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2016年12月28日 第134回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成28年12月28日(水)10:30〜12:00


○場所

ベルサール九段(ホール)


○出席者

安部、井口、伊藤、稲葉、井上(由)、及川、亀井、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、鈴木、鷲見、瀬戸、高野、武久、田中、田部井、東、福田(直井参考人)、堀田、本多、松田(敬称略)

○議題

1.平成28年度介護事業経営概況調査の結果について
2.平成29年度介護事業経営実態調査の実施について
3.その他

○議事

○鈴木老人保健課長 それでは、定刻となりましたので、第134回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りましてまことにありがとうございます。
 本日の委員の出席状況でございますが、井上委員、大西委員、河村委員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、福田委員にかわり直井参考人に御出席いただいております。また、東委員、武久委員におきましては、若干おくれている状況でございます。
 以上により、本日は22名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 冒頭のカメラ撮影につきましては、ここまでとさせていただきます。撤収のほう、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○鈴木老人保健課長 以降の進行につきましては、田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 皆様、おはようございます。12月28日という押し詰まった日にお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 本日は、平成28年度介護事業経営概況調査の結果並びに平成29年度介護事業経営実態調査の実施などについて御議論をいただきます。
 初めに、事務局より資料の確認をお願いします。
○鈴木老人保健課長 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 まず、議事次第と委員名簿をつけさせていただいております。
 その後ろに、資料1「平成28年度介護事業経営概況調査結果のポイント(案)」、続きまして、資料2「平成28年度介護事業経営概況調査結果(案)」、その後、資料3「平成29年度介護事業経営実態調査の実施について(案)」、それから、資料4−1〜4−5で調査票をつけさせていただいておりまして、最後、資料5「平成30年度介護報酬改定に向けた医療と介護の連携に関する検討の進め方について(案)」をつけさせていただいています。
 また、参考資料1と参考資料2がございます。
 資料の不足等がございましたら、事務局のほうにお申しつけください。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 議題1「平成28年度介護事業経営概況調査の結果について」と議題2「平成29年度介護事業経営実態調査の実施について」は関連しますので一括して議題といたします。
 事務局より資料の説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 それでは御説明させていただきます。
 まず、資料1の3ページをご覧ください。「平成28年度介護事業経営概況調査の概要」と書かせていただいております。
 今回の概況調査の概要でございますが、ここに書いております調査の目的につきましては、各サービス施設・事業所の経営状況を把握し、次期介護報酬制度の改正及び介護報酬の改定に必要な基礎資料を得るということで、今回、調査を行わせていただいております。調査時期につきましては、平成28年5月で、平成26年度決算及び平成27年度決算を調査ということにしております。前回の概況調査ですと単年度でございましたが、今回から改定の前後の年度、2カ年を調査するということに変更させていただいております。調査対象につきましては全ての介護サービスで、今回の有効回答率につきましては47.2%となっております。
 4ページをごらんいただければと思います。
 参考までに前回の概況調査の回答数及び有効回答数をつけさせていただいておりますが、平成28年度の概況につきましては、一番下の合計のところにございますとおり47.2%が有効回答率になっております。片や、その右側にあります参考で載せておりますが、平成25年度の概況調査につきましては41.7%となっておりまして、前回の概況調査よりも有効回答率が上昇しているというのが現状でございます。
 3ページに戻っていただきまして、今回の概況調査と実態調査の比較ということで参考にさせていただいておりますが、特に調査の範囲につきましては、これまでの御議論の中で改定前後の2年分の収支状況を見るということで、対象の範囲を拡大させていただいております。
 これは概況調査の方法でございますが、調査の結果につきましては1ページをごらんいただければと思います。
 各サービスの細かい調査結果につきましては資料2にまとめさせていただいておりますが、資料1の1ページのほうでは、それの全体的な総括的なものを結果として御報告させていただきます。
 各サービスの収支差率についてでございますが、今回、改定前後の26年、27年の状況を比較させていただいたところ、多くの介護サービスにおいて収支差が低下しているということでございますが、平成27年度の収支差率はおおむねプラスになっているということでございまして、特に施設サービスにつきましては、3施設全て収支差率が低下しております。
 居宅サービスにつきましては、一部のサービス、福祉用具貸与、居宅介護支援を除きまして27年度の決算値はプラスでございますが、26年との比較におきましては全てマイナスということになっております。それから、ブルーのところ以下でございますけれども、地域密着型サービスにつきましては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、最後の看護小規模多機能型居宅介護、これにつきましては、対26年度増減で見ますと収支差率はプラスになっておりますが、それ以外につきましてはマイナスとなっているところでございます。
 各介護サービスの給与費割合につきましては、次の2ページをごらんいただければと思います。
