ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会> 第5回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会(2016年12月22日)




2016年12月22日 第5回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年12月22日(木)16:00~18:00


○場所

東京都港区 西新橋1-15-1 大手町建物田村町ビル
TKP新橋カンファレンスセンター2階(ホール2A)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、江藤構成員、太田構成員、荻原構成員
籠本構成員、柏木構成員、河崎構成員、神庭構成員、吉川構成員
久保野構成員、佐竹構成員、澤田構成員、白川構成員、山本構成員
樋口構成員、田川構成員、千葉構成員、中板構成員、長野構成員
中原構成員、平田構成員、広田構成員、藤原構成員、本條構成員
松田構成員、松本構成員代理(市川氏)

○議題

(1)これからの精神保健医療福祉のあり方について
(2)その他

○議事

○樋口座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第5回「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」を開催いたしたいと思います。

 構成員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご参集いただきまして、ありがとうございます。

 まず、資料の確認と本日の出欠状況について、事務局からお願いしたいと思います。

○占部課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 資料1-1は「医療保護入院制度について(論点)」、資料1-2は論点に関する参考資料でございます。

 資料2-1「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止検討チーム報告書(概要)」と、2-2が報告書の本体となっております。

 それから、資料3-1は「新たな地域精神保健医療体制のあり方について論点整理」、資料3-2がこれに関連する資料についてまとめたものでございます。

 参考資料といたしまして、参考資料1-1から3番まで資料をお配りしておりますが、柏木構成員、平田構成員、本條構成員からそれぞれ提出資料がございます。

 それから、机上にお配りしておりますけれども、これまでの本検討会及び分科会における意見の概要の整理をしたものと、それから、本日は、伊澤構成員から提出資料がございますので、こちらも机上に配付させていただいております。

 よろしくお願いいたします。

 以上について、足りない資料がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

 次に、本日の出欠状況でございますが、構成員の代理として1名の方にご出席いただいておりますので、ご紹介を申し上げます。

 松本構成員の代理で、日本医師会常任理事の市川様でございます。

 また、本日は、岩上構成員、野沢構成員、近森構成員からご欠席とのご連絡をいただいております。

 事務局からは、以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 カメラはここまでということで、よろしくお願いいたします。

(カメラ退室)

○樋口座長 本日は、前回に引き続きまして、医療保護入院等のあり方及び地域精神科医療のあり方について議論を行うとともに、先般、報告書が公表となりました、「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの報告書」に関する議論を行う予定でございます。時間的なおおよその配分ですが、最初の医療保護入院等のあり方がきょうのメインのテーマになりますので、これに1時間ほどかけたいと思っております。残る2つの地域精神科医療のあり方についての議論と相模原市の事件の検証云々という課題について、それぞれ30分ぐらいを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、医療保護入院制度について議論をしたいと思います。資料1-1、資料1-2について、事務局のほうから説明をお願いいたします。

○占部課長補佐 それでは、資料1についてご説明をさせていただきます。

 資料1につきましては、前回の検討会でも、議論の時間が多く取れなかったということもございますので、内容については、一部を除いて大きく変わっておりません。

 以下、主な変更点についてご説明させていただきます。

 まず、資料の3ページをご覧いただければと思います。

 「医療保護入院という非自発的入院の形態の必要性についてどのように考えるか」というところでございますけれども、上から4番目のポツのところをご覧いただければと思いますが、前回の議論を踏まえて、3行目に、「特に、『入院以外の治療的介入の手段がない』ことについてはどのような要素に基づいて判断すべきか。」という記述を追加しております。

 続きまして、少し飛びまして、資料12ページをご覧いただければと思います。

 ここはいわゆる代弁者についてのところですけれども、上から2つ目のポツのところで、「できる限り自らに関わることは自らが行いたいという希望を持つ患者もいることを踏まえると、すべての患者にこうした存在が選任されるようにすることまでは必要ではないのではないか。」という記述が追加されております。

 それから、上から4つ目のところですけれども、「選任行為の必要の有無等については、『代弁者』が担う役割に応じて検討するべきではないか。」というところを追加しております。

 その下のところで、「代弁者」について、「同意に基づかない入院をしている本人の権利擁護をより積極的に図るため、必要な情報提供を行い、本人の意思を尊重し、それが実現できるよう援助する立場であると考えられ、必ずしも『代弁』という点に重点を置くのではなく、機能に応じて、呼称もそれにふさわしいものとすべきではないか。」としております。

 続きまして、13ページですけれども、代弁者の機能についてどのように考えるかというところですが、医療保護入院を行う医療機関に所属しない外部の者が担うとしつつ、従前からお示しをしている4つの機能につきまして、それぞれ検討すべき課題があるのではないかというところで記載をしております。

 具体的には、1点目の矢印以降のところですが、「患者の意思を引き出し、意思表明を支援し、本人の同意があれば医療機関に意思を伝える機能」というところについては、「基本的には病院職員が果たす役割であり、さらに外部の者がこうした機能を担うことについてどのように考えるか。」としております。

 それから、2点目の「退院に向けた意思形成を支援し、退院促進を図る機能」につきましては、「退院後生活環境相談員、地域援助事業者の役割との関係をどのように考えるか。」という点。

 それから、3点目の「退院請求など入院者が持つ権利行使を支援する機能」に関しましては、「退院請求等については入院者本人が行使できることから、まずはこうした権利交渉を行えることを適切に伝えることが求められるのではないか。」としております。

 それから、4点目「入院の必要性や適切な医療が行われているかどうかを判断する機能」というところについては、「入院の必要性等について外部の視点から審査する役割は、精神医療審査会の役割と重複するのではないか。」というところを記載しております。

 以上の点を踏まえた上で、「代弁者」の部分につきましては、必要性も含めてご議論をいただければと思います。

 事務局からは、以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの資料の説明がございましたように、資料1についてのご議論をいただければと思いますが、かなり多くの内容が含まれておりますので、全体を大きく2つに分けて議論をさせていただこうと思います。最初は、資料1の論点の1.から3.についての質疑を前半で行って、4.5.については後半に行うということで、2つに分けさせていただきます。

 なお、大変時間が限られておりまして、毎回申し上げますが、多くの方々に発言をしていただきたいと思いますので、お一人当たりのご発言はぜひ簡潔に1、2分でご発言いただくようにお願いをしたいと思います。

 それでは、資料1の前半、論点1.から3.について議論を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、平田構成員からお願いします。

○平田構成員 千葉県精神科医療センターの平田でございます。主に精神科救急学会を代表しております。

 今の論点に関連した資料を、参考資料2-1をご紹介させていただきます。これは私の資料です。

 前回の検討会で、構成員の方2名からいただいた質問があって、宿題になっていましたので、それの私なりの考えを表明したいと思います。

 1つは、太田構成員から提示された、非自発入院の入院基準といいますか、考慮事項の中で書き出したものが2-1の3ページ目です。この7項目を書き出したのですけれども、この中の第6項目について「入院治療以外に医学的な介入の手段がない」というのはどういう意味かというご質問があったと思いますので、これの説明を、その次の4枚目のスライドに書きました。

 非自発入院の適応になる人々はどういう人々であるかということですけれども、精神医学的介入が必要な人々が、先ほどの共通事項(1)(5)を満たす人々ですね。その中で、入院治療を要する、あるいは入院治療の適応になるという人が(6)を満たす人ということで、この楕円形のところがそれに相当するのですね。ただ、任意入院の方は(1)(5)まで満たす必要はありませんので、外にはみ出ています。(1)(5)までの要件を満たすにも関わらず、(6)を満たさないケースはどんな人々であるというのが、ポイントがちょっと小さい文字で書いてあるところですね。入院によらない医療で治療できる群。(1)(5)まで満たす群はかなり重症の人々、あるいは急性期の人々ということになるわけですけれども、この中で入院が必要ではないのはどういう人かといいますと、例えば、頻回の外来診療に加えて、家族による看護あるいは訪問診療、福祉系の施設へのショートステイという形によって入院治療に代替できる。こういうケースが現実におられるわけであって、こういう人たちを指すとご理解ください。

 その上で、入院治療の中でも、非自発入院が必要であるという人々は(7)であり、それから、先ほどの基準にはありませんけれども、その中で、さらに自傷他害のリスクのある人々が措置入院ないし緊急措置入院の適応になるという説明でございます。

 次のスライドは、医療保護入院と措置入院の制度上の違いをざっと一覧表に並べたものであります。

 2つ目の宿題が、澤田構成員から出されたご質問です。まだ見えてないですけれども、要するに、非自発入院が必要な理由として、自らもしくは他人を傷つけるおそれがあるということが非自発入院の対象というのは理解できるけれども、それ以外の人を非自発入院する理由は何かと。特に、先ほどの3枚目のスライドの中の3項目目ですね。「この病態のために、社会生活上、自他に不利益となる事態が生じている」と。この「自他に不利益」というのはどういうことを指すのか。恣意的に決められるのではないかというご質問がありました。

 それに対する回答に近いものが、5ページ、6ページ以下の提案でありまして。行ったり来たりで申しわけないのですけれども、18ページに一覧表が載っております。これが、自他への不利益となる行動の類型とその程度を分けたものですね。それぞれ行と列があって、マトリックスですね。行列構造になっておりますけれども、一番右の列が措置入院の要件となる行動障害のレベルであろうと考えるわけです。一番左のほうは、非自発入院の理由にはならないレベル。行動障害といえるけれども、非自発入院の対象とはならないレベル。真ん中はいわゆる医療保護入院のレベルですね。これは治療必要性基準に基づいたレベルということになります。これを一つ一つ説明していく時間はありませんので、読んでいただいて、疑問の点がありましたら、質問をしていただきたいと思います。

具体例として、8ページ以下の例が4例ほど載っております。年代別、診断別、非医療保護入院になる例が出ております。これもいちいち説明はできませんけれども、要するに、自傷まではいかないけれども、放置すればというか、医療的介入をしなければ、自傷行為あるいは他害行為、措置入院の要件が生じてしまうようなケース、その手前のところで介入するのが医療保護入院の考え方とご理解いただければいいのではないかということですね。「自傷」という言葉に対置する場合は「自滅」と言っていいかもしれませんけれども、放置する、介入しなければ、自らどんどん悪い方向に行ってしまう。そういうことがわかり切っている人を黙って見逃すわけにいかないというのが、これは医療の論理であるとご理解いただきたいと思います。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 ほかにどうぞ。

 お願いします。

○太田構成員 ご説明ありがとうございました。私の疑問に対応していただいて、平田構成員には御礼申し上げます。

 おおむね理解したと思います。結局、そういう判断基準をもう少しブレークダウンしたものを何らかの形で世の中に示すといいますか、法律ないしはその付属、法律に書くというよりは、ガイドラインなり、通達なりにおいて出して、明確化しておくことが必要ではないかと思います。その意味では、私は、今回、追加していただいた入院以外の治療的介入の手段がないことについてどのような要素に基づいて判断するべきかということを明確化する。それによって制度の説明能力を高めることが必要ではないかと思います。

 その上で、また、具体的なケースにおいて、医師がいわば人を監禁類似行為を行うという性格もございますので、それを本人や家族等に説明する必要がある。そのときに、文書においてというのは、これは前回見落としていたのですが、文書によって説明するというのは必要ではないかと思います。私の専門の行政法の領域においても、行政庁はしばしば文書で説明することを求められるのですが、その際に、最高裁を初めとする判例は、文書の機能として、文書に書くことによる恣意抑制、慎重考慮というものがあるのだというのをずっと言っております。医者と行政庁は違うとは思いますが、しかし、この部分においては、いわば普通の市民がなし得ないようなことをやっておりますので、慎重考慮し、抑制に努めたということの記録を残すためにも、文書によって説明するという手法を地味ですが用いていただきたいと思います。

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、広田構成員。

○広田構成員 精神障害者に対応した地域包括ケアシステムという図があるけど。あ、これはやってない。

○樋口座長 医療保護入院制度です。

○広田構成員 わかりました。

 「代弁者」をやっていますか。

○樋口座長 「代弁者」は後半です。

○広田構成員 おくれて来て、失礼しました。

○樋口座長 後ほどお願いします。

 長野構成員。

○長野構成員 すみません。不勉強で教えてほしいのですけれども、平田先生、先生の資料の5ページの医療保護の「根拠となる法理念」parens patriaeは適切なのでしょうか。私たちが思っていたparens patriaeとはちょっと違うような気がしていて、法の専門家の方も含めて、これがそのままでいいのかということをちょっと教えていただけるとありがたいなと思います。

○樋口座長 では、平田構成員から。

○平田構成員 これは、むしろ、山本先生から説明してあげたほうがいいのではないかと思うのですけれども、一応こういうふうに我々は理解しているのですね。

  ご説明したように、police powerは自傷疑いのおそれということで、警察権限というふうな考え方が可能かと思います。それから、それに対して、parens patriaeは、国が親がわりになって保護をするという保護権限というふうな訳になるわけですね。だから、強制的に入院させる根拠として、片方は警察権限を用いる。要するに、これは自傷ではなくて、他害系ですけれどもね。社会を守るための強制権限に根拠を置きます。それに対して、医療保護入院のほうは、そういうものではなくて、医療の必要性がある。医療を提供しなければこの人の生命・財産に関わる事態にまで不利益に発展してしまう。それを未然に防止するために、国がよけいなおせっかいをやいてお世話をするという考え方であるという考えですけれども、山本先生、補足してください。

○樋口座長 山本座長代理からお願いします。

○山本座長代理 ほかの法律の先生方からもご意見があると思うのですけれども、parens patriaepolice powerは、恐らく英米法のこういう強制的な入院についての議論でありまして。今、平田先生が言われたことでほぼいいのですけれども、police powerというのは、社会の安全を守るために、精神障害者の方については強制的に入院させることが許されるのだという、そういう考え方ですね。

parens patriaeはパターナリズムですね。要するに、国親思想とか後見思想と訳されるあれで、精神の障害のために、自分の医療的な利益を判断できない人については、国が親がわりになってその人の利益のために強制的な入院をして治療を施すことが許されるのだという考え方でありまして。措置入院の場合には、他害というのがございますので、これは一般的にはpolice powerがその根拠だと考えられていますけれども、医療保護入院についてはそういうものはございませんので、これについてはparens patriaeが強制的な入院を正当化する根拠だと説明されているということでございます。

