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2016年11月25日 新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第5回医療・医薬品作業班会議

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成28年11月25日(金)10:00〜12:00


○場所

砂防会館別館 六甲会議室(シェーンバッハ・サボー3階)
(東京都千代田区平河町2−7−4)


○議題

(1)新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について
(2)その他

○議事

 

 

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 少し早いですが、ただいまから第5回「新型インフルエンザ対策に関する小委員会医療・医薬品作業班会議」を開催いたします。

 まず委員の皆様の出欠について御報告いたします。

 小森委員の御後任の新班員であります日本医師会常任理事、釜萢委員及び吉川委員から欠席の御連絡をいただいております。委員7名中5名の出席をいただいております。

 なお、本日、参考人といたしまして3名の方をお招きしております。

 御紹介いたします。

 富山化学工業株式会社理事、山田光一様。

○山田参考人 よろしくお願いいたします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 富山化学工業株式会社クリニカルサイエンス部長、櫻井努様。

○櫻井参考人 よろしくお願いいたします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 富山化学工業株式会社事業開発部シニアアソシエイト、古田要介様。

○古田参考人 よろしくお願いします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 なお、前回の開催以降、事務局にも人事異動がありましたので、御紹介いたします。

 結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長、長谷川です。

○長谷川新型インフルエンザ対策推進室長 長谷川です。よろしくお願いいたします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 申しわけありませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。

(撮影者退室)

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 ここからは大久保班長に進行をお願いいたします。

○大久保班長 皆さん、おはようございます。

 着席したままで失礼いたします。私はこのたび所属が変わりまして、新しい所属の医療法人幸寿会平岩病院の院長として参加させていただいていますが、引き続き進行役を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず審議参加に関する遵守事項につきまして、事務局から報告をお願いしたいと思います。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 審議参加につきまして御報告をいたします。

 本日、御出席された委員の方々、参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金などの受領状況について申告をいただいておりました。

 本日、議題では抗インフルエンザウイルス薬であるオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ファビピラビル、塩酸アマンタジンの各品目の状況を踏まえた調査審議をしていただきます。

 これらの製造販売会社は、中外製薬株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社、塩野義製薬株式会社、富山化学工業株式会社、ノバルティスファーマ株式会社であり、各委員から申告内容につきましては、机上に配付しておりますので、御確認をいただければと思います。

 あらかじめ事務局において申告内容を確認しましたが、審議や決議に不参加となる基準に該当する申告はございませんでした。

 また、薬事承認等の申請資料等の作成の関与につきましては、本日、参考人としてお招きした富山化学工業の山田参考人、櫻井参考人、古田参考人からは自社からの役員報酬、従業員報酬の受け取りの申告がございました。この扱いについてお諮りいたします。

 以上でございます。

○大久保班長 ありがとうございました。

 ただいま、事務局のほうから御説明がありましたが、山田参考人、櫻井参考人、古田参考人は製造販売業者として、こちらからお願いしてお招きした方であり、審議参加規程に基づいて、新薬についての資料説明をしていただきたいと思います。

 その説明に関しまして、委員の皆様方にお諮りしたいと思いますが、その件に関しまして御意見があればお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大久保班長 特に異議がないようですので、参考人としての説明をお伺いすることとさせていただきたいと思います。

 それでは、引き続きまして、事務局から本日の配付資料の説明をお願いしたいと思います。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 議事次第、作業班名簿、座席表のほか議事次第の裏面にございます配付資料一覧にあります資料1〜参考資料4−4をお手元に用意してございます。

 不足の資料がございましたら事務局にお申し出ください。

 なお、参考資料としまして机上配付のみとなっている資料につきましては、最後に回収をさせていただきます。

 以上でございます。

○大久保班長 議事に入ります前に本日の議題を確認したいと思います。

 本日の議題は、(1)「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について」です。

 委員の皆様方には、円滑な議事進行に御協力をよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザ薬の備蓄について」事務局から資料1の説明をお願いいたします。

○山岸新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 では、事務局から資料1の説明をさせていただきます。

 お手元に資料1の準備をよろしくお願いいたします。

 1ページ目、「1−1抗インフルエンザウイルス薬備蓄方針に関する議論:背景・経緯」でございます。

 抗インフルエンザ薬の全体の備蓄方針に関する議論の背景・経緯を説明する紙でございます。

 平成27年度に、厚生科学審議会感染症部会及び新型インフルエンザ等対策有識者会議(医療・公衆衛生に関する分科会)で備蓄方針について議論を重ねまして、以下のように取りまとめられております。これは、現状の我が国の備蓄方針でございます。

 現状の我が国の備蓄方針は、当面の備蓄目標は平成21年度に備蓄方針を定めたところでございますが、そちらを踏襲することとして、引き続き45%の国民を治療できる量を備蓄目標としております。

 ただし、従前のものと変わったところは、近年の人口動態や市場流通量の増加を鑑みて以下のように変更しております。

 備蓄目標量は5,700万人分から5,650万人です。流通備蓄として流通の方で備蓄していただいているものは、400万人分から1,000万人にふやすということです。

 さらに、備蓄薬剤の種類に多様性を持たせることが昨年決まりました。新規の備蓄薬剤の切り替え時期は以下のとおりとされております。

 小児などを対象に使われることが想定されるタミフルのドライシロップについては、迅速に備蓄する。静注薬であり重症例等に使用することが考えられるラピアクタについては優先的に備蓄する。広く使われているイナビルについては既存の備蓄薬の期限切れのタイミングに備蓄することになっております。

 それぞれの備蓄薬剤の割合は、市場流通割合や想定する新型インフルエンザウイルスによる疾病の重症度などを踏まえて決めるということにされております。

 次のページ、1−2でございます。

 現状、国内で備蓄されているお薬、それから、きょうの議論の対象のアビガンについて概要説明をした紙でございます。

 現状、国内で備蓄しているお薬としましては、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタという商品名で書かれているノイラミニダーゼ阻害薬4剤でございます。

 概要につきまして、ここでは細かく述べませんが、予防の適応があるかどうか、使用期限等について書かれております。また、メーカーさんのほうから後に御説明があると思いますが、ファビピラビルのアビガンについてはこのような形で概要を示しております。

 次のページに進みます。

 1−3「備蓄の検討をする際に考慮する点」として、今までこちらの医療・医薬品作業班で議論されていたポイントでございます。

 一つは被害想定です。政府行動計画に書かれているどのような感染規模があるか、重症度があるかといった被害想定については考慮すべきということでございます。

 あとは、個別の薬剤の有効性・安全性についても配慮すべきと。備蓄をされている薬が何種類かございますが、それの配分についても考慮が必要である。

 さらに、市場でどのぐらい流通しているか、入手の可能性等についても議論すべきである。

 あとは、薬剤耐性ウイルスの発生状況、有効性がどのぐらいあるかです。

 実際の臨床現場でどのような使用状況であるか、また臨床現場のニーズについて考慮すべきだということも議論されております。例えば、臨床現場における使いやすさであるとか使用される対象の患者の年齢別における使用状況、対象となる患者さんの重症度に応じた使用状況でございます。

 そのほかに考慮すべきところとしましては、諸外国における備蓄状況、備蓄した後の保存期間と申しますか、使用期限、備蓄に要するコスト等についても考慮すべきだとなっております。

 続きまして、きょう先生方に調査審議いただく2−1「アビガン:概要マル1」について御説明申し上げます。

 こちらは、きょう来ていただいている、富士フイルムの子会社でございますけれども、富山化学工業が開発したインフルエンザ用の薬剤でございます。既存のノイラミニダーゼ阻害薬と違ってウイルスの遺伝子複製を抑制することでインフルエンザウイルスの増殖を阻害するRNAポリメラーゼ阻害薬として開発されております。

 一方で、このお薬は、今まで実施した全ての動物試験、マウス、ラット、ウサギ、サルで催奇形性が認められ、安全性の懸念が存在しているところでございます。

 現状、妊婦もしくは妊娠している可能性のある婦人に対する使用は禁忌と添付文書上されております。

 また、承認時、現時点では季節性インフルエンザに対するヒトにおける有効性は限定的に確認されたということになっております。平成26年3月にこのような状況を踏まえて「抗インフルエンザウイルス薬として、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、既存薬が無効又は効果不十分な場合で、国が使用すると判定した場合のみ使用する」こととして薬事承認されました。

 なお、催奇形性が認められる、季節性インフルエンザウイルスに対するヒトにおける有効性が確認が限定的でしかなかったことを踏まえまして、薬事承認においては臨床試験の報告等の承認状況が付されております。

 次のページは、その際にどのような承認条件が付されたかを説明するところでございます。

 1つ目は、承認条件については5つの承認条件が承認時に付されております。

 1つは、薬物動態試験です。薬のヒトの体内における血中濃度等、体内動態を確認する試験を実施することが求められております。

 それから、季節性インフルエンザウイルスにおける有効性・安全性を確認するための臨床試験を実施して結果報告することを求められております。

 さらに、マル1及びマル2の試験成績等を提出し、それに応じた措置がされるまでの期間は厚生労働大臣の要請がない限りは、製造等を行わないこととされております。

 さらに、製造販売する際は、季節性インフルエンザに使用されることのないよう厳格な流通管理及び十分な安全対策を実施すること。

 本剤の投与が適切と判断される症例のみを対象に、あらかじめ患者又はその患者の家族に有効性及び危険性が文書をもって説明され、文書による同意を得てから投与されるよう措置を講じること、といった条件が付されております。

 現時点では1番目の試験は終了し、承認条件から削除されております。

 ページを次に進めまして、承認条件に関連した進捗状況を御説明申し上げます。

 まず承認状況の1番目のところでございます。薬事承認のときに承認された用法・用量は、実際に治験で有効性が検証されたものではなく、米国で実施している治験の用法・用量から、理論的に日本人の血中濃度を推定して設定されたものであるため、日本の承認の用法・用量が米国での治験の用法・用量と同じ血中濃度になっているかどうかを確認することを目的として付されております。

 承認の用法・用量は、日本では1,600mg×2回、2回目以降は600mg×2回となっております。

 米国の治験での用法・用量は、初日が1,800mg×2回、2回目以降は800mg×2回です。

 承認用法・用量における日本人の薬物動態試験結果においては、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会に報告が、平成27年1月にされております。試験成績及び解析結果が提出され、承認条件マル1の内容については満たされたものと判断され、承認条件から解除されております。

 7ページ目「2−4アビガン:承認条件に関連した進捗マル2」でございます。

 承認条件の2番目につきましてです。米国における治験(米国第1/2相試験[US213試験])では、用法・用量のわずかな違い(初日3,600mg、2日目以降600mg×3回と、初日3,600mg、2日目以降800mg×2回)で結果が異なっていたということで、有効性の結果が異なっていたことから、改めて治験を実施して有効性・安全性を確認するということでございます。

 企業側から2つの国際共同第3相試験(US316US317試験)の臨床試験の総括報告書が提出されております。現在、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)で有効性・安全性について評価中であり、今後、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において報告される見込みでございます。

 3−1「アビガンに関するこれまでの議論」、主に新型インフル対策に対する小委員会及び作業班、感染症部会等における議論について説明いたします。

 厚生科学審議会新型インフルエンザ対策に関する小委員会第2回医療・医薬品作業班、平成27年の6月9日に開催されたものにおいて、薬事承認条件に定められた有効性・安全性に関するデータが提示された段階で改めて備蓄の是非等について作業班会議で合意されております。

 続きまして、平成27年9月11日開催の厚生科学審議会第3回新型インフルエンザ対策に関する小委員会で、薬事承認条件で付されている臨床試験における有効性と安全性のデータがそろい次第、引き続き備蓄の是非等について検討すると取りまとめられました。その際に。重症患者に対する有効性や薬物耐性に関するエビデンスが重要とされております。

 さらに、平成27年度9月18日に開催された厚生科学審議会第12回感染症部会においてアビガンについての議論の整理が行われました。薬事承認条件で付されている臨床試験における有効性・安全性のデータがそろい次第、引き続き備蓄の是非等について検討すると取りまとめられました。

 このような経緯で今回資料が提出されましたので、作業班で議論していただくことになりました。

 3−2「新型インフルエンザ対策におけるアビガン錠に関する論点」として大まかなところをちょっと先生方の議論を進めるに当たりまして、示させていただいたものでございます。これが9ページ目の3−2です。

 1つ目は、アビガン錠は効能効果を「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。)」として承認されております。

 論点としましては、既存の4剤(タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ)全てに耐性化した新型インフルエンザウイルスの出現の可能性(リスク)とその規模があると考えられます。

 もう一つは、新型インフルエンザ対策としてノイラミニダーゼ阻害薬以外の作用機序を持つ抗インフルエンザウイルス薬の備蓄が必要かどうかでございます。主にウイルスのところを論点の一つとした論点でございます。

 もう一つは、2番目でございます。アビガン錠については、昨年の厚生科学審議会の議論において、薬事承認で条件が付されている季節性インフルエンザ患者に対する臨床試験における有効性と安全性のデータがそろい次第、引き続き備蓄の是非等について検討すると取りまとめられております。

 そういったアビガン錠の有効性・安全性を踏まえまして、公衆衛生対策上、新型インフルエンザの対策として国として備蓄が必要かどうかで、こちらはアビガン錠そのものの有効性・安全性を考えた上で、新型インフルエンザ対策として国全体の備蓄というものが必要かどうか、そういったところの論点でございます。

 論点にかかわる大まかな現状の資料を以下に示しております。「4−1論点1:日本における抗インフルエンザウイルス薬耐性株検出状況」でございます。

 過去数年、季節性インフルエンザにおいてタミフルとラピアクタに対する交差耐性が以下の表のように数%確認されております。ただし、リレンザ・イナビルに対する耐性というものは、現在、今のところ確認されておりませんが、タミフル・ラピアクタには耐性は確認されているところでございます。

 引き続き、4−2「論点1:その他の抗インフルエンザウイルス耐性化の現状」で、そのほかの情報でございます。2007年から2009年にかけて季節インフルエンザA(H1N1)に対するタミフル耐性が世界中で確認されているところです。これはWHOの報告に書かれております。また、20092010年に新型インフルエンザA(H1N1)発生時に世界でタミフル耐性が302症、WHOに報告されております。この302症例のうち33%はタミフルの治療に関連して報告されているものでございます。また、28%は投与対象としましては何らかの形で免疫を抑制されるような治療をされている、もしくは免疫不全の状態にあられる患者さんでございます。その際にもリレンザの耐性というものは報告されていない。こちらもWHOの報告に書かれております。

 あとは、2015年に米国CDCが、インフルエンザA(H1N1pdm09ウイルスに感染した免疫不全の患者小児1例に4剤(タミフル・リレンザ・ラピアクタ・イナビル)全てに薬剤高度耐性を持つインフルエンザウイルスを同定しているということでございます。

