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2016年12月9日 第70回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年12月9日(金)13:00〜15:00


○場所

ベルサール半蔵門 ホールA


○出席者

遠藤、石本、伊藤、井上(隆)、井上(由)、岩村、岡、小林、大西(代理:清原参考人)、
黒岩(代理:小島参考人)、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、鈴木(隆)、
鷲見、陶山、武久、栃本、馬袋、花俣、東(代理:折茂参考人)、藤原(代理:河村参考人)、桝田の各委員
(土居委員は欠席)

○議題

1 介護保険制度の見直しに関する意見(案)について

○議事

○尾崎企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第70回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 報道関係の方に御連絡をいたします。冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、退席をお願いいたします。

(カメラ退室)

○尾崎企画官 それでは、以降の議事進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 皆様、こんにちは。

 まず、議事に先立ちまして本日の出欠状況について御報告をいたします。本日は、大西委員、黒岩委員、土居委員、東委員、藤原委員が御欠席です。

 また、大西委員の代理として清原参考人・三鷹市市長、黒岩委員の代理として小島参考人・神奈川県保健福祉局福祉部長、東委員の代理として折茂参考人・全国老人保健施設協会副会長、藤原委員の代理として河村参考人・奥多摩町町長が御出席でございますのでお認めいただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、議事に移りたいと思います。

 本日は、前回に引き続きまして意見書案について御議論をいただき、意見書の取りまとめを行いたいと思います。

 本日の資料について、事務局より確認をお願いしたいと思います。

○尾崎企画官 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 お手元に、資料1ということで「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」を配付しております。

 また、参考資料1と2でございますが、1130日と12月7日に開催をされました「社会保障審議会療養病床の在り方等に関する特別部会」の資料でございます。

 また、末尾に黒岩委員より提出いただいた資料を配付してございます。

 不備等はございませんでしょうか。

 よろしければ、遠藤部会長、よろしくお願いをいたします。

○遠藤部会長 それでは、資料1につきまして、前回の素案からの修正点を中心に事務局より説明をお願いします。

○日原総務課長 総務課長でございます。

 前回、1125日の介護保険部会におきましても、報告書素案に基づきまして御議論をいただきました。その際の資料との関係で申し上げますと、その席上で御議論いただきました意見書案の中では案文そのものがまだ御用意できていない部分がございました。きょう御議論いただくものは、そちらも含めた案になっておりますので、その点だけを念のためにページのほうで御紹介させていただきたいと思います。

 まずお手元の資料の本文の15ページ、小見出しで申し上げますと中ほどにございます「ケアマネジャーに対する指導権限の移譲」の部分でございます。

 それから、少し飛びまして28ページでございますけれども、ローマ数字2の「介護保険制度の持続可能性の確保」の中にございます「利用者負担のあり方」の中の「()利用者負担割合・高額介護サービス費」の部分でございます。

 続きまして、36ページの3の「費用負担」の中の「()総報酬割」の部分でございます。前回、1125日の際に部会長から御指示をいただきまして、その後、委員の皆様より意見書案に関する御意見を事前に事務局に御提出いただきました。頂戴いたしました御意見を踏まえまして、部会長、部会長代理と御相談をさせていただきまして、必要な加筆修正を行いました意見書案が、きょうお出しさせていただきましたお手元の資料の1でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、皆様から御意見をいただきたいと思いますけれども、事務局から御説明がありましたとおり、前回の会議の後、皆様から御意見をいただきまして、いただきました御意見につきましては私と部会長代理と事務局の三者で整理をさせていただいて、盛り込めるものは盛り込んだと考えております。

 本日は時間も限られておりますので、この点も踏まえまして要領よく御発言をいただければと思いますので、御協力のほどをよろしくお願いいたします。

 それでは、いかがでございましょうか。御意見をどうぞ。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木()委員 全体としては、私どもの意見も入れていただいたようでございますのでよろしいのではないかと思うのですが、2点ほど意見と確認の質問をさせていただきたいと思います。

 1つは21ページでございますが、3つ目の「・」で地域では医療部局と介護部局だけが連携してもサ高住が漏れてしまいますので、住宅部局とも連携をしていくべきだという話をさせていただいて、そのように記載していただいたのですが、実際に現場で従来、サ高住が急にできてもそれを事前に知ることもできないし、止めることもできないという状況だったのですが、平成28年度から市町村の意見を反映させるということが始まったとも聞いているのですけれども、そこは一定の改善が行われたのかどうか、確認の質問をさせていただきたいと思います。それが1つです。

 それから、もう一つは24ページの上から2つ目の「○」で下から3行目です。技能実習制度のところでございますけれども、このように書いていただいたのは非常によかったと思いますが、この技能実習制度において今後介護職種が追加される場合には日本人と同等の処遇を確保すべきであると思います。

 なぜならば、公的保険で行われるサービスでありますから、ほかの分野とは違うと思いますので、これはぜひここに記載するだけではなくて、それに対して違反や、守れない場合には介護職員処遇改善加算の返還を求めるなど、厳しい対応をとることが必要だと思います。

 処遇改善を要求しておきながら、一方では低賃金で働かせるというようなことが行われると、介護分野全体としての質の低下を招き、若い人がますます来なくなって、何のための処遇改善加算か。そもそも必要性があるのかという議論にも発展しかねません。

 これまで他の分野ではいろいろな問題が起きているようですので、あらかじめそうしたことが起きないように、公的保険で行われるこの分野ではきちんと日本人と同等の処遇が確保され、もしそれに違反した場合には厳しい対応がとられるということを明確にすべきだと思います。これは意見でございます。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 前半で御質問がございました。では、事務局どうぞ。

○佐藤高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。

 サービスつき高齢者向け住宅の整備につきましては、現在国土交通省が補助金を交付し、また都道府県に登録をして行うということになっております。これまでは都道府県の登録のみで整備が進んできたわけでございますけれども、御指摘がありましたように28年度からはその整備に当たりましては都道府県から市町村に意見を聞くという仕組みが新たに追加されました。

 意見を聞かれた市町村は、住宅部門が聞かれるわけですけれども、そこから福祉、介護部門、あるいは医療関係部門にさらにその市町村の中で意見照会をつなげていくという仕組みがスタートしておりますので、こういったことによりまして現場の整備に当たりましても医療、福祉、介護との連携、住宅との連携ということが今後進んでいくと考えております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木()委員 市町村が正当な理由で、例えばサービスが供給不可能であるとか、あるいは劣悪な施設になる可能性が強いとか、そうした理由で反対した場合には、それは効力を持つと考えてよろしいのでしょうか。

○遠藤部会長 事務局、どうぞ。

○佐藤高齢者支援課長 事務局でございます。まさに補助金の交付条件という形で手続が決まってまいりますので、最後はその補助金が交付されないという形での効力は持つということでございます。そういうふうに伺っております。

○遠藤部会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木()委員 了解しました。ありがとうございました。それが地域では重要な問題になっていますので、よろしくお願いします。

○遠藤部会長 ほかにいかがでございましょうか。

 それでは、花俣委員どうぞ。

○花俣委員 ありがとうございます。当初より、社会保障制度の枠組みの中で持続可能な制度とするためにという議論は、当事者にとって大変厳しいものでありました。その中で、利用者である本人と、介護家族を取り巻く実情、その困難さを当事者の声として代弁してまいりました。

 このたびの介護保険制度の見直しに関する意見において、幾つかの確認と発言をさせていただきたいと思います。

 まず最初に5ページ目、保険者である市町村に対する「適切な指標による実績評価」ということですが、2つ目の「○」に要介護認定率の抑制、それから適正なサービス利用の阻害にならない評価指標が必要とありますが、この点については介護保険料を払い、介護認定を受けて初めてサービス利用となる人たちにとって、在宅での介護生活が危機に陥らない指標でなければならないと思います。指標の設計の目的は、あくまでも介護を必要とする人たちへの安全・安心の提供であることを確認していただきたいと思います。

 また、14ページの「適切なケアマネジメントの推進等」については、15ページの3つ目の「○」で平成30年度介護報酬改定で検討する。あるいは、16ページの3つ目の「○」に利用者負担については引き続き検討を行うとありますが、多くが年金など、固定的な収入しかない利用者や家族にとって利用料がふえることは家計に大きな影響を与えます。認定によりサービスを利用する権利があっても、負担増に耐えられないという理由でサービスを諦めるケースが出ないように議論することが重要であると考えます。