○樋口座長 どうぞ。

○太田構成員 基本的な説明については、私も山本座長代理と全く同じですけれども、平田先生のご説明などを聞いていて、少し注記しておいたほうがいいかなと思う箇所があります。

 措置入院が、police powerないしは狭い意味での警察権力の行使であるという性格はやはり争わないでいいだろうと思います。自傷他害という危険に着目して、強制的に入院させる。社会のことだけを考えると、入院させて、それでおしまいにしそうなのですが、それは人権の尊重としてどうかということで、もちろん治療もついてくるのが前提ではあります。そこが1つと。

 逆に、医療保護入院は、parens patriae、国親思想に基づくというのはそうですが、何かそれが積極的に機能しているのかというと、police powerでは説明できないので、あえて説明するとこっちになるかなというような雰囲気があって、親が面倒を見てくれない子供に対して、国がかわりに児童福祉施設に入れて面倒を見るというほどの積極的なものが基礎づけられるかどうかが、医療保護入院については必要性が争われる背景になってしまっているのだろうとは思います。

 それから、もう一つ、平田先生のご説明を聞いて、それ自体、客観的にはそうなのであろうと思ったのですが、その論理の中に若干気になる箇所がありまして、ついでに言っておきますと、自傷他害の危険には至らないけれども、放っておいたら自滅しそうなので、危険が生じる前に入ると。これは国親思想なのですが、そこにはいわば危険に至らないリスクの段階で対応しようという思考があって、その意味ではちょっと前倒しっぽいのですね。それが逆に広く使われると、当事者からすると、自分はどうもしてないし、自傷他害の危険もないのに何で入れられるのだという感情になるわけです。その限りでは、parens patriaeの思考に基づいているから何か出てくるというほど明確な、police powerであるときに出てくるほど明確なものはちょっと出てこないし、使い方を間違えると前倒しのpolice powerっぽく聞こえる危険もあって、そこら辺は医療保護入院の必要性を厳密にチェックするという別の思考が必要になってくるのではないと。

○広田構成員 police powerって何ですか。

○太田構成員 警察権力です。ただ、制服の警官がというよりも、公共の安全秩序に対する危険を未然に防ぐという、そういう意味での警察権力です。

○樋口座長 どうぞ。

○堀江障害保健福祉部長 部長でございますけれども、精神保健医療福祉のあり方というこれから先の話をご相談していく会議で、平田先生の資料も大変ありがたいものなのですけれども、私、個人的に申し上げますと、これは少し開かれた会議でもありますので、この根拠となる法理念、後学上の問題というところにちょっと議論が集中するのもいかがかなというところがあって、それで、傍聴をいただいている方も少しわかりにくいこともありますので、ここの部分は、私が役所の文書として出す場合ですと、余り書かない感じになっておりまして。学問的に、語学上はこういうのに入りますとか、学問上はこういうふうに整理されるのですというものを、私も言い返すほどの自信はないのですけれども、ここでの議論に余り必要性は高くはないかなという気がいたしますので、また、もし、追加の意見なり、ご見解なりあれば、また、次回のときでも、紙で整理していただくような機会があればと思いますし、役所のほうで、積極的にこの根拠となる法理念の辺りを議論していただきたいというほどのことではなくて、これよりもっと下のことのほうが重要かなというような気がしております。

 失礼いたしました。

○樋口座長 わかりました。

 それでは、法律論といいますか、それはここで一旦区切っておきまして。

 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員 私は神奈川県警現場17年間回りましたけど、police powerって初めて聞いた、ポリスが精神障害者等のことで迷惑はしていましたけど、入院させているのは精神保健指定医、police powerではない。警察官通報つくった動機、社会防衛かもしれないけど、山本さんとか太田さん、たまには警察の現場学んだら。これじゃ、お巡りさん怒り出したい。救急救命士も。余りにも現実と離れていて。

 神奈川県のソフト救急に電話しても、「家族がいないのだったら警察官通報かけてください」と言われていました、神奈川県の委員会でも、「本音を言ってください」と発言しても、医者が言わない、家族のいない場合、なぜ措置入院につながる警察官通報を持ち込むか、本音をここで先生方から伺いたい、法律家の方も入っていらっしゃる。柏木さんの意見を受けて、私が措置入院、医療保護入院、任意入院の論議をしてください、どういうすみ分けなのかということを提案しています、今後やる予定があるのか伺いたい。

○樋口座長 事務局のほう、それについては今伺えますでしょうか。

○田原精神・障害保健課長 精神・障害保健課長でございます。

 今のお話、措置入院、医療保護入院、任意入院、入院形態はいろいろあるかと思いますけれども、医療保護入院については、これまでもいろいろとご議論をいただいていたかと思いますので、後ほどご議論いただくことになるのかなと思いますし、また、相模原の事案のときには、措置入院のことが課題になったわけですので、そういった視点からいろいろとご議論をいただくものではないかと思っております。

○広田構成員 議題としては持ち出さないけど、結果として、任意と医療保護と措置が出てくるのではないか、こういう見解でいいですか、課長。

○田原精神・障害保健課長 この場でご議論をいただきたいと思っております。

○広田構成員 議事録が開示されていますから、わかりやすく。入院制度が3つあることを知らない人が多い。

 それと、最も大事なのは、強制入院ないことが望ましいけど、強制入院にしろ、任意にしろ、入院した先で、トラウマを受けたり、家族関係を不幸にするような遅れている医療、そして、退院していったときに、マスコミの報道を受けたりして、「あいつ気違い病院にいた」とか言う社会、そういうもろもろが複合的に精神障害者本人を行きづらくしている。入院制度のことも大事ですけど。ここでは安心して利用できる精神科医療が求められています。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、河崎構成員。

○河崎構成員 日精協の河崎です。

 先ほど太田構成員から、非自発入院、特に医療保護入院の際に、文書でもっての説明が必要だというご指摘があったかなと思いますけれども、現状、今の我々の医療の現場におきましては、当然ながら、医療保護入院の際には、入院時の告知文というものをご本人にお渡しをすると。ただ、その告知文の中には、病状であったりとか、あるいはどの辺りころまでそういう医療保護入院が続くのかというようなことは全く記載がないのですが、一方、入院診療計画書というのがございます。これは医療法の中で決まっている部分だろうと思いますけれども、必ず全ての入院患者さんにその方たちがどういう症状が今あって、そういうものがどういうふうに治療をしていくのか。そして、特に精神の患者さんに対しては、どれぐらいの期間、医療保護入院が続くという予測も含めて書いている文書を全て明示をし、お渡しをするということをしております。

 ですので、この辺りをうまく利用するというのか、何か充実をするとかいうことはあるかもしれませんけれども、現状でも、文書によってはそういう内容を患者さんのほうにお渡しをしているということだけ指摘をさせていただきたいと思います。

○樋口座長 ほかにはいかがでしょうか。

 平田構成員、どうぞ。

○平田構成員 広田構成員からご指摘がありましたように、できるだけ非自発入院を限定すべきであるということは、私もそれは賛成です。非自発入院にしろ、非自発医療にしろ、それが容認される条件というのがあると思うのですね。これに関連して、もう一つの入院制度の提案について、ちょっと説明させてください。

 非自発医療が容認される条件は少なくとも4つ必要だと思います。1つはケースを限定すること、むやみに広げないことですね。2番目は、期間をできるだけ短くすること。3番目は、できるだけ良質な医療を提供すること。4番目は、外部審査を頻回にきちんとやること。この4つが保証されなければ、非自発入院にしろ、非自発医療というのは私は認められないのではないかと。少なくとも医療と呼ばれるためには、その4つが必要であろうと思います。

 そういう観点から考えると、現在の非自発入院を受け入れている病院の体制は極めてお粗末であると言わざるを得ません。異論のある方もおられるとは思いますけれども、一般の医療が、急性期に関しては7対1看護が当たり前になっている時代に、いまだに15対1が圧倒的に多いですね。半分以下の看護密度でしか保証されない。良質な医療を提供するためのシステムをつくらなくてはいけないだろうと。そういうところに非自発入院をできるだけ絞り込んでいく必要があるという観点から、私の参考資料2-1の13ページについて、若干説明させてください。

 これは、今年の10月の精神科救急学会の総会で採択された提言であります。

 精神科への初回の非自発入院は、救急入院料病棟をはじめとする一定の規格を備えた病床に限定して、新たな長期在院の発生を抑制すべきである。

 これが可能になるように、諸制度を速やかに整備すべきである。

 というのが本文でありまして、次のページにこの意図が書いてあります。これはちょっと長いので全部は読みませんけれども、考え方としては、非自発入院を要する人は、医学的にいえば重症の人であると規定されるわけでありますから、重症の患者さんに手厚い医療を提供して、予後の改善を図る、あるいは生命を守るというのは医療の常識なわけですけれども、これが精神科の領域では必ずしも常識になっていないという現実がありますので、これを変えるための提言であるというのが一番大事な点ですね。

 提言のこれをいきなりすぐにやろうといってもなかなか無理なのですけれども、その実現の可能性について、15ページ以下に試算をしてあります。まずは、初回の非自発入院ケースは何件ぐらいあるのかということを試算しますと、結論を言うと、年間約6万件もあるのですね。初回ですね。ただ、いろいろな病気が混ざっていますので、特に長期化しやすいF2群あるいは頻回になりやすいF3群ですね。こういった人に絞り込めば、3.5万件です。

 それから、16ページは、それを受け入れる、いわゆる高規格病棟がどれぐらいあるのか。高規格病棟の定義もいろいろありますけれども、いわゆるスーパー救急病棟だけに絞りますと8,000床ぐらいしかありません。もうちょっと広げて、医師16対1配置というところに広げて、さらに、初回入院がどれぐらいあるかということを試算しますと、35,000件なのですね。ですから、先ほどの3.5万件とほぼ一致すると。

ただ、数だけはこれで足りることになるのですけれども、高規格病棟の分布・機能は不均質ですので、これを解決するために、17ページに提案が書いてあります。これは間に合うかどうかわかりませんけれども、第7次医療計画ですね。この中に精神医療圏をちゃんと標準化すること。これは次の議論に関連しますけれどもね。その中で、いわゆる高規格病棟の空白圏域の解消を盛り込む。さらに、救急入院料の認可要件を見直して、小規模のユニットができるようにして、全国に行き渡るようにするべきだと。それから、医師確保のために、これは精神保健指定医の認定要件に絡んでくるところでもありますけれども、高規格病棟での勤務経験を義務づけたらいかがであろうかというふうな提案をしております。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 前半の議論で、あと、どうしても発言したい方。

 どうぞ、お二方。

○本條構成員 みんなねっとの本條でございます。難しい議論が続いておりますので、家族の立場から。

 資料1-1の5ページ目です。医療保護入院における医師以外の者の同意を求める必要性のポツの2つ目ですけれども、「医師以外の者の同意」は、家族等の同意と同じ意味なのかどうかということであります。

それから、2つ目の○のところでありますけれども、もし、これを家族等ととらえますと、本人にかわって同意する、代諾ではないということについては一歩前進ではないかと評価しておりますけれども、その同意を求める者として、医師の判断の合理性、説明に対する納得性でありますけれども、もし、これを第三者としての納得性とするならば、これは医師が自信を持って入院しか選択肢がないというものを、そうしたら、もし、家族であるならば、家族としては、入院医療かどうかは別にして、医療を受けさせたいというものがあって、入院医療しか選択肢がないと言えば、ああ、そうですかと納得するしかないのではないでしょうかね。

そうではなくて、医療的な意味での納得性ということになるならば、医療的な知識も、また、人権の問題で、法的な知識もない家族にこういう判断ができるわけはないわけであって、納得しているかどうか、これしかないと言われれば、これは納得する以外にないわけであります。

2番目の入院医療が本人の利益に資するかということについても、問題があります。本人の利益となりますと、本人の立場からすれば、入院によって拘束され、身体の自由が抑制され、制限されているわけでありますから、それ以上の利益は少し考えにくいのではないか。ここは、その人権を抑制したとしても、それ以上の医療的なメリットがあると、そういうようにとらえて、ここはそれ以上にない医療的な措置であると判断することになりますから、ここもそういうものの知識がない家族では難しいと思いますので、家族が同意者あるいはそういう説明を聞いて、本人にかわって同意するのではないと書いてありますけれども、難しいのではないかと思います。ですから、家族がこの役割を担うのは、本人の権利擁護、また、家族自身も非常に責任が重過ぎるのではないかと、このように考えます。

○樋口座長 これはご意見としてでよろしいですね。

○本條構成員 質問はありますけれども、同意するのが医師以外の者というのは、家族等の同意と同じなのかどうかということです。

○樋口座長 それを確認したいということですね。

○本條構成員 はい。

○樋口座長 この点については、事務局ではどういうふうに整理されていますか。

○占部課長補佐 5ページの資料についてですけれども、ご指摘の5ページの上から2つ目のポツのところの「医師以外の者の同意」というところについては、これは一般論としての「医師以外の者」という意味で書いております。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

○本條構成員 はい。

○樋口座長 それでは、伊澤構成員、前半の最後ですね。

○伊澤構成員 伊澤です。よろしくお願いします。

 3ページ目の(検討の視点)の中にあります記述ですが、皆さんからもご意見がありましたように、私も、原則、入院は任意入院であると。とことん任意入院にすべきであるという思いを強めております。その辺の書き出しが1つ目の中ごろにあるのですけれども、その3つ目に、「その上で、」という書き出しの中に、「任意入院につなげる努力をしても本人の同意が得られない」という、こういうふうな努力という、非常に個人のセンスや感覚に委ねるような、その表現で記述されているのが非常に気になったりもしております。

 先ほど、河崎構成員から、入院告知文や入院診療報告書、その文書提示みたいなことがございましたが、努力ということの中身というか、なかなか数量化は難しいかもしれませんけれども、それは任意入院に持っていくための努力なわけなので、本当にそれは最大限の努力、とことんやるという、何かそういうものがもっとしっかり記述してほしいなという思いがございます。

