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2017年1月26日 第99回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成29年1月26日(木)10:00〜


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○出席者

委員:五十音順、敬称略

青木 健、明石 祐二、岡本 浩志、勝野 圭司、栗林 正巳、袈裟丸 暢子、城内 博、角田 透、
土橋 律、中澤 善実、中村 聡子、縄野 徳弘、水田 勇司、村上 陽子、最川 隆由、山口 直人

事務局:

田中 誠二 (安全衛生部長)
宮本 悦子 (計画課長)
野澤 英児 (安全課長)
縄田 英樹 (建設安全対策室長)
武田 康久 (労働衛生課長)
塚本 勝利 (産業保健支援室長)
大淵 和代 (職業性疾病分析官)
奥村 伸人 (化学物質対策課長)
木口 昌子 (環境改善室長)

○議題

(1)特定化学物質障害予防規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会報告書について(報告)
(3)産業医制度の在り方に関する検討会報告書について(報告)
(4)建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律の成立について(報告)
(5)その他

○議事

○土橋分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第 99 回労働政策審議会安全衛生分科会を開催します。本日の出欠状況ですが、公益代表委員は桑野委員、水島委員、三柴委員、労働者代表委員は杉山委員、使用者代表委員は中村節雄委員が欠席されています。

 最初に、 10 月の第 96 回安全衛生分科会で3名の委員が就任されたことを申し上げましたが、御欠席されていた袈裟丸委員より一言、御挨拶をお願いします。

○袈裟丸委員 おはようございます、基幹労連の袈裟丸と申します。よろしくお願いします。

○土橋分科会長 それでは、傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。

1 つ目の議題に入ります。議題 (1) の「特定化学物質障害予防規則の一部を改正する省令案要綱」、諮問案件ですが、まず事務局から説明をお願いします。

○大淵職業性疾病分析官 それでは、労働衛生課の大淵より説明させていただきます。資料 1-1 は省令案の要綱、資料 1-2 が説明用の資料となっており、資料 1-2 を使って説明します。

 今回の改正は、資料 1-2 の標題にあるとおり、 3 3 ´ - ジクロロ -4 4 ´ - ジアミノジフェニルメタン、略称 MOCA と呼ばれている物質に係る健康診断項目の見直しです。

 この物質は、ウレタン樹脂の硬化剤として使われており、既に特定化学物質の第 2 類物質として規制がなされているものです。資料 1-2 に規制の概念図、ピラミッドがあり、一番上が製造等禁止物質、 2 段目の製造許可、あるいは特別規則で規制されている物質です。今回の MOCA については、既に上から 2 段目の特別規則で規制されている物質でして、特殊健康診断や作業環境測定が義務付けられている物質です。今回の改正は、その既に行われている特殊健康診断について、膀胱がん等、尿路系腫瘍を予防・早期発見するための項目を追加するという内容です。

 資料の裏側、 2 ページ目にまいります。今回の改正の背景等について、御説明をさせていただきます。昨年、 MOCA の取扱い事業場において、複数の労働者に膀胱がんが発症するという事案がありました。また、この資料の中段の表に書いてあるとおり、国際がん研究機関 (IARC) において、発がん性分類が 1 の「人に対して発がん性がある」と評価されています。

 こういったことを踏まえて、労働衛生の専門家による検討会で、 MOCA に係る健診項目の見直しについて検討いただきました。その結果、このページの上段の囲みのとおり、「現行の特化則では、呼吸器系の障害 ( 腫瘍等 ) 、消化器系の障害、腎臓の障害等を予防・早期発見するための項目を規定しているが、検討の結果、尿路系の障害 ( 腫瘍等 ) を予防・早期発見するための項目を加えるべきとされた」との結論を、 10 31 日の特殊健康診断等に関する検討会で頂いています。

 参考ですが、この MOCA について、現行の特殊健康診断の実施状況です。このページの中段にある表の中に、特殊健康診断の実施状況の欄があるので、御覧いただければと思います。平成 27 年の実績ですが、実施事業場が 178 、受診労働者数が約 2,000 人となっています。

 最後の所が、「特定化学物質障害予防規則の改正案の概要」です。改正の趣旨・内容としては、 MOCA に係る特殊健康診断の項目に、膀胱がん等、尿路系腫瘍を予防や早期発見するための項目 ( 尿中の潜血検査・膀胱鏡検査等 ) を追加するということで、施行期日としては、平成 29 4 1 日を予定しております。説明は以上です。

○土橋分科会長 それでは、ただいま説明いただいた要綱案の審議に移りたいと思います。質問等はありますか。

○勝野委員 直接は関係ない点も入るかと思いますが、昨年 9 月の時点で厚労省から関係団体に対して、「 3 3 ´ - ジクロロ -4 4 ´ - ジアミノジフェニルメタン (MOCA) による健康障害防止対策について」という文書が発出されておりますが、その段階で私どもも組合員に対して、ばく露予防対策の徹底とともに、膀胱がんの健診を促して、異常が見つかった場合は報告するように、呼び掛けてきました。

 ウレタン樹脂防水剤の約 7 割において、 MOCA が硬化剤の材料として使用されていたことに、現場で使用する組合員からも危惧と動揺が寄せられているところです。私どもの運営する国保組合によるレセプトの点検をしたところ、すべての国保組合での点検ではないのですが、いくつかの点検によると、現在、膀胱がんを発症し治療している被保険者は 100 人を超える数がいるわけですが、因果関係からすると、 MOCA によるものかどうかは全く断定できないわけですが、職種でいいますと防水工よりも大工のほうが、実態からすると非常に多いという報告を受けています。そうした点からしますと、使用段階である建設業の場合は、危険性の周知については防水関係だけでなくて、できるだけ広く周知をしていく必要があるのではないかと考えています。