 それから、20ページの療養病床の見直しのところですけれども、制度の持続可能性を目的に利用者負担の拡大あるいは在宅生活を支える主なサービスの削減の可能性がある中で、療養病床の見直しについても特別議会の議論においては介護療養病床の転換にとどまらず、医療機関が介護施設に転換することもあわせて検討されているということです。

 これにより、介護施設の費用がさらにふえるのではないかということも大変心配なところであります。利用者や家族にとって、この10年間の介護療養病床をめぐる見直しはとてもわかりづらいものになっていまして、先日の議論の場でも介護療養病床は老人保健施設などに転換して廃止するということになっていましたが、現在介護保険サービスの中で施設とされているのは特養と老健と療養病床の3つですけれども、新たなサービスとして4番目の施設ができるということなのでしょうか。それとも、今の介護療養病床が医療機関を持つ生活施設に名前が変わるということなのかがちょっとわかりづらいので、できればこれはお答えいただきたいと思います。

 2つ目の質問としては、今の介護療養病床が新たな施設サービスに変わるだけではなくて、医療保険の対象となっている療養病床、それから急性期の病院も介護保険施設として事業参入するといったような理解でよろしいのでしょうか。財務省の建議では、お金が足りないので軽度者へのサービス、つまり在宅サービスを抑制すると言われているわけですけれども、費用の節約を求めながら医療法人の新たな施設事業への参入を進めるという考え方にはなぜか大きな矛盾を感じてしまいます。

 続けて、25ページ以降の「市町村協議制の実効性の確保・対象サービスの拡大」のところなのですけれども、ここについても市町村協議制の強化に当たっては利用者や介護者のニーズを必ず考慮していただきたいと思います。

 それから、あと1点、32ページの「軽度者への支援のあり方」に関しては、部会の議論では遂に軽度者とは誰なのかという定義がなされませんでした。財務省は要介護2以下としていますが、要介護1、2の人たちは決して軽度者ではないことを確認させていただき、また、33ページの下から4行目ですね。ホームヘルプサービスの生活援助については、平成30年度介護報酬改定の際に検討することになりましたが、利用者の8割は在宅サービスに支えられている人たちであることを常に忘れないようにしていただいて、自宅を中心とする在宅生活者、特に初期の認知症の人の暮らしが崩壊しないように慎重な議論を求めたいと思います。

 この部会での議論の間には、私たち当事者や医療、介護現場から反対の声が相次ぎ、また全国の地方議会からも反対の意見書が決議されたこともあって、生活援助や福祉用具の全額自己負担化は次期改正では回避されましたが、新たに生活援助の介護報酬の引き下げであるとか、当面、要介護2までの人の利用者負担を引き上げる案も浮上してきております。給付抑制と負担増の動きがやむ気配はないと言わざるを得ません。

 家族の会としては、2018年度改正に向けたこのような方向は、国の掲げる新オレンジプランにも介護職離職ゼロにも逆行するものであり、介護保険制度の後退だけでなく、崩壊の道につながるものと危惧しております。

 私たちは今後も安心できる介護保険制度の実現を願い、声を上げ続けていきたいと思います。一人でも多くの皆様が私たちの思いに理解と賛同していただき、それぞれの立場で声を上げ、行動してくださるように心から訴えるとともに、今後継続されるこれらの課題についても現場からの発信をしっかりと受けとめ、データや数字にあらわれにくい、誰もが等しく老いて生きることへの現実を見過ごすことなく、慎重にかつ十分な議論に期待したいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。質問がございましたね。療養病床の新しい類型について、事務局へ質問があったという理解でよろしいですね。

○花俣委員 はい。

○遠藤部会長 では、事務局お願いいたします。

 老人保健課長、どうぞ。

○鈴木老人保健課長 御質問ありがとうございます。療養病床の関係の御質問をいただきましたが、今回検討していただいております新施設につきましては、そもそも現在ございます介護療養病床は平成29年度末に廃止されるというところから、新しい施設が必要ではないかということで議論をされているところでございます。

 それで、その施設につきましてはこれまでの介護療養病床の機能を引き受けつつ、生活施設としての機能も合わせ持った新たな施設として位置づけるということで、それにつきましてもいわゆる介護保険法の本則のほうに位置づけることが妥当ということで今、御意見がまとまっているところでございます。

 そうしますと、新しい4番目ということになるとは思いますけれども、ただし、介護療養病床については29年度になくなりますが、いわゆる経過措置ということで一定期間、転換までの期間は存続することになると考えておりますので、一時的に施設については4つになりますが、最終的にはそういったところも踏まえて適切な対応をとっていきたいと思っております。

 それから、医療保険、いわゆる一般の病床等からの今回の新設への転換ということの御質問でございますが、法律上、本則に位置づけるということになりますと、今回の転換をしていただくところが優先とはなりますけれども、やはり新しく施設をつくるということも排除するわけではございませんので、そういったところで新設ということが出てくると思います。

 ただ、そういったところにつきましては今後転換を進めるという観点から、いつぐらいからというような議論もございますので慎重に検討して示していきたいと思っております。

○遠藤部会長 ありがとうございました。花俣委員、よろしゅうございますか。

○花俣委員 はい。

○遠藤部会長 それでは、ほかにいかがでしょうか。

 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 意見については既に書かれているんですけれども、一言コメントさせていただきたいと思います。

 今までも部会で申し上げてきたんですけれども、介護納付金の総報酬割については健保連としては断固反対という立場でございます。反対理由については、今回おおむね意見書の案の中に盛り込んでいただいたとおりでございます。

 一方で、仮に総報酬割の導入を強行するのであれば、今回の意見書案に示された意見を重く受けとめていただいて、健保組合をはじめ現役世代の負担が過重とならないように段階的導入、もしくは十分な国費の助成など、激変緩和措置をぜひお願いしたいと思います。

 特に後期高齢者支援金の総報酬割の際には、全面導入と同時に財政支援の規模が拡充されることになりました。さらに、制度的な負担軽減措置も導入されております。これらの点も踏まえて、介護納付金についても同等な配慮をお願いしたいと思います。

 それから、これは意見書に直接関連する項目ではないのですけれども、今後に向けてということで2点ほど意見を言いたいと思います。

 1点目は、制度の持続可能性の確保に向けてということです。意見書の中にも相当触れられてはいるのですが、やはり給付の伸び抑制、利用者負担のあり方、それから保険料負担のあり方、この3つのバランスをどうとっていくかというのが、制度の持続可能性を確保するために極めて重要であることは今さら言うまでもありません。今回の部会の議論において、給付の伸び抑制、もしくは利用者負担ということについての踏み込みが不十分と感じております。高齢化の進展を考えた場合、給付の効率化、重点化は不可欠ですし、また利用者負担も引き上げていかざるを得ないというまさに待ったなしの状況だと認識しております。

 我々、健保組合は、介護保険においては40歳以上という2号被保険者の加入する医療保険者の代表でございますけれども、今後その制度を担ってもらういわば40歳未満の現役世代の組合員も多くいます。彼らから見て、今回の改定がどう見えるのか。また、介護保険制度の持続可能性を感じることができるのかどうか。こういう視点は、やはり大事にすべきだろうと思います。少なくとも、次世代への先送りというのは絶対避けるべきです。

 その観点でいいますと、やはり次回以降の改正の際には大幅な見直しをやっていただきたいと思います。財政影響も含めて利用者負担と保険料をセットで、さらに言えばサービス内容も含めて総合的な検討ができるように事務局としての工夫もお願いをしたいと思います。

 もう一点は、保険者機能のさらなる強化発揮ということでございます。今回の部会資料において、総合事業の移行状況を検証してということが大変目立ったと感じます。それと、地域間、市町村間での格差も相当あることがわかったと思います。保険者である市町村の置かれている状況に違いがあって進捗状況に差が出るというのは一定線やむを得ないとは思うのですけれども、ただ、そこに住んでおられる住民の方から見れば、他の市町村に遅れをとっているということは多分容認されないのであろうと思います。

 全ての施策がうまくいくとは限らないのは当然のことではありますけれども、少なくともその進捗状況を継続的かつきめ細かくフォローして、状況によっては方針を修正するということはマストだろうと思います。

