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2016年11月9日 第247回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成28年11月9日(水)15:00〜17:00


○場所

東京都千代田区霞が関1−2−2 中央合同庁舎5号館
職業安定局第1・2会議室(12階)


○出席者

委員

(公益代表)鎌田委員、橋本委員、松浦委員
(労働者代表)石黒委員、清水委員、村上委員
(使用者代表)秋山委員、遠藤代理、小林委員

事務局

生田職業安定局長、鈴木派遣・有期労働対策部長、松本需給調整事業課長
手倉森派遣・請負労働企画官、戸ヶ崎主任需給調整事業指導官、小川需給調整事業課長補佐

○議題

雇用仲介事業等の在り方について(公開)

○議事

○鎌田部会長 定刻となりましたので、ただいまから第 247 回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は使用者代表の高橋委員が所用により御欠席されております。代理として、日本経済団体連合会労働政策本部の遠藤副本部長が出席されております。よろしくお願いいたします。

 本日の進め方ですが、お手元の次第にある議題、雇用仲介事業等の在り方について公開で審議を行います。

 本日の審議に移ります。本日はまず、職業紹介事業以外の雇用仲介事業等に係る検討項目についての論点を御議論いただきます。その後、その他の論点について御議論いただくようにしたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。

○小川補佐 事務局です。お手元の資料1について御説明いたします。9月 15 日の労働力需給制度部会において、雇用仲介事業等の在り方に関する検討会の報告書について報告するとともに、委員の皆様から御意見を頂きました。その御意見を踏まえ、事務局において雇用仲介事業等に関する論点に関する資料を御用意しているところです。

 前回、 10 25 日は雇用仲介事業等の在り方の検討に当たっての基本的な考え方、職業紹介事業に係る検討項目についての論点について御議論いただきました。本日は、職業紹介事業以外の雇用仲介事業等に係る検討項目についての論点、また、その他の論点について御議論いただきたいと考えております。

 資料の1ページを御覧ください。第1の1「募集情報等提供事業」です。※に書いてありますように、募集情報等提供事業は求人情報サイト、求人情報雑誌、新聞・雑誌の求人広告等を想定しております。こうした事業を行う者について、雇用仲介事業として必要なルールを設定すべきではないかといった論点を提示しております。

 具体的な論点は(1)から(4)までの4点です。まず(1)、現在、募集情報等提供事業と職業紹介事業との区分を明らかにするための基準については局長通達で示しているところです。その基本的な考え方について、職業安定法に基づく指針の中で規定することとしてはどうかという論点を提示しております。また、募集情報等提供事業の在り方が多様化する中、先ほど申し上げました区分基準に基づく判断の参考となるよう、現在も幾つか例示を示しているところですが、この例示を追加して示すこととしてはどうかということを提示しております。

 (2)募集情報等提供事業を行う者について幾つかのルールを整備してはどうかといったことを提示しております。具体的には➀から➃までです。➀募集情報提供等事業を行う者と労働者の募集を行う者は、業務運営に当たって、労働者の適切な職業選択に資するよう、必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨の規定を新設することが考えられるかと思っております。➁労働者の募集を行う者は、情報が的確に表示されるよう、募集情報等提供事業を行う者の協力を得て、必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨の規定を新設することが考えられるかと考えております。➂は、➀と➁の具体的な内容を定めるため、職業安定法に基づく指針の中に指針の根拠規定を整備することとしてはどうかと考えております。➃は、➀と➁の履行を担保するため、募集情報等提供事業を行う者について、指導・助言、また報告・検査の対象に追加することが考えられるのではないかと考えております。

 (3)を御覧ください。(2)の➂で職業安定法に基づく指針の根拠規定を整備という記載があります。この募集情報等提供事業を行う者が講ずべき措置の具体的な内容として、指針の中に以下の事項を定めることとしてはどうかと考えております。具体的には、事業運営に関する事項として求職者等からの苦情処理に係る体制の整備等、求職者の個人情報の取扱い、業務上知り得た人の秘密を守ること、個人情報や法人である雇用主に関する情報を他人に知らせないこと、募集に応じた労働者から報酬を受領しないこと、労働争議に介入しないことが挙げられます。

 また、掲載する募集情報の適正化に関する事項として、掲載する募集情報が公衆衛生・公衆道徳上有害な業務に就かせる目的の情報、労働条件等が法令に違反している情報、実際の労働条件と相違する内容を含む情報であると認識した場合には募集主に対して情報の変更を依頼するとともに、この依頼に応じない場合にはその情報を提供しないなど適切に対応することが挙げられるかと思います。また、提供すべきでない情報に当たる恐れがあると認識した場合には、募集主に対して提供すべきでない情報に当たるかどうかを確認すること、募集主の了解を得ることなく募集情報を改変しないことが挙げられるかと思います。

 (4)募集情報についてより幅広い項目が示されるよう、業界団体等の自主的な取組を促進することとしてはどうかということを提示しております。

 2の「委託募集」、ここでは委託募集の許可制の趣旨や募集に応じた労働者の保護の観点を踏まえて見直しを検討すべきではないかという論点を提示しております。

 具体的には(1)(2)と2つあります。(1)労働者の募集を委託する者に係る許可制、また報酬の認可制、届出制、被用者・募集受託者への報酬供与の禁止の在り方につき、その廃止の影響にも留意しつつ廃止することとするか、又は現行制度を維持し、その運用状況を見つつ引き続き検討することとするかが論点と考えられるのではないかと思っております。併せて、合同募集や採用業務等の委託に関し、委託募集や職業紹介に係る制度に則して適正に対応することとしてはどうかということも提示しております。

 (1)応募後のトラブル防止のため、募集受託者の労働条件等明示義務の明示事項に、委託者、いわゆる雇用主の名称を追加するなど、募集内容の的確表示に向けた取組を促すこととしてはどうかと考えております。

 3の「労働者供給事業」を御覧ください。労働者供給事業の許可基準のうち、事業運営に関する要件には継続的に確認すべきものがあることなどを踏まえ、不適正な事業者による労働者供給事業について、指導監督による履行確保を図るため、以下に示すとおり職業安定法に基づく指針において労働者供給事業に関する規定を新たに設けるとともに、指針の施行状況を注視することとしてはどうかということを提示しております。指針に規定する具体的な内容としては、現在の許可基準等を参考としつつ、労働者を供給するに当たって人種、宗教、性別、門地又は身分を理由とする差別的な取扱いをしてはならないこと、労働者供給事業により供給される労働者でなくなる自由が労働者に保障されていること、労働組合法第5条第2項第3号から第9号まで、以下参考に書いておりますが、こうしたことを含む組合規定が定められ、これが遵守されているなど、民主的な方法により運営されているものであること、労働者供給が無料で行われていること、労働者供給事業により供給される労働者から徴収する組合費が過度に高額でないこと、労働者供給事業を行う者又は労働者の供給を受ける者は、労働者を労働・社会保険に適正に加入させていること等が考えられるのではないかと考えております。

