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2017年2月22日 第100回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成29年2月22日(水)16:30〜


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○出席者

委員:五十音順、敬称略

青木 健、明石 祐二、岡本 浩志、栗林 正巳、桑野 玲子、袈裟丸 暢子、城内 博、角田 透、
土橋 律、中澤 善美、中村 聡子、中村 節雄、縄野 徳弘、三柴 丈典、水田 勇司、村上 陽子、
最川 隆由、山口 直人

事務局:

田中 誠二 (安全衛生部長)
宮本 悦子 (計画課長)
野澤 英児 (安全課長)
安井 省侍郎 (副主任中央産業安全専門官)
武田 康久 (労働衛生課長)
塚本 勝利 (産業保健支援室長)
奥村 伸人 (化学物質対策課長)

○議題

(1)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱(危険物乾燥設備等関係)について(諮問)
(2)労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱(産業医制度等関係)について(諮問)
(3)その他

○議事

○土橋分科会長 それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから第100回「労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。

 本日の出欠状況ですが、公益代表委員は水島委員、労働者代表委員は勝野委員、杉山委員、使用者代表委員は明石委員が欠席されております。また、三柴委員が遅れて出席されるという連絡が入っております。

 傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。

 1つ目の議題に入ります。議題1の労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱(危険物乾燥設備等関係)(諮問案件)について、事務局から説明をお願いいたします。

○野澤安全課長 安全課長の野澤でございます。

 ただいまの安衛則の改正案(危険物乾燥設備等関係)の概要について説明をいたします。

 改正省令案要綱は資料1−1でございますが、その内容を資料1−2に基づき説明をさせていただきます。

 大変恐縮なのですが、まず2ページをご覧いただきたいと思います。危険物乾燥設備に係る改正についてでございますが、従来、危険物乾燥設備につきましては左の絵にございますように、内部で爆発が発生した場合、爆風等を外部へ放出することで容器の破裂を防止することが義務づけられておりました。しかしながら、右側の上にございますように、乾燥物に有害物が含まれている場合には、爆風等と一緒に外部へその有害物が放出され、周囲の労働者等の健康障害等の懸念もございました。このため、右下のようなことでございますが、爆発で発生した圧力を設備が変形することで吸収し、設備の破壊を防止できる構造等を有する場合には、爆発戸等の設置を免除するというものでございます。

 恐縮ですが、1ページに戻っていただきたいと思います。改正趣旨の1つ目のポツでございますが、安衛則第294条第4号において、危険物乾燥設備について爆発戸等の設置が義務付けられております。

 2つ目のポツですが、今回の改正では、爆発で発生した圧力を設備が変形することで吸収し、設備の破裂等を防止できる構造の設備(耐爆発圧力衝撃設備)につきましては、爆発戸等の設置を免除するということでございます。

 その下、2つ目の矢印でございますが、このような設備につきましては、欧州規格などの国際規格でも認められており、我が国でも労働安全衛生総合研究所において技術指針を制定済みでございます。

 改正の内容につきましては下の四角でございます。具体的な改正内容としましては、安衛則第294条第4号に爆発戸の設置義務に対して、当該危険物乾燥設備を使用して加熱乾燥する乾燥物が爆発する場合に生じる圧力に耐え得る強度を有するものについては、この限りではないというただし書きを追加するものでございます。

 続きまして、3ページ目をご覧いただきたいと思います。別の件でございますが、本籍地の記載を求める省令様式等の改正についてでございます。現在、労働安全衛生法や作業環境測定法に基づく免許試験・技能講習等の申請書等には、本籍地、都道府県名のみでございますが、その記載が義務づけられております。

 こういったことにつきましては、自動車運転免許から本籍地の記載が削除されたことに伴い、本籍地の確認のために住民票等の公的書類を準備するなどの負担が重くなっており、これを軽減するため、申請書等に本籍地の記載を求めることを不要とする改正を行うというものでございます。なお、結婚による名字の変更等の場合には、公的書類が引き続き必要としてございます。

 本人確認につきましては、氏名及び生年月日により、ほぼ全員について本人確認が可能でございますが、仮に困難な場合でも本人写真、申請書に記載されている既得の免許等の種類・交付日等を帳簿などと照合することで、確認は可能であると考えております。