 こちらの症例以外で、特にPubMed等の広く使えるデータベースで検索可能な4剤耐性の症例報告は、現時点では我々のところではちょっと見つけられなかったところでございます。

 「4−3論点2:有効性・安全性に関する過去の主な論点」について議論しています。こちらはアビガンではなく一般の抗インフルエンザ薬の備蓄に関して議論した際の論点です。一つは、投与経路を勘案した内服時のコンプライアンス、飲みやすさや投与のしやすさなど考慮すべきではないかということでございます。

 あとは、薬剤耐性ウイルスへの治療をどうするか。重症患者への有効性をどのように評価するか。

 あとは、重症患者とちょっとかぶるところがあるのですが、ハイリスクグループへの患者の治療をどうしていくべきなのか。

 臨床現場での扱いやすさ、緊急に製造したときの対応(緊急放出量)等があるか。あとは例えば備蓄することとして考えられる備蓄製品の必要スペース、有効期限、コストと諸外国の状況というところでございます。

 事務局からの資料1の説明は以上でございます。

○大久保班長 どうもありがとうございました。

 ただいまの事務局からの御説明で御意見、御質問がございましたら、委員の皆様方にお出しいただきたいと思います。

 要は、継続検討すべき項目について今御説明いただいた項目でよろしいかどうかだと思うのですけれども、特に今の資料の中で右下のページでいうと3ページ「1−3備蓄の検討する際に考慮する点」で、ここに幾つか被害想定からコストまでずっと挙げてありますけれども、これらの項目でよろしいか、あるいはそれに加えて何らかの、先ほどの御説明では右下のページで12ページ、資料4−3の以前のタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタのときの備蓄の是非について討論した際の論点も加えて考えて、1−3の論点でよろしいかどうか、あるいはそれに加える必要がある項目があればお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 1−3と4−3を比較してみますと、緊急製造への対応とか備蓄スペースとかは項目に入っていないと思います。あとは、飲みやすさは書いてあります。臨床現場における使いやすさがありますが、ほかに検討すべき項目があれば今お出しいただきたいと思います。本日は最終的な結論を出すということではありませんので、そういう方向に向けて検討する中でどういうことが必要かということで進めたいと思います。

 では、特に委員の先生から御意見が出ないようですので、以前にも御説明いただいてはいますけれども、再度いろいろ資料が加わってきたということで、早速、参考人からアビガン錠の資料の説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○山田参考人 大久保先生の御指名により私どもから【企業側提出資料】と表紙に書かれた資料に基づいて御説明させていただきます。また、このような検討の機会をいただきましたことについて感謝申し上げます。

 1.「背景」と題されたページの次でございますが、ここは既に事務局から御説明いただいたとおり、本剤についていただいております承認の効能はあくまでも「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分のものに限る。)」ということでございます。また、本剤につきましては御承認いただいたときに承認条件が付されておることも先ほどの御説明のとおりでございます。

 次のページで【用法及び用量】でございますが、5日間の投与で1日目のみ1,600mg、本剤は200mg錠でございますので、8錠を2回飲んでいただき、2日目から5日目に関しては600mgです。これは3錠ずつを1日2回服用いただくことになっております。

 先ほどの御説明にもございましたとおり、米国の治験届で実施いたしました国際共同第3相治験での用法・用量がこれと異なっておりますが、ここについては日本人での薬物動態と米国での治験の薬物動態は同様であることを、この後でデータを示しながら御説明したいと考えております。

 めくっていただきまして、これも先ほど御説明いただいたとおり承認条件が付されております。私どもとしては2014年の承認条件の「2.通常のインフルエンザ感染症を対象にした有効性の検証及び安全性の確認試験」が今回終了いたしました。約2,000例規模の国際共同治験でございますので、きょうはぜひその結果報告をさせていただきたい趣旨でお願いに参ったものでございます。

 最後に、私のほうからは「海外に於けるインフルエンザに対する開発状況」でございますけれども、この米国における試験は、米国国防総省のファンディングを得て実施いたしました関係で、承認申請について、現在、国防総省と協議中でございます。私どもがIPホルダーで知財権を有しておりますので、欧州においてはしかるべく何らかの形で第3相試験に基づいて承認申請ができないかを現在検討しております。

 それから、大変具体的な例で恐縮ですが、台湾に関しては現地で申請される企業が出てまいりましたので、目下のところその準備に取りかかっている次第でございます。これは2014年の日本での承認に基づいて台湾のレギュレーション上は承認申請が出せることを現地で確認いたしましたので、このようなステータスでございます。

 では、2.「有効性および安全性」について詳細な説明を弊社の櫻井からさせていただきたいと存じます。

○櫻井参考人 富山化学の櫻井でございます。

 私のほうから、臨床試験から見られました有効性及び安全性について御説明申し上げます。右下にページが振ってございますので、そのページを順次御説明申し上げます。

 まず9ページをごらんいただきたいと思うのですが、9ページには今回の臨床結果から得られました結論をまとめてございます。順に追っていきますと、ファビピラビルにつきましては、これまでウイルスの複製を阻害するということで臨床的にも強い増殖抑制効果が認められておりまして、これが特徴と考えてございます。

 その特徴自体は、ウイルス曝露が多い患者さん、具体的にはウイルス力価で見ておりますけれども、ウイルス力価の高い患者様で見ると非常に顕著にあらわれているところでございます。このことを反映いたしまして、重症化する可能性のある、例えばウイルス曝露が高くて、なおかつ症状の程度が重い患者、あるいはウイルス曝露が高くて、なおかつ治療開始がおくれている患者につきまして、患者セグメントを見ますと高い有益性を示していることがわかってございます。

 一方、安全性に関しましては、服用した患者は必ず尿酸が上がるのですけれども、尿酸値上昇は認められますが、それを除くと有害事象及び副作用等も発現頻度あるいは程度自体はプラセボと変わってございません。これまで日本及び米国、海外含めまして1,000人以上の患者様に投与されておりますが、米国の試験で見る限りは重篤な副作用は出ておりません。

 現在、添付文書上は妊婦又は妊娠している可能性のある女性へは禁忌となってございますので、こういった患者様についてはまだ投与されていませんのでわかりませんが、これ以外の成人のインフルエンザ患者につきましては既に安全性のプロファイルは確立されていると判断してございます。

 こういったところから、新型あるいは再興型インフルエンザウイルス感染症への将来的な備えとしてファビピラビルが寄与すると考えてございます。

10ページ、今回ちょっと用法・用量が複数出てきますのでちょっと整理したいのですけれども、米国の第3相試験は、初日が1800mg×2回、それ以降は800mg×2回でトータル10グラムになってございます。これを1800/800mg BIDと今回御説明申し上げます。一方、日本は米国の用法よりも若干低くて、初日が1600mg×2回、2日目以降600mg×2回でトータル8gになります。これを1600/600mg BIDと御説明申し上げます。

 申請時はさらに低くて、初回のみ1200mg、それ以降は1回400mgでトータル4.8gになりまして、これを1200/400mg BIDと称します。

 これをもとに、まず11ページから「米国第3相試験成績−季節性インフルエンザに対する成績−」の御説明を申し上げます。

 季節性インフルエンザとして治験をやっておりますので、ファビピラビルにとってはサロゲートな疾患で評価したことになります。

12ページは、先ほど山田が申し上げましたように、本米国試験につきましては米国国防総省のファンドで実施してございます。

13ページ目に行きまして、これが「米国第3相試験の概要」になるかと思います。まず症状6症状です。熱は38度未満に回復するまでの時間になりますけれども、こういった症状及び熱が改善するまでの時間に関しまして2つ試験をやってございますが、ファビピラビルはプラセボと比べてUS316試験では14.4時間。一方、US317試験では6.1時間の短縮ということで、US316試験につきましては有意な差が認められました。

 一方、体温につきましては、米国はやっていなかったので我々で独自に解析をやりましたけれども、37度未満に回復するまでの時間ということで、ファビピラビルはプラセボと比べてUS316試験では19.8時間、317試験では11.5時間の短縮でございまして、こちらのほうは統計的にはいずれも有意になりました。

 一方、最大の特徴としておりますウイルス増殖抑制効果につきましては、投与翌日からプラセボに対して有意な差が認められてございます。ウイルス力価が定量下限未満になるまで、これは平均で見ておりますけれども、プラセボと比べて1日以上短縮させてございまして、その効果はウイルス型・亜型間で特に異なってはいなかったところでございます。

 一方、安全性に関しまして有害事象及び副作用の発現頻度はプラセボと変わってございません。

 また、重篤な有害事象につきましても先ほど申し上げましたようにファビピラビルとの因果関係が認められるものはございませんでした。

 血中濃度でございますが、米国の10gと日本の8gで比較してございますが、体格の差とかいろいろな問題がございまして、血中濃度は投与間で類似しているということで米国の試験を外挿することが可能と判断してございます。

14ページ目が米国の第3相「試験計画の概要」でございます。US316試験、US317試験いずれも基本的なデザインは異なってございません。ランダム化の二重盲検のプラセボ対照試験でございます。

 一方、異なっているところは、ランダム化比率でございますけれども、US316試験につきましては1対1の均等比率になってございますが、US317試験につきましては3対1で、実薬に多く割り付けられているところでございました。

 主要評価項目につきましては、主たるものがインフルエンザ6症状及び熱が改善するまでの時間ということで、6症状につきましては、下の注釈にございますように咳嗽、咽頭痛、頭痛、鼻閉、筋肉痛及び全身倦怠でございます。

 副次的な評価項目としまして、各症状の改善までの時間あるいはウイルス力価の経時推移でございますが、これはFDAとも協議いたしまして5日間連日測定しているところでございますので、これまで、インフルエンザのトライアルで5日間連続でウイルス力価を測定している試験はなかったのですけれども、今回、非常にきれいにデータがとれたところでございます。アセトアミノフェン使用量で、これはレスキュードラッグの使用量、安全性、PK、二次感染、日常生活ができるまでの時間として評価してございます。

15ページ目、こちらが米国の10g、用法・用量、1,800/800mg BIDと日本の8g1,600/600mg BIDの血中濃度の推移でございます。黒いほうが日本の承認用法・用量、赤い線が米国の10g1,800/800mg BIDの用法・用量でございます。グラフで見る限りは、最低濃度を見ると、大体、投与開始から48時間後ぐらいまでは日本の血中濃度のほうが若干高目になってございますが、それ以外はほとんど均一になってございますので、血中濃度から見ても2つの用法・用量のブリッジングでは外挿可能になるかと思います。

16ページ目が今回やりました米国試験の「主な患者背景」でございます。

 まず、年齢はちょっと記載してございませんけれども、US316試験が平均年齢41歳代、US317試験で39歳代でございますので、2つの試験の年齢は変わってございません。ウイルスの検出された型が若干違ってございまして、US316試験につきましてはH3型が75%ぐらいを占めてございます。

 一方、US317試験につきまして、2009年のH1型とH3型とB型がほぼ均一に出ているところでございます。このウイルスの分布がなぜ違うのかというと、シーズンが若干違いまして、US317試験は欧州を含めて試験をやっておりましたけれども、若干早くスタートしておりまして、2013/2014年で大体40%以上が集まってございます。

 一方、US316試験につきましては米国中心にやっておりまして、US317試験よりもスタートがおくれているところもありまして、2014/2015年シーズンで60%ぐらい集めています。ちょっと時期が違うことによってウイルス型・亜型の検出の比率が違っていると推察してございます。

17ページから結果を御説明いたしたいと思います。

 まず、6症状及び熱が改善するまでの時間につきまして、US316試験につきましては、プラセボが98.6時間に対しましてファビピラビルが84.2時間。一方、US317試験につきましてはプラセボが83.9時間に対しましてファビピラビルが77.8時間でございます。US317試験のプラセボの罹病期間の中央値が83.9時間というのは感覚としてはかなり短いかと考えてございます。

 参考までにいろいろ調べますと、オセルタミビルの米国でやりました第3相試験はプラセボが103.3時間、その後、日本国内でやりましたPhase 3のプラセボの時間が93.3時間で日本のほうが若干短くなっておりますけれども、今回、米国でやりましたUS317試験のプラセボはオセルタミビル開発当時の日本のプラセボよりもさらに短い時間になります。

18ページは、平熱になるまでの時間でございまして、US316試験につきましては、プラセボ67時間に対しましてファビピラビルが47.3時間。一方、317試験につきましては、プラセボ59.3時間に対しましてファビピラビルが47.8時間でございます。

19ページ目に、こちらはレスキュードラッグを使用しました「アセトアミノフェン使用量」でございます。平均と標準偏差のところの値を見ていただきたいと思うのですけれども、US316試験とUS317試験でアセトアミノフェンの使用量が異なってございまして、US316試験のほうが多目に使っております。こういったことからもUS317試験の疾患の程度が若干マイルドであったのではないかという気がいたします。

 ただ、それでもプラセボとファビピラビルのアセトアミノフェンの使用量の差を見ますと、US316試験、US317試験とも400mg程度の差が出てございまして、US317試験では有意な差が出ているところでございます。

 一方、アセトアミノフェンを使用していない患者さんの頻度が3割を超えているところでございますので、かなり高い頻度ではないかと考察しています。これまでもオセルタミビルの国内のPhase 3のときのアセトアミノフェンの使用量で未使用していた患者様の比率は、プラセボで20%、オセルタミビルで25%でございますので、それから見ても、今回、米国及び欧州でやった試験ではアセトアミノフェンを全く使用していない患者さんの頻度は高いと考えております。

20ページからウイルスの力価の御説明に入りたいと思います。これはファビピラビルの最も大きな特徴でございますが、投与開始から連日ウイルスを測定してございまして、投与2日目から有意な差でウイルス力価を減少させているところでございます。3日目の変化量を見ますと、これはlogでとっていますけれども、ファビピラビルが−1.9log10 TCID50/mL減少させているのに対しましてプラセボは−1.4log10 TCID50/mLです。一方、US317試験につきましてはファビピラビルが−2.6log10 TCID50/mLに対しましてプラセボが−1.9log10 TCID50/mLでございます。

 これはプラセボとやってございますので、具体的にどれぐらい下がっているのかを既存の対象薬をちょっと見ていましたけれども、連日ウイルス測定をしているものがなかなかございません。国内のペラミビルが第3相試験で投与開始日2日目、3日目と測定していたのがございまして、そのときのウイルスの減り方を見ますとペラミビル600mgで3日目で−1.71log10 TCID50/mL、対照薬としましてはオセルタミビルが3日目で−1.63log10 TCID50/mLでございますので、今回、米国でとりましたファビピラビルのウイルス力価の低下効果は既存薬のノイラミニダーゼ阻害薬と同等以上と判断してございます。

