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2017年4月27日 第8回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

○日時

平成29年4月27日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 省議室
(中央合同庁舎第5号館9階日比谷公園側)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

<専門家委員>

岩城穣委員、岩村正彦委員、川人博委員、木下潮音委員、堤明純委員
宮本俊明委員、森岡孝二委員、山崎喜比古委員

<当事者委員>

寺西笑子委員、中原のり子委員、西垣迪世委員、前川珠子委員

<労働者代表委員>

冨田珠代委員、中村慎吾委員、八野正一委員、村上陽子委員

<使用者代表委員>

小林信委員、山鼻恵子委員、輪島忍委員

○議題

(1)-1 各省における過労死等の防止対策の実施状況及び平成29年度予算について
(1)-2 働き方改革実行計画について
(2)   平成29年版過労死等防止対策白書の骨子(案)について
(3)   その他

○議事

○岩村会長 ただいまから、第8回過労死等防止対策推進協議会を始めさせていただきます。委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の委員の出欠ですが、小林治彦委員が御都合により御欠席と承っております。また、中村委員におかれましては少し遅れて来られる模様です。

 初めに、委員の改選がありましたので、報告いたします。参考資料1を御覧ください。当事者代表委員の中野淑子委員に代わりまして、新たに前川珠子委員が昨年12月に御就任になっておられます。前川委員から、一言御挨拶を頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○前川委員 よろしくお願いします。仙台からまいりました前川珠子と申します。2012年に、当時、東北大学准教授だった夫を復興途上の過労自死で亡くしまして、それから当事者の会を結成し、皆様と活動を共にさせていただいております。分からないことばかりで、教えていただくことが多いと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございました。次に、開会に当たりまして、山越労働基準局長から一言、御挨拶を頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○労働基準局長 労働基準局長の山越でございます。開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。本日は、委員の先生方には大変お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。本協議会ですが、昨年10月に前回を開会させていただきましたが、その後、半年間に過労死等防止対策をめぐって幾つかの動きがありました。詳しくは後ほど事務局のほうから説明させていただきますが、1つには昨年末の1226日に、厚生労働省において「『過労死等ゼロ』緊急対策」を取りまとめ、より一層の過労死防止対策を進めさせていただいているところです。もう1つは、政府において「働き方改革実現会議」において、年度末の328日に実行計画が決定されたところです。この働き方改革実行計画に基づいて、現在、労働政策審議会労働条件分科会において時間外労働の上限規制についての審議が始められているところです。

 本日の協議会ですが、最初に平成28年度に取り組んでまいりました過労死等防止対策について、その実施状況について報告したいと思います。また、平成29年度予算の状況についても説明したいと思います。その後、2回目になりますが、平成29年の過労死等防止対策白書の骨子について説明して、御意見を頂ければと思っております。委員の皆様方の御意見を踏まえて、引き続き対策を着実に進めてまいりたいと思っておりますので、皆様には忌憚のない御意見を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○岩村会長 それでは、カメラ撮影についてはここまでとさせていただきたいと存じます。報道の皆様には御協力のほどお願い申し上げます。お手元の議事次第に沿って、議事を進めてまいります。1つ目の議題は、(1)-1「各省における過労死等の防止対策の実施状況及び平成29年度予算について」、(1)-2「働き方改革実行計画について」です。昨年度、各府省において、過労死等の防止対策への取組が進められたところであり、また平成29年度の予算も既に成立しているところです。今日は厚生労働省のほか、人事院、内閣人事局、総務省、そして今回から新たに文部科学省からも御出席いただいているところです。

 そこで、今後の進め方としては、まず厚生労働省において、厚生労働省における過労死等の防止対策の実施状況と、議題(1)-2「働き方改革実行計画」について、さらに過労死等防止対策に係る政府全体の平成29年度予算について、御説明いただくことにします。その後に人事院、内閣人事局、総務省、文部科学省という順序で、それぞれの府省における実施状況を御説明いただきたいと思います。その後、説明事項に関する皆様からの御質問の時間を設けたいと考えております。まず、厚生労働省から御説明いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○企画官 企画官の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。私からは資料1、資料2、資料7を使って説明いたします。

 資料1「厚生労働省における過労死等の防止対策の実施状況」について申し上げます。それぞれのページの右下にページを打ってあります。1ページから6ページまでは過労死をめぐる現状ということで、データについて申し上げます。1ページ目は労働時間の関係で、左側で総実労働時間は右下がりで下がっていますが、右のグラフにいくと実はパートタイムの方の比率が増えており、一般労働者の総実労働時間は余り変わっていないということです。

2ページ目は労働時間の状況の、週の労働時間が60時間以上の方の割合のグラフです。下のほうに大綱に掲げられている数値目標を記載しています。5%以下を平成32年までというものですが、右下がりで下がっており、平成28年は7.7%と、まだ5%には届かないという状況です。

3ページ目が年次有給休暇の関係です。下の棒グラフが付与日数・取得日数で、上が取得率です。こちらの目標についても、下のほうに取得率70%としておりますが、ちょっと上下はありますが、近年、横ばいという状況が続いているものです。

4ページは職場におけるメンタルヘルスの状況ということで、取り組んでいる事業場の割合は80%以上という目標が掲げられております。徐々に上がってきておりますが、平成27年で59.7%というものです。

5ページ、6ページが労災保険の状況で、5ページが脳・心臓疾患の補償状況、6ページが精神障害の支給状況です。こちらはデータが新しく出るのが例年6月下旬頃となっておりますので、こちらの数字は昨年の数字で、白書に載せたものと同じです。支給決定件数で言うと、平成27年度では251件ということで、運輸業、郵便業が支給決定件数が多いというものです。6ページは精神障害の関係で、近年、決定件数が400件台で推移しているということで、製造業が一番数が多いという状況です。

7ページ以下が先ほど局長から申し上げましたが、「『過労死等ゼロ』緊急対策」についての概要と進捗状況をまとめたものです。昨年1226日に私ども厚生労働省の長時間労働削減推進本部で決定されたものです。法律改正に至らずとも、できることをまとめたものです。7ページの1、違法な長時間労働を許さない取組の強化ということで、4つほど掲げております。(1)新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底、(2)長時間労働に係る企業本社への指導、(3)是正指導段階での企業名公表制度の強化、(4)36協定未締結事業場への監督指導の徹底で、その下のオレンジ色の枠がその進捗状況を示したものとなっております。(1)は、この120日に労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインということで発出しております。その横に<参考資料4>と記載しているのは、参考資料4にそのもの自体を付けております。後ほど御覧いただければと思います。

 ガイドラインの概要ですが、労働時間の考え方、使用者の明示又は黙示の指示により、労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たるということなどを明示し、また学習等であっても使用者の指示により、業務に必要なものを行った時間は労働時間となるということ。また、やむを得ず自己申告制による労働時間の把握をやっているときに、申告した時間と入退場記録などから把握した在社時間に著しい乖離があったときは実態調査を行うこと。こういったことなどが盛り込まれており、広くリーフレット、またホームページで周知してあるとともに、使用者団体や主要な業種別団体に厚生労働省幹部が直接御説明をしております。また、全国の労働局においても、管内の経済団体等に対してガイドラインをお渡しし、傘下の事業場への周知を依頼しているといった状況です。

8ページの(2)(3)の関係ですが、これも120日に通達を発出して、長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対する是正指導を新たに開始したところです。また、公表制度についても、現行の公表制度を拡大したということで、真ん中辺の枠に囲ってある所がその拡大のポイントです。従来、長時間労働の基準として、月100時間超というものでしたが、80時間超として、また過労死等・過労自殺等で労災支給決定した場合、これも対象とするということで、2事業場に認められた場合などに企業本社の指導を実施し、是正されない場合に公表ということにしております。また、100時間超と過労死・過労自殺が2事業場に認められた場合なども公表ということにしております。

(4)として平成28年度第4四半期に最低賃金の履行確保を重点とする監督を約15,400事業場において実施しました。36協定についても重点的に見て、是正指導を5,915事業場でやっております。

9ページはメンタルヘルス・パワハラの取組の強化ということで、(1)から(3)までありますが、企業本社に対する特別指導、またパワハラ防止の周知啓発、ハイリスクな方を見逃さない取組ということを掲げており、同じようにオレンジの所が進捗状況になっております。(1)(2)については、331日に通達を発出しております。精神障害による労災支給決定が行われた事業場には個別指導を実施して、必要と認められる場合、衛生管理特別指導事業場(衛特)に指定して、改善をお願いしているということ。また、おおむね3年程度の間に精神障害による労災支給決定が2件以上行われた場合は、本社に対して個別指導を実施し、全社的な取組をお願いするとともに、過労自殺によるものが含まれる場合には、衛生管理特別指導事業場に指定し、継続的な取組をお願いするといった内容です。これらについても、併せてパワーハラスメントの対策導入マニュアルやパンフレット等を用いて、取組について指導をお願いしているところです。

10ページの(3)ハイリスクな方を見逃さない取組ということで、こちらも329日に労働安全衛生規則等の一部を改正する省令を公布しております。施行は61日ということで、今、周知期間になっておりますが、改正のポイントについては100時間超の時間外労働を行った労働者の氏名、超えた時間といった情報を産業医に提供しなければならないということ。また、医師や歯科医師が事業者に意見を申し述べる場合に必要となる情報を求められたときは、速やかに提供しなければならないということが盛り込まれております。

11ページは社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化です。(1)緊急要請、(2)相談窓口の充実、(3)法令違反で公表した事案のホームページへの掲載ということです。下の進捗状況ですが、27日付けで224団体に文書により要請をしております。そのうち労災支給決定件数が多い産業、主要な10業界団体については、厚生労働省の幹部が直接足を運び要請しております。時間外・休日労働の削減に向けた取組、36協定の内容の見直し、先ほど申し上げたガイドラインを踏まえた取組の徹底、メンタルヘルス・パワハラの対策の推進、また短納期発注についての配慮をお願いするといった中身になっております。(2)「労働条件相談ほっとライン」をやっておりますが、平成29年度から週6日だったのを週7日ということで、どの日でも相談を受けられるということにし、回線も増加しております。また、法令違反で公表した事案のホームページへの掲載については、330日に通達を発出し、これから取り組んでいくことになっております。

