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2016年12月2日 第120回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成28年12月2日(金)18:00〜20:00


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室(12階)


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 ただいまから第 120 回雇用保険部会を開会いたします。皆様、夜の時間帯のお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の出席状況ですが、青山委員、秋元委員、田島委員が御欠席です。また村上委員は少し遅れての御出席ということになります。それでは恐縮ですが、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。

 それでは議事に入りたいと思います。お手元の議事次第を御覧いただくと、議題としては雇用保険制度ということになっております。事務局に資料 1 と資料 2 を御用意いただいておりますので、まずそれについて説明を頂いて、その後、質疑に入りたいと思います。それでは、よろしくお願いします。

○高橋雇用保険課調査官 まず資料 1 について御説明いたします。「財政運営」については、これまで御議論を頂いた内容などを踏まえた制度改正案の内容を盛り込んだ試算を行ったものをお示しするものです。

1 ページ目は、失業等給付費の今後の 5 年間の収支見込みについてです。試算の前提、マル1雇用情勢の前提です。平成 28 年度以降の受給者実人員については、平成 27 年度実績をベースとしつつ、平成 28 年度改正の再就職手当の引上げによる影響を加味するということで、受給者実人員は 43 万人ということを前提としております。

 マル2その他試算に当たっての前提です。 1 つ目、雇用保険料収入については、平成 29 年度要求をベースに、平成 29 年度から平成 31 年度までの 3 年間に限り、雇用保険料率を 2/1,000 引き下げると仮定しております。平成 32 年度以降については、 64 歳以上の者に係る雇用保険料の徴収免除に係る経過措置が終了するため、この影響も加味しております。

2 つ目、失業等給付にかかる国庫負担については、平成 29 年度から平成 31 年度までの 3 年間に限り、雇用保険法附則第 13 条に基づく暫定措置を、 55/100 から 10/100 に引き下げると仮定しております。

3 つ目は、平成 28 年度以降の支出額についてです。平成 27 年度決算額を基本としつつ、最新の実績見込みを踏まえることし、平成 27 年度実績との乖離が大きいものについては、これを反映させ、更に、平成 28 年度改正、今年度検討中の制度改正の影響については、次のページで御紹介しますが、それを加味しています。

4 つ目、育児休業給付の平成 29 年度以降の支出額については、平成 26 年度から平成 27 年度の伸び率の 1/3 程度を自然増と仮定し、今年度検討中の制度改正の影響を加味しております。

 次の個別延長給付等の暫定措置については法律どおり終了するものと仮定し、その上で、今回の見直しにより、新たに措置するものに改めて計上をすることとしております。最後、予備費相当額については、支出額から除いた形で行っております。

2 ページは、今年度検討中の制度改正による財政影響額についてです。まず、一番上は基本手当等の充実です。 1 つ目として、倒産・解雇等により離職し、被保険者であった期間が、 1 年以上 5 年未満である 30 45 歳未満の者の所定給付日数を 30 日〜 60 日引き上げるということで約 70 億円です。 2 つ目、賃金日額の上限額、下限額等を最新の賃金分布を踏まえて見直すというのが 170 億円です。

3 番目、移転費等について、給付制限期間内であっても支給対象とするということで約 0.5 億円です。 4 番目、個別延長給付等の暫定措置の廃止とともに、今回の見直しにより、新たに措置する事項ということで、「雇止め」により離職した有期契約労働者の所定給付日数を、特定受給資格者並びとするなどです。このところで約 50 億円を見込んでおります。

 教育訓練給付の充実等については、 1 つ目の黒ポツにありますが、専門実践教育訓練給付金の給付率及び上限額の引上げということで、給付率を 40 %から 50 %に、上限額を 32 万円から 40 万円と引き上げるものです。次は教育訓練支援給付金の給付率の引上げということで、給付率を 50 %から 80 %に引き上げるということ。次ですが、支給要件期間の短縮で 10 年から 3 年、離職後 1 年間に教育訓練が受けられない場合に延長できる教育訓練給付が受給できる期間について 4 年から 10 年に延長するものです。これらを措置した場合の影響額としては、平成 29 年度から平成 33 年度、今回試算を行っている 5 年間の中で、最も額が大きい年の額として、最大約 100 億円を見込んでおります。

 続きまして、育児休業給付の給付期間の延長です。育児・介護休業法の改正に合わせて、育児休業給付の対象範囲の見直しを行うということで、こちらについても、平成 29 年度から平成 33 年度の 5 年間の中で最も額が大きい年の額として、最大約 420 億円となります。

 失業等給付に係る雇用保険料率、国庫負担率の時限的引下げです。 1 つ目は、失業等給付に係る本則保険料率を時限的に 2/1,000 引き下げるということで、こちらのほうは 3 年の実施ということで、財政影響額は 1 年度当たり約 3,500 億円です。 2 つ目は、失業等給付に係る国庫負担の暫定措置を時限的に 55/100 から 10/100 に引き下げる。こちらも 3 年間の措置ということで、財政影響額は1年度当たりで約 1,000 億円を見込んでおります。

3 ページでは、以上を踏まえた形の収支の試算ということで、平成 29 年度から平成 33 年度までお示ししております。上にある表をご覧ください。平成 29 年度、平成 30 年度、平成 31 年度については、保険料、国庫負担の率の引下げがあります。その結果、収入は、 1 800 億円程度という状況になります。支出については、制度改正の影響などによりまして、徐々に増加をするという形になっております。その結果、差引剰余の所はマイナスという形になっております。そして、積立金の残高は棒グラフでお示ししておりますが、現在、平成 27 年度決算で積立金残高は約 6.4 兆円となっているものが、平成 33 年度は約 3.6 兆円の結果になると見込まれております。以上が資料 1 です。

 続きまして、資料 2 について、これまで御議論いただいた内容や、今、御説明差し上げた資料 1 の財政運営の内容を基に、部会報告の素案ということで作成したものです。順次、御説明させていただきます。

 第 1 、雇用保険制度の見直しの背景です。最初の○、現在の雇用情勢は着実に改善が進み、基本手当の受給者実人員は減少傾向になっており、平成 27 年度は 44 万人まで減少している。そのような状況の中、リーマンショック時に創設された暫定措置については、平成 28 年度末で期限を迎えることになっており、平成 27 12 25 日付け雇用保険部会報告や雇用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議において、暫定措置の取扱いに関しての検討が求められている。