 2ページにつきましては、25年度概況調査と、今回の28年度概況調査をしました26年度決算と27年度決算それぞれ載せさせていただいております。特に28年度概況調査についてでございますけれども、26年度の決算について、真ん中の列でありますが、それぞれ収支差率、収支差率は全部載せておりますが、それと収入に対する給与の割合を右側のほうに載せさせていただいております。それから、27年度も同様に収支差率と26年度の増減を書かせていただいておりまして、収入に対する給与費の割合も載せさせていただいておりますが、一番右のところでございますけれども、対26年度増減で給与費の割合がふえたのか減ったのかというところにつきましては、ほぼ全てのサービスにおきましてプラスになっている。一部、12番の福祉用具、それから、居宅介護支援、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、それと最後の看護小規模多機能型居宅介護、これにつきましてはマイナスになっているところでございます。
 このマイナスにつきましては、ここの部分の、今、述べさせていただいたサービスは収支差率が全てプラスになっておりますので、総体的に人件費が上がったとしても収入のほうの上がりが大きくなったために、最終的には人件費の割合が下がっているものというように考えているところでございます。
 続きまして、最後の5ページになりますが、これも毎回つけさせていただいている資料でございます。各介護サービス状況ということで、27年度において利用者1人当たりの収入、利用者1人当たりの支出、それと収入に対する給与費の割合と収支差率をそれぞれ一覧で書かせていただいておるところでございます。
 なお、一部のサービスにつきましては、訪問1回当たりですとか、定員1人当たり(1カ月当たり)というようなことで書かせていただいておるところでございますが、これで一覧にさせていただいて、全ての収支差率については、先ほど申したとおりプラスになっている事業所もあるということでございます。
 これが今回の結果になりまして、参考でございますが、資料2をごらんいただければと思います。
 資料2がサービスごとにそれぞれの状況をまとめたものでございまして、参考までに3ページの「介護老人福祉施設」をごらんいただければと思いますけれども、一番左に番号を振っておりますが、1〜5番が介護事業収益、6〜10番が介護事業費用ということで、ここが支出の部分になります。それぞれこういう形で集計させていただきまして、収益というものを算出させていただいているところでございます。
 また、今回の調査からは、一番左のところにあります20番と21番、設備資金借入金元金償還金支出と長期運営資金借入金元金償還金支出を新たに追加して、調査としてデータを収集したところでございます。これはそもそも、各施設、各事業におきまして総支出収入の後にどれだけの現金が残っているのかというような、いわゆるキャッシュフローのようなものがどれだけあるのかということを見たほうがいいという御意見がありましたので、今回、収集させていただいたところでございます。
 これの使い方でございますが、基本的にこのデータにつきましては減価償却費と税引き後の収支差額、それから、今、申しました20、21の設備資金借入金元金償還金支出と長期運営資金借入金元金償還金支出を足したものを引きますと、経常活動におきまして手元に残る資金が大体計算できますので、それを算出したところ、平均ではございますが、各サービスで全てプラスになっているということで、一定程度の借入金が今後もできるような状況になっているということを確認しているところでございます。
 これが今回の結果でございますが、続きまして、資料3をごらんいただければと思います。
 資料3が、来年行います「平成29年度介護事業経営実態調査の実施について(案)」ということで御提案でございます。
 今回の調査の目的につきましては同様でございますが、調査時期及び公表の時期でございますけれども、調査時期につきましては平成29年5月で、平成28年度決算の決算額を調査するという方向で考えております。これまでの実態調査につきましては参考に載せておりますが、26年度実態調査では平成26年3月分の収支状況、いわゆる単月収支状況しか見ておりませんでしたが、今回、概況調査の結果も踏まえまして、28年度の1年間の決算額を調査するということに方針を変えさせていただいております。公表状況につきましては29年10月を予定、その後に給付費分科会のほうに報告するということで考えております。調査対象につきましては、全ての介護保険サービスについて、今回の26年の実態調査と同様に実施するということでございますが、28年4月に新たに創設されました地域密着型通所介護につきましては、今回、29年度の実態調査及び調査対象サービスに追加するということで考えております。
 抽出率、抽出方法につきましては最後のページに載せさせていただいております。
 2ページは調査票の関係でございますが、調査票につきましては、先ほど申しましたとおり、今回、29年度実態調査におきましては調査対象期間を単月分から1年分に変更するということと28年度の概況調査で見直しをしました長期借入金の関係、それから、国庫補助金等特別積立金取崩額の記載項目の移行等々につきましては、今回の概況の結果を踏まえまして、そのまま実調でも同じように調査をしたいと思っているところでございます。
 調査項目につきましては3ページからつけさせていただいておりますが、基本的には今回行いました28年度の概況調査と同じ調査項目を全て同様にして調査を行いたいと考えているところでございます。
 以上で御説明は終わらせていただきたいと思います。御検討のほど、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 ただいま説明のありました事項について、御意見、御質問があればお願いいたします。
 鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 それでは、資料1〜3について意見と質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 まず、資料1でございます。
 1つ目は、今回、決算により改定前後の2年分の収支状況を比較することになりましたので、概況調査の精度が上がったと言えると思います。
 2つ目としては、大幅なマイナス改定の結果、ほとんど全ての収支差率の低下が明確になったと言えると思います。
 3つ目として、施設サービスでは全ての収支差率が税引き後で2%台、居宅サービスで5%以下と低下したため、これ以上、一律の引き下げを行うことは困難であると考えております。今後は、例えば通所介護ではひとまとめにせず、小規模、通常規模、大規模に分けて精査する必要があると思います。小規模では医療職の確保が必須ではないため、収支差率が高くなる傾向があるのではないかと考えられます。一方、通所介護や訪問介護では短時間勤務の非常勤職員が多いため、社会保険料などの支出が少ない可能性があります。さらに技術支援のため、基準以上のリハビリ専門職を配置すると収支差率が低下するなど、通所介護事業所は数も多くひとくくりにはできないと考えられます。
 4つ目は、いわゆる人件費率ですけれども、これが施設サービスで60%前後、その他のほとんどで60〜80%台と、医療に比べてもともと高い上に、さらに今回は上昇しており、収支差率の低下により経営を圧迫していると考えられます。
 次に資料2についてでありますが、今回より算出可能となったキャッシュフローの数値もぜひ記載していただきたいと思います。