 そういう面では、この介護保険部会の開催方法についても、そういう視点を考えた場合には制度改正時だけではなくて定期的な開催にしたほうがいいのではないかと思います。

 保険者機能のさらなる強化、底上げをして、給付の伸び抑制を行って実質的な効果を出すということは喫緊の課題だろうと思っております。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 1つ確認させていただきますが、御意見と承ってよろしいですね。修文の要請ということではないということでよろしいですね。

○佐野委員 そうではないです。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、先ほどもお手を挙げておられた陶山委員、伊藤委員の順番でお願いします。

○陶山委員 ありがとうございます。24ページ以降の「介護人材の確保」につきましては、介護職員の処遇改善について大分加筆をいただきましたことに感謝申し上げたいと思います。その上で、2点ほど質問させていただきたいと思います。

 1点目は、24ページの2つ目の「○」の記述に、「今後の介護職員の安定的な確保・定着を図るため、まずは競合する他産業等との賃金差を解消するという観点を踏まえて」とありますが、ここでいう「競合する他産業」というのは一体具体的にどの産業を指すのか。マスコミを含め、さまざまな記事だとか文面の中で賃金比較されておりますが、それと同様、私どもも以前より全産業平均との賃金格差の解消を目指して労働条件の改善に取り組んでおります。前段で「まずは」とされていることで、その観点も踏まえての記述と思いますが、厚労省の見解をお聞かせいただきたい。

 2点目は、同じ「○」の下の部分に前回の部会で修正された部分に当たりますが、「併せて、介護事業者の自助努力や介護福祉士とそれ以外の者との業務の役割分担の明確化の促進も有効である」とありますが、ちょっと唐突に出てきているような感じがいたしますので、その意味の御説明をお願いしたいと思います。

 まずは、その2点をよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 いかがでございましょうか。文章の説明ということですが、鈴木老人保健課長どうぞ。

○鈴木老人保健課長 御質問ありがとうございます。24ページの「まずは競合する他産業等」の「他産業」とは何かという御質問でございますが、現在はいわゆるサービス産業、対人サービス産業を比較しておりまして、それとの賃金差を解消するという観点で今回行うということにさせていただいております。

○陶山委員 もう一点、質問がございます。

○遠藤部会長 それでは、振興課長どうぞ。

○三浦振興課長 振興課長でございます。どうもありがとうございます。

 2つ目の御質問、お尋ねは、24ページの上から2つ目の「○」の下から4行目くらいの「併せて」という末尾のあたりから始まっている文章が少し唐突だというお話と、中身はどういう趣旨なのかという御確認だったと記憶しております。

 これは、議論の中で何度か、花俣先生も提出されたようなものもあったかと思いますが、東先生がされているような三重県の介護助手のような法人の中での専門職と専門職以外の業務の切り分けなども業務運営上有効ではないかといったような御紹介があったかと思います。こちらについて記載をさせていただいている趣旨でございます。

○陶山委員 ありがとうございました。「まずは」ということなので、どちらかというと全産業平均というのを私どもは考えておりますし、大体そんな記述がマスコミも含めて対象となって書かれておりますので、ぜひその方向でお願いをしたいというのが1つでございます。

 もう一つ、意見を最後に述べさせていただきますが、処遇改善の対象として介護従事者ではなくて介護職員に限定されていることについて申し上げます。

 介護は介護従事者全体が支えている事業でございまして、介護職員だけの処遇改善だけでは不十分であることは介護給付費分科会の論点になっていることからも明らかだと考えております。ぜひ「介護保険制度の持続可能性の観点からも介護業界の魅力を高め、介護を支える人材」に重点を置き、介護従事者全体の処遇改善にスポットを当てていただけることを切に願いまして意見とさせていただきます。ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、お待たせしました。伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 では、幾つかの点について意見と質問をさせていただきます。

24ページの人材のところですが、今、陶山委員からもありました全産業平均との乖離を解消していくべく引き続きの処遇改善を行っていくよう、心から求めるところであります。

 それで、今の人材のところの2つ目の「○」の最後に技能実習のことが今回追加されているのですが、私どもとしては技能実習制度に介護職種を追加するという点には反対をしてきております。

 しかし、法律が通っているという現実を踏まえて、このような記述が追加されたのかとは考えております。

 ただ、ここに書かれていることが追加される場合は、「日本人と同等の処遇を確保すべきである」とあります。今回、この同等処遇原則については明確に法令化されたところでありますから、すべきというレベルのことではない。しなければならないと認識しないといけないということで、ぜひその点を踏まえて記述についても考えていただきたいと思います。

 それから、29ページの利用者負担のところです。ここにつきましては、29ページの2つ目の「○」と3つ目の「○」が対比されるように書いてあると読めます。積極的な立場と消極的な立場という書き方が妥当なのかという点で、やや違和感があります。私の発言は、消極的というほうに入るのだと思います。しかし、消極的というつもりで言っているのではなくて、慎重に検討しないといけないということでこの課題について発言してきているところでありますので、この表現が妥当なのかなとは思っております。

 加えて、その表現のことで言いますと、2つ目の「○」のほうは積極的な立場の前に書いてあることで、「利用者負担に積極的な立場」というのはやや日本語的にもおかしいかと思います。利用者負担の見直しに積極的な立場ということなのだろうとは思いますが、そこを含めてもう一段考えていただいたほうがいいのではないか。

 それから、この点についてはこの間、医療の自己負担増と保険料負担の増加というのも検討されているということで、それとあわせた検討をしていく必要があるということを何度も申し上げてきたところであります。具体的な数字の結論が出ないまま、こういう形で方向が取りまとめられていくということについては、委員として検討の場に参加している上では責任を持って、これで本当に安心して暮らして生き続けられるか、あるいは介護離職が増えないと言えるのかという点で心配をしております。

 前回もその点を質問させていただき、大丈夫だろうという趣旨だったと思います。その点については、厚労省でぜひ引き続き高齢者の生活実態を把握していく、検証していくということが必須だと思っておりますので、この部会で引き続きの検証、把握していくという責任を負っていく必要があるという意見を申し上げたいと思います。

 それから、37ページは総報酬割です。こちらは2つ質問なのですけれども、「強く反対する意見があった」という表現と、普通に「意見があった」という表現がありまして、どういう区別なのか。普通に「意見があった」とされる意見を言っている者からすれば軽視されているかのように受けとめざるを得ないようにも感じますし、どうやって書き分けているのかということを教えていただきたい。

 それから、この総報酬割については結論が書いていなくて、両方意見があったといって、その意見の濃淡を書いているように見えるのですが、この点は取り扱いが今後どうなるのかを事務局から御説明いただきたいと思います。

 それから、総報酬割につきましては37ページの下のほうから続いている賛同する意見というものが38ページの1つ目の「○」の「段階的な導入」とか、仮に導入するのであればという条件つきの意見が多く含まれているのではないかと思います。このように、この2つを分離して賛同しているということになるのかどうかにやや違和感を覚えておりまして、この内容については一体的なのではないかと考えたところであります。以上です。

○遠藤部会長 御意見と、御質問も混ざっておりましたね。

 では、よろしいですか。事務局、お答えください。

○竹林介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。今、伊藤委員からいただいた御質問の1点目は、意見書の中で通常の「意見があった」と書いている部分と、「強く反対する意見が相当数あった」という、この37ページの1つ目の「○」の最後の結び方で、どういう書き分けをしているのか。通常の「意見があった」というのは軽視されているのではないかという御質問でした。

 私どもとしては、「意見があった」というのが通常の書き方でございます。ただ、この総報酬割のところは皆様御案内のとおり、介護保険部会での議論でも3回やっております。8月19日、1019日、そして1125日と、このテーマと利用者負担については3回議論をしていただいていますし、相当そういう意味では絞られた論点の中でも相当なやりとりを何往復もしたというふうに理解をしておりますので、ここの部分がやや議論が激しく、しかも何回もやったという意味で、ここだけ特別扱いをしているということであって、その他の「意見があった」という部分の記述について軽視をしているものではございません。そういうつもりで、この案を提示しているわけではございません。

