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2017年6月9日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録

○日時

平成29年6月9日(金)15:00〜


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席委員(16名)五十音順

  赤 羽 悟 美、 石 川 欽 也、 今 井 輝 子、 大 森 哲 郎、
○奥 田 晴 宏、 金 子 明 寛、 神 田 敏 子、 佐 藤 雄一郎、
  柴 田 大 朗、 杉      薫、 鈴 木 邦 彦、 武 田 正 之、
  増 井   徹、◎松 井    陽、 森   保 道、 山 田 清 文
 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(5名)

 磯 部 光 章、 大 賀 正 一、 岡   淳一郎、 川 上 純 一、
 平 石 秀 幸

行政機関出席者

武 田 俊 彦 (医薬・生活衛生局長)
森    和 彦 (大臣官房審議官)
山 田 雅 信 (医薬品審査管理課長)
佐 藤 大 作 (安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
林    憲 一 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
猿 田 克 年 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○医薬品審査管理課長 「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」を開催いたします。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。

 初めに、新たに当部会の委員に就任していただきました先生を御紹介いたします。東京学芸大学教育学部人文社会科学系准教授の佐藤雄一郎先生です。よろしくお願いいたします。

 本日の委員の出席状況についてです。磯部委員、大賀委員、岡委員、川上委員、平石委員より、欠席との御連絡を頂いております。また、森委員が遅れているようです。本日は現在のところ、当部会委員数21名のうち15名の委員の出席を頂いておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。

 それでは、松井部会長に以後の進行をよろしくお願いいたします。

○松井部会長 本日の審議に入ります。事務局から配布資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告してください。

○事務局 資料の確認をいたします。席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しています。また、議事次第に記載されている資料1から資料11をあらかじめお送りしております。

 当日配布資料として、資料12は審議品目の薬事分科会における取扱い等の案、資料13「専門委員リスト」、資料14「競合品目・競合企業リスト」、参考資料として「各品目の有効成分の化学構造式」を配布しています。

 続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、資料14について御報告いたします。1ページを御覧ください。「パルモディア錠0.1mg」ですが、本品目は高脂血症(家族性を含む)を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 2ページを御覧ください。「ルボックス錠25他2規格、デプロメール錠25他2規格」ですが、本品目は強迫性障害を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 3ページを御覧ください。「ビプレッソ徐放錠50mg、同徐放錠150mg」ですが、本品目は双極性障害における鬱症状の改善を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 4ページを御覧ください。「スピンラザ髄注12mg」ですが、本品目は乳児型脊髄性筋萎縮症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 5ページを御覧ください。「カナリア配合錠」ですが、本品目は2型糖尿病(ただし、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物及びカナグリフロジン水和物の併用による治療が適切と判断される場合に限る)を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。

○松井部会長 ただいまの事務局からの説明に対し、御意見はございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、委員の皆さんの御了解を得たものといたします。

 委員からの申出状況についても報告してください。

○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。議題1「パルモディア」は、退室委員はなし、議決に参加しない委員は大森委員、武田委員です。議題2「ルボックス、デプロメール」は退室委員なし、議決に参加しない委員は大森委員、杉委員、武田委員です。議題3「ビプレッソ」は、退室委員は大森委員、議決に参加しない委員は武田委員です。議題4「スピンラザ」は、退室委員なし、議決に参加しない委員なしです。議題5「カナリア」は退室委員はなし、議決に参加しない委員は大森委員、杉委員、武田委員、森委員、山田委員です。以上です。

○松井部会長 今の事務局からの説明に、御意見はございますか。よろしいでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。

 本日は審議事項が5議題、報告事項が4議題、その他が1議題です。審議事項の議題1に移ります。よろしくお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料1、医薬品パルモディア錠0.1mgにつきまして、機構より御説明いたします。本剤はペマフィブラートを有効成分とする高脂血症の治療薬になります。本薬は、本邦で承認されているフィブラート系薬剤と同様に、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR α ) を活性化することにより、血漿中のトリグリセリド低下作用をもたらします。

 今般、国内の臨床成績を基に、「高脂血症(家族性を含む)」を申請効能・効果として製造販売承認申請されました。なお、2017年5月現在、本剤が承認されている国及び地域はありません。本品目の審査に関して、専門委員として、資料13に記載されている委員を指名しております。

 本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。審査報告書の45ページを御覧ください。国内第 III 相試験として、トリグリセリド高値の日本人脂質異常症患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験が実施されました。本試験の目的は、空腹時トリグリセリドのベースラインからの低下率について、本薬0.10.2又は0.4mgのプラセボに対する優越性、及び本薬0.2又は0.4mgのフェノフィブラート200mgに対する非劣性を示すこととされました。

 有効性について、各群のトリグリセリドの推移は審査報告書の46ページの表20にお示ししております。この結果を基に、表20以降に記載している検討を行った結果、トリグリセリド低下効果に関して本薬0.10.2及び0.4mgのプラセボに対する優越性、並びに本薬0.2及び0.4mgのフェノフィブラート200mgに対する非劣性が示されております。

 続いて、安全性について御説明いたします。審査報告書の48ページの表22を御覧ください。第 III 相試験における主な有害事象の発現状況について、本薬群とフェノフィブラート群で大きな違いは認められませんでした。また、既存のフィブラート系薬剤では、横紋筋融解症の発現リスクが添付文書に記載され、特にスタチン併用中の腎機能障害患者におけるリスクについて注意喚起がなされていることから、本剤についても検討を行っております。

 審査報告書の65ページの表42を御覧ください。表42に示すように、本開発において実施された臨床試験では、本薬投与時の横紋筋融解症の発現リスクは、フェノフィブラート投与時と比較して高くはない結果が得られていますが、横紋筋融解症に関連する有害事象は発現しており、既存のフィブラート系薬剤での注意喚起と同様に、スタチン併用中の腎機能障害患者では、それ以外の集団と比較して横紋筋融解症に関連する有害事象の発現率が高い傾向が認められました。以上を踏まえて、添付文書では、既存のフィブラート系薬剤と同様の注意喚起を行うこととしております。

 また、トリグリセリド以外の脂質パラメータの変動も検討いたしました。審査報告書の61ページを御覧ください。1段落目に記載していますが、低密度リポタンパクコレステロール(LDL-)について、第 III 相試験で本薬群及びフェノフィブラート群で上昇し、その上昇の程度は本薬群で大きい傾向が認められております。しかしながら、追加で実施した臨床試験では、本薬群及びフェノフィブラート群のいずれも低下傾向を示しておりました。また、長期投与試験においては、LDL-Cが上昇し続ける傾向は認められませんでした。これらの結果を踏まえると、LDL-Cをはじめとする各種脂質パラメータの変動を注視する必要はあると考えておりますが、現時点では、実臨床で本剤を投与した際にLDL-Cが上昇し続け、安全性上大きな問題となる懸念は小さいと判断しております。なお、脂質異常症治療の真のエンドポイントは心血管イベントの抑制であることから、今後実施される心血管イベントに関する本薬の効果を検討する国際共同試験に日本からも参加し、得られた結果を臨床現場に情報提供することが重要と判断しております。

 続いて、本剤の臨床的位置付けについて御説明いたします。審査報告書の58ページを御覧ください。下段から記載していますが、本剤はその作用機序に基づき、既承認のフィブラート系薬剤と同等の位置付けの薬剤であることを前提として開発が行われています。本邦では複数のフィブラート系薬剤が、既に、家族性を含む高脂血症の効能・効果で承認され、実臨床において高トリグリセリド血症の患者に投与されております。また、本申請に当たって実施された臨床試験において、本剤のトリグリセリド低下作用はフェノフィブラートと同程度であり、安全性のプロファイルも類似していることが示されたことから、本剤をフィブラート系薬剤と同じ臨床的位置付けで臨床現場に提供することが可能と判断し、効能・効果はフェノフィブラートと同じ「高脂血症(家族性を含む)」とすることが適切と判断しております。

 以上のような審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、原体及び製剤は劇薬及び毒薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品にも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松井部会長 委員の先生方から御質疑をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○赤羽委員 フィブラート系の薬剤で既に承認されているものが幾つかありまして、今回もフェノフィブラートとの比較によって、非劣性は示されたかと思うのですが、この薬剤の既存のものとの差別化というか、何か特徴付けるようなことというのは、今後どういった可能性が考えられますか。

○医薬品医療機器総合機構 審査をした結果としては、既存のものと同等のものという判断をしております。

 ただ、申請者としては、腎臓や肝臓に対して優しい薬である、より安全に使える薬であるということを前面に押し出して申請しています。

 一方で、実施された各試験結果を見ますと、そこまで安全と言えるような結果ではなかったということで、最初にお伝えしたとおり、「同等の薬」という位置付けになるかと思います。

○松井部会長 「優しい」というのは、scientificには。

○医薬品医療機器総合機構 補足させていただきますと、既存のフィブラート系製剤の代謝経路が腎排泄型であるのに対し、こちらは肝代謝型ということで、腎機能障害の患者にも、使うときにより使いやすいのではないかという期待をもって開発されたという経緯があります。