 2つ目には、介護職員処遇改善加算のたび重なる引き上げにより、12ページの短期入所生活介護、20ページの認知症対応型共同生活介護、23ページの看護小規模多機能型居宅介護では、准看護師と介護福祉士の逆転現象が起きています。したがって、加算のあり方の検討が必要であり、介護分野に従事する400万人全体の処遇の改善が必要であると考えます。
 次に、多くのサービスの収支差率は正規分布を示していますが、14ページの福祉用具と16ページの定期巡回・随時対応型訪問介護看護でばらつきが見られています。このうち福祉用具は、今回、介護保険部会で価格の上限が設定されることになりましたので、今後、是正する方向に向かうと考えられますが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護ではマイナス50%以下の極端なマイナスは減少しましたが、プラス25%以上の極端なプラスが増加しており、不適切な利用が含まれている可能性があります。事業者数が少ないからと問題を先送りせずに、健全な発展を促すためにきちんと精査をして是正すべきであると考えます。
 それから、資料3についてでございます。全体としてはよろしいと思いますが、見直しにより、概況調査が診療報酬の実調と同様の調査となりました。診療報酬では2年ごとなので、この概況調査で改定を行うことになるわけですけれども、介護報酬のほうは3年ごとなので対応が異なることは当然だと思います。概況調査では同じ対象なので改定前後の比較ができるわけですが、介護の実調では対象が異なるので同様の比較ができないということになると思います。そこで次回の改定において、今回の精度が上がった概況調査と今後行われる介護実調の取り扱いをどのように考えているのか、事務局のお考えを伺いたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 では、最後の質問にお答えください。
○鈴木老人保健課長 御質問ありがとうございます。
 今回の概況調査につきましては、改定の前後1年間分ということで、改定の影響を見るために前後1年間分をとったということで初めてさせていただきましたが、この前に行われました委員会におきましても、この方法につきましてはかなり肯定的な意見が多かったところでございます。
 次の実調についてのお話でございますが、実調につきましても、この前に行われました委員会におきましてもあり方については若干御意見があったところでございますし、また、そういったところを踏まえて見直しをしたいと思っておりますが、一方で、実調と概況と同じような定点で行うということになりますと、新規参入のところのデータが入ってこないという可能性も出てきますので、その辺は慎重に考えたいと思っているところでございます。
○鈴木委員 次のあり方については、実調の結果も見て、いずれ議論していただければいいと思います。ただ、概況調査という名前も、概況ではありますが、今回はかなりきちんとした結果が出ていると思いますので、その取り扱いについては少なくとも前回の改定より重視するということは必要だと思いますので、それは要望させていただきます。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 概況という名前がいつまでも適切かどうかは、また、調査委員会のほうでも議論いたします。ありがとうございます。
 瀬戸委員、お願いします。
○瀬戸委員 今回の概況調査については、かなり実態に近い数値になっているのではないかと思っております。我々全国老施協では収支状況調査を毎年実施しておりまして、27年度も改定の影響が大きくて、全国老施協の調査でも収支差率は過去最低を更新しております。また、赤字施設がふえておりまして、過去最大32.4%が赤字というのが我々の調査では出ております。公定価格で提供されているサービスでありながら、これだけの施設が経営困難な状況にあるという実態について強く危惧をしてございます。
 これは次回以降というか、今後示していただきたいのですが、今回、設備資金借入金元金償還金支出を提示していただきましたけれども、キャッシュフローも含めて経常増減収支差との関係を適切に分析する必要があると思います。今回の調査でも、返済額が既に経常増減差額を超えるものとなっている事業所もありますので、借入金の返済で経常収支増減差額は帳消しになるというような状態も出てきております。先ほど全体としてキャッシュフローはプラスという説明もありましたけれども、実態はどの程度、プラスのところとマイナスのところがあるのか、いわゆる借入金を払ってしまうと赤字になるという事業所が多分出てくると思いますので、そういうことを明らかにしていただければと思います。
 また、これも次回以降で構わないのですけれども、1〜39の各項目の算定根拠とか内訳について示していただきたいと思います。これは法人格によって会計処理の方法が違いますので単純に比較できないところはありますので、人件費等の案分も含めて、その違いについて明確にして、資料として提出していただければというように思います。
 それから、質問が2点あります。
 サービスごとに人件費割合が相当異なっています。これはお答えしていただけるかどうかわからないのですけれども、それぞれの人件費の妥当な水準というのは、厚労省としてどれくらいとお考えなのか、もしあればお考えいただければと思います。
 2つ目の質問ですが、国庫補助金等特別積立金取崩額が今回から費用のほうになっておりますが、資料2の3ページ、特養が一番顕著でわかりやすいのですけれども、費用として経常されてマイナスになっているのが実態でございます。費用としてマイナスということについて御説明をしていただきたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 質問が2点ありましたのでお願いいたします。
○鈴木老人保健課長 まず、第1点目の妥当な人件費率ということでございますが、事務局としましては、どこが妥当なのかという明確な水準は持ち合わせておりません。
 それから、ここの国庫補助金等特別積立金取崩額についてはマイナスとさせていただいておりますが、もともとここは収益のほうに入れていたものでございます。これにつきましては、取得した固定資産の減価償却費を当該資産の償却期間にわたって軽減させるという意味から、ここについてはマイナスという計上をさせていただいているところでございます。
○瀬戸委員 会計基準が変わりましたので費用のほうというのはわかるのでいいのですけれども、経費として見ていってマイナスということ自体は、今、おっしゃられたように減価償却費の関係なので、実際には手元に資金があるわけではないけれども、資金として実質上経常されているという実態があります。これは以前から言っていますが、この部分を差し引いた額での提示をできないかというのが意見でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 キャッシュフローについての考え方ですね。会計とは違う視点が必要になるとの御指摘でした。
 安部委員、お願いします。
○安部委員 資料1、資料2、御説明ありがとうございました。
 経年変化でありますとか改定の影響を見る上で、この資料でわかりやすく御説明いただけたと思っております。