21ページ目にウイルス力価の減少効果につきましてウイルス型・亜型別に見てございます。こちらはいずれも、赤い線がファビピラビル投与時のウイルス力価の推移、青い線がプラセボの推移でございます。ファビピラビルのウイルス力価の推移が2つの両試験間でほとんど類似しているものでございまして、ウイルスが消失するまでの時間をファビピラビルとプラセボの差で見ますと、H1型で両試験で大体23.939.1時間、H3型で22.1時間〜23.6時間早く消失されている。B型につきましてはかなり早くて、41.642時間でございます。H3型、B型につきましては両試験で大体同じ成績でございましたが、H1型につきましては23.9時間から39.1時間で若干ばらつきはございましたけれども、H3型とH1型で大体ウイルスが消失する時間は変わらなかったところでございます。

22ページ目から安全性の方に移ります。まず「有害事象の要約の一覧」でございます。今回、尿酸は有害事象の評価に入れてございません。これは盲検性を確保するために試験中は尿酸値を主治医に開示していなかったところでございましたので尿酸の評価は入れてございませんが、それを除いたときの有害事象の発現率が出ておりますけれども、プラセボは30.7%に対しまして25.9%、US317試験につきましてもプラセボ25.1%に対しましてファビピラビルは28%で、プラセボとファビピラビルで有害事象発現率は変わってございません。

 その下の副作用の発現頻度を見ましても、US316試験ではプラセボで12.2%に対しましてファビピラビルは7.9%、US317試験でもプラセボ8.1%に対しましてファビピラビル10.1%でございますので、プラセボと変わらない有害事象及び副作用の発現頻度でございました。

23ページ目は「US316/US317(併合)の症状別有害事象の発現件数」を出してございます。最も多く出た有害事象がプラセボ、ファビピラビルとも変わらずに胃腸障害でございまして、その中でも下痢の発現頻度が最も高くて、プラセボが4.9%に対しましてファビピラビルが2.4%でございました。その次に、臨床検査の変動でプラセボ、ファビピラビルとも5%の発現頻度が出てございますが、血中トリグリセリド及びアラニン・アミノトランスフェラーゼ、ALTにつきましては、若干ファビピラビルのほうが0.5%程度高いところでございましたが、これは後ほどまたちょっと御説明したいと思います。

 ちなみに、US316試験、US317試験とも65歳以上の高齢者が含まれてございますけれども、65歳以上の高齢者の有害事象の発現頻度は、ファビピラビルがUS316試験で22.9%、プラセボが26.9%、US317試験につきましてはファビピラビルが8.8%、プラセボが20%でございますので、高齢者に投与したときの有害事象につきましてもプラセボと変わらない程度でございます。

24ページ、副作用の発現頻度になります。副作用の発現頻度を見ましてもファビピラビルとプラセボでほとんど変わっていないところでございます。

25ページ目に「重篤な有害事象一覧」が出てございますが、関連性が一番右に出てございますけれども、いずれも主治医から治験薬との関連はないと否定されているものでございますが、重篤な事象といたしましてファビピラビルでUS316試験では1名、US317試験では4名の患者に重篤な有害事象が報告されてございますが、いずれも副作用というものではございませんでした。

 ここまでがUS316試験の内容でございまして、これから国内のこれまでの成績あるいは米国試験でまとめましたファビピラビルの安全性の総括をしたいと思います。

27ページ目に「ファビピラビルの安全性の概要」がございます。

 まず、血中尿酸値の上昇を除く限り、これまで御報告しましたように有害事象及び副作用の発現頻度及び発現の程度は変わってございませんでした。一方、重篤な有害事象はファビピラビルにこれまで1例認められてございます。これまでファビピラビルは国内及び海外で2,000例以上の患者に使用されてございますけれども、重篤な有害事象として因果関係が否定できなかったものは1例のみでございまして、これは国内の第2相試験でございますのでかなり用量が低いときのものでございますけれども、血便排泄が1例ございました。このときの用量は初日が1回600mg×2回で2日目から600mg×1回なので、今の投与量から見るとかなり低用量でございますが、現在8gの投与量をした限りにおきましては、こういった血便排泄は出てきていないところでございます。

 予想される副作用というものが3つございますが、最も確実に出てくるものが、これまで出していますように血中尿酸値の上昇でございます。これはファビピラビルのメカニズムベースで発現するものでございまして、ファビピラビル及び代謝物が腎尿細管のトランスポーターに作用して尿酸の排泄を抑えてしまうことで尿酸が尿中に出ていかなくなることで尿酸値が上がるものでございます。ファビピラビルの血中濃度が消失すればトランスポーターが元に戻りますので、尿酸値もベースラインに回復するものでございます。これまでファビピラビルを投与した中で、尿酸の上昇に伴った痛風発作あるいは尿酸上昇に伴った腎障害は報告されておりません。

 これまでの臨床検査の推移を見る限りで、ある程度の頻度、ある程度といいましても1〜2%程度は出てくると予想されるのが肝酵素(ALT及びAST)の上昇でございます。これは後ほど説明いたしますけれども、投与が終了しますと比較的早期に回復する事象ではございました。一方、動物では認められていなくて、ヒトで、特に米国の試験で認められたものでございますけれども、血中トリグリセリドの上昇がございました。こちらは日本で10g1,800/800mg BIDを3週間投与した、これはエボラとか出血熱対策としまして検証した用量を3週間日本で使ってみたのですけれども、その投与の中では血中トリグリセリドの上昇は認められていませんでしたので、ちょっとこの原因についてはまだわからない部分がございます。

 潜在的な副作用といたしましては動物で認められておりますけれども、催奇形性でございまして胎児への影響が潜在的な副作用として考えられます。

28ページ目は尿酸の変化を見ておりますが、横軸が血中の曝露量、縦軸が尿酸の変化量でございまして、きれいに相関している図でございます。これは血中濃度依存的に尿酸値の変化が出てくるところでございます。

29ページ目に具体的な尿酸の変化量を見てございます。これは日本人で1,600/600mg BIDを5日間投与したときの尿酸の変化でございますが、投与開始と同時に上昇していきまして、投与終了時点で大体ベースラインから4mg/dL程度の上昇が認められてございます。これは血中濃度に依存して起きますので、濃度が消失していくに従いまして尿酸値もベースラインに復していくところで、終了48時間後には大体半分ぐらいまで下がりまして、終了1週間後にはベースラインに下がるところでございます。

 米国試験のほうで尿酸値がどれぐらい上がったかでございますが、米国の1,800/800mg BIDを投与したところ、女性で大体ベースラインから1.7mg/dL、男性で2.6mg/dLの変化量の平均でございましたので、日本人から見ると米国人のほうが尿酸の上がり幅は少なかったところでございます。

 先ほど出血熱対策としまして、米国の用法・用量を3週間日本人に投与したときの血中尿酸値の変動を見てございますが、このときは大体1週間ぐらいかけまして6mg/dLぐらいまで上昇いたします。ただ、尿酸値の変化量はそこで大体頭を打ちまして、その後2週間投与いたしましても5〜6mg/dL程度でずっと上昇していまして、この場合も投与終了から48時間後には尿酸値が半分ぐらいまで下がりまして、1週間後ではベースラインまで低下するところでございました。3週間投与した場合におきましても、尿酸変化、尿酸増加に伴う痛風発作は見られてございません。

30ページ目につきましては、肝酵素の平均の推移でございます。青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビルでございますが、平均の推移で見る限りは、投与期間を通しましてプラセボと全く変化してございません。ALTASTとも変化していないところでございます。これを100U/L以上の変動で投与15日間の中で見ておりますと、100U/L以上変動したものがALTではファビピラビルで0.47%、プラセボで0.28%でございます。ASTにつきましても、100U/L以上の変動で見ますと、ファビピラビルで0.54%、プラセボで0.28%でございますので、程度としましてはそれほど大きな変動ではなかったと判断しております。

31ページ目が日本人に投与したときのALTASTの推移でございます。基準範囲を青く塗っておったのですけれども、印刷の関係でちょっと見えなくなってございますけれども、青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビルでございますが、こちらで見てもプラセボと平均の推移は全く変わってございません。下の文章にありますように、米国の1,800/800mg BIDの3週間投与した場合も投与2週間まではASTALTとも全く変わらない変動でございました。その後、2週間を超えたあたりから若干変動している患者様もいますけれども、8名検討しまして2名の上昇が認められますが、これも投与終了1週間後にはベースラインまで回復したところでございます。

32ページ目が「血中トリグリセリドの推移」でございます。

 こちらも青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビルでございまして、左側が米国のデータ、右が日本人のデータでございますが、平均値の推移で見る限りは正常範囲内で推移しているところでございます。こちらは日本人の成績でこれまで出ていなくて、米国の第3相試験で認められたところ、プラセボに対しまして0.5%ぐらい高い頻度だったというところで出ておりましたけれども、投与15日目までの変化で見てございますので、インフルエンザが治った後の変化もカウントされていますので、もしかしたら食事の影響も出ているのかもしれませんが、その辺の原因はこれからもう少し突き詰める必要があるかと思います。

33ページ目でございますが、動物で認められております催奇形性で、これは動物の感受期すなわち器官形成期に親動物に投与しまして胎児に対する催奇形性を見たものでございます。マウス、ラット、ウサギ、サルで検討してございます。サルでは、大体ヒトの現在の承認用法・用量1,600/600mg BIDの曝露量の大体2倍を示す用法・用量で奇形が見られているところでございます。

 こちらは参考までにお手元に机上配付のみの非公開の資料がございますけれども、その4ページを見ていただきたいのです。33ページは感受期としたものでございますけれども、4ページは感受期が過ぎて器官形成期を終了してから分娩までの間に投与したものでございますが、この場合ラットに投与いたしましても胎児に対する奇形は認められておりませんので、かなり妊娠早期に投与しない限りは催奇形性のリスクは減弱するのではないかと考えてございます。

34ページ、こちらは、現在ファビピラビルは投与1週間後までは避妊期間に設定されてございまして、その根拠になるものでございます。ファビピラビル自体は精液に移行いたしますので、それがどれくらいの期間残っているかを推測したものでございます。米国で精液移行性試験をやってございますが、大体平均でいきますと血中濃度の半分ぐらいが精液に移行しています。ただ、人によっては2倍以上移行した方もございますので、2倍以上移行した方をベースにいたしまして血中濃度の消失との兼ね合いから精液中移行がどれぐらい残るかを見たものでございますが、2倍以上精液移行する人に関しましても投与終了5日後にはほとんど精液のほうからなくなってございますので、投与終了1週間、7日間の避妊期間を設定すれば精液から完全になくなっていることになりまして、それを根拠にして避妊期間を1週間と設定してございます。

 次のページから「薬物相互作用及び特殊集団への可能性」でございます。

36ページ目に「ファビピラビルの薬物相互作用の概要」を示してございます。まずファビピラビルと併用禁忌となる薬剤はございません。添付文書上、併用時に注意すべき薬剤は5剤提示してございますけれども、まず糖尿病薬でございますけれども、レパグリニド、これはファビピラビルがCYP2C8を阻害することがわかってございますので、レパグリニドとの相互作用におきまして、レパグリニドの血中濃度を1.21.5倍程度上昇させるところで併用時には注意でございます。

 テオフィリンにつきましては、併用するとファビピラビルの血中濃度が大体1.21.4倍程度上昇するところでございます。一方、テオフィリンの濃度につきましては、ファビピラビルは影響を及ぼしておりませんので、テオフィリンの毒性については特に問題はないと考えてございます。

 ファムシクロビル、スリンダクにつきましては、アルデヒドオキシターゼがファビピラビルの主代謝酵素でございますが、同じ代謝酵素を使っているところがありまして、この2剤はいずれも代謝物が活性体になりますので、活性体濃度を下げる可能性があるところで注意というところでございます。

 ピラジナミドにつきましては抗結核薬でございますけれども、同じメカニズムで血中尿酸値を上げるところがございます。こちらは併用試験をやってございまして、ピラジナミドを1日1.5g投与いたしますと、大体、投与5日目ぐらいで5〜6mg/dLぐらい血中尿酸値は上がりますが、そこにファビピラビルを加えますとさらに血中尿酸値が上がっていくところでございまして、相加的な上昇が認められておりますので併用注意というところでございます。

 一方、インフルエンザの際に最も併用される可能性の高いアセトアミノフェンにつきましては、特に用量調整はなく併用可能というところと、もう一つ重症なインフルエンザの場合は恐らく既存のノイラミニダーゼ阻害薬等との併用が考えられますけれども、オセルタミビルとの併用を見る限り薬物相互作用は全くないところでございます。

 以下、根拠データを示してございます。

37ページに「解熱剤(アセトアミノフェン)との併用」の結果が出てございます。

 平均の比で見ますと、併用したときに1.08なので血中濃度はほとんど上がってこない。曝露量につきましては併用時で1.1でございますので、若干10%程度上げるということなので、この程度の上昇は特に用量調整もなく併用可能でございます。

38ページ目が「同効薬(オセルタミビル)との併用」でございます。

 こちらもファビピラビルの血中濃度の変化が上の表で、下の表はオセルタミビルの血中濃度の変化でございますが、平均の比で見る限りはファビピラビル、オセルタミビルとも1前後で推移してございますので、お互い薬物相互作用はないというところで併用可能でございます。

 次に39ページ目「特殊集団への投与の概要」でございまして、こちらは肝障害の患者あるいは腎障害の患者への投与で考えてございます。

 肝障害につきましては、軽度から中等度への肝障害の患者様につきましては、血中濃度としましては大体2倍程度の上昇。濃度といいましてもこれは曝露量になりますけれども、曝露量が2倍上がると。一方、重症な肝障害につきましては曝露量が6倍程度でございます。こちらの障害の程度なのでございますが、Child-Pugh分類でやってございまして、重症の患者になりますと脳症が出たり、腹水がかなりの量出ているレベルでございますので、かなりの肝障害の患者さんになりますが、こういったレベルで見るところでございます。

 一方、腎障害につきましては血中濃度の上昇は軽微なものでございますので、特に問題なく使えるものでございます。ただ、透析患者につきましてはまだ投与例がないところでございますので、その辺の留意が必要かと思います。

40ページ目が肝障害患者へ投与した時の血中濃度の変化でございます。上が、軽度及び中等度の肝障害の患者の表でございます。下が重症の肝障害の患者の程度でございます。代謝酵素自体が肝に多くあるということで、肝障害があると代謝がおくれることがございますので、濃度が上がるよりは半減期がおくれることで血中曝露量がふえるところでございまして、大体、軽度から中等度ですと2倍程度の曝露量がふえる。一方、重症の患者でいきますと曝露量が最大6倍程度上がってくるということでございます。一方、血中濃度につきましては吸収には全く影響してございませんので、それほど大きく上がってこないところでございます。

