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2016年9月7日 第63回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年9月7日(水)14:00〜17:00


○場所

東海大学校友会館 阿蘇・朝日の間


○出席者

遠藤、石本(代理:及川参考人)、伊藤、井上(隆)、井上(由)、岡、
黒岩(代理:小島参考人)、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、鈴木(隆)、
鷲見、陶山、武久、土居、栃本、馬袋、花俣、東、藤原、桝田の各委員
(岩村、大西委員は欠席)

○議題

1 介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)
2 保険者の業務簡素化(要介護認定等)
3 認知症施策の推進

○議事

○尾崎企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第63回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 報道機関の方に御連絡をいたします。冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、御退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○尾崎企画官 それでは、以降の議事進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 皆様、こんにちは。

 それでは、初めに本日の出席状況について御説明をいたします。本日は、石本委員、岩村委員、大西委員、黒岩委員が御欠席でございます。

 また、土居委員がおくれて御到着の予定であります。石本委員の代理として及川参考人、日本介護福祉士会副会長、黒岩委員の代理として小島参考人、神奈川県保健福祉局福祉部長が御出席でございますのでお認めいただければと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、議事に入ります前に、老健局長より御発言があるとのことですのでよろしくお願いいたします。

○蒲原老健局長 特別なことというよりも、このたびの台風の災害の関係で一言申し上げたいと思います。このたびの台風10号の災害につきまして、一言お話を申し上げます。

 まず、この災害で亡くなられた方々につきましては心から御冥福をお祈りしたいと思います。また、被災された方々に対しましてお見舞いを申し上げたいと思います。

 この災害の対応に当たりましては、本日おいでの皆様方、あるいは関係の団体からいろいろな御尽力をいただいております。改めて御礼を申し上げたいと思います。また、引き続き御支援をお願いしたいと思っております。

 厚生労働大臣からは、人命を最優先に対応するということに加えて、事実関係をしっかりと把握して再発防止策を検討するようにという指示をいただいております。こうした指示を踏まえまして、我々は丁寧に対応していきたいと思っております。

 今後とも、ぜひよろしくお願いしたいと思います。以上でございます。

○遠藤部会長 それでは、これから議事に入りたいと思います。

 本日から、2巡目の議論に入ります。資料につきましても事務局に指示をいたしまして、可能なものに関してはある程度の方向性を示すようにつくっているところでございます。

 本日の資料について、事務局より確認をまずお願いしたいと思います。

○尾崎企画官 それでは、資料の確認をお願いいたします。

 お手元に資料1として「介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)」という資料。

 資料2として、「保険者の業務簡素化(要介護認定等)」という資料。

 そして、資料3として「認知症施策の推進」という資料を配付させていただいています。

 また、それぞれに対応する形で参考資料1、参考資料2、参考資料3と、参考資料を3種類配付させていただいております。

 また、委員からの提出資料ということで東委員からの提出資料、また本日は御欠席でございますが、大西委員から提出いただいた資料を配付しております。

 以上、配付資料ですが、不備等ございませんでしょうか。

 よろしければ、議事進行を遠藤部会長によろしくお願いをいたします。

○遠藤部会長 それでは、早速、資料1につきまして事務局から説明をお願いしたいと思います。

○三浦振興課長 振興課長でございます。お手元の右肩に資料1、それから参考資料1と振られた資料をそれぞれ御用意賜れればと思います。こちらに基づきまして、御説明をさせていただきます。

 資料1、まず1ページをおめくりいただきまして「介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)」という題でございます。

 まず、介護人材の確保につきまして1番目の「○」でありますが、平成27年6月に2025年に向けた介護人材にかかる需給推計というものをしております。その中で、事業見通しが253万人、それから介護人材の供給見込みが215.2万人、これは2025年になりますが、こういった推計、あるいはその都道府県推計に基づく需給ギャップの見込みが37.7万人となっております。この需給ギャップが見込まれることを踏まえまして、介護人材の確保に向けた取り組みを総合的かつ計画的に推進をしていく必要がある。

 またその人材の確保に当たりましては「ニッポン一億総活躍プラン」、本年の6月2日に閣議決定をしておりますが、こちらを踏まえまして介護の仕事の魅力を向上し、介護人材の処遇改善、多様な人材の確保・育成、生産性の向上を通じた労働負担の軽減を柱といたしまして、2020年代初頭までに約25万人の介護人材の確保に総合的に取り組んでいくこととしております。

 具体的な内容といたしまして、3点ほど挙げております。

 介護人材の処遇につきまして、平成29年度、来年度よりキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当を改善する。

 2点目でありますが、介護福祉士を目指す学生・生徒が一定期間就労した場合に返還を免除する修学資金貸付制度、あるいは一旦、離職をされた方が再び仕事に就く場合の再就職準備金の貸付制度につきまして、さらなる充実をする。あるいは、高齢人材を活用していく。

 3点目でありますが、介護ロボットの活用促進、ICT等を活用した生産性向上の推進、行政が求める帳票等の文書量の半減。

 このような取り組みを進めていくことによりまして、職場の魅力づくりを推進していくということとしております。

 1ページお進みいただければと思います。

 「介護の生産性向上・業務効率化について」でございます。

 まず、「ロボット・ICT等の新しい技術を活用した生産性の向上等」についてであります。

 業務全体のプロセスの見直しとあわせまして、介護記録の作成・保管等のICT化をすることによりまして、業務を効率化することによって、介護職員が直接処遇に係る業務により多くの時間を割くことができるようにするという取り組みが考えられます。

 また、さらに介護現場におけるロボット技術の活用によりまして、介護の業務負担の軽減を図るといったような取り組みも有効かと思っております。

 参考資料1の6ページをお開きいただければと思います。介護ロボットにつきましては、開発支援ということでこのような取り組みをすることとしております。私ども介護現場には非常に御縁があるということで、開発の早い段階から現場のニーズの伝達、あるいは試作の機器について介護現場での実証をしていく。また、あわせまして機器の開発を経産省を中心にしていく。このような取り組みをすることで、介護ロボットの開発を支援していく。

 また、7ページ、8ページにはICTの関連の予算の御紹介をしております。ペーパーレス化の促進のモデル事業というものを今年度も用意をいたしまして、その中でICTについて使用促進を図るような取り組みを進めていきたいと思っているところであります。

 資料を戻りまして2ページ目、2つ目の「○」であります。生産性向上等の観点から、これまで介護ロボットの導入促進、開発支援ですとか、ICTの活用等を要件とした訪問介護のサービス提供責任者の配置基準の緩和、こちらは前回の平成27年度の介護報酬の改定でありますが、このような取り組みをしております。

 お手元の資料の10ページに、その27年度の報酬改定の概略を書いてございます。訪問介護のサービス提供責任者につきまして、原則利用者40人に1人となっておりますところ、一定の要件を満たす場合には利用者50人につき1人という形で緩和をしたというところであります。

 資料を戻りまして「一方」ということで、帳票等の必要性自体を精査することなどによりまいて、事業者が内部で作成をする文書、あるいは行政が提出を求める文書につきましてのあり方も見直しが必要と考えてございます。

 こちらにつきましては、参考資料の9ページをごらんいただければと思います。私ども、2020年度初頭に文書量を半減するという目標におきまして一定の工程表をつくりまして、その削減に向けたスケジュールをつくっているところであります。本年度については、まずペーパーレス化についての事実関係など、法令に定められている商標ですとか、自治体が固有に指示をしている商標等についての実態を調査するといったような取り組みを進めているところであります。

 資料は、戻っていただきたいと思います。3ページ目をお開きください。「介護人材の専門性の発揮」という論点にございます。介護人材の専門性の発揮の観点から、事業者ごとで介護人材の効果的な育成を進めていく必要がございます。専門性を発揮して適切に介護サービスを提供するためには、根拠に基づいた介護を行うということが重要であり、その根拠となるような標準的な介護業務の手順などを策定するなど、介護を行う際に参考となるものが必要であるといったような指摘がございます。

 また、資料をごらんいただければと思います。実際に介護現場での不安というものを幾つか調べたものが、14ページ以降に並んでおります。介護現場、介護に実際に携わっていらっしゃる方、例えば14ページで赤で囲んであるところでございますが、利用者に適切なケアができるかという不安がおありだといったようなあたりを解消することで職場の魅力の向上につながるのではないかと、かように考えている次第でございます。

 済みません。また本体資料に戻っていただきまして、現在介護人材の育成につきましては、各施設・事業所が各々の方法で取り組んでいただいている状況でございます。

 その中で、前回も御紹介しておりますが、地域において複数の事業者が連携をしながら各事業者の介護職員に対して助言、指導を行い、事業者同士が協力をしながら介護技術の標準化といったようなことを目指しているという事例もございます。

 こちらは参考資料の13ページ、京都府の「きたおおじ」さんの取り組みでありますけれども、このような取り組みが実践例としてはあるということを御紹介したいと思います。

 以上を踏まえまして4ページ目、論点でございます。3つ掲げております。

 1つ目でありますが、平成28年度に実施する事業の成果も踏まえて、個々の事業者レベルでロボット・ICTの活用を促進していくために、ロボット・ICTを活用している事業者に対する介護報酬、あるいは人員・設備基準の見直し等を介護報酬改定の議論の際に検討することとしてはどうか。

 2つ目になります。法令上事業者に提出が求められる書類や、自治体が求める書類の実態把握をしていることとしておりますが、この結果を踏まえて、業務効率化などの観点から法令上提出が必要な書類などの見直しや、ICTを活用した書類の簡素化を進めるべきではないか。

 3点目であります。介護人材の専門性や能力の向上の観点から、各施設・事業所において介護の手順・基準を明確にするなどにより、根拠に基づく介護を行うことができるよう介護職員の人材育成を進めていくべきではないか。

 さらに、介護職員が配置をされている各施設・事業所における人材育成の取り組みを支援すべきではないか。

 説明は、以上となります。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局から説明のあった内容につきまして御意見、御質問等をいただきたいと思いますけれども、多くの委員が御発言されますので要領よく御発言いただければと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木(邦)委員 4ページの論点に沿ってお話をさせていただきます。

 1つ目の「○」でございますけれども、ロボットは人手が減らせたり、介護職員の負担軽減につながることが必要であり、ICTの活用は医療とも連携していることが望ましいと思います。人員や設備基準の緩和はいいと思いますが、ロボットやICTのコストが現状では非常に高いので、コストの低減が必要になると思います。

 2つ目の「○」についてです。行政が求める帳票等の文書量の半減とありますが、これはスローガンだけでなくて本当に半分に減らしていただきたいと思います。そのためには、ICTを活用したペーパーレス化による書類の簡素化や、同じような記載内容の種類を幾つもつくらなくても済むように、例えば法令上必要な書類と、介護の質の向上に必要な書類と、それから医療機関、ケアマネとの連携に必要な書類を同一にするようなことが必要になると思います。