 ただ、臨床試験成績を見ますと、それが示せるような成績がなかなか得られていないので、現段階では既存のものと同じような注意喚起をしていかざるを得ないだろうと判断しているのですが、今後、市販後にいろいろな情報が集まってきたときに、もしかすると既存のものとの差別化が示せるような情報が得られれば、適切に医療現場に情報提供していくこともできると思います。あと、これから国際共同試験で心血管イベントに対する効果を見ていくことになるのですが、今までフィブラート系製剤でそういうことを明確に示した結果は、少なくとも日本人が入って示した結果はまだありませんので、そういうエビデンスに基づいて既存のものと差別化が図れるようなところがあれば、そういうところは私たちとしてもきちんとみていくところなのかなとは考えています。

○松井部会長 赤羽委員、よろしいですか。

○赤羽委員 はい。

○松井部会長 他にございますか。

○杉委員 今の御質問が大半のみんなの知りたいところだったと思います。これだけ中性脂肪を低下させる作用があるといわれる薬があるのに、臨床的には効かないのは結構あるのです。この薬で検査しているときに、どのぐらいの高さのものは下がるというのはあるのでしょうか。

 つまり、この中のデータを見ますと、350ぐらいの中性脂肪が150ぐらいまで下がっているものがありました。私たちが危ないと思うのは、中性脂肪が500以上のものなのです。そういう人は下がるのかどうかを教えてもらいたいと思います。

○医薬品医療機器総合機構 申し訳ありません。時間を頂いて、後ほど御説明させていただければと思います。

○松井部会長 他の御質疑はございますか。

○神田委員 用法・用量について、資料を見ても読み取れなかったので教えていただきたいと思います。「なお書き」以下に、「年齢、症状に応じて適宜増減するが」となっていて、「症状によって」というのは読み取れたのですが、年齢によって増減するという点について、どこに書かれているのかが見付からなかったので教えてください。これは対象は成人なのか、あるいは成人の中での年齢によって使い分けるという意味なのでしょうか。その目安などはどこかに書かれているのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 本剤は成人を対象とした薬です。

 年齢については、高齢になってくるに従って、脂質異常の管理を厳格にするといった治療のガイドラインなどもありますので、そういう脂質異常症に対する治療のガイドラインによって、より下げたほうがいいだろうという患者については適宜増減していただきたいということで、この記載をしております。具体的に何歳以上の患者であれば増量してくださいという規定を設けるのは難しいとは考えております。

○松井部会長 他にはございますか。

○赤羽委員 先ほどの杉先生の質問との関連ですが、審査報告書の50ページによると、組入れの基準としてトリグリセリド500mg/dL以下になっていますので、それ以下の患者についてのデータしかないということでよろしいのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 今、御指摘いただいた17試験というものについては、500mg/dL以下という基準を設けています。

 一方で、データが見付からないので恐縮なのですが、09試験については、基準としては1000mg/dL以下という基準でやっていますので、データとしてはあるだろうと考えています。

500mg/dLで切るようになった経緯としては、先ほど杉委員がおっしゃいましたように膵炎などのリスクが高くなってきますので、そういう患者でプラセボ対照試験をやるのがだんだん難しくなってきたという状況があります。

○松井部会長 他にございますか。

 先ほどの杉委員の御質問に関して、回答すべき箇所は見付かりましたでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 平均値のデータを持っているのですが、どこまで上の患者が入ったかについては持ち合わせていないので、詳細をこちらで調べて、後日に杉委員の方にお答えする形でもよろしいでしょうか。

○松井部会長 杉先生にというのではなくて、筋としては、この会に報告してほしいのですが、よろしいですか。

○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。

○松井部会長 他に御質疑はございますか。

○森委員 スタチンと併用するときの用量に関する確認です。これはスタチンを非併用の場合と同様の使用量で、最大0.4mgまで増量し得るという根拠でしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 そうです。

○森委員 実際にトライアルされている患者は、スタチンを併用した群での0.4mgのデータは72例のようにお見受けしたのですが、特に忍容性に関する問題として御心配されていませんでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 先生が御指摘の点はピタバスタチンとの併用試験のことかと思いますが、特にスタチンとの併用によって懸念されるところは今のところはみられておりませんので、少なくとも腎機能障害をお持ちでない患者については、0.4mgが上限で問題ないと考えております。

○森委員 ピタバスタチンだけで検討が行われているということがあり、例えば家族性高脂質の方ですと、異なるスタチンがより高用量で使用されているということは十分にあり得て、ただし現在まではフィブラートがほぼ併用禁忌だったので、多くの方は併用していませんが、今回この薬剤はスタチンとフィブラートの併用ができるという位置付け。

○医薬品医療機器総合機構 そこの位置付けは既存のフィブラート系製剤と同じで、原則禁忌という形で、やむ得ない場合は。

○森委員 腎機能に問題がない場合でも。

○医薬品医療機器総合機構 腎機能に問題がない場合は、慎重に。

○森委員 これは従来のフィブラートと同じ扱いですか。

○医薬品医療機器総合機構 そうです。

○松井部会長 森委員、よろしいですか。

○森委員 いや、確認させてください。フェノフィブラートの添付文書を今持っていないので、確認します。

○医薬品医療機器総合機構 資料概要の1.7という所に、フェノフィブラートですとか、ほかの添付文書の比較表が載っておりますので、よろしければそちらを御参照いただければと思うのですが。

○森委員 確認できました。大丈夫です。

○松井部会長 よろしいですか。

○森委員 問題ありません。ただし、併用できる用量について0.4mgまで認めるというのは、申請者の意向、いわゆる開発者の。

○医薬品医療機器総合機構 そうですね。スタチンの有無によって、特に用量を変えるほどの懸念はないだろうと判断しているのですが、先生がおっしゃるようにまだ使用経験などが少ないので、ほかのスタチンとだったらどうかというところは市販後にきちんと見ていって、問題がありそうであれば、そこのところの手当をするということに。

○森委員 そこで対応するというスタンスになっているということですよね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○松井部会長 他に御意見はありませんか。時間も限られておりますので、先ほどの杉委員の御質問に関する、この薬剤の特徴、特に肝代謝に関してだと思いますが、後日この会に報告していただくということで議決に入ってよろしいでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 松井部会長、今、資料を確認しまして、トータルとしての結果ではないのですが、症例ベースでの報告として、トリグリセリドが1,000 mg/dLを超えているような患者、1,054 mg/dLですとか、そのぐらいの患者で、436 mg/dLまで下がったという患者の例も報告はされておりますので、今すぐに全体としての結果は出ないのですが、そういう患者でも下がる効果があるということは確認できましたので、御報告させていただきます。

○杉委員 かなり効くということで理解してよろしいのですね。ありがとうございました。

○松井部会長 それでは議決に入ろうと思いますが、よろしいでしょうか。なお、大森委員、武田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。

 本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を「可」として薬事分科会に報告といたしますが、先ほどの点に関しては御報告をお願いいたします。

 議題2に移ります。機構から概要を御説明ください。

○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料2、医薬品ルボックス錠25他の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。強迫性障害(以下、「OCD」)は、反復、持続する強迫観念又は強迫行為による時間の浪費、苦悩から社会生活、日常活動が阻害される精神疾患です。本剤は選択的セロトニン再取込み阻害薬であり、本邦では1999年4月にうつ病及びうつ状態、強迫性障害の効能・効果で承認され、その後200510月に社会不安障害の効能が追加されており、いずれもその適応は成人患者に限定されておりました。今般、小児OCD患者に対する有効性及び安全性が確認されたとして、小児OCD患者に対する用法・用量を追加するための製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。

 なお、本邦では2011年5月に「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いとされ、申請者に対して開発要請が行われております。また、本剤は小児OCDに対して、2017年1月現在、米国、欧州等、90の国又は地域で承認されております。本申請の専門委員として、資料13に記載されている4名の委員を指名しております。

 臨床成績を中心に、審査の内容を説明させていただきます。まず有効性です。審査報告書8ページの表4を御覧ください。小児OCD患者を対象とした国内第III相試験が実施され、主要評価項目である最終評価時の日本語版小児用エール・ブラウン強迫尺度について、本剤群とプラセボ群との間に統計学的有意差が認められました。

 次に安全性です。審査報告書の14ページの表8を御覧ください。抗うつ薬には自殺リスクがあるとするメタ解析の結果が報告されており、特に24歳以下の患者では自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとされ、これまで本剤の添付文書においても注意喚起が行われております。一方で、メタ解析をOCD患者対象の臨床試験に限定した場合、成人患者と比較して小児患者で自殺リスクが高くなる傾向は認められなかったとする報告もあり、表8に示しましたように、本剤の国内外臨床試験においても、自殺関連の有害事象の発現割合が本剤投与時に高くなる傾向は認められませんでした。

 以上を踏まえ、自殺リスクに対する安全対策として、審査報告書25ページの1行目に記載しているとおり、添付文書の効能・効果に関連する使用上の注意として、保護者等に自殺念慮や自殺企図が現れるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連携を取り合うよう指導する旨の注意喚起を追加するとともに、自殺リスクについて周知するための医療従事者向け情報提供資材、医師から患者及び保護者に、自殺リスクについて説明するための情報提供資材を作成・配布し、自殺リスクについて十分に注意喚起を行う必要があると判断しております。なお、その他の有害事象については審査報告書16ページ表10及び表11に記載のとおり、小児OCD患者において特有の有害事象は認められなかったことから、添付文書における注意喚起を変更する必要はないと判断しております。

