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2017年2月3日 新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第8回医療・医薬品作業班会議 議事録

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成29年2月3日(金)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○議題

(1)新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について
(2)その他

○議事

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまから第8回新型インフルエンザ対策に関する小委員会の医療・医薬品作業班会議を開催いたします。まず、委員の皆様の出欠について御報告いたします。本日の出席状況ですが、委員6名全員に御出席いただいております。申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 ここからは大久保班長に進行をお願いします。

○大久保班長 私は医療法人幸寿会平岩病院院長をしております大久保です。本日もよろしくお願いします。まず、審議参加に関する遵守事項につきまして事務局から報告をお願いいたします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 審議参加について御報告します。本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関係企業からの寄付金・契約金などの受取状況について申告をいただきました。本日の議題では抗インフルエンザウイルス薬、オセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ファビピラビル、塩酸アマンタジンの各品目の状況を踏まえた調査審議をしていただきます。これらの製造販売業者は、中外製薬株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社、塩野義製薬株式会社、富山化学工業株式会社、ノバルティスファーマ株式会社であり、各委員からの申告内容につきましては、机上に配布しておりますので御確認いただければと思います。あらかじめ事務局において申告内容を確認しましたが、審議や議決に不参加となる基準に該当する申告はありませんでした。

○大久保班長 それでは、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 「議事次第」「作業班名簿」「座席表」のほか、議事次第の配布資料一覧にありますように、「資料」「企業提出参考資料」、参考資料1-11-4をお手元に用意しております。

 なお、第5回、第6回及び第7回医療・医薬品作業班会議資料につきましては、お手元の水色のファイルにつづってありますので、不足の資料がありましたら事務局にお申し付けください。以上です。

○大久保班長 議事に入る前に本日の議題を確認したいと思います。本日の議題は、新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄についてです。委員の皆様には円滑な議事進行に御協力をよろしくお願いしたいと思います。それでは、新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザ薬の備蓄について議論を始めたいと思います。本日は、これまでの作業班会議の審議における論点の整理と、新型インフルエンザ対策に関する小委員会に提出するための本作業班会議の考え方のまとめを確認いたします。

 前回の第7回の本作業班会議では、第6回の本作業班会議におけるお二人の専門家の御意見を参考にしながら、論点2つについて審議を深めました。

 そのうちの論点1につきましては、耐性についてです。アビガン錠は新型又は再興インフルエンザが発生した際に、どのような場面で使用する可能性があるか、又は使用する可能性がないかという点であります。

 それから、論点2は有効性・安全性についてです。アビガン錠の安全性・有効性を踏まえ、新型インフルエンザ対策上、どのような対象患者への投与が考えられるか、又は考えられないかの議論がありました。

 前回の本作業班会議における委員からの意見について、事務局に整理していただいておりますので、事務局から御説明いただきたいと思います。なお、この資料は、この後のインフルエンザ対策に関する小委員会に提出するものになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、事務局のほうからお願いします。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 前回の作業班会議における論点整理を資料としてまとめておりますので御覧ください。資料を順に説明いたします。まず、「新型インフルエンザ対策におけるアビガン錠のあり方について()」と書いてある資料です。今般の御議論の経緯としては、厚生科学審議会第12回感染症部会(平成27918日開催)で、アビガン錠について議論の整理が行われ、薬事承認のときの承認条件として付されている臨床試験における安全性・有効性のデータがそろい次第、引き続き備蓄の是非等について検討すると、会議のほうで取りまとめられています。平成2810月に臨床試験における安全性・有効性のデータが提出されたのを受け、医療・医薬品作業班会議において、新型インフルエンザ対策におけるアビガン錠の在り方について議論を重ねております。本日を含めて計4回、1125日、1216日、120日、23日に会議を開いています。1216日は専門家から意見を聴取しております。

 続きまして、そちらの議論で重ねられた論点ごとの意見の整理ということで、大きく分けて、「耐性について」と「安全性及び有効性について」というところでまとめております。新型インフルエンザ発生時の耐性株の出現リスク及びアビガン錠の安全性及び有効性について、論点を以下のとおり整理しております。1つ目、論点マル1、「耐性について」です。四角の囲みですが、1つ目、ノイラミニダーゼ阻害薬4剤に耐性化したウイルス株が出現するリスクは低いが、出現する可能性は否定できないのではないかということです。2つ目、4剤に耐性化したウイルス株の出現リスクを踏まえ、ノイラミニダーゼ阻害と作用機序の異なる薬剤を使用できるように準備しておくことは重要ではないかということです。

 このように論点整理された経緯としては、作業班会議の議論の中で、以下のような御意見が出たところを補足しております。1つ目のポツ、タミフルとラピアクタについては、季節性インフルエンザの耐性ウイルスが既に出現しているけれども、現時点ではリレンザとイナビルには耐性が出にくいと考える。一方、耐性ウイルスであっても、耐性となっている薬剤に対する臨床的効果に、余り大きな違いがない場合もある。発熱とか治癒までの期間がほとんど変わらない場合もあるということです。2つ目のポツ、薬剤耐性ウイルスが自然発生する場合は、時間をかけて各剤に対して耐性化するため、初めから多剤耐性が流行することはまずないと考えられる。一方、バイオテロや研究室から多剤耐性ウイルスが漏れるなどにより、初めから多剤耐性ウイルスが流行することは否定はできないだろうということです。3つ目のポツ、免疫抑制状態にある患者はインフルエンザウイルスが消失しにくく、ウイルスが耐性を獲得しやすいと一般的に言われております。一般的に耐性ウイルスは伝播能力が低く、感染拡大することは考えにくいですが、数年、また数十年かけて、感染力、伝播能力が高まる可能性はあるということです。4つ目のポツですが、耐性株出現への対応として、多種類の薬剤や作用機序の異なる薬剤の存在は、臨床的観点から重要と考えられる。ノイラミニダーゼ阻害薬と作用機序の異なる3つの薬剤については、新たな薬剤についても臨床試験が進行中ということです。

