなっているということについては、当時は公務員の採用抑制の関係があり、かなり監督官、あるいは一般の事務官も含めて採用人数が抑制されていたことが影響していました。逆に、平成27年、28年はコース数は同じでもかなり膨らんでいるのは、1つは採用抑制の反動と合わせて、定年退職者等の増加に伴い、今度は新規採用職員がかなり増えたこともあり、こういった形でかなり多くの研修生を受け入れております。私どもは、限られた資源ではありますが、そういった全ての人たちに研修をすることが大事だと思っておりますので、いろいろと工夫をしながら受け入れているということです。

 

○松浦構成員

 ありがとうございます。

 

○高田構成員

 研修実績は、一応参考指標ということで出されていると理解をしております。達成基準の問題でいいますと、イブニングセッションが目標15回以上という設定に対して、最近は30回を超えることもあるということで、これは当初考えられていたよりもかなりイブニングセッションの需要といいますか、ニーズが高くて、受講者、参加者も安定的に確保できているということで、そのようなことになっておられるのだろうと思うのですが、こういうものは当初の見込みよりも非常に多かったとなるのでしょうか。その場合は、来期の目標としてはもう少し高めに出すということになるのでしょうか。その辺りを教えていただきたいと思います。

 

○労働政策研究・研修機構労働大学校長

 イブニングセッションについては、先ほどお話に出ました、いわゆるシナジー効果の中でも代表的なものと考えております。やはり、各現場で働いている方々にとっては、第一線の研究機関の方から専門的な研修、専門的な研究テーマについてお話いただくということについては、大変ニーズがあると考えております。また、研究をされる方についても、セッションはお互いのやり取りですので、いろいろな気付きの面も出てくるということで、双方にとって相当有意義ではないかと思っております。そのために、当初考えていた、前期目標としていた15回というよりも、かなりそれぞれのニーズが合致する部分があって、実際に今期は平均30回させていただいたところです。今後とも、これには力を入れていかなければいけないと思っておりますので、今年度以降の新たな期の目標としては、目標数を倍にして、年間30回を目標にして、これまで以上に力を入れていきたいと思っているところです。

 

○高田構成員

 非常に良いプログラムを開発されたということで、そういう数値目標とは違うところでの大きな貢献という、教育プログラムというのはなかなか新しいことをするのは難しいところがあるかと思うのですが、そういう中でときどきはこういう革新が起きて、改善をされていくということを、我々としても評価していきたいと思いますので、そういう点を強調していただいて、数値目標だけではない質的な面での改善、貢献もアピールしていただければ幸いかと思います。取りあえず、これについても自己評価のBで特に異議はないということでよろしいでしょうか。

 それでは、1-8についてお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

31ページ、1-8「業績評価システム/業務運営等への意見及び評価の把握」です。この項目については、定量的指標については、事業活動全般で有益であるとの評価を3分の2以上の者から得るということになっており、成果としては平均96.2%、達成率は144%と大きく上回ったものです。

32ページ以下に、実績報告がありますが、数値指標については先ほど申し上げたとおりです。業務運営の改善の実績について種々書いてありますが、組織体制見直しということで、第3期において23課の縮減を行っております。更に、先ほども申し上げた図書館運営業務のアウトソーシングも実施をいたしました。右上、PDCAサイクルの確保ということで、様々な場面で改善を行っており、第3期から取組を強化した主な例ということで、政策論議の場の拡充、政策論点レポートの発行等、幾つか改善した事項を記載しております。更に、冗費等の点検、工夫ということで、職員アンケートの実施や外部委託、清掃、警備、ヘルプデスク等を外部委託業務の実施、その他の検討も随時行ったところです。

33ページ目で自己評価をまとめておりますが、PDCAサイクルを着実に回して業務の改善に努めたということで、自己評価はBとさせていただいております。以上です。

 

○高田構成員

 これについては、いかがでしょうか。

 

○戸田構成員

1点確認なのですが、32ページの(1)達成すべき具体的な目標と、96.2%という数字の根拠という形で載っておりますが、これは第2期、第3期ともに中期目標期間中の5か年の数値を全部合計したものという理解でよろしいでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 さようでございます。

 