 そのためにも、 MOCA が入ったウレタン剤の商品名ですとか、またはメーカー名について、できるだけ早く公表して、その危険性と予防対策について、周知を徹底していただきたいと思っています。以上です。

○土橋分科会長 事務局側からありますか。

○奥村化学物質対策課長 化学物質対策課長の奥村です。 MOCA を使用した製品については、御指摘のとおり建設業の防水剤にほぼ使われていまして、先ほどおっしゃったように普及しているところです。

 私どもでは、全建総連様からの御要望を承って、日本ウレタン建材工業会にリストを提供していただくようお願いしています。完成したら工業会のホームページにアップすると聞いていますが、私どもでも周知を図っていきたいと考えているところです。

 ただ、その商品リストに載っているのは、メーカーが自主的に名乗りを上げたものでして、それ以外のものもあるかもしれません。やはり基本はラベルと SDS( 安全データシート ) で成分を確認するということですので、そういったことをこれからも周知していきたいと考えています。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○山口委員 取扱いの労働者数が 2,024 人という情報がありますが、この方たちの実際のばく露レベルについての情報がありましたら、教えていただきたいと思います。

○大淵職業性疾病分析官 ばく露レベルの情報というのは、取扱量ということでしょうか。

○山口委員  IARC の分類でグループ 1 ですから、そもそもばく露レベルが許容限度内、限りなくゼロに近いということが担保されて、初めてこの健診というものが生きてくる、ペアになっていると認識します。

 ですから、ばく露レベルについてどうかという議論と、健診をどうするかという議論というのは、ふたつながら行っていくのがよろしいのではないかと思いますので、そういう意味でのばく露レベルがどうかということをお聞きしたかったのです。

○奥村化学物質対策課長  9 月以降、労働局等では MOCA を扱っている事業場に対して直接の実施指導ですとか、集団指導、呼び出しでの指導を行っています。ばく露レベルの数値的なデータは持ち合わせていないのですが、特化則上、問題のある取扱いを発見したら、監督署のほうで然るべく対応しているところです。

○大淵職業性疾病分析官 私から少し補足させていただきます。ばく露の把握の仕方については、気中濃度であれば、例えば、作業環境測定をするといったことがありますが、個々人のばく露の把握という観点では、今回の MOCA の健診項目の改正の際に、尿中の MOCA の量の測定も追加する予定であり、そういった観点についても、今後は把握ができるのではないかと考えております。

MOCA は経皮吸収もあり、気中濃度の測定だけでは必ずしも十分な把握とならないので、尿中 MOCA の測定は非常に大事だと考えております。

○土橋分科会長 ほかにいかがですか。よろしいでしょうか。それでは、当分科会といたしましては、議題 (1) の「特定化学物質障害予防規則の一部を改正する省令案要綱」について、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、事務局で手続をお願いします。

 次の議題に移ります。議題 (2) 「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の在り方に関する検討会報告書について」、事務局から報告ということですので、まずお願いします。

○塚本産業保健支援室長 産業保健支援室の塚本です。資料は 2-1 2-2 2-3 です。まず資料 2-1 を御覧ください。この検討会ですが、有識者、学識経験者など、合計 15 名を構成員に、本分科会の委員でもある山口東京女子医科大学教授を座長に、高齢化の進展などの、労働者の健康管理を取り巻く状況の変化、医療技術の進展、科学的知見の蓄積、また、真ん中の方に※で書いてありますが、特定健康診査は定期健康診断の受診を保険者が確認することにより、その全部又は一部を行ったものとみなすことができるとされています。この観点から、同時期に検討されている特定健康診査の見直しに関する状況なども踏まえまして、定期健康診断等の今後の在り方について、検討することを目的とした検討会です。平成 28 2 月から 6 回にわたって検討会を開催し、報告書は昨年の 12 月に取りまとめています。

 この検討結果の概要、ポイントですが、まず労働安全衛生規則で定めている血圧の測定、血中脂質検査などの健診項目には変更がないことです。資料 2-3 1 枚めくっていただいたもの、これが省令に基づく健康診断項目になります。血圧測定、貧血検査、血中脂質検査、血糖検査等があります。

 また最初の資料 2-1 に戻っていただいて、 2 つ目のポイントですが、この中の検査項目であります、血中脂質検査の 1 つ、 LDL コレステロールの評価方法、いわゆる悪玉コレステロールと言われているコレステロールの評価方法、これを具体的に示したことです。具体的には※の所に書いてありますが、 LDL コレステロールを、総コレステロールから LDL コレステロールとトリグリセライド、中性脂肪、この 5 分の 1 を引いた値として算出する。これをフリードワルド式と言っていますが、この式によって求める方法、または LDL コレステロール直接測定法によって値を直接求める方法、いずれかにして求めるとしています。

 また、腎機能検査の 1 つである血清クレアチニン検査については、既に検査項目である尿タンパク検査、これだけでは必ずしも把握できない腎機能障害もありますが、例えば、糖尿病性腎症では高血糖、腎硬化症では高血圧が、それぞれの原因と考えられることから、これらの基礎疾患を含めて、労働者の健康状態を勘案しながら、医師が必要と認めた場合には実施することが望ましい検査項目としたことなどが、主な内容になります。

