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2017年1月23日 第6回「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」議事録

○日時

平成29年1月23日(月)10:00〜12:00


○場所

中央労働委員会講堂(労働委員会会館7階講堂)


○議題

時間外労働の実態等について(意見交換)

○議事

○今野座長 時間になりましたので、第6回「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」を開催いたします。

 本日は山田委員が御欠席です。

 今日の議題ですが、これまで5回にわたっていろいろ議論をしていただきました。これまでの委員の皆さんの意見を踏まえ、事務局に論点整理案を作成してもらいましたので、今日はそちらをめぐって議論をさせていただければと思います。まず、配布資料について説明をお願いします。

○中嶋調査官 本日の資料は、議事次第、座席表のほか、資料「論点の整理案」、参考資料の計4点です。不足がございましたら事務局にお申しつけください。

○今野座長 議事に入ります。先ほど申しましたように、事務局から論点整理案を説明していただき、それをめぐって議論をしていただきたいと思います。資料の説明をお願いします。

○中嶋調査官 座長からもお話がありましたように、本日お配りしております論点の整理案はこれまで委員の皆様からいただきました御意見をもとに事務局の責任において作成したものです。読み上げる形で紹介をさせていただきます。目次に当たる1ページ目は割愛しまして2ページ目から始めさせていただきます。

 仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会(論点の整理案)。1.総論。長時間労働の是正は、働く方の健康を確保するとともに、仕事と家庭の両立や女性の活躍促進等を推進するための重要な課題である。人口が減る中で我が国の成長を確保していくためには、育児等で制約のある方も含め、誰もが働きやすい環境を整理することが必要であり、そのためには、効率的で無駄のない働き方をすることにより、できる限り不本意な時間外労働を少なくしていくことが必要である。長時間労働は我が国の企業文化や人事制度、下請構造や取引環境の問題など、日本の産業、雇用システムの全体構造から発生しており、その改善に向けて様々な施策を総動員して取り組むべきである。まずもって長時間労働を前提とする企業文化を変え、企業の業務プロセスの見直しや意識改革を進めることが必要である。経営者が時間当たり生産性を意識して改革に取り組むことは、結果的に生産性の向上にも資すると考える。その上で、同業他社等との競争が厳しい中、各企業の自主的な取組に任せるだけでは限界があることから、36協定における時間外労働規制の在り方について、法改正を検討する必要がある。その際、新たな価値の創造や社会の活力をそぐことがないよう留意するとともに、働く人の中には「仕事をやりきりたい」という気持ちもあることから、働く人の意欲と能力が十分に発揮されるようにすることが必要である。

 2.マネジメント、業務プロセス、人事評価等の改革。全社的に長時間労働の是正を図るためには、経営者自らが率先して改革を推し進める必要がある。時間外労働が生じる要因としては、業務量の過多や業務の繁閑が多く挙げられるが、マネジメント能力の低さや職場の意識改革不足も指摘されている。長時間労働を是とするような企業の業務プロセスや人事評価制度を変える必要がある。無駄な作業を削減し、効率的に仕事を行うためには、現場で指示、監督をするマネージャーの力量によるところが大きい。また、上司である現場マネージャーが長時間労働を是とする場合、部下にも長時間労働が強いられる可能性がある。このため、各企業における現場マネージャーの育成と組織的なサポートが必要である。より短時間で効率的に働いた人が評価されるよう、「労働生産性」を人事評価の指標として盛り込むなど、企業の人事制度改革を促すべきである。その際には効率的に働くことで、時間外労働を削減した場合、削減によって浮いた原資を労働者にどのように還元するか等、各企業において工夫が求められる。また、AI等による技術革新により、業務プロセスや教育訓練をより効率化できれば、結果として労働時間の短縮や成果の向上につながる。

 3.企業のコンプライアンスと法の執行。36協定を締結していない理由として、制度自体の不知、協定締結の失念等が挙げられるなど、労働時間規制が浸透していない実態があり、改善を図る必要がある。労働者の健康確保を図るためにも、まず企業自らが法令遵守にしっかり取り組まなければならない。また現場の労使は、36協定の締結当事者であり、自ら取り決めた内容について、その履行確保に取り組んでいくことが期待される。これらに加え、引き続き労働基準監督署において、必要な監督指導を行い、法令の履行確保を図ることも必要である。

 4.規制の在り方について (1)時間外労働の限度。36協定の締結状況を見ると、通常の延長時間はほぼ100%の企業で限度基準告示(45時間、年360時間等)の範囲内に収まっている一方で、一部ではあるが特別条項がある場合の延長時間が、月100時間を超えるものも見受けられ、長時間労働の歯止めとして十分機能していない。36協定の時間外労働規制の在り方を検討するに当たっては、労使協定で定める範囲内で、割増賃金を払えば上限なく時間外労働が可能となる現在の仕組みを改め、一定期間内の総労働時間の枠を定め、その枠の中で健康を確保しつつ効率的に働くことを可能とする制度への転換を志向すべきである。例えば1日や1週などの短い期間を単位に労働時間の上限を規制すると、業務の繁閑や働く人のニーズに対応した労働時間の設定が困難になることに留意が必要である。他方で、短期間に過度に時間外労働が集中して、健康を損なうことがないようにするための配慮も必要である。この他、睡眠時間の確保や疲労蓄積を防ぐ観点からは、1日単位の休息期間を確保するインターバル規制も重要な考え方であり、企業自らがこれを導入することを促していくべきである。一方、長時間労働が避けられない業種、職種には、業務の特性や取引慣行等それぞれの課題があり、法的な上限規制だけでは解決しない。したがってこうした業種、職種については一定の配慮をしつつ、計画的な労働時間の見直しを進めることが必要である。また、生産性の問題を考えると、企業の競争力の発揮と両立できる仕組みとし、我が国経済社会の発展に必要なイノベーションが生まれ、現場の創意工夫が活かされやすい環境を確保することも必要である。

 5.規制の在り方について (2)労使の役割。36協定は国が定める限度基準の下、それぞれの現場に合った労働時間数の設定を労使の調整に委ねる仕組みとなっているが、この労使の調整手続が十分に機能していない実態があり、改善する必要がある。併せて各企業、各職場で長時間労働の是正に向けて労使が率直に意見交換し、具体的な改善策に取り組むことが重要であり、「労働時間等設定改善委員会」の設置等、労使による取組を促進するべきである。

 6.規制の在り方について (3)情報の公開。企業名の公表は、優良企業を公表するポジティブなものと法違反企業を公表するネガティブなものの双方あるが、どちらも社会的な評価の面から、長時間労働を是正させる効果がある。法違反に対する公表制度は強化するとともに、長時間労働の是正やワークライフバランスの改善及びその継続に積極的に取り組む企業が、株式証券市場等において積極的に評価される環境を作ることが求められる。

 7.下請け等の取引慣行への対応、意識改革、文化改革、その他。中小企業における長時間労働については、重層下請構造の下での急な仕様の変更や短納期発注等が背景にあることから、発注元や親事業者を含めた業界全体としての取引環境の改善が必要であり、政府はそのような業界全体の問題を協議する場の設定に努め、業界としてのコンセンサス形成を図るべきである。その際、過当競争が低価格での過剰サービスを生み、長時間労働を引き起こしていることから、商慣行の在り方について改善の手法を検討することも必要である。過当競争の中で顧客の要望に対し、際限なくサービスを提供してきた結果、“送料無料”や“24時間対応”が消費者にとって当たり前のものとなってしまい、長時間労働を招いている。多少のサービス低下を許容することが長時間労働の是正につながり、働く人の健康と幸せにつながることを喚起し、国民全体の意識改革を促すことも重要である。以上です。

