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2017年3月10日 第2回心血管疾患に係るワーキンググループ 議事録

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成29年3月10日(金)12:30〜14:30


○場所

中央合同庁舎第4号館 1F 全省庁共用108会議室


○議事

○岡田がん・疾病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第2回「心血管疾患に係るワーキンググループ」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 事務局を務めさせていただきます厚生労働省健康局がん・疾病対策課課長補佐の岡田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 今回より新たに御参画の構成員の御紹介をさせていただきます。まことに恐縮ですが、お名前を呼ばれた構成員の方は御起立いただき、一言御挨拶をいただきますようよろしくお願いいたします。

 日本医療法人協会副会長の馬場武彦構成員でございます。

○馬場構成員 日本医療法人協会の馬場でございます。民間病院の立場から意見を述べさせていただいております。よろしくお願いいたします。

○岡田がん・疾病対策課長補佐 全日本病院協会副会長の美原盤構成員でございます。

○美原構成員 全日病の美原です。どうぞよろしくお願いいたします。

○岡田がん・疾病対策課長補佐 なお、三浦稚郁子構成員はおくれて御参加されると御連絡をいただいております。

 また、岡山県保健福祉部長の荒木裕人構成員、独立行政法人奈良県立病院機構奈良県総合医療センター総長の上田祐一構成員、日本看護協会常任理事の川本利恵子構成員、日本病院会副会長の宮崎瑞穂構成員からは、御欠席の御連絡をいただいております。

 また、今回、参考人として、脳卒中と循環器病克服5カ年計画医療体制整備ワーキンググループの自治医科大学附属さいたま医療センターセンター長の百村伸一先生に御出席いただいております。

○百村参考人 百村でございます。よろしくお願いいたします。

○岡田がん・疾病対策課長補佐 続きまして、資料の確認をさせていただきます。

 議事次第

 座席表

 心血管疾患に係るワーキンググループ 構成員名簿

 資料1 検討会、ワーキンググループの進め方(案)

 資料2 百村参考人資料

 資料3 心血管疾患の回復期・維持期の診療提供体制の考え方(案)

 参考資料1 心不全の総患者数の推移及び年齢階級別総患者数

 参考資料2 厚生労働省医政局指導課長通知「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」(平成24年)より抜粋

 参考資料3 第1回心血管疾患に係るワーキンググループにおいて出された意見

 また、貸出資料といたしまして、第1回の検討会及びワーキンググループの資料を配付させていただいております。こちらは、会議終了後、机に上に置いたまま、お持ち帰りになりませんよう、よろしくお願いいたします。

 資料に不足、落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。

 以上をもちまして撮影を終了し、カメラをおさめていただきますようお願いします。

 これからの進行は永井座長にお願いいたします。

○永井座長 では、議事に入らせていただきます。

 最初に、資料1「検討会、ワーキンググループの進め方(案)」を事務局から御説明をお願いいたします。

○岡田がん・疾病対策課長補佐 事務局でございます。

 資料1をごらんください。「検討会、ワーキンググループの進め方(案)」でございます。

 まず、これまでの検討会の状況でございますが、平成28年6月30日、第1回脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会におきまして、循環器病の診療提供体制の現状と課題について御議論いただいております。

 8月17日に第1回の心血管疾患に係るワーキンググループ、8月18日に第1回脳卒中に係るワーキンググループを開催いたしまして、第1回脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会における意見、ワーキンググループの進め方(案)、搬送〜急性期の診療提供体制の在り方の骨子に関する検討を行っていただいております。

 平成29年2月3日に第2回脳卒中に係るワーキンググループ、そして、今回、3月10日、第2回心血管疾患に係るワーキンググループを開催いたしまして、回復期〜維持期/慢性期の診療提供体制の在り方の骨子に関する検討、及び急性期診療と回復期〜維持期/慢性期診療間の連携体制の在り方の骨子に関する検討を議論いただく予定としております。

 その後、4月ごろを予定しておりますが、第3回のワーキンググループにおきまして、搬送〜急性期の診療提供体制の在り方の詳細に関する検討を行いまして、5月ごろに第4回ワーキンググループにおきまして、回復期〜維持期/慢性期の診療提供体制の在り方の詳細に関する検討、また急性期診療と回復期〜維持期/慢性期診療間の連携体制の在り方の詳細に関する検討を御議論いただきたいと考えております。

 その後、平成29年6月をめどに、おのおの4回のワーキンググループにおける議論を整理し、「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」へ報告することを考えております。

 以上でございます。

○永井座長 ありがとうございます。

 ただいまの事務局からの御説明に何か御質問、御意見ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 そういたしますと、続いて「循環器疾患における医療体制について」、百村参考人から資料2を、「心血管疾患の回復期〜維持期の診療提供体制の考え方について」、事務局から資料3を御説明いただいて、御議論をお願いしたいと思います。

 では、最初に百村参考人からお願いいたします。

○百村参考人 よろしくお願いいたします。

 きょうは、急性期から慢性期にかけての御提言をさせていただければと思います。なお、この循環器学会の医療体制整備ワーキンググループのリーダーは日本大学の平山教授でございますけれども、きょう、所用のために私が代理で発表させていただきますということを、まず申し添えておきたいと思います。

 この資料に沿って御説明してまいりますので、よろしくお願いします。一部、非常にビジーなスライドもございまして、多少見にくい点もございますが、御容赦いただければと思います。

PP

 1枚目でございますが、これは心臓病がどういう経過をたどるかということで、しばしば出されるものであります。1、2、3、4、5と丸が振ってございますけれども、1で、例えば心筋梗塞なりが起きる。その後、しばらく症状は余り顕著ではないけれども、適切な治療がなされないと着々と進行していく時期、2がございます。そして、ある日、3に至りますと、潜在的に進んでいた心機能障害が明らかになって、急性心不全という形で発症して入院を必要とする。それがこの幾つかの谷に示されています。

 一度、この心不全になってしまいますと、大きな谷、落ち込みがございますが、ある程度回復して入院していたものが退院まで行くわけですが、ごらんのように、退院したときには入院したときの状態までは決して戻っていかない。1段下の状態になってしまう。それをだんだん繰り返していくと、今度は4の難治性心不全、いろいろな治療がなかなか効かない状態になってしまって、5番、ついには終末期を迎えるという概念図がよく用いられます。

 まず、こういった心不全の原因になる冠動脈疾患などの心筋梗塞といいますのは、最近、治療法が非常に進んでまいりましたので、どこの病院でもすぐにPCI、詰まった血管を広げることが日本ではできるようになりました。ただ、その後、適切な治療がなされないと、こういった慢性期の心不全に至ってしまう。それが我が国で非常にふえている。これは、心不全は高齢とともにふえてまいりますので、日本循環器学会のデータベースでも、心筋梗塞の3倍ぐらいの患者さんが心不全で入院していて、最近、東北大の下川教授の言われた言葉ですが、心不全パンデミックという言葉がよく用いられています。

 そういうわけで、医療体制の中で心筋梗塞も非常に大事ですが、その診療体制はかなり進んでまいりましたので、今後、我が国で循環器、心臓の病気で考えていかなければいけないのは、心不全をどうするかということになるかと思います。

PP

 続きまして、2枚目のスライドでございます。そうしますと、急性期、最初の入院から始まって、あるいはそれ以前の予防の段階から始まるわけですが、循環器疾患のシームレスな医療・介護体制が必要だろうと思います。これに関しまして、一般的な脳卒中も含めたシームレスな医療体制の流れが描かれてございます。

 まず、急性期、ピンク色のところで急性期包括の医療センター、あるいは1次のセンターに収容されて、その後、回復期の病院で回復期リハビリテーション病棟あるいは地域包括ケア病棟に移って、その後、橙色のところですが、地域での疾患管理・介護に入っていくという、これが一般的な流れでございますが、心不全・心疾患において多少違いますのは、回復期の病院は、例えば脳卒中ですとリハビリの病院に転院して、そこで入院しながら機能回復するというイメージだろうと思いますが、心不全がちょっと違いますのは、これは心不全のリハビリテーション、心臓病のリハビリテーションというのは、基本的に外来で行うもので、慢性期に行っていくものである。

 それと、その目的は、単に失われた機能を回復するだけではなくて、疾病の再発予防にとって非常に重要であるということになるかと思います。

PP

 次のスライドでございますが、これも専門治療センター及び回復期病院の機能をそれぞれ書いてございますけれども、特に真ん中の下の段の外来リハビリ。今、申しました心臓のリハビリテーションは、外来で行うものである。これはまた後ほど説明してまいりますが、それを受け持つのは、現在のところ、循環器病の専門的治療センターが外来リハビリテーションも担当しているということですが、今後、回復期の医療機関にそれを移行していく必要があるのではないかと考えております。ただ、現在のところ、心臓リハビリテーションプログラムは、回復期の病院で実行するのが難しい状況にあるという現状も申し添えておきたいと思います。

PP

 続きまして、4番目ですが、「疾病管理プログラムとしての外来心臓リハ」の提案でございます。2つ前のスライドと概念的には似ておりますけれども、その中に、脳卒中の慢性期のリハビリテーションと心臓のリハビリテーションは少し異なっているというお話を先ほどしました。それを盛り込んだものがこの図でございます。

 真ん中より右のところに回復期病院(回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟)と書いてございますが、その下に疾病管理プログラムとしての外来心臓リハビリと書いてございます。心臓病、特に心不全に関しては、ここの部分が非常に重要であるということでございます。これは、先ほども申しましたように、単に機能の回復だけではなくて、丸の2番にございますが、再発予防治療も行っていく。それから、危険因子の管理も行っていく。それを行うために、その下の赤字で書いてございますけれども、多職種が介入して、この疾病の予防を行っていくということも非常に重要であると考えております。

