ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会労働力需給制度部会) > 第243回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録(2016年9月15日)




2016年9月15日 第243回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成28年9月15日(木)10:00〜12:00


○場所

東京都千代田区霞が関1−2−2 中央合同庁舎5号館
共用第8会議室(19階)


○出席者

委員

(公益代表)鎌田委員、橋本委員、松浦委員
(労働者代表)石黒委員、清水委員、村上委員
(使用者代表)小林委員

事務局

鈴木派遣・有期労働対策部長、松本需給調整事業課長、手倉森派遣・請負労働企画官
戸ヶ崎主任需給調整事業指導官、小川需給調整事業課長補佐、中野需給調整事業課長補佐

○議題

雇用仲介事業等の在り方について(公開)

○議事

○鎌田部会長 定刻となりましたので、ただいまから第 243 回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は使用者代表の高橋委員、秋山委員が所用により御欠席されております。本日の進め方ですが、お手元の次第にある議題「雇用仲介事業等の在り方について」公開で審議を行います。

 それでは議事に入ります。「雇用仲介事業等の在り方について」、昨年 3 26 日の本部会において、現状や課題を整理した上で、本部会において御議論いただいたほうが効率的であることから、有識者による検討会として「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」を開催して論点整理を行うこととしておりました。その後、検討会において 16 回にわたり御議論いただき、本年 6 3 日に報告書を取りまとめていただきました。

 本日はその内容について、事務局から報告を受けた上で質疑応答を行い、その後、この部会での今後の進め方について御議論いただくようにしたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。

○小川補佐 事務局でございます。お手元の資料について御説明いたします。資料 1 です。雇用仲介事業については、平成 26 6 月に閣議決定された規制改革実施計画において、平成 26 年度に検討を開始することとされております。その後、先ほど部会長から御紹介いただいたとおり、平成 27 3 26 日の第 219 回労働力需給制度部会において、事務局から雇用仲介事業等については現状や課題を整理した上で、当部会において議論いただいたほうが効率的であると考えており、まずは有識者による検討会を開催して、論点整理を行いたいという旨の提案をさせていただきまして、御了承いただきました。これを受けて、平成 27 3 31 日に雇用仲介事業等の在り方に関する検討会を立ち上げたという次第です。

 その後、資料 1 の下ですが、平成 27 6 月に閣議決定された規制改革実施計画において、雇用仲介事業の規制について、平成 28 年夏までに検討会を取りまとめ、その後、労働政策審議会において検討を行い、結論を得次第、速やかに措置することとされております。雇用仲介事業等の在り方に関する検討会では、雇用仲介事業者からのヒアリング、採用企業からのヒアリング、労働者団体側からのヒアリング等を含め、計 16 回にわたり御議論をいただきました。その後、本年 6 3 日に報告書が取りまとめられたという運びです。

 資料 2 は、検討会報告書となっております。 1 ページ目に第 1 基本的な考え方を示しております。第 2 職業紹介事業等について、 5 6 ページに、第 3 職業紹介事業以外の雇用仲介事業等についての論点整理という構成です。それでは、この報告書の主な論点について簡単に御説明させていただきます。

 まず 1 ページ目の基本的な考え方ですが、議論の背景として 2 点挙げております。 1 点目は、少子高齢化に伴い生産年齢人口が減少する中、育児等で離職した者、中高年齢者等も含め、労働者がその希望に応じて働くことができる社会の実現が重要であること。 2 点目は、 IT 化・グローバル化など雇用を取りまく社会や経済が変化するとともに、それにより求職・求人ルートや雇用仲介事業等が多様化していること。この 2 点を挙げております。その上で、外部労働市場において、社会的インフラとしてマッチングを担う官民の雇用仲介事業等について、様々な求職・求人のマッチングが、より適切かつ円滑に行われるように更なる機能強化を図ることが必要であるとした上で、留意点として 2 点挙げています。 1 点目は、雇用仲介事業等は社会的インフラであることから、まずは求職者保護の観点からの必要な制度の見直しや取組の強化を図る必要があること。 2 点目は、求職者と求人者の利便が阻害されないかという点についても留意する必要があること。この 2 点を挙げております。

 具体的に、 1 点目は、雇用仲介事業等の質の向上、運営の効率化等に資する見直しを検討することが適当である。 2 点目は、求人・求職者情報提供事業を含む雇用仲介事業等、全体にかかる共通ルールを設定するとともに、ルールの整合性の確保、ルールを法令で決めること等による明確化等の観点から検討することが適当であるとされています。