 また、雇用情勢が着実に改善し、平成 27 年度末の積立金残高は過去最高、雇用安定資金残高が過去最高に近い水準となっている中、未来への投資を実現する経済対策において、「アベノミクスの成果等により、雇用情勢が安定的に推移していること等を踏まえ、雇用保険料や国庫負担の時限的な引下げ等について、必要な検討を経て、成案を得、平成 29 年度から実現する」ことが盛り込まれている。こうした状況を踏まえ、平成 27 年部会報告において、引き続き検討すべきとされた事項をはじめ、雇用保険制度全般について議論を進めてきたところであり、以下のとおり、見直しの方向について結論を得たものである。

 第 2 として、雇用保険制度等の見直しの方向です。 1 、基本手当の水準及び平成 28 年度末までの暫定措置についてです。 (1) 賃金日額です。賃金日額の水準については、平成 23 年の法改正において定められた額を、毎年、毎月勤労統計調査による平均給与額の変化率に応じて自動変更してきた。しかしながら、最低賃金の引上げが図られる一方で、下限額は自動変更により低下してきた結果、下限額が最低賃金を下回る状態となったことから、同様の状態となった平成 23 年と同様、下限額の見直しと併せて、上限額等を見直すべきである。具体的には、最新の賃金分布を踏まえ、法定の額を以下のとおり見直すべきであるとしております。

 表がありますが、括弧が付いていない数字が見直し後の数字で、括弧が付いているものは、平成 28 8 月から適用されている現在の額ということになります。

 次の○です。また下限額については最低賃金との逆転現象が生じないように、自動改定された下限額と最低賃金額 ( 全国加重平均 ) を基に計算された賃金日額とを比較し、最低賃金額を基に計算された賃金日額が上回る場合には、これを下限額とすることとすべきである。

(2) 暫定措置についてです。以下の失業等給付の暫定措置ということで、黒ポツ、個別延長給付、雇止め等により離職した有期契約労働者等の給付日数の充実、常用就職仕度手当の支給対象者の追加については、その期限が平成 28 年度末までとなっている。

3 ページです。暫定措置は厳しい雇用情勢下で措置されたものであり、現在の雇用情勢を踏まえ、期限をもって一旦終了すべきである。その上で、暫定措置が終了になった場合の影響を踏まえ、必要な措置を改めて行うべきである。

(3) 給付日数については、特定受給資格者の所定給付日数内での就職率を見ると、被保険者であった期間が 1 年以上 5 年未満である 30 歳以上 35 歳未満、 35 歳以上 45 歳未満の層では、他の層と比べて低くなっている。そこで被保険者であった期間が、 1 年以上 5 年未満である 30 歳以上 35 歳未満の特定受給資格者について 30 ( 拡充後 120 ) 35 歳以上 45 歳未満については 60 ( 拡充後 150 ) 、所定給付日数を拡充すべきである。

 雇止めにより離職し、特定理由離職者として位置付けられた有期契約労働者は減少傾向にあるものの、一定程度存在していることを踏まえ、暫定的に 5 年間特定受給資格者として扱うこととすべきである。

 急激な雇用情勢の悪化、震災等の事態に対しては、これまで個別延長給付を活用して支援を行ってきた。これらの事態には引き続き対応することが必要であることから、個別の必要な事情に応じて、所定給付日数を延長できるようにすべきである。具体的には、これまでの個別延長給付の例を踏まえ、以下の措置を講ずるべきである。

1 つ目の黒ポツです。リーマンショックのような雇用情勢の悪化が生じた場合に、雇用情勢が厳しい地域の求職者の再就職を支援するため、特定受給資格者等について 60 日の所定給付日数の延長が可能となるようにすべきである。一方で、雇用情勢の悪化については、今後もどのように推移するか見極める必要があることから、 5 年間の暫定措置とすることが適当である。なお、指定地域については、現在、大規模な商業圏に隣接するベッドタウンを含む地域も含まれているが、当該地域の求人・求職活動の実態に合わせた指定要件となるようすべきである。

 次の黒ポツです。震災による倒産・解雇等による離職者・休業者について、 60 日の所定給付日数の延長が可能となるようにすべきである。また、東日本大震災、熊本地震のような特に大きな災害の被災地域 ( 激甚災害に指定された災害を受けた地域で、一定の要件を満たす地域 ) については、従来、広域延長給付により措置してきた給付延長に代わる措置として、 120 日の所定給付日数の延長が可能となるようにすべきである。

 次です。「病気の治療と仕事の両立」が重要な課題となっていることから、難病等、病気の治療を図りながら求職活動をする等の特定受給資格者等について、 60 日の所定給付日数の延長が可能となるようにすべきである。

2 の就職促進給付で、 (1) 再就職手当についてです。再就職手当については、早期再就職が促進されるように、今後、施行される内容も含めた十分な周知を図るとともに、施行状況をしっかり把握すべきである。 (2) 移転費及び広域求職活動費についてです。 UIJ ターンを希望する者を支援する観点からは、公共職業安定所及び職業紹介事業者又は特定地方公共団体が連携して、広域にわたる職業紹介を進め、住居移転を伴うような就職も積極的に支援することが重要であり、職業紹介事業者又は特定地方公共団体による紹介により、住居又は居所を変更する必要がある場合も、移転費の対象とすべきである。その際には、求職者の保護や適正な給付の確保の観点から、公共職業安定所との連携に適さない職業紹介事業者については対象から除外すべきである。なお、その施行状況については、適時把握することが必要である。

 次は、移転費及び広域求職活動費で、給付制限期間内には支給されないこととなっているが、広域での求職活動を促進し、早期の再就職を実現する観点から、給付制限期間内であっても支給できるようにすべきである。また、求人に応募しようとする者が、広域求職活動費の対象である場合に、ハローワークの窓口において、当該求人事業主にこのことを知らせる等、広域求職活動費の利用が促進されるよう、運用の改善を図るべきである。