 施設要件としましては、心臓リハビリテーションに関しましては、リハビリテーションの専門の医師のみならず、循環器の専門の医師が必要である。運動プログラムをやっていく中で、安全に心臓リハビリテーションを行いますけれども、場合によっては不整脈が出たり、循環器的な専門的な治療・対処が必要になってくることもございますので、あくまで循環器の専門の医師が、心臓リハビリテーションをやっているときにその院内にいるということが、算定1と2とございますが、2の施設の要件。循環器の専門医師がいることが必要であるということが、通常考えられているリハビリテーションとは異なっているところかと思います。

PP

 次のスライドで、心臓リハビリテーションとは何ですかということをもうちょっと詳しくお話ししていきたいと思います。

 これは、矢印で示してございまして、それから、患者さんが運動している写真が載っておりますけれども、これは急性期から慢性期に向けての心臓リハビリテーションの流れを示しております。入院された急性期といいますのは、これはまずベッドから離床して、早く歩けるように機能回復するということが主眼になっております。

 問題はそこから先でございまして、2番目の矢印、安定化・退院準備、退院に向けてのところでございます。この段階で機能回復、いわゆる有酸素運動を中心とした積極的な運動療法を行っていきます。そのために、まず患者さんの運動能力を心肺機能検査で調べまして、それぞれの患者さんに適した運動処方、どの程度の有酸素運動を行うかというプログラムの処方を書きまして患者さんに運動していただきます。

 そして、退院になるわけですが、退院後も外来に通院していただいて、その有酸素運動を中心とした心臓リハビリテーションを続けていく。それは、退院後、慢性期の安定期に入っても、こういった運動を中心としたリハビリテーションプログラムを継続していくことが大事である。単にこのときに運動しているだけではなくて、同時に生活指導や教育、それから自己管理を学んでいただく。そういったことも含めた、いわゆる疾病管理プログラムというものを実践していく必要があるということでございます。

 この疾病管理プログラムを実践するためには、医師だけ、あるいは理学療法士だけでは到底無理でございますので、ここにいろいろな職種が絡んでくる。いわゆる多職種によるチーム医療が必要になってくるという考え方でございます。

PP

 続きまして、ちょっと関連したスライドでございますが、実際に有酸素運動を中心とした、こういった包括的な管理プログラムを実行することによって、どういうアウトカムの改善が得られるのかということを、上の段の2つのグラフで示しております。

 左上のほうは、高齢の心筋梗塞などの冠動脈疾患患者さんに外来での包括的な心臓リハビリテーションを行った場合に、死亡率が非常に減少する。行わなかった赤線に比べて、青の心臓リハビリテーション施行群では、まず死亡率が下がるということ。これは、医学的根拠が整っております。

 一方で、心不全患者に関しましても、上の右の図にございますように、外来で心不全患者に心臓リハビリテーションプログラムを実行することによって、死亡率も減るのでございますが、主に再入院、心不全患者さんは、1回入院すると、たびたび入院してまいります。年間の再入院率が、我が国のレジストリでは2割から3割ぐらいになると言われております。再入院するたびに多くの医療資源を使うし、患者さんのQOLも落ちるわけですが、継続的な運動療法を中心とする包括プログラムを実行することによって、心不全の悪化による再入院を大幅に減らすことができるということが、これも明らかになっております。

 したがいまして、下の図にございますように、急性期からリハビリテーションは必要ですが、急性期から回復期あるいは維持期に向けての心臓リハビリテーションの目標がだんだん変わってくる。急性期は機能回復がもちろん主体。早期退院が目標になりますが、その後も継続してリハビリテーションを続けることによって、再入院あるいは死亡が減らせるということは、極めて重要であります。

PP

 次のスライドでございます。

 では、退院してからどういうところでやるか。先ほど申しましたように、現在のところ、心臓リハビリテーションプログラムはしっかりしたものを持っておりますのは、急性期の高度な循環器の医療を提供できる医療機関ということになりますが、今後はそれだけではなくて、地域においてそのような疾病管理プログラムを実行できる場が必要となるのではないかと考えております。

 恐らくその役割を担うのは、真ん中にございますが、地域包括支援センターというものがあって、その中に、左の黄色の部分、在宅リハビリテーション支援センターというものがございますが、こういった地域における心不全のリハビリテーションというものを行う体制を今後考えていく必要があるのではないかなと思っております。

PP

 次のスライドでございますが、繰り返しになりますけれども、医療体制整備の目的の1番は、今まで述べてきましたように、循環器疾患患者、特に非常に増加してきている心不全患者の再発予防、再入院予防ということになるかと思います。

 もう一つは、地域によって終末期の医療をどのような体制で見ていくかということも非常に重要ですが、これは後でお話ししたいと思います。

PP

 その循環器疾患の再発予防にチーム医療が極めて重要であるということをお話ししましたが、先ほど、中心に心臓リハビリテーションを置く外来のリハビリテーションプログラムが有効であるというお話をしましたが、実際にチーム医療というのはどういう役割の人たちがかかわっているのかということを、次のスライドに掲げております。患者さんが中心になりまして、リーダーシップをとるのは医師、あるいは最近では慢性心不全の認定看護師が中心になって行うことが多いですが、医師・看護師だけではなくて、きっちり服薬していただくためには薬剤師も必要になります。

 それと、特に高齢者においては栄養管理が、フレイルティとも関連しまして重要になってきます。管理栄養士も必要です。塩分の制限も必要です。

 それと、定期的に検査を行って、そのデータも患者さんに返していく必要がある。臨床検査技師が必要ですし、リハビリテーションを行う理学療法士。それと、ここには書いてございませんが、場合によっては臨床心理士も必要になってくるということでございます。

PP

 次のスライドも同じようなことでございますが、入院中にそのような多職種によるチーム医療を開始する。問題は、入院中に多職種によるチーム医療を行うことは、最近、かなり進んできておりますが、その後、退院後もそのような多職種によるチーム医療を推進するということがまだなかなかできていない。例えば、最近少しずつ始まっておりますのは、医師だけでなくて、看護師が心不全患者の外来を担当して、きめ細かな指導をする。

 それから、在宅との連携ですね。在宅の方と連携して心不全の患者さんを診ていく。そのようなことがまだ十分にできていないので、この辺の体制をどういうふうにしていくか。これは、地域によっていろいろなタイプがあると思いますが、そういうことも今後、考えていく必要があると思います。

PP

 では、本当に多職種の心不全チームによる介入を行うと予後がよくなるのですかということを、次の棒グラフと折れ線グラフがございますが、示しております。これは、鳥取大学の山本一博教授の循環器内科のデータでございますけれども、今まで心不全の入院患者さんに普通の治療をやっていた。

 その後、2009年から、先ほどから申しておりますチーム医療、いろいろな職種が集まって、患者さんの教育あるいは治療の適切性の確認、それからチーム医療の多職種カンファという多面的な介入を行っていた。それが右の心不全チームと書いてございますが、以前の通常治療に比べて、多職種による心不全チーム医療を入院患者に対して行うようになった結果、このように大幅に、これは心不全の悪化による入院または死亡ですが、4割程度減らすことができた。

 それと同時に、ちょっと細かい図ですが、左にございますが、使うべき薬剤もより高い頻度で使用できるように、きめ細かいエビデンスにのっとったガイドラインも遵守できるようになったということでございます。先ほどから申してまいりましたように、心不全患者において再入院が非常に多い。それをいかに減らすかということが極めて重要でございます。

PP

 いろいろな解析がございますが、次のスライドでは、心不全の再入院予防因子に関する解析を、全米のプログラム、アメリカの600施設のデータをもとに解析した論文でございますけれども、1番が地域の医師と連携する。2番が他の病院と連携。つまり、連携が必要である。それから、3番目が看護師。これは多職種ですね。特に、米国などは看護師が中心になっておりますけれども、日本でも慢性心不全認定看護師が中心的な役割を果たすようになるだろうと思います。それと、入院中だけではなくて、退院後の計画を立てていく。それと同時に必要なことは、退院後の計画として、かかりつけ医との情報共有。6番目に、患者さん御本人にも検査結果を知っていただいて、患者さんの教育も行う。

 こういったことをチーム医療でチームを組んで行わないと、なかなか実践しにくいということがございますので、こういったことも明らかになっています。

PP

 次のスライド1枚、時間の都合もございますので、省きまして、我が国でこのような地域ぐるみあるいはチーム医療の取り組みが既に幾つか行われていますので、その実例を御紹介したいと思います。

 広島大学のデータでございますが、広島大学から広島県地域医療再生計画へと書いてございます。これは、広島大学の循環器の木原教授が非常に強力なリーダーシップをとられまして、行政にも働きかけて広島県での切れ目のない連携システムを構築されています。ちょっと細かい図ですが、広島大学が中心になって高度な心不全の治療をする。その下に、県内の主要な4つの病院に心臓いきいきセンターを開設して、その中でチーム医療を実践していく。その基幹になっている病院が、例えば開業のクリニックとか薬局と連携していく。

PP

 こういった、簡単に申しますと、地域における切れ目のない医療のシステムを構築することによって、次のスライドに数字が並んでおりますけれども、こういう体制をとる以前に比べまして、例えば上段の平均入院回数、1年換算と書いてございますが、2009年からの2年間では2.4回、患者さんが1年に入院していたのが、その後は0.8回になって再入院率が著減したということ。

 それから、3番目の入院日数も短縮することができた。

 さらに、1年当たりの診療報酬も減らすことができたという成果が上がっております。

PP

 次は、非常に急性期から、例えば呼吸管理を必要とするような状態から、いろいろな職種がチーム医療で介入していくということも重要でございまして、県立尼崎総合医療センターでは、集中治療室に患者さんが入院している段階からチーム医療を行っている。

PP

 その結果、次のスライドにございますけれども、これは横軸に入院日数、縦軸に1日当たりのDPC単価が示されています。ほかの病院の施設が並んでおりますが、それは名前が伏せてございます。ちょっと黒っぽい丸で囲んだところが県立尼崎ですが、ごらんになっておわかりかと思いますが、まず在院日数が非常に短いことが1つですね。チーム医療を行うことによって在院日数を減らすことができる。