 そのためには、医療と介護の連携や、事業所内外の情報がつながるようにする必要があると思います。

 ただし、そのICTは導入コストもメンテナンスコストも非常に高いので、コストを低く抑える方策が不可欠であると思います。

 3つ目の「○」につきましては、介護職員の人材育成は必要ですが、キャリア段位制度が一時言われましたけれども、現場の負担が非常に重く、かえって介護現場が疲弊するので、これについて私どもは反対をしております。

 参考資料1の19ページによりますと、人材の定着に効果がある取り組みとしては、新人介護職員のOJT実施や介護技術向上のための研修、勉強機会の提供、資格取得支援は7割以上から8割弱ございますけれども、新人介護職員以外の介護職員へのOJT実施や、マニュアルの整備等に関する介護技術の標準化は5割しかありません。人材育成は経営そのものであり、画一化ということはあり得ないと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、先ほど手を挙げられた陶山委員どうぞ。

○陶山委員 ありがとうございます。私のほうは、論点の2つ目と3つ目を中心に御意見をさせていただきます。

 まず、介護従事者の勤務状況と教育並びに業務効率ですが、私どもで毎年行っています就業意識実態調査で勤続年数の推移を見てみますと、月給制、時給制、ともに3年未満の勤続年数が低下をしております。また、3年以上10年未満についても横ばいから若干低下傾向が続いています。

 また、2013年から勤務日数や勤務時間数が増加を続けておりまして、年次有給休暇につきましても「なかなか取れない。全く取れない」と答えた方が同じく増加をし続けているということでございます。

 このように、要介護者の増加に伴う忙しさから労働環境の悪化は年々厳しくなってきていますが、その結果、中堅から新人への技術、業務の継承が困難になりつつあること。また、そもそも継承すべき人材の定着が進まず、質と量に大きな問題が発生しているということがうかがえます。

 その上、論点でも挙げられていますように、法令上提出が必要な書類や、あるいは自治体が求める書類、この中には保険請求のデータから、自治体そのものが作成できる内容も実は含まれているということも聞いております。それだけでなく、法人が必要とする社内用書類なども増加をしており、業務効率化どころか業務過多、例えば紙ベースで書いておいて、それを後でPCに入力するなどということもやられているということでございます。

 したがいまして、介護人材確保のための業務効率化の観点から法令上必要な書類などの見直しだけでなく、ここは大切なのですが、業界が共通して利用できるアプリの開発、それと提供ですね。これを初め業務機器、例えばタブレット端末などの導入を含めてICT化を進めることはもとより、ICT化にかかわる法人への支援についても必要と考えます。

 もう一つ、違う視点から問題提起をさせていただきます。介護職員処遇改善加算がありますが、この加算要件の中に職場環境等要件というのがありますが、加算1は必ず要件を満たすことになっています。

 そして、職場環境等要件には「職場環境、処遇の改善」として「ICTの活用による介護職員の事務負担軽減などによる業務省力化」や「介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のためのロボットやリフトなどの介護機器の導入」、こういうものが選択項目として実は入っております。

 私どもでは2,616人から回答を得ました2015年の「処遇改善調査」の中で、賃金以外の改善の取り組み状況を調査いたしましたが、「2015年4月以降に賃金以外の処遇改善は実施されたか」という問いに対しまして、月給制で17.3%、時給制で15.6%の組合員が「はい」と回答しております。

 その中で実施された内容を聞いたところ、「業務に関連するシステムが導入変更され、業務効率の改善が図られた」と答えた組合員は、月給制で12.0%、時給制で8%となっております。この介護職員処遇改善加算の要件は実はいいところに目をつけているのですが、私どもの調査では、この職場環境などの要件の中でもここで言っているICTの活用や介護ロボットなどの介護機器の導入にかかわる項目を選択する法人が少なく、余り芳しい結果に結びついていません。

 事業者のICT化、介護ロボット化に対する支援が前提ではありますが、この加算要件を精査して、よりこの内容を選択した場合の加算の優遇措置に知恵を出すことも一つの解決策となるのではと考えております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。

 では、東委員どうぞ。

○東委員 ありがとうございます。まず資料1「介護人材の確保」の1ページ、3つ目の「○」の「具体的には」に記載がございますが、これまで介護人材の確保につきましては介護人材の処遇、給料のアップ等が毎年図られてきました。それから、奨学金貸付制度もありました。 ただ、現状のこのような取り組みにより、介護福祉士の養成校の定員が上がっているとはとても思えません。まだもって介護福祉士の養成校を目指す若者は非常に少ないのが現実でございます。ここに書いてある「職場の魅力づくりを推進していく」という意味では、今までの取り組みや、今後介護ロボットやICT等を活用したとしても劇的に「職場の魅力づくり」につながるとは考えられません。

 それを踏まえまして、本日、資料を出させていただきましたので、少し説明をさせていただきます。

 私の提出資料を見ていただきたいのですが、これは医療介護総合確保基金を用いて三重県老人保健施設協会で取り組みました元気高齢者が支える介護助手事業でございます。一部、先日のこの部会でも紹介をさせていただきましたが、この介護助手という言葉はいわゆる直接介護ではない、それを支える周辺業務を担う方のことを指しております。

 次のページにAからCクラスと書いてありますが、これは直接業務以外のいわゆる周辺業務をこのようにA、B、Cというふうに分けたものです。その中でもマニュアル化、パターン化が容易で、研修等がほとんど必要ないCクラスの周辺業務を次のページに挙げてみました。これを見ておわかりのように、朝起きてからお食事を提供し、お風呂に入れる等々の日常的な介護をする場面毎に、大変多い周辺業務があることがわかっていただけると思います。この数多くの周辺業務を、介護福祉士等のいわゆる介護職が担っているのが現状でございます。

 そこで、この周辺業務を元気な高齢者の方に担っていただくという事業を進めました結果、最後のページの写真にあるような70歳、75歳の方にいろいろな周辺業務を担っていただき、その方々にも働く喜びを提供できたということを御紹介いたしました。

1「介護人材の確保」の3ページ「介護のシゴト 魅力向上懇談会 議論の整理」をご覧ください。真ん中の「資質向上・キャリアアップの実現と専門性の確保」の一番上の四角のところに、「介護業務のうち、身体介助は専門の介護職員が対応。食事、掃除等の生活援助には地域にある社会資源を活用」とございます。まさしくこれは私どもが行ったモデル事業に当たるものであり、その左側に記載があるICT化や介護ロボット等の活用よりも即効性があり、非常に重要ではないかと考えます。

それから、同じ参考資料121ページ「ニッポン一億総活躍プラン」をご覧ください。ここにもアンダーラインが引いてあるところがありますが、真ん中あたりに「高齢人材の活用等」という文言がございます。 しかし、具体的なものが全く示されていないのが現状でございます。

 また、資料1「介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)」の2ページ「現状・課題」にあるように、ロボット・ICT化等の新しい技術の活用により、介護の業務負担の軽減は期待できますが、先ほど鈴木委員もおっしゃったように、コスト等を考えますと、すぐさまこのICT化、ロボット技術の導入が進むとは思えませんし、すぐに介護業務の負担が軽減できるとも考えられません。

 そういう意味で、資料1の4ページ「論点」の3番目の「○」に「介護人材の専門性や能力の向上の観点から」という文章がございます。その最後に「介護職員が配置されている各施設・事業所における人材育成の取組を支援すべきではないか」とございますが、先程御紹介しました介護助手等の導入により、介護の業務負担の軽減を図る取り組みを支援すべきと考えます。それこそが、介護福祉士の人材育成の取り組みにつながるのではないか。ひいては、最初にありました介護の分野での魅力、職場の魅力づくりを推進できる効果が高いと考えます。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、馬袋委員お願いします。

○馬袋委員 ありがとうございます。「論点」に沿って確認をしていきたいと思います。

 まず、人材確保といいますと確保、定着、育成というのがセットで人材確保というふうに理解していいのだろうと思うのですけれども、そこに必要な生産性、業務効率という意味で、確保に対する生産性もありますし、業務の効率化もありますし、定着に対する生産性業務の効率もありましょうし、育成をすること、教育をすること、スキルアップをさせることに対する生産性業務と、そのように確保、育成、定着という切り口に対して生産性、業務の効率化がどのように図られるかという観点を整理しておく必要があるのではないかというのが1点です。

 論点の初めの「○」のロボット等による人材及び報酬等の調整及び緩和の中の確認です。まず、ロボットと言われますと一つの機械のような道具のように思うのですけれども、施設等では使えるのですが、在宅場面においてはロボットを導入するといっても代行してくれるわけではないので、ロボットにかわるものとしてセンサーとかネットワーク用機器といったものもあります。そういった見守りをする、離れた方々をこちらで見守りするようなセンサー類そのものもここに含まれるというように理解をしてよろしいのかが質問の1点目です。

 それから、そのようなセンサー類を含めたロボット等を導入してICT化を導入するには投資が当然必要でございます。投資をして回収をするということについて、すなわちそこは介護報酬等の収入と経費バランスにより何年間で採算性が合うのか、その根拠性について、報酬改定の場面で整理していただきたい。

 当然そこには人員の中で常勤のあり方、兼務のあり方という緩和について、介護の専門性のあり方ということについてもぜひ検討の項目として入れていただきたいと思います。

 それから、2番目の論点の法令上定める内容の要求についてということですが、現場では本当に新しいサービスが地域密着になり、または監督指導を保険者の方々が担当されることが非常に多くなりました。そのことによって、書類の部分が保険者の市町村等によって全部違ってくるということで標準化が図れないということです。

 まず、ペーパーレス化することが目的ではなく、結果としてペーパーレス化になるのですが、先ずは、標準化することです。標準化には大きくはプロセス、すなわちプロセスは業務工程ですね。それから、求める記録、帳票というものを標準化するということだと思います。標準化したものを市町村が変更やそれ以上の書類などを求める場合、逆に私たちも変更など新しく要求する場合など、いろいろな内容について制度に合わせて妥当性について調停していただけるような機関がないと、保険者、市町村から要求されているものが一つでもできなければ全てのケースを見直し報酬上減額し、返還せよというようなものがありますので。

 すなわち、標準化をするということは、その標準化に対して市町村、または保険者の方が変更なさるための理由と内容については明確にした上で、関係機関で確認し変更するということでないと、何のための標準化かわからないということです。ぜひこのことについては徹底的に国において何が標準なのか、求める最低の記録物、それ以上要求しないということを明確にしていただきたいと思います。

 また業務の標準化をするということはバラツキをなくすということですから、バラツキをなくすためにもう一つ必要なのは教育です。その教育にはさまざまな業務の標準化、プロセス化に応じて対応できるスキルの内容と、そのスキルを持ってキャリアを積んでいくことの評価を一連のスキル、キャリア、キャリアパスへの流れとして明確にして事業者が取り組めるようお願いしたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 それでは、栃本委員どうぞ。

○栃本委員 論点は3点ありますので、最初にICTについてです。これを進めることは重要だというのはよくわかるんですけれども、その一方で見落としがちなのは、介護記録であるとかドキュメントというものが適切に記入されて、それがいいサービスにつながっているような形になっているかどうかということもあると思うんですね。介護サービスのドキュメントというのは実態として大変貧弱です。ドイツなどと比べると。

