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2017年3月21日 熊本地震アスベスト対策合同会議議事録

○日時

平成29年3月21日(火)15:15〜16:45


○場所

公益財団法人都道府県会館 101大会議室


○議事

【出席者】
委員:神山委員長、小坂委員、小島委員、小西委員、小林委員、高田委員、戸塚委員、

     外山委員、藤吉委員、村岡委員

専門委員:株式会社環境管理センター、独立行政法人労働安全衛生総合研究所

環境省:瀧口大気環境課長、伊藤大気環境課長補佐、廣田大気環境課長補佐

       五十嵐排出基準係長

厚生労働省:奥村化学物質対策課長、小林中央労働衛生専門官

【議事録】

事務局(日本環境分析センター(株))

 定刻になりましたので、ただいまから熊本地震アスベスト対策合同会議の会合を開催いたします。
本日の出席状況ですが、森永委員、松本委員、名古屋委員からご欠席の連絡をいただいております。また、藤吉委員はまだ到着されていないようですが始めさせていただきたいと思います。
 なお、本日は測定機関、研究機関の方々にも専門委員としてご出席いただいております。
それでは、本日の会議の開会に当たりまして、厚生労働省の化学物質対策課の奥村課長からご挨拶を申し上げます。


奥村 化学物質対策課長

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長の奥村と申します。本日はお忙しいところ、各委員におかれましては、ご多忙のところご参集頂きまして大変ありがとうございます。

昨年 4 月に発生いたしました熊本県地震につきまして、地震が発生した直後から、厚生労働省では最初に日本保安用品協会を通じて防塵マスクの無償提供や、熱中症予防の電解質供給のサプリメント等を配布いたしました。

また、その後、環境省と合同アスベストパトロール、熊本県との合同パトロール等を実施いたしました。これらは東日本震災の時の対策が纏められていますので、これを参考にいたしまして、比較的慌てずに対策がとれたというような状況になっております。

特にアスベストにつきましては熊本市、県の復興におきましても大変社会的な関心が高く熊本関係の国会議員の方々も厚生労働省に要請に来たというようなことがございました。アスベスト対策の徹底が復興のブレーキになってはいけないということも要請されておりまして、私共でも必要な行政のサービスを提供したなというような対応でございました。

厚生労働省では、本日の会議で頂く有識者の方々のご意見や行政関係者からのご意見を踏まえ、引き続き熊本でのアスベスト対策を徹底するとともに全国におけるアスベスト対策もさらに一層の徹底をはかっていきたいというふうに考えているところでございます。

本日は、いろいろなご意見を頂ければと思っております。よろしくお願いいたします。

 

事務局(日本環境分析センター(株))
  それでは、本会議の開催要綱をご説明いたします。目的としまして、熊本地震によって被災した建築物等の解体及びがれき処理にともなってアスベスト飛散や作業に従事する労働者への暴露等防止をする必要があります。そのため熊本地震アスベスト対策合同会議を設置いたしました。検討事項です。合同会議の検討事項は次のとおりとします。「
1 .被災地におけるアスベスト大気環境濃度調査の結果の評価」、「 2 .がれき処理作業中等におけるアスベスト気中濃度調査結果の評価」、「 3 .アスベストの飛散暴露防止対策の検討」、「 4 .その他合同会議の目的を達するために必要な事項」、 3 番目の委員の構成としまして、「合同会議には委員長をおきます」、「委員長は委員の中から事務局が指名します」、「委員長は合同会議の議事運営にあたります」、「合同会議に専門の事項を検討させるため必要があるときは専門員をおくことができます」、 4 番目の事務局については、「合同会議の事務局は日本環境分析センター株式会社におきます」、 5 番目のその他ですが、「合同会議は原則として公開いたします」としています。

 それでは開催要項に基づき本合同会議の委員長は神山先生に務めていただきたいと思います。よろしいでしょうか。神山先生よろしくお願いします。

 

神山 委員長

はい、神山でございます。東日本大震災アスベスト対策合同会議に引き続き熊本地震アスベスト合同対策会議の委員長を務めさせていただきます。

つくづく日本は地震大国だと思いますけれども、まさか東日本大震災のモニタリングが終了する前に、熊本での地震が起きるとは思ってもいなかったものですから大変なことになったと思います。

ちょうど 1 年ぐらい前ですね、昨年の 4 14 日に大地震が発生し、 4 18 日にいち早く環境省、厚生労働省あたりから、いろんな通達事項が発送され対応が始まりました。神戸大震災の時に比べて非常に迅速になってきたということも一方で感じております。

それで本日は第 1 次から第 4 次まで約 1 年の間に、先ほどの要綱にありますように復興作業に当たる一方、一般大気へのアスベストの漏えいがないかどうかを調査する目的でモニタリングを行っております。第 4 次までのデータが今日あがってきているようですので、そのデータを見て頂きまして色々な問題点、あるいは何か欠けている所はないかご意見を伺えればと思います。

それから、議事の前に、本日は熊本県から委員として村岡様にお越しいただいております。現地熊本県で、今度の問題について担当されております。


村岡 委員

熊本県環境生活部環境局環境保全課の村岡と申します。

皆様お世話になります。実は熊本地震から約 1 年ですけども、地震前は正直言いまして熊本はあまり大きな地震は起こるところではないと、今思えばとんでもない思い込が有りまして、地震発生後は、あんな大きな地震が起こって大変慌てふためいていた所です。

そんな中で環境省様、厚生労働省様から、いち早く大量のマスクを供給して頂くと共に、適時、次の行動を促して頂き、そして今回のテーマの石綿対応を行って頂くということで、非常に被災地としては心強いご支援を頂いたと思っております。

また、本日ご参加の委員の何名かにおかれましては、被災した熊本県に入って頂き、一緒に調査を手伝って頂きご協力頂いたということで、その後の熊本県としてのアスベスト対応に非常に良い例を頂いて、本日も色々とご助言頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

 

神山 委員長

ありがとうございました。本日は 3 番目の議事として熊本県被災自治体のアスベスト飛散防止に向けた対策を、プロジェクターを使ってご紹介を頂けることになっております。

それでは議題の順序に従いまして、今年度行いましたモニタリングの結果等を報告頂きたいと思います。

最初、環境省の方から被災地におけるアスベスト大気濃度調査について報告をお願いします。


事務局(日本環境分析センター(株))

環境省資料「熊本地震被災地におけるアスベスト大気濃度調査について」の資料をご覧ください。

今回の調査の目的です。 平成 28 414日、416日に起きた、平成28年熊本地震により多くの建築物等が倒壊・損壊の被害を受けました。被災した建築物にはアスベスト含有建材の使用の可能性もあることから、それら除去に当たりアスベストの飛散が懸念されています。

