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2016年11月15日 第4回「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」議事録

労働基準局 労働条件政策課

○日時

平成28年11月15日(火)


○場所

厚生労働省共用第8会議室(19階・国会側)


○議題

時間外労働の実態等について(意見交換)

○議事

○今野座長 それでは、時間になりましたので、ただいまより「第4回仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」を開催いたします。本日は、大久保委員と小畑委員と守島委員の3名が御欠席です。本日の議題ですが、長時間労働の指摘のある業種・職種の実態について、少し集中的に議論をしたいと考えております。それでは、まず、お配りしました資料の確認からお願いします。

○中嶋調査官 承知しました。本日の資料といたしましては、議事次第、座席表、資料1「第1回〜第3回検討会での各委員の主なご意見」、資料2「長時間労働の指摘がある業種・職種の実態について(例)」の4点でございます。不足などございましたらば、事務局にお申しつけください。

○今野座長 よろしいですか。ありがとうございました。それでは、これから議論が始まりますので、カメラはここまででよろしいでしょうか。

(報道関係者退室)

○今野座長 それでは、本日の進め方ですが、今、説明がありました資料1の「第1回〜第3回検討会での各委員の主なご意見」の取りまとめについてと、資料2の「長時間労働の指摘がある業種・職種の実態について(例)」について、事務局から説明していただきまして、その後に議論をしたいと思います。それでは、まず事務局から説明をお願いできますか。

○中嶋調査官 承知しました。まず、資料1でございますが、こちらは、これまで3回にわたる議論で委員の皆様からいただきました様々な御意見につきまして、切り口ごとに掲載をさせていただいたものでございます。(1)につきましては、「総論」という小見出しを付しましたけれども、こちらでは、長時間労働是正に向けた様々な手法や制度について、また、その基本となる考え方や、目配りを要する点などにつきまして、幅広く御意見を頂戴いたしたものを載せさせていただいたものでございます。(2)以下は、小見出しのとおりでございますけれども、「マネジメント、業務プロセス、人事評価等の改革」「法規制の執行強化」「規制の在り方について」、さらには「下請け等の取引慣行への対応」、本日議論を深めていただきたいと考えております「特定業種・職種への対応」、それから「意識改革・文化改革、その他」といったところでございます。これらの論点につきまして、頂戴しました御意見を御紹介させていただいております。

 続きまして、資料2でございます。こちらにつきましては、幾つかの業種・職種につきまして、労働時間のデータなどを整理したものでございます。その中で、法規的な検討の参考となるページとしまして、2ページでございますが、こちらに現行の時間外労働規制の概要をまとめたものを付しております。それから、13ページ、飛んで恐縮ですが、こちらでは、自動車運転者の労働時間等の改善に関する基準の概要を付しております。自動車運転の業務につきましては、2ページの概要にもありますとおり、現在は時間外労働の限度基準の適用対象外となっておりますけれども、その業務特性を踏まえまして、拘束時間、休息、それから、運転時間などについて基準を定めておりますので、こちらはその概要についてまとめた資料でございます。

 それでは、業種ごとに個別のデータを見ていただきたいと存じます。まず、3ページに建設業のデータを付しております。 表1が建設業における1週間の労働時間の実績を労働力調査からまとめたものとなります。昨年の数字でありますが、週60時間を超える方の割合は約11%となっております。雇用者全体の平均は約8%ですので、建設業ではこれを約3ポイント上回る数字となっております。表2は、別の調査からの数字です。こちらでは、土木工事や舗装工事に従事する方、あるいはコンクリート工や左官工といった職種の方など、技能労働者を対象としたアンケート調査の結果でございます。1日当たりの平均労働時間について回答いただいたものとなります。その内容ですが、濃い紫色の部分となります7時間超8時間以下、それから、青色の部分となります8時間超9時間以下が多いのですが、他方で、薄い紫色の部分となります10時間超という回答も4%となっております。続いて、表3ですが、こちらは残業・休日作業を行っている現場、いわゆる強化現場について見たものとなります。まず、残業・休日作業を行っている現場ですが、全体の3.1%という数字になっております。そして、棒グラフによりまして、残業・休日作業が必要となっている理由をご覧いただきますが、内容としましては、全工程の工事遅延、昼間時間帯の工事の制約、無理な発注、天候不順となっておりまして、発注者などとの関係も見られるところでございます。

 次に、4ページ、5ページがトラック運送業についてのものでございます。表1ですが、自動車運転従事者の1週間の労働時間の実績についてのものでございます。週60時間を超える方の割合が約40%となっております。こうした長時間労働となっている要因としましては、これまでも手待ち時間につきまして御議論いただいたところです。表2では、その手待ち時間がある運行と、手待ち時間がない運行とに分けまして平均拘束時間を見たものとなります。ご覧いただきますと、手待ち時間の平均である1時間45分、赤い色の部分ですが、こちらがほぼそのままドライバーの拘束時間の違いとなって現れております。すぐ下の表4でございますが、こちらはドライバーの労働時間短縮に向けて、事業者から見て、荷主側で必要と思われることという質問で、それをトラック運送業者から回答いただいたものとなりますが、最も多く選ばれた項目を見ますと、配達先での手待ち時間削減への口添え、出荷時間の厳守など、手待ち時間に関連したものが並んでおります。あわせまして、同じ表4につきまして、もう少し下の方まで御覧いただきたいと存じますが、荷役作業の削減・解放、荷役の機械化等による荷役時間の削減といった項目が挙げられております。この荷役作業につきましては、すぐ上の表2におきましては、山吹色で示した部分となっております。2時間44分、または2時間49分といった数字が並んでおりまして、拘束時間の中で一定のウェートを持つ構成要素となっているところです。このような課題につきましては、業界、荷主、労使団体、関係省庁などが一体となった協議会におきまして、課題解決に向けたパイロット事業を行っておりますので、その概要について、5ページを御覧いただきたいと存じます。こちらでは、各都道府県におきまして、既に取引関係にある発荷主、それから、着荷主及び運送事業者からなるグループをつくってもらいまして、コンサルタントとともにこれまでの業務プロセスを振り返りながら、長時間労働の改善に向けた課題の洗い出しでありますとか、解決手段の検討や実践を進めてもらうという取組でございます。このページの右下を御覧いただきたいと思います。参考2というイメージ図でございますが、発荷主としましては、部品の絵を書いております。それから、着荷主としては、組み立て工場の絵を書いておりますけれども、当然、これに限らず、例えば、農業であれば、農協が発荷主、そして市場が着荷主といった形でパイロット事業に取り組むグループが形成をされるところでございます。そして、例えばですが、各農家から荷が出そろうタイミングがわからないといったことで手待ち時間が発生しているという分析であれば、荷主である農協で各農家の出荷状況を把握するという解決策につながりますし、また、仕分けが徹底されていないことで荷役の手戻りが生じているという分析であれば、箱を色分けして荷役作業のプロセスを改善しようといった解決策につながっていく。そして、それらによって、ドライバーの出勤時間、拘束時間の縮減につなげていくといった取組でございます。こうした取組を今年度と来年度、各都道府県において行いまして、好事例の集約などにつなげていくという想定でございます。本日の議論の参考として紹介をさせていただいたところでございます。

 続いて、6ページは医師、それから、7ページは看護師についてでございます。まず、医師についてですが、1か月の時間外労働の時間数について、時間区分ごとの割合で見たものが表1−1、そして、さらに年齢区分ごとにも見られるようにしたものが表1−2となります。表1−2の赤い点線で囲んだ部分が見やすいと存じますが、この中で右の方を御覧ください。時間外労働が長い区分としまして、50時間から80時間の方が14.2%、それから、80時間超の方が8.1%となっております。時間外労働の主な理由について示したものが表1−3となります。多く選択されたものから順に御紹介いたしますと、緊急対応、手術や外来対応等の延長、記録・報告書作成や書類の整理となっております。また、すぐその下、表2でありますが、これは1カ月の休日日数についてまとめたものとなります。平均の休日日数は5.3日であり、3日以下の方の割合も約4分の1という状況でございます。