2ページ目、論点マル2、「アビガン錠の安全性・有効性について」です。取りまとめた論点の整理されたものは四角の所で書いてあります。1つ目のポツですが、総論としてはアビガン錠はインフルエンザウイルス薬として有効性が期待できるのではないかということです。

 また、投与が想定される対象者について、幾つか論点が出ております。1つ目のポツは、本剤は胎児に対する催奇形性が懸念されることから、原則、妊婦への投与は禁忌にすべきではないか。2つ目のポツは、重篤度の高い新型インフルエンザが発生し、かつノイラミニダーゼ阻害薬4剤全てに耐性化した場合に限定して、本剤を使用する可能性はあるのではないか。3つ目のポツは、本剤の安全性・有効性に関するデータが限定的であることを踏まえると、現時点で投与は免疫抑制患者等のハイリスクグループの成人で、かつ重篤な患者に限定すべきではないかということです。

 使用上の留意点としては、ハイリスクグループへの重症化予防効果、重症患者への治療効果や経口以外の投与方法における安全性・有効性については未確認であることから、使用する場合には留意が必要ではないかということです。

 そちらに対応する方策としてまとめられているのがガイドライン等の必要性です。1つ目のポツですが、催奇形性等の安全性及び有効性の懸念点を踏まえ、新型インフルエンザ発生時の使途や対象者を事前にガイドライン等で示す必要があるのではないか。新型インフルエンザ発生初期に、臨床試験を実施する医療機関をあらかじめ指定するなど安全性・有効性の知見を集積する体制を整備するべきではないか。3つ目のポツですが、新型インフルエンザの重篤度等は、実際に発生するまで予見し難いことから、ガイドラインについては発生時においても、上記の臨床試験等により得られた知見を基に、適宜見直しを行うべきではないか。こういったところが大きくまとめた論点です。

 このような論点が出てきた経緯として補足すると、企業のデータ及び参考人として聴取した専門家の先生方の意見、それから先生方の意見の総論としては、本剤はノイラミニダーゼ阻害薬と同様に、抗インフルエンザ薬として有効と考えられる。投与する対象者として想定した場合に、本剤を投与した場合、胎児における催奇形性の副作用が最も懸念される問題であると。2つ目のポツですが、本剤の催奇形性については、妊娠初期の胎児への影響のみでなく、妊娠後期まで考慮すべきであると考えられる。重篤度が高い新型インフルエンザで、かつ既存の抗インフルエンザウイルス薬4剤に耐性化した場合、本剤を使用する意義があると考えられるということ。さらに、免疫抑制の観点ですが、免疫機能が正常のインフルエンザ患者は、重症化しても、呼吸管理等を含め全身管理を適切に行った場合、自己の免疫が反応して、治癒する可能性が高いと考えられる。一方、免疫抑制状態にあるインフルエンザ患者は自己の免疫機能が低下しており、インフルエンザウイルスが消失しにくいことから、重症化した場合、治癒しにくいため、本剤を使用する意義が考えられるということです。さらに、対象者として小児を考えた場合に、小児に対する本剤の安全性・有効性については未確認であることから、現在は成人に対してのみ投与可能とすべきと考える。また、本剤は多数の投与実績があるような既存の抗インフルエンザウイルス薬と比べて、臨床的な有効性の知見が少ないことから、対象患者、投与対象者についてはリスク・アンド・ベネフィットバランスを考慮して限定する必要があるということです。

 そういうところを踏まえた使用上の留意点ということで、3つにまとめております。1つ目のポツは、本剤は重症患者に投与された実績がないことから、本剤の重症化予防の効果は証明されていない。2つ目のポツは、本剤は経口投与薬で内服量が多いため、重症化した患者に通常のかたちで投与するのは難しいのではないか。なお、海外等で粉砕して経腸投与した事例もありますが、その場合の安全性・有効性については未確認ということです。3つ目のポツは、本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬と同様投与開始が遅れた場合(発症後48時間以降)は、効果が低いことから、重篤な患者にできるだけ早期に投与開始する必要があると考えられる。

 そういったところを踏まえて、ガイドライン等の必要性で書かれているのは、大きく分けて2つです。1つ目のポツは、本剤の安全性・有効性を踏まえ、事前にガイドライン等で、本剤の投与適応者や投与方法等について、具体的な指針を示す必要があるが、個別の患者の状況に応じた迅速な治療の必要性を踏まえ、医師の裁量に留意した上で、ガイドラインの位置付けを決定する必要がある。2つ目のポツは、本剤は臨床的な安全性・有効性の知見が限られていることから、新型インフルエンザ発生時に指定した医療機関で臨床試験を行うなど、安全性・有効性の知見の蓄積をした上で、本剤の対象者を広げるかなどについて検討すべきではないかといった御意見を伺っております。

 「その他の指摘」として、1つ目のポツは、催奇形性が懸念される薬剤であることから、本剤の保管体制等は厳重にすべきではないか。2つ目のポツは、新型インフルエンザ発生時には、本剤を適時に入手可能とすべく流通体制を整理すべきではないかという御意見を伺っております。この背景としては、本剤は催奇形性が懸念される薬剤であることから、保管体制等は厳重であるべきである。また、通常、市場に流通しておらず、新型インフルエンザ発生時に本剤が必要と判断された場合において、本剤を使用する医療機関への供給は適時・迅速に行われるような適切な流通体制の整備が必要だということについて御意見を伺っております。

