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2017年5月9日 心身障害者扶養保険事業に関する検討会(第1回) 議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成29年5月9日(火)17:00~19:00


○場所

厚生労働省専用14会議室(中央合同庁舎第5号館12階)


○出席者

秋山構成員
久保構成員
小竹構成員
駒村構成員
野澤構成員
平松構成員
村山構成員
森構成員
米澤構成員
冨村参考人 ((森構成員代理))

○議題

(1)検討会の開催について
(2)心身障害者扶養保険事業の見直しについて
(3)その他

○議事

○齋藤補佐 それでは、少しお時間前なのですけれども、久保構成員が少しおくれてくるという御連絡もいただいておりますので、今から始めさせていただきたいと思います。

 それでは、「心身障害者扶養保険事業に関する検討会」をこれから開催させていただきます。

 委員の皆様方には、御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。

 検討会の座長が選出されるまでの間、事務局にて進行させていただきたいと思っております。

 私、進行役を務めさせていただきます厚生労働省障害保健福祉部企画課の齋藤でございます。

 議事に先立ち、障害保健福祉部長の堀江より御挨拶をさせていただきます。

○堀江障害保健福祉部長 皆様、こんにちは。構成員の皆様におかれまして、大変いろいろと御多忙のところ、心身障害者扶養保険事業に関する検討会につきまして御参加いただくことを御快諾いただき、まことにありがとうございます。

 また、こういう遅い時間からの会議になりまして申しわけございません。途中で次の予定に入られてしまう方もいるような時間になってしまいました。できるだけいい時間帯にできるように努力したいと思います。

 心身障害者扶養保険制度につきまして、障害者の保護者の相互扶助の精神に基づきまして、保護者が生存中に掛金を支払い、保護者の死亡などの場合に遺された障害者に終身年金を支給するという制度でございまして、昭和45年に創設された歴史のある任意の加入制度でございますが、地方公共団体が実施する扶養共済制度を独立行政法人福祉医療機構が再保険をするという仕組みで行われているところでございます。

 独立行政法人福祉医療機構の中期目標では、心身障害者扶養保険事業の安定的な運営を図るため、国は少なくとも5年ごとに保険料水準などの見直しを行うこととされておりまして、今年度はその時期になっているところでございます。

 見直しを検討するに当たりましては、こういう歴史のある心身障害者扶養保険制度の意義ですとか、これまでの経緯ですとか、今後の制度の運営、あるいは新規加入の広報の推進についての課題などについて幅広い関係者の皆様、有識者の方々からの御意見を伺うことが重要であるということで本検討会を開催させていただきました。

 きょう、机上のほうに福祉医療機構のほうでつくっていただいています障害者扶養共済制度のパンフレット、それから厚生労働省と福祉医療機構で一緒につくらせていただいていますポスターの縮小版、これは厚生労働省、福祉医療機構、WAMの両方でホームページから取ることができるようになっているわけでございますけれども、こうしたものをいろいろなところで目に触れていただくようにすることで、加入の方のメンバーも増えて、この制度の認知度も上がって、かつ使われるようになるのではないかと期待しているところでございます。

 最後に、構成員の先生方におかれましては、ぜひ忌憚のない御意見、御議論をお願い申し上げまして、検討会の開催に当たります冒頭の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○齋藤補佐 それでは、恐れ入りますが、カメラ等の撮影はここまでとさせていただきますので、御協力のほどをよろしくお願いいたします。

 また、本日は大変蒸し蒸ししております。今はもうクールビズの季節でございますので、遠慮なく上着をとっていただいても構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

 続いて、構成員の皆様を御紹介させていただきます。資料1の裏側に構成員の名簿を添付しておりますので、お名前のみの御紹介とさせていただきます。

 秋山構成員。

 久保構成員は、15分~20分程度おくれるとの御連絡をいただいております。

 小竹構成員。

 駒村構成員。

 野澤構成員。

 平松構成員。

 村山構成員。

 森構成員。

 米澤構成員。

 森構成員と米澤構成員は、本日所用のため途中で退席されると承っております。森構成員の退室後は、森構成員の代理として冨村参考人に御参加いただきます。

 続いて、事務局の紹介です。

 障害保健福祉部長の堀江。

 企画課長の朝川。

 企画課の大西。

 齋藤でございます。

 それでは、検討会の立ち上げに際して座長の選出をお願いしたいと思っております。どなたか御推薦はございますでしょうか。

 村山構成員、お願いいたします。

○村山構成員 駒村先生にお願いしてはどうかと思います。

○齋藤補佐 ただいま、駒村構成員ということで御推薦がありました。皆様、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○齋藤補佐 それでは、駒村座長、よろしくお願いいたします。座長席のほうにお移りいただければと存じます。

(駒村座長 座長席へ移動)

○駒村座長 御指名いただきました駒村でございます。円滑な議事進行に努めたいと思います。御協力のほど、お願いいたします。

 続きまして、座長代理をお願いしたいと思います。開催要綱に基づきますと、座長代理は座長が指名することになっております。福祉医療機構資産運用委員会の委員長もお務めの米澤構成員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○駒村座長 では、米澤先生、よろしくお願いいたします。

(米澤座長代理 座長代理席へ移動)

○齋藤補佐 ありがとうございます。

 それでは、事務局から、議事次第に続き、資料の確認ですが、資料1「心身障害者扶養保険事業に関する検討会開催要綱」、資料2「第1回心身障害者扶養保険事業に関する検討会資料」です。以上、お手元にございますでしょうか。不足がございましたら事務局までお申し出ください。

 なお、本検討会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省のホームページに掲載されておりますので、あらかじめ御了承ください。

 また、検討会の運営に当たり、構成員の皆様にお願いがございます。視覚障害、聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言される場合には挙手をお願いいたします。そして、挙手された発言者に対して座長から御指名いただき、指名を受けた発言者はお名前の後に御発言をいただくという流れで進行したいと考えておりますので、御協力をお願いいたします。

 事務局からは、以上でございます。

○駒村座長 それでは、早速議事に入ります。

 まず、議事1の「検討会の開催について」、事務局より説明をお願いいたします。

○朝川企画課長 企画課長です。まず資料1、縦紙の1枚紙、両面刷りの資料をごらんいただければと思います。

 「心身障害者扶養保険事業に関する検討会開催要綱」でございます。

 「趣旨」は独立行政法人福祉医療機構、後で御説明申し上げますが、この事業の運営主体でございますが、その中期目標というものがございます。その目標期間が25年度~29年度、今年度までになっておりますけれども、その安定的な事業運営を図るため、国は少なくとも5年ごとに保険料水準等の見直しを行うこととされてございます。

 来年度であります平成30年度から次の中期目標の期間が始まりまして、その策定に先立ちまして29年においてこの検討会を設け、幅広い観点から財務状況等について検討を行うというものでございます。

 2番、「検討事項」でございますが、大きく分けて「財務状況の検証」「保険料水準の検証」「その他」とさせていただいております。

 3番、「構成等」でございますが、まず第1として検討会は社会・援護局障害保健福祉部長による検討会として部長が開催する。

 構成員は裏にございます別紙のとおり、先ほど見ていただきましたとおりでございます。

 (3)としまして、先ほど選出いただきましたが、座長と座長代理を置く。座長については、互選ということでございます。

 4番、「招集等」ということで、本検討会は座長が必要に応じて招集する。必要に応じて参考人の招聘ができるということでございます。

 それで、庶務については障害保健福祉部企画課が行うというものでございます。

 説明は、以上でございます。

○駒村座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局の説明について皆様から御質問、御意見があればと思いますが、いかがでしょうか。

 何もないでしょうか。

 「その他」というのは、どういうことが具体的に含まれますか。ここに書いていないこと全てということですか。

○朝川企画課長 次に御説明しますが、例えば広報のことでありますとか、そんな話がございます。

○駒村座長 わかりました。では、制度の説明の本体のほうに入っていきたいと思います。議事2の「心身障害者扶養保険事業の見直しについて」、この資料について事務局から説明をお願いたします。

