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2017年4月20日 第102回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成29年4月20日(木)10:30〜


○場所

厚生労働省共用第7会議室(中央合同庁舎第5号館6階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

委員(五十音順、敬称略)

青木 健、明石 祐二、岡本 浩志、栗林 正巳、袈裟丸 暢子、城内 博、杉山 豊隆、
角田 透、土橋 律、中澤 善美、中村 聡子、中村 節雄、三柴 丈典、水島 郁子、
水田 勇司、村上 陽子、最川 隆由、山口 直人

事務局:

岡崎 淳一 (厚生労働審議官)
田中 誠二 (安全衛生部長)
宮本 悦子 (計画課長)
野澤 英児 (安全課長)
武田 康久 (労働衛生課長)
安達 栄 (産業保健支援室長)
奥村 伸人 (化学物質対策課長)
藤枝 茂 (労働条件政策課長)

○議題

(1)労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化について
(2)その他

○議事

○土橋分科会長 ただいまから、「第 102 回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催します。本日の出欠状況ですが、公益代表委員は桑野委員、労働者代表委員は勝野委員、縄野委員が欠席されています。田中安全衛生部長は遅れるということです。また、本日は岡崎厚生労働審議官が出席しています。御挨拶があるということですので、よろしくお願いします。

○岡崎厚生労働審議官 厚生労働審議官の岡崎でございます。御承知のように、 3 28 日に働き方改革の実現会議において、「働き方改革実行計画」がまとまりました。これを踏まえた審議をお願いしたいということでして、塩崎厚生労働大臣がこの場で自ら御挨拶をしたいと言っていたのですが、参議院の厚生労働委員会が開催中であり、今、大臣はそちらに出席しています。大臣の挨拶を預かっておりますので、私から読み上げさせていただきます。

 委員の皆様におかれましては、大変御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。さて、安倍内閣は、去る 3 28 日に働き方改革実現会議にて働き方改革実行計画を決定しました。その際、安倍総理は、「日本の働き方を変える改革にとって歴史的な一歩である」と表明しました。実行計画において、特に長時間労働の是正は重要な課題であり、時間外労働の上限規制が盛り込まれましたが、併せて、働く方が健康の不安なく働くモチベーションを高め、その能力を最大限に発揮するため、働く方の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化についても盛り込まれました。

 安倍総理からは、関係審議会の審議を経て早期に法案を提出するよう指示がありました。本分科会では、長時間労働者に対する産業医による面接指導を確実に実施することなど、働く方の健康管理の強化や産業医の独立性・中立性を高めるなど、産業医等が医学・専門的な立場から、働く方一人ひとりの健康確保のために、より一層効果的な活動を行いやすくするための環境の整備などについて、具体的な方向性についての御議論をお願いしたいと思います。

 その際には、そもそも誰のための、何のための産業医・産業保健制度なのかという視点、個人のみならず職場の健康をどう守っていくかという視点、一昨年の年末に大手企業で起こった痛ましい過労死、自殺事案を結果として防げなかったというのは、なぜかという視点、働く方個人のプライバシー等の企業産業医が扱う個人情報の関係という視点、製造業を中心の発想からより脱却するという視点、事業場単位に加え企業単位で考えるという視点なども踏まえ、労働安全衛生法の根本に立ち帰りながら、抜本的な見直しを含め忌憚のない御議論を頂きたいと考えております。

 今回、制度の抜本的見直しを含めた御議論をお願いいたしますが、これまで厚生労働省としては、できることは何でもやるというスタンスで、昨年 12 月には「過労死等ゼロ」緊急対策を取りまとめ、メンタルヘルス対策についても、法律改正を伴わない範囲で産業医の役割を強化して、ハイリスクの方を見逃さない対策を強化しました。今後、誰もが納得できる働き方実現の下で時間当たり労働生産性を高め、イノベーション、新しい改革など、現場の自発的な創意・工夫を後押ししていく上でも、働く方々の健康確保対策の強化は極めて重要な課題です。繰り返しになりますが、法律の抜本的改正も含め、産業医・産業保健機能を格段に強化、充実させていく必要があると考えています。

 労働安全衛生法が制定された昭和 47 年当時と比べ、産業構造や経営環境が大きく変わり、産業医・産業保健機能に求められる役割や企業が取り組むべき働く方の健康確保の在り方も変化してきています。新たな課題としては、工場等における職業性の疾病の防止対策に加え、事務的職業の方を含めた過労死防止対策、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援などがあり、そのアプローチとしては、働く方の個人の価値観や選択を最大限に尊重していくことが重要です。多様で柔軟な働き方、個人と企業との多様な関係性を認め、これを支える仕組みづくりが求められています。

 労働行政を所管し、責任を持つ厚生労働大臣として、働く人の視点に立ち、ワーク・ライフ・バランスを実現しながら、一人ひとりが意欲や能力を最大限に発揮し、生産性向上や経済成長にもつながる働き方改革、すなわち働く喜びと成長の高循環を実現するよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。