41ページにつきましては、腎障害の患者への投与の成績でございます。こちらはクリアニチンクリアランスで分類されてございまして、重症な腎障害はクリアニチンクリアランスが30ml/min未満でございますけれども、重症な腎障害の患者に投与いたしますと、大体、血中の曝露量が1.3倍程度ふえるところでございますので、ファビピラビルの血中濃度のばらつきの範囲を考えましても、この程度であれば腎障害の患者様につきましては問題なく投与されると考えてございます。

42ページ目、こちらは重症な患者になりますとなかなか経口投与ができないこともございまして簡易懸濁製剤の安定性を見たものでございますが、ファビピラビルを1錠当たり55度程度の加温した水20mLぐらいを加えまして静置しておけばファビピラビルの簡易懸濁製剤ができまして、それを経管栄養チューブを用いて大体秒速2〜3mLの速度で注入する限りにおきましては、問題なく投与できるところまでは一応調べてございますが、この製剤を使った血中濃度のデータはまだとれておりませんので、同等性についてはちょっと担保がとりかねているところでございます。こういった投与方法につきましては以前ギニアでありましたエボラの患者への投与で提供してございます。

43ページから最後のまとめに入りたいと思いますけれども、「インフルエンザウイルス感染に対するファビピラビルの位置づけ」でございます。

44ページ目に「季節性インフルエンザの成績から新型・再興型への効果の考察」がございますが、これまでファビピラビルは季節性インフルエンザに対しまして適応を持っているわけではなくて、季節性インフルエンザの成績をどう新型・再興型インフルエンザに持っていくかでございますので、若干、帰納的な推察になりますけれども、まずファビピラビルを投与したときの特徴は、何回も申し上げますように抗ウイルス効果にございます。一方、新型・再興型インフルエンザを考えますと、今まで人類が経験したことのないインフルエンザでございますので、獲得免疫の発動はかなりおくれてくることによりまして、恐らくウイルスの曝露量がふえてくると考えてございます。

 こちらは表を示してございますが、参考程度に見ていただければわかるのですけれども、JP205試験が今まであったH1型でございます。JP312試験がパンデミック時にやりました試験でございます。H1型で見ると、これはlogでとっていますけれども、従来のH1型の投与開始時の患者の平均のウイルス力価が3.11log10TCID50/mL10³程度でございましたが、パンデミックになったときには10⁴を超える曝露になってございますので、恐らくこういったウイルス曝露が高くなってくることが想定されます。

 こういったウイルス効果につきまして、ファビピラビルの効果はノイラミニダーゼ阻害剤でありますオセルタミビルと同程度以上でありますし、高いウイルス曝露になっても効果が落ちてこないところが見られてございます。したがいまして、ウイルス曝露が高くて重症化する懸念のある患者につきまして高い有益性を示しているところをこれから御説明申し上げます。

45ページ目です。ウイルスの消失率を見ておりますので、グラフが高ければ高いほどよいというところでございます。青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビル投与時のウイルス消失率でございます。開始時のウイルス力価別に見てございまして、右に行けば行くほどウイルス力価の高い患者に対するウイルス消失率になります。左側がPCR陽性例全体で見たものでございますが、ウイルス力価が高くなるほどプラセボのウイルス消失率はどんどん下がってございます。一方、ファビピラビルも若干は下がるのですけれども、下がり方は非常に緩くて、ウイルス10³以上で全て有意差がとれてしまいますけれども、ウイルス力価が10⁵以上で見ますと、プラセボが22%に対しましてファビピラビルの消失率が60.9%で非常に顕著な差を示してございます。

 一方、右側でございますが、これは後ほどin vitroの感受性試験の結果が出てきますけれども、in vitroの感受性試験でファビピラビルの感受性が低いと思われる集団を抽出して同じことをやりましたけれども、抽出した患者集団で見ましてもウイルス力価は高くてもファビピラビルのウイルス消失率は変わってございません。

46ページ目はウイルス亜型別に見たものでございますが、H1型あるいはH3型を見ましてもウイルス力価が高くてもファビピラビルのウイルス消失率は変わってございません。

47ページ目はB型で見ていますけれども、B型につきましてもウイルス力価が高くてもファビピラビルの消失率は変わってこなくて、B型につきましてはウイルス10⁵以上の患者さんにつきまして有意な差が出ているところでございます。

 こういったウイルス効果が既存薬と比べてどの程度あるのかでございますが、あいにく今の1,600/600mg BIDと既存薬との比較をしたものがございません。これは国内第3相試験でございますので、4.8gのときのウイルスの3日目の消失率を見ているものでございますが、いずれもファビピラビルとオセルタミビルで遜色ないものでございます。数字的には若干ファビピラビルが上回っている程度でございますが、遜色ない結果でございます。

 このときの4.8gの投与量に対しましてこの成績がございましたので、恐らく今の8g1,600/600mg BIDの投与でいきますとこれを下回ることはないことは容易に推察できます。

 そのときの血中濃度でございますが、49ページ目にございます。左側が1,200/400mg BID4.8g投与時の健康成人の血中濃度、右側が1,600/600mg BID、8gのときの健康成人の血中濃度でございます。見た目でわかるとおりかなり血中濃度が高くなってございまして、血中濃度でいきますと大体1.21.5倍程度、現在の承認用法・用量よりは高く出ておりますし、血中曝露量でいきますと1.51.8倍程度高いところでございますので、恐らく今のファビピラビルの成績はノイラミニダーゼ阻害薬と同程度以上と考察してございます。

 このとき、第3相試験でもウイルス力価別に見たものがございまして、50ページに示してございます。これも3日目の消失率を見てございますが、グリーンになっているのがオセルタミビルの3日目の消失率、赤いものがファビピラビルの消失率でございます。このときはパンデミックもありましたのでかなり全体的にウイルス力価が高かったのでございますが、10⁶以上の患者様で見ますと、オセルタミビルが48.3%の消失率に対しましてファビピラビルが65.4%で有意な差となってあらわれたということでございますので、ウイルス力価が高いところでファビピラビルの特徴はより顕著に出てくるところが特徴になるかと思います。

 同じような傾向が動物試験で見ても出ておりまして、51ページを見ていただくとわかるのですが、これはマウス感染モデルでウイルス感染してサバイバルを見たものでございます。左側が感染価が10²時のものでございます。このときは赤いファビピラビルの生存曲線とグリーンのオセルタミビルの生存曲線はほとんど差がなくて、同じように死亡を抑制しているところでございますが、これを10⁴の感染価にかけますとファビピラビルは生存を抑えておりますけれども、オセルタミビルは生存率を抑え切れていないところで非常に顕著な差となってあらわれてくるところでございまして、こういった事象は非臨床成績あるいは臨床成績共通で見られている事象と考えてございます。

 こういったことを考慮いたしまして、臨床で重症化する懸念のある患者に使うとどうなのかを、限られた範囲ではございますけれども、若干考察いたしました。

 こちらは治療開始時の症状をスコア化しているのですけれども、ソートをかけまして症状を25%ごとに高い順で並べかえたもの、同じくそれとウイルス力価をクロスで集計した16分割の表でございます。右に行けば行くほど症状は重くなる、下に行けば行くほどウイルス力価が高くなるものでございまして、ハザードの比で見てございます。ハザードの比で見ていますので、1であればプラセボとファビピラビルでは等しいということでございますが、1を超えてくるとファビピラビルの改善が早い、1を下回ればプラセボのほうが改善が早いというところでございます。1よりも大きくなればなるほどより早くなってくるところでございますが、一番重いと考えられます右下の赤い枠で囲ったところでございますけれども、症状スコアとウイルス力価で見ますとハザード比が1.54でファビピラビルの改善がかなり速いことがわかります。

 同じように発症から投与治療開始までの時間も4分割で見ておりますけれども、右に行けば行くほど治療開始が遅くなる、下に行けば行くほどウイルス力価が高くなるところでございます。やはり赤い枠で囲ったところのハザード比が2.04でございますので、ファビピラビルの改善が早いところでございます。

 こちらの2つをカプランマイヤーのプロットで見たものを53ページ目に記載してございます。こちらはちょっとデータを併合していますので、p値は参考にしていただければいいかと思うのですけれども、カプランマイヤーの形を見る限りは末広がりなシェープになってございます。このような患者セグメントの中でも症状の改善が遷延していく患者が結構いるところがわかるかと思いますが、ファビピラビルを使うことによって症状の遷延がかなり抑えられているところがわかるかと思います。こういったころから重症化する懸念のある患者に対しましてファビピラビルの抑制効果が出ていると考えてございます。

 同じように3つの要因でやっておりますので、最後54ページに、では発症がおくれて、なおかつ症状が重かった患者はどうなのかというカプランマイヤーでございますが、こちらも症状が遷延している患者に対しましてファビピラビルが強く抑えていることがカプランマイヤーのプロットからわかるかと思います。

 以上、ファビピラビルの特徴が抗ウイルス効果に基づきました重症抑制化で有用であると考えてございます。

 臨床からは以上でございます。

○櫻井参考人 富山化学の櫻井でございます。

 私のほうから、臨床試験から見られました有効性及び安全性について御説明申し上げます。右下にページが振ってございますので、そのページを順次御説明申し上げます。

 まず9ページをごらんいただきたいと思うのですが、9ページには今回の臨床結果から得られました結論をまとめてございます。順に追っていきますと、ファビピラビルにつきましては、これまでウイルスの複製を阻害するということで臨床的にも強い増殖抑制効果が認められておりまして、これが特徴と考えてございます。

 その特徴自体は、ウイルス曝露が多い患者さん、具体的にはウイルス力価で見ておりますけれども、ウイルス力価の高い患者様で見ると非常に顕著にあらわれているところでございます。このことを反映いたしまして、重症化する可能性のある、例えばウイルス曝露が高くて、なおかつ症状の程度が重い患者、あるいはウイルス曝露が高くて、なおかつ治療開始がおくれている患者につきまして、患者セグメントを見ますと高い有益性を示していることがわかってございます。

 一方、安全性に関しましては、飲んだ患者は必ず尿酸が上がるのですけれども、尿酸値上昇は認められますが、それを除くと有害事象及び副作用等も発現頻度あるいは程度自体はプラセボと変わってございません。これまで日本及び米国、海外含めまして1,000人以上の患者様に投与されておりますが、米国の試験で見る限りは重篤な副作用は出ておりません。

 現在、添付文書上は妊婦又は妊娠している可能性のある女性へは禁忌となってございますので、こういった患者様についてはまだ投与されていませんのでわかりませんが、これ以外の成人のインフルエンザ患者につきましては既に安全性のプロファイルは確立されていると判断してございます。

 こういったところから、新型あるいは再興型インフルエンザウイルス感染症への将来的な備えとしてファビピラビルが寄与すると考えてございます。

10ページ、今回ちょっと用法・用量が複数出てきますのでちょっと整理したいのですけれども、米国の第3相試験は、初日が1800mg×2回、それ以降は800mg×2回でトータル10グラムになってございます。これを1800/800mg BIDと今回御説明申し上げます。一方、日本は米国の用法よりも若干低くて、初日が1600×2回、2日目以降600mg×2回でトータル8gになります。これを1600/600mg BIDと御説明申し上げます。

 申請時はさらに低くて、初回のみ1200mg、それ以降は1回400mgでトータル4.8gになりまして、これを1200/400mg BIDと称します。

 これをもとに、まず11ページから「米国第3相試験成績−季節性インフルエンザに対する成績−」の御説明を申し上げます。

 季節性インフルエンザとして治験をやっておりますので、ファビピラビルにとってはサロゲートな疾患で評価したことになります。

12ページは、先ほど山田が申し上げましたように、本米国試験につきましては米国国防総省のファンドで実施してございます。

13ページ目に行きまして、これが「米国第3相試験の概要」になるかと思います。まず症状6症状です。熱は38度未満に回復するまでの時間になりますけれども、こういった症状及び熱が改善するまでの時間に関しまして2つ試験をやってございますが、ファビピラビルはプラセボと比べてUS316試験では14.4時間。一方、US317試験では6.1時間の短縮ということで、US316試験につきましては有意な差が認められました。

 一方、体温につきましては、米国はやっていなかったので我々で独自にやりましたけれども、37度未満に回復するまでの時間ということで、ファビピラビルはプラセボと比べてUS316試験では19.8時間、317試験では11.5時間の短縮でございまして、こちらのほうは統計的にはいずれも有意になりました。

 一方、最大の特徴としておりますウイルス増殖抑制効果につきましては、投与翌日からプラセボに対して有意な差が認められてございます。ウイルス力価が定量下限未満になるまで、これは平均で見ておりますけれども、プラセボと比べて1日以上短縮させてございまして、その効果はウイルス型・亜型間で特に異なってはいなかったところでございます。

 一方、安全性に関しまして有害事象及び副作用の発現頻度はプラセボと変わってございません。

 また、重篤な有害事象につきましても先ほど申し上げましたようにファビピラビルとの因果関係が認められるものはございませんでした。

 血中濃度でございますが、米国の10gと日本の8gで比較してございますが、体格の差とかいろいろな問題がございまして、血中濃度は投与間で類似しているということで米国の試験を外挿することが可能と判断してございます。

14ページ目が米国の第3相「試験計画の概要」でございます。US316試験、US317試験いずれも基本的なデザインは異なってございません。ランダム化の二重盲検のプラセボ対照試験でございます。

 一方、異なっているところは、ランダム比率でございますけれども、US316試験につきましては1対1の均等比率になってございますが、US317試験につきましては3対1で、実薬に多く割り付けられているところでございました。

 主要評価項目につきましては、主たるものがインフルエンザ6症状及び熱が改善するまでの時間ということで、6症状につきましては、下の注釈にございますように咳嗽、咽頭痛、頭痛、鼻閉、筋肉痛及び全身倦怠でございます。

 副次的な評価項目としまして、各症状の改善までの時間あるいはウイルス力価の継時推移でございますが、これはFDAとも協議いたしまして5日間連日測定しているところでございますので、これまで、インフルエンザのトライアルで5日間連続でウイルス力価を測定している試験はなかったのですけれども、今回、非常にきれいにデータがとれたところでございます。アセトアミノフェン使用量で、これはレスキュードラッグの使用量、安全性、PK、二次感染、日常生活ができるまでの時間として評価してございます。

15ページ目、こちらが米国の10g、用法・用量、1,800/800mg BIDと日本の8g1,600/600mg BIDの血中濃度の推移でございます。黒いほうが日本の承認用法・用量、赤い線が米国の10g1,800/800mg BIDの用法・用量でございます。グラフで見る限りは、最低濃度を見ると、大体、投与開始から48時間後ぐらいまでは日本の血中濃度のほうが若干高目になってございますが、それ以外はほとんど均一になってございますので、血中濃度から見ても2つの用法・用量のブリッジングでは外挿可能になるかと思います。