 続いて、7ページ、看護師ですが、1か月の時間外労働の時間数について、同様に時間区分ごとに見たものが表1−1、それから、表1−2でございます。表1−2で赤い点線で囲んだ部分を左から右にたどっていただきますと、例えば、右側の2つ、20時間〜50時間以下の方は8.2%、50時間超の方は1.3%となっております。時間外労働の主な理由について、表1−3を見ていただきますと、多く選択されたものから順に、記録・報告書作成や書類の整理、会議・勉強会・研修会等への参加、緊急対応となっております。そして、そのすぐ下の表2、1カ月の休日日数でありますが、平均で見ますと9.2日となっております。

 最後に、9ページ以下でありますが、こちらは参考として付したものでございます。新しいものは9ページだけですので、このページだけ簡潔に申し上げます。9ページでは、業種別に、1週間の就業時間が60時間以上の方の割合を見たものとなります。赤い線が平成22年、緑の線が平成27年でございます。全体として、また多くの業種におきまして、平成22年と比べて長時間労働者の割合は減少しているところでございますが、業種ごとのばらつきにつきましては、引き続き見られるところでございます。

 以上は、第1回の検討会などでも付させていただいた職種別の割合ですとか、あるいは長時間になっている方の割合が見られるようになっている資料でございます。私からは以上でございます。

○今野座長 ありがとうございました。それでは、まず、今、最初に御説明いただいた資料は、これまでの検討会の主な意見ですので、お帰りになってゆっくり見ていただいて、こんなことを言った、重要なことが入っていないではないかということがあったら、事務局に言っていただいて、もう一度作り変えていただきますので、一度ゆっくり読んでいただきたいと思います。これをざっと見ていただきますと、カテゴリー別に整理してありますけれども、特に8ページですけれども、「特定業種・職種への対応」というのが少ないですね。これまで比較的自由に議論していただいて、全体としては、体系的な議論が出たかなとは思っておるのですが、ここのところが特に少ないものですから、今日はぜひとも、この辺について集中的に皆さんの御意見をいただきたいと思っております。したがって、資料2については、長時間労働の指摘がある業種・職種の実態について説明していただきました。それでは、あとは自由に御議論いただければ結構ですので、資料の内容の質問でも結構ですし、御意見でも結構ですので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。どうぞ。

○山田委員 資料に関して、もし集計されていればということなのですけれども、4ページ、6ページに、それぞれの適用除外になっているところの、表1のところで労働時間の分布、何時間以上が何%と出ていますけれども、これは企業規模別に何か特性があるのかということですね。例えば、60時間超のところで、4ページで言うと、自動車運転従事者の場合は40%ありますけれども、企業規模によって、小さいところのほうが多いというような、何となく想像はそういうのがあるのですけれども、特に建設とかはそういう傾向があるような気はするのですけれども、もしそのデータをお持ちでしたら教えていただけますか。

○中嶋調査官 すみません、また改めて整理をしたいと思います。そういった規模でクロスがとれるのかという観点で見させていただきたいと思います。今、お答えできる中で申しますと、第1回の資料の中では、実労働時間ではなくて、あくまで協定ベースの数字でどうかというところは出させていただいたと存じますが、その中で確かに規模ごとの違いがありました。大企業において活用されているのではないかとかですね。ただ、それは実労働時間ではないものですので、御指摘に合致しませんので、少し整理をさせていただきたいと存じます。申し訳ございません。

○山田委員 長時間労働を生んでいる一つの原因として想定されるのが、下請けと、いわゆる親子関係というところが想定されますので、その部分がもしはっきり出てくるのであれば、特に業界ごとに、是正するときに、そこに手を打つ必要があるのではないかというインプリケーションがあるかという問題意識で発言させていただきました。

○今野座長 どうぞ。

○村山総務課長 補足ですけれども、現在の労働時間規制の体系の中で、山田委員のおっしゃる企業規模、大企業と中小企業で規制の体系がそもそも異っているのが、月60時間を超えて時間外労働したときの割増賃金率です。大企業では、月60時間を超えた時間について50%、中小企業は25%となっています。現在、国会に、これを50%に統一する法案を出しておりますが、その検討の過程で、大企業と中小企業でそもそも60時間を超えている比率が実際にどうなっているのか、大規模な調査を行いました。必要なら追ってその詳しい数字を出しますけれども、月60時間を超える時間外労働が行われている事業場の残業の割合は大企業のほうが多いという実態です。しかしながら、今日の議論との関係で言いますと、運輸の業界におきましては、全体と比べて圧倒的に60時間を超える比率が高く、しかも、わずかですけれども、中小企業の事業場のほうがより長時間の傾向が強いという実態です。ここら辺は本日の議題との関係で注目していただくべき点かと思っております。

○今野座長 今の点、ついでに、山田さんは6ページとの関連でも知りたかったのでしょう。6ページはお医者さんか。そうすると、病院規模ですか。

○山田委員 そうです。お医者さんは病院規模で、それはちょっと違うかもしれませんね。

○今野座長 では、よろしいですね。

○山田委員 はい。

○今野座長 では、また次回以降でも。

○中嶋調査官 承知しました。

○平野委員 1ついいですか。

○今野座長 どうぞ。

○平野委員 ちょっと細かい質問で恐縮ですけれども、4ページの表4ですね。ドライバーの労働時間短縮に向けて、事業者から見て、荷主側で必要と思われることで、構成比が一番高いのが、配達先での手待ち時間削減の口添えとありますね。これは具体的にどういうことですか。

○中嶋調査官 お答えします。こちらは、例えば、ジャスト・イン・タイムを求めているような場合に、ドロップオフの時間につきまして、少し幅を持ったものにしてもらうですとか、ジャスト・イン・タイムを求められたりすると、それに遅れてはならないということで、少し早目に行ったりして順番待ちをしているですとか、そんなことで一定の手待ち時間が発生するというところもあるものですから、指定の時間について、もう少し緩和をしてもらえないかとか、そういうものも含む要請と御理解いただけたらと存じます。

○平野委員 手待ち時間そのものを規定する要因の分析というのはないわけですか。なぜ手待ち時間が発生するのかという。

○中嶋調査官 そもそも手待ち時間が何で発生してしまっているのかというところですけれども、例えば、時間の切り口で言いますと、指定が厳しくて、まさにジャスト・イン・タイムを求められるというところもあると思いますし、それから、環境面で申し上げますと、物流センターが目詰まりを起こしてしまい、スムーズにドロップオフができるような環境が整っていなくて、そのために、到着しているのだけれども、卸すに卸せず、待たざるを得ないという面もあるということでございます。それから、これは先ほど資料説明の中で申し上げましたけれども、むしろ発荷主のほうの事情としましては、なかなか荷がそろわない。取りにいったのだけれども、積み込むものがまだ出そろっていないとか、あるいは積み込みのところでやや手戻りが生じてしまって、それに付き合わざるを得ないですとか、そのようなさまざまな事情、発荷主側、着荷主側の双方で生じていると承知をしてます。

○今野座長 どうぞ、藤枝さん。

○藤枝労働条件政策課長 補足させていただきます。手元にトラック協会が調べた調査があるのですけれども、さっき中嶋が申し上げたように、荷卸しとか、荷を受け取るための待ち時間のほかに、例えば、ドライバー自身の時間調整が入っています。というのは、荷卸しをする市場とか、トラックの集積するところで順番待ちを避けるために、少し早目に行って時間調整をして、すいたところで卸すというような、トラックの順番待ちを避けようとして、逆に手待ちが起きているという状況もあるようでございます。それから、卸した後、帰りの荷物をどこかで拾わないと効率が悪いので、事業者のほうで帰りの荷を探すわけですが、帰りの荷が見つかるまでドライバーは待たなければいけないとか、そういったこともあるようでございます。