 続いて第 2 の職業紹介事業等についてです。論点としては、主な許可基準と主な義務など、また業務提携、求職者保護の強化等に関して整理しております。

1 職業紹介事業の主な許可基準等です。職業紹介責任者、面積要件、事業所外での事業実施、欠格事由などの論点が挙げられております。 (1) 職業紹介責任者については、求職者保護や適切な事業運営の確保のための体制確保に向けて、その職責として他の従業員に対する労働法令等の教育を加えるとともに、職業紹介責任者講習の充実を図ることとされております。また、職業紹介責任者に対して、定期的に法改正などを周知することとされており、具体的方策については更に検討を深めるべきである。また (2) 面積要件については、求職者のプライバシー確保のための措置を講ずることを要件とする代わりに、面績要件を廃止することが適当とされています。 (3) 事業所外での事業実施については、職業紹介責任者がその場にいる場合、又は速やかに到着できる場合には、これを認めることとしています。 (4) 欠格事由ですが、労働者派遣事業を踏まえ、暴力団排除条項等を追加することが適当とされています。

 続いて、 2 職業紹介事業者に課される主な義務等です。求人・求職の全件受理義務等、求人情報・求職者情報の管理などの論点が挙げられております。まず、求人・求職の全件受理義務等ですが、取扱職種の範囲等として定めることができるものの例示を追加等すること。その追加等する例示事項は、他法令等も参照しつつ、更に検討を深めるべきとされております。また、反社会的勢力からの求人など、取扱職種の範囲等として届け出ることなく不受理が可能な求人を追加等することが適当であるとされています。

 続いて、求人情報・求職者情報の管理ですが、職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合について、別個の管理を要しないこととすることが適当である。

 続いて、 3 業務提携に関しては、より迅速かつ的確なマッチングの実現を図るため、職業紹介事業者が複数の職業紹介事業者と業務提携することも可能であることを明確化すること。その際、併せて、法令上の義務を負う者は誰であるか、求人者・求職者の同意を求める手続、また手数料配分の留意事項なども明確化することとされております。更に、 4 ページの (2) ですが、職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者との提携可能な内容についても明確化すること。

4 求職者保護の強化等については、求人に際して明示される労働条件等の適正化、求職者・求人者と職業紹介事業者とのトラブルへの対応という論点が挙げられております。労働条件等の明示に関するルールについては、固定残業代の明示など、指針の充実、虚偽の条件を職業紹介事業者等に対して提示した求人者に係る罰則の整備など、必要な強化を図ること。またトラブルへの対応については、就職した労働者の早期離職や当該労働者を紹介した職業紹介事業者による再度の職業紹介等の問題が生じているとの指摘もある中、求人企業に対する助言等の対応の在り方。また、フォローアップや苦情対応の在り方について、更に検討を深めるべきとされております。一番下に、 5 その他として、職業紹介事業者が労働者派遣事業も行う場合に、事業者が派遣労働から派遣先での直接雇用への移行に関して担うことができる方策を周知するなど、円滑な移行を促進することが適当とされております。

 続いて、 5 ページの第 3 職業紹介事業以外の雇用仲介事業等についてです。 1 直接募集、文書募集、 2 委託募集、 3 労働者供給、 4 その他の雇用仲介事業に関して論点が整理されております。まず 1 直接募集、文書募集です。固定残業代の明示等指針の充実、虚偽の広告を行った求人・求職者情報提供事業者に係る罰則の整備など、必要な強化を図ること。 2 委託募集に係る許可制等が設定されている本来の趣旨は労働者を雇用しようとする者と労働者との間に第三者が介入することによる弊害の防止であるということを踏まえて、募集受託者に必要なルールを設定するのが本来であることから、募集を委託する者に係る許可制・届出制及び報酬の認可制を廃止することが適当とされております。併せて、報酬供与の禁止の在り方についても検討する必要があること。許可制等を廃止する場合の影響についても留意する必要があることについて触れております。関連して、合同募集や採用業務等の受託として行われているものの中に、職業紹介に該当するようなものがないか、更に検討を深めるべきである。また、募集受託者については、募集内容の的確な表示にかかる努力義務を課すこと。労働条件等の明示義務の内容に、委託者の名称を追加すること。

 続いて、 3 労働者供給に関してです。許可基準のうち、事業運営に関する要件については、許可申請時のみならず継続的に確認すべきものもあると考えられることから、指導監督による履行確保を図るため、指針を新設することとされております。