16ページ目が今回やりました米国試験の「主な患者背景」でございます。

 まず、年齢はちょっと記載してございませんけれども、US316試験が平均年齢41歳代、US317試験で39歳代でございますので、2つの試験の年齢は変わってございません。ウイルスの検出された型が若干違ってございまして、US316試験につきましてはH3型が75%ぐらいを占めてございます。

 一方、US317試験につきまして、2009年のH1型とH3型とB型がほぼ均一に出ているところでございます。このウイルスの分布がなぜ違うのかというと、シーズンが若干違いまして、US317試験は欧州を含めて試験をやっておりましたけれども、若干早くスタートしておりまして、2013年、2014年で大体40%以上が集まってございます。

 一方、US316試験につきましては米国中心にやっておりまして、US317試験よりもスタートがおくれているところもありまして、2014年、2015年シーズンで60%ぐらい集めている。ちょっと時期が違うことによってウイルスの検出の比率が違っていると推察してございます。

17ページから結果を御説明いたしたいと思います。

 まず、6症状及び熱が改善するまでの時間につきまして、US316試験につきましては、プラセボが98.6時間に対しましてファビピラビルが84.2時間。一方、US317試験につきましてはプラセボが83.9時間に対しましてファビピラビルが77.8時間でございます。US317試験のプラセボの罹病期間の中央値が83.9時間というのは感覚としてはかなり短いかと考えてございます。

 参考までにいろいろ調べますと、オセルタミビルの米国でやりました第3相試験はプラセボが103.3時間、その後、日本国内でやりましたPhase 3のプラセボの時間が93.3時間で日本のほうが若干短くなっておりますけれども、今回、米国でやりましたUS317試験のプラセボはオセルタミビル開発当時の日本のプラセボよりもさらに短い時間になります。

18ページは、平熱になるまでの時間でございまして、US316試験につきましては、プラセボ67時間に対しましてファビピラビルが47.3時間。一方、317試験につきましては、プラセボ59.3時間に対しましてファビピラビルが47.8時間でございます。

19ページ目に、こちらはレスキュードラッグを使用しました「アセトアミノフェン使用量」でございます。平均と標準偏差のところの値を見ていただきたいと思うのですけれども、US316試験とUS317試験でアセトアミノフェンの使用量が異なってございまして、US316試験のほうが多目に使っております。こういったことからもUS317試験の疾患の程度が若干マイルドであったのではないかという気がいたします。

 ただ、それでもプラセボとファビピラビルのアセトアミノフェンの使用量の差を見ますと、US316試験、US317試験とも400mg程度の差が出てございまして、US317試験では有意な差が出ているところでございます。

 一方、アセトアミノフェンを使用していない患者さんの頻度が3割を超えているところでございますので、かなり高い頻度ではないかと考察しています。これまでもオセルタミビルの国内のPhase 3のときのアセトアミノフェンの使用量で未使用していた患者様の比率は、プラセボで20%、オセルタミビルで25%でございますので、それから見ても、今回、米国及び欧州でやったアセトアミノフェンの使用量の全く使用していない患者さんの頻度は高くなるところでございます。

20ページからウイルスの力価の御説明に入りたいと思います。これはファビピラビルの最も大きな特徴でございますが、投与開始から連日ウイルスを測定してございまして、投与2日目から有意な差でウイルス力価を減少させているところでございます。3日目の変化量を見ますと、これはlogでとっていますけれども、ファビピラビルが−1.9log TCID50/mL減少させているのに対しましてプラセボは−1.4log TCID50/mLです。一方、US317試験につきましてはファビピラビルが−2.6log TCID50/mLに対しましてプラセボが−1.9TCID50/mLでございます。

 これはプラセボとやってございますので、具体的にどれぐらい下がっているのかを既存の対象薬をちょっと見ていましたけれども、連日ウイルス測定をしているものがなかなかございません。国内のペラミビルが第3相試験で投与開始日2日目、3日目と測定していたのがございまして、そのときのウイルスの減り方を見ますとペラミビル600mgで3日目で−1.71log TCID50/mL、対象薬としましてはオセルタミビルが3日目で−1.63TCID50/mLでございますので、今回、米国でとりましたファビピラビルのウイルス力価の低下効果は既存薬のノイラミニダーゼ阻害薬と同等以上と判断してございます。

21ページ目にウイルス力価の減少効果につきましてウイルス型・亜型別に見てございます。こちらはいずれも、赤い線がファビピラビル投与時のウイルス力価の推移、青い線がプラセボの推移でございます。ファビピラビルのウイルス力価の推移が2つの両試験間でほとんど類似しているものでございまして、ウイルスが消失するまでの時間をファビピラビルとプラセボの差で見ますと、H1型で両試験で大体23.939.1時間、H3型で22.1時間〜23.6時間早く消失されている。B型につきましてはかなり早くて、41.642時間でございます。H3型、B型につきましては両試験で大体同じ成績でございましたが、H1型につきましては23.9時間から39.1時間で若干ばらつきはございましたけれども、H3型とH1型で大体ウイルスが消失する時間は変わらなかったところでございます。

22ページ目から安全性の方に移ります。まず「有害事象の要約の一覧」でございます。今回、尿酸は有害事象の評価に入れてございません。これは盲検性を確保するために試験中は尿酸値を主治医に開示していなかったところでございましたので尿酸の評価は入れてございませんが、それを除いたときの有害事象の発現比率が出ておりますけれども、プラセボは30.7%に対しまして25.9%、US317試験につきましてもプラセボ25.1%に対しましてファビピラビルは28%で、プラセボとファビピラビルで有害事象発現比率は変わってございません。

 その下の副作用の発現頻度を見ましても、US316試験ではプラセボで12.2%に対しましてファビピラビルは7.9%、US317試験でもプラセボ8.1%に対しましてファビピラビル10.1%でございますので、プラセボと変わらない有害事象及び副作用の発現頻度でございました。

23ページ目は「US316/US317(併合)の症状別有害事象の発現件数」を出してございます。」最も多く出た有害事象がプラセボ、ファビピラビルとも変わらずに胃腸障害でございまして、その中でも下痢の発現頻度が最も高くて、プラセボが4.9%に対しましてファビピラビルが2.4%でございました。その後、臨床検査の変動でプラセボ、ファビピラビルとも5%の発現頻度が出てございますが、血中トリグリセリド及びアラニン・アミノトランスフェラーゼ、ALTにつきましては、若干ファビピラビルのほうが0.5%程度高いところでございましたが、これは後ほどまたちょっと御説明したいと思います。

 ちなみに、US316試験、US317試験とも65歳以上の高齢者が含まれてございますけれども、65歳以上の高齢者の有害事象の発現頻度は、ファビピラビルがUS316試験で22.9%、プラセボが26.9%、US317試験につきましてはファビピラビルが8.8%、プラセボが20%でございますので、高齢者に投与したときの有害事象につきましてもプラセボと変わらない程度でございます。

24ページ、副作用の発現頻度になります。副作用の発現頻度を見ましてもファビピラビルとプラセボでほとんど変わっていないところでございます。

25ページ目に「重篤な有害事象一覧」が出てございますが、関連性が一番右に出てございますけれども、いずれも主治医から治験薬との関連はないと否定されているものでございますが、重篤な事象といたしましてファビピラビルでUS316試験では1名、US317試験では4名の患者に重篤な有害事象が報告されてございますが、いずれも副作用というものではございませんでした。

 ここまでがUS316試験の内容でございまして、これから国内のこれまでの成績あるいは米国試験でまとめましたファビピラビルの安全性の総括をしたいと思います。

27ページ目に「ファビピラビルの安全性の概要」がございます。

 まず、血中尿酸値の上昇を除く限り、これまで御報告しましたように有害事象及び副作用の発現頻度及び発現の程度は変わってございませんでした。一方、重篤な有害事象はファビピラビルにこれまで1例認められてございます。これまでファビピラビルは国内及び海外で2,000例以上の患者に使用されてございますけれども、重篤な有害事象として因果関係が否定できなかったものは1例のみでございまして、これは国内の第2相試験でございますのでかなり用量が低いときのものでございますけれども、血便排泄が1例ございました。このときの用量は1回600mg×2回で2日目から600mg×1回なので、今の投与量から見るとかなり低用量でございますが、現在8gの投与量をした限りにおきましては、こういった血便排泄は出てきていないところでございます。

 予想される副作用というものが3つございますが、最も確実に出てくるものが、これまで出していますように血中尿酸値の上昇でございます。これはファビピラビルのメカニズムベースで発現するものでございまして、ファビピラビル及び代謝物が腎尿細管のトランスポーターに作用して尿酸の排泄を抑えてしまうことで尿酸が尿中に出ていかなくなることで尿酸値が上がるものでございます。ファビピラビルの血中濃度が消失すればトランスポーターが元に戻りますので、尿酸値もベースラインに回復するものでございます。これまでファビピラビルを投与した中で、尿酸の上昇に伴った痛風発作あるいは尿酸上昇に伴った腎障害は報告されておりません。

 これまでの臨床検査の推移を見る限りで、ある程度の頻度、ある程度といいましても1〜2%程度は出てくると予想されるのが肝酵素(ALT及びAST)の上昇でございます。これは後ほど説明いたしますけれども、投与が終了しますと比較的早期に回復する事象ではございました。一方、動物では認められていなくて、ヒトで、特に米国の試験で認められたものでございますけれども、血中トリグリセリドの上昇がございました。こちらは日本で10g1,800/800mg BIDを3週間投与した、これはエボラとか出血熱対策としまして検証した用量を3週間日本で使ってみたのですけれども、その投与の中では血中トリグリセリドの上昇は認められていませんでしたので、ちょっとこの原因についてはまだわからない部分がございます。

 潜在的な副作用といたしましては動物で認められておりますけれども、催奇形性でございまして胎児への影響が潜在的な副作用として考えられます。

28ページ目は尿酸の変化を見ておりますが、横軸が血中の曝露量、縦軸が尿酸の変化量でございまして、きれいに相関している図でございます。これは血中濃度依存的に尿酸値の変化が出てくるところでございます。

29ページ目に具体的な尿酸の変化量を見てございます。これは日本人で1,600/600mg BIDを5日間投与したときの尿酸の変化でございますが、投与開始と同時に上昇していきまして、投与終了時点で大体ベースラインから4mg/dL程度の上昇が認められてございます。これは血中濃度に依存して起きますので、濃度が生じていくに従いまして尿酸値もベースラインに復していくところで、終了48時間後には大体半分ぐらいまで下がりまして、終了1週間後にはベースラインに下がるところでございます。

 米国試験のほうで尿酸値がどれぐらい上がったかでございますが、米国の1,800/800mg BIDを投与したところ、女性で大体ベースラインから1.7mg/dL、男性で2.6mg/dLの変化量の平均でございましたので、日本人から見ると米国人のほうが尿酸の上がり幅は少なかったところでございます。

 先ほど出血熱対策としまして、米国の用法・用量を3週間日本人に投与したときの血中尿酸値の変動を見てございますが、このときは大体1週間ぐらいかけまして6mg/dLぐらいまで上昇いたします。ただ、尿酸値の変化量はそこで大体頭を打ちまして、その後2週間投与いたしましても5〜6mg/dL程度でずっと上昇していまして、この場合も投与終了から48時間後には尿酸値が半分ぐらいまで下がりまして、1週間後では低下するところでございました。3週間投与した場合におきましても、尿酸変化、尿酸増加に伴う痛風発作は見られてございません。

30ページ目につきましては、肝酵素の平均の推移でございます。青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビルでございますが、平均の推移で見る限りは、投与期間を通しましてプラセボと全く変化してございません。ALTASTとも変化していないところでございます。これを100U/L以上の変動で投与15日間の中で見ておりますと、100U/L以上変動したものがALTではファビピラビルで0.47%、プラセボで0.28%でございます。ASTにつきましても、100U/L以上の変動で見ますと、ファビピラビルで0.54%、プラセボで0.28%でございますので、程度としましてはそれほど大きな変動ではなかったと判断しております。

31ページ目が日本人に投与したときのALTASTの推移でございます。基準範囲を青く塗っておったのですけれども、印刷の関係でちょっと見えなくなってございますけれども、青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビルでございますが、こちらで見てもプラセボと平均の推移は全く変わってございません。下の文章にありますように、米国の1,800/800mg BIDの3週間投与した場合も投与2週間まではASTALTとも全く変わらない変動でございました。その後、2週間を超えたあたりから若干変動している患者様もいますけれども、8名検討しまして2名の上昇が認められますが、これも投与終了1週間後にはベースラインまで回復したところでございます。

32ページ目が「血中トリグリセリドの推移」でございます。

 こちらも青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビルでございまして、左側が米国のデータ、右が日本人のデータでございますが、平均値の推移で見る限りは正常範囲内で推移しているところでございます。こちらは日本人の成績でこれまで出ていなくて、米国の第3相試験で認められたところ、プラセボに対しまして0.5%ぐらい高い頻度だったというところで出ておりましたけれども、投与15日目までの変化で見てございますので、インフルエンザが治った後の変化もカウントされていますので、もしかしたら食事の影響も出ているのかもしれませんが、その辺の原因はこれからもう少し突き詰める必要があるかと思います。

33ページ目でございますが、動物で認められております催奇形性で、これは動物の感受期すなわち器官形成期に親動物に投与しまして胎児に対する催奇形性を見たものでございます。マウス、ラット、ウサギ、サルで検討してございます。サルでは、大体ヒトの現在の承認用法・用量1,600/600mg BIDの曝露量の大体2倍を示す用法・用量で奇形が見られているところでございます。

 こちらは参考までにお手元に机上配付のみの非公開の資料がございますけれども、その4ページを見ていただきたいのです。33ページは感受期としたものでございますけれども、4ページは感受期が過ぎて器官形成期を終了してから分娩までの間に投与したものでございますが、この場合ラットに投与いたしましても胎児に対する奇形は認められておりませんので、かなり妊娠早期に投与しない限りは催奇形性のリスクは減弱するのではないかと考えてございます。

34ページ、こちらは、現在ファビピラビルは投与1週間後までは避妊期間に設定されてございまして、その根拠になるものでございます。ファビピラビル自体は精液に移行いたしますので、それがどれくらいの期間残っているかを推測したものでございます。米国で精液移行性試験をやってございますが、大体平均でいきますと血中濃度の半分ぐらいが精液に移行しています。ただ、人によっては2倍以上移行した方もございますので、2倍以上移行した方をベースにいたしまして血中濃度の消失との兼ね合いから精液中移行がどれぐらい残るかを見たものでございますが、2倍以上精液移行する人に関しましても投与終了5日後にはほとんど精液のほうからなくなってございますので、投与終了1週間、7日間の避妊期間を設定すれば精液から完全になくなっていることになりまして、それを根拠にして避妊期間を1週間と設定してございます。