○今野座長 これまでここで議論されてきたことを論点として整理していただきました。

○中嶋調査官 参考資料について、御参考までですが、こちらは大きく2つの部分からなっております。1つが、事務局から各回へ提出をさせていただきました基礎資料集です。もう1つが委員の皆様からの御意見、提供いただきました資料、第1回から第5回検討会での各委員の主な意見をまとめたものです。それから大久保委員、山田委員、黒田委員からプレゼンいただきました資料についてまとめたものです。御参照いただければと思います。

○今野座長 今説明していただきました論点整理案について、御意見をいただければ、あるいは内容の御質問でも結構ですのでお願いいたします。

○荒木委員 これまでの意見を要領よくまとめていただいてありがとうございます。幾つか気付いた点を指摘いたします。2ページの総論の3つ目の●で時間当たり生産性の向上の話があります。その次に「その上で」となっておりますが、総論としてやはり法規制の役割についても十分考慮していただく必要があろうかと思います。それは2つありまして、1つは現行の法規制が遵守されていない状況があると、これを改善すべきだというのは、コンプライアンスの所に書いてありますが、そうすると「その上で」の前に、「このためにも現行法の遵守の徹底が必要であるが」というのが1点です。現行法の遵守の徹底が必要であれば、「このことに加えて」としていただき、「同業他社等との競争が厳しい中、各企業の自主的な取組に任せるだけでは限界があることから、36協定における時間外労働規制」と、その後に5ページで総量規制の話もしていただいておりますので、「時間外労働規制及び時間外労働を含めた労働時間の総量規制の在り方」というように、時間外労働数のみの規制だけではなくて、総量規制についてもその在り方を考えるべきだということにしていただくほうが、5ページの議論との平仄が合うように思いました。これが1点目です。

 続けて、3ページの下から2番目の●で、「より短時間で効率的に働いた人が評価されるよう、『労働生産性』」とありますが、恐らくこれは、「時間当たり」と入れたほうがよいのかなという気がしましたけれども、専門の先生方の御意見を聞きたいと思います。

 それから、5ページの下から2番目の●で「一方、長時間労働が避けられない業種、職種」とありますけれども、長時間労働は削減していくという方向がやはり重要だと思いますので、「長時間労働が常態化している業種、職種については」としていただきまして、「業務の特性や取引慣行等それぞれの課題があり、法的な上限規制だけでは『一挙に』問題を解決することは困難である」と、おっしゃりたいことはそういうことではないかと思いますので、上限規制だけでは一挙に問題を解決することは困難であると、したがって計画的に短縮を目指させるという方向かなと思いました。

 それから、6ページの5.規制の在り方、労使の役割の所で、2番目の●ですが、「具体的な改善策に取り組むことが重要であり」として、労働時間等設定改善委員会の話が出てきます。この前にコンプライアンスの実効性を高めるためにもという、コンプライアンスをどう高めていくかという課題があると思います。労使の役割について4ページのコンプライアンスの所でも言及がありますけれども、それを実効性を高めるためにもということを入れていただいてもいいかなと思いました。

○今野座長 荒木さんから御指摘があった点は5点ですが、その中の3ページ目の「労働生産性」は「時間当たり生産性」にしたほうがいいのではないかということについてはどうだろうかという御意見でしたので、その方がよさそうですね。そこは「時間当たり生産性」ということに。

 あと、荒木委員から御指摘のあった点について、いや違うというものがあればいいし、そうでなければいいと思うのですが。より趣旨が明確になるようにという御趣旨の修正が多かったと思いますので。

○藤枝労働条件政策課長 御指摘ありがとうございます。荒木先生の御指摘の中で、5ページの下から2つ目の●の、「一方、長時間労働が避けられない業種、職種」の所の表現ですけれども、事前に小曽根委員からも御指摘をいただいているところでして、最初に長時間労働が避けられないと出てくると、政府が努力を全くあきらめたような印象になるという御指摘もありましたので、そのときは私ども小曽根委員の御意見を聞いて考えておりましたのは、文章を前後ひっくり返しまして、「業務の特性や取引慣行等それぞれの課題があり、長時間労働が避けられない業種、職種には」と書くと文章としては流れるかなと考えておりましたので、そうした方法でもよろしければ、そこは考えたいと思っています。

○今野座長 荒木委員の趣旨は、避けられないという言葉をあまり使いたくないのではないかと思ったのですが、どうですか。「避けられない」だと、何か解決できないみたいなニュアンスかなという、そういうこともあるのではないかと思うのですが。

○荒木委員 どういう業種でも、労働者が働いて、健康を害されることがないように、取組が必要だと思いますので、現状では長時間労働が常態化していて、一挙に一律の規制は困難であるということには配慮しつつ、しかしそこはもう何もしないということではなくて、その業態の特性を考えて、その原因を除去していく取組を促すことを考えるのがよいということで、現状としては長時間労働が常態化している業種、職種について、こういう取組をしたらどうかと、そのようにしてはいかがかと、そういう趣旨です。

○今野座長 今の藤枝さんのような文章は、結局そのように直すということは、「現状では避けられない」、そういう意味にすればいいのではないかということですね。最終的にどちらがいいかまた考えさせていただけますか。趣旨は一緒になりますので。

○藤枝労働条件政策課長 はい、わかりました。

○大久保委員 気付いたところを2、3発言させていただきます。2ページの総論の所で、一番最初のパラグラフの終わりの所がまず引っ掛かっていまして、できる限り不本意な時間外労働を少なくするという言い方が適当かどうか。つまり長時間労働というのは働き方の慣行によって習慣化しているものですから、多分その場で働いている人たちは、日常的に不本意なという概念の中ではないような感じがするのです。労働慣行を変える話をしているので、「不本意な」という言葉はあまりこの文章の中にはなじまないのではないかと思ったことが1点です。これは他の方の御意見も伺ってみたいと思います。

 それから同じ総論の中で、企業文化や人事制度や下請構造を長時間労働の原因として指摘をしているわけですが、この検討会の中でも何度も議論のテーマに挙がった、人材育成の在り方というのもあると思うのです。これが長時間労働の要因で、結構大きなウエイトがあります。あるいは昨今の過労死の問題も、新入社員の人材育成が背景にあると思いますので、人材育成の在り方という種類の言葉が、この中に一言入っていたほうがいいのではないかというのが2つ目の点になります。

 それからもう1つ、7ページの一番最後の「過当競争の中で」から始まるパラグラフですが、これは第1回の検討会のときにも随分話題になった過剰品質の話を書こうとしていると思うのです。まず1つは、24時間対応の話が出てきますが、この中で送料無料というのはどういう文脈で入っているのかよく私にはわからなくて、24時間対応は長時間労働につながるという話はわかりやすいですが、送料無料という言葉がいるかどうか。「顧客の要望に対し、際限なくサービスを提供してきた結果」と書いてあるので、顧客が望んでいるからそうやると書いてあるのですが、多分ここで過剰品質と言っているのは、顧客が望んでいるものを超えて提供している、だから過剰品質なのですね。24時間、365日までそれほどの強いニーズがないにもかかわらず、過当競争の中でそういうサービスが常態化しているので、長時間労働になっていくという話だと思いますので、ちょっとこの書きぶりが気になることと、それから過剰品質の話がここでは顧客対応のサービス業だけの話になっているのです。この場で議論されたもう1つ大きな過剰品質の話は、ホワイトカラーの資料作成とか会議の準備とかいうのは相当この場でも指摘があったので、サービス業の顧客対応の人だけの話にしてしまわず、もう一言、事務系の仕事の人たちの過剰品質の問題も、この問題に触れるのだったら併記したほうが全体感が出るのではないかと思いました。