本調査では、被災地における大気中のアスベスト濃度調査を実施するとともに、その結果をアスベスト飛散防止対策や被災した住民の暴露防止対策、被災した住民が有する不安の解消を図ることを目的として実施しました。

まず、調査期間についてです。 1次モニタリングは平成 28 6月上旬〜7月上旬、第2次モニタリングは平成 28 10 月下旬、第3次モニタリングは平成 28 12 月上旬、第4次モニタリングは平成291月上旬〜3月上旬に実施しました。

調査及び採取は、第1次モニタリングは日本環境測定分析協会が、第2次から第4次モニタリングは日本環境分析センター(株)が行っております。

調査地点についてです。 平成 28 年熊本地震の被災地において、被災した住民等の暴露防止と住民が有する不安の解消の観点及びアスベスト飛散防止の観点から、被災自治体と連携し選定しました。 延べ 80 地点、調査地点として 45 地点を対象としました。なお、第1次モニタリングについては、熊本県及び大分県において実施し、第2次モニタリング以降は熊本県内において実施しました。調査地点は目的ごとに5つに分類を行っています。被災した住民の暴露防止と住民が有する不安の解消の観点から、避難所の周辺を、 アスベストの飛散防止の観点から倒壊半壊一部損壊している建築物の解体・改修の現場、倒壊、半壊又は一部損壊している建築物等がみられる場所、がれきの集積場及び破砕等を行っているがれき処理場、がれきの破砕等を行っている廃棄物中間処理施設及び最終処分場です。各モニタリングの測定地点は表の通りになっています。

調査方法です。 試料採取及び分析は、「アスベストモニタリングマニュアル(第 4.0 版)」(平成 22 6月環境省水・大気環境局大気環境課)に準じて実施しました。本調査において、位相差顕微鏡法によりアスベスト以外の繊維も含む総繊維数濃度を求め、総繊維数濃度が1リットル当たり1本を超過した試料については、位相差/偏光顕微鏡法により、アスベスト繊維の同定を行いました。

調査結果です。採取した試料を位相差顕微鏡法で計数した結果、調査地点分類の避難所周辺では総繊維数濃度が1本/ L を超える地点はありませんでしたが、その他調査地点分類では総繊維数濃度が1本を超える地点がありました。

1次モニタリングでは、がれき処理場で1点、第2次モニタリングでは、がれき処理場で1点、第3次モニタリングでは、解体改修現場とがれき処理場、最終処分場で合計4地点、第4次モニタリングでは、解体・改修現場と最終処分場の2地点で観測されました。これらの地点のサンプルを 位相差/偏光顕微鏡法で分析を行った結果、アスベスト繊維数濃度数はすべて1本/L以下となりました。

次に 、アスベスト繊維数濃度の表をご覧ください。 総繊維数濃度 1 本/Lを超えたサンプルを 位相差/偏光顕微鏡法で計数した結果の一覧になります。ND はアスベスト繊維数濃度が0.056本/L未満であることを示します。

アスベストの種類の分類ですが、クリソタイル、クロシドライト、 クロシドライト以外の角閃石系アスベストに分けています。 その他の繊維数濃度はアスベスト以外の繊維数になります。アスベストが検出されたのは第1次モニタリング及び第3次モニタリングで、第3次モニタリングの中間処理施設、最終処分場で最大0.79本/Lを計数されました。また、アスベストはクロシドライト以外の 角閃石系アスベストが多く計数されています。

別紙1の「 熊本地震の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第1次から第4次)」の結果をご覧ください。測定を行った地点一覧を示しています。左から地点No.、分類、県名、調査地点名称、試料採取日、測定個所名称、総繊維数濃度、アスベスト繊維数濃度になります。アスベスト繊維数濃度は異なる種類のアスベストが観測された場合、その合計になります。総繊維数濃度は位相差顕微鏡法で計数を行い、アスベスト繊維数濃度は総繊維数濃度1本/Lを超えた試料について位相差/偏光顕微鏡法で計数しています。ND0.056本/L未満であることを示します。

解体現場は全部で14回測定を行い、レベル13回、レベル311回になります。前室、排気口、風下マル1、風下マル2の記載はレベル1の測定個所、風下マル1、風下マル2のみの記載はレベル3の測定個所になります。

総繊維数濃度が1本/Lを超えて計数された箇所については、机上資料として採取状況の写真と顕微鏡写真を配布しておりますのでご参照ください。

次に、別紙2「熊本地震におけるアスベスト大気濃度調査(アスベスト繊維濃度)結果」になります。総繊維数濃度1本/Lを超えた箇所について位相差/偏光顕微鏡法で計数したアスベストの種類ごとに纏めた表になります。左から地点No.、分類、調査地点名称、試料採取日、測定個所名称、位相差顕微鏡での総繊維数濃度、位相差/偏光顕微鏡法を用いたアスベスト の種類ごとの繊維数濃度、位相差/偏光顕微鏡で計数したその他の繊維数濃度になります。クリソタイルを計数したのは、レベル1解体現場のNo.12でした。またクリソタイル以外のアスベストとしては、アモサイトがNo.12、No.45で計数されています。以上事務局から環境省資料の説明を終わります。  

神山 委員長

ありがとうございました。今の説明で大気中の総繊維数濃度及びアスベスト繊維数濃度の測定を説明して頂きました。ご質問があろうかと思いますが、引き続き厚生労働省の方のモニタリング結果の報告をお聞きしてから、まとめて意見交換という形にしたいと思います。引き続き厚生労働省のほうの報告をお願いします。


小林 厚生労働省中央労働衛生専門官

はい、それでは厚生労働省資料1をご覧ください。厚生労働省資料1は、今年度熊本地震の被災地で測定を行った概要ということになっております。まず目的としまして、熊本地震の被災地において、暴露実態を把握するということで実施をいたしました。調査期間ですが1次、2次ということで、被災直後に5月から7月まで第1次を行いまして、また業者を変えて10月から2月頭まで第2次ということで実施をしております。

調査地点については、33地点で、のべ40回測定を行っておりまして、全て熊本県内です。調査結果の概要4番でありますが、今回の調査で石綿が検出されたのは4地点ということです。4地点の内3地点では、いずれもサンプリングの定量下限値以下、3f/Lですが、残りの1地点についても定量下限値を若干上回る3.5本という結果でありました。