 次のページから「薬物相互作用及び特殊集団への可能性」でございます。

36ページ目に「ファビピラビルの薬物相互作用の概要」を示してございます。まずファビピラビルと併用禁忌となる薬剤はございません。添付文書上、併用時に注意すべき薬剤は5剤提示してございますけれども、まず糖尿病薬でございますけれども、レパグリニド、これはファビピラビルがCYP2C8を阻害することがわかってございますので、レパグリニドとの相互作用におきまして、レパグリニドの血中濃度を1.21.5倍程度上昇させるところで平常時には注意でございます。

 テオフィリンにつきましては、併用するとファビピラビルの血中濃度が大体1.21.4倍程度上昇するところでございます。一方、テオフィリンの濃度につきましては、ファビピラビルは影響を指し示しておりませんので、テオフィリンの毒性については特に問題はないと考えてございます。

 ファムシクロビル、スリンダクにつきましては、アルデヒドオキシターゼがファビピラビルの主代謝酵素でございますが、同じ代謝酵素を使っているところがありまして、この2剤はいずれも代謝物が活性体になりますので、活性体濃度を下げる可能性があるところで注意というところでございます。

 ピラジナミドにつきましては抗結核薬でございますけれども、同じメカニズムで血中尿酸値を上げるところがございます。こちらは併用試験をやってございまして、ピラジナミドを1日1.5g投与いたしますと、大体、投与5日目ぐらいで5〜6mg/dLぐらい血中尿酸値は上がりますが、そこにファビピラビルを加えますとさらに血中尿酸値が上がっていくところでございまして、相加的な上昇が認められておりますので併用注意というところでございます。

 一方、インフルエンザの際に最も併用される可能性の高いアセトアミノフェンにつきましては、特に用量調整はなく併用可能というところと、もう一つ重症なインフルエンザの場合は恐らく既存のノイラミニダーゼ阻害薬等との併用が考えられますけれども、オセルタミビルとの併用を見る限り薬物相互作用は全くないところでございます。

 以下、根拠データを示してございます。

37ページに「解熱剤(アセトアミノフェン)との併用」の結果が出てございます。

 平均の比で見ますと、併用したときに血中濃度が1.08 µ g/mLなので血中濃度はほとんど上がってこない。曝露量につきましては併用時で1.1 µ ghr/mLでございますので、若干10%程度上げるということなので、この程度の上昇は特に用量調整もなく併用可能でございます。

38ページ目が「同効薬(オセルタミビル)との併用」でございます。

 こちらもファビピラビルの血中濃度の変化が上の表で、下の表はオセルタミビルの血中濃度の変化でございますが、平均の比で見る限りはファビピラビル、オセルタミビルとも1µ g/mL前後で推移してございますので、お互い薬物相互作用はないというところで併用可能でございます。

 次に39ページ目「特殊集団への投与の概要」でございまして、こちらは肝障害の患者あるいは腎障害の患者への投与で考えてございます。

 肝障害につきましては、軽度から中等度への肝障害の患者様につきましては、血中濃度としましては大体2倍程度の上昇。濃度といいましてもこれは曝露量になりますけれども、曝露量が2倍上がると。一方、重症な肝障害につきましては曝露量が6倍程度でございます。こちらの障害の程度なのでございますが、Child-Pugh分類でやってございまして、重症の患者になりますと脳症が出たり、腹水がかなりの量出ているレベルでございますので、かなりの肝障害の患者さんになりますが、こういったレベルで見るところでございます。

 一方、腎障害につきましては血中濃度の上昇は軽微なものでございますので、特に問題なく使えるものでございます。ただ、透析患者につきましてはまだ投与例がないところでございますので、その辺の留意が必要かと思います。

40ページ目が肝障害患者へ投与した時の血中濃度の変化でございます。上が、軽度及び中等度の肝障害の患者の表でございます。下が重傷の肝障害の患者の程度でございます。代謝酵素自体が肝に多くあるということで、肝障害があると代謝がおくれることがございますので、濃度が上がるよりは半減期がおくれることで血中曝露量がふえるところでございまして、大体、軽度から中等度ですと2倍程度の曝露量がふえる。一方、重症の患者でいきますと曝露量が最大6倍程度上がってくるということでございます。一方、血中濃度につきましては吸収には全く影響してございませんので、それほど大きく上がってこないところでございます。

41ページにつきましては、腎障害の患者への投与の成績でございます。こちらはクリアニチンクリアランスで分類されてございまして、重症な腎障害はクリアニチンクリアランスが30ml/min未満でございますけれども、重症な腎障害の患者に投与いたしますと、大体、血中の曝露量が1.3倍程度ふえるところでございますので、ファビピラビルの血中濃度のばらつきの範囲を考えましても、この程度であれば腎障害の患者様につきましては問題なく投与されると考えてございます。

42ページ目、こちらは重症な患者になりますとなかなか経口投与ができないこともございまして簡易製剤の安定性を見たものでございますが、ファビピラビルを1錠当たり55度程度の加温した水20mLぐらいを加えまして静置しておけばファビピラビルの簡易製剤ができまして、それを大体秒速2〜3mLの速度で注入する限りにおきましては、問題なく投与できるところまでは一応調べてございますが、この製剤を使った血中濃度のデータはまだとれておりませんので、同等性についてはちょっと担保がとりかねているところでございます。こういった投与方法につきましては以前ギニアでありましたエボラの患者への投与で提供してございます。

43ページから最後のまとめに入りたいと思いますけれども、「インフルエンザウイルス感染に対するファビピラビルの位置づけ」でございます。

44ページ目に「季節性インフルエンザの成績から新型・再興型への効果の考察」がございますが、これまでファビピラビルは季節性インフルエンザに対しまして適応を持っているわけではなくて、季節性インフルエンザの成績をどう新型・再興型インフルエンザに持っていくかでございますので、若干、帰納的な推察になりますけれども、まずファビピラビルを投与したときの特徴は、何回も申し上げますように抗ウイルス効果にございます。一方、新型・再興型インフルエンザを考えますと、今まで人類が経験したことのないインフルエンザでございますので、獲得免疫の発動はかなりおくれてくることによりまして、恐らくウイルスの曝露量がふえてくると考えてございます。

 こちらは表を示してございますが、参考程度に見ていただければわかるのですけれども、JP205試験が今まであったH1型でございます。JP312試験がパンデミック時にやりました試験でございます。H1型で見ると、これはログでとっていますけれども、従来のH1型の投与開始時の患者の平均のウイルス力価が3.11log10TCID50/mL10³乗程度でございましたが、パンデミックになったときには10⁴を超える曝露になってございますので、恐らくこういったウイルス曝露が高くなってくることが想定されます。

 こういったウイルス効果につきまして、ファビピラビルの効果はノイラミニダーゼ阻害剤でありますオセルタミビルと同程度以上でありますし、高いウイルス曝露になっても効果が落ちてこないところが見られてございます。したがいまして、ウイルス曝露が高くて重症化する懸念のある患者につきまして高い有益性を示しているところをこれから御説明申し上げます。

45ページ目です。ウイルスの消失率を見ておりますので、グラフが高ければ高いほどよいというところでございます。青い線がプラセボ、赤い線がファビピラビル投与時のウイルス消失率でございます。開始時のウイルス力価別に見てございまして、右に行けば行くほどウイルス力価の高い患者に対するウイルス消失率になります。左側がPCR陽性例全体で見たものでございますが、ウイルス力価が高くなるほどプラセボのウイルス消失率はどんどん下がってございます。一方、ファビピラビルも若干は下がるのですけれども、下がり方は非常に緩くて、ウイルス10³以上で全て有意差がとれてしまいますけれども、ウイルス力価が10⁵以上で見ますと、プラセボが22%に対しましてファビピラビルの消失率が60.9%で非常に顕著な差を示してございます。

 一方、右側でございますが、これは後ほどin vitroの感受性試験の結果が出てきますけれども、in vitroの感受性試験でファビピラビルの感受性が低いと思われる集団を抽出して同じことをやりましたけれども、抽出した患者集団で見ましてもウイルス力価は高くてもファビピラビルのウイルス消失率は変わってございません。

46ページ目はウイルス亜型別に見たものでございますが、H1型あるいはH3型を見ましてもウイルス力価が高くてもファビピラビルのウイルス消失率は変わってございません。

47ページ目はB型で見ていますけれども、B型につきましてもウイルス力価が高くてもファビピラビルの消失率は変わってこなくて、B型につきましてはウイルス10⁵以上の患者さんにつきまして有意な差が出ているところでございます。

 こういったウイルス効果が既存薬と比べてどの程度あるのかでございますが、あいにく今の1,600/600mg BIDと既存薬との比較をしたものがございません。これは国内第3相試験でございますので、4.8gのときのウイルスの3日目の消失率を見ているものでございますが、いずれもファビピラビルとオセルタミビルで遜色ないものでございます。数字的には若干ファビピラビルが上回っている程度でございますが、遜色ない結果でございます。

 このときの4.8gの投与量に対しましてこの成績がございましたので、恐らく今の8g1,600/600mg BIDの投与でいきますとこれを下回ることはないことは容易に推察できます。

 そのときの血中濃度でございますが、49ページ目にございます。左側が1,200/400mg BID4.8g投与時の健康成人の血中濃度、右側が1,600/600mg BID、8gのときの健康成人の血中濃度でございます。見た目でわかるとおりかなり血中濃度が高くなってございまして、血中濃度でいきますと大体1.21.5倍程度、現在の承認用法・用量よりは高く出ておりますし、血中曝露量でいきますと1.51.8倍程度高いところでございますので、恐らく今のファビピラビルの成績はノイラミニダーゼ阻害薬と同程度以上と考察してございます。

 このとき、第3相試験でもウイルス力価別に見たものがございまして、50ページに示してございます。これも3日目の消失率を見てございますが、グリーンになっているのがオセルタミビルの3日目の消失率、赤いものがファビピラビルの消失率でございます。このときはパンデミックもありましたのでかなり全体的にウイリス力価が高かったのでございますが、10⁶以上の患者様で見ますと、オセルタミビルが48.3%の消失率に対しましてファビピラビルが65.4%で有意な差となってあらわれたということでございますので、ウイルス力価が高いところでファビピラビルの特徴はより顕著に出てくるところが特徴になるかと思います。

 同じような傾向が動物試験で見ても出ておりまして、51ページを見ていただくとわかるのですが、これはマウス感染モデルでウイルス感染してサバイバルを見たものでございます。左側が感染価が10²時のものでございます。このときは赤いファビピラビルの生存曲線とグリーンのオセルタミビルの生存曲線はほとんど差がなくて、同じように死亡を抑制しているところでございますが、これを10⁴の感染価にかけますとファビピラビルは生存を抑えておりますけれども、オセルタミビルは生存率を抑え切れていないところで非常に顕著な差となってあらわれてくるところでございまして、こういった事象は非臨床成績あるいは臨床成績共通で見られている事象と考えてございます。

 こういったことを考慮いたしまして、臨床で重症化する懸念のある患者に使うとどうなのかを、限られた範囲ではございますけれども、若干考察いたしました。

 こちらは治療開始時の症状をスコア化しているのですけれども、ソートをかけまして症状を25%ごとに高い順で並べかえたもの、同じくそれとウイルス力価をクロスで集計した16分割の表でございます。右に行けば行くほど症状は重くなる、下に行けば行くほどウイルス力価が高くなるものでございまして、ハザードの比で見てございます。ハザードの比で見ていますので、1であればプラセボとファビピラビルでは等しいということでございますが、1を超えてくるとファビピラビルの改善が早い、1を下回ればプラセボのほうが改善が早いというところでございます。1よりも大きくなればなるほどより早くなってくるところでございますが、一番重いと考えられます右下の赤い枠で囲ったところでございますけれども、症状スコアとウイルス力価で見ますとハザードが1.54log10TCID50/mLでファビピラビルの改善がかなり速いことがわかります。

 同じように発症から投与治療開始までの時間も4分割で見ておりますけれども、右に行けば行くほど治療開始が遅くなる、下に行けば行くほどウイルス力価が高くなるところでございます。やはり赤い枠で囲ったところのハザードが2.04 log10TCID50/mLでございますので、ファビピラビルの改善が早いところでございます。

 こちらの2つをカプランマイヤーのプロットで見たものを53ページ目に記載してございます。こちらはちょっとデータを併合していますので、p値は参考にしていただければいいかと思うのですけれども、カプランマイヤーの形を見る限りは末広がりなシェープになってございます。このような患者セグメントの中でも症状の改善が遷延していく患者が結構いるところがわかるかと思いますが、ファビピラビルを使うことによって症状の遷延がかなり抑えられているところがわかるかと思います。こういったころから重症化する懸念のある患者に対しましてファビピラビルの抑制効果が出ていると考えてございます。

 同じように3つの要因でやっておりますので、最後54ページに、では発症がおくれて、なおかつ症状が重かった患者はどうなのかというカプランマイヤーでございますが、こちらも症状が遷延している患者に対しましてファビピラビルが強く抑えていることがカプランマイヤーのプロットからわかるかと思います。

 以上、ファビピラビルの特徴が抗ウイルス効果に基づきました重症抑制化で有用であると考えてございます。

 臨床からは以上でございます。

○古田参考人 よろしいですか。

○大久保班長 引き続きお願いします。

○古田参考人 富山化学の古田です。

 抗ウイルス活性を報告させていただきます。

 まず56枚目の資料です。これは抗ウイルス活性の全体の概要をまとめたものです。

CDC、感染研並びに東大医科研で実施されております各種NA阻害剤耐性株での感受性試験及びマウス感染モデルを用いた試験から、ファビピラビルがNA阻害剤耐性ウイルスに対しても効果を示すことが確認されております。

 また、各種NA阻害剤耐性株へのファビピラビルの感受性は季節性インフルエンザウイルスと同程度でありました。US316/US317試験から分離されたH275Y遺伝子変異株を含む臨床で分離されたウイルス株の全てがファビピラビルに感受性でありました。また、ファビピラビル自身の耐性ウイルス誘導においてファビピラビルは30継代まで培養しても自身への耐性誘導を認めることはございませんでした。これらについて順次説明させていただきます。

 次に57ページは、作用メカニズム、作用様式をまとめたものであります。

 左上からウイルスが細胞に吸着、侵入していきます。その後、脱殻が起こって、8分節に遺伝子が分かれておりますが、それらが細胞核へ移動して、その中で遺伝子の複製あるいはメッセンジャーから蛋白質の合成、できました遺伝子と蛋白質が集合しまして細胞表面から遊離していくというのが、ウイルスの複製サイクルで、培養細胞系では大体8時間前後でこの一サイクルが回ります。