○今野座長 何かございますか。

 まず最初は、2ページのこの辺はどうですか、他の方の御意見を伺いたいと思うのですが。1つは、「不本意な」を取ったほうがいいのではないかという話です。本意で長時間労働ってあるのですか。それともう1つは、2番目の●で、人材育成の在り方も、例えば人事制度とか下請構造と併記して入れたほうがいいのではないかという御指摘ですけれど。前者については、不本意なのか本意だろうが減らしたほうがいいと考えるのかどうかですよね。

○大久保委員 これは文章全体の中で労働者の意欲に基づいて働きたいと、やりきりたいという意欲に配慮する必要があるということは、他のパラグラフの中でも結構触れられていて、例えば総論の4番目の所にも、個人の「意欲と能力が十分に発揮されるように」「『仕事をやりきりたい』という気持ちもあることから」と書いてあるので、もしそのニュアンスを入れたいのであれば、このパラグラフで大分カバーされているので、それを改めて一番最初から不本意なと限定しなくてもいいのではないかと思っています。

○藤枝労働条件政策課長 事務局としては、おっしゃるとおりで、働きたい、仕事をやりきりたいという意欲を受けてこういう形で表現させていただいていますので、一番頭に持ってくるかどうか、また全体のバランスの問題をちょっと考えさせていただきたいと思います。

○今野座長 文章としては「できる限り」が入っているから、不本意はいらないかなとは、私もそう思います。それともう1つは7ページの、1つは送料無料が入るのは何となく違和感があるとありました。あと過剰品質の問題をどう書き込むか。ただここの点は最後、国民全体の意識改革を促すだから、この点も論点になったわけですけれども、大久保委員が言われたのは、消費者が求めることを超えて過剰品質と、そう言われたのですが、求めることの内容もちょっと考えてというのがここの趣旨なのですね。だから過剰品質の問題とここで書いていることの趣旨が違うので、これも書いて過剰品質も書かなければいけないということだと思います。だからそこは書き分けたほうがいいのではないかと思います。サービスを求める方がちょっと考えてよ、という趣旨と、もう1つは消費者のニーズがあるときにそれを越えて過剰品質のものを提供するために労働時間が長くなってしまうと。その過剰品質には対顧客もあるけれど、対上司とか、先ほどホワイトカラーの資料作成みたいなのとありますけれど、そういうことも含めた過剰品質の問題があるということですので。1つのやり方は、ここの文章は工夫をして、ちょっと修正します。過剰品質問題をどこかに書き込むようにしたほうが、明確になると思いますけれども、大久保さん、それでどうですか。

○大久保委員 そういう方法もいいと思います。一番最初に議論したときは、結構全ての仕事の中に過剰品質があると議論していたように思います。こんな膨大な資料を作って会議をやることを、多分経営者は自らもそのことについての善し悪しを考えないといけないという話だと思いますので、何らかの形でどこかにニュアンスは入れたいなと。

○今野座長 ではここはそのように。送料無料や24時間対応というここの例示は、またちょっと考えさせていただくことにして、趣旨は先に言った趣旨ですので、国民もちょっと考えてということですので、それ以外に過剰品質の問題をどこかで、どう入れるか難しいかもしれませんけれど、考えていただいて書き込むことにさせていただきたいと思います。

○黒田委員 今の所について、過剰品質の定義ですけれども、何をもって過剰かというと、結局のところ働いた時間とかサービスに見合ったプライスが付いていないということが過剰だと思うのです。そういう意味では先ほど大久保委員がおっしゃったように、不要な会議の資料がたくさん出てくるというようなもの、これは完全に付加価値に結びついていない長時間労働ですから、そのように定義されてはいかがかと思います。「多少のサービスの低下を許容する」ということではなく、付加価値に結びつかないような無償サービスを長時間労働で対応するという、そうしたスタイルを改めるべきであって、無償でサービスを提供するのが当たり前になっている社会規範を変えて、付加価値を伴うサービスには必ず相応のプライスが付いていくべきだという、メッセージにしていただければと思います。

○今野座長 ちょっと文章を考えさせていただきますが、付加価値という言葉が難しいと思いまして、これは全体的にやさしい言葉で書いているので、そこを少し表現を考えさせていただければと思います。

○小畑委員 先ほどのお話に戻るのですが、人材育成の在り方についての大久保委員の御指摘ですが、これは3ページの一番下の●で教育訓練が出てまいりますが、こちらに掲げている内容とは、大久保委員がおっしゃったことは少し違うという御認識でいらっしゃるのか。これは事務局の方に質問させていただいた方がよろしいのかとも思うのですが、1.「総論」と3ページの2.「マネジメント、業務プロセス、人事評価等の改革」との関係ですが、と申しますのは、2ページの1.総論において、「企業文化や人事制度」という言葉が出てまいりますので、事務局の書きぶりとして、「企業文化や人事制度」の中に人材育成の在り方が入り込んでいるという御認識でいらっしゃるのか。また、3ページの一番下で大久保委員がおっしゃりたい内容が入っていないということであれば、こちらは触らなくてもいいのかということについて、お尋ね申し上げます。

○大久保委員 人材育成の問題を長時間労働の原因と捉えて総論に書くのか、それとも改善策の中で人材育成について触れるのかという違いはあると思うのです。3ページの一番下については、多分AIを代表するような新しいテクノロジーを使った教育改革みたいな話をしているのだと思っていて、そのこと自体はもちろんいいと思うのですが、より重要なのは、今の日本の企業の中の職場の慣行として行われている、OJTをベースとした割と長時間にわたる作業を何度も繰り返しやらせることが、長時間労働の原因になっている事実にしっかり目を向ける必要があるのではないかを強調したかったので、どちらかと言うと、原因、総論で書いてほしいと思ったわけです。

○今野座長 その点については。

○守島委員 私も人材育成の問題は、どこかに盛り込んだ方がいいかと。解決策ではなくて、原因という言い方もあれですが、1つの要因としたいと思っています。3ページの2つ目の●の「業務プロセスや」という後で、例えば「評価や育成等の人事制度を変える必要がある」と、そういう入れ方もあり得るかと思っておりました。

 ついでに申し上げてしまうと、一番下の●で、なぜ「成果の向上につながる」という言葉がここに必要なのかが少し理解できなくて、「労働時間の短縮につながる可能性がある」とか、ここについては、そういうふうなもう少し直接的な表現でもよろしいのではないかという感じがします。

○今野座長 今の論点については、3ページの一番下と大久保さんが言ったことは、趣旨が違うことはよろしゅうございますか。それはいいということで、そうすると、人材育成を原因系として考えたときに、どういうふうに書き込むかですが、大久保さんの案は、2ページの●の2つ目の並列した中に人材育成の在り方を書けばいいのではないかということと、あと、守島さんは、3ページの●の2つ目で、「人事評価制度」を少し書き換えて、「評価や人材育成の人事管理を」でもいいのかな、そのような趣旨で。いずれにしても、人材育成の在り方を原因系として考えろということについては、書き込んだ方がいいということです。

 その点については、今、2つの可能性が示されたので、後ほど事務局と相談しながら、どちらで書いた方がいいかは考えさせていただけますか。いずれにしても人材育成を原因系としてきちんと書き込むことについては、合意を得たということにさせていただきます。

○平野委員 今の人材育成の観点で、少し違うニュアンスかもしれないのですが、自己啓発ですよね。例えば、美容院で仕事が終わって、お客さんが全部帰ってから、ではカットの練習をするとか、調理でむき方を練習するとか。割と職場の中でそういう自己啓発と称して技能の向上を図っている、教育訓練しているというのがあるのですよね。しかし、そこがすごくファジーで、実はそれが労働時間に残業としてカウントされているのかどうかは、甚だ心許ないところがあって、日本においては結構そういう慣行が蔓延していると言いますか。すなわち、自己啓発と称して、残業にしていないと。その人材育成との関係ですね。うまい表現が見つからないのですが、それは結構あるのだと思うのです。人材育成の観点として、それのニュアンスを何か盛り込めたらと。