 以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年と設定することが適当と判断しております。薬事分科会には報告を予定しています。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松井部会長 それでは委員の先生方から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。その上で大森委員にコメントしていただこうと思います。

○大森委員 御説明いただいた内容と別のことかもしれないのですが、卓上に配られている子供向けの説明のことです。今拝見していて気になったのが4番です。「このお薬は眠くなることがあります。このお薬を飲んだときは、自転車などの運転をすることは避けてください」とあるのですが、強迫性障害で治療をする場合、治療期間は何年にも及ぶ場合があります。中学生・高校生で自転車通学をしているような場合、こう書かれてしまうと非常に困ると思うのです。これは大人の場合の運転に対応しますが、大人のほうは何となくもやもやという形があり得るのですが、お子さんの場合、こういうように文書で説明されたら、非常に困ってしまう中学生・高校生がたくさん出てくると思います。ここはもうちょっと柔らげた表現にできないものかと思います。

○松井部会長 学校に行けなくなってしまいますからね。

○大森委員 そうです。

○松井部会長 いかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 大森委員から御指摘いただいたとおり、もともと成人患者向けに作成した資材を、小児向けに資材のモディファイをした構成となっております。それで成人の患者向けに自動車の運転について注意喚起をしたものを、今回は小児ということで自転車に書き替えたという状況になっております。

 御指摘いただいたとおり、注意喚起の趣旨としては、危険を伴うような遊具の遊びなどをされてしまいますと、もし急激なめまいなどが起きた場合に高い所から落ちると危ないとか、自転車等についてもそれで倒れてしまうと危ないという観点での注意喚起ですから、「自転車」と明確に書いてしまうと、少し現場で困ったことになるということは理解できました。私どものほうで注意喚起をしたい趣旨と、「自転車」と書いてしまうと困るというところで、この部分の表現を少し変更させていただくということで、申請者と協議をさせていただきたいと思います。

○大森委員 お願いします。

○松井部会長 大森委員は、自殺企図と言いますか自殺念慮に関して、今の報告に対して御意見はありますか。

○大森委員 それについては精神科領域では長年、いろいろと議論をされてきておりますが、ただいまの機構のデータと説明で、ほぼ問題ないということは言えるだろうと思います。注意して使わなければいけないのはもちろんですが。

○松井部会長 ほかに別の御意見はありませんか。

○佐藤委員 8歳未満の小児の場合に強迫性障害が起こるかどうか、私は分からないのですが、この薬の用法・用量を見ると、「通常、8歳以上の小児には」と書いてあるのですが、これは8歳未満の小児への投与を禁止するという趣旨ではないという理解でよろしいでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 年齢の下限ですが、臨床試験自体は一応6歳という形で計画されて実施いただきました。一方、海外では8歳を下限として承認されているという状況になっております。強迫性障害というのは、そもそもある程度強迫観念を理解してくるという状況になってこないと、なかなか診断が難しいという部分があります。そういう疾患ですので、現状、治験としては6歳でやっていただいたのですが、実際に国内で入られた患者も8歳が下限でした。その状況で海外と国内の臨床試験の結果を踏まえ、やはり使われていらっしゃる患者としては8歳ぐらいが通常だろうということで、今回は8歳以上の患者を対象として、用法・用量を付けさせていただいたという状況になっております。

○佐藤委員 8歳未満の小児については投与しない前提だということですね。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただいたとおりです。今の時点で用法・用量を付けられる明確な根拠データがありませんので、一応、用法・用量からは除外させていただいております。

○佐藤委員 分かりました。

○松井部会長 他にいかがでしょうか。

○今井委員 5ページの表1で、投与量を上げていった場合に、非線形性なのか蓄積性か分かりませんけれども、投与量によって上がるのではなく、急激に血中濃度が上がるようなパターンになっているので、連続でずっと投与されることを考えると、注意が必要だと思います。注意喚起については考えておられるのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 今井委員から御指摘いただいたとおり、薬物動態の観点からは、この剤では、増量によって若干非線形性を伴って増量するということは、今のデータからは言えているかと思います。添付文書1.8というタブを御覧いただければと思います。2ページにルボックスの添付文書を記載しております。2ページに二つカラムがありますが、右側のカラムの真ん中より少し下付近に、「用法・用量に関連する使用上の注意」というのがあります。「本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること」というように、注意喚起をさせていただいております。

 基本的に選択的セロトニン再取込み阻害薬については、患者の症状を慎重に見ていただきながら、投与量が最小限になるようにということで、これまで現場でも使っていただいているところです。今回、小児のOCDを追加した後も、同じような形で増量判断等は慎重にやっていただき、かつ、症状が少し軽快してきた場合には、なるべく減量していくという形で使っていただく想定でおります。

○松井部会長 他にありますか。よろしいですか。それでは、議論が出尽くしたということで議決に入ります。なお、大森委員、杉委員、武田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただきたいと思います。本議題について、承認を可としてよろしいですか。

 ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を「可」として薬事分科会に報告いたします。それでは議題3に移りますが、大森委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議題3の審議の間、別室で御待機いただきたいと思います。

                                ( 大森委員退室)

○松井部会長 それでは機構からお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料3、医薬品ビプレッソ徐放錠50mg他の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。本剤は、非定型抗精神病薬であるクエチアピンフマル酸塩を有効成分とする徐放性製剤であり、201611月現在、米国、欧州等94の国又は地域で承認されております。本邦では、同一の有効成分を含有する即放性製剤であるセロクエル25mg錠等が、統合失調症の効能・効果で承認されておりますが、双極性障害に対しては徐放性製剤である本剤の開発が行われ、今般、双極性障害のうつ症状に対する有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認申請が行われました。なお、本薬の申請効能・効果に対する開発については、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いとされ、201012月に申請者に対して開発要請が行われております。本申請の専門委員として、資料13に記載されている7名の委員を指名しております。

 臨床成績を中心に、審査の内容を説明させていただきます。まず有効性です。審査報告書24ページの表11を御覧ください。双極 I 型障害又は双極 II 型障害の大うつ病エピソードと診断された患者を対象とした、国内第 II / III 相試験が実施され、主要評価項目である最終評価時のMontgomery-Asbergうつ病評価尺度合計スコアのベースラインからの変化量について、本剤300mg/日群とプラセボ群との間に統計学的有意差が認められました。なお、本剤150mg/日群については、被験者の組入れが難航したため、試験実施中に割り付けが中止されており、プラセボ群との比較は行われておりません。

 次に安全性です。審査報告書31ページの表18及び32ページの表19を御覧ください。本剤の臨床試験では、主な有害事象として傾眠等の中枢神経系有害事象、口渇等の錐体外路症状、便秘等の消化器系有害事象などが認められましたが、いずれも本薬でよく知られた有害事象であり、既に本薬即放性製剤の添付文書において注意喚起が行われていることから、新たな注意喚起は不要と判断しております。一方で、審査報告書21ページの表10に記載したQT/QTc間隔延長及び催不整脈作用関連の有害事象、審議報告書38ページの下から3行目に記載した離脱症状については、本薬即放性製剤及び本剤の国内外の臨床試験並びに本薬即放性製剤及び本剤の国内外製造販売後安全性情報において、一定の有害事象の集積が認められたこと、海外の添付文書における注意喚起の状況を考慮し、添付文書において注意喚起を追加することが適切と判断しております。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新効能医薬品及び新剤形医薬品であることから、再審査期間は4年、生物由来製品・特定生物由来製品には該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断しております。なお、原体はセロクエル25mg錠等の承認時に劇薬に指定されております。薬事分科会には報告を予定しています。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松井部会長 それでは委員の先生方から御質疑をお願いいたします。山田先生、何か御意見、御質疑はありますか。

○山田委員 この商品名をビプレッソ徐放錠としたと。徐放錠は全く別物ということで販売されるのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 今回の有効成分はクエチアピンフマル酸塩ということで、セロクエルと同一の成分が含有されているものです。一方で効能・効果としては、セロクエルは現状では統合失調症に限定されております。ビプレッソについても、未承認薬検討会議の開発要請に基づき、今回、双極性障害のうつ症状について申請されておりますが、申請者としては、ビプレッソについて更に統合失調症の開発等については現状では検討していないという状況になっております。適応症が違うということと、投与回数もセロクエルは1日2〜3回になっているのが、ビプレッソだと1日1回になるということで、混同して使用されてしまいますと、医療事故につながることもあります。その観点で販売名、ブランド名を別にして、なおかつビプレッソの方は徐放錠という形で明確に区別することで医療事故を防ごうという形で、今回、ブランド名の設定がされております。

○山田委員 確かにそのほうが医療上、安全に使用できるかと思います。もう一つ、血糖値のことが問題になりますが、肥満については、徐放錠にしたことによって、何か変化があったのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 肥満については審査報告書の3435ページをお開きください。審査報告書の35ページには、今回の臨床試験の中で認められた体重の増加についてまとめております。また、肥満と脂質代謝異常として、36ページに本剤と本薬即放性製剤について比較をしたデータを記載しております。耐糖能異常も含めてですが、肥満と脂質代謝異常のいずれについても、本薬即放性製剤と比べて、本剤に特段のリスクはないという形でデータを見ておりますので、そのように評価をした上で、添付文書の注意喚起についても横並びとさせていただいております。