 一方、縦軸のコストを見ますと、短くなった分、非常にコストが上がるかというと、決してそんなことはなくて、1日当たりの単価はそれほどふえていない。そうしますと、トータルでの入院費用は、結局は急性期からのチーム医療を集中治療の段階から行うことによって短縮できるだろう。

PP

 次のスライドは、亀田総合病院のデータでございます。亀田総合病院もチーム医療を2012年に導入し、それから2013年からは、退院後のソーシャルワーカーの介入を行って、在宅医療との連携によるチーム医療を行うことによって、在院日数が有意に短縮したということを発表されています。

PP

 ただ、次のスライドですが、チーム医療は非常に重要なのですが、それを行うためには大きな問題がございます。

 まず、このような非常に熱心なチーム医療といいますのは、今は医療従事者の熱意にかかっているということでございまして、その非常に熱意を持っている医師がどこかに異動することによって、急にチーム医療ができなくなってしまう。あるいは、熱意のある看護師が抜けることによって不活性化してしまうということがあり、継続がなかなか難しいということ。

 それと、こういうものは日常の勤務に加えて行っておりますので、だんだん疲弊してくるということで、モチベーションをなかなか維持できない。学会で積極的に発表するということも重要ですが、モチベーションの維持がなかなか難しい。

 それと、入院中に多職種カンファを行うというのは非常にやりやすいのですが、退院後も地域のさまざまな医療提供側と協力してチーム医療を構成していくのは、まだ非常に難しい。

 それから、慢性心不全認定看護師が中心的役割を今後果たしていくべきだと思うのですが、慢性認定看護師は各病院に1人2人おりますけれども、それが中心的な役割をなかなか果たせていない。認定看護師を取っているからといって、その看護師の給料が上がるわけではございませんし、今のところ心不全のチーム医療を行ったからといって診療報酬が加算されるわけではない。全て報酬と言うのも問題かと思いますが、そういったところのバックアップが必要ではないかと考えております。

PP

 最後に、終末期医療についても簡単にお話ししておきたいと思います。今回は回復期のお話でございますが、今後、終末期医療も考えていく必要があるだろう。

PP

 次のスライドは、最初のスライドと似たような病気のステージをあらわしております。ちょっと細かいですが、右下のほうにStage Dというのがございます。Stage D、つまり末期心不全ですね。このような患者さんにどのような医療を提供していくかということも、今後、高齢化して心不全の人口がどんどんふえていくと考えておく必要があると思います。

PP

 次のスライドでございますが、もちろん心臓移植の適用がある方、今後、ディストネーションセラピーで、補助人工心臓で生きていく方。それから、再生医療にも期待が持てます。そういう高度な医療の恩恵に浴する患者さんもこの中にいるわけですが、こういった高度な医療といいますのは条件が限られておりますので、全ての患者さんがその恩恵に浴するわけではございません。一部の患者さんは、いろいろな治療法に反応しなくなったときに、がんと同じように緩和医療あるいは終末期医療というものを考えていく時代になっているのではないかと思います。

PP

 その終末期医療体制の問題点に関しましては、次の図に、コストパフォーマンスの問題とか、療養型病院ではなかなか難しいとか、悪化したときに在宅の看取りということも今後必要になってくるのですが、すぐ高度急性期に搬送されて高度な医療をとことんやってしまう。それから、在宅で診ている方たちとの情報共有が十分できていないので、これはICTの活用も必要だろう。

 では、症状が悪化したときにどういう方法で緩和するのか。がんの疼痛ですとモルヒネということがございますが、モルヒネももちろん呼吸困難にはある程度有効でございますけれども、そういった終末期の心不全の治療の確立も考えていく必要があると思います。

PP

 最後ですが、これは日本大学の循環器内科の加藤真帆人先生、若手で心不全に熱心に取り組んでいますが、心不全患者のマネジメントとは、短期的には血行動態の改善で、長期的には予後の改善、そして最終的にはいかに死ぬかを考えることであると彼は言っております。

 ということで終わりにしたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。

○永井座長 ありがとうございました。

 続いて、事務局から資料3の説明をお願いいたします。

○岡田がん・疾病対策課長補佐 事務局でございます。

 それでは、お手元の資料3をごらんください。こちらの資料3は「心血管疾患の回復期・維持期の診療提供体制の考え方(案)」として提示しております。

PP

 2枚目のスライドをごらんください。心血管疾患の回復期・維持期における現状1といたしまして、心血管疾患リハビリテーションについて記載しております。

 1つ目の丸ですが、心血管疾患におけるリハビリテーションは、先ほど御説明もありましたように、運動療法に加えまして、冠危険因子の是正、患者教育およびカウンセリング等を含む、多職種による、多面的・包括的な疾病管理プログラムとされております。

 回復期・維持期における心血管疾患リハビリテーションは、日本循環器学会の診療ガイドラインにおいても推奨されておりますが、欧米諸国と比べまして、我が国における心血管疾患患者の外来通院型リハビリテーションの参加率は低いという報告がございます。棒グラフは論文や研究班の報告から作成したものでありますが、海外の実施率に比べまして、右の赤いグラフでお示ししている急性心筋梗塞及び心不全に対する外来の心血管疾患リハビリテーションの参加率は、大体10%弱というデータが出ております。

PP

 次の3枚目のスライドをごらんください。現状2といたしまして、心不全について記載しております。

 1つ目の丸でございますが、心不全の患者数は増加傾向にありまして、その平均発症年齢は70歳台となっておりまして、高齢者に多く発症すると言われております。

 参考資料1といたしまして、厚生労働省の患者調査のデータを提示しており、総患者数の推移と年齢階級別の総患者数を記載しております。

 2つ目ですが、心不全は、無症状のリスク状態から症候性へと進行いたします。左下に慢性心不全の各stageの治療目標と薬物治療を記載しておりますが、早期から長期予後改善目的の治療、ACE阻害薬やベータ遮断薬等が挙げられますが、これらが必要でございますが、実施状況には施設ごとのばらつきが指摘されております。

 右下のグラフは国立循環器病研究センターからの研究報告でございますが、心不全患者に対する退院時薬物処方割合の施設分布数を記載しております。ACE阻害薬、ベータ遮断薬ともに、施設によってかなりばらつきがあることが指摘されております。

PP

 続きまして、スライド4ですが、心血管疾患の急性期と回復期・維持期診療間の連携における現状1といたしまして、心血管疾患リハビリテーションについて記載しております。

 1つ目の丸ですが、心血管疾患リハビリテーションは、実施時期に応じまして、第1相(急性期)、第2相(回復期)、第3相(維持期)に分類されまして、対象疾患や実施時期に応じたプログラムが提供されております。

 急性期治療の進歩等によります入院期間短縮に伴いまして、入院中の回復期リハビリテーションプログラムの完遂が困難となりまして、現在、外来通院による回復期リハビリテーションの継続が推奨されております。こちらの全体の流れを左下の表として記載しております。

 しかしながら、3つ目の丸でございますが、急性期の冠動脈インターベンション治療に比べまして、急性期リハビリテーションの実施率は低く、さらに外来通院型リハビリテーションになりますと、その実施率はさらに低下するという報告がございます。

 こちらは、右下の棒グラフで示しておりまして、急性心筋梗塞を治療する708施設のデータでございますが、緊急のPCIの実施率は91%でございますが、急性期のリハビリテーションは58%、外来におきましては18%というデータが提示されております。

PP

 次、5枚目のスライドですが、心血管疾患の急性期と回復期・維持期診療間の連携における現状2といたしまして、心不全による再入院について記載しております。

 1つ目の丸ですが、先ほど参考人の資料でも御説明がありましたように、慢性心不全は心不全増悪による再入院を繰り返しながら、身体機能が悪化する悪循環が特徴でございまして、慢性心不全患者の約2040%は1年以内に再入院するというデータがございます。

 あと、心不全の増悪因子には、医学的要因に加えまして、患者要因や社会的要因が含まれておりまして、心不全患者に対しては、急性期入院中から退院後も含めた、継続的な多職種による疾病管理が必要とされると言われております。

 下に心不全の、それぞれ患者要因、医学的要因、社会的要因として、主な増悪因子の例を記載しております。介入方法の例も記載しておりまして、それぞれに想定される介入職種として、さまざまな職種があるということを記載させていただいております。

PP

 これらを受けまして、心血管疾患の回復期・維持期の診療提供体制における課題(案)といたしまして、6枚目のスライドに提示しております。

 まず、1つ目の心血管疾患の回復期・維持期の診療提供体制における共通の課題(案)といたしまして、慢性心不全患者の実態の把握というものが考えられると思います。こちらは、参考資料に総患者数のデータを載せておりますが、学会等の御報告をお聞きしましても、かなりの数がまだいるのではないかという御指摘もありますので、このような実態の把握が必要ではないかと記載しております。

 次に、心血管疾患の回復期・維持期における課題(案)といたしまして、まず1つ目が、回復期・維持期において、心血管疾患リハビリテーションの提供体制をどう構築するかということが挙げられると考えております。

 2つ目といたしまして、心不全の長期予後の改善につながるような診療提供体制の構築を記載しております。

 最後に、心血管疾患の急性期と回復期・維持期診療間の連携における課題といたしまして、1つ目が、急性期から回復期・維持期へ、一貫して心血管疾患リハビリテーションを継続できる体制の構築。

 また、悪循環が特徴である、慢性心不全患者の心不全増悪予防、及び増悪したときにも早期に介入し、早期に改善できるような体制を目指した連携体制の構築を記載させていただいております。

PP

 これらを受けまして、次の7枚目のスライド、心血管疾患の急性期から維持期の診療提供体制のイメージ図を記載いたしております。

 こちらは、急性期、回復期、維持期をそれぞれで記載しておりまして、急性期に行われる医療は、急性期治療や急性期リハビリテーション。

 回復期の医療といたしまして、回復期のリハビリテーション、亜急性期の治療。再発予防や基礎疾患・危険因子の管理、合併症への対応等を記載しております。

 維持期におきましては、まず左の維持期の医療におきましては、維持期の治療や維持期のリハビリテーション。再発予防や基礎疾患・危険因子の管理等を挙げております。その横に、維持期の社会生活の中で、維持期の自己疾病の管理、これは悪循環の防止の目的も含まれると考えております。それと、心血管患者への社会的支援も挙げられております。これら維持期間での社会生活と維持期の医療の連携も含め、急性期、回復期、維持期が円滑に連携し、その中で患者情報の共有に基づく地域に応じた疾病管理の体制が必要ではないかというイメージを記載しております。