6 ページの 4 その他の雇用仲介事業についてです。現在、局長通達で示されている求人・求職者情報提供と職業紹介との区分基準について、利用者の行為により入手できる情報の範囲といった観点も含め、事業者の判断により提供される求人・求職者情報の位置付けも考慮しつつ、必要な見直しに向けて更に検討を深めるべき。また、求人・求職者情報提供事業について、個人情報の取扱の義務、守秘義務、労働条件等の明示義務、募集内容の的確な表示に係る努力義務、募集に応じた求職者からの報酬受領の禁止など、雇用仲介事業として必要なルールを設定すること。

 最後に、第 4 その他です。職業紹介事業に関して、指導監督を強化すること。また雇用仲介事業等に関するルールについては、法令で定めることによる明確化等にも留意しつつ検討すべきであるとされております。資料 2 の報告書については以上です。

 続きまして、資料 3 、主な検討項目 ( ) という資料です。以上の検討会の報告書の内容を踏まえて御用意したものです。当部会では職業紹介事業と職業紹介事業以外の雇用仲介事業等について、御説明させていただきました検討会の報告書の論点を踏まえつつ御議論いただいてはどうかと考えているところです。

 なお、参考資料 1 として、雇用仲介事業等の現状に関する資料。参考資料 2 として、平成 25 年度に実施した職業紹介事業に関するアンケート調査結果の概要。参考資料 3 として、平成 26 年度に実施した求人情報・求職情報・関連事業実態調査結果の概要。参考資料 4 として、平成 27 年度に実施した民間求人広告に対する実態調査結果を配布させていただいております。検討会の中でも御参照いただきながら御議論いただいたものですので、当部会でも参考資料としてお配りさせていただいております。事務局からの説明は以上です。

○鎌田部会長 ありがとうございました。ただいまの説明に対する御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

○石黒委員 検討会報告を頂きまして今後検討していくところについての認識は正しいのではないかと思っております。ただ、そういったところを踏まえて、私たちとしては求職者側の保護を強化していただきたいということをお話させていただきたいと思います。

 まず、職業紹介事業についてです。若者雇用促進法で、ハローワークにおいては、一定の労働関係法令があった事業所の新卒求人を一定期間受付けないという仕組みができましたけれども、これは新卒だけの問題ではなくて、全ての求人を対象とすべきであり、民間職業紹介事業者もこれに準じて、一定の労働関係の法令の違反があった事業所の求人を受け付けないという仕組みが必要ではないかと思っています。

 それから、 (1) の職業紹介責任者についてですが、事業所ごとの選任は今後も維持すべきですが、業法や労働関係法令に関する理解が不十分だという問題があると思います。本部会で御報告いただいている法令違反なども含めて、きちんと質の担保がされていないという問題があると思っていますので、検討会報告にもある通り、職業紹介責任者講習の頻度や内容を充実させることが必要ではないかというのが 2 点目です。

 3 点目は、業務提携範囲内の明確化についてです。業務提携をする場合の、個人情報の保護や労働条件の明示などに関する提携業者間の責任分担をもう少し明確にしていかないと、求職者にとって不利益になるようなことが起こるのではないかということが懸念されます。

 それからこれは書いてありませんが、職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する事業者で労働関係法令上の問題が起きて、どちらか一方の事業で行政処分を受けた場合には他方の事業も連動して行政処分をするということをやっていかないとなかなか質の向上ができないのではないかと思っております。まだ幾つかありますけれども、職業紹介については、こういった点を強化するよう今後検討していただきたいという意見です。

○鎌田部会長 ほかにありませんか。

○清水委員 労働組合の行う労働者供給事業についても新たな指針と書いてあるわけですけれども、少し検討会の議事録などを読ませていただきましたが、労供労組連の方が参加されて、意見聴取されている。その中で昨今は、労働組合を名乗ってはいるのですが、実態は事業体が、いわば労働者派遣とかの脱法行為的なことでそのように使っているケースがあるというようなお話をされていました。確かに、今日の資料にもあるとおり、ここ数年間でいくと、ぐっと労働者供給事業を行う組合数が増えているというのは事実です。今回の指針というのは、まだ検討会の議事録全部を正直読みきれていないのですけれども、かなり労働組合法第 5 条の 2 項以下でしたか、労働組合の条件で、労働者供給事業を行う条件との関係で、そういう規約が定められて、かなり重視されていると、民主的な方法によって運営されているものとか、かなり踏み込んだ検討会の中での御議論もあるかと思います。その辺の労働者供給事業に対する今回の新しい指針を作るに至る背景というのか、問題意識というのか、どんな議論が検討会の中でされているのだろうかと、その辺の意図が十分伝わってきていないものですから、こういうことについて少しお聞きしたいと思いました。