 改正の内容については下の四角でございますが、安衛則、作業環境測定法施行規則、登録省令について様式、帳簿等から本籍地に関する事項を削除いたします。また、所要の改正でございますが、コンサルタント試験受験の申請書に添付する写真のサイズの変更等も併せて行うこととしております。

 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○土橋分科会長 それでは、ただいま御説明いただいた要綱案の審議に移りたいと思います。質問等ございますでしょうか。青木委員、お願いします。

○青木委員 全国ガスの青木でございます。

 ただいま御説明をいただきました危険物乾燥設備に関する省令改正について、意見1点と質問を1点申し上げたいと思います。

 今回の諮問の内容については、労働安全衛生研究所に2014年から2015年にかけて設置をされた、耐爆発圧力衝撃形乾燥設備技術指針原案作成委員会で技術指針が制定済みであるということ、また、既に欧米諸国においても認められているということ、そして何よりも労働者の安全を高めることに資すると考えておりますので、妥当なものと受けとめたいと思っております。

 また、質問でありますけれども、今回諮問をされた耐爆発圧力衝撃設備が従来の危険物乾燥設備よりも安全性が高いということを受けて、今後、従来型の乾燥設備から耐爆発圧力衝撃設備への移行を促していこうというお考えがあるのか。もしあるとすればどのような手法を厚生労働省としてお考えなのかということを伺いたいと思います。

 以上でございます。

○野澤安全課長 ただいまの御質問でございますが、基本的には先ほど説明いたしましたように、危険物を扱うような場合ということで、安全性が高いということについては、そういったこともあわせてのことでございますので、通常の乾燥をする場合にまで、それをできるだけ使いなさいという方向に持っていくことは、今のところ直ちに考えているという状況ではございません。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。ございませんか。

 それでは、特に発言はないということでございますので、当分科会といたしましては、議題1の危険物乾燥設備等の労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱につきまして、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○土橋分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で手続をお願いいたします。

 では、次の議題に移ります。議題2、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱(産業医制度関係)、これも諮問案件でございますが、まずは事務局側から説明をお願いいたします。

○塚本産業保健支援室長 産業保健支援室の塚本です。私からは産業医制度関係の省令改正案について御説明させていただきます。

 資料ですが、お手元の2−1、2−2、2−3、2−4、2−5になります。よろしいでしょうか。

 この省令改正案ですが、前回の分科会で御説明をさせていただきました、産業医制度の在り方に関する検討会での検討などを踏まえたものです。

 資料2−3をご覧いただけますか。この検討会での結果のポイントですが、まず産業医活動をめぐる状況といたしまして、過労死対策、メンタルヘルス対策などが重要である。産業医が対応すべき業務が増加している。産業医の選任義務のない事業場におきます、医師による健診の異常所見者への対応の充実なども課題になっているとされております。

 これらを踏まえた検討の結果、産業医制度などの見直し案が下の段で取りまとめられております。この概要ですが、最初のポツですが、長時間労働に関する情報を産業医に提供することを義務づけることが必要。次のポツですが、健康診断の異常所見者について意見具申が適切に行われるよう、労働者の業務内容に関する情報を医師等の求めに応じて医師等に提供することが義務づけることが必要。次のポツですが、治療と職業生活の両立支援対策も、産業医の重要な職務として明確に位置づけるべき。次のポツですが、事業者から産業医へ一定の情報が提供される場合において、産業医による職場巡視の頻度を見直すことが適当。次のポツですが、事業場の状況に応じて産業保健チームにより対応することが重要であり、今後、事例収集等を行い、取り組み方法等を示すことが必要であるなどとしております。

 次に、資料2−5をご覧いただけますでしょうか。これは昨年1226日に厚生労働省で近年、過労死、過労自殺事案が問題になっていることなどを背景に、「過労死等ゼロ」緊急対策として取りまとめたものです。

 この対策は3つの柱から成っておりますが、真ん中の「2 メンタルヘルス・パワハラ例えば防止対策のための取組の強化」では、(3)におきまして産業医制度の検討会の報告書に盛り込まれております長時間労働に関する情報の産業医への提供などが、対策の1つとなっております。これらを踏まえました関係省令改正について御審議をお願いするものです。