○朝川企画課長 企画課長です。それでは、横置きの資料で右肩に資料2と振っております資料をごらんいただければと思います。

 1枚おめくりいただきまして、最初は目次でございますので、小さいページで振っております3ページ目をごらんいただければと思います。本事業の概要についてです。

 1番、「制度の概要」ということで、本制度は心身障害者の保護者の相互扶助の精神に基づいて保護者が生存中、掛金を納付することで保護者の死後に遺された障害者に終身年金を支給するというものでございます。

 それで、3行目の最後に書いてありますとおり、任意加入の制度でございます。

 (2)といたしまして、経緯としましてはもともと地方公共団体において先行して実施されていましたそれぞれの制度を引き継ぎまして、昭和45年に全国的規模で実施するために創設された国の事業でございます。地方公共団体が条例に基づき実施する共済制度を、独立行政法人福祉医療機構が再保険するという形で運営する仕組みでございます。

 (3)でございますが、先ほども申し上げましたが、福祉医療機構の中期目標に基づきまして、国においては少なくとも5年ごとに保険料水準等の見直しを行うこととしております。

 1枚おめくりいただきまして4ページ目、2番で「制度の内容」でございます。

 まず(1)で加入者でございますが、次のマル1~マル3のいずれの要件も満たしている保護者ということでございます。

 マル1は、加入時の年度の4月1日時点、年齢が満65歳未満であるということ。

 2つ目が、次のいずれかに該当する心身障害者を扶養していることということで、アが知的障害者、イが1級から3級までの身体障害者、ウが精神または身体に永続的な障害がある者で、障害の程度がア、イと同程度の者ということでございます。

 3つ目が、特別の疾病、障害がなく生命保険に加入できる健康状態であることというものが加入の要件でございます。

 次に「年金等の支給」についてでございますが、まず加入者が死亡もしくは重度障害になったときは、その月から障害者に対し、次の年金を支給するということで、1口加入の方は月額2万円、2口まで加入できるのですが、2口加入の方は月額4万円支給するというものでございます。

 また、マル2といたしまして障害者が死亡または加入者が脱退した場合、加入期間に応じ、弔慰金、脱退一時金を支給する仕組みになってございます。

 次に、(3)で保険料でございます。この表を見ていただきますと、まず縦のラインで年齢ごとに保険料の額が異なっております。それで、横に見ていただきますと、平成20年3月31日以前の加入者と4月1日以降の加入者では保険料の水準が異なるということになってございます。こちらは後で申し上げますけれども、過去の経緯から公費による支援を平成20年3月31日以前の加入者の分については行ってございますので、そういう関係もあり、保険料の水準が異なっているということでございます。

 次に、図のページですね。ページ数は消えておりますが、5ページ目に相当するところですが、大きい2番として本事業の仕組みについてでございます。

 まず右側のほうを見ていただきますと、右上に「条例に基づく扶養共済」と書いてあります。そこの右から2つ目くらいのラインのところに、「地方公共団体」と書いてございます。この都道府県、または指定都市が実施主体となってまず扶養共済を運営されるというのが第一義的にございます。そこから左に目を転じていただいて、左から2つ目のラインの真ん中に「独立行政法人福祉医療機構」とございますが、この福祉医療機構と地方公共団体の間で保険契約を結んで再保険をするという仕組みです。この福祉医療機構に対して、国は指導監督と事務費補助を行っておりますとともに、制度の助長を図るという趣旨で国から地方公共団体に補助金を交付する。

 さらに、「特別調整費補助」と書いてありますが、46億円と小さく書いてございます。その国からきた46億円と、地方公共団体の負担分をあわせて、今度はまた真ん中の「(2)保険料」と書いてあるところの下を見ていただきますと、地方公共団体から福祉医療機構のほうに特別調整費ということで公費が92億円補助されるという仕組みになってございます。

 最後に、一番左下のところを見ていただきます。まず左側を見ていただきますと、任意の保険事業でございますので、親御さんが生存中につきましては福祉医療機構から生命保険会社の間の契約で団体生命保険契約を結んでございます。それで、こちらのほうに先ほど92億円の補助がされていましたが、そのうちの半分の46億円の補助が保険料とともに入っていく。

 一方、(4)のところで親御さんが亡くなった際については保険金が独立行政法人福祉医療機構のほうにくる。

 その後、左下で「信託銀行(1行)」と書いてございますけれども、保護者の方が亡くなった後、支払われます保険金をこの信託銀行のほうに資金運用という形で預けまして、それで年金給付保険金という形で毎月、毎月の支払いの原資に充てていく。そのような形になってございます。

 それで、この左のほうに「特例保険料46億円」と書いてございますが、国、地方公共団体の補助金92億円のうちの残り半分がこの信託銀行のほうにいくという仕組みになってございます。

 1枚おめくりいただきまして、6ページ目でございます。今、公費負担の話が出てまいりましたが、経緯がございますのでその点について御説明申し上げます。

 まず第1点目といたしまして、平成8年から公費補助を行っておりますが、これは従来の加入者や年金受給者の年金給付に必要な費用が大きく当時不足していたという状況でございました。その際、保険料の引き上げを図るとともに、過去の保険料の不足分について国と地方公共団体が46億円ずつ負担する措置を講じてございます。このときには46億円ずつ、平成27年度まで負担し続けるという見込みでおりました。

 2番でございますが、その後の運用利回りの低下、障害者の受給期間の長期化に伴う受給額の増加などによって、従来の加入者や年金受給者の年金給付に必要な費用がまた不足したため、保険料を引き上げるとともに、この公費投入、46億円ずつの期間を延長する措置を平成20年度から講じてございます。それが平成62年度まで46億円ずつ公費を投入するというものでございます。

 次に7ページ目をごらんいただきますと、「これまでの制度改正の概要」でございます。

 まず1回目の改正は昭和54年にございまして、制度発足後10年の時点で年金額を増額するということで1口加入から2口加入までできる仕組みを設けたということで、加入年齢の緩和、45歳未満から65歳未満までの緩和をしたということ、さらに保険料の改定ということで保険料の固定方式の導入を一部についてしてございます。これは、何歳になってもその人については同じ保険料にするという保険料を固定する方式が導入されたということでございます。

 2番目、「第2次改正」が昭和61年にございます。こちらも、保険料が従来から低めに設定されていたことで財政的に余裕がなくなってきたということで改正が行われてございます。ごらんのとおりでございますけれども、保険料の額の改定と、あとは加入時に45歳未満の既加入者の保険料の免除開始要件の改正ということで、それまでは65歳以上かつ20年以上継続加入している方はそれ以降保険料を払わなくていいということになってございましたが、その要件を見直し、65歳以上は変わりませんが、25年以上加入という形で要件を見直しております。さらに、保険料固定方式を全面的に導入するなどの改正をしてございます。

 3番は「第3次改正」で平成8年、先ほどもちょっと出てまいりましたが、この際、財政的な逼迫状況に鑑みまして、保険料の引き上げと国と地方公共団体が2分の1ずつ補助をするという見直し措置を講じているものでございます。

 次のページでございますが、直近の「第4次改正」、平成20年の改正でございます。その当時の運用利回りの低下、あるいは障害児者の受給期間の長期化等によりまして、保険料の引き上げと公費投入期間の延長という措置を講じてございます。

 それで、保険料の水準はその当時どれくらい見直されたかということで見ますと、大体1倍から2倍、3倍くらいの範囲で引き上げが当時図られているということでございます。

 次に9ページ目、平成20年が直近の大きい見直しですけれども、5年ごとの検証をしております。その前回の検証のときの検討の概要でございます。平成24年度でございます。24年6月に、やはり有識者の意見交換会を開催したわけでございます。それで、その結果、下に書いてありますような理由で25年度からの保険料水準等の見直しは特段の措置を講じないということで、制度の形を維持するという結論に至ってございます。

