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2016年4月27日  (平成28年4月27日) 第2回遺伝毒性評価ワーキンググループ 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成28年4月27日(水)10:00~


○場所

厚生労働省仮設第一会議室


○議題

平成28年度に実施するスクリーニング試験の物質選定について ほか

○議事

○平川化学物質評価室長補佐 本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより「第2回遺伝毒性評価ワーキンググループ」を開催いたします。本日は委員全員が出席の予定ですが、本間先生が若干遅れての到着予定です。また、発がん性評価ワーキンググループの西川委員と若林委員には、特別参集者として御参加いただいておりますが、本日は西川委員が欠席となっております。それでは、以下の進行は座長の清水先生にお願いいたします。
○清水座長 まず議事に入る前に、事務局から議事次第と資料の確認をお願いいたします。
○平川化学物質評価室長補佐 本日の議事は主に2点あります。1点目が、平成28年度に実施するBhas42細胞を用いる形質転換試験の物質選定について、2点目が、平成28年度に実施する微生物を用いる変異原性試験の物質選定についてです。本日の資料ですが、議事次第、資料、参考資料を全て1点止めにさせていただいております。ページ数については、右下に通しページを振っております。議事次第と配布資料を除き、資料1-1から1ページということで振っております。
 資料1-1が、「平成28年度非遺伝毒性発がんスクリーニング試験対象物質の選定方針」です。資料1-2が「平成28年度形質転換試験の候補物質リスト(その1)」で、3ページです。資料1-3が「平成28年度形質転換試験の候補物質リスト(その2)」で、5、6ページです。
 資料2-1が、「平成28年度の遺伝毒性評価WGにおける、文献調査による遺伝毒性評価対象物質」です。この中で今回は61物質を掲載しております。資料2-2が「エームス試験候補物質」ということで11ページからです。
 参考資料1が「遺伝毒性評価ワーキンググループ参集者名簿」ということで、13ページからです。参考資料2-1が平成26年度、27年度に行った「非遺伝毒性物質に対する形質転換試験の結果一覧」で15ページからです。参考資料2-2が「Bhas42細胞を用いる形質転換試験による調査の基準」ということで、17、18ページです。参考資料3-1が「平成28年度遺伝毒性評価WGにおける遺伝毒性評価の進め方(文献調査による遺伝毒性評価)」ということで、19~21ページまでとなっております。参考資料3-2が「職場で使用される化学物質の発がん性評価の加速化(詳細)」ということで、全体の流れを示したもので、23ページとなっております。不備がありましたら、事務局までお願いいたします。
○清水座長 資料は全部そろっていると思いますので、これから議題1に入りたいと思います。「平成28年度に実施するBhas42細胞を用いる形質転換試験の物質の選定について」ということで、事務局から御説明をお願いいたします。
○平川化学物質評価室長補佐 資料1-1については前回のワーキンググループで、この内容の説明をさせていただきました。平成28年度の試験は26年度、27年度と同じく、16物質を国で行う予定としております。その物質の選定に当たり、本日御議論いただくわけですが、考え方としては遺伝毒性なしと判断された物質の中から、試験物質を選定することになります。
 1の(1)は国内の製造・輸入量ということで、量が多い物質を優先します。(2)は幅広い用途に使用される物質や、開放系での使用が予想される物質を優先となっており、これらを踏まえ、本年度のリストの作成をしております。既にこれまでの会議の中で数量が出ているものを優先に、本日はリストアップをしております。
 まず、今回の資料1-2のリストについて御説明いたします。資料1-2のリストは、平成27年度の遺伝毒性評価ワーキンググループで出ていたリストから、平成27年度に実施した物質を抜いたものです。当時から試薬が入手可能で試験の実施ができると言われているものとしてまだ残っているので、こちらが優先されるだろうということでお示ししております。製造・輸入量についても化審法で1,000t以上となっております。
 資料1-3については、遺伝毒性なしと判断された物質について、数量にも留意して、新たにまとめました。構造活性相関が総合判定「-」ということで、有害性に関する情報がそろってはいないのですが、一方、化審法で集計される製造・輸入量から、当該化学物質もかなりの量が取り扱われている状況にあると考え、選んでおります。物質の数としては38物質ほどあり、中でも網掛けをしてある12番、13番ですが、12番のクメンについては既にリスク評価対象物質となっており、リスク評価の結果、リスクが低いと評価されているものです。13番のメチルイソブチルケトンについては、がん原性の観点から、特別有機溶剤として、既に特定化学物質障害予防規則で規制されている物質です。昨年度からの候補となっている8物質に加え、36物質をリストとして加え、この中から16物質を選んで、今年度形質転換試験を実施することといたします。
 あと、参考資料について説明させていただきます。参考資料2-1には、これまで厚生労働省で実施している形質転換試験32物質の陰性・陽性の結果ということで、一覧として並べております。こちらを見てまた何かしらの傾向、優先するようなファクター等がありましたら、併せて御議論等を頂ければと考えております。参考資料2は調査の基準ということで付けております。事務局からは以上です。よろしくお願いいたします。
○清水座長 ただいま事務局から御報告がありましたが、資料1-2が8物質、資料1-3が38物質中2物質は既にやらなくてよいということで、36物質あるわけです。この中から16物質を選択することになると思います。今の御説明で御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
○若林委員 参考資料2-1は、ついこの間、平成27年度に議論したところで、硝酸バリウムか酢酸亜鉛のどちらかは忘れましたが、形質転換試験の議論が分かれたところではないでしょうか。これでは全部陽性という格好になってしまうから、この次になると全部陽性で通ってしまうのですよね。ですから、ここはよくチェックしていかないと。これについては確か本間先生と私は、再試験をしたほうがいいのではないかという議論だったのですが、太田先生や荒木先生は、この次のステップでセレクションするからいいのではないかという話でした。しかし、もうこのときにはこれで既に全部陽性になっているから、その議論がなくなってしまった。それでその次に行きますと、大変まずいことになると思うのです。ですから、これは何か印を付けておいて行かないとまずいのではないでしょうか。
○平川化学物質評価室長補佐 そうしますと、評価保留といった形で修正しますか。
○若林委員 この格好でこのまま誰かが違う所でやると、多分全部陽性で行ってしまいますので。
○平川化学物質評価室長補佐 分かりました。
○本間委員 陽性は、今度は中期発がん性試験のための資料ということになりますよね。
○平川化学物質評価室長補佐 そうなります。
○本間委員 そのために、例えば先ほど若林先生がおっしゃったように括弧付きで書いていただくと、優先の中では一番低いと理解されると思います。やはりそういった情報は、確かに中期発がん性試験の品目を選択する上で重要な情報だと思います。
○平川化学物質評価室長補佐 そうしますと、ここには書いていますが、今後、この一覧を出すときには、議論のあったものについては表現を直すという形で修正するということで、対応させていただきたいと思います。
○清水座長 それでは、いかがいたしましょうか。資料1-2の8物質は、製造量から言うと1,000~8万tまでですし、資料1-3ですと、これは皆10万t以上の物質のようです。36物質の中で用途が不明なものが網掛けになっていますね。それ以外の一応用途がはっきりしているものが19物質あるのでしょうか。そうしますと、資料1-2が8物質で19物質ということですから、そういう考え方でこの中からどういうように16物質にするか。これは予算の関係ですね。
○平川化学物質評価室長補佐 そうです。基本的には16物質行う予定ですが、資料1-3の物質を実際に試験ができるかどうかというところもあります。そうしたところも総合的に加味して、資料1-2の8物質は確実に入るとしても、資料1-3は19物質のうち、試験ができない可能性もありますから、そうしたものも総合的に勘案し、最終的に16物質を決めていくという形で進めていければと考えております。
○清水座長 実際に入手できるかどうかとか、試験ができるかどうかということを勘案して選ぶことを、事務局に一任してよろしいでしょうか。
○平川化学物質評価室長補佐 最終的には先生方にも確認等をしていただきますので、一任という形ではなく、後日、委員の先生方に確認を取らせていただきます。
○清水座長 情報だけは流していただくように。
○平川化学物質評価室長補佐 はい。
○本間委員 実際は資料1-2の8物質を優先として選んで、残りの8物質を資料1-3から選ぶということですか。
○平川化学物質評価室長補佐 そういう形です。
○清水座長 資料1-2は、確実にできる物質ということですか。
○平川化学物質評価室長補佐 前回から、できると言われている物質というように承知していますので、これらをまず優先ということです。もし資料1-2が何かしら状況が変わってできないということになれば、資料1-3から持ってくることになりますが、昨年度来、できると言われているものなので、できると理解しております。
○清水座長 それでは、そういうことでまずは資料1-2を優先して、資料1-3の中からできる物質を選んでいくと。その辺はメールででも、各委員に流していただくということで。
○平川化学物質評価室長補佐 そうさせていただきます。
○清水座長 ほかに何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。特になければ、次の議題に進みたいと思います。議題2、「平成28年度に実施する微生物を用いる変異原性試験の物質選定について」ということで、事務局からお願いいたします。
○平川化学物質評価室長補佐 先日の遺伝毒性評価ワーキンググループにおいて、文献調査による遺伝毒性評価を行っていただきました。それを参考資料3-1として、進め方の資料を付けております。特に資料3-1の21ページを御覧いただければと思います。21ページの5で、評価結果を踏まえて次のように対応するということで、丸数字4と丸数字5はエームス試験の候補物質に行きます。あと、今回は評価保留とされているものについても、併せてエームス試験の候補物質に持っていくという形で考えており、資料として付けたものが本日の資料2-1、7ページからです。
 この中の評価困難40物質が、それに当たるものと考えております。それに加え、エームス試験情報なしの21物質というのを付けております。このエームス試験情報なし21物質の取扱いは、参考資料3-1の20ページの上のほうにあり、評価を一旦保留し、構造活性相関予測の候補物質へということになっております。ただ、この中の物質でもエームス試験をやったほうがいいのではないかというものがあれば、入れられるように、併せて61物質のリストアップとしております。
 さらに、資料2-2について説明します。エームス試験候補物質ということで、4物質ほど書いております。これについては、これまで行っている構造活性相関の総合評価で「+」の評価を頂いているものは、エームス試験の候補対象にするとなっておりますので、リストアップしております。ほとんどが製造・輸入量が1,000t未満の物質である中、この4物質については1,000t以上の物質であるということで、優先順位を上げて資料2-1と併せ、今回のエームス試験の候補として挙げさせていただければということで入れているものです。この資料2-1と資料2-2の物質の中から、今年度は約40物質をエームス試験の実施物質として試験をしていただくということで考えています。これについても、また御議論等を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
○清水座長 資料2-1で丸数字5を付けたものが、前回、各委員の先生方に判断していただいたものです。丸数字5が付いている遺伝毒性の有無の判断困難というのが資料2-1では20物質、遺伝毒性ありだが、強弱の判断不能というのが丸数字4で、これが13物質、エームス試験がないものが21物質あります。さらに、資料2-2の4物質を新たに加えることになり、この中から40物質を選んでほしいということです。まず、何か御質問はありますか。あるいは御意見でも結構です。
○太田委員 エームス試験で不備なしで、遺伝毒性の強弱が判断不能というのは、エームス試験をやっても問題ないけれどもということですよね。それはまたエームス試験をやっても同じではないですか。不備なしで遺伝毒性ありだが、強弱の判断不能というのは、再現性を確認するということになるのかもしれないけれども。
○清水座長 不備なしで判断困難というのは、幾つありますか。
○太田委員 遺伝毒性ありだが、既存のものでこれは多分ほかのものが出ていたのですよね。ですからエームス試験に関しては、もうやっても染色体異常が出ていたから。
○荒木委員 私が前回担当したイソブチロニトリルについては、試験機関1か所だけがきちんと5菌株をやっているのですが、そこだけが「+」で、それ以外の試験機関のものは全部ネガティブなのです。それはその試験機関だけの問題なのか、それともその陽性は判断しなくてもいいのかという問題があるのですが、分からないので私はもう1回やったほうがいいだろうと思います。
○清水座長 不備なしで遺伝毒性有無の判断困難というのが16物質ありますね。個々に見ないと、いろいろ問題を持っているものもあるということですね。
○太田委員 取りあえず不備ありというのは、優先順位としてもやったほうがいいと思うのですが、不備なしというのをもう1回当たってみて、荒木先生のような理由があれば、当然やるべきだと思います。後日、委員に確認していただいて、メール等でやるしかないのではないですか。今ここでは。
○清水座長 もう一度、元のデータを見ないと無理ですね。
○平川化学物質評価室長補佐 そうしたら、不備なしで丸数字4か丸数字5になっているものは優先順位として落として、委員の先生方にはまた改めて御相談するという形で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。
○清水座長 不備ありというのが24物質あるのですね。評価保留となっているものもありますね。そうしますと、1つはエームス試験なしというのは、構造活性相関のほうへ回すということでよろしいでしょうか。あとは、資料2-2は優先的に試験に回すということと、不備あり・なしでもう一度、元を見直してもらうということになるかと思うのです。いかがでしょうか。40物質ですよね。