 それからもう一つ、この総報酬割のところについては両論が書かれた形で結論が書いていないけれども、今後の取り扱いはどうなるのかという御質問でございます。その部分につきましては、ある意味、利用者負担のところもそうですが、事務局からこういう提案があった。それに対して賛成の意見と反対の意見があったという記述になっておりまして、そこは完全にこの意見書だけで見ればどういうふうにやるかということの結論が出ていないわけでございますけれども、私ども部会からいただいた御意見書をもとに今後法律改正が必要なものは次の制度改正法案をつくっていくという作業に入りますので、この辺のいただいた御意見、賛成の御意見、反対の御意見も十分踏まえながら、しかるべき手続を踏んで制度改正につなげていきたいと考えております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 伊藤委員、いかがでしょうか。

○伊藤委員 わかりました。別に「強く」とついていないものが軽視されているわけではないと受けとめさせていただきます。皆、意見を尊重していただきたいと思いますし、今後のこの総報酬割の議論の結論をどのようにしていくのかという点については、ここにたくさん意見が出ていますので、こういうものを受けとめて可能な対応ということで、段階的実施を求める意見が出ております。あとは財源の問題もありますので、こういったところはぜひ努力をお願いしたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、井上隆委員どうぞ。

○井上()委員 ありがとうございます。報告書自体は、私どもの出した意見も全て含んでいただきましてよくまとまっておりますので、事務局の皆様の労を多としたいと考えております。そういうことで、修文の要請ということではないですけれども、幾つか御意見を申し上げたいと思います。

 今回の議論で一番大きかったのは総報酬割で、これは我々にも非常に関連の深いところでございます。意見は、ここに書かれているとおりでございます。企業にとって、これが仮に導入されるとどういうことになるかというと、当然企業はさまざまな予算を全部組み直して人件費も上がるという話になりますので、その分、何か製品の価格に反映するのか、あるいは他の経費をカットするとか、そういうことになっていくわけでございます。

 世の中の情勢を見ますと、来年はまた少々厳しいような情勢もございますし、また何とか産業界としても賃上げのモメンタムは継続したいという思いはありますので、ここにある意見を十分踏まえた形で御処理をいただきたいと考えております。

 あとは、私はこの審議会に6月から参加をさせてもらっておりますので、ちょっと感想めいたことになりますけれども、幾つか申し上げたいと思います。

 まず、この社会保障制度全体、介護保険もそうなのですが、利用者のみならず利用していない人にとっても、国民全体に安心感を与えるというのが非常に重要な観点だと思うんです。その面で、今回の審議で介護保険制度というのが、より安心を与えるような改善がなされたかというと、ちょっとそこは自信が持てないような感じが若干ございます。特に現役世代、次世代の人たちが安心できるのかどうかというところをよく考えながら今後審議を続けていく。将来不安を解消するにはどうしたらいいかという観点を重視していただきたいということが1つあります。

 もう一つは、ここの部会の議論ではないのかもしれないのですけれども、給付を考える場合には当たり前ですが、必ず負担が生ずるということです。その負担をどうするのかという議論が、必ずしもよく議論をされていないような感じを受けます。負担者が誰なのか。具体的にその負担というのはどういうレベルになるのかということを、もう少し具体的な形で世間に提示していくようなプロセスが必要です。例えば所得階層別とか、モデルを幾つか提示するようなプレゼンであるとか、理解を求めるプロセスが必要かと思います。

 さらに言うと、これは完全にこの部会ののりを超えてしまうと思うんですけれども、社会保障制度全体として国民に対してどういう負担があるのかという議論がどこの場でなされているのかがよくわからない。例えば、今日も国会では年金の法案が一生懸命議論をされていますけれども、将来世代に負担を残さないようにという議論をしているわけですが、片や介護のほうは負担の増という議論をしているわけで、社会保障全体でどうなっているのかという議論がよく見えない。これは医療も含めてなのですけれども、ぜひそのあたりの総合的な議論を政府のどこかでしっかりしていただきたいと思います。以上でございます。

○遠藤部会長 では、桝田委員どうぞ。

○桝田委員 まず、最初に地域包括支援センターの強化の問題で、かなりの部分を割いて強化策をいろいろ書かれておりますけれども、その中で運営費の確保の問題について、少し以前に述べさせてもらいましたが、その問題はもう既に厚労省のほうで適正なセンターの運営費を確保するようにという通知を先に出していただきまして、委託を受けている事業者にとっては非常にありがたい通知だったと思っております。今後も適正な運営費を確保するという観点をよろしくお願いしたいと思います。

 それと、ちょっと細かな話なのですけれども、34ページの2つ目の「○」で「このため、ケアマネジャー、医師」云々とずっと専門職が網羅されております。それで、最後に「等」という言葉が入っていますけれども、これだけの専門職の方の名前を網羅するのであれば、管理栄養士さんも加えてあげたほうが逆にわかりやすいのではないか。食の問題というのは非常に重要でございますので、「等」の中でなくてやはり書いてあげたほうがわかりやすい文章になるのかなという気がいたしました。

 それと、最後ですけれども、福祉用具、住宅改修の問題ですが、福祉用具の平均価格を公表して一つの目安にする。それで、上限価格を設定するという段階において、平均値が標準価格みたいになるとか、上限価格が逆に標準値になってそれぞれの事業所が上げていく方向に向かわないように何か考えておいていただけないと、逆効果が生まれるということもあり得ます。

 一方、山間僻地などの場合、ここにも書かれていますけれども、交通費問題というのも別に発生しますので、上限外れ値対策が逆の効果にならないように実際に行われるときに御注意をしていただけたらと思っております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、こちらのほうに移りましょう。岡委員、どうぞ。

○岡委員 ありがとうございます。意見書への反映をお願いするものではありませんけれども、改めて一言申し上げたいと思います。

 商工会議所は多くの現役世代を抱える事業者の立場として、将来にわたって持続可能な制度を担保するためにも、現役世代と受益者である高齢世代とが適正に負担を分担し合うべきという視点でこれまで発言をしてまいりました。

 しかし、今回の取りまとめにおいては利用者負担など、高齢者の負担増には踏み込み不足の感がある一方で、現役世代に偏った負担が強いられる内容であり、大変残念に感じております。

 特に今回、争点の一つとなった介護納付金の総報酬割については、応能負担の名のもとで国庫負担を事実上、被用者保険に肩代わりさせるものであり、またしても取りやすいところから取るというその場しのぎのやり方であると言わざるを得ません。意見書では両論併記になっているものの、法案化の過程においては事実上これで結論が下される方向性が見えています。

 このような事態は介護だけではなく、医療や年金においても同様であり、社会保障改革全体のあり方として極めて大きな問題であると思っております。改革といっても、結果として現役世代の負担増にその多くを頼るのであるならば、急速な高齢化と人口減少を目の前に控えている中で、すぐに社会保障制度は限界を迎えることになるのではないかと危惧しております。

 現役世代の将来不安は、社会保険料をはじめ、負担がどこまで上がるのか、見通しが立たないことであります。保険制度の大部分が国の財政と保険料で支えられている以上、現役世代の将来不安を取り除き、経済を好循環に乗せていく視点での改革がどうしても必要であると思っております。

 今後の改革に当たっては、将来の見通しを明確化した上で、小手先の数字合わせではない抜本的な改革のあり方について国民全体で議論していくべきと考えております。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、小林委員どうぞ。

○小林委員 ありがとうございます。本日は取りまとめに向けた議論ということで、特に意見書の修正を求めるということではありませんが、意見として申し上げたいと思います。

 これまでも何度か申し上げておりますので繰り返しになりますが、介護保険制度の持続可能性を維持するためには負担能力に応じた負担が基本的な考え方であって、その考え方のもとで世代間と世代内の両方の公平性が担保される仕組みに見直していくべきだと思います。

 特に現役世代である第2号被保険者については、一般的にサービスの恩恵を受ける機会が少ない中で、その介護保険料負担は年々上昇しており、医療保険も含めた負担は既に限界水準に達しております。このような状況を踏まえますと、負担能力のある一定以上の所得者については利用者負担を3割とすること、高額介護サービス費については一般区分の負担限度額を高額療養費並みに引き上げることについては速やかに実施して世代間の公平性を図るとともに、世代内での公平も図るために取り組みを進めていただきたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 では、鷲見委員、お待たせしました。

○鷲見委員 15ページの居宅支援事業所の権限移譲についてでございますが、平成18年度の改正において包括的継続ケアマネジメントの実現を目指して包括支援センターが設置されてケアマネジャーに対する支援がうたわれました。