 次のページの(2)には、労働者供給を受ける者を職業安定法に基づく指針、指導・助言等の対象とすることとしてはどうかという内容を提示しております。第1に関しては以上です。

○鎌田部会長 ありがとうございました。今、説明がありました第1「職業紹介事業以外の雇用仲介事業等に係る検討項目」についての論点について、御意見がありましたらどうぞお願いしたいと思います。

○石黒委員 2ページの委託募集の話なのですが、「委託募集の許可制の趣旨や募集に応じた労働者の保護の観点を踏まえ、見直しを検討すべきではないか」との記載があります。委託募集は、事業主と労働者の間に第三者が介入するという形態であり、その第三者が労働者のためでなく委託募集を行う事業主のために活動するものであり、労働者保護が図られにくいことから事業主の適格性の確保が不可欠であることが、許可制・届出制としている趣旨であると思います。

 委託募集がこうした仕組みであることは変わっておらず、取り巻く状況が変わってきたという印象もあまり受けません。2(1)で「廃止の影響にも留意しつつ廃止する」とされていますが、廃止の必要性について理解ができません。許可制・届出制は維持をしていくべきではないかと思っています。現行の規制の趣旨を踏まえ、現状のままにしてほしいという要望でございます。以上です。

○鎌田部会長 意見、要望ということでよろしいですか。

○石黒委員 はい。「廃止の影響にも留意しつつ廃止する」とされている意図がちょっとよく分からないところがあります。

○鎌田部会長 事務局から考え方を改めて聞きますか、それとも意見、要望ということで止めますか。

○石黒委員 意見、要望で結構です。ただ、改めてお聞きできるのであれば、廃止すべき特段の理由があるのかを説明してください。

○鎌田部会長 こういった趣旨を御説明いただきたいということです。

○松本課長 検討会報告に至るまで、検討会において議論されたことでもありますが、委託者を律するのか、又は実際に人を集める際に行動する受託者を律するのか、どちらが適当かという議論がありました。影響にも留意しつつという点については、保護のほうは実際に人を集めるという観点で、行動する受託者に必要なルールを制定することと言わば引換えとして発注者側を許可にかからしめる必要はないのではないかという議論でした。

○鎌田部会長 以上のようなことでした。これに関連してでも結構ですし、ほかのことでも結構です。

○遠藤代理 今の件に関してですが、今御説明を伺った委託者なのか受託者なのかというのは、正に検討会で御議論された結論はやはり合理的に一応筋は通っているというように私どもは考えております。今後、ここに書かれているような状況の中でまた議論が進んでいくということであれば、筋をどう通していくのか。全体として、今、雇用社会をめぐる動きが高度化・複雑化・多様化している中にあって、ルールの分かりやすさというのはやはり在るべき姿の1つの柱として考えていくべきだと思っております。今後の議論に当たってはその点も十分踏まえて議論を進めていただければと思っています。以上です。

○松浦委員 検討会の中でも議論に参加させていただきましたが、理論的にどういう方針を取るかということもさることながら、もう少し実態をつまびらかにしていくことも必要になるのではないかと思っております。

○村上委員 前回、基本的な考え方のところで申し上げましたが、今回の見直しに当たっては、求職者保護の観点で雇用仲介事業について、不適切な情報発信をすることで求職者、労働者が不利益を被るような事態が起こらないようにすることが重要であり、その視点で見直すべきということを申し上げました。

 今、委託募集の関係についても議論の筋は通っているではないかという遠藤委員の御指摘がありましたが、冒頭に石黒委員が申し上げましたように、事業主と労働者との間に第三者が介入するという形で、やはり何か弊害が起こるのではないかという懸念は私どもとしては拭えません。それほど大きな影響があるのかないのかということをもう少し見極めないと、本当に検討会報告の内容で大丈夫なのかどうかというところは確信が持てないというのが正直なところです。先ほど松浦委員がおっしゃったように実態をもう少し見たり、どのような影響が出るのかを見極めなければ、直ちに見直すということにはならないのではないかと考えております。それから、また別の話をしてよろしいですか。

○鎌田部会長 委託募集以外ですね。

○村上委員 はい。今回の議論に当たり、私どもとしては労働相談などもやっておりますが、それだけでは少し求職者の意見をつかみ切れない部分がありましたので、キャンペーンとしてツイッター上で、いわゆる詐欺求人といわれる体験談を募集してみました。 20 日間ほどで 3,000 件を超える投稿があったのですが、全てが求人絡みではなくて、いわゆるブラック企業に関するつぶやきもありました。さはさりながら詐欺求人や求人広告をめぐる体験談も寄せられたところです。その中では、基本給や月給の中に残業代が含まれていたということが後から分かったというようなことですとか、正社員募集となっていたのだけれども、実際は業務委託だったというような投稿もありました。

 求人票や求人広告、あるいは求人情報というものが、いかに労働者・求職者の仕事の選択に当たって重要な判断要素になっているのかを改めて思い知らされたところです。そうしたことからすると、今御説明いただいた募集情報等提供事業など、あるいはその次の課題になっている労働条件の明示についても、きちんとした規制を掛けていくことが必要ではないかと思っています。それは求職者だけでなく、きちんとした求人を出している企業にとっても、そこを整備していくことは必要ではないかと思います。実態とかけ離れた、見た目だけ良くしているような求人情報を放置していることは、正直な企業にとっては、人手不足が深刻化する中で競争条件として不利になっていくということがあります。そこはきちんとしたルールを設定していくことが必要ではないかと思っています。

 また、求人企業や前回議論した職業紹介事業者だけではなく、募集情報等提供事業者においても不適切な情報発信に対して厳正に対処できるルールを設定していくことが必要ではないかと思っています。以上です。

○鎌田部会長 ほかにございますか。

○石黒委員 労働者供給事業についてです。「労働者を労働・社会保険に適正に加入させていること」と指針に明記することはよいことだと思います。ただ、労働者供給事業を行う者と供給を受ける者のどちらが加入について責務を負うのかが不明確です。もちろんどちらかで加入させればよいことなのですが、責任の所在を明確にしておいたほうがトラブル等が少ないのではないかと思います。これは意見です。