 この省令改正の概要ですが、資料2−2をご覧いただけますでしょうか。まず省令改正案の1つ目と2つ目ですが、ページは3枚目、一番最後のページの紙になります。3ページ目の上の段のほうに現行、この1つ目の矢印ですが、現行は、産業医は少なくとも毎月1回以上作業場等を巡視し、労働者の健康障害防止のために必要な措置を講ずることが義務とされております。

 3つ目の矢印のところですが、現行、事業者は休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超える労働者について、労働者からの申し出に基づいて医師による面接指導を行うとされております。このため、規則により事業者の方は1週間当たり40時間を超えた1月当たりの労働時間の算定を毎月1回以上行うとされ、また、規則によりまして、この労働時間が月100時間を超えた労働者への申し出の勧奨を行うことができるなど、長時間労働者への適格な対応が重要となっております。

 これにつきまして、検討会の報告書ですが、1ページ目1枚目の裏面になります。ご覧いただけますでしょうか。1ですが、この中では産業医に必要な情報取得のあり方ということで記載されている部分です。

 1つ目の○ですが、過重労働対策、メンタル対策等が事業場における重要な課題となっており、また、嘱託産業医を中心により効率的かつ効果的な職務の実施が求められている中、これらの対策に関して必要な情報収集として、職場巡視とそれ以外の手段を組み合わせることも有効と考えられます。

 これらを踏まえまして2つ目の○ですが、毎月1回以上、以下の情報が事業者から産業医に提供される場合において、産業医の作業場等の巡視の頻度を事業者の同意を条件として少なくとも2月に1回への変更を可能とすることが適当。その情報につきましてはア)では事業者が月1回以上把握する長時間労働者に対する面接指導の基準に該当する労働者とその時間数。イ)では衛生管理者が毎週1回以上行う作業場等の巡視の結果。ウ)ですが、各事業場の衛生委員会等におきまして、この調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたものとしております。

 なお、事業者の同意につきましては産業医の意見に基づいて衛生委員会等において調査審議を行った結果を踏まえるよう、指導することが適当とされております。

 また、産業医の職場巡視の頻度を変更しない事業者につきましても、先ほどのア)の長時間労働に関する情報につきましては、過重労働対策等にとって有用であるといったことから、事業者から産業医に対して定期的に提供することを義務づけることが必要などとしております。

 これらを踏まえました省令改正案の内容ですが、3ページ目の下の段、こちらが改正の内容となります。3つ目の●ですが、事業者が毎月1回以上行うとされております休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えた労働をさせた場合、その超えた時間の算定を行ったときは、速やかにその時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名、超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならないとしております。

 この法に基づく面接指導につきましては、平成18年2月に通達を出しておりまして、裁量労働制の適用を受ける労働者につきましては、使用者の方が健康福祉確保の措置を行うため把握される労働時間の状況をもとに、事業場ごとに取り決めた方法により、この時間外休日労働時間を把握すること。また、管理監督者の地位にある方につきましては、労働者自らが時間外休日労働時間100時間を超え、かつ、疲労の蓄積があると認められると判断し、申し出があった場合に面接指導を実施するなどとされております。このため、面接指導制度を踏まえました労働時間の情報提供につきましては、前回の分科会におきまして村上委員から御質問への回答が一部不足しておりまして、裁量労働制の適用を受ける労働者だけでなく、管理監督者も申し出により把握された場合には対象となります。

 次の省令改正案の内容ですが、3ページ目の紙の改正内容の1つ目の●をご覧いただけますでしょうか。産業医の巡視の頻度ですが、報告書の中では巡視頻度の見直しの条件としました長時間労働者の情報、報告書の中では巡視頻度の見直しの有無にもかかわらず、義務とされることから、省令ではなく通達におきまして条件として明記し、省令ではイ)の衛生管理者が毎月1回以上行います職場、作業場等の巡視の結果、また、ウ)の衛生委員会等におきまして事業者が産業医に提供する情報としたものを、毎月1回以上事業者から産業医に提供される場合におきまして、産業医の作業場等の巡視の頻度を事業者の同意を条件とし、少なくとも2カ月に1回の変更を可能とするとしております。また、通達におきましてこの事業者の同意は産業医の意見に基づきまして、衛生委員会等において調査審議を行った結果を踏まえて行うことを明記することを想定しております。