○松井部会長 他にいかがでしょうか。今井委員はありますか。

○今井委員 老人にも投与されるのですよね。

○医薬品医療機器総合機構 はい、投与されます。

○今井委員 この錠剤はマトリックスタイプの徐放錠で、潰して飲ませたり、錠剤を壊したら何の意味もないと思います。速放性の錠剤は粉砕して服用することが可能なので、その点を分かりやすく書くか、あるいは錠剤の粉砕について注意してあるのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただいた点ですが、私どもで実施した専門協議の中でも御指摘いただいた点です。双極性障害の患者は高齢者にも一定数いらっしゃるという状況ですが、本剤は粉砕ができない徐放性製剤になっています。申請者に対して、こういう薬は高齢者に対しても投与が想定されますので、速放性製剤等についても双極性障害のうつ症状に対する開発を行えないかと、コメントさせていただいたのですが、申請者としては、商業上の理由から、開発等は少し難しいということで、今回、この薬については徐放性製剤のままで出します、基本的にはこの薬を嚥下できる高齢者が対象になりますと。

 一方で非定型抗精神病薬については、既にジプレキサで細粒があるという状況です。したがって、高齢者が飲みやすい剤形を有する形で承認されているということもあり、申請者としてはビプレッソではなく、ジプレキサを使用してくださいという形で売りたいと説明しております。

 この薬を粉砕していけないということについては、添付文書の「その他の注意」に書いておりますが、その他に情報提供資材等にもその旨を記載して、高齢者が一定数想定されますので、医療事故等が起きないように配慮させていただきたいと思います。

○松井部会長 他にはいかがでしょうか。森委員、どうぞ。

○森委員 糖尿病専門医の立場から一言発言させていただきたいと思います。糖尿病が極めて悪化しやすい抗精神病薬として、今おっしゃったジプレキサとセロクエル、若しくはクエチアピンがあります。これらの薬剤は糖尿病専門医の中でも非常に注意喚起が進んでいて、マークをしっかりしているのです。しかし今回、ほぼ同成分の徐放剤が全く異なる名称で市販されることについては、若干の不安があります。例えば、セロクエルの仲間である薬剤には何となく類似している名前、連想できるような名前にしていただくとか、ネーミングの工夫というものを。実はクエチアピンの高血糖の事例はたくさんあり、現場で非常に苦慮しているという現状を鑑みていたのです。もちろん同じ名前では間違えるということは十分わかりますし、ネーミングも今はかなり制約があって難しいかと思うのですが、その点は今後のこともありますので、一つ御意見させていただきました。改名していただきたいという意味ではありません。

○医薬品医療機器総合機構 森委員から御指摘いただいたとおり、現場ではビプレッソとセロクエルの二つが併売されて、まずは同じ有効成分であるということを理解していただくことが、本剤の適正使用の観点では極めて重要だと考えています。これはお手元にお配りしてないかと思いますが、ビプレッソとセロクエルが同じ有効成分で、効能・効果等が違いますということを、このような一枚紙を作成して医療現場の方に配布せよというように、私どものほうで指導させていただいております。この資材がある程度行き渡りますと、少なくともビプレッソとセロクエルについては同じ有効成分が入っているということで、ある程度御理解いただけるかと考えております。

○森委員 それは恐らく、この薬を処方される精神科の先生に向けて注意喚起されるのですよね。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりです。

○森委員 精神科の先生がお出しになった後に高血糖が起こったときに、内科が診ているので、内科の先生が「この薬は見たことない薬だけど、何だろう、セロクエルと同じじゃないか」ということが起こり得るのです。ですからジェネリックになってもそうですが、名称が違うと、この薬剤はやめなければいけない薬剤だということに気が付きにくいということが実際にあります。特にこのようにケトアシドーシスの事例もあって、重篤な副作用だということで、内科も非常に注意しているので、同効薬若しくはその類似薬のネーミングには御配慮いただければということです。

○松井部会長 それと、内科医にもそのことを周知する必要があるという。

○森委員 できれば内科医にも何らかのアナウンスメント、若しくは情報提供をしていただくことがよいかと思います。

○安全対策課長 本剤については、今、先生から御指摘いただいたように耐糖能に対する注意が非常に必要で、疾患領域をまたがる形での注意喚起が必要です。実際に承認する際には、関係する精神科の学会だけでなく、いわゆる糖尿病関係や内科系の学会にも、本薬の安全性の注意事項について、行政のほうからも留意事項の通知、その他注意喚起をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

○松井部会長 よろしいですね。他にありますか。もしなければ議決に入ろうと思います。武田委員におかれましては、本議題について、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮ください。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を「可」として薬事分科会に報告いたします。それでは、別室で待機されている大森委員をお呼びしてください。

                                ( 大森委員入室)

○松井部会長 それでは議題4に移ります。機構から説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料4、医薬品スピンラザ髄注12mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。脊髄性筋萎縮症(以下、「SMA」と略させていただきます)は、Survival Motor Neuron1遺伝子(以下、「Survival Motor Neuron」は「SMN」と略させていただきます)の欠損又は機能喪失を誘発する変異等によって、SMNタンパクの欠乏及びそれに付随する脊髄前角における運動ニューロンの変性が生じ、四肢及び体幹の随意筋の萎縮を生じる常染色体劣性遺伝性の神経筋疾患です。SMAの病型は、出生後間もなく死亡する0型から、20歳から30歳以降に発生して生存期間は健康成人と変わらない IV 型までの五つに分類されております。SMAは指定難病であり、平成26年度の特定疾患医療受給者証交付件数は894件でした。本申請の主な適応となるSMA I 型は、SMA患者全体の約6割を占めるとされており、自力で座ることができず、生後6か月以降は運動機能の発達がほとんど認められず、呼吸補助なしに生後24か月以上生存できるのは1.3%と報告されている、重篤な疾患です。

 本剤は2´-メトキシエチル修飾された18残基のヌクレオチドからなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、ヒト生体内で不完全なSMNタンパクの産生を担っているSMN2遺伝子のメッセンジャーRNA前躯体に結合することでスプライシングを調節し、正常なSMNタンパク発現を増加させることで、神経変性を抑制すると考えられています。本剤は、米国では201612月、欧州では2017年5月に承認されております。本邦では2014年8月から臨床試験が開始され、今般、乳児型SMAに対する有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認申請が行われました。本剤は希少疾病用医薬品に指定されております。なお、本剤については、主にII及びIII型のSMA患者を対象とした臨床試験が別途実施され、月に承認申請が行われており、現在、並行して審査を進めておりますので、次回以降の本部会において、効能追加の御確認をいただく予定です。本申請の専門委員として、資料13に記載されている9名の委員を指名しております。臨床成績を中心に審査の内容を説明いたします。

 まず、有効性ですが、審査報告書42ページの表22を御覧ください。主にSMA I 型の患者を対象とした国際共同第 III 相試験が実施され、主要評価項目であるHammersmith乳児神経学的検査第2セクション(7項目)に基づく運動マイルストーン改善例(例えば、首が据わった患者、寝返りができるようになった患者等が該当します)の割合について、本剤群とシャム処置群との間に統計学的有意差が認められました(なお、シャム処置とは、腰椎穿刺に関する前処置と後処置は本剤群と同様に実施しますが、腰椎穿刺針を皮膚に刺すのみで、薬液の髄腔内投与は行わない手技を指します)

 次に安全性ですが、審査報告書52ページの表28及び53ページの表29を御覧ください。主にSMA I 型の患者を対象とした臨床試験では、多くの患者で重篤な有害事象が認められましたが、シャム処置群と本剤群で発現割合に大きな差異は認められなかったこと、また、発現した重篤な有害事象の多くは呼吸窮迫、呼吸不全、呼吸器感染等の病勢進展に伴い発現が予想される事象であったことから、明確な安全性上の懸念は示唆されていないと判断しております。また、審査報告書58ページの表36ですが、国際共同第 III 相試験では、本剤群と比較して、シャム処置群で頭囲、身長及び体重の標準成長曲線に対するパーセンタイル値が改善する傾向が認められております。シャム処置群では栄養過剰な患者が多かった可能性があること、症状悪化により早期に中止した患者が存在することから、投与群間での比較に基づき、本剤に成長阻害作用があると判断することは困難と考えておりますが、現時点で本剤投与による成長への影響を否定することはできないことから、医療現場に適切に情報提供する必要があると判断しております。その他、本剤のような修飾核酸のクラスエフェクトを踏まえ、腎機能、肝機能及び凝固系への影響について、注意喚起する必要があると判断しております。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、生物由来製品、特定生物由来製品には該当せず、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会には報告を予定しています。

 なお、事前に奥田委員より以下の御質問をいただいています。「2014年に実生産規模で製造された3ロットのデータに基づいて申請がされているわけですが、その後、現在までに実生産規模で製造されたロットは、この3ロットだけなのか、また今後、どの程度の頻度でロット製造が実施されるのか、情報があれば教えてください。審査報告書で指摘されているように、核酸医薬の特性上、品質のconsistencyの確保が完全とは言えないと思います。品質に関して、リスクは残っているので、お伺いする次第です。頻繁に製造されるようであるとリスクが高まるとも言えますが、それだけknowledgeが早く積み上がるので、頻度が多いから駄目ということではないと理解しています」。