PP

 最後、8枚目のスライドでございますが、こちらは心血管疾患の回復期〜維持期診療提供体制に係る評価指標のイメージを提示しております。

 心血管疾患の回復期〜維持期診療提供体制の構築に向けまして、医療施設及び診療提供体制の評価指標を設定することが必要ではないか。しかしながら、評価指標に関しましては、適切な指標はどういうものかというのは、さらなる検討が必要ではないかと考えておりまして、その一つの案として提示しております。こちらは、回復期・維持期医療施設、及び回復期〜維持期の診療提供体制のプロセス指標、アウトカム指標を中心に記載しております。

 まず、プロセス指標がどうあるべきかという観点から、必要なストラクチャーも議論されるということで、プロセス、アウトカムを中心に記載しておりまして、医療施設のプロセス指標といたしまして、心血管疾患リハビリテーションの実施件数。これは入院、外来ともにと考えております。また、多職種介入の実施件数や標準的薬物療法の実施件数等を案として挙げております。アウトカムといたしましては、在宅等生活の場に復帰した患者の割合を記載しております。

 診療提供体制全体の指標といたしましては、プロセス指標は、地域連携パスの導入率でありますとか、アウトカムといたしましては、在宅の場に復帰した患者の割合、心疾患を主な原因とする要介護認定患者数であるとか心不全患者の再入院率を案として記載しております。

 事務局の資料としては、以上となります。

○永井座長 ありがとうございました。

 それでは、参考人の御発表と事務局説明を踏まえまして、心血管疾患の回復期〜維持期の診療提供体制及び急性期診療と回復期〜慢性期診療間の連携体制について御議論をお願いしたいと思います。

 御意見をいただきたいと思いますが、最初に私から百村先生に、先生の資料では、心不全という言葉で一括しているように思えます。先生も御存じだと思いますけれども、急性心不全と慢性心不全、あるいは慢性心不全の急性増悪はある程度分けたほうがよいのではないかと思うのですけれども、いかがですか。一般の方は、心不全というと、昔の新聞の死亡欄で突然亡くなるのが心不全と思われている傾向があると思います。死亡診断書もできるだけ心不全という病名を使わないようにという指導がありました。心不全の概念は意外ときちんと把握するのは難しい。その辺、先生はどうお考えですか。

○百村参考人 確かに慢性心不全と急性心不全とでは治療法も少し違ってきますけれども、流れとしては一連のものであるという考え方で、最初の概念図にもございましたけれども、ずっと山があって、ぽこっとへこんでいるところは急性心不全です。もともと、例えば心筋梗塞があったりして心臓の機能が落ちている人が、何かのきっかけ、例えば無理をしたとかお薬をやめたとかストレスがかかったということで、急に悪くなって息が苦しくなって入院してくるというのが急性心不全でございます。それは、慢性心不全の流れの中で起きてくることが、特に高齢者の場合は多いということです。

 もちろん、心筋梗塞を起こしたり、心筋炎という特殊な病気で、何もなかった人が急に急性心不全になる場合もあるのですけれども、多くはその後回復しまして心機能が低下すると慢性心不全の状態になって、また何らかのきっかけで、急性心不全で急に悪くなって入院するということを繰り返しながら。

○永井座長 もちろんそうなのですが、疾患の因果論の立場で見る心不全という概念があります。しかしプラクティカルに、これから行政的な対応とか現場でいろいろな対応をしていくときに、プラグマティックにはどうなのだろうという問題提起です。

 磯部先生はいかがですか。

○磯部構成員 ありがとうございました。

 先生おっしゃるとおり、先生からテーマをいただいて、厚労科研で心不全の死亡病名がどういう実態であるか、2年間調べさせていただいたのですけれども、我々が考えている心不全の実態が反映されていないような死亡病名が出てくるのですね。ですから、先生がおっしゃるように非常に混乱していることは事実ですけれども、百村先生がおっしゃったように、まず病態として分けられないということと、全体の流れとして、欧米のガイドラインは急性と慢性が一緒になっておりまして、日本循環器学会、今、改定中ですけれども、今回の改定から急性・慢性、一緒にして心不全とするということですから、むしろ、我々が実態として感じている概念を社会にちゃんと認知してもらうという方向にしないと、急性と慢性を分けて医療行政を考えるというのは、一連の多職種介入なり再入院予防ということを分けて事業とか対策するというのは、むしろ今後、障害になるのではないかと思いますので、私は一緒にやったほうがいいのではないかと思います。

○永井座長 歴史的には、昔は一緒だったのです。それで分けようということで、この何年かは分けてきました。また一緒にしようということになると、社会に対して説明が必要だと思います。

 いかがでしょうか。はい。

○三浦構成員 今、認定看護師で慢性心不全認定看護師とつけているのですけれども、この慢性をつけたのは、そういう社会の認知の問題があったようです。心不全認定看護師は、循環器看護学会が発案して、看護協会のほうで資格認定が取れたのですけれども、当初は心不全認定看護師にしたかったのですけれども、心不全と言うと終末期のようなイメージがあるということで、安定した心不全の患者さんという意味で慢性心不全としてほしいという要望がありまして、それで慢性心不全認定看護師とした経緯がございます。

 ただ、循環器看護学会としては、心不全にしたかったというのはあります。心不全の方が急激な急性状態になることもあれば、安定化するということもありますので、私もどちらかというと心不全の認定看護師であるべきだなと思っております。

○永井座長 概念は「心不全」でよいのでしょうけれども、現場の対応は別と思います。例えば、救命救急の心不全と慢性期の管理、リハビリなどの内容は随分違うわけですね。そこの整理をきちんとしないと、すべて心不全への対応とされても困ると思います。

○三浦構成員 そうです。教育課程の中でも、そのあたりはかなり幅広く、あと分野がいろいろあるなということはちょっと思っております。

○永井座長 統計のとり方にも影響が出てくるのですね。高齢者の新機能は最適状態ではないので、すべて心不全ということになる可能性がありますね。

 その辺について、今村先生、何か御意見ないでしょうか。

○今村構成員 心不全の病名は、昔から終末期につけられていて、今から25年ぐらい前に死亡診断書に書かないでくださいと言った時期があります。それまでは心不全がどんどんふえてきて、書かないでくださいと言った途端に心臓疾患の死亡者が半分に減ったという経緯があって、当時、私はまさにその担当で全国を回って、心不全と書かないでくださいということをやっていた。現場の先生方の怒りはすさまじくて、絶対に心不全と書き続けるという方がかなりおられて、多分、学術的に整理したとしても、死亡診断書などの法的責任なども含めたときに、どうしてもエスケープになる病名が必要ということがある。

 昔であれば急性心筋梗塞という病名がはやった時期もありますし、その前はたしか狭心症が多かった時期があると思いますけれども、死亡診断書の心臓疾患の推移というのも時代の変遷があって、心不全と書かないでくださいと言った時点で、ほかにかわる病名がなかったので、心不全の中には死亡病名として慢性期のどうにもならない状態、がんの末期というものも含まれているのが現状だと思います。

○永井座長 もう一つ、Stage 0も心不全です。そうすると、腎不全の場合にはある一定以上のところから腎不全と言いますけれども、多くの高齢者が心不全ということになります。そこの整理もどうするかですね。

○百村参考人 最新の分け方としまして、Stage分類はA、B、C、D、前の回でも出てきたかもしれませんけれども、Aというのは将来、心不全を起こしやすい予備軍である。今は心臓の機能は全く問題ありませんというのがAでございます。予防医学の面から見ますと、その段階から取り組んでいく必要がございます。

 次はStage Bで、常に心筋梗塞を起こしたりして、心臓の働きは低下しているけれども、まだ息切れ、むくみなどの心不全の症状が一回も出たことがない人がB。

 Cといいますのは、今、既に症状が、心臓の機能が悪くて、息切れや浮腫などの症状がある。あるいは、かつてそういう症状があって治療を受けたことがある人がC。

 Dといいますのは、先ほど述べました末期の心不全ということで、これは高度な心臓移植とかの適用にならない方は、終末期の医療に進んでいく。いろいろな治療法の有効性がなくなってしまった状態をDと分けていることが多いですね。

○永井座長 血圧が高くて、心肥大が軽くあるというのはStage A

○百村参考人 AとBの間ぐらいですかね。心筋梗塞を1回起こした人はBになると思いますので、Bの段階でCに進まないようにするということが最も大事。

○永井座長 日本人の心不全は、必ずしも心筋梗塞よるのではないですね。肥大とか加齢ということがあるので、心筋梗塞を起こしたか起こさないかではなかなか難しいと思います。その辺のBの定義は、日本人に合ったようなものをつくらないといけないと思いますが。小川先生。

○小川構成員 日本循環器病学会では、JROADで循環器専門病院の心不全患者を全例登録しているわけですけれども、23万件ぐらいありまして、急性心不全が11万件、慢性心不全が12万件ぐらいだったと思います。確かに学問的には、磯部先生、百村先生がおっしゃるとおりですけれども、永井先生がおっしゃるように、現時点では急性・慢性と分けたほうが、恐らく行政的に管理とかがしやすいのではないかというのが私の意見です。

 急性心不全ですと、心筋梗塞と同じように扱い、ダイレクトに入院するのが急性心不全ですし、それから慢性の定義はなかなか難しいですけれども、入院の適用がある心不全、その辺は慢性心不全という感じの言い方で大まかに分けられますので、管理上は急性と慢性を分けたほうが管理はしやすいかなと思ったりします。