 省令改正案の2つ目ですが、3ページ目の現行のほう、上の段をご覧いただけますでしょうか。2つ目の矢印のところですが、現行におきましては一般健康診断、特殊健康診断に関しまして、事業者は、健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、当該労働者の健康保持に必要な措置について、医師等からの意見を聴取するとされております。

 検討会報告書におきましては2ページ目に戻っていただきまして、「2 健康診断および事後措置について」ですが、義務とされております健康診断の異常所見の異常所見者の就業上の措置に関します医師等からの意見聴取につきまして、確実かつ効果的に実施するためには、事業者が意見聴取を行う医師または歯科医師に対して、異常所見であった労働者の業務の状況等の情報を提供することなどが必要。この情報につきましては、意見を述べる医師等は既に入手している場合などがありますが、情報提供の着実な実施を図るため、事業者は当該医師等が意見を述べるために必要と認める労働者の業務に関する情報について、当該医師等から提供を求められるときは、当該情報を提供することを義務づけることが必要としております。

 これらの背景ですが、御承知のとおり定期健康診断の有所見率は、5割を超えている中、事業場の規模にかかわらず、この異常所見者に対します就業上の措置に関する医師等からの意見聴取は事業者の義務とされており、また、産業医に期待される非常に重要な職務の1つかと思います。

 しかし、現状は産業医の選任義務のない小規模事業場中心に、異常所見者の就業上の措置に関します業務の実施が低調であり、その充実、徹底が必要です。また、特殊健康診断の異常所見者の就業上の措置に関する医師による意見具申におきましても、特殊健康診断において把握した情報に加えまして、労働者の労働時間、業務内容等の情報を把握することも必要な場合があります。

 これらを踏まえまして、3ページ目の最後のページの改正内容の2つ目の●です。各種健康診断におきます有所見者について、事業者は医師または歯科検診の場合ですと、歯科医師から、意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を求められた場合は、当該情報を提供しなければならないものとするとしております。

 以上が概要ですが、この改正案の中身を資料2−1の省令案要綱に盛り込んでおります。2ページ以降が要綱になります。資料2−1の3ページ目をご覧いただけますでしょうか。以上の改正省令の施行ですが、本年6月1日としております。また、冒頭に御説明させていただきましたが、報告書で言及されております治療と職業生活の両立支援対策を、産業医の職務として明確に位置づけることにつきましては、これは通達におきまして産業医の職務であることを明確にするとともに、産業医の要件であります研修、実習に係る科目の範囲に、この治療と職業生活の両立支援を追加する予定です。

 以上が私からの説明です。よろしくお願いいたします。

○土橋分科会長 それでは、ただいま御説明いただいた要綱案の審議に移りたいと思います。質問等ございますでしょうか。袈裟丸委員、お願いします。

○袈裟丸委員 資料のところで少し御質問があります。先程は御説明いただきませんでしたが、資料2−4、定期健康診断の実施状況に関してです。

35ページを見ると、事業規模が小さくなるほど受診率が下がっていることがわかります。特に30人未満のところは1割ぐらいの方が受診をされていないということや、受診機会がありながら2割ぐらいの方が受診をされていないという逆の数字も見て取ることができます。この点は見過ごせないと思うのと同時に、それに加えて38ページです。異常所見労働者に関しての調査ですが、一番上の段の所見のあった労働者がいる事業者を100としたときに、それに対して特に措置を講じなかったというところが2割超になるということについて、大変懸念を感じるところです。せっかく時間とお金をかけて定期健康診断をしているにもかかわらず、その結果が活かされていないという実態、これを今後もこのまま放置しておくと同じ状況が続くのではないかという懸念があります。もしこの段階で何らかの対策等を御検討もしくは今後そういう予定があるということであれば、お伺いしたいと思います。

○塚本産業保健支援室長 まず最初に健康診断の完全実施の件ですが、これにつきましても検討会の中では非常に重要な課題の1つであるという認識で議論が進められたと考えております。私ども監督署または労働局での指導だけでなく、例えば健康診断の実施促進のための月間とか、労働衛生週間、過労死等防止関係の月間がございますので、そういった周知活動もあわせた形で、健康診断は労働者の健康管理の最も重要な基本、根幹となる部分ですので、実施が100%になるよう指導等を行っていきたいと考えております。これが1つ目です。