○平野委員 そうすると、コスト削減のインセンティブは、要するにトラック業者にしかないということですかね。荷主方、他の関係者はどうでもいいというか、自分のコストには反映しないという構造になっているという理解でいいですか。

○中嶋調査官 今、私が、幾つか例示で申し上げました中で、例えば、物流センターが詰まってしまっているので、そこの機能を拡充するということは、アイデアとしてはあるわけですけれども、まさに先生がおっしゃられたとおりで、物流センターを拡充するインセンティブを着荷主のほうで持ってもらえるかどうかというところは課題の一つなのだろうと考えております。

○今野座長 大分前からですけれども、工場の流れ化というのを一生懸命やってきたけれども、要するに、工場を出ると流れていないということですね。

○平野委員 わかりました。

○今野座長 他にいかがでしょうか。どうぞ。

○黒田委員 とりあえず資料に対する質問の時間ということでよろしいですか。

○今野座長 いやいや、意見でも結構です。

○黒田委員 では、質問なのですけれども、医師の労働時間も調べてくださって、ありがとうございます。公式統計が乏しい中で、非常に貴重な統計だと思いました。6ページに関しての質問なのですけれども、これはどなたに聞いているものなのか。働いている医師自身に聞いているものなのか、それとも病院側が答えているものなのかを質問させてください。というのは、(1−2)で80時間超が8.1%になっていると思うのですけれども、これは、1か月の時間外だとして、単純に4週間で割ると、1週間当たり60時間労働と考えることができるかと思います。ということは、60時間以上労働している医師が8.1%となると思うのですけれども、10ページの就業構造基本調査の数字を見ますと、60時間以上働いている方が、医師は41.8%になっていますので、これはかなりの乖離と見ることができるのではないかと思います。労働者の実労働時間が実際はこれぐらいあって、ただ、病院側がつけていないとか、把握していないとか、急患があって休日にも出勤しているのに、それを把握していないとか、そういったものが数字に出ているのであれば、6ページが現実なのかどうかを議論する前に確かめておいたほうがいいと思いまして質問させていただいています。

○今野座長 どうぞ。

○中嶋調査官 承知しました。6ページの資料につきましては、答えを申しますと、これは実際に勤務をしている医師に回答していただいているものでございます。ですので、病院開設者ではなくて、御本人の回答ということになります。これが大分乖離があるのではないかという点の御指摘について、今、調査が違うということ以外に2つを整合的に説明する材料を持ち合わせてございませんが、ファクトとしては申し上げたとおりでございます。

○今野座長 何でだろう。サンプルが違うからか。

○黒田委員 サンプル数かもしれないですね。

○村山総務課長 今、中嶋から申し上げた、そして黒田委員からも御指摘の点についてです。調査のサンプル数に注目していただきますと、6ページのとおり限られた回答数になっております。実は、医療分野での勤務環境改善に関して、実態調査が必要な状況の中、初めてやった調査であり、回収率が非常に低かったという経緯がございます。施設を通じた個人調査ですけれども、施設自体の回答率も1桁台だったという状況でした。いずれにしても、今、黒田委員から、ちょっと全体の状況とがずれているのではないかという御指摘もいただいてるところですが、今年度、さらに調査を深めているところでございます。いずれにしても、6ページにつきましては、実態をまず調査しようということでやって、かなり限りのある中でやった分析ということで見ていただけばありがたいと思います。

○今野座長 確認なのですけれども、病院にアンケートが行って、病院の方から、お医者さんに調査票をまいてくださいという方式でやったという意味ですね。

○藤枝労働条件政策課長 そのとおりでございまして、各病院にお願いをして、5名以内で選定をして回答していただくという形になっていますので、選定の仕方は病院にお任せしているというところがございます。

○今野座長 後ろは就業構造基本調査ですね。

○藤枝労働条件政策課長 そうです。

○今野座長 普通に考えると、就業構造基本調査のほうが本当っぽいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。看護師は、この中ではすごく短いですね。

○中嶋調査官 まさに御指摘のとおりかと思います。看護師については、夜勤ですとか、あるいは当直という交替制勤務という中で、かなりの負担感を感じる方が多い職種でありますが、今回、資料におきまして、他の業種との並びですとか、あるいは本検討会のミッションというところも鑑みて、労働時間という点だけに限っておりますので、そういった印象を持たれたかと存じます。

○今野座長 他にいかがでしょうか。

○小曽根委員 質問よろしいですか。

○今野座長 どうぞ。

○小曽根委員 4ページのトラック運送業のところです。先ほど表1の労働時間の実績のところで、大企業、中小企業と、企業規模のお話が出ていました。遠距離のドライバーと近距離のドライバーで労働時間もまた違うのかなと思うのですけれども、そのあたりはどうでしょうかというのが1点目の質問です。もう一点ございまして、これはもしも結果が出ていればというところです。5ページのパイロット事業の中で、平成28年度に1件実施と、左下の想定の箱の中に書いてあります。そうすると、解決手段の検討において課題というのも出てきたのかなと思います。そこで出てきている課題であるとか、解決の方向性と、先ほどの4ページの表4であった荷主側で必要と思われる改善方法には同じような結果が出てきているのかどうか、もし既におわかりでしたら教えていただければと思います。

○今野座長 どうぞ。

○中嶋調査官 まず、大型か、長距離かとか、確かに属性がいろいろございます。例えばですが、全体の拘束時間が16時間を超えるような長いものの割合を見てみますと、やはり大型、それから、長距離といったところで高くなっていることを我々としても承知をしてございます。それから、もう一つ、パイロット事業の施行状況でございますけれども、サンプル的に一つの例を申し上げましたが、実のところ、今、解決手段の実践に向けて動き出しているところでございまして、全ての状況をまだ把握できていないのですが、把握している範囲で申しますと、こちらの表にも書かせていただいたような形で、手待ち時間、それから、荷役の部分に課題ありということで取り組んでいただいているところがあり、一例として紹介をさせていただいた次第でございます。また施行状況を見ながら報告をさせていただきたいと存じます。

○小曽根委員 ありがとうございます。ちなみに、集団ということでやっていらっしゃるのですけれども、どのくらいの数の業者が入られているのですか。一つの集団で運送事業者が何社ぐらいとか。

○藤枝労働条件政策課長 私からお答えしますけれども、基本的に47都道府県ごとにパイロット事業を今やっていただいておりまして、それぞれ各県によって違いはありますけれども、基本的には1荷主、1事業主、1着荷主を基本としまして、複数入っているところもあると理解しております。

○小曽根委員 その一者ずつで完結する集団で取り組んでいらっしゃるということですか。

○藤枝労働条件政策課長 そうです。まず、その集団として話し合える環境がまず必要でございますので、そういった合意、コンセンサスが得られたところに、取組の集団としてやっていただいて、そこで得られた結果を今後は吸い上げて、好事例として、ガイドライン的なものにしていくことを目指しております。

○小曽根委員 ありがとうございます。

○今野座長 いかがでしょうか。ここの委員会の趣旨からすると、この業界にはこうやったらいいのではないかということで皆さんの御意見をいただけると、大変助かるということなのですが、黒田さん、質問があると言っていましたが。

○黒田委員 いえ、もう終わりました。

○今野座長 そうですか。どうぞ。

○荒木委員 最後の点で確認なのですけれども、パイロット事業というのは、発荷主、着荷主、運送事業の3者、集団というのはかなり小さいもので、つまり、業界団体、トラック運送業者の大きい集団ではなくて、個別の事業主、運送業者のいわば3者でやっているのですか。それとも、ある程度、産別レベルといいますか、業界団体的なものでやっているか、そこを確認させていただきたいのです。