○今野座長 多分、大久保さんと守島さんはそういうことを含めておっしゃられたと思うのですが、今、平野さんが言われたことは、もう少し具体的にそういう例示も入れるかどうかということだと思うのです。その点について、もう少し考えさせていただけますか。この入れ方によって違うと思いますので、いずれにしても人材育成の問題については、非常に重要だということで書き込ませていただきます。

 それと、小畑さんが言ったもう1点があったのですが、お二つ言われたのですよね、人材育成と。

○小畑委員 はい、1.と2.の、事務局の御認識としてはどういうことかと。

○今野座長 1.の中で●の2つ目で「企業文化や人事制度」と言っているけれども、この中に2.のことが入っているのかと。

○小畑委員 人材育成が入っていますかと。

○今野座長 人材育成とか、あるいは業務プロセスとか、そういうのが入っている、そういうのも含めてですかね。どうですか。

○藤枝労働条件政策課長 2ページと3ページの関係は、おっしゃるとおりで、事務局の意識としては、2ページの人事制度や業務プロセス、企業の業務プロセスを受けた形で3ページを書いたつもりでしたので、今の人材育成について、もう少し目立つようにという御意見は、そのとおりだと思います。考えたいと思います。

○今野座長 それでは、島田さん、どうぞ御意見を。

○島田委員 点ほど意見があるのですが、1点目は、柔軟な労働時間制度に関わって、先ほど総量規制のお話も出たのですが、5ページの●の3つ目で「業務の繁閑や働く人のニーズに対応した労働時間の設定が困難になることに留意が必要で」と、こういうのが入っていて、ここが多分そういう点を意識されているのだというふうに理解しているのですが、今回、36協定を含めた、時間外の規制を行うことと、総労働時間に枠をはめていくことになると、一方で柔軟な労働時間制度を採用する新しい枠組みが必要になってくるのではないかと思いますので、文章に落とし込めていないので申し訳ないのですが、ここをもう少し積極的に書いていただけないかというのが1点です。

 もう1点は、4ページの「企業のコンプライアンスと法の執行」の●の2つ目ですが、これも表現を考えていただきたいのは、「現場の労使は、36協定の締結当事者であり」というのが少し言い過ぎかというのは、確かに過半数組合が当事者になっているときには、そう言っていいかと思うのですが、過半数組合がない所での過半数代表者は、36協定の締結員をアドホックにやっているだけで、履行確保に対して現在は何らかの役割を持っているわけではないと思うのです。ですので、書き方をどうしたらいいかというのは私にもアイディアがあるわけではないのですが、それはそういう主体がどちらかというと不十分なのだという点を触れたほうがいいのではないか。

 それが6ページの労使の役割につながってくると思うのですが、特にここでは「併せて」と書いてあるのですが、全体としては、企業文化を変えると、働き方を変えると、一朝一夕ではいかないような大きな課題をテーマにせざるを得ない点では、労使の十分なコミュニケーションが非常に重要だということを、もう少しクローズアップできないのかなと。文章に落とし込んでいないので、申し訳ないのですがお考えいただければと思います。その中でもかなり、そうした人事制度を変えるとかが入ってきていますので、この労使のコミュニケーションと、それを通じて企業の働き方を変えていくことが、最終的な長時間労働の是正だということが、労使に伝わるように少し工夫していただければ、大変有り難いと思います。

○今野座長 事務局、よろしいですか。工夫してほしいということです。

○藤枝労働条件政策課長 考えさせていただきます。

○今野座長 今おっしゃられた中で、4ページの●の2つ目の「締結当事者」という言葉が少し適切ではないということで、何かアイディアはありませんか。事務局が楽できるように、他の方でもいいのですが。

○島田委員 今これと言えないのだけれども、もし、少し考えさせていただいて、事務局に御連絡させていただければと思います。

○今野座長 今の島田さんの御意見は、大きく言うと2つだったと思います。1つは、5ページの●の3つ目で、柔軟化を前面に書き込めということですね、もう少し。

○島田委員 はい。

○今野座長 それと、もう1つは、今、私が言った締結当事者との関係で、今度は6ページに行きますと、「労使の役割」で●の2つ目との関係ですが、労使のコミュニケーションを図って問題解決に当たる体制をつくることが重要だということを、もう少し書き込んでおくほうがいいという御趣旨です。いかがでしょうか、私もそのとおりだということでお聞きしていたのですが。

○荒木委員 島田先生がおっしゃったことに私も同感でして、特に4ページの2つ目の●は、過半数組合があれば過半数組合が履行確保ですが、過半数代表者の場合には、締結の際に過半数代表者であること以上のことは制度上は求められていない。ですので、先ほどの6ページで改善するため、コンプライアンスの実効性を高めるためにも、「労働時間等設定改善委員会」の設置等というので、1つの例として、そこにつながってくるという書きぶりが1つあるのかと思いました。更に言えば、過半数代表者の在り方について、改善すべきという提言もありますので、そういうことも視野に入れて、36協定がきちんと履行されていくシステムをどう構築するかということも課題として認識しているということが表れる文章にしていただけると有り難いと思います。

○今野座長 この点については、今、島田さんが原案を出してくれるとおっしゃっていましたので、よろしいですか。

○島田委員 はい。

○今野座長 議事録に残りますので。それを参考にしてもう一度書き直しましょう。

○守島委員 他の所にも出てくるのですが、5ページの一番下で、これはまず質問から入りたいと思うのですが、生産性の問題を考えると、競争力うんぬんで、イノベーションとか創意工夫がいかされやすい環境、そういうことが書かれているのですが、ここで前提となっている労働時間とイノベーションとか創意工夫を活かす環境の関係を、事務局でどういうふうに捉えられているのかを、まず教えていただけますでしょうか。

○藤枝労働条件政策課長 この検討会でも御議論はありましたように、当然、労働時間の規制は健康確保とか生産性の観点からも必要であると。ただ、それが企業の活力とかイノベーションを削がないような柔軟な仕組みが必要だという御意見をいただいていましたので、そういった総論的な考えを踏まえつつ、現行の労働時間法制の中でも、柔軟な働き方に対応する裁量制とかの制度もありますし、そういった両面のバランスをとるべきだという御意見だったと、私どもは受け止めて書いたところです。

○守島委員 イノベーションとか、そういうものが生まれる環境が、果たして時間的に余裕がある環境がいいのか、それとも長時間というか、現場で働き続ける、要するに「やりきる」という言葉もこの中に出てきましたが、やりきるまで仕事をする環境がいいのかは、必ずしもアカデミックには決まっていない。つまり、結果的に長時間働くのだけれども、自由に考える時間が何かあるのがいいのか、それとも余裕のある環境がいいのかと、議論がまだなかなか決まっていないところだと思います。これは御提案ですが、「生産性の問題を考えると」というフレーズを、「労働時間の短縮等を考えるに当たって」ぐらいの表現に、もう少しマイルドな表現にしていただけると、両方の意味合いが出てくるのかと私は思っています。ですから、ここの所を少し工夫していただけると、何か現時点でアカデミックな意味での曖昧性みたいなものが、ある程度反映できるのかという感じが少ししました。

○今野座長 今の守島さんの言われたのは、生産性の問題を考えるという、ここだけが気になるということですか。

○守島委員 という意味です。

○今野座長 後ろ側は比較的大丈夫だということですか。

○守島委員 はい。

○今野座長 では、そこだけ少しマイルドにすればいいということですね。

○大久保委員 今、守島さんの御指摘になった部分ですが、私も何度か読んでいて、何となくもう1つ腹に落ちない感じが残っています。以前にこの会で私がプレゼンテーションをするときに、時間外労働とか、マネジメントとか、生産性とか、イノベーションとか、ダイバーシティーとか、そういったことの関連性、因果関係みたいなことについて発表させていただいたことがあったと思うのです。