○戸田構成員

 そうしましたら、またこれも確認の質問で恐縮なのですが、この項目に関しても数値目標だけを見ると、この3期の計画で達成率が144%という形で、120%を上回っているにもかかわらず、今回機構としては評価をBとした理由としては、やはりこの中期目標が低いのではないか。特に、第2期の実績も「大変有益」と「有益」を合計しますと、95%で、ほぼ第3期と同等の数字であるというようなことから、機構としてはBとされているという理解でよろしいでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 着実に業務を進めているという判断で、Bでやむを得ないと思っています。

 

○高田構成員

 よろしいでしょうか。これに関しても、以前機構でまとめられたように、高い水準の業務を着実に実行しているということで、B評価であると。これで、我々も特に異論はありませんね。ありがとうございます。

 それでは、次にいきます。2-1について、お願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

34ページ、2-1「業務運営の効率化目標を達成するためとるべき措置」という項目です。34ページに一欄になっている数値目標、定量的指標については、御覧のとおりで、全ての数値目標を達成したところです。

35ページ、参考として書いていますが、役職員のスリム化については、今期の目標としては、平成23年度から平成25年度の常勤職員数から5人以上削減するというもので、114名から5人以上削減ですので109名でいいところ、105名で、更なる縮減を達成したところです。理事数の1名の削減も予定どおり実施をしています。国からの財政支出の削減については、御覧のとおり着実に減少をしています。組織の見直しについては、先ほど申し上げたことと重なるところです。

36ページ、実績報告ですが、組織規律の強化については、内部統制の強化で、内部統制推進室の設置、または職員の専任化、更にはコンプライアンス委員会、リスク管理委員会等の定期的な開催といったことを適切に運営しておりますし、効率的かつ効果的な業務運営体制の整備ということで、先ほど来申し上げた事項について記載しています。契約の適正化については、調達等合理化計画に基づいて取組を進めていますし、ガバナンスの徹底ということで、各種委員会の定期的な開催、確認をお願いしているところです。

37ページ、数値目標の達成状況がありますが、一般管理費、平成23年度比、15%以上節減に対して、15.0%の節減、業務経費、同5%以上節減について、5.4%の節減、人件費については、毎年度1%以上の節減、これは達成をしています。

 更に、施設設備の整備については、計画どおり実施をしています。右上で、自己収入の拡大についてですが、先般、平成28年度評価のときにも申し上げましたとおり、平成28年度については、平成22年度に比して11.9%増で、特別講座等の取組、新刊書の発行、即売という取組に努めた結果、達成をできたところです。

 情報セキュリティ対策については、先般の他の独法の結果、状況を踏まえて、他の独立行政法人と同様に情報セキュリティの強化のための順次手続を進めているところです。

38ページ、以上申し上げた実績を踏まえて自己評価はBとさせていただいています。以上です。

 

○高田構成員

 これも業務の効率化ということで、数値目標に非常に馴染み安い領域でありますが、こういう状況であると。何かありますか。

 続いて、3-1をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 最後、3-1「財務内容の改善に関する事項」、39ページ、40ページです。40ページに具体的な数値がありますが、中期計画に基づき予算を適切に執行し、執行率92.5%、各個別項目においても、節約を達成したところで、中期計画に基づいた予算の作成、予算の執行ができているという評価で、B評価とさせていただいています。以上です。

 

○高田構成員

 これについて、いかがでしょう。よろしいでしょうか。

 それでは、次の事項に移ります。続いて、法人の監事及び理事長から、中期目標期間における中期目標の達成状況等を踏まえ、今後の法人の業務運営等について、コメントをいただければと存じます。最初に法人の監事から、続いて法人の理事長よりそれぞれお願いをいたします。

 

○労働政策研究・研修機構監事

 監事の東ヶ崎でございます。当機構の中期目標期間における中期目標の達成状況を踏まえ、今後の当法人の業務運営等について所見を申し上げます。

 私は平成2510月から当機構の監事に就任しておりまして、この間、当中期目標期間5年のうち、4回の監事監査報告書に署名をしてまいりました。前任監事からの引き継ぎに当たっての意見聴取、過去の関係書類の検閲、役職員へのヒアリングを通じて把握しておりますことから、客観的に判断いたしますと、平成24年度から平成28年度までの期間実績については、研究員、調査員、そしてその2者の活動を支える事務職員、合わせて100名規模の独立法人ではございますけれども、多岐にわたる事業において成果の質の向上に努めつつ、毎年度共、中期目標策定、当初に掲げた目標を地道に達成させており、高く評価できるものと考えています。