 2つ目の事後措置ですが、具体的には異常所見があった場合に歯科検診の場合は歯科医師、それ以外については医師が意見を述べる。それを勘案し、具体的に例えばこの38ページ目の表ですと、その後、就業場所の変更とか、労働時間の短縮、また、作業環境の測定などを行うということになってくるかと思います。

 この実施率が30%を切っているという状況になっております。そういう意味ではまず最初にここの部分の徹底を図るべきということで今般、異常所見者について意見を述べる医師または歯科医師の方が、意見を述べるためには当然のことながら検診データだけでなく、個々の労働者の勤務の状況等がわからないとなかなか意見も述べられないことから、労働者の情報を必要があれば事業者から意見を述べる医師に提供いただくという規定を設けるということで、個々の事後措置がより的確に行われるようにすることが1つの方向性ではなかったかと思います。この部分については今般、省令案ということで案を作成させていただいているところです。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。水田委員、どうぞ。

○水田委員 資料2−3なのですが、産業医制度等の見直しの「3.」です。治療と職業生活の両立支援対策も産業医の重要な職務として明確に位置づけるべきという記載があります。昨年2月、がん・脳卒中などの疾病を抱える労働者に対して、事業場が適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行って、労働者が治療と職業生活を両立できるようにするため、事業場での取り組みなどをまとめた「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が公表されています。

 今回、治療と職業生活の両立支援対策が産業医の職務として明確に位置づけられたことについては、大きな前進だと考えておりますけれども、現状ではガイドラインにとどまっている治療と職業生活の両立支援について、今後どのような展開を検討されているのかについてお伺いしたいと思います。それは労働力減少に直面している中で、労働者が退職することなく治療と職業生活を両立させていくことは、非常に重要な取り組み課題だと認識しておりますので、どういう検討をされているのかについてお伺いしたいと思います。

○塚本産業保健支援室長 治療と職業生活の両立支援関係ですが、昨年10月に開催されました働き方改革実現会議におきましても、厚生労働省から病気の治療と仕事の両立支援の今後の対応における特に重要な事項ということで、経営トップの方から企業内の制度や文化の抜本的改革、また、新たな専門人材を育成することなどによります企業と医療機関の連携強化、また、患者に寄り添う相談支援の充実をお示しさせていただいたところです。

 また、繰り返しになりますが、産業医の関与につきましては現行、産業医の職務は省令で明記されております。ただ、それだけでなく、例えばその他の健康管理という部分につきましてはその内容を通達で明記しておりまして、現行でも疾病管理というのが職務の1つとして明記されております。

 この両立支援対策については、これらの1つであるという観点から、まず1つ目は、通達でまず産業医の職務であるということを明確にする。この担保という観点でいきますと、今後、産業医の要件である実習、研修の中でこの分野についての実習、研修を受けていただく。また、そのほか既に産業医になっていらっしゃる方につきましては、産業保健総合支援センター等での研修等により、産業医の方々が適切に両立支援に関与できるようにしていきたいと考えております。 

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。角田委員、お願いします。 

○角田委員  今の御質問に少し関連するかと思いますが、産業保健支援室長からいろいろ御説明を詳しくいただいていますので、よろしいのでしょうが、ガイドラインがどちらかといいますと疾病のうち悪性腫瘍、がんの治療が前面に出ているような感じを強く感じております。働く人の生活と仕事を両立には、他にも多くの支障の原因となる事柄があると思います。

 個人的な経験でありますが、メンタルヘルス不調であるような人に、よく話を聞いてみると、家庭生活の中における問題点があったり、これは人から聞いた話でありますが、不妊症の治療ではそのタイミングに時間的な制約などがあり、いろいろと難しいことがあるようです。我が国は少子高齢化ということもありますので、子供をいかに育てやすい環境にするか、大事なことであります。それは待機児童問題、保育園の問題などと関連し、労働安全衛生の範囲を超えるものかもしれませんが、そのようなことも含めて両立支援の対象となるような領域について、それがどのような方向性であるのか、もしお考えがあれば、あるいは、何か御準備があればお話をいただければと思います。