 その理由としまして、1つ目は想定した運用利回りとその当時の現況とは乖離が生じているのですが、資産運用は長期的な観点に立って検討を行う必要があるということ。

 2つ目は、20年4月に保険料の引き上げが実施されたばかりで、さらに負担を求めるのは難しいということ。

 3つ目は、年金額についても月額2万円の年金額で契約しておりますので、それを引き下げるというのはなかなか理解が得られないということ。

 4つ目は、公費の財政支援も平成62年までということで非常に長期に延長したところでございますので、当時はさらなる延長はなかなか難しかったというものでございます。

 次に、現況でございます。10ページ目でございますが、「加入者等の状況」でございます。グラフの方を見ていただきますと大きいトレンドが見てとれますけれども、上から2つ目のライン、カラーの資料の場合は青いラインですね。これが、加入者でございます。保護者の方の加入者の人数の推移で、平成6年くらいをピークに近年、20年間くらい加入者数は減少傾向をたどっているものでございます。

 さらに、下から2つ目の赤いラインが年金の受給者数ですけれども、こちらはほぼ直線上に増加傾向であるというものでございます。

 その結果、一番上を見ていただきますと、加入者数は現在4万7,193人、平均年齢72.7歳、それに対して新規加入者は例年400人程度ということで、ここの人数をもう少し増やすことができないかということも一つの課題でございます。年金受給者につきましては4万6,000人強ということで、平均年齢59.4歳ということでございます。

 次に11ページ目でございますが、「平均的な加入者・受給者像」を平成19年度と27年度を比較して見たものでございます。上の表、(1)が保護者のほう、加入者についてでございますけれども、大きく変化が見てとれますのは、1つは加入者が減っているということ、さらに平均年齢が5歳くらい引き上がっているということ、平均加入期間も5年間くらい延びているということが見てとれます。

 一方、受給者、障害者のほうでございますけれども、こちらも全てにおいて上昇傾向ということで、受給者数も、平均年齢も、受給期間も、受給開始時の平均年齢も、いずれも上昇しているということが見てとれます。

 1枚おめくりいただきまして、12ページ目でございます。先ほど図で見ていただきましたとおり、生命保険会社との契約による部分、保険のほうの収支についてでございます。こちらの資産残高は872億円ということで、各生命保険会社10社の一般勘定において運用をしていただいているものでございます。その結果、運用利回りの実績についてはほぼ毎年同水準でございますが、8年間平均で1.67%という実績でございます。

 次に、13ページ目でございます。信託会社のほうの年金収支でございますけれども、資産残高743億円、運用の方法につきましては外部有識者からなる資産運用委員会の議を経た基本ポートフォリオに基づいて運用してございます。その構成割合については、債券が4分の3くらいを占めているというものでございます。

 その運用利回り実績でございますが、「※」にありますとおり、厚労大臣が指示する運用利回りは2.8%でございますが、こちらはその運用環境が年によって大きく異なりますので上下が激しくなっておりますけれども、8年間平均しますと3.17%という実績になってございます。

14ページ目、15ページ目でございます。

14ページ目は、保険収支の推移をグラフで年度ごとに追ってみたものでございます。これをざっと見ていただきますと、左のほうにありますが、平成8年に公費投入を開始した。さらに、保険料の改定も行った。これを契機に、収支については改善がされてきている傾向が見てとれます。基本的にはそんなに変動が激しくない保険収支の状況で、折れ線グラフにありますとおり収支差額はプラスが維持されているということでございます。

 次のページの「(2)年金収支」についてでございますが、こちらは一見してトレンドが見てとれます。

 まず、下のほうに伸びております棒グラフです。こちらは年金給付金でございますが、年金受給者が増えていますので当然でございますが、年金給付額も年を追うに従って増えている。

 一方、収入のほうですね。こちらは上から2つ目の青いところですが、これは運用収入でございまして、先ほども見ていただきましたとおり、運用収入は年によって運用環境が異なりますので大きく実績が異なっております。その結果、収入についてはばらつきが生じ、さらにその結果、折れ線グラフ、収支差額についてもプラスの年もあればマイナスの年もたまにあるというような状況でございます。

16ページ目は、今の数字で見ていたものでございますので説明は省略いたしまして、一旦18ページに飛んでいただきます。今の単年度の収支を見ても、なかなか構造的な財政状況がわかりませんので、現価相当額に引き直してみるとこうなるというものでございます。一番左側は年金受給者に対して将来支給する年金の総額を現価に引き直した総計額ですけれども、それが2,003億円というふうに見込んでおります。そのうち、真ん中の棒ですけれども、その下で公費負担現価、これは平成62年度まで毎年同じ額を公費投入し続けたとした場合、現価に引き直すと1,231億円相当になる。それで、残った771億円、上のところが責任準備金ということで、この771億円に対して一番右側、年金資産は今743億円あるということで、繰越欠損金は29億円であるということになります。

 それを数字で見たのが1ページ戻った17ページ目でございますけれども、一番上が将来の年金債務を現在価値に引き直した合計額、年金の現価相当額です。こちらは徐々に大きくなってきているということで、直近2,000億円ちょっとということでございますが、特徴的なのは1つはマル5のところでしょうか。繰越欠損金の額は、少しこの近年は減少しているというのが見てとれると思います。平成20年度代前半は100億円強あった繰越欠損金ですけれども、現在は30億円弱という状況になってございます。

 その1つの要因は、その下から2つ目の欄にございますが、大臣が指示する運用利回りは一番下、2.8%ですけれども、242526年度と非常に高い運用の利回りが実現してございます影響も出ているのではないかと思います。

 以上が財政的な話でございまして、最後に19ページ目は「広報の取組みについて」でございます。途中で見ていただきましたとおり、新規加入者は毎年400人と少し少ない人数になってございますので、加入者を増やしていくこともこの制度の安定的な運営にとっては重要な課題でございますので、次の取り組みを28年度においては実施しております。

 冒頭、部長が紹介申し上げたのが(1)と(2)でございます。パンフレットの配布、こちらは保護者の目につきやすいようなところにパンフレットを配布していく。さらには、特別支援学校等においてポスターの掲示の依頼をする。こちらも保護者が目につきやすいようなところに置いていただく、掲示していただくそんな取り組みをしてございます。

 (3)は、民生委員・児童委員必携というもので制度紹介も盛り込んでいただいたということでございます。

 最後に20ページ目でございますが、論点は非常に粗く整理してございますけれども、本検討会で御議論いただきたい論点でございます。前回の改正、直近の見直し期間は改定しませんでしたので、直近の改正は20年になるわけですが、そこから社会状況の変化を踏まえて本制度が安定的に持続可能であるかを検証するということで、1つは変化の状況として考えられるものを5つほど挙げておりますけれども、加入者数が減少しているということ、年金受給者数が増えているということ、さらに死亡率も恐らく変化しているであろうということ、運用利回りも先ほど見ていただいたように推移があるということ、最後に公費投入額と期間をどういうふうにしたらいいかということなどが論点として考えられます。

 ただ、ここに挙げた論点にかかわらず、幅広く御議論いただければと思います。

 最後は、今後の運営のあり方ということで、広報についてさらに強化していくことが何か考えられないかということなどについて御議論いただければと思います。

 説明は、以上でございます。

○駒村座長 ありがとうございます。

 それでは、ただいまの事務局の説明について皆様から御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

 なお、本日、森構成員と米澤構成員におかれましては途中、18時くらいに退席と伺っておりますので、もし御発言があれば両構成員から先にお話をいただければと思います。資料について、制度について確認するようなこと、あるいはデータ統計についての根拠等々いろいろあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 米澤先生、いかがでしょうか。何かありますか。

○米澤座長代理 ちょっと確認させていただきたいのですが、10ページ目の推移の図がございますね。それで、つい先ほどもお話がありましたけれども、加入者が減っている一方、年金受給者の数が増えているという説明がありました。

 ここではそのとおりになっているわけなのですが、これは当然ながら年金受給者も大分タイムラグをもって減ってくるというわけで、当たり前ですけれども、片方が減って片方が増え続けるということはないということで、この段階だとタイムラグがありますので過去の加入者が増えている段階がこれから年金の受給者のほうが増えていくということの理解でいいのか。その辺だけ確認させてください。