○平川化学物質評価室長補佐 約40物質となっておりますので、場合によってはそれより少なくなる可能性もあるかと思います。できれば40物質に近づけたいというところはありますが、過去の年度の推移などを見ますと、予定している数よりは少なくなっている傾向にあります。
○清水座長 物質が入手できるかとか、期待もあるのですかね。
○平川化学物質評価室長補佐 はい。
○清水座長 それでは、資料2-1の中でエームス試験なしに関しては、ほかに何か御意見はありますか。構造活性相関をするということでよろしいですか。
(異議なし)
○清水座長 では、エームス試験なしのものは構造活性相関に回すと。それから丸数字4と丸数字5に付いているものに関しては、エームス試験の不備なしとありがあるわけです。エームス試験の不備がなくて判断困難なものに関しては、先ほど太田委員のほうから、エームスは一応やってあるということですが、それよりも不備ありのほうを優先すべきということですね。それで不備ありの中で、荒木委員のおっしゃるような物質も出てくるということですので、この辺はもう一度見直して事務局のほうに連絡を頂くと。
○平川化学物質評価室長補佐 不備ありのものは優先順位を上げてやるとして、不備なしのものは優先順位を下げることも加味して、不備なしは個別の委員の先生に御確認させていただくということでよろしいでしょうか。ありのものは今回優先してやるとして、不備なしのものについては、また改めて御相談させていただく。担当委員の先生に確認するか、場合によっては担当委員の先生に確認した上で、また委員の皆様に改めてお諮りするという形で進めていきたいと思います。
○清水座長 不備ありが24物質あるのですね。それと、資料2-2のほうは優先していいわけですね。
○平川化学物質評価室長補佐 はい。
○清水座長 では、不備なしのほうに関して、もう一度見直していただくということでよろしいでしょうか。何かほかに御意見はありますか。
(異議なし)
○清水座長 事務局から何かほかにありますか。
○平川化学物質評価室長補佐 この件については、今決まった内容に沿って、これから事務局として対応させていただきたいと考えております。
○清水座長 では、いつまでに返事を頂くということになりますか。
○平川化学物質評価室長補佐 エームス試験の実施については、厚生労働省の委託事業ということで行っており、できれば余裕を持ったスケジュールを立てて進めていただきたいというところもありますから、少なくとも5月に。物質の選定となりますと、できる限りこういった物質をやるということで、実際に試験機関に応募していただいて進めたいと思いますので、可能な限り5月の早い段階で、またこちらのほうで御依頼を掛けたいと思います。また、締切りについても事業のスケジューリングと併せての対応となりますので、先生方には申し訳ないのですが、若干早めのお願いということにさせていただくかもしれません。その点につきましては御容赦のほど、お願いできればと思います。
○清水座長 その辺は、事務局のほうから連絡していただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○清水座長 それでは確認ですが、不備ありに関しては24物質あり、それと資料2-2の4物質で28物質は決まりです。それ以外に不備なしのほうをもう一度確認して事務局のほうに報告するということで、40物質に近くなったところでということにしたいと思います。ほかに何か御意見はありますか。
○荒木委員 委託に出されるときに、今回、問題があると指摘したのが酸クロリドです。それがDMSOで試験されていて、どうも安定でないということで陽性になっている可能性があるのです。そういったものについては溶媒の検討をきちんと考慮してほしいということを伝えていただければと思います。
○平川化学物質評価室長補佐 実際に受託者が決まった際に、特に酸クロリドの溶媒選択については注意をするように伝えるということで、対応させていただきたいと思います。特にDMSOはちょっとまずいということです。
○清水座長 ほかに何かありますか。特になければ、その他に移りたいと思います。事務局からお願いします。
○平川化学物質評価室長補佐 先週・今週、第1回・第2回と連続したワーキングをさせていただきまして、本当にありがとうございました。次回、第3回の遺伝毒性ワーキングですが、本日御議論いただいたBhas42細胞を用いる形質転換試験及び微生物を用いる変異原性試験の結果が出てくるのが、2月の予定で進めているところです。したがって、その結果が出てきてからということで、2月から3月に第3回の遺伝毒性ワーキングを予定しております。近づきましたら改めて日程調整をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○清水座長 ほかに委員の先生方から何かありますか。特になければ、今日のワーキンググループはこれで終了したいと思います。ありがとうございました。


(了)

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