続きまして、地点の分類として主に4つに分類されます。表の(1)としまして解体改修作業、隔離ありの現場、これが6地点、それから(2)として解体現場で隔離しないいわゆるレベル3の現場が8地点、それから(3)のがれき仮置き場などが22地点、(4)として廃棄物処理作業の現場が4地点。合計40地点を測定しておりまして、石綿が検出されたのは全て第1次のモニタリングの時で、すべて(3)のがれき仮置場・集積場ということになっております。

続きまして5番の測定条件です。こちらも東日本の測定と同様ですが、1点目として総繊維数濃度は、1L当たり3本を超えた場合に石綿の同定を行うということにしておりまして、2点目として吸引流量は原則として毎分1L、測定時間は原則として90分間ということにしております。石綿の同定の仕方、詳細は2ページ目につけておりますが詳細については割愛させていただきます。

続きまして厚生労働省資料21をご説明させて頂きます。2122ということでそれぞれ第1次のモニタリング、第2次のモニタリングの結果をつけております。

1次の資料No.21になりますが、まず一番左側の地点No.欄に、カッコで数字がもう一つ併記しておりますが、第1次の中で同じ箇所を2回測定したもの、例えば地点No.1でしたら(7)というのは地点No.7と同じ所を、172回同じ所を測定しているという意味になります。

また、一番右の列の備考欄に厚生労働省のモニタリングの第2次でも測定をした地点は、備考欄に第2次での地点No.を併記しております。それでは中身の説明に入りますが、地点No.1で石綿が検出されております、アモサイトは定量下限値以下で検出されたということになっております。それから、地点No.6、これは仮置場になりますが、風下の測定点でトレモライトまたはアクチノライトが3.5f/L出たと。それから地点No.7ということでクリソタイルが3.1f以下で個人暴露で2つ検出されております。続きまして地点No.9ですが、こちら仮置場でアモサイトが3.1f未満で検出されているということになります。こちらの4地点とも第2次でも同じ場所についてモニタリングしておりまして、第2次では石綿は検出されていないということになります。

続きましては資料22ということで第2次の結果をご紹介させていただきます。

さきほど概要でご説明しましたとおり第2次では1地点も石綿が検出されていないということになりまして、1ページ目の地点No.1から11までは、調査地点分類に書いてありますとおり、全てがれき置場又は集積場ということになっておりまして、おおむね測定の実施日ごとに記載しております。飛ばしまして次は2ページ目になります。2ページ目の最初の2つ、地点No.1213になりますが、こちら廃棄物処理場を2地点測定しております。それから地点No.14から19が隔離ありの解体現場ということで、こちら6地点隔離ありの現場を測定しております。それからNo.20から21ががれき仮置場あるいは集積場の測定ということになっております。最後3ページ目にまいります。3ページ目が、隔離がない解体現場、いわゆるレベル3の現場ということで、こちらは8地点やっております。繊維濃度は確認していますが、石綿は検出限界以下ということで結果が出ております。地点No.23から30の注釈がついております。左下に注釈をいれておりますが、石綿の建材自体を扱っている時ではなく、石綿の建材以外を扱っている時に測定しており、データの意味として石綿が入っていないという建材を正しく判定できているかどうかということについてのデータであるということでご覧頂けたらと思っております。

続きまして資料No.3にまいります。こちら先ほどの東日本の会議でもご紹介しましたが委員も変わっておりますので改めてご紹介させていただきます。

厚生労働省では、石綿飛散防止徹底マニュアルを作成しており、毎年度改訂を行っておりまして、今月改訂したバージョンになります。ポイントは、一枚めくって頂きまして68ページですが、改訂のポイントとして具体的留意事項の1というところの3段落目と写真を追加しております。

3 段落目を読み上げますと、「成形板の定型の大きさのものをそのまま梱包できるように図のような大きさのフレコンバッグが市販されているので、これを利用すると良い。」という記述を追加しまして写真も追記しております。特に被災地ではレベル3の現場も増えるということになりますので、破砕をしないでそのまま梱包するということを推奨するということでマニュアルには追記させていただきまして今月中に全国に通知を発出したいというふうに考えております。

続きまして資料No.4は、東日本の今年度調査結果のまとめを参考につけさせて頂いております。それから参考資料をつけておりまして、簡単にご紹介したいと思います。

震災後の発出文書等という参考資料でして分厚いものになります。冒頭の当課の課長から紹介しましたが、震災後いくつか取り組みをやってきております。厚生労働省関係ということでいいますと上から3つ目の419日には、マスクの供給について了承したというのが、3つ目の419日付けの通知になります。それから428日付けでマスクの装着のリーフレットを付けて配布したと、523日は環境省と連名で通知をしまして、また629日には熱中症とともに防塵マスクの装着方法の講習会も熊本労働局で実施をしたということになっております。その他725日にアスベストに限らず、また、アスベストも含めて災害廃棄物の処理について発注者宛ての要請をいたしました。また同日に、これはまた別の内容ですが、熊本労働局の方で関係団体宛てにアスベストも含めて労働災害防止対策の徹底を要請しております。

また、今年2月に熊本労働局の健康安全課長名で団体宛てに要請をしておりまして、解体廃棄物仮置場における石綿暴露防止について、ということで通知を出しております。

これは後ろから ちょっとページ番号は振っていませんが、後ろから7ページ目、8ページ目ですか、平成2928日の事務連絡ということで解体廃棄物仮置場における石綿暴露防止についてというものを発出いたしました。

こちらは本文に記載していますが、一部の解体廃棄物仮置場において石綿含有建材でフレコンバッグが破れたり、フレコンバッグからその建材がはみ出しているという状態で管理が不適切なところが見受けられましたので、しっかりとパトロールの際に搬出の姿について必要な指導を行うですとか、定期的に仮置場をパトロールするなどの対応をするように熊本労働局から労働基準監督署への通知をしました。あわせて、次のページの別紙1という事で、管内の市町村宛てに公費解体の担当課でご協力をお願いしますという通知を出しており、次のページが宛先です。そのまた次のページにまた関係団体、事業主団体の長宛てという事で要請をしております。宛先はその次のページに付けてありますが、解体工事業協会や、そうした5団体宛てに通知を出しています。その次のページ以降は東日本の被災地での好事例、成形板を破砕しないで処理している写真もつけております。こちらは、本日会議の委員である外山委員から現場でパトロールされている情報を頂きまして、この通知の発出に至ったと御礼申し上げます。以上です。


神山 委員長

ありがとうございました。最後の写真は、東日本の時の写真ですか。


小林 厚生労働省中央労働衛生専門官

この写真自体は、東日本の好事例と言う事で、成形板を割らない、東日本の際の写真になります。


神山 委員長

ありがとうございます。それでは、もう一つ、自治体における飛散防止対策の取り組みについてお話を頂きたいと思います。宜しくお願い致します。


村岡 委員

熊本県の村岡です。 私だけパワーポイントを使うことになりますが、写真などをお見せした方がわかりやすいかなというところです。座って報告させて頂きますのでご了承願います。