○大西補佐 そのような御理解で結構でございます。

○米澤座長代理 片方は上がりっ放しで、片方は下がりっ放しということはあり得ないですね。安心しました。

 では、そのもとでもう一点ですけれども、加入者は平成6~7年くらいをピークとしてかなり大きく下がっているのですが、この下がった要因というのを簡単にお教えいただけないでしょうか。何か尋常ではない下がり方をしているんですけれども、単なる人口構成上の問題ではないですよね。

○駒村座長 では、事務局お願いできますか。

○朝川企画課長 補足は後で補佐にしていただきますが、まず考えられますのは、このピークのころに保険料の引き上げが図られています。先ほども経緯のところで御説明しましたが、その影響が出ている可能性があるということです。

 あとは、これは制度改正の時期とのタイムラグがあるのでどこまで影響しているのかわかりませんが、公的年金のほうの制度の成熟というか、充実といったことも影響している可能性があります。

 もう一つは、民間の保険の普及なども影響している可能性はあるのではないかと思います。

 補足があればお願いします。大丈夫ですか。

○駒村座長 そういう御説明ですが、よろしいですか。

○米澤座長代理 最初ですから、お教えください。そうすると、そうでなくてもどこかでピークというのはだんだん人口構成比が下がってくるんですけれども、それ以上のスピードでもって下がっているという理解でよろしいわけですね。

 ありがとうございます。とりあえず、私のほうからは以上です。

○駒村座長 森構成員から何かございますでしょうか。

○森構成員 現時点では内容がわかりましたので、ございません。

○駒村座長 では、ほかの構成員の皆様からも、最初ですので制度の確認の御質問をいただきたいと思います。

 では、小竹構成員お願いします。

○小竹構成員 資料6ページで教えていただきたいのですが、特別調整費の表の保険収支と年金収支への46億円の公費の入れ方ですが、保険収支は平成42年まで、年金収支にはその後92億円が入るようになっています。

 併せて、資料14ページと15ページの保険収支・年金収支の推移の表を見ますと、14ページの保険収支の方に入っていた46億円、公費だから紫色の横のしまのところだと思いますが、これが平成42年度で終わってしまうという理解でよろしいのですか。

○大西補佐 そのとおりです。理由のほうを説明させていただきます。

 6ページの公費の額ですが、これは平成20年改正時に設定された額になっています。その当時の保険収支、年金収支、それぞれの不足を解消するのに必要な年度まで投入するという形で設定しております。

○駒村座長 小竹構成員、お願いします。

○小竹構成員 当時はそういう予定だったということですが、今のこのトレンドでいくと保険収支は平成42年度に一気にで赤字に転じるように思えるので、その辺りも含めてまた検討できればと思います。

○駒村座長 これは解説もお願いできればと思いますけれども、6ページの表というのは平成20年時点での見通しで、これ自体は今回また何か議論というか、これ自体を見直しするということもあるということかどうか、そこだけお願いします。

○大西補佐 20ページで論点のほうにも挙げておりますが、今回公費投入額、期間についても御議論いただければと思っております。

○駒村座長 このスケジュール自体も見直していくということになるようです。

 では、朝川さんお願いします。

○朝川企画課長 間違っていたらまた言っていただきたいのですが、この公費投入は4ページで掛金額が加入時期によって異なっていて、新規の加入者については基本的に公費は投入しない前提になっていますので、過去に加入した人がいずれは長期で見ますと加入者でなくなっていく。したがって、おのずとどこかで限度であるという考え方になっているという理解だと思います。

○駒村座長 数字が46から突如24になるというのは、ちゃんと根拠がある話なのですね。この表自体、少し丁寧に御説明いただいたほうが、今の課長のお話は旧制度とは言わないですけれども、昔入っていた方の保険料の不足分を公費が賄う。そこで、その分が保険収支のほうに入ってきている。

 それで、今度はこの年金収支が合計すると92億円のまま変わらないようにどんどんしていって、最終的には2050年で10億円になります。ここを丁寧に説明してもらったほうが、最初だからいいんじゃないかと思いますけれども、お願いできますか。

○大西補佐 まず6ページの1.ですけれども、平成8年改正の時点では保険収支、年金収支にそれぞれ46億円ずつを投入するという形をとっておりました。

 平成20年改正において46億円ずつというのはそのまま維持して、保険収支、年金収支においてそれぞれ不足が解消するまでの期間というものが、保険収支であれば平成42年度なのですが、最終年度に46億円を投入してしまいますと加入者の方が全員いらっしゃらなくなった時点において保険資産が残ってしまう。多く入れ過ぎているということになります。

 このような理由から、46億円ではなくて24億円と最終年度で金額を調整しているという形になっております。

○駒村座長 そういうことですが、ちょっと複雑ですね。

 では、村山さんお願いします。

○村山構成員 今の事務局の説明の確認ですけれども、今の保険収支に公費を投入する加入者の方というのは平成19年度以前の方ですね。資料の11ページのところにその方のプロフィールがありますが、11ページの(1)の加入者の右のところですけれども、平成19年度以前の加入者は平成27年度現在、約6万6,000人で、平均年齢73.5歳の方、この方々が保険料が足りないんですね。平均年齢が73.5歳ですから、この方々は20年くらいすると恐らく全員お亡くなりになっているのではないでしょうか。事務局は、そういう意味で公費投入の最終年度が平成42年度と説明したのではないかと思います。

○駒村座長 よろしいですか。

○大西補佐 はい。

○駒村座長 ほかにいかがでしょうか。

 では、野澤構成員お願いします。

○野澤構成員 ちょっと質問なんですけれども、加入者で4ページのマル2のア、イ、ウです。これは割合とかはわかりますか。それと、これはみんな手帳を持っている方ということなのでしょうか。

○齋藤補佐 前回の20年の改正の際の検討会でもそこら辺のお話をちょっといただいていたのですけれども、そもそもこの制度に入れる人というのは障害者の中でも御両親とか保護者の方が65歳未満だとか、保険なので健康状態がしっかりしている方とか、ある程度要件が厳しくなっていて全ての障害者が対象になっているわけではないのです。

 それで、障害者の方についても、身体障害の場合であったら手帳の1級~3級とか、知的障害であっても生涯自立が困難であるとか、要件がついているので、全障害者のうちどのくらいの障害者がこの対象になるかをなかなか推計するのは難しいというようなことになっております。それで、実際に20年度の検討会では全体の障害者の数からイメージしていただいております。今は確か全体の障害者数は、860万人位です。

 1級から3級までの障害者という要件はありますが、手帳を持っているかどうか限定しているわけではなくて、それぞれ障害者の方が手帳を持っているかどうか確認をしたり、あとは親の状態とかを確認したり、そういうものを勘案して入れています。

○野澤構成員 そうすると、アとイとウの割合というのは大体ですけれども、わかりますか。

○駒村座長 資料の4ページですか。

○齋藤補佐 知的障害と身体障害の割合ということですか。

○野澤構成員 ざっくりと加入者像みたいなものが知りたいと思ったので。

○駒村座長 この辺の資料は今日いろいろ御質問していただいて、次回にはできるだけどういう特性の方が加入されているのかということは把握しておいたほうがいいと思いますので、資料を用意していただければと思います。

 そういったように、ほかに確認したいことがあれば今日の時点で御質疑いただければと思いますが、野澤構成員からほかにはありますか。

○野澤構成員 知的障害でも手帳の1級、2級によって障害基礎年金の額は違いますね。ですから、2級の人にとっての2万円、4万円と、1級の人にとっての2万円、4万円とかなり価値といいますか、違うと思いますし、最近就労も結構進んでいるので、余り就労している方というのはいないような気もするのですが、その辺の状況がわかればうれしいと思っています。

○齋藤補佐 先ほどの障害2種類の構成別なのですけれども、これは27年度実績ですが、知的障害が67.4%で身体障害24.5%、その他の障害が8.1%になっています。

○朝川企画課長 就労状況の違いとかは、また次回にでも調べられるところはということで。

○齋藤補佐 そうですね。調べられる範囲内で調べさせていただきます。

○駒村座長 ほかにいかがでしょうか。

 では、小竹構成員お願いします。

○小竹構成員 今のことに関連してですが、年金をいただいている方がどういう状況で生活しているかというデータを出していただくことは難しいでしょうか。

 と申しますのは、施設に入られている方がどれくらいいるのか、そのお金をどういう形で障害者の方が活用するのかを考えた時に、施設にいる方と自宅にいる方とか、自立している方では、多少お金の使い方に違いがあるのではないかという気がしたものですから、もしそういうデータがあれば見せていただけるようお願いします。