12ページ以下ですが、大綱には調査研究、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援が規定されておりますが、その1つの調査研究に係るものです。労災の認定事案等の分析ということで、 とありますが、は労災で認定された方の事案、は不支給となった方の事案ということです。まず、認定事案については平成221月から平成273月の事案数は脳・心臓疾患1,564件、精神障害2,000件で、平成27年度はその多数のものを電子データ化し、データベースを構築し、基礎的な集計を行ったところです。平成28年度については業種横断的な解析をやっております。例えば業種ごとの数ではなくて認定率、100万人当たりで算出するといった取組をしており、上位の業種は御覧いただくようなものです。また、大綱で決められている重点5業種には運輸業、飲食業、教職員、IT、医療とありますが、そのうち運輸業、飲食業について解析しております。平成29年度は残りの3業種についての解析を予定しているところです。不支給事案は認定事案の1年遅れというイメージで、平成28年度に基礎集計を行って、平成29年に業種横断的な解析をすることにしており、平成29年度は3年間の研究成果の取りまとめと位置付けております。

13ページは2で疫学研究、3で実験研究をやっております。疫学研究の中に2つあり、(1)職域コホート研究ということで、2万人程度の労働者を10年ぐらい追跡して、労働時間、健康診断等の関連を調査して、どのような要因がリスクとして影響が強いのかを調査するといったものです。平成27年度に準備作業を行って、平成28年度にはWeb調査を約1万人に対して実施し、それで調査を開始したところで、平成29年度に第1回の調査、ベースライン調査を実施することにしております。右が(2)の職場環境改善に向けた介入研究ですが、職場環境を改善する取組を実施し、その効果を測定して検証するといった中身です。平成27年度は準備作業をやっており、平成28年度に労働者数50人程度の事業場に協力いただいて、職場環境改善前の調査を実施しております。平成29年度は介入を実施し、その後の調査を進めていくといったことを予定しております。

3、実験研究です。長時間労働と循環器負担のメカニズムの解明などをテーマに研究するということで、模擬としてパソコン入力をしてもらったりといった実験をするものですが、平成27年度は予備実験を少人数を対象に実施して、平成28年度には50人程度に血圧、心拍数といったものが長時間労働の作業中どうなるかという実験を開始しております。平成29年度は、引き続き実験を進めて、結果を解析するといった予定です。

14ページは調査研究の中でも労働・社会分野の調査・分析で、検討委員会の委員の先生にはこの協議会からも山崎委員、森岡委員に御参画いただいております。平成28年度は大綱の中でも指摘いただいている法人役員、自営業者へのアンケート調査、また重点業種のうち、自動車運転従事者、外食産業、先ほどの労災事案のものと同様の業種についてアンケート調査を実施しております。また、平成27年度に業種横断的に実施したアンケート調査の再集計・分析も取り組んでおり、現在、中身は取りまとめ中で、結果は白書に反映できればと思っております。平成29年度は重点業種の残りの教職員、IT産業、医療の調査を実施したいと考えております。

15ページからが大綱に掲げてある啓発の部分です。15ページは今年、ハート型のデザインで、ポスター、パンフレット、新聞広告、Web広告といったものを実施しております。

16ページは過重労働に着目した周知・啓発です。労務担当者、事業主等を対象としたセミナーを全都道府県において71回実施するとか、下のほうではポータルサイトを設置して、法令やQ&A、裁判例を掲載して情報発信するというもので、アクセス件数も27万件あるといったものです。

17ページはパワーハラスメントに関連した周知・啓発です。上は周知・広報ということで、「あかるい職場応援団」というサイトを運営しており、解説とか裁判例とか企業の取組を紹介したりしております。下のほうですが、企業向けにセミナーを実施したり、対策導入マニュアルを充実したり、相談対応の方法等を盛り込んだものとしたり、好事例等も作成して発信しているといった中身です。

18ページは若い方、大学・高等学校などにおける啓発ということです。(1)(2)(3)とありますが、(1)は労働局からの講師派遣、セミナーの開催といったものを実施しているということで、数は御覧のとおりです。(2)は過労死等防止対策等労働条件に関する啓発事業ということで、平成28年度に始めたものです。この協議会にも委員となられている方をはじめとして、労働問題に詳しい有識者、過労死の御遺族といった方々を中学・高校などに派遣して、講師として教えていただいているということです。また、後ほど文部科学省の資料にもありますが、文部科学省に御協力いただいて、この事業を都道府県の教育委員会へ周知するという文書を出していただいております。実績については、平成27年度は59校、87回ということです。(3)は指導者用の資料を作成して、全国の高等学校等に配布を行いました。また、文部科学省の御協力の下、各都道府県教育委員会に対して協力要請を行っております。平成29年度は高校教員等に向けたセミナー、大学向けの指導用資料の作成を予定しているところです。

19ページは企業への働きかけということで、従前からやっていることですが、本省幹部、また都道府県労働局の労働局長等の幹部が業界や地域のリーディングカンパニーへ直接足を運び、お願いをするといったものです。働き方の見直し、気運の醸成をお願いするとともに、先進的な事例について、ポータルサイトを活用して情報発信を続けています。

20ページは年次有給休暇の関係ですが、この時季は年休を取得しやすいとか、翌年度の年次有給休暇の取得計画を作る時季であるということで、10月を年次有給休暇取得促進期間として、集中的な広報を実施しています。また、下半分ですが、地方自治体との協働による取得促進というもので、地域のお祭りなどの催し物に合わせて関係者が検討して、気運の醸成を図っているといった中身です。

21ページは労働基準監督行政、監督の観点から、長時間労働削減対策の取組状況をまとめたものです。この中で、多くは先ほど申し上げた緊急対策の中に盛り込んでいるものですが、1.監督指導の徹底ということで、平成27年度までは月100時間超の事業場に対して監督指導しましたが、平成284月以降は80時間超へと拡大しているといったことです。3には「過重労働撲滅特別対策班(かとく)」を作り、本省に対策班を新設するといった経過を書いております。5の企業名公表制度は、先ほども申し上げたものです。6の情報の提供・収集体制の強化は、相談の充実、インターネットを使った労働時間に係る違法の疑いのある事業場情報の監視などを盛り込んでおります。

22ページはメンタルヘルスケアに関する周知・啓発です。御承知のように、平成2712月からストレスチェック制度が始まり、50人以上の事業場において義務化されているといった中身があります。また、右側では、産業保健総合支援センターによる事業場の取組支援の数字の実績を掲げております。専門的な相談への対応とか、事業場への個別訪問とか、職場の管理監督者に対する教育といったものを多くの事業場に対してやるといったことです。また、メンタルヘルス対策では、後ほどもちょっと資料を入れておりますが、「こころの耳」というポータルサイト、これはアクセス件数が370万件という数字で、非常に多くの方に利用されております。こういったものを活用して、情報提供、メール相談窓口、電話相談等をお受けしているところです。

23ページは労働安全衛生に関する優良企業公表制度です。これは引き続きやっているものではありますが、真ん中の赤い枠の所が新しく追加予定です。2つほど認定基準がありますが、労働者の1か月当たりの時間外・休日労働の平均が45時間未満ということ、時間外・休日労働の平均が60時間以上である者がいないことという項目を新たに追加する予定です。

24ページから、商慣行等に着目したもので、24ページはトラック輸送に関するものです。下の行程表ですが、中央、また地方で、それぞれ協議会を設置して、平成27年度調査を実施しておりますが、平成28年度からパイロット事業を実施し、いろいろな知見を蓄積しているところで、ガイドラインの策定・普及を予定しております。

25ページはIT業界に着目した取組です。事業者団体、学識経験者、経営者団体、労働組合、関係省庁により構成されており、平成28年度から実施しております。昨年12月に開催された第3回の検討会では、協議会委員の西垣委員、また木谷さんから御発表いただいたということもやっております。以下、実態調査をし、セミナーを開催し、ハンドブックを改訂するなどして進めているところです。

26ページは医療に着目した取組の関係ですが、医療法の改正を契機として、勤務環境改善に向けた取組をやっており、平成28年度には全都道府県で支援センターが設置されております。医療分野のアドバイザー等を配置して支援を実施する一方、2.以下ですが、調査研究、また「勤務環境改善マネジメントシステム」の普及促進等を進めているところです。

27ページ以下が相談体制の整備等です。これは今まで申し上げたものと重複しますが、労働条件相談ほっとラインは相談日が毎日になったということ、平日夜間・土日に相談を受けているということです。下のほうの「過重労働解消相談ダイヤル」は、私どもの職員、労働基準監督官が直接、相談を受けるということで、昨年11月に実施しております。

28ページは先ほど申し上げたものですが、「こころの耳」についての中身を記載しております。

29ページは産業医など、相談に応じる方に対する支援というもので、産業保健総合支援センターのほうで、専門的な相談対応、産業保健スタッフの研修、セミナー、事業場への訪問、管理監督者向けの教育を御覧いただくような数字で実施しているところです。

30ページ、31ページが民間団体の活動に対する支援ということで、30ページがシンポジウムです。平成28年度は42都道府県で、中央会場を合わせて合計43回実施しておりますが、大綱の中で3年をめどに全都道府県で実施ということで掲げられており、平成29年度は47都道府県に加えて中央会場で実施する予定としております。