○永井座長 心不全の概念の歴史を見ると、かつては分けていなかったのです。この10年ぐらいですか、分けるべきだと言って分けてきたわけですね。今回、一緒にすると言っても、いずれまた分けようと言ったら、学会のスタンスは一体どうなるのだということになりかねない。ここは気をつけて、プラグマティックにはこうするというスタンスでよいと思います。疾患概念や病因論からだけの話では、現場に混乱が起こる懸念があります。

 疾患概念は、先生方が言うとおりだと思います。Stageがあり、タイムコース、プロセスがある。けれども、現場でどうするかを考えて、対応しないといけないように思うのですが、いかがでしょうか。

○百村参考人 確かに急性心不全ですと、場合によっては呼吸管理も必要になりますし、補助ポンプも必要になりますから、急性期の循環器の設備が整った病院で診ないといけない。慢性期は、むしろ地域の病院で診ていただいて。ただ、慢性期の人が急に悪くなって急性心不全になることはありますから、そういった場合に速やかに急性期の病院に搬送できて適切な治療が受けられるような体制です。

○永井座長 今、先生が言われたように、慢性心不全と言わないまでも、慢性期の心不全と言えば整理がつくように思います。違う病態ということですね。

○今村構成員 先ほどの続きで、私は永井先生、小川先生がおっしゃるように、慢性をちゃんと分けたほうが現実的にはいいのかなと思っています。それは、心不全と死亡診断されるケースを見ると、後ろにがんとかが今でも残っているという状況があって、それに対して、慢性心不全と書かれた診断書に対して、がんが出てくるというのはすごく少ないです。急性心不全になると、もっと少ない状況がありますので、心不全という言葉の中に含められた、隠れた違う意味のものがあるので、実際に一般のドクターや医療現場からすると、心不全で括ってしまうとしんどい面があるのかなと思います。

○永井座長 そういう意味で、参考資料1には心不全の総患者数20万人と書いてあるわけですね。多分心不全という概念がはっきりしていないから、こういう数字になっているのではないかと思います。恐らくオーダーが1桁違うのではないですか。

○磯部構成員 Stage分類の話から今の話、一連の話だと思いますけれども、Stage A、B、C、Dは、明らかに欧米の概念から出てきて、予防の概念が非常に強いので、Stage Aというのは、確かに我々専門家も必ずしも心不全として取り扱っているわけではありませんので、ここから全部心不全として同じ行政区分にするのは、僕もいかがかと思っています。ただ、症状のない心不全というのは明らかにいます。医療機関にかかっていない、覚知していない方ですね。ですから、Stage Bは永井先生おっしゃるように、きちんと定義をして心不全の中に組み込んでいくというのは、とても大事だと思います。

 そうすると、患者の実態ですけれども、先生がおっしゃるように、我々もオーダーが1つ違う、100万単位だと認識しております。これは、多分、厚生労働省の患者調査ですから、6月かどこかの時点でサンプリングする病院にアンケートを送って、病名を出せという形で集められた統計で、それで20万人いたという話だと思います。例えば、高齢者が入院しているときに疾患が1つしかないということは普通ないわけで、心不全と認知症であったり、心不全と脳血管障害という形で来ますので、この統計というのは明らかに定義上の問題、それから統計のとり方の問題があると思います。

JROADで二十数万人という、入院患者さんのデータとしては貴重だと思うのですけれども、我々はもっとはるかに裾野は広いと考えていますので、実態調査をきちんと悉皆登録に近いような形で今後やっていかなければいけないと思います。そのときに、どこから心不全として捉えるのかということも、行政と学会と一緒になって定義していかなければいけないと思っています。

○小川構成員 磯部先生、おっしゃるとおりで、23万人のデータは入院した心不全患者です。ですから、外来で何とか入院せずにやっている人を入れますと、その数倍、100万単位は確実にあると思います。何とか入院せずに診ている患者さんのほうがはるかに多いと思います。

○永井座長 はい。

○百村参考人 具体的な数字としましては、佐渡島の人口動態をもとに推定した日本のデータが2009年ぐらいに出ておりまして、それによりますと100万人ぐらいになっております。参考までに米国は非常に保健のデータがしっかりしておりますので、米国での心不全患者数は現在500万人から600万人という数字がございます。

○永井座長 佐渡島のデータで100万人。ただ、もう少し潜在的なところまで含めると、さらに広がる可能性もあるわけですね。

 ぜひ用語について、学会での検討だけでなく、この委員会としてどうするか、あるいは行政として対応をつくる上でどういう概念が必要かということを、これからさらに詰めていく必要があると思います。そのほか、いかがでしょうか。

 今村構成員。

○今村構成員 先ほどの百村参考人の発表について、自分の問題意識と先生の問題意識のすり合わせができると思うのですけれども、自分の病院を見ていても、心リハを頑張れば平均在院日数がどんどん短くなっていくという現象があって、それは患者さんにとって非常に望ましいことですけれども、短くなると、その間は手厚くリハができるのですけれども、早く出ていってもらうと急にリハができなくなって、すごく落差ができてしまうという現状があります。

 それは外来リハを頑張ればいいということなのかもしれないのですが、現実にはその状態で外来リハが頑張れるわけでもなく、うちの場合、大学病院ですと、遠くからおいでになっていて、そこに通うこと自身、命がけみたいな状態になってしまうことがある。頑張ってリハをやって平均在院日数を短くすると、手厚いリハをする時間が短くなってしまうということが起こっているような感触を受けているのですが、その辺はいかがでしょうか。

○永井座長 急性期から回復・維持期の心血管リハをどう提供するかという連携体制・提供体制の問題について御意見いただけますでしょうか。

○百村参考人 まず、心不全の急性期のリハは、ほかの疾病のリハビリテーションと似ているところがありまして、機能回復を行って退院に持っていくというものです。先ほど申しましたように、維持期から慢性期にかけましては、これは疾病の予防のための有酸素運動を中心としたリハビリテーションです。ですから、本質的に2段階に分かれるということです。最近、いろいろな保険の理由もございまして、入院日数はどんどん短くなっているということがございますが、その中で急性期のリハビリテーションをやることによって、格段にADLを短期間に上げていくことが可能です。

 もちろん、それで積み残しというものが出てまいりますから、そういう場合は回復期の病院に移って、さらに急性期のリハビリテーションを続けていくということも必要な場合もあるかもしれません。ですので、急性期と疾病予防のための維持期・慢性期の心臓リハビリテーションを区別して考える必要があるのではないかと思っております。

○永井座長 はい。

○今村構成員 全くそのとおりで、この前に脳卒中のワーキングに私も出させてもらっていて、その部分の議論が大分混乱しまして、急性期から一連の維持期・回復期も全部つながるはずだという話で話が進もうとして、いや、急性期から回復する話と回復期は別だよという話になるのに結構時間がかかった経緯があるので、それは別のものだと考えます。

 その上で、先生の問題点のペーパーで出てくるのですけれども、では、どこまで慢性期の人が増悪したら急性期病院で診るのかということがあると思います。一番最後の終末期の緩和ケアとの分岐点という話は、脳卒中のときはなかった話なので、ここは全くそのとおりだと思うのですけれども、その前のステップとして、本当の急性期のものとサブアキュート的な、とことんやるのではなくて、ほどほどにやるというステップというものがないと、現実に高度急性期の病院が破綻する可能性も高いですし、全部できるわけではないという話があると思います。

 これから高齢者の方々がふえてくるので、その高齢者の方々の、今で言うと75歳ぐらいの方々がピークとなって起こる現象が、これから動いていくという状態。その方がふえていくので、そのサブアキュート的な方をどうするのかということが一番難しい問題かなと思っています。その部分というのは、高度急性期で受け入れるのは難しいと思うので、その受けとめ方としてはどういうことが考えられるのでしょうか。

○百村参考人 むしろ、ちょっと悪くなった段階で早目に手を打つということが、結局は入院を回避することになります。そういうことで大事なことは、まず第1に患者教育です。例えば、体重が3kgふえたら、もう危ないから注意しましょう。場合によっては医療機関に連絡をください。

 もう一つは、これから在宅の役割が重要になってくると思いますが、在宅に従事する医療提供者は、患者さんの心不全の増悪を早期に見つけるという役割を担っていくと思います。

 第3は、IT、遠隔モニターだと思います。極端な例では、肺動脈に圧センサーを入れて、それをリモートモニターして、それが一定の圧を超えたら治療介入、利尿剤をふやすとか、米国ではそういうところまで行っています。日本はそこまで行かないとしても、体重や鬱血の指標を遠隔モニターで見て、ある一定の線を超えた段階で治療介入していく。それは、入院ではなくて外来でできると思いますので、おっしゃるように、そういうことも今後の問題だと思います。今は、とことん悪くなるまで我慢していて肺水腫になって入院してきて、結局、高度な医療を必要とするということが多いわけですので、その前に気づく体制が必要だと思います。

○永井座長 本日、ディスカッションいただきたいのは2つあります。今の悪循環防止あるいは早期対応をどうするかという問題と、リハビリをどうするかという問題ですね。少し話が一緒になってきましたけれども、後で整理しますので、両方含めてお話しいただければと思います。

 磯部構成員。

○磯部構成員 今村先生が御指摘されたような、入院中はしっかりやって、あと、すぐに悪くなってしまうということは、東京の病院でも普通に起きていることです。ただ、今、心臓リハビリテーションというのは、大病院でしか、できていないのが現状です。実際、我々も急性期で来て慢性になって、患者さんをどこかにお願いするのは、結局、開業医レベルの先生方にお願いするという形になってきますので、そこでバッファがないといいますか、患者さんはいきなり慢性期のケアになって来るということです。

 先ほど百村先生のシェーマにもありましたけれども、ほとんどを大病院の循環器の専門の病院でやるということは既に難しいと思いますので、地域包括支援センターなり回復期の既存の施設を機能分担をして、中間的な慢性期に多職種介入を含めたリハビリを行うセンター的なところをつくって、都会においても、あるいは地域においても、そういうところに身近に行けるようなバッファをつくるという方向でしか、私は解決できないのではないかと思っています。