 先ほどペーパーレスという話がありましたけれども、ペーパーレス自身はいわゆる事務的なこととか、いろいろなことでしなければいけないことだと思うのですが、その一方で実際のケアサービスそのものの質などを考えた場合、例えば人工知能を使ってドキュメントの適切な記入の仕方とか、そういうものによってかなり時間が節約できますし、そのケアを実際担う人にとっても人工知能によるものがあると非常にやりやすいという形になります。

 あとは、看護のほうはドキュメントというのがもちろんしっかりされていると思うのですけれども、看護と介護、場合によっては医療ですが、それら少なくも看護と介護のサービスとドキュメントの共有という意味での両方の連携が非常にうまくいくということがありますので、人工知能を使ったドキュメントの適切な書き方というような、ちょっと細かいソフトとも関係があるような部分なのですが、そういうことについても考えていただきたいと思います。

 あとは、今スマート化という話がありましたけれども、やはり住宅とか施設におけるスマート化というのも極めて大切で、これは単に身体介護とか、そういうことだけではなくて特に認知症対応では有効ですね。認知症などの場合にも短期記憶がなくなるということもあり、施設とか在宅におけるいろいろな住宅のスマート化というものも、これを全部介護保険でやれという意味ではないです。全くそういう意味ではありませんけれども、短期記憶を補うことがスマート化で可能となりますのでそのようなことも考えていいんじゃないかということです。ちょっと長くなりました。

 あと2点ですけれども、資料1の4ページのところで、介護人材の専門性であるとか能力の向上の観点から、各施設・事業所において介護の手順・基準を明確にする等により、根拠に基づく介護が行えるよう人材を育成するべきではないかというような指摘があり、また、介護職員が配置されている各施設・事業所においても、人材育成の取り組みを支援すべきではないかという指摘があります。

 これについて誰も反論することはなく、それはよいことであるということでは一般的になると思いますが、前に人材確保に関する議論をこの審議会で行ったときに指摘しましたように、これがいわゆる段位制のみのことを指すのであれば、それはちょっと違うのではないかと思います。

 先ほど業務の標準化ということがありましたけれども、それと非常に重要なのはケアの標準化ですね。業務自身の標準化というのはもちろん重要なのですけれども、一般的に介護、ケア、フレーゲの標準化という言葉ですが、これはフレーゲスタンダードということ、ケアスタンダードというもので、ドイツでも介護保険が始まったから非常に進んだわけですし、日本でも介護の社会化の中で非常に重要だったのは、素人が行うのではなくて介護サービスというものが一つの確立した分野として、専門家であるとか職業として行うということがありました。

 そういう意味では、この介護スタンダードというものはサービスが現物化されることによって本来であれば素人と違ったサービスを提供するということになるわけで、そういう意味では専門化が進むはずだったわけです。それで、ケアスタンダードというのは介護の手順の方法を開拓、開発し、現場の実践臨床の形で進みます。例えば、認知症ケアについてはその方法はいろいろと改善が見られるという例証があることによってさらに実践され、かなりの確率で改善が見られ、エビデンスが明らかになるということで、新たなケアスタンダードの中に新しいケアスタンダードとして加わっていくものです。

 それと、機能分析と機能化ということとは全く違います。ケアスタンダードというものを蓄積していく中で、ドイツでは老人介護士という人たちが実践するスキルと、プラクティカルナレッジドメインとして学習し、それを判断できる。そして、スキルを使うというような連関の中でそういうものが形成されています。いわば、専門資格というものが核結晶化するものとして存在していないと意味がないということです。

 段位制は業務の点検であるとか、労務管理、オン・ザ・ジョブトレーニングの重要なツールとして活用できるものだと思いますので取り組みを否定するわけではありませんが、その上で専門資格との関係について専門資格の重要性を指摘しておきます。

 それと、機能分析と機能化、高度化を混同してはいけません。機能化の部分については慎重に議論しないと、国家資格というものがありながら、その専門性を批判し、あたかも否定するかのごとくなりかねない。そのような議論は職能、職業としての専門資格者がおこなう仕事というものがあるまとまりとして形成されていくことが必要であるにもかかわらず、それを阻止、つまり職能・職業化を阻害することになる恐れがあると思います。

 最後に、業務の類型化についてです。先ほど、参考資料の3ページのところで「介護業務の類型化と専門性に応じた人材の機能分化」ということがありました。この審議会でも、これについて補助的な仕事ということも議論がありましたが、業務の類型化については介護の中核的業務と、周辺ではあるけれども生活であるとか施設にとって欠かせない業務をわかりやすく分け、どちらも職業としてディーセントワークとして位置づけるべきです。補助的であるから一段低いといった誤った認識が広まることは適切ではありません。家事、家政、ハウスホールド、ハウスメーキングはとても重要で、これから伸びる分野でもあります。そこでも、職業としてそれが確立していかなければいけないと思います。

 その一方、先ほど議論がありましたように、さまざまな人がこれを担えるということですから、その仕組みをつくっていくことも必要だと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 先ほど、馬袋委員の御発言の中で質問がありましたね。事務局、よろしいでしょうか。質問の趣旨は、ロボットとセンサーの話ということでよろしいですか。

○佐藤高齢者支援課長 お答えいたします。

 参考資料の5ページをお開きいただきますと、「介護ロボットとは」というペーパーがございます。先ほど馬袋委員がおっしゃったようなセンサーにつきましては、ロボットといいますのは一般にその情報を感知し、その感知した情報をもとに判断をし、そしてその判断に基づいて動作をする。こういった3つの要素技術を有するシステムのことを一般にロボットと言われておりますので、御指摘のいわゆるセンサーにつきましても、物によりますけれども、基本的にはロボットに該当するものが多いのであろうと思っております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 今度は、ちょっとこちら側にいかせていただきます。それでは、齊藤秀樹委員どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。まずロボット、ICT化についてでありますけれども、人員やその設備基準の緩和ありきではなくて、論点でも書いてありますように、やはり導入後の成果検証をしっかりとしていただくことから始めていただく必要があるだろうと思います。

 次に、問題は人材育成でありますが、参考資料1の14ページは以前にも出された資料だと思っておりますが、赤枠で囲まれておりますところは、介護職員の皆さんが利用者に適切なケアができているかどうか不安を非常に多くの方が持たれているというデータになっております。これは介護福祉士とか、少し資格によって回答の差がありますけれども、経験年数の長短によるデータがあるのかどうか。ぜひ、後であればお聞かせいただきたいと思います。

 次に、15ページ、16ページに関してであります。15ページの資料は、職場においてどのような取り組みがされているか、その状況を調べたものでありますが、幾つか項目がある中で十分に行われているという欄で高いものの上2つを取りますと、「定期的な健康診断の実施」が68%、それから上のほうの「採用時における賃金・勤務時間の説明」が高いところを見ても50%、逆に言いますと定期的な健康診断をしていない事業所は3割ある。また、採用時における条件を示して十分に説明をしていないところが半分あるというふうにも受けとめられるわけであります。

 これは、人材確保を考えるために行われた調査だと思いますけれども、その問題の多い事業所が淘汰されて健全な事業者が残らなければ、人材が確保されても離職者の歯どめにはならない。問題のある事業者のチェック機能というものを、もう少し強化する必要があるのではないかと読み取る資料だと思って見させていただきました。

 次に16ページ、その下にありますのはその上の資料を少し整理したものとなっております。この中で事務局が下線を2つ引いてございますが、ちょっと下線の意味がわからなかったので質問もさせていただきたいと思います。上の「介護能力を適切に評価するしくみ」、全体として例えば介護福祉士17%という高い数字を示しておりますが、その下のほうにあります介護しやすい施設づくりでありますとか、福祉機器の導入と答えているほうが全体としては一番高い数字になっております。

 また、赤の下線の下のほうの、実務の中で上司や先輩から指導や助言を受けることは非常に大事だというような指摘に関しても、その上下にありますデータと比較しても、この下線を引く意味としてなぜここに引いているのかということがよくわかりません。

 むしろこれはデータだけを見ますと、全体の中でこの下線を引いているものだけが高いわけではなくて、従事者のどのような取り組みによって自分たちの悩みが解消されるかという非常に率直なデータを出されていると思いますが、事務局がここで何か意図的に分析した理由がおありであればお聞かせいただきたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 それでは、事務局よろしくお願いします。

○三浦振興課長 振興課長です。どうもありがとうございます。

 意図的という御指摘は非常に厳しいものだと受けとめておりますけれども、私どもとしてはさまざまな取り組みの中で少しこういう数字で、しかも大き目なものがあったということで資料として全体でお示しをしているということで御理解いただければと思います。

○遠藤部会長 よろしいですか。

 それでは、続きまして齋藤訓子委員どうぞ。

○齋藤(訓)委員 私もロボット、ICTのところについて、この論点ですといきなり人員等の基準の見直しという方向性が示されているわけですが、ロボットの導入につきましては反対するものではないですけれども、その前にはやはり人の手を介してやらなければいけない仕事、あるいはこういったロボットが助けてくれる仕事といったように、その職場、職場で業務をきちんと抽出して類型化するという作業がまずあって、その上で導入に至るのだろうと思います。

 ですので、そのあたりの検討なしに安易に人員の基準緩和について言及すべきではないと感じています。やはりロボットの効果的な利用法を検討するということが前にあって、そして実際にそれが本当に効果を出すのかどうかという検証があってとのことだと思っております。一部の業務負担がロボットによって軽減されるからといって看護・介護職員の配置基準が緩和できるのかどうかというのは、安全管理あるいは業務フローの管理をあわせて考えていきますと、かえって職員の負担にもなりかねないということも懸念します。

 ですので、このロボット導入、あるいはICTの導入については積極的にやるべきではありますけれども、それがいきなり施設基準と結びつくのかということについては慎重を期すべきだと思っております。

 それから、人材育成につきましてはどういった形で支援するのかはありますけれども、やはり職場の取り組みがもう少し横展開していく余地もあるのではないかと思っております。

 参考資料の中で、本当に適切なケアができたのかどうか、職員は非常に大きな悩みを抱えているということでございますけれども、既に事業所で人材育成に力を入れているところは、必ずケースカンファレンスであったり、あるいはみとりに伴ってグリーフケア、あるいはデスカンファレンスといったようなものに取り組んで、職員のかかわりがどのように効果を出したのか、丁寧に振り返っているところもございます。

 恐らく、こういった人材育成をきちんとやっているところは相当離職率も低いのではないかと思いますので、ぜひそういった職場での取り組みを後押しするような情報提供等はあったほうがいいのではないかと思っています。

○遠藤部会長 それでは、小林委員、佐野委員で、その後またこちら側の方にお願いします。

○小林委員 私ども医療保険者の立場から見ますと、事業主も負担する拠出金財源が介護分野に効率的・効果的に使われることが重要であると考えております。その点で、確かにそれぞれの介護サービス提供事業者の自主性を担保し、そのことが生産性向上や業務効率化につながる限りは、介護の手順や基準によって一律の制限をかけるべきではないと思います。