 一つだけ質問をさせていただきますと、この分布がありますけれども、介護保険の場合には地域区分ごとの加算がございます。この分布の中には、赤字から黒字まで正規分布のような形になっておりますけれども、これと地域区分ごとの加算の関連は、私は非常に興味深いと思っております。と言いますのは、今、地域区分の加算の見直しを調整しようということもございますし、地域区分そのものが妥当かどうか。例えば赤字のところで加算がされていないところがすごく多いということになれば、そういう影響が出ているということになろうかと思います。このデータはどこから来ているものだという地域は把握できると思いますので、今後、そういったものをクロス集計する検討もやっていただくということが、このデータをより生かすために必要ではないかと思いますので意見として申し上げます。
○田中分科会長 ありがとうございます。意見でよろしいですね。
 稲葉委員、どうぞ。
○稲葉委員 今回の概況調査の結果を見まして、おおむね介護事業収益は増えず、そして、給与費が増えることによって収支差率がマイナスになっている。そこは予想された結果ではあります。当然、処遇改善の交付金や加算が行われた結果、給与費は上がり、処遇が改善したということなのでありますが、一方で通所介護や通所リハなどでは顕著にあらわれているのですが、看護師や准看護師の給与水準もかなり上昇している。つまり、処遇改善加算等の対象外の人件費が大分上がってきている。これは純粋に労働市場における相場が上がっているということが言えると思います。
 今、看護師や准看護師の不足が叫ばれている中で、これからもこの傾向が続くとするならば、収支をさらに圧迫しかねないと思いますので、今後の改定に向けて、そういったことも踏まえた中で健全な経営ができるような報酬改定であるべきであるというように感じましたので申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 収支差率をサービスごとに見てみますと、一部のサービスを除き大体マイナス改定の影響で低下しているということはわかりました。しかし、幾つかのサービスで収支差率が改善しているところでは、福祉用具貸与などが顕著なのですけれども、資料2の14ページを見てみますと、もともと非常に大きかったばらつきが正規分布になってきています。これはやはり、この間の報酬改定の効果というか、適正になってきているということだと思います。ところがこの3.7%の収支差率に対して、給与費の比率はむしろ26年度から27年度にかけて下がっているということについて、先ほど事務局からの御説明だと収支差率が改善したことが給与費比率の低下の理由だというように聞こえましたが、逆だと思っています。報酬の引き上げが収入増につながり、収支が改善しても、自動的に処遇改善が行われる保証はないということを、まさにこれはあらわしていると思っております。
 また、ほかの職種を見てみますと、委員の中で見方はそれぞれあるのだと思うのですけれども、8ページの訪問看護のところでは、必ずしも看護職や理学療法士、作業療法士などは余り改善されていないというようにも読めます。特に11ページの通所リハのところなどはOT・PT等の給与が下がっているというようです。この処遇改善加算のあり方については、この前、29年度分について議論をしたわけですけれども、介護職員以外も対象とすべきという意見も幾つもあったということで、こういう点はやはり議論していく必要があると考えております。
 それから、あと一つはお願いであります。資料2には3カ年分の決算に基づく収支差率の分布が載っているわけですけれども、これと同様のものを給与費比率についても示すような工夫をしていただきたいと思っております。これが実際のところ、どういう人件費率で経営されているのか、極端にばらついていたりするのかというようなことも一つの数字だけだとわかりませんので、そういった工夫をしていただいて今後の議論の資料にさせていただければと思います。
 以上です。
○田中分科会長 御要望ですね。
 武久委員、お願いします。
○武久委員 鈴木委員も瀬戸委員もおっしゃったように、人件費というのは非常に大きいのですよね。今の内閣も給与を上げる方向に動いています。
 介護というのは人件費集約産業でもありますので、このあたりが経営を圧迫しているということは当然考えられます。実際問題として一番大きいのは法人税があるかないかですね。利益が出たら半分持っていかれるところと税金は要らないという企業が全く同じ土俵で営業をするのはいかがなものか。普通は平等であって、同じような形で運営していくというのが建前ではないかと思うのですけれども、医療法人が行っているものについては税金がとられた後の資金が残っていくのが非常に少なくて、借金返済で払えば何も残らないというようなことでは事業の永続性ということにもかかわりますので、この辺も考慮をいただきたい。
 それから、人件費が平均的に六十何%になっていますけれども、人件費だけでなしに、上限と下限を1回示していただけると非常にありがたいかなと思います。人件費が高くなってすごく赤字が出ているところと、人件費が低くてすごく黒字が出ているところがあって、それを平均化したものがここへ出てきているのだろうと思うのです。実際問題として、東京等の都会でも特養を増設するというか、いろいろ出ていますけれども、昔は土地の無償貸与とか、いろいろな条件下で区が特養を募集すると10カ所ぐらいの法人が応募していたのが、最近では2〜3カ所あればいいほうだと。要するに、土地も買ってもらうとか。そういうことから考えると、イニシャルコストがかかって、法人税が要らない社会福祉法人でもなかなか厳しくて、地方の社会福祉法人が都会に出ていこうという気があるところはあると思うのですけれども、ちゅうちょせざるを得ない。そして、オープンしたといっても介護職員が集まらないということで、施設の半分がまだ稼働していないというようなところが続出していると聞きますと、このままでいっていいのかという気持ちがするのです。
 一つ、小規模多機能ですけれども、実際は少し黒字になっているようなのですけれども、私どもから言うと全部大幅赤字なのですが、これは土地を買って建物を建てて運営しているところと、既存のところを使って簡便にやっているところとではかなりの差が出てくるのではないかと思います。また、看多機との利益の差が余りにもあり過ぎて、同じようなことでやっているのではないかと思うのですけれども、どうなのかなというような気持ちもいたします。
 そういうこともあって、全体的にこれを見ると介護施設の収入が減っている。若者が少なくなっていることも含めて、人件費がどんどん高騰していっている。建築費、経費、全て高騰していっている。この中で介護の質を高めながら利用者のために一生懸命頑張るというのはかなりの努力が要るし、その結果として赤字のところもかなり出てくるということでございますので、その辺も考慮していただければ幸いと思います。
 以上です。
○田中分科会長 危機感を言っていただきまして、ありがとうございます。
 及川委員、お願いします。
○及川委員 ありがとうございます。
 まず、資料2についてでございますが、この中にはサービスごとに資格ごとの平均給与が出されておりますけれども、サービスの種別によっては介護職員と看護職員で10万円前後の開きがございます。今後、地域包括ケアシステムを深化するに当たりましては、要介護者等の生活を支える介護職に求める役割や価値を踏まえると、両職種間の差が余りに大きいという印象を持ってしまいます。