○鎌田部会長 御質問ですね。

○清水委員 質問です。

○松本課長 ヒアリングで御意見を頂戴した中で、労働者供給の許可について労働組合としての適切性の条件を絞っていくべきだという御意見を頂戴したわけです。それは結局、労働者供給をする過程で、労働組合に許されているところの所以を確保されていないというところが問題なのでありましょうと。ついては、今は許可するときには許可の基準でもって許可をいたしますけれども、その後の運営に当たって、許可基準に反するようなことをした場合の対応が十分ではないと。最終的に許可の取消しというのは当然にあるわけですけれども、そうした許可基準に抵触するような行動があってはならないというのは当然のことですので、そういう意味で事業運営の過程においても労働組合が参照すべき、また行政としても対応すべき指針を明確に定めることとして、運営の適正さを確保するということの議論があった結果です。

○清水委員 はい、取りあえず。

○鎌田部会長 ほかにありますか。

○小林委員 今回の検討会で検討されたことで、雇用仲介事業者の質の向上とか、運営の効率化等に資する見直しというのは是非とも必要だと思います。その中で最初に、職業紹介事業等について、 1 ページ目に職業紹介責任者のことが書いてあります。職業紹介責任者は、先ほど石黒委員も言いましたけれども、現在は事業所単位で設置ということで必要な講習を受けているわけです。ここに書いてあるのは、その講習の充実と、もう 1 つは、 2 ページ目の理解度の確認となるのですけれども、これは今のところ理解度の確認というより、多分、講習を受講して、法令を認識していただくにとどまっていると思うのですが、今後はそれを確認することになると、試験をするかどうかという問題も出てきます。ある程度の確認の方法でいいのかどうなのか、この辺が今後議論していきたいと思いますし、もし試験制度の中に、ある確認する仕組みが出てくると、現状では責任者講習会を受けた方が責任者として紹介事業に携わる形を取っているわけです。これは法律改正でやるのか政省令でやるのか、要領等で開始するのか分かりませんけれども、全ての現状の責任者の方々に、更に試験を受けていただくとか、確認作業をしていくことになると、当分、また周知の時間とか試験を受けていただくタイミング等の問題でそれなりの期間が必要になるので、この辺のことについても今後、話し合っていきたいと思っています。

 それからもう 1 つは面積要件についてです。現状でも確かインターネット等を通じた紹介事業者の面積要件については、柔軟にとらえて許可されていると思うので、この要件についてプライバシーの保護の観点から、その面積要件は考えられてきたところですが、ここに書いてあるのは、「それに代えて、求職者のプライバシー確保のための措置を講ずることを要件とすることが適当」と。これは具体的にどのような措置を取るのか。面積に変わってどのようなプライバシー保護の要件を取るのかについても十分検討していかなければいけないし、検討会の議論の中で、どのような措置を取ればいいかとか、どんな御提案があったのかを教えていただければ有り難いと思います。

○鎌田部会長 御質問の部分について事務局からお願いいたします。

○松本課長 検討会で議論がありました措置としては、従来どおり事業所に、そうしたいわば部屋とか、事業所内にパーテーション又は個室等の場所を確保するというのも措置の 1 つですし、又はお客さまが来たときには御案内できる部屋が別途に確保されているということもありますし、各事業所によっていろいろな措置を確保するということで、つまり性能的に、そのプライバシーが確保できればよいのではないかということで、具体的に、これでなければならないというところまでの限定はしなくてもよいのではないかという、そういう議論でした。例示としては、従来どおりの事業所内の部屋、また別途の個室等をその都度確保するということもそれでよいのではないかということです。

○鎌田部会長 小林委員、よろしいですか。

○小林委員 今後また、どんなことがあるのかを検討していかなければいけないと思います。

○鎌田部会長 ほかにはありませんか。

○村上委員 まず、清水委員がおっしゃった労働者供給についてです。今後の議論ということになるかと思いますが、検討会のヒアリングの中でも出ていたと思います。かつて、労働者供給については、全国組合の要件などというようなことも基準として設定されていたという歴史もありますので、そういうことも踏まえて、基準の厳格化ということは、やはり必要ではないかと考えております。また、加えて、不適切な事業者に対して適切に指導できるような省令や指針の整備というものも必要ではないかと考えています。