 しかし一方で、エビデンスに基づき、事業者において介護の手順や人材育成について何らかの共通的、または標準的な手法を考えてみることも社会保険制度としてはあり得ると思います。

 さらに申し上げますと、そうしたものについては国が統一的にベースとなるスタンダードを示すことにより、むしろ事業者の負担も軽減されるのではないかと思います。

 また、事業者が自主性を発揮して取り組む好事例については、国が積極的に横展開を行うことにより、限られた介護人材の中でよりよいパフォーマンスが発揮されることになると思います。以上です。

○遠藤部会長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 まず、この一億総活躍の関連のところですけれども、職員の処遇改善というのは労使間で行うのが基本だと思いますし、これを国の施策でやっていくというのであれば、これは本来保険制度ではなくて公費で見ていくのが筋だろうと思います。

 具体的には、もちろんこれは介護給付費分科会等で議論されると思いますけれども、介護報酬改定を行うのであればやはり他の項目も含めて適正化、効率化といったこととセットで行うべきだと思います。また、その際にはこれまでの処遇改善の取り組みの効果測定などについても検証が必要だろうと思います。

 それからほかの論点のところで、1つは介護ロボット、センサー等の活用のところです。いろいろな課題はあると思いますが、これを使った生産性向上ですとか業務の効率化というのは今後を考えれば不可欠だと思います。そういう面で、活用している事業者に対する人員設備基準の緩和等を、例えばこの介護報酬改定などにあわせて検討することは賛成でございます。以前申し上げたこともあるんですけれども、ポイントとなる2025年に向けてこの介護人材の必要数が、例えばロボット、ICT化等によってどれだけ削減できるのかというような試算も当然必要だと思いますし、また、その技術の標準化ですとか、この取り組みスピードを上げるための具体策も当然考えるべきだろうと思います。

 それから、ICT活用による簡素化のところは何人かの方がおっしゃっていますが、当然進めるべきだろうと思います。大幅削減に向けた取り組みプランをきちんとつくるべきだと思います。

 今日の資料の中で、参考資料1の9ページでしょうか。「文書量半減に向けたスケジュール工程表」という表が入っていて、目標の文書量の半減というのはある面で明確に書いてあるんですが、このペーパーを見てそこに至るまでの道筋をどういうふうに考えているのかということが、何も書かれていないと思います。半減ということに目標を置くのであれば、そこまでにどういうことをどうやって、どういう検証をしてチェックをしていくのかということを挙げないと、先ほど鈴木委員もおっしゃっていましたが、スローガンに終わってしまうのではないかということで、そこをきちんとつくっておいていただきたいと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、岡委員、小島参考人の順番でお願いします。

○岡委員 ありがとうございます。介護人材の確保におきましては、やはり介護人材の離職をいかに抑え、定着させていくかということが重要なポイントであると考えております。

 介護労働安定センターが実施した介護労働実態調査によりますと、離職理由の上位は人間関係や事業所の理念、運営のあり方への不満が占めており、必ずしも処遇への不満ではないということが見てとれます。介護職員全体への処遇改善も重要だということは理解できますが、こうした要因をしっかりと分析した上で対策を講じなければ成果には結びつかないのではないかと思っております。

 また、同じく介護労働実態調査によりますと、離職率につきましても事業所の法人形態や規模、職員の正規、非正規の別によって大きな差が出ていることに加え、離職率10%未満の事業所が約半数を占めるのに対し、離職率30%以上の事業所も2割以上を占めるなど、離職率の低い事業所と高い事業所が二極化している現状が見てとれます。こうした要因についても分析し、職員定着にかかわるノウハウを事業所間で共有することや、魅力ある職場づくりに向けた事業所の取り組みに対して助成措置を拡充するなど、事業所側の努力をサポートしていく取り組みも必要ではないかと思っております。

 一方、人材確保の観点からは特に不足感が強いとされておりますヘルパーについて、資格要件の緩和や職域の拡大などによって直接的に担い手の裾野を拡大していくことが必要であると思っております。

 また、一昨日、公正取引委員会が発表した介護分野に関する報告書の中でも指摘されている混合介護の弾力化も人材確保に有効ではないかと考えております。介護保険サービスと保険外サービスを同時に提供できるなど、混合介護の弾力化を進めていくことによって、介護事業者がより付加価値の高いサービスを提供できれば事業者の生産性が向上し、ひいては職員の処遇改善にもつながることが期待できると考えております。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、小島参考人どうぞ。

○小島参考人 それでは、都道府県の立場から発言をさせていただきます。

 本年の7月28日に全国知事会が、今回介護人材確保対策の強化に向けた緊急提言というものを取りまとめさせていただき、厚生労働省の事務次官あてに提出をさせていただいておりますので、その内容に触れながらお話をさせていただきたいと思います。

 まず、1つ目の論点の介護ロボットの関係でございます。これは各委員がおっしゃっているとおり、これをすぐに介護報酬や人員設備の基準に反映するというよりは、道筋としてはまだ緒についたばかりかと思います。特に導入に当たってコストが高いといった部分がありますので、それをどう低減していくのか。もちろん補助金の制度もございますが、まだまだその補助金の上限額であるとか、または対象の範囲といったところをもう少し柔軟にしていただく必要があるかと思っております。

 あとは介護職員の人材確保の関係で、全体的に言えば、例えば介護に魅力を感じていただかなければいけない。そういう意味で、従前ネガティブキャンペーンということで3K職場というようなことを言われていたわけでございますが、そういった部分を払拭して、若い方からまず魅力を感じていただく取り組みが必要なのだろうということで、各都道府県もいろいろなことをやらせていただいています。

 例えば、高校での体験学習であるとか、施設にボランティアの実践に入るとか、そういったこともやらせていただいておりますが、まさにそのもう一段前の小中学校のレベルでもいろいろな社会科教育の中で職業を選択する一つの選択肢として捉えていただくということで、社会科の授業の中で簡単な体験事業をやっていただくとか、そういうことをやっているわけなのですが、学校当局に要請をいたしますと、やはり学習指導要領の関係があってなかなか授業の中に取り入れられないというような話を現場ではされてしまいます。

 そういった意味で、そういったイメージアップの取り組みについて文科省と厚生労働省が連携をしていただいて、国からひとつリーダーシップを発揮していただければありがたいと思います。

 また、さらに多様な人材の確保という点では、外国人の技能実習のお話がございますが、最長で6年間という制約があります。これをさらに一歩進めて、例えばその6年の間に介護福祉士の国家資格の習得ができればその後の在留資格を認めるとか、そういったことをもう一歩進めていただき、かなりEPAに近いような形でやっていただけるとありがたいと思っております。

 あとは、先ほど来、各委員がおっしゃっているように、やはり人材確保であるとか取り組みというのは、それぞれの事業所、施設が取り組んでいるものの成果でもありますので、こういったものを何らかの形で評価をして、その評価をしたものが報酬に反映するというインセンティブが働くような取り組みをすることが一つにはあるかと思いますので、その辺の御検討をよろしくお願いしたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 今度はこちらにいきましょう。井上由美子委員、先ほど来、手を挙げておられましたのでお願いします。

○井上(由)委員 ありがとうございます。いろいろな指摘が出尽くされた感がありますので、私のほうからは質問をさせていただきたいと思います。

 この「現状・課題」、1ページの3つ目の「○」のところで、「介護人材の処遇について、平成29年度からキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善」となっております。これは皆さんからもいろいろな意見が出ておりますけれども、この「キャリアアップの仕組みを構築し」ということが条件なのか。それが条件だとすれば、そのキャリアアップの仕組みの是非、よしあしをどこが評価するのか。

 それから、それを評価した上で「構築し、月額平均1万円相当の改善」ということであれば、その月額1万円相当の改善をこれだけ自分たちの施設はキャリアアップの仕組みを構築したのでと、例えば書類を出して、何人いるから1万円ください。1万円掛ける何人分くださいというふうに申請するのか。

 それで、申請した場合、この前の部会でしたか、給付費分科会かは忘れたのですが、これを申請しないところがあるというような話がございました。処遇改善加算を申請して、それがほかの事務員さんなどともバランス上分けて給料をアップさせているというような統計があったと記憶していますが、その渡したものがはっきり、すっきりと介護職の人に渡るかどうか、どうチェックするのかというようなことが私は気になります。

 というのは、これだけ読むと何かよさそうなのですけれども、実態調査をしてみると現実には一旦、申請をして、それでもらったお金をまた別に分けているというようなことがこの前、少しの統計でしたけれどもありましたので、その辺のところのプロセスというか、現実に介護職に渡るのかどうかということの道筋、そういうものの考え方をお示し願いたいと思います。それが第1点です。

 もう一点ございます。参考資料の19ページです。これも私は一生懸命読んでいたのですが、「介護職員の処遇改善についての取組」というのがありまして、下のほうで「※」印がついておりまして、「上記4つの取組等により、それぞれ実績として給与が改善されている」。それから、その下は「調査客体等が異なるが、これを合計すれば月額4.3万円相当の改善となっている」と書かれています。これは計算すればそうなるんですけれども、あえてそういうふうに書かれた理由、裏の理由ですね。わざとこれを引っ張り出してきて書いたのは、これだけやっているんじゃないか。にもかかわらずまだ言うのかと、余計なことですけれどもそういう意図があるのか。いや、ないですと言われたらそれまでですけれども、でもやはり書く以上、書く人には何らかの意図があるはずです。そういうことで、その意図をぜひお聞かせ願いたいと思っています。

 その2点の質問で、私はかねがね申し上げていることですけれども、こういう加算をするのではなくて、加算するということよりも、やはり基本報酬を上げるということが一番だと思うんです。こういうことをやれば1万円あげるよということではなくて、基本報酬を上げれば介護の質は変わる。これは、かねがね申し上げているとおりです。以上です。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 それでは、事務局からコメントがあればお願いします。どうぞ。

○鈴木老人保健課長 老人保健課長でございます。

 まず1点目の、今後の処遇改善の関係の内容につきましてですが、今回の一億総活躍プランに盛り込まれております介護職員の処遇改善につきましては、平成29年度介護報酬改定において対応することとしております。

 介護報酬改定を行う場合につきましては介護保険上、社会保障審議会の介護給付費分科会の意見を聞かなければならないとされておりまして、今後その給付費分科会の意見を聞いて具体的な内容について今後、年末までに審議会を見て議論をして決定させていただきたいということで、今の段階でどういう形にするかはまだ決まっておりません。

 それからまた、2番目の19ページの考えでございます。これにつきましては、それぞれ月額9,000円ですとか書いておりますが、これは処遇改善に関しまして調査を年度ごとに行っております。

 したがいまして、実際にはこれは年度ごとで全然違う調査で、1回ごとに調査をしておりますので単純に合計はできないんだけれども、合計をすればこれくらいになりますよという事実関係を最後に書かせていただいたわけでありまして、裏の話ということは特に考えてはいません。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、井上隆委員お願いします。