 こちらはまとめ資料ではありませんが、前回の作業班で先生方のほうから御質問がありました、アビガン錠を生産してから出荷するまでのタイムスケジュール、それからアビガン錠が製剤として在庫があるものが出荷されて医療機関に届くまでのタイムスケジュールということで、企業側から提出いただいた資料を参考に出しております。1ページ目が実際に今までに製造した際の原薬、粉薬としてのファビピラビルで、実際に投与されるものではないものを、実際に投与される錠剤にして箱詰めして出荷できるまでというところですが、それが「A原薬在庫を製剤化する場合」という所に示されております。また、アビガン錠の原料から新規に製造し出荷されるまでが、「B原料から新規に製造する場合」という所に書かれております。

 パンデミック時にどのようなかたちで、かかる時間を短縮できるかというところを、現在、企業のほうで方法として幾つか考えていただいているところを記載しているのが2ページ目です。実際の具体的な数字は、まだ検討途中ということで出ておりませんが、資材を原薬から製剤化する場合であっても、資材を前もって確保して、それから原薬の再加工を事前実施してリードタイムの短縮を図るであるとか、原料から新規に製造する場合でも、原材料、中間体在庫の確保によりリードタイムの短縮を図ったり、製造工程をオーバーラップして、更に01か月、頭出しを早める可能性もあるということを今、検討しておられるということです。

3ページ目、4ページ目は、流通経路の説明があります。3ページ目は一般の流通品、例えばほかの抗菌薬などで化学工業が一般に流通で大体どのぐらいかかるか見込んでいるところです。合計で、メーカーから医療機関に届くまで4日から6日、卸しの末端から届くところで1日程度というところです。

 これは参考の参考ですが、国際医療センター等でエボラ出血熱発生時に、国内で発生した際に対応できるようにということで、臨床研究されていたときのスキームです。その際は、緊急的に医療機関に搬送した場合は、臨床研究の枠組みの中で、メーカーから医療機関まで、同日又は1日で送れるような体制を整備していったということです。こちらは企業参考資料ですが、以上です。

○大久保班長 ただいまの御説明の前半は、これまでの本会で行われてきた論点のまとめ、これを分かりやすく記載していただいております。その御説明をしていただきました。今、御説明いただいた論点マル1、マル2、プラスその他の順番に、論点ごとに議論をしていきたいと思います。御説明の中にもありましたように、この資料は後日開催される小委員会に対する意見として出されるものですので、その観点から御意見をお伺いしていきたいと思います。順番に論点マル1の「耐性について」と論点マル2の「アビガン錠の安全性・有効性について」という2つに分けて、確認していきたいと思います。内容はもちろんですが、齟齬、あるいは誤植がないかどうかということも含めて、あるいは内容に漏れがないかという点。それから、ここに書いてないことで、更に追記すべきことがあれば、それも含めて御意見として出していただきたいと思います。

 資料1ページ目の中ほどの論点マル1、「耐性について」です。四角で囲んである所が、その大まとめですが、「ノイラミニダーゼ阻害薬4剤に耐性化したウイルス株が出現するリスクは低いが、出現する可能性は否定できないのではないか」ということと、「4剤に耐性化したウイルス株の出現リスクを踏まえ、ノイラミニダーゼ阻害と作用機序の異なる薬剤を使用できるように準備しておくことが重要ではないか」。これが1つのまとめになるわけですが、この言葉について、何か御意見があればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 引き続いて、補足と書いてあるこれがこれまでの参考人及び委員より出された意見になるわけですが、補足の1つ目のポツは菅谷参考人からお話があったと思いますが、「タミフルとラピアクタについて、季節性インフルエンザの耐性ウイルスが既に出現しているが、現時点ではリレンザとイナビルには耐性が出にくいと考えられる。一方、耐性ウイルスであっても、耐性となる薬剤の臨床的効果に大きな違いがない場合もある」。先ほども御説明の中で、発熱とか治癒までの期間に差がない場合も実際にあるということだったのですが、この辺は補足として、こういう記載でよろしいでしょうか。御意見はありませんか。

 引き続きまして、2つ目のポツ、「薬剤耐性ウイルスが自然発生する場合は、時間をかけて各剤に対して耐性化するため、初めから多剤耐性が流行することはまずないと考えられる。一方、バイオテロや研究室から多剤耐性ウイルスが漏れる等により、初めから多剤耐性ウイルスが流行することは否定できない」。これもお二人の参考人、菅谷参考人、高下参考人から、このような意見が出されたと思いますが。

○倭委員 細かいことで恐縮ですが、言葉の統一だけ。1か所だけ「多剤耐性」、あとの2か所は「ウイルス」があるので、「多剤耐性ウイルス」としておいたほうがよりいいかなと思います。2行目の所です。細かいことで申し訳ありません。

○大久保班長 「ウイルス」と入れるわけですね。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 はい。

○大久保班長 そのようにお願いいたします。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 承知いたしました。

○大久保班長 ほかによろしいでしょうか。資料として見ていただいて、これでよろしいかどうか。同じく3つ目のポツの所で、これも菅谷参考人、高下参考人から出された御意見ですが、「免疫抑制状態にある患者は、インフルエンザウイルスが消失しにくく、ウイルスが耐性を獲得しやすい。一般的に耐性ウイルスは伝播能力が低く、感染拡大することは考えにくいが、数年から数十年かけて、感染力が高まる可能性はある」。これは前回の作業班会議でも話題になりましたが、この辺はいかがでしょうか。

○倭委員 ここで議論すべきことではないのかも分かりませんが、免疫抑制状態にある患者というのは、具体的にはどういう患者を指すかということは、ここでは記載しなくて、漠然とこういう表現にとどめるというかたちでよろしいでしょうか。

○大久保班長 具体的に例を挙げて書いたほうが分かりやすいということでしょうか。

○倭委員 それはここで議論すべきか、あるいはまた別の所がいいのか。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 例えば4剤耐性になった事例等の具体例みたいなものを入れることは可能かなとは思います。

○倭委員 分かりました。ありがとうございます。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 それを例示するというかたちで、「免疫抑制剤を投与されている患者などの」とかいうかたちで、「免疫抑制状態にある患者は」と。