○藤枝労働条件政策課長 取り組んでいる主体としては、各都道府県レベルのトラック協会を中心とした産業団体なわけですけれども、実際にパイロット事業、トライアルをやっていただくのは、一つのサプライチェーンとしてつながっている荷主と事業者で、元請、下請が入る場合も当然ございますけれども、具体的に荷を流している者をグループにしてトライアルしていただいているということでございます。

○今野座長 どうぞ。

○荒木委員 トラック業界等の実情をちょっと聞いたことがあるのですけれども、規制緩和によって参入業者が非常に増えてしまって、その結果、運送料金がかつてと比べると大幅に下がってしまって、非常に過当競争の状況があるということです。先ほど平野先生のコメント等もあるのですけれども、発荷主と着荷主は、そういう過当競争をある意味では濫用できるわけで、運送業者は過当競争の中で勝ち抜くために、手待ち時間があったり、コストがかかっても、長時間労働のコストは全部運送事業者持ち、ひいては運転者がその犠牲になっているという状況があるように聞いたことがございます。ですので、これは個別の企業の努力、ミクロの努力をやっても、とにかく勝ち抜くのが優先だということであると、まさに労働条件切り下げ競争に皆が参加せざるを得ない状況となってしまいます。ヨーロッパなどでは、産業別の協約でもって、公正な労働条件はこれだ、これ以下では誰も事業しないという規制がかかり得るところが、日本は企業別組合ですから、労使交渉したところで企業内で終わってしまう。産業レベルで条件を決めるべき仕組みが欠けている状況、その負の側面が現れているのではないかという気がいたします。つまり、使用者と労働者という、運送業者だけの問題ではない、全体の経済の仕組みとして、過当競争の問題のしわ寄せが労働条件に悪影響を及ぼしているというところを、公的な政策として何らか取り組むべきであると思いますので、そういうことにつながるためには、個別の関係者よりも、まさに業界団体を全部集めて、こういう競争をずっと続けるのですかということを考え直すようなフォーラムが必要ではないかという気がいたしました。

○今野座長 どうぞ。

○藤枝労働条件政策課長 すみません、説明が不足しておりましたけれども、トラック運送業につきましては、現在、取引環境と労働時間改善に向けた協議会をいわゆる中央レベルでつくっておりまして、そこには労使、それから、事業者も当然ですが、荷主側の団体にも入っていただいて、あと行政ですね、厚生労働省、国土交通省が入った形で、中央レベルの協議会をつくりまして、そこで労働時間と取引環境、先ほども先生がおっしゃった料金の適正化も含めた、こういったテーマをその協議会で議論しておりまして、その中の取り組みの一つとして、各地域ごとのパイロット事業をやっているところでございます。大きなテーマとしては、料金の適正収受であるとか、労働時間改善も含めて、業界だけでなく、荷主も入った形で何をすべきかを継続的に議論しているところでございます。

○今野座長 そういう問題について、誰がやるかはいいのですけれども、産業レベルで価格を決定してしまって、そのとおりやりなさいよというのもあるかもしれないし、政府が幾らよとやってしまうのもあるかもしれないし、ほかにいろいろな手がありそうなのだけれども、その辺は何かないですかね。一種の市場の失敗だという話なのですけれども、もう少しソフトな方法は何かないのですかね。

○荒木委員 それは労働協約の拡張適用という制度がありまして、日本でも労組法の18条に、一つの地域で、同種の労働者の大部分が一つの協約の適用を受けるという場合には、拡張適用ができるのですが、日本はほとんどが企業別組合ですから、一つの地域の同種の労働者の大部分が一つの協約に服するということはほとんど想定されないので、あまり機能していません。そこで、それに代わるような仕組みを公的に設定して、その協議会で、これは公正な基準であるということになれば、それを当該業界全体に及ぼすような仕組みを少し考えないことには、個別のミクロの競争をやらせていては、やはり問題が生ずるのかなという気がいたしました。

○今野座長 今、荒木さんが言われたのは、産業レベルで労使で考えて、このぐらいと決めるという方法だと思うのですけれども、ペナルティーがないと、抜け駆けは必ず発生して、もとの過当競争に陥る。そうすると、必ずペナルティーとセットでなければいけないということですね。

○荒木委員 協約が拡張適用されれば、まず賃金が決まって、割増賃金が決まって、それ以上低い条件で雇うことはできませんから、それは当然価格に反映して、荷主とか、そちらのほうにも、これ以上は下げられないのだから、この料金が必要だということに響いてきます。そういう協約の効力は、それに違反があれば、当然訴訟になって、守らせることができますので、諸外国では、ある程度法規制を緩和しても、そのかわりに産業別協約が公正競争を担保しているところがあるわけです。日本では、それを補完する制度がないとした場合に、何らか公的な取り組みが必要ではないかと、そういう状況かなという気がした次第です。

○今野座長 それはそれでわかるのですけれども、私が質問したのは、先程平野さんが言われたように、荷主のほうに何かインセンティブが働くような仕組みがあるといいと思ったのです。

○平野委員 パイロット事業のテーマが、トラック運転手の長時間労働の削減ということに主眼があるわけで、それは運送業者にとっては、人手不足の中でちゃんと労働環境を整備するいうインセンティブがあると思うのですね。ところが、パイロット事業に参加している発荷主と着荷主は、そこにインセンティブはないわけで、むしろ彼らが考えるのは、荷物がジャスト・イン・タイムで来るとかいうような、要するに物流コスト全体の削減というところにインセンティブがあるのだと思うのですね。ですから、もしこのパイロット事業をやるのだったら、参加者のインセンティブの違いというものをもうちょっと反映させて、サプライチェーンマネジメント全体の観点で踏み込んでいかないと、この先、なかなか発荷主と着荷主が本気になってこないということが懸念されると思います。

○今野座長 空想ですけれども、着荷主のほうは、ジャスト・イン・タイムで入ったときには、ジャスト・イン・タイム・プレミアムを払うとか、プライスが乗るとか、そういうのがあるといいですね。どうぞ。

○村山総務課長 半分、事務局への投げかけもあったと思いますので、お答えします。委員のお手元に1回目から3回目の資料を置いてありますが、1回目の資料の「参考1」と書いてある資料の12ページ、タイトルは「現行の時間外労働規制の概要(12)長時間是正のための通報制度の拡充について」というシートがございます。先ほど荒木先生から、同一産業の中での協約の拡張適用について、大変重要な御指摘がありました。それに対して、今野座長と平野先生から、そうなのだけれども、結局、取引関係にある異なる産業も含めた企業のように、今日議論になっているような場合の話について、どう考えるのか、特に平野先生からは時短にインセンティブが湧くようにするにはどうするか、というお話がございました。先ほど藤枝課長から御説明があったように、今、トラック事業における取引の適正化と労働時間の問題を一体的に解決しようという取組があり、その流れの中で我々も労働基準監督機関の運用強化という観点から発想した施策が「通報制度」です。トラック業界で、長時間労働があり、法違反があるという場合、これは当然、是正させねばなりません。したがって、是正勧告等を行い労働基準監督署も対応していますが、同時にその際、例えば、荷主から無理を負わされて違法な長時間労働をしてまでやらざるを得ない状況に追い込まれてしまっているなという端緒をつかんだ際、そのことを「公正取引を担保する行政をやっているところに通報してもらいたい」という要望があったときには通報する。その際、荷主との関係は、下請代金支払遅延防止法の対象外ですので、独占禁止法の物流特殊指定の領域になりますけれども、それに基づいて立入検査等が行われるというスキームをつくっております。これがどの程度ワークしているかは別といたしまして、考え方のヒントの一つの材料にはなるかなと思って御紹介をしたというのが1点。