 それと、ページが飛びます。入院制度。7ページですね。「医療保護入院の必要性・妥当性をどのように審査するべきか」の中で、退院促進措置の医療保護入院者の退院支援委員会のことについて、少しお話し申し上げたいと思っております。退院支援委員会始まってまだ間もありませんけれども、少しずつ積み上がってきているような感じもしております。ただ、その開催の要件の中に、入院しているご本人の参加が、希望する場合に限られているという、この辺りはいかがなものかという思いがございます。ご本人の主体者としての思いや、あるいは現状に対する認識も含めて、しっかりと参加を勧奨していくような、促進していくような何か策が打てないかというような思いがございます。

 そして、もう一つは、地域援助事業者の参加率がまだ乏しいというようなこともございまして。私はそういう立場性で申し上げますと、病院に足を運ばせていただきたいし、病院の中に状況についてももっといろいろとお伺いしたいというような感じもございます。そういう意味では、地域援助者の参画というところをもう少し促進するような強化策みたいなものを打ち出していただきたいなという思いがございます。

 以上です。

○樋口座長 それでは、時間がかなりたっておりますので、議論は、後半の4.5.まで広げますので、引き続き、論点1.3.に関してのご発言も頂戴してまいりますけれども、主に4.から5.に関してもご意見を頂戴してまいりたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、どうぞ。

○澤田構成員 大変おそくなりまして、誠に申しわけございません。

 精神科医の皆様、宿題はやってきていただけましたでしょうか。どなたかご発表をお願いいたします。

○樋口座長 先ほど、平田構成員からご回答のお話がございましたので、この点については、後ほど、平田構成員から直接をお話を聞いていただければと思います。

○澤田構成員 他の構成員は、皆さんご納得いただけたのでしょうか。とりわけ太田構成員は。

○樋口座長 太田構成員との間にもやりとりがございました。

○澤田構成員 そうですか。大変残念でございます。でも、宿題をやってきてくださって、ありがとうございます。

○樋口座長 それでは、後半に入ってまいりたいと思います。いかがでございましょうか。

 どうぞ。

○平田構成員 私ばかりで申しわけないのですけれども、後半の論点の移送に関して、参考資料2-1の、これは前回提示した資料そのままで申しわけないのですけれども、後半のほうに私の意見が書いてあります。後ろから3枚目ですね。10と右下にページ数が書いてあるパワーポイントの資料です。

 移送制度というのは、入院をさせるための制度です。医療保護入院をさせるための制度というふうに非常に限定されてしまっているので、医療アクセスの手段としての移送制度に拡張すべきであるという意見を述べましたので、そういう観点からここに書いてあります。問題になるのは非自発的な医療アクセスですね。精神科救急をやっていますと、半分ぐらいの人は、皆さん自分から見えるのですよ。かなり混乱していても、自分で助けを求める人は大部分ですし、救急車の利用もたくさんあります。警察ばかりではありませんので、それをおことわりした上で、議論を限定するために、焦点化するために、非自発的な医療アクセスという問題に絞ってお話をします。

 そういうアクセス手段を要する条件が4つほどあるだろうということで、ここに並べてあります。一番重要なのは、行動障害の切迫度ですね。先ほど議論になりました自傷他害リスクのレベルがどれぐらいであるか。これは一番大事な条件ということになります。それから、治療関係があるかないかということも大きな条件になります。それから、時間帯も手段を決定するかなり大きな要因になります。さらに、家族状況。4つぐらいの要因によって決まってくるというのが、現行の法律の中でのあり方ですね。

その要素が、11枚目の次のスライドに書いてあります。他害行為が切迫している場合は、これは昼夜を問わず、police powerに頼らざるを得ないという現状があります。これは29条の移送に含めていますけれども、ただ、警察に余りに依存し過ぎであるという現状がありますので、行政の関与はもっと強化すべきであろうという考えです。

2番目が自傷行為の場合ですね。この場合は、家族の支援があれば、ご家族で病院にアクセスするということは可能ですけれども、それが弱い場合ですね。これはやはり救急車がベストであろうと。どうしても困難な場合は、警察への支援も必要であろうけれども、主体は救急車の搬送がベストであろうと思います。

3番目は、行動障害の切迫がないような場合ですね。これも家族の支援力が弱くて、あるいは未受診ケース、あるいは長期の中断ケース。これは治療関係、医療行為に入っていませんので、行政によるプレホスピタル的なアウトリーチ、34条も含むということが必要になってきます。

4番目が、通院中の患者の場合は、これは治療関係が一応あることを前提に、それは短期間の中断も含めますけれども、これは医療機関によるアウトリーチが主体であろうと考えます。

最後の12枚目のスライドに、現行制度の改正を提案しております。

34条が入院に限定されてしまっているので、行政型のアウトリーチサービスに改変して、指定医以外の複数回訪問を認める。47条の保健所による精神保健活動をもう少し強化することになりますね。入院は最終オプションで、最後の手段であると明記すべきだと思います。

2番目は、そのために保健所等の行政機関の機能を強化する。人員を手厚く配置すべきだと。

3番目は、警察官通報の基準が、都道府県、地域によってばらばらでして。これをもう少し標準化して、例えば、保護を伴わない発見通報等をもう少し減らしていただかないと、保健所がその対応に忙殺されてしまうという現状がありますので、ここも何とかしていただきたい。

最後は、民間業者による救急搬送です。これはそもそも移送制度の創設の動機が、こういう民間業者による非自発的な救急搬送、しかも、かなり高額の料金を取っての搬送というのが問題になっていたわけで、これを何とか抑制しようということでできたのですけれども、いまだに全然減ってないのですね。今、研究事業でこの救急搬送の実態を調べておりますけれども、当センターでも、ついこの間あったケースでは、民間業者が手錠をかけて患者さんを連れて来て、1時間足らずの距離ですけれども、30万円の料金を請求されたというふうな事例もあります。珍しくないとわかっていますので、これをもうちょっと民間基準をきちんと明確化する、あるいは登録制にする等の制度改革が必要ではないかという提案をさせていただきます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 はい、どうぞ。

○澤田構成員 医療保護入院の必要性について、一体誰にとって必要なのかということを明らかにしていただきたいと思います。どうも、本人にとって必要なのではなく、周りが厄介払いできるとか、病院が収入を確保できるとか、そういう意味での必要性にしか聞こえません。

 それで、参考資料2-2に、「精神疾患に基づく行動障害の類型とレベル」で、中等度の例(医療保護入院の理由となるレベル)とあるのですけれども、大部分は世の中によくあることで、精神障害者でなければ問題にされないことです。精神障害者だけがこれを理由に非自発的入院を強制されるのは明らかに差別です。

○平田構成員 これは、「精神疾患に基づく行動障害」に限定した表現になっているはずです。これは病気が原因でなければ、強制的な治療の対象になりません。

○澤田構成員 そうなのですけれども、病気が原因だったら、無理やり入院させられて、病気ではなくてわざとやったのだったら、何のおとがめもないというのは、差別です。

○平田構成員 病気が原因でなくてこういう行動に及んだ場合は、これは自己責任ですね。他害行為であれば、法的責任を問われますし、自傷行為であれば、自分の命を自分で守らなかったということの自己責任を問われると思います。

○澤田構成員 病人には、自己責任をとる権利もないのですね。

○平田構成員 いや、そんなことを言っているわけではありません。自己責任が問えないぐらいに重症の患者さんを対象にした言い方です。

○澤田構成員 中等度でも、自己責任が問えないのですね。

○平田構成員 ここに書いてあることを私は提案しているわけですね。ただ、厳密に、軽度・中等度・重度と、そんなかっちりとした線が引けるわけではありません。

○澤田構成員 それはそうですけれども。

○樋口座長 ほかに、この後半の議論で発言をしたい方はどれぐらいいらっしゃいますか。

 6名。それでは、順次いただきますけれども、できるだけ簡潔にお願いしたいと思います。

 それでは、長野構成員から。

○長野構成員 2点気になります。

 移送のほうのことですけれども、移送の拡大があってはならぬというのが原則だと思います。このアウトリーチのこともそうですけれども、まず、在宅での医師の診断がどれほど確かかとか、不確かな要素がたくさんある中で、移送の拡大があってはならないと。民間業者の問題は、それはそれでしっかり別法で取り締まっていかなければいけないのではないかと思っていますけれども、私たちが保健的にアプローチをしていくときは、例えば通報とかがあって、訪問をしながら、何を一にするかというと、未治療のままご本人との関係をどれだけ構築するかということに時間を費やします。そうすると、クライシスが起きなくなってきます。このような医療の導入を検討するために伺いに行くアウトリーチが適切なのかですね。

 さらに、ちょっと気になる文言は、アウトリーチの機会をふやすために福祉サイドによるアプローチをふやすと考えられるという、保健の手が足りないから福祉がやるのかというように読み取れないわけでもないですし、この福祉サイドというのは、何を想定して福祉サイドといっているのかがもう少し明確にしていかないと、実際、治療契約、支援契約の結べてない方に対して、福祉サイド、相談支援専門員が何かがやれるかとか、全く現実からは遠いような気がしています。

 あと、透けて見えるのが、日本における保健予防活動の弱さだと思うのですね。保健予防活動がもう少し充実していけば、この議論はかなり縮小できるのだろうと思っていて、現実、地域はそんなふうに変わってきておりますので、ここは、そういう保健予防に関して強化をしっかりしていくことを前提としながら、現時点での移送を検討しないと、ただただ今の現状で移送の拡大があると、本当に拡大解釈の人権侵害が起きかねないということがとても心配をされます。

 あと、6ページのちょっと戻りますが、市町村長同意も同じことが言えると思いますが、「現場において何らかの同意を得るのにあまりに時間を要する制度では、医療へのアクセスを阻害する可能性があるのではないか」という、この後に何が続くかがとても心配でありまして。

現場で、私たちもかつてやっていた市町村長同意というのは、現実的には、行政の保健師さんに連絡をして、市町村長同意でお願いしますねということで、ほぼ医療現場の独断で、後の手続上のことはきちっとやるというようなこともあったような気がするのですね。あちこちで聞かれるのが、現実的にはすぐは駆けつけられないから、現実的には、そのときは医療機関の判断を主にしながら手続を進めていくことが見られていて、そういうことでは、ご本人にとっての最後のとりでだと思いますし、ご本人と会うことなしに市町村長同意がどんどん進んでいくようなことは現に慎むべきだと思いまして。これが1行目にあって、「考えられるのではないか」というその後に続く文章が書かれないというのは、このままでいいのかというような疑問が残ります。

 以上です。

○樋口座長 それでは、こちらの列に行きますので、今、手を挙げられた方。

太田構成員。

○太田構成員 資料全体として見て、私、代弁者のところの取扱いに違和感があります。全体としては、具体的に書いてあることについては、そういうことになるのかなと思うのですが、また、実際そういう意見があるのも理解しているのですが、代弁者のところになると、患者の意思を重視するのですね。患者さんの意思を踏まえる、希望を踏まえるということで、例えば、選任行為が要るのか要らないのかとかいう論点が出るのです。しかし、そもそも我々は非自発的入院を議論しているわけであって、入院させるときに、意思を問うてないのですね。必要がある、誰かの判断で入れる。入院した後の人の権利擁護が問題になったとたんに、意思に基づかない保護者みたいなのはあっていいのですかとかいう議論をしだして、今度は何だか入院した人の意思を入院させた後にとたんに問題にしだすのですね。要するに、入院を拒絶する意思は信用に値しないので、何らかの本人の利益になるということで入れるわけです。そのときには、利益と意思は切り離して判断できると思っているわけですね。ところが入院させた後になると、何か逆に意思を今度は強調して、意思は、代弁者の役割をやや制限する方向で機能させられている。どうも、意思の取扱いが全体として何か整合的なのかという気がいたします。

 そのことからすると、もちろん要らないと明確に言っている患者についてわざわざつける必要があるのかというのは問題ですが、しかし、意思を問わずに入院させた以上は、その入院させた目的ないし変に扱われていないかということを意思を問わずに保護する人もやはり必要なのではないかという気がするのですね。せっかく公的保護者みたいな制度も提案されており、何となく嫌そうだということが前のほうには書いてあるわけで、それは現実問題として理解しないではないですが、そういう機能を持つ、例えば13ページのマル4のような機能を持つ代弁者を、代弁者ではもはやないかもしれませんが、もうちょっと真剣に考える必要があるのではないか。

 このまま行くと、独自性を持つ者はマル2ということになって、これは地域生活移行支援のほうにほとんど回収されてしまうということになります。入院した人に早期に退院してもらうことが必要であるというのが前提だし、そもそも入院させるべきでもないというのも前提であるとしても、問題の出発点は、何らかの理由で必要性があって非自発的入院をした、医療保護入院をしたという人を、その入院中の権利をちゃんと保護できているのかどうかという問題関心だったと思うのですね。それからすると、何かちょっと焦点がずれていっているし、全体として、何だか患者さんの意思をえらい都合よく使っているという評価にさらされないかという気がいたします。

 医療保護入院のところで、患者の意思とは関わりなく、利益をちゃんと医者が判断し、必要性を判断し、難しいかと思いますが、正直、ほかにいないというところもあって、一番情報を持っているような家族を念頭に置きながら客観的に考えて同意するかどうか考えてください、客観的に考えられないような利益相反系のやつはどうするかは別途考えましょうというスタンスで書いてあるところにも関わらず、後ろにこういうふうに意思が出てくるのは、全体として整理はちょっといいのかなという関心を持ちました。

○樋口座長 それでは、伊藤構成員お願いします。

○伊藤構成員 医療へのアクセスのことが議論されています。医療保護入院制度の領域ですが、幅広く医療へのアクセスのことが示されています。また後半では措置入院患者の退院後の医療アクセスの話が出てきます。幅広く医療へのアクセスに関して、今後の研究が必要だということを述べさせていただきます。コメントです。

日本の医療制度では、プライマリーケアの機能が脆弱であると指摘されています。これは、医療中断を防止したり、重症化を予防したりするための関与方法が極めて限られていることを意味します。一方で、高齢者制度における総合事業では、地域へ出る枠組みが強化されています。また、糖尿病の領域では、重症化予防のための関わりも始まっています。