○倭委員 いや、それは皆さんの意見を聞いていただきまして。

○大久保班長 前回も御説明いただきましたが、4剤耐性の米国の小児の例を簡単にまとめたような状態を、免疫抑制剤の前に付けてもいいのではないかと思いますが、それでよろしいでしょうか。そのように具体的な例を少し入れていただきたいと思います。ほかに御意見はありますか。

○馳委員 3つ目の「数年〜数十年かけて感染力が高まる可能性がある」という部分に関してです。この部分は、新型のインフルエンザウイルスが流行して、免疫抑制者でウイルス排出が続いて耐性化したウイルスが出現した場合に、それがすぐに流行することはなくとも、何年後かに流行する可能性はあるだろうということだと思います。この場合、数年経過した時点では既に流行株になっているかもしれないわけですので、厳密には新型インフルエンザという定義にはあてはまらないような気がします。特に誤解を招くような表現でなければそのままで良いと思いますが、そのあたりは如何でしょうか。少し気になったのでお聞きしました。

○大久保班長 そうですね。今、先生がおっしゃられたとおり、数年たった場合に新型というところから定義が外れてしまうということですけれども。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 こちらは補足としての説明のところですので、方針というよりは、一般論としてまとめられるようなところを補足のほうで説明しているという整理で、先生方から出た御意見をこちらの補足にまとめているところです。

○馳委員 分かりました。一般論としてはそのとおりだと思うので、それで了解いたしました。ありがとうございます。

○大久保班長 それでは、3つ目のポツの所は、免疫抑制剤の所に関しては4剤耐性であった米国の小児ですか。あのときは田村参与から説明いただいたと思いますけれども。

○田村健康局参与 おっしゃるとおりで、8か月の移植後で免疫抑制剤を使っている小児で、商品名タミフルとリレンザを使用して、結果的に多剤耐性になったという論文ですので、具体的にそういった症例提示をここに記載させていただければと思います。

○大久保班長 よろしくお願いいたします。引き続きまして4つ目ですが、「耐性株出現への対応として、多種類の薬剤や作用機序の異なる薬剤の存在は、臨床的観点から重要と考えられる。ノイラミニダーゼ阻害薬と作用機序の異なる3つの薬剤、それらの臨床試験が進行中である」、これも菅谷参考人から御説明いただいた件だと思います。何か補足するべきことはおありでしょうか。この3つの薬剤は、余り具体的な説明はなかったのですが、どういう系統とか、そういうところまでは書かなくてもいいでしょうか。まだそこまでは明らかにできないですか。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 一部、国内のメーカー等で報告されているメーカーもありますが、作用機序等について、余り細かく報告されていない事例もあると考えておりますので、とりあえずこちらのほうで表現させていただいてはと思っております。

○大久保班長 はい、分かりました。そういうことで進めたいと思います。以上が論点マル1についてのまとめの文書となります。

 引き続きまして、論点マル2、「アビガン錠の安全性・有効性について」という項目においては、四角の中ですが、4つに更に分けてあります。まずは総論として、「アビガン錠は抗インフルエンザウイルス薬として有効性が期待できるのではないか」という、これに関しては御異論はありませんね。対象者としての1つ目のポツですが、「本剤は胎児に対する催奇形性が懸念されることから、原則、妊婦への投与は禁忌にすべきではないか」ということです。対象者です。後で補足の所でまたこの件も出てきますが、まず本文として、総論の書き方はこれでよろしいでしょうか。

 次に、対象者は3つポツがありますが、1つ目、「本剤は胎児に対する催奇形性が懸念されることから、原則妊婦への投与は禁忌にすべきではないか。重篤度の高い新型インフルエンザが発生した場合、かつノイラミニダーゼ阻害薬4剤全てに耐性化した場合に限定し、本剤を使用する可能性があるのではないか」。耐性化した場合に限定してというところです。これは限られたデータであるというところを踏まえてということだと思いますが。

○倭委員 これも用語の問題で、細かいところで申し訳ございません。1ページ目の論点マル1の四角で囲んだ所には、「ノイラミニダーゼ阻害薬4剤」という言い方で「全て」が入っていなくて、2ページ目の下から7行目の所も「抗インフルエンザウイルス薬4剤に耐性化」ということで「全て」が入っていないのです。論点マル2の四角の所は「全て」なので、細かいことで本当に恐縮なのですが、どちらかに統一していただけますか。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 申し訳ございません。

○大久保班長 四角の中の書き方ということで、よろしいでしょうか。「4剤全てに耐性化した場合に限定して」、それを基本にさせていただきたいと思います。対象者の中の3つ目のポツですが、「本剤の安全性・有効性が限定的であることを踏まえると、投与は免疫抑制患者等のハイリスクグループの成人で、かつ重篤な患者に限定すべきでないか」。これは下の補足と一緒に議論していったほうが分かりやすいと思いますので、総論の所に戻りますが、補足の中の総論、1つ目のポツで、これは菅谷参考人から出た御意見だと思います。「本剤はノイラミニダーゼ阻害薬と同様に、抗インフルエンザウイルス薬として有効と考えられる」という御意見が出ていますので、この四角の中の文書も同じ言葉で使わせていただくことは異論がないと思います。

 次の対象者に関する所で、下の補足の1つ目、これも参考人及び全委員からも同意を得ておりますが、「本剤を投与した場合、胎児に対する催奇形性の副作用が最も懸念される問題である」と。1人でもこういう症例を出してはならないという意見も出たと思います。補足の対象者の2つ目のポツですが、「本剤の催奇形性については、妊娠初期の胎児への影響のみでなく、妊娠後期まで考慮すべきである」と。「妊娠後期まで」という言葉は、菅谷参考人のほうから述べられたと記憶しておりますが。この対象者について、どのように絞るかということは、補足の所に更に幾つか書いてありますが、この対象者の2つのポツについて。