○駒村座長 この検討会の一つの目標としては、この保険財政が持続可能であるのかどうかというのが一つの大きな課題で、5年に1度財政の見通しを確認する。

 それで、今の御質問で、保険的に言うとこれは米澤先生に御説明していただいたほうがよくご存じかと思いますが、結局親が亡くなって子供がその後、一生受け取るということになると、任意加入ですから、子供が長生きすればするほど、親が早く亡くなってしまえばしまうほど、加入するメリットがある。したがって、親子の寿命差とか年齢差が保険財政には効いてくるということになると思うんです。

 したがって、今のお話だと、障害の種類によって非常に残念な話ですけれども、多分寿命に違いがあるのかもしれないし、経済状況によって障害の方の寿命に違いがあるかもしれないし、あるいは施設にいるかどうかで寿命の違いが出てくるとすれば、それは考慮に、例えばどちらのほうが寿命が長いかはわかりませんけれども、そういう統計があれば一番いいのですが、施設にいらっしゃるほうが長いとか、短いとか、そういうものがあればそれによって18ページの将来債務の金額、年金の現価相当額が変化してくる。

 だから、この検討会としては将来の受給予定者の寿命や、受給期間が長くなるのか、短くなるのかによってこれが不足、公費の投入分等が増えるか、減るかということがわかってくるということで、今の幾つかの質問も恐らく受給期間に影響を与えると思いますので、もし資料があれば用意していただければと思います。

 米澤先生、これは保険的にはそんな整理でよろしいですか。もしあればお願いします。

○米澤座長代理 その種のデータがあれば、それにこしたことはないということです。

 ただ、少なくとも平均的にどのくらい、多分伸びているんだと思いますけれども、そういうところが我々でもわかると少しはいいかと思います。

○駒村座長 だから、加入されている実績のデータの中で障害類型別に受給期間に何か差があったり、生活、居住地別に何か受給期間に差があったりするのか。

 ただ、この3つの類型の障害を持たれた方の寿命そのものの大規模なデータというのはなかなかないのかもしれない。あるいは、年金のデータのほうにもしかしたら類似したデータがあるのかもしれませんけれども、幾つかの実績が一番いいと思いますが、ほかにも補足データがあれば材料として用意していただくと手堅い議論ができるのではないかと思います。

 そういう意味では、気になるところがございましたらほかの委員からも御質問いただいたり、実績データがどういう構成になっているかもよくわかりません。それは福祉医療機構のほうが持っているのか、厚労省が持っているのかわかりませんけれども、実績のデータもさかのぼって、後で検証なりデータを見せてもらえればと思いますが、ほかにいかがでしょうか。

 4ページのところで、まず任意加入ですから加入する方としては、家族の方としては自分が早く亡くなってしまった後、障害を持った子供を遺したままの期間が長いとやはり入るメリットはある。そういう傾向があるのかなと思います。

 それから、4ページのほうですけれども、加入者は保護者、配偶者、父母、兄弟とはいうものの、結局同じ世代の人間ならば入るメリットは余りなくて、圧倒的に入る可能性があるのは親世代という理解でいいのでしょうか。もしそういうデータがあればと思います。

○齋藤補佐 27年度の実績ですと、障害者との続柄で配偶者の入っている割合が1%、父母が97.8%、兄弟・姉妹が0.9%、その他が0.3%となっておりまして、ほぼ父母の方が占めております。

○駒村座長 父母の方が生きている間は、給付はされないということですね。

○齋藤補佐 お父様が加入者で、お父様が亡くなった場合にお母様は生きていらっしゃっても支払いは行われます。

○駒村座長 ということは、親世代の寿命が延びていて、障害を持った子供の世代の寿命も延びていたとしても、親世代寿命がより延びていれば、その受給期間は短くなっちゃうかもしれないということですね。

 この延び方の違いの実績がどうなっているかは、資料としてはあるのでしょうか。

○齋藤補佐 あると思います。

○駒村座長 それはまた次回以降そういうところで、それによってはまた将来が見えてくる。普通に考えれば、受給期間が延びれば保険料を上げるか、給付を下げるかしかないですね。

 ただ、公費の投入は増やせないんですか、増やせるんですか。ちょっと確認したいんですけれども。

○朝川企画課長 そこは予断なく御議論いただいて、最後はいろいろな制約がかかってきますけれども、まずは予断なく議論いただきたいと思います。

○駒村座長 わかりました。

 では、お願いします。

○野澤構成員 野澤です。加入期間による受給の資格とか、金額の増減というのはあるのですか。

○駒村座長 事務局から、制度の正確な説明を共有しておいたほうがいいと思います。

○齋藤補佐 ありません。免除期間というのはありますが、支払いの期間というのはなくて、例えば加入されて1年後に亡くなられても、その死因に不審な点がなければお支払いはされます。

 ただ、審査をする段階に一般的に1年以内、2年以内に亡くなった方は死亡診断書のちょっと詳し目なものを出していただくというような要件はあるのですが、特段何年納めていないから支払わないというようなことはありません。

○野澤構成員 額も変わらないですか。

○齋藤補佐 額も変わらないです。

○駒村座長 久保構成員、お願いします。

○久保構成員 育成会の久保でございます。

 ただ、保険をかける年数というのはありますよね。何年間はかけないとだめ。しかも、その年数がきても65歳までの誕生日になっていないといけないとか、その辺のところが保護者の中では詐欺じゃないかみたいなことまで言われるようなややこしい仕組みになっているので、ちょっとそこは説明していただけたらありがたいんですけれども。

○齋藤補佐 それというのは支払いに対する期間ではなくて、この制度は、20年以上納付していただく、かつ満65歳という要件を満たすと以降の保険料を免除するという取扱いがあります。そちらのほうについては、20年以上の掛金納付と、65歳という年齢で制限がかかってくるのですが、先ほど野澤構成員のほうからお話のあったように支払いに対する期間ではありません。免除期間と、その支払の期間との違いがあります。

○久保構成員 早くお亡くなりになって年金が支払われている人がどのぐらいかということと、例えば20年きちんと払って65歳まで云々というのもありますから、そこも免除期間もありますけれども、そこまで払っておられる方がどのぐらいおられてというのも、親が早く亡くなって早く支払っている部分が延びているのであればちょっと考えないとだめですが、そうではなくて20年きちんと納めていただいている方が一定程度コンスタントにあるというのであれば安心かと思うんですけれども。

○駒村座長 パンフレットの3のほうには掛金の免除の規定が書いてあって、この掛金免除をクリアして亡くなっている方と、クリアしないでその前に亡くなっている方は、当然保険財政に対する貢献というか、意味が違ってくるので、これが安定的なのか。そうではなくて、構造的に変わってきているのかもデータがあれば、もちろん早く亡くなってしまう方はリスクなんですからそれはそれで仕方ないですけれども、ただ、免除期間をクリアした人から見れば、ちょっとどうなのかと思う部分もある。

 それは、財政的にもちゃんとその分のリスクはとられて保険料が決められているとは思いますけれども、それが安定しているかどうかは現データがあるという理解でよろしいでしょうか。

○齋藤補佐 それぞれの方のデータはあると思うのですが、それをうまく集計できるかどうかというのは福祉医療機構さんと相談をして、なるべく努力はさせていただきたいと思います。

○駒村座長 この辺について、保険のほうの知見か何かで、そんなことは多分安定しているだろうとか、何かありますか。

 森構成員、お願いします。

○森構成員 生命保険協会の者ですけれども、おっしゃるようなことも踏まえてやはりデータを見て、大きく言えば死亡の発生状況ですとか、将来の収支予測ですよね。

 今、言われたような将来の収支予測をした結果としてやっていくということだと思いますから、そのデータがどれだけ詳しいものがあるか。なければ、ない中でどう検証するのか。そういうプロセスになるのかなというふうに思っています。