神山 委員長

配布資料は、パワーポイントの打ち出し資料ですね。ご覧ください。


村岡 委員

それでは、熊本地震におけるアスベスト飛散防止に向けた取り組みというところで、まずどんな地震だったのかということですけども、昨年 4 14 日に前震が起こりまして、この表は次ページにもありますけども、市町村ごとに、震度 5 弱以下・以上を観測した日と、その当該市町村についてマーキングをしています。一番被害が甚大だったのが、益城町でして、 14 日の前震の時にも震度 7 を観測しております。私は、この熊本市中央区に住んでおり、震度 5 強でしたけども、なかなか熊本でそれまであって震度 3 ぐらいの地震の経験しかなくて、震度 5 強は大変びっくりしまして、記憶があるんですけども、通常、大きな地震があったら、その後ちょっと弱めの余震が続くというところが通常だと思います。

この時もそういったことになるだろうと思っておりました。私の方も震度 5 強で箪笥とかが床に倒れたりしていましたが、私の嫁の方も、もっと大きなのがくるかもしれないのでそのままにしといたほうが良いよと言っていましたが、私は、片付けが好きで、とっとと箪笥等を元に戻してしまいましたけども、翌日早朝に、もっと大きな地震がきまして直した箪笥は、そのまま前と同じような形で倒れていました。それみたことかと怒られましたが、同じような経験をした方が多かっただろうと思います。

2 回目があったということで、 3 回目もっと大きな地震が有るのではないかと非常にみんな不安に駆られまして、それ以降、コンビニエンスストアの駐車場や病院、学校の駐車場、校庭とかも、車で埋め尽くされ、車中泊避難の人が詰めかけているといった状態が、 5 月途中まで続いていた状況がございました。

これも同様に、西原村で本震の時に、震度 7 が観測された時のこと。住宅にどのような被害が有ったかをまとめたのがこれでして、益城町は、この上益城管内ですね、ここに被害が集中しておりまして、これに加えて、宇城、それと阿蘇の方ですね、南阿蘇とか西原ですね、この辺に大きな被害が出ており、主に熊本県の真中辺りに被害が集中したという地震でございました。

被害としてはまず、全半壊が約 4 万棟、一部破損が多数あると言う状況でして、解体想棟数は 3 3 千棟というところです。ここに、 1 月末時点で 44 %解体が終わったと書いてありますが、実は 2 月末の集計で 5 割を超えております。地震直後から本県は 2 年以内に処理は終わると言っており、当初は終わらないのではという話もありましたが、現時点では 2 年以内に終わるだろうといった方向で進んでいます。

地震の被害について、いくつか写真をお示ししていますけども、益城町の被害では、 1 階がべしゃっとつぶれている住宅が非常に道沿いに軒を連ねているという状況でございました。テレビなどでも放送された熊本城の崩壊、熊本市の東部の健軍での商店街のアーケードが崩れたという事で、この時、実は鉄骨造の建物も倒壊しておりまして吹付けがぼろっとむき出しになり、非常に緊張しましたけども、幸い石綿は入っていませんでした。道路がこのようになり、一番ショッキングだったのは、阿蘇大橋が地震で落ちた事でございます。全国的に熊本城がよく取り上げられましたが、熊本県人としては阿蘇大橋ですね、阿蘇に向かう時の、ここから阿蘇かなと言うランドマークになっている橋でして、ここが無残に落ちた事が非常に熊本人としてはショックな出来事でした。また、ここをたまたま通っていた大学生が、土砂に巻きこまれて亡くなるという痛ましいことが起きております。

どの様な対応をしてきたのかをかいつまんで時系列でご説明いたします。アスベスト関係ですね。本県で、 14 日前震と 16 日早朝に本震が発生ということで、その後、 4 20 日ですね、その前に環境省の方から通知を頂き、これに基づき、市町村や解体業者に対して石綿飛散防止のための応急処置、安全確保ですね、作業者への通知をしております。

そして 4 23 日になりますと、環境省よりマスクの提供を頂き、これを市町村などを通じまして、ボランティアへの配布を始め、最終的に 2 万枚ほど配布しました。

参考までに厚生労働省から供給されたマスク約 5 5 千枚ですね、これも労基署によって配布しております。また、別途仮置場がれき集積所で働く作業員さん向けとして、環境省と日本アスベスト診断協会からご提供いただいたフィルター付きのマスク、 RS3 タイプとゴーグルを配布しております。そして 4 25 日には、住民にはボランティア向けと言う事で、市町村のボランティアセンターを通じて防塵マスクの着用と暴露防止の呼びかけ、周知を行っております。一方、いわゆる復興のステージが変わる事をとらえて、適時住民への注意喚起は行っているところでございます。 4 27 日ですが、後でご説明いたしますけども、地震で、鉄骨造 RC 造で壁が崩落し、吹付等飛散しやすいアスベストが外部に露出して周辺住民が暴露される状況になっていないかの調査を 4 27 日から開始しております。それで 5 月末まで続けております。何かそういうリスクがあった場合に、所有者等にお願いをし、ブルーシートで覆ったり危険立入措置等をお願いしております。

そして 5 月に入って 12 13 日に、最初のモニタリング調査を災害廃棄物処理支援ネットワーク D.Waste-Net のご支援によって、避難所やがれき集積所被災建築物の周辺でのアスベスト濃度調査を実施しております。

そして 5 27 日には厚生労働省により、本日ご説明頂いたアスベスト濃度調査が開始されております。 6 7 日には、公費解体が始まるということで、飛散防止に向けた講習会を市長村担当者が解体業者等を対象に実施しております。そして、 6 14 日には環境省の調査が開始と言う事です。同じ 6 14 日に、後でまた触れますが、公費解体の契約に含めて欲しいアスベストに関する仕様書を作成しまして、仕様書例として、市町村の方に通知して契約書に盛り込むようお願いしたところです。 6 21 日に公費解体が始まりだしましたので、これに合わせ立入検査を開始しております。

適時、労基署と一緒に入る様にしており、現在も継続中でございます。 8 18 日に広島大学の黒田研究室にご支援頂いて、立入検査する時に合わせて蛍光顕微鏡で大気中アスベスト濃度を、その場で迅速に計測をするということを開始しております。これも数ヶ月くらいの間隔で、現在も継続中でございます。そして 8 23 日、解体業者、市町村に対して解体工事中のアスベスト飛散防止を、重ねてになりますが周知文書を送付しております。