 この検討会で示された新たな取扱い方法などについては、特定健康診査の見直しと合わせて、原則として平成 30 4 月から実施する予定で準備を進めたいと考えています。以上です。

○土橋分科会長 それでは、ただいま御説明いただいた内容について、質問等はありますか。

○勝野委員 すみません、定期健診ということではなくて、特殊健診について要望させていただきたいと思います。義務付けられている特殊健診について、受診をしようとした際、受診機関をインターネット、とりわけ労働局のホームページで健診機関を探すということがあるわけですが、以前、各局のホームページに、特殊健診の委託医療機関が掲載されていた所もあったわけですが、最近、それが削除されている局があると聞いています。該当した局に、どうして削除したのかということを聞いたわけですが、ホームページに掲載することで、受託医療機関に健診者が集まってしまうと、一般診療者の健診や治療に影響がある等の理由で削除した、こういう回答があったようです。

 特殊健診をどこの医療機関で受診できるのか調べる手段を削除するというのは、少しいかがなものかなと考えています。一般診療者の影響を考えるのであれば、特殊健診を受診できる医療機関を増やす、そういう施策が必要ではないかと思っています。こういう点について是非、指導をお願いしたいと思っています。以上です。

○土橋分科会長 事務局側、いかがですか。

○武田労働衛生課長 労働衛生課長の武田です。今、お話いただいた点ですが、各労働局におきまして、状況に差異もあろうかと考えています。今の御趣旨についても承りましたので、事業者の方々にとっての利便性も含めて、どのような形がいいのか、今後検討させていただきたいと考えています。

○勝野委員 局のホームページ等を見ても、掲載をしている局と、首都圏でも掲載をしていない局があったりと、バラバラになっていますので、そこはできるだけ掲載をする方向で、統一をしていただきたいと思っています。以上です。

○土橋分科会長 ほかにありますか。

○縄野委員 資料 2-2 19 ページの一番下、 (2) 「その他」で定期健康診断の実施率について触れられています。記載のように、小規模の事業場での実施率、これが特に 10 29 人の所が 89 %に留まっているということで、受診の徹底を図る必要があるという報告が出されているわけですが、それに関する資料として、資料 2-3 9 ページに実施状況が出ています。事業場の実施率なり労働者の受診率、いずれも事業場規模が小さい所で低くなっている、こういうことが見て取れるわけです。この検討会の報告も踏まえて、特に定期健康診断を実施していない小規模の事業場についても厚労省としては捉えていると思いますが、具体的に実施率を引き上げていくための対応、対策、指導をどのように行っているのかお聞きしたいです。

○塚本産業保健支援室長 健康診断の実施は労働者の健康管理の基本であるかと思います。そういった観点からは、すべての該当する労働者の方が健康診断を受診し、事後措置を行う、これは非常に重要な施策であると考えています。

 この受診率の向上のために、業種別でもかなりばらつきがあり、重点とする業種も留意しながら、例えば、健康診断受診促進月間といったものも設けた周知広報、また私どもの労働基準監督署や労働局の指導、この徹底も含めて、この部分についてはパーセンテージが 100 に近づくように努めてまいりたいと考えています。

○明石委員  1 点、細かい所で恐縮ですが、資料 2-2 の報告書の 17 ページ、問診の服薬歴の所をお聞きしたいと思います。保険局の特定健診では、問診に血圧を下げる薬等々が書かれていまして、それで問診をするようになっています。定期健診については、特にこういうことはないのですが、特定健診と 40 歳以上を合わせるという意味では、今後、どういう方針なのかということと、やはり服薬歴は、これも検討会でも議論はありましたが、個人情報の最上位にある健康情報、個人情報の一番機微のものに触ってきますので、その取扱いが事業者としてはかなり悩ましいところですが、何か方向性があれば教えていただければと思います。

○塚本産業保健支援室長 まず、繰り返しになりますが、 40 歳以上の労働者については、定期健康診断のデータが特定健康診査の方でも使えます。問診については、当然のことながら、健康診査、健康診断の目的が違っているので、必ずしも一致しないというところですが、これまでも例えば服薬歴、喫煙歴については、この 17 ページの 3 行目辺りから書いてあるように、私どもの健診では義務ではないが、特定健康診査で使うので、協力要請という形でお願いしております。

 あと、今回の議論の中では服薬歴とか、ほかにもいろいろ情報が必要とされているかと思いますが、この部分について必要性と、いかに個人のプライバシーを確保していくかという観点などからもう一度私どもの定期健康診断の取扱いの方向性を御検討いただき、方向性を打ち出していきたいと考えています。以上です。

○土橋分科会長 ほかにいかがですか。それでは、分科会として報告を承ったということで、次の議題に移ります。議題 (3) 「産業医制度の在り方に関する検討会報告書について」、事務局から報告をお願いします。

○塚本産業保健支援室長 資料 3-1 3-2 3-3 で、まず 3-1 を御覧ください。この検討会は、有識者、労使関係者などを構成員といたしまして、相澤北里大学名誉教授を座長に、産業構造の変化、ストレスチェック制度の開始などを踏まえた、産業医の位置付けや役割、小規模事業場における労働衛生管理体制などについて検討することを目的とした検討会です。この検討会は、平成 27 9 月から 28 10 月まで、 7 回にわたり開催し、報告書を昨年の 12 月に取りまとめて公表しております。