 しかしながら、いまだ人材の確保や機能が十分でない現状でございます。保険者に指導権限を付与するときには、中立性を保持しようとする居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーのケアマネジメントに制限がかかることがないよう、地域の介護支援専門員の職能団体等と連携するなど、保険者の責任を担保できる体制をしっかりとっていっていただきたいと思います。

 今回のこの取りまとめについて、特に修文ということはないと思っております。利用者の方々の生活というのは一つ一つが積み上げでございます。ですから、生活の継続性ということを踏まえた議論を丁寧に今後も進めていっていただきたいと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、鈴木隆雄委員どうぞ。

○鈴木()委員 ありがとうございます。私は1点だけ、ページでいいますと10ページくらいから「介護予防の推進」とありまして、中でも12ページになりますと認知症施策の推進というところが出ております。これらを拝見いたしますと、特に認知症対策については非常に手厚く書かれておられるのですが、認知症の予防対策ということについて全く言及がないと思います。今後、日本の高齢社会、特に後期高齢者がふえていく状況の中で、認知症が現在460470万人、これが700万人近くまで上がるといったようなことや、認知症というのは臨床的に診断がつきますと予防対策は非常に難しい。その場合はいかに良質なケアを提供するかということになりますので、やはり予防対策を今後しっかりやっていかないといけないだろうと私は思っております。

 また、予防対策、特に軽度認知障害の方々に対する発症遅延や予防対策の科学的根拠というのはかなり世界中でも蓄積しておりますし、日本で2014年に認知症サミットのレガシーイベントが開かれておりますけれども、そこでもかなり大きな時間と労力を割いていろいろな議論や意見交換がなされたことは多分、厚生労働省さんとしてもよく御存じだと思います。そういう視点から見ましても、やはり認知症予防対策も今後引き続き、例えば科学的根拠に基づいてより一層の取り組みの強化をするといったようなことをぜひ一文だけでも加えていただければありがたいかと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、少しこちらへいきましょう。それでは、武久委員、折茂参考人、その次は馬袋委員ということで、まず武久委員どうぞ。

○武久委員 まず12ページに認知症のことが書いてございますけれども、皆さん御存じのように介護保険では認知症があるかないかというのが非常に大きな要介護認定の要素になっておりますが、この介護施設なり、介護のサービスを受ける前の段階というのはやはり医療がどうしてもありますね。

 特に、一番近いのは回復期、慢性期医療の場だと思いますけれども、慢性期でも医療区分の中には認知症の判定項目が全くありません。ここは介護保険部会ですから、別なんだよと言ったらそうかもわかりませんけれども、社会保障審議会の中でありますし、これは一人の患者が継続してくるわけですが、慢性期病床からきた場合には認知症に対するグレードは全くわからなくて、ちょっと認知症がひどいから気をつけてねというくらいで来てしまって、大変困るということもございます。

 回復期、地域包括ケアにもこの規定はありません。28年度に一般病床のほうで看護必要度に2項目入っただけでございます。ここは、やはり一人の患者が同じ道の上をずっといったりきたりするという意味からすると、ぜひ認知症に対する評価というものを入れていくのがいいのではないかと思います。

 それから、21ページのように医療と介護が連続していくときに、そこの間をケアマネジャー等が対応していくわけでございますけれども、基本的に一番の問題はアウトカム評価が5ページに載っていますが、私は前にも言いましたけれども、よくなって喜ぶ要介護者と喜ばない要介護者がある。それで、事業所と本人と居宅ですね。居宅は、要介護認定が低くなりますといろいろなサービスを提供できなくなるんです。事業所も当然そうです。それで、一般的には事業所と居宅というのは同じ経営者でなっている場合が多いので、ここからしますと要介護認定が軽くなると事業所のサービスは減るというマイナス面があります。これは制度上の問題ですけれども、本人も要介護4から要介護2になったら何か損をしたような雰囲気になる。ここにはちらっと書いてございますが、ここは抜本的なシステムの改革が要るのではないかと思います。

 それで、介護職員のことについては1ページにありますけれども、間違いなくここに書いてあるとおりサポートする若い人は減っていくわけです。ところが、2035年の白書、または2025年の白書にもこのことはほとんど書かれていない。これが厚労省の共通問題意識になっているのかどうか。このためにロボットで対応するんだといっても、人間が行うこととロボットが行うことは当然分別されるわけですから、ロボットがほかの人のかわりをするんだといっても人が特に大きく減るということはないのではないかと思います。

 そういう意味で、特によくなった。本当は介護保険というのは要介護状態の改善に資することが大前提になっているのですけれども、特に入所の場合は先月要介護4だったのが要介護2になった途端に収入が減るということもあります。だから、このあたりは何とか非常に優秀な厚労省のお役人が、よくなっていったら評価していく。それはお金を渡すか、サービスで渡すか、そういうことは別として何かそういうインセンティブが働くようなシステムにできればしていただいたほうがいいんじゃないかと思います。

 それから、小規模についてですけれども、小規模はどんどんふえているのでしょうか。これは地域密着型のほうですので、人口が少ないところに優先的というか、そこは市町村が独自に認定して行うわけですけれども、中途半端な中小都市の場合はいわゆるデイサービス、デイケアは延べ1,000人以上の場合は削減というか、減点がありますが、やはり規模がある程度あったほうが効率はいい。

 しかも、地方で余りない場合にはこういう制度も私は必要かと思いますけれども、全般的に調査結果を見ますと7%くらいの利益率が出ているのですが、実際に現場でやってみるととんでもなく出ないので、この辺のところがわからない。だから、普通にデイケア、デイサービス、そして訪問もやっていてショートもやっているようなところが、さらにそこに小規模をつくるというメリットは全くないのではないかと思いますので、この辺の整理をどうするかということも問題であるかと思います。

 それから、やはり要介護認定の制度というのは非常に複雑で、私も医師として参加しておりますけれども、このあたりの改革、また障害者を将来入れていくとなるとこの仕組みも変わっていくということもございまして、全体として問題点はいろいろ入っておりますけれども、さらにこれを核として大きな改革を30年に期待したいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、折茂参考人どうぞ。

○折茂参考人 資料1の「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」の17ページです。この部会の構成委員である全老健の東会長の意見を取り入れて頂いて、通リハと通所介護のところを書きかえていただきましたが、1つここで質問がございます。通リハと通所介護は基本通所ですし、介護報酬体系でも時間設定はほぼ同じに統一しているわけですから、この最後に書いてある「一方で、サービスの利用時間等については類似していた」というのは当たり前のことであって、かつこれが同じだから、その効果が比較検討できるわけです。この最後の「サービスの利用時間等については類似していた」というのをあえて書く理由というのは何なのかというのが1つ質問です。

 2つ目の質問は、意見といいますか、わかりづらいのでちょっとお聞きしたいのですが、療養病床のあり方のところで新類型の基本的性格には『要介護高齢者の長期療養・生活施設』と書いてあります。『長期療養・生活施設』というのは『終生施設』と読みかえることができないわけでもなく、住み慣れた我が家、地域で住み続ける在宅復帰など、家庭での生活というのがもともとの介護保険制度の根本的な目標であったはずです。そこに今回、介護保険制度の中に終生の施設を組み込むというのは、これまでの介護保険制度の方針が何か変わったと思われかねないところもあるものですから、これについて御説明いただければと思います。

○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。

 それでは、老人保健課長お願いします。

○鈴木老人保健課長 まず、第1点目の17ページのリハビリテーションのところの「利用時間等については類似していた」ということでございますが、通所リハビリテーションと通所介護につきましては利用時間の仕切りについては若干、実は異なっておりまして、通所リハビリテーションにつきましては短時間のほうも見ているというところと、通所介護については逆にいうと長時間のほうの区分けが多いということでございます。そういったところを比べまして見たところ、事実関係として類似していたという事実をここで書かせていただいているところでございます。

 それから、今回の新しい施設ですが、もともと今回の新しい施設の設置の考えにつきましては現在の介護療養病床がどういう機能を持っているのか。それを引き継ぐという観点から検討させていただいたところでございます。

 その中で、現在の介護療養病床につきましては一定程度の医療が必要な患者さんが入っているということと、医療ということで病院の病床ということよりも、やはりある程度の長い患者さん、最期までみとりを行っている割合も非常に高いということがありますので、そういったところを勘案しますと、一方で生活施設にもなっているというようなことで記載をさせていただいております。