5 ページ、 3 、教育訓練給付についてです。労働力人口が減少する中、我が国が成長するためには、労働者の職業能力の開発、向上に取り組むことが重要である。労働者の自己啓発を支援する仕組みとして教育訓練給付があるが、中長期的なキャリア形成を支援する専門実践教育訓練給付については、未だ受給者が少ない状況にある。このことから、専門実践教育訓練給付の給付率について 40 %から 50 %に、上限額については 32 万円から 40 万円に引き上げ、集中的に支援すべきである。

 併せて、専門実践教育訓練を受講している 45 歳未満の若年離職者に支給される教育訓練支援給付金について、支給額を基本手当の 50 %から 80 %に引き上げるとともに、平成 30 年度末までの暫定措置を平成 33 年度末までに延長すべきである。

 なお、雇用保険制度は失業に際して生活の安定を図りつつ、再就職に向けた支援を行うことを最も基本的な目的としているものであることに鑑みれば、基本手当等の求職者給付が確実に行われることが最優先であり、その枠組みの中で、教育訓練給付等について考えられるべきである。したがって、現在、働き方改革を強力に進めていくとの政府方針や、良好な雇用失業情勢、安定した雇用保険財政といった環境の中で、教育訓練給付の拡充を行うことは考え得る。しかしながら、こうした状況を考えれば、適切な時期に見直すことが適当である。

 次の専門実践教育訓練給付は、中長期的なキャリア形成を支援するとの観点から、就職可能性が高い仕事において必要とされる能力の職業訓練、その効果がキャリアにおいて長くいかせる能力の職業訓練を対象訓練とし、それに対応して長期間で高額の給付を行うこととしたもので、その給付水準等を踏まえ、 2 回目以降に専門実践教育訓練給付を受けるために必要な期間 ( 支給要件期間 ) 10 年と設定したものである。

 しかしながら、短期間でレベルアップしていく必要がある分野があるとの指摘もあることから、給付が過大になることがないよう、 10 年間での給付総額は 168 万円としつつ、支給要件期間を 10 年から 3 年に短縮することが考えられる。 6 ページです。その際、安易な教育訓練の受講や濫給を防止するため、複数回目の専門実践教育訓練の必要性、対象訓練の適正性を確認する運用を行うべきである。

 育児、出産等と仕事の両立を一層支援することが重要であるが、仕事を一時的に離れる方に対しては、できるだけ早期に仕事に復帰できるような環境整備が重要である。しかしながら、育児、出産等により、離職後すぐに教育訓練を受講することが難しい場合があり、離職後一旦は育児等のため就職活動を中断したものの、その後、再就職をしようとする場合には、より教育訓練が必要となる場合も多いと考えられることから、育児、出産等により、離職後 1 年間に教育訓練が受けられない場合に延長できる教育訓練給付が受給できる期間 ( 適用対象期間 ) を離職後 10 年まで延長し、離職後、育児、出産等でブランクがあっても、能力を向上させ、再就職を実現できるようにすることも考えられる。

4 、育児休業給付について、ここに (P) を付けていますが、まだ均等分科会で議論をされているという意味合いで付けております。育児休業制度については、先般、労働政策審議会雇用均等分科会において、育児休業の延長期間として最長 2 歳との案が示されたところであるが、この方向で報告書が取りまとめられた場合には、育児休業給付はこれを踏まえて対処すべきである。

5 の財政運営については、今回見直し内容も含めた財政運営を資料1として出したということ意味で、 (P) を付けております。雇用保険は失業に対する必要不可欠なセーフティネットとして、労使が負担する保険料と国庫負担により運営されるものであり、将来にわたって、安定的な運営を確保し、予期せぬ景気変動に伴う雇用情勢の悪化が生じたとしても、十分対応できるものとしておくことが最も重要である。これが保障されることを前提に、経済対策等、各般の指摘にどのように対応し得るのかを検討すべきものと考える。

(1) 雇用保険料率についてです。その上で、平成 27 年部会報告にあるとおり、平成 28 年度より基本となる失業等給付に係る保険料率について、 12/1,000 に引き下げられているところである。一方で、引き続き雇用情勢の改善が進み、平成 27 年度末の積立金残高が 6 4,260 億円となり、必要な水準の目安である弾力倍率 2 を大きく上回ることになっていることから、安定的な運営が維持され得ると見込まれる 3 年間に限り、雇用保険料率を 2/1,000 引き下げ、労使の負担軽減を行うべきである。なお、積立金の水準については、予期せぬ雇用情勢の変動に備え、一定程度確保していくことが必須である。今般の 3 年間限定の雇用保険料率引下げの結果、弾力倍率は 2 程度となることが見込まれており、過去の財政状況を鑑みれば、これを 1 つの目安として今後も考えていくべきものと考える。

(2) 国庫負担についてです。雇用保険制度において、失業等給付に係る費用の一部を国庫により負担しているのは、雇用保険の保険事故である失業は政府の経済対策・雇用対策とも関係が深く、政府もその責任を担うべきであるとの考えによるものであり、失業等給付に係る国庫負担の制度を全廃することは、国の雇用対策に係る責任放棄につながり、適当ではない。そして、水準を低下させることであっても、国の責任の観点から安易に考えてよいものではない。

 現在、失業等給付に係る国庫負担は、平成 19 年度から暫定措置として法律の本則の 55 %とされているが、これについては、平成 27 年部会報告において、「求職者支援制度に係る財源を含め、雇用保険法附則第 15 条の「できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとする」との規定に基づく措置を講ずるべきである」としたところである。国会においても、「失業が政府の経済対策及び雇用対策とも関係が深いことに鑑み、政府の責任として、雇用保険法附則第 15 条の規定に基づき雇用保険の国庫負担に関する暫定措置を早期に廃止し、本則に戻すこと」と決議されている。今回の本部会においても、改めて上記と同様の意見が示されたところである。

 基本的には、この考え方に立つべきものであり、国庫負担のあり方や水準を、積立金の水準が一定程度あることのみをもって議論すべきものではないが、過去、保険料率と併せて国庫負担についても一定軽減してきた例があることも踏まえ、未来への投資を実現する経済対策において、「アベノミクスの成果等により、雇用情勢が安定的に推移していること等を踏まえ、雇用保険料や国庫負担の時限的な引下げ等について、必要な検討を経て、成案を得、平成 29 年度から実現する」とされていることを考慮し、国庫負担について 3 年間に厳に限定し、法律上もそれを明記した上で、本来負担すべき額の 10 %に相当する額とすることもやむを得ない。