 平野委員のご指摘ですが、確かに荷主側にとって、この手のスキームのインセンティブがなかなか湧かないのは事実です。かつて、国土交通省や荷主企業・団体を巻き込んで協議会を始める前は、トラック分野において、委託事業でトラック事業者、荷主企業、労働行政の3者でベストプラクティスをつくる取組を行っていましたが、その当時手が挙がってきたのは非常に限定的で、同じ企業グループの荷主と事業者、例えば○○製作所と○○運輸といった組合せが多かったです。そういう組合せですと、ジャスト・イン・タイムの実現が双方にとってのメリットとなり、企業グループとして共有できるので、乗ってきてくれたのですけれども、実際の物流は物流の大きな波動がある中で、その時々に下請に入った事業者が新しくそこに絡むので、そうした中小の下請に対する配慮というのは、基本的にマーケットの中ではなかなか、特に荷主が大きい場合には期待しにくいというのが実情でありました。したがって、藤枝課長から御説明申し上げましたように、国土交通省と厚生労働省だけではなくて、経済団体など、荷主の側の社会的な責任といったことも御理解いただける方々にも入っていただいて、系列外で、今、いろいろなパイロット事業をやって、そのベストプラクティスをガイドライン化していく、あるいはそこから得られた知見で、先ほど御説明したような政策もだんだん幅を広げていくということをやっていまして、一つの産業内の労使にとどまらずに、それを越えるときに、労働法制だけではない分野との連携、あるいはそういう視点の切り込みが重要なのかなと思っております。

 この検討会の中で、すでに荒木委員や、ほかの数人の先生から御指摘をいただいたと思いますが、労働時間等設定改善法という法律が今もあります。あの法律の表面的な法律事項は労使協定代替決議機能という労働基準法の手続規制の緩和ですけれども、本質的な意味では、2以上の事業主が労働時間を短縮するとか、休日を増やすとか、そういった取組を進めるときに、独禁法上、余りうるさいことは言わないようにするということで、中小企業で横並び意識を生かして時短を進めるという発想もあったかと思います。そうした点についてもいろいろ御示唆をいただけたら大変ありがたいと思っております。

○今野座長 どうぞ。

○山田委員 経済学的に言うと、結局、ダンピングなり、価格が下がってくるというのは需給のバランスが崩れているということになってくるわけですね。そうすると、供給力のところの調整をやるのが一つ、根本的な対応となってくると思います。そうすると、今、日本の状況を見たときに、人手不足が実際起こってきているわけで、そういう意味では、客観的な状況としては、供給力は徐々に落ちていく方向になってきている。それはいわゆる産業政策のところで、より具体的に言うと、企業の合併なり、あるいは業界連携なりが円滑に進むような、産業政策の面での支援策も同時にあわせてやっていくことも検討する必要があるのかなということかと思います。

○今野座長 他にいかがでしょうか。今の議論は、トラックの場合は荷主との関係で、荷主さんもどうにか行動を変えてくれないかという話も出たわけですけれども、医者の場合、難しいですね。医者は患者ですからね、お客さんが。ちょっと待ってというわけにいかないですね。ですから、医者についても何か御意見ありましたら。お医者さんというか、医療行為もやはり在庫が効かないということですね。だから、ジャスト・イン・タイムでなければいけないということですね。需要に常に供給を合わせなければいけないということですね。先ほど黒田さんが指摘された参考資料の就業構造基本調査のデータだと、最悪が医者ですね。断トツですね、このデータを見ると。例えば、医師会とか、医療業界は何か動きはないのですか。

○中嶋調査官 足元の取り組みについて、議論のきっかけとして御説明させていただきたいと存じますが、今、先生から御指摘のありました医療サイド、我々がやっている労働サイドの取組とあわせて、医療提供のほうで何をやっているかという観点ですが、例えば、今、医師になぜ残業が生じるかという理由の中に、事務的な負担がかなりある。もちろんトップは緊急対応でございましたが、事務作業の部分で、書類を作成したり、そういうところで時間が生じてしまっているというところがございました。その点につきましては、診療報酬の仕組みの中でも、医療従事者の負担軽減の取り組みを評価するということで、今、動きはございます。その中で、医師の事務作業を補助する者を配置している場合に加算をするという取り組みも始まっておりまして、病院に評価を聞いてみると、一定の負担軽減の効果があったという回答も得られておりまして、その方向で直近の診療報酬改定におきましても点数を引き上げるということをやっておりますので、それが一つの取組でございます。

 それから、もう一つ、医療サイド、労働サイドとも関連した動きでございますが、2年前に改正医療法が施行されました。その中で関連の条文もございまして、例えば、病院または診療所の管理者が、医療従事者の勤務環境の改善に努めなければならないという努力義務があり、厚生労働大臣の方では、その努力義務に応じて取組を進める病院・診療所向けにガイドラインをつくるという枠組みがございます。これが現場でどうワークしていくかというところでございますけれども、先ほど来、御説明をしました労働時間等設定改善法に近い世界がございまして、各病院の現場で、院長、それから、各部門の代表のような方が集まって、具体的にどのように勤務環境を改善していくのかという部分で計画をつくってみる。計画をつくるときには、厚生労働省が定めているガイドラインの取組例なども見ながら、いいものを組み込んで計画をつくっていく。そして、それを現場で実際にやってみて、評価を得て改善につなげていくという形で、PDCAを回していくという形で、現場で勤務環境の改善に取り組んでいく。そういった取組が個々の病院で起きるわけですけれども、それを支援していくところにも手を出しておりまして、同じ改正医療法の中で、都道府県の努力事項としまして、そのような医療環境の改善に取り組む病院や診療所への相談支援を努力義務として書いております。これに応える形で、各都道府県におきまして、医療勤務環境の改善支援センターなるものを設置していただいております。そこでは、我々の労務管理の関係からのアドバイスとしまして、社労士の方を配置するですとか、あるいは医療経営の観点からのアドバイザーも必要だということで、そちらのサイドの専門家も置いていただいて、どのような助成の措置が利用可能なのかとか、そういった点もアドバイスをしながら、現場での取組がワークするように支援をしているところでございます。現状について申し上げました。

○今野座長 今、看護師とか、あるいは介護とかは女性中心に働いているわけですけれども、労働力不足が大変ですね。例えば、短時間正社員とか、つまり、働き方改革をして、労働時間を少し少なめにしてでも働けるような環境をつくるということについて、短時間正社員の事例というと、いつも看護師ですごく積極的に行われている。そういう意味では、医師ではないですけれども、周辺の職種については人材不足とか、あるいはワーク・ライフ・バランスとか、人材活用を考えて、多様な働き方ができるような仕組みをつくっていくということを一生懸命やっているわけですけれども。今、おっしゃられたようなことではなくて、医者の働き方改革そのものはないのかというのが私の質問なのですけれども、ないですかね。私の知っている一部のお医者さんなどは、女性ですけれども、「もう嫌、こんな働き方」と言って、パートで働いていますね。お医者さんの働き方改革というのはないのですかね。どうぞ。

○村山総務課長 先ほどの座長からの御質問の医療界の動きという点ですけれども、一つのきっかけは、医師養成課程を卒業される方の3割を超える方が女性になってきている現状があり、医療関係従事者の方の意識調査でもくっきり出ていますけれども、50代以上の方が、医師法の応召義務ではないですけれども、特別な仕事なのだという意識が非常に強いのに対して、今の若い方は、男女問わず、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方を希望されていることもあります。こうした中で、人材確保の観点からも、座長がおっしゃったように、医師に関しても、医師会だけではなくて、病院長会議ですとか、医学部長会議ですとか、いろいろなところで、さまざまな動きが出ているのは事実です。そういった中で、シフトのあり方の見直しとか、コメディカルの活用とかであり、あるいはまた優れた労務管理を横展開していく取組などが、この足元数年、緒につき始めているような状況ということです。一方では、最初に黒田委員からありましたように、実態の把握が我々も追いついておりませんので、それはしっかりこれからやっていかなくてはいけないということで、医政局と連携しながら一層やっていきたいと思います。