○馳委員 対象者の3つ目の「投与は免疫抑制患者等のハイリスクグループの成人で、かつ重篤な患者に限定すべきではないか」という部分に関してです。前回の議論で、重篤な患者をどのように定義するかは、非常に難しいという話が出たかと思います。早期治療が求められる場面で既に重症化してしまっていては遅いことになりますので、文言としては「重篤化することが予想されるような患者群」という表現のほうが適切なのかと思いました。

 今後新型インフルエンザが流行した場合、いろいろな知見が集積されて、どの程度の免疫抑制者あるいはどういったリスクファクターを持つ方が重篤化しやすいのかが分かってくるはずです。そういった意味でも、「重篤化することが予想されるような患者群」という表現の方がよいのかと思いました。

○大久保班長 確かにそのほうが分かりやすいような気がしますが、ほかの先生方はいかがですか。重篤化することが予想される患者。発症してから余り時間がたってしまっても効果がまた期待できないという点もありますので。

○加藤委員 妊婦の所ですが、妊婦さんはインフルエンザのときに重篤化しやすい人たちとも言えます。その点についても理解しているが、現在、重症化した場合に、アビガンがはっきり効くのかどうか分からない。妊婦さんが重篤化しやすい患者であるというのは理解しているが、そうであってもはっきり重症化した状態を回復させる効果は、今の時点でははっきりしないので、妊娠初期だけではなく、後期まで投与を控えるという意見があると思います。ここに妊婦さんがハイリスクであるということが、少し織り込まれているといいのかと思いました。

○大久保班長 妊婦さんはインフルエンザが重篤化しやすいグループであるというのを踏まえて、かつ妊娠初期のみならず、妊娠後期までそういう副作用を考えなければいけない、投与すべきではないということですね。

○加藤委員 そうです。催奇形性のリスクを上回る効果が現時点でははっきりしていないということで、催奇形性のほうを重視して、妊娠後期まで胎児への影響というところに不明な点があるということで、そちらを重視する考えが伝わるといいのかなと思いました。

○大久保班長 いかがですか。大変難しいですね。催奇形性を上回る効果があるかどうかです。この件、事務局は。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 こちらは添付文書でも妊婦のことは書かれていますし、先生のおっしゃるとおりの状況の判断を踏まえて、このような記載になっているということで、補足のほうにそういった状況のことを記載させていただくというかたちで追記させていただこうと思いますが、いかがですか。

○大久保班長 補足のほうでそういう意を汲んで読んでいただきたいということです。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 補足のほうに追記するかたちで。

○大久保班長 そのように補足のほうに追記していただくということでよろしいですか。

 引き続きまして、対象者の3つ目以降のポツです。重篤度が高い新型インフルエンザで、かつ既存の抗インフルエンザウイルス薬4剤に耐性化した場合、本剤を使用する意義があると考える。重症者に対する考え方、こういう御意見は、馳先生、倭先生、加藤委員などから出されたと思います。これはよろしいですね。

 その次のポツですが、「免疫機能が正常のインフルエンザ患者は、重症化しても呼吸管理を含む全身管理を適切に行った場合、自己免疫が反応し、治癒する可能性が高いと考えられる。一方免疫抑制状態にあるインフルエンザ患者は、自己の免疫機能が低下しており、インフルエンザウイルスが消失しにくいことから重篤化した場合、治癒しにくいため、本剤を使用する意義があると考える」。これは倭先生、馳先生から、このような御意見を頂いたと記憶しております。何か補足すべきことや御意見はありますか。免疫機能が正常の患者と、免疫抑制状態にある患者の2つの事例について書いてあると思います。

○馳委員 免疫正常者と比較すると、免疫抑制者のほうがリスクが高いというのは事実です。しかしながら、前回新型インフルエンザが流行した際には、免疫正常者でも重症肺炎になっているようなケースもありますので、この部分の表現は難しいところだと思います。この文言で問題がなければそのままでいいですが、誤解を与えるかもしれないということであれば、免疫正常者でも重篤化することがありうることを含めてもいいのかと思いました。

○大久保班長 正常者でも重篤化することはあるがというかたちですね。

○倭委員 前回のときに加藤先生から御意見があったかと思いますが、研究班の2014年の新型インフルエンザの治療ガイドラインで、肺炎などを合併するものについては、ファビピラビルとラピアクタとの併用を考慮してもいいという書き方でした。原論文を私はもう一度読み直したのですが、参考引用文献自体がマウスの論文なので、ヒトについてのデータはないということと、2014年の段階でのということなので、ここでの議論とはまた別という理解でよろしいですか。加藤先生、もし、何かコメントがありましたらお願いします。

○加藤委員 今のはガイドラインですか。

○倭委員 前回、先生がおっしゃっていた2014年の森島先生の研究班のガイドラインでは、肺炎などの重篤化があるときには、マウスの実験を基に考慮してもいいというぐらいの言い方だったのですが、あれはあの時点での考え方で、ヒトのデータはないので、ここではそこは気にしなくていいということでいいかどうかの確認です。

○加藤委員 倭先生はガイドラインを含めたほうがいいということですか。

○倭委員 いいえ、2014年の段階のガイドラインで、先生は前回の議論で言っておられ、今、馳先生もちらっと免疫が正常でもそういう場合があるというお話をされたので、先生の御意見を再度確認させていただきたいと思ったのです。

○加藤委員 免疫不全に限定しないという考え方もあるということですね。ごめんなさい。ほかの所を見ていたものですから。

○倭委員 今、馳先生が、免疫機能が正常な場合でも、2009年のときでも、重篤化する可能性があるので、恐らくそういったことを基に2014年の段階での考えでは、新型インフルエンザの厚生労働省の研究班のガイドラインで、肺炎等を合併する場合には、ファビピラビルをマウスの実験の結果を基にラピアクタとの併用を考慮してもいいということだったと思うのですが、先生は前回そのようなことをおっしゃっておられたので、ここでは特に免疫抑制状態にある患者さんとの比較という意味でこう書いているので、私はこの記載でいいかと思うのですが、一応、先生の御意見を確認させていただきたいと思いました。