同じ文書を現場に行った際には、適時配布する様にしております。そして今年 1 27 日は、重ねて飛散暴露防止の要請を益城町の解体業者に対して説明しております。一方、 2 1 1 村でも同じ様なことをやりました。時系列的には、この様な対応をしてきているところです。いくつかの取組について詳しく説明させて頂きます。

まず、 4 月〜 5 月に行った被災建築物からのアスベスト飛散防止でございます。目的としては、先程ご説明しましたとおり、このように壁、軒天が落ちて鉄骨に吹付けてある吹付けアスベストが飛散するリスクを調査し、適切な飛散暴露防止対策につなげるため調査を行なったところです。調査として、まず被害の大きな地域について、対象となる建築物、いわゆる非木造や S 造や RC 造のリストアップから始めました。元データは、建築部局が既に実施していた 1000m2 以上又は 1000m2 未満のレベル 1 の建物調査リストやあるいは、建築確認のリストを使って、建物をリストアップして、現地に行って吹付け石綿などレベル 1 2 の建材が有るかないか、外部に露出している状況ではないのかどうかを見て回ったところです。この調査の際には、建築物石綿含有建材調査者とアスベスト診断士に、それぞれ別日程ですが、同行頂き、また、本日来て頂いている委員の先生方の何人かにも参加して頂いております。それで、 264 の建物、これは熊本県の管内だけと言う事ですので、熊本市の方はさらに非常に対象建物が多かったので 1000 を超えるくらいの調査を行なっていますが、こういった調査を行なって熊本県分として、幸いこの中で 2 件だけが注意を要する状況ということでして、いずれも所有者にお願いし、ブルーシートで覆う、立ち入り禁止の処置を行ってもらったというところです。

実際これがその事例でして、応急処置をする前こういった状況で、なかなか吹付けが見えていませんが、実は鉄骨の裏側に吹付けが吹いている状況で石綿も含有しておりました。これをブルーシートで覆って立ち入り禁止のポールを立て、危険でアスベストが有りますよという表示をしてもらったという事例でございます。また、この時に、合わせて気を付けて頂きたい事を文書でお渡ししています。左側の方は、吹付け部分の建材がむき出しになっているので、適切な処置をお願いしますと言う文書です。右側の方は今後解体する場合、法的な手続等が必要になるので、その際に行政の方に相談してくださいという文章です。これをお渡ししております。災害時なので不在の事が往々にして有りますけども、この場合は、封筒に文章を入れて建物に張り付けておくといった事をやっております。実際、これで連絡をとれた方も何名かいらっしゃいました。実際この調査をやる時に、一つのポイントとなるのは、行ってすぐに、石綿のリスクが有るかどうかを判断し、それに応じていろんな処置をお願いするところが必要になるのですけれども、今回はまず、建築物石綿含有建材調査者の方々と一緒に行った時は現場近くで臨時ラボを開いて頂き、そこで偏光顕微鏡を用いて石綿の含有を分析してもらい、即日判定をしたという事です。また、アスベストアナライザーを国立環境研究所からお借りして、これは 6 月に本県でも購入していますけども、これを用いて現場で石綿の含有を判別したというところで、このようにその場その場で石綿のある場所を判別し、その後の対応につなげて行ったという事でございます。

次に、事前調査についてご説明いたします。今回は、最初にご説明した様に、解体予定棟数が 33,000 棟、多数の被災建築物を解体する必要があることから、時期的にも被災者、早めの復旧復興を待ち望んでおりますので、 2 年と言う期間を設けて、非常に密な工期で解体をやっていくと、どうしても元々解体が本職ではない石綿に関して知識も十分でない業者さんも参加する可能性が非常にあったことです。このため、県としては、適切な事前調査を行なわないで解体がやられるのではないかといったことを非常に危惧しました。

そこで、今回解体に関しても環境省の、災害廃棄物処理事業の対象の一環、解体の補助が出るという事にして頂けましたので、主に熊本での被災建築物の解体は市町村が発注者となる公費解体ですね、この公費解体がメインとなりますが、公費解体の発注仕様書に、石綿に関する事前調査や、飛散防止処置に関する事を盛り込んだ、発注仕様書の例を県が作成し、これを市町村の方に盛り込むようにお願いしたという事でございます。その中でも特にどういった方が事前調査を行なうのかというところですね、法的に事前調査を行なうものという事で、間接的に指針や通知は出ておりますけれども、具体的に法令上で行うものを示しているわけではないというところです。

今回、契約に盛り込むというところですので、ここを具体的に示すという事を行ったという事です。具体的には、木造建築物等、レベル 1 2 の可能性が少ないような建築物に関しての事前調査に関しては、建築物石綿含有建材調査者、そして石綿作業主任者技能講習修了者で経験者、日本アスベスト診断協会に登録された者、これは、厚生労働省の通達で上げてある的確な判断が出来る者の例示です。これをそのまま使って、木造の事前調査をやって下さいと規定したという事です。レベル 1 2 の可能性が有れば鉄骨や鉄筋コンクリートに関しては、基本的には建築物石綿含有調査者とアスベスト調査診断協会登録者、この 2 者が原則、仕様書に記載して契約に盛り込んでもらいました。

全て市町村で公費解体やるところは取り込んで頂きまして、結果としては石綿作業主任技能講習の希望者が、通常と比べて激増しまして、講習機関の方で、臨時の追加開催を重ねて頂く事で対応頂いたとこでございます。これは仕様には入れていないのですが、後で説明いたしますが、熊本地震の場合レベル 3 対策を、木造家屋の解体が非常に多いことから、レベル 3 対策として、木造家屋の事前調査の様式を作成し、これの配布をやっております。 

あと解体工事の監視として、昨年 6 月から、継続で現在もやっているとこでございます。当然レベル 1 2 の飛散しやすい特定建築材料からの飛散防止がメインとなり、 S 造、 SRC 造の建物の立入検査を優先的に実施しています。これを一つの方針としまして、また、一方で熊本地震の場合、解体対象の大部分が木造建築物で、ご存じの通りかなりの割合でレベル 3 建材が使われておりますので、これが短期間に、多数解体されるという事で、アスベストの飛散が懸念されると、事実ですね、われわれ地元の方で新聞の方にも解体アスベスト飛散という事で何度か大きく紙面に取り上げておりまして、住民からもこの辺りを危惧する話が有りました。特にレベル 1 であろうが 2 であろうが 3 であろうが入っている物は危ないわけで、そういった感覚がマスコミや住民の方にもあったという事です。