精神保健医療の場合には、医療保護入院であったり、措置入院であったり、どちらかというと入院が必要な方々に限定してこの議論がされています。しかし、他の領域での試みからもわかるように、このテーマの対象者はさらに広範囲で、通院中の方々を含みます。医療のアクセスへの確保と、対象者や手法、また必要となるのはどのような状況なのかについて、幅広い観点から整理をする研究が望まれています。

 今回の資料で申し上げますと、10ページ目の上から5つ目、下から3つ目の論点で記載されています。これから大事になってくる論点であることを強調させていただきます。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、伊澤構成員どうぞ。

○伊澤構成員 先ほどちょっと漏らしてしまった部分ですが、8ページの退院促進策の続きですが、○の2つ目の退院促進措置に地域援助事業者が関わりやすくする取組についてどのように考えるかということですが、仕組みとして、要請を受けなければ我々も動けませんので、その要請を発出しやすくするような、そういう仕組みや仕掛けはとても大事かなと思っております。

 援助者については、病院によってはリスト化して、入院している方々に情報発信をしたりとかもなされているのですが、さらにきめ細やかに、例えば、担当者の顔写真を入れるとか、そこにコメントを載せるみたいなことも含めて、情報の流通というところをもう少し進めていくことがとても大事かなと思っております。

 2つ目の「1年以上の長期入院者についても」とありますが、これは当然のこととして、全ての入院者に対して対応していくことが基本ではないかと思っております。

 以上です。

○樋口座長 柏木構成員、どうぞ。

○柏木構成員 まず、移送制度に関しましては、平田構成員が出されたものに基本賛成をしています。

 複数回訪問の指定医以外というのは、どういうふうな想定をされているのかということを1つお聞きしたいところですけれども、とりあえず、保健所の機能は非常に脆弱化している一方だと思っておりまして。先ほど、長野構成員がおっしゃったような、予防のことも含めて保健所機能の行政権限というか行政機能の強化はぜひ図っていただきたいと思っております。ですから、移送制度も、移送につながるまでのプロセスをすごく大事にしないといけないと思いますので、そうすると、きめ細かな相談員等の訪問あるいは面接等が重要なことになってくると思います。それをするための人的な資源を想定すると、明らかに入院をさせることを前提とする医療機関が行くのはおかしい話で、第三者的なところに行っていただくというのが大事なことかなと思います。移送という手段を選ぶまでの基本的なプロセスを重視していただければと思いまして、そうなると、保健センター、保健所等の機能が重要になってくるのかなと思っています。

 もう一つは退院促進の話ですけれども、先ほど伊澤構成員がおっしゃったように、私たち病院のPSWの役割は非常に大きいかなと思っています。今以上に忙しくなって自分の首を締めることになるのですが、1年以上の長期入院者についても、1年以内の方と同じように退院促進措置を適用していただきたいと思うことと、地域援助事業者の方の介入については、ご本人の意思等を問うていると、実際に要らないと言われることが多いので、本人の退院支援委員会の開催もそうですし、地域援助事業者の方たちの参加もそうですが、できる限り義務的な条件にしていただいたほうが、実質的になるのではないかなと考えます。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、吉川構成員。

○吉川構成員 代弁者のところと退院措置のところで一つずつですが、代弁者のところで、先ほどの太田構成員からもご指摘がありましたけれども、これがどのタイミングというか、どの時点での必要性なのかというところが私も十分理解できてないところがあります。マル1の機能のところで、患者さんの意思表明とか、医療機関に意思を伝える機能と書かれてあるのですが、私が看護の立場で病院に、入院された後患者さんに関わる立場で考えますと、ここに書かれているような意思ということだけではなくて、例えば、特に非自発的入院の患者さんの気持ちとか、そのときの思いとかというのを非常に大切にしていく必要があると思っています。そういったところで考えますと、この仕組み自体は、権利擁護という性格が大きいのかと思いますが、現場で見ていると、患者さんが病状が悪くて入院されたときは、どうしても医療の必要性をご自身が十分理解できないという、そういう状況に目を向ける必要もあると思います。

 ただ、我々が大事にしているのは、そういった患者さんの病状の回復に応じて、患者さんの気持ちをこちらもきちっと受けとめながら入院の必要性に関する理解が深まるような取組が非常に大切だと思っています。それはもちろんこの時点での患者さんの権利擁護という観点も大切ですが、結果的に、私は、患者さんが退院されるときに、入院してよかったと思えるかどうかという、そこが非常に大きいと思います。入院されるときにはどうしても納得いかない部分もあるのですが、それが結果的に、最後まで、今回の入院はどうしても納得できないという形で退院されるのか、それとも、もちろん意思表明という観点も含めて患者さんに治療の必要性とか入院の必要性というところの理解を深めて、少しでも今回入院が必要だったのだなという気持ちを持っていただいて退院していただけるような、そういった取組は、ここにも書いていますけれども、基本的には病院の職員がきちっと果たすべき役割ではないかなと思います。

 それと、もう一つ、退院措置の仕組みについてですが、私もここで少し気になるところが、医療機関は診療報酬に裏づけられたというか、それを根拠とした退院支援の取組というのでもありますので、それらとの関連をどのように考えていくかというのも1つ項目として、ポツのところにつけ加えていただければと思います。

○広田構成員 そこのところは何ですか。

○吉川構成員 医療機関が診療報酬上でも、例えば、退院指導料とか退院促進につながるような一応評価というのがあるのですね。それと、もう一つは、例えばクリティカルパスみたいな、入院して何日目に何をやるとかそういう診療計画もあるのですね。ですから、一方でそういうふうに診療報酬に裏づけられた仕組みがある、そういった仕組みもありながら、もう一方で、精神保健福祉法により規定されたものもあると。そこの関連をどのように考えるのかとか、そういったところもきちんと考えていただけたらと思います。

 以上です。

○樋口座長 こちら側はいかがですか。

 どうぞ。

○澤田構成員 すみません。揚げ足を取るつもりはないのですけれども、状態に応じてということですが、インフォームドコンセントのとれない状態だからといって、医療保護入院されるとき、話し合いがしにくい状態、だからといって、どんな扱いをしてもわかりっこないとか、どうせ後で憶えてないとか思ったら大間違いです。

○樋口座長 こちらの列よろしいですね。

 広田さんお願いします。

○広田構成員 話をわかりやすくして。後半のところは、要するに、医療が、お金が目当てで退院させないという話ですか。率直に。医療側の何が問題なんですか。

○吉川構成員 医療機関には、例えば診療計画という、入院したら、この人にはこういうふうに支援していこうという、そういう計画が、診療計画とか、あと、看護の場合は看護計画とか、今はチーム医療ですので、多職種でそういう計画を立てているのですね。例えば、患者さんのそういった診療をどう評価していくかというのも、病棟のカンファレンスで多職種が集まって、今この患者さんの病状がどの程度だとか、こういう治療がどういう効果があらわれているのか。次にこういうふうな取組をしてみたらどうかという、そういうふうにこれまで医療として行ってきた一つ流れが、これは伝統的にずっとやっているものがあるとかあります。

 それがある中に、この精神保健福祉法の規定による、医療保護入院者退院支援委員会でこういう評価をして、こういうことを検討してくださいとか、こういう役割をつけてください。また、相談支援事業者と連携をすることというふうにあるのですけれども、例えば、相談支援事業者と連携するという1つ取っても、もちろん精神保健福祉法で規定されたからやるという考えもあれば、もともと医療機関が地域連携室とか、あと、退院促進をやっていれば、その仕組みの中できちっと地域といろいろやりとりをしながらやっていくというのもあるので、幾つも考え方が混在すると現場の人たちがどちらを優先すればいいのかとか。

○広田構成員 医療の現場ですか。

○吉川構成員 医療の現場です。医療機関です。医療機関が、いろいろな考え方があるので。

○広田構成員 メニューがあると。

○吉川構成員 メニューがありますので、そこを多分うまく使えばすごく大きな効果が出ると思うのですけれども、その辺の関連ですね。この法律とそういうもともと医療でやっていることとの関連というものもきちっと考えていったほうがいいのではないか。

○広田構成員 吉川君、医療現場で勤めたことがある。

○吉川構成員 私、医療現場に23年勤めていました。

○広田構成員 私、医療現場のワーカーの話も伺いますし、地域のスタッフの意見も伺いましたが、「福祉にバトンタッチしたとしても、また、大変なときは入院させて」と、「広田さん」というのを全国的に伺っています、医療と福祉が対立する話ばかり。日精協が悪いとか、そういう話はやめにして、どうしたら前へ進むかということで、医療のここが問題ということをはっきり言わなければ、隣にちょうど日精協の副会長がいる。いないところでごちょごちょ言ったって何も解決しない。これがずばり問題よって。ここは厚労省検討会、21世紀に入って16年。

 それから、何度も発言している、救急隊、警察、福祉の業種がふえたり、相談員とかふえればふえるほど「我々は大変だ」ということを念頭に置いて、医療関係者も迷惑しているということを伺っているということです。それで、福祉は入っているけど、退院させられないということは、伊澤さんに後でどこかで答えてもらいたい、医療がお金で入院させているということなの、ずばり伺いたい。なぜ福祉が入っていくと退院とかというのができたというけど、そんなものをいちいちつくらなくたって、沖縄の病院へ行った時、入院患者さんとカラオケへ行った、それが退院するきっかけになる人もいるかも、楽しい体験したりすればいいじゃない。医者がいろいろな責任を負わされて出せない「何かあったら訴訟だ」とか、医者も大変だと思いますよ。

 私、遺産相続のことで、患者会の仲間で精神障害者手帳1級の人の保佐人を「やってください」とご本人と手帳2級保持者の夫から依頼されて、家庭裁判所で面接後、家裁から正式に「ぜひ」と依頼されました。その後、「裁判のお金がないので貸してほしい」とお願いされて、本物のピアサポートをと思って、バンドの出演料謝金預かっていたお金を10万円用立てようとしたら、当時の主要メンバーで依頼者とも親しい仲間たちから「勝手に貸すのは、」「人がよ過ぎるって」言われたり。仲間の幸せとかそういうものに関わるのだったら、お金ぐらい用立てる、自分のお金都合がつけば返ってこなくてもいいというのが子供の頃からの私のポリシー。財産が入り、10万円返金できましたが、保佐人として仲間を医療保護入院させる役割があることを知り、夫婦で心がぐらぐら揺れ出したら、これは大変だわということで辞任手続きしたことがあります。医者を責めるのも簡単だけど、複雑な人間の人権とか、幸せ度とか、そこのところの判定をしなければならない、それもまた大変。保佐人を経験して痛感しました。

 それから、精神科救急で平田先生は言わなかったけど、消防庁の統計をこの間読みましたら、精神科救急、搬送先がない、どこかで数字を出していましたよ。警察も相変わらず精神科救急利用者、精神科救急絡み、MD迷惑という感じですけど、精神障害者とかそういうものを1つとったとしても、警察も救急隊も物すごい負担かかっていて、そして、もう一つ言えば、高齢化社会で、救急車の利用件数が多くなっていると、私が前に発言しています。警察も警察力をきちんと整えないと、高等弁務官が「難民を受け入れてくれ」という時代であります、ぜひ、総合的なところで、医療と福祉の対立ではなくて、ここが医療の問題、ここが福祉は問題と本音を伺いたい。

 そして、国民に向かってわかりやすい言葉で、よろしくお願いします。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、大分時間が超過いたしましたので、この議題については、とりあえずここで議論を終わらせていただきます。また、引き続き、年明けにも議論の機会がございますので、よろしくお願いします。

 それでは、本日の第2番目でございます、12月8日に公表になりました「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームの報告書」について、事務局のほうから、資料2-1、2-2について説明をお願いしたいと思います。

○占部課長補佐 それでは、資料2-1の報告書(概要)に沿ってご説明をさせていただきます。

 このチームについては、9月30日の本検討会で、中間とりまとめの内容についてご報告をさせていただきましたが、12月8日に報告書がまとまりましたので、本日ご説明をさせていただきます。

 このチームでは、3つの視点、共生社会の推進と退院後の医療等の継続的な支援を通じた地域における孤立の防止、それから、社会福祉施設等における職場環境の整備という視点から、事件の再発防止策の検討を行っております。

 結果といたしまして、資料2-1の1ページから2ページに記載をしております5点に分けて、再発防止策の方向性をまとめたというものでございます。

 まず最初の視点の「共生社会の推進に向けた取組」につきましては、「互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会」の実現に向けた取組を進めるために、周知啓発活動とか、教育、地域移行、地域生活の支援をこれまで以上に進めていくことを掲げております。

 それから、2つ目に、「退院後の医療等の継続支援の実施のために必要な対応」というところでございますけれども、入院中から措置解除後まで、医療等の支援を継続的に受けられる仕組みの整備が課題として明らかになったということでございまして。右側の再発防止策ですけれども、措置入院中から、都道府県知事等が退院後支援計画を作成するということ。それから、措置入院先病院におきまして、退院後支援のニーズについてアセスメントを実施して、その結果を都道府県知事に伝達することによって、退院後支援計画に反映をして、退院後はその計画に沿って保健所設置自治体が、退院後支援全体を調整するということ。そのためには保健所等の人員体制の充実が必要だろうというような提案がなされております。

 次のページをおめくりいただきまして、3つ目ですけれども、「措置入院中の診療内容の充実」といたしまして、措置入院の際の診断とか、あるいは治療方針の検討が不十分であるというような課題が明らかになったということでございまして。国におきまして、措置入院中の診療内容のガイドラインを作成することなどが提案をされております。

 4つ目に「関係機関等の協力の推進」といたしまして、今回の事案を踏まえて、例えば、警察官通報が行われたもののうち、措置入院につながる割合が自治体によってばらつきがあるとか、あるいは、措置入院の過程で認知された犯罪情報について共有される手続についての課題などが指摘されたというところでございまして。再発防止策といたしまして、措置診察等の判断に当たってのチェックポイントの作成や自治体、警察、精神科医療機関等の地域の関係者の協議の場を設置することなどが提案をされております。

 最後に、「社会福祉施設等における対応」といたしまして、地域に開かれた施設という方向性と安全確保の両立を目指すという観点から、防犯についての点検項目通知の活用とか、あるいは職場環境の改善についての提案がなされております。