 今、見ている範囲だけで、この資料を拝見している範囲だけで言えば、財務状況は改善傾向にございますので、すぐさま、例えば料率の見直しを変えなければいけないとか、どんどんいじるということはないかと思いますが、今、申しましたとおり、あるいは皆様が言われたとおり、詳しいところを見て劇的に中身が変わっているということがあれば検討しなければいけないと思いますし、そうでないということであればということも含めての将来収支予測になるかと思っています。

○駒村座長 森構成員のほうで運用などもそこそこ稼いではいるんですけれども、ほかに割と安定していそうな数値はどの辺で読み取ればいいでしょうか。

○森構成員 そういう意味で言いましたら、今まさに安定しているというのが、私どもとしまして現時点で持っているのは14ページのとおりです。かつ、前回のとおり、平成42年までは大丈夫だと、そういうところしかまだ見えていませんので、先ほど皆様方から言われたようなデータを見て将来収支予測をしていかないとわからないというところはあります。

○駒村座長 ありがとうございます。

 では、米澤先生お願いします。

○米澤座長代理 そろそろ退室しなければいけないのですが、一言だけ、今の保険に対しまして13ページないしはそれに対応しますと15ページでしょうか。

 これまでは、運用利回りは2.8%というところで全部現価計算をされていると思います。それで、実績としましては8年間の平均で3.17%なのでそれはクリアされているんですが、13ページのポートフォリオの中身を見ますと、今の公的年金と大分違って74.5%国内債券で運用されているわけです。何とか3%強運用されているんですが、御存じのように国内債券は国債はもうほとんど金利がゼロなので、この先を見ますとこの2.8というのは極めて難しいというのが正直なところです。

 ですので、今、言っているこのポートフォリオで2.8というのは厳しいなというのが正直なところですので、これは今後どうするか。

 でも、もし本当にリスク資産をふやせばもっと変動が激しくなるので、それはどこかのうちで最悪のことが生じたときにそれがどう維持されるのか、されないのか。ちょっと頭の体操をさせていただく必要があるのかなと思っています。以上です。

○駒村座長 米澤先生、これは先生が委員長をやっていている会合でしょうか。

○米澤座長代理 はい。

○駒村座長 これは割と安全資産のほうに平成27年4月時点で持ってきているのは、やはり取り崩しということでしょうか。

○米澤座長代理 もう一つ、公的年金と違って賃金上昇プラスアルファではなくて絶対水準で見て2.8という数字なので、これはかなり固くやっていかなければいけないということで、こういうようなポートフォリオになったと理解しております。

○駒村座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。どんなところからでも結構かと思います。こちらのパンフレットの資料からでもいいと思いますけれども、加入促進の視点の議論もいいのかなと思います。いかがでしょうか。

 平松構成員、お願いします。

○平松構成員 静岡市ですけれども、そもそものところを教えていただきたいのですが、加入者数とその年金受給者数とを合わせますと、平成27年度で12万人くらいということなのですけれども、これは障害者の方の全体のそもそも何パーセントくらいに当たるのかということです。

 それから、最初の御説明のときに、加入者数が下がってきている要因の一つとして民間保険の普及というお話があったのですけれども、その民間保険というのがどういうタイプがあるのかというのも分からないのですが、この制度と民間保険を比較したときに、この制度を維持していくメリットというか、意義というか、そのあたりについて教えていただきたい。

 最後に、公費負担の割合はどういうふうに決められたのかというのを詳しく教えていただけるとありがたいです。

○駒村座長 事務局、お願いします。

○齋藤補佐 先ほど先走ってご説明してしまいましたが、20年の見直しの検討会でも、障害者の全体の数に占めるどれぐらいの方がこの制度に加入されているかという御質問をいただき、当時どれくらいの割合で加入されているのかというのを大分試算したみたいなんです。

 障害者であるだけではなくて、先ほど申し上げたとおり御両親が65歳未満であるとか、健康状況がいいとか、ある程度要件があるので、障害者の中の何パーセントというのを出すのは難しいというようなことで、なかなか試算が難しかったということで、大体イメージとして、障害者全体の数は内閣府の障害者白書の数なのですけれども、全体として知的障害、身体障害、精神障害を合わせると大体860万人ぐらいとなっています。

 ただ、この860万人というのは、この制度の対象となっている身体障害者1級から3級とか、知的障害で将来自活できない方とか、そういう重い方ばかりではなくて、ある程度軽い方とかも含めて860万人なので、これを母数にして割合を出すというのはなかなか難しい。

 あとは、20年度の見直しの当時、身体障害者1級とか3級とか、手帳の数から試算すればいいのではないかとも考えたようですが、そもそも手帳の数自体が推計値なので、そのものずばりの数を出すのは難しいということをお答えしております。

 でも、大体そのイメージをつかんでいただくのに、障害者全体の数が860万人であって、先ほどの資料にもあるように、この制度の利用者というのが10ページにあるとおり、加入者の数が大体4万7,000人になっています。

 大体、加入者の数と障害者の数というのは同じになってくるので、入っているのが5万人弱でこの制度以外の障害福祉サービス、例えば居宅介護サービスの利用者というのが今167,000人ぐらいなんですね。あとは、例えばショートステイを利用されている方が4万9,767人となっているんですけれども、ほかのサービスの利用者の数とこの制度の数をお比べいただいて、大体どの程度の規模感なのかなというのを御推測いただくというような形で20年度のときも御説明をさせていただいています。本当にイメージ的なものでしか御説明できないというようなところになっています。

 あとは民間に比べてのメリットですけれども、ちょっと調べたところ、全く同じような障害者に対する終身の保険という制度は民間の保険ではなかなかないようです。

 ただ、この制度のメリットといいますと、保険会社さんのほうで事務費を取らないというようなことで、事務費を保険料に含めていただいていないんですね。それなので、他の保険制度から比べるとその事務費分の掛金が安くなっているということと、あとは制度として年金を受ける権利は、相続税とか贈与税の対象となっていないとか、加入者が掛金を掛ける際に地方税の対象となる所得から控除されているとか、そういう税制面のメリットがあるというようなことがこの制度のメリットなのかなと思っているところです。

○駒村座長 平松構成員、よろしいですか。

○平松構成員 それから、公費負担を最初に決めたときの考え方についてはいかがですか。

○齋藤補佐 全体の46億ということの考え方でしょうか。

○平松構成員 国と地方公共団体の負担割合が2分の1ずつにしたところというのは、どのような考え方でしょうか。

○齋藤補佐 そもそもこの制度というのは、各都道府県、指定都市が条例に基づいて実施している制度なんですね。ですから、そこで地方負担を入れていただくというのがまずあったのですが、しかしながら、国としてもその条例準則をつくっているとか、あとは福祉医療機構さんのほうの指導監督をしているということで、ある程度、国もこの制度について責任があるのではないかということで2分の1、2分の1ということで折半をしているという考え方になっています。

○平松構成員 ありがとうございます。

○駒村座長 野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員 私は今、思い出したんですけれども、平成8年のこの改正のときに私は厚生省の記者クラブにおりまして、そのときに地方自治体の担当の方が記者クラブで記者会見をして、この改革はおかしい、厚生省に抗議するとか言っていたんです。

 私がその会見の記事を書いたら今度は障害福祉課から、あんたは応援してくれると思ったのにとか言われて、やはり負担がかかるということに対して相当、当時は自治体の関係者は嫌がったと思うんです。その後は、そういう反対意見はないんですか。

○駒村座長 具体的にお願いします。

○齋藤補佐 平成8年のときに公費の金額を入れていただいているので、そこからずっと同じ金額で、各自治体間によって差はあるのですが、そこからはずっと46億なので、20年度のときにも延長するというお話はあったのですけれども。今のところ御要望としてはいただいてはいないです。