○今野座長 どうぞ。

○島田委員 医師について質問なのですけれども、さっき医師会と言っていましたが、医師会は開業医の方がメインですね。勤務医になるので、医師の養成でも、どっちに向かうのかでかなり違いがありますね。もう一つ、研究医というのがいるかもしれません。今、文部科学省では、一応、医師の育成については抑制的なのだけれども、病院の勤務医というところで見たときに、需給のバランスはどうなのか。供給はもう十分なのだというのが実際なのかどうなのか。医師の場合、開業医になる方も多いので、その点はちょっとお聞きしたかったのが1点。それから、先ほど医師の方の事務負担というのがかなり出ていたのですけれども、それはシステム化が遅れているという理解でよろしいのでしょうか。

○今野座長 どうぞ。

○村山総務課長 私からとりあえずお答えを申し上げます。今、需給推計のお話が島田先生から出ましたけれども、従来の医療関係の方々の、養成計画等の根本になる需給推計、何年かに一遍、医療部局が行っていますが、そこで働き方の問題というのは必ずしも真正面から取り上げられてはこなかったという経緯があります。現在、医政局で次の需給推計に向けて準備しているところですが、その中では、国を挙げて働き方改革というときに、この問題を避けては通れないだろうということで、今、労働基準局に籍を置いて医政局に併任されている医療労働企画官はじめ労働部局の職員も参画して、省内でもプロジェクトチームを部局横断的につくって、医療部局でも取り組んでおりまして、働き方のビジョンも含めて検討していかなくてはいけない段階に来ているという状況にあり、これからの重要な課題であると思っているところでございます。

○島田委員 医師会はやはり反対するのですかね。供給を増やすことに。もう一つのシステムの話は。

○村山総務課長 システム化のところは、確かにICT化の中でより進めるべき点が多々あるというのは、これは関係者の共通認識だと思います。

○今野座長 私も知らないのですけれども、病院で、看護師はいろいろあるけれども、医者の働き方で、こんなおもしろいやり方をやっていて、労働時間も短くて、ワーク・ライフ・バランスもとれているというようないい事例はないでしょうか。もしかしたら小曽根さんが一番知っているのではないですか。

○小曽根委員 看護師しかわからないですね。

○今野座長 医者にはないのでしょうか。

○平野委員 6ページの表を見ていると、やはり20代の方の労働時間が多いですね。年齢が上がっていくごとにだんだん、残業は減ってくるわけで、研修医の人たちが相当過重労働されているのではないでしょうか。私は詳しく知らないけれども、数年前、研修医制度に関してはいろいろな改善を加えて、実際、労働時間に関しては効果があったのですか。

○村山総務課長 データのほうは、他にもいろいろ宿題をいただいたので、また御報告させていただく機会を持てればありがたいと思います。JILPTでも、平野委員御指摘の問題とか、先ほど来、私どもで抽象的にお答えしている問題も含めて、いろいろ調査をした経緯もございますので、そうした関係も含めて、一度まとめ直して御説明差し上げることができればと思っております。研修医の方々の状況は、以前指摘されたときと比べると変わってきているところもあるのではないかと私どもは思っております。

○平野委員 若いときにこういう過重労働のキャリアをくぐり抜けてくると、こういう働き方が当たり前だとなってしまうので、むしろ20代のところを重点的に改善すると、長期間の取組になりますけれども、本質的な効果があるかなと思います。

○今野座長 今、平野さんが言われたデータを見ていると、普通は年代別に下がっていくときには徐々に下がるのだけれども、20代から30代の下がり方はすごく大きいですね。何か構造が変わったという感じですね、こんな大きな落ち方は。それは研修医なのか何なのか、私にはよくわかりませんけれども。では、それもわかったときにお願いします。他にいかがでしょうか。まだ建設もありますし、看護師もあるのですけれども。

○藤枝労働条件政策課長 事務局からお願いがございまして、ここに出したのは、建設、運輸、医師、看護師なのですけれども、ほかの職種でも、例えば、大久保先生のデータでは、長時間の職種とか業種がいろいろとございましたので、先生方のお気づきのほかの業種・職種の特性とか、そういった点も、もし何か御示唆があれば、いただければと思います。

○今野座長 ちなみに、今回上がったような職種は、前回、EUのお話を聞いたときに、適用除外とか、弾力化条項の対象とか、そういう感じのところが多いですね。そうすると、EUも労働時間の長いような職種や業種だと思うのですけれども、EUはどうやって短くしようという政策をとっているのかというのは、わからないでしょうか。

○中嶋調査官 すみません、正直わからないのですが、関連のことを申し上げますと、実は、EU指令におきましても、制定当初は研修医について適用除外としておりました。これがその後、改正によって適用することになりまして、ただ、そのときも、一足飛びにフルに課すということではなくて、4カ月、平均48時間という例の水準よりももう少し高いものを許容するというところでスタートし、その天井がだんだん下がってくるような形で、特例が廃止されたのが2012年ぐらいで、いろいろな努力があって、そういった規制がワークするような下地ができたということだと思います。詳細部分は承知していなくて大変申しわけないのですが、恐らくはそういった努力と組み合わせで適用除外だったものが特則になり、だんだん天井が下がって本則適用という形になったということでございます。あと、もう一つ、建設につきましては、ドイツで、業務の波動性に少し対応するという切り口から、調整期間につきまして、許可を得た場合には6カ月または24週間の平均で48時間以内であることを前提に、変形制による弾力化を認めているというところがございますので、確かに建設という切り口で特則を設けているところもあるというところでございます。

○今野座長 どうぞ。

○黒田委員 前回、時間がなくて、お話しできなかったのですけれども、医師に関して、他の国はどうなのかということを少し調べまして、アメリカの研修医は2003年に労働時間を週80時間以内にするようにという要請の仕組みができて、それに沿って、かなり労働時間が減ったという結果が出ているようです。実際にどう減らしたのかというのは、いろいろな研究があるようなのですけれども、それをざっと見ましたところ、無駄な業務を見直すとか、医師の免許がなくてもできるような仕事はほかの労働者に仕事を移管するとか、そういった仕事内容な非効率性の見直し作業が労働時間に上限をはめることによって初めて行われるきっかけとなったということが示されています。

○今野座長 ということは、アメリカも週80時間以上がいっぱいいたということね。

○黒田委員 はい。医師に関してはそのようです。2003年にこの要請が出た背景には、1990年代の終わりぐらいに医療ミスがふえて、裁判訴訟になったというところから起きているようです。長時間労働だとどうしてもミスが発生しやすいというところから長時間労働是正の発想が生まれたのだと思います。

○今野座長 他にいかがでしょうか。どうぞ。

○黒田委員 さっきの荒木先生のお話に戻るのですけれども、荒木先生がおっしゃった点は非常に重要だと思いまして、共感することが多いと感じました。結局のところ、今回、前半で議論した職種は、いわゆる36協定の適用除外になっている建設業と自動車の運転業務ですが、今まで適用除外になっていた背景については、私も勉強不足でわかっていませんけれども、恐らく長時間労働が常態化していて、とてもではないけれども、36協定の中におさまらないので、適用除外にしようという経緯があったのではないかと考えています。今日、皆さんのお話を聞いていると、少なくともこの2つの業種に関しては、適用除外に入れるという合理的な根拠はないのではないかと、お聞きしていて思いました。実態が長いからといって、それが過当競争によって起きているのであれば、それに合わせて36協定の適用除外にする必要はないのではないか。このあたりがこの検討会で議論していく点なのではないかと思いました。先ほど荒木先生がおっしゃったように、個別企業が市場の失敗を起こしてしまうのを防ぐために、ヨーロッパは産業別組合で歯止めがかかっている。日本にも労働協約の拡張適用という形で似たような仕組みをつくって、でも、あくまでも労使の中でそれをうまく運用していくというシステムがよいのか、それとも、そうなると、インセンティブとか、ペナルティーとかをうまく組み合わせないとワークしない可能性を考えて、労使ではなくて、法律で全体のキャップをはめてしまうというほうがうまくワークするのか、そのあたりが今後議論していくところなのかなと思いました。