 今後の事業運営に関してですが、前回の年度評価の場においても、所見にて申し上げた繰り返しの物言いとなりますが、第4期中期計画の開始に当たっては、当機構の各業務の数値目標が、過年度における継続的な高水準の取組の結果、これまでよりも高いレベルに設定されました。それにより、職員の精神的な負担が過度なものとならないよう、ひいては、業績の低下、あるいはモチベーションの低下を招かないよう配慮していただき、政策研究、並びに研修機関として求められる役割をしっかりと果たしていただくよう、理事長には適切なマネージメントをお願いしたいと存じます。以上です。

 

○高田構成員

 ありがとうございました。では、理事長、お願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 理事長の菅野です。私も東ヶ崎監事と同じように4年間理事長を務めさせていただいております。ただいま東ヶ崎監事から、第4期については業績の低下を招かないように、職員の意識向上に配慮して日々のマネジメントをしっかりするようにというようなお言葉を頂きました。第3期においては、中期計画の下で、調査研究活動と研修活動の双方につき、様々な工夫を凝らして、よりよい成果を上げることに努めてまいったつもりです。その結果、調査研究の成果を取り出しても、厚生労働省をはじめとする政府の関係各所で、多数活用いただいており、相応の貢献を果たすことができたのではないかと考えています。

 第4期については、調査研究活動と研修事業を一層発展させるとともに、更なる業務の質の向上と成果の普及を図るべく、引き続き役職員が高い意識の下に一丸となって新たな目標を達成すべく、努力したいと思います。特に働き方改革、一億総活躍プランなどの喫緊の政策課題に対応する課題研究や緊急調査の取組を進めるとともに、引き続き労働政策の企画立案の基礎となる研究を体系的、継続的に推進し、また国内外に向けた労働情報の発進の強化に努力してまいりたいと思います。

 それから、本日特に激励をいただいた国際ネットワーク作りについては、第3期については人材の海外国際会議への派遣、海外からの人材の招へいを増やし始めたり、それからアジアの国別労働情報の収集分析を再開したり、新しい国際労働政策セミナーを試験的に開始するなどの取組みを始めておりますが、これらはまだ言うなれば、ホップ・ステップ・ジャンプのホップを終えたくらいのところではと私は思っていまして、今後、例えば日本の労働情報を、海外に伝える新しい英文情報誌を原則月1回、発刊を始めるとか、そういうことも仕組んでいまして、これからまた、更に努力して、本格的に国際的なネットワーク作りに励んでいきたいと思っています。

 最後に繰り返しになりますが、組織のガバナンス評価、PDCAによる目標管理、内部統制システムの整備、情報セキュリティの確保等についても、引き続き遺漏ないように整備してまいりたいと思います。以上です。

 

○高田構成員

 ありがとうございました。ただいまの御発言内容について、御意見、御質問等ありますか。よろしいでしょうか。

 それでは、労働政策研究・研修機構の中期目標期間実質評価にかかる今後の取扱いについて、事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日、法人から説明がありました業務実績及び自己評価に対して、構成員の皆様から寄せられた御意見や法人の監事及び理事長のコメントなども踏まえまして、厚生労働大臣による評価を決定いたします。その評価結果については、法人に通知するとともに、公表いたします。決定した内容につきまして、後日、構成員の皆様にもお知らせいたします。

 当有識者会議の労働ワーキンググループ、次回の開催ですが、83()10時からを予定しております。議題としては、労働者健康安全機構の平成28年度業務実績評価について御意見を賜ることとしております。場所は本日と同様、中央労働委員会の7階講堂です。

 それから最後に、事務的なお知らせですが、配布した資料の送付を御希望される構成員の皆様は、事務局より送付いたしますので、机上にそのままにして、御退席いただきますようお願いいたします。事務局からは、以上です。

 

○高田構成員

 それでは、本日は、以上とさせていただきます。長時間にわたり、熱心な御議論をいただき、ありがとうございました。


(了)

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