○加藤委員 4つ目の所ですよね。先生の御質問に直接答えていないかもしれませんが、治癒するというのはウイルスを排除する、ウイルスが消失すると言うのでしょうか、そういう意味でまとめていただいたのかなと思うのですが。免疫が正常でも重篤化して死亡するケースも、特に新型インフルエンザの場合には考えておかないといけないと思いますが、幸い回復した場合にはウイルスも消失するということを言いたかったのかと思います。

 免疫不全の方については、症状は回復してもウイルスが消失しないケースがあるというのと少しずれているような感じもしますね。

○大久保班長 そうしますと、これまで出た御意見では、正常者でも重篤化することがあるということを記載することと、2行目の「治癒する可能性」という言葉を、ウイルスを排除、「排除」という言葉に変え、更に症状が回復してもウイルスは排除できない場合があるということを含む文章に変えるということですね。そういうかたちでよろしいですか。

 それから、今の議論の中で出た併用という言葉ですが、ラピアクタなどとの併用については今まで議論はありましたか。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 事務局から、森島班のガイドラインについて少し説明させていただきます。森島班のガイドラインでは、一般的な単剤としての使用方法の記述の後に、エビデンスが確立していない方法としての例示として併用や増量や変更が書かれていて、その中でそれぞれのこういったことが可能かもしれないというような書き方で、推奨するとか、そういった書き方ではなかったように思います。こちらはそもそもエビデンスがない領域ですので、今後、既存の診療ガイドラインの改訂や指針のようなものを、こちらで準備させていただく際に、また対応できるように考えていきたいと思います。

○大久保班長 本研究班、作業班の範疇ではなくて、診療ガイドライン等で、またそれを議論していただくという立場にしたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、次の小児に関する点ですが、小児に対する本剤の安全性・有効性については未確認であることから、現在は成人に対してのみ投与を可とすべきと考える。これは多くの委員から、このような御意見を伺っていますが、このままでよろしいですか。御意見がないようですので、これはこのままにしておきます。

 その次は最後のポツですが、「本剤は多数の投与実績がある既存の抗インフルエンザウイルス薬に比べて、臨床的な有効性の知見が少ないことから、投与対象者についてはリスク・ベネフィットバランスを考慮して限定する必要がある」。この表現はいかがですか。

○笹井委員 リスク・ベネフィットバランスを考慮して限定するということに入るのだと思いますが、予防内服について確認したいと思います。新型インフルエンザ対策ガイドラインには、濃厚接触者に対して抗インフルエンザ薬を投与するということが書いてあります。アビガン錠を予防内服に使えるのかという議論はしてこなかったのですが、恐らく重症者にしか使わないという議論もある中で、健康な濃厚接触者に対して使うということは余り考えられないと思いますが、予防内服については、リスク・ベネフィットという表現に含まれると解釈してよろしいでしょうか。

○大久保班長 確かに本剤の予防内服というのは議論をしてきませんでした。そのリスク・ベネヌフィットという言葉が予防内服も含むということになるということですね。

○笹井委員 そう理解できるのかと思います。

○大久保班長 この点はいかがですか。事務局のほうは何か御意見がありますか。

○長谷川新型インフルエンザ対策推進室長 その記載が必要かについても、この委員で御議論いただければと考えております。

○大久保班長 この会のスタンスとしては、予防内服は含まないと言い切って検討したということで行きたいと思います。

 それでは次の「使用上の留意点」です。前のページの四角で囲んだ中の使用上の留意点の本文ですが、「ハイリスクグループへの重症化予防効果、重症患者への治療効果や経口以外の投与方法における安全性・有効性については未確認であることから、使用する場合には留意が必要ではないか」という文章に対する補足ですが、3ページの中ほどに「本剤は重症患者へ投与された実績はないことから、本剤の重症化予防の効果は証明されていない」これは菅谷参考人からです。3つ目のポツは「本剤は経口投与薬で内服量が多いため、重症化した患者に通常のかたちで投与するのは難しいのではないか。なお粉砕して経腸投与した場合の安全性・有効性については未確認である」。これも倭委員、馳委員、加藤委員などから御意見を伺ったと思います。

○倭委員 1点目で確認ですが、「本剤は重症患者へ投与された実績はないことから、本剤の重症化予防の効果は証明されていない」ということですが、「重症患者へ投与された実績はないこと」かつ、「本剤の重症化予防の効果は証明されていない」という2つの独立事象ではないかと思うのです。重症化予防の効果というのは、重症患者に投与して分かることではないので、「重症患者へ投与された実績はない。また、本剤の重症化予防の効果も証明されていない」のほうがいいかと思うのですが、国語みたいなことで申し訳ありません。

○大久保班長 「投与された実績がない」ということと「かつ、重症化予防効果は証明されていない」という2つの文章に分けるということですね。これはそれで御同意いただいたということで、2つ目のポツはよろしいですか。これも多くの委員から出されて、投与ルートあるいは粉砕して直接経腸投与した場合の安全性等はまだ明らかになっていません。

○倭委員 これも言葉の問題ですが、粉砕して懸濁です。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 御指摘のとおり修正いたします。

○大久保班長 懸濁ですね。ほかにいかがですか。それでは、この件は投与法、ルートの問題ですが、このような記載としておきます。

3つ目ですが、「本剤は他の抗インフルエンザウイルス薬と同様、投与開始が遅れた場合(発症後48時間以降)は効果が低いことから、重篤な患者にできるだけ早期に投与を開始する必要があると考える」。これも菅谷参考人から、このような御意見が出されたと思います。