○今野座長 それ以外で、もっとソフトな方法はないかなというのが私が質問したことなのだけれども、どっちにしても、どの方法でいくのがいいか、考えなければいけないですね。ところで、今の議論を踏まえると、適用除外したのはなぜというのはきちっと認識しておかなければいけないということですね。この辺についてはどうですかね。

○藤枝労働条件政策課長 その点については、しっかりとした根拠が残っているわけではないのですけれども、当時の議論として、季節的な変動のある、例えば、建設業でありますとか、あと、長時間労働の実態があるような、まさに先生おっしゃったような実態を踏まえた議論の経過として、このような適用除外になっているということでございます。また、自動車につきましては、労働時間の上限基準は適用除外になっておりますけれども、冒頭に御説明したように、それとは別に、独自のガイドラインとして改善基準告示を一方でつくり、ほかの業種とは違う拘束時間でありますとか、休息時間といった視点を入れたガイドラインで業態に合わせた指導方法をとってきたという経緯がございます。

○今野座長 どうぞ。

○島田委員 適用除外といっても、何でもいいというわけではなくて、36協定という枠組みはあるけれども、目安とか、それの適用基準なので、別に何も枠がないというわけではないのと、逆に言えば、目安時間なので、それを守らなかったからといって、直ちに違法だったわけではなく、そういう意味では、それほど厳格な基準ではなかった。ただ、これから考えていく上では非常に重要な論点になってくるということだと思うのですね。だから、適用除外という場合の使い方を少し考えておかないと。

 関連して、建設については、規模にもよるのですけれども、統計は大手ですね。建設については、建築基準法で相当細かい規制が国土交通省で決まっていて、あれは守らないとならないですね。それと連動していくと、要するに元請に責任を持たせるような仕組みを、労災だけではなくて、労働時間についても持たせていくような方向性を考えると、ある程度規制は可能なのではないか。今、すぐに指名停止とかになるので、労災は今、そういう仕組みができますけれども、そういう考え方はできるのではないか。

○今野座長 どうぞ。

○荒木委員 同じことですけれども、今、世界中で、非常に重層的な下請構造といいますか、昔は一つの企業でやっているほうが効率的だったのですけれども、技術の発達もあって、どんどんアウトソーシングできて、しかもクオリティーが下がらないということで、重層的な下請が広がっている。そうした中で、末端の労働条件の悪い労働者の使用者だけを捕まえて、労働条件が悪いではないかと言っても始まらない。下請関係の中で利益を得ている人がいて、一番末端のところは、そもそも使用者も非常に経済状況が悪いということで、アメリカで『フィッシャード・ワークプレース(Fissured Workplace)』という本が出て、今、アメリカ労働省の労働時間・賃金局長をやっている方が学者のときに書いた本なのですけれども、要するに、ブランドを利用して利益を上げている人、直接の契約関係がない発注者等も何らかの形で視野に入れて規制しないと、伝統的な契約の相手方の使用者だけを規制しても限界があるということなのですね。まさに島田先生がおっしゃったように、労働法だけの使えるツールでは間に合わなくなっている。ですから、先程村山課長がおっしゃったことと同じで、省庁横断的なところで、公正競争を担保するために、これだけ労働問題が起こっているときに、労働規制だけではないものを、CSRなども使ってもいいと思うのですけれども、そういうものとして議論しないと間に合わなくなっているということではないかと思います。

 ですから、独禁法の規制というのは、自由競争をむしろ奨励するのですけれども、先程村山さんがおっしゃったように、労働協約というのはカルテルなのですね。ですから、独禁法上は禁止されるべきものなのですけれども、労働協約によるカルテルだけは世界中でも競争規制、独禁法の適用除外として、むしろ認めている。そういうことで、諸外国はカルテルたる労働協約、産別協約を結べているのですけれども、それが欠けている日本でこれを補完するものが何かないかということも視野に入れながら議論していいのではないかと思っています。

○今野座長 そういうお話を聞くと、方程式がすごく難しくなってきているなという気がします。ここの役割は労働時間の規制をどうするかということなのですけれども、ほかの政策との関係を考えないと実効性がないということになると、ほかの政策との関係を考えながら労働時間規制のあり方を考えなければいけないので、方程式が極めて複雑になってきて、大変ですね。どうぞ。

○山田委員 荒木先生に関係して言うと、取引の公正価格に対して、これまであまり意識せずにやってきて。最たるものは労働者と企業の間の賃金ですけれども、企業と企業との間の公正価格とは一体何かと。これは聞いたことがあるのですけれども、海外の場合は、資源価格なり、一次産品価格が上がったときに、それを取引価格に一定程度のフォーミュラでもって要求するというのが、ある程度、社会的に合意ができ上がっている。日本は、そこが業界とか、どういう分野かによって違うのですが、かなり弱くなっていて、結果としてそれがダンピングのような形でどんどんコスト削減競争になっているということで、公正価格とは何かという議論が弱い。これもあまりやり過ぎると、今度は逆の問題が出てくるのですけれども、どこまでが正当に要求できるのかというか、そこの議論が全体として十分されていないのではないか。これは問題提起なのですけれども、全て価格に対しての介入はだめだというのではなくなっているのではないでしょうか。

 具体例で言うと、さっきの運輸で、ユーザー企業がトラック業者に対して、急にすぐやってくれと、あるいは条件を変更したときに、その場合はプレミアムを払おうとか、それは一つのルールづくりとして検討していいのではないか。それは労働政策、雇用政策から出てしまうことかもしれません。でも、今回の趣旨は、非常に広い視野で議論すればいいのではないかと聞いていますので、そういうところを、ある意味、問題提起として、報告書などのところに書き込むということはあり得るのではないでしょうか。

○今野座長 提起としてですね。今回の職種には出ていないですけれども、ITの労働時間が長い最大の理由はそれですね。スペック変更とか、顧客の気持ちが変わって、作るものを変えろとか、これに対する対応が労働時間を非常に長くしている。だから、IT産業でも、私が知っている限りでは、パッケージをつくっているところはそんなに長くない。自分で全部コントロールできるから。お客の仕様に合わせてシステムをつくっているところは労働時間が長い、そういうことになってしまうのですね。他にいかがでしょうか。

○山田委員 では、1点。

○今野座長 どうぞ。

○山田委員 最初の2ページのところの、今後、具体的に上限を設定するのか、しないのかということも含めて議論になっていくと思うのですけれども、そのときに、全体としては、今の状況を考えると、長時間労働是正のための社会的なメッセージを出すという意味では、上限を設定するというのは妥当だと思います。これまでもそういう議論だったと思います。2ページのところで言うと、3つ目にある大臣告示において適用除外にしているものに関しても、今日の議論であれば、しっかりした根拠があれば残せばいいと思うのですけれども、そうでない場合は、基本的にはこれに対しても上限をつけていくということだと思うのですけれども、一方で、現実には今日の議論の中でもありましたように、雇用とか労働の世界から外に出ている、産業のあり方とか、商慣行のあり方とかかわっているものですから、実際に上限を設定するにしても、一定の猶予期間を与えたり、あるいは一時的に、当面の間、別の上限を設定するとか、そういう柔軟な対応は考えていく必要があるのではないかと思います。その1点、申し上げたいと思います。