31ページは過労死遺児交流会です。予算措置されて実施したのは平成28年度が初めてで、保護者とお子様方、それぞれ別のプログラムを実施して、保護者には体験談を発表していただいたり、レクチャーの時間があったり、個別の相談を受けるといったメニューをそろえて実施しました。また、お子様向けにはスキーをやっていただいたり、写真ではさかなクンが写っておりますが、講演をしていただいたりといった取組をしております。以上が厚生労働省の過労死等防止対策の実施状況でした。

 続きまして、資料2で「働き方改革実行計画」について、関係する部分を簡単に説明差し上げます。表紙に記載してあるように、47日の労働政策審議会労働条件分科会、また420日の安全衛生分科会で配布された資料で、こういった審議会の中で既に検討が始まっているものです。その中で、8ページですが、時間外労働の上限規制です。御承知のように、現行では労働時間の限度は厚生労働大臣の限度基準告示で定まっているところですが、罰則がないということ、臨時的な特別な事情のある場合ということで、上限がないということですが、今回、法律により強制力をもたせたものということ、また労使が合意したことを踏まえて、このように決定されております。

 まず、時間外労働の上限規制ですが、時間外労働の限度を原則、月45時間、年360時間として、臨時・特別の場合を除き罰則を課すということです。臨時・特別の場合で、労使が合意して協定を結ぶ場合でも、上回ることができない時間外労働は年間720時間とし、一時的に業務量が増加する場合についての上限も設けるということで、この上限は 26か月の平均で、いずれにおいても休日労働を含んで80時間以内、単月では休日労働を含んで100時間未満ということ、その頻度は原則が月45時間、年360時間ということを鑑みて、これを上回る特例の適用は半年分を上回らないよう、年6回を上限とするということです。また、上限値までの協定締結を回避する努力が求められるということで労使が合意されたことも鑑みて、新たに労働基準法に指針を定める規定を設け、行政官庁が必要な助言・指導を行えるようにするとなっております。

 パワーハラスメント・メンタルヘルス対策の関係ですが、職場のパワーハラスメント防止を強化するため、労使関係者を交えた場での対策の検討を行うことが盛り込まれるのと、「併せて」以下ですが、過労死等防止対策推進法に基づく大綱において、メンタルヘルス対策等の新たな目標を掲げることを検討するなど、成果目標を見直すといったことが盛り込まれております。

 また、インターバル制度については、労働時間の設定・改善の特別措置法を改正し、努力義務を設け、有識者検討会を立ち上げ、必要な支援をするという取組があります。その他、9ページには現行の適用除外等の取扱、10ページには事前に予測できない災害その他事項の取扱が盛り込まれているところです。

 資料1で申し上げたような対策の実施状況を裏付ける予算面のものが資料7です。過労死等防止対策の推進ですが、中身については今説明申し上げたものですので、個別の説明はいたしませんが、予算額が前年743,000万円に比べて、平成29年度は846,000万円ということで、大体10億円ぐらい増加になったということです。この中身については関係省庁の分も盛り込んでいるということで、後ほど参考にしていただければと思っております。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは続きまして、人事院から御説明を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○人事院職員福祉局職員福祉課長 人事院の職員福祉課長です。どうぞよろしくお願いします。人事院の職員福祉局では、国家公務員の過労死等防止に関しまして、内閣人事局さんとも連携して取組をしております。資料3を御覧ください。平成28年度における取組の主なものについて御紹介したいと思います。平成28年度においても、3つの柱で取組を進めております。1つは、こころの健康づくりの関係、2つ目は勤務時間・休暇制度の運営とありますが、長時間労働の是正の関係です。3つ目として、過労死等事案の分析です。

 まず、こころの健康づくりに関しては、研修、周知、相談体制の整備です。研修においては、各府省の担当者に対する制度周知、あるいは講師要請等を行ったほか、平成28年度に使用されるe-ラーニングの自習用教材には、ストレスチェック制度の説明とか、あるいは過労死等防止のための取組に対する内容を盛り込んだものとしております。また、周知の所で、メンタルヘルスのガイドブックについても、これは職員用と管理監督者用の2種類を作成しています。平成28年度からは、この両方に過労死等防止のための取組に対する内容を追加しています。相談体制については引き続き本院と、それから全国10か所あります地方事務局等で、どの府省の職員の方でも利用できます職場復帰のための職場復帰相談室とこころの健康相談室を実施しているところです。

 次に、勤務時間の関係については、従来から、超過勤務縮減指針に基づく周知・啓発などを行っているところです。平成28年度においても説明会等を実施していますが、強い問題意識を持って取り組んでおります。昨年夏の人事院勧告時の国会・内閣への報告では、組織のトップの強い取組姿勢、あるいは、超過勤務予定の事前申告と確認を徹底していく必要性等についても言及しました。その後、事務次官級、課長級との各種会議でも、各府省にお伝え、お願いをしていったところです。

3つ目の過労死等事案の分析については、公務災害の過労死等認定事案の情報のデータベース化を昨年同様としました。現在、労働災害の有識者から助言を得つつ、集計・分析をどのように進めていくか検討しているところです。これらにより進めておりまして、平成29年度におきましてもほぼ前年度並の予算を確保しまして、これらの事業を進めていくこととしております。人事院は以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは続きまして、内閣人事局からお願いしたいと思います。

○内閣官房内閣人事局調査官 内閣人事局の酒井です。よろしくお願いします。内閣人事局から平成28年度の取組状況について御説明いたします。資料4になります。内閣人事局においては、国家公務員への対策として、人事院さんと連携をして進めています。啓発、相談体制の整備という観点から2つ、資料に基づいて御説明いたします。1つ目はワークライフバランスの推進、2つ目は心身の健康の保持増進という2つの視点がありますので、こちらに沿って説明をいたします。

1ページは、ワークライフバランスの推進です。公務員の方の働く時間を減らすためには、超過勤務の縮減や年次休暇の計画的取得の促進が重要になってきます。具体的な取組としては、のアに記載していますように、超過勤務については必要最低限にとどめる目的で、超過勤務を行う際には、理由や見込みの時間について管理職が事前に把握する取組を実施しているところです。また、年次休暇については、取得の推進という観点から、計画表を活用して組織内で共有することにより、連続休暇をはじめとして、年次休暇を取得しやすい職場環境を作っていこうという取組を実施しているところです。それから、資料のイ、ウに記載しているその他の取組としても、管理監督者の意識と管理の在り方を改革しなければならないという観点から、e-ラーニング教材の開発やマネジメントセミナーも行っているところです。

 資料が前後しますが、WLB推進強化月間の実施については、平成27年度から実施しているものです。7月と8月については、WLB推進月間ということで、資料の右側にあるのが「ゆう活」のポスターで、「はじめよう、夕方を楽しく活かす働き方」をキャッチフレーズにしたポスターを作成して啓発をしているところです。こういった「ゆう活」などの取組の中で、超過勤務を減らしたり、管理職、職員、職場の意識の変化を進めています。ちなみに、具体的に退庁時間がどれくらい早まったかという点で見ますと、資料に書いてあるような数字になっています。平成27年度に比べると少しずつではありますが、早く帰る人が多くなったという結果になっております。

2ページは、心身の健康の保持増進という観点からの取組をまとめた資料です。「国家公務員健康増進等基本計画」というのがあります。これは平成3年に内閣総理大臣決定し、5年ごとに改訂しているものです。こちらの基本計画に沿って、国家公務員に対する健康のマネジメントを内閣人事局として推進しているところです。具体的な例として4つ挙げています。

1つ目は、の管理監督者のためのメンタルヘルスセミナーです。これは、部下を持つ管理職を対象としたメンタルヘルスの基礎知識や、メンタル不調の方への対応方法などを習得させるセミナーです。2つ目は、各府省等カウンセラー講習会です。こちらは、各府省において職員の相談に応じるカウンセラーの能力の向上を図る講習会です。3つ目は、e-ラーニングを用いたメンタルヘルス講習とハラスメント防止講習です。のセミナーや講習会等に参加できない人でも、自分の席でe-ラーニングを用いてメンタルヘルス講習やハラスメント防止講習を受けてもらおうというものです。どちらも所用時間は90分ぐらいで行われるものです。昨年度は、新しく管理監督する立場に立った者約1万人を対象にして実施しました。4つ目は、生活習慣病対策等の推進です。こちらは、健康診断で二次健診や要医療の対象となった者に確実に実施してもらうように、対象者本人や上司に当たる管理監督者等に対して、各府省において積極的に指導していただくものです。このような形で、内閣人事局として取組んでおります。以上になります。ありがとうございます。

○岩村会長 ありがとうございました。では次に、総務省から御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

○総務省自治行政局公務員部安全厚生推進室長 総務省安全厚生推進室長の吉武です。よろしくお願いします。総務省からは、地方公務員への対策の実施状況について御説明いたします。資料5を御覧ください。平成28年度における調査研究などとしては、平成221月から平成273月までの地方公務員の公務災害として認定されました脳・心臓疾患、精神疾患の合計190件について、公務災害認定理由書等によりまして、被災者の個人属性や、発症前のおおむね6か月間の時間外労働時間などによるデータベースを構築し、それを基に分析をしているところです。

 次に、地方公共団体に対する助言・情報提供などを通じた周知・啓発です。最初のポツについて、ワークライフバランスの推進の先進的な取組について、広報誌を通じて周知しております。

2つ目のポツです。都道府県市区町村の職員に対して各種の研修を行っております自治大学校では、8回の幹部養成研修課程の全てにおいて、約1,000人の地方公共団体の職員に対して、「女性活躍・働き方改革」として、ワークライフバランスやメンタルヘルス対策などに関して、大学やNPOの有識者の方から講義を頂くこととしております。また、地方公共団体に対して、いわゆる「ゆう活」の実施及びその実施に合わせた時間外勤務の縮減の取組の通知を行いましたほか、地方公共団体が参加する会議においても要請を行ったところです。結果、平成28年度における「ゆう活」の実施団体は、前年度に比べて10団体増加して、43都道府県、16指定市を含めて全体で181団体となっております。なお、この「ゆう活」等については、平成29年度の取組についても、本年328日付けで「ゆう活」を実施した多くの団体、約7割の団体で時間外勤務の縮減に効果があると評価していただいていることなどを含めて、「ゆう活」と時間外勤務の縮減への積極的な取組を通知し、また、先週421日に、全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議を開催した際にも、改めて要請したところです。

 次に、相談体制の整備等です。地方公務員共済組合における事業として、無料の電話によるメンタルヘルス相談や、臨床心理士・カウンセラーの面談によるメンタルヘルス相談を実施しております。平成28年度は、道府県職員分で、電話相談が2,744件、面談を997件行っています。なお、メンタルヘルス対策を担当する職員向けとしては、地方公務員災害補償基金などの事業として、電話やe-メールによるアドバイスを平成28年度で193件実施しております。

2ページは、平成29年度における新規の取組の概要です。平成28年度から引き続き行う事業のほか、調査研究等としては、平成221月から平成273月までに、公務災害として認定されなかった脳・心臓疾患、精神疾患、合計386件について、データベースの構築と、その分析を行うこととしております。

 周知・啓発として、女性地方公務員活躍・働き方改革推進協議会を設置することとしております。これは、地方公共団体と総務省の「女性活躍・働き方改革」の担当者が、各団体が抱えている共通する課題について、具体的・実践的な取組手法を検討し、全国の団体が活用できるマニュアル等を取りまとめることを目的としているものです。特に平成29年度は、全国の各市町村にも参加いただく形での分科会を全国8か所で開催することとしております。また、先進事例集として、先進的な取組や、仕事と家庭を両立しながら活躍するロールモデル職員を紹介する事例集を作成し配布したいと考えております。以上、総務省が行っております平成28年度の実施事業と平成29年度の新規事業の概要です。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは最後に、文部科学省から御説明を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長 文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長の矢野です。どうぞよろしくお願いします。それでは、資料6を御覧いただきながら御説明したいと思います。

 文部科学省が行った平成18年の教員勤務実態調査、あるいはOECDが行った国際教育指導環境調査、こうした各種の調査から、長時間労働の実態が明らかになっております。例えばOECDの調査では1週当たり日本は53.9時間に対して、OECD平均は大体38時間、断トツで日本の教員は長時間勤務をしているとの結果が出ており、教員の業務負担の軽減を図ることが喫緊の課題であると認識しております。他方、日本型教育と言われるように、日本の教員は教科指導、生徒指導、部活指導などの幅広い業務を担い、子供たちの状況を総合的に把握して指導を行うところに特長があります。多くの国では教科指導のみを学校が主体として行うわけですが、こういう日本型教育は非常に世界から評価されている一方、現場に大変な負担を強いる面もあるということで、文部科学省としては、教員の献身的な努力に期待するところはもう限界にきているだろうというのが基本的な認識です。

 資料61ページを御覧ください。学校現場における業務の適正化に関する取組について御説明いたします。昨年4月に、文部科学大臣政務官を座長とするタスクフォースを設置して、教育委員会や有識者等から現場の実態や課題等についてヒアリングを行いました。昨年6月に報告書を取りまとめ、この報告において、教員の長時間労働を改善し、教員の子供と向き合う時間を確保するための改善方策として、1つ目、「教員の担うべき業務に専念できる環境を整備する」ことを掲げております。中身については書いてあるとおり、例えば、教員の行う業務の明確化や、給食費徴収管理業務からの解放といった中身を挙げております。2番目として、「部活動の負担を大胆に軽減する」ことを掲げております。3つ目として、「長時間労働という働き方を改善する」ことを掲げております。4つ目として、「国・教育委員会の支援体制を強化する」ことを掲げており、大きく4つの柱に分けた観点で取りまとめております。

2ページを御覧ください。更にこの具体的なアクションとして、今、述べた報告書に盛り込まれている取組について、特に平成29年に重点的に取り組んでいく内容について、本年1月に文部科学大臣のメッセージとして発信しております。このうち1点目の、「教員の働き方を改革し、教員の担うべき業務に専念できる環境整備を目指す」中にあるように、学校現場における業務改善加速プロジェクトを平成29年度から始動することとしております。

3ページに、具体的に詳細な内容を書いております。全国で20か所程度の重点モデル地域を指定して、学校現場の業務改善に関する実践研究を行うこととしております。これらの地域において、様々な業務改善の取組を実施いただき、外部の専門家による分析や助言も仰ぎながら、勤務状況の改善成果を分析し、教職員の勤務実態に関するエビデンスを蓄積することとしております。本事業で得られた知見を、様々な教育委員会の研修の場等で改善の取組として活用していただくと考えているところです。以上が、学校現場における業務改善に関する一連の取組です。

4ページをお開きください。以前の協議会で御質問もあったようですが、教員の勤務実態調査についてです。教員の勤務実態調査については、これまで、昭和41年度と平成18年度の2回行われておりますが、教育政策に関する実証研究の一環として、今回、平成28年の11月、12月に調査を実施したところです。本調査の実証分析については、平成28年度から平成29年度の2か年で実施する予定です。恐らく、明日になると思いますが、勤務実態調査のうち教員の勤務時間に係る部分の速報値を取りまとめ、公表したいと考えているところです。また、平成18年と昭和41年の調査になかった内容として、例えば、ストレスの強度、労働負荷という点についてもアンケート調査を同時に行い、分析を行っております。その他、例えば、校務支援システム導入の状況とか、校務用PCの整備状況等、ICT環境と労働環境、あるいは、例えば不登校児童生徒、日本語指導の必要な児童生徒、特別支援を必要とする生徒といった教育課題と教員の関係等々を分析したいと考えておりまして、平成29年度中に最終報告を予定しているところです。

5ページです。先ほど厚生労働省からも御紹介がありましたが、本年220日に、国立、公立、私立学校を所管している各団体に宛てた、中学校や高等学校等への講師派遣支援事業に関する通知文となります。労働問題や労働条件の改善等についての理解を深めるという観点から、学校の授業において、専門家や遺族の方々などをお呼びする場合、厚生労働省の過労死等防止対策等労働条件に係る啓発事業の活用を図っていただくことについて、このように周知を行っているところです。

10ページです。こちらは、本年424日に、国公私立学校を所管している各団体宛てに発出した、労働法に関する教育等のための教員用冊子に関する通知文となります。この冊子は、文部科学省が協力して厚生労働省において作成されたものです。例えば、過労死の事業を含めたモデル事業が掲載されており、雇用と労働をめぐる問題の理解を深めたり、キャリア教育の一環としての、生徒の職業意識を高める指導をする際の参考にするなど、活用を図っていただくことを想定しているところです。これらの学校現場における労働教育の取組については、引き続き、厚生労働省と連携してまいりたいと考えているところです。文部科学省の過労死等の防止に資する取組については、以上となります。

○岩村会長 ただいま、厚生労働省を含む各府省から御説明を頂きました。これについて御質問、御意見を頂きます。議事の整理上次のように進行させていただきます。最初に、各府省から御説明を頂きました実施状況や、取組方針についての御質問や御意見がありましたらお出しいただきます。その後第2段ということで、働き方改革実行計画についての御質問や御意見がありましたらお出しいただきます。つまり、2段階に分けて進行させていただきます。時間的な制約もありますので、御発言いただく際に各委員はポイントを絞ってお願いいたします。質問を頂いた事項については、事務局のほうからまとめて回答を頂きます。それでは、今申し上げた順序に従い、1番目として、各省の実施状況について御質問や御意見がありましたらお願いいたします。寺西委員、西垣委員、森岡委員の順にお願いいたします。

○寺西委員 全国家族の会の寺西です。私からは、今、御報告を頂いたことについて感謝の気持ちを述べさせていただきます。2016年度に初めて遺児交流会、そして大学、中学、高校へのワークルールを実施させていただきました。中学生、高校1年生という、職場という立場からは遠い方々が、過労死問題や専門の先生からのワークルールの内容をお聞きいただくことによって親の働き方、また周りの人たちの労働について関心を高く持っていただいたということが多々ありました。今回、文部科学省からの御報告もありましたとおり、厚生労働省と連携していただいて、更に今年度広がる形で実施していただくということは、私どもにとって大変裾野が広がるということで喜んでいます。

 もう一点は遺児交流会についてです。これも昨年度初めて実施していただきました。参加した子どもはほとんど全員と言っていいほど、お父さんを亡くされた遺児でした。そういう意味で、野外イベントであるとか、母親だけではアウトドアの体験はさせてあげられないことで、今回実施していただいて、東北から九州に至るまで、本当にたくさんの親子さんに参加していただきました。1日中子どもさんたちが大喜びした状態を見て、日頃のお母さんの苦労がやわらいだということを実感しました。厚生労働省の過労死等防止対策推進室の皆様におかれましては本当に御足労をおかけいたしますが、新たな事業を無事に進めることにより、家族の会は大変喜んでいる、という感謝の気持ちをお伝えしたくて、御意見として差し上げました。ありがとうございました。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは西垣委員どうぞ。

○西垣委員 感謝の気持ち、そして要望ないし意見、質問を含めて6点お話をさせていただきます。1番目は資料17ページにある、新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底についてです。これは大綱作成時に、長時間労働を削減しようという話が出たときに、実労働時間が把握されていないのに、どのようにして長時間労働を減らすのだと。実労働時間をまず把握することが前提ではないかという意見を出させていただきました。今回、平成13年の46通達を更に進めて、必要な学習時間も労働時間と定めるという新ガイドラインを定めていただきましたことを評価し、感謝いたします。そして、その指導の徹底に期待いたします。

 そこで、ガイドラインとはどのぐらいの強制力があるのかをお聞きします。実は働き方改革においても、一番の根底になる問題ではないかと思われます、労基法第109条に、「その他労働関係に関する重要な書類」に当たると書かれているようです。私の希望としては、できればはっきりと労基法にこの件を明記して、強制力を強化する方向を検討していただけないかと思っております。それに関する働き方改革については、また後に述べさせていただきます。

2番目は、資料18ページないし21ページに関してです。長時間労働が行われている事業場に対する監督指導の徹底と、企業名公表制度の創設・強化に関してです。平成284月から、月残業100時間超から80時間超に監督対象を拡大してくださったことを評価いたします。企業名公表に関しても、平成291月から過労死事案を追加し、同じように違法な長時間労働を月残業100時間超から80時間超に要件を拡大してくださったことも評価いたします。

 違法な時間外労働を行っている事業場がたくさんあり、マスコミにおいても報道されており、兵庫においても1面トップで報道されました。これらの改善が緊急の課題だと思われます。そして、この80時間超の指導というのは、労災認定基準ないしは大綱に喫緊の課題として、過労死をゼロにするために、平成32年までに、週60時間以上の雇用者の割合を5%以下にする。これは、参考資料127ページに記載されておりますが、これから実行されている大切な観点だと思います。これが、働き方改革で、単月100時間未満という数字が出たことによって引っ張られはしないかという懸念があります。働き方改革の所で答えていただいても結構です。

3番目は資料112ページにおいて、労災事案の分析で、特に2番の不支給事案の解析についてです。この不支給事案についても解析をしていただきたいとお願いいたしましたが、平成29年は業種横断的な解析を行うと書かれております。希望としては、特にみなし労働時間制との関わり、又は実労働時間が把握されていないこととの関わりに関して解析をしていただきたいという要望を出させていただきます。

4番目は、資料118ページないし資料6の過労死防止等労働条件に対する啓発事業に関してです。これは厚生労働省が熱心にお計らいくださり、そして文部科学省の御協力により、今年度から啓発事業が全国の学校へ周知徹底されたこと並びに今回の協議会に文部科学省が御出席の上、過労死防止に対する書面を提出してくださったことに感謝いたします。

 さらに欲を出せば、地元の弁護士さんが深く要望されておられますが、実施校を大幅に増やしていくためには、可能であれば来年は2月に学校に周知し、3月から、例えば講師が仮予約を受け付ける等の御検討を頂けないかと思います。なぜなら、学校は2月、3月に情報収集し、4月には1年間の予定を決めてしまいます。途中から入るのは大変難しいです。3年目になって、予算の関係があるかと思いますが、是非御検討を頂きたいと思います。

5番目は、資料112ページと25ページに関してです。情報通信技術者の労働条件を向上させる取組についてです。検討委員会によるヒアリングを、SEの息子を亡くした私と、息子の同僚である木谷さんに対して実施してくださったことを感謝いたします。息子が亡くなった労働実態を聞いていただきましたが、委員長からこんな話は聞いたことがない、これは対策を立てねばいけないと思うという感想を頂きました。息子の二の舞になる若者を出さないような取組を進めていただきたい。できれば、今年度は実態調査が行われるということですが、再度検討会への参加が可能であれば希望いたします。また、アンケートの参考になる資料もありますので、よろしく御検討ください。

 そして商慣行の問題に関しては、仕様変更が大幅に入る場合に、納期をどうするかというのが、業界の大きな問題ではないかと思います。平成27年度の社会面調査によれば、1か月の残業時間が最も長い正社員は、月80時間超のものが全体で22%の中で、情報通信業はトップの44.4%となっており、過労死事件もたくさん起きています。是非有効な対策につながるようにお願いいたします。

6番目は、資料112ページないし資料67の学校現場における業務の適正化に向けて意見を述べさせていただきます。元教師でもありましたので、その立場からお願いいたします。給特法による4%の調整手当というのは、1か月数時間の残業代にしかすぎません。ところが、実際には時間外数十時間の長時間労働が行われております。そして、心の病気で年間5,000人が休職し、100人が自死していると言われる過酷な職場であります。今、提示してくださっている業務の明確化と、業務の効率化というのは大変大切なことだと思います。

 私は、初めて教師になって2年目で教員の旅費計算を担当いたしました。事務職がいなかった頃です。さすがに事務職が入ってくださいましたが、私たち教師は日々統計、集計、報告に追われております。願わくば授業の準備と、生徒への取組に時間を費やしたいと願いますが、ほとんど叶わず、家に持ち帰って残業となっております。

 さらに部活動の負担を大幅に減らすことも大切だと思います。ただ、仮称部活動指導員を検討してくださるとのことですが、生徒の安全確保の件をよく考えないと、引率責任が誰にあるのかという問題が、保護者の不安につながらないか、そこを検討しておく必要があると思います。以上よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございました。森岡委員どうぞ。

○森岡委員 簡単に要望的な意見を申し上げます。厚生労働省の実施状況の2ページに大きな表があります。先ほどの説明にも一部ありましたが、パートタイム労働者が増えて平均労働時間は減少しているが、「毎月勤労統計調査」で、一般労働者だけを見るとほとんど変わっていないと言われました。ところが、「労働力調査」には、私の不勉強かもしれませんが、一般労働者に該当するフルタイム労働者の労働時間が、平均も区分も明確には示されていません。OECD等の国際労働比較でも、日本の数値が欠落していて、同じ基準でフルタイム労働者の比較ができないという問題があります。

 それほど難しい作業ではないと思います。週40時間以上ないしは35時間以上のフルタイム労働者について、平均労働時間が何時間で、どう推移してきているか。たとえば週40時間以上の労働者に占める60時間以上の割合とその推移がどうなっているかを示す。そうすれば、多少どころかかなり違った労働時間の現状が浮かび上がってくる。全雇用者を分母に週60時間以上の割合を5%以下にするという目標がありますが、非正規労働者が増えていくだけでも、平均労働時間も週60時間以上の割合も下がっていくわけですから、フルタイム労働者を分母に平均労働時間と60以上の割合を示す必要があります。この点の統計的な検討を、総務省と連携してしていただくようお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございました。川人委員どうぞ。

○川人委員 文部科学省と総務省の方にお伺いします。地方公務員災害補償基金の判断で、教員の公務上災害の認定が下りた場合に、その事実はどのような形で過労死予防のために生かされているのか、その現状についてお伺いします。

○岩村会長 いかがでしょうか。

○総務省自治行政局公務員部安全厚生推進室長 地方公務員災害補償基金で、公務災害が認定された事案については、まず統計としては地方公務員災害補償基金が、主な公務災害の事案ということで、冊子にして公表又はホームページに掲載して、多くの地方団体にも御覧いただいています。また、一義的には、その結果というのは当該団体の人事委員会とか首長が御存じになるわけですので、そこで適切な対応に生かされるということが行われていると認識しております。

○岩村会長 文部科学省からもお願いいたします。

○文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長 地方公務員災害補償基金に公務災害として申請され、認定された事案については、現在は総務省において平成28年度にデータベースを構築し、それを基に分析中であると聞いております。それらの結果も踏まえながら、私どもとしても検討・対応してまいりたいと考えております。

○川人委員 例えば、本日公務上災害の認定が出たという場合は、地方公務員災害補償基金から文部科学省のほうには何らかの形で報告・通告があるのでしょうか、ないのでしょうか、今は分からないのだったら分からないということで。

○文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長 ありません。

○岩村会長 よろしいでしょうか。

○川人委員 はい。

○岩村会長 ありがとうございました。中村委員どうぞ。

○中村委員 自治労の中村です。総務省、文部科学省からの報告がありましたけれども、地方公務員又は学校の教職員の長時間労働について申し上げます。長時間労働を是正するためには、時間管理が非常に必要になってくると感じています。しかし、地方公務員や教職員は時間管理が非常にずさんなものがあり、先日の、YAHOO!ニュースでは、教員の出退勤に関しては9割が把握されていないとありました。労務管理なき長時間労働が続いているというように、マスコミにも出ている状況です。時間管理の大切さについて、ガイドラインを発出していただいているのは分かっているのですけれども、もっと適正な時間管理を行うように、総務省なり文部科学省なりの取組を強化していただきたいと思います。

 先日発表された、2015年連合総研の調査から換算した結果、教職員がどれぐらい長時間労働をしているか分かったのですけれども、過労死基準を超えて超過勤務をしている教員のパーセンテージですが、小学校が55.1%、中学校が79.8%、高校が46.4%です。中学校に至っては約8割の教員が過労死ラインを超えて働いている現状があります。このような現状の中で、是非、時間管理の取組を強化していただきたいと思います。

 また、文部科学省が学校現場における業務改善に関する実践研究を行うということですけれども、この部分は相当前から取り組んでいると聞いております。長時間労働の解消には効果がないというふうに実証されているのではないかと思われますので、もう少し実効性のある取組を是非お願いしたいと思います。過労死ラインを上回って働いている教職員が多数いるということを理解していただき、実効ある対策をお願いします。

○岩村会長 御意見として伺うということでよろしいでしょうか。

○中村委員 はい。

○岩村会長 ありがとうございました。岩城委員どうぞ。

○岩城委員 私は、過労死弁護団の一員として、また過労死等防止対策推進全国センターの事務局長をしている関係で、厚生労働省における過労死防止対策のうち、教育を通じた啓発と、啓発シンポジウムについて発言します。先にシンポジウムの件ですが、資料130ページにあるとおり、平成28年度は42都道府県43会場、東京では東京会場と別に中央会場が行われていますので、43会場になります。国主催で啓発シンポジウムが行われました。前年度は29都道府県29会場であったので、14会場も増えたことになります。

 参加者は4,802人で、前年度3,075人の約1.6倍となっております。人数が増えたのは、例えば東京の中央会場では308人から448人、大阪では188人から486人、兵庫でも211人から360人と大幅に増えています。島根は、今回は松江ではなくて浜田という小さな都市で開催したのですけれども152人という大盛況でした。内容的にも弁護士や産業医のお話のほか、今回目立ったのは、労働局から指導を受けて、労働時間管理を徹底した結果、時間外労働削減につながったといった話が、例えば兵庫とか大分などから行われて、大変関心を引きました。また、過労死遺族の体験談も、参加者の心を打つものでした。