○鎌田部会長 意見ですか。

○石黒委員 はい。

○鎌田部会長 3ページのポツの一番最後のところですね。こういった指針の事項が提示された趣旨というのは、どちらかが加入させるということで、ある程度労働者にとっての保護が図られるからということだったのです。

○松本課長 結局、社会保険・労働保険、いずれも要件に該当すれば加入させなければならないとなっているわけです。つまり供給元なのか供給先なのか、あらかじめの定めにかかわらず、どちらかが要件に該当すれば当然に加入するということで整理ができるのではないかという観点から束にしているわけです。つまり、要件に該当しなければ加入させないということはあってはならないよう、元・先ともに気を付けていただく必要があるという意味の指針案です。

○清水委員 今のところとの関係でいくと、私はこの規定でいいと思います。というのは今回の熊本地震のとき、私たちの全建総連は現地で木造仮設住宅の建設で約 500 戸を超える住宅建設をしたわけです。そこに西日本を中心として、うちの組合員を労働者供給ということで提供しているわけです。例えば建設の場合、特に木造仮設の場合でいくと雇用期間が短い人で1週間、長い人でもやはり1か月間という状況でした。

 そうすると、例えば供給を受ける者と言ってもそこで社会保険が成立をしない場合がある。労災はともかく、それ以外の保険は成立しない場合があるわけです。そうすると、我々の場合でいくと、その組合員が今現在入っている社会保険、それをそのままにして供給するわけです。

それは短期雇用というか、その人の雇用期間や就労期間によって随分違いが出てきますので、ここをどちらか一方で決めてしまうと、そういうこととの関係でいくとちょっと矛盾が出てくると思います。ですから、ここはこういう規定のほうが様々なケースで対応できるのではないかと思います。

○鎌田部会長 石黒委員、それでいかがですか。

○石黒委員 どちらかで必ず加入させるという書き方をすればよいのではないかと思います。

○鎌田部会長 ほかのことでも結構です。

○村上委員 参考資料の3ページに、現行のルールについて、雇用仲介事業の中でどのような形態についてはどのようなルールがあるのかということが整理されています。まず確認なのですが、募集情報等提供事業というのは、この表で言えばその他でいいということでしょうか。その上で1の(1)では募集情報等提供事業について、まず職業紹介との区分について指針で規定することと、(2)では募集情報等提供事業を行う者についてのルールの整備について書かれています。これは結局のところ、法律で示すのではないということであって、3ページの「その他」について○は付かないということなのでしょうか。○は付かないということで十分なのかどうかという疑問が私たちとしてはあります。

○鎌田部会長 御質問の趣旨は、募集情報等提供事業について指針でということになっていますが、条文上の位置付けというか、入れないなら入れない、どこかに関連付けて書くのか。条文上の位置づけというか、その辺のところを教えてくださいということですか。

○村上委員 はい、そうです。

○鎌田部会長 事務局、どうぞ。

○松本課長 資料1の第1の(2)の➁の的確表示の関係について申し上げれば、参考資料の3ページ、第 42 条、上から6つ目、ここに相当し得る規定かと考えております。一方、そのほかの(2)の➀➂➃と(3)はいずれも直接には法令上の義務なり規定ではありませんので、参考資料の3ページで言うとほかの○は埋まらない案です。

○村上委員 冒頭申し上げましたが、雇用仲介事業の中で募集情報提供事業が大きな役割を果たしていることを考えれば、本来はもっとこの○を増やしていくことが筋ではないかと考えております。例えば第 5 条の 3 や第 65 条、個人情報保護の第5条、また守秘義務の第 51 条などについては、対象にしていくのが在るべき姿ではないかと考えております。

 その上でほかの質問をしたいのですが、1(3)で、指針で定める事項として「事業運営に関する事項」が挙げられています。その中の1で「求職者等からの苦情処理に係る体制の整備等」とあります。このことについての要望なのですが、前回も職業紹介のところで苦情処理の窓口が分かりづらい場合があるのではないかという指摘をさせていただきました。募集情報等提供事業の Web サイトなどで見ていると割と分かりづらいものが多く、かなり奥の階層に行かないと苦情処理の窓口が分からないというものもあります。利用者にとってより分かりやすい表示にしていただくことが必要ではないかと考えます。

 また、その上の(2)の➃では募集情報等提供事業についても指導・助言、報告・検査の対象に追加するとされています。トラブルを防止していくためには、勧告や企業名公表なども必要ではないかと考えておりますので、それも意見として申し上げておきたいと思います。以上です。

○鎌田部会長 意見として承りました。あと、ございますか。よろしいですか、この部分は。それでは、次の「その他の論点」について事務局から御説明をお願いいたします。

○小川補佐 資料1の5ページを御覧ください。第2「その他の論点」とあります。四角囲みの中です。労働条件の明示等に関して、現行制度において労働基準法上の労働条件明示義務、職業安定法上の労働条件等の明示義務、虚偽の労働条件の呈示による労働者の募集や職業紹介等に係る罰則があります。求人票の内容と実際の労働条件との相違等の問題が指摘される中、求職者保護の観点から、更なる対応を講ずるべきではないかという論点を提示しております。

 ここでは2つあり、1つ目は労働条件等の明示等、2つ目は指導監督の強化です。まず、1の労働条件等の明示等です。求職者保護の観点から、更なる対応として、求人者、労働者の募集を行う者、労働者供給を受ける者は、求職者、募集に応じて労働者となろうとする者、供給される労働者に対し、労働契約の締結に際して提示しようとする労働条件の内容が、職業安定法第5条の3第1項により、事前に明示された内容と相違する場合は、この相違の内容を明示しなければならないこととしてはどうかという内容を提示しております。併せて、求人者等に対して、職業安定法第5条の3第1項により、求職者等に明示された労働条件の内容を保存する義務を課すこととしてはどうかという内容も提示しております。

 続いて、労働条件等の明示義務の明示事項について、次の事項の措置を講じてはどうかとしております。まず、固定残業代に係る計算方法、固定残業代を除外した基本給の額等が明示事項に含まれることを明確化するということです。続いて、有期労働契約について明示する労働条件は、その契約が試用期間的なものであっても、本採用後の労働条件ではなく、当該試用期間的な期間中の労働条件であることを明確化するというものです。

 次に、無期労働契約について、試用期間がある場合はその期間、また、試用期間と本採用後の労働条件が相違する場合は、その内容を明示事項に追加するということを書いております。次に、労働契約を締結する求人者又は労働者の募集を行う者を明示事項に追加するというものです。最後に派遣労働者として雇い入れようとする場合は、その旨を明示事項に追加するというものです。(2)罰則です。虚偽の条件を呈示して公共職業安定所又は職業紹介事業者等に求人の申込みを行った者を、罰則の対象とすることとしてはどうかという内容を提示しております。