○塚本産業保健支援室長 この両立支援に関しますガイドラインの中で、がんは別途留意事項を書いていますが、両立支援の対象となるものは反復継続して治療を行う疾病です。また、けがも含むという形で対象をお示ししております。ガイドラインの中では初年度ということで、がんについての留意事項しか入っておりませんが、例えば、脳卒中や肝炎、他の疾病も当然含んだ形で、各会社で対応いただくようなガイドラインになっております。がんしか留意事項を示しておりませんので、他の疾病についても同様のものの作成を行っていきたいと考えております。 

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

 村上委員、お願いします。

○村上委員 今回、諮問がございました産業医の職場巡視の頻度の見直しについてでございます。こちらについては検討会の場でも、私どもから推薦した委員が再三申し上げていたかと思うのですが、目的は単純に産業医の先生方の職場巡視の回数を減らすということが主目的ではなかったと思います。あくまでも敢えて職場巡視の回数を減らしてでも、その分の時間を面接指導などほかの活動に充てていただいて、総合的に見れば産業保健活動の水準を上げていくことが目的であると思いますので、こういった趣旨がきちんと伝わるように、職場の労使がきちんとわかって徹底できるように、周知などは行っていただきたいと思います。

 また、今回の省令改正の話ではございませんが、医師による面接指導の対象者が1月100時間を超えた労働者で今後ともよいのかどうかということについて、また今後議論があるかと思いますので、それについても付言をしておきたいと思います。

 以上です。

○土橋分科会長 御意見ということでよろしいですか。

 ほかにいかがでしょうか。栗林委員、どうぞ。

○栗林委員 諮問案件について意見を申し上げたいと思います。

 産業医制度等にかかわる安全衛生規則の一部改正については、既に検討会でも十分論議されているものでありまして、十分に理解できるものであります。しかしながら、特に規則改正の3にあります週40時間を超えて労働させた場合の産業医への情報提供、つまり時間外休日労働が100時間を超えた労働者に関する情報の提供につきましては、労働時間を所管する人事労務管理部門とも綿密な意思疎通が求められます。

 労働の現場の実態はさまざまです。また、施行予定期日まで余り余裕がありません。事業者としてどのような対応ができるのか、一度当該関係部門とも論議をし、意見を突き合わせた上でコンセンサスを図りたいと考えております。つきまして答申に向けては、しばらく検討の時間をいただければ幸いだと思っております。

 以上です。

○土橋分科会長 ただいま使用者側からの御意見もございましたので、本省令案につきましては引き続き議論ということにさせていただきたいと思います。引き続き議論でございますが、この場で何かというのはほかにございますか。よろしいですか。では角田委員。

○角田委員 引き続き議論ということは想定を個人的にはしていませんでしたけれども、せっかく「産業医制度の在り方に関する検討会報告書」というものが資料の中にもございますし、私はこの中で今回はストレスチェックの医師面接という中に少し取り入れられてきたようですけれども、遠隔による労働衛生管理活動のことが資料2−4では13ページにございます。日本は土地が狭いような感じがしますけれども、海が広くて離島も多く、実は大変広い地域だという認識が大事だと思っておりますが、くまなくFace to Faceで医師がいろいろと回ることができない、というような状況は多々あるかと思います。

 遠隔による労働衛生管理活動のあり方について述べられていまして、今回の省令改正につきましてはあまり触れられていないようなのですけれども、このことに関して何か検討中のものとか、御準備のもの、あるいは方向性を示すようなことがあれば、遠隔医療ということも含めまして大変重要なことかと思いますので、お聞かせください。

 以上でございます。

○塚本産業保健支援室長 遠隔によります労働衛生管理活動についてですが、現状は御承知のとおり長時間労働者や高ストレス者に対します面接指導につきまして、先般、情報通信機器を用いる場合の留意事項などをお示ししているところです。これらを踏まえまして今般、先ほども検討会の報告書の中にありましたが、例えば山間部などの事業場におきます遠隔による活動方法、条件、また、使用可能な機器の要件、留意事項も含めて検討が必要ではないかとされたところです。

 私どもこの検討会の御指摘を受けまして、できましたら平成29年度に専門家によります検討の場を設けて、実態把握を行うとともに検討を行っていきたいと考えております。これらの検討結果を踏まえまして、具体的な留意事項や具体的な事例等を示し、導入する場合、適切に運用できるようにしていきたいと考えております。

 以上でございます。

○角田委員 ありがとうございます。

○土橋分科会長 ほかよろしいでしょうか。岡本委員、どうぞ。

○岡本委員 先ほどの意見につながるのですけれども、産業医の月の出勤日数は多分法定で決まっていない状況で、多分、遠隔地だと月に1回ぐらいしか参加してくれないという産業医の先生もいるということで、今、資料を見ていたら50人以上の事業所は日本に16万事業場ぐらいあって、産業医を選任しているのは9万人ということなのですけれども、そうすると残りの7万事業場は兼任でないと産業医の仕事ができないことになりますね。そうするとやはり遠隔地でやるとかしないと、現実的に労働者の安全と健康を確保するために産業医の果たす役割は果たせないのではないかと思うので、ぜひ遠隔で診断するような要件を今後鋭意検討していただきたいと思います。

○土橋分科会長 御意見ということで、村上委員、どうぞ。

○村上委員 本日の諮問については、私どもとしては妥当ではないかと考えていたところなのですが、先ほど使用者側の委員から引き続き検討というお話がございました。どこに懸念や問題があって、引き続き検討が必要であるのかというところをもう少し御説明いただかないと、何がネックになっているのかがわかりませんので、教えていただければと思います。

○土橋分科会長 栗林委員、どうぞ。

○栗林委員 既に労働者の時間外時間を統計的にとるところはできていますけれども、それをきちんと例えば100時間のところでどのように統計処理をして、産業医にどういう内容で渡すかというようなところをもう少し調整しないと、それは労務管理のグループと少し調整が必要だと思っています。決して間違ってはいけないことですので、正確に、なおかつ適切に必要な情報を渡すという実際の作業について、もう少し調整が必要だと考えております。

 以上です。

○土橋分科会長 ということで、引き続き議論ということとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、議題2は引き続き議論ということできょうは終了させていただきます。

 議題1と2が終了いたしましたが、その他、何かございますでしょうか。縄野委員、どうぞ。

○縄野委員 資料2−5ですが、今回取りまとめられました「過労死等ゼロ」緊急対策につきましては、労働時間の適正把握の徹底、さらにはメンタルヘルス、パワハラ防止対策の強化、そして是正指導段階での企業名公表制度の要件拡大等、企業に対して現行法の枠組みの中での対策ということでは、私どもも理解をするところであります。

 一方で例えば交通産業等、荷主あるいは顧客との関係上、一企業だけでは長時間労働の削減を行うことが難しい業種あるいは職種もあることは事実であります。今回の緊急対策が過労死等ゼロ、いわゆる労働者の健康の確保を大前提にまとめられたのであれば、先ほど申しました交通産業を初めとする対顧客との関係上、一企業だけでは取り組みが難しい業種につきましても、今後ぜひ検討を深めていただければと思っております。

 なお、今、申し上げた点につきまして何か事務局で考え、あるいはコメントがありましたらお伺いしたいと思います。

 以上でございます。

○田中安全衛生部長 御意見ありがとうございます。

 今回の対策につきましては非常に緊急な対策ということで、現状、当面対応可能なものを労働基準局として取りまとめ、安全衛生の関係部分を含めて発表し、順次できるところから速やかに実施をしていくということでございます。

 その中で御指摘のように個々の事業場だけではできないこと、各企業だけでもできないことが、さまざまなこれまでのいろいろな取引慣行や企業文化、業界文化ということで存在していることは事実でございます。そういったものは業界全体あるいは社会全体で意識を合わせて取り組んでいかなければならないことですし、それについては行政としても何ができるのかとしっかり考え、アプローチをしていきたいと思いますし、労使、それぞれの現場からの積み上げといったところも重要かと思います。さまざまな議論を通じて、社会全体で最終的には過労死等ゼロを目指す取り組みを足並みをそろえて進めることが重要ですので、そういった意識で可能な対策をこれからも検討し、実施していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○土橋分科会長 その他よろしいでしょうか。

 それでは、これで全ての議題を終了いたしました。本日も熱心な御議論をありがとうございました。

 最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。

○宮本計画課長 本日も熱心に御議論いただきまして、感謝申し上げます。

 御了解いただきました諮問案件につきましては、早急に所要の手続を進めてまいります。

 また、次回の分科会につきましては、追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○土橋分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。

 なお、議事録の署名につきましては、労働者代表委員は水田委員、使用者代表委員は中澤委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日はお忙しい中、ありがとうございました。


(了)

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