○永井座長 プロトコルは大体確立しているのでしょうか。特に慢性期の方々では、脳卒中よりも、もっと長くリハビリが必要かどうかです。

○磯部構成員 心リハ学会で、精密にガイドラインをつくっておりますし、できる方向性で来ていると思います。その効果については、パイロット的に非常に効果があることはたくさんのデータが示しております。その方向で、地域に回復期病棟的な心リハが行われる施設をつくっていけば患者は流れていくのではないかと私は思います。百村先生、いかがですか。

○百村参考人 基本的には、運動処方、患者さんに運動してもらって酸素の取り込みとかを見た上で、もうちょっと具体的に言いますと、嫌気性代謝閾値に相当する運動を週3回ぐらい行っていくというのが、標準的な心不全のリハビリテーションのプログラムです。それを保険では現在、150日認められておりますが、医師の裁量によってはそれを超えて続けていくことも可能です。

 イタリアのデータでは、10年間、そういう有酸素運動を中心とした心臓リハビリテーションプログラムを続けた結果、死亡率が減って、入院も大幅に減った、心機能もよくなったというデータがございます。心肺機能検査に基づいたデータによって、それぞれの患者さんの運動量を決めていくということですが、それを磯部先生がおっしゃいましたように、循環器の専門病院以外で行うのは、今、なかなか難しい状況である。

○永井座長 ただ、数百万人の方に10年となると、医療では担い切れないだろうと思います。そうすると、もっと人材の育成や、在宅もそうですし、日常の地域での健康増進運動の中にも組み込む必要が出てくると思います。

○百村参考人 そのとおりです。オリンピックがいい機会だと思うのですが、例えばドイツですと非常に運動に対する意識が高いので、心臓の悪い方が永続的に運動できる環境が整っています。日本もそういう環境を整えていく。保険で150日過ぎたとしても、その後自主的に運動できるような環境をつくっていく必要があるのではないか。

○永井座長 小川先生、どうぞ。

○小川構成員 磯部先生がおっしゃったとおりですけれども、理想的には機能分化で、急性期医療を専門にやる病院で余りにもリハビリをやっていないところが多い。大きなところでやっている病院もありますが、なかなかやっていない。ですから、急性期を専門にやる病院、心筋梗塞も重症の心不全も同じだと思いますが、このような病院と回復期を診る病院に分けることが大事だと思います。

 それから、割と早い時期にというか、ある程度早い時期に回復期の病院に送る。その病院で高度なリハビリをやる習慣をつけて、そして在宅に持っていくというのが一番理想ではないかなと思います。急性期の病院で完全なリハビリまでやっていくのが理想ですけれども、全国に広げるのはなかなか難しいのではないか。それが現状じゃないかと思います。

○永井座長 美原構成員。

○美原構成員 恐らく僕がここにいるのは、今、話すことが目的だろうと思います。何かというと、今、発言された先生方、皆さん、大学病院、大病院の先生であって、心不全というのは非常にコモンディジーズで、どこでもすごく多いわけで、全国でちゃんと診ていかなくてはならない。

 そうしたときに、まず1つ思ったのは、心不全センターあるいはチームでやるという、かなりストラクチャーが大きなものを考えられている。これをやるには、磯部先生がおっしゃったように、どこかにセンターをつくらなくてはならない。多くの場合、厚労省は何とかセンターとどんどん言い出すわけです。今、この日本の医療を支えているのは民間の中小病院で、それらを生かすような方法を考えないと、センター化という方向に走ってしまうのではないか。だから、センターというのは非常に理想的ですが、現実的には地域の中で一生懸命頑張っている民間病院が、いかにそのセンター的なことができるようにするかということを考えなくてはいけないというのが1つ。

 もう一つは、リハビリテーションの目的、僕はストローク屋なので、急性期・回復期・維持期のリハビリテーションに関する考え方がちょっと違うのですが、ストロークに関して、急性期は廃用症候群の予防、回復期は機能回復、維持期は社会への適用というイメージです。例えば、回復期が終わりまして在宅に帰ったときにどういうふうにやるかというと、訪問リハとかをやって社会に適用すると、そこで卒業するわけです。

 つまり、医療保険から維持期の定期的なリハビリテーションが必要であれば、介護保険になって通所リハに行くわけです。つまり、そこで提供される量というか質が一段下がる。要するにコストが下がるわけです。

 では、心不全に対するリハビリテーション、維持期のリハビリテーションは予防だというと、ずっとやり続けることになる。先ほども議論がありましたけれども、それが本当に現実的なのか。例えば、予防はとても重要で、ストロークの場合、再発というのは予防薬をやめたことが一番大きな原因です。とするならば、予防をやめるとすぐに心不全が再発してしまうのか。では、維持期のリハビリテーションというのを予防のために一体どこでやるのかということは、そこまで全部チームでやるとなると、これはすごく大変な問題になってきています。

 ですから、チームでずっとやっていく、有酸素運動をずっとやっていくというのは、とても理想的だけれども、日本全国、津々浦々、そういうことができるのだろうか。現実的にはどうなのだろうかということを、今までのお話を聞いて、ちょっと思いました。

 以上です。

○永井座長 はい。

○羽鳥構成員 僕自身は循環器内科で開業しています。国体出場するようなスポーツ選手をメディカルチェックを行っていますトレッドミル呼気ガス分析をして運動能力の評価を行っています。心不全の患者さんの評価にも使えます。もっと心肺機能レベルの高いところの代謝を見る目的でやっていたます。もちろん心不全の方の評価には最適と思いますが、大変時間がかかるので、多くの方はできません。

 先ほど地域包括ケアシステムで心不全の方の運動をやったらどうかという意見が出ていましたけれども、これは現実的ではないか思いました。地域包括ケアにおけるかかりつけ医の先生は、認知症、ロコモフレイルに目が向いていますが、循環器系で関係されている先生にとって積極的にこの地域包括支援センターに入っていただいて、5人、10人まとめてモニターしながら、一定の施設で運動してもらうのは、心不全の再発予防につながるのでトライしてみてもよいと思います。

 ポンチ絵の在宅というと、寝たきり在宅の方の診療というイメージですけれども、外来の方の運動療法として、この地域包括支援センターを活用する。モニタリングシステムがあれば、支援センター施設内を利用しながら、5人、10人を同時に見ていくこともモデル事業で行ってみてはと思います。

○永井座長 確かに今、御指摘のように、潜在患者は恐らく数百万人いるだろうと思います。そういう人たちのかなり多くは地域にいるわけですから、地域包括ケアとか、ローテクでできることを一緒に考えていかないと対応がとれないだろうと思います。

 馬場構成員。

○馬場構成員 ちょっと確認をお願いしたいのですけれども、回復期の心臓リハというのが、最初、いま一つよくわからなかったのですけれども、資料3の4番目の表にあるような、第1相急性期のリハがICU/CCUレベルで、第2相が一般循環期病棟、外来・通院リハ、第3相が地域の運動施設。普通で言われる急性期よりは、かなり高度急性期に近い部分が急性期であって、それから、一般の急性期の部分から外来まで含むような、かなり幅が広いのが回復期で、そしてその後に維持期があるというイメージで、例えば同じ資料の7番目の図とかも捉えていいのですか。

○永井座長 今の点、いかがでしょうか。問題点はどういうところに。

○馬場構成員 要するに、急性期という言葉を使うときには、私たちは地域医療構想で言う高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分の内の急性期かと思うのですけれども、それとはちょっと違う意味で使っているのですねという確認です。

○永井座長 ICU/CCUというのは、高度急性期ですね。超急性期とか、そんなに長くは滞在しないわけですから、恐らく一般病棟に戻っても、しばらくは急性期扱いしているだろうと思いますけれども、その辺、どうでしょうか。リハビリに絡めての急性期と回復期ということですね。この辺の言葉の使い方、急性期という言葉が、今、言われている地域包括ケアというところの急性期と、また違うわけですね。どうでしょうか。

○百村参考人 心臓リハビリテーションで急性期リハというと、CCUから一般床へ出て、ちょっと歩けるようになって、トイレも自分で行けるようになって、それぐらいのところのイメージで。回復期に入っていきますと、これは心肺機能検査をやって、リハビリプログラムをつくって、予防に向けたリハビリテーションということですから。急性期病院に入院している中で、心臓リハビリテーションに関しては急性期と、それから退院に向けての回復期の部分と、両方あると思います。その2段階ぐらいになっていると思います。

○永井座長 これは、急性期病院における急性期・回復期の話だということですか。

○馬場構成員 では、将来的に回復期リハビリテーション病院とか地域包括ケア病院で回復期のリハをするというイメージよりは、ここにあるような一般の病院から外来にかけて、回復期のリハビリテーションを行うというイメージでいいのでしょうか。脳卒中については資料3の7番目の図に近い形で理解しやすいのですけれども、それと違う構図も考えるということですか。先ほどの先生の話の中でも、回復期リハビリテーション病棟とか地域包括ケア病棟の役割が急性期の後に示されたと思いますけれどもね。

○百村参考人 あれは脳卒中も含めたということなので、回復期のリハは、心臓リハビリテーションに関しては外来中心です。それを回復期の病院の外来でやるのか、さっき羽鳥先生がおっしゃったように、地域のセンターでやるのかということになると思います。都会でないところですと、地域包括ケアのセンターをつくって、その中にリハビリの外来でやる部分をつくって、交代で循環器の先生が来て監視して、循環器の先生が必要になりますから、そんなイメージがさっきお話を聞いていて、地域ではつくっていければいいのかなと思います。

○永井座長 はい。

○美原構成員 ストロークのとき、回復するというのは、例えばFIMか何かの指標があって明らかに見えるわけです。ストロークが回復しました、FIMの利得が何点です。では、心臓のリハビリテーションでは、ここまで回復したというのは、例えば心機能を見てとか、そういうことなのでしょうか。あるいは、それがすぐに割合と手軽に評価できるようになるのでしょうか。