 詳細な内容につきましては、資料2-2の報告書の本体を適宜、ご参照いただければと思います。

 事務局からの説明は、以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの報告書(概要)を報告していただきましたけれども、これに基づきまして、ご質疑をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○広田構成員 広田構成員 大きな口たたけませんが、私一昨日やまゆり園に行って来ましたが、この中で行かれた方はどのぐらいいらっしゃいますか、事務局を含めて。

 田原さん手を挙げなきゃ、塩崎さんと一緒に行ってきたでしょ。

 皆さん是非、行っていただきたいと思います。

 私、遺族の気持ちも推察しますが、植ちゃんが何であんなになっちゃったのか。3年前にワシントンへ行ったとき、野崎君の奥さんがくれたクリスマスキャンドルと仲間からプレゼントされた造花を。神奈川県によったら、アドアイスされて、相模湖のほうから回って行きましたけど、一人で大泣きしていました。

 山があって、家が、一軒ずつ通りにあって、裏側に彼らが、犯行現場になってしまった幸せな生活もあったかもしれない。向かって右側に管理棟みたいなところがあって。ここの門の外に台が置いてあって、1226日までだそうですが、そこにたくさんお花が置いてあった。

 なぜ大泣きしたか。「植ちゃんどうしちゃったの」。この厚労省の報告書には入れ墨のこと入ってないけど、背中に入れ墨が彫ってあったそうです。やまゆり園の職員さんがそれをお風呂で見つけたらしいです。そこからいろいろなことが起きていったのではないかなと。

 この間、米軍基地へ行って、おみこしの日に、美人のフィリピン米軍兵士に、「あら、きれいな入れ墨ね」と言った私がいて、彼女「日本の公衆浴場には入れないの」って。「だったら、中につくりましょうよ、寄付するから」という話が議事録にも出ていますけど、そういうふうに言った私と、その入れ墨を見つけた人を決して非難はしないし、批判もしないけれど、「ご本人に気軽に」、私みたいに言えたのかと思いました。

 それで、大泣きした、なぜ優生思想が生まれたのかという発言をしています。仮に、彼が優生思想だったとして、優生思考イコール強制入院の対象になっているわけではない。

花束持ってきたイケメンの青年、「県の報告書を読んだ」という。そして、「優生思想、あたかも彼一人だけ社会の中で突出しているような報告書ですけど、僕はそうは思いません」と言うから、「そりゃそうよ、排除しようとしている日本社会じゃない」。入れ墨があったらお風呂に入っちゃいけないということで、お風呂屋さんに警察官は来なくたって、みんなが「あいつは」という社会。なぜ、彼があの様な傷ましい事件へとなっていったのだろう追い詰められていったのかな。日本社会も、日本人も脆弱な時代、彼も気がつかないうちに自分らしさを失ってしまったのかなと。

さっき、代弁者という話が出ていましたけど、広田和子がおくれて来たのは、郵貯のカードのことで本店に行っていました、「広田和子さん気違いでおかしい」って言われているとしても、自分が自分を信じられて、彼に愛されて、私が彼を信じていて、多くの人たちが理解してくれたり、地元の警察の人も「声に出せないけど」と口で言ったり。彼のおかれている状況を理解してくれる人がいたのか、私は職員に聞いてみました。「園長がいませんので」。「突然来ましたから、県にも連絡しなくていいわよ、と言って。」もう一人出会ったイケメン青年、「あそこに警察の覆面パトカーが来ている」って言うから、近所のはいはい作戦に誘導されて来たのかわかりませんけど、「私は国のとても有名な委員だから警護の対象よ、気にしないでいいから」と言って、覆面パトカーに手を振った。彼を追い詰めたのは日本社会そのものではないのか、彼を追い詰めたのは、もしかしたら、私たちも含まれているこの世界じゃないのかというふうに、私は本当に大泣きして、ああ、植ちゃんに会っていたら、「植ちゃん、すごい入れ墨ね。幾らだったの。何で入れたの」というふうに聞いたのだろうなって、そういう人がいたのかな。私みたいな気軽でフレンドリーな人がというふうに思って、本当に泣いていた、それで、イケメン君に300円のコーヒーをごちそう。一軒しかお店はありませんでした。ポークソテー950円ぐらいで。バスも1時間に1本かな。

イケメン君が「一緒に相模湖まで歩いて帰りませんか」。「いいえ、私はここでゆっくりして橋本に出ます」。4時頃三ヶ木に向かって歩き、行きかう中学生、小学生、消防署前では「事件の時、大変だったでしょうね。津久井警察にもよろしくお伝えして」、遠回りで「高額」の1時間に1本のバスに偶然乗り合わせ、少ないお客さんだったけど、そして、「路線つぶさないで。おつりは寄付です。」こういう大都会にいたりしたら、わからないと思います。現場に行ってみなければわからないと思う。行ってもわからないかもしれないけど。

私は、彼が措置入院をしなければならなかったの、誰か彼のそばに寄り添う人、代弁ではない。何も言わなくていいから、私はあなたを理解している。大変だよね、この時代にこういう山間の中で、入れ墨が見つかって。そして、警察とか弁護士さんとかいろいろ県の報告書に出てきますけど、申しわけない、国の報告書も県の報告書も「なんなの」という感じ、神奈川県の黒岩さんも何かすっ飛んで行ったようですけど、犯行現場「築20年」だそうです。「惨劇が行われたから」といって、家族の側から話が出てきたらしくて立て替えという記事、それじゃ、世界中のテロは全部建て直しでしょうか。いっときの思いで、お金がどこにあるのかわかりませんけど、建て直しでこころを癒やすのでしょうか。至るところに張ってありましたよ、マスコミ向けの張り紙。町の人から声かけられて「マスコミがものすごかった」「朝の5時にNHKから電話がかかってきた。」とか。

それで、歩いていたら、2階か3階建てのアパートメントがあって、そこにも「無断で入ったら、警察に連絡します」という張り紙。ここが職員の住まいなのですね。立て替え中、横浜市内に移転するといったって、ここから職員が通うの。何であそこを建て直さなければいけないのということで、大臣だろうと、県知事だろうと、誰でもいいですけど、何かが起きたからって飛んで行って、民主党政権時総理大臣の菅さんが東日本大震災でよけいなことを言ったとか言わないとか大騒ぎになっていました。そういう現場等で施策の即答しないほうがいいですね。ぜひ、部長、塩崎さんにちょっと時間を置いてと言ったほうがいいですよ。マスコミが押し寄せているときに行って、「大臣」どうですかこうですかって、再発防止どうこう言うべきでないと私は思います。塩崎さんは、厚生労働大臣として、安直にコメントしない。安倍ちゃんにパーティで会ったときに、「精神のことはあの人たちに言っておきました」と言いおきましたけど、何でもかんでも大臣だ議員だって大騒ぎになったときに、仕分けするのが官僚で、ノーと言える官僚って、随分発言していますけど。私は、今ちょうどよかった、「気違いとかいわれたり」しているらしいので。横浜市内で野党側の議員。「菅さんの○○に行くのですか」「行かないわよ、私は国の委員で、彼が官僚だからニュートラルよ」、遊説中の野党の議員候補の人、マイクおいて「ねたみ以外の何物でもないわね」。多くの人たちが、電車まで追いかけて来て「すばらしい人」と言ったり、賑やかな時代です

ということで改めて、私がバッシング体験中でよかったです。皆さんもぜひ行ってみて、自分が入れ墨という反社会性と位置づけられている今日の日本社会で、青年が職場で、しかも、そこの宿舎のお風呂場か、彼の住所は、新聞を見ると近くです。山間の中のお店が一軒しかないところでどうだったのかなという思いに接近しないと、私は例えば措置入院を決めた方たちに聞きたいこともあります。ぜひマスコミがいなくなったので、現地へ行かれたほうがいいと思います。

日本はいつも、何か起きた時だけ「うわー」と大騒動ですから、建て直すということが前提じゃないと思う。沖縄の辺野古はパイロット泣かせの普天間から早急に移転がいいけど、市街地ですから、それに決めてから21年も経っている。北方領土、1945年8月8日以前の、日本領土に元島民とかそこに関係している人はビザなしで行けるように、ウラジミールに交渉すれば安倍ちゃんいいじゃないの、3月の国連で核兵器廃絶の平和訴える中で、ロシアにお金なんか出している場合じゃないと私は新聞等読んで感じています。そして、バラク、オバマ前大統領は、「核兵器なき世界」のプラハのスピーチでノーベル平和賞受賞者、サプライズで、3月国連でとも思います。世界の子供たちのためにも。

○樋口座長 ありがとうございます。

 この件に関して発言を予定されている方、ちょっと手を挙げてください。5人。

 大分時間が迫っていますので、簡潔にお願いいたします。

 それでは、どうぞ、白川構成員から。

○白川構成員 全国精神保健福祉センター長会の白川でございます。

再発防止のところですけれども、地域の関係者の協議会はあるのですが、実際のと

ころ、どういうところの協議がなされるのかという事が明確になっていません。特に

今回、薬物使用というようなことで、このケースは挙がっていったわけですけれど

も、現場では、入院してから薬物が発覚したときに、警察によってはなかなかうまく

対応してくれないというような状況もあって、その辺りのところも、再発防止という

点ではきちんと入れていく必要性があるのではないかと思っています。

○広田構成員 白川先生、もう一回言ってください。警察がどうしたの。

○白川構成員 警察によって薬物使用発覚後の対応がまちまちなのです。ちゃんと逮

捕しに来る警察もあるし、全く放置するような警察もありますし。

○広田構成員 逮捕。

○白川構成員 そういうまちまちなところをきちんとしておく必要性はあると思います。

○広田構成員 この場合の逮捕って、何の逮捕ですか。

○白川構成員 この場合というのは、特に覚せい剤ですけれども。

○広田構成員 了解。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○澤田構成員 広田構成員のおっしゃったとおりです。入れ墨をしている、けしからん、入れ墨なんかするようなやつはろくな人間じゃないというのも差別です。今、高倉健さんの展覧会のポスターが貼られていて、今も大変人気でいらっしゃいますけれども、あの方は入れ墨をなさって映画に出ていらっしゃいましたけれども、あれはよくなかったという声を一度も聞いたことがありませんから、やはり差別です。

 この報告書ですけれども、一言で言うと、何を今さらといった感想です。具体性に欠けて、陳腐なきれいごとのつまらない作文で、検討に値しませんので、時間も押していることですし、次の議題に移ることを提案します。

○樋口座長 簡潔にしますけれども、ご発言を予定されている方は保証をする必要がありますので、次行きましょう。

○澤田構成員 そうれはそうですね。

○樋口座長 それでは、河崎構成員。

○河崎構成員 日精協の河崎です。

 先ほどの白川構成員のご指摘のところと同じところですが、今回、再発防止策の方向性の1つの中に、地域の関係者の協議の場を設置というようにうたわれています。これが、具体的にどういうふうなことをするのか、非常にイメージしづらいのですね。本文のほうでは16ページでしょうか。そこのマルの2のところに、「都道府県等における協議の場の設置等」というところがありますけれども、この協議の場が、この措置入院の適切な運用に対してどういうような位置づけとして想定されているのかというような議論が、もし、この検証チームの中であったのであれば、少しご紹介していただければありがたいなと思います。

 以上です。

○樋口座長 それはちょっと後に回しまして、先にご意見をいただきましょう。

 柏木構成員。

○柏木構成員 PSW協会から、見解と要望書を出させていただいておりますので、簡潔にお伝えさせていただきます。

 1つは見解のほうですけれども、まず、この相模原の事件が、措置入院制度の問題というところに矮小化されたことにつきましては、誠に残念なことだと思っております。これはもっと全般的な、先ほど広田さんもおっしゃった社会全体の問題でもあり、精神医療がこういう形で利用されてくるということについては、精神医療の問題でもあるかなと思いますので、見解としては、残念なことだったなと考えております。

 ただし、措置入院制度については、もともとさまざまな問題点が顕在化してきているということもありましたので、今度は、要望書のほうには、措置入院制度の見直しについて提案をさせていただいております。

 1つは、数値的にはもう挙がっているとは思いますが、都道府県でこれほど数値的に格差があるというところに、かなり恣意的な判断がここに動いていると。それは恐らく警察官通報の段階からばらつきがあるのだろうと思っておりまして、それに関しては、警察官通報の段階からガイドラインといったようなものを全国統一でお願いしたいと思っております。

 あと、細かいことは7点か8点かの項目を見ていただいたらいいと思いますが、もう一つお伝えしたいことは、措置入院制度の問題ではなくて、日本の精神医療の脆弱さというか貧弱さというのか、そういったものが措置入院にまで追い込まれるような精神障害者を輩出してしまうというところがありますので、地域精神医療体制の充実そのものをまず目指していただきたいなと思っております。

 以上が見解の要旨でございます。

○樋口座長 それから、そちらで手を挙げていらっしゃった方がいました。

 伊澤構成員。

○伊澤構成員 端的に申し上げます。

 共生社会の推進というところで書き出しの文章は、非常に明確で明瞭でよろしいかと思うのですが、ただ、もう少し強調していただきたいなと思います。というのも、先ほど広田構成員のお話もありましたけれども、優生思想に対する反意というか、アンチというか、その辺のメッセージ性が非常に不足していると思います。国政府がこの危険思想に対してしっかりとした態度を表明するということがなされてないことについて、もっと強い書きぶりで表明してほしかったなというところが思いとしてございます。全ての根本というか、再発防止の土台はそこではないかなと思っております。

 それと、1点質問ですけれども、報告書の末尾に、この検討会にこの先の議論を委ねるというか、詳細な内容の検討を行っていくことを求めるというふうな、こういう書き方で終わっておるのですが、ここから先、この検討会でこの部分について何をどうというのはどういうふうな感じなのでしょうか。そこは質問をさせてください。