 これによって、今回終生施設と新しく位置づけるかというところまでの議論ではなくて、事実関係といたしましてそういった機能が求められているといいますか、介護療養病床につきましてはそういった機能を担ってきているので、今回新施設についても同様の機能を担っていただくというようなことで書かせていただいているところでございます。

○遠藤部会長 折茂参考人、いかがでしょう。

○折茂参考人 そういうお答えであるというのは想像しておりました。別に介護保険制度の根本を変えたわけではないということが確認できれば、それはそれで結構です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、馬袋委員どうぞ。

○馬袋委員 ありがとうございます。私は人材の育成のことについて、意見でございます。

25ページですけれども、上から中段に「〇」がありまして、「このため、各施設・事業所における介護人材育成に際しては」というところの2段下にあります「各施設・事業所における人材育成の取組が推進されるよう必要な支援を行う」ということについて意見なのです。

 介護人材の育成についてなのですけれども、介護労働安定センターの調査で、介護労働者の就業の実態の調査があるのですが、この調査結果によりますと、「利用者に適切なケアができていないという不安がある」と46.4%もの専門職が思っています。それから「介護事故、転倒とか誤嚥だとか利用者にけがを負わせてしまう不安がある」というのが24.7%、「利用者の行動が理解できず対処方法がわからない」というのが9.5%という結果が出ています。介護の専門職という内容の中で、非常に不安を持っているというのも事実です。

 その面では、この人材育成についてなのですけれども、これら実践のスキルにも不安があるということは人材の育成が難しい。それがイコール安定した人材確保につながらないという現状があります。

 その面では、人材育成の取り組みが推進されるような必要な支援ということですけれども、国として具体的に支援する仕組みとして何ができるのか、手順の明確化で不安解消につながるのか、それだけではないと思うのです。やはり専門職だということであったとしても、技術があっても実践の中での悩みとか不安、不満を抱いている。これを解決するには、やはり介護能力の向上ということが一番必要なのであろうと思います。そこには介護分野で、特に介護技術・運営をマネジメントする立場の人材が養成できていないという不安もあります。

 そういった面では、OJTなどによる人材育成を進めるということを実際的に実施し、不安を解消し、または自己の安全、育成について体系的に行われている事業所は非常に少ないのではないかと思います。ぜひ、その面では現場でOJT研修について積極的に支援して、不安のない働きがいのある職場づくりを通して人材の確保・育成というような内容の政策につなげていただきたいと思っています。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、こちらで齋藤訓子委員、清原参考人という順番でお願いします。

○齋藤()委員 利用者の高齢化とともに複雑なニーズを抱えた方や医療の関与が高い方々が介護保険を利用されるので、今回の取りまとめの中で医療と介護の連携についてきちんと明記されたことは非常に評価したいと思っております。

 医療介護連携については市町村事業や、何らかの仕組みの整備について書かれているのですけれども、やはり個別の事例についてはケアマネジャーとほかのサービスを担う職種がどういうつながりを持つかが非常に重要で、このたびの意見書では15ページにも、それから21ページにも、特に今、入退院時の情報共有が不足しているということが指摘されています。

 ただ、私が一つ懸念しているのは、医療介護連携が重要になるのは入退院時だけではないということです。入退院時ばかりではなく、ほとんどの方々は通院等で医療を受けながら介護保険サービスを受けていますので、在宅療養を続けていくためにはケアマネジャーがどのようにプランニングするかが非常に医療介護連携の鍵になると思っております。

 ですので、適切なケアマネジメントのために適切なアセスメントということが15ページ目の「〇」の2つ目に総論としては記載されていますけれども、挙がっている事例が入退院時だけに見えてしまいますので、修文が可能かどうかはわからないのですが、医療介護の連携強化に向けて、それぞれの職種が連携先にアプローチしやすい仕組みや、必要に応じてケアマネジャーが医師や看護師、リハビリ職等の医療職に相談ができ、助言を受けられる仕組みを制度や報酬、あるいは市町村事業の中で整備していくことも必要ではないかと思っております。

 どうも入退院時のところは非常に強調して書かれている印象があるのですけれども、それだけでは不足だということを少し懸念しております。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、清原参考人お願いいたします。

○清原参考人 ありがとうございます。全国市長会副会長を務めております、東京都三鷹市長の清原慶子です。本日、大西・高松市長が公務の都合により出席がかなわないため、代理として出席させていただきます。よろしくお願いいたします。

 介護保険部会の皆様には、このたび介護保険制度の見直しに関する意見案の取りまとめに当たり、熱心な御審議をされてこられたことに敬意を表します。本日、最終的な確認の段階に当たりまして、これまでの審議経過を踏まえ、都市自治体の立場から3点に絞って意見を申し上げます。なお、意見案についての修正を求めるものではありません。

 まず、1点目です。意見案の6ページの「インセンティブの付与」のあり方について申し上げます。インセンティブの付与については、保険者等による地域分析とPDCAサイクルによる経営に資するように、都道府県や市町村に対する財政面でのインセンティブを設けることを検討すべきとされています。

 さて、去る10月、財政制度審議会において、調整交付金の割合を引き上げ、給付適正化の成果指標に応じて調整交付金を傾斜配分する枠組みを導入すべきと提案されました。

 しかしながら、調整交付金につきましては、まずは本来の機能の強化に努めるべきであると考えます。調整交付金の割合は、本来介護給付費等の5%ですが、例えば三鷹市の平成27年度の交付割合は3.87%であり、5%算定と比べて約1億円の不足です。不足分は第1号被保険者の保険料で補てんしておりまして、三鷹市のように本来の割合での交付を受けていない保険者も多くあるのが実態でございます。

 こうしたことから、国が調整交付金を用いてインセンティブ付与を行うということは、高齢化が極端に進んでいる自治体の場合は、保険者の介護予防改善等の取り組みの成果が出にくいようなことも考えられますので、調整交付金そのものが削られてしまいかねないということであり、懸念しています。

 本意見案では、長寿化が進む中にあって、国民の視点から「介護保険の持続可能性」を検討する上で、「地域包括ケアシステムの深化、推進」を重視し、具体的には「自立支援、介護予防に向けた取り組みの推進」、「医療介護の連携の推進」等、また「地域共生社会の実現の推進」、「介護人材の確保等」について提起しています。

 三鷹市でも、国の掲げる地域包括ケアシステムの構築に向けまして、多くの事業に取り組んでおります。例えば、医師会、歯科医師会、薬剤師会、市内の杏林大学医学部附属病院、地域包括支援センター等を初めとした多職種の連携によりまして医療・介護連携の取り組みを進めています。

 認知症施策におきましても、「認知症にやさしいまち三鷹」をスローガンに、医療・介護の関係者はもとより、幅広く市民の皆様と協働で認知症サポーター養成講座などの啓発事業を実施するなど、認知症の高齢者を支えるための取り組みを続けています。

 このような事業の中には、実は介護保険制度とは別に一般会計で実施しているものも多くあるわけでございます。そこで、介護保険財政の安定的運営の観点や介護予防、要介護度改善の取り組みへの意識を高めるためにも、インセンティブ付与ということは極めて重要です。そして、そのための財源ですが、「調整交付金とは別枠で確保するべきである」と考えます。

 なお、インセンティブ付与に関する、とりわけ評価制度等の新しい取り組みにつきましては、都道府県、そして市町村との協議の機会をぜひつくっていただきますようお願いいたします。

 次に、2点目でございます。意見書案36ページから38ページの「3.費用負担(総報酬割・調整交付金)」について少し触れさせていただきます。本意見案には、これまでの間の多様な御意見が丁寧に列挙されていることは極めて有意義です。高齢化の進展に伴い、介護給付費が増大し、第2号被保険者の保険料負担が増加していく中で、介護納付金への総報酬割の導入については、我々市町村も地方公務員共済の事業主として負担がふえることを勘案しつつ、建設的に議論していく必要があると考えています。

 実は、私は東京都市町村職員共済組合の議員を務めておりまして、しかも医療費増高対策委員会の委員を務めておりますことから、医療保険の持続可能性についても責任を担っていると認識しています。そして、市長の一人といたしましては、介護保険の保険者として介護予防、要介護度の改善、市民の皆様の生活の質の向上に取り組みまして、介護給付費の削減という効果を生み出すことが求められていると認識しています。

 そこで、仮に総報酬割を導入した場合に軽減される国費分については、意見案には「健康保険組合への支援」や「介護保険の分野で活用すべき」との意見があり、あるいは「介護人材の処遇改善に」という御意見がございました。都市自治体といたしましては、「介護予防、要介護度改善のための取り組みの充実」にも充てることを検討していただければと考えております。それが可能となりますれば、介護給付費の削減に資するのではないかと考えます。

 最後に、3点目でございます。本意見につきまして、国民及び自治体等へのPRをお願いしたいと思います。本意見案が確定した場合には、「持続可能な介護保険制度」を検討する上で重要な論点がまとめられていることから、幅広く国民及び自治体等に広報をお願いいたします。持続可能な社会保障制度のあり方については国民的議論が必要であり、本意見がその一つのきっかけになるものと考えております。

 特に、利用者負担において現役並み所得の方の負担割合を2割から3割に引き上げることと仮になる場合には、この間、短い間に利用者負担が1割から2割になり、さらには2割から3割になる方も少なからずいらっしゃるわけでございます。国には、特に丁寧な広報及び御説明をお願いいたします。

 以上、都市自治体の立場から3つに意見を絞って申し上げました。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、齊藤秀樹委員どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。これまでこの部会では、個別の課題について2巡、中には3巡の議論をしてきたわけでありまして、それぞれの立場から賛否両論があったわけですけれども、この取りまとめにおいて私は非常に事務局は丁寧にその取り扱いをしていただいたと認識しておりまして、この点は厚く御礼を申し上げたいと思います。その上で、2点だけ意見といいますか、申し上げたいと思います。

 1つ目は、先ほど来、伊藤委員や鷲見委員からもお話がありましたが、今回高齢者の負担増も踏み込み不足だという御指摘もあるわけでありますけれども、今お話がありましたように1割から2割、さらには3割という短期間の中で、こういう制度改正の中で影響を受けるという人も出てまいりました。

 それから、前回入れた2割負担についても大きな支障がなかったということが全体の受けとめ方でありますが、この後、これがどのような影響が出てくるかということは私どもとしても注目したいと思っておりますし、とりわけ遠藤部会長は医療の方にもかかわっておられますので、医療、介護を含めると高齢者全体からすると負担増は非常に大きなものがありそうだという理解でありますので、高齢者の生活全体を見渡した上での負担のあり方というのは今後丁寧にお進めいただくようにお願いをしたいというのが1点であります。

 2点目に関しては少し各論めいた話でありますが、24ページであります。介護ロボットやICT化についての記述がありまして、追記もされているわけでありますが、この実証事業の成果を十分に踏まえた上でというただし書きがありますので、ある意味、安心はしておりますけれども、報酬改定の中で人員や設備基準の見直しを進めたいという意図がある書きぶりだとも思っております。

 今後、これはよく見極めた上で進めていくということが大事な点だということも書いてありますけれども、事業者側の効率的なことのみにかかわらず、利用者や家族にとってもやはり安心できるものでなければいけないと思いますので、ぜひこの辺は利用者や家族の視点というものも踏まえた上での今後の検討を慎重にお願いを申し上げたいと思います。以上であります。

○遠藤部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでございましょうか。

 それでは石本委員、続きまして河村参考人、お願いいたします。

○石本委員 ありがとうございます。1点、今後いろいろ整理されていくに当たりまして、ぜひ御留意賜りたい点を申し述べさせていただきます。

 介護人材についてなのですが、今後重点化、効率化、合理性を持ってというところで、資格がある人とない人、そこで役割を整理していくというのはそうであろうと思いますし、私どもの団体としても、そこについてはしっかり向き合って取り組んでまいりたいとは思っております。

 ただ、その中におきまして、やはり生活を支えるという部分で申し上げますと、直接的にかかわる身体介護だけに専門性があり、それ以外の場面には専門性がないというような一義的な判断といいますか、整理のつけ方というものには私どもとしてやはり違和感を覚えるところでございます。

 生活支援の場面でこそ発揮される専門性、もしくは専門的支援、かかわりというものもございますので、そういったところには十分御配慮いただきまして、家事援助だから専門性は要らないでしょう、というような乱暴な整理にはならないように、ぜひその点だけ御留意賜りたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、河村参考人お願いいたします。

○河村参考人 全国町村会の藤原会長の代理で2回ほど出席をさせていただき、その切には特に町村の場合に軽度者に対する支援サービスの新たな地域支援事業の移行について、高額な福祉用具の貸与に際しての保険者了承制度の導入については保険者として、この部分については懸念を申し上げたところでございます。

 また、今までいろいろな立場の委員の皆様方からの議論をお聞きしまして、この意見書においては非常に丁寧にいろいろな意味でまとめ上げていただいたのではないかと思っております。

 また、先ほど財政の問題、あるいはこれから保険者である市町村の財源的な問題については、三鷹の清原市長さんからお話がありましたが、全く共通をしております。特に、いろいろな意味で介護保険を報酬でやっているわけですけれども、それだけではなくて地域の市町村の住民の安全・安心、あるいはいろいろな問題が出たときに、それをただ単に規則があるから、ないからということだけではなくて対応しているというのが実態でございます。恐らくどの小さな町村でも、一般財源をある程度投入しながら、問題があった部分をその時点で解決していくということが我々に求められているのではないかと思います。そういう点では、小さい町村でありますけれども、そういう努力をしながらいかに財源の確保をしていくか。それが一番大きな問題でございまして、今後もその点につきましては清原市長の提言のように、十分に国でも財源確保について努力をしてほしいと思います。

 それから、意見書に対する修正を求めるものではありませんけれども、地域マネジメントの取り組みの評価指標の作成に関してであります。市町村、特に町村については規模が違いますので、統一的に一定の指標をつくって、それを当てはめるということについてはなかなか難しいという話をしてまいりました。そういう点では、市町村の取り組みを抑制したり、あるいは逆に評価のための取り組みを促したりすることがないように、今後ともいろいろな制度設計をする上においては、市町村は大きいところから小さいところまであり、また地方交付税をもらっていない市町村、あるいは交付税が相当の部分その町村の中で財源がそろわないと行財政が運営できていないということもありますので、そういうことを含め今後とも丁寧に時間をかけて議論をしていただきたいと思います。

 最後でございますけれども、委員の皆様方がそれぞれの立場でいろいろな意見を交わしながら、制度の見直しに対する議論をここまでしていただきましたことに感謝を申し上げまして、意見とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○遠藤委員 ありがとうございます。ほかにいかがですか。

 小島参考人、どうぞ。

○小島参考人 発言させていただきます。全国知事会といたしましても、前回の会議以降、都道府県の意見を集約すべくまとめさせていただきまして、本日は黒岩委員提出資料として裏表の10項目にわたる意見を出させていただきました。

 こちらの意見は、前回の会議の直後に提出をさせていただきましたので、既に今回の意見案に盛り込まれているものが多々ございます。その点については、事務局並びに部会長の尽力に感謝を申し上げたいと思います。

 また、私どもは先ほど清原参考人からもお話があったように、3番目の項目に挙げておりますインセンティブの付与といったものについても全く清原市長さんと同じ考えでおりますので、ぜひともこの検討に当たりましては都道府県市町村の十分な協議を踏まえた上でお願いしたいと思っております。

 今回、介護保険制度を引き続き持続可能な制度とすべき、そういった内容で議論がありまして一定の方向性が示されたことについては、私ども都道府県としては大変歓迎をしているところでございます。また、それぞれの立場で議論が深められ、まだ収束を見ていない議題、課題も多々ございますが、そうした議論がされたことは大変有意義であったと思っております。

 そうした中で、今回の取りまとめの最終ページにございますけれども、「おわりに」ということで42ページに下から2つ、これから国並びに我々も努力しなければいけないのはこれに尽きるかと思っております。

 1つ目は、やはり何と言いましても保険者機能を強化しなければいけないという佐野委員の御発言にもありましたが、確かに全国1,500の市町村の保険者はかなりばらつきがございます。それというのも、受けとめ方にばらつき、温度差があるかということもあります。これまで厚生労働省が総合支援事業を導入するときにも、きちんと主管課長会議等を開いたり、または担当者を集めた説明会等を十分丁寧にやっていたとは思うのですが、今後とも引き続き丁寧な対応をお願いしたいと思っております。

 また、さらに都道府県市町村は年明け早々から多分、次期介護保険事業計画、支援計画の立案作業に着手すると思っております。そうした中で、今回介護保険データの見える化というものがあって、次期計画策定にはこのシステムが大きく活用されるということでございますので、ぜひともこのシステムの活用についていち早い情報提供を、市町村担当者を交えてやっていただきたいと思っております。

 そうした意味で、市町村は次期計画の中ではそういうことを導入しなければいけない。さらには、総合事業への移行をしなければいけない。または、先ほど鷲見委員からもございましたが、居宅介護事業所の指導監督を担わなければいけない。そういったかなり事務負担が増加することが予想されていますので、そうした部分にもこちらの最後の「おわりに」にも書いてございますので配慮をしていただき、きちんと早め早めの情報提供、または丁寧な対応をしていただければと思っています。

 そういうことで、私ども知事会としてもその辺の要望に尽きるかと思っておりますので、取りまとめ案そのものについての修文は特にはございません。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 ありがとうございます。私は、ことし2月17日に行われた第55回の初めての社会保障審議会介護保険部会において席上、重要ではあるとはいえ、単なる制度論であるとか財政論からの議論ではなくて、社会政策ないしは社会学という立場からこの審議会で述べていくということを表明しました。

 歴史研究にかかわる者として、なかなかこういう議論というものは後から振り返ると非常におもしろい研究ができると思っているのですけれども、今まで私は研究者として介護保険制度について申し上げたことがなかったのですが、このような審議会という機会を得ましたので思うところを述べました。

 俗論であるとか、あやふやな議論というのは、いずれ議事録や審議会資料などのマテリアルにより歴史研究者から判断されると思いますけれども、時間の制約もあり、2度にわたって各審議会における議論について意見、指摘を行いました。

 議事の制約された時間から、それについて審議会での席上、一々読み上げることはしませんでした。議事録にはほとんど残ることはないと思いますが、1116日の第68回、次いで1125日の第69回の意見提出の2回の内容を、既にもう今回審議が終了いたしましたけれども、関係各位、厚生省、傍聴者、またマスコミ等の関係者は、審議会の議論を別の面から考えるということでぜひお読みいただきたいと思います。事実に忠実に即した、また歴史的経緯を踏まえた客観化した議論が望まれます。

 一方、9月7日の第63回の審議会の翌日、実は小規模多機能でお世話になっておりました要介護5の私の母を亡くしたのですが、毎日、小規模多機能を使ってサービスを利用させていただきました。長時間の審議でその日は会えませんでしたけれども。介護の現場で働く方々、認知症の親を毎日現に家族介護する立場から、よきケアを行っている現場に少しでも意味のあることと念じ、また介護保険制度に私は大変感謝しておりますし、またケアマネジャーにも感謝しつつ、発言いたしました。

 今回、日本医師会の鈴木理事から指摘がありましたけれども、消費税引き上げの2年半に及ぶ延期という厳しい環境の中で議論が行われるということでありました。したがって、内容は時に負担を求めるものとなっております。

 一方、先ほど来、委員の先生方が御指摘されましたけれども、負担を考えない給付設計はあり得ないということだと思います。サービス提供側や利用者側は、厳しく自覚するべきであると考えます。

 介護報酬分科会とは異なり、将来を展望しつつ議論するのが介護保険部会であると考えます。新しい目、将来に生きていく内容がこの意見書には多く含まれています。先ほど各委員の方々から非常に丁寧に意見を拾って書いてくださったというお話がありました。私もそう思います。

 繰り返しになりますけれども、非常に厳しい財政的な制約の中で、この負担という部分にのみ着目されるわけなのですが、それ以外にも新しい目、将来に生きていくような内容というものが数多く含まれていると私は考えております。いずれ生きていきます。厚生省の事務局の取りまとめに、大変深く感謝しております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。ほかにどなたかございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、花俣委員どうぞ。

○花俣委員 全ての議論が終わったところで大変申しわけないのですけれども、実は草案の2ページとか10ページ、112842ページで、「要介護状態の軽減・悪化の防止」、あるいは「要介護状態等の軽減もしくは悪化の防止」という表現が幾つも記載されているのですが、介護保険法にも「要介護状態の軽減・悪化の防止」という言葉もあります。軽減と悪化の防止という表現が含む意味については、少し課題があると思っております。これについては、正しい理解を求めたいと思います。

 何よりも、病気や障害によって要支援、要介護状態にあることは本人が望んでいることではないということ。それから、介護保険などの支援により、よくなることがあっても、また悪くなるという状態を繰り返しながら衰えていく人生の最期を迎える現場には、介護にかかわる人たちはたくさん向き合ってこられていると思っています。認定者も介護者も、できることならばよくなりたい。軽減・悪化の防止をしたいと願っているわけで、それは当然のことだと思います。

 しかし、そうはならないからこそ、病気や障害があってもその人らしい暮らしができるように支えるために介護保険制度の存在意義があるのではないでしょうか。したがって、軽減・悪化の防止という言葉には、病気や障害を持つ人に対してやや否定的な意味合いをもしかしたら含んでいるのではないかと懸念しています。

2014年に日本が批准した障害者権利条約では、第5条の平等及び無差別で、いかなる差別もなしに法律による平等の保護及び利益を受ける権利を有することを認めるとあります。第17条の、個人をそのままの状態で保護することで、全ての障害者は他の者との平等を基礎として、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有するとあります。

 介護保険法が成立したのは、この障害者権利条約を批准する前のことであって、権利条約の理念に沿った表現の修正も必要ではないかと考えます。

 今回の意見のまとめでは間に合わないこととは思いますが、軽減や悪化の防止という表現の妥当性については、今後の議論のテーマとしていただけないかと願っています。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。ほかによろしゅうございますか。

 どうも活発な御議論ありがとうございます。本日、この見直しに関する意見書案が提出されまして、さまざまな御意見が出ました。意見書の内容について、改めて御主張されるという方もいらっしゃいましたし、あるいは今後の検討課題についてお触れになった方もいらっしゃいます。あるいは、この意見書の内容を実施する上での留意事項についていろいろと御示唆をいただいたということもありました。

 お話を伺っておりますと、大変どれも貴重な御意見で、非常に重要な御指摘だと思います。

 修文につきましても触れられた委員もいらっしゃいましたけれども、いろいろな御意見があったことは議事録にとどめるという形にさせていただいて、内容そのものはこの意見書の文言の修正はしないという形ではいかがかと思いますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 では、そのような対応をさせていただきます。

 したがいまして、この意見案を当部会の意見書という形にしたいと思います。どうもありがとうございます。

 それでは、最後に老健局から御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○蒲原老健局長 ことしの2月から長い期間にわたりましていろいろと御議論、御意見をいただきまして本当にありがとうございました。

 本日、今、委員長から話がございましたとおり、一定の中身ということでおまとめいただきました。本当にありがとうございます。

 もちろん、今、委員長から話がございましたとおり、このまとまってもらった意見書の中身も当然ですけれども、本日出た意見、あるいはこれまでの会議の中で各委員の先生からいただいた意見というものをよく事務局として頭に置きまして、これからさらなる取り組みがございます。

 1つは、これを踏まえまして制度改正の中身を整理していくところもございますし、近々であれば予算について対応を考えていくところもございます。さらには、そうした法律予算にかかわらず、やはり現場でこの介護保険の仕組みがきちんと生きていくということが大事なので、そもそも制度化した以外にもきちんと運用していくということが大事だと思います。

 そういった意味では、本日委員として参加していただいている先生方、あるいは幅広く介護保険にかかわっている皆さん方に現場の声を聞かせていただいてやっていきたいと思っています。

 事務局一同、これから頑張っていきたいと思いますので、またよろしくお願いします。これまでの会議におけるいろいろな御意見、本当にありがとうございました。

○遠藤部会長 私からも一言、委員の皆様におかれましては2月から本日まで精力的な御意見をいただきましてどうもありがとうございました。私からも、御礼申し上げたいと思います。

 それでは、以上をもちまして本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。

 本日は、以上でございます。ありがとうございました。


(了)

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