 皆様方には、働く人の視点、現場の視点、生産性向上の視点などから、働く方々の安全と健康の確保のための制度の構築・改善に向けて、忌憚のない御議論を頂くようお願い申し上げて、私からの御挨拶とさせていただきます。以上です。

○土橋分科会長 傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。それでは、議題に入ります。議題 (1) 「労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化について」、事務局から説明をお願いします。

○宮本計画課長 事務局から資料について御説明させていただきます。資料 1-1 「働き方改革実行計画」についてです。 1 ページを開いていただきますと目次があります。 2 ページに、「働き方改革実現会議」の概要があります。働き方改革について、その実行計画の策定等に係る審議を行うものとして、働き方改革実現会議が設置されています。総理を議長、働き方改革担当大臣、厚生労働大臣を議長代理として、関係大臣、有識者が参加したものです。

3 ページに「働き方改革実行計画」の概要、全体像があります。 1. 働く人の視点に立った働き方改革の意義、 4. 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正があります。 7. 病気の治療と仕事の両立があり、その (3) に先ほどの御挨拶にもありましたように、労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化が盛り込まれています。

4 ページ以降が実行計画の抜粋です。 4 ページからは 1. 働く人の視点に立った働き方改革の意義があります。 7 ページに 4. 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正があります。基本的考え方、法改正の方向性があり、 8 ページに時間外労働の上限規制があります。週 40 時間を超えて労働可能となる時間外労働の限度を、原則として、月 45 時間、かつ、年 360 時間とし、違反には以下の特例の場合を除いて罰則を課す等々があります。特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間を年 720 時間 ( =月平均 60 時間 ) とする。かつ、年 720 時間において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限を設けるというのがあります。 2 パラ目に、この上限についての具体的な記載があります。その下に、パワーハラスメント対策・メンタルヘルス対策についての記載があります。

9 ページには現行の適用除外等の取扱いについての規制があり、具体的に、自動車の運転業務、建設事業、医師についての適用関係が記載してあります。一番最後ですが、新技術、新商品等の研究開発の業務についての記載があります。こちらについては、専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務の特殊性が存在する。このため、医師による面接指導、代替休暇の付与など実効性のある健康確保措置を課すことを前提に、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することがないよう、その対象を明確化した上で適用除外とするということが記載してあります。

10 ページには、災害その他の場合等があり、 11 ページの中ほどまでが 4 章です。

 今、御説明しました 4 章については、先ほどの新技術、新商品等の研究開発業務について、医師による面接指導などを含めて労働条件分科会で御議論いただくことになっています。

7. 病気の治療と仕事の両立です。 (1) 会社の意識改革と受入れ体制の整備があります。病気を治療しながら仕事をされている方は、労働人口の 3 分の 1 と多数を占めている状況です。病気を理由に仕事を辞めざるを得ない方々や、仕事を続けていても職場の理解が乏しいなど、治療と仕事の両立が困難な状況に直面している方々が多いということです。このため、まず、会社の意識改革と受入れ体制の整備が必要だということが盛り込まれています。

(2) トライアングル型支援などの推進がありますが、一番下の 2 行ですが、治療と仕事の両立に向けて、主治医、会社・産業医と、患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築するということが盛り込まれています。このトライアングル型支援のイメージは、下にある三角形の図です。

13 ページは、今回、御議論いただきたい労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化についてのパラグラフです。具体的には、 2 パラ目からの「また、過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化する」ということ、加えて、「産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備する」ということが盛り込まれています。これらについて、当分科会で御議論いただきたいと考えています。

 以下の資料については、工程表ですので、説明については割愛させていただきます。

 資料 1-2 です。こちらは「時間外労働の上限規制等に関する労使合意」です。 3 13 日に合意されたもので、御参考までに添付しています。

 参考資料 1 について、御説明させていただきます。参考資料 1 は「現行の産業医制度の概要等」についてです。 1 枚おめくりいただきますと、「現在の産業医制度」についての概要が記載してあります。一番上の枠が産業医の選任義務についての規定です。 1 49 人までの事業場については選任義務がない。 50 999 人は、産業医の選任義務がありますが、嘱託が可能です。 1,000 人以上の事業場になりますと専属産業医が、 3,001 人以上になりますと 2 人以上の専属産業医の選任が必要とされています。

 左側の下が、産業医の職務です。これは安衛則第 14 条第 1 項で規定していますが、医学に関する専門的な知識を必要とするもので、以下に掲げる事項です。例えば、健康診断・その結果に基づく措置。長時間労働者に対する面接指導・その結果に基づく措置。ストレスチェック、高ストレス者への面接指導・その結果に基づく措置、健康教育、健康相談、労働者の健康の保持増進措置などが職務とされています。1、2、3の黒マルに白抜きの数字のものについては、産業医以外の他の医師に委ねることができるものとされています。