○井上(隆)委員 ありがとうございます。制度の持続可能性を確保するためには生産性の向上、あるいは業務効率化に向けた取り組みが不可欠であると考えております。

 論点の1つ目、ロボット・ICTの活用でございますけれども、介護報酬や人員設備基準の見直しを行うという提案には賛成したいと思います。ぜひ、コストベネフィットをよく踏まえながら、具体的な検討をお願いしたいと思います。

 2番目の必要な書類の見直し、ICTの活用による書類の簡素化ですけれども、これも非常に重要な論点でございまして、行政側の繁文縟礼を是正していただきまして、必要書類の電子化、あるいはフォーマットの統一を行うことで事務負担の軽減、業務効率化を図るとともに、ICTのメリットの一つであります蓄積されたデータを今後有効に活用して、さらに制度の精緻化を図っていっていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、ロボットもICTもツールでございまして目的ではございませんので、このツールを活用して精度をよりよく向上して、人間がやらなくてはならないサービスの向上を図っていただきたいと思います。

 もう一つ、これは論点ではないのですが、先ほど東委員からも若干ありましたけれども、介護人材の量的な確保はやはりどうしても必要になってくるということで、先ほどちょっと御議論もありましたけれども、例えば定年退職後、10年間ぐらいは皆さんまだ現役で働けるという状況でございますから、こういう方々の活用が考えられます。あるいは外国人材の活用ということもあわせて、研修や、受け入れ制度のあり方についても検討が必要ではないかと思います。以上でございます。

○遠藤部会長 それでは、桝田委員、伊藤委員の順でお願いします。

○桝田委員 まず介護ロボットの件ですけれども、介護ロボット自体、今、現場に入りかけたばかりです。ですから、介護を行うロボットの開発というよりも、介護者を支援するロボットの開発ということを優先して行っていただきたい。やはり介護現場で介護福祉士等が介護を行う場合に、周辺業務、介護職の専門職でなくてもできるような業務のロボット化というのが一つあると思います。

 それともう一つは、腰痛対策とか介護職の負担軽減、力の要る介護の部分をちゃんとそれでアシストするようなものの開発ですね。それで、介護職の3Kの部分の解消につながるロボットをつくっていく。それと、利用者にとっても逆にそれが安全で快適な生活につながっていくのではないかと思います。

 ただ、現在、試行段階でロボット的な部分を導入しましても非常に価格が高くてなかなか踏み切れない。現状の介護報酬ではそういう試行的な部分に設備投資をするというのは、なかなか進まないので、やはり補助金なり助成金なりの財政的な支援が要るのかなと思います。介護職がより専門性を発揮するためには、そのロボットを使いこなしていくというのが一つの手段になってきます。ロボットが介護をしてくれるのではなくて、そのツールを使って、より高度な介護を介護福祉士等が行うという概念が必要なのかと思います。

 それからもう一つのICT化の部分ですけれども、参考資料の9ページにも文書量半減という部分がありますけれども、介護保険がスタートしたときから比べますと、事業者にとって非常に文書量というのは増えています。それで、提出先も増えています。先ほど井上委員のほうから処遇改善の部分でお話がありましたけれども、どういう計画をしているのか、実績はどうなのかということで、やはり利用者側から見れば疑問が出てきます。

 そのため、処遇改善加算自体は計画書をつくって実績報告を提出する。それは加算の中で非常に異例な部分なのですけれども、国民目線ですとそれもやむを得ない部分はあるのですが、ただ、そのつくった書類の提出先が非常に膨大になる。関係市町村には全て出さなければいけない。同じものを金太郎あめで出せるのであれば、そんなに問題はないんです。Aという市とBという市に、両方サービス提供者が要りますから出しました。市長名だけかえれば済む話なんですけれども、現実にはその市町村によって様式が変わってしまう。計算方法が変わる。書き方が変わるということが現実に存在します。そうすると、一つ一つの分に全部手を加えた書類を、それぞれの市町村に今、提出しています。それが実態なんです。その部分をどう整理していくのか。

 それと、この文書量半減の部分で、ではこの書類は今後提出しなくてもいいですよというルールが決められても、現場のほうではその記録について、計画なり順番についてはちゃんとつくって保存してくださいねと言われたら書類はなくならないんです。それで、監査等のときにそれの提示を求められるから紙ベースで作らなければいけない。今、監査等の場合に、基本的にパソコンの中でこうありますというのではほとんどの場合、通りません。全て紙ベースです。ですから、監査の前になると、膨大な資料のプリントアウトというのも実際にうちでもやっています。普段そういうものは使わないけれども、監査のためだけの資料というものが出てきます。

 だから、ICT化が進んで全ての部分が例えば端末から自動で記録される。それが、ホストコンピューターの中にデータとしてある。それではやはり足りないという部分をどうOKにしてもらうのか。CD等に落としてあればそれでいいですよと、それを見ていただくというような形をつくっていくというのもやはり必要かと思います。

 文書量半減と言われても、はいそうですかと納得できない部分は事業者側には、今までの経緯でどんどん必要な書類が膨れ上がってきた部分があって、提出は要しないけれども、ちゃんと5年間は置いておいてくださいというものが非常に煩雑に存在しているということはご理解願えたらと思います。以上でございます。

○遠藤部会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 介護人材の確保についてはこの間も申し上げてきましたが、就業構造の変化というものをもっと客観的、冷静に考えて検討していく必要があると思っています。

 きょうの資料でも、資料1の1ページ目の一番上の「○」で需給ギャップが書いてありますけれども、この37.7というのは見込みによるギャップでして、今の職員数が180万人ぐらいとして、2020年初頭だと50万人必要だし、2025年であれば80万人ぐらいいると思います。

 これを、今のペースで確保していくことが可能なのかということを客観的に見る必要があると思います。今、介護職の有効求人倍率は全産業平均と比べどんどん伸びが大きくなっています。確保が厳しくなっているということを、十分認識する必要があると思います。だから、そもそも供給見込みが達成できるのかという視点を持つ必要があると思います。

 あとは、月額平均1万円相当の処遇改善措置をするという方針がありますけれども、それについては現状でも全産業平均の賃金と、月額で10万円の差があるということを十分考えて、確実に継続的に処遇改善を行っていく。これは、必須だと考えています。

 先ほど、参考資料1の19ページで処遇状況等調査について老人保健課長から御説明がありましたけれども、処遇状況等調査というのは毎回発射台が違います。したがって、継続的にこの4万3,000円が実際に効果を上げたという保証はないです。この数字はミスリードです。

 あとは、処遇改善を行うから1号保険料がふえるという部分については補正予算で調整交付金の措置をすることになっていますが、2号についても同じく保険料がふえるわけですけれども、そこは措置されていないという点には問題があると思っています。

 先ほどもありましたが、資料の中で雇用管理が大分ずさんだということを改めて今回、出していただけましたので、その点についても対応していくことによって離職を防止しないといけないと思っています。

 それで、ICT・ロボットです。これも御指摘がありましたけれども、人員要件や設備基準の緩和についての検討というのは余りにも早い話だと思っています。導入ありきではなく、我々働く側、あとは利用する側という立場からいえば、安全性が確実に確保される必要があると考えていますので、その機器の安全性、また研修がきちんと行われるということ。そしてまた、標準化もしていく必要があるでしょうし、ウエアラブルなものから装置としてのものもさまざまあるわけで、また技術進歩は日進月歩だという中でどれだけの効率化が図れるのかというような見積もりをするべく詳細に検討していく必要があると思います。

 それから、事業者が作成する自治体への提出書類等の見直しについては可能な限り行っていく必要があると思っています。

 ただ、ICTの活用については新しい人材が入ってくるということは当然見据えながらですけれども、現に今、介護の現場で働いている人の高齢化が進んでいるということも考えながら、その活用がきちんと図られるような対応が当然必要になると思います。

 最後に標準化のところですけれども、こちらについてはこれまでの蓄積も活用しながら進めていくことが必要だと思います。以上です。

○遠藤部会長 それでは、及川参考人、藤原委員、花俣委員の順番でお願いします。

○及川参考人 ありがとうございます。私は、介護実践者の代表という形で少しお話をさせていただきたいのですが、介護ロボット・ICTの活用については効果的・効率的に使用できるものであるならば積極的につくっていただきたいし、積極的に導入していきたいところでございます。

 ただし、導入して定着するまでには一定の手間や時間がかかるものでありますので、どの程度の効果があるのか、まだ不鮮明なところもありますので、検証を重ねていくことが必要であると考えます。

 また、小規模の事業所がロボットやICTを導入するに当たっては、費用の面や、あわせて導入や定着までの支援も考えていかなければいけないと思います。

 それから、人材確保についてですが、介護人材を介護福祉士、介護福祉士でない介護職員、あるいは、東委員のほうから意見が出ておりました介護助手というように分類し、役割を分担することについては、効率性の観点からも適切な考え方と捉えております。

介護現場で人材が不足しているのは本当に深刻な状態でございますので、とにかく介護をする方にどんどん入っていただきたい。その際 介護行為としては高い専門性が求められなくても、その行為を行うに当たって必要とされる観察の視点やアセスメントとについては、高い専門性を備えた介護福祉士に任せていただく方法もあると考えます。

 そして、介護手順や基準の明確化についてでございます。鈴木委員からも意見がありましたように、現場での人材育成というのはOJTが中心でありますが、何よりも、各施設・事業所において介護の業務基準の構築に向けて、多くの介護職員がかかわり、喧々諤々の議論を重ねていくことが重要と考えています。

この積み重ねの過程で、よりよい介護を志向することが、職員の意識の向上やサービスの質の向上、そして介護の魅力の向上という土台の構築にもつながると考えているからでございます。 なお、その際、介護の業務基準というものを、ゼロからつくり上げるというのはなかなか難しいところでございます。参考になる資料は種々あるかと思いますが、日本介護士会でもそういうものをつくっておりますので、どうぞ御活用いただければと思っております。以上でございます。ありがとうございました。

○遠藤部会長 お待たせいたしました。藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 まさに今、地方創生の時代でありまして、また、一億総活躍社会の実現に向けても市町村は頑張っております。

 しかし、依然として人口減少が続いておりまして、都市集中というような現象がますます顕著に出てきております。そうなってきますと、町村部は非常に高齢化率が高くなりまして、高齢化率が高くなると介護需要が高くなます。

 しかしながら、非常に人材の確保が難しい現状がありまして、良質な介護人材の育成以前に人の確保が非常に深刻であるということであります。介護職離職を防ぐこと以前に介護就職者の確保のほうがはるかに今、重要でありまして、特に過疎町村は悩んでおります。

 そういう中で、人材確保は少し広域的に取り組んでいかなければいけないのではないかと思います。ただ、広域的に採用すると非常に地理的条件も異なりますので勤務地の格差が出てきます。そうなりますと待遇や処遇の問題も出てきますので、良質な人材確保のために人材確保安定基金のようなものを創設して、どこの地域に行っても処遇は変わらないという制度を創設してもらえば多少緩和されると思います。今の状況ではへき地ほど人材確保が難しく、へき地ほど介護需要が多いのです。そのギャップをどう埋めていくかは非常に難しいわけでありますが、ぜひ長期的な視野に立って考えていただきたいと思います。