 先ほど小林委員から、職業紹介責任者の関係の問題の御発言がありましたが、やはり理解度を測るという意味では、何らかの試験ということも考えられるのではないかと思います。これは当然に、人の職業の仲介をするということからいえば、労働関係法令や職業安定法等は、十分理解してやられているということが前提であると思いますので、そういったことは、それほど負担にはならないのではないかという感じはしております。実務的には、いろいろあるかと思いますが、能力的には皆さんそういうことは、当然お持ちでやられていると考えておりますので、それは必要ではないかということです。

 合わせて、派遣についても、同じようなことが言えるのではないかと考えているところです。

 それから、職業紹介事業以外の雇用仲介事業について、検討会報告などでも指摘されていますが、現在、求人広告、求人情報誌等で、職安法に係らない形で様々な事業展開がされていて、職業紹介に極めて近いような事業形態というものもあります。これについては、まず、職業紹介と同程度の規制は必要ではないかと考えております。

 また、この 10 年、 15 年ぐらいでしょうか、いわゆる就活サイトであるとか、ネットを活用した求人情報とか、求職者の情報というものを、厳密には求職者ではないかもしれませんが、情報提供している方々のサイトなどもあり、職業紹介事業の区分というのは、大変分かりづらい部分があります。そこは実態を踏まえて適切に規制が及ぶように、区分基準をもう一回考えていくべきではないかと考えております。

 それから、検討会報告書 5 ページで、委託募集についての記載があります。委託募集に関して許可制などが設定されている本来の趣旨は、労働者を雇用しようとする者と労働者の間に第三者が介入することによる弊害の防止ということであって、この規制ができているわけです。やはりこの規制については、現状維持していくことが必要ではないかと考えております。

 それと、職業紹介と職業紹介事業以外、両方含めて、やはり労働条件の明示の問題ということが、求職者保護の観点からも、また、トラブルの防止という観点からも早急に行うべき課題ではないかと思っています。

 このアンケートにも出ていましたけれども、求職者から見れば、求人広告や求人票に示されていた労働条件と、実際の労働条件が異なるというトラブルが多発しています。対策は講じられつつありますが、そういった相談が連合にも来ています。特に新卒の方については、内定してから実際に就職するまで、働き始めるまでの間が半年ぐらいあるということで、きちんとした会社では労働条件は、ある程度のものは明示されて、働き始めるときには大体こういう条件だということで、食い違いがないことが多いかと思いますが、そうではないということのトラブルもかなり多いと聞いています。初任給 20 万円と書いてあっても、その中に手当が入っているのか、入っていないのか、その中身が分からないということがあります。きちんとした会社では、例えば基本給は 15 万円で、職務手当が 5 万円ということを明示されていると思いますが、必ずしもそうなっていない所があるということを踏まえると、特に若い人たちの労働条件の明示の問題は、早く解決していくことが必要ではないかと思います。内定時に労働条件の明示をするとか、あるいは、募集情報に、ハローワークレベルの項目を記載できるようなフォーマットを作って、それを推奨していくというようなことも考えていくことが必要ではないかと思います。

 また、若者法の議論の際にも、別の部会で申し上げましたが、労働条件明示の規定というものが、これで本当に十分なのかどうかという課題はあるかと思います。労基法第 15 条は、労働契約締結時に労働条件を明示すべきという行為が規定されておりますが、労働契約締結時というのはいつなのかということもありますし、また、職業安定法に規定されている募集時の労働条件の明示についても、罰則の第 65 条はあるものの、求人者が罰則の対象外であるということや、「虚偽」の認定の困難さというものによって、死文化しているのではないかと考えております。これについては、検討会でも議論はされていると思っておりますけれども、やはりそこについては、明示された労働条件と、実際の労働条件が異なる場合について、より規制が及ぶ方向での議論や体制が必要ではないかと考えております。また、職業安定法第 65 条の「虚偽」の場合というのが、立証が困難ということがありますので、その点についても、もう少し検討する余地があるのではないかと考えております。

 併せて、違反行為で行政指導を受けた事業主については、企業名公表という罰則、制裁も検討していくべきではないかと思います。これは労働条件明示の問題だけではなくて、今年の早い段階で申し上げていましたけれども、再就職支援事業者が退職強要や退職勧奨を行った場合についても、企業名公表ということを考えていくべきではないかと思います。是非、今後も議論させていただければと思います。以上です。