 続いて、 2 「指導監督の強化」です。まず、職業紹介事業者等について改正後の規定も踏まえつつ、行政処分等について的確に運用することとしてはどうかという内容を記載しております。6ページです。再掲ですが、求人者、労働者供給を受ける者を職業安定法に基づく指針、指導・助言等の対象とすることとしてはどうかという内容を記載しております。事務局からは以上です。

○鎌田部会長 それでは、その他の論点について御意見を頂きたいと思います。自由に御発言をお願いいたします。

○遠藤代理 基本的なことになってしまい本当に申し訳ないのですが、5ページの(1)の労働条件等の明示で、この明示をする、あるいは誤解を生まないような形で正確に表示していくということは、当然あるべき姿だと思っております。そういう立場でお聞きしたいのですが、例えば条件として A B パターンと複数出しておいて、両方とも応募できる形を取っていて、その人が A B を特定しないまま来てしまって、その人に対して条件を提示するときは、幅を持った形で A B 両方出せるという形にすれば、改めて相違する内容を明示しなくていいのかどうなのかということが1点目です。

 2つ目として、相違の内容の明示をどのような形であれば明示したことになるのかは、今後の議論に委ねられているのかもしれませんが、何かイメージとして持っているものがあれば教えてください。それから、罰則の所の虚偽という意味合いです。これはレアケースなのかもしれませんが、例えば、ある企業が退職すると思って退職者の補充という形で募集を出したのですが、その人が退職しないで引き続き勤務を継続することになり、求人を取り消す場合、それは虚偽になるのですか。虚偽という意味合いは、今後どこからどこの幅を虚偽という形で、行政側として認定していこうとされているのかということがお尋ねです。

○鎌田部会長 相違の内容、相違はどのように理解するのか、相違の明示はどのように明示するのか、虚偽の意味合いということについての御質問かと思います。

○松本課長 まず、1点目の相違の点です。具体的に幾らとか何時間と明示されているものが、変わっているものは相違です。また、例えば、 20 25 万という幅で求人広告を出していた場合において、具体的に幾らと特定する場合も相違だと事務局としては考えております。

○遠藤代理 幅を持って出していたものを特定すると相違。

○松本課長 はい。また、 AorB どちらか明確でないとき、先ほどの御質問の事例で言うと、最終的に決したものが B ということが確定したのであれば、 A B のうちの B ということに確定したわけですので、そういう意味で B は相違と受け止めてお示しいただくことが適当ではなかろうかと、事務局としては受け止めております。

 2点目は、方法等についてです。現行の職業安定法第5条の3の労働条件等の明示、一般的に明示義務があるわけですが、省令で定める項目については、省令で定める方法でという規定になっております。例えば、賃金や労働時間が省令で定まっており、それについては書面又は本人が同意した場合 E メールという、方法と対象が確定しております。

 今回の相違についての明示についても、義務の範囲を明確にするという観点から、そのような対象と方法を、いずれも特定しなければいけないと事務局としては想定しておりました。具体的には、最初の広告なり最初の明示の時点で書面等の明示を義務付けている項目であれば、相違の明示についても同じ手段によるのが自然ではなかろうかと事務局としては想定しております。

 3点目は、これは少なくとも罰則ですので、故意が間違いなく必要です。その故意がどの範囲なのかということは、あらかじめ行政でここまでという線引きはなかなか難しいわけです。遠藤代理委員が先ほど御提示いただいたものについて、どこからどこまでが虚偽かということをつぶさに明らかにすることはできませんが、少なくとも故意が必要であるという点だけは説明申し上げたいと思います。

○鎌田部会長 今、事務局から説明の最後の故意が必要というのは、虚偽であることの故意ですか。

○松本課長 虚偽の条件を提示して求人の申込みを行ったという行為全体に係ります。

○鎌田部会長 その全体が故意ということですか。

○松本課長 はい。

○遠藤代理 どうもありがとうございます。恐らく、今、事務局はという形でただし書きを付けていただいたのは、多分、今後の議論に委ねられていくものも含まれていると理解しました。今回、求職者保護、誤解を生まない形での条件の明示という方向性については何ら異論はないところです。いずれにしても、方向性が出たら受け入れる側が間違うことのないような形での周知の徹底が求められると思います。その立場で、今の3点について申し上げたいと思います。

 まず、幅がある中にあって幅を特定したことが相違だという考え方は、正直いかがなものかと思っております。幅を出たということであれば、その相違があったということだと思うのですが、幅の中であるということは、一定程度提示していた中身の内側であると理解できると思います。一方、余りにも幅が広すぎてしまう、極端に幅を広げておいて、そこの中で拾えるということは、これはそもそも論として無しだと思いますが、一定程度許容できる幅を示していた中で特定して、あるいは合意して決まったということであるのならば、それを相違だと断定してしまうのは疑問無しとしないと申し上げておきたいと思います。

 それから、虚偽の部分については、虚偽であるかどうかの最終判断を司法の場に委ねるということも理解しております。一方で、現場の中でトラブルがないようにしていくということであれば、注意喚起もしていかなければなりませんので、こういうケースについては、やはり誤解される、故意が認められるおそれがあるということは、あらかじめ提示できるモデルパターンをまとめておいたほうがよろしいと思いますので、それはお願いベースですが、行為類型みたいなものを御用意いただければと思っております。以上です。

○鎌田部会長 今の御質問の関連で何かありますか。

○村上委員 5ページの罰則についてです。私どもとしては以前から、この 65 条の条文をどのようにすれば実効性を持たせることができるのかという問題意識を持っております。先ほど御説明があったように、「虚偽」には主観的要件が入っており、なかなか認定が困難であるということで、これは実際なかなか発動されていない罰則ということも承知しております。

 では、どのようにすれば一番いいのかという答えまで私どもとして持ち合わせていないのですが、もう少し実効性を持てるような要件にしていかなければいけないのではないかと考えております。

 それから労働条件の明示の部分で、先ほど遠藤委員から幅の中だったら、幅のうちであれば相違ではないのではないかというお話だったのですが、幅を持ったままであると自分の労働条件が何だか分からないということになってくるので、採用したときにきちんと労働条件を明示してくれれば、それはそれで相違の内容を明示したことと変わらないのだろうと思います。

 多分、きちんと労働条件を明示して、そこで合意ができればいいという話だと思うのですが、そうではなくて幅を持った労働条件で募集しておいて、交渉の段階で、労働条件について、これぐらいだということを口頭では言っているけれども、書面で明示されていないというときに、多くはトラブルになり、働き始めてからようやく労働条件通知書が来たり、あるいは給与明細が来て初めて分かるということがあります。

 そうであれば、働き始めるまでの間にどこかで相違の内容を明示することが必要ではないかと私たちとしては考えます。ただ、残念なのは5条の3自体に罰則がないということで、本当は罰則も掛けていくべきではないかと考えます。

 また、少し話が飛びますが、前回、職業紹介事業者の求人不受理についてで、どのような求人について不受理にするのかという議論があり、労働関係法令違反で処分、公表等の措置が講じられた求人は受理しないことができるとされておりました。その労働関係法令違反の具体的な内容は若者雇用促進法を踏まえて検討ということでありましたが、5条の3の労働条件明示義務違反であるとか、相違明示義務違反についても不受理の対象にしていってはどうかと考えます。以上です。

○遠藤代理 発言の機会が多くて申し訳ありません。労働条件を明示しなければいけないということに何ら異論を挟むものではありません。繰り返しなのですが、やはり出したものと条件が相違しているという事実を確認した上で、その相違を説明しなければいけないというところの、欠いているという行為が1回そこに介在してしまうということは、企業側にとって必ずしもいい話ではないので、やはり幅を持って出すということ自体は意味があると思います。

 例えば、経験者の方の処遇を考えるときに、その経験の度合、その方を私どもとして雇い入れた場合に、それをどれだけ評価するのかによって、ある程度金額が上乗せされていくこともあると思います。そういう中で、一定程度、許容される幅を持った形で出すこと、それを特定すること自体が相違だと見ていくことについて、私は現実問題から離れているのではないかと思います。

 でも特定だけでそれが相違なのだということになると、もう幅は出さないでくださいという形のものを徹底しない限りにおいては、それが相違なのだという理解は、現場ではなかなか浸透しないのではないでしょうか。

○村上委員 遠藤委員のおっしゃることも分かるのですが、例えば、 25 50 万という幅があったときに。

○遠藤代理 幅が大きすぎると言っているのです。

○村上委員  25 30 万でもいいですが、その幅の中で、どこが自分の労働条件かということが、いつ分かるのかが問題なのです。働き始める前に労働契約を締結した内定のときに出していただけるということであれば、それはそれで。

○遠藤代理 それは論を待たないと言っております。

○村上委員 では、採用内定時に労働条件を明示するということなのでしょうか。

○遠藤代理 内定時に。

○村上委員 そうなのです。

○鎌田部会長 事務局から、整理するためのコメントは何かありますか。

○松本課長 1つだけあります。あくまでも、相違明示は、変えてもいい、変えてはいけないという判断を差し挟んでいるわけではなくて、単に違っているということを明示してくださいというつもりです。念のため蛇足ながら補足説明いたしました。

○鎌田部会長 それは遠藤委員も知っているかと思います。ただ相違という、変えたというニュアンスではないということを言っているのかと思います。

○遠藤代理 そういうことなのです。

○鎌田部会長 そこは相違という言葉のニュアンスなのです。

○遠藤代理 多分、先ほども相違があった場合については不受理にするとかという、要するに何かペナルティー的な、その相違をしたということが企業側にとって、それがペナルティーのにおいを出してしまうような行為として考えていくことがないようにしなければいけないので、そういう意味で繰り返しになりますが、一定の幅を持った形での募集条件は、往々にしてある話です。

 ただ、繰り返しですが、余りにも幅が広すぎてしまうということは大きな網を掛け流しておくだけの話なので、それはいけないと思います。許容される一定の幅がある中で条件を決めて、それを内定時に出すかどうかは別として、働き始める前にきちんと契約を交わす段階で提示するということは当然の話だと思っております。

 ただ、それを特定したからということだけで、それが相違なのだということで、相違であるということを前提にした形での行為を次に求めていくような、条文の中で処理しようとすることについては、やはり大いに疑問があるということだけ申し上げておきます。

○鎌田部会長 幅を持った提示があった場合に、それを特定する場合には相違というニュアンスでは違うということです。その全体の話ではなくて、そういう事例を前提にした幅を持って提示した場合のことです。つまり、それが相違ということによって何らかのサンクションを伴うようなものではないということは、先ほどの事務局の説明で、それは村上委員も問題ないのですよね。ただ、結局、今の幅の問題です。幅があって、そこから絞ったものを相違と捉えるのかどうか。

○村上委員 座長に整理していただいたとおり、本当は募集した労働条件と実際の労働条件は一致していることが望ましいと思いますが、幅を持たせて提示することはある程度あるのだろうと思います。実態を見ても幅があることでマッチングできることもあることは承知しております。

 その上で、幅の中で特定されること自体が問題だと言っているのではありません。当初の明示と違ったら求人を不受理にするということではなくて、違ったのであれば違ったということを示して、「これがあなたの労働条件です」ということをきちんと明示することが必要だということです。その明示の次期は、働き始めてからではなくて、より前の段階で提示することが必要であると考えます。そうしないと、働き始めてからトラブルになるのではないかということを申し上げております。

 現在でも大臣指針の中で、明示した労働条件が変更になったときは求職者に対して速やかに通知するとされていますので、それを法律に格上げしていくことが必要だと考えております。企業の皆さんに過重な負担を負っていただくということではなくて、労働条件に納得した上で働いていけるということのために必要ではないかと考えております。

 相違という言葉の持つイメージについては何か工夫がいるのかもしれませんが、私どもとしてはそのように考えております。

○鎌田部会長 幅を持って提示した場合に、それで特定した場合というのは、言わば相違という語感とともにそういうものについては、特定というものもここでいう相違と捉えますとか、あるいは、もう少し表現を考えるとか、そういうことで語感の問題としては解決できるのではないでしょうか。

○遠藤代理 多分、手続的には雇入時にきちんと明示しなければいけないのは、産業界でも徹底しなければいけないと思っておりますので、繰り返しになりますが、幅を持って、その中のどこかで当人との間で契約を交わすときの中身になるということが、相違という枠の中に入ってくるということ自体が、そもそも相違があってはならないという村上委員がおっしゃったところから、この議論が入っている中にあって、そこに落とし込まれてしまうというのは、やはり現実的にはなかなか受け入れ難いのではないかと思います。

 だからといって、もしどこにどういう負担が掛かるのかと言われてしまうと、確かにそうなのかもしれませんが、繰り返しですが、そもそも、ここは条件があらかじめ提示されていて、それに基づいて本人が応募し、またそこでいろいろ話合いの上、正式な契約を交わすという中にあり、どれだけトラブルを防ぐのかということは、こちら側としても全面的に協力してまいりたいと思っております。

 その中で、今おっしゃっているときに、どこの部分を今回法律改正していくのか、行政としてやっていくのかというところについては、しっかり議論させてくださいということです。

○村上委員 遠藤委員のおっしゃるのも分かるのですが、幅を持たせて特定した時は明示しなくてもいいことになってしまうのではないかと懸念します。

○遠藤代理 明示しなくてもいいということではないです。しなければ雇入時の明示にならない。

○村上委員 雇入時の明示は、往々にして働き始めたときに、例えば、入社式とか出勤した初日に渡されてしまうことがあると思います。きちんとした会社はそのようなことはなくて、「あなたにはこういう条件で働いてもらいます」ということを多分きちんと明示されていると思うのですが、そうではないところでトラブルが起きていて、それをどのように防ぐのかという話をここでしていると思っております。

 そういうときに、募集時から働き始めるまで何も明示されないと、結局、求職者側は当初に明示された条件だと思い込んでおり、求人企業の側は、「いやいや説明したはずだ」と言った言わないみたいな話になってくるので、そうならないために明示が必要だということです。

 その上で、幅を持たせた中で特定することを今回除外してしまうと、幅を持たせておけばどこでも特定できるのだからいいのではないか、という話になってしまう懸念があるので、私としては、ここから除外することには慎重であるべきだと思います。

○鎌田部会長 最終的には、幅を持たせていても特定するわけでしょう。

○遠藤代理 おっしゃるとおりです。

○鎌田部会長 その間、特定するときには特定しているのだから、こういう形で特定してということは、どちらかというと説明しなければどうしようもないということですね。

○遠藤代理 そこを争っているつもりです。

○鎌田部会長 だとすると、結局、ここでいうところの相違の幅があったものを特定するときには、特定したことをきちんと伝えなければいけませんという話ですよね。

○遠藤代理 多分、今、お金だけのところで労働条件の話を言っていますが、勤務地の問題もあると思います。勤務地も含めて、恐らく、幅を持って書いているのは往々にしてあるわけですので、賃金と同じように、その場所を特定しなければいけないというのは、あらかじめ出している中で確定して御案内するわけですから、やはり、金額の幅もそうですし、勤務地についても一定程度幅を持たせてアナウンスしているわけです。

 やはり、この中で、いろいろな人員配置や在籍者も含めて新しく入って行かれる方のバランスを考えて、最終的に決定して企業が出せる状況の段階で出していくということが今の実務だと思っております。例えば、もし働き始めてだとか、働く直前にとおっしゃるのであれば、働く直前でない形を企業としてできる限りのことはやっていく必要があると思います。当然、働き場所が本来からすると少し離れた所に行くということがあったりする場合、猶の事だと思います。

 ただ、いずれにしても幅を持たせるということは現実問題として、一定程度、募集における幅は必要なものだと理解しております。

○鎌田部会長 整理するわけではないのですが、つまり勤務地は、いわゆる人事の問題に入っているのです。それは、ある意味では契約が終わった後の配置の問題です。今、ここで議論しているのは、あくまでも、労働条件の締結に際して提示するという労働条件の内容が、幅を持って提示されたものが労働契約の締結に際して特定された場合には、特定されるということを明示しなければいけないというだけなのです。

○秋山委員 そのような状況を相違と表現することには違和感を覚えます。

○鎌田部会長 ということを遠藤さんは、そこは相違という言葉に合わせて、幅を持って提示した場合には特定した場合もこの場合に当たりますよとすれば、語感としてそれが相違かと言われると疑問が出てくるかもしれませんが、それはそれで理解が可能なのではないかと思います。そういうことではないのですか。

○秋山委員 それはその幅の中で特定したというだけで、相違ではないと思います。

○鎌田部会長 それは変更であるという意味ですよね。

○石黒委員 言葉の遣い方はもう一度精査する必要があるかもしれませんが、幅を持たせて募集するのはいいのですが、採用されたときに賃金が幾らになるということを、決まったときにきちんと明示されていないことが問題なのです。幅を持って募集して労働契約を結ぶときは、幾らかということを明示しなくてはいけないのであって。

○秋山委員 それは理解します。

○石黒委員 それを明示しなければいけないということについて、どういう表現をするのか分からないですが。

○秋山委員 繰り返しになりますが、相違という言葉にしないでいただきたいと思います。

○石黒委員 しかしながら、当初の明示とは違っているということが明示されないままで、給与明細をもらったらこうだったという場合が考えられます。日本においては、労働条件をきちんと明示して労働契約を結ぶということが厳格に行われていないこともあり、そうした問題も含めて、幅を持って募集した場合に実際の賃金は幾らになるということを、労働契約を結ぶ前にそれを伝えて、労働者が納得した上で労働契約を結ぶということの注意喚起をしていかなくてはいけないと考えています。

○鎌田部会長 1つの言葉遣いの問題だと思いますので、私と事務局で御相談させていただくということでよろしいですか。言っていることは、すごく違っているわけではないと思いますので、それは誤解ないと思います。ただ、秋山委員がおっしゃっているように、少し語感が引っ掛かるということなのです。遠藤委員もそういうことですよね。別に幅のまま、それで労働契約を結ぶということを考えているわけではないですよね。

○遠藤代理 考えていないですよ。

○鎌田部会長 それは違いますよね。

○遠藤代理 はい。

○鎌田部会長 村上委員、それでよろしいですか。では、事務局そういうことで。あと、何かありますか。

○村上委員 相違の話ではないのですが、5条の3について、先ほど罰則がない話をしていたのですが、労働条件の虚偽の条件を提示した場合には、 65 条の罰則規定があるのに、5条の3には罰則規定がないというのは、どのように考えればいいのかちょっと分からない部分があります。労働条件を明示しなくても罰則はなくて、虚偽の条件を提示したら罰則があるというところの、バランスというか論理的にどのように考えればいいのか、少し教えていただけたらと思います。

○鎌田部会長 5条の3は今言った、労働条件明示の所ですか。

○村上委員 はい、明示です。

○鎌田部会長 いわゆる制裁に関してどう考えているのかということですね。

○村上委員 はい、そうです。

○鎌田部会長 まずは5条の3については。さっきの話にまた戻りますけれど。

○村上委員 罰則のバランスがどうなのかという話です。

○松本課長 それを説明する資料は残っていないので、立法当時になぜ罰則がないかの説明は申し訳ありませんが、できません。

○鎌田部会長 この虚偽の場合と比較というか、パラレルに考えるものなのかというのがまずありますね。

○村上委員 まあ、そうですね。

○鎌田部会長 先ほどの幅などは明らかに虚偽というのとレベルの違う話だから。

○村上委員 違いますね。

○鎌田部会長 しかも虚偽というのは先ほど来のように、主観要件が入ってきて、それも言えるかどうかは議論ですが。明らかに欺罔の意思を持ってやるわけでしょう。それはまさに罰則の対象というように。欺罔の意思は、それは認めない。虚偽というニュアンスから言うと、だますということだから。

○村上委員 はい、だまそうとしている。

○鎌田部会長 ただ、それをどう客観的に認定するかはまた別問題で、だって人間の考えている心の中までは分からないから。外からどう客観的に判断するか、それはもちろんあるわけだけれど。だから、この虚偽の条件の提示をした場合に罰則というのは、それは。

○村上委員 はい、それはあって然るべきだと思います。

○鎌田部会長 難しい話ではなくて。むしろさっき言ったように、労働条件等の明示について制裁がなくていいのかという話ですよね。

○村上委員 はい、そうです。

○松本課長 資料はないわけですので、今の目で見てどうかという御意見も頂戴できればと、事務局としてはそう思うわけですけれども、これは人を募集するに当たっての誘因としての条件提示であるわけですけれども、そこに罰則が掛かることになると何が起こるかという観点も考慮しなければいけないかとは存じます。

○鎌田部会長 労働契約の締結に際しての明示ではなくて、正に募集時の明示ですね。

○村上委員 はい。

○鎌田部会長 だから、それとは違うということで、何というか、違法性の評価というのが出てくるのかなと。罰則の中身が、少なくても刑罰制裁という意味での違法性というのは、私の感覚では、それはないかなと思います。ただ、こういう条文があることによって、できるだけ募集条件と契約条件を混乱がないようにしましょうと、そういうようなアナウンス効果はあるのではないかと思って、一歩前進ではないかとは思います。企業にとってみると、やはりこういうのがあると一定の対応を考えなければいけないということになりますからね。企業というか、募集する側にとっては。

○遠藤代理 今、別にお答えを出すつもりも全然ないですけれども、人が欲しくても人が採れない、あるいは残ってもらいたいけれどなかなか残らないで、人が離れてしまっている状況下の中で、やはりこの雇入時ももちろんそうですし、雇入後もそうですし、企業はいろいろな形で、本人が疑義を持っていたり、あるいは説明を可能な限りしているというようなことも、法律改正の条文にちゃんとのっとってやっている状況を間々聞いておりますので、罰則を付けて何か抑止的にやるというのも政策効果として否定するものではないですけれども、むしろそういうことをやらないような形での対応をやっていく、例えばそれが行政指導という枠の中で可能で効果のあるものも幾つも見られているわけですから、そうしたものを企業側もしっかり周知し、理解し、そしてそのトラブルが起きないような形で対応していくことも、より一層進めていきたいと思っておりますので、余り罰則という形のものでない対応も御検討いただければ有り難く思います。

○鎌田部会長 そこは立場の違いはあると思いますので。恐らく一言二言、異議はあると思いますから。ただ、罰則といった場合に、村上委員がおっしゃっているのは、公表だとか、かなり実効性確保という広い範囲のものを考えているのですよね。

○村上委員 はい、ありがとうございます。別に直ちに刑事罰とかそういう話ではもちろんありませんで、きちんと指導することもそうですし、勧告や企業名公表なども考えられるかと思います。余りに明示がいい加減というのか、きちんとされていないような場合に、指導していただくことも必要かと思っておりますので、それらも含めての発言です。

○鎌田部会長 それは基本的に立場の違いがおありになるところですので、御意見として伺っておきます。ほかにありますか。

○石黒委員 細かいところですみません。1(1)の「労働条件等の明示義務の明示事項」の一番上に書いてある「固定残業代」については、若者雇用促進法の指針で示されたように、労働時間数や金額等の計算方法、固定残業代を超える場合の時間外労働や休日労働、深夜労働には、割増賃金を追加で支払うという内容にしていただきたいという要望です。

○鎌田部会長 ほかにありますか。

○村上委員 どこで申し上げれば適当なのかちょっとよく分からない部分があったのですが、今回議論しているのは雇用仲介事業として職業紹介事業と募集情報等提供事業ですけれども、労働相談とか、先ほど紹介したツイッターの書き込みなどにもあった事例では、正社員募集となっていたけれども、実は代理店契約だったとか、実は業務委託契約だったというようなものもあります。問題はいろいろ複雑なのですが、代理店契約だったというときに、それは何か指導できるものがあるのでしょうか。代理店契約になっていても就労の実態が労働者であれば労働者であるとされて、指導はされていくのですが、そうした場合に、募集時に明示された内容については何か制裁・指導というものができるのかどうかという点をまず疑問に思っているので、少しお伺いしたいと思います。それから、続けてもよろしいですか。

○鎌田部会長 区切りましょうか。今の御質問は、業務委託契約とか、代理店という募集が、そもそも職安法で定める募集事項、募集行為の中に入るかという問題がまずありますね。

○村上委員 そうです、もともと。

○鎌田部会長 仮にそのような項目で募集を掛けようといっても、それが職安法の対象になるかどうかというのが、私はちょっとならないのではないかと思うのですが、ただ、もう1つの論点は、実は正社員と言っていて、蓋を開けてみたら業務委託だったということは、正にその募集条項は虚偽になるわけですよね。

○村上委員 そこが故意と認定していただけるのかどうかもあるかと思うのですが。

○鎌田部会長 それは認定の問題ですね。

○松本課長 村上委員の御質問について部会長がおっしゃったように、まず委託契約であるとか、代理店契約というのが実態として正にそうなのであれば、それを募集する広告については、職業安定法の体系の射程外だと思います。

 一方で、契約の形式とかその辺にかかわらず実態として労働者なのであれば、それは雇用契約又は労働者というように労働法の体系でいえば扱ってきたところですので、そうした実態も照らし合わせて、これは労働者ということであれば、当初の募集は何だったのですか、ということに当然なるわけですが、それは事前には分からないということと、個々の実態を見た上で初めて判定できる話ではあるという点だけは申し上げたいと思います。

○村上委員 ということは、業務委託契約とか代理店契約の募集は職業安定法上の求人ではないということでしょうか。

○松本課長 ないです。

○村上委員 雇用しようとするものではないから法的には求人ではないということであっても、実態としては雇用しようとするのであれば、事後的には求人者ということになると思いますが、そのように人を募集した者への指導はできるのでしょうか。

○松本課長 まずそれが職業紹介に出てきた求人条件であった場合には、正しく条件をハローワークなり官民の職業紹介事業者に提示するようにという指導はいたします。今回の論点で言えば、募集情報等提供事業という枠組みで言えば、事実と異なることが分かっていれば何らかの対応をしてくださいというのが指針案にありますので、そうした事後的なルートにも乗っていき得ることかと思います。

○村上委員 働き方改革の中でも柔軟な働き方ということで、自営的雇用というか雇用的自営業者というか、そういう働き方をどうしていくのかとか、副業などの議論が出てきていて、私たちとしては安易に広げたくはないと思っているのですが、実際にそのようなケースは出てきていて、トラブルもあることから、後々トラブルにならないように、今回の法改正で少しでもその部分についても前進していただきたいと思っています。

○鎌田部会長 その部分は御意見ということで。あともう1つあったのではないですか。

○村上委員 先ほど部会長がおっしゃった、そもそも代理店契約の募集といった場合などはどうなのかをお伺いしたかったのです。

○松浦委員 先ほどの、正社員として募集の所に関連するのですが、募集要項の中には、正社員募集、パート募集、契約社員募集等の文言がよく出てくるわけですけれども、御高承のとおり正社員というのが何なのかとか、パートというのが何なのかというところが、かなりファジーなままやり取りがなされている実態があろうかと思います。そのときに、先ほどの「相違しているかどうか」をどう解釈するのか。例えば正社員募集についていえば、募集企業ではこういう労働条件の人たちを正社員あるいはパートと呼んでいますと言われたときに、お互いが思っている定義が異なるケースもあろうかと思いますので、そういう観点からも相違の内容をもう少し詰めていただく必要があるのではないかと思いました。感想ですが、以上です。

○橋本委員 今の点と全く同じことです。先ほどおっしゃったように、代理店契約、業務委託契約といって募集するのは確かに職安法の射程外ということで問題ないと思うのですが、松浦委員の御指摘のとおり、正社員募集といったらやはり普通は雇用だと思いますので、正社員募集ということで実際は代理店契約、業務委託契約だというのは問題だと、村上委員の御指摘のとおり問題だと思うのです。この指針の内容だと、有期契約についてはちゃんと明示するということは書いてあるのですが、同じように書かないと、実は業務委託契約だったというのは、規制から外れてしまうと思うのです。それは考慮する必要があるのではないかと思いました。村上委員のご指摘と同じですが、指摘させていただければと思います。

○鎌田部会長 あと関連して何かありますか。

○村上委員 もう1つ、今のお話なのですが、代理店契約とかインストラクター募集 ( 業務委託 ) とかいうように募集するときは、今のところ職業安定法の射程外であって求人ではないということですが、そうであると職安法には何ら規制がないということで、民民の契約関係で、当事者で自由にやってくださいという話でしかないという理解でよいのでしょうか。

○鎌田部会長 例えば代理店契約、請負で働く方を募集して、請負でそういう募集をして、請負でもやります、でも、請負料金が話と違うのではないですか、というのは、今おっしゃったように、民民の関係ですよね。普通の事業者間取引の問題で、それはたくさんありますよね。報酬が違いますとか。ただ、求人になるかというと、それは求人にはならないと。今、村上委員がおっしゃっているのは、職安法の範囲の中にそういうものを含めるかというのが大問題ですが、そういう請負とか委託とか代理店というところのトラブルもあるでしょう、それはどうするのですかといったら、それはそうですねと。それはたくさんありますねと。

○村上委員 どうしましょうかと。

○鎌田部会長 それはだから、下請法とか、消費者法とかいろいろな法律でカバーしているかどうか分かりませんけれども、いろいろ工夫はされるし、問題はあることはあると思います。

○村上委員 はい。この場で議論できる話ではないのかもしれませんけれども、確かにスキルが高くて力の強い自営業者であれば、それでよいのでしょうけれども、専属性が高くて、発注側が強いような契約がかなり、増えてきているのではないかなと思っておりますので、そこは何らかのルールが必要ではないかと考えています。ここでのお答えは難しいと思いますので、意見として申し上げておきたいと思います。

○鎌田部会長 そのような問題提起として。

○小林委員 代理店契約とか請負契約とか、いろいろな募集をしているのは承知していますが、正社員募集でそれを転換しろというのはなかなか私も聞いたことはないところです。このような契約の在り方というのは、下請法とかいろいろな取引関係の関連法令がありますので、それでしっかりした形で指導をしていければいいとは思っています。今のお話の中で、求人者として従業員を募集する方法、従来から縁故関係であったり、独自に広告を情報提供会社に依頼するときがあるのですが、そのときに不正・虚偽のものがあれば、当然問題だと思います。今回の6ページに、求人者、労働者供給を受ける者を、安定法上の指針、指導・助言の対象にするというようになっていますから、そういう意味で、正社員募集と書いているけれども違ったような募集をしているのではないかというのは、当然指導の対象になると思います。どこまで厚生労働省が指導されるかは分かりませんけれども、正規の求人のルールにのっとって指導していくような形に、今後は指導していくようになると思います。回答になっていませんけれども。

○村上委員 はい、ありがとうございます。

○石黒委員 6ページですが、求人者や労働者供給を受ける者を指針、指導及び助言の対象にしていくのをもう一歩進めて、悪質な事業者については、勧告とか事業者名を公表するとかいうところまで踏み込んでいただけるといいなと思いました。

○鎌田部会長 御意見を伺いました。あと、いかがでしょうか。様々な御意見を頂きました。もちろん全てにお答えするかどうかは分かりませんけれども、この御意見を頂いた上で、私としては事務局と相談の上、次回、報告書案を作成する段取りに進みたいと思っているのですが、その点いかがでしょうか。

                                  ( 異議なし )

○鎌田部会長 それでは、私と事務局で相談いたしまして、次回、報告書案を作成し、それを提示して、もう一度御議論いただくというようにさせていただきます。

 そのほか事務局から、議題を用意しているものはありますか、特にないですか。それでは、本日の審議についてはここまでとさせていただきます。本日の議事録の署名は村上委員、小林委員にお願いいたします。連絡事項はありますか。

○小川補佐 事務局です。次回の日程は別途、事務局より御連絡させていただきます。

○鎌田部会長 以上をもちまして、第 247 回労働力需給制度部会を終了いたします。どうもありがとうございました。お疲れ様でした。


(了)

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