 また、先ほど東委員が言われたように、何か職業的な魅力をつくっていく必要があると思います。高齢者や障害者に対する仕事でありますので、どうも心理的に魅力を感じていただけていない状況があるように感じるわけであります。

 ですから、そういう中でも非常に希望的な観測が持てるような職業的な魅力、何か付加価値をつけていくようなことも将来必要ではないかと思います。非常に難しい課題ですが、皆でいい考えを出していけたらと思いますのでよろしくお願いします。以上です。

○遠藤部会長 それでは、お待たせしました。花俣委員、どうぞ。

○花俣委員 ありがとうございます。もうほとんど意見が出尽くしておりまして、ロボットのところは齋藤委員であるとか、伊藤委員であるとか、慎重派の御意見に私は賛同しております。

 やはりロボットというのは、施設系の介護現場ではぴったりくるものがあると思うんですけれども、馬袋委員もおっしゃっていたように訪問系にはちょっとそぐわないかなという気持ちは今も変わっておりません。59回の部会のときにも質問させていただきましたが、介護サービス全般について対象というお答えだったかと思いますので、これについては特に認知症の高齢者について果たしてロボットがどれだけ有効なのかということもあわせて疑問を感じております。

 それからもう一つ、3ページ目に「標準的な介護業務の手順等を策定」と書かれております。これは感想なんですけれども、こういう介護業務の手順をきちんと策定するということになったときに、その人の全体を見ることのない画一的なマニュアルとならないように望みたいと思います。

 6月2日の介護部会、あるいは先ほども介護人材の類型化、機能分化を重視し、介護助手ということにまで言及されましたけれども、決められた行為を的確に手際よくこなすだけの介護過程にならないようにということを望みたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、こちらで鷲見委員どうぞ。

○鷲見委員 ありがとうございます。人材確保でございますが、参考資料の14ページにありますように、不安があるとか、それからけがを起こしてしまうといったことに対して、より専門性のある人たちのほうがそれらを重視しているというようにここには出ているかと思います。それは、ケアは複雑で、そしてなお確かな知識と技術が本当に必要とされていることを示していると思います。

 そうなりますと、安易に介護助手というよりは、先ほど御提案があったように人材確保という意味では、例えば施設などの専門職がいらっしゃる中で役割分担し、そして振り返りや、連携をとるという形がとれるのであれば推奨していくことも重要かと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございました。ほかにどうぞ。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木(隆)委員 ありがとうございました。私は1点だけお聞きしたいのですが、介護人材の確保について3ページですけれども、「適切な介護サービスを提供するためには、根拠に基づいた介護を行うことが重要」で、その根拠となる標準的な介護業務の手順を策定するというのは基本的に結構だと思うんですが、この根拠に基づいた介護というのは何をアウトカムにしたときの根拠をおっしゃっているのかを教えていただきたいのです。

○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。

○三浦振興課長 振興課長でございます。具体的にはその医療のエビデンス、治療みたいなアウトカムというのはなかなか設定がしづらいかと思いますので、これまでの経験則的なよい介護手法といったようなことを想定しながら経験則をイメージして書いたものなんです。ですので、なかなかアウトカムという形で今、具体的にお示しするものが手元にないんです。

○遠藤部会長 どうぞ。

○鈴木(隆)委員 そうすると、標準的なマニュアルというのは、何をアウトカムにしているか、わからなければできないのではないかと危惧するんですけれども。

○遠藤部会長 どうぞ。

○三浦振興課長 振興課長でございます。具体的に、何かしらその国で一つの手順を取りまとめてつくるといったようなイメージで書いてあるというよりは、その指摘として一定のその職場の中で経験を蓄積された先輩から後輩に引き継がれるような、しかも一定の説明ができる根拠に基づいたような手順というのを持っていただいて、それを引き継いでいただくということの重要性が指摘されているというのが、この文章の趣旨でございます。

○遠藤部会長 どうぞ。

○鈴木()委員 了解いたしました。そのマニュアルを引き継いで大事にされていくとき、何ゆえのこの根拠かというのはある程度、方向性を示していただければ多分理解されやすいのかなと思いますのでよろしくお願いします。

○遠藤部会長 ほかに何かございますか。

 それでは、栃本委員どうぞ。

○栃本委員 今の鈴木委員のお話ですけれども、先ほど申し上げましたように日本でもそうだと思うのですが、ドイツでも介護保険制度が始まって、やはりサービスの質やサービスの中身自身を標準化していく。ただ、その場合、標準化というのは手順書云々ということではなくて、先ほど申し上げましたように例えば認知症ケアというもの、ないしは尊厳あるケアというものが法律上、書いてあったとしても、それは具体的な場面で何をもってフレーゲスタンダードとして尊厳あるケアになるのかというものがあるわけですね。

 私はドイツにしょっちゅう行っていまして、やはり日本でも多分これから重要だと思うんですけれども、各事業所ないしはドイツの中で民間福祉6団体、カリタスとか、ドイツ赤十字であるとか、そういうところが介護保険によるサービスを行っています。それごとにそのフレーゲスタンダードの加除式のものがあるわけです。加除式でどんどんつけ加えていくというものがあって、例えば認知症ケアであればライトセラピーというのは非常に効果がある。

 それで、それは臨床というか、実践に基づいてその効果がかなり顕著だというので、その標準化といった場合よく誤解されるんですけれども、画一化とか、考えないで単にそのマニュアルでやればいいということでは全くないんですね。また、全事業所で9割方行われているから標準化でも何でもないんです。

 ケアスタンダードというのは非常に効果があるというものであって、現在はその施設で3%しか導入されていない。仮に実際には行われていないというものであったとしても、それによって効果があるということになるとケアスタンダードということになるわけで、それをどの事業所が活用するか。また、それを使えるだけの力量があるかどうかというものを高めていくという作業のために、さっき申し上げましたようにフレーゲスタンダードというものが非常に重要でもあるし、各事業所ないしは団体がそういうものを蓄積していって、これによって観念ではない形の具体的なプラクティカルなナレッジドメインとしてもあるし、スキルとしても成立していくというものの繰り返しの作業ですね。

 そういう意味で、これだけ読みますと規格化とか手順書みたいなものとちょっと誤解されちゃうので、それで私はさっきもともとフレーゲスタンダードというのはそういうものじゃないんですよということを申し上げました。

○遠藤部会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木()委員 よくわかりました。

 ただ、今の認知症の方のケアにおいて、例えばそのケアの仕方によってBPSDの発症が少しでも抑制される。そういったエビデンスというものをちゃんともとにして、そういうものを蓄積したらいいんじゃないかというのが先生の御指摘なんですね。それだったら、大賛成です。やはり根拠に基づいたという以上は何らかの根拠がなければいけないので、それであれば了解です。

○栃本委員 そういう意味から、先ほど機能分析とか、そういうのはそれと全く違うということもあわせて申し上げたかったのですが、非常に重要なポイントだと思いましたので。

 あともう一つは、最近よく雑誌などにも出始めましたけれども、いわゆる非薬物療法によるケアというものは例えばオランダでもドイツでもアルツハイマー協会の支部とか、そういうところでは通所という形で行いますね。そして、家族介護者に対してそれをアドバイスするというような形での回転で、それらもエビデンスを蓄積する際に非常にポイントになっているわけで、やはり非薬物療法というものをこれから現場で行っていく際にこの部分というのは欠かせないものだと思いますので、ぜひ認知症施策推進室ではしっかりやっていただきたいと思います。

○遠藤部会長 どうしても必要ですか。

 では、お願いします。

○馬袋委員 お時間の問題があるところをすみません。先ほど言われているのは、私たちのケアというのは生産と消費が同時に行われるサービスです。ですから、何をもってエビデンスとするかというときに、例えば在宅で利用者の状態を見ながらそのニーズ、状況に対応してケア・生産する。ケアを提供して、結果これでよくなるというか、改善される、または快適になるということを利用者が同時に受け取るものです。大切なのはそのケアする人たちの教育のスキル、レベルの評価と、実証できるかということについての検証が大切な標準化への組み立てになっているだろうと思うのです。

 それをもって、先ほど先生が言われたように何の効果は、どのようなメンバーへ教育して、どのようにできるかの状態までできるという人材がやって、結果としてどう変化して効果があったかということを確認して、それを継続的に改善したものを積み上げながらより良い標準化というか、広くばらつきのないように展開していく行為そのものが質を向上させると思うのです。

 その一連のプロセス、内容のところに監査の目的だとか内容のための記録物を手順するということと勘違いされている部分があるので、そこはちゃんと整理してくださいということを私は言いたいというだけです。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 大体議論も出尽くしたと思いますので、次は資料2について説明をお願いしたいと思います。

○鈴木老人保健課長 老人保健課長です。それでは資料2、「保険者の業務簡素化(要介護認定等)」について御説明をさせていただきます。

 開けていただきまして1ページでございますが、現状ということで要介護認定の現状ということを述べさせていただいております。

 2つ目の「○」のところにありますが、現在、平成27年4月現在ですと608万人おられまして、この15年間で約2.8倍に増加しているというところでございます。

 また、3番目の「○」にありますが、これまで事務負担軽減の観点から要介護認定に係る有効期間の延長を段階的に実施してきたところでございます。

 2ページにいっていただきまして、「要介護認定の有効期間」でございます。

 まず、新規と区分変更認定の有効期間につきましては原則「6カ月」、上限が「12カ月」となっております。

 また、更新認定の有効期間は、上限は原則「12カ月」、上限が「24カ月」ということになっております。

 その下に表がございますが、それぞれ認定後、要介護度が変わらないものの割合ということで、新規認定の場合ですと最大12カ月ですが、12カ月後では最初と要介護認定が変わらないのが42.3%、区分変更認定ですと47.3%となっております。また、更新認定につきましては上限24カ月となっておりますので、24カ月のところを見ていただくと大体60%のものは変わらないということになっております。また、その次、もう少し延ばして12カ月をさらに延ばしてみると、更新認定の場合につきましては40.6%が今のところ最初の要介護度と変わらないという結果になっているところでございます。

 続きまして、3ページをごらんいただきたいと思います。「要介護認定業務の各プロセスについて」ということでございます。参考資料の5ページをごらんいただければ、流れに沿って御説明できると思います。

 参考資料の5ページにつきましてはそれぞれ左から申請があって、一番右に結果を受理するということで結果が出るまでの流れと、それからそれぞれのところにおきます大体の業務量を記させていただいているところでございます。

 要介護認定を希望する場合につきましては、まず申請していただいて市町村によって受理されまして、その後、市長村は認定調査員によるいわゆる認定調査を行っていただくとともに、主治医に対しまして意見書の作成を依頼し、それをもとに一次判定というコンピューター判定を行っているところでございます。