 アマンタジンは、初めにウイルスが吸着して、ファゴソームに取り込まれ、M2チャンネルからイオンを流入させて脱殻、この過程を阻害する。

 ノイラミニダーゼ阻害剤は、遊離するところのノイラミニダーゼという酵素活性を阻害して、ウイルスが細胞の表面から離れていくのを阻害する。

 それと比較しまして、ファビピラビルは細胞内に取り込まれて糖やリン酸化を受けて三リン酸体になりましたものがダイレクトにインフルエンザウイルスの遺伝子複製を阻害するメカニズムで作用するため既販の薬剤と作用機序が全く異なります。標的分子とか遺伝子が異なることからも、実はアマンタジンの耐性あるいはノイラミニダーゼ阻害剤の耐性がファビピラビルとはクロスしない、交差しないということが既に作用様式からも推察されると存じますが、またそれは順次データで証明していきたいと思っております。

 次のページをお願いいたします。今回、in vitroの成績等をいろいろと紹介させていただきますが、施設等でそれぞれ抗ウイルス活性の測定の仕方が違います。CDCあるいは感染研では、プラーク減少法と言われます細胞の上にウイルスをまきまして上から寒天でふたをすると、中心のウイルスがふえて周辺の細胞を殺していく。まるっきり穴があいた形の細胞シートが出来上がります。それを計数する方法がプラーク法です。

 感染研が実施します方法は、感染研はファビピラビルが市販されたときに効率よくサーベイランスをするために簡単な方法で抗ウイルス活性をチェックしたいということで、細胞変性法(CPE法)、ウイルスの増殖で細胞が生きているか死んでいるかを比色法で判別する方法を用いました。

 また、臨床検体をチェックしましたオランダのViroclinics社は、独自に開発しましたViroSpot Assay、細胞の中でウイルスがふえていくときにウイルス抗原が増加しますので、それを抗体を用いて測定する免疫染色法。このような方法は、それぞれ施設による特徴が出ると思います。

 また、感受性低下等の基準は、CDC10倍以上、感染研はA型は10倍以上でB型は5倍以上という基準で実施しております。

 次のページ、59ページ目ですが、抗ウイルス活性はEC50 あるいはEC90 という値をもって効果を示します。ECEffective concentration50%効果を示す濃度で、9090%効果。もう一つ、同じ様な意味で使われるIC50があるのですが、Inhibitory concentration50%抑制濃度で、通常は酵素活性などの測定に使用します。ノイラミニダーゼの活性は、現在、酵素活性で測定することが多いのでEC50 IC50 を使い分けています。論文等によっては抗ウイルス活性の表示としてEC50 IC50 がまるっきり同じ意味で使われて紹介しているものもございます。

 1)にEC50EC90の算出の概要を示してございます。横軸に濃度、縦軸に有効性、阻害濃度を振りまして、50%の抑制活性を示すあるいは90%の抑制活性を示すところを値として出しております。右側がプラーク法の一例で、ウイルスが増殖した後、色が濃くなって残る。これはアミドブラックで染めておりますので逆に濃くなって写っておりますが、左上の対照のところに大体40個ぐらいの青い点がございますけれども、薬剤濃度をふやしていくと順番にその数が減ってきて、EC50ですと半数、20個くらいにした3µ Mあたりが大体EC50になる見方をいたします。

 次のページをお願いいたします。抗ウイルス活性につきましては、非臨床を中心とする既販薬耐性ウイルスに対する効果とUS P3US316US317)の臨床のウイルス感受性と効果の2つを紹介させていただきます。

61ページをお願いいたします。まず、1)「既販薬耐性ウイルスに対する効果」としましてin vitro感受性試験、CDCで実施されたもの、感染研で実施されたもの、その他で実施されたもの、各施設で行ったファビピラビル自身に対する耐性ウイルス誘導の試験、マウス感染試験を紹介いたします。

 その下にたくさんアミノ酸変異、遺伝子変異を紹介してございますが、各種、型・亜型で重複するものもございますが、全部で22の耐性遺伝子変異を検討してございます。

 次のページ、一番初めに「既販薬耐性ウイルスに対するin vitro感受性試験」の概要です。ファビピラビルは4種のノイラミニダーゼ阻害剤(タミフル、リレンザ、ラピアクタ、イナビル)及びアマンタジンの重複する耐性株を含む各種A亜型ウイルス及びB型ウイルスに対して同等な強い活性を示しております。あとは、ファビピラビルは各種条件下で長期継代培養を続けても自身のファビピラビルに対する耐性ウイルス誘導を示すことはございませんでした。

 データに参ります。63ページ「各種インフルエンザウイルス株に対する感受性(1)」。これはCDCで試験を実施したものです。弊社からはサンプルの提供のみで、研究費等の提供は行っておりません。一番初めのシートですが、H5が6株、パンデミック株が7株です。表の見方ですが、株名がございまして、SとかRがありますが、SはSensitive、感受性で、RがResistant、耐性で、CDCの基準ですのでRは10倍以上感受性が低下した意味になります。見ますと、H5で上から2つ目にオセルタミビル、ザナミビルの両耐性がございます。6番目にはアマンタジンを含めたトリプルレジスタントがございます。いずれも一番右がファビピラビルの50%阻害濃度ですが、同じ値でアマンタジン、NA阻害剤の耐性に関しても強い効果を示すことがわかります。

 下の段ですが、下から2つ目にファビピラビルの値に対して3.53というやや高目な値を示したものがございまして、論文にもslightly elevatedと記載があり、やや感受性が上がっているものがございました。メカニズムや今後の耐性化の検討にこの株が有用に使えるかもと思いまして、当イリノイ株をCDCから取り寄せて弊社の中で検討いたしましたが、弊社の中で実施した限りでは良好な感受性を示しております。

64ページをお願いいたします。これは、H1N1シーズナルの15株を示したものです。黄色くハッチングしてございますが、両ノイラミニダーゼ阻害剤、ダブルレジスタントのものが2株ございますけれども、その他の株を含めてファビピラビルは良好な値を示しております。

65ページです。H3とB型、9株、8株です。ここにはトリプルレジスタントのものが3株ございますけれども、一番右側の列を見ていただけるとわかるように、いずれの耐性株を含む株に関しても強い効果を示しております。

 次は66ページ、CDCで実施されたもので、これは豚由来とか鳥由来、ヒト由来ではないものを合わせてあります。一番右のいずれを見ましても強い活性を示し、CDCで保有されております耐性株を含むパネルウイルス53株に関していずれも交差耐性を示すことなく強いウイルス活性を示したことがうかがわれます。

 次に67枚目です。CDCは、その4年後にH3N2型の亜株に対しても再度試験をし、論文を出しております。上の段はオハイオ株を中心としたもので、S245NS247Pの遺伝子変異を持ったもので、オセルタミビル、ザナミビルの値を書いてございます。括弧値がそれぞれの耐性度で、31倍、66倍耐性になっております。その下に親株を書いてございますが、ファビピラビルはほとんど値が変動しておりません。これの値はIC9090%阻害濃度で論文は報告されております。IC50値、EC50値もEC90値もほとんど変わらない値を示しております。

 下の段はH3バリアントで、E119Vはオセルタミビルに強い耐性を示す635倍のものですが、ファビピラビルは同じようによい感受性を示しております。ここまでがCDCでやられたものです。

 次に68ページになりますが、国内の感染研で実施されたものです。こちらも同様にサンプル提供のみをいたしております。一番上がH1のパンデミック、真ん中がH3H7、Bとなっておりまして、上段が変異、下段がワイルド株で比較してございます。一番上の段に行きますとH275Y、アマンタジンのS31Nも入ってございますが、オセルタミビルとペラミビルにHRIhighly reduced inhibition、感受性が100倍以上低下しているというものです。

 もともと感染研はファビピラビルに関するサーベイランスの試験法を確立するのが目的でやられた試験でCPE法とプラーク法を並行して実施しております。CDCと比較するためにもプラーク法の値を見ていきますが、プラーク法の値はいずれも変わっておりません。ずっと下のほうに赤、青で耐性度が併記してありますが、ファビピラビルにつきまして感受性が大きく変動しているものはございません。H7N9につきましては、いずれも4つのNA阻害剤に対して耐性化しておるものですが、これらに関しても感受性の変化がないことが見てとれます。

69ページに参ります。これは公表論文で弊社とまるっきり非関与で実施されたもので、ファビピラビルの入手は記載していなかったり、試薬メーカーから購入されて実施されたものです。

 上の段がスイスのジュネーヴ大学で実施されたもので、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニナミビルが実施されております。E119Dのアミノ酸変異、さらにはH275Yの変異が加わったもので、耐性度はまた括弧書きにしてございますが、いずれもかなり強い耐性が示されております。ファビピラビルは、これらに交差することなく強い活性を示しております。

 下の段は、復旦大学、上海のものでございます。これは、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、3つのNA阻害剤で2,700倍あるいは1万2,800倍という非常に高い耐性を示しておりますが、ファビピラビルはやはりYeild法で実施されておりますが、感受性に大きな変化はございません。

in vitroのファビピラビル自身の耐性誘導に関するものです。上の段のテーブルですが、富山大学、富山と書いてありますのが弊社で、ユタ大学、東京大学、4施設、全部で8回の試験がなされております。パッセージ、継代の回数は4回〜30回となっており、いろいろなウイルス株を使って高いタイター(ウイルス力価)で感染させたり、条件も異なっておりますが、いずれのウイルス株、いずれの施設で実施された試験も耐性株は取得できておりません。

 代表的な例をBに示しますが、オセルタミビルは1520回のパッセージの途中でNA活性を指標に100倍以上の感受性の低下がございました。ファビピラビルは黒ですが、感受性に変化はございませんでした。

71ページ目、ここからは「既販薬耐性ウイルスに対するマウス感染試験」に関して御説明いたします。まず概要ですが、ファビピラビルはNA阻害剤耐性を示すH5あるいはパンデミックのH1H7N9のウイルス株に対して、死亡率、肺ウイルス量で強い効果を示しております。これらH5、パンデミック株、H7ですが、いずれの試験も特殊なウイルスの感染試験になりますので、東京大学医科学研究所の河岡先生にお願いして共同研究下で実施させていただいております。

72ページ目は、生きた、死んだ、生死を指標に試験が実施されたもので、A、左側がベトナムの野生株で、青のシンボルがGS4104、オセルタミビルを示します。赤っぽいシンボルがファビピラビルで、1030100300 mg/kgと用量依存的に生存率の上昇が認められます。右側のBとCがオセルタミビルの耐性株で、H274YN294Sのアミノ酸変異があります。同じく青がオセルタミビルなのですが、耐性ウイルスでございますので早期に死亡いたしますが、ファビピラビルは用量依存的にやはり野生株と同じ強い効果を示しております。

 次は73ページ目に参ります。パンデミックウイルスと次のH7は肺ウイルス量を指標に試験を行っております。上段が感染3日後の肺ウイルス量で、下の段が6日後の肺ウイルス量、ウイルスが左からH1の標準株としてのカリフォルニア株、中央がオセルタミビルの耐性株、左が耐性遺伝子の入っていないウイルス株になります。シンボルバーですが、赤っぽいのがオセルタミビルで、ピンクが8mg/kg、ヒトの常用量と10倍量、青っぽいのがザナミビルでヒトの0.8mg/kg、ヒトの常用量と10倍量、黄色がラニナミビル常用量、緑色がファビピラビルで、薄い色が60mg/kgで、本来これはヒトの常用量のつもりで行ったのですが、申請時にヒトの用量が増加しました。マウスでいきますと120mg/kgが承認用量になりますので、ここで示すものはヒトの用量の半量と2.5倍量という見方になります。データを見ていただきますとおわかりのようにファビピラビルは濃い緑色のカラムが立たないくらい肺のウイルス量を耐性株でもよく抑制しております。

 次のページをお願いいたします。

 これはほぼ同様の見方で、縦軸がウイルス量、シンボルカラムの色は先ほど申したとおりです。上段が通常の株で、10³感染させた場合と右側が10⁴感染させた場合、下がH7のアンホイ株の耐性を上海株に入れたものでR292Kです。下の段で説明いたしますが、下の段がNA阻害剤の耐性を示しますので、3日目、6日目、グレーの対照に比べてNA阻害剤群はほとんどウイルス量は10³、10⁴とも落ちません。それに比べましてファビピラビルは、薄緑、濃い緑ともに用量依存的にウイルス量を低下させ、H7NA阻害剤耐性株に関しても強い効果を示すことが認められております。

 次からは、臨床分離株の感受性について報告いたします。76枚目をお願いいたします。臨床分離株の全体の概要です。

 臨床で分離された全検体の感受性は感受性標準株を用いて補正しておりますが、標準株と比べても最大で2.3倍であり、全検体で感受性と判断されております。全ての臨床分離株のEC50はヒトの臨床投与時の最低血中濃度を十分に下回って、薬効を示す濃度範囲にあると判断されました。

 順次、77枚目から紹介いたします。

 「US316/US317ファビピラビル感受性試験概要」です。先ほども御紹介いたしましたが、Viroclinics社、オランダの会社でViroSpot Assayという簡易測定法を確立しまして、細胞にウイルスを感染させ、ウイルスの増殖してくる抗原を抗体でイムノステインして測る方法で、試験法に関してはFDAと事前に協議されて共有済みでございます。

 あとは、プラーク法とのバリデーションが実施されておりまして、96-wellフォーマットで1回に7薬剤、いろいろな濃度を振って実施できる。Reference株とのEC50を比較する方法で判定が行われております。試験はUS316US317の測定可能な全検体816910検体を行っております。

 次の78ページ目をお願いいたします。Reference株との比較云々という話は実際にどのようなものかというので生のデータを紹介させていただきます。

 左から患者さんのナンバー、サンプルIDナンバー、いつとれた検体か、いつ訪れたのか。これはH1のデータを比較しておりますが、AのH12009年のタイプの株であったと。実際に測定したEC50値がありまして、21.8 µ M、中段の辺が大体10 µ M前後、下の段が大体4µ M前後。真ん中のところにEC50、AカリフォルニアがH1Reference株、測定の日にちが一番右側にあります「11/Mar/15」に一番上の4つははかられております。こうして見ますと、細胞を用いた生物系の試験ですので測定日ごとに値は変動いたします。Reference株が高いときは実際の測定の値も高いことがはっきり傾向としてわかると思います。それですので、実験ごとのばらつきを防ぐために実際の検体のEC50Reference株のEC50で割って、その値、レシオ(ratio)を比較する試験法であります。

 次の79ページ目がレシオをヒストグラム化したものです。US316試験が左側でUS317試験が右側です。こうして見ますと大体1よりもやや感受性側にシフトしているかもしれませんが、きれいな正規分布が見られております。一番高いところでも右側のUS3172.3という値がマックスの値です。