○百村参考人 手軽に評価できるものはなかなかありません。運動の効果が出ているかどうかというのは、また生理機能検査ですね。心肺運動機能検査をやって、最大酸素摂取量がどうなったか、それと嫌気性代謝閾値がどうかということを見ていく必要があります。では、エコーで心機能がそんなにすぐによくなりますか。そんなにはよくならないですね。僕らが使いますベータ遮断薬とかACE阻害薬も、その効果をすぐに数字で見られるのですかというと、そんなことはないので、心臓リハビリテーションもそういう予後を改善する薬と同じで、何日やったからすぐにこれだけの効果が数字であらわれるというものではないということも御理解いただきたいです。

○永井座長 運動負荷テストというと敷居が高いので、もっと簡単に、例えば手が温かくなってきたとかBNPが下がったとか酸素飽和度が上がってきたとか、6分間歩行がどうかとか、こういうものを現実には使うのだと思います。そういうところをきちんと体系化しないと、地域ではなかなか難しいということになりますね。

 はい。

○今村構成員 先ほどの羽鳥委員、美原委員からの御指摘、私、物すごく重要だと思います。先ほどから心不全、20万人では少な過ぎるという御指摘で、それは全くそのとおりだと思います。総患者数で見たら、循環器疾患は2,000万人ぐらい、日本にはいますので、もしかしたら1つしか病名を書いてはいけないので、高血圧と書いていたら心不全がその中に隠れてしまっている可能性も多々ある。恐らく、これからものすごくふえます。

 この議論の根幹になっているのは2025年問題で、医療計画でもその2025年問題にどう対応するのかということが最も大きな問題としてやっている。それは、そこに人口の構成層がすごく多いからです。1学年270万人、今、普通100万人しかいませんから、2倍近くの人口がいる。すると、今は65歳ぐらいにそのピークがあって、2025年にはそれが75歳になる。35年には85歳になる。1,000万人ぐらいの巨大な患者群が大挙して押し寄せてくるという状態が今から起きようとしていると思います。それも、たった10年の間に劇的にふえる。

 今、まさにふえつつあるのですけれども、これからどんどんふえていったときに、本当に今までの医療体制でそれを受け切れるのですかということが、全ての議論の根幹だと思います。今、急性期の病院で受けていくということは望ましいことですけれども、恐らくあふれてくる可能性が高い。結局、あふれてくるから、地域包括ケアとかで受けないと絶対無理だという話になる。すると、一般病院、開業医の先生も受けていかないと、少なくとも2025年から35年にかけての患者層の心不全のピークを乗り切ることが難しくなるのではないかと思います。それをぜひここで提言として。

○永井座長 まさにそうだと思います。さっきのリハビリの話は、心不全が増悪した方をどうやって回復させるかという話と、もう一つ、さっきお話ししたように、早期発見です。心不全というのは悪循環の病気ですから、早くに見つけて、早目に対応する。そのための連携をどうするか。むしろ、地域と病院との関係ですね。あるいは、地域の中で、悪化させないためにどういうふうにコントロールするかということも非常に大きなテーマだと思います。

 磯部先生、どうぞ。

○磯部構成員 今、心臓リハビリテーションが話題の中心になっていますけれども、リハビリテーションというのは心不全の疾病管理プログラムの一つということで、私も新しい回復期センターをつくるということは、到底できないと思いますので、今あるリソースをいかに使って疾病管理プログラムをうまく走らせるかということが今後、一番大事なことで、その1つとして運動療法があると思います。

 あと、心不全の再入院の患者さんの統計をとってみますと、その原因は先ほどもありましたけれども、一番多いのは患者さんのアドヒアランスの問題です。それは単に運動だけの問題ではなくて、多職種が定期的に、食事のこと、あるいは教育、生活環境といったことに介入することで大きく予防できると思います。ですから、それは特定の運動療法の機能を持った病院、センターではなくて、いわゆる普通の医療施設でそういう教育プログラムをちゃんと組んでいけばできることだと思います。そういう方向でやっていくと、予防ができるのではないかと思います。

○永井座長 悪循環の認識は大事です。心不全はのどが乾いてくるのですね。のどが乾いてきて、また水を飲んで、また心不全が悪くなる。中には、水で体をきれいにするということを信じていらっしゃる方が心不全の患者さんにいて、ある神社の水を何Lも飲んだりする。笑い話ではなくて、そういう経験があります。そういうところまで含めて対応をどうするか。地域の中の教育ですね。運動もそうでしょうし、食事、薬の使い方などがあります。この辺の体制をつくらないと、それこそ今村先生がおっしゃるように、どっと患者さんが押し寄せてくるし、医療費ももたない。心不全が悪くなってICU管理になると、多額の医療費がかかりますね。

 どうでしょうか。その辺の取り組み等、何かアイデアがあれば。むしろ、患者の会の井上さんはいかがでしょうか。

○井上構成員 横浜を中心とした300人ほどの限られた会員の中ですが、心臓リハビリテーションというプログラムで診ていただいているという方は、1名でございました。それを聞かれた方々が、自分たちも、通院している病院でそういったシステムの中でケアを受けられないかと働きかけますと、無理をしない程度に運動は必要ですねとか、塩分は控え目にという対応で終わりなのです。施設格差というのは非常にあると感じております。

 自宅に戻ればなおのことで、運動ひとつにしても、近くの施設に通って、それなりのプログラムに向かおうとしても、施設長から、まずは今、通っている先生のところへ行って許可をもらってきなさい。うちでは、心臓疾患のある方のケアは難しくてできないなどと言われると、もうそこで、やる気も含めてストップしてしまうのです。実際、私ども患者の多くは、病院を出てしまいますと、それで卒業したような気持ちになり、非常に根拠のない自信を持って毎日を過ごしている状態にあるとも言えます。ですので、入院中もそうですけれども、退院時、さらには退院後も継続して、患者への教育と申しますか、ケアと同時に、生活の指導や教育は非常に必要なことであろうと考えております。

○永井座長 ありがとうございます。

 これは、まさに学協会が対応しないといけない仕事だと思います。循環器学会の最近の取り組みとしていかがでしょうか。あるいは、心不全学会。市民公開講座はしていると思いますけれども、それだけではなかなか情報も足りないように思いますが。

○小川構成員 永井先生がおっしゃいましたローコストというのは結構大事で、美原先生、磯部先生も言われた心不全が、悪くなる一番の理由は、薬を自分で減らすまたは中止するという事です。これが一番のリスクファクターです。ですから、開業医の先生にずっとかかっているときに、病院に定期的に来られているというのが再入院を防ぐ一番の方法、簡単に言えばそうです。そのときに心肺機能を検査して、ターゲットを見つけてやるのが一番理想です。そういうパターンもあっていいですし。ただ、それを全部のところに普及するのは難しいので、外来に定期的にかかっているかどうかを見るのが一番大事ではないかと思います。

 そのときに、体重とか薬の飲み忘れ、その辺が再発を防ぐ一番わかりやすい、非常にベーシックなレベルですけれども、ポイントではないかなと思います。

○永井座長 全員が急性期病院の外来に通われても困るわけですね。そこの連携ですね。

○小川構成員 それと一番ポイントは、回復期の病院で診ていて、悪くなれば、いつでも24時間、急性期病院が受け取ってくれるという保障がある。そうすれば、連携が結構うまいこと行くのではないかと思います。

○永井座長 まさにそれこそ地域の医療機関の機能分担と連携ということですね。実際、落ち着いた心不全であれば、半年に1回、専門医が診て、その間のデータさえとっておいていただければ、地域で診ていただくことで十分対応可能だと思います。

○小川構成員 そのときに、可能であれば、心肺機能検査もやれば十分なのですけれども、そこまでやらなくても、まず定期的に診るというのが一番大事ではないかと思います。

○永井座長 羽鳥構成員、どうぞ。

○羽鳥構成員 私のいる川崎も半径10km以内に急性期のカテーテルをやる病院は4つ5つあり、ステント治療など高度の急性期診療をしますが、心臓リハビリをされているかというと、それはほとんどゼロです。

 このような患者さんは急性期から回復期の病院を経ずに、超急性期、急性期の病院と一般診療所の間を循環しているのが多いのでないでしょうか?そこで、一般の医師にとっては、BNPをはかる、心拍数をはかる、体重をはかる、SpO2をはかるとか、聴診するとか、現実的なガイドラインを作成していただけると有難いです。

 もう一つ、日本医師会では健康スポーツ医の仕組みを作っています。スポーツイベント、マラソンの救護出動に出てる場合が多いですが、その先生たちは運動に対して知識が大変豊富なので、心不全の運動療法のモニター観察にも応用できると思います。磯部先生にもお願いしてますが、42条施設といって、生活習慣病の運動療法を行っている開業の先生もいらっしゃるので、これらの先生のところを利用していただくのもいいような気がします。

 地域包括ケアを利用してやっていくのもいいのではないかと個人的に思います。

○永井座長 ぜひ現場の先生がローテク、ローコストでできる心不全の見方が大事です。実は、これは経験と多少のスキルが要るのですね。決して特殊な機械とかでなくても、こういうポイントを診ていけば大体大丈夫だと言える。そういうガイドラインを、学会でも、あるいは医師会のほうでも、ぜひおつくりいただければと思います。経験のある人たちであればつくれると思います。

 はい。

○三浦構成員 急性期病院も、退院された患者さんがどこで再発予防のための取り組みをしているか、非常にさまざまだと思います。当院でも心リハに外来通院でいらっしゃる方もあれば、すぐに仕事に復帰されて、通常の外来通院だけの患者さんもいらっしゃいますし、入院中に合併症があった方は回復期のリハビリテーション病院にお願いすることもあったりするのですけれども、実際には患者さん側の御事情があって、さまざまなところで実施することになると思います。

 私たちもいろいろやってきたのですけれども、最近、取り組んでいるのは循環器連携パスです。多摩地域の開業医さんに集まっていただいて連携パスをつくって、定期的な話し合いを持ったりして開業医さんに戻して、そこで診ていただくという取り組みをしています。ただ、クリニックさん、開業医さん、いろいろな施設がありますので、1つの連携パスでスムーズにやっていくというのがなかなか難しかったですけれども、今、四、五年やってきて、何とか二十何施設ぐらいの開業医さんと連携パスの取り組みができているかなと思います。そういった取り組みも必要なのかなと思います。