 例えば、資料2の3ページの特別養護老人ホームの状況や、12ページのショートステイの状況を見るに当たりましては、24時間のサービスでございますので必ず夜勤者がおります。この2つのサービスについては、多くの場合介護職員が夜勤を担っているわけです。手当はこの給与の中に含まれているはずなのですが、それを踏まえても、6〜7万円の差があることについてはちょっと大きいのではないかという印象を受けました。ぜひ、改めて介護職に求める役割等について御検討いただきたいと思います。
 もう一つ、感想になってしまいますが、介護保険部会の整理等においては今後、地域包括ケアを深化するに当たりまして、定期巡回や看護小規模多機能のサービスを推進していくという方向性が出されております。例えば資料1の4ページなのですけれども、定期巡回の有効回答率の問題はちょっとあるかなと思うのですけれども、それにつきましては5ページの収入に対する給与費の割合です。定期巡回については82、またその下については81.5とかなり大きな割合を占めております。このことを考えると、果たして今後、サービスの拡充を十分に後押しできる介護報酬になっているのかなという印象を持つのです。
 今後の介護報酬の議論については、この結果を十分に踏まえる必要がまだまだあるなと感じたところでございます。
 一つの意見と感想でございましたが、以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 東委員、お願いします。
○東委員 遅れてきて、申しわけございません。2点、意見を申し上げたいと思います。
 資料1「平成28年度介護事業経営概況調査結果のポイント(案)」でございますが、多くのサービスの収支差率がマイナスになっております。老人保健施設の平成27年度決算では収支差率3.2%、対平成26年度増減ではマイナス0.7%という数字が出ております。過去を振り返ってみますと、6、7年前はまだ収支差率が約6%程度で介護事業経営実態調査の結果報告がされていたかと思いますが、今やその半分の数字になっております。さらに過去を振り返りますと、実は老人保健施設が30年ほど前に創設されたときには、構造的に収支差10%ぐらいが必要ということで報酬設定がされていたはずです。それをもって借入金の返済等を20〜30年かけて行うという構造ができていたはずなのでございます。
 財政が苦しいことはわかるのですけれども、先ほど武久委員もおっしゃいましたが、収支差率3.2%ということは、税金を払って借金を返すにもギリギリで、要するにキャッシュフローが回らない状況になっているのではないかと思います。この介護給付費分科会は、介護保険財源の振り分け部分の議論をする場ではありますが、その前の介護保険財源の確保ということを、是非ともお願いをしたいと思います。
 2点目でございます。前回の改定では、いわゆるリハビリについて、特に通所リハビリ、訪問リハビリ等について、かなり大きな意味のある改定がなされたと感じております。ただ、今回の各介護サービスにおける収支差率を見てみますと、訪問リハビリとか通所リハビリのマイナス幅が大きくなっております。リハビリについては良い改定がされたと思うのですが、むしろマイナス幅が大きくなっており、例えば通所介護と通所リハビリを比較して見ますと、平成26年度は収支差率が1.2%の差だったものが、平成27年度ではさらに1.7%に開いているのです。前回の改定で通所介護はかなり下げられて、通所リハビリは様々な意味のある改定が行われたにもかかわらず、収支差率をみると差がさらに開いているのはいかがなものかと。これからまた同時改定に向けての議論が始まるわけですが、適切なリハビリは自立支援という介護保険の理念に非常に重要なものだと思っておりますので、適切なリハビリが適切な経営状況のもとに行われるような改定を望みたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤(訓)委員 訪問看護の状況を見ますと、事業所間の格差が非常に大きいということがこの分布からは推測されます。ただ、地域医療構想の影響等も考えますと、今後さらに在宅での療養者は増加しますし、訪問看護は施設のケアとは違いまして、例えば、この夏もすごい炎天下を自転車で訪問したり、豪雪地域では家に入るまでに雪かきをしなくてはいけないとか、ケアを始める前にいろいろな状況があって、恐らく訪問にかかる労働負荷が結構大きいのではないかと思っております。
 そのように考えますと、やはり給与の保障はきちんとしていかなければいけないと思いますので、東委員が御指摘のように財政困難であり、介護保険も厳しい運営が迫られていることもわかっておりますけれども、それなりの財源はきちんと確保していただきたいと思っております。
 先ほど来から、看護職員の給与につきまして介護職員との差が大きいのではないかということが指摘されたわけですけれども、介護職と看護職は役割と機能、教育内容が相当違っておりますので、それらの違いに応じて給与が保障されているということは、ぜひ御理解いただきたいと思っております。
 これから処遇改善加算の影響も出てくると思いますので、検証していくとともに、介護の質をどのように保障していくのかということとあわせた議論を進めて、介護保険部会でも申し上げましたけれども、単なるばらまきに近いような状況だけは避けていくべきではないかと思っております。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○齋藤(訓)委員 済みません、もう1点。
 資料3について1点質問なのですが、今回抽出率を変えたところが別表のアンダーラインのところだと思っているのですけれども、参考までに聞かせていただきたいのですが、精度の向上のために抽出率を変えたということですけれども、誤回答が多いからとか、そういった理由があるのでしょうか。
○田中分科会長 抽出率について、お答えください。
○鈴木老人保健課長 抽出率につきましては、まさに必要な有効回答がどれだけ得られているかが基本となってきます。そういった中で、前回の実態調査の制度ですとか、今回の概況調査におけます有効回答率等を踏まえまして、ある程度の有効回答数を確保する観点から、抽出率をこれまで算出させていただいているところでございます。
 ちなみに、一部前回から下がっているところもございますが、そういったところは前回の実調のところで、抽出率または出てきたデータの誤差率が非常に高いサービスがありましたので、そういったものにつきましては、若干抽出率を変えさせていただいたりといった調整をさせていただきながら、今回の抽出率を決めさせていただいているところでございます。
○田中分科会長 議題1、2に関する意見、御質問はよろしゅうございますか。
 将来のあり方についての御意見がありましたが、特段この中身について、これではいけないという御意見はなかったとまとめられます。
 議題1及び2については、本日提示させていただいた内容で当分科会としては了承することとします。