○馳委員 先ほどの議論では、重篤な患者というよりは、重篤になると予想されるような患者群という表現の方が適切ではないかということでした。重症化が予想される患者群を表すように、先ほどのページと統一していただくのがいいかと思いました。

○大久保班長 重篤になると予想される患者群にということですね。これはそれでよろしいですか。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

 引き続きまして、もう一度2ページに戻って、四角の中の最後の「ガイドライン等の必要性」に関する所の1つ目ですが、「催奇形性等の安全性・有効性の懸念点を踏まえ、新型インフルエンザ発生時の使途や対象者を事前にガイドライン等で示す必要があるのではないか」。

2つ目「新型インフルエンザ発生初期に臨床試験を実施する医療機関を、あらかじめ指定するなど、安全性・有効性の知見を集積する体制を整備するべきではないか」。

3つ目「新型インフルエンザの重篤度等は実際に発症するまで予見し難いことから、ガイドラインについては発生時においても上記の臨床試験等により得た知見を基に、適宜見直しを行うべきではないか」ということですが、それに対する補足が3ページに書いてあります。

1つ目「本剤の安全性・有効性を踏まえ、事前にガイドライン等で本剤の投与適応者や投与方法等について、具体的な指針を示す必要があるが、個別の患者の状況に応じた迅速な治療の必要性を踏まえ、医師の裁量に留意した上でガイドラインの位置付けを決定する必要がある」。これは倭先生、馳先生、釜萢先生などから御意見を頂いたと思います。

2つ目は「本剤は臨床的な安全性・有効性の知見が限られていることから、新型インフルエンザ発生時に指定した医療機関で臨床試験を行うなど、安全性・有効性の知見の蓄積をした上で、本剤の対象者を広げるかどうか等について検討すべきではないか」。加藤先生はじめ、倭先生、馳先生などから頂きました。

 その他、次のページでは、この背景として催奇形性が懸念される薬剤であることから、本剤の保管体制は厳重にすべきではないか。新型インフルエンザ発生時には本剤を適時に入手可能とすべく、流通体制を整備すべきではないかという御意見があった中で、2ページの四角の中に戻って、「ガイドラインの必要性」と書いた所の3つのポツについて、いかがですか。ガイドラインうんぬんに関してはいかがですか。釜萢先生もこういう御意見を述べられたと思いますが、このような記載でよろしいですか。

○釜萢委員 はい、このような記載でよろしいと思います。それで、ちょっと、また戻ってしまいますが、ガイドラインにこのアビガン錠の適用の範囲を書くことになるわけですが、現時点でのこのペーパーでは、重篤度の高い、すなわち死亡率の高い新型インフルエンザが発生します。

 新型インフルエンザは非常に死亡率が高いという条件があって、従来のノイラミニダーゼ阻害薬に全て耐性化して、そしてハイリスクグループの成人で重症になるおそれの強い人というような条件になるわけだろうと思うのです。あくまでもそういうところに、まず限定して使用を始めて、そして知見を蓄積して、なるべく、もっと適用範囲を広げていこうという方向でよろしいのかなと思っております。これまでの皆様の御意見もそういうことだったのかなと認識しておりますが、いかがでしょうか。

○大久保班長 ありがとうございました。ガイドラインにこの薬剤の適用の範囲を書いていただくのは必要でしょうし、それはいいことだと思います。この我々の医療・医薬品作業班での意見としては、ガイドラインの中身に触れることは、まだ早いと思いますので、今、釜萢委員から御説明いただいたような流れというか、どのように考え方を進めていくかというところだと思います。今言われたことを補足事項の中に書き込むのはいいと思いますが、いかがでしょうか。

 もう一度復唱しますと、新型インフルエンザは重篤度が高い疾患であって、ノイラミニダーゼ阻害薬に耐性化することが考えられる。なおかつハイリスクの成人で重症になる可能性の高い患者に対して投与していくわけですが、さらにその後の知見等で、その投与対象範囲を拡大していくことはいいことだという流れだと思いますけれども、それを追記することでよろしいでしょうか。ここにガイドラインで示す必要があると書いた上で、今のような補足を追加するということですね。よろしいでしょうか。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 補足に追加させていただきます。

○大久保班長 よろしくお願いします。そのほか、この本文と言いますか、四角で囲んだ中の2つ目、3つ目のポツはいかがでしょうか。

○加藤委員 今までこの班で検討して、やはり現時点での有効性の知見あるいは安全性についても、よく分からない点があるというところが、本当に議論の核心だったような気がします。この四角の中の総論のところに、有効性が期待できるとしかないのですけれども、その次に、補足のところの対象者の最後の文章が、我々が議論してきたことに近いと思います。現時点で知見が少なくて、投与対象者についてはリスク・ベネフィットバランスを考慮して限定する必要があるという文章を冒頭に持ってくると、それ以下の内容も伝わりやすいのかなと思います。もし委員の皆さんの賛成を頂けるのなら、そのように修正をお願いするのもいいのかなと思います。

○大久保班長 ただいまの御意見はいかがでしょうか。論点マル2の総論の始めに、いわゆる3ページ目の中ほどにある投与対象者については、リスク・ベネフィットバランスを考慮して限定する必要があるということを最初に持ってきて、スタートとするという点です。

 これは皆さん、御同意いただけますか。内容的には当然のことだと思いますけれども、書く場所、書き方。先ほどのリスク・ベネフィットの中に予防投与も入ってきてしまうのではないかということも危惧されますけれども、リスク・ベネフィットバランスという言葉を使っていいかどうかですね。そういうことでよろしいでしょうか。

○倭委員 論点マル2のタイトルが「アビガン錠の安全性・有効性について」となっていますので、今、総論では有効性のみ書いていますから、加藤先生がおっしゃった安全性についても書いたら、ちょうどいいのではないかと考えます。「安全性・有効性」となっていますので。