 その際に作成されます認定調査票及び主治医意見書につきましては、その後の介護認定審査会、これは人によって審査するところでございますが、そこにおきましても資料として非常に重要な役割を担っているところでございます。

 ちなみに、市町村におきまして認定調査実施までの期間は平均が約9.6日、主治医意見書依頼から入手までが大体15.6日となっているところでございます。

 4ページにいっていただきまして、次に「介護認定審査会における審査」でございます。ここにつきましては、保健・医療・福祉の学識経験者により構成されます介護認定審査会によりまして、まずコンピューター判定の一次判定の修正の確定を行うともに、先ほどの一次判定結果、それから主治医意見書等に基づき二次判定の審査を行っていただくところでございます。

 市町村におきましては年間平均207回、審査会1回当たりの審査件数は約30.3件、1回当たり約2時間という時間がかかっているという状況でございます。

 開けていただきまして、5ページになります。要介護認定の業務の各プロセスの中の一つでございますが、審査会が行いました二次判定が一次判定結果から変更がなかったものであって、次の更新の一次判定でも同じ要介護度であったものが、またさらにその要介護度の変更がどうなっているかというのを下のほうに絵で記させていただいております。

25年1月認定の下のところに一次判定ということで、ここで判定された人たちを100としますと、介護認定審査会で変更がなく一次判定と同じ結果になった人たちが83.3%、16.7%は重度もしくは軽度に変更されております。

 その83.3%をさらに次の更新のときに追っていきますと、状態が変化しなくて前回の一次判定、25年1月の認定の一次判定と同じ結果になった人が100に対して45%の方々だった。

 さらに、その45.5%の方がこの更新のときの二次判定、いわゆる審査会の判定ですとそのまま43.7%、つまり96%の方が2回目の審査会の中で一次判定と二次判定が変わっていなかったというような結果になっているところでございます。

 それを踏まえまして、6ページの「論点」でありますが、要介護認定制度につきましては介護保険制度の根幹をなす重要な役割を担っているところでございまして、現在実施しておりますプロセスを一律に廃止・省略することはやはり信頼性に影響を与えるおそれがあり、困難であるが、各プロセスを考慮した上で、次のケースについて事務の簡素化を図ってはどうかということでお尋ねさせていただいております。

 1つは要介護認定の更新認定の有効期間のさらなる延長ということで、先ほど2ページにありました表のところになりますが、最終的に新規認定、区分変更申請で12カ月におけます要介護度が変化ないものの割合が4割から5割であることの均衡をかんがみ、今回更新認定の36カ月、今40.6%は変わらないというデータが出ておりますが、ここについて同様に36カ月の延長をすることを可能としてはどうかという御提案でございます。

 それから2番目でございますが、介護認定審査会におけます審査の簡素化ということで、認定審査等の内容が、長期にわたり変化していない。状態が安定しているものにつきましては、要介護度の変化もまた不変である蓋然性が高いことが想定されますので、審査会委員等の事務負担の軽減を図るため、状態安定について二次判定の手続を簡素化することを可能としてはどうかという御提案でございます。

 なお、状態が安定したかどうかを確認する際の具体的な要件につきましては、要介護認定の実態研究を実施し、その結果を踏まえて設定することとしてはどうかということで提案させていただいております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。このように具体的な事務局からの提案が出ておりますので、御審議いただきたいと思います。

 それでは、武久委員どうぞ。

○武久委員 鈴木先生もおっしゃっていましたけれども、2000年から足掛け16年、認定審査会の委員をやっておりますが、確かに現場は当初より全然変わってまいりました。当初は前にも言いましたけれども、3分の1以上変更がありましたが、今は10%前後で、ここに出ているものでも15%前後です。

 私は、これは2.8倍にもなっているし、認定まで1カ月以上かかっているということは、ちょっと憂慮すべき事態ではないかと思います。実際に認定審査会をやっていましても、入っていた人が亡くなったのでこれは取り下げになりましたとか、そういうことが多々ございましてどうかと現場でも思っております。

 これは、鈴木課長からの御提案でございますけれども、私は新規は今までどおりにしたほうがいいと思いますが、もうそろそろ一次判定のソフトが非常に精緻化してまいりましたので、この後の更新申請等につきましては一次判定を利用するということで、もし不満があれば認定審査会でやるというふうな簡便法も考えてはいかがかと思います。

 というのは、要介護の費用を削るよりは事務費をまず削らないといけないと私は思うわけです。介護サービスの費用をいたずらに削ることによって、むしろ要介護度が重くなるということは本末転倒になりますので、確かに要介護4の人はやはり継続してずっと4、5で、この人たちが1や2になることはまずほとんどないです。そういう意味では、この36カ月というものに私は賛成します。

 ただ、私もそうですけれども、認定審査会の5人の委員の中に地区医師会の推薦ということで2名大体入っておりますので、医師会の検討のところはあると思いますが、事務費の節減というのはどうしても介護費用に先立って行うべき事項でないかと私は思いますので、この提案を賛成すると同時にもう一歩進めて、更新については一次判定で判定して不満な場合に審査会にという新しい方法も検討していただければと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木(邦)委員 医師会の話が出ましたが、私も介護保険制度スタート以来、地元の市の介護認定審査会の委員長を務めております。やはり事務プロセスの効率化は必要ですけれども、要介護認定の信頼性に影響を与えるようなことはできないと思いますので、今回事務局が提案してきた内容はそういう意味では妥当ではないかと思います。すなわち、更新の認定有効期間を36カ月に延長することはよろしいと思います。

 もう一つのほうの状態安定者について二次判定の手続を簡素化するということですが、そのためには状態が安定しているということを確認する必要がありますので、今後設定される要件が、我々が現場で納得できるものになるかによると思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 この論点の表現で、気になる部分があります。何かといいますと、今回、業務簡素化の切り口だけで書かれているんですけれども、保険制度においてリスク評価というのはまさに制度の要諦だと思うんです。

 したがって、介護保険制度におけるそのリスク評価というのはまさに要介護認定ということになるわけでして、これが極めて重要なファクターであるとした場合に、これをいかに簡素化するかという視点だけで見るのはちょっとおかしいのではないかと思います。

 業務の簡素化を否定する気は全くないんですけれども、少なくともそのリスク評価の精度、精密度を上げるということとセットで考えるべきであろうという気がいたします。とてつもなく労力をかけて精度を上げることはやり過ぎだというのは当然だと思うのですが、逆に業務の簡素化をしたらリスク評価の精度が下がってしまったというのでは、意味がないのだろうという気がいたします。

 そういう面で、リスク評価では要介護認定の精度を上げるというところで見た場合には、当たり前ですけれども、介護保険のそもそもの目的であるところの自立支援ですとか、要介護度の改善ということが大きな目的になるわけで、これをいかに適時適切に判断して修正を反映していくのかというところがポイントになろうかと思います。したがって、業務の簡素化をするときには、そのこととあわせてまさにこのリスク評価のアップをどのように実現していくかということを考えるべきだろうと思います。

 では、それを見た場合、この更新期間の延長ということだけでそれが果たしてできるのかというと、やや不十分ではないだろうかという気が私はいたします。

 また、単なる人別だけではなくて今までのリスク評価の精度ということについて言えば、これまでの議論でも例えば要介護認定について地域格差がある。地域間のばらつきの問題があるということが出ているわけで、その地域間格差の要因を分析した上で、リスク評価の精度を上げるということと業務簡素化ということの両方の課題に取り組んでいくべきではないかという気がいたしますので、その両面からの検討をさらに進めていくべきではないかと考えます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、陶山委員どうぞ。

○陶山委員 ありがとうございます。要介護認定の申請の結果が通知されるまで原則30日と決まっていますが、先ほどの話では36.5日と平均を上回っているということは御指摘のとおりでございますが、この期間を縮めるために審査会などの事務負担の軽減や、状態安定者の二次判定手続の簡素化ということは可能な限り進めるべきだと思います。

 しかし、現状のプロセスについて、少しでも短縮できる方策があれば同時に進めることが必要ではないかと思います。私どもで、介護事業所70カ所に介護認定に係るアンケートを実施しましたところ、30日以内に認定が下りない場合の行政から受けている説明で一番多かったのが「主治医の意見書がそろわないから」、2番目が認定調査員の認定訪問日程が決まらないからという理由でございました。

 資料の3ページにもありますけれども、市町村における認定調査実施までの期間は「平均9.6日」、主治医の意見書依頼から入手まで「平均15.6日」ということでございますが、認定審査については利用者も一刻も早い認定を望まれているので、認定調査員の対応や、意見書については、忙しい医師の事情も十二分に理解するところでありますが、例えば「遅い病院は決まっている、行政から指導してほしい」などの意見もありますので、個別対応も含めて期間短縮に御協力をいただけるように何らかの方策が必要であると考えます。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。少しこちらのほうにいきましょうか。

 それでは、伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 認定の延長については考えられるとは思っておりますが、一方で適切な給付管理が重要と思っております。要介護度が改善していくという場合、みずから軽くしてくださいという申し出はなかなか考えにくいとなると、必要以上の給付が行われることもあり得ると思いますので、その適切な給付管理が可能な限りにおいて延長ということを検討していくことが必要なのではないかと思います。

 また、要介護度の改善という点で、状況を把握するということは引き続き必要だと思っております。以上です。

○遠藤部会長 それでは、花俣委員どうぞ。

○花俣委員 ありがとうございます。業務の簡素化は基本的には賛成なんですけれども、ただ、課題は、次の更新認定までに変化があるのにそのまま放置されないようにすることがとても大事だと思います。前にも申し上げましたように、例えば有効期間を長くするというのであれば地域包括とかケアマネ、総合事業の提供者、あるいは指定事業者などが区分変更の必要性に気づいた時点での支援の強化ということも、あわせてきちんと担保していただきたいと思います。

 また、前回提出しました家族の会の要望書ですが、制度の抜本的改善のための要望の「2.要介護認定について」のマル1で、認知症高齢者の日常生活自立度が2以上の場合は一次判定において要介護1以上とすることということで、これは2011年の要望書でもそのための検討会を設置してほしいであるとか、あるいはそのように徹底して通達は出されているけれども実際は要支援と認定されていることも多いので、ここを徹底してほしいということを申し上げてきましたが、さらに今回もまた念押しでこれを出させていただいています。

 初期の認知症の人が、要介護認定を受けられないで介護サービスを利用できない。総合事業の導入でそんなおそれも出ていますので、ここはぜひ徹底していただきたいということをひとつ申し上げたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 では、小島参考人お願いします。

○小島参考人 今回、保険者の業務簡素化ということで出されたのが要介護認定の話でございまして、今、花俣委員からお話があったのですが、期間を延長したとしても状態の変化があれば、私ども保険者側の立場から言えば区分変更申請が可能ですということはいつでも周知をしておりますので、これを延長したからといって被保険者の方の不利益になることはないかと思っております。