 調査票については、提示させていただいたもので調査を行うこととしてよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田中分科会長 ありがとうございます。
 次に議題3「その他」について、事務局から説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 その他につきまして、資料5をもとに御説明させていただきます。
 資料5につきましては、「平成30年度介護報酬改定に向けた医療と介護の連携に関する検討の進め方について(案)」でございます。
 これは、前回の6年前にも同時改定のときに行ったことにつきまして、今回も同時改定であることを踏まえて、同様のことを行ってはどうかという御提案でございます。
 読ませていただきますと、平成30年度の介護報酬改定については、6年に一度の診療報酬と同時改正になること等を踏まえ、平成30年度の介護報酬改定の検討を開始するに当たって、診療報酬と介護報酬との連携・調整をより一層進める観点から、基本認識や医療と介護の連携に関する主な検討項目について意見交換の場を設けてはどうかという提案が、12月21日開催の中医協で事務局よりなされたところでございます。
 これを踏まえまして、医療と介護の連携に関する主な検討項目については、介護給付費分科会及び中医協総会の委員のうち検討項目に主に関係する委員で意見交換を行う場を設けることとしてはどうか。さらに、その内容を踏まえ、介護給付費分科会において具体的な議論を進めることとしてはどうかということです。
 中医協の提案につきましては、下のほうに記載がされているところでございます。また、その関係する資料につきましては、中医協資料で参考資料2につけさせていただいているところでございます。
 説明につきましては、以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 ただいま説明のありました事項について意見、御質問があればお願いします。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 前回は、中医協と介護給付費分科会の委員同士の議論にならず、事実上、失敗したと考えられますが、今回は、ぜひ中医協の提案を積極的に受けて、対等かつ十分な意見交換を行うことにより介護給付費分科会の存在感を示していただきたいと思います。
 なお、参考資料2にありますように、介護給付費分科会においても、ぜひ改定に向けた検討項目と進め方について示していただきたいと思います。
 これは要望です。以上です。
○田中分科会長 御要望及び意見を承りました。
 瀬戸委員、どうぞ。
○瀬戸委員 やっていただくことは大変ありがたいと思いますが、関係する委員とは具体的にどのような想定をされているのでしょうか。
○田中分科会長 老人保健課長。
○鈴木老人保健課長 これは中医協を担当しております医療課と老人保健課のほうで、まだ検討項目をどういう形にするのかについて白紙の状態でございまして、それも踏まえまして委員等については検討させていただくことになりますが、当然のことながら中医協それから介護給付費分科会の両座長にも御相談させていただきながら、そういったところにつきましては今後決めさせていただきたいと思っております。
○田中分科会長 ただいまの中医協との合同検討については、特によろしゅうございますか。
 東委員、どうぞ。
○東委員 今、鈴木委員もおっしゃいましたが、参考資料2「平成30年度診療報酬改定に向けた検討項目と進め方について(案)」を見ますと、中医協から同時改定に向けての、医療側の意見という形で出されているわけでございます。私もこの同時改定に向けての意見交換の場は、中医協と介護給付費分科会が対等で同じ土俵で同じものを同じように検討することが大事だと思います。ですので、この介護給付費分科会においても介護の分野でこういうものが意見交換の議題として必要だというものを出すべきだと思います。それについて事務局はどのようにお考えでしょうか。
○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。
○鈴木老人保健課長 今回は12月21日に中医協で、中医協は議論の進め方が少し早いので全体的な改定に関する検討の進め方が来年から始まるということで、こういった参考資料の2にあるようなペーパーをつくらせていただいております。
 介護保険につきましては、例年ですと4月以降になりますので、それまでにはきちんと全体的な方針は御提示させていただきます。
 一方で、本格的な給付費分科会の議論が始まる前にある程度の中医協との意見交換をやっておくべきだと考えておりますので、その議題につきましては、先ほど申しましたとおり座長それから事務局とで御相談させていただきながら、ある程度方針を決めさせていただければと思っております。
○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 6年前、ギャラリーで見ていたのですけれども、余り実質的な議論にならなかった印象があります。今回何名もの委員から意義のある意見交換をという趣旨で御意見があったとおりで、私もそう思ってまして、単なる意見交換ということなら、それで本当に意味が見出せるのかどうか、心配なところがあります。
 例えば、改定の方針はそれぞれ議論していくことなのか、共通にあるべき同時改定に当たっての基本方針の大枠といったものを確認していくところまでを考えているということではないのでしょうか。
 事務局の今のお考えをお聞かせいただければと思います。
○田中分科会長 意見交換の場の機能についての御質問です。
 お願いします。
○鈴木老人保健課長 意見交換につきましては、少なくとも意見の交換させていただいて、最終的な議論につきましては、それぞれ中医協もしくは給付費分科会で行っていただくということを基本的に考えております。
 したがいまして、そういった意見交換会のテーマをどのような形でどこまで細かくするかといったところにもよってくると思いますけれども、その辺も踏まえまして今後、内容それから委員の選定等につきましては決定させていただければと思っております。
○田中分科会長 武久委員、お願いします。
○武久委員 この中医協側からの問題提起の中に、皆さんも御存じのように病床転換が、特別部会で一応会議は終了しましたけれども、そこで介護療養型医療施設については病床転換施設に移れと。25対1もそのようにという流れで特別部会が動いていたわけですけれども、25対1は医療保険なので、これは中医協でということになっていたわけです。
 このことについては一言も触れられていないということで、大ざっぱには触れられていますけれども、具体的にこの25対1をどうするかは中医協マターになっていると考えていいのでしょうか。それとも、介護給付費分科会のほうでは、いわゆる25対1がどのぐらい介護保険側の病床転換施設に来るかどうかは、出費がふえるということになりますし、その辺のスタンスをどうするかということは結構大きなウエートを占めると思うのです。