 なお、求職者支援制度についても、これまでの経緯に鑑みれば、同様の扱いとなることもやむを得ないが、そもそも求職者支援制度は全額一般財源で措置すべきものであり、政府は引き続き、一般財源確保の努力を行っていくべきである。

 これらを実施するとしても、国庫負担を速やかに本則に戻すべきであるとの考え方が変わるものではないことから、雇用保険法附則第 15 条を踏まえ、平成 32 年度以降、安定した財源を確保した上で、法附則第 13 条に規定する国庫負担に関する暫定措置を廃止することを改めて法律に規定すべきである。

(3) 雇用保険二事業の財政運営等についてです。雇用保険二事業に関しては、雇用情勢の改善等に伴う継続的な収支改善傾向により、平成 27 年度末の雇用安定資金残高は 1 584 億円となっており、弾力倍率は 1.5 倍を上回ることから、平成 29 年度の雇用保険料率については、 3/1,000 に引き下がることとなるが、引き続き効率的な制度運営に努めていくべきである。

 雇用保険二事業は、雇用保険の附帯事業として失業の予防、雇用機会の増大、能力開発・向上に資するもので、事業主の共同連帯により対応することが適当なものを実施するものである。こうした事業の性格からは、生産性が高まることは、より長期の雇用の安定や的確な職業能力開発の実施に資するとの視点もあることから、こうした視点を明らかにしておくことが考えられる。

6 、その他で、 (1) マルチジョブホルダー等雇用保険の適用のあり方についてです。マルチジョブホルダーについては、複数の職場で就労することにより、雇用保険が適用される週所定労働時間 20 時間以上となる者のセーフティネットの必要性について議論がある中で、仮にマルチジョブホルダーについて適用を行う場合には、技術的な論点、雇用保険制度そのもののあり方との関係など、専門的に検討する課題があることから、専門家による検討会を設置し、検討を進めていくことが必要である。

(2) 高年齢雇用継続給付についてです。高年齢雇用継続給付については、今後の高齢者雇用の動向や、社会経済情勢等を勘案しつつ、引き続き中長期的な視点から議論していくべきである。

(3) 求職者支援制度については、実施状況の的確な把握を行い、政策の有効性の検証に努めるとともに、雇用保険の給付とのバランスや費用負担のあり方も含め、安定した就職の実現に向けた支援について引き続き検討すべきである。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。ただいま御説明いただきました資料 1 と資料 2 について、御意見、御質問がありましたらお出しいただきたいと思います。

○菱沼委員 御説明ありがとうございます。資料 1 の財政運営に関して確認させていただきたいと思います。資料の 2 ページ、今回、これまでの議論を踏まえて、検討中の制度改正に係る財政影響額を示していただいたということです。財政影響額が右側に表になっておりますが、基本手当等の充実、教育訓練給付の充実等、育児休業給付の給付期間の延長については、支出の増加要因になるものであって、失業等給付に係る保険料率及び国庫負担率の時限的引下げについては、収入の減少要因になるというものという確認ですが、よろしいですか。

○田中雇用保険課長 御指摘のとおりです。基本手当等の充実、教育訓練給付の充実等、育児休業給付の給付期間の延長は制度見直しに伴って、支出が増になるものです。失業等給付に係る保険料率と国庫負担の部分については、収入が減になるものです。

○岩村部会長 よろしいですか。

○菱沼委員 ありがとうございました。

○岩村部会長 ほかはいかがですか。

○遠藤委員 同じく資料 1 2 ページです。右側の財政影響額を見ますと、保険料率、国庫負担率の引下げもありますが、お尋ねしたいのは、育児休業給付の給付期間の延長に関わる影響額についてです。「最大」という意味合いはどういうことなのでしょうか。

2 点目として、この見積りの根拠となった休業期間の長さをどのように見ていらっしゃるのか、男女比など、仮置きの数字はどうなっているのかということです。

○岩村部会長  1 点目は事務局でお答えいただけますか。

○田中雇用保険課長 まず、最大という意味ですが、育児休業給付は御承知のとおり自然増をしておりますので、そういうことで、ここの試算にあるものも、初年度に係る影響額と、それから何年かたった後の影響額については、何年かたった後の影響額のほうが大きくなりますので、そういうことを表現したものです。

 期間については、均等分科会で議論をされている、今の 1 6 か月が 2 歳になるということを仮定した数字です。この試算に当たりましては、休業取得者の実績等々から試算しておりまして、男女比については特段そういう意味では公理はしておりません。

○岩村部会長 遠藤委員、いかがですか。

○遠藤委員 すみません、 2 歳まで延ばすということは存じ上げているのですが、取得される方がみんな 2 年間という仮置きではないと思いますので、休業期間の仮置きの数字を聞きたいということです。

○田中雇用保険課長 すみません、質問の意味を取り違えておりました。これにつきましては、当然、全ての方が 2 歳まで延ばされるということではありませんので、今、 1 6 か月まで取られている方について、そのうちの一定の方が 2 歳まで利用されるということを仮定して計算しております。

○岩村部会長 遠藤委員、いかがでしょうか。よろしいですか。

○遠藤委員 はい。

○岩村部会長 そのほかはいかがですか。

○山本委員 ありがとうございます。資料 2 についてですが、雇用保険部会報告 ( 素案 ) ということで出てきました。この間、いろいろな議論を経て文書になったというところだと思います。ただ、その前提として、新聞報道で先に情報が出るのはいかがなものかと思っていまして、それが今回だけではないという中では、こうやって審議会において誠実に意見交換をしている中でいくと信義則を守っていくべきであって、取り分け組織としてのガバナンスはしっかりと守っていただきたいなと思っています。その上で、報告書の素案から報告書にするべく、私から 1 つ意見を申し上げておきたいと思っています。

 私からは、資料 2 の雇用保険制度の見直しの 3 ページ、 (3) の給付日数の部分に関しての意見ということになります。 1 つ目の○の最後の所で「所定給付日数を拡充すべきである」という記載について、この結論の方向性について異論はないというか、この方向で進めていただければと思っています。ただ、一方で特定受給資格者以外について何も記載していないことについては、適切ではないのではないかと考えています。