そういったことでレベル 1 2 を見ながらも、横にらみでレベル 3 建材からの飛散防止ということで木造家屋を立入検査対象としております。ほとんど大半の木造建築物に立ち入っているという状況でございます。右の写真は、木造家屋に立ち入った時の例で、内装材としてケイカル板が使われておりましたので、このあたりに関して指導しているところです。基本的にレベル 3 、分析するような時間が有りませんので、成形板についてはレベル 3 と見なしてくれという指導を行っているところでございます。そして、解体現場に立ち寄る場合は、一番ポイントとなるのはどこでいつ解体が行なわれるのかと言う情報をキャッチするという事が一番大事でありまして、今回は公費解体の場合は市町村の工事進捗を管理するリストが有りますので、それを提供頂く、又、公署の自費解体、取りあえず住民の方が解体業者さんと解体契約をしてもらい、後で費用を市町村経由で補助として捻出してもらうという事ですけれども、自費解体の場合も廃棄物は仮置場に搬入されるパターンが大部分でしたので、この搬入の許可リストとかですね、建設リサイクル法の届出情報、複数の情報を流用し、どこでいつ行われるのかをキャッチしているところでございます。

基本的に、出来るだけ労働基準監督署と合同で立ち入る様にしております。特にレベル 3 に関しては、大防法では特に権限が御座いませんので、石綿則による指導が非常に有効な所でございます。基本的にはその、県の方で情報を入手して、労基署と一緒に解体現場に行き、レベル 3 に関して不適切な取り扱いが有った場合は適時労基署で呼び出して是正勧告を行うなり、法に基づいた指導を行って頂いているところです。実際、労基署には、頑張ってもらっているところで御座いまして、我々単独で立ち入った時に、よく労基署に呼び出されて、こうゆうひどい目にあったとかよく話を聞いておりまして大変労基署には頑張ってもらっているところでございます。本日もうちの職員と労基署の方で益城の立ち入りを行っているところでございます。もう一つ、アスベストアナライザーを活用している事でございまして、事前調査が適切かどうかとういうチェック・監視としてアスベストアナライザーを使っております。熊本県に関わらず他の自治体も同じだと思いますが、大防法関係でアスベストを担当している職員は化学の職員が多く、建築はよく分からないところですので現場に行っても、解体業者が自信たっぷりに、どの建材にもアスベストは無いと言い切る場合が多く、なかなか建築の知識がないとそれに反論して説得力のある指導が出来がたいところがあったのですけれども、アスベストアナライザーで入っていることを示せば、指導に納得頂くことが有って、非常に重宝しているところでございます。そして、実際指導する事項はきちんと的確に伝える目的で、口頭ではなく文章で交付する様にしております。合わせて、啓発、注意喚起として現場作業員向けの周知文書、事前調査を行う方向けの周知文書、こういったものを立ち入り時に合わせて配布をしております。これはですね、広島大学の黒田研究室の支援で行っている蛍光顕微鏡です。蛍光顕微鏡によるモニタリングを行っており、目的としてはその場で、現場でこれだけ飛散しているよという指導・注意喚起が出来るという事です。こういったことを目的で解体現場では、この方法を用いてオンサイドでアスベスト濃度の計測をするという事です。広島大学のホームページから転用させて頂いているのですけれども、 i-Pad をモニターとして計測する方法でして、およそ 30 分もあればカウントできるという事です。こういった方法で、実際調査した結果を県のホームページに載せているんですけれども、幸い今の所、問題のあるような数字は出ておりません。ただ、何本か検出されるという事例はありましたので、実際アスベストの画像を、現場の方に見せて、こういったものが舞っているんですよ、という注意喚起をやっているという事でございます。そして、搬出現場での分別ですけれども基本的にはフレコンバッグにレベル 3 建材を保管し仮置場へ搬入という指導を行っております。なぜかと言いますと、上の写真は初期のころの写真ですけれども、最初は出来るだけ割らずに原形のままで仮置場に持ってくるという事をやって頂いていましたが、なかなか、こんなのがいっぱいたまってくると、非常にコントロールが難しいと。特に搬入搬出の時に重機で上げ作業が出てくると、割れたりするし、スペースを作るためにみんなで押し合ったりすることもあって、非常に飛散暴露防止が難しいですね。現場でフレコンに詰めて持ってきて下さいと言う事をいってもらっているという事でございます。これは我々よりも、廃棄物の部署の仕事ですけれども、仮置場でも廃棄物の搬入の流れを、ここに示したレイアウトですけれども、東日本の時の事例を参考に、こういった形で分別した物を流れながらそれぞれ置いて行って搬入すると言うやり方を熊本では取り組んでおります。この中でそういう成形板等レベル 3 建材のスレート等と書いてありますけれども、分別置場が有りましてそこに置いて行ってもらっております、非常に、この分別もかなり市町村さんの方が徹底されておりまして、非常に解体業者は現場でかなり厳しすぎると不満も漏らされておりますけれども、結果的に、これだけ出口で分別を求められてという事で、どうしてもこれだけ分別を求められると、解体現場でもそれに応じた分別をせざるをえないところで、レベル 3 の分別解体につながっていると、個人的な所感でもあります。

今後の対策と課題ですけれども、まず一点目は、レベル 3 からの飛散対策の徹底でございます。繰り返しになりますけれども大部分は木造家屋でして、短い期間に多数解体されるという事で、飛散しにくいとはいえ、多量になりますとやはり飛散暴露防止が一つのポイントとなるということですね。指導も継続的にやっていますが、やはり対策が不十分な業者も依然として見受けられるという事で、当然ですが、災害時にいくらうるさく言っても、やはり平常時にしっかりこの辺が浸透しないと、なかなか災害時には適切に対応できない。この辺の対策として、今後も立入検査で監視指導は、被災建築物解体ですね継続していきますし、また、平常時においても、やはりレベル 3 まで含めて見て行く必要があるだろうと思っております。 2 点目としまして、適切なアスベスト事前調査実施のための人員の確保として、解体棟数に対して十分な事前調査の人員を確保するため、石綿作業主任技能講習者の追加開催などを行って頂いて対応などしておりますが、どうしても業者によっては、レベル 3 建材について、適切な事前調査が出来ていない事例が有るところです。対策として平常時にきちんと適切な事前調査が出来る人員を確保しておく、これが出来ていないと災害時の対応は非常に難しいだろう。また、残念ながら現時点では、事前調査を行なう方、実施するその内容について、法的な規定がない事で、平常時でレベル 3 建材について、きちんとやれるような従業員を確保しているかと言うと、そこは不十分な業者が見られるという事で、非常にレベルに差が有るということで、調査者、診断士がやってるところも有れば、営業の方が見積りがてらに事前調査をちらっと見ているところもあります。そういうわけでアスベスト事前調査について、調査を実施する内容について国等での法的規定が望まれるところでございます。