○樋口座長 では、先ほど、河崎構成員からありました質問に対して。

○本條構成員 後で時間をいただけますか。

○樋口座長 今、これに関してのご意見ですか。

○本條構成員 この2番についての意見です。

○樋口座長 はい。どうぞ。

○本條構成員 それでは、時間を節約するために、今まで議論になってなかったところを申し上げたいと思います。

 共生社会について、再発防止後の方向性として、○の2に、学校教育をはじめあらゆる場での「心のバリアフリー」の取組の充実。これは非常に大切なことであります。「心のバリアフリー」ではなく、心のバリア、要するに、障害というのは何かということをしっかり教えていく。また、学校教育で、精神障害、心の健康について、昭和52年まで義務教育段階で教育しておりました。その後行われておりませんので、これは当検討会で議論する話ではないかもわかりませんけれども、文科省に要請されて、精神障害を含む精神の保健、健康ということを教育していただきたいと思います。

 2番目につきましては、ご議論が大分ありましたので、1点だけ、「地域で孤立することなく」というところはアウトリーチ、しかも、本人だけではなく、家族全体を訪問によって支援していくという体制が必要ではないかと、このように思っております。

 それから、ここには書いてないかもわかりませんけれども、意思決定につきまして、参考資料3に書いてありますので、インフォームドコンセントではなく、SDMshared decision making)ということ。要するに、インフォームドコンセントというのは、医師の治療行為をやるかやらないかという選択肢しかないわけでありますけれども、そうではなく、いろいろな選択肢を示しながら、その中で患者とあるいは家族をまじえて決めていく、そういう枠組みが必要ではないか。

  以上を申し上げたいと思います。

○樋口座長 ありがとうございました。

  それでは、河崎構成員の質問がございました、この検討会の構成員の方でどなたか今お答えがもしいただけるようであれば、いかがでしょうか。

  山本座長代理、お願いします。

○山本座長代理 私、一応座長を務めさせていただきましたので、ちょっと私のほうから。

○広田構成員 そうですね。記者会見までやっていましたね、華々しく。お疲れ様でした。

○山本座長代理  別に華々しくではありませんが。

 また、もし事務局のほうから補充することがあれば、お願いしたいと思うのですけれども、河崎構成員の今のご質問ですけれども、16ページに書いてございますように、問題は、措置入院の適切な運用が図られるために協議の場を設けるということで、その下に、具体的な協議の内容といたしましては、措置診察に至るまでの地域における対応方針とか、それから、通報等に基づく移送のあり方とか、あるいは、具体的な犯罪情報を把握した場合の情報共有のあり方というようなことについて協議の場を持つということで、主に、どういう事例を措置のほうに回すのか、通報するのかということについて、警察と病院とコミュニケートが余りとれてないことが検討会で指摘されましたので、それについての協議の場を設けていったらいいのではないかと、日ごろからそういうコミュニケートをとって、そういうことについて話し合いを持ったほうがいいのではないだろうか。こういう趣旨で設けたということでございます。

○樋口座長 どうぞ、河崎構成員。

○河崎構成員 山本先生、ありがとうございます。

 そうしますと、これは一例一例の措置入院の事例について、こういう関係者が協議をするという意味ではなくて、措置入院そのものについて、各自治体のほうでどういうふうに運用するかとか移送の問題とか、そういうことを事前にいろいろと協議をしておく、そういう意味合いでございますね。

○山本座長代理 そういうことでございます。日ごろからコミュニケートをとって、そのことについて話し合いを持っておくという趣旨でございます。

○河崎構成員 ありがとうございました。

○樋口座長 もう一点、伊澤構成員から出たご質問がございました。これは、事務局のほうで何かございますでしょうか。

○占部課長補佐 伊澤構成員からのご指摘ですけれども、この報告書につきましては、もともとの検討の観点は、事件の再発防止のために制度的にどのような対応ができるかという観点から議論をしてきたものと承知しております。

 そういう意味で申しますと、そういう観点からとりまとめられたものにつきまして、この検討会において、どちらかといえば、一般的な対応としてどういった対応が適切かというような観点でありますとか、あるいは、実務上の観点から少し詰めた議論をということで、この後、引き続き、ご議論をいただければと思っております。

○樋口座長 伊澤構成員、よろしいでしょうか。

○伊澤構成員 この報告書の中から何か課題を抽出していくとか、そういう感じなのですか。

○占部課長補佐 一応この報告書の中で、今後の課題あるいはそれに対する対応の方向性ということで示されているものがございますので、それを素材にしてご議論をいただくということかなと思います。

○樋口座長 では、短くお願いいたします。

○広田構成員 やたら警察介入とかいってひき入れようとするけど、救急隊もあちこちが負担になってきました、忙しいのよ。この事件の舞台に津久井警察で講演したことがありますけれど、100人もいないのよ。広いエリアですよ。そして、いろいろな人が暮らしているのよ。それを、介護の人が集まるところへなんてとんでもない。この間、この検討会、傍聴に行ったときに、「くれぐれも現場の大変さを理解して、警察庁今回こそは、新潟少女監禁みたいに押されないように、現場大変よ」って警察庁の人たちに私はクギをさしました。現実をよく知ったほうがいい。警察も救急隊もやっている暇ないから。

 例えば、警察庁がやりましょう、県警本部がやりましょう。末端の現場、寝られない、食べられない、休みもとれない、全国都道府県警の課題は鬱ですよ。仕事を減らして、人員をふやさなければ日本の安全を守れない、パンツ丸見えのおねえさんも多くて注意できないこの時代。それこそpolice powerで安全守れる日本警察に。

 それから、本條さん、あなた人ごとじゃないわけよ。共生社会というのは、脱施設という話が出ているのですよ。脱精神病院の入院患者もいうことで。どういうことで家族が一緒に生活できないのかということをもっと明確に打ち出して、次回、元気よくここへ来て下さい、広田和子に言われて、受けて立つどころか打ち返すというぐらい話しを立体的にしなければ、よろしくお願いします。これは部会のほうでも発言しています。本音で言わない限りわかりませんよ。心の病がどうした、精神障害がどうしたって、「気違いのように」、「黄色い救急車」って言葉とか昔から、もっと本音で、この日本社会がどうなっているかということを。福島の子供が自殺したり、いろいろなことになっているじゃないですか。あなたも本音で大阪人らしく。ぜひ、年明けにはよろしくお願いします。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、この議題に関しましても、この辺で一段落とさせていただきたいと思います。まだ、これは、それこそ年明け、引き続きの、特に措置入院との関連でもありますし、医療保護入院との関連でも議論が重ねられていく必要があろうかと思います。ありがとうございました。

 それでは、ただいまご議論いただきましたところ、論点を事務局のほうで整理していただきまして、次回のときに、また、ご議論をいただきたいと思います。

 本日の3番目の議題でございます。これは、これまでにかなり議論を重ねてまいりました「新たな地域精神保健医療体制のあり方について」ということで、事務局から論点整理ということで、前回も示していただいておりますが、資料3-1と3-2について、ごく簡単に説明をしていただきたいと思います。

○鶴田課長補佐 事務局です。前回の1111日からの修正箇所について、簡単にご説明させていただきたいと思います。

 まず、資料3-1おめくりいただいて、2ページ目ですが、(対応の方向性)の2つ目の○のところですが、最後のセンテンスで「精神科医療機関と事業者との連携のあり方についても検討すべきである」という一文を追記しております。

 3枚目の「多様な精神疾患等に対応できる医療体制のあり方について」ですが、こちらは(対応の方向性)の2つ目の○の最後のセンテンスになりますが、「第7次医療計画の策定の際には、患者本位の医療を実現していけるよう、各都道府県が設定する精神医療圏について、二次医療圏を基本としつつ、見直しを検討すべきである」というセンテンスを追記しております。

 もう一枚おめくりいただきまして、4ページ目ですが、こちらは(対応の方向性)の3つ目の○になりますが、「重度かつ慢性」については、精神疾患の重症度を医学的に評価する基準の一つとして活用する。例えば、「重度かつ慢性」の基準を満たす症状を軽快させる治療法の普及であったりとか、また、こちらに関しては、前回の議論において、「重度かつ慢性」の症状があっても、地域で生活されている方がいらっしゃる、そういった実態を把握すべきとのご意見もありましたので、そのような研究や、「重度かつ慢性」の基準を満たす症状に至らないように、精神科リハビリテーションをはじめとする予防的アプローチの充実など、精神障害者の方が地域生活につながるように当該基準を活用していくべきである、という文章に手直しをさせていただいております。

 続きまして、資料3-2についてご説明をさせていただきます。

 資料3-2、1ページおめくりいただきまして、2ページ目「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」のイメージ図です。こちらは、前回のご意見を踏まえ、ところどころ微修正をさせていただいております。

 3ページ目のところで、前回のご議論の中で、市町村ごとの協議の場、障害保健福祉圏域ごとの協議の場、都道府県ごとの協議の場ということで、具体的にイメージがつかみにくいという、そういったご意見もありましたので、各都道府県、事例ベースですけれども、どういうふうに協議会を設置し、活動しているのかというのを整理させていただいております。

 続きまして、9ページ目です。前回もお示しした資料になりますけれども、入院需要及び基盤整備事業の目標値に関して、前回、9ページ目、10ページ目について、資料を提示させていただいておりました。10ページ目の計算式の中に幾つか係数があるわけですけれども、その係数の考え方を11ページ、12ページ、13ページ目で整理をさせていただいております。

11ページ目に関しては、その係数の中で、「重度かつ慢性の割合」に関しては、調査研究で6割程度、また、「重度かつ慢性」でなくても、身体合併症のために治療が必要な人がいるのではないか、そういったご意見がありましたので、実際に、そういった方がどの程度いるのかというのが過去の調査研究で1割程度、そういったデータがありますので、ここに関しては6割から7割ぐらいの幅を持って計算をしたらどうかというふうに整理をさせていただいております。

 1枚おめくりいただきまして12ページ目ですが、こちらは「1年当たりの地域精神保健医療体制の高度化による影響【α】」をどう勘案するかというところですけれども、「重度かつ慢性」の方であったとしても、この先、高度な医療が普及することによって症状がよくなって地域に帰られる方がいらっしゃいます。現状、クロザピンに関しては日本国内では0.6%の普及ですが、諸外国ではもう少し普及しているところもありますし、国内でも積極的に導入しているところでは、2割から4割程度導入しているような地域もありますので、このような現状を踏まえて、2025年までに2530%普及する、そういった目標を置いた場合にどのぐらいの数値になるかというのを計算しております。

13ページ目ですが、認知症のところも変数として置いておったわけですけれども、これまでの認知症施策の推進により1年以上の入院需要率は下がってきていますので、そういった実績を勘案して、今後の目標値を設定しています。

そういった変数を設定した上で、目標値がどのように設定されるのかというのが14ページ目の資料となります。基本的には、上にイメージ図が書いてありますが、平成26年度の入院需要率を前提とし、今後、高齢化が進んでいくため、高齢者人口がふえるわけですけれども、それを前提とすると、入院需要はふえます。ただし、「重度かつ慢性」以外の方々が地域で帰られるように基盤を整備するとか、「重度かつ慢性」の方々に適切な医療を提供する、クロザピンなどの高度な医療が普及するとか、認知症施策が推進する。そういった政策効果を差し引いた部分が2025年の目標値ということで計算をしております。

次の障害福祉計画については、3年計画になっておりますので、その3年計画の年度末時点での目標値はどのぐらいになるかというのを計算し、具体的数値を14ページ目でお示しをしております。いずれの係数も幅を持って計算しておりますので、幅を持った形での数量のご提示をさせていただいております。

続きまして、追加している資料としては23ページ目に「医療計画、障害福祉計画におけるアウトカム指標の見直しについて」というスライドがありますけれども、ここで、入院後3か月、6か月、1年時点の退院率をどうするのか。また、長期入院患者数の目標をどうするのか。そういったものを24ページ目以降で整理をしております。退院率に関しては、ナショナルデータベース(NDB)を使って推計退院曲線を描いた上で、各都道府県がどのぐらいの実績を示しているのか、そういったものを算出した上で、上位10%以上の都道府県が達成している値を目標値にしてはどうかというのを25ページ目でお示ししております。26ページ目の目標値に関しては、先ほどお示しした入院需要を目標値として、計画的に基盤整備をしながら、地域包括ケアを推進してはどうか、そういうふうに整理をさせていただいております。

事務局からの説明は、以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 これまでに議論を重ねてきて、この課題の医療体制のあり方についてということで、資料3-1で論点整理がされて、前回これを提示して、そのときにいただいたご意見を、今、修正あるいは追加をするという形で本日の資料の説明になりました。

 それでは、ご質問、議論を。

 どうぞ、千葉構成員。

○千葉構成員 あと、あんまり時間がないところで、大切なところが随分後になってしまいましたけれども、今年1月からこの検討会が始まりまして、1年間にわたりいろいろとしてきたのを、もう一度じっくりレビューしてみて、何かとても大きなものが抜け落ちていると思っております。

 それは、財源の話がきれいに抜けていまして、精神医療福祉保健のどこに、どういうふうなところに、どういった手当てをしなければいけないのか、していくことが必要なのかという論点が、論点4としてきちんと出していかなければならないのではないだろうかと思います。

 実は先日、非常にショッキングな話を聞きました。前回の診療報酬改定のときに、いわゆる精神科特例をいかにしてなくしていこうかということの中で、急性期の治療病棟に16対1で、つまり、一般科並みにきちんとお医者さんを置いた場合に加算をつけるというのをやっとつくっていただきました。それが全国で230病棟ほど進んできていたところにあるのですが、実は先日、九州厚生局が実地指導で来たときに、返還を求められました。理由は、16対1でその病棟にいる医師が外来の診療をしていたから、この加算は全部返還しなさいと言って、何千万かの返還を受けました。

 なかなかご理解いただきにくいかもしれませんけれども、現在、いわゆる救急入院医療算定病棟というスーパー救急と呼ばれている病棟は16対1あります。また、精神療養病棟も48対1ですけれども、この基準で勤務している医師が一定の外来診療をすることは認められているのですね。ところが、今回、そういう加算を新たにつくったら、その医師はだめだというわけですよ。ルールブックである青本と我々が呼んでいる診療報酬正解の中には、どこにもそういう話は載っていません。これは、厚生局と、あるいは保険局医療課の解釈の問題なのですね。こうやって解釈で、一方で一生懸命特例をなくし、精神科医療の質を高度にしていこうと思っているときに足を引っ張るのですね。いかに安くしてやろうかと。金を払わないでおこうという姿勢がこういうふうに足を引っ張ってくるのですね。厚生局の方は、今後、同じように申請をしている16対1加算をとっている病棟については、全部返還を求めさせると言ってお話をされていたそうです。