 第 115 回の部会でも、既に議事録も公開されていますけれども、基本手当の水準については労使双方から意見が出されてきています。雇用保険制度において給付日数は給付の根幹を成す部分となっていて、また給付制限期間は給付の有無に関わる重要なポイントとなっています。特定受給資格者以外について、どのような議論があったのか。これまでの雇用保険部会報告では、労使それぞれの主張を併記してきたということもありました。本年度も過去にならい、労使それぞれの意見を記載すべきではないかと思いますので、意見を申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 御意見ということで承りたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○亀崎委員 同じ資料 2 3 ページ、 (3) 2 つ目の○に記載されている特定理由離職者の対応についてです。労働者側からは、特定受給資格者の枠内で対応することを含めて検討すべきとの意見を、この間、申し上げてきたところであります。雇止め離職者に対する対応として、当然、必要な措置が、ここでは暫定 5 年間となっています。特定理由離職者については減少傾向にあるものの、一定程度存在しているとの記載がありますが、これまでの部会でも労働側から意見を申し上げてきたとおり、対象者の数、いわゆる多いとか少ないといった数の問題でなく、救うべき者は救うということがセーフティネットとしての考えだと考えています。今回の見直しにおいて、労働側としては特定理由離職者への対応は、恒久化すべきであると申し上げておきたいと思っています。なぜ暫定なのか、なぜ 5 年なのかという点が納得できないので、強く意見として申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。今の点、何か事務局のほうでございますか。

○田中雇用保険課長 ここの部分でございますけれども、現状、こういうような雇止めの離職者について、特定受給資格者とみなして扱うという暫定措置がありまして、それが 28 年度末までの離職者で終了するという状況です。全体にこれをどうするかというのについて、この間、御議論を頂いてきたわけですが、雇止めによる離職者について、一定の特定受給資格者と同様の、今の雇用情勢であっても、そういうような所定給付日数にしていくことが必要ではないかということが御議論されてきたかと思います。

 法制的に見て、こういうような雇止めの方が、全く解雇とどうかということ等々については、今後も整理をしていかなければいけない面があると思っています。また、雇用情勢の変動によって、こういうような有期の方の雇止めにも影響が出てくるだろうということも考えられますので、これにつきましては、一旦は暫定措置として延長することにした上で、これまでの 3 年より長い 5 年という期間を取り、その間の変動をしっかり見極めた上で 5 年後に暫定措置が切れるときに、またこれをどうすべきなのか改めて御議論いただければと思っています。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

○菱沼委員  1 点、質問があります。よろしいでしょうか。

○岩村部会長 どうぞ。

○菱沼委員 資料 2 4 ページ、上から 4 行目のポツで「病気の治療と仕事の両立」が重要な課題となっていることからという下りですけれども、難病等病気の治療を図りながら求職活動をする等の特定受給資格者等について、 60 日の所定給付日数の延長が可能となるようにすべきであるとなっています。ここは「等」が 2 つ並んでいるのですが、それぞれの等にどういうものが含まれるのか。その辺、お分かりであれば教えてください。

○岩村部会長 雇用保険課長、お願いします。

○田中雇用保険課長 難病等の後の「求職活動をする等」の「等」ですが、ここについて主として念頭に置いているのは、障害者手帳を所持しておられない発達障害の方とか精神障害の方とか、そういうような方を想定しています。そういうような方も心身の状況によって、なかなか就職先に一定の制約があったりして求職活動が難しいところがございますので、そういう方を想定しているのが、この等です。

 後段の「特定受給資格者等」の「等」ですが、これは、ここの個別延長給付の所全体にございます。これは現行の制度もそうですけれども、特定理由離職者のうちで省令で定める者を想定していて、現行もその省令では雇止めの方が定められていますので、ここは、特定受給資格者と特定理由離職者のうちの雇止めの方ということになろうかと思います。

○岩村部会長 菱沼委員、よろしいでしょうか。

○菱沼委員 ありがとうございました。

○岩村部会長 ほか、いかがでしょうか。

○遠藤委員 お尋ねを大きく 2 つさせていただきたく思います。まず 3 ページです。暫定措置に代わるべき仕組みということで、一番下の○の部分です。リーマンショックのような雇用情勢の悪化が生じた場合に、雇用情勢が厳しい地域の求職者の再就職を支援するために行う新たな給付についてですが、現状を見てまいりますと、全国延長給付があり、広域延長給付がある中で、さらにこういった枠組みを入れるということは、前二者に比べて要件を多少低くしていく、あるいは適用しやすくしていくという理解でよろしいのかどうか、これが 1 点目です。

2 点目ですが、教育訓練給付の拡充に関わる最後の○が 6 ページにあります。その中で下から 4 行目ですが、「延長できる教育訓練給付」と書かれていますので、この給付内容は専門と一般、両方含んだものであるということであり、ここで延長していくのは、教育訓練給付だけに限るという理解でよろしいのかどうかです。

○岩村部会長 それでは、雇用保険課長からお答えいただければと思います。

○田中雇用保険課長 私から 2 点、お答えをさせていただきます。前段の個別延長給付ですけれども、これは確かに広域延長給付と全国延長給付というように、雇用情勢が悪化したときの手段につきましては、現行も雇用保険制度の中に存在しています。ただ、これら 2 つにつきましては、特に全国延長給付については今まで発動されたことがありませんし、相当に悪化したときとなっています。また、広域延長給付についても、どちらかというと構造的な雇用情勢ということで、一定の厳しい条件が課せられていて、どちらも、今、雇用情勢が急激に悪化したのでということには、やや対応しにくい仕組みになっていますので、この個別延長給付においては、そういう意味で基準というよりは、むしろ適用しやすくする。より急激な短期間の影響にも対応しやすくするということで、セットするものではないかと思います。

2 点目の教育訓練給付についての御質問です。ここの教育訓練給付、 6 ページの所ですが、これについては、適用対象期間の延長の対象になるのは教育訓練給付全体ですので、一般も専門も両方ということです。

 それから、こういったような延長措置は教育訓練給付だけかということですが、そのように考えていて、むしろ生活の安定ということよりは、教育訓練を受講する必要性というようなことから構成されている教育訓練給付につきまして、この適用対象期間について 4 年から 10 年に延長するというものです。

○岩村部会長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。そのほか、いかがでしょうか。

○山本委員  5 ページの教育訓練給付の所の意見になりますが、教育訓練給付の拡充については、今回、積立金残高も踏まえた上での対応と考えていて、そういう議論もしてきたと思っています。実施するにしても、我々労働側とすると時限的な対応とすべきという意見を申し上げてきたつもりがあります。さらに雇用保険の本体給付とのバランスの視点も、忘れてはならないという点について指摘をしてきました。教育訓練の機会の確保をしていくことは重要ということは、別に否定するものではありませんが、それで直ちに雇用に結び付くというものではないのではないかと考えています。

 先ほども亀崎委員から、なぜ雇止め離職者への対応が暫定的なのかという質問をさせていただきました。逆に、こちらは何で暫定ではないのか、率直に申し上げて、優先順位が逆なのではないかと思っています。これからしても、この教育訓練給付の拡充については暫定で実施すべきと思っています。

 先ほどの資料 1 にもありますけれども、今回の制度見直しに、基本手当の拡充の原資、かかると見込んでいる影響額と、教育訓練給付の充実に係る額、最大ということですが、 100 億円ということが出ています。若干、我々労働側としてはバランスが悪いのではないかと思っていますし、最後の資料の 33 年度の積立金残高の見込みについて資料を出していただいていますが、ある程度積立金の残高の取崩しを含めた制度の拡充ということで、この間、議論をしていると思います。見直しがどこかのタイミングでは必要な財政状況になってきますので、特定理由離職者については先ほどの意見であれば暫定にして適正な見直しをするという、そういうことであれば、この教育訓練給付についても、暫定という形の中で見直す機会を設けることがいいのではないかと思います。以上です。

○岩村部会長 雇用保険課長、コメントがあればお願いします。

○田中雇用保険課長  1 点、申し上げておきますと、この全体の教育訓練給付拡充の考え方として、労働力人口が減少していく中で、労働者の能力開発を進めていくことが重要であるという観点からの構成としています。こういうような政策的必要性につきましては、少し雇用情勢とか、その時期を限って必要になるというものでは必ずしもないということから、制度的な立て付けとしては、今回、一旦は期限を切らない形で提案をさせていただいていますけれども、ここは、併せて適切な時期に見直すことが適当であると資料 2 の中で書かせていただいています。その前の下りで、雇用保険制度の本来の目的ということも併せて記載していて、当然のことながら今後の雇用保険財政等の状況を見つつ、適切な時期に見直しをすると。全体としてそういうようなものであると思いますが、特にこの部分についてはそういう色彩が強いものとして、あえてここで適切な時期に見直すことが適当であるということを書き込むことにより、部会での御議論をある程度反映はできていると思っています。

○岩村部会長 ありがとうございます。三島委員、どうぞ。

○三島委員 私からも教育訓練給付についてですけれども、雇用保険を財源とする制度を拡充する以上、今回の拡充内容が質の高い雇用への再就職に結び付いたか、しっかりと検証が必要であると考えています。また、こうした効果の検証に加えて、講座の全国的な整備状況や時点時点での財政状況等も踏まえつつ、将来的には、現行の水準に戻すなどの見直し議論が発生することは十分にあり得ると受け止めています。教育訓練については雇用保険制度の枠内にとどまらず、職業能力開発施策全体からの議論が必要であって、雇用保険を財源とする訓練は、その 1 つのオプションに過ぎないという視点を忘れてはならないと思いますので、労働側としては、こうした視点からも引き続き議論を行っていきたいと考えていることを、申し添えておきます。

○岩村部会長 御意見として受け止めたいと思います。ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。

○遠藤委員 同じく教育訓練給付に関連して、 6 ページの一番上 2 行について、改めて確認をさせていただければと思います。拡充することに伴う懸念点として、労使ともに発言をしてきたと理解しています。そういった中でキャップをはめていくことが前のページにあって、さらにこの 2 行で記していただいたことは、方向性として大いに理解しているところです。

 今後、どういった場合が安易な受講であったり、どういった場合が濫給なのかというところは、一概に言えない部分もあるかとは思いますが、イメージとしましては、前回は期の途中でやめてしまっている場合、どう見るのか。あるいは A という分野で受けた人が、 3 年後に今度は B という分野で受けていくことが、無計画な形で行われていると見るのか。そういったこと等々があり得ると思っています。繰り返しですが、一概には言えない部分がありますので、そういった意味でも複数回目の専門実践教育訓練の必要性などを見ていくためには、キャリコンを受けることを必須にしていただく。会社側の推薦があったら受けなくてもいいということではなく、 2 回目以降については必須にすることで、 1 つの歯止めになると考えます。諸々のことを含めて御検討をいただければと思います。

○岩村部会長 雇用保険課長、何かコメントがあれば。

○田中雇用保険課長 これも、しっかり使って、よりキャリアアップしていただければという趣旨からの見直しの中身になりますので、これが不必要に変な形で使われてしまったりということについては、できるだけそれがないようにすることは非常に重要だと思っています。キャリコンで過去の受給状況なども踏まえながら、必要性を確認するといったことも考えられると思っていますので、今後、部会での御指摘も踏まえて、どういう運用ができるのかはしっかり検討してまいりたいと思います。

○岩村部会長 遠藤委員、よろしいでしょうか。

○遠藤委員 はい。

○岩村部会長 そのほか、いかがでしょうか。深澤委員、どうぞ。

○深澤委員 今、遠藤委員から発言のあった部分の下の所で、育児、出産等で一旦、仕事を離職された方の教育訓練の受講期間を、 4 年から 10 年にすることについての質問です。この離職後 10 年というものの根拠と言いますか、どういうケースを想定されて 10 年という年数が出てきたのか教えていただけたらと思います。

○岩村部会長 雇用保険課長、お願いします。

○田中雇用保険課長 これにつきましては、今、育児のために離職をされて、その後、再就職された、主として女性ですけれども、どのぐらいの期間、離職をされていたかということを見ますと、大体、 10 年以内で約 8 割になっていますので、こういった層がカバーできれば役に立つのではないかと思って 10 年と設定しています。