○鎌田部会長 村上委員、特段、今の御意見で、質問の部分はありましたか。

○村上委員 質問はないです。

○鎌田部会長 そうですか。

○村上委員 はい。

○鎌田部会長 今、御意見を伺って、何かこの段階で、雇用仲介事業の検討会の中で御参考になるようなことが、もしあれば御紹介いただければと思います。特にないですか。今後の議論ということで。ほかにはありますでしょうか。

 では、私から、細かな議論はこれから皆さんとでということで、基本的な考え方のところで、この検討会での議論で少し、どういった考え、御議論があったのかをお伺いしたいと思っております。この度、雇用仲介事業の在り方については検討するということですが、歴史的に見ると、重要な課題が提起されていると思っております。

1 つは、 1 ページの基本的な考え方の部分です。 3 段目ですけれども、「この際、雇用仲介事業等は社会的インフラであることから、まずは、求職者保護の観点からの必要な制度の見直しや取組の強化を図ることが必要である」と。この場合の「社会的インフラ」ということの含意というか意味ですが、言うまでもなく、雇用仲介事業は民間の仲介事業です。労働市場におけるプレーヤーとして活動していることは当然でありますけれども、社会的インフラということから、求職者保護の観点から必要な制度の見直しや取組の強化というようにつなげてあるわけですが、この社会的インフラということの意味は、労働市場におけるプレーヤーとして一定の責務を負っていると、こういったような理解からこういった言葉を使っておられるのか、ということを少しお聞きしたいということです。

 併せて、御存知のように職業安定法は、有料無料職業紹介事業、労働者供給事業、派遣事業、それから、労働者の募集について従前から一定の規制を設けられておりましたが、求人・求職者情報提供事業ということについては、ずっとこういった事業の在り方についての議論も必要であるという御指摘も受けておりました。

 今回、本格的にこういった事業の検討もあるということです。若者雇用促進法の中で、まず取り込んでいるわけですけれども、いわゆる本体である職業安定法の中で、言わば、法適用の対象ということで入ってきていると。こういうことの歴史的な経過を踏まえて、この検討会の中で、こういった求人・求職者情報提供事業を一定の適用対象として考えることについて、どのような御議論がなされてきたのかということ。この 2 つの点について、もし今、検討会での議論の中身が分かれば、御紹介いただきたいと思います。

○松本課長 まず、 1 点目の社会的インフラの件です。これは労働市場において、当初、ハローワークで、国営でやるのが基本とされていたことからも、求人・求職者を結合するというのは、極めて公共性の高い事業であるという位置付けであったことを反映した表現であると御理解いただければと思います。

 それであるがゆえに、それが現状では、官民が、それぞれ能力を生かしてということではありますが、自ずから念頭に置いていただく原則があるというのが、この総論の部分のこの表現に表れております。というのが、 1 点目です。

2 点目は、議論としては、本日も御意見がありましたが、職業紹介と、それ以外、つまり、情報提供と区分が、事業の実態としては余り差がなくなっている。又は、限界事例というのも生じてきている中で、現行の法体系は、職業紹介については許可制。それ以外については、ルールがないという状況ですが、果たして、そういうことでいいのだろうかという観点から、雇用仲介事業、つまり、職業紹介に限らず、雇用仲介事業である以上は、当然、遵守していただくべきルールというのがあるのではないかという視点で議論された結果、このような結論に立ち至っているというように受け止めております。

○鎌田部会長 今、御説明いただいたこと、私としては、もっともだと思います。私の知識で言えば、 ILO 181 号条約、正に雇用仲介事業、 ILO 181 号条約は職業紹介事業と言っていますが、その大きな中身としては、職業紹介と派遣と、情報提供事業の 3 つについて、官民共同の立場で、労働市場の在り方について一定の責任を負うということが国際基準として提起されているということ。

 そういった観点から、今、課長がおっしゃったように、官民共同で、一定の労働市場の在り方、その円滑な機能の発揮については、それぞれのプレーヤーが責任を負うということが、私なりの理解では、恐らくこの基本的な考え方の中にも反映されているのではないかと考えるところです。そういう意味では、 1 つの非常にエポックメイキング的な検討になるのではないかと思っております。

 ただ、関心があるのは、やはり具体的に、では、どういうようなことが、ここで必要になってくるのかということですので、今後、こういった基本的な考え方を踏まえながら御検討いただければ有り難いと思います。この点について、ほかに何かありますでしょうか。

○橋本委員 今、鎌田先生がおっしゃった 2 点目の求人・求職者情報提供事業について、質問というか、感想のような感じですけれども、私は少し実務に疎くて分かっていないかもしれませんが、求人の情報提供と求職者の情報提供は大分違うような気がするのですが、同じ事業者で行われているのが通例なのかとか、そういう実態等も含めて、もし何か規制をかけるならば、細かく実態を知ることから必要ではないかと感じています。

 この部分の報告書 6 ページの 4 の所は、特に (1) は、抽象的な記述でとどまっていると思います。 4 (1) 2 段落目の「その際」の文章ですが、 2 行目の「事業者の判断により提供される求人・求職者情報の位置付け」という事業者というのは、求人・求職者情報提供事業を行う事業者なのか、募集や求人をしている事業者なのか、どちらなのでしょうか。ちょっと疑問がありましたので教えていただければと思います。また、検討会で、求人情報提供と求職者情報提供とは、一体に扱われていたのか、区別していたのかが分かれば教えていただければと思います。

○鎌田部会長 事務局、どうぞ。

○松本課長  6 ページの 6 行目の事業者は、求人・求職者情報提供事業者です。検討会の議論の中では、求人情報提供と求職者情報提供と、両方を意識しつつも、それぞれルールを分けるということではなくして、情報提供としてのあり様、又はルールの必要性について御議論いただいていたという認識です。

 ただ、具体的にこういった情報提供事業が、どのような事業が行われているかというのは、個々にヒアリングで各事業者からお話を聞いて、そのような議論をしておりましたので、正確には、こういった情報提供事業として捉えることが、結果的にはその範囲内になるような事業者も含めて、いろいろなお話を聞いた上でのこういった結論です。

○鎌田部会長 よろしいですか。橋本委員。

○橋本委員 はい。

○鎌田部会長 ほかにありますでしょうか。

○村上委員 参考資料について御質問したいと思います。参考資料 3 の求人情報・求職情報関連事業実態調査結果の概要のスライド番号の 45 46 の所ですが、求職者、求人者からの苦情があったか、なかったかということと、その内容について紹介されています。

1 つは、 46 ページで、企業のほうですが、求人者からの苦情の内容の中で、応募がないというのはよくある話かと思ったのですが、「掲載された求人情報の内容が実際と異なっていた」というものについて、具体的に事例が分かれば教えていただきたいと思いました。情報提供事業者が加工をしているということなのでしょうか。どうしてこういうことが起こるのだろうかというのが、そもそも疑問です。何か事例というか、具体的なことが分かれば教えていただきたいということが 1 点です。

 それから、 44 ページは、求職者からのほうで、「求人情報の内容が実際と異なっていた」というのは、多く見られる苦情だと思います。

 そもそもの話で、もう一回確認ですが、求人情報を掲載する、提供することは、職業紹介には当たらなくて求人広告であって、広告が実際と違っても、職業紹介ではないから規制は及ばないということでいいのかどうか。現在、そういうことなのかどうかということを確認したいと思います。

○鎌田部会長  2 つありますけれども、事務局、どうぞ。

○松本課長 まず 1 点目の実際と異なっていたというのは、それぞれお答えすると、これはもう個票に当たるかどうかも含めて確認してみなければ分かりかねますが、可能性はいろいろ考えられますので、あとで当たらせてみます。

2 点目は、御指摘のとおり、求人広告に関しては、基本は広告主が職業安定法なり、その後の労働基準法の規制を受けるということですので、現在の法体系の下では、基本は広告主が原則として責任を負うということです。

○村上委員 お答えは理解しました。

○鎌田部会長 ほかにありますでしょうか。

○小林委員 検討会の報告は、これは法律の改正のものもあれば、政省令で対応するものとか、いろいろあります。今後、この辺の内容の検討に当たって、違いが分かるというか、これは法律の改正に当たるものだとか、そういうようなものを、事務局で少し整理していただいた上で検討していくということになるのか、今後の検討の仕方についてお伺いしたいと思います。

○鎌田部会長 今後の検討の仕方というのは、また事務局から報告をいただこうかと思いましたが、取りあえず、今の御質問にお答えいただければと思います。

○松本課長 まずは、需給部会としての検討の結果、どういう措置を講ずるのが適当かという御結論を頂くための議論が先だと思いますが、そうすることとした場合に、どのような形式が適当かというのがくるのではないかと、一時的にはそのように思います。