○馳委員 私も賛成で、この一文だけを見ますと、有効性が期待できる印象が強くなってしまう可能性があると思います。実際には、有効性が期待できる可能性がある程度だと思いますので、「現時点では知見が少ないことから、投与対象者については、リスク・ベネフィットバランスを考慮して限定する必要がある」という文が追記されると、理解がより実際のイメージに近いものになるような気がしました。

○大久保班長 では、その辺を改めていただくということで、お願いしたいと思います。そのほか、2ページの四角の中のガイドライン等の必要性の3つ目のポツ辺り、いかがでしょうか。この書きぶりは特に問題はないと思いますが。余りガイドラインの細かいところに触れる必要はもちろんありませんので、先ほど釜萢委員からおっしゃられたような、思考過程を、少し記載していただくということでいきたいと思います。

 これが、論点マル2のアビガン錠の安全性・有効性についてという本文と補足についてです。それ以外の御指摘事項として、先ほど少し触れましたけれども、次の4ページにあるような、催奇形性が懸念される薬剤であることから、本剤の保管体制は厳重にすべきではないかと。

 この保管体制を厳重にすべきことは当然ですけれども、例えば、具体的な事例等は、今日お示しいただいたタイムスケジュール、次の別の資料、企業提出参考資料の中のアビガン錠生産リードタイム試算というところも参考にしながら、備蓄ということから考えるべきなのか。備蓄ということになると、どこの製剤といいますか、製品化する過程の、どの、完成品の備蓄ということなら分かりやすいのですけれども、そういうわけにはいかないわけで、原薬とかいろいろなものが備蓄の対象になってくると思うのですが。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 事務局から、こちらは生産体制等いろいろありますので、医薬局でも、今、データを提出しているというところです。流通体制の章も、薬事のほうのあれもありますので、小委員会では、ある程度の大枠を出せるように調整しながら、企業のほうとも情報をお聞きしたいと思います。

○大久保班長 どの過程の製品といいますか、材料を備蓄しておくのかということを。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 適宜に供給できるような体制をどのように組んでいくかということについて、そちらの小委員会のほうに上げられるように準備していきたいと思います。

○大久保班長 今日のこの会議の中で、そこを議論するのはちょっと難しいと思いますので、事務局のほうで、そういう資料を用意していただくということで、よろしいでしょうか。

○釜萢委員 今、大久保先生から、この会で議論することではないという御指摘がありましたところで恐縮ですが、備蓄ということになると、これは製品を備蓄しないと駄目だと私は思います。やはり原薬からの生産には、これはそれほどは掛からないかもしれないけれども、やはり数箇月のずれはありますので、備蓄するということは、すぐに出荷できる製品を備蓄するということでないと、意味がないのではないかと思いますが。

○大久保班長 それが可能かどうかという判断を、ここではできないと思いますので、なかなか難しいところがありますが、今の御質問に対していかがでしょうか。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 補足のほうでそういった参考意見があるということで記載させていただきます。

○大久保班長 確かに製品を備蓄しないと意味がないですね。ほかに今の補足というか、その他の指摘事項というところで、保管体制については、これに付け加える御意見はありませんでしょうか。厳重にすべきである本剤ですので、流通備蓄ということは、もちろん考えなくてよろしいわけですね。2行目に新型インフルエンザ発生時には、本剤を適時に入手可能とすべく、流通体制を整備すべきではないかという言葉に続けていってよろしいでしょうか。その下の補足というところにも、同様のことがまとめてありますけれども、本剤は催奇形性が懸念される薬剤であることから、保管流通体制は厳重であるべきであると。

 また、通常は市場に流通しておらず、新型インフルエンザ発生時に本剤が必要と判断された場合においては、本剤を使用する医療機関への供給が適時・迅速に行われるような流通体制を整備する必要があると。インフルエンザが発生して、これが必要と判断された場合に、体制を整備すると取れますけれども、その手順でよろしいでしょうか。

 この意見は加藤先生、釜萢先生から御意見が出たと思うのですけれども、訂正あるいは追加があれば、お出しいただきたいと思います。

 では、この補足に書いてある文章は、このまま資料として提出させていただきたいと思いますので、その他、全般に振り返ってみて、御意見があれば、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

質疑応答に関しては、御意見が出尽くしたと思いますが、本日の会議ではいろいろ細部にわたる検討と、全般的な検討の中で、妊婦に対する考え方、あるいは、治療ガイドラインをどのように捉えるか。あるいはガイドラインに考え方の道筋といいますか、手順をきちっと追記しておくということと、それから、この安全性・有効性についての総論の序盤の出だしのところに、リスク・ベネフィットバランス等の言葉を入れて、少し体裁を整えるというような、そういう大きな点が本日の会議の中での修正点といいますか、御意見として出たと思います。

 そのほか何か追加等あれば。基本的には、この医薬品作業班での検討が、これで一段落するわけで、その次の小委員会のほうで、どのような意見が出るか、また差し戻しというような、あるいは検討し直せということになるかもしれませんが、これまでの御議論は、本当に先生方、いろいろありがとうございました。

 なかなか製品が実際に使われていないものについて、このように議論するというのは非常に難しいところがありますし、それが更にいろいろな重篤な副作用、それから効果についても十分な知見というところは、非常に難しい中で御議論いただきまして、本当に有難うございました。

 そろそろ終了とさせていただきたいと思いますが、今日の議論を踏まえて、事務局のほうでもう一度、資料にきちんと反映していただくようにお願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしくお願いします。

 それでは、本日の、この意見を反映した資料を、新型インフルエンザ対策に関する小委員会、これは今月の中ほどに開催される予定ですけれども、その小委員会に報告させていただきたいと思います。それでは、本日の会議は以上で終了です。事務局のほうから何かありますでしょうか。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 事務局からは特にありません。

○大久保班長 それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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