最後ですが、細かい話になりますが、今回のアスベスト事前調査のですね、国の災害廃棄物処理事業の補助対象として入るということにして頂いて非常に助かりましたが、その中で、なかなか先行する事例が無く、経費、人件費の積算、そういった積み上げをどうやっていいのか、なかなか分からず、非常に、ここに時間を要した事がございましたので、たぶん地震はまた起こるだろうと思いますので、国の方から被災自治体へ情報を提示して頂ければと思っている次第でございます。以上長くなりましたが、説明を終わらせて頂きます。ありがとうございました。


神山 委員長

ありがとうございました。熊本県の取り組みについて丁寧に詳しく説明がありました。それでは、以上 3 点の報告を頂いた訳ですが、委員の方々からご質問なり、コメントなり、なんなりと頂戴したいと思います。よろしくお願いします。今、熊本県の方からいろいろと国がある程度、対応しないといけないような課題等も提示されましたし、レベル 3 の問題というのが、これだけ木造家屋が多く崩壊すると、無視しえないということで、現在環境省の方でも対応していると思いますが、いろいろと課題があるということがよく分かりました。

それから事前調査は、以前からいろいろと問題等指摘がありましたが、事前調査というのはどのくらい正確に行えているのかということで、こういう問題も、それに、それのプロですね、専門家、調査士そういった方々の問題も、こういう災害時に集中して生じるということもよくわかったような感じがします。はいどうぞ、外山委員。


外山 委員

実は私も震災直後から熊本の方に来まして、私の方は主に市の方と調査等をやっておりまして、ちょっと補足をさせて頂きますと、いま熊本県の方から報告がありました。 4 月から 5 月の段階で、建物を調べるということで、熊本市も実は一緒にやっていて、私もこの調査、 5 月ですけれどもしました。やはり、最初の段階でリストアップがきちんと出来ていたという所が非常に大きいと思います。私たちは 4 日間で 300 棟ほど見ていますけれども、非常に効率は良かったです。やはり事前にきちんとリストアップをしておくか、しておかないかで、だいぶ違ってくるということだと思いますし、それに、石綿の台帳整備を国交省がやっていますけれども、そういったことも非常に重要になってくるのかなと思いました。

あと、熊本市の調査では 1 棟やはり非常に危険な吹付けのクリソタイルがある、外壁が落ちているという建物が見つかって、こちらも、私たち建築物石綿含有建材調査者協会ですけれども、その協会の方から至急派遣をして、倒壊の恐れのある建物の中のアスベストの除去は技術的に難しい面があって、そのアドバイザー的なことで、人を派遣したということで、この建物も、 7 月には除去が完了したということで、初動が大変良かったモデルケースになるような対応がなされたのかなという風に思います。

やっぱり仕様書の中にきちんと事前調査を入れたという事も大事ですし、現場の監視、私も 9 月と 1 月に熊本市の解体現場、市が発注した解体工事の現場を一緒に従周しましたけれども、この調査票ですね、様式がきちんと決まっていて、これがかなり的確に記入されていて、掲示がすごく良く出来ていたということ、問題事例も破損したような事例も、全国的に調べていますが、比較してもだいぶ成績が良かったということで熊本市では全数立入検査をやられるという事で、そういう努力がやはりこういう結果になっているのかなと、思いました。

問題があったのは、仮置場を 1 月に視察をしてきたんですけれども、確かにフレコンバッグに入っているものもあるんですけれども、かなり細かく破砕されている。ほんとに 5cm 以内位に破砕されていて、やっぱりフレコンバッグにたくさん入れるために、わざわざ破砕をしてしまっている。不要な破砕をしてしまっているという事ですね。そういう部分は今後の改善が必要で、ベースに関して構造的な問題があって、解体業者、零細企業が多いです。フレコンバッグですが、普通のものは 800 角大だと思うんですけども、 80cm ですね。それは比較的値段は安いですが、長いものが入るバッグは特注というか、値段が 2 3 倍くらいするんですね。そういったものも十分買えるだけの予算というか費用が取れていないということもありますし、やはり工期も少し長くなってしまうという事で、やはり零細企業でそういったことを法で決められたからと言ってきちんと守られているという事では必ずしもないという事ですし、やはり、届出もないですし、解体してしまいますと証拠も残らないので、そのあたり熊本県の方もご指摘されていますが、法的な整備、少なくとも届出が必要ではないのかなと私は考えています。以上です。ありがとうございます。


神山 委員長

ありがとうございました。今のお話で、リストアップされていると非常にこういう災害時に大きな助けになるというお話でしたけれども、これは確かにその通りで、災害時でなくても定常的に解体なり、除去なりやる時にもこういうリストアップは必要になると思いますので、定常的に進めて行くべきでしょうね。大きな都市で進めると言う事ですね。はい。他に何か有りますでしょうか。フレコンバッグもさっき大きいのが入るのが作られているとの事ですけれども、費用が高くなるとなかなか使えないとのご指摘でしょうか。それは先程の補助費で積算する時の根拠に入ればいいんでしょうけど。災害補助予算と言う事ですかね。

あと、調査結果、モニタリングの結果の方に関してはいかがでしょうか。特段問題ないとのことで宜しいでしょうか。どうぞはい。


小坂 委員

先程の東日本の報告の中で、位相差顕微鏡 でカウントして偏光顕微鏡 でアスベスト濃度を測定する ことについて 、先程の 会議 が終わってから神山先生が アスベストが全然検出されていないと いうことで、 位相差 偏光顕微鏡 法は 大丈夫かと話 ましたが 、環境省資料別紙2を見ますと総繊維数濃度もあまり高くないけど、解体現場・採取処分場4カ所で、いくらかは検出されているわけですね。総繊維数濃度も低いです 、一様感度が有る事はこちらのデータ から 出ていると思 います


神山 委員長

やはり、代替えかと言うか、アスベストの使用と言うか、アスベストの使用は極端に減ってきていると う証拠なんでしょうか。要するに総繊維数 濃度 は出てもアスベストはほとんど出ていないと うのが正しいところであって、 別段 分析ミスしているところではないと いうことで 宜しいですね。


小坂 委員

技能を向上させることは各分析機関で頑張って頂きたいです ども、やれば出来るということだと考えております。


神山 委員長

ありがとうございました。他に何かご意見ありませんでしょうか。確かに、災害発生直後のデータというのは、総繊維数濃度ですが、高くでてる所が結構あり、これも東日本の経験でいくと、12年と過ぎるにしたがいずっと減っていく事もありますので、位相差顕微鏡法で検出しているデータは間違いないデータとしてよく捉えていると思います。

今後も熊本県、環境省・厚生労働省のモニタリングは続けていく訳ですが、その際に何か希望というか工夫すべきポイントがもし有ればお話し頂きたいと思います。その辺はいかがでしょうか。東日本の会議では小林委員の方から時期が遅すぎると、その間の空白時点はどうだったんだって話がありましたが。今回は、地震発生から直ぐに取り掛かっておりますけれども、これは234年となっていくと、予算がついてないからとかいう問題になってしまう可能性もありますけれども、できるだけ空白のないような調査が求められると思います。その他なにか要求事項みたいなのが有ればどうぞ。


小坂 委員

大気濃度モニタリングは、毎年行われていますが、解体工事現場の漏えいというのは、実際測定されていないだけでわからない。私が話を聞いている限りでは、相変わらずかなりずさんな工事が行われているというケースが多いように感じています。

環境省は各自治体に測定の候補地を求められて毎年調査を行っていますけれども、残念ながら中々この数年間を見ている限りでは、数が少ない。今年度はたぶん2検体しかでてないと思います。つい先日、鳥取県と大阪に私も立ち合いに行きました。中々候補の解体現場がでてこないという事ですね。ですからちょっと色々努力頂いて解体工事現場の調査をもう少し増やしていくように目標として10検体はですね、目標としていただけるように要望したいと思いますが。


廣田 大気環境課課長補佐

宜しいでしょうか。すいません。今ほどの件ですけれども、やはりなかなか大気濃度調査の方で解体現場が捕捉できないっていうのが、先ほどからご指摘がありました。

調査時期がかなり遅い時期から始めてしまっているというのが一つ原因にあるかと思いますので、来年度以降はなるべく早い時期から調査を始めて、解体現場についてもなるべく多くの件数をとらえられるようにしていきたいと考えております。


小坂 委員

是非、お願いしたいと思います。協力できる事があれば何でもいたしますので。

 

神山 委員長

はい、ありがとうございました。それから先ほど、外山委員からリストアップ、アスベスト使用建物ですか、その吹付けであるとか、レベル2とか3とかリストアップ化が国土交通省の方で進んでいるというお話しがありましたが、そういうデータは、今は全省庁というか、誰でも共有できるようなデータにならないのですかね。確かにプライバシーもあるでしょうし、なかなか公表はされにくいものもあるのでしょうけど、どういう形になっているのでしょうか。


外山 委員

基本的には地方自治体が主体でやられているので、国交省も。


神山 委員長

自治体がデータを持ってる。


外山 委員

はい。やっている自治体が持っている。精度もバラバラだと思います。精度っていうのは、正しいかどうかっていうかどこまで調べている、ちゃんとそういうものがあるのかどうか、そういうバラつきがあるって事です。


神山 委員長

ただ、あるかないか、その建物が例えば今度の震災災害時に崩壊したっていえば、さっとこう直ぐに、念頭にあがるとかですね、プラスになることは多いと思いますよね。


小林 委員

ちょっとお願いですが、実はマニュアルを作っていて大変気になっていたのですが、机上資料の方ですが、この中で写真を撮られていますが、この写真全部、測定地点の写真ばっかりですよね。本当に欲しいのは、例えば解体ですと、解体状況がわかるような写真、それから、がれき処理なんかですと、がれき処理全体がどういうふうな状況になっているかというような写真がほとんどないですよね。これがあるとマニュアルを作ったりまた皆さんが参考にするのに大変便利ですが、今回も探してみたらほとんどなく、外山委員から提供頂いたデータがほとんどだったんですけど、今後調査をやられるに当たって、そういう写真を是非撮っておいて頂きたいということを是非お願いしたいと思います。


神山 委員長

確かに調査する調査者は、調査地点が正確にやられている事が中心になりますから、それ以外のところは、写真はあるのかもしれませんが、こういうとこには出してないのでしょうね。


小林 委員

是非そういうのを提供願いたい。それから、ひとつ忘れましたが、アスベスト台帳、これは地方自治体が調査をするのですけど、なかなか公表ができないと思うんです。なぜかと言うと、これは実は他の調査でもありましたが、公表しますといわゆるプライバシーの問題が特に現場で地下水汚染問題が絡んで、もめたんですけど、そういうふうな水や粘土の方と混合できないと拒否された例がでましてね。するとこういうアスベストを使っているような所に住んでいる方は駄目だというような問題が発生しますので、なかなかデータ公表は難しいだろうと思います。


神山 委員長

不動産価値が下がるとかそういう問題もあるんですね。地震や大雨が起きると地すべりが起きるというのが結構ありますが、実は地すべり危険地帯を調べた全国マップがかなり昔から作られていたのですね。30年か40年前の話ですけれども、それは公表されていませんでした。なぜ公表しないのかと言ったらやっぱり土地の値段が下がるからだと言うようなことが有りましたけれども、結構大きな災害が繰り返し起きてきた。今はではほとんど公表されているようです。それは命には代えられないと言う事です。ただ、それとはちょっと違いって、建物が個人の建物になると、難しい問題ですね。確かに。他に何か有りますでしょうか。

無いようでしたら、時間になりましたので、あとは事務局の方にお返ししますのでよろしくお願い致します。


事務局(日本環境分析センター(株))

本日は貴重なご意見を頂きありがとうございます。

本日の議事録につきましては各委員に御確認頂いた上で、環境省・厚生労働省において公開させて頂きたいと思います。最後に環境省の大気環境課長 瀧口課長から御挨拶をお願い致します。


瀧口 課長

本日は、貴重なご意見ありがとうございました。この熊本地震のアスベスト対応について申しますと、厚生労働省と連携させて頂きまして防塵マスクの配布や共同での通知の発出と言うようなことをさせて頂きました。これも冒頭、奥村課長がご紹介されましたように東日本大震災の経験を踏まえてということであったかと思います。

また、今回幸いにして、それほどアスベストが飛散しているといった状況ではありませんでしたが、それはご紹介頂いたように熊本県、そして熊本市でこのアスベスト飛散防止という事に、非常に取り組んでいただいた結果だと思っております。ひき続きお願いしたいと思います。

この熊本地震の経験、これも踏まえて今後こうした地震が起きた際に対応していきたいと思っております。今日はどうもありがとうございました。


事務局(日本環境分析センター(株))

本日の熊本地震アスベスト対策合同会議はこれにて閉会と致します。

  どうも、ありがとうございました。


(了)

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