 つまり、一般的に言えば、イノベーションが生まれるのは、ここの文章では、現場の人のゆとりの話をしているのですが、要するに、働き方、環境が整備されることによって、多様な人々がそこに労働参加して、かつ、その人たちが創意工夫をすることによってイノベーションが生まれてくると、そういう流れもあって、ゆとりだけでイノベーションを説明することについて、もの足りなさというか、せっかく人材不足の中で人口減少して、多様な人たちに労働、働きやすい環境を整えて受け入れると、その辺のところのニュアンスが、総論の1個目、2個目の所に少し一言出てくる。後はほとんどフォローされない状態ですが、イノベーションを書くのだったら、そのことをここに少しうまくつなげられないかという感じがしたのです。

○今野座長 今の大久保さんのは、問題になっているここに上手に、要するに多様な人材が柔軟に働いて、能力発揮がきちっとできる状況という趣旨のものを入れたいと。

○大久保委員 はい。それが2ページの総論の一番最初の●に書いてある「人口が減る中で」から「誰もが働きやすい」と、これを少し受けた形になるので。

○今野座長 そういうことを邪魔しないような、あるいは促進するような労働時間の仕組みでなくてはいけない。そういう趣旨ですよね。

○大久保委員 そうです。

○今野座長 後から考えますが、もしかして思い切って別の●のほうがいいかもしれないですね。ここに入れるかどうかは考えますが。趣旨としては、私が今言いましたように、「多様な人材が十分に能力発揮できるような柔軟な労働時間の作り方をしましょう」ということだと思います。もう少し言うと、「多様な人材が能力発揮を十分に行えるように、あるいはそれを邪魔しないように、労働時間の仕組みを考えましょう」ということになります。言い方は少し考えさせてもらえますか。非常に重要なポイントだと思いますので。

○藤枝労働条件政策課長 ありがとうございます。守島委員と大久保委員の御意見を含めて、また座長とも御相談させていただきますが、今、受け止めた限りで申し上げれば、「また」以下を「労働時間の短縮を考えるに当たっては、多様な人材の活躍を促し、企業の競争力の発揮と両立できる仕組みとし」と、ここに入れれば流れるかと思います。

○平野委員 今のお話と関連するかもしれませんし、あまり関連しないかもしれませんが、総論で4つ目の●で「仕事をやりきりたい」というのがあって、この委員会のタイトルが「仕事と生活の調和のため」というのがあるわけですよね。

 その後、労働時間の話がありますので、ワークライフバランスを労働時間という量的な側面からいろいろと議論してきた。一方で、だけど、仕事と生活の調和を考えると、量的な時間のみならず質的な問題があって、私は以前少し発言したことがあったと思うのですが、要するに、多様な労働者が仕事と生活の境界を自律的に決定できると、そういう観点が重要ではないかと思うのです。

 具体的な文言をそこに入れていいのかどうか分からないですが、例えば裁量労働制の問題とか、あまり議論しませんでしたがホワイトカラーエグゼンプションの話とか、あるいは在宅勤務とか、仕事と生活の境界を個人が自律的に決定できる、そういったことを促すような、あるいは支援するような、そういう体制をつくると、もしかするとイノベーションにつながるかもしれませんし、「やりきりたい」の後で、可能であれば、例えばそういうものを入れていただければと思います。

○今野座長 多分、事務局としては、柔軟な働き方という趣旨みたいなであって、内容には多分そういうことが入っているのですよね。今おっしゃられたことをもう少しどう書き込めるかを、一応、平野さんの御提案としては、2ページ目の一番下の●のどこかに入れるのが一番いいだろうと。

○平野委員 そうですね。あるいは、どこか入れられる所でいいのですが。要するに、柔軟なということだけでは、現実的には多分イメージしにくいのではないかと。

○今野座長 もう少し分かるように。

○平野委員 はい。

○今野座長 分かりました。では、それは少し検討させていただくということにさせていただきたいと思います。

○黒田委員 今の所ですが、総論の3つ目の●は「36協定における時間外労働規制の在り方について、法改正を検討する必要がある」と書いてあって、その4つ目は、それを受けて「その際」となっていますので、そういう意味では、4つ目の●は「36協定における時間外労働規制の在り方」を受けていると読めるのではないかと思います。冒頭に荒木先生がおっしゃった、そこに「総量規制の在り方」を盛り込むことは私も賛成ですが、そうすると、ここで議論しているのは、総量規制に対して時間外労働、36協定に関する話であって、先ほどおっしゃった裁量労働制の話とかとは切り離して考えないと、玉虫色的なメッセージになってしまうように、私自身は危惧をしております。

 その点に関連して、以前、この検討会でも私から申し上げましたが、希望の労働時間の長さは、長時間労働が評価される職場とか、企業文化とか、そういったもので、内生的に決まってくるというお話をさせていただいたかと思います。その意味では不本意かどうかという話も先ほど出ましたが、希望しているかどうか、不本意かどうかというところだけをもって、そこが独り歩きして、そういう人がたくさんいるから規制しなくていいというメッセージにならないような書きぶりを少し意識していただければと思います。

○今野座長 不本意の問題は、不本意は、外しますか。2ページのおっしゃられた最後の●ですが、これはもしかしたら、前に持っていってしまうのがいいのでしょうか。今黒田委員のおっしゃられたのは確かにそうで、これは上2つと並列で一番下に持っていって、3つ目の一番最後に持っていっても、おかしくはないですね。最初に何か実現したいことを書いて、3つ目は、その手法が書いてあるわけですね。この構成としては違うのですか。

○藤枝労働条件政策課長 先ほどの守島委員の御質問のときに、私が裁量制の話を少ししてしまいまして、混乱を招いているかもしれません。5ページの3つ目の●で具体的な対応策として、「業務の繁閑や働く人のニーズに対応した労働時間の設定が困難になることに留意が必要」とありますが、島田委員から、もう少し積極的な表現を書いたらどうかという御意見がありましたが、ここがまさに規制を考えるに当たっては、働く人の能力発揮に十分留意しなければいけないということとの関連があると考えています。ここで総論と各論で対応させているつもりです。

○守島委員 同じことですが。黒田さんが言われたのは、「仕事をやりきりたいという気持ち」と、この表現が少し危険、危険という言い方がいいかどうか分かりませんが、何か問題があるのではないかという話だと思います。つまり、人事管理の在り方であるとか、業界の慣行であるとか、そういうことによって起こってくる可能性があるので、仕事をやりきりたいという気持ちを救うという、その考え方自体の一種の危険性みたいなことを多分御指摘になったのだと思うので、1つの考え方はこの「働く人の中に云々」というのを、先ほど平野さんが言われた「柔軟な働き方を維持することによる」とか、そういうふうな、私は言葉はあまり明確には考えておりませんが、そのような表現に換えた方がいいのではないかと、そういう御趣旨の発言だったように思います。

○今野座長 それでいいですか。守島さんに整理していただきましたので。

○黒田委員 私が舌足らずなところを守島先生にプラスしていただいて、大変ありがとうございます。おっしゃるとおりで、ここはあくまでも総論というか36協定を今後どうすべきかを、これまでずっと話してきたわけであって、それについてどうするかを一番大きなメッセージとして入れる場所なのだと思います。そういう意味では36協定の在り方を考える上で、その際にやりきりたい人がいるのだから、それも考慮しましょうということになると、結局のところ何のメッセージを送っているのか全く分からないことになります。創造的でイノベーションを必要とするような仕事で、労働時間と仕事の質とが必ずしも一対一対応していないようなケースが増えていることは確かですが、そういった仕事に対応する働き方には、既に裁量労働制もありますし、管理監督者という働き方もありますし、更に現在議論されている高度プロフェッショナル制度もあるわけです。ここで議論しているのは、そういった仕事ではなく、そういう範疇に入らない労働者で長時間労働を余儀なくされている人たちを、36協定等を見直していくことによってどう改善していくかということなので、そこを分けて書いていただければと思います。