○岩村部会長 いかがでしょうか。

○深澤委員  10 年ということですが、この文言はそのとおりだと思いますけれども、育児と出産と仕事の両立をするというところがまず非常に大切であり、早期に仕事に復帰するところを支援することが大切なのではないかと考えています。過去に比べますと M 字カーブの底も随分減ってきて、継続勤務をされる方が増えている状況を考えますと、長いインターバルがある方を支援するところを強調するよりも、短期間で頑張って復帰しようとか、継続勤務をしようということを促進することに重要性があるのではないかと考えています。言い換えますと、表現がきついかもしれませんけれども、継続勤務をして雇用保険料を払っている人たちの分で、インターバルのある方を支援するようにも見えるというか、そういうところはどうなのかと、違和感があるというところを意見として申し上げたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。多分、公労使、その点は恐らく意見が同じなのではないかと思います。そのほか、いかがでしょうか。

○菱沼委員 関連して、今、深澤委員が話された教育訓練給付のところで意見を申し上げたいと思います。確かに離職後 10 年に延ばすということでいろいろ意見はあるかもしれませんが、一応、離職をされている方ありますし、ブランクがあってもという文言もございます。少なくとも再就職を実現できるようにという形ですし、離職しているということですから、ハローワークに行って教育訓練給付を受けるのもいいし、ブランクがあるから別の支援が必要だということもあるかもしれませんので、そういった部分への誘導と言いますか、そういうものが必要だと思いますので意見として申し上げます。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

○村上委員  4 ページの就職促進給付の所で、 (2) の移転費及び広域求職活動費についてです。前回も質問したのですが、今回、ハローワーク以外でも地方公共団体であるとか、職業紹介事業者から紹介された場合も移転費の対象にするとされています。ただし、ハローワークとの連携に適さない職業紹介事業者については、対象から除外となっています。この部分は是非、しっかりとした基準を設定していただいた上で、適切に施行されるようにしていただきたいと思います。また、一定の期間が経過する中において不適切な事案が見つかるようであれば、基準は厳しくしていただきたいということを要望しておきます。

○岩村部会長 雇用保険課長、何かコメントがあればお願いします。

○田中雇用保険課長 御指摘を踏まえまして、安定法のほうの施行状況ということもありますので、そういうようなところとは連携しながらやっていきたいと思っています。

○岩村部会長 ほかは、いかがでしょうか。

○遠藤委員 資料 2 で言うと、7ページの (2) の国庫負担についてです。ただし、こちらに入る前に財政運営の資料で確認をさせてください。一番後のページです。 3 年間の時限という形で保険料率を引き下げていくとともに、国庫負担の割合を引き下げていく、そして 3 年後の絵姿ということで改めてお伺いしたいのですが、ここに書かれている内容は簡単に理解しますと、 3 年後の保険料率は現行の 0.8 %に戻ってくるということであり、併せて国庫負担の割合も、本則の 55 %に戻るという理解でよろしいでしょうか。

○岩村部会長 雇用保険課長、お願いします。

○田中雇用保険課長 御指摘のとおりと思っています。試算上の計算としてはそういうことになります。

○遠藤委員 ありがとうございます。そういう前提で、 7 ページの書き振りについて意見を申し上げたいと思います。国庫負担について整理がされており、最初のパラグラフの大事なキーワードとして、「失業等給付に係る国庫負担の制度を全廃することは、国の雇用対策に係る責任放棄につながり、適当ではない」と、まず結んでいます。その後ですが、全廃するということは責任放棄ではあるけれども、それ以外の部分についての書き振りが、「安易に考えてよいものではない」というのでは、あまりにもトーンが低過ぎると考えます。全廃しなければ、それ以外のことについては後段の文章の中で全部読み込むということも好ましくないと思います。全廃以外のものであれば、例えば一時停止もあり得るわけですので、一時停止や水準の低下については、「国の責任の観点から安易に考えてよいものではない」の後が必要であり、例えば「合理的な理由が求められる」など、何かきちっとした形でのメッセージとして残しておくべきであると思います。

○岩村部会長 御意見として承りたいと思います。そのほか、いかがでしょうか。

○野川委員 今の遠藤委員の意見とちょっと重なると思います。対象は違いますが、 5 ページの教育訓練給付についての 4 つ目の○で、雇用保険制度の基本的な目的で、その優先度が記載されています。先ほど山本委員からも、雇止めの離職者に関する給付が暫定 5 年でありながら、なぜ教育訓練給付については恒常的であるのか。バランスを欠いているではないかという御意見がございました。私としては、こういった意見が今後も必ず出てくるであろうと思います。つまり、雇用保険は非常に規模の大きなファンドで、かつ、非常に柔軟な使い道が想定できる制度ですので、そのときどきの政治情勢によって雇用政策の様々な金銭的な手段として使われていくことが予想されるのですが、そうすると、この雇用保険制度全体の中心と周辺と言いますか、基準とそうでないものということの見分けが、だんだん付かなくなっていく恐れがあるということは私も懸念しています。

 それが何で遠藤委員の最初の意見につながるかというと、国庫負担についての考え方も、基本的な原則が、ずるずると失われていくことのエクスキューズのように思われては困るということでした。それも含めて、私はここの「なお」の所で、一体、どの程度のバランスであれば基本的に雇用保険制度が、失業に際する生活の安定を図り、再就職に向けた支援を行うという原則を踏まえているのかという、定量的な基準を作ることは非常に難しいだろうと思いますので、先ほど遠藤委員が言われた合理的な歯止めを付けるといった、定性的な何らかの規範的歯止めを表現できるほうが、今後の議論について生産的ではないかと思います。

 そこで、例えば、この「なお」の所で、「最も基本的な目的としているものであることに鑑みれば、基本手当等の求職者給付が確実に、かつ十分に行われることが適当」といった表現を検討していただきたいと思います。つまり確実にというのには、雇用形態や就業構造の多様化に伴って、雇用保険の給付対象が非常に多彩になっている、その人たちの中で漏れがないようにという趣旨はもちろん含まれていますが、水準の確保という意味は必ずしもそこから読み取れないので、例えば基本手当の額について水準はどうなんだという議論が出るときに備えて、単に確実に、つまり幅広く漏れのないように給付されるだけでなく、その水準についても、きちんと基本的な考え方を維持していくことを表すために、例えばここで「確実に、かつ十分に」といった表現を盛り込むことについて検討いただければというのが私の意見です。