 原薬については、実生産規模で製造された3ロット以降、実生産規模で製造された原薬ロットはございません。また、原薬の製造計画については、次回製造は20 年後半にロットを製造予定としており、それ以降については未定とのことです。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○松井部会長 それでは、委員の皆様から御質疑をお願いします。奥田先生、先ほどの説明でよろしいでしょうか。

○奥田部会長代理 回答はそれで結構です。非常に新しい薬で、品質の評価も難しいので、今の生産計画を伺うと、たまに作るような医薬品ということでした。ですので、作ったときにきちんともう一度品質をしっかり評価をして、患者さんに届けて、そのときにもう一度安全性との関係をきちんと見ていく形でしか、今のところ管理のしようのない薬だろうと思った次第です。これで品質については特にコメントはありません。

○松井部会長 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。

○神田委員 投与手技の教育訓練についての確認です。申請者は、投与手技は習熟が必要だということで、事前にトレーニングをして、修了書を出して、それを有する医師が所属する医療機関にだけ本剤を納入するような体制が必要だということで、機構もそれには大きな問題がないということでした。専門協議の中で、そんなにトレーニングは実施しなくても適切に投与できるということで、大きな変更なのかなとも見えたのですけれども、その辺はこの手技というのは初歩的な手技なのでしょうか。その辺が本当にそれで大丈夫なのか。申請者にしてみれば、慎重な対応をする必要があるという判断をした背景があったと思いますので、その辺を確認させてください。

○医薬品医療機器総合機構 審査報告書68ページですが、申請者からは、当初、本剤の投与手技については、乳幼児を対象にしていることと、一部の患者さんでは脊柱の側弯、曲がりくねってくるような病態を取りますので、そういうような少し特殊な患者さんということもあって、少し投与手技について難しさがあるのではないかということを申請者側の医学専門家の先生と御議論されて、御提案をいただいておりました。

 一方で、今回、我々で実施させていただいた専門協議の中で、小児科の先生2名から御意見をお伺いしたのですが、どちらも投与手技については小児科医としては極めて初歩的な投与手技であるとの御指摘をいただき、側弯等を生じている場合については超音波ガイド等を実施することで、何ら問題なく投与はできるだろうと。むしろ、そこに投与手技のためのトレーニングの期間を要することで、今回、非常に重篤な患者さんが対象となっておりますので、そこに対する投与ラグ等が生じてしまうとよくないのではないかというような観点で御指摘を頂きました。

 神田委員からの御指摘のように、投与についてはやはり多少の知識は必要ですので、投与のためのガイドは別途、申請者に作成をお願いして、行っていただいております。初回納入時には、その施設で投与に携わられる先生方に、その資材を配布いただくとともに、一応、説明はきちっと申請者を通じてさせていただきます。その上で、その施設に対して納入を開始して使っていただく形で、申請者からは今説明を受けております。ただ、認定書の発行など、必ず、投与するドクターの方が全て講習を受けて、認定書を持っていなければならないというような厳しい流通管理までは、逆に言うと、投与手技の困難さを考えると必要ないのではないかという御指摘を頂きました。その点を申請者と申請者側の医学専門家でも再度御検討いただいて、最終的には不要との結論に至っております。

○松井部会長 よろしいですか。付け加えれば、虫垂切除術などのときに腰椎麻酔をしますね、あのときに針を刺すわけですが、基本的にはそういう手技です。おっしゃられたように小児科あるいは小児神経科の専門医であるかぎり、技術的にはそんなに大きな危険を伴わないでできる手技です。付け加えました。他に御質疑はございませんか。

○森委員 手技に関する確認です。この薬剤が実際に患者さんに使用される状況は、高度小児医療機関若しくは精神疾患の専門医療機関内で長期行われることが前提であるのか、在宅医療などの御自宅での長期療養を念頭に置いているのか、いずれなのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 基本的には専門の先生が在籍されている医療機関を想定しております。在宅投与については、先ほども御説明いたしましたとおり、髄腔内に対する投与で比較的侵襲性が高いということ、あと、疾患が進行することによって側弯が生じてくると、やはり超音波ガイド等の専門の機器がある施設でないと投与できなくなってきますので、その観点でも、今回、在宅投与は想定しておりません。

○松井部会長 よろしいですか。

○森委員 それは用法上、制約されていましたか。使用上、記載で制約されていましたか。

○医薬品医療機器総合機構 在宅投与可能な薬剤については、別途、在宅投与可能な薬剤のリストに保険上掲載する必要があります。それに掲載されていないものについては、一応、往診等で投与はできないと理解しております。この薬については、そこには一応今は載せないということで話を進めてきております。そういう投与できない薬剤について、添付文書で注意喚起させていただいているかについては、現状、そういうことはできます、あるいはできませんというようなものを積極的に添付文書に記載はしておりませんで、患者さんの自己投与が可能なものについては、自己投与が可能であるということを注意喚起しておりますが、ドクターの往診に伴う在宅投与については、現状、特に注意喚起を行うというルールはないです。

○森委員 分かりました。解剖学上、小児と成人では、いわゆる脊髄と脊柱の関係が全然違いますので、内科のドクターは小児の髄注は全くできない状況だと思いますが、それで了解しました。

○松井部会長 他にございますか。特にございませんか。もしないようでしたら議決に入りますが、よろしいでしょうか。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議がないですので、承認を「可」として、薬事分科会に報告といたします。それでは議題5に移ります。機構から概要を説明してください。

○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料5、医薬品カナリア配合錠の製造販売承認の可否等について機構より御説明します。本剤はDPP-4阻害薬のテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物とSGLT2阻害薬のカナグリフロジン水和物を有効成分とする糖尿病治療薬の配合剤です。2型糖尿病の治療では、1剤で効果不十分な場合、作用機序が異なる薬剤の併用が一般的であり、カナグリフロジンについては、DPP-4阻害薬で効果が不十分な場合の併用療法が既に承認されています。なお、本配合剤は201612月現在、海外のいずれの国・地域においても承認されていませんが、他のDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤は海外で承認されています。本品目の専門協議では、資料13に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本配合剤の有効性と安全性について、臨床試験成績を中心に御説明させていただきます。

 有効性については、審査報告書の11ページの表3を御覧ください。カナグリフロジンで効果不十分な日本人2型糖尿病患者を対象に、テネリグリプチンを併用投与するJ02試験が実施されており、主要評価項目であるベースラインから最終評価時までのHbA1c変化量について、カナグリフロジン単独投与に対するテネリグリプチン併用投与の優越性が示されております。また、テネリグリプチンで効果不十分な日本人2型糖尿病患者を対象に、カナグリフロジンを併用投与するJ03試験が実施されており、こちらについては、審査報告書13ページの表6に示すように、主要評価項目であるベースラインから最終評価時までのHbA1c変化量について、テネリグリプチン単独投与に対するカナグリフロジン併用投与の優越性が示されております。長期投与時の有効性については、その右側のページの審査報告書14ページの図1に示すように、J01試験において効果の持続性が確認されております。

 安全性については、審査報告書の1620ページです。「7.R.2 安全性について」の項に示すように、国内臨床試験における有害事象及び副作用の発現状況、並びにテネリグリプチン及びカナグリフロジンにおける国内の製造販売後調査や国内外の市販後の安全性情報等を検討した結果、適切な注意喚起等がなされれば安全性は許容可能と判断いたしました。

 医療用配合剤の承認要件への該当性については、審査報告書の2022ページを御覧ください。「7.R.3 本配合剤の配合意義及び臨床的位置付けについて」の項に記載のとおり、テネリグリプチンとカナグリフロジンの併用療法に一定の臨床的有用性が認められ、当該単剤併用時と生物学的に同等とされる本配合剤の配合意義の科学的合理性は示されており、また、患者の利便性についても、服薬アドヒアランス等の向上が期待できると判断いたしました。

 以上のとおり、機構での審査の結果、本配合剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本配合剤の再審査期間ですが、既に付与されているカナグリフロジンの再審査期間の残余期間である平成34年7月3日までとすることが適切であり、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○松井部会長 委員の先生方から質疑をお願いします。いかがでしょうか。

○杉委員 この薬は非常に有効だろうと判断しています。私は糖尿病の専門ではないのですが、今まで循環器の中でもSGLT2の薬はかなり排尿が多いということもあって、腎機能の悪い人も良くなる、心機能の悪い人も良くなるというようなお話があって、これは専門ではないので分からないのですが。この添付文書の「使用上の注意」で、心不全のNYHAのIIIIVの方には使わないようにと書いてあるのですが、何か心機能の抑制になるような成分があるのでしょうか。その辺りを教えていただけますか。