 次のページをお願いいたします。

 そんなレシオで補正したら実際の値を示していないのではないかということで、実測値を示したのが次の80ページ目になります。ややがたがたとしたところもございますが、US316US317で大体8〜10 µ Mくらいをピークとした実測値を示しております。最大値が28.3 µ Mで、µ gに直すと4.4 µ g/mLです。ただ、マックスを示したときのReference株も非常に高い20幾つµ Mという値を示しております。

4.4 µ g/mLという値が血中濃度と比べてどのくらいのものかを示したのが次の81ページになります。これはUSPhase 3と国内のPhase 3の血中濃度の値をシミュレートしたものです。先ほど紹介されたものですが、トラフ値は本来は20 µ g/mLくらいを目標としているのですが、大体30 µ g/mLを超えております。4.4 µ g/mLという値は、それの何分の1も小さい値で、ファビピラビルは非常に切れ味が高いのでEC50値、EC90値はほとんど変わらない値を示し、EC99値、99%阻害する値でも2倍とか3倍しか違わないところで値が出ます。最大値の4.4 µ g/mLをもってしても十分に効果を発揮する血中濃度になり、全ての値が4.4 µ g/mLよりも低いということで臨床分離株は感受性と判断いたしました。

 次のページをお願いいたします。その中で耐性株がUSの試験の中に含まれているのかどうか、それに対する効果はどうかということで、H1N1の全290症例のH275Y遺伝子変異を検査いたしました結果、2症例が陽性でありました。

 ただ、2症例はいずれもプラセボ群でありまして、ファビピラビルの感受性は11.4 µ M1.8 µ g/mLと、標準株と同じ値を示して感受性は良好でありました。また、2症例の症状は比較的早く改善して、ウイルスは5日目の検査で、プラセボだったせいだと考えておりますが、消失はしておりませんでした。

 実際のデータが次のページにございます。上の段の一番左、H275Yが陽性になった症例ですが、いずれもプラセボでございました。真ん中のテーブルがEC50値、11.4 µ MReference株も11.4 µ M、初めの症例は4日目には感受性試験では7.0 µ M、2つ目の症例も11.4 µ MReference株と同等の値を示し、感受性は良好でございました。また、上に行きますが、青四角で囲ってございますところが症状の消失ですが、症状は割と早目に改善はしておりましたが、赤のところがウイルスです。95.2時間でCensor1です。Censor1はウイルスが消えてなくならずここで打ち切りというサインですので、95時間たってもウイルスは消失していなかった。臨床分離株からはH275Yを検出いたしましたが、2例ともプラセボです。ただし、感受性は非常に良好であったという結果です。

 以上です。

○大久保班長 どうもありがとうございました。

 大変詳細なデータを御説明いただきましたので、当初の予定した時間を少しオーバーしてしまって、この後のディスカッションといいますか、質問時間が十分はとれないと思うのですが、委員の先生方は今の御説明に対して御質問がおありだと思いますので、簡潔に御質問をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。加藤先生。

○加藤委員 御説明ありがとうございました。臨床試験のUS316US317で、US317についてインフルエンザの6症状と発熱の改善で統計的な有意差が出ていないということで、US316に比べてH1N1亜型が多い流行状況の違いなどいろいろな背景があるかと思うのですけれども、両試験での患者さんの年齢のばらつきがどれほどだったかについてお聞きしたいのが一つです。

○櫻井参考人 これは患者背景の年齢なのですけれども、US316試験は平均年齢が41歳です。US317試験につきましては39歳なので、平均年齢としては変わっていないと思いますし、分布につきましても大きく変わってはおりませんでした。

○大久保班長 ほかにいかがでしょうか。

○倭委員 大変詳細な御説明ありがとうございました。

 2点教えていただきたいのです。まず1点目なのですが、年齢は今の御説明でよくわかったのですけれども、先ほどのUS316US317でワクチンの接種の比率とか、全体ではなくても重症の分だけでも結構なのですけれども、何かそういったデータはございませんでしょうか。

○櫻井参考人 ワクチン接種率でございますが、US316試験につきましては25%が接種ありでございます。一方、US317試験につきましては接種ありが15%でございます。

○倭委員 なるほど。そうすると、ウイルス量が多いことが予想される重症の患者さんを想定した場合のカプランマイヤー曲線が何ページかにあったかと思うのです、53ページですか。これのどれでもいいのですけれども、この中でのプラセボとファビピラビルでワクチンの接種率に有意差があったとかないとか、ワクチンの有無で補正したデータとかはございますでしょうか。

○櫻井参考人 済みません。そこまではちょっと。本サブグループをワクチン接種の有無別にまで分けて解析はしていないので。

○倭委員 ということは、最初の全体の結果でもプラセボとファビピラビル分でワクチンの接種率に有意差があったかどうかはないということですか。ワクチン接種の比率は全体の25%ですか。

○櫻井参考人 群間でワクチン接種率の有意差はついておりません。

○倭委員 重症については、まだそこまでわからないということですね。

 もう一点、in vitro のデータなのですけれども、先ほど御説明を詳細にいただいたのでよくわかったのですが、マウスの実験で使っているファビピラビルの量がヒトの場合の半分の場合と2倍量ですか、そういうご説明があったと思うのですけれども、2倍量だと全然グラフのバーが立ち上がらないぐらいなのですが、半分だとそれほど他の薬剤と変わらないような印象を受けるのですが、実際の投与はヒトの今回の量の1,600/600mgBIDに合わす分のデータとか推測はございますでしょうか。マウスの感染実験は73ページです。

○倭委員 重症については、まだそこまでわからないということですね。

 もう一点、in vitroのデータなのですけれども、先ほど御説明を詳細にいただいたのでよくわかったのですけれども、マウスの実験で使っているファビピラビルの量がヒトの場合の半分の場合と2倍量ですか、あったと思うのですけれども、2倍量だと全然グラフのバーが立ち上がらないぐらいなのですけれども、半分だとそれほどほかと変わらないような印象を受けるのですが、実際の投与はヒトの今回の量の1,600/600mgBIDに合わす分のデータとか推測はございますでしょうか。マウスの感染実験は73ページです。

○古田参考人 先生のところでやっていただいたものはこれが全てですので、120 mg/kgのデータはございません。ただ、用量を振っているもので100 mg/kgを超えるとかなり効果は高くなると考えております。

○倭委員 用量を振っていた60mg/kg300mg/kg以外に用量を何点か振っている実験のデータがあるわけですか。

○古田参考人 H5とかH7に関してはございません。

○倭委員 そうすると、ヒトと同じようなデータ量で換算したマウスの実験はないので、pdm09マウス感染モデルで実際に肺のウイルス量が減るかどうかは今回の動物実験ではないという理解でよろしいのでしょうか。

○古田参考人 そうですね。

○倭委員 実際300mg/kgも投与できませんので。

○古田参考人 60mg/kgでも効果を示していると考えます。

○倭委員 そうですね。低下はしています。

○古田参考人 十分低下しておりますので、さらに倍量を打てばより効果を示すと考えます。それと本当に致死率の高い場合はエボラの用量とかちょっと用量アップはさらに可能だと思いますので、より効果的に作用できるのではないかと考えています。

○倭委員 わかりました。ありがとうございます。

○大久保班長 ほかに。馳委員。

○馳委員 御説明ありがとうございました。

 薬剤の耐性化の話で、継代培養したときにノイラミニダーゼ阻害薬に比べて何代も培養しても耐性が確認されなかったということなのですけれども、これは作用機序から考えてそういったことが起こりにくいという何かしらの仮説みたいなものはおありなのでしょうか。

○古田参考人 作用ポイントとしては、作用機序を解明していくところで、本来のGTPATPとポリメラーゼ活性で競合拮抗作用を示します。本来のGTPとかATPをポリメラーゼが持ってきて捕まえてくるポイントが活性中心だと考えておりますので、そこが変異するとウイルス自身が生存できなくなる。ですので、耐性獲得を起こしにくいと今考えております。

○馳委員 ありがとうございます。

○大久保班長 よろしいですか。加藤委員。

○加藤委員 もう1点なのですけれども、US316US317の副次評価項目で二次感染が書いてあると思います。この部分なのですけれども、重篤な有害事象を見るとファビピラビル群で肺炎とか細菌感染症の報告がありますで、あまり二次感染という部分には両者で差がなかったと考えられるでしょうか。ほかの抗インフルエンザ薬でも健常な方のインフルエンザに合併症を防ぐ効果については余り明確なエビデンスがないように思うのですけれども、ファビピラビルでも同じような結果だったのかを教えてください。

○大久保班長 お願いします。

○櫻井参考人 二次感染のところで、解析結果からいきますと有意差はついておりません。今回、肺炎として報告された例が、US316US317試験の合同なのですけれども、プラセボ群で5例、ファビピラビル群で2例でございます。それと下気道感染症を含めまして8例と3例という結果でございました。プラセボが8例、ファビピラビルが3例です。

○大久保班長 よろしいですか。どうぞ。笹井委員。

○笹井委員 副反応につきましては神経学的な副反応とかは見られなかったようですけれども、対象となられた年齢層が平均40歳前後で、二十とか若い方が余りいらっしゃらなかったから発現しなかったのかとかということは考えられるのですか。

○櫻井参考人 対象は、米国は一応プロトコール上は18歳以上でやっておりまして、20代、30代の方もかなり入っておりますが、それを含めましての集計になりますので、その結果を見る限りでは特に成人に近い患者さんのところで何か神経症状が出ることはないと考えております。

○大久保班長 ほかに。

○倭委員 42ページなのですけれども、重篤な患者さんに使うときの、臨床の立場からちょっと質問させていただきたいのですが、エボラのときでも先ほどJIKI studyの類推というお話がございましたが、経口投与が困難な場合に血中濃度の確認ができていないということですけれども、臨床で使う場合に実際に患者さんの体内に吸収されたかどうかを見るには、例えば副作用で尿酸が上がることを一つの指標として逆手に使って、薬剤が体内にきちんと吸収されているのだとか、臨床現場だとそう考えるのですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。尿酸上昇を指標に使えるかどうかなのですけれども、よろしいですか。

○櫻井参考人 使った実績はあるのですが、実際にそれが錠剤と同等なのかどうかも今まで見ていないレベルでございます。一応、実績はございますし、それによって何か有害事象が出ているということでは特にないです。

○倭委員 尿酸の値もそれ相応に上がっているということですか。

○櫻井参考人 尿酸は確実に上がっておるのですけれども、それ以上のものは何か出ているかというと、そこまでのデータをギニアからもらっていないのでわからないです。

○倭委員 わかりました。ありがとうございます。

○大久保班長 予定された時間が参ってしまいましたけれども、まだまだいろいろ御質問あるいは検討したい事項があると思いますが、ここで委員の先生方には今後のこの会議の進め方とか備蓄に対する方向性を少し検討したいと思いますので、参考人のお三方については退席をしていただいた上で議論したいと思います。どうもきょうはありがとうございました。

(参考人退室)

○大久保班長 時間が差し迫ってしまって余り議論もできませんが、きょうは特別な結論が出たわけではないのですが、今後、こういうデータだけで十分理解できたということではありませんので、いろいろな方法はあると思います。きょう疑問に残ったところをもう少し追加して資料を出していただくか、あるいは逆に別の意味での専門家をお招きして、以前に小児科の先生に来ていただいたこともあるのですが、ウイルス学的な専門家をお招きした上での意見をお聞きするとか、何かそういう今後の方針についてどういう形で進めていくべきかというところについて、皆さんの御意見をお伺いしたいと思うのです。どうぞ。倭委員。

○倭委員 まず1点目なのですが、先ほどもありましたけれども、もちろんこれから日本では薬事審査が、きょうもご担当の専門の先生が来られていますが、されると思うのです。今後どういう形になるかは未知数なのですけれども、今、実際に、先ほど7ページにもありましたように諸外国でもちろんまだ薬として承認されたところもないのですが、備蓄という観点で、諸外国、アジアとかで検討された、あるいはされているところが、きょうは話になかったのですが、あるのかどうかをちょっと事務局に教えていただきたいのが1点です。

 あとは、我々はどうしても臨床の人間でございますので、例えばH275Yのタミフル耐性といいましても実際に臨床的にはそれほど気にせずに治療していることですし、実際にこれがもし新型インフルエンザが突然来ても季節性インフルエンザと同じように治療しているわけで何かおかしいなという形になりますので、実際の耐性遺伝子のin vitroのデータ、マウスの実験と臨床をつなぐところをもう少し、その辺の専門にされている先生から我々臨床の人間が治療するときの観点の橋渡しというか、若干の専門的な見地から御意見をいただけましたら、我々、備蓄するかどうかを審議する方は助かるかと思いました。

○大久保班長 という御意見が出ました。それ以外にございませんか。加藤委員。

○加藤委員 まず1点。市中で全然流通していなくて新型インフルエンザが出たときに初めて使われるということで、備蓄が国内で使われる全ての薬剤となるのか、これから当局の条件に関する審査があると思うのですけれども、クリアされた場合には、備蓄とは別に国の判断で市中に通常の流通という形で流れていくのかが、私自身ちょっと整理ができていない部分です。

○大久保班長 きょうは、これは検討する時間がありませんので、御意見としてお伺いするわけです。

○加藤委員 あとは耐性の部分で、論点1のところではノイラミニダーゼインヒビターの2系統の薬剤に同時に耐性が出る場合のリスクをヘッジしたいということになると思うのですけれども、現時点では非常に小さいリスクなのだろうと思うのですが、これについてはウイルス学の専門家の方にも意見を聞いたほうがいいのかなというのが2点目です。

○大久保班長 わかりました。

 4つほど御提案が出まして、備蓄についての検討状況、海外の状況を事務局のほうで少し情報を集めていただきたいことと、あとは耐性遺伝子と臨床とのかかわりについてもう少し専門家の御意見を聞きたいと。まだ市中流通するわけではありませんけれども、その使用に関して国が認めた場合にどういう流通形態で使用されるかという仕様の具体化です。最後に、ノイラミニダーゼ阻害薬全てが耐性化するリスク等についての専門家の御意見をお聞きしたい。その4点が出されましたので、そういう点について今後討論を進めていきたいと思います。

 結論的には、事務局での資料収集とどういう方に来ていただくかという専門家への御依頼というところで、きょうの議論を終わりにさせたいと思います。

 そういうことでよろしいでしょうか。事務局から何かございますか。

○長谷川新型インフルエンザ対策推進室長 大丈夫です。

○大久保班長 よろしいですか。次回の件をそちらから御説明いただけますか。お願いします。

○山崎新型インフルエンザ対策推進室長補佐 次回の日程につきましては、追って正式に御連絡させていただきます。

 なお、机上配付のみの資料につきましても、この後、回収させていただきますのでお願いいたします。

 以上でございます。

○大久保班長 では、本日はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。

 

 

 


(了)

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