 こういうことが起こってくるというのは、結局のところ、厚労省としては、精神科医療にお金をかける気なんか全くないんだと。今までどおり、安かろう、悪かろうのままで、君たちはやってなさいねと。16対1特例廃止、とんでもないと。もちろん、16対1にしたり、看護師さんを入れたりすれば、当然それだけの人材が必要ですから、人件費もかかるわけですから、かかる費用はいただかないといけないわけですよ。ところが、それについては払う気はないという話になります。

 ご存知でしょうけれども、同じように精神科の専門療法があります。作業療法を午前中に2時間やったら、それ以外の何をやっても請求できません。午後はもうごろごろ寝てても同じですよというのと一緒です。医者が毎日診察をして、じっくり時間をかけて診療をしても、週に2回しか診療したという費用、入院精神療法をいただけません。つまり、週2回以外の週5日は会わなくても点数一緒。会わなくても、やってもやらなくても一緒だよという中で、どうやって高度化して良質なものを求めていけばいいのでしょうかねといったようなところを、おかしいのではないか、やはりそこにすべきだというような、こういうところにこういうふうな財源を投じて、もっと治療の密度を上げて、効果を上げさせるようなことをしろと。多職種なら、多職種にもっと金をつけさせろとか、いっぱいやることはあるはずなのですよ。

そういうことにお金を出さず、何か取ろうとしたら、すぐ足を引っ張ってこういうふうにするというようなところの中で、現在、皆さんと一緒にここで1年もこうやって検討をして、何らかの報告書になるのでしょう。でも、これはまるきり絵に描いた餅のような話で、失礼ながら、10年前に改革ビジョンでいろいろなことが挙げられた。でも、12年たってもそこそこの効果しかない。何も進んでなかったと言ってもいいですね。なぜかといったら、財源がつかなかったからなのですね。また、これはここで同じことをやっても、また、10年たっても、大して違ってないよねということになってしまうのではないか。ずばりそこの部分は強くここの中の論点として指摘をして、もちろん入院の場面でも、外来通院の場面でも地域で支える場面でも、何にどういったことをしなければならないから、そこにはどういう財源をどれぐらいつけなければならないのだという話をきちんと整理して提示すべきではないかと思うのですね。

その辺のところは、皆さんの賛同が得られるのであれば、論点として加えて、ちょっと遅きに失している感じはありますけれども、急いでそういう論議もまとめていただいて、載せたいと思うのですが、先ほどの部長の話ではありませんが、法律的なところの細かいところまではちょっとそぐわないみたいなところと同じように、財源の問題をここで厳しく挙げるのは、どうも、この検討会の方向性としてはあるいは仮説としてはそぐわないというようなお話であれば仕方がないかなと思うのですが、それをしないと、我々一生懸命ここでやってきたことはなんにもならないと言うのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、かなり進むことができないということは皆さんも十分認識されているはずなのに、ここに何も挙がらないまま終わっていいのでしょうかということをちょっと今申し上げたいと思います。

○樋口座長 きょうご発言をされてない方を先に優先的に発言していただきます。

 田川構成員。

○田川構成員 診療所協会の田川です。

今回、地域を意識して、そこでどういうふうにサポートをしていくかというのをまず考えるような、今までとニュアンスの違う内容でまとめていただいたことは評価したいと思います。

 地域の医療機関のやる気のあるところが力を出せるようにしてほしいということで今まで申し上げていましたけれども、今、千葉先生が言われたように、それに対する財源といいますか、保証といいますか、報酬的なものがなければできないわけですから、そういうことをぜひしっかりやっていただきたい。

 それと、先ほどの措置入院の件でもそうですけれども、保健所が中心になってやることがふえてくる。医療計画でも、ここにある多様な精神疾患等に対応できる医療体制のあり方でも、保健所がまとめみたいなことをすることになると思います。保健所の嘱託医などもしていますけれども、保健所は実際本当に大変です。そこへどんどん仕事だけが回ってきたら、保健所の機能も落ちていくのは目に見えて、本当絵に描いた餅になってしまうのではないか。こういうところでも、しっかりと人の補充や財源の投入をやっていただければと思います。

 あと、細かいところ2点ですけれども、地域援助事業者と連携してということで書かれているのですけれども、医療保護入院のところでもそうですけれども、指針では「地域援助事業者等」という表現であって、その「等」の中に、前に診ていた外来医療機関も含まれるという話だったと思うので、ぜひ、その辺を若干見直していただければなと思います。

 それと、病院の中の退院促進委員会。これは前もお話ししましたけれども、例えば、医療保護入院で入院されたり、措置入院で入院されたりする方も、途中で任意入院になって退院されるときは、この委員会は別に開かなくてもいいのです。でも、医療保護入院なり措置入院で入院された方は、何らかの地域での生活のしんどさ、難しさみたいなのを持って入院されて来られるので、ぜひ、入院したときに、医療保護入院あるいは措置入院の方でもそういう委員会を、ご本人さんがもちろん開きたいということであるわけですけれども、そういうことであれば、ぜひ開いていただきたいなと思います。

○樋口座長 それから、発言されてなかったですね。どうぞ。

○松田構成員 今回、地域包括ケアということでまとめていただいて、ありがとうございます。

 2ページで、このイメージ図の中に、ぜひ教育を入れていただきたいなと思っています。例えば、統合失調症の子などだと割と若年発症が多いわけですけれども、就学中にそれが発症してしまうと、その後のサポートがほとんどなくなってしまう例が非常に多い。教育の中に、教育と精神科医療の連携も非常に大事ですし、それが就業につながっていくという仕組みを入れないといけないと思いますので、この下のところに、教育もぜひ入れていただきたいなと思います。

 それから、社会参加のところの就労ということですけれども、就労をどうとらえるかですけれども、その上のほうに自立支援というのがございますけれども、一般的な社会参加と自立支援とは少し分けて記載していただいたほうがいいのかなと思います。

 それから、多様な疾患等に対応できるということで、8ページ目のところですけれども、身体合併症がこういう形で整理されているのですけれども、実際、身体合併症の中身はいろいろなものがありまして。例えば、がんで手術が必要になっているような身体合併症と、あるいは統合失調症の患者さんで肝機能異常の治療をする、これは全然レベルが違う話なので、そういう意味では、身体合併症のところは少し分けて記載していただいたほうがいいのかなと思います。

 それから、特に知的障害児の場合に大きな問題になるのですけれども、実は、歯科の診療を非常に受けにくいという現状があります。そういう意味では、今回の医療計画の中で、精神にあるいは知的障害の方たちの歯科を受けるような、そのアクセスがわかるような計画に持っていっていただけるといいと思いますので、箱の中にはぜひ歯科も位置づけていただけたらと思います。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 あと、何人ご発言を予定されていますでしょうか。

 7人。お一人2分として14分。これから14分延長してもよろしいですか。もう既に5分延長していますが。では、20分ぐらいまでやりましょう。それぞれ後のご予定もあろうかと思いますので、できるだけ時間内にとは考えますが、やむ得ず、15分延長をさせていただきます。

 それでは、こちらから行きましょうか。中板構成員。

○中板構成員 ありがとうございます。

 先ほど、田川構成員、千葉構成員おっしゃったこと、同意いたします。

 別件で先ほどの医療保護入院についての論点のところで気になっていたのですが悪化事、医療保護入院のために保健所あるいは地域包括ケアシステムがあるのではなく、むしろ、少しでも医療を、もちろん必要な医療は受けるのですけれども、どちらかというと生活モデルで支え、再入院をさけるために必要な医療を受けていく体制だと思っています。

 私は保健所出身ですので、保健所の立場で言いますと、やはり重症化予防なのだと思うのですね。重症化あるいは再発を防ぎ、そして、地域の中で当たり前に生活していくことを支えるための医療というふうに考えたときに、地域包括ケアシステムは意義を成していくのだと思います。入院医療につなぐための地域包括ケアシステムではないと理解しています。書きぶりについては少し工夫をしていただけたら大変ありがたいなと思いました。

 それと、地域包括ケアシステムのイメージ図ですけれども、高齢者のバージョンを使っているのでこのようになるかと思うのですが、例えば住まいにしても、サ高住だけではなくて、グループホームなどが中心に加えられると良いと思います。それから、社会参加、地域の助け合い、そういったところに作業所とか、そういった地域の中のいろいろな資源もあると思いますので、書かれたほうがいいのかなと思いました。

 またほかの病気、いわゆる糖尿病などの生活習慣病など身体的疾患を合併している人も少なくないので、地域生活を支える時には他科連携が不可欠だと思います。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、お手をお挙げください。

 では、順番にこちらからまいります。

○白川構成員 包括ケアシステムのイメージ図のところになりますけれども、このままですと、未治療とか未受診の方たちが落ちてしまうことになると思いますので、ぜひ保健所とかセンターとかの建物ほうへ住まいのほうから連絡とか相談という形の矢印を引いていただいて、また、その建物ほうから訪問というような形でできるようなものをつくっていただきたい。

 さらに、女性の方が相談業務サービスのコーディネートを行いますというようなところで話しているのですが、訪問もできますとかというような形でつけていただけると、少なくとも未受診の方たちが抜け落ちなくて済むのかなと思いますので、ぜひ、その辺りのところをお願いしたいなと思います。

 アウトリーチという言葉だとなかなかわかりにくいという話もあったので、多分、訪問ということのほうがいいのかなと思っておりました。よろしくお願いいたします。

○樋口座長 どうぞ。

○澤田構成員 資料の提出が間に合いませんで、事務局の方から、座長のお許しがあれば、短いものですので、読み上げさせていただいていいということなのですけれども、よろしいでしょうか。

○樋口座長 簡潔にお願いします。

○澤田構成員 簡潔な文章です。私の意見でもあります。

 いわゆる「重度かつ慢性」の基準化に反対する声明。

2012628日に開かれた第7回精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会で「今後の方向性に関する意見の整理」が発表され、その中で、今後の精神科医療においては「新たな長期在院者を作らないことを明確にするため、『重度かつ慢性』を除き、精神科の入院患者は1年で退院させ、入院外治療に移行させる仕組みをつくる」との方針が出された。このなかで「重度かつ慢性」の患者については、「新たな長期在院患者を増やすことのないよう明確かつ限定的な取扱とする」 こととし、その基準については「調査研究等を通じて明確化する」とされた。

この「重度かつ慢性」の基準については、平成2527年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業「精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究」 として取りまとめられた。さらに、2016422日の「新たな地域精神保健医療態勢のあり方分科会」では、同研究の研究代表者である安西信雄氏(帝京平成大学大学院臨床心理学研究科)を招きヒヤリングを行い、その後も議論が続けられている。

この「重度かつ慢性」の基準化は同分科会においても複数の構成員から、「『重度かつ慢性』という評価判定は非常に絶望的な響きとともに、退院の対象にならない人、そういうレッテルになってしまうおそれがすごくあって、それをすごく恐れています」(精神保健福祉事業団体連絡会:伊澤構成員)、「地域で私ども経験していると、妄想ばりばりでも朝ちゃんと起きて自分なりに食べられて、言葉は悪いですけれども、自傷他害という感じがなければ退院して生活していらっしゃる方はいっぱいいます(中略)これがそれこそ壁にならないようにしていただければということです」 (日本作業療法士協会:荻原構成員)、「治らない人、よくならない人みたいな形で捉えられてしまうと、臨床的ではないというか、医者のほうがよくならないと思って治療しても患者さんはよくならない方が多くなると思うのです。決してそういうふうにならないように構成しなくてはいけないのではないか(中略)外来で私が診ている患者さんでもこの基準であれば該当する方がおられます。項目の問題もあるだろうとは思うのですけれども、そのあたりをもう少し厳密にやる必要があるのと同時に、そういう対象の方がどうして地域で生活ができているのかをしっかり調査しないといけないのではないか」(日本精神神経科診療所協会:田川構成員)などと問題点が指摘されている。しかしながら、その後の検討会において、これらは省みられることなく、この「重度かつ慢性」の対象者は入院患者の6割とするなど、常軌を逸した議論が行なわれている。

そもそも、「重度かつ慢性」の患者については、「新たな長期在院患者を増やすことのないよう明確かつ限定的な取扱とする」 とされていたはずである。しかしその限定的であるはずのものが6割というのは極めて不適切と言わざるを得ない。

私たちは、このような「重度かつ慢性」の基準をもって、これからの精神保健医療福祉の施策を検討することに反対する。さらに、現在開催されている「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」において、このような不適切な基準を基に議論を進めないよう強く求める。

201612月7日病棟転換型居住系施設について考える会。

○樋口座長 ありがとうございました。

 その次は。

○佐竹構成員 地域包括ケアシステムのところもそうですし、この前の措置入院のところでも出てきているのですけれども、今後の保健所の機能であったりとか、精神保健福祉センターが地域医療の中で何をやっていくかということをどこかでちゃんと整理をして、このケアシステムの構築のイメージ図の中でも、そこの部分は一つのパートとしてちゃんと確立をしてつくっていただきたいなということを前からお話はしているのですけれども、ここまではちゃんと保健所の機能でやっていて、そのために必要な財源をどういうふうにとっていくか。措置入院のところでは、保健所の人員の増員ということも少し検討策の中に書いてあるのですけれども、そういうことをちゃんと盛り込まれるようなものにしていただきたいなということ。

 あとは、実は措置入院のところでちょっと気になっていて、さっきお話をしようかどうか迷ったのですけれども、保健所の機能の部分で、例えば、報告書の12ページで、退院調整が円滑に進むように、保健所の業務を委託をしていくというふうにちょっと読めた感じがして、そこのところをできれば相模原の検討会の先生方にちょっとだけコメントをいただければと思ったのですけれども、公的とか民間に委託していくことはどういうふうなイメージなのかなというところを、もし、今でもよければいただければと思います。