 産業医をめぐる状況ですが、過労死対策、メンタルヘルス対策、多様化する労働者の健康確保対策などが重要であること、対応すべき業務である、長時間労働者、高ストレス者への面接指導により増加していること、産業医の選任義務のない労働者 50 人未満の事業場における医師による健診の異常所見者への対応、面接指導の充実も課題となっていることなどの状況を踏まえて行った検討の結果、産業医制度などの見直し案が取りまとめられております。

 この概要は、最初の■ですが、長時間労働者の健康管理が的確に行えるよう、既に、事業者に毎月 1 回以上休日、時間外労働時間の算定が義務付けられている中で、義務となる面接指導の対象である、休日時間外労働時間が 100 時間を超える、長時間労働者の氏名、時間の情報を産業医に提供することを義務付けることが必要。この情報ですが、産業医は、規則に基づきまして、面接指導の申し出の勧奨、また健康相談などを行うことが想定されます。

 次の■ですが、健康診断の異常所見者につきまして、就業上の措置等の意見具申が適切に行われるよう、労働者の業務内容に関する情報を、意見を述べる医師等の求めに応じて、医師等に提供することを義務付けることが必要であること。

 次の■ですが、健康診断、面接指導に加え、治療と職業生活の両立支援も、産業医の重要な職務として、一層明確に位置付けるべき。

 次の■ですが、事業者から産業医の方へ、衛生管理者の職場巡視などの結果など、一定の情報が提供される場合におきまして、現行、月 1 回以上の職場巡視の頻度となっておりますが、医師による職場巡視の頻度を見直すことが可能とすることが適当。

 次の■ですが、事業場の状況に応じ、産業医、看護職、衛生管理者等の産業保健チームにより対応することが重要であり、今後事例収集、取組方法などを示すことが重要であるといったことなどです。

 これらの見直し案ですが、省令改正、告示改正、通達などでの対応が想定されるかと思います。この検討会の取りまとめの案に関します、法令改正が必要なものについては、今後、本分科会において、改正案の御審議をお願いしたいと考えております。以上です。

○土橋分科会長 ただいまの説明につきまして、質問等ございますでしょうか。

○角田委員 産業医制度、大変大事なことだと思います。今お話をお伺いしまして、長時間労働者の結果を産業医に報告するというのは、大変よろしいことだと思うのですが、日本では 50 人未満の事業場においては、産業医というのは、義務としては選任されていないわけです。労働者の数で考えますと、多くの労働者が 50 人未満の事業場に所属しているということは、皆様方御存じのとおりだと思います。したがいまして、いやな言葉ですけれども、最近格差とか、そういう言葉がちょっとありますが、産業医が決まっているような職場では、より進み、そういうような職場ではちょっとどうかなというような危惧があるのですが、その辺についてのお考え、あるいは資料の中にはなかった議論もあったかと思いますので、お示しいただければありがたいと思います。以上です。

○塚本産業保健支援室長 産業医の選任義務がない、 50 人未満の事業場につきましても、労働安全衛生法第 13 条の 2 の規則によりまして、健康管理等を行う医師の選任、いわゆる産業医に準じた医師と言われる方もいらっしゃいますが、努力義務になっており、一定程度の選任もされております。こちらでの対応というのも 1 つあるかと思います。もう 1 つ、小規模事業場の産業保健の向上のための対応ですが、これにつきましては、 3-2 9 ページ目辺りから記載をしております。基本的には、いくら小規模事業場であったとしても、先ほどの健康診断、また、健康診断に基づく時短とか、深夜業務の回数の軽減といった就業上の措置、これは 50 人未満の事業場であっても、義務となっております。しかし実施が芳しくない点もあるということから、既に義務になっているところの徹底、充実を図ることを第一にやりながら、小規模事業場の産業保健の充実を図っていくというのが、今回の検討会の主な考え方だったと思います。その際には、今回も御説明させていただきましたが、健康診断の異常所見者に対する意見聴取を行う医師が、職場情報をオンデマンドで、情報収集できるようにする。またこういった医師の業務を、先ほどの 50 人未満の努力義務となっておりますが、健康管理等を行う選任された医師がやることによって、より質の高い実施ができるのではないかというような考え方も示されております。こういった観点から 50 人未満の事業場につきましても、優先的に行うべき対策というような位置付けではありますが、小規模事業場でも産業保健が充実される方向で検討がなされたものと考えております。以上です。

○角田委員 ありがとうございました。長時間労働につきましては、以前からしばしば話題になり、マスコミでも取り上げられる重大な領域だと思います。安全衛生分科会でも以前、 50 人未満につきましては、長時間労働の取扱いは一端猶予の期間を置いて実施されたという経緯もありますので、これから先のことだと思いますが、 50 人未満の事業場に働く労働者のことについても、より一層考えていただけるよう、お願いしたいと思います。以上です。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○青木委員 全国ガスの青木でございます。労働者の定期健康診断の実施や健康維持向上など、労働安全衛生の確保においては、産業医や保健師の役割は大きいと思っています。今回の報告書ですが、多様化する労働者の健康管理確保対策を前に進めるものだと思っていますので、評価できるのではないかなと思っています。報告書を踏まえまして、具体的な施策の検討の実施を是非お願いしたいと思っております。また、この報告書は、産業医制度の在り方について検討されたものでありますが、おそらくこの制度をより良くしていく前提として、産業医や保健師の人数が十分確保されているということが重要だと思っています。この報告書の検討のテーマ外かもしれませんし、職業選択の自由の関係について、難しい課題があるかなと思いますが、厚生労働省として、医師や保健師が、産業医、あるいは産業保健師を選んでくれる、あるいは人数が十分に確保されるための施策も、是非御検討いただきたいと思います。以上です。

○土橋分科会長 御意見ということで、ほかにいかがでしょうか。

○村上委員 先ほどの御指摘と重なるのですが、過重労働における医師の面接指導について、 2 点申し上げたいと思います。先ほど御指摘もありました、 50 人未満の事業場についてどのように考えていくのかということがあります。資料 3-3 26 ページでも、長時間労働者に対する医師の面接指導の実施割合を見てみると、事業場規模が小さいほど、実施割合は低い傾向であって、特に 49 人未満の所では、 5 %に満たないという所があります。労働者の健康に関しましては、事業場の規模に関わらず、重要だと思っておりますので、そこのところをどうやって解決していくのかということを、もう少し具体的に考えていく必要があるのではないかと考えます。

 また、そもそも、今回、「産業医制度の在り方に関する検討会」ということで、この間、産業医の先生方の役割というものは大変大きくなってきているのですが、一方で、大きくなってきて、そこにばかり頼っていてよいのだろうかというところも考えなければならないのではないかと思います。

 振り返ってみれば、 2000 年に最高裁判決が出て、労災認定基準が変わるきっかけができました。 2001 年に専門家の検討会報告書を受けて、月 100 時間、または 2 か月から 6 か月で月平均 80 時間超の場合、時間外労働と労災との間に因果関係があるということで、これが脳・心臓疾患の労災認定基準になっていったわけです。その後 2006 年になって、医師による面接が義務化されてきたわけです。そのことによって過重労働防止対策を取り組んでいこうということであったわけですけれども、なかなか過重労働、過労死の事案は減っていないということを見てみると、産業医の面接指導にどれだけの効果があるのか、併せて検証していくべきではないかと思います。医師の面接指導は、連合の加盟組合がある職場においても、例えば、月 45 時間超で医師の面接指導を実施しているというような所もありまして、それなりに大きな所では定着していると思っておりますが、本当に実効性のある過労死防止対策を進めていくのに、医師の面接指導だけでよいのかということも、併せて考えていかなければならないのではないかと思います。以上です。

○土橋分科会長 御意見ということで伺います。ほかにいかがでしょうか。

○明石委員 先ほどの健診を含めて、この産業医についても合わせての意見です。やはり法律が作られてから、産業構造が変化し、労働人口のあり方も変わっています。また、今働き方の見直しというのがかなり急速に進んでおりますので、この産業医とか健診項目等についても、あまり頻繁に変わるというのも何か対応がしにくいところもありますが、不断に考えて、できるだけアップデートしていくということが、これが大事になると思いますので、ご検討をよろしくお願いいたします。

○土橋分科会長 事務局どうぞ。

○塚本産業保健支援室長 今委員御指摘のとおり、定期健康診断、また産業医制度の在り方検討会においても、報告書の中に、やはり様々な課題があり、引き続き調査・研究をしていくということを、随所に打ち出しております。委員御指摘のとおり、今後、計画的にこういった 2 つの制度を検証していき、課題や充実策などを検討していきたいと思います。よろしくお願いします。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。それでは、分科会として報告を承ったということで、次の議題に移ります。議題 (4) 「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律の成立について」、事務局から報告をお願いします。

○縄田建設安全対策室長 資料 4 に基づきまして、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律について、御説明いたします。建設業は、我が国の日常生活、社会生活において重要な役割を果たしている一方で、建設業における重大な労働災害の発生件数は、依然として高い状況です。本法律は、このような現状を踏まえまして、公共工事のみならず、全ての民間工事について、一人親方などを含めた建設工事従事者の安全及び健康の確保に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、建設工事従事者の安全及び健康に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって建設業の健全な発展に資することを目的とするものです。

 その主な内容は、以下に述べるとおりです。第 1 に、基本理念としまして、第 3 条の所ですが、建設工事の請負契約において、適正な請負代金の額、工期等が定められることなど、資料左上の箱に記載の 4 項目が規定されています。国等の責務、法制上の措置等についてですが、国は基本理念にのっとり、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有するとされるなど、国、都道府県、及び建設業者等のそれぞれの責務が規定されています。

 次に右側の一番上の箱です。基本計画についてです。政府は、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、基本計画を策定しなければならないとされております。また、都道府県は、基本計画を勘案して、都道府県の計画を策定するよう努めることとされています。国及び都道府県が講ずべき基本的施策として、建設工事の請負契約における経費の適切かつ明確な積算、責任体制の明確化、建設工事の現場における措置の統一的な実施等々、 6 項目が規定されています。推進会議、専門家会議の 15 条ですが、政府は、関係機関、行政機関等の調整を行うことにより、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進を図るため、建設工事従事者安全健康確保推進会議を設けるものとされています。また、この関係機関の相互の調整に際しては、専門的知識を有する者による建設工事従事者安全健康確保推進専門家会議を設け、その意見を聞くものとされております。

 以上が、本法律の趣旨及び内容の概要ですが、法律の制定経緯等について付言いたしますと、本法律案は、先の臨時国会において、 12 6 日、いわゆる議員立法として、国会に提出されました。その後、国土交通委員会において審議されまして、衆参ともに 12 16 日に、全会一致で可決され、法律第 111 号として公布されています。本法律の主務省は、国土交通省及び厚生労働省となっていまして、法律の施行日は 3 16 日です。厚生労働省におきましては、今後、国土交通省と協力しまして、本法律 8 条に基づく基本計画を策定していくこととしています。具体的なスケジュール等につきましては、現在国土交通省と協議中で、詳細はまだ決まっておりませんが、今後両省による基本計画の案を取りまとめまして、その後、専門家会議における意見聴取や、パブリックコメント等の手続を行いまして、閣議決定を受けた上で、公表することを予定しています。説明は以上です。

○土橋分科会長 ただいまの説明いただきました内容について、質問等ございますでしょうか。

○勝野委員 今回、建設現場で働く人の安全と健康に着目をした法律ができたことについては、歓迎をしたいと考えています。この法律の中で、建設従事者という定義が新たに出されておりまして、これについては、現場で従事をする雇用労働者とともに、一人親方も含まれていると理解をしております。特に今、建設現場では、一人親方と呼ばれる皆さんが、非常に増えているという実態がございます。一人親方の労災の特別加入の数だけを見ても、 2001 年の 22 万人だった数値が、 14 年間で約倍の 42 万人になっているということです。そうした点からも、法律の目的に基づいて、安全衛生対策についても、雇用された労働者だけではなくて、一人親方も含めた現場で働く従事者への対策に、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。

 その中で、今後、施行以降、基本計画を国として策定をしていくというふうにされているわけですが、その際には、是非ともしっかりと労働側の意見、現場で働く人間の意見が反映されるような仕組みにしていただきたいというふうに思っておりますし、同時に、各都道府県においても、計画の策定に努めるとなっておりますので、その際も、同様に、しっかりと労働側の意見が反映されるような、そういった計画の策定の指導をお願いしたいと思います。以上です。

○縄田建設安全対策室長 勝野委員から一人親方にしっかり取り組めといった御意見を頂きましたので、若干、一人親方の災害の発生状況等について簡単に御紹介したいと思います。厚生労働省が行った調査によりますと、平成 27 年における一人親方の業務中の災害による死亡者数は、 48 人となっていまして、事故の型では、建設業における労働災害と同様、墜落・転落災害が最も多く、 34 人となっています。こういった数値については、 25 年の下半期から、厚生労働省のホームページにおいて公表させていただいています。

 次に、一人親方の安全をどのように確保していくのかということについて、私どもの基本的な考え方についてですが、一人親方というのは、いわゆる安衛法上の労働者に該当しませんので、安衛法の直接の保護対象とはなっていないのですが、その保護を図るためにどうすべきかというと、安衛法に基づき、現場で一番上の元請において、現場全体の安全衛生の確保を目的とする統括管理の徹底を図っていただくということが大事で、このことが、一人親方の安全衛生の確保に資するものと考えています。

 また、基本計画の策定に当たっては、国土交通省と連携して、一人親方の安全衛生の水準を向上するための施策について、検討を行いまして、必要なものを盛り込んでいくことを考えています。現場の意見を聞いた上で、基本計画を策定してほしいとか、都道府県においても、しっかりとした計画を作るように指導してほしいといった御意見がありましたので、そういったことも肝に銘じて対応してまいりたいと考えています。

○土橋分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○角田委員 ちょっと気になるので確認ということでお尋ねしたいのですが、基本計画をお立てになることは大変いいことですが、この一枚の資料ですから、ほかの細かいことは存じ上げませんので、質問させていただきたいのです。左上の四角で目的、基本理念の中の第 3 条関係の 2 つ目のポツについて、建設工事従事者の安全及び健康の確保に必要な措置が、設計、施工等の各段階で適切に講ぜられることとあり、これは当たり前のことなのですけれども、確か 12 次防では、建設工事に関わる経費負担に関連して、国や都道府県等を含めて、発注者や消費者や、誰もがみんな、安全と健康の確保のために経費を負担するという意識を持つことが大事だということが書かれている、そのように記憶しています。これを見てみますと、その上のポツで、適正な請負代金の額、工期等が定められることに含まれるのだと思いますが、 2 つ目のポツにも、労働者の健康と安全の確保ということに設計や施工、そういう段階だけではなくて、常に計画の段階から、あるいは積算の段階から考慮されて、みんなが負担していくのだと、こういうことが盛り込まれるほうがよろしいのではないかと私は思いますが、おそらくその趣旨が上のポツに含まれるのではないかなと思いますが、ちょっと確認したいのです。

○縄田建設安全対策室長 基本理念の所にある 4 つのポツの 2 つ目のポツは、 1 つ目のポツに含まれているかという御質問でよろしいのでしょうか。

○角田委員 いやいや、健康の確保ということが、第 12 次防の精神にあったような、発注者も含めてみんなが負担していくんだと。発注者というのは入札で物事を進めていくわけですけれども、発注者も含めて、そうしたことを負担していくのだという意識を持つことが大事だと。国が発注者ということもありますが。

○縄田建設安全対策室長 ちょっと法律の条文そのものを読み上げさせていただきますと、基本理念の第 3 条にこう書いてあります。「建設工事従事者の安全及び健康の確保は、建設工事の請負契約において、適正な請負代金の額、工期等が定められることにより行わなければならない」と書いてありまして、今後は、請負契約を締結する中で、安全衛生に関する経費を明示していただいて、その支払いをきちっと促進していこうというのが、この趣旨でございまして、 12 次防においても、これに近いような取組を厚生労働省としてやっています。建設業法令遵守ガイドラインの改定を踏まえて、「安全な建設工事のために適切な安全衛生経費の確保が必要です」というリーフレットを国土交通省と作りまして、契約の中で安全衛生に関する経費を明確化していきましょうという指導ベースのことをやっていたというのが、今回法律で改めて明確になったという理解をしています。