○今野座長 少し考えさせてください。趣旨はやっと分かりました。でも総論からすると、ここの「働く意欲と能力が十分に発揮されるようにすることが必要である」はいいのですね。つまり、労働時間の問題を考えるときに、こういうことは必要ですよねというのは、総論としてはいい。そのときにいろいろな手があって、裁量労働だとかいろいろな手があるわけですが、これが一番最後に来ていると、36協定を受けてしまうわけですね。

○黒田委員 はい、働く人が意欲と能力を十分に発揮される労働市場にしていかなければいけないのは、おっしゃるとおり大前提だと思います。そういう意味では、そういったものを発揮するために、一体どういう規制を考えていくべきかというメッセージを発していただきたいと。

○今野座長 そうすると、うまく整理できていないのですが、これはもっと前に出なくてはいけないと。

○黒田委員 大前提であることは前に。

○今野座長 多分、それを実現するために、労働時間面ではいろいろな手があるけれども、今回の流れとしては、36協定周りのことをやっていきますとすればいいわけですよね。

○黒田委員 私の理解は、この検討会はそういう場だと理解をしております。

○今野座長 「仕事をやりたいという気持ちもある」という表現は、もう少し考えてほしいということですね。

○大久保委員 企業の中における長時間労働の慣行みたいなものがずっと長く続いていて、そのことを正当化する代表的なメッセージが、経営者や管理職における、「いや、本人がやりたいんだよ」という、そういう話のような感じがしていて、最初から、残業が減らないことを、何か正当化しているような感じがあって、やはり気持ちとして私も引っ掛かっています。

○今野座長 これに対して、私はこれを前に持ってくることが前提ですが、守島さんの案は、「多様な人たちが多様な働き方で十分に能力を発揮できる」というような、そういう表現でしょうか。

○守島委員 私もそんなイメージです。

○今野座長 そういうふうに書かれたらどうかということですね。それでちょっとやってみましょうか。私も、この「やりきりたい」というのは引っ掛かっていたのです。

○平野委員 「やりきりたい」というのは、多分私が言ったのですけれど。ただ、統計を取ったわけではないのですが、現場の声を聞くと、はっきり言って放っておいてくれというような声がある。電気消して、それでヒステリックにいろいろ言われて、だけど、というような、そういう意見もたくさん見聞きするわけです。多分黒田さんの御意見というのは、そのやりきりたいという気持ちが本当に自己実現で、自発的に出ているかと言ったら、必ずしもそうではなくて、いろいろな環境の中で勘違いしているといいますか、実は非自発的なのだけれども、自発的にすり替わってしまっているというのが、多分そういうところがあって、それが日本的な雇用慣行の何といいますか、非常に根深いところだと思います。これに関しては私はこだわりませんので。

○今野座長 分かりました。では、その辺についてはまた事務局と相談しながら、修文は考えます。

○島田委員 先ほど修文案を作るようにと言われたので、ちょっと考えたのです。あまりきれいでないので、ここをたたき台にして、あとは能力高い事務局にお任せをしたいのですが。

○今野座長 4ページ目の●2つ目ですね。

○島田委員 2つ目ですが、一応次のように考えてみました。「また、36協定で取り決めた内容の履行を確保するためには、現場の労使の努力が不可欠である。特に、過半数組合が締結当事者ではない場合、履行確保のために労使が自主的、かつ恒常的なコミュニケーションを確立することが期待される」それは1点目です。

 あとは、先ほど私が言った点で、こうしていただいたらどうかというのが5ページ、先ほど議論になっていました4.の3つ目の●です。「留意が必要である」というところを、「必要であり、労働時間の総量規制と並んで、柔軟な労働時間制度が必要である」とできないでしょうか。

○今野座長 明確に書いてしまうということですね。

○島田委員 はい、書いてはどうかということです。 それからもう1点、労使の役割、6ページです。これの趣旨は、働き方改革に関わるのだということをもう少し出すために、「併せてこの課題はこれまでの働き方を大きく変えることになるので」というようなのを入れていただくと、何のために労使の自主的なコミュニケーションが重要かというのが明確になるのではないかということです。あまり文章が練れていないので、御検討いただければと思います。

○今野座長 ありがとうございます。では事務局は参考にさせていただいて。島田さんから更にバージョンアップした案が出れば、また後から提案をしていただけたらと思います。

○小曽根委員 あえて書き込んでいらっしゃらないのかもしれませんが、これまでの検討会で申し上げた「労働者の意識の改善」という点も入れていただけたらと思います。例えば、3ページ目の2.の3つ目の●の最後に「現場マネージャーの育成と組織的なサポートが必要である」という文章があります。ここに入れるのが妥当かどうかというのはまた検討する必要があるでしょうが、「労働者の労働時間に対する意識醸成に向けた取組も同時に進めることが必要である」といったような趣旨の内容を入れてはいかがでしょうか。具体的には何かというところまでは書き込むこともないのかもしれませんが、例えば、長時間労働の何がよろしくないのか。これは健康障害につながることだということかもしれません。また、先ほどあったような時間当たり労働生産性が上がると、企業経営にとっても、ひいては自分にとってもメリットなのだといった、良い点もあるという辺りが前面に出てくるといいのかなと思います。

 3ページ目の4つ目に、「人事評価の指標としても時間当たり労働生産性を入れる」と記載がありますので、それとも合わせて、働いている人も時間当たり労働生産性を意識して働くんだというメッセージが出ればいいと考えます。

 また、7ページ目の最後の3つ目の●で、「国民全体の意識改革」というところで、先ほど議論がありました。その中で、今野先生が、サービスを求める方もちょっと考えてみてよといったお話をされました。働いている側も長時間労働がどうしていけないのかを考えることができるようになれば、サービスを求める側として、なぜそこを求めてはいけないのかといったような考え方にも発展していくのではないかと考えた次第です。

 あとなお、先ほど送料無料という話がありましたが、多分これは翌日配送など、そういう趣旨なのかと思って聞いていました。以上です。

○今野座長 まず、一番重要なのは働く人の意識改革も必要だというのを入れようということですね、どこ入れるかは別にして。今、小曽根さんが言われた3ページ目の●の3つ目に入れるとすると、会社は、労働者側から労働時間に対する意識改革を進めるようにやってくださいということになる。ここのページは、全体的には会社に対して書いているので、そのようにして入れる程度でいいのでしょうか。もっと強く、きちんと働く人の意識改革が必要になるというようになると、ここ以外のところに書かなくてはいけないということですか。

○小曽根委員 そうです。一番座りがいいのは、ここかなと。もちろん企業内でも、現場マネージャーのサポートと同時にやっていく必要があろうかとは思うのですが、最後のところの、国民全体の意識改革というところに持っていくとなると、もう少し大きなお話になってしまいます。果たしてどこがしっくりくるかなというのがとても難しいと悩んでいたところです。

○今野座長 もし、3ページ目に入れるとすると、3つ目の●で、現場マネージャーは長時間労働を是とするケースがあるけれど、働く人も是とするケースがあるわけで。そちらもどうにかやはり会社としては変えるようにサポートしなさいとか、進めなさい。そういう書き方ですね。

○小曽根委員 はい。

○今野座長 小曽根さんとしては他にはよろしいですか。

○小曽根委員 入れていただけるのであればもっと広く、長時間労働を原因とする過労死の話にも触れていただけると有り難いです。

○今野座長 この辺についてはどうですか。どこにどう入れるのかは、また考えさせていただいて。論点としては、労働者の意識を変えるということも重要。それは非常に重要かなと思います。よろしいでしょうか。では、それについてはどこかに書き込むことにします。

 それでは他に。

○黒田委員 3点ほどございます。1点目は、完全に言葉の問題なのですが、2ページの総論の一番最初の文章です。「長時間労働の是正は、仕事と家庭の両立や女性の活躍促進等を推進するための重要な課題である」という文章から始まっているのですが、この「ワークライフバランスや女性の活躍推進」という言葉は、厚労省から発声する言葉としてはやや周回遅れな感じがします。もはや女性が活躍するとかいう状況ではなく、これだけ人口が減ってきて、本当に人手不足が深刻になってきている中では、全ての人が働かなければいけない。介護の問題もすぐ目前に来ていますし、生産年齢人口の中でも高齢化が起こっていて、今までのようにフルタイムでがんがん24時間働きますというようなスタイルは、もはや持続可能ではない時代になってきている。だからこそ、今、この働き方を変えていかなくてはいけないのだ、というようなメッセージにしていただければ有り難く存じます。それが1点目になります。

 2点目は、5ページ目です。3つ目の●と4つ目の●の所になります。3つ目の●は、「短期間に労働時間の上限を規制すると難しい問題が起こるので、留意が必要である。他方で、短期間で健康を損なうことがないようにするための配慮も必要である」。その次の●に、「1日単位の休息を図る必要がある」ということで、ここもいろいろな意見の併記になっていて、結局のところ長期間の中でアジャストすればいいのか、それとも1日単位が推奨されるのか。この辺りのメッセージもぼんやりしているようなところがあるのではないかと考えています。先ほど小曽根委員もおっしゃいましたが、過労死の問題というのが大変話題になって、皆さん関心があるところです。私の発表でも、1日単位の睡眠時間がメンタルヘルスに影響するという研究結果があることを申し上げました。以前小畑委員からも、労働安全衛生法ではなかなか労働者の健康の確保が難しいというような御指摘もいただいたところですので、健康に配慮して、可能な限り短時間、短期間の中でアジャストできるようなものが望ましいというようなメッセージを、もう少し前面に打ち出していただければ有り難く存じます。

 それから3点目、最後になります。同じ5ページの上から5番目です。これは一番最初に荒木委員がおっしゃったところで、私も全く同じで共感するのですが、「避けられない」というところは、あたかもこれまでの適用除外の業種というのが今後も生き残るというようなことを連想させるような言葉かと感じております。第4回だったかと思いますが、適用除外あるいはそれに準ずるような業種、職種も適用除外になるということの合理的な根拠がないのではないかということが、この検討会でも話に出たかと記憶しています。そういう意味では、この5つ目の最後の文章ですが、「こうした業種、職種については、一定の配慮をしつつ」というところが、一定の配慮で結局のところ適用除外のようになってしまうというような解釈にならないように、例えば「一定の猶予期間を設けつつ、労働時間の見直しを進めていくことが必要である」というような形に、少し改めていただければと存じます。以上です。

○今野座長 先ほど3つおっしゃられました。1つ目の総論の所は、黒田さんがおっしゃられたような趣旨の形で書いてあると、私は思って読んでいたのですが。ただ、例示のところが女性を特出しして書いてあるので、そこをもう少し広めに書きなさいということで、それはそうかなと思います。2ページ目の最初の●で黒田さんが言われたように、いろいろな人が皆頑張ってもらわないといけないのでというふうに考えると、女性ばかりではないということなのです。繰り返しですが、例示が育児とか、女性の活躍促進とかいうことになっているので、そこを修正しましょうということ。その次の5ページ目ですが、考えさせてください。

○守島委員 私も、この5ページ目の3つ目の●と4つ目の●についてはちょっと違和感があって。これも併記、黒田さん言われたように並列で書かれているなという感じがしています。提案なのですが、3つ目の●と4つ目の●の順番を入れ替えて、「この他」というのを取って、「睡眠時間の確保や疲労蓄積を防ぐ観点から1日単位のインターバル」という話を、最初に書き、その後で「留意」という文章が入ってきて。その「留意」という文章の、今の3つ目の●の後半は削除したらどうか。そんなイメージなのですが。つまり、この委員会の1つのメッセージとして、インターバルについての議論が結構出たように思うのです。それを強く出すという意味でも、3番目にインターバルの話を持ってきて、「留意」の話は4番目で、多少考慮してあげることも必要ですとする。そういう位置付けの方がいいのではないかなと、これは1つの提案なのですが。そうすると多分黒田さんおっしゃったような意味も多少クリアになるかなという感じがします。

○今野座長 先ほども言いましたが、引きとらせてください。つまり、これは2つのことを言っているわけです。柔軟化を進めましょうということは、ある時期は労働時間が長くてもいいですよということになる。でも、それでもいくら何でも無限はないよねと。相異なる2変数を上手にどう組み合わせようかというので、ちょっと曖昧な表現になっているので、ここは少し考えさせてください。

 もう1つ、最後の適用除外の業種、職種について、「一定の配慮をしつつ」という文章を、「一定の猶予期間を設けて」というふうに変えようということですね。これも引きとらせてください。つまり、全部一定の猶予期間にするということは、ここで言うところの特別適用除外にはしないということですよね、原則で。そこはここで必ずしも、各委員の意見が統一されてないように思うのです。だから、そこは少し曖昧にするのではないかと、私は座長として思っています。事務局、何かありますでしょうか。「一定の猶予期間を置く」とすることは、原則的に適用除外をしないということですからね。それをここで宣言してしまうことになるので。

○藤枝労働条件政策課長 いろいろな御意見が出たのは承知の上なのですが、おっしゃるように「一定の猶予期間を置く」という表現をしてしまうと、その期間だけは適用しないというようなメッセージにもなるかと思いまして、そこは制度設計として、これから実現会議なり、政府内でいろいろな議論があり得る部分でもあると思いまして、こういった表現にさせていただいています。

○今野座長 適用除外設ける、設けない。設けない場合に猶予期間を置く、置かない。この3つの選択肢があるのですが、どれで行くかということについては、この検討会で最後まで詰めてはいないと私は思っていますから、少し幅を持って表現しておいたほうがいいかというように、私は思っています。

○黒田委員 確かにおっしゃるとおり、完全にコンセンサスが得られていないパーツだったと思います。そのコンセンサスが得られていないというところをもって、いろいろな表現を盛り込んだ、もやっとしたような形に落とすのか、それとも、適用除外がどうしても必要だというふうに主張する業種、職種が、どうしてそういう適用除外が必要なのかということに関して実態把握をしていく必要がある、という言葉を盛り込むのも一案かと思います。

○今野座長 それは合意ができています。適用除外にするときに、何で必要なのかというのはきちんと考えるということについては、合意ができているので、その部分は書けると思います。

○荒木委員 前回も少し似たようなことを言ったかもしれませんが、適用猶予ということは、しばらくするとその規制を及ぼすということになります。現在非常に長時間労働が常態化しているところも含めて、では基準を設定するとなると、その基準自体が引っ張られてしまって、かなり緩やかなものになる。

 それからここで言っている適用除外という言葉は、もう何も規制をしないということに捉えられがちですが、それでは良くないだろうと。ここで言っているのは、恐らく単に適用除外というのではなくて、ほかの一般的な規制、直ちに妥当しないような所について同じ規制をしばらくしたら適用するという猶予ではなくて、別の形態で、長時間労働削減を着実に実施するための計画を立てさせて実行させるとか、違うアプローチをしながら、長時間労働の削減に臨むということです。何もしなくていいのではなくて、一律の規制とは別の特別な規制を及ぼす。それが他の業種と同じではなくて、その業態に合った、より実効的に長時間労働を削減する仕組み、計画を立てさせて、それを着実に実行させると。そういうアプローチもあるということが、ここでは言いたいのかなということです。猶予の問題、適用除外の問題、違うアプローチをこの検討会ではされていって、それがより実効的であるかなということが議論されたと思っております。