○岩村部会長 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。

○村上委員 今、野川委員から御提案があった部分については、私ども労働側としても是非、盛り込んでいただきたいと考えています。そのときどきの状況によって基本手当がどうなっていくのかということが蔑ろにされてしまっては、雇用保険制度全体の信頼性が失われていくと思いますし、そうならないためにもきちんと報告に書くことは必要だと思っています。国庫負担の所についても、遠藤委員の御提案には賛成で、この間の議論を踏まえれば何らかの歯止めを掛けていかなくてはならないと考えています。

 今日の資料 2 8 ページで、本則の 10 %という記載がなされていますが、国庫負担の時限的引下げをどうするかということに加えて、この 10 %という数字自体も私ども労使から提起されたものでは決してないということで、ここについては重く認識していただきたいと考えています。

 また、先ほど遠藤委員からも確認がありましたけれども、私ども労働側としては 32 年度以降には、暫定措置として本則 25 %の 55 %とされている現在の国庫負担率ではなくて、本則 25 %に戻すことが筋だと思っていますので、そうあるべきということも併せて発言しておきたいと思います。また、本則に戻すときにネックになるのが、安定した財源を確保した上でという部分なのですが、ここについては、私どもとしては暫定措置を廃止するための条件ではなくて、安定した財源を確保すること、本則に戻すことは、それをセットで実施項目だと思っていますので、その点も是非、分かるような書き振りにしていただければと考えています。

○岩村部会長 御意見として承りたいと思います。ほかには、いかがでしょうか。

○柳沢委員 今ほどの野川先生の話されたところを改めて見ていて、資料 2 5 ページの 4 つ目の○の所です。この文章をよく見直してみますと「雇用保険制度は」うんぬんとあり、「したがって、現在、働き方改革を強力に進めていくとの政府方針や」うんぬん、「拡充を行うことは考え得る。しかしながら、こうした状況を考えれば、適切な時期に見直すことが適当である」とあって、最後の「しかしながら」の後の「こうした状況」というのがどこを指しているのか、「適切な時期に見直すことが適当」というのは何を見直すのが適当と言われているのか、改めて今、読みながらよく分からなくなったと思いました。これは今回、教育訓練給付の充実等ということで上に書かれていること全部を、またもう 1 回見直すということを言われているのでしょうか。

○岩村部会長 雇用保険課長、お願いします。

○田中雇用保険課長 ここの部分の「適切な時期に見直すことが適当である」につきましては、教育訓練給付の支給割合の引上げと、額の引上げの部分を主として念頭に置いた記述です。また、「こうした状況を考えれば」というのは、日本語が分かりにくかったかもしれませんが、雇用保険制度の本来が、基本手当等の求職者給付が最優先とした上で、教育訓練給付を考えるに当たって、現在、政府方針とか雇用失業情勢、雇用保険財政ということを考えれば、教育訓練給付を拡充しても、こういう求職者給付が確実に行われることが一定担保できるだろうと。こういうような中でやるということですので、そういうことを全体として考え、当然、財政状況とか雇用失業情勢の状況を考えれば、適切な時期に今回の教育訓練給付の見直し、拡充の部分について再度考えなければならないということです。

○岩村部会長 今日、御指摘がありましたので、文案については御検討いただければと思います。ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。

○亀崎委員 資料 2 8 ページの一番下、 6 のその他のマルチジョブホルダーについてです。ここには「専門家による検討会を設置」と記載されています。第 116 回雇用保険部会で公労使からそれぞれ意見が出され、公益委員、使用者側委員からは、直ちにフランス、ドイツの制度を、日本にそのまま導入するのは難しいのではないかという意見が出されたところです。その指摘については視察を踏まえたものであり、そのとおりかと受け止めていますが、そうした指摘も踏まえて、今後、検討会を設置するということだと私ども労働側は受け止めているところです。検討会のミッションは、当然、セーフティネット拡充の結論を出すことだと考えているので、初めから対応は難しいという結論を出すのではなく、雇用の現状を見たときには必要性が大いにあるわけで、制度の導入に向けては問題を克服しながら、どうしたら対応できるのか、解決できる現実的な施策をまとめていただくよう、御検討いただきたいと思っています。

○岩村部会長 ありがとうございます。御意見ということで承っておきたいと思います。ほかにございますか。

○村上委員 先ほどは基本手当と、ほかの給付の関係についての意見を申し上げたのですが、それだけではなくて、財政状況を見たときに積立金がこれだけ豊富にある中で、今はあるけれどもこの先に何があるか分からないといったときに、この積立金残高が減少していき、全体的に収支バランスをどうやって取っていけばいいのか、そういうことが起こった場合にどうしていくかという点についてです。そこはこれまでも申し上げてきましたけれども、私ども労働側としては、失業給付の部分を引き下げるということではなく、余裕のある保険料率の見直しであるとか、また先ほどの国庫負担もきちんと回復していただく、さらには教育訓練給付の部分も見直すといったことがあるべきであって、緊急避難的に給付水準を引き下げることが再度起こるということは、保険料を払ってきた人たちの立場から見れば、とても納得ができない状況となりますから、その点については是非、意見として申し上げておきたいですし、その部分を何かニュアンスとして残せるものがあれば、この報告の中に残していただきたいと考えています。

○岩村部会長 ありがとうございます。もちろん、雇用保険財政の安定的な運営というのが非常に重要な課題ですし、これについては事務局におかれましても今後とも十分留意しつつ、制度設計及び運営を行っていただければと私も思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。そのほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。次回ですけれども、今日の議論を踏まえ、事務局のほうで資料 2 の素案を修正した案を準備していただくことにしまして、それを基に議論をしたいと存じます。

 最後に、いつものお願いでございますが、署名委員は使用者代表につきましては菱沼委員に、労働者代表につきましては三島委員に、それぞれお願いを申し上げます。次回の日程は 12 8 ( ) です。場所等の詳細については事務局のほうから改めて委員の皆様に御連絡いただきたいと思います。委員の皆様方、今日は夜遅くまで、お忙しい中、ありがとうございました。これで終了とさせていただきます。


(了)

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
TEL:03-5253-1111(内線:5763)

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