 ただ、一方で、単なる期間の延長だけではなくて、先ほどもどなたか委員の方がおっしゃいましたが、やはり一次判定、二次判定のこの仕組みというのは大きな流れでこれを変える必要はないのですが、地域によってばらつきがあるということは否めないと思いますので、そうした部分の均てん化のための研修などをもう少し充実して、それぞれの保険者間でばらつきがないようにしていくことが重要ではないかと思っております。

 さらに言えば、認定調査もかなり対象者がふえておりますので、今は市町村受託法人ということで認定調査をそういった別の法人さんに委託することが可能になっております。行政職員は3年で転勤してしまうというのが常でありますので、そうしたスキルのあるような法人に長期にわたってやっていただくほうが、認定の調査についても精度が増すのかなということもあります。

 そういった意味では、市町村の受託事務の範囲も今、地方分権によっていろいろな事業者の指定、指導監査など、ほとんど市町村に下りているような状況がありますので、できるだけ受託できる業務範囲も拡大していただいて、通常の市町村ではやはり3年のローテでなかなか醸成できないようなスキルを、民間の事業者によって担保できるような仕組みも考えていただければありがたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 齋藤訓子委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 私も、事務局提案につきましては賛成でございます。

 今、小島参考人からも出ましたように、何かあれば不服申し立てというのは利用者の権利として保障されていると思いますので、こういった見直しによって保険者の事務負担が軽減される分、新規申請の認定業務がスピードアップして、より必要なサービスが早期に適切に入るということは期待したいと思っております。

 また、先ほど陶山委員からも出ておりましたけれども、医師の意見書につきましてはやはりこれだけの時間がかかっているということがありますので、ここもICT化などを推進してなるべく保険者の事務負担軽減につながる取り組みを国としても後押ししていただきたいと思っております。

 それから、一点、事務局に質問なのですが、今その認定審査の結果を受理して実際にサービスが開始されるまでの期間が平均どのくらいなのか。もしデータがありましたら、今回ではなくてもいいのでぜひ御提示いただきたいと思います。これから地域包括ケアシステムが推進されていくにあたり、高齢者や独居といった生活形態の方々が多くなってまいりますと、私はやはりケアの空白期間をつくらないことが大変重要になってくるのではないかと思いますので、申請をしてケアが実際に開始されるまでの期間のデータがもしありましたら御提示いただきたいと思います。

○遠藤部会長 事務局、何かコメントございますか。お願いします。

○鈴木老人保健課長 今、手元にないのでその辺につきましては調べさせていただきますが、原則、要介護認定の申請中でも、いわゆる暫定サービス介護プランというのでサービスを入れることは可能になっておりますので、そこが実際に通知の出た後、どれくらいになるかというのは、データがあるかどうかも含めて調べさせてください。済みません。

○遠藤部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。

 それでは、先ほどの順番でいきますと、栃本委員、馬袋委員、桝田委員でいきましょう。

○栃本委員 私は、認定審査会というのは極めて重要なものであるがゆえに、今回の提案に積極的に賛成します。

 それについてお話する前に1点、先ほど事務局の認定調査等の内容が長期にわたり状態が変化していない状態安定者についての部分の説明ですが、それについて今後の「状態が安定しているかどうかを確認する際の具体的な要件について」と書いてあって、これからの検討課題というか、そういう形になっているんだけれども、現時点においてこの状態安定者というもののイメージですね。

 それはなぜかというと、認定審査会のおける二次判定の際の状態不安定で介護1いった場合の手順、レベルの状態安定とは違う観念でつくられているのかなとか、そういうふうに思いましたので、それを最初に質問させていただきたいと思います。

○遠藤部会長 事務局、お願いします。

○鈴木老人保健課長 状態安定のイメージでございますが、今回示させていただいたのが、先ほどの前回の要介護判定の一次判定と二次判定の結果が同じで、今回の要介護判定の一次判定も少なくとも判定結果が同じだというものです。

 この判定結果というのは要介護認定で出ますし、またもう少しデータとするのであれば要介護時間でも出ますので、そういったところで少し勘案するのかなと思っております。

○栃本委員 わかりました。それでいいです。よくわかりました。

 それで、この認定業務のうちの効率化という部分なんですけれども、先ほど来お話がありますように、我が国では区分変更申請がある意味では自由に行えるという形になっています。状態が変化したということではなくて、いわゆるその状態変化以外でも市町村の行政処分に対する認定などの不服申請、不服申し立ての部分も介護保険審査会じゃなくてむしろ区分変更申請で行うというパターンになっているわけです。それは、ある意味では大変は大変だと思うんだけれども、これは利用者からすると非常に早くできるということでいいと思うんです。

 そのようなことから、実際に延ばしたとしても、状態安定者には要介護認定の有効期間を大幅に延ばすようなことがむしろ逆に適切だと思います。何かあれば、区分変更申請にすればいいわけですから。

 ただし、6ページの二次判定の簡素化については二次判定が効率よく行うためのものであって、単純に機械的に示された、例えば一括についてOKを出すとか、そういうような形は望ましくないと思います。

 先ほど、コンピューターの一次判定が精緻化されたというお話がありましたけれども、ただ、その一方で、実際に長年、要介護認定の合議体で仕事をしていれば、これはどうなんだということがしばしばありますね。特に認知症の部分をどうやってカウントするかという部分で、ある部分ロジックが破たんしているところがあって、二次判定というのは欠かせないものでもあるのは確かなんですね。

 前もお話ししましたけれども、数%の誤差は出るという形での現行一次判定システムの設定でもあります。そういう意味で、完璧に状態安定のものは先ほどから申し上げているように、延ばした方がいいと思います。その上で、やはり一括でOKというのではなくて何かされたほうがいいんじゃないかと思います。

 それで、その有効期間の延長に伴ってとても大切なことがあります。それは、ケアマネージャーが利用者の側に立ってしっかりとサービスの利用状況等についてチェックを入れることだと思います。先ほど佐野委員からもお話があった部分、また伊藤委員の御発言にも関係あるんですけれども、従来から延びている有効期間の延長が認定審査会の役割の低下ということではなくて、むしろ市町村の保険者機能が発揮できるツールとして認識して、適切なサービスが提供されていること、適切なサービスの利用について意見を付すというような法律上規定された部分があるわけです。

 要するに、意見を付すという部分ですね。そういうものに機能も果たせるような形にしていけば、前からお話ししておりますように市町村の保険者機能という意味でも非常に重要ですし、何よりも意見を付すことによって適切なケアプランを誘導していくためにもとても大切だと思います。

 また、利用者の状態の確認というのがある意味では訪問調査ということであったと思うんです。それが有効期間の延長で、訪問をしなくなるとどうなるか、チェックがはいらないということになると先ほど来申し上げているように、ケアマネージャーの役割というのが延長する際にはとても私は重要だと思います。

 例えば、軽度変更による区分変更申請というのもありますね。それは、ケアマネージャーがアドバイスするなりしてというのもあるんです。あとは、住宅改修するためにだけに申請して、4〜5年全然関係なしというのもありますね。そういうこともあるので、やはりケアマネージャーがずっとよくチェックというか、そういうことをされる必要があると思います。

 そういうことから、先ほど佐野委員が話されましたように、区分変更申請のときもそうだし、1年ごと、2年ごとに訪問調査員が入ることによって具体的にどうなっているかということをチェックできるということがありましたので、その部分についてはある意味ではさんざん申し上げましたけれども、ケアマネージャーがしっかり見ていくということも大切だと思います。長くなりました。

○遠藤部会長 それでは、続きまして馬袋委員どうぞ。

○馬袋委員 ありがとうございます。事務局に2点、質問があります。

 1つは平成30年、新しい期から予防給付総合事業の中で初めの申請の要支援の部分のところの簡素化が図られるというか、窓口で変更審査をするということがあろうかと思いますが、実際に要支援1、2の方々、その可能性のある方が事前のチェックリストによって効果的な予防のほうに移動されるということで判定されるのですが、その効果というのはここで言われる予防の方々のどれくらいの割合、そういう事前の包括ケアセンター側での判定による内容で効率化と言ったらおかしいのですけれども、認定審査会まで通らない状態でそちらの予防事業のほうに展開できるというのはどれくらい効果性があるのでしょうか、こういう認定審査のプロセスの簡素化に効果があるのかということについて、今すぐじゃなくてもいいんですけれども、そこら辺がもしわかればそれも一つの効果になっているのではないかと思いますので。

 もう一点は医療と介護の連携で、急性期で入院された方が退院のとき、特に初めての認定調査の内容には結果が出るのにやはり時間がかかるときに、入院中に審査できるのですが、ただ、帰られてすぐサービスの提供をするときに暫定的ケアプランとサービスを提供するのですが、認定審査で要介護など想定の区分の対象外になったとき、その場合の取り扱いが利用者の自費になるとか、そこに期間がかかるがゆえにすごく不安な状態であります。

 例えば、そういった場合、医療機関で第一審査の内容をもって、およそこれでやっていいかという暫定的な内容を仮に認めてもらって、その期間に発生する介護サービスはその制度の中である程度、報酬は精算できるということをやっていただけるように改定できれば、入院から退院まで受けてすぐ対応できるサービスが不安なく組み立てられると思うのですが、その期間が長いために不安があります。そのことについては検討できるのか、できないのかについての質問であります。質問を2点です。

○遠藤部会長 では、事務局コメントをお願いします。

○鈴木老人保健課長 1点目のチェックリストによって認定にいくのか、予防給付にいくのかの割合については、済みません。今データがないので、あるかどうかも含めて持ち帰って宿題とさせていただきたいと思います。

 それから、急性期におきまして病院に入院中に申請をして、退院までに区分が出なくて暫定ケアプランでやっている中で、最終的には想定していたところと区分が違ってしまったりとか、出るまでに期間がかかってしまったというところの対応なのですが、現状から申しますと、今のところそこの対策について検討したという事実はございませんで、1つは問題になるかとは思いますけれども、ただ、一次判定がいつごろ出るかによってもちょっと変わってくると思っておりますので、そこはもう少し慎重に考えたいと思っております。

○馬袋委員 その対応が、医療・介護連携の中で受け側に対しての安心感というのでしょうか。サービスを提供しても、あとこれは自費ですと言われたときに利用者側はとてもということを言われてしまうので、そこの何か支援とか、審査期間が短くても判定することと、そういった急きょ対応しなければいけないところの対応策というのをあわせてこの制度改正化の中で検討していただければと思います。

○遠藤部会長 お待たせしました。桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 今回の提案の36カ月、二次判定の簡素化という部分ですが、59回のときにも提案させていただきましたけれども、市町村の事務費負担の軽減の部分と、やはり費用対効果というものを考えて、結果的に96%が不変であればこのあたりで簡素化をして費用対効果を上げていくというのが必要かと思います。

 それで、リスクの問題についてお話ありましたけれども、ここはやはりケアマネージャーの役割として、自分のクライアントが適正な要介護度かどうかというのは常に見ておられるんじゃないかと思っています。おかしければ不服審査を出すなり、不服審査のほうはほとんど出ませんけれども、区分変更対応とかでそこの部分はