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2017年3月15日 第72回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局

○日時

平成29年3月15日 9時30分〜12時00分


○場所

全国都市会館 第1会議室(3階)


○出席者

菊池部会長、佐々木部会長代理、猪熊委員、翁委員、駒村委員、田中委員、野上委員

○議題

(1)平成27年度財政状況について−厚生年金保険−
(2)平成27年度財政状況について−国民年金(基礎年金)−
(3)その他

○議事

○真鍋首席年金数理官 定刻になりましたので、ただいまより第72回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。

 審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、座席図、

 資料1は「平成27年度財政状況−厚生年金保険−」、

 資料2は「平成27年度財政状況−国民年金(基礎年金)−」、

 配付資料は以上です。

 次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、浅野委員、関委員が御欠席とのご連絡をいただいております。また、駒村委員が電車の遅延で少し遅れていらっしゃるととのことです。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

 それでは、以後の進行につきましては菊池部会長にお願いいたします。

○菊池部会長 おはようございます。委員の皆様には年度末の御多忙の折、また、朝早いところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。

 社会保障審議会年金数理部会では、被用者年金制度の安定性及び公平性の確保の観点から、毎年度、財政状況の報告を受けることとなっております。本日は、厚生年金保険、国民年金(基礎年金)の平成27年度財政状況について、報告を聴取いたします。

 カメラのほうはございませんね。

 それでは、説明者の方々はどうぞ、説明者席へお移りいただきたいと存じます。

(厚生労働省年金局 武藤数理課長、同 村田調査室長 説明者席へ移動)

○菊池部会長 本日は、お忙しい中、年金局数理課の武藤課長と調査室の村田室長にお越しいただいております。

 まずは、厚生年金保険の報告を聴取いたしますので、御説明のほどお願いいたします。

○武藤数理課長 数理課長でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 まず、平成27年度の厚生年金保険の財政状況でございますけれども、年金財政の関係につきましては私、武藤から、受給者・被保険者の実績の統計の関係につきましては、隣におります事業管理課調査室長の村田から御説明申し上げます。よろしくお願いいたします。

 なお、平成27年度は御案内のとおりなのですけれども、10月に被用者年金の一元化が行われた年でございます。そういう状況ですけれども、本日の御報告につきましては、基本的に旧厚生年金の範囲での御報告ということになっておりますことを冒頭申し上げておきたいと思います。

 それでは、早速ですけれども、お手元にございます資料1「平成27年度財政状況−厚生年金保険−」をおめくりいただきまして、まず1ページ目でございます。

 平成27年度の財政状況等の概要の「1.収支状況」です。

 平成23年度から平成27年度まで時系列で並んでおりまして、右の方の平成27年度の欄をご覧いただきたいと思います。最初に収入総額でございますけれども、基本的に積立金の運用に関しましては、時価ベースで整理してございますので、ここで括弧つきの時価ベースの数字を見ていただきますと、収入総額が401,560億円、平成27年度につきましては時価運用収入がマイナスでございましたので、収入総額も対前年度でマイナスとなっているところが特徴でございます。

 収入の内訳で主なところを申し上げますと、まず保険料ですが、278,362億円で、前年度と比べまして1兆5,166億円、5.8%の増でございます。この要因といたしましては、被保険者数の増加による影響が大きくて、5.8%のうち2.4%相当。あと、保険料率の毎年度の0.354%の引上げがございまして、それによる寄与が2.0%ぐらいと分析しているところでございます。残りは平均報酬の増加による寄与につきまして、0.4%ぐらいと見ているところでございます。

 次に、国庫負担でございますが、9兆2,264億円ということで、4,574億円の増になっているところでございます。国庫負担の主なところは、基礎年金に関する国庫負担ですので、下の支出の欄にあります基礎年金拠出金の増に伴って国庫負担が増加しているということになります。

 上の収入欄に戻っていただきまして、運用収入ですが、基本的に時価で考えるところとしておりまして、括弧のついた時価ベースで見ていただきますと、マイナス5兆81億円ということで、前年度は時価運用収入が大きかったわけですけれども、それと比べまして192,843億円の減となっているところでございます。

 あと、基礎年金交付金が6,777億円でございます。

 また、その2つ下の段に平成27年度からの新しい収入項目として、厚生年金拠出金収入2兆3,570億円があります。これは被用者年金の一元化によりまして、各実施機関が1・2階積立金や標準報酬などの負担能力に応じて厚生年金勘定に拠出することとなったものでございます。

 逆に、支出の欄にも厚生年金交付金という新しい項目がございまして、これは各実施機関が行う厚生年金の保険給付に要する費用のために交付されるものですが、これらが対をなすものとなります。

 収入欄の下のほうに行っていただきまして、解散厚生年金基金等徴収金の額が4兆6,647億円と例年より大きくなってございます。これは平成26年4月から厚生年金基金制度が見直されたことの影響によるものと考えてございます。

 また、積立金より受入が平成26年度と同様でございますが、平成27年度もございません。これは資金繰りのために積立金から受け入れるものでございますけれども、平成27年度については、保険料収入がふえたことや、先ほど申し上げた解散厚生年金基金等徴収金がふえたことなどを受けたものでございます。

 続きまして、支出の総額でございますが、429,008億円でございまして、3兆3,511億円の増になっているということでございます。このうち給付費が234,398億円でございまして、対前年度で1,362億円の増、基礎年金拠出金が169,495億円でございまして、対前年度で8,205億円の増になっているところでございます。

 ここで給付費と基礎年金拠出金、いずれも増になっておりますが、厚生年金の被保険者数が増加していることから、基礎年金拠出金の増の方が大きくなっているという特徴があります。また、基礎年金拠出金につきましては、これも御案内のとおりですが、被用者年金の一元化におきまして、いわゆる妻積み、つまり基礎年金勘定の積立金が充てられることとなりましたが、その充てる額、約1,300億円を控除してこの数字になるということでございます。なお、妻積みによる基礎年金勘定拠出金の軽減の構造についても御説明したいと思いますけれども、本日の後半で国民年金の資料を御説明する場面がございますが、その際に数値を参照しながら、その点についてはお話しさせていただきたいと思っております。

 さらに、先ほど申し上げました新しい項目である厚生年金交付金は2兆3,830億円となっているところでございます。

 全体をトータルいたしましての収支残は、時価ベースで見ていただきますと、マイナス2兆7,449億円で、前年度に比べまして157,840億円の減になるわけでございます。

 これらの点を踏まえて、年度末の積立金の時価ベースの額がどれだけになっているかを見ていただきますと、1339,311億円となっておりまして、これは前の年に比べまして2兆7,345億円の減となってございます。この数字、先ほどの時価ベースの収支差引残がベースとなっておりますけれども、これに加えて、あと、業務勘定から積立金への繰入というのが収支残のすぐ下にございますけれども、この104億円を足したものとちょうど一致しているということでございまして、これが実質的な収支残と申しますか、積立金の変化をあらわすものになるわけでございます。

 収支状況、最後に積立金の運用利回りですが、時価ベースの数字で、これが一番下の欄にございますマイナス3.63%になっているところでございます。

 収支状況は以上でございます。

○村田調査室長 事業管理課調査室長の村田でございます。よろしくお願いいたします。

 私からは、受給権者・被保険者の実績統計に関して御説明申し上げます。

 まず、2ページをご覧ください。こちらは給付状況に関する資料になります。先ほども御説明がありましたが、平成2710月より、被用者年金制度が一元化されております。ですけれども、ここの給付状況の資料では、厚生年金保険の第1号に係る数値を計上しておりまして、基本的に一元化により新たに厚生年金保険の適用対象となりました国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団の情報は含んでおりません。

 厚生年金の受給権者数でございますが、平成28年3月末の欄、こちらが平成27年度末の数値になりますけれども、この一番上の段をご覧いただきますと、受給権者数は全体で3,5999,000人となっております。前年度と比べまして74万人、2.1%の増加となってございます。このうち老齢相当が1,5684,000人で1.7%の増加、それから通老相当が1,4042,000人で2.8%の増加という状況でございます。

 年金総額につきましては、1つ下の段になりますけれども、受給権者全体で27460億円、前年度と比べ0.7%の増加となってございます。このうち老齢相当が185,463億円で0.4%の増加ということでございます。

 続きまして、3ページでございますが、こちらは減額・繰上げ支給あるいは繰下げ支給の状況でございます。まず、減額・繰上げ支給についてですけれども、平成25年度から、男性の特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が61歳に引き上げられております。これに伴いまして、繰上げ支給ということが選択できるようになってございます。ですので、この統計は平成25年3月末までは旧三共済及び旧農林年金の減額年金のみのデータとなってございますけれども、平成26年3月末以降は、この減額年金に加えまして、繰上げ支給を含めた数値になってございます。

 数字を見ていきますと、平成28年3月末で減額・繰上げ支給の受給権者数は149,000人となってございます。一方、下の段になりますけれども、繰下げ支給の受給権者数は264,000人となっております。

 次に、4ページは、老齢年金受給権者の平均年金月額の推移でございます。男女合計の老齢相当の老齢年金の平均年金月額は、一番上の段にありますように平成28年3月末で9万8,541円となっておりまして、前年度に比べて1.3%の減少となってございます。

 こちらは基礎年金分を含まない厚生年金分だけの額でございますので、この額に老齢基礎年金月額を加算した平均年金月額をご覧いただきますと、3段下の欄になりますけれども、145,305円となっております。こちらが基礎年金分まで含めた平均年金月額でございまして、前年度に比べて0.3%の増加となってございます。

この0.3%の増加の要因についてですけれども、平成27年度には0.9%の年金額の改定がございました。こちらが増加要因となっておりまして、特に基礎年金分が増加しております。

 一方で、増加が0.3%にとどまりましたのは、平成27年度に女性の特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が63歳から64歳に引き上げられたことが主な要因となっております。この影響は、女性の老齢相当の平均年金月額が基礎年金を含まない額で3.4%減と大きく減少しているところにあらわれております。

 それから、人の入れかわりと申しますか、特に高齢層を中心とした比較的年金額の高い方が抜けていく一方で、60代前半の比較的年金額が低い方が入ってくるということで、この入れかえも減少要因となってございます。

 これらの増加方向の要因と減少方向の要因が合わさった結果としまして、平成27年度は0.3%の増加になったということでございます。

 続きまして、5ページは、新規裁定者に関する資料でございます。新規裁定者の年金は、基本的には特別老齢厚生年金ということになりますので、定額部分のない報酬比例部分の年金となってございます。したがいまして、通常の平均額よりも低くなっているわけでございますけれども、数値を見ますと、平成27年度の加入期間が20年以上の新規裁定者の平均年金月額は8万2,578円となってございます。

 6ページから8ページは、老齢相当の老齢年金につきまして、給付状況を詳細に見たものでございます。特に60代前半につきましては、各歳別のデータとなっておりまして、支給開始年齢の引上げの状況が見てとれる形でお示ししております。

 厚生年金の支給開始年齢の引上げは、男性と女性でスケジュールがずれておりますので、男女合計ではなく、男女別の資料をご覧いただきたいのですが、まずは7ページ、男性についての状況でございます。左から2つ、平成24年3月末と平成25年3月末の欄をご覧いただきますと、この2年間は特別支給の定額部分の支給開始年齢が64歳であったということで、63歳と64歳の間の平均年金月額に段差がございます。それから、25年度以降は定額部分の支給開始年齢が引き上がりまして、65歳未満の全ての年齢で特別支給の定額部分がなくなっておりまして、そういった状況が見て取れます。

 また、60歳の欄を横に見ていただきたいのですが、25年3月末と26年3月末の間で受給権者数が大幅に減ってございます。こちらは平成25年度に報酬比例部分の支給開始年齢が61歳に引き上げられたことの影響でございます。

 次に、8ページは、女性についての状況となってございます。先ほど申しましたように、女性の場合は支給開始年齢の引上げが男性より5年遅れのスケジュールとなっております。左の方から見ていきますと、平成23年度、このときは定額部分の支給開始年齢が62歳でしたので、24年3月末の欄の61歳と62歳の間に段差がございます。また、24年度から26年度の3カ年につきましては、定額部分の支給開始年齢が63歳であったということで、62歳と63歳の間に段差がございます。そして、先ほども御説明しましたように、平成27年度には支給開始年齢が64歳に引き上げられたということでございまして、63歳と64歳の間に段差があるという状況でございます。

 9ページは、老齢相当の老齢年金受給権者の年齢構成でございます。平成27年度末は、いわゆる団塊の世代、昭和22年から24年に生まれた方々が66歳から68歳になっているということで、そうしたこともございまして、65歳から70歳のところの構成割合が27.1%と最も大きくなっている状況でございます。

 次に、10ページからは、被保険者の状況でございます。被保険者の統計につきましては、被用者年金の一元化後は、第1号厚生年金被保険者、いわゆるもとからの厚生年金の部分に係る数値を計上しております。

まず、被保険者数ですが、平成28年3月末、27年度末ですけれども、こちらでは3,6864,000人となっておりまして、前年度に比べて878,000人、2.4%の増加となってございます。特に女性の伸びが大きくて、3.3%の増加となってございます。

 被保険者の平均年齢は、男性が44.0歳、女性が41.9歳、男女合計で43.2歳となっております。いずれも前年度に比べて0.2歳上昇したという状況でございます。

 次に、下の囲みの中段ぐらいのところにあるのですけれども、標準報酬額<総報酬ベース>(年度累計)の数値を見ていただきますと、こちらにつきましては1611,726億円となっておりまして、2.7%の増加ということでございます。

 一人当たりの標準報酬額の総報酬ベースの月額ですけれども、こちらは一番下の段でございますが、男性が417,744円、女性が273,645円、男女合計で365,096円となっておりまして、前年度に比べ0.4%の増加となってございます。

11ページからは被保険者の分布でございます。こちらも男性、女性別にご覧いただきたいのですが、まず、12ページの男性につきましては、40歳から45歳未満のところが最も多くなっておりまして14.8%でございます。ここをピークとした山の形になっております。

 一方で、女性の分布でございますが、こちらは13ページでございますけれども、女性の場合はピークになる場所が2カ所ございまして、1つは25歳から30歳未満のところの12.7%、もう一つは40歳から45歳未満のところの13.6%となっておりまして、いわゆるM字カーブの形、山が2つある形となっております。こちらの分布の傾向につきましては、従来と変わりはないということでございます。

14ページは標準報酬月額の分布でございます。左側、男性につきましては、一番多いのが62万円の等級でございまして、こちらが全体の9.3%を占めております。次に多いのが26万円、28万円、30万円あたりのところでございまして、それぞれ6.6%、6.2%、6.4%と6%台となってございます。

 女性につきましては、その隣の欄でございますけれども、22万円のところが最も多く9.7%、その前後のところが8%台ということで、多くなってございます。

○武藤数理課長 続きまして、15ページ、積立金の運用状況についてでございます。

 年度末積立金1339,311億円の構成割合でございますが、預託金が5.7%、市場運用分が92.0%、財投債が2.4%となっているところでございます。

 下の特記事項にございますように、GPIFにおきましては、厚生年金、国民年金を合わせて一体として運用しているところでございまして、これら全体の運用資産の平成27年度末の時価総額及び構成割合につきましては、こちらの特記事項の欄に記載の数字のとおりということでございます。

 続きまして、16ページ、こちらは財政検証における将来見通しとの比較ということでございます。なお、平成26年財政検証自体は被用者年金一元化がありましたので、それを踏まえて足下から共済分も含んだ財政見通しをお示ししているところでございますけれども、本日冒頭申し上げましたように、ここでは平成27年度の旧厚生年金の実績と比較するということで、共済分を含まない数値を掲載してございます。

 また、平成26年財政検証につきましては、幅の広い経済前提を設定して、複数の財政見通しを作成しているところでございますけれども、昨年の当部会での御議論も踏まえまして、今年の資料につきましては、ケースC、E、Gの数値を掲載しているところでございます。ただ、以降の御説明につきましては、一例としてのケースEの数値を参照しながら比較してお話しさせていただきたいと存じます。

 表の一番上の段に、基金代行が除かれているものの実績を掲げてございます。これが、1ページ目でも御説明させていただいた、いわゆる特別会計の実績ということになりますけれども、将来見通しは基金代行分を含んだ形で行われていることになりますので、将来見通しと比較するためにベースをそろえるということで、実績の欄の1つ下に実績推計の欄を設けてございます。例年どおりではございますが、これと将来見通しを比較するということで御説明申し上げたいと思います。

 まず、実績推計の欄ですが、どのようにこの数値を作成するかということについてですが、下の特記事項の欄を見ていただきますと、若干字が小さくなって恐縮ではございますけれども、基礎年金交付金を収入支出の両面から控除するということ。それから、保険料に厚生年金基金に係る免除保険料を加え、給付費には基金代行分を加えるということ。その他幾つか細かい控除をした方が適切な費目を控除するということなど。あと、大きいところといたしましては、積立金に厚生年金基金の最低責任準備金等を加えるということでございまして、これが17兆円。それから、国庫負担繰延べ分3.7兆円を加えるということ。あと、運用収入に基金の分の運用収入を加えるなど、このような補正を行いまして、将来見通しと比較できる数字にしているところでございます。

 上の表に戻っていただきまして、まず保険料収入でございますけれども、平成26年財政検証のケースEの将来見通しの数値は27兆円と見込んでいたところでございますが、この実績推計の数値で申し上げますと、28.2兆円ということで、1兆円以上実績推計の方が多いということになるわけでございます。こちらの差の主な要因といたしましては、被保険者数の増加ということで、具体的には下に書いておりますとおり、見通しでは3,485万人だったものが実績では3,679万人で、増加しているということであります。これを大きな要因として保険料収入に差が生じているという状況でございます。

 また、被用者年金一元化に伴って導入された厚生年金拠出金収入につきましては、将来見通しでは2.3兆円と見込んでいたところですが、実績推計では2.4兆円ということで、同程度となっております。

 一方、運用収入につきましては、将来見通しは2.7兆円と見込んでいたところが、時価ベースの数値でマイナス5.7兆円ということでございます。要因として書いてございますのは、見通しでは1.88%という運用利回りの見込みだったものが、実績ではマイナス3.63%だったということでございます。

 その他のところ、こちらは主として国庫負担でございますけれども、実績推計が9.6兆円、将来見通しでは9.1兆円だったので、これは将来見通しより多くなっているということでございます。

 支出の欄で、まず合計でございますけれども、将来見通し43.4兆円に対して、実績推計は43.7兆円です。これは給付費が将来見通し24.4兆円に対して、実績推計が24.1兆円、また、基礎年金拠出金が将来見通しは16.6兆円に対して、実績推計が17.1兆円という状況になっているところでございます。さらに、被用者年金一元化に伴い導入された厚生年金交付金につきましては、将来見通し2.4兆円に対して実績推計も2.4兆円でございます。

 結果、収支残を見ていただきますと、将来見通しではマイナス2.4兆円と見込んでおりましたが、運用収益がマイナスであったということで、実績推計はマイナス9.2兆円になっており、大半は運用収入の収益の差によるところでございます。

 年度末積立金も財政検証ベースでございますので、基金代行分を含んでいるということでございますが、143.5兆円という見込みだったものが、154.6兆円ということです。これは前年度の運用実績がプラスであったことを受けて、実績推計の方が上回った姿になっているところでございます。

 続きまして、17ページ、被保険者数及び受給者数の将来見通しの比較というところでございます。結果を見てみますと、受給者数は近い数値になっておりまして、被保険者数については実績の方が大きい数値ということでございます。

18ページ、財政指標の比較ということでございますが、まず、こちらのページは年金扶養比率でございます。何人で1人の受給者を支えるかという比率でございますけれども、これは括弧内の受給者ベースの数値で見ていただきたいのですが、平成27年度の欄では、左上にありますように2.48ということでございますが、財政検証の見通しでは、平成27年度は2.4であったということで、実績の方がやや大きくなってございます。これは前のページでも確認したところですけれども、財政検証の見込みと実績との間で被保険者の実績が多いことによるものでございます。

 最後に、19ページ、積立比率です。こちらに関しましては、27年度の*印がついております数値、これは注5にも書いてございますけれども、厚生年金基金の代行部分等を補正した率で見ていただくことが適当かと存じますが、5.2という数値でございまして、これが実績でございます。

 平成26年財政検証における27年度の数値は下の欄でございますが、4.5でございましたので、それを実績が上回っておりますが、前年度の運用のプラスを受けてこのような結果になっているところでございます。

 厚生年金の御説明は以上でございます。

○菊池部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か委員の皆様より御質問等がございましたら、お願いいたします。

 野上委員、お願いします。

○野上委員 ありがとうございます。

 2点ほど質問をさせていただきたいのですけれども、1点目は、運用に関してはプラス・マイナスということで、2年通じて言えばプラスの方が多かったのかなとは見ているのです。ただ、注目を浴びているようなところもございますので、若干質問させていただきたいということでございます。

 まず、年金の積立金は、厚生労働省のほうでお聞きしましたところ、年金積立金運用報告書ということでかなりまとまった資料を出しておられます。ただ、最終の報告が27年9月ということで、我々もまだ27年の分析をしているわけでございますが、こちらのほうもまだ26年の分析にとどまっているということで、今後も続けていかれるのでしょうねというところがまず1点目です。

 もう一つは、27年9月ということですと、まだ4つの年金が一緒になる前の話で、この報告書自体も4つの年金を合体したような形で報告書を出される予定なのかというのが2点目です。

 3つ目が、27年9月というとポートフォリオ見直し前の報告でございまして、直前と言ってもいいのですが、ポートフォリオを見直しますと、当然リスクに関しての分析が充実するものと見ているのです。例えば標準偏差とか、ポートフォリオを組むときは12%余りと設定されていたと思うのですが、その辺の分析も加えてやっていただきたいなという希望がございますので、その点を加えさせていただきます。

 2点目でございますが、27年度はマクロ経済スライドの調整率が適用された年度ということなのですが、御案内のとおり次の年はまた適用ができなくなっている状況で、その辺はどのように要因分析されているのかという点をお聞きしたいと思います。27年はかなり被保険者数が増えておりますので、もしかしたらその辺が平均賃金の動きに影響しているのかなという見方もしているわけですが、その辺についてお教えいただければと思います。

 以上2点でございます。

○宮崎大臣官房参事官 資金運用担当参事官でございますけれども、先生の御質問の前段部分について御回答させていただきます。

 資金運用の状況につきましては、被用者年金一元化後の仕組みで考えますと2通りございまして、1つは従来のGPIF法に基づきまして、GPIFの業績が出た段階で財政への状況なども踏まえて法人評価の中で見るということでございます。それが1つの流れでございます。

 もう一点は、被用者年金一元化後、厚生年金法に基づきまして評価をするということで、これは各所管大臣が、各運用主体の実績状況を評価するというのがまず一段ありまして、その上で全体をまとめたものを評価するということで2段階の仕組みがございます。いずれも例えば27年度の実績であればベースが違うものではございませんので、同じ数字に対しての評価にはなりますけれども、そういう3つがあるということでございます。

 1点目のGPIF法に基づく運用の評価に関しましては、独法の評価時、これは8月に厚生労働大臣の諮問機関であります有識者会議の公開の場で業務概況書と財政状況に関する報告を踏まえて御議論いただいて、最終的にはそれを10月に既にホームページで公表しているところでございます。その中に、財政状況に関する評価等も入れているところでございます。

 あわせまして、厚生年金法に基づく評価のほうでございます。GPIFに関して厚生労働大臣が評価する部分、これは既に昨年末に、先生もおっしゃったようなリスクに関する状況なども当然、前段の独法評価のときもやっているのですけれども、この財政状況に関する評価の部分でも入れて、12月に既にホームページで公表しておりまして、最後、共済もあわせました全体をまとめたものを現在、最終的な調整を行っている状況でございます。

 いずれにしろ、運用に関する評価につきましては、データとしてはやや重複するところがございますけれども、各法律に基づきまして、きちんと引き続きやっていきたいと思っております。

○武藤数理課長 後半のマクロ経済スライドの調整率について、27年度は発動したけれども、28年度は発動せず、その影響をどう分析しているかという点についてでございます。

 まず、27年度の発動の状況を確認しておきますと、ベースとなる名目手取りの賃金変動率というのが2.3%でございまして、2.3%から最終的な改定率に至るまで、特例水準の解消によってマイナス0.5%、27年度まで残っておりましたので、マイナス0.5%し、さらに、マクロ経済スライドによる調整をマイナス0.9%行いまして、残り0.9%のプラス改定がされたところでございます。このあたりの分析についてですけれども、もともと財政検証のときはマクロ経済スライドの調整率をマイナス1.1%と見込んでおりましたが、結果、実績の被保険者数を使ってマイナス0.9%ということになりました。

 これは公的年金被保険者数が増加していることを受けてのものでございまして、調整率は弱くなる一方、支える力が増えているという要因がございます。都合どうかということですけれども、被保険者がふえることによってプラスの要因もありますので、調整率が必ずしも小さくなったから給付の水準調整がおくれたというところだけではないと見ております。

 ちなみに、28年度はベースとなる賃金が低かった年でございますけれども、マクロ経済スライドの調整率につきましては、もともと1.1%と見込んでいたのが、仮に発動されていたとしたら0.7%だったという状況でございましたので、これも被保険者の増加、支える力が増えていると見ているところでございます。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

○野上委員 まず1つ目の運用のほうですが、4つの年金の積立金をまとめた報告は近々出されるということですが、その中で、先ほどお聞きした標準偏差といいますか、ポートフォリオを組むときは12%余りだったと思うのですが、それが実際のマーケットのほうは変動が大きくなっているのか、小さくなっているのか。そのあたりについては御報告されるのかというのが1つの質問でございました。その点について追加といいますか、回答のほうで明らかでなかったので、よろしくお願いします。

 もう一つは、マクロ経済スライドに関しては、28年度は発動できなかったのですが、その原因というか、賃金の伸びが低かった原因については27年度にあったわけで、そのあたりの要因分析について、現在で行っておられる点がありましたら、お教えいただきたいということでございます。

○宮崎大臣官房参事官 1点目、抜けがございまして大変失礼しました。

 リスク管理の状況に関しましては、例えばGPIFは業務概況書の中で詳細にみずからも分析を加えて公表などを行っておりますけれども、3共済を含めてその報告書、今後まとめていくものにつきましては、それぞれ報告事項が法令で定まっておりまして、その中に、リスク管理をどのように行っているかなどに関しては報告事項になっておりますけれども、その標準偏差を見るというところまでは報告事項になっておりませんので、そこまで詳しい内容は入ってこないという形になります。

○武藤数理課長 28年度に発動しなかった要因についてですけれども、これはベースとなる名目手取り賃金変動率というのがありまして、そこからマクロ経済スライド調整をかけていくということですが、名目手取り賃金変動率がマイナス0.2%だったということで、28年度についてはマクロ経済スライドが発動しなかったということでございます。

 なぜ名目手取り賃金変動率がマイナスだったのかということにつきましては、基本的に過去の賃金変動をならすために平成24年度から26年度の3カ年の平均を使って賃金の変動率をつくるということですが、26年度は御案内のとおり消費税が引き上げられた年でございまして、賃金自体は上がったのですけれども、賃金が上がった以上に物価が上がったということで、実質賃金上昇率が26年度はマイナスになってございます。それで3カ年平均をとるという影響が28年度の改定に残って、こういう状況になっているところでございます。

○野上委員 標準偏差は、私の理解ではリスク管理の基本中の基本の数字でございますので、その辺は、もし今の報告にないようであれば、来年以降で結構ですので、ぜひ検討いただきたいという希望をお伝えさせていただきます。

 武藤課長の説明はよくわかりましたので、ありがとうございます。

○菊池部会長 それでは、御意見ということで承りたいと思います。

 いかがでしょうか。田中委員、お願いします。

○田中委員 1つだけ御質問いたします。今回のご報告から、厚生年金の被保険者数とともに標準報酬総額も増加したということで、これは年金財政にとってプラスの効果があったと理解しています。そこで10ページの表を見ると、被保険者数で特に女性が3.3%増加しています。もし分析されているとすれば、その要因についてお伺いしたいと思います。もちろん景気回復ということがあり、それで雇用情勢もよくなっているということは分かるのですが、例えば第3号被保険者の主婦の方が労働市場に入ってきたとか、あるいは景気回復により子育てを終えた女性の雇用が増えていることとかが考えられます。特に、被保険者数の加入期間の分布などの表もありますので、どの層がどう増えて、このような結果がもたらされたのかということが、もし別れば教えていただきたいと思います。

○村田調査室長 女性の被保険者数の伸びが大きかったことでございますけれども、今回、全体的に各年齢層で増加しております。ただ、一番大きく増加しておりますのは、45歳以上50歳未満、その近辺ということで、比較的高齢の方が人数の伸びが多いのですけれども、全体的に雇用環境がよかったということで増えているということではないかと思います。

 もう一つ、厚生年金の未適用事業所を適用していくということも一生懸命やってございまして、その関係もございまして、適用事業所数もかなり増えてございます。そういった面も全体的に被保険者数を押し上げる原因になっているのではないかと推察されます。

 以上です。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

 佐々木部会長代理、お願いします。

○佐々木部会長代理 質問というか感想として1点申し上げたいのですが、19ページで、これは再計算のときもいろいろ御意見申し上げたのですが、賃金上昇と物価上昇ということで、27年度も賃金上昇が0.5で、物価が0.8ということで、実質賃金はマイナスになっているわけですね。足元の見込みでは、どのケースも2829年度あたりからプラスに転換することになっています。

 長期的な見通しでは、一番低いパターンでも1%ぐらいの賃金上昇が続くという見通しなのですが、賃金上昇は財政基盤にとっても、年金にとっても非常に重要なファクターだと思うのです。昨今の状況は非常にグローバル化で賃金の下方圧力が働いているということで、これは欧米などの今の政治状況などもこういうことを反映しているのではないかと思うのですけれども、今後、こういったことを、就業構造も含めて、より注視していく必要があるのかなと考えています。特に賃金の動向です。

 ということで、質問というかコメント、感想がもしおありになるのなら、いただきたいと思います。

 以上です。

○菊池部会長 いかがでしょうか。

○武藤数理課長 今後の賃金がどうなるかということについて、確定的にどうということはなかなか難しいところですので、財政検証におきましては、幅広い8ケースを設定する中で、いろいろなケースを想定しながらやっているところでございます。

 参考までに御紹介しておきたいという話で、これは参考までにお聞きいただければと思いますけれども、非正規雇用者が増加しているので賃金が下がっているのではないかという話とかを時々聞くのですが、最近、ちょっと風向きが変わってきているというのを1個御紹介させていただきます。確かに近年、非正規労働者は増加傾向にあったというところかもしれませんけれども、正規雇用労働者が平成27年に8年ぶりにプラスに転じているという特徴がございまして、非正規雇用労働者の割合もそんなに伸びているわけではないということがございます。

 あと、それぞれ正規、非正規の賃金についてですけれども、ともに上昇しているということなのですが、正規、非正規の格差については、25年から4年連続ぐらいで減少しているということで、だんだん近づいていっているというデータもあります。

 これは一例として御紹介しただけですけれども、こういうデータも注視しながら、今後の賃金上昇についてもしっかり見ていきたいと考えております。

○佐々木部会長代理 よろしくお願いします。

○菊池部会長 では、駒村委員、お願いします。

○駒村委員 2ページのところについて、ちょっと細かいのですけれども、教えてもらいたい。もしかしたら御説明があって聞き漏らしたかもしれませんけれども、給付状況についての数字です。支給額の年金総額と全額停止の年金総額を足すと、上の受給権者の年金総額になるという理解でいいと思うのですが、2つありまして、全額停止の金額がこの数年間でも3,000億円ぐらい減っているということですね。1兆5,000億円から1兆2,000億円ぐらいまでに減っている。その主要因は老齢年金の全額支給停止が減っていると、ここのところを御説明、御解説いただきたいと思います。

 もう一つは、注2の支給額には一部支給停止額が含まれているとなっているのですけれども、これは具体的にどういう制度に関連して、どういう金額、総額幾らなのか。これは変動しているのかどうなのかというのを教えてください。

 確認ですけれども、支給額の中に一部支給停止額が含まれてしまっているということだと、実際に払っている額には乖離があるということですね。この支給額の金額をこれ以降のページで月額一人当たりに計算して示しているという理解でよろしいでしょうか。お願いいたします。

○村田調査室長 まず最初のところですが、支給額と全額停止のところを2つ足すと全体になるかということでございますけれども、それはそのとおりでございます。

 それから、支給の中に一部停止額が入っているということにつきましては、制度上一部停止になった方、例えば遺族年金と老齢年金の両方受給権があるような方は、先に老齢年金をもらって、それから遺族年金について老齢年金の分が支給停止になるといったことがございます。

また、遺族年金で例えば受給権者が何人かおられる場合、お母さんとお子さんたちといったようなときに、お子さんたちの分が全額支給停止になるとか、そういった形でいろいろな支給停止がございます。一部停止のところは、先ほど言ったお子さんの場合は違うのですが、老齢年金と遺族年金の併給という方、あるいは在職老齢の方の場合に、本人の報酬と年金額を合わせた額が一定の金額から一部停止がかかっていくということがございまして、そういったことで一部停止になっているといったことではないかと思います。

 支給額の中に一部停止額がどれぐらいあるかということが分けられるかということでございますけれども、こちらについては統計がとれてございませんで、金額がどれぐらいあるかということは、ここでは把握できておりません。

 後ろの方で平均年金額を出させていただいておりますが、そちらは支給額ベースではなくて年金額ベースですので、受給権として裁定された年金額の平均でございます。ですので、通常、平均年金額と言っているときには、一部停止の分も含み、もともとの裁定額の平均となってございます。

 一方で、前の方にございます財政収支状況で給付費とかがあるかと思いますが、そちらは実際に支払われた額ですので、一部停止になった分は含まないということで、統計の部分と収支状況の部分で一部停止のところの扱いが違うような感じになってございます。

 それから、全額停止が最近減っているということでございますが、こちらは特別老齢厚生年金の受給権者が減っているということの影響もございますし、最近、併給調整の方の人数も減っております。こちらは失権される方は比較的年齢層の高い方がおられるかと思いますけれども、特に旧法の世界ですと、老齢と遺族の受給権が両方あったとしても片方の年金を選択するということで併給調整されている方も多いと思われますので、そういった併給調整の方が減っているというのも一因ではないかと思います。

 定量的な分析は余りデータがないということで、なくて申しわけないのですが、定性的にはそんな感じだと思われます。

○駒村委員 在職老齢年金の停止は、一部支給停止のほうに含まれているということですね。一部支給停止というのは大体ざっとどのくらいの規模なのか、想像すると、かなり幅があるのですけれども、全然わからないのでしょうか。

○村田調査室長 在職の停止でございますが、全額停止になってしまいますと下の全額停止の欄に行きますし、一部分だけ停止になりますと支給の欄になりますので、両方に分かれた形になります。どれぐらいあるかという数字は今持ち合わせがございませんので、そこはちょっと御勘弁いただきたいと思います。

○菊池部会長 手元にないけれども、後日回答は可能という意味合いでしょうか。

○村田調査室長 どこまで出せるかを含めて検討させていただきまして、ございましたら、御提供いたしたいと思います。

○駒村委員 在職老齢年金が含まれているということになれば、今度、いろいろ政策を見直すときにもどういうインパクトがあるのかという情報にもなると思うのです。もちろん支給開始年齢をこれ以上動かすというのは、現時点では制度の中には入っていませんけれども、今後の議論の中にも在職老齢年金をどうするかということは出てくるかもしれませんので、一部支給停止、全額支給停止、合わせてどのくらいの構成になっているのかを教えていただければなと思います。ありがとうございます。場合によっては何らかの解説があった方がいいのかなと思います。

○菊池部会長 低在老はなくなるけれども、特に高在老との関係でということですね。では、御検討のほどお願いいたします。

 翁委員、お願いします。

○翁委員 今のこととも関連するのですけれども、支給年齢引上げとの関係で12ページや13ページのところで、年齢別、被保険者期間別の被保険者の分布がございますが、高齢者、65歳以上とかそういったところの動向を長期的に見ると、どのように見ておられるかということについて、もしわかりましたら教えていただきたいと思います。

○村田調査室長 長期といいましても5年間の推移ぐらいしか今、手元にないのですけれども、5年前の22年度と27年度を比較しますと、65歳以上のところが男性ですと43万人ぐらい、女性ですと18万人ぐらい増えてございますので、長期的には年齢の65歳以上のところで働いておられる方は増えてきているということです。期間がどれぐらいかというところまではみていないのですが、長く働ければ、それはそれだけ期間は上積みされていきますので、高齢者の雇用が増えれば、そういったところは期間が長くなる方向に働くと考えます。

○駒村委員 今の御質問に関連してなのですけれども、15歳から70歳までは加入可能ですね。今後、高齢者の雇用継続を期待するわけですから、現状どのぐらい40年以上の方がいらっしゃるのか。40年以上がどういう分布になっているのかわからないのですけれども、これはどんな分布になっているかというのは、きょうはないですけれども、お手元にはあるという理解でいいですか。

○村田調査室長 すみません。もともとの統計が40年以上のところを一まとまりでとってございますので、その先が1年刻みでどうかというのは持ち合わせがございませんので、申しわけございません。

○駒村委員 今後、高齢社会で高齢者の雇用促進を、つまり60代後半も経済前提ではたくさん働くという想定になっているようですので、逆に言うと15歳から働く人というのはレアケースかもしれませんけれども、40年を超えている人の分布がどうなっているかもいろいろ議論するときには重要かなと思います。そういう視点からの資料、データづくりもお願いできればと思います。

○菊池部会長 今、複数の委員から、将来的な年金の制度設計のあり方を検討する前提としても、もう少しきめ細かなデータのとり方も必要ではないかという御発言だと思いますので、御検討のほどお願い申し上げます。

 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、以上で厚生年金保険の財政状況についての報告の聴取を終了いたします。

 引き続き、国民年金(基礎年金)の報告を聴取いたします。

 それでは、御説明をお願いいたします。

○武藤数理課長 それでは、引き続きまして、御説明申し上げます。

 お手元の資料2「平成27年度財政状況−国民年金(基礎年金)−」をご覧ください。

 おめくりいただきまして、まず、基礎年金勘定の収支状況でございます。平成27年度の収入総額が232,930億円で、前年度に比べまして9,464億円の増でございます。一方、支出の総額につきましては、224,628億円で、前年度に比べまして8,300億円の増でございます。その結果、収支残が8,302億円出ているということでございます。この収支残でございますが、従来、過去、具体的には平成24年度まで、かなり大きい額が計上されてございました。24年度が約2兆7,000億円ということですけれども、それと比べると今年度は2兆円弱小さくなっているという状況でございます。

 これは別の欄ですけれども、収入の項目別に見たその他の収入の欄の数字も減少していることと連動しているところですが、これには被用者年金一元化法による見直しが行われたことが背景にあるということです。今、申し上げましたとおり、24年度までの収支残のところはかなり大きな額が並んでいて、それがその翌年度の収入のその他のところにほぼそのまま計上されるという構造が続いてきたところです。数字で確認しましても、23年度の約3兆円が24年度の収入のその他の収入の欄の約3兆円に対応しているところでございましたけれども、先ほど申し上げましたように、平成24年8月に成立いたしました被用者年金一元化法に伴う整理によりまして、基本的にはこの収支残は積立金に繰り入れて、かつ必要なときに積立金から受け入れて収入のほうに入れていく仕組みに変更されたところでございます。

 その結果、下の欄の年度末積立金でございますけれども、平成23年度に7,246億円という数字が計上されています。これは23年度からしか掲載がありませんけれども、過去ずっと7,246億円という同じ額が計上されていたところでございましたが、24年度以降、2兆円を超える数字が計上されているところでございます。

 その7,246億円という数字でございますけれども、これも時々お話しして、御案内のとおりではございますが、昭和60年改正のときに基礎年金制度が61年度から導入されたわけですが、国民年金勘定にあった積立金のうち、それまで任意加入だったが第3号に移った被用者の妻の保険料分に相当する分ということで、その分が7,246億円。これは元本だけということになりますけれども、その額が基礎年金の積立金として置かれていたということでございます。

 一元化法の成立に伴いまして、特会法もあわせて改正されたところですけれども、この積立金についても全体で整理して、平成27年度から10年間にわたって積立金の一部は基礎年金拠出金の軽減のために充てられていくこととなったところでございます。この積立金の一部というのは、先ほど申し上げましたいわゆる妻積みの元本とその運用収入を合わせたものですが、現時点で見てみますと約1.6兆円になってございますけれども、それが10年かけて基礎年金拠出金の軽減のために充てられていくことになったところでございます。これが24年度以降の大きな変更点で、最近毎年御説明させていただいているところでございます。

 なお、27年度から具体的に被用者年金一元化がなされたわけですけれども、その基礎年金拠出金の軽減のために積立金より受け入れて充てられる分、先ほど申し上げました約1.6兆円の10分の1ということで約1,600億円となりますけれども、その額は、ここでは積立金より受入という欄に8,014億円という数字が書かれておりますけれども、その中に含められておりまして、その分の基礎年金拠出金が控除されているという整理になってございます。

 支出欄に行きますと、基礎年金給付費の本来分というところで支出総額の下の欄でございますけれども、これが209,349億円となってございまして、前年度に比べて9,489億円、4.7%の伸びというところです。

 それから、下から3段目の拠出金算定対象者数をご覧いただきますと、5,4089,000人ということで、前年度に比べまして3万3,000人の増ということで、ほぼ横ばいとなっているところでございます。

 この欄の数字、年によって多少のでこぼこはございますけれども、拠出金算定対象者、基本的には20歳から59歳の人口減少があって、それに伴って減少していくという趨勢の中でございますが、今回については、主に被用者化の進展に伴い第1号被保険者が減少して、第2号被保険者が増加するという内訳の変化がございますが、その結果、ほぼ横ばいということになってございます。

 続きまして、2ページ目でございますが、基礎年金の負担状況ということで、これは平成27年度の確定値でございます。この表は確定値ですので、基礎年金拠出金軽減のために積立金より受け入れられている分、先ほど申し上げたその分につきましては、控除前の数値となっておりまして、その軽減額は、ここでは括弧書きの数値として再掲させていただいているところでございます。基礎年金給付費の本来分が209,321億円、旧法分の交付金として算定される額が1兆5,999億円で、その両者を合計した分が右の欄にございます225,320億円となっているところでございます。

 この中で下の欄に特別国庫負担、これが3,353億円ありまして、それを差し引いた残りが拠出金で、各制度に分担されるということであります。それは左の欄にありますけれども、221,967億円になっているところでございまして、それを各制度の下の欄にございます拠出金算定対象者数の比で按分して、各制度に割り振るということになります。割り振った額がこちらにある額でございますけれども、平成27年度の拠出金算定対象者数の内訳についても表の下のとおりになっているところでございます。

 次に、3ページ目に参りますが、今度は国民年金勘定の財政状況でございます。平成27年度の欄を見ていただきますと、時価ベースの収入総額が3兆6,146億円でございます。このうち保険料が1兆5,139億円で、前年度に比べて1,116億円、6.9%の減少となってございます。この動きにつきましては、保険料の月額は引き上げられており、納付率も上昇するなどの保険料増加要因がある一方、第1号被保険者そのものが減少していることなどの要因の方が大きくて、結果的に減少となったものと考えております。

 次に、国庫負担につきましては1兆8,094億円で、1,189億円、6.2%の減になっているわけでございます。これにつきましては、下の支出の欄を見ていただきまして、基礎年金拠出金が平成27年度は3兆2,400億円ということで、前年度に比べて2,593億円、7.4%減ってございますが、基礎年金拠出金のおおむね半分が国庫負担でございますので、これが国庫負担の減につながっている構造になっているところでございます。

 なお、この基礎年金拠出金等につきましては、概算、精算の仕組みで運営されているところですけれども、前年度に比べて概算額が減少したことに加えて、精算額によるマイナスの幅も増加した影響などで減少したところでございます。

 収入に戻っていただきますと、時価ベースの運用収入がマイナス3,417億円ということで、前年度に比べて1兆3,282億円の減少でございます。

 また、積立金より受入がなしになってございますのは、厚生年金と同様でございます。

 結果、収支残のところですけれども、時価ベースで下の欄を見ていただきますと、マイナス5,009億円となっているわけでございます。これにその下の業務勘定から積立金への繰り入れ110億円を足したものが、前年度との比較で書いてある積立金のマイナス4,899億円に対応し、これが実質的な意味での収支残に当たるものでして、結果、積立金は8兆7,768億円になっているということでございます。

 最後に、運用利回りでございますが、マイナス3.72%という状況でございます。

○村田調査室長 続きまして、4ページをご覧ください。こちらは給付状況についての資料でございます。掲載しております数値は、新法の基礎年金と旧法の国民年金を合計したものとなってございまして、被用者年金のいわゆるみなし基礎年金に係る分は含まれてございません。

 まず、受給権者数でございますが、平成28年3月末は合計で3,3832,000人となっておりまして、前年度に比べ835,000人、2.5%の増加となってございます。このうち老齢年金は3,0964,000人となっており、3.0%の増加でございます。通算老齢年金につきましては、旧法の年金でございますので年々減少しておりまして、28年3月末で625,000人、前年度に比べ12.2%の減少となってございます。

 年金総額につきましては、1つ下の段のところになりますが、28年3月末で225,500億円となっておりまして、前年度に比べて8,837億円、4.1%の増加となっております。この大部分を占めております老齢年金について見ますと、28年3月末で204,948億円、こちらは前年度に比べ4.4%の増加となってございます。

 続きまして、5ページでございます。上段と下段がございますけれども、上段につきましては、繰上げ支給・繰下げ支給の状況でございます。まず、繰上げ支給の受給権者数ですが、平成28年3月末で4837,000人となっておりまして、前年度に比べ155,000人、3.1%の減少となってございます。近年の推移を見ますと減少傾向ということでございます。

 一方、繰下げ支給の受給権者数は、平成28年3月末で381,000人となっておりまして、前年度に比べ1万7,000人、4.6%の増加となってございます。こちらは近年、増加傾向ということでございます。

 下段の老齢年金受給権者の平均年金月額をご覧ください。男女合計の老齢相当の平均年金月額は、平成28年3月末で5万5,157円となっておりまして、前年度に比べ743円、1.4%の増加となってございます。この増加の要因でございますけれども、平成27年度には、先ほども御説明いたしましたが、0.9%の年金額の改定があったということ、それからまた、平均加入期間が延びているという状況でございますので、その両者で増加しているということでございます。

 6ページは、新規裁定者についての資料でございますが、こちらは説明を割愛させていただきます。

 7ページは、老齢年金受給権者の年齢構成でございます。男女合計で見ますと、割合が最も多いのが65歳から70歳未満の29.4%、次いで70歳から75歳未満の22.6%となってございます。平均年齢は、男子が74.4歳、女子が76.0歳、合計で75.3歳となっております。前年度末は合計で75.1歳でしたので、プラス0.2歳の上昇ということで、若干ではございますけれども、年齢構成は高いほうにシフトしている状況でございます。

 8ページは被保険者の状況でございます。まず、被保険者数でございますけれども、第1号被保険者数は引き続き減少傾向が続いておりまして、平成28年3月末で1,6679,000人となっております。前年度に比べまして約741,000人、4.3%の減少となってございます。第3号被保険者数につきましては、平成28年3月末で9151,000人となっておりまして、こちらも1.8%の減少となってございます。

 被保険者の平均年齢は、28年3月末で第1号被保険者が39.3歳、第3号被保険者が43.9歳となってございます。

 免除等の状況につきましては、一番下の段に詳しくお示ししております。平成28年3月末の免除者数につきましては、前年度に比べまして法定免除者が0.2%の増加となっておりますが、そのほかの申請全額免除者あるいは申請一部免除者、学生納付特例者、若年納付猶予者などは人数が大きく減少している状況でございます。

 9ページは、第1号被保険者の分布でございます。一番右の割合の欄をご覧いただきますと、最も多いのが20歳から25歳未満のところの21.0%となっております。国民年金の第1号被保険者には、自営業の方あるいは無職の方などいろいろな方がいらっしゃいますけれども、主にこの年齢層は学生の方が多く、そういうことでウエートが大きくなっているということでございます。

 次に多いのが55歳から60歳未満のところで13.4%になってございます。こちらの年齢層では、被用者の方が退職されて第1号被保険者から移ってくる、あるいは配偶者の方が退職されて第3号被保険者から移ってくる。そういったことで割合が大きくなっているものと考えられます。

10ページと11ページは、今見た第1号被保険者の分布を男女別に見たものでございますので、説明は割愛させていただきます。

12ページは、第3号被保険者の分布でございます。第3号被保険者につきましては、最も多いのが40歳から45歳未満のところで19.9%となってございます。ここをピークとして山のような形となっております。

13ページと14ページは、今見た分布を男女別に見たものでございますので、説明は割愛させていただきます。

○武藤数理課長 続きまして、15ページ、積立金の運用状況でございます。

 資産の構成割合といたしましては、国民年金の場合は預託金が4.7%、市場運用分が92.6%、財投債が2.7%でございまして、運用利回りはマイナス3.72%でございます。

 次に、16ページに移りまして、財政検証における将来見通しとの比較でございます。厚生年金と同様、国民年金に関しましても、将来見通しとベースをそろえる必要がございますので、実績推計という欄をつくっております。こちらと将来見通しを比べるということで見ていただきますと、保険料収入は将来見通しで1.6兆円と見込んでいたものが1.5兆円で、やや小さくなっております。なお、将来見通しの数値については、厚生年金同様、以降の御説明ではケースEの数値と比較してお話しさせていただきたいと存じます。

 運用収入でございますけれども、将来見通し上0.2兆円と見込んでいたものが、マイナス0.3兆円の運用実績だったということでございます。

 その他のところですけれども、これは基本的に国庫負担でございますが、将来見通しで2.2兆円と見込んでいたものが1.8兆円と少なくなっております。これは右側に支出の基礎年金拠出金という欄がございますけれども、3.9兆円と見込んでいたものが、拠出金按分率の低下などの影響で3.3兆円という支出になってございまして、少なくなっております。これを反映して2分の1国庫負担につきましても、見通しよりも実績の方が低くなっているところでございます。

 給付費につきましては、将来見通しで0.1兆円と見ているものが実績推計でも0.1兆円ということで、ほぼ同じ数値になっているところでございます。

 合計しましての収支差引残、将来見通しの上ではマイナス0.1兆円だったところでございますけれども、実績推計はマイナス0.5兆円でございます。

 年度末積立金は、将来見通し上10.7兆円だったものが11.1兆円という数字になっているところで、前年度の運用収益が多かったということで、結果的に多くなっている状況は厚生年金と同様でございます。

 続きまして、17ページ、基礎年金の被保険者数及び受給者数についてでございます。実績と将来見通しを見ていただきますと、被保険者数のほうはやや大きくなっておりますが、大きな乖離はないのではないかと見ているところでございます。

18ページ、財政指標の比較で、まず年金扶養比率でございます。27年度の数値につきましては、厚生年金同様、括弧内の受給者ベースの数値を見ていただきますと2.04ということで、財政検証の見通し2.0とほぼ一致している状況でございます。

 続きまして、19ページ、保険料比率につきましては、27年度は98.1という数字で、財政検証では85.4という数字で乖離が大きく見えるわけでございますけれども、これは基礎年金拠出金等の支出が減少したことによる影響と考えてございます。

 次に、20ページでございます。収支状況ですが、こちらは括弧の中の時価ベースで見ていただくということでございますけれども、27年度は131.6という数字でございまして、財政検証の数字は下、103.7よりは悪くなっている。これは分子が支出で、分母が収入の収支比率でございますので、数値が低い方が財政状況はよいということでございますけれども、こちらは運用収入がマイナスであったことを要因として、このようになっているところでございます。

 最後、21ページの積立比率でございますけれども、財政検証ベースで補正したということで、繰延べ分を積立金に加えて算定したもの、これが*印がついている欄でございますが、平成27年度の*印の欄、上の表の左下の数値となりますが、積立比率は括弧の中の数字7.5でございます。これに対して財政検証では下の表の数字で5.9、それに比べると積立比率は実績の方が高くなっているわけです。これは右のほうに要因分解してございますけれども、前年度末の積立金が財政検証の見込みより大きかったことに加えて、実績の支出の方が小さくなっていて、分母が小さくなっていることの影響などと考えているところでございます。

 私からの説明は以上でございます。

○菊池部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に関して質問等がございましたら、お願いいたします。

 野上委員、お願いします。

○野上委員 御説明ありがとうございます。

 被保険者の動きについて、ちょっとお聞きしたいのですが、先ほど説明いただいた厚生年金とあわせてお聞きしたいと思っております。ページ数で言いますと、厚生年金の資料の10ページ、今、御説明いただいた方の8ページでございます。ここに被保険者の動きが、1号では74万人マイナス、3号では16万人、合計しますと90万人程度のマイナスということで、一方、厚生年金のほうは、先ほど御説明いただいたように大体88万人増えていると。ですから、国民年金からこちらに移ったと理解していいのかという点をまず確認したいと思います。

 ということであれば、財政上は、3号から2号に行く人は単純にプラスだと思うのですが、1号から2号に行く場合は、プラスの場合もあればマイナスの場合もあると思っているのですけれども、その辺をどのように分析されているかというのが御質問でございます。よろしくお願いいたします。

○村田調査室長 1点目でございますけれども、先生がおっしゃいますように、国民年金から厚生年金へ移っているという状況があると思います。ただ、全体としまして人口が減少していることもありまして、全体が減っていく中で、さらに国年から厚年に移っていくという状況で、このような数字が出ているということだと理解しております。

○武藤数理課長 後半の方の財政影響のお話ですけれども、確かにおっしゃるとおりで、3号被保険者が2号被保険者になる場合、これは基礎年金拠出金の支出は同じ額がカウントされつつ保険料を払うようになるということになりますので、財政影響的にはプラスかなと。

 1号被保険者ですけれども、おっしゃるとおり1号から2号に移動して負担の仕方と給付の出方とがそれぞれ変わるわけですので、なかなか一概に申し上げにくい感じもするのですが、思い出してみますと、平成26年の財政検証のときにあわせてやったオプション試算というのがございまして、これは被用者保険を適用拡大したときに長期の年金財政の影響がトータルでどうなるかということですけれども、これは結果、プラスということでございました。その中での要因として、1号被保険者の中に今の被用者の方がいらっしゃるわけで、その方が適用拡大すると2号被保険者になるという構造になったときにどういう影響があるかということです。1号被保険者の国年勘定の被用者の方が抜けられると、一人当たりの積立金の効果が大きくなって、もちろん保険料で支える力のほうは減るわけですけれども、それと相殺して国民年金にとってもややプラスの効果があるという影響があったところでございますので、今の置かれている状況から考えてみますと、トータルの長期の財政から考えるとプラスの面があるかなと考えているところでございます。

○野上委員 ありがとうございました。

○菊池部会長 田中委員、お願いいたします。

○田中委員 同じく国民年金の8ページについてお聞きします。被保険者数は1号も3号も減ってきているのですが、その一方、免除等の状況を見ると、法定免除者が少し増えて、申請全額以下は少し減ってはいるのですが、これをトータルすると620万という数字になりまして、一方で1号は1,700万ぐらいということなので、かなりの方が免除や納付猶予になっているということです。

 従来から、納付率低下の問題等も指摘されているのですが、自営業者が減少し国民年金がだんだん縮小していく中で、財政的には国民年金という制度自体必要かどうかという話も出てくると思うのです。さらに、こんなに法定免除が多くなってきているという事実を見て、その財政的な効果はどういうことになるのか、あるいは国民年金制度そのものについて、これから長期的にはどのように考えていったらいいのかについて、お考えなり見通しなりをお聞かせいただきたいと思います。

○武藤数理課長 今の田中委員の御質問は制度の枠組みに関することで、今後の議論も必要なところだと思いますけれども、現状で見てみますと、第1号被保険者、千数百万人の方が加入されている制度ということで、規模もかなり大きい制度となりますので、そこについて今後どうなっているかという状況を注視していくべき話なのかということでございます。

 一方で、被用者保険の適用拡大ということも政策的に目指されている方向性ということでございます。過去5年を見てみますと、きょうの御報告のとおり、かなりのペースで1号被保険者数は減ってきている状況でございますけれども、今後の状況も見ながら制度のあり方を考えていくという話なのかなと自分としては考えたところでございます。

○菊池部会長 では、猪熊委員、お願いします。

○猪熊委員 同じ8ページで免除等の状況のところなのですけれども、法定免除者以外のところは28年3月末がみんな減っています。その前、増えてきたところもこの年は減っています。減っている理由があれば教えてください。

○村田調査室長 28年3月末におきまして免除者がかなり減ったということでございますけれども、まず1つは、被保険者数全体が4.3%減少しておりますので、それが1点。加えまして、経済の状況がよくなって比較的所得が増えてきたという、その2点が原因ではないかと考えております。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

 駒村委員、お願いします。

○駒村委員 ありがとうございます。

 今、猪熊さんが聞かれたことを聞こうと思ったので、そこは結構です。

 前もお聞きしたかったのですけれども、今後、この間、資格要件が10年に短縮される法律があって、これはこれで別に10年払えばいいよというわけではなくて、デフォルトは払わなければいけないのだけれども、10年でも資格をもらえますよというふうに変わってくるわけです。それによって納付状況がどうなるかというのはちゃんとモニターしなければいけないと思うのですけれども、現在、足下で、これは去年も聞いたかもしれないですけれども、これは9ページでもわかるのどうかわかりませんが、各年齢層がどのくらい納付済み期間や免除期間を持っていて、その年齢にふさわしい基礎年金の納付歴になっているかどうかというのはわかるのでしょうか。

 9ページでは、被保険者期間ということで、納付済み期間というわけではないですね。そうすると、各世代によって50代後半の人は、理想としては基礎年金としてカウントしてもらえる年数は30年から40年ぐらいあるのが望ましいということになるのですけれども、そういう各世代が自分の年齢にふさわしい納付状況になっているかということはチェックできるような資料があるのでしょうか。ちょっと教えてください。

○村田調査室長 9ページにお示しした資料の位置づけを御説明いたしますと、ここに書いております被保険者期間といいますのは、まず1点として、下の注にありますように1号と3号、あと任意加入の期間でございまして、2号期間の分が入ってございませんので、厚生年金の期間がございますと、ここに書いてあるよりももっと期間は長いということです。

 それから、国年の1号と3号についての期間のとり方でございますが、こちらは実際に保険料が納付済みになっている期間と、一部免除などで金額が出る期間、そして未納期間を計上しています。ですので、年齢に応じた納付状況の表とはなっていないのですが、ここの数字とプラス厚生年金の方の期間をあわせてみたものが、現状でお示しできる資料ということになっております。

○駒村委員 わかりました。こちらのマトリックスに相当するものは厚生年金のほうにもありましたかね。では、その2つをくっつければ想像がつくということでいいのですか。

○村田調査室長 ただ、同じ方が国民年金と厚生年金との両方に加入したことがありますと名寄せしないとわからないという点がございまして、きょうお示しした資料ですと、そこまでかゆいところに手の届くような資料にはなってございません。

○駒村委員 技術的にはできるのでしょうか。要するに、そういう意味で法律改正もあったわけですから、制度としては極端に10年でいいと思うような人がたくさん出てくると、これはこれで制度の本来の趣旨や財政状況としても困ると思うのですけれども、各世代が1号、2号、3号の期間を合計してその年齢、20歳からスタートしたときの20代、30代、40代、それぞれふさわしい納付済み免除期間、加入期間があるということをチェックできるようなマトリックスは現時点ではなくて、ただ、技術的にはできるかどうか、教えてもらえますか。

○村田調査室長 そういった資料につきましては、個人個人のデータを名寄せしないとできないということがございまして、現状としてはなかなかとれないという状況でございます。

○菊池部会長 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、以上で国民年金(基礎年金)の財政状況についての報告の聴取を終了いたします。

 御説明いただいた方々には、お忙しい中を大変ありがとうございました。どうぞ、席のほうにお戻りください。

(厚生労働省年金局 武藤数理課長、同 村田調査室長 関係者席へ移動)

○菊池部会長 予定より少し早く進行いたしまして、御協力いただきましてありがとうございました。

 それでは、最後に、今後の日程等について、事務局から説明をお願いいたします。

○真鍋首席年金数理官 次回の第73回「年金数理部会」ですけれども、3月27日月曜日午前10時から、本日と同じ全国都市会館第1会議室で開催いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○菊池部会長 それでは、本日はこれまでにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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