 今年度は5つの県で、過労死を扱った「エンマの願い」という落語が上演されるなど、内容的にも非常に工夫がされたり、広がりを持ったものになっていると思います。参加者の属性という点では、今年度は企業の人事や労務担当者の参加が大幅に増えたという印象を持ちました。その要因としては、国主催ということに加え、労働局関係者が個別の企業に声をかけていただいたというところで大きく増えているということです。現場の準備に関わる私どもの率直な感覚としては、地元の労働局が積極的に動いていただけるかどうかで、随分動員力が変わってくるかと思います。

 特に、地元の労働局での取組の報告を詳しくしていただけると、参加者の関心に大きく応えられると思います。未開催であった残り5つの県である沖縄、鹿児島、高知、香川、福島でも、昨年度自主開催にこぎつけることができ、その結果今年度からは全47都道府県で国主催のシンポジウムが行える見通しとなりました。各地の労働局、経営者団体、労働者団体の皆様の御協力をお願いいたします。

 大学、高校等における労働条件に関する啓発としての啓発授業については資料118ページにあるように、平成28年度は59校で、87回の講義を行い、6,450人もの生徒たちが聞いてくれました。87回の内訳は、高校が38回、大学が24回、中学が22回、専門学校が3回となっております。私自身も4回ほど講師として授業をさせていただきました。昨年度は初めてだったこともあり、実質的に10月以降の取組となったにもかかわらず、大きな広がりがあったと思います。

 京都のある高校では生徒から、もし仕事をしていて過重労働するように言われたらどうしたらよいか、過労死が起こりそうな現場をどのように見定めたらよいか、家族が過重労働をしている場合どうすればよいかという質問が相次ぐなど、自分が働く場合のこと、自分の家族を思っての質問など、生徒たちが自分の問題として考えてくれていることがよく分かりました。この啓発授業の課題については、まだまだ体験を話せる遺族が少ない、それから高校、大学、中学などの段階に応じたテキストがまだ整備されていないといった課題があります。また、特に公立高校については、教育委員会の協力が不可欠ですが、今回周知依頼を発出していただいたということで、大変有り難く思います。高校生も大学生も、数年後には社会の第一線で働くことになります。現在の新入社員は、最初から即戦力になるよう、過重労働を余儀なくされる例も多くあり、若者の過労死自殺は大きな社会問題となっています。そんな中で、このような高校や大学での出張授業というのは大変意義の大きいものと思います。

 今年度は200回が目標ということですので、厚生労働省と各地の労働局、文部科学省と各地の教育委員会の皆様と協力・連携して頑張っていきたいと思います。

○岩村会長 ありがとうございました。議事の進行上、この点についてはこの辺で打ち切らせていただいて、働き方改革に行きたいと思います。今、八野委員が手を挙げておられますので、八野委員で最後にさせていただきます。

○八野委員 厚生労働省の啓発指導と、あとの働き方改革の労使の合意文書の中でも、長時間労働に依存した企業文化、風土の抜本的な見直し、過労死、過労自殺ゼロの実現を不退転の決意で取り組むことが明記されている点から、労使も含め、厚生労働省の啓発指導などについて意見を言わせていただきます。

 先日ある所で、川人弁護士が「働く者の健康なくしては健全な経営はない」と言われていたことをお伺いしました。啓発指導について、法的には労働基準法、労働契約法、労働安全法と関連する法律が多岐にわたっており、過労死又は過労自殺防止ということでは重要なところだと思います。本日の参考資料4からもわかるように、本年に入ってから通達やガイドラインなど、かなりの物が出ています。これらをもう少し分かりやすくまとめていく必要があるだろうということです。

 やはり、長時間労働を是正する、又は過労死、過労自殺をゼロにするということで見ていくと、企業風土を変革することが非常に重要であります。これは、トップが自らの意思でやっていくものと、企業の労使の中で話し合いながらやっていくものと様々なものがあり、マネジメント層の教育も必要で、多岐にわたる取組をしていかなくてはいけないと思います。企業は社会の公器であり、組織としての社会的責任を果たすということで、企業のCSRについて、労働や人権ということもしっかりと含めていかなくてはいけないと思います。

 労働時間の量的な側面と、働き方の質的な側面の改善の両方をやっていかなければ、この問題は解決できないと思います。また現状を見ると、特にここ近年、生産年齢人口の減少に伴って、人手不足の問題がかなり出てきていて、なかなか採用したい人数が集まらないという実態がある。それだけ既存の労働者、又は従業員に負担がかかる可能性が非常に高いことが懸念されます。非常に重層的な問題になっておりますので、今後のセミナー、啓発指導又は企業労使の取組としても、もう一段進めたものが必要なのではないかということを意見として述べさせていただきます。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、事務局のほうから回答をお願いいたします。

○総務課長 労働基準局総務課長の村山です。御質問を頂きました諸点について、厚生労働省関係の内容に関して一括してお答え申し上げます。最初は西垣委員からの1点目の、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインの強制力についてです。ただいま八野委員にもお取り上げいただきました参考資料4で、このガイドライン本体をお配りしております。

 通達部分の4ページ目の2において、全国の労働局長に対する指示内容として、「ガイドライン遵守のための指導等」という内容が入っています。これが、使用者との関係において、監督行政としてどのように使うべきか指示している内容です。

(1)監督指導においてガイドラインの遵守状況について点検確認を行い、使用者がガイドラインに定める措置を講じていない場合には、所要の指導を行うこと。

(2)自己申告制の不適正な運用等により、労働時間の適正な把握が行われていないと認められる事業場に対しては、適切な監督指導を実施すること。また、使用者がガイドラインを遵守しておらず、労働基準法第32条違反又は第37条違反が認められ、かつ重大悪質な事案については司法処分を含め、厳正に対処すること。

 したがって、西垣委員から御提起がありましたように、このガイドラインの内容が遵守されていないからということで、直ちに罰則の適用はないという意味では、御指摘に至らない点もあるわけです。一方では、先ほど正に委員からの御指摘にもありましたように、適法な形での時間外労働や、割増賃金の支払いの基礎になるのは適正な把握です。そうした意味において、第32条違反、第37条違反の重要な端緒として、このガイドラインを監督指導の現場で使っているということについては御理解を頂きたいと思います。制度論については後のほうでというお話もありましたので、後ほどまた御指摘を頂ければと考えます。

2点目は監督指導の徹底の中で、月100時間とか80時間という要件を設けることによって、例えば36協定における特別延長時間が、60時間の事業場は全数監督の対象とならないから、「80時間まで残業させてもいいや」ということで、引っ張られてしまうということはないのかという御指摘です。これは、特に重点的に監督指導している内容については、資料で書いている通りですが、一般に、例えば特別条項付きの36協定が監督署に提出された場合には、それは窓口における指導等で、できるだけ特別条項を使わないでいただけませんか、あるいは使うにしてもできるだけ短い時間で協定を締結していただけませんか、というような丁寧な指導を心掛けているところです。ご指摘のような御懸念に至らないように、今後とも監督指導を徹底していきたいと思います。

 併せて制度論として、今回の労使合意、更に政労使提案、そして実行計画の文脈の中で、80時間以下とか100時間未満という要件が入ったことについては後ほどの議題とも絡むのでというお話でしたので、その際に御指摘を頂ければと思います。

3点目は、労災認定の不支給事案の解析をしっかりやるようにということでした。特に、労働時間制度、取り分けみなし労働時間制との関わりです。必ずしも労災の調査復命書のみから、全ての適用された労働時間制度が正確に分かるわけではないという部分はありますけれども、その上で個々の復命書から浮かび上がっている実態に関しては、実際に調査研究に取り組んでいただいている先生方に、問題意識を持って分析いただいているところです。まずは支給されている事案に関しては、現在、5年間分について平成28年度にデータベース化したものの分析を取りまとめ中です。その結果公表する段階には丁寧に説明させていただきます。不支給事案に関しても御指摘があったということについては、しっかりお伝えしてまいりたいと考えております。

4点目は、過労死等防止の啓発事業の関係です。前年度のうちから準備はできないのかというお話がありました。西垣委員からの御発言にもありましたように、予算の成立を待たないと、この事業をスタートするのが難しいという制約があります。一方では、文部科学省の先ほどの御説明にありましたように御協力を頂きながら進めております。平成29年度は2年度目に入り、繰り返し受け入れていただく学校では、理解のある先生の下、授業計画との関係で何ができるかといったことについて、個々のつながりもでき、その中で工夫もあろうかと思います。これは委託事業の形式でやっているものですから、毎年毎年その予算に基づいて委託先を選定するという手続との兼ね合いはありますけれども、さらに何ができるかというのは宿題にさせていただければ有り難いと思います。

5点目は、情報通信分野での長時間労働対策の中で、西垣委員からも、平成28年度の検討委員会で御説明を頂いたことの御紹介等を頂きました。御協力ありがとうございました。特にその中でお投げかけいただきましたのが、発注者による仕様の変更等が長時間労働の要因として特に重要ではないかという点です。これは検討委員会の議論の中でも、出ている論点です。特に一般的な受託とか、あるいは高度なパッケージソフトの開発のような形態ではなくて、決まったハードウェアに組み込むような、比較的単純なプログラムを製作受注するような事業場で、長時間労働の実態が取り分け著しく、そしてその背景にあるのが、頻繁な仕様変更など、発注者との関係であるというところが、資料125ページの2番に書いてある個別訪問や、アンケート調査を通じた実態調査からも浮かび上がりつつあるところです。そうした点をきちんとまとめた上で、平成29年度の事業としては、取引関係に関する調査にもつなげていきたいと思います。その上で、この事業については、事業者団体に委託して検討等を進めていただいているので、本日の再度のプレゼンのご要望については少し宿題にさせていただければと考えております。