 右側が産業医の権能です。 1 つ目が事業者等への勧告。 2 つ目は衛生委員会における労働者の健康障害防止対策等の調査審議。衛生管理者への指導、助言。労働者の健康障害防止のための職場巡視及び現場における緊急的措置の実施。最後に、平成 29 6 月に施行予定ですが、長時間労働者等に関する情報の把握です。

2 ページが「産業医の選任状況等について」です。事業場規模により選任状況が異なっており、大規模事業場ほど選任率が高いという状況ですが、平均すると 87 %という選任状況になっています。下が産業医の養成研修・講習を修了した医師の数です。現在、産業医の養成研修・講習を修了した医師は、約 9 万人と推計されています。実働は約 3 万人と推計されています。一番下の枠が、年度ごとに新たに産業医の資格を取得した医師等の推移です。こちらについては、年度を経るに従い増加傾向にあることが見てとれます。

3 ページは「産業医の職務実施状況等について」です。上の枠が、長時間労働者への面接指導制度についてです。産業医を選任し、面接指導に関与させている事業場割合、面接指導等実施事業場割合ですが、大規模事業場ほど割合が高いということでして、 1000 人以上ですと、 86.7 %という状況です。下がストレスチェック制度についてです。検査の実施者については、産業医が全体の 49 %です。面接指導については、産業医の方が 8 割実施している状況です。

4 ページが「長時間労働者への産業医等による面接指導」ということで、現行の長時間労働者に対する面接指導の流れを図にしたものです。上から御説明しますと、残業時間が 100 時間を超える労働者からの申出があり、その申出を受け、産業医等が面接指導を実施することになります。その面接指導の結果、産業医等が就業上の措置に関する意見を述べることになります。事業者は、意見を勘案し、必要があると認めるときには就業上の措置を講ずるとされています。具体的には、配置・作業転換、労働時間短縮です。一番下ですが、産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、事業者に勧告をするという制度になっています。

5 ページは「ストレスチェックの結果高ストレスと判定された者への産業医等による面接指導」についての流れです。先ほどの流れとほぼ同様でして、ストレスチェックの結果高ストレス者と選定された者であって、面接を受ける必要があると実施者が認めた者からの申出を受け、以下、同様の手順を踏んでいくという流れです。

6 ページは「ストレスチェックと面接指導の実施に係る流れ」でして、以前、当分科会に御提示しているものでもありますので、御説明については割愛させていただきます。

 最後に 7 ページは、「事業場における産業保健活動に係る体制」を図にしたものです。真ん中に労働者の方がいらっしゃいまして、その労働者をめぐる関係者として、産業保健スタッフ ( 産業医 ) 、事業者、衛生委員会という方がいらっしゃいます。労働者に対して、上の産業保健スタッフ、中でも産業医の方が面接指導とか健康相談をされることになります。その結果を踏まえ産業医から事業者のほうへ矢印がありますが、就業上の措置に係る意見を述べたり、必要があると認めるときには、事業者に対して勧告をすることになります。事業者は、労働者への就業上の措置を講ずることになります。右のほうに目を移していただきますと、衛生委員会が事業場に設置されることとされています。この衛生委員会は、総括安全衛生管理者・労働者代表の方をメンバーとして、労働者の健康障害防止措置等の調査審議を行うこととされておりますが、この衛生委員会については、産業医の方が委員として参画することとされています。右の上のほうの矢印にあるとおりです。この衛生委員会は、事業者に対して、労働者の健康障害防止措置等について意見を述べることとされています。これが事業場における産業保健活動に係る体制です。

 資料 2 です。資料 2 は、事務局が案として御用意させていただきました「検討項目 ( ) 」です。上の枠組みの中が、「働き方改革実行計画」に盛り込まれた内容です。繰り返しになりますが、読み上げさせていただきますと、「過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化する」ことが記載されています。

 これを具体化するために、検討項目として 3 点あるのではないかということで、 1,2,3 を示させていただいています。 1 は、長時間労働者への就業上の措置に対する産業医によるフォローアップが確実に行われるための方策。こちらが検討項目として考えられるのではないかということです。

 先ほどの参考資料 1 4 ページをお開きください。 4 ページの下の辺りに、「事業者が就業上の措置を講じる」という欄と、「産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に勧告」という 2 つの枠がありますが、その間が点線の矢印になっています。この間を埋めるものとして、例として挙げておりますが、面接指導等の事業者による事後措置内容を産業医による適切な把握。事後措置内容を踏まえ、さらなる対応が必要な場合、産業医がその実施を求めることができる仕組みの強化が例としてあるのではないかということが挙げてあります。

 検討項目 2 は、面接指導や健康診断の結果など、労働者の健康情報が適正に取り扱われ、労働者が安心して相談できるための方策を挙げてあります。こちらは、同じく参考資料 1 4 ページの上のほうですが、残業時間が 100 時間を超える労働者からの申出と産業医等が面接指導を実施するの間に、吹出しのように検討項目 2 が入っておりますが、労働者からの申出が確実にされるためには、情報が適正に取り扱われることが必要なのではないかということから、健康情報の企業内での取扱いルールの明確化、適正化の推進が必要なのではないかということを例として挙げています。