○樋口座長 それはちょっと考えておいていただきまして、とりあえずコメントをいただいてまいります。

 こちらでお手を挙げられたのが、河崎構成員、伊藤構成員、伊澤構成員と行きます。

○河崎構成員 日精協の河崎です。

 先ほどの財源の話は極めて重要なご指摘だと思っています。これまでのさまざまな精神に関する検討会あるいは障害者部会等々でも議論があったと思いますが、財源をしっかりと確保しつつというような記載がこれまでもあります。ですので、今回のこの検討会のとりまとめの中にそういうようなことをしっかりと書き込んでいくということはさほど無理なことではないのかなと思いました。

 それと、財源を考えるときに、本検討会はこれからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会ですので、間違っても、例えば精神科医療にかかっている財源(お金)を福祉のほうに回そうとか、あるいは、入院医療にかかっているお金に外来医療のほうに回すべきだとか、そういう議論は最近は余り聞きませんが、こういうことの発言をこれまでも何度かお聞きしたことがございます。これは、私たちが精神保健医療福祉の充実ということで今検討をしている検討会としては、福祉も医療もそれぞれがより充実をするという意味で財源が必要なのだということで意見を一致しておく必要があるのではないかなと思いました。

 それと、少し具体的な、資料3-1ですけれども、3ページの「多様な精神疾患等に対応できる医療体制のあり方について」のところですが、(対応の方向性)の2つ目の○のところです。今回、こういう形で「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて、障害福祉計画に基づき、障害保健福祉圏域ごとの保健・医療・福祉関係者による協議の場」ということが一つ明確にされたのと、その次の行でしょうか。「また、医療計画に基づき、精神医療圏ごとの医療関係者等による協議の場」ということで、これはそれぞれ別の協議の場という形で認識をしておいていいのかどうか。最終的なところは事務局の整理の仕方を確認をしておきたいと思います。

 それと、これは最後ですけれども、今の○のところの最後の行でしょうか。「各都道府県が設定する精神医療圏について、二次医療圏を基本としつつ、見直しを検討すべきである」ということでございますけれども、当然、これまでの議論で、精神医療圏については二次医療圏を基本としつつという議論をしてまいりました。

 資料3-2の4ページに、前回も指摘をしましたが、各都道府県の現在の圏域の設定の状況ということで、精神医療圏については、各都道府県によってさまざまということは如実にあらわれております。そして、5ページに、各圏域設定の考え方についてというまとめがありますけれども、ここで、精神医療圏のところの圏域設定の考え方に、「二次医療圏を基本としつつ、地域の実情に応じて弾力的に設定することとされている」という記載がございますので、今回も、精神医療圏については、「二次医療圏を基本としつつ」ということは当然だろうと思いますけれども、先ほど読み上げましたように、地域の実情に応じては弾力的に設定をしていくというようなことはそのまま残していくべきではないかと思っておりますので、これについても、事務局のほうから考えを示していただけるのであればお願いをしたいと思います。

 以上です。

○樋口座長 この点については、事務局でコメントがございますか。

○鶴田課長補佐 事務局です。

 協議の場に関しては、河崎構成員からご指摘のあったように、障害福祉計画に基づく協議の場と医療計画に基づく協議の場としては、整理としては別物です。

圏域のところの考え方に関しては、各都道府県が地域の実情に応じて設定をするということになっておりますので、通知で具体的に解釈をお示しするということになっていくかと思いますけれども、ご指摘を踏まえながら対応を考えさせていただきたいと思います。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

 では、伊藤構成員。

○伊藤構成員 短めに発言します。河崎構成員が指摘された医療圏については、精神医療圏が二次医療圏で議論されたのは今回初めてですから、現場が混乱しないように、弾力的に検討をしていただきたいと私も思います。

 また、中板構成員のご指摘に大賛成で、それで触発されて発現することにいたしました。モニタリングの指標が、資料2-3の23ページにあります。1年以上の65歳以上の長期入院患者など、入院指標が中心となっています。しかし、地域ケアを充実するという観点からは、※にある、3か月以内の再入院率、こういった指標が大事になることを述べさせていただきます。確かに現状で測定できる指標という制約から限界があると思いますから、今後の検討課題ということで議事録に残していただきたく、お願い申し上げています。

 この前、2014年のOECDの報告書では、退院患者の受療継続率・フォローアップ割合、ケースマネジメントの実施割合、退院後の短期の再入院割合などが指標の主要領域になってきています。ぜひ、今後の検討の課題として記録していただければと思います。

 以上です。

○樋口座長 では、伊澤構成員お願いします。

○伊澤構成員 先ほど、河崎構成員のお話の財源のことの後段のところで、医療の部分を福祉へ回すとか、あるいは入院医療を地域医療へと、こういうパイの取り合いのようなところというのは確かに避けなければならないと思います。この会議が始まった1回目か2回目かはちょっと失念しましたけれども、河崎構成員のほうから、テーマは適正化であると、そういうことをおっしゃられて、まさにそのとおりだと思います。医療の適正化。そして、地域活動の活性化を含めた適正化を強く志向していかなければならないと思います。なので、先ほどのご発言はそのとおりだと思います。

 それと、澤田構成員がおっしゃられました「重度かつ慢性」、私も再三このことについては申し上げて、ちょっとくどいのですけれども、きょうは机上に先ほど澤田構成員に読み上げていただいた見解と声明、それから、関係団体の了承を得た資料提供をさせていただいております。

「重度かつ慢性」これは最近、ユーザーの方ですね、精神医療を使っていらっしゃる方と少し議論というかお話をしました。そうしたら、皆さんはこの表現自体が非常にショックであると。つまり、レッテル張りと排除という印象、イメージなのですよ。新たなそういう排除が始まるということを非常に強く受けとめていて、怖いとおっしゃっていました。今、まちで地域で暮らしている方が、「今は元気なんだけれども、具合悪くなって入院したときに、このレッテルを張られてしまったら、俺はもう帰って来れない」こんな言葉が出るのですよ。だから、やめたほうがいいと思います。

名称もそうだし、それから、基準の中身に関しても、先ほど事務局の方がご説明いただきましたが表現がかなり豊富になっていると私印象を持ちました。症状を軽快させる治療法の普及や研究、そして、精神科リハビリテーションをはじめとする予防的アプローチの充実、地域生活につながるよう進めていくと、4ページにあるこの記載があれば、「重度かつ慢性」という表現ではないじゃないですか。

ですから、基準の入れ替えとともに、「重度かつ慢性」という文言を廃止していただきたい、やめていただきたいと思います。「重度かつ慢性」は言い替えれば「高密度高規格医療対象」の方です。それから、それ以外の方は地域移行促進、さらに、強化の対象者であるということをしっかりうたいながら、そして、ここの文言をもっと豊かに報告書に落としていくできだと思いますので、報告書は国民に向けたメッセージなのですね。その認識のもとしっかり内容を考えながら進めていってほしいというふうに要望いたします。

以上です。

○樋口座長 先ほど、佐竹構成員から。

○佐竹構成員 次回の検討会のときにお答えいただければ。

○樋口座長 では、次回に回したいと思います。

 事務局にちょっと確認ですが、田原課長かな。さっき出ました財源云々というところのことについて、先ほど出たご意見に対して、この検討会の最終的な報告書の中でどういう扱いができるかという辺りについてコメントをいただけますでしょうか。

○田原精神・障害保健課長 精神・障害保健課長でございます。

 財源の確保につきましては、もちろんご指摘のとおり大変重要でございますので、我々もこの議論をしっかりと受けとめて、必要な財源を確保していかなければならないと思っております。

 最終的なとりまとめの段階で、どういうふうな表現にするのかというのは、また、ご相談しながら詰めていきたいと思っております。ちょうどきょう、来年度の政府予算案が閣議決定されておりますので、そういうものも、また、ご紹介をしながら、どういうふうな形がいいのかということをお考えいただければと思っております。

 以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、その点についても、きょうのご意見を踏まえて、次回以降。

○広田構成員 いいですか。

○樋口座長 最後ね。ごく簡単に。

○広田構成員 きょうはここへ来てよかったです。伊澤さんが。河崎先生も。厚生労働省の中でも、私が謝罪要求と発言すると、それを打ち消す派と、「パイのぶんどり合いを話している人たちが」いらっしゃる。2年前、私がたたかれた、日精協の金を受け取った当事者と。あのとき東京新聞に、「失礼な電話をかけてないで手紙をよこしなさい」と受け取った、広田和子さんを疑っているのではない。日精協だという書きぶりの記者の名前は消して、私をたたいた文書も大熊由紀子さんの文書もあちこち郵送したり、日精協山崎会長と河崎副会長にもお送りしました。2001年から精神医療悪、地域医療善、地域福祉善という戦いがずっと繰り広げられ、アンフェアで分かりづらい。フェアにしていただきたい。

きょうは沖縄返還の式典もあります、この間、リマでバラク・オバマがウラジミールに詰め寄ったのでしょう。「何だよ、おまえのやり方は、フェアにやれよ」と感じたワシントンポスト、ニューヨークタイムズの写真、私がそばにいたら「そうよ」と言うぐらいのこと。そういうふうに率直に。アメリカのルーズベルトが病気、ヤルタ会談でソ連に領土のことを言ったから、アメリカには道義的に責任がある、バラク・オバマ委員長で領土の問題を話し合ってと頼みたいぐらいです。

公明正大に広い視野に立って、そして、これから日本はどうなるかということで、自分の団体の利益に誘導しないように、申しわけないけど、精神障害者に対応した地域包括ケアシステムって図、小学校とか幼稚園のランドセルを背負った子だって、私立はもっと遠いところへ行っている。どこの地域を想定しているの、こんなものは大きなお世話。

アメリカ合衆国じゃないけど、ご当地ソングです。警察も全国都道府県警、千差万別、神奈川の津久井警察と伊勢佐木警察は違うように、ご当地ソングで住民収入も違う。横浜市内だって不動産屋さん、「都筑区は、プライバシーを守れる」。私が現在暮らしているのは「プライバシーワーストワン」という評判のところ。そういうご当地ソングもある、こんな地図を何で今さら、戦争中の国防婦人会じゃあるまいし、社会を知らなすぎる。私は、こんなものを、精神障害者の自立と社会参加を妨げる、本人の可能性を奪わないで。ぜひ、医者や関係者は、患者とか障害者を怒らせないように。怒らせて、措置入院とか医療保護入院に持ち込んでいますから、医療関係者は患者を守っていただきたい。安心してかかれる精神科医療があって、収入があって、住宅があって、愛されたり、愛したり、そういう当たり前の人間的なこと、シルバー割引き30100円でカラオケを歌いに行って、「この世を花にするために」って私は都道府県警や機動隊の応援をしたり、福祉に回すお金を本人がセレクトできる時代ですか、幼稚園並み、国立の小学生より行動範囲のない学芸会みたいな生き方させないで。

昔の私を知らない作業所指導員、「広田和子さんそう状態になったのですか」、患者会の役員、バンドのマネージャー、いろいろな活動をリカバリーし始めた時に、保健所にも働きかけ、本人不在で、医者にも会いに行った。そのときの尾久先生、「広田さんの生活が成り立っていれば、それでいいじゃないですか」。「なぜそんなに騒ぐのですか」。「今日あなたが来られたこと、質問と私のこたえ広田さんにお伝えしてよろしいですね」自分たちの心配性を患者に転化しないで、患者よりも患者らしいスタッフがいっぱいいる。地域といったって、日本全国津々浦々、名乗りを上げている精神障害者よりもはるかにうーんと思うような障害を抱えた人がいっぱいいる時代ではないですか。目を覚まして、年明けにはきちんとした論議をしていただきたい。

 部長、謝金が入った人は全員マイナンバーっていうの。あれを、いちいちメールか何かでやるより、一斉にここで事務局が告知する。国民にも。公開情報です。

 それから、長野先生が言った、予防と保健はどこがやるかではないけど、女が輝くといって、ごはんもつくれないような女性が仕事もたいしてできずに、この日本、全てが問われています。能力に応じて自分の生活は自立しているのか、炊事できるのか。コンビニで買ってきて、温めて食べているのか。広田和子のようにガスがないから、いろいろな形で楽しく食べていますけど。スタッフ側が自立してないで、患者にこんな地図を出してきて、国立大学の小学生も「俺たちってこんな狭いエリアじゃないよ」ということです。精神障害者像がかつての統合失調症、10代で発症した時代とははるかに違う。何回か言っていますが、皆さんより、学歴も職歴も社会体験歴も可能性もはるかに超えているということを認識しなければ。

本條さんたちも、自分の娘たちや息子たちをつぶさないでいただきたいということと。ぜひ、日精協との戦いを終わりにして、医療が安いということを書き入れたほうがいいと思いますよ、「総合病院の精神科撤退は診療報酬が安いから」とは他科の医師たちも。他科も、救急隊も大迷惑。そして、安かろう、悪かろうにして、被害は全部患者です、それも病状にされて、副作用だろうと何だろうと薬が増え続ける。

私は彼と暮らしたら生活保護を廃止にするので、薬代を払ってみました、現金で一ヶ月5,430円。かつて「生活保護、離婚支援法、母子加算など要らない」と、民主党政権時代に生活困窮者の部会で発言しましたけど、「マスコミが動かないと潰される」とか。障害者加算も時代が変わって、いろいろな制度等ができてきている、いろいろなものを見直して、個人にかかる費用基本69歳から70歳になると、いきなり1日100円以上安くなってしまっているのはおかしい。そういうものを論議できるような言論の自由、何人も民主主義のこの国ということ、1月6日には皆様笑顔で。あの植ちゃんが何で大麻やったのと、私は山に向かってつぶやいていた。私たちができることをやりましょう。ぜひ現地へ行ってきていただきたいと思います。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。本年のまとめのお話でした。

 それでは、本日のいただきましたご意見を踏まえて、全体のとりまとめに向けて、事務局のほうで、さらに、検討をお願いしたいと思います。

 では最後に、事務局のほうから次回の日程等について、ご報告をいただきたいと思います。

○占部課長補佐 次回、第6回の検討会は、1月6日(金)10時から開催予定となっておりますので、よろしくお願いいたします。

○広田構成員 どこだっけ。

○占部課長補佐 厚生労働省内の会議室でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 本日はお忙しい中、司会の不手際もありまして、大分時間を延長してしまいましたが、これで本年最後、第5回の検討会を終了いたします。

 皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。ありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会> 第5回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会(2016年12月22日)

ページの先頭へ戻る