 この給付費分科会の委員としては、そこを重点的にこちら側の意見も言わせていただかないと、中医協の言うとおりに要請に応じて御説明差し上げますという会議では何の意味もないので、対等で話をしていくことは、先ほど齋藤委員、東委員がおっしゃったように、給付費分科会側として、中医協に対してこういうことを話し合いたいのだということも当然はっきりするべきであって、両方からそういうテーマが出てきて、それに対してちょうちょうはっしとやる。これが話し合いだと思いますけれども、鈴木先生、いかがでしょうか。
○田中分科会長 どちらの鈴木先生ですか。老人保健課長のほうの鈴木先生ですか。
○武久委員 いえ、鈴木先生のほうにお願いしたいのです。
○鈴木委員 おっしゃるとおりだと思います。今のところ、中医協からそうした提案があったということですけれども、一方的に受けると、どうしても何となく中医協にお願いか要望をするような感じに終わりかねないので、ぜひこちらでも何を議論するかを決めて、対等かつ十分な意見交換をすべきだと思います。
○武久委員 ここで決めるわけにはいかないので、鈴木先生を初めとして何人かの委員でつくって、この分科会からの中医協に対するお願いというか話し合いたいことをある程度決めて、準備段階にしたほうがいいかと思います。
 次、鈴木課長、よろしくお願いします。
○鈴木老人保健課長 どのように議題を設定するかというお話だと思います。そういったところも先生方からの御意見も踏まえますが、最終的にはどういう形、テーマは何にするか、どれぐらいのテーマの深さといいますか細かさでやるのか等についても、我々としてもいろいろと議論させていただきますが、最終的には分科会長にも御相談させていただきながら、また関係の先生方にも御意見をいただくこともあるかもしれませんけれども、そういったところを踏まえて調整をさせていただければと思っています。
○田中分科会長 今後、事務局、分科会長並びにテーマによって関係する委員の方々と調整しながら進めていくということでよろしゅうございますか。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤(訓)委員 1点確認というか質問なのですが、先ほど鈴木課長のほうから給付費分科会の本格的な議論は4月からと御説明があったのですけれども、そうしますと、この意見交換は大体3月ぐらいまでを目途に何回とか、そういうスケジュール感でよろしいのでしょうか。
○田中分科会長 お願いします。
○鈴木老人保健課長 実は、スケジュール感といいますか、回数も含めて具体的なものについては事務局としてはまだ案はございません。ただ、前回もこういうことの意見交換をやったことを踏まえて、今、意見交換をやったらどうかという非常に大ざっぱな御提案をさせていただいているところでございまして、具体的なテーマ等の関係は、何をテーマにするかとか、どれだけのテーマにするかというところにもよってくると思いますので、そういったところを踏まえまして、今後、回数等についても決めさせていただければと思っています。
○齋藤(訓)委員 そのテーマについては、この給付費分科会の各委員にはどういう伝え方になるのでしょうか。
○田中分科会長 お答えください。
○鈴木老人保健課長 今のところ、まだ12月21日に中医協で出て、それを受けて今回、給付費分科会でも、こういった意見交換会を開催するのかどうか、開催したほうがいいのかどうかという御意見をいただいて、もしそういうことであれば、今後、これは年明けになると思いますけれども、年明けから具体的な議題の中身ですとか、回数ですとか、委員構成みたいなものですとか、そういったものを少しずつ決めさせていただいて、給付費分科会の本格的な介護報酬に関する検討は4月以降から始まりますので、少なくともその前ぐらいにはある程度のものの意見交換ができればと、大ざっぱではございますけれども事務局としては考えているところでございます。
○田中分科会長 武久委員、どうぞ。
○武久委員 病院の中の病床転換をして、施設に変わった場合や住居に変わった場合は、当然、介護保険対象ですね。だから介護給付費分科会でそういう細かいことを決める。これはわかるのです。そうすると、例えば25対1の場合は、医療費だったものがこの分だけは介護費用になる。介護の予算の範囲内でやっているところに別のものが来るということは、介護老人保健施設とかいろいろなところにしわ寄せが来るのでは困るのです。
 同じ患者さんがずっと急性期から慢性期に来て、介護に来るわけですから、もう少しそのあたりの境界域をはっきりさせないといけないのです。だから、どこまでが中医協でどこまでが介護給付費分科会でということよりは、一人の人間が発病して、改善したり後遺症が残ったりすることの流れで、今回は病床転換という非常に重要なことをいっぱい含んでいるのです。本当に日医の鈴木先生ともよくお話をしたいと思いますけれども、ここはやはり医療団体としても、介護保険の団体としてもよく話し合って、中医協とお話しするときに準備をしておかないといけないと思うのです。向こうだけ十分準備しておいて、介護給付費のほうは何の準備もしないで言われたことに対してただ答えるということでは、話し合いにはならない。
 新しい課もできましたけれども、非常に大きな転換期ですから、医療と介護の接点を本当の意味で、感覚的にセパレートしているので、ここをどうにかしてほしいと思っているのですけれども、局長、いかがでしょうか。
○田中分科会長 局長、お願いします。
○蒲原老健局長 一言しゃべったほうがいいかと思いながら。
 まず、課長が今後よく座長と相談しながら、あるいは皆さんと相談するということは、手続論としてそのようにやりたいと思います。
 その上で、皆さんから出ましたけれども、医療と介護はまさに連携する必要がある。ただ、連携するのですけれども、何か中医協なり保険局側がこう言ったからうちが受け身でやるということではなくて、先ほど何人かの先生からありましたけれども、中医協として意見が言われるものと、こちらの給付費分科会あるいは介護側として皆さんの意見を踏まえてやることについては、御本人にとって適切な医療介護を適用されるところに統合できるように対等の立場できちっとやっていくことを、まず基本スタンスとしてやっていきたいと思います。その上で、進め方につきましては、きょう出た意見、あるいは恐らくきょう以外でも座長のほうにいろいろな意見が出てくると思うので、そうした意見をよく踏まえて、先ほどの基本スタンスに沿った形で、よく調整したいと思います。
 あと、それぞれ恐らく分科会なり審議会の所掌が厳密に言えばあるとは思うのですけれども、本人視点で考えればそれぞれオーバーラップするところもありますし、逆に、ある程度オーバーラップしながらも議論しないと、かえって抜けが出てくると思うので、そういう意味で言うと少し広目にいろいろ向こうにも言うし、恐らく向こうからも少し広目に来ると思います。だけど、重なりがあることで初めて連携ができると思うので、そこは最初から境があるというよりも、少しオーバーラップしながら、最後はあると思うのですけれども、そういう進め方をしていくのがいいのではないかと思っておりますので、そういうスタンスでやっていきたいと思います。
○田中分科会長 意見交換の場をつくることについては、皆さん賛成していただきました。そして、そこが形式的にならない議論ができるような準備が必要であるという点でも、皆さん言っていただきました。ありがとうございます。その旨、また年が明けたら事務局と相談しながら進めてまいります。