○野澤構成員 もう一ついいですか。親の立場からすると自分が亡くなった後に何らかの財産を残したい。それは、知的な障害を持った親たちは特にありますよね。

 そう考えると、全くこれと似たようなものはないにしても、例えば信託で特定贈与信託があったり、あるいは民間の死亡保険でも障害になる子を受取人にすると一・何倍かに保険金が増えるとか、そういう商品もあったりするんです。その手のいろいろな、例えばどんなものがあるのかというのを知りたいなと思っていて、今じゃなくていいのでわかる範囲で教えていただけないかと思うんです。民間の保険などに比べて、心身障害者扶養保険事業が具体的にどういうメリットがあるのかというのをもう少しわかりやすく対比があると、新規の加入者に対するインセンティブになるのかなと思うんですね。

 先ほどの、加入している期間がなくても1年後に亡くなってももらえるというのは、これは相当いいなと思っているんです。2万円とか4万円という単位も、例えば成年後見とか専門職の後見人をつけるとちょうど同じくらいだしなどということを考えると、広報の仕方によって新規の加入者は増えそうだという気も若干してきたので、その辺をもう少し詳しく知りたいなと思いました。次回以降で結構ですので。

○駒村座長 話は広報のほうにきていますけれども、政策的な目的は一体どういう意義があるのか。民間保険にないメリットがあるということをちゃんと強調して、例えば終身の話とか、掛金や受給時の金額も税制上の優遇がどうあるのかとか、これから年金給付額も高齢化によってマクロ経済スライドとか何かが効いてくれば、これは当然、障害者も他人事ではなくて、やはり障害を持っていない方はみずから私的年金、企業年金に入ることもできるんですけれども、障害を持った方はそういう機会が限られているというならば、やはりこれをもっと普及していく必要があると思うので、どういうメリットがあるのかというのはもう少し情報を提供するようなことをやったほうがいいんじゃないかと思います。

 そこで、事務局でも民間保険に比べて余りいいと言うと民間保険の方は、いやいやと言われるかもしれませんけれども、こういう違いがあるんだということを少し整理していただくといいのかなと思います。

 このパンフレットのほうで少し気になるのが、4番目の「・」は一体何を意味しているのか。ちょっとこれが気になる一文なんですけれども、自活できると言える人はもらえなくなってしまう。保険なのにもらえなくなっちゃうというものなのでしょうか。

○齋藤補佐 これは、最初に入るときに要件として見ているところなんです。例えば就労している方がいらっしゃった場合、所得制限というのはないのですけれども、各都道府県がまちまちに審査するので、ある程度同じレベルで均衡を図るようにということで、この制度の当初に通知を出しているのですが、その当時、例えば公務員の場合など、給料は低くても将来的に安定している場合は独立自活が困難な者には含まれません。自活ができるというふうに言いますというような話とか、現在すごく高い給料を取られていても、その状態が未来永劫ずっと続くような場合でなければ、それは自活とは言わないとか、今、生活がうまく回っていても将来御結婚をされてお子さんを養っていけるかとか、そこら辺をうまく勘案して判断してくださいとか、そういう通知を出しています。

 将来、独立自活をすることが困難であるという定義を今お話ししたような幾つか要点を出していて、そこら辺を勘案して最初の加入のときに確認をしてくださいというようなことになっています。

○駒村座長 加入時点での経済状況、子供の経済状況ということで、公務員でフルタイムで働いていたりすればそれは必要ないでしょうから加入はお断りすることもあります。

 実際にお断りしているんですか。

○齋藤補佐 これはまず自治体の段階で加入のところで審査をしていただいているので。でも当てはまっていればお断りしているのではないかと思います。国からは、自治体間で差が出ないようにそういうふうにとお願いをしているところなので。

○駒村座長 そうすると、こちらのパンフレットを見ると掛金の減免という制度もあるようですから、あわせてみるとある程度やはりリスクが高いというか、貧困リスクの高いような人、子供が貧困リスクになってしまうような人になるべく入ってもらいたい。フルタイムの公務員になっていたりしている人は大丈夫でしょうという考え方があるという理解でいいんでしょうか。

○齋藤補佐 まさにこの字で書いてあるとおり、将来自活することが困難であるというところの視点で見ていただいていると思います。

○駒村座長 では、これは年金をもうもらっているからどうかとは関係ない話ですよね。

○齋藤補佐 年金とは別の話で、就労のところでそういうように見ています。

○駒村座長 いかがでしょうか。気になるところや、事務局側に対して宿題や確認したいことがあればお願いできればと思いますが、気になったことがあればどうぞ。

 秋山構成員、お願いします。

○秋山構成員 結局、加入者がどれだけ増えていくかというような問題と絡むんですけれども、現在新規加入者は大体今まで300人とかで計算されておりましたが、その後、その実態はどのぐらいになってきているのかというようなことを教えていただければというのが1つです。

 そこで、厚労省に今いろいろ努力いただいているということでございまして、文部科学省のほうに協力をいただいて、特別支援学校の保護者にこれをPRしていただくというような御努力をいただいているので、これはなかなかいいところに着目されたと思います。

 要は、どこをターゲットにしてPRしていくかというのはなかなか難しいところでありまして、地方自治体に行きますと確かに窓口へ行って聞けばわかるのですが、積極的にどこまでPRされているかというのは、私も自分の住んでいるところに行って聞きましたところ、なかなか目に見えるようなことが行われているようにはちょっと見受けられないところがございました。

 そういうことから、今年の障害保健福祉の主管課長会議では、この特別支援学校のことも含めて厚労省では特に力を入れて都道府県の方々に対する勧奨といいますか、そういうようなことをしていただいたのではないかと思っております。

 そこで、いろいろなPRの仕方があると思うのですが、これはできるかどうかわかりませんけれども、例えば障害者の所得保障というようなことを一つのテーマにして、話題性を持った発信の方法として、例えばテレビ番組のNHKのハートネットみたいなものがありますので、こういうところに取り上げてもらうように、何か難しいことはあるかもしれませんけれども、それも一つの方法かと思います。

 つまり、皆さんに認知をしてもらうということがやはり必要なので、もちろん私ども障害者の団体として自分たちも努力していかなければならないと思うんですが、なかなか最近は障害者の団体に加入しようという人が一方ではないので、むしろ抜けていく人のほうが多く、しかも若い人が入ってこないというようなことがあります。

 特に私どものほうの団体では障害の重い人たち、例えば医療的ケアが重い人たちなどが入ってくるということになりますと、この人たちが将来のことを見据えて言っている今のような共済制度にまで手が伸ばせるような状態の人たちではないです。

 そんなことから言いますと、この広報の仕方というのはいろいろと工夫していかなければならないのですが、さっき言いましたように何かアピールできるような一つの話題性を持った運動ができないかなというふうにちょっと思ったわけです。

 それからもう一つ、年金の受給者ですが、今まで年金を平成8年のとき、19年のとき、現在は29年ですか。そのときに、1人当たりの平均受給額が昔はたしか200万ぐらいというふうに想定されていたのが、受給期間が延びたことで、数年前には300万円ぐらいになっているとお聞きしたのですけれども、推移と今の額と、その辺のことを教えていただければと思った次第です。

○駒村座長 事務局、最後のところは回答の用意はありますか。あるいは、次回でも結構ですけれども。

○齋藤補佐 先ほどの加入者の推移です。これは最新なのですが、28年度は500人になっております。それで、ここ最近ずっと300人できていたのですけれども、27年に490人、28年度に500人ということになっております。

 福祉医療機構さんのほうでもいろいろ御尽力をいただいておりまして、特別支援学校の教諭等を対象とした民間の雑誌に記事を書いていただいたりと、もっと知らしめていただくような取り組みも今、考えていただいているような状況になっています。

 それから年金の話ですが、資料を準備したのでお配りしてもよろしいですか。

(資料配付)

○齋藤補佐 今の年金の人数とか金額について簡単にまとめた表を準備しておきましたので、御参考にしていただければと思っているところです。

 障害者の所得保障の基本構造という資料を見ていただくのが一番早いと思うのですけれども、大人と子どもでちょっとまた制度が違ってきているのですが、この制度の利用者は、20歳以上の方が多いので下の段を見ていただくのがよろしいかと思うのですが、今、障害基礎年金だと毎月1級だと8万1,177円で70万人の方が受給をされている。2級については6万4,941円で、107万人の方が受給をされているような状況になっています。それで、障害基礎年金の1級よりさらに重い方には特別障害者手当というものがさらに上乗せして出ているような状況になっています。