○永井座長 その場合に評価ですね。うまく行っている、前よりよくなったというアウトカムやプロセス指標のようなものは何かつくっていらっしゃいますか。

○三浦構成員 予定外の再入院がないというところではあるのです。あと、私たちも取り組んだのは、患者さんに自分でこういった歩行リハビリをやってください。週何回やりましょうとか、ハートビートカウンターのようなものをお渡しして、それを次の外来のときに持ってきてくださいといった取り組みもしたりしましたけれども、予定外の再入院でしょうか。

○永井座長 それは大体確立していると思います。

○百村参考人 先ほどの広島の木原先生のところの取り組みでも、基幹病院がパスを使っていまして、それで再入院がかなり減っている成功例だと思います。

 あとは、北信総合病院の渡辺先生の地域の連携パスで非常に積極的に働きかけていらっしゃるのは、業界では有名です。

○永井座長 このあたりも、学会がレジストリを行ったり、ベストプラクティスを取り上げて紹介することが必要でしょうね。

 今村先生。

○今村構成員 今、パスの話が出てきたのですけれども、いろいろな急性期のパスはできているのですけれども、慢性期のパスがなかなかできなくて、すごく困っている。例えば、大腿骨骨頭骨折も、急性期のときは行くのですけれども、その後、慢性期になったらどうなのですかというパスさえもまだできていなくて、これは脳卒中や心不全でもなかなかできないという状況があります。パス学会も、今、一生懸命つくろうとしてくれているのですけれども、なかなかできない。

 それができないと、全て高度急性期病院で一旦受けてICUに入ってという話になってしまうので、3回目の心不全での入院あたりから、では本当に心カテするのですかという話をパス化していかないと、現実的にこれからふえていく患者さんを全て受け入れていくというのはなかなか難しいと思います。多分、循環器のパスをつくれるのは循環器の専門医のグループしかいないと思うので、これをパス学会でつくってもらうこと自身、かなり難しいと思うのです。ですから、急性期から行くパスもそうですけれども、再発、再々発というレベルになってきて、階段をおりた段階で入院したときのパスというものが考えられたら、ぜひ考えてもらえればと考えます。

○永井座長 はい。

○小川構成員 追加ですけれども、先ほど非常にいいことをおっしゃいましたが、評価指標というものが必ず要ると思います。予定外の再入院が一番いい指標ですし、あとは死亡です。心筋梗塞の場合は、不安定狭心症の発症とか脳の合併症とか心不全とか、いろいろありましたけれども、いずれにしても、まとめるとしたら予定外の再入院と死亡ぐらいがエンドポイントになりますので、その辺を含めたパスづくりというものができたら一番いいのではないかと思います。

○永井座長 はい。

○磯部構成員 私はAMEDから研究費をいただいて、外来診療を中心として多職種介入の臨床的効果ということを現在検討中でありまして、地域によって非常に事情が違うというのがわかってまいりました。先ほど言われた北信総合病院が中心にやっている開業医中心のパス連携のプログラムと、広島で木原先生がおやりになっているような県単位では規模だけではなく、プログラムが違うのですね。

 そういうものをある程度類型化したような都会と地域、あるいは人口の密集地とそうでないところとか、医療のリソースが大分違いますので、その辺をうまく有効に利用できるような形のパスを、このAMEDの研究班でもつくるつもりですし、学会としてもそういったものに取り組んでいかなければいけないと思います。

○永井座長 あと、心不全に特化した患者さんの会、そういう団体というのはないのでしょうか。ペースメーカーの会はよくお聞きしますけれどもね。

○井上構成員 心不全に特化した会というのは、聞いておりません。

○永井座長 心不全というのは、背景がさまざまで、病気が1つではないのですね。弁膜症であったり、心筋梗塞であったり。そういうことで、まとまりにくいかもしれないのですが、入院医療だけでなく介護、在宅にしても、おこなうことは結構共通しているのですね。先ほどからお話ししているように、急に悪循環が始まって悪くなる。しかし悪くなっても、上手に対応すればほとんど前と同じように戻る。それでも繰り返すことがあるところは結構共通していますし、患者さんの数も多いわけですから、何かそういう働きかけをしてみる必要があるように思いますけれども。

 学会ではいかがですか。

○磯部構成員 私、学会のほうからそういうことをしろと命じられている立場ですけれども、実際調べてみますと、そういう団体はほとんどないのです。非常に希少な疾患、心臓サルコイドーシスとかアミロイドーシスとかペースメーカーとかしかありません。僕らが期待しているのは心筋梗塞友の会とか心不全友の会とか心房細動の会とか、そういうものの組織ができていないので、一緒に活動している脳卒中のほうは、小中大、協会から始まって、たくさん団体があるのですけれどもね。

 学会としても、心臓病で困っていらっしゃる患者さんの会、組織なりを援助するということも急務だと思っていますので、そういう形で今後も運動していきたいと思っております。

○永井座長 ありがとうございます。

○小川構成員 おっしゃるとおり、心不全の会などはないですし、希少疾患ばかりですね。希少疾患の会はあるのですけれども、ないので、ぜひ大きな会をつくらないといけないと思っております。

○永井座長 そのほか全体として。

 今村構成員。

○今村構成員 全体として、先ほど指標の話が、プロセス指標とアウトカム指標が重要だということで出ているのですけれども、もともと慢性期のストラクチャー指標は余りなくて、これから数として足りなくなってくるわけですから、ストラクチャーの指標的なものはぜひ考えていく必要があると思います。

 特に、今、例えばリハビリをするにしても、リハビリの専門家の数が絶対的に必要なわけで、今から1.5倍に心不全の方が確実にふえると思いますけれども、1.5倍のドクターとリハの方を向こう10年以内に準備できるかといったら、物理的にはできないですね。では、どれぐらいまで準備するのかということをストラクチャーの指標として考えていかないと、アウトカムとして何を求めるかにしても、いずれにしろ、人がいなければ治療できないわけですから、ストラクチャー指標としての人材育成ということと、人材の誘導ということを考えていかないと難しいと思います。

○永井座長 別に循環器の専門医でなくても、講習や研修によって、おおよその見方、判断の仕方ができる体制をつくることはできないでしょうか。

○今村構成員 この講習会を受ける人が何百人いる、何千人いるということをストラクチャー指標として入れてもらえば、各都道府県でそれを目指して講習会を支援してやってくれると思うのです。国がそれを決めるに当たって、学会なりの支援がなかったら、そんな講習会をつくることは多分できないので、どういう講習を受けた人を何人ぐらい養成するのかということをここでぜひ議論してもらいたいと思うし、養成コースとかは恐らく専門家でないとつくるのは無理で、それをサポートするのは行政や都道府県でないと無理なので、これをぜひ議論の中に含めてもらって、対策として考えていく必要があると思います。

○永井座長 はい。

○百村参考人 医師ではないのですが、心臓リハビリテーションに関しましては、心リハ指導士というものを心臓リハビリテーション学会が認定していまして、毎年、数百人ずつ。今、心リハ学会の会員自体が1万人超えています。どんどんふえてはいますけれども、まだ追いつかない。心臓リハビリテーション指導士という資格がございまして、その上に上級の指導士の資格もつくっております。

○小川構成員 もう少し追加させて下さい。永井先生がおっしゃったように、ローコストではないですけれども、どなたにもわかるような指標としてBNPは結構使えると思います。消化器の先生でもBNPのことは御存じですし、BNPが上がってきたから循環器に送ろうという時代になっていますので、非常に簡単にわかるという意味では、BNPは一つの指標になるのではないかと思います。

○永井座長 聴診器を背中に当てるぐらいはしないといけないです。血圧をはかるためではなくて、心不全の診断には聴診器、脈を見るとか、手の温かさ、冷たさを見るとか。

 はい。

○磯部構成員 今の今村構成員の話はとても大事だと思います。つけ加えますと、ストラクチャー指標が物を動かしていくと思いますので、心不全のキーワードは心リハも含めた多職種介入だと思います。多職種は、例示はありましたけれども、具体的にどういう職種の、どういうリソース、どういう教育を受けた人が、どういう地域あるいはどういう施設にどのぐらいの数いるのかということを出していただいて、多職種会議のコンテンツといいますか、そういったストラクチャーをこの会で少し例示するなり示していただきたいです世の中に多職種ということがほとんど認知されていませんので、心リハもそうですけれども、そういった方向で議論を進めていただきたいなと思います。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。

 美原先生、もしそういう講習会でもあったら、お受けになりますか。

○美原構成員 僕も年齢ですから。心不全はすごく多いですし、これだけ高齢者がふえてきますと、どのような場でも心不全に対する知識というのはすごく重要だろうと思います。実際、僕らが学生時代に教わったことと全く今、治療は違っています。僕らのときは、最初はジギと利尿剤を教わったのですが、ベータブロッカーはだめだと言われて育ったのですが、今は全然違いますから。

○永井座長 どうぞ。

○羽鳥構成員 日本医師会では、かかりつけ医の診療能力向上のために日医かかりつけ医研修事業を行っており、6,000人ぐらいの方が毎年講習を受けておられます。今後は、開業医の先生の脳卒中循環器専門の先生にこれから取り組んで欲しい分野の在宅診療、フレイル、認知症、看取りなどを中心に講習会を開いています。心不全、脳卒中の予防と治療について循環専門でない一般の先生方にも広く理解していただくべきものと考えます。

○永井座長 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 もし御発言ございませんでしたら、きょう予定した議論は以上でございますので、事務局から連絡事項、これからの進め方について御説明をお願いいたします。

○岡田がん・疾病対策課長補佐 事務局でございます。

 次回は、急性期の診療提供体制の在り方の詳細に関する検討を行う予定です。次回のワーキンググループの日程につきましては、事務局より追って御連絡いたします。お忙しい中、恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。

○永井座長 よろしいでしょうか。

 それでは、長時間ありがとうございました。本日のワーキンググループは以上で終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

 


(了)

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