 検討項目 3 は、労働者が事業者を経由せず直接産業医等に相談できるための方策を挙げています。こちらについては、参考資料 1 7 ページです。事業場における産業保健活動に係る体制の真ん中辺りに、産業医と労働者を面接指導と健康相談で結ぶ矢印がありますが、ここを強化していくために、労働者が事業者を経由せず直接産業医等に相談できるための方策を検討項目として挙げています。例として、労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談ができる環境整備や、その仕組みの労働者への周知を挙げています。

 資料 2 の検討項目の下の枠を御覧ください。「働き方改革実行計画」の 7.(3) 労働者の健康確保のための産業医・産業保健活動機能の強化です。抜粋について読み上げさせていただきます。「産業医の独立性や中立性を高めるなど産業医の在り方を見直し、産業医等が医学専門的な立場から働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備する」とあります。

 このために、 4 として、産業医の独立性、中立性を強化するための方策を検討項目として挙げています。こちらについては、同じく参考資料 1 7 ページの左の上のほうですが、産業医と事業者の関係から吹出しのようにありますが、産業医と事業者の関係の在り方として、産業医が企業内で産業医学の専門的立場から、独立して職務を行いやすい仕組み、産業医がより効果的に活動するために必要な情報が提供される仕組みを例として掲げてあります。

 右のほうを御覧いただきますと、産業医と衛生委員会をつなぐ矢印の間に吹出しのようにありますが、産業医が衛生委員会に積極的に提案できること、その他産業医の権限の明確化を例として掲げてあります。以上が検討項目 ( ) についての御説明です。

1 枚おめくりいただきますと、参考として、平成 29 4 7 日に労働条件分科会で既に議論がスタートしていますが、その際に論点 ( ) として出された資料を添付しています。

 最後に、参考資料 2 です。こちらについては、働き方改革実行計画の全文があります。御説明は割愛させていただきます。

 机上配布資料として、 4 7 日の労働条件分科会の資料全てを配布しています。御説明は以上です。

○土橋分科会長 ただいま資料 1-1 から資料 2 、及び参考資料 1 2 について、御説明いただきました。この内容について、質問等発言のある方は挙手をお願いします。

○明石委員 論点に入る前の部分の両立支援で 1 点お聞きしたいのですが、ここに書かれている両立支援はコーディネーターを利用したものになっております。それから、昨年、厚生労働省から出されたピンクの両立支援は、コーディネーターを使うとか、そういうところが入っていないのですが、どちらも、別に良い悪いはないと思うのですが、微妙に違うので、今後の方針として両立支援をどう持っていこうとされているのか、そこら辺のスタンスをお聞きしたいのですが。

○武田労働衛生課長 両立支援については、今も御紹介いただきましたが、昨年 2 月に両立支援を進めるためのガイドラインを初めて提示させていただいているところです。この中でも、それぞれの事業所の中において両立支援を進めていく上で、どのような形で進めていくのかが企業側もよく分からないという調査結果もありましたので、そういう観点からもどういう留意点などがあるのかをまとめさせていただいたというものです。

 両立支援を進める上においては、事業所の中、労働者御本人を中心として、事業所、もう 1 つは治療を進めておられる医療機関があって、それぞれの中で、まずは共通認識を持って進めていくことが基本であり、その共通認識を進めていく上でいろいろな仕組みやツール等を整備し、そういうものも含めた環境をそろえていく必要があるのではないかと考えています。その中には、当然のことながらその知識というようなものについても共有していこうというものです。

 こういう中で両立支援策を進めていく上において、例えば労働者の方は、いろいろな知識、例えば、医療的な方面の知識、労務管理の知識、そのどちらの知識も必要になってくるのではなかろうかと思います。そういうものを専門的な立場からサポートするという意味合いをもって、コーディネートする立場の方の役割もお示しさせていただいます。こういう方々が、様々なバックグラウンドを踏まえて、どういう形で養成されていくのか等については、今後も引き続き各方面の御意見等も頂きながら、しっかりと本来の目的を達成することができますように、引き続き検討させていただきたいと考えております。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがですか。

○中村 ( ) 委員 まず始めに質問があります。資料 2 の4で産業医の独立性、中立性を強化するという御説明をいただいたのですが、その目的をもう少し詳しく教えていただきたいです。この必要性を教えていただけますか。

○武田労働衛生課長 ありがとうございます。産業医の活動、産業保健活動の中において産業医の方々の位置付けは、それは非常に大きな重要なものだと思っております。その中で、独立性、中立性に関しては、ここの説明でも申し上げましたが、産業医学の専門的な知識に基づき労働者の健康確保を行っていくと記載してございます。そういう意味で機能的な立場というようなもので独立性、中立性ということを意味しております。当然のことながら、事業場の中において、しっかりと労働者の健康確保をしていくことにおいては、そのような機能を持っていただくことは非常に重要な点です。あくまで、産業医学の専門的な知識に基づいて、独立的、中立的な立場から役割を担って頂くということを期待しております。

○中村 ( ) 委員 ありがとうございます。続けてよろしいですか。

○土橋分科会長 どうぞ。

○中村 ( ) 委員 意見を述べたいと思います。 2 つあります。まず「 1 産業医によるフォローアップが確実に行われるための方策」についてです。事業者から産業医に対する情報の提供に関しては、前回の安全衛生分科会において、省令の改正について諮問答申を行ったところです。したがいまして、更なる制度の追加については、改正省令が施行された後に、その効果の検証や課題の整理を行った上でも遅くはないのかと思いますが、いかがでしょうか。それから、続けてこのような制度の追加や変更が行われますと、現場での混乱を招くというおそれもありますので、御検討をお願いしたいと思います。

2 点目の意見です。 4 の「産業医の独立性、中立性の強化」の論点についてなのですが、多くの中小企業において、産業医と事業者と労働者は対立する関係ではありません。お互いに、より良い職場環境を作るために協力をして取り組んでいるのが実態であるということを、まず御理解いただきたいと思います。このような新たな制度の創設が事業者と産業医の円滑な相談や連携を妨げることとならないように、慎重な御検討をお願いしたいと思います。以上です。

○土橋分科会長 質問について、事務局側、いかがでしょうか。

○武田労働衛生課長 それでは 1 点目です。御指摘のように、現場が混乱をしないようにというのは非常に重要な点です。そういう点も当然のことながらしっかりと念頭に置いて、御議論いただいたものも踏まえまして進めさせていただければと考えております。

 もう 1 つ御指摘を頂きました、対立関係ではないという点です。これも非常に重要な点と認識しております。事業場の中、職場の中におけるそれぞれの立場の方とのコミュニケーションは、これは何にも増してベースになるものであろうという認識もしています。こういうものも当然のことながら念頭、基盤に置きまして、進めさせていただければと考えております。以上です。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○村上委員 今の点についてです。産業医の独立性や中立性については対立関係にないという状況であるとは思うのですが、ただ一部には、私どもが行っている労働相談の中でも、産業医は会社側の人であって、自分の症状などについて産業医に話すと会社に筒抜けになってしまうのではないか、そのことによって、自分が人事上の不利益を被るのではないかと思っている方々もいらっしゃることは事実です。そういうことを考えると、やはり産業医は独立、中立の立場であるのだということをより明確にしていくことは大事ではないかと思っております。

 例えば、昨年の 12 月に「産業医制度の在り方に関する検討会報告書」が公表されましたが、その検討会においてフランスの労働医制度についての御報告があったと承知しております。その中でも、フランスでは労働医の独立性確保の観点から、選任、解任の際には従業員代表等の同意が必要であるという仕組みが取られていることも伺っております。そういうことも参考にしながら、より独立性、中立性が明確になるようにしていくことは必要ではないかと思っております。

 また、独立性、中立性も大事なのですが、同時に専門性の強化も必要ではないかと考えております。これは法律上どうするという話ではないのかもしれませんが、特に精神疾患が増加している現状においては、従来以上に精神疾患に関する専門性も求められるのではないかと考えております。その辺りは、医療界の先生方とも協力しながら、何か施策を講じていく必要があるのではないかと考えます。以上です。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。ちょっと関連して私から質問です。ここで「独立して職務を行いやすい仕組み」と書かれておりますが、もし、何か具体的なイメージがありましたら、どういうことをお考えなのかお聞きかせください。

○宮本計画課長 先ほど衛生課長から説明がありましたとおり、産業医の独立性、中立性というのは、あくまでも産業医学の専門的立場から独立的、中立的な観点を持って職務をしていただくということです。これはまだ検討中ですが、労働安全衛生法に理念的な規定を置きたいと考えております。

○土橋分科会長 それでは、ほかに何かございますでしょうか。

○城内委員 昨今の法改正で、産業医の仕事責任がどんどん大きくなっていると感じています。この中で、面接指導とか健康相談というのが非常に重要な役割を持っているということがあります。産業医の先生であれば御経験していると思いますが、一人の労働者の相談を受ける場合に、特に悩みがある人の相談を受ける場合は、 1 時間とか 2 時間掛かるのは普通なわけです。そういう相談を何度も受けて、やっと初めて事実が分かるというか、どうすればよいか分かってくることが多々あると思います。そのような中で、現行の規定の専属産業医の先生は時間が十分あるかもしれませんが、嘱託の産業医の先生が必要な時間を本当に取れるかどうか、私はちょっと疑問に思います。そういう時間についての規定といいますか、それは現行でよいと思っていらっしゃるのか、少し改正した方がよいと思っていらっしゃるのか、その辺りの今後の展開についてはどのようにお考えなのでしょうか。質問です。

○土橋分科会長 事務局側、お願いします。

○武田労働衛生課長 ありがとうございます。例えば面接指導、その他の健康相談もそうですが、規定上、例えばどれぐらいの時間を掛けてとか、そういう規定というものはございません。ただ、先般私どものほうで、例えば面接指導に関してどのような形でやっていくのかという、面接指導のマニュアルを提示させていただきました。これの 1 つの目的としては、やはり、どういう項目について重要度が高いもので、特にお話をお聞きしなければいけないのか、それに対してどのように評価をしなければいけないのかを標準化することは大事であろうと考えました。現場からも御意見を頂いてそういうものを作ったところです。そういうマニュアルのところで、まずかなり面接指導に関して効率的に必要な情報が取れるようにさせていただきました。そして、マニュアルだけではなく、では、実際上どのようにこのマニュアルを使ってやっていくのかについて、全国の産業保健総合支援センターにおいて、そのマニュアルを使った研修をしております。そういうものも通じて、なかなか時間的には難しいところが、先生の御指摘のとおりに専属の先生に比べて嘱託の先生方は時間が限られておりますので、効率的、効果的にできることを目指してマニュアル作成、研修等を進めてきたところです。ちなみに、昨年度から開始しましたが、合計で 1 1,000 人弱程の産業医の先生方に受講していただいております。これもまた引き続きしていただきたいと思います。そのような形も進めていきまして、効率的、効果的な面接指導を進めていければと考えているところです。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。

○城内委員 ありがとうございました。

○中澤委員 中小企業においては、従業員の規模が小規模であるということイコール労務担当者に割ける人員がないということにもつながるわけですので、でき得る限り、中小規模の方々が対応できるような方向での御検討をお願いしたいというのが 1 点です。

 それから、これは確認ですが、検討項目の案の上のほうに、 7.(3) の下のほうに、「過重な長時間労働やメンタル不調などにより」と書いてあります。すなわち、これに関連した、いわゆる産業医の在り方等に限定した形での御検討がなされるものだという理解をしておりまして、それ以上でもそれ以下でもないという理解をしてよろしいでしょうか。

 それからもう 1 点、検討項目の上のほうの 2 です。「面接指導」うんぬんの例の所に、「健康情報の企業内での取扱いルールの明確化」と書いてあります。現行で、健康情報というのはどのようなものを指すのかを教えていただければと思います。

○土橋分科会長 事務局側、お願いします。

○武田労働衛生課長 順不同ですが、すみません。健康情報については、例えば健康診断の予定などですとか、面接指導の内容、結果とか、健康相談の内容等、そういうものをかなり包括的に含んでいるものということで御理解いただければと考えております。

 あと、 1 番目の小規模事業場に関して、確かにリソースの違い等、その他もあります。そういう中において、例えばこれも法令上進めております健康診断の事後措置ですとか面接指導に関して、健康管理を担当する医師を、産業医ではないのですが選任していただくことが努力義務になっております。そういう面についても、周知等を進めるとともに支援をさせていただきます。例えば、小規模事業場に対しては、都道府県における産業保健総合支援センターの地域窓口において各種の支援等を行っているところです。これらについても、人的、それから予算的、それぞれありますが、関係者の皆様方の御支援を頂きながら、拡充をしつつ、 50 人未満の小規模の事業場の皆様方に対しても支援を進めていきたいと考えているところでございます。

○宮本計画課長  2 点目の質問に関して、 7.(3) で、「過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、産業医による面接指導や健康相談等が確実に実施されるようにし、企業における労働者の健康管理を強化する」と。これが過労死のリスクが高い労働者に限られるものかどうかですが、こちらについても、 7.(3) の括弧の下に、産業医の在り方を見直して、働く方一人ひとりの健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備するとありますので、必ずしも過労死リスクの高い方だけが対象というわけではありません。産業医の中立性を高めることについては、過労死の方ではなく、一般的な企業で働く方の健康確保にもつながるという理解です。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。

○山口委員 先ほどの資料 2 2 、労働者の健康情報に関連することです。昨年度、労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の在り方の検討をした中で、現行では、定期健康診断等の情報を事業者が全て把握しているということです。その中で、例えば労働者の方の服薬の情報等々、産業医は、労働者がどのようなお薬を飲んでいるかは安全衛生上の措置のために必要な情報だと強く感じるわけですが、事業者に服薬の詳細が情報として行くことについては、逆にプライバシーの面でどうかという議論もありました。この辺は、ストレスチェック制度でプライバシーに配慮した一段階高い制度設計がなされたと思いますので、その辺の、プライバシーにも配慮したような健康情報の適切な取扱いというものが、今回の議論の中で整理されていくことが望ましいのではないかと考えます。

○土橋分科会長 御意見と。事務局側から何かございますか。よろしいですか。それではほかに何かございますか。

○青木委員 全国ガスの青木です。今のところに少し関連しますが、健康情報は、やはり極めて機微性の高い個人のプライバシー情報でもありますので、基本的には産業医が管理をして、産業医が必要と判断した範囲のみ事業者に開示をすることも検討してはどうかとは思っています。以上です。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。ほかに何かございますか。

○三柴委員 少しだけ発言いたします。日本型の産業医制度を、今後へ向けてどのように展望していくかというのは、なかなか難しい課題だと思います。元はというと、有害物などの業務上のリスクに対応する役割が重視されて制度ができて、その後、幾つかの法改正の中で、労働者の高齢化であるとか、あるいは疲労、ストレスへの対応などが意識されて発展してきた経緯があります。そのことを考えますと、今後、産業医制度を発展させていくことは労使共通の課題だろうと思いますので、この場でも、是非建設的な、前向きな議論がかなえばと私自身も願っております。

 産業医制度について論じると、それぞれがお持ちの産業医に対するイメージとか認識に基づいて、どうしても、ややかみ合わない議論になりがちだと思われます。そこで大きな方向性について考えますと、先ほど事務局から御説明いただいたように、基本的には医学の専門性に基づいて、しかし組織で働きますから、少なくとも組織に関与しますから、組織力学の調整であるとか、ある種「臨床医らしくなさ」のような面も求められる。そうすると、どうしても一人の人間にはなかなか難しい「幅」が求められることになると思いますので、今後の方向性として、一方では、責任とステータスの向上は考えなければいけないけれども、もう一方では、臨床ベースという意味での「医師らしくなさ」と言いますか、人をつなぐような柔らかさと言いますか、そういうものについても展望しなければいけないのだろうと。ただ、一気にはいきませんから、現状を鋭く見据えた上で、既に不調に陥った方や陥りかけている方に対応する二次、三次予防から入っていくことで組織の信頼を得ていくことが 1 つの方向性なのかとは思います。

 もう 1 つ申し上げますと、このテーマについて論じると、必ず中小企業論、嘱託産業医論が出てくるのですが、ここに議論を引っ張られすぎると、なかなか先に進みにくい面があるので、制度の発展のため、手順は踏まなければいけないのだけれども、中小企業者の皆様にも、できればもう少し長期目線でお考え頂ければと思います。以上です。

○土橋分科会長 御意見ということで、ありがとうございました。ほかに御発言ございますでしょうか。

○袈裟丸委員 今回の論点全般につきましては、働く人の健康確保という意味で、方向性としてはよろしいのかと思います。しかし、実際にこれを進めていこうというときには、これまでもいろいろ御報告いただいたように産業医の数が今のままで十分なのかという問題が出てくると思います。また、地方に行きますと、産業医を依頼したいけれども、事業場の周囲に産業医を見つけられないという声も結構聞くことがあります。一方で、産業医になりたいといいますか、研修を受けて産業医の資格を取り、産業医活動をできる準備は整っているけれども、周囲の事業所から依頼の声がなかなか掛からないというお医者様もいらっしゃると聞きます。そういう、事業所とお医者様、双方のニーズをマッチングさせられるものを検討されるのもよろしいのかと思います。以上です。

○土橋分科会長 御意見です。よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。

○村上委員 先ほど三柴委員がおっしゃったことはとても重要だと思っております。その中で、産業医の先生方の役割が増加していく中でどうしていくのかということについて、産業医でなければできないことと、産業保健チームで対応できることの峻別をもう少し考えていくことが必要ではないかと思っておりますので、そちらについても是非御検討を頂きたいと思います。

 それからあと、資料 2 の「検討項目 ( ) 」では、四角囲みの上のほうで「働き方改革実行計画」を引用しております。「過重な長時間労働やメンタル不調などにより過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため」と記載されています。しかし、その下の 1 3 の中では、「見逃さない」という側面が少し希薄なのではないかと思っております。具体的に言えば、 1 3 については、医師が面接指導した後の話は書いてあるのですが、「見逃さない」ということであれば、時間外労働が 100 時間超なり、 80 時間超の人たちを、どうやって見逃さないで医師の面接指導につなげていくのかも重要だと考えておりまして、そのことについての議論も必要ではないかと考えます。

○土橋分科会長 事務局側から、何かございますか。よろしいですか。ほかに御発言ございますか。

○中村 ( ) 委員 過重労働対策というのは非常に重要な問題だと思っております。そして、長時間勤務者面談が始まってもう 10 年以上たっているのですが、実際やりながら、ずっとやってきたことが本当に過重労働を減らしたり、健康障害を防止したりすることに役に立ってきたのだろうかということは、かなり疑問に感じることがあります。今回、いろいろ見直しをする中で、やはり 10 年以上という年月がたっていますので、今までの分析をしていただいて、効果があったのかどうか、どの点が問題だったのかを考えた上で次のステップにつなげていただきたいと思います。制度を作るときには十分に考えて作っていますが、ある程度経過した後に、前を見直してそれを改善するということはなされていないのではないかと思います。例えば、長時間勤務の面談を産業医にさせることにはとても熱心であったとしても、それで安心してしまい、意見あるいは勧告について対応されず、効果が出ていないのではないかなどを評価することも必要ではないかと思います。できるだけ分析をしていただいて、改善点をはっきりさせたところで次を上乗せしていただくことが必要かと思います。

 それともう 1 点、 3 の「労働者が事業者を経由せず直接産業医等に相談できるための方策」として、相談の機会を増やす。例えば、ストレスチェックの後とか長時間勤務者面談以外でも、何か不調があったりとか困り事があったりというときに、相談ができる機会を作ることはとても大事なことだと思いますし、この方が、不調者を発見するきっかけとしては有効だと思います。ただし、就業時間内に会社の中でやることですので、面談に行くこと自体も、事業者が知らない中で離席をする機会を作るのは管理上問題がありますので、面談に行くことは告げなければいけないけれども、内容とか結果の報告については、相談者とのコミュニケーションの中で決めていくという形の方がよいかと思います。

○土橋分科会長 御意見を頂きました。ほかにいかがでしょうか。

○明石委員 健康情報の件です。今、安衛法と個人情報保護法で取り扱われていると思うのです。今、おっしゃった内容とすると、例えば事業者が定期健診をやっていますが、これも情報の取扱いは安衛法で決められていますが、この辺まで変えるという意味ですか、検討課題としては。

○武田労働衛生課長 御指摘のとおりに、安衛法上にもう定められた健診等については、現時点では、すべからく事業者のほうにデータとして行くことになっております。本体として、やはり適切な就業上の措置に結び付けていくために必要な情報であるということもあると思います。また、先ほども別途御意見を頂きましたように、中には、極めて労働者個々の方にとって機微な情報も一部あるということで、かなり二律背反的な部分も出てくるのではないかと思います。もちろん本来の目的に鑑みてどのような形が今後、そのような変化に対して必要であるかについて、法令も含めて考えていくことが必要ではないかと考えております。

○土橋分科会長 ほかに御発言ございますか。

○角田委員 今、情報の取扱いについて議論になっていますが、私たちが日常、労働衛生の領域で使っている言葉にリスクマネジメントやリスクアセスメントというものがあります。それに関連してリスクコミュニケーションという概念がありますが、情報を関係者同士で共有したほうがより良い判断が下せる、ということもあります。そうした方がよいと一方的にいうのではありませんが、ルールというのは 1 回決めますと大変厳しいものがありますので、お決めになるときにそのような可能性についての柔軟性を残していただければ、現場ではありがたいのではないかと思います。ちょっとしたことですが、意見を申し上げたいと思います。以上です。

○土橋分科会長 ほかに御発言ございますでしょうか。

○青木委員 全国ガスの青木です。検討項目 ( )3 、「労働者が事業者を経由せず直接産業医等に相談できるための方策」の所について、少し意見を申し上げたいと思います。私も、複数のルートを作って、いろいろなルートで労働者が相談できるように整備することは大事なことではないか、大切なことだろうと思っております。ただ、先ほど村上委員からもお話がありましたが、労働者本人が自覚しないまま状況を悪くすることもあり得ると思っております。やはり上司とか同僚とか、場合によっては様々なリストに基づいて会社の人事部門側などからしっかり労働者本人に対して働き掛けをすることも、非常に重要だと思っております。ただ、いろいろなルートを整備しましたといっても、実際にそれを使って労働者が相談に行けるかというと、そこにまた 1 つハードルがあります。何度か話が出ておりますが、やはりこれは相談をすると人事上不利益な扱いを受けるのではないかという、気持ちの面で 1 つハードルがあるかと思っております。そこは法律にどう書くかという話ではないかもしれませんが、やはり職場全体なり、若しくはトップマネジメントから発信をしてもらうことによって、なるべく早目に相談をして、早い段階で改善することが労働者本人にとっても会社にとってもよいことなのだということについて、全体で理解が広まるようなソフトの部分の取組も同時に取り組んでいかないと、なかなかうまく機能しないのではないかと思っています。このソフトの部分というのは、先ほどの繰り返しになりますが、法律に書く話ではないかもしれないものの、各社でいろいろな取組がされているのではないかと思います。したがって、それぞれ事業所の規模だったり、産業医の数だったり、いろいろ違うと思いますが、是非、様々な事例なり、良い取組を実践しているところの事例をご紹介頂けると、それを参考にまた自分の事業場、会社でカスタマイズしてより良いものになるのではないかと思います。以上です。

○土橋分科会長 ほかに御意見等ございますでしょうか。そうしますと、今日の資料 2 が原案でして、ここに今回様々な御意見を頂きましたので、その辺を加味して次回以降も検討を進めていくことになります。全体を通して何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、次回以降、引き続き議論をするということとしまして、本日はここまでとさせていただきます。本日も熱心な御議論をありがとうございました。最後に、事務局から連絡事項をお願いします。

○計画課長 本日は大変熱心に御議論を頂きまして、大変ありがとうございました。今ほど分科会長からもございましたように、今回の御意見を踏まえまして、次回、事務局から改めて御説明させていただきたいと思っております。今後の日程等につきましては改めて御連絡させていただきます。

○土橋分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。なお、議事録の署名につきましては、労働者代表委員は青木委員、使用者代表委員は明石委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。本日は、お忙しい中ありがとうございました。


(了)

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