○医薬品医療機器総合機構 添付文書については、資料5の1.8の添付文書案を御覧ください。23ページからカナリア配合錠の添付文書案が提示されております。「使用上の注意」の「慎重投与」において、先生が御指摘いただいた「心不全(NYHA心機能分類IIIIV)のある患者」と注意喚起がなされています。こちらについては、本配合剤の有効成分の一つであるテネリア錠でも注意喚起されております。慎重投与ですので、使用してはいけないというものではありません。テネリグリプチンはQT間隔の延長作用が20mgより高い160mgで認められたということなどもあり、このような注意喚起をさせていただいているところです。

○杉委員 分かりました。今の趣旨を読み解きますと、恐らくこれは、心機能が悪い人はQT延長が更に起こりやすいから注意が必要だという意味ですか。心機能が悪くなるからという意味合いではないということで理解していいのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 確かにテネリグリプチン錠でQT延長作用が認められているのですが、こちらの配合錠はテネリグリプチンの用量は20mgでして、QT延長のCmaxにおける僅かな延長が見えたのは160mgという8倍高い投与量ですので、この配合錠を慎重に使用する限りにおいては問題ないと思っています。「慎重投与」に記載させていただいている背景としましては、やはり臨床試験の中で、心不全の方が組み入れられていないということと、潜在的な可能性があるということで、慎重に使っていただきたいと思い記載させていただいている次第です。

○杉委員 それでは、心機能抑制ということの意味合いはないと理解してよろしいですか。

○医薬品医療機器総合機構 そのとおりです。

○杉委員 ありがとうございます。

○森委員 コメントしてよろしいでしょうか。

○松井部会長 どうぞ。

○森委員 これは恐らくDPP-4阻害薬の類薬としてサキサグリプチンの大規模臨床試験であるSAVOR-TIMI53の結果で心不全の発症率が増加した、また、アログリプチンによる大規模臨床試験で、そのトレンドがあり、有意差はなかったものの、その可能性が否定できなかったということで、FDAが警告していることを受けているものと理解しています。それでよろしかったでしょうか。その可能性があるというのは、そういうことでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 サキサグリプチンのFDAの添付文書には書かれているのですが、例えば、先ほど説明させていただいたリナグリプチンとエンパグリフロジンの配合剤が海外で承認されていますが、そちらの配合剤については書かれていなかったりするので、成分ごとの試験成績に応じてFDAでも注意喚起されているという現状があります。テネリグリプチン錠もカナグリフロジン錠も、まだそういう心イベント試験という結果が得られていないので、類薬で認められた可能性が否定できないということで、慎重に使っていただきたいという趣旨であることを補足させていただきます。御指摘ありがとうございます。

○森委員 類薬でのことと捉えればいいということですね。

○松井部会長 他にありますか。

○山田委員 「使用上の注意」の所で、この薬剤を使う場合は、「単剤で治療効果が不十分な場合は」と書いてありますが、単剤で効果が不十分だった場合に、すぐに2剤併用になるというふうに読めるのです。いろいろな薬効を持つ糖尿病の薬があると思うのですが、ある一つのもので効かなかったらすぐに2剤併用ということになるのでしょうか。確認です。

○医薬品医療機器総合機構 冒頭でも申し上げましたように、2型糖尿病の治療では、1剤で効果不十分な場合、作用機序が異なる薬を上乗せして2剤を併用するというのが一般的です。添付文書では、先生に御指摘いただいたとおり、効能・効果に関連する「使用上の注意」の所だと思いますが、効能・効果についても、テネリグリプチン及びカナグリフロジンの併用による治療が適切と判断される場合に、この配合剤を投与すること、決して第一選択薬として用いないことと「使用上の注意」には記載しています。

 試験成績についても、カナグリフロジンあるいはテネリグリプチンで効果不十分な場合に、その両方が併用された試験成績において、有効性が認められていますので、具体的にこの配合剤を使われると想定されることとしましては、<効能・効果に関連する使用上の注意>()に記載させていただいているとおり、原則として、既にテネリグリプチンとカナグリフロジンを併用して状態が安定している場合、あるいはテネリグリプチン又はカナグリフロジンの単剤による治療で効果が不十分な場合に、本配合剤が使用されるというふうに考えております。

○山田委員 ですから、薬理効果の機序の異なるものに変えるのではなくて、アドオンするのが、この糖尿病治療では基本的なガイドライン上の方針ということなのですね。ありがとうございました。

○松井部会長 今の点はよろしいですか。今、アドオンとおっしゃいましたが、先生のおっしゃるのは、我々は3剤についてはさんざん議論したわけですが、2剤のときにおいても、やはり原則としては二つの種類の薬剤を併用して、それで適切な投与量を決めた上で合剤を使うという。

○山田委員 そうだったですね。

○医薬品医療機器総合機構 機構より少し補足させていただきます。こちらテネリグリプチン錠自体は、審査報告書の用法・用量の項、すなわち23ページを御覧ください。カナグリフロジンの用法・用量は、1日用量としてカナグリフロジンは100mgです。テネリグリプチンの用法・用量は20mgで、効果不十分な場合に40mgとされています。今回、本配合錠に含まれている20mgというのは、テネリグリプチンの最小用量になりますので、カナグリフロジンで効果不十分なときに作用機序の異なるテネリグリプチンの最小用量を乗せる、若しくは、テネリグリプチンでの20mgで効果不十分な場合に、作用機序の異なるカナグリフロジンの100mgを乗せるということは問題ないと考えております。

○山田委員 普通に薬理的に考えますと、作用機序の異なる単剤治療をまず試みて、その上で併用ということになるのかなと思ったのですが、糖尿病治療では作用機序の異なるものをアドオンするというのがガイドライン上、指示されているという理解でよろしいということでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 そうですね。食事・運動療法をまず開始して、その後に、まず単剤治療を行って、それでも難しい場合には併用治療ということになっております。もし補足いただけるようでしたら、森委員、よろしくお願いします。

○松井部会長 森委員、臨床の現場ではいかがでしょうか。

○森委員 併用する選択肢もある、他剤に変更することもあるということですので、DPP-4阻害薬を御使用の方がSGLT-2を上乗せすることもできますし、変更して使用されることもあるということです。ただし、添付文書ではそこまで記載する必要はないので、単剤の使用をされていて効果不十分の場合には配合剤を使用することができる、そういう位置付けでよろしいのではないかと思いますので、ガイドライン上、特に問題ないと思います。したがって、多剤併用することはありますが、必ずしも多剤併用することが原則ではありません。

○松井部会長 山田委員もよろしいですか。

○山田委員 分かりました。

○松井部会長 他の先生方はいかがでしょうか。

○神田委員 先ほど配合の意義と臨床的位置付けということで御説明がありました。その中で、患者の利便性の向上ということと配合意義の科学的合理性の2点について御説明があったかと思います。一つは、利便性の向上について、御説明では向上すると判断したとおっしゃいましたが、審査報告書()を見ますと、利便性が向上するのか製造販売後に情報収集する必要がある、と書かれていますので、向上すると断定するところまでは行っていないのかなと一つは思いました。承認要件の一つは、患者の利便性の向上に明らかに資するものと、「明らかに」となっていますので、ちょっと弱いのかなと思いました。

 もう一つは、科学的合理性について、報告書の資料の限りですからあれですが、これでは単剤の併用時と同様の有効性及び安全性が得られると判断できたので、したがって配合意義の科学的合理性は示されたと。これしか書いていないものですから、これは当たり前のことで、有効性と安全性が併用時と同じ以上でなければ困るわけですから、あえて承認の要件にするという意味がよく分からないので、この範囲で科学的合理性が示されたということで十分なのかどうか。その2点をお聞きしたいと思います。

○医薬品医療機器総合機構 1点目について説明させていただきます。冒頭に御説明しました部分、アドヒアランスのところですが、こちらはアドヒアランス等の向上が「期待できる」と申し上げております。まだ臨床試験ではそのエビデンスは得られていないので、先生の御指摘のとおり、市販後でそのアドヒアランスと血糖のコントロールの関係について調査するというふうにさせていただいております。現時点では、アドヒアランスの向上が期待できるだろうとは判断しております。断言はしておりませんが、そのように思っております。

○松井座長 2番目の点は。

○医薬品医療機器総合機構 2番目の科学的合理性の部分ですが、まず、単剤で効果不十分な場合に、別の薬剤を上乗せしたときの優越性がそれぞれの各単剤からの不十分に対して検証されているということが、それぞれを併用する意義があると考えております。当然と言えば当然かもしれないのですが、そちらを科学的な合理性と解釈させていただいております。二つの薬剤を併用したときに、もし優越性が検証されていなければ、単剤の効果と同様だということになるかもしれませんが、本配合剤では、それぞれの薬剤で効果不十分な場合に上乗せしたときの効果が検証されているということが、まず科学的合理性だと思っています。

 もともとカナグリフロジンの初回承認時においては、DPP-4阻害薬との併用では検証試験はなされていませんので、この薬剤の単剤同士に対して検証される可能性があるのかというのは、この配合剤の試験でないと検討できていないということになります。単剤で不十分なものに対して、併用した場合に検証されているというのが、科学的合理性が示されたということと判断して差し支えないと考えております。御説明になっていますでしょうか。