○鎌田部会長 広い意味なのですね。

○松本課長 そうですね。

○小林委員 新たに情報提供の事業を行っている方々も、今度対象にしていくという形で、それも含めて、どういう改正が必要なのかというのが自分の中に整理ができていなかったので、今後、いろいろ御相談させていただきながら勉強していきたいと思っています。

 それと、もう 1 つは、職業紹介の関係で、許可と届出の制度があります。私ども中小企業団体中央会では、無料の届出の制度があって、いろいろな形で会員の職業紹介も行えるということで、特に就職難だった頃の学生を中心に職業紹介のお手伝いなどもしていたことがありました。そのときに、傘下の団体からいろいろと声が上がったのですが、申請書類が非常に細かすぎるという部分の指摘があり、その量も多いという苦情がありました。これまで、必要なものだという判断で、許可・届出の申請書類が出来上がっているのだと思いますが、できるだけ簡素化できるものについては、簡素化できるような形で、この機に見直しも行っていただくということをお願いしたいと思います。これは、お願いです。よろしくお願いいたします。

○鎌田部会長 ほかにありますでしょうか。それでは、検討会の御報告、御説明についてはこのぐらいにします。次に、今後のこの部会での進め方について、事務局から説明をお願いします。

○小川補佐 事務局でございます。先ほども一度触れましたが、資料 3 「主な検討項目 ( ) 」を御覧ください。検討会の報告書又は本日頂いた御議論を踏まえまして、検討項目としては、「職業紹介事業について」また、「職業紹介事業以外の雇用仲介事業等について」というところで整理をして、御議論いただければいいのではないかと考えております。この点で、御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。

○鎌田部会長 議論の進め方という観点から、御意見を頂ければと思います。

○小林委員 今の検討項目、すごく大きい項目です。更に細かくしていかなければいけないと思います。

○鎌田部会長 村上委員、どうぞ。

○村上委員 私どもとしての意見は、全てではありませんが、今後、検討していただきたい項目の点については、先ほども申し上げた内容です。職業紹介事業について検討するときには、検討会報告書の中身の見直しの論点と、本日の意見、議論で出された論点とを出していただくのかなというように考えておりまして、次回以降、そのような形になっていくのではないかと思っています。

○松本課長 本日頂戴した意見も、また、検討会に示されている「その他」の論点も含めて御議論いただけるような準備を、次回以降にさせていただく所存でございます。

○鎌田部会長 ほかにありますでしょうか。それでは、私は先ほど申しましたが、 1 点だけです。要望というほどでもありませんが、何分、特に需給部会で議論をすると、細かなことを、細部に非常に議論が集中することになる。多分、そうなるだろうとは思いますが、私としては、職安法は労働市場に関する基本法ですので、大きな基本的な考え方、理念ということも踏まえながら議論をしていただければいいかと。それこそ、職業紹介の国家独占の時代から現代まで、どのように変わってきたのかということは、ある程度は理解をしているわけですけれども、その時々で法律も、派遣法も含めてですが、いろいろな形で変わっていく中で、そういう基本的な考え方が大きな影響を議論の中で与えてきたという経緯もあるわけです。ですから、細かな議論は細かな議論として、当然していかなければいけないのですが、それがどういった基本的な考え方に基づいて、どういった方向を進みつつあるのかということの大局的な観点も議論していただければ有り難いと思っております。

 それでは、今後の進め方については、本日、事務局から説明を受けた検討会報告に対する各委員からの御意見や御質問を踏まえ、雇用仲介事業等の在り方について、幅広に御議論いただきたいと考えております。項目立てを含めて、事務局と私で相談した上で、改めて御相談するということで進めたいと思いますが、そのような進め方でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、本日の審議については、ここまでとさせていただきます。議事録の署名は、石黒委員、小林委員にお願いいたします。事務局から連絡事項はありますか。

○小川補佐 事務局です。次回の部会の日程は、 9 28 日の水曜日、 10 時から合同庁舎 5 号館 19 階、共用第 8 会議室、ここで開催いたします。よろしくお願いいたします。以上でございます。

○鎌田部会長 それでは、以上をもちまして、第 243 回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会を終了いたします。本日は、どうもありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会労働力需給制度部会) > 第243回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録(2016年9月15日)

ページの先頭へ戻る