 上の段はお子様のほうの20歳未満がこの制度になるのですけれども、同じように特別児童扶養手当1級については月々5万1,450円が出ていて、大体10万人の方が受給されている。2級の方については月々3万4,270円、大体13.8万人の方が受給されていて、やはり1級よりさらに重い方については障害児福祉手当が上乗せされていて1万4,580円が月々出ていて、6.6万人ぐらいの方が受給されている。このような状況になっています。

○駒村座長 ありがとうございます。

 秋山構成員、お願いします。

○秋山構成員 障害者の平均賃金といいますか、これはどのような数字になっているんでしょうか。3月の課長会議で発表されたようなことがありましたけれども、平均で1万5,033円とか。

○駒村座長 それは、工賃のほうですか。

○秋山構成員 工賃ですね。

○齋藤補佐 すみません。今回、手持ちで持ってこなかったので、次回調べておきます。

○駒村座長 工賃がこの基礎年金についたところで、やはり10万はいかないわけですし、これで障害を持った方の貧困な問題というのは、親がいらっしゃる間は表面化しない可能性はありますけれども、亡くなってしまえばこの8万円プラス工賃で、工賃がない方が多いかもしれませんが、そうなってくるとターゲットとしてはそういう方がなるべくカバーできるようにという制度で、300人から500人というのは立派な増え方かもしれませんけれども、そもそも分母が先ほど何人該当者がいるのかというのは難しいところでありますが、恐らく2万や3万の話ではなくて何十万という単位で入ってもいい方がいるのではないか。1級で70万人いらっしゃるということを考えると、これの半分だとしても30万とか20万とか、10万前後いてもおかしくないのかなと思います。それに比べると、新規加入者も極めて少ない。

 ただ、自治体のほうはこれに対してどういう取り組みをされているのかというのは、また自治体の構成員の方からもどういうふうにこれをされているのか、どういう工夫がされているのか、加入促進でうまくいっているような自治体があるかどうかということも今後の会合で御紹介いただければと思うんですけれども、自治体出身の構成員の方から何かございますか。この制度に対する評価というか、加入促進に関する何か考えというのはありますでしょうか。もしあればと思うんですが。

 小竹構成員、どうぞ。

○小竹構成員 実は、今日の会議に当たって、本県の新規加入の状況も調べたところ、なかなかここでお話するのもお恥ずかしいような状況で、過去4年間において、新規加入者はトータルで4名いましたが、そのうちの3名の方は他県から入ってきている方と聞いており、実質的な新規はお1人しかいないような状況です。

 それで、先ほどありましたように、特別支援学校にこのパンフレットを今月か来月あたりには配付をするよう手続きを進めています。そういう中では広報、加入促進のための取組は必要だろうと思いますが、まさに今日議論いただいたように、やはりこの制度の魅力をきちんと伝えるような形で説明をしていくことが重要と考えます。

 制度に対する問合わせは結構あるそうですが、ただ、月々の掛金の金額を聞いて、親の年齢によって多少違いはありますけれども、2万、3万ということで尻込みをされてしまう方が多いと所管課からは聞いております。

 ただ、本県も、これは全国的にもそうだと思いますが、生まれる子供の数は減っているんですけれども、医療の技術的な向上によって障害を持つお子さんの数というのは決して減っていないのが現状ですので、そういう意味ではこの制度をきちんと運用してやっていく意味というのはあるのではないかと考えています。

○駒村座長 ありがとうございました。

○平松構成員 静岡市も同様の状況で今、加入者の方は225人、それから年金受給者は静岡県から事務処理委託をされて年金支給を行っていますので、静岡県分、それから静岡市分を合わせまして年金受給者は267人いるわけですけれども、平成20年度以降の加入者というのがやはり2人ということで、そのパンフレット等も配布をしますとやはりそれなりの問い合わせの数はあるということなのですけれども、なかなか加入に結びつかない。

 担当者のほうでは税制優遇ですとか、あるいはこういう方にはメリットがあるというような具体的なターゲットを絞った紹介の仕方ができればまた違うのかもしれないというような意見がありました。

○駒村座長 では、この辺も今後の課題として、どういう形でわかりやすく、こういうメリットがというようなものがわかるような形でこのパンフレットや広告も広報も工夫してもらうということで、いい事例としてこの500人というのももしかしたらうまくやっている自治体もあるかもしれませんので、こういう情報を収集していただいて、もし厚生省にデータがあればどのエリアが伸びているかとか、多いのかとか、この辺も調べていただいて、その辺はどういう形でこの加入者を促進させているかということも調べてもらえたらと思います。

 ほかに御意見はいかがでしょうか。

 野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員 今回は、保険料の水準とか給付の水準については論点にはならないんですよね。

○駒村座長 事務局、お願いします。

○朝川企画課長 少なくとも保険料水準は検証の対象ですので、結果、変わらないという結論は十分あり得ますが議論の対象です。

 給付水準のほうは、これも排除はしませんけれども、基本的にそんなに大きく変更する必要性は今、事務局としては余り感じてはいません。

○野澤構成員 年金の制度にすごく似ているけれども、でも、年金は少子高齢化で、保険料を払う人が減っていってもらう人が増えていくから、いずれは下がっちゃうとみんな漠然と思っているんですけれども、これに関して言うと、心身障害者扶養保険事業の場合は、入る資格のある人といいますか、障害のある方は母数がどんどん増えていますよね。

 そうすると、将来的なイメージは随分年金とは違うのかなという気もします。ある程度イメージとして年金とは違うんだというようなものが出せるのかなとちょっと気になったんです。

○駒村座長 この公的年金と共済の違いは一度整理していただいて、課長のほうから説明いただけますか。

○朝川企画課長 改めて整理も必要だと思いますが、まず大きい違いは、公的年金は賦課方式ですが、これは賦課方式ではない。そこが大きく違いますので、基本的には加入者が減ろうが、増えようが、財政には中立なはずであると思います。

 ただ、加入者は多いほうが制度は全体として安定するんだとは思いますけれども、賦課方式ほど影響は受けないだろうと思います。

○駒村座長 恐らく、今の公的年金と違って物価スライドがないので、2万、4万に固定しているとその実質価値はもし物価が上がれば下がっていく。昔の2万、4万と、将来の2万、4万は価値が違う。ただ、そこはもうこの特徴だということです。

 それから、予期し得ないリスクの変化が事後的に発生すれば、それは給付で調整するか、保険料で調整するしかないということで、要するにこの場合のリスクというのは年金受給期間が延びるかどうかということが一つのリスク、保険から見ればリスクですけれども、それが年金の債務に影響を与えますので、それが伸びているかどうかをチェックするというのがポイントで、それさえ読み込んだ織り込み済みの財政であれば特段触る必要はない。人口はこれから影響を受けないということだと思います。

 何か保険のほうから加えるところはありますか。よろしいですか。

○冨村参考人 現状の制度ですけれども、10年前の見直しのときの旧保険制度のところでの不足が出ていて、それは公費で補っていくという形になっていて、それ以降の加入者については、一応その加入者だけで収支が給付できるような掛金をいただいているので、新規加入者が増えていくと制度も安定していくということでございます。

 もう一つは、年金受給者の方については、正確に言うと保険給付のほうじゃなくて年金給付のほうになってくるので、そのために必要な原資がちゃんと確保できて、原資でちゃんと年金給付できるかどうかというところは見ていかないといけないかと思います。

○駒村座長 いかがでしょうか。もしこれで御質問、御意見がなければ、ちょっと早いですけれども、本日はここまでにしたいと思います。よろしいでしょうか。

 では、最後に事務局から今後の予定をお願いいたします。

○齋藤補佐 本日は御多忙中、御議論いただきありがとうございました。

 次回の開催は日程調整の上、追って御連絡させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。

 事務局からは、以上でございます。

○駒村座長 それでは、本日はこれで閉会とします。

 ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障がい保健福祉部
企画課手当係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
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