○松井部会長 いかがですか。

○神田委員 ありがとうございます。承認要件となっているので、配合意義の科学的合理性というので、配合することによって、併用よりももしかして少しプラスになることがあると、配合意義というのはそういうことなのかなと一般的には捉えると思うので、それが同じだということだと配合の意義というのはちょっと言えないのかなと思ったものですから、解釈の仕方が一般論とは少し違うように解釈しなければいけないのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 その部分なのですが、審査報告書の21ページの一番最後の段落に、配合剤として服薬錠数を、やはり糖尿病薬などですと数多く飲んでいらっしゃる方がいらっしゃいますので、その服薬錠数を減らすことでアドヒアランスの向上が期待できるかもしれないというので、そちらも配合剤の要件というか、期待できる要件としてこちらは考えております。

 実際に臨床試験においてはかなり服薬率が高いのですが、市販後ではそれほど正確には服薬率がわかりませんが、以前どのぐらいの頻度で飲んでいて、それがこの配合剤になることによってどう変化したのかは、市販後に検討させていただく予定です。

○森委員 コメントさせていただきます。糖尿病の治療現場で配合剤を用いることは、アドヒアランスの向上に役立つと一般に考えられていますが、もう一方で、二つの薬効のある薬剤を別々に服用することができないというデメリットも同時に生んでいます。

 具体的には、例えば、降圧薬と少し事情が違うのは、糖尿病にはSick dayというものがありまして、例えば患者さんが発熱している、下痢をしている、体調が悪いというときに、食事を摂れる量が減ってしまうと、糖尿病治療薬を減らしたりやめたりすることがあります。今回のこの配合剤のカナグリフロジンとテネリグリプチンについては、一般にカナグリフロジンのほうが、つまりSGLT-2阻害薬のほうが利尿効果などもありまして、Sick dayのときにはやめたほうがよいと考えられていますので、それらを別々にやめることができないので両方やめなければいけないというデメリットを生んでいるということは、一つ先生方にも御理解をしていただく必要があります。もちろん、1個飲めば両方飲めるので平時はいいのですが、Sick dayのときにはやや使い勝手が悪い、デメリットを持っているということはお含み置きいただきたいと思います。それがまず一つのコメントです。

 あと二つコメントがあります。手短にお話します。カナグリフロジンの安全性情報に関するFDAで、足壊疽の発症率が増加しているのではないかということが、20ページにも上から10行目ぐらいに記載されています。20ページの内容を御覧ください。カナグリフロジンは、使用している患者さんが、対プラセボにおいて、下肢切断リスクが約2倍増加しているということは、CANVAS試験の中間成績で指摘されていまして、今、専門家の中では大変注視しています。類薬では余り起こっていないということもありまして、カナグリフロジンの問題として可能性が否定できておりません。ちょうど来週の火曜日にアメリカ糖尿病学会が開催されまして、そこでこのCANVAS試験のフルデータがオープンになるということになっています。それは有効性に関する情報と安全性情報に関するものが両方公開されますので、それにおいてカナグリフロジンの日本での注意喚起に関する文書の在り方、今のところの添付文書の案にもそのことは触れておられないようでしたが、その点はいかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。下肢切断リスクはこちらも注視しております。最終結果を経て、FDAのほうでもDrug Safety Communicationというものを5月の中旬から下旬にかけて出されており、機構の中でも安全部と協力して、こちらの注意喚起の必要性については、日本ではまだ下肢切断の症例は出ていないのですが、今後、単剤及び配合剤についても検討していく予定です。

○森委員 コメントさせてください。実は日本での有害事象事例の収集については、カナグリフロジンの内服と足壊疽若しくは下肢切断が余りにも臨床的にかけ離れたイメージなので、臨床家の先生がお気付きになっていない事例が含まれている可能性があると思います。したがって、やはり外国でそういった注意喚起がなされているので、日本でもそうなさっていただくと、むしろ臨床家の先生の注意喚起に役立つのではないかと私は考えていますが、いかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。市販後の安全部と一緒に検討させていただきます。

○安全第二部長 先生御指摘の点については私どもも注目しておりまして、今後検討していく予定にしております。どうもありがとうございます。

○松井部会長 ありがとうございました。

○森委員 CANVAS試験が来週出ますので、恐らくその際に詳細が報告され、論文も出ると思いますので、それで確認したいと思っています。

 もう1点だけ最後に述べさせてください。これは短いものです。

○松井部会長 はい。

○森委員 薬剤の名称なのですが、今回、「カナリア配合錠」という名前の薬剤で発売されていまして、これは糖尿病専門医の中でもどんな名前になるのかみんな注目していたのです。数ある薬剤の中で、いわゆる一般名詞と同じ名前の薬剤というのは、私は余り記憶はないのです。つまり、ほかの動物や鳥や車などの一般固有名詞と同じ名称の薬剤はちょっと記憶がないのですが、今回このことは特に議題に上がらなかったのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 そうですね。そちらについては名称のルールというものがあるのですが、そちらの中には抵触していないということもありまして、もしお答えいただけると。

○松井部会長 課長、お願いできますか。

○医薬品審査管理課長 一般的な名詞と同じかどうかということについて、特段いけないなどというルールがあるわけではありません。何か混同されて、安全上問題があるというようなことが予想される場合には当然注意をいたしますが、そのほかには、この分野の商標登録等が可能かどうかなどということによってくるのだと思います。ですから、私どもの立場として、何か一般的な名詞と同様の販売名、ブランド名だからどうしても駄目かというと、なかなかそうは言い切れないのが実情です。

○松井部会長 この第一部会のマターではないと言っていいですか。

○医薬品審査管理課長 ですから、ただいま申し上げたように、使用する上で、何か混同するようなことで不都合があるかどうか、医療安全上何か問題があるかどうかという御懸念があるのであれば、こちらで御指摘を頂ければと思います。

○奥田部会長代理 恐らく、カナグル錠の「カナ」とテネリア錠の「リア」を付けて、あとは動物の名前に似てしまうという、そのインパクトをどういうふうに良くも悪くも評価するかということかと思うのですが、この名称自体が安全性上に何か問題があるかどうかということについては、ちょっと私にはよく分からない。

 何でこんな発言をするかというと、私は名称の会議に時々出ているのですが、そういう所でも余りそういう観点から議論をしたことがないので、このことについても、そのこと自体が大きな問題になるかどうかちょっと分からないという状況です。

○松井部会長 よろしいでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 先ほど重要な御指摘を頂いた下肢切断なのですが、1.11に「医薬品リスク管理計画書案」というものを作成させていただいています。カナグリフロジンで検討し下肢切断リスクを潜在的リスク等に入れることになれば、こちらの配合錠についても同様にリスク管理計画書の変更を予定しておりますので、頂いた御意見を踏まえて検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○松井部会長 お願いします。大分議論が広範になってしまいましたが、一応出尽くしたように思いますので、議題5について議決に入ろうと思いますが、よろしいでしょうか。なお、大森委員、杉委員、武田委員、森委員、山田委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題につきまして承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を「可」として薬事分科会に報告いたします。

 それでは、報告事項に移ります。

○事務局 それでは事務局より、報告事項について御説明をさせていただきます。初めに報告事項議題1、医薬品オルダミン注射用1gの製造販売承認事項の一部変更について、報告いたします。資料6を御覧ください。本剤は、モノエタノールアミンオレイン酸塩を有効成分とする静脈瘤に注入する硬化剤です。現在、「食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮」の効能・効果で承認されております。今般、富士化学工業株式会社より、「胃静脈瘤の退縮」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断しました。

 続いて報告事項議題2、医薬品ジャドニュ顆粒分包90mg及び同顆粒分包360mgの製造販売承認について、報告いたします。資料7を御覧ください。本剤は、デフェラシロクスを有効成分とする鉄キレート剤です。現在、デフェラシロクス製剤として、エクジェイド懸濁用錠が「輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合)」の効能・効果で承認されております。今般、ノバルティスファーマ株式会社より、新たな剤形としてデフェラシロクスの顆粒剤が製造販売承認申請されました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。

 次に、報告事項議題3、リツキサン注10mg/mLの製造販売承認事項一部変更承認について御報告します。資料8を御覧ください。本剤は、マウス-ヒトキメラ型抗CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする注射剤であり、現在、「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫」等の効能・効果で承認されています。本申請は、本剤の効能・効果に「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を追加するものですが、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知審請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成29年3月2日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般、全薬工業株式会社から製造販売承認事項一部変更承認の審請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。

 続いて報告事項議題4「医療用医薬品の再審査結果について」、御報告いたします。資料9-1〜9-4で、これらは各製剤の医薬品再審査確認等結果通知書となっておりますので、まとめて御報告いたします。

 資料9-1は、一般的名称は「クレストール」、販売名は「クレストール錠2.5mg、同錠5mg及び同錠10mg」のもの。資料9-2は、一般的名称は「ナラトリプタン塩酸塩」、販売名は「アマージ錠2.5mg」のもの。資料9-3は、一般的名称は「フェンタニル」、販売名は「ワンデュロパッチ0.84mg他」のもの。資料9-4は、一般的名称は「ランソプラゾール」、販売名は「タケプロンカプセル15、同OD錠15及びタケルダ配合錠」のものとなっています。

 これらの品目について、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。

 報告事項に関する御説明は以上です。

○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質疑はございますか。ないようでしたら、報告事項については御確認をいただいたものとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それではその他の事項に移ります。その他の事項について、説明をお願いします。