○角田委員 ありがとうございました。

○土橋分科会長 いずれにしましても、 12 次防で理念を出しているわけですので、今後もう少し具体的な施策になるときには、その辺を御考慮いただきたいと思います。

○勝野委員 すみません、角田先生がおっしゃった点を含めてなのですが、多分、公共工事の発注の場合、毎年国土交通省が設計労務単価ということで、労働者の 1 日当たりの賃金を公表していますが、その際に、参考金額ということで、 41 %の経費の数字も同時に発表しています。その 41 %の中には、先ほどおっしゃられた安全対策経費等も含まれていると理解していますので、そういった安全対策経費がそれぞれの請負契約の中で確保されるように、そういうことだろうと理解をしています。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。それでは、分科会として報告を承ったということで、最後の議題に移ります。議題 (5) 「その他」ですが、事務局から 2 点報告事項があるということですので、お願いいたします。

○宮本計画課長 計画課長の宮本です。事務局から 2 点御報告させていただきます。まず、資料 5 の「過労死等ゼロ」緊急対策について御報告いたします。こちらについては、昨年、平成 28 12 26 日に厚生労働省で取りまとめたものです。

 まず、 1 ページで、近年、過労死・過労自殺事案が問題となっていること、また、御承知のように、昨年、大手企業で入社間もない方が業務量の急増や職場の人間関係に起因し、自ら命を絶つ痛ましい事案が起こりましたことを契機として取りまとめたものです。概要は 1 ページにあるとおりで違法な長時間労働を許さない取組の強化、それから、メンタルヘルス、パワハラ防止対策のための取組の強化、社会全体で「過労死等ゼロ」を目指す取組の強化、この 3 本柱です。

 本日はこのうち、安全衛生部で担当しております 2 の取組について御説明いたします。資料としては 6 ページ以降です。 6 ページはまず、メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導です。現在、労働基準監督署による指導は、基本的には事業場単位で行っているところですが、平成 29 年度からはメンタルヘルス対策に問題のある企業、具体的には傘下の事業場で複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業の本社に対して全社的な指導を行ってまいります。

 さらに、過労自殺などを含む事案があった場合には、労働安全衛生法第 79 条に基づく安全衛生改善計画の作成指示のスキームがありますが、このスキームにより、原則 1 年間の継続した指導を行いたいと考えております。

 それから、 7 ページの下段に 2(3) ハイリスクな方を見逃さない取組の徹底とあります。こちらは、 1 点目に、これは先ほど御報告いたしました産業医制度の在り方についての検討会の検討結果に基づくものですが、月 100 時間超の時間外休日労働をした方の労働時間等の情報を産業医に提供することを事業場に義務付ける、労働安全衛生規則の改正です。

 さらに、労働安全衛生法第 66 条第 4 項の労働局長の指示に基づき、過重労働などの問題のある事業場については長時間労働者全員への医師による緊急の面接の実施を労働局長から指示ができることとなるよう運用の仕組みを整備してまいります。これらの対策を始めとして、過労死・過労自殺の防止のため、安全衛生部としてもしっかり取り組んでまいる所存です。

 続いて、資料 6 は受動喫煙防止対策強化検討チームワーキンググループの公開ヒアリングについてです。机上には、その資料 6 の下に、「議事録は以下の厚生労働省ホームページに掲載」とありますが、その議事録を打ち出して委員の皆様には配布しております。こちらについては昨年の平成 28 10 18 日の前回の分科会において、厚生労働省の叩き台を紹介いたしましたが、その後、このワーキンググループで昨年の平成 28 10 31 日及び 11 6 日に関係者に対する公開ヒアリングを実施したところです。

 机上配布の議事録のとおり、様々な御意見があったと承知しております。現時点の進捗状況は以上です。今後、動きがありましたら次回以降御報告させていただきます。以上です。

○土橋分科会長 はい、それでは、ただいまの報告について御質問等ありましたらお願いいたします。

○明石委員  1 点質問です。資料 5 の「過労死等ゼロ」緊急対策のところでは、事業者としても反省すべきはきちんと反省をしなければいけないと思っています。その対策の中で長時間のところもそうですが、今、課長に御紹介をいただいたメンタルヘルスのところも事業場単位から企業単位へということが書かれています。

 これまで、特に安全衛生に関しては現場に近いところで施策を行うため、個々の事業場に権限を委譲していくという体制で、企業もその方向性で実行してきたところです。今回、企業単位で行うということに緊急対策だからなっているのか、行政としてこういう方向に舵取りをするのか。やはり今後、企業もそういう方向であれば、取組等を見直さないといけないところもあるのですが、今後の方向があればお教えいただきたいと思います。

○武田労働衛生課長 今、御指摘いただきました一番身近なところで有効に作用するものとしての事業場単位、それだけではなく、企業単位で横断的な取組が有効な部分もあるのではと考えます。ですので、考え方をシフトするというよりは、そういう企業単位というものの考え方も取り込んでいくことの利点もあるのではないかと、そのような基本的な考え方であると御理解いただければと考えております。

○岡本委員 今の法律の立て付けは安全衛生管理体制と事業場単位になっているものを、それは、事案によっては会社全体に敷衍、適用するという意味ですか。管理体制はあくまで事業場単位でできていますよね。それを企業全体に適用するというのは、それはどういう考え方なのですか。