 森岡先生から頂きましたデータの関係です。資料11ページの事業主を通じた毎月勤労統計調査は、一般労働者とパートタイム労働者について分けて集計しており、鮮明な傾向が出ているけれども、2ページ目の労働力調査の分析では、白書等でも分析の踏み込みが足りないのではないかという点です。そもそも労働力調査では呼称ベースの形態分類になりますけれども、いわゆる正社員的な働き方の方と、パートやアルバイト的な方に分けて、それぞれ比率を見るのか、あるいは労働力調査は、週の労働時間で階層化しています。週の労働時間が何時間か、その一定以上の中で何パーセントになるのかといったやり方も考えられます。この点については、統計や経済分析の専門の先生方の御意見も伺いながら、どのような形でまとめていくのがいいのか考えていきたいと思います。いずれにしても労働力調査についても、何らかの踏み込んだ分析について検討してまいりたいと思います。

 併せて1点だけ申し上げておきます。2ページ目にありますように、先ほど佐藤企画官から御説明申し上げたように、足元で8.2%から7.7%へ0.5%ポイント減っていると。そのパーセントだけではなくて、実際に週の労働時間が60時間以上働いている方の実数も450万人から429万人に減っている。その点については重ねて申し上げておきます。

 岩城先生からありましたシンポジウムの関係です。平成28年度のシンポジウムの参加者の実績、それから参加者に対して行ったアンケート調査の実績などを見ても、主催していただいている民間団体の方々から工夫も頂いて、とても好評であったと受け止めております。大変感謝申し上げております。併せて行政の積極的な参与も、というお話を頂きました。これに関しては主催されている団体とのいろいろな話合いの中で、地域の実情に応じながら、労働局の幹部が挨拶をさせていただいたり、あるいは先ほどお話があったように、関係の行政説明をさせていただいたりしております。過去2年間の積み重ねの中で、いろいろなつながりもできていると思います。そういうものもしっかり踏まえながら、今後、より国民、労使の方の啓発につながるような取組につなげていければと考えております。

 併せて、この場をお借りして御礼ですが労使、取り分け使用者、労務管理の方々等がたくさん御参画いただいているのは、私どもからも中央の各労使団体に、「こういう月間行事があるので御協力を」という形でお願いして、各労使団体の事務局の皆様のほうが、全国の関係団体にも周知をしていただいていることの成果でもあると思っております。この協議会の成果でもあると思いますので、引き続きそうした対応に連携して努めていきたいと考えております。

 最後に、これは御質問への回答ではありませんが、本日は寺西委員や西垣委員から、これまでの取組への感謝の言葉を賜りました。本日は関わっている職員も多数後ろで傍聴しておりますけれども、このお言葉を胸に刻み、重く受け止めて、これからも対策の推進に精励してまいりたいと考えております。雑駁ではありますが取りあえずお答えとさせていただきます。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、進行でいきますと第2段の働き方改革実行計画について、御質問あるいは御意見がありましたらお出しいただきたいと思います。

○中原委員 東京過労死を考える家族の会の中原です。本年47日、20代勤務医の時間外労働ということで、厚生労働省が初の大規模調査を塩崎厚生労働大臣に報告するというニュースが配信されました。20代の勤務医は週平均55時間勤務し、これに当直や緊急時に備えた待機が12時間以上加わるとすると、実際に勤務医の時間外労働は110時間以上なのでしょうか。この医師の時間外労働の実態が分かりません。私の夫は東京高裁での判決文の中で、時間外労働が83時間と記載されているのですが、何をもって83時間なのかが、いまだに私は理解できていません。こういった勤務医の時間外労働がどれほどだったのか、不明確な状態を突き付けられているような思いです。今回の大規模調査のように、当直労働時間を加えると時間外労働がどれほどなのか、国民に分かるような時間を提示していただきたいのです。

 実際に平成2494日にも、労働政策研究・研修機構でも勤務医の実態が報告されています。5年前ですよね。勤務医の4割が週60時間以上の労働であるとか、医師不足を7割弱が認識しているとか、約半数が年休取得日数が3日以下であるといった過酷な状況が、5年前にもう報告されているにもかかわらず、今回も医師の労働に関しては、また5年猶予ということです。これが10年放置されるということは、私は納得できないと思っております。これから医師の働き方の有識者検討会なども行われると思います。その中では日本医師会や全国医学部長病院長会議の団体の参加もあるでしょう。是非、労働者側の団体や臨床の現場で働く医師ユニオンや全国医師連盟といった、発言ができる人材や組織も会議に参加できる仕組みを作ってください。

 また、残業時間規制の適用外の中で特に全産業中、運送業の過労死が突出していると思います。ドライバーの過労、長時間労働の末の巻き込み事故や自爆・自損事故は跡を絶ちません。海外の交通事故の多くの原因は居眠り運転ということで報告されているのですが、日本ではほとんどが居眠り運転ではなく、脇見運転とされています。全てが脇見運転と処理されるのではなく、もっと実態を反映した原因追求が必要だと思います。

 また、研究開発においては適用除外の更に除外とされていますが、昨年1年間だけで、私の下に3件の自殺の相談が寄せられました。通信会社の研究員、脳科学者、医療機器開発研究者などの方々です。なぜ、こういった過労死の多い職種を適用除外にするのか、理解に苦しみます。日本をリードする研究開発医療者、日本の経済を支える労働者の働き方の現状を放置することはできないと思います。過労死ゼロの観点と、その目標に沿うような取組方を強く希望するものです。

○山崎委員 働き方改革への率直な感想です。先ほど西垣委員からも指摘されたように、私も「『過労死等ゼロ』緊急対策」の中に盛り込まれている、あるいは大綱の議論の中で私たちも真剣に追求したのが、労働時間の客観的にして適正な把握というのが、いかに長時間労働規制をしていく上で前提になるかということを、しっかりと踏まえた大綱をまとめているわけです。そういう点からすると「『過労死等ゼロ』緊急対策」に関しては、大変その決意が伝わっており、私も同様に「伝わっていますよ。頑張りましょう」というメッセージを厚労省に送りたいと思っております。特に基発であれだけ徹底して細かい指示を出しておられるというのは、大変感動しました。

 しかし、それとの関係で言うと長時間労働の是正というところでは、実際には何ページにもわたる記述の中で実は僅か11か所、「勤務時間の適切な管理を更に徹底する」という一言だけしか書いてなくて、これに対する決意がほとんど感じられないものなのです。だから上限規制の導入の前提に実態の把握、あるいは客観的にして適正な時間管理をしていく上で、現実問題としてはそこにパワハラなどが働いて、結局嘘の報告をさせる、あるいは改ざんするということが行われているわけですよね。そういう意味で私は、そこにおける手続上客観的で適正な把握が行われていない場合に、どのような方向で是正指導を行っていくかということに関する記述も、本来、若干入れておくべきだったろうと思っております。

○寺西委員 言いたい意見は重複しておりますので、簡潔に申し上げます。やはり労働時間の適正把握というのは本当に大事です。泣き寝入りされる原因の1つに、まず労働時間が証明できないということがありますので、これは是非進めていただきたいということを、重ねてお願い申し上げます。

 働き方改革ですが、原則として45時間、1360時間ということで、それを超えた違反には罰則を課すとしながらも、また今回も特例を設けて、単月100時間未満となっています。言うまでもなく、皆さん方も同じ認識だと思いますが、こうした過労死ラインを労基法に入れる、法律に明記するということは、私たちが協議会で過労死をゼロにする、ワークライフバランスという方針に反するのではないか、矛盾するのではないかということで、大変危惧しています。こうした抜け道の例外規定を設けることに関して大変懸念をしているところです。

 それと、その中でたとえ月45時間であっても1日の上限、1週間の上限が明記されていないことで濫用されます。やはり1日何時間というのも、併せて明記することが大事かと思います。特に複数月80時間繁忙期100時間未満となりますと、これも濫用するような形で使われると、いつ倒れても不思議ではない、命を脅かされる働き方がまかり通ります。

 働き方改革については今、労政審のほうで協議されていると伺っています。協議会委員の皆さん方の中にも、関係団体の方がいらっしゃいますので、こうした協議会からの意見も労政審に反映していただければ、大変有り難いと思います。1日の上限、1週間の上限の指摘と、こうした意見を今後、私たちが届かない所で私たちの声を生かしていただきたいという要望です。過労死協議会の大綱の目指すところ、かけがえのない命より大切な仕事はないと私たちは思っております。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へというこの協議会の目指す方向に向けて、矛盾のない形で今後も進めていっていただきたいという要望を申し上げたいと思います。

○岩村会長 今、4人のお手が挙がっています。申し訳ないのですが、この4人でこの議題の発言は終わらせていただきたいと思います。前川委員、村上委員、川人委員、森岡委員という順番で、簡潔にお願いいたします。

○前川委員 初めてで、一生懸命資料を読ませていただきました。この資料を読んで思うのは、メンタルヘルスがダメージを受けることを前提に全ての議論が進んでいるというのが、素人としての一番最初の思いでした。そうではなく、私たちは過労死をゼロにするためには、どうしたらいいかということを考えて進んでいけたらいいなと思って活動しておりますので、その点だけ聞いていただければ、うれしいなと思います。

 あと、公務員についてです。私は仙台ということで被災地です。地方公務員の疲弊度がものすごくて、実際に組合などを回っていると、正規職員が辞めた後に非正規の職員が雇用されて、労働のバランスがすごく崩れています。それで正規職員が過労死にまで追い詰められるケースが非常に多く、実際に私の周りでも亡くなっている方が多々いらっしゃいます。そういった事実を考えて、ここを見ると「長時間労働を打破し」と書いてあるのですが、どうやって打破するかが書いてない。ただ「帰れ」と言うだけです。具体的にどうやって仕事を減らすか。長時間労働というのは仕事が多いから起こっているわけで、人数と仕事量とのバランスが悪いからだと思うのです。そこを具体的に、どういう取組でどう減らしていったかというのを、この中の例で見ることができたら、非常に幸いだと存じます。初めてで意欲だけで申し訳ありません。

○村上委員 今回の働き方改革実行計画の中では、過労死防止対策の大綱の見直しに当たって、メンタルヘルス対策などの目標、数値目標の設定が必要ということが書かれております。もうすぐ法施行後3年が経過しますので、是非早期に目標・対策の見直し、大綱の見直しをしていただきたいと思っております。その中ではメンタルヘルスだけでなく、本日も御意見が出ておりますが、いかにして労働時間を管理するか、実労働時間の把握がされていない労働者をどうやって減らしていくかという視点や、本来36協定が締結されなければならない事業所で、未締結の事業所の割合をどうやって減らしていくかということなどがあります。それは民間だけでなく、公務においても本来締結しなければならない職場があると思いますが、そこでもほとんど締結されていないという状況があります。目標設定に当たっては、そういった視点も併せて考えていただきたいと考えております。

○川人委員 今回の適用除外の中に建設業が引き続き入ったということで、大変危惧しております。もともと建設業については、従来からの限度基準告示の適用除外であったわけですが、今回の方向でいけば、少なくとも5年間はこの状況が続きます。取り分け危惧しているのは、オリンピック関連工事との関係です。既にこの間、オリンピック関連工事の過重業務に従事して亡くなった方の相談が来ております。過労死の疑いが非常に強いと、現在分析しております。

 今後、特に首都圏においては2020年に向けて、建設業を中心として相当の業務量が予想されます。そういう一切の限度がないという状況の下では、建設業に従事する人たちに極めて過労死の危険性が想定されます。この問題に関しては是非、発注者たる国や自治体等がこの間の過労死防止法の精神に基づき、たとえ国家的な事業であろうとも、オリンピック事業の過程で過労死が発生しないように、全力を尽くしていただきたいと思います。本来、国民が健康であるためのオリンピックの工事の過程で、労働者が過労死で亡くなるということはあってはならないと考えておりますので、この点を強く強調しておきたいと思います。

○森岡委員 簡単に2点申し上げます。まず、過労死防止以前の話が1点です。今年は労基法公布70年です。後に18時間、週40時間となりましたが、健康、余暇、あるいは家族生活、地域生活への配慮ということで、もともとで言うと18時間、週48時間を超えて働かせてはならないというのが法定労働時間の意味だと思います。そういう意味での労働基準の原点がほとんど感じられない、志の大変低い基準を打ち出したのが今度の「実行計画」ではないかと思います。その点は残念です。

 取り分け過労死防止という点では、幾つかの問題があります。ごくごく簡単に絞って2つ申し上げます。1つ目として、100時間未満というのが時間外労働の上限で示されております。御承知のように、2014年度についても2015年度についても、労災補償状況のデータによると、脳・心臓疾患では全体の認定件数及び死亡事案ともに、約半数は100時間未満で発症しています。とりわけ現行制度の限度時間の適用除外業種を除けば、この点は非常に明確です。100時間未満というのは、むしろ過労死多発時間外労働だ、ということを踏まえて議論をする必要があると思います。

 もう1つは、先ほど村山課長からも御説明がありましたように、36協定の上限時間に近い設定をどう指導するかという問題にも関わりますが、上限いっぱいに設定すると、ある面で現行の36協定の多くは、それこそ限度時間の適用除外業種を除けば、100時間未満どころか80時間以内で上限が設定されています。これが実行計画で、100時間ギリギリまでならゴーだということで法認されることになると、36協定の延長時間の上限がその線まで引き上げられる危険性、あるいはおそれがどうしても否めない。そういう点でもう少し現行の過労死等労災認定状況と36協定の特別条項の時間設定状況を踏まえ、今後に最後の詰めを行っていただきたいと思います。

○岩村会長 では、事務局のほうでお答えいただける部分がありましたら、まとめてお願いいたします。

○総務課長 御意見についてはいずれもしっかりと受け止めて、今後の行政運営に反映していきたいと思います。先ほどの西垣委員の御意見と、今、森岡委員から御意見のあった点に関しては、労使の方々もいらっしゃいますので、もう一度繰り返し申し上げたいと思います。資料28ページを御覧ください。

 時間外労働の上限規制に関して、取り分け特例的な場合における単月の100時間未満の上限要件設定について、お二人の委員から御意見を頂きました。これに関して実行計画では、時間外労働の上限規制となっている3つ目のパラグラフにありますように、他方、労使が上限値までの協定締結を回避する努力が求められる点で合意したことに鑑み、更に可能な限り労働時間の延長を短くするため、新たに労働基準法に指針を定める規定を設けることとし、行政官庁、すなわち労働基準監督署等は当該指針に関し、使用者及び労働組合等に対し、必要な助言・指導を行えるようにすることが、この実行計画でも極めて重要な点であると考えております。これをベースに現在、先ほども御説明差し上げたように、労働政策審議会の労働条件分科会で具体的な指針の内容あるいは必要な助言・指導の在り方等について、正に本日から各論の議論も深められていくところです。

 同分科会の労使取りまとめ委員をはじめとする主要な委員は、この協議会にも参画されておりますので、事務局である我々も含めて、皆様の御意見をしっかりと受け止めながら、この点について、どのような答えが出せるかについて、これからよく労政審の場で議論を深めていきたい、と考えているということを申し上げておきたいと思います。

○岩村会長 それでは、残る議題がもう1つあります。(2)の「平成29年度版過労死等防止対策白書の骨子()について」です。白書については皆様も御承知のとおり、過労死等防止対策推進法第6条に基づき、毎年国会に「我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況に関する報告書を提出しなければならない」と定められています。本日は時間がないのですが、白書の骨子案について事務局から簡潔に御説明を頂いて、その後にちょっとだけ時間を取って、意見あるいは質問を伺いたいと思います。まず説明をよろしくお願いいたします。

○企画官 資料8「平成29年度版過労死等防止対策白書の骨子()」という一枚紙を入れております。ごく簡単な目次のような資料ですが、それぞれの項目の後ろに枠で囲んだ所、例えば第1章の「過労死等の現状」の右の四角の中で資料1P1からP6というのは、今日御説明申し上げた資料の1ページから6ページに関係する部分があるという意味ですので、そのように御覧いただければと思います。

 白書は昨年初めて作りましたが、皆様方の御意見等も踏まえながら作成したという経緯があります。昨年は初めてのものだったことから、過労死等防止対策推進法の制定経緯とか、大綱の策定経緯といったものを第2章、第3章として盛り込みました。本年はそういった制定経緯の部分は落として、その代わり第2章ということで、「調査研究結果から見た過労死の状況」というのを加えた案としております。

の「過労死等事案の分析結果」というのは、先ほど申し上げた労災認定事案と不認定事案の分析結果です。は労働・社会分野の調査分析結果、アンケート調査の中身と平成27年度の調査の再分析ですが、こうした調査研究の結果が出る予定ですので、それを盛り込みたいというのが1つです。第3章第1節の「政府における取組」では、緊急対策や実行計画をトピック的に盛り込みたいということです。以下、調査研究、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援は、中身を改めながら引き続き必要なものを加えていくことで作成したいと考えております。

○岩村会長 ただいまの説明について、御意見あるいは御質問がありましたらお願いします。

○木下委員 使用者側で弁護士活動をしております木下でございます。白書については昨年発行されたものを拝見して、内容が大変充実したものと感じております。今年度発行されるものについては、特に第2章の「調査研究結果からみた過労死等の状況」について着目しております。というのは、企業にとっては他社の失敗事例を学ぶ機会というのが、自社における安全対策、予防対策として重要になります。過労死の情報は、個々にニュースで現れるものはあっても、それを分析した結果に触れる機会はなかなかありません。この過労死の白書の中に調査分析が現れることによって、これが広く各企業に、まだ過労死の問題を経験していない企業に知っていただいて、自社の問題の予防に役立てたいと思っております。

 さらに、特に調査研究の中にあるような取引状況の分析を通じて、現在の我が国における商慣習や取引環境などが、労働者にどんな影響を与えているか、それが過労死防止対策にどんな意味を持つかを改めて知っていく、そういう機会にしたいと思っております。是非、第2章についてはお力を入れた白書にしていただきたいと思います。

○森岡委員 過労死防止という点で、労働時間の実態や調査研究の成果の紹介等がありましたが、それは当然の盛り込むべきことだと思います。ただ、もう少し具体的に現場が見えてくる工夫が必要ではないかと、かねがね思って質問しています。「かとく」の調査なり具体的な指導事例なりを示す。また、11月の各地のシンポジウムで家族の報告がされています。そのうち確定事案については問題・支障がないはずですから、確定事案について報告があったものは、単にそれぞれの地方でどういうシンポジウムがされましたという紹介ではなく、そこで行われた過労死についての訴えなり、職場での夫や子供の働き方についての報告を、白書にも反映させる工夫をしていただきたいと思います。

○岩村会長 今も御意見がありましたので、その点はどのようなやり方があるかというのも、また事務局で御検討いただければと思います。ほかによろしいでしょうか。座長の議事進行がうまくなく、時間を超過してしまいまして大変申し訳ございません。本日はここまでということにさせていただきたいと思いますが、お陰さまで時間を超過するほど活発な御議論を頂き、誠にありがとうございます。最後に、次回の日程です。事務局から説明を頂きたいと思います。

○企画官 次回については11月が過労死等防止啓発月間ですので、その前の10月頃の開催になると思っておりますが、日程については追って調整の上、事務局より御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 それでは、これをもちまして第8回過労死等防止対策推進協議会を閉会させていただきたいと思います。本日はお忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。


(了)

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