○今野座長 今の荒木さんが喋られたようなことを文章にするならいいですか。

 それでは、他にどうぞ。

○大久保委員 論点整理案のどこの話か、私もまだはっきり分かってないのですが、ちょうどこの検討会で議論をしているタイミングで、いわば一連のいろいろな問題が起こった。つまり、長時間労働とパワハラのような問題が重なって、それが鬱などのメンタルヘルスの障害につながったりとか、あるいはそれが更に過労死とか自殺とかいう問題につながっていったという、社会的にそういうことに関して課題が認識をされてきた。このタイミングで、年末にも過労死ゼロの対策案を出されているところだと思うのです。そういう背景の中で出てくる論点整理案であるのですが、その一連の構造、長時間労働とか、パワハラとか、鬱とか、過労死とか、その辺のフレーズのことというのは言葉としてはこの中にはほとんど出てこないのです。その辺のところを踏まえて、1行書かなくていいかどうかというところを皆さんの御意見を聞いてみたいのですが。

○今野座長 入れるとしたら、総論しかないですね。つまり、こういう社会的な状況にあって、この問題、我々が議論していることについての社会的な関心が高いです、みたいなことを入れるかどうかです。

○平野委員 今の観点に引き付けてなのですが、労使の役割のところの2つ目の●ですが、6ページです。いわゆる労使協議会等、労使の話合いの中でこういった問題を議論の俎上に載せていこうといったときに、恐らく労使で話し合うべき点というのは長時間労働是正ということだけではないと思うのです。長時間労働是正にからめて、いわゆる時間当たり生産性向上をどうするのかという問題と、今大久保委員がおっしゃったような、いわゆるパワハラの話とか、そういう働きやすい環境の整備というのも、多分労使の中の議論の俎上に載せるわけです。ここで総合的にいろいろな観点で話し合っていかなければいけないと思うのです。そのときに、いわゆる労働時間等設定改善委員会、この名称もちょっとどうかなと私思っていたのですが、その前段にある文章が、いわゆる長時間労働の是正に向けてという、この1つしかないのです。ですから、長時間労働の是正に向けて、また、あるいは時間当たり生産性向上に向けて、また働きやすい環境作りに向けてと、総合的にここに表現しておいたほうがいいのではないか。そうすると、大久保委員の今のお話のところもある程度カバーできるかと思いました。

○今野座長 おそらく、2つの点があるのです。1つは、大久保さんが言われた趣旨は、平野さんが言われた趣旨と多分違っていると思います。大久保さんが言われたのは、この我々の最終案が置かれている状況について、どこか総論で書いておいた方がいいのではないかという趣旨だと、私は思っています。その状況というのは、長時間労働でメンタルになって、過労死が起きましたというようなことがより社会的な大きな問題になっていて、それを受けてとか、その下でとか、いろいろな表現はあるのですが、こういう報告書を、今我々は作っていますという文章を入れたい。それが大久保さんの趣旨です。

 今、平野さんがおっしゃられた趣旨は、今度はこの6ページ目の中で、労使で話し合うときにそういうこともちゃんと話し合ってということなのですが、先ほどからこの点については、労使のコミュニケーションをもう少し広くやって、働き方改革も含めてちゃんと話し合ってねという趣旨の文章に変えようとなっている。そうすると、実質的に平野さんがおっしゃられたようなことも入ってくるというふうに、私は理解しています。あとは例示の書き方の問題なので。それでいいですか。そうすると、大久保さんの問題だけが残るということなのですが。

○守島委員 私もちょっとそういうふうに感じていたところがあって、特に、総論の一番最初の文章で、「働く人の健康を確保するとともに」という、これが唯一、大久保さんが言われるところに近い表現に現時点ではなっていると思うのですが、どこまで入れるかというのは、多分議論していただいたほうがいいと思うのです。例えば、過労死等、もしくはメンタルヘルス等みたいな、そういう表現をここに組み込んだほうが、もうちょっと強く言ったほうがいいかなと。一般の人々は、健康と言ったときに、過労死であるとか、いわゆるメンタルの問題というのは想起しないと思います。何らかの形で、どこまで書き込むかというのは、どこまで科学的に証明されているのかという問題ともちょっと関連するので難しいところはありますが、もう少し深く書き込んだほうがよろしいのではないかなという感じがします。

○小畑委員 私も大久保委員と同じ考えなのです。やはり、このような入社ほどなくして長時間労働と厳しい言動にさらされて、自殺に至るようなことも生じているというこの時点で、何が必要かということに関して、時間外労働をどうにかしなければいけないのではないかということは、委員の皆様も共有した上で、こちらで検討会議が行われたということをどこかで書くべきかと思います。書きぶりはどうするかいろいろな選択肢があると思うのですが。それを書くということがいかにこの問題が重要であるのかということを際立たせることになると思いますので、そうしたふうな方向に行っていただけたらと存じます。

○今野座長 最終的には報告書の作り方なのですが、「はじめに」みたいなものがあれば、とてもやり易い。今おっしゃられたことを書き込んで、この報告書のポジショニングをして、まず入るのかと思います。その方が落ち着きがいいかとは思うのですが。

○藤枝労働条件政策課長 書くとすれば、論点整理の総論のところの前に「はじめに」ということで書くのかと思います。

○今野座長 一番前に、この委員会のミッションは何でということを書くときに、状況を書いた上でミッションはこうですというのが、一番落ち着きがいいかなと思ったのです。それで考えてみますか。今の皆さんの御意見は、この本体にどうにか書き込むということですが、どちらでもいいですか。いずれにしても入れられますが。

○大久保委員 どちらでもいいと思います。そういう中身を踏まえて、我々は議論したのだということが伝わればいいと思います。

○今野座長 いかがですか。

○平野委員 とても些末なことで恐縮ですが、読んでいて、言葉で「文化」という言葉が出てくるのですね。2ページ目の2つ目の●に「企業文化」という言葉が出てきて、最後は7ページ目のタイトルの「意識改革、文化改革」に出てきています。文章の中にはこの文化という言葉は出てこないのです。「文化を改革する」というふうな、強烈といいますか、なかなかそんな簡単に文化は変えられないと思うのです。いわゆる「風土」というふうに、一般的な表現にしておいたほうがいいと思います。

○今野座長 私も賛成です。他にどうですか。

 それでは、今日たくさんの意見をいただきましたので、こういうふうにさせていただきたいと思います。今日いただいた御意見を踏まえて論点案を書き直します。書き直した結果を皆さんにメール等で送付させていただいて、もう一度意見をいただいて調整をして、最終案の論点の文章にしたいと思います。

 タイムスケジュールとしてはどんな感じになりますか。かなり時間が掛かりそうですね、修正点がたくさんありますから。

○藤枝労働条件政策課長 できるだけ早急にさせていただいて、今週中には調整させていただければと思っています。

○今野座長 分かりました。では、そのスケジュールでこの改定案が出ますので、読んでいただいて、御意見いただいて、それで最終案にしたいと思います。この研究会の役割というのは、時間外労働についての実態の整理と、あと論点の整理をするということです。その方向で最終的な取りまとめをしたいと思います。もちろん先ほど言いましたように、皆さんから意見をいただいて修正して、最終的な論点案を作るということになります。作り方は、皆さんからいただいた意見に基づいて、どうやって作っていくかについて、事務局と相談しながら、私にお任せいただければと思います。そういう形で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。では、そうさせていただきます。何かございますか。それでは、今日はこれで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

 


(了)
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