○宮本計画課長 メンタルヘルス対策については事業場単位で取り組んでいただいておりますが、やはり事業場単位だと十分な取組ができないという事案が見受けられます。このため、企業全体で全社的に取り組んでいくことが効果的ということで、今回、このような対策を打ち出しているということです。

○岡本委員 そうすると、事業場単位に適用するのは監督署と事業場ですが、実際問題として、企業全体に言うときには国や労働局が企業に言ってくるわけですか。事業場の指導は監督署がしていますが、企業に対する指導は労働局等がするわけですか。そこはこれから検討なのですか。

○宮本計画課長 現在でも事業場に対する指導についても監督署が行う場合もありますが、事案により労働局が直接指導する場合もあります。このため、企業本社に対する指導についても監督署が行う場合もありますし労働局が行う場合も、それは事案によってそれぞれになろうかと思っております。

○土橋分科会長 はい、ほかにいかがでしょうか。

○村上委員  1 点質問と 1 点意見です。今、御説明いただきました「過労死等ゼロ」緊急対策の資料 5 7 ページです。先ほどのところで質問すれば良かったかもしれませんが、ハイリスクな方を見逃さない取組の徹底の 1 つ目のルール、時間外・休日労働 100 時間超の方についての情報を産業医に集約するといった場合における、その対象労働者についてです。現行の労働安全衛生法における面接指導の対象者ということで、どのような労働時間制度が適用されていても月 100 時間超の時間外・休日労働に当てはまれば、その方については対象になるということで良いのかどうかということが質問です。

 もう 1 点は意見で、その上のパワハラ対策ですが、厚生労働省としてパワハラ対策に取り組まれていることは承知しており評価もしているのですが、まだもう少しできることがあるのではないかと考えております。セクハラについては、均等法に防止措置が盛り込まれたことで対策が進んでいったことを考えれば、パワハラについても、もう少し法的なことを考えるべきではないか、その 1 つの方策としては労働安全衛生法に位置付けるということも選択肢ではないかと思います。それがベストなのかということは、もう少し専門的に検討しなければならないとは思いますが、そういった視点でも考えていただきたいと思っております。以上です。

○塚本産業保健支援室長 長時間労働者の労働時間、氏名の公表の部分ですが、ここは現行、面接指導が法で義務付けられて規則の中で休日時間外労働時間の毎月 1 回以上の算定が事業者の義務となっております。この延長線上で、産業医は個々の労働者の情報はなかなかいただけないということもありますので、産業医に事業者が提供するという流れのものです。

 ですから、今、御議論いただいたのは現行の面接制度の流れでの算出により、産業医に事業者から時間の関係する情報が提供されるという制度を考えられていたと理解しています。

○村上委員 そうなると、例えば、管理監督者や裁量労働制の適用者などについてはどうなるのでしょうか。

○塚本産業保健支援室長 現行、裁量労働制については通達にて時間外労働時間の把握はすることとしていますので、現行の通達に基づいての算出になります。ただ、今後面接対象者の労働時間の取扱いについては、別の分科会でも指摘されており、これに基づく対応になるかと思います。少なくとも、現行のところは裁量時間制の適用を受ける方についても把握し、今回の面接指導の流れに乗せることになるかと思います。

○土橋分科会長 よろしいでしょうか、ほかにいかがでしょう。

○宮本計画課長 パワハラについて御指摘がありました。パワハラについては現在、別の部署が担当しておりますので、御指摘についてはお伝えした上で検討してまいりたいと考えております。

○土橋分科会長 その他ありますでしょうか。

○山口委員 先ほどの企業か事業場かという議論が出ましたので、その時の感想を述べたいのですが、最近、ガバナンスという言葉が非常に多用されるようになってきていると思います。

 その中で、企業か事業場かという or という考え方は何かあまりしっくりこないなと、やはり、企業の安全衛生に関する大方針が事業場内で適切に実施されているという状態がガバナンスという考え方ですので、企業全体と事業場単位と両方をバランス良く見るというのが、やはり今後の労働安全衛生の 1 つの方向ではないかと感じましたので発言させていただきました。

○土橋分科会長 ありがとうございます。

○角田委員 山口委員の御発言に少しプラスというほどではありませんが、加えて申し上げたいのですが、企業本社という言葉で資料 5 6 ページの説明の中で書かれているのですが、おそらく、複数の事業場で事案が起こったと、それをまとめているような企業本社がどこかというようなこともなかなか難しいことがあるかと思います。

 いろいろな業種が 1 つの資本グループの系統に入る、あるいは業務の提携だけでなされている、あるいはその中にいわゆる外資と呼ばれるような経営方針が入ってくる、その辺りを十分検討し、いろいろなケースがあるとは思いますが、準備されるのが良いと思います。以上です。

○土橋分科会長 はい、よろしいでしょうか、ほかに何かありますでしょうか。それでは、これですべての議題が終了いたしました。本日も熱心な御議論をありがとうございました。最後に事務局から連絡事項をお願いします。

○宮本計画課長 本日も熱心に御議論いただき感謝申し上げます。御了解いただきました諮問案件については、早急に所要の手続を進めさせていただきます。また、次回分科会については追って御案内させていただきますのでよろしくお願いいたします。

○土橋分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。なお、議事録の署名については、労働者代表委員は袈裟丸委員、使用者代表委員は最川委員にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。本日はお忙しい中ありがとうございました。


(了)

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