 ほかに何かございますか。
 本多委員、どうぞ。
○本多委員 前回、介護人材の処遇改善加算については期中改定を行うことにより対応するという方針が決定したところですが、その改定率と各医療保険者への負担影響を示していただければと思います。
 今般、政府の予算が決まり、健保組合をはじめ医療保険者はこれから来年度の予算編成に入りますが、今回の改定は負担増になりますので、どれくらいの影響があるのかということを把握したいという要望を会員組合より多く頂いております。
 今回改定の影響により、中には保険料率を引き上げなければならない健保組合もあると思いますので、その際は、加入者に対して数字を示した上で説明しなければならないと思います。したがって、もし今おわかりであれば、負担影響の数値を教えていただきたいとともに、これは非常に重要なことですので、次回の分科会において、資料としてお示しいただければと思います。
○田中分科会長 御要望と御質問と両方ありました。
○鈴木老人保健課長 御質問につきまして、財政影響の関係でございますけれども、介護職員の処遇改善につきましては今回、平成29年度でございますけれども、ニッポン一億総活躍プランに基づきまして1万円相当で行うこととしておりますが、この実施のために必要な費用につきましては、平成29年度の予算案において、給付費ベースにおきましては約1,048億円、うち国費が約300億弱、地方負担も約300億弱、保険料が約470億という割合になっております。
 処遇改善の改定の影響といいますか、施設ごとでございますけれども、今回の処遇改善の介護報酬に関する改定率等につきましては、年明けの分科会におきまして、また告示案ですとか単位数とともにお示しさせていただきますので、個別の施設ごとではそこでお示しさせていただきますという方針でございます。
○田中分科会長 田部井委員、亀井委員の順でお願いいたします。
○田部井委員 きょうの調査の結果を見ましても、介護の事業所さんの方たちのあれも、余り介護保険にまつわるあれで希望に向かって進んでいることはとても感じられないという結果になっていると言わざるを得ないと思うのです。
 私の友人も、先行きがあれなのでデイサービスを閉じることにしたという話も聞いたりしております。そういう話もあるのですけれども、中でも私ども利用者家族は、まるで私たちが悪いかのように社会保障は削らなければいけない、やたら使うからどんどん赤字がふえるという形で言われまして、まことに居心地の悪い年末を迎えていると言わざるを得ないと思うのです。
 そうやって、介護している者あるいは利用者を追い詰めることで、そういう姿を見ながら生活をしている人たちが、今の生活の現状であるとか先行きの生活に希望が見えないということが、結局は、私はアベノミクスがうまくいかないということにまで影響を与えているのではないかと思うのです。そういう点でいくと、やはり経済だということと、一方それを脅かす社会保障を削ればいいのだという悪循環をどこかで絶たなければいけないのではないかと思うのです。
 最終的に、利用者、家族が倒れて、制度が残るみたいなことにしては、絶対にいけないと思うのです。私どもは、認知症になっても認知症の人や家族が安心して暮らせる社会は誰もが安心して暮らせる社会ではないかと考えて、あくまでもその立場で介護保険制度は介護の社会化を実現する制度であるという立場に立って、これからどこまでできるのかわかりませんけれども、給付費分科会でもその方向に向かって努力をしていきたいと思っておりますので、ぜひ御協力をお願いできればと思っている次第です。
 よろしくお願いいたします。
○亀井委員 先ほど武久委員からの御指摘がございました。これは非常に重要な部分でして、療養病床は医療と介護をきちんと分けるではないのですけれども、その辺をきっちり整理しておかなければ、これまでも医療と介護の療養病床化の中での重複給付について会計検査院のほうから指摘がなされて、返還をした自治体であったり施設もあるわけです。ですから、この部分はきっちりこれから整理をしておかなければいけないと思っていますので、これからの両者間の話し合いに期待したいと思います。
 それと、田部井委員がおっしゃられたことはごもっともな部分もあるわけでございますけれども、介護保険の今の改定は来年度の通常国会に出されていきます。委員会審議がいつごろから始まるのか存じませんけれども、丁寧な説明責任を果たしていかなければならないのではないかと思います。
 当然のことなのですが、今までマスコミ等の報道を見ておりますときに、あちらを削りこちらを削り、ここをもう少し負担してくださいという報道になるわけです。それは、当然ながらこのたびの改定は国民生活にどのような影響を及ぼすかということを正しくお伝えすることがマスコミの責めでもありますから、これは当然のことであるわけでございます。
 ただ、それによって我が国の将来について不安を覚えるようなおそれが出てくるとも限らないわけです。そうなりますと、これが消費経済に大きな影を落としてくる。それはなぜかといいますと、この介護保険が平成12年から始まりましたが、12年から3年間は都市部の高齢者を中心に消費の拡大が始まってきていたのです。これはなぜかというと、将来に対する安心感からそういう状況が出てきたのかなと思っているのです。ですので、余り将来不安ですよという印象を与えるようなことであっては経済にも影響を及ぼしますから、ここはきちんとした説明責任が要るのではないかと思います。我が国の社会保障制度は将来も含めて安全、安心であることを、我々保険者もこれから国会を受けて6月なり9月の定例会できちんとした説明責任を果たしていかなければなりませんから、その国会の審議は非常に丁寧にやっていただきたいと要望しておきたいと思います。
 いずれにしても今、世界のどの国も経験したことのないような人口減少社会に我が国は突入したわけです。このままの出生率でしたら、今1億2,000万の人口が83年たったら5,200万人になってしまうわけです。そのときの我が国の経済、そして社会保障制度はいかにということになるわけでございますので、その中で我々も価値観を転換し、そしてこの新しい豊かさを描いた中での自治体の将来像をきちんと描いていかなければならないということでもございますので、今、大きな転換期にあるかと思っています。
 どうか、丁寧な説明責任をお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。
○田中分科会長 年末の締めくくりにふさわしい大局的なお話を伺ったところで、よろしゅうございますか。
 本日の審議はここまでといたします。
 次回の予定について、事務局から説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 本日は、ありがとうございました。
 次回の日程につきましては、事務局より追って連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 本日はここまでです。どうもありがとうございました。
 皆さん、よいお年をお迎えください。


(了)

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