○今野座長 どうぞ。

○荒木委員 上限を設定するときに、今日議論したのは、それぞれの業界によって、業界の特殊性があって、非常な長時間労働になっているものがあるということで、これは具体的に考える場合には非常に重視すべき事実ではないかと思っています。どうしても労基法の規制ということを考えますと、全労働者に一律の規制をということになりがちなのですけれども、業態、業界によって、それぞれ抱えている問題が違うという中で、その業界での長時間労働削減に何が有効かということをにらみながら、その基準というものを考える必要がある。今日の議論からはそれが出てきたのではないかという気がしますので、それも念頭に今後検討すべきではないかと思います。

○今野座長 前回のEUとの関係でも、時間規制を設けるとしても、EUで弾力化とか、あるいは適用除外という、言ってみれば、多様性に対して対応するというのがセットになっているので、日本でも、いずれにしても多様性に対する配慮と、全体ベースを下げるということの両方考えながらやっていかなければいけないかなとは思います。他にはいかがでしょうか。どうぞ。

○平野委員 先ほど看護師のところで、医者に比べると看護師は、時間だけ見ていると非常にいいといいますか、真っ当であると思うのです。しかしながら、看護師のメンタルにかかわる研究などで見ていますと、お医者さんよりも看護師のほうがストレスは高い状況にあるわけですね。もともと時間外労働にかかわる議論は、働く人々の幸せだとか、やりがいだとか、心理的な側面が本来目的だと思うのですね。時間を削減する云々はむしろ手段の話であって、そういうふうに考えると、いわゆる量的な側面での議論はもちろん必要なのだと思うのですけれども、働き方の質的な側面ですね。そこの議論を拡張し始めると、急に話が広がってしまうというところもあると思うのですけれども、その辺のところも少し議論の中に入れていかないといけないのかなという気がしますね。

 例えば、最近の電通のニュースなどでも、マスコミの論調を見ていますと、量的な側面の話が非常に出てきますが、働き方の質的な問題もあるのだと思うのですね。そうすると、時間総量の話ばかりになっていると、質的な議論が全部捨象されてしまうので、今後、そういったところも議論の対象にしていただければと思います。今日の話とは別なのですけれども。

○今野座長 何回前か忘れましたけれども、結局、今回の議論の目標は、安全で健康な働き方ができる、あとは、ワーク・ライフ・バランスが実現できる、あともう一つ、3つくらいの政策目標があって、それを実現する一つの方法として、我々は労働時間をやるということです。したがって、量的な側面だけではなくて、最終目標について、今、平野さんがおっしゃられたような目標を達成するには、働き方の質も重要であるというのは、どこか一筆入って私はいいと思う。その中で今回は労働時間に限定してやりますという、そういう書き方にした方が私もいいと思います。ですから、あくまでも最終目標は、健康で安全な働き方ができて、ワーク・ライフ・バランスが実現できて、あともう一つ、3つぐらいここで合意したと思うのですけれども、それが最終目標ですので。他にいかがでしょうか。どうぞ。

○黒田委員 先ほどの下請が何重構造にもなっていて、労働法では間に合わなくなってきたという御意見のところについて述べさせてください。もしかすると荒木先生がイメージされていることと私の考えが違うかもしれないのですけれども、最近は雇用関係にないような働き方をしているインデペンデントコントラクターみたいな人が増えているというのはよく聞かれるところですが、私自身はそれについて、きちんとした統計はあまり見たことがなくて、もし事務局でそういったことが把握されているのであれば、各国別に、現時点でどの程度存在しているのかというようなざっくりとした数字とか、あるいは国別にそういったインデペンデントコントラクターがどれくらいの長時間労働をしているのかというところも見られるといいのではないかと思います。というのは、国によって労働時間の規制が非常に厳しいところと、そうでないところがあって、労働時間規制の厳しい国で働いているインデペンデントコントラクターは、たくさんの業務を下請として投げられて長時間労働しているのか、それとも、そういった国で働いている人は、投げるほうも労働時間規制で短くしか働いていないので、そんなに無茶な仕事を振っていないのかというところは非常に興味深いと思います。グローバル化の下で、クラウドソーシングという働き方もでてきています。世界中に業務を発注できる労働者がいる時代になってきているわけですが、今のところは取引相手は自国内でということがまだ多いと思いますので、そのあたりもチェックしていただければ、ありがたく存じます。

○今野座長 どうぞ。

○藤枝労働条件政策課長 インデペンデントコントラクターですとか、雇用に類似した働き方ですとか、兼業、副業ですとか、今、働き方改革実現会議の中でも、多様な働き方の一つとして議論されております。厚生労働省としても、なかなかデータ的なものがそろっておりませんので、これからの課題だと思っておりますが、そういった視点も重要だということは認識しているところでございます。

○今野座長 少なくとも日本はトラックは多いですね。

○島田委員 建設もそうです。

○今野座長 建設も多いですか。そういうのは労働時間の統計はあるのですか。

○荒木委員 基本的にインデペンデントコントラクターのような、独立自営業者という形態で使用するのは、まさに労働法の規制を受けないためにやっておりますので、労働時間という統計には恐らく上がってこないですね。ですから、各国ともそれは同じような状況で、まさにクラウドソーシングなどが始まっていて、去年から今年ぐらいにかけて、デジタリゼーションの労働に与える影響とか、昔の伝統的な労働で捉え切れない就業、労務提供の仕方について、国際会議が世界中で行われております。伝統的な労働法の対象外の状況をどうコントロールするのかというので、今、世界中で悩んでいるのですが、ただ、統計としては、ぜひ探していただきたいと思いますけれども、難しいかもしれないという気がいたします。

○今野座長 どうぞ。

○黒田委員 それに関連して、デジタリゼーションの労働条件に与える影響についても、少し話が逸れてしまいますけれども、重要な点かと思います。この研究会でもテレワークの活用についての議論が以前にもあったと思うのですが、通勤時間が節約できるという意味では労働時間が短くなるというメリットがある反面、一方で24時間いつでも発注があって、それに対応しなければいけないというデジタリゼーションの弊害も最近ではかなり話題になっているのではないかと思います。私の記憶では、フランスが深夜や早朝など24時間業務関係のメールや連絡が届いてしまうことを排除しようとする、「つながらない権利(right  to  disconnect)」、という法案を議論していたのではなかったかと思います。テレワークの推進も重要な議論ですが、そういったデメリットの部分も最近の情勢として盛り込んではいかがかと思います。

○今野座長 非常に単純に考えると、雇用関係だったら、在宅勤務していようが、労働時間規制の範囲内ですね。そこで、雇用関係だけれども、労働時間規制の対象外で在宅だったら、どこまで伸びるかわからないというのと、あとは、電話一本で働いてくれる人は大体独立自営なので、オンコールワーカーみたいなもので、そうすると雇用関係ではないので、労働時間はわからないという状況ですかね。

○黒田委員 夜の8時から朝の8時まではメールを受け付けないなどとすることによって、労働者の健康が守られるというような。

○今野座長 そういう法律をつくる。

○黒田委員 つながらない権利というのを、今、フランスで結構議論されていると思うのです。そういう意味では、デジタリゼーションが進んでいるからやむをえないと言って何もしないのか、それとも、その利便性は享受したうえで起こりうる弊害については法律でできることを工夫して考えていくのかということかと思います。

○島田委員 一方で、在宅勤務では10時以降でやりたいという希望も強い。要するに、子供が寝てから仕事をしたいけれども、雇用だと10時以降はやらせてもらえないという不満もあるのですね。だから、いろいろ複雑になる。

○今野座長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、今日はかなり限定したテーマでお話をいただきました。次回の日程について、事務局からお願いします。

○中嶋調査官 次回の日程につきましては、調整の上、改めて御連絡をさせていただきたいと存じます。

○今野座長 それでは、終わります。ありがとうございました。

 


(了)
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