○事務局 その他議題1、資料10、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが妥当とされた適応外薬の事前評価について御説明いたします。まず初めに、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議、以下検討会議といたしますが、こちらにおける本事前評価の位置付けについて、御説明いたします。資料1027ページを御覧ください。こちらの検討会議とは、ページの中央にお示ししておりますが、欧米等では使用が認められているけれども、国内では承認されていない医薬品や適応について、要望を頂いたものの本邦での医療上の必要性の評価及び承認のために必要な試験の有無やその種類の検討を行う会議となっています。

 検討の進め方ですが、28ページの右上にあるとおり、学会や患者会などから要望が挙げられ、検討会議で医療上の必要性を評価します。この際に、医療上の必要性が高いと評価された医薬品については、企業に対して開発要請を行います。その開発の手段として、医薬品が医療現場において既に医学薬学上公知の場合は公知申請を、本邦において有効性・安全性を確認する試験が必要な場合には、治験等を行うこととなります。

 本部会での事前評価においては、この図の真ん中の左下のところに、「審議会の事前評価」という所がありますけれども、企業のほうで開発手段として公知申請を希望し、検討会議で公知申請に該当すると判断された場合、こちらの審議会で、公知申請の事前評価として御確認いただくこととなっています。

 本日、本部会で御確認いただいた後に、企業が公知申請を行い、機構の審査を経て、改めてこの部会で承認の可否について御確認をいただくことになります。

 今回、検討会議で公知申請を行うことが妥当とされましたオランザピンについて、御説明します。資料10の3ページ目を御覧ください。本要望については、日本緩和医療学会及び日本消化器病学会から、「抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」の効能・効果に係る要望として提出されたものになります。本要望については、平成28年2月の第26回の検討会議において、医療上の必要性が高いと判断され、開発要請が行われたものになります。

 4ページ目から欧米等の承認状況を記載していますけれども、こちらは欧米等6か国では、当該効能に関していずれも承認されている国はありません。また8ページから、海外等での標準的使用状況について記載していますが、米国のNCCNガイドラインや欧州のガイドラインでは、抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状に対する治療として、オランザピンが使用されております。

 有効性については、13ページから記載しています。こちらの方で、欧米のガイドラインの記載の根拠となった海外の公表文献の試験結果等を記載しており、標準的な制吐療法との併用の下で、オランザピンの有効性が検討された公表論文が複数あり、有効性が確認されている状況です。また、16ページ目から、国内の公表文献や試験の結果を記載しております。国内でも海外と同様に、標準的な制吐療法との併用の下で、オランザピンの有効性が確認されている状況となっています。

 安全性については、21ページに記載しておりますけれども、国内外の公表論文で認められた有害事象としては、眠気や鎮静などがあり、その他の有害事象も含め、オランザピンの現行の添付文書で注意喚起されている副作用の内容と異なる傾向は認められておりませんでした。

 以上より、本要望内容に対する有効性及び安全性は医学薬学上公知であると、検討会議で判断がなされました。

 効能・効果と用法・用量については、22ページに効能・効果として「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」とし、用法・用量については22ページの下のほうで、本剤は他の制吐剤等の併用において使用すること、また、通常、成人にはオランザピンとして5mgを1日1回経口投与する、なお、患者の状態により適宜増量するが、1日量は10mgを超えない、と記載することが適切とされました。御説明は以上でございます。

○松井部会長 ありがとうございます。委員の先生方から何か御質問、御意見はございませんか。よろしいですか。

○大森委員 精神科でよく使う薬なものですから、こんなふうにも役立つのだなと感心しました。安全性のところで、精神科で使っていてしばしば問題になるのが、錐体外路症状とかパーキンソン症状とか、アカシジアと言われるものがよくある副作用なのですけれども、それについては記載がないのですが、それは調べたけれどもなかったと理解していいのか、それともそういう項目についての調査はなかったのかというところが、ちょっと気になりました。

○松井部会長 いかがでしょうか。

○事務局 こちらなんですけれども、今回、制吐剤と併用で使う場合においては、投与期間6日間を目安としまして、かなり短期間の使用になりますので、錐体外路症状やそういう症状の報告はないという状況になっています。

○大森委員 チェックリストの中にはあるけれども、そういった症例はなかった。

○事務局 公表論文等の中では、特に注意すべき事象としては挙がってはきていないという状況になります。

○大森委員 もしかしてそういった点は余り調べなかったのではないかということが、少しだけ気になります。

○松井部会長 いかがですか。

○事務局 当然、よく知られた事象になりますので、全くチェックしていないということではないと思います。そういう中でも、基本的に報告は挙がってきておりませんし、また注意喚起としては、これまでの添付文書と同様の注意喚起は必要と考えておりますので、注意自体はこれまでと同様にさせていただく予定としています。

○松井部会長 森委員どうぞ。

○森委員 短期間の使用ということですが、特にデキサメタゾンと併用したときの高血糖事例は、余り挙がっていませんか。

○事務局 そちらも、文献等の公表論文の中では特に報告はされていないという状況です。

○松井部会長 よろしいですか。他にないようですので、この点については御確認をいただいたものといたします。本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますでしょうか。

○事務局 その他の追加の議題として、「医療用医薬品に係る先駆け審査指定制度の対象品目の指定(第2回募集)について」、御紹介させていただきます。資料11を御覧ください。先駆け審査指定制度については、平成27年4月より試行的に運用を開始して、平成2710月に第1回目の対象医薬品の指定を行い、同月に開催されました本部会において、制度の概要と指定品目の御紹介をいたしました。その後、昨年10月より対象品目の2回目の募集を開始し、11月までに申請のあった品目について評価を行い、先日4月21日に指定品目の公表を行いましたので、今回、概要を御紹介させていただきます。

 資料11の1ページを御覧ください。本制度の趣旨ですが、患者に対して世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目的としており、指定要件に掲げております四つの要件に照らして、特に優れた革新的な開発中の医薬品を指定し、機構の審査パートナーによる進捗管理により開発の迅速化を図るとともに、申請前審査や優先審査を活用することにより、審査期間を通常の半分に短縮して早期の薬事承認を目指すものです。

 今回の品目の選定経緯ですが、昨年10月に対象品目の募集を開始し、本年1月まで応募のあった47品目について、4要件への該当性に関して企業へのヒアリングなどを実施しました。このヒアリングの結果を踏まえ、機構において事前評価を行い、これに基づいて特に優れた対象品目を5品目選定し、4月21日に指定・公表を行ったところです。

 今回の指定品目の具体的な概要については、次の2ページを御覧ください。これら5品目は全て開発途中のものですが、今後の開発により、仮にこの4つの指定要件を満たさなくなった場合は、指定を取り消すこともあります。また、この制度の趣旨は早期の開発段階から対象品目に指定して、開発を進捗管理し、審査期間を早めることにありますので、承認審査の内容自体を変えるものではございません。したがって、これらの品目が承認申請された際には、通常品目と同様に、こちらの医薬品部会で有効性や安全性の評価を頂きたいと考えております。2枚目には、対象品目を公表した際のプレスリリースを参考としてお付けしています。御説明は以上です。

○松井部会長 この点について、何か御質問、御意見はありますか。

 それでは、この点についても御確認をいただいたものといたします。

 本日の議題は以上ですが、事務局から何かその他にありますか。

○事務局 先ほどの審議事項議題1のパルモディアの際にいただいておりました御質問について、機構より補足の説明をさせていただきます。

○松井部会長 できますか。

○新薬審査第二部長 申し訳ございません、審議事項の議題1のパルモディアの先ほど頂いた宿題について、データを見つけましたので、この場をお借りして御報告をしたいのですがよろしいですか。

○松井部会長 手短に要点をお願いします。

○新薬審査第二部長 先ほど御指摘がありました、トリグリセリドのカテゴリー別の成績が出ていまして、500 mg/dL以上500 mg/dL以下で分けています。500 mg/dL以上の患者さんが80名ぐらいいるのですけれども、その患者さん達も承認用法・用量の中で50%ぐらいのTGの低下を見ています。50%の低下というのは、TG500mg/dL以下の患者さんと同程度です。そういったマスで見たときも大体同じように良く下がっている。これもお手元にはないのですけれども、先ほどちょっと申し上げた高い患者さんが入っている09試験という中で、目立つ患者さん20例ぐらいを個々に確認しましたけれども、先ほどの1000 mg/dLいくつという方は400 mg/dLぐらいまでしか下がっていないのですけれども、他の800 mg/dLとか700 mg/dLとかそういう患者さんたちは100 mg/dL台まで下がっているということで、ほぼ良く効いているということになっています。

 この件については、ちょうど今、杉委員が退席されたので、外で御説明させていただいたのですけれども、「効いているね」というお話だったことを御報告させていただきます。

○松井部会長 杉先生の説明は外のことですから、やはり書面で御報告ください。

○新薬審査第二部長 承知しました。

○松井部会長 その点について、何か御意見は他にありませんか。ないようですので、他に報告はありますでしょうか。

○事務局 はい、次回の部会は8月1日()午後5時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

○松井部会長 それでは遅くなりましたが、本日はこれで終了といたします。どうも御苦労さまでございました。


(了)

備  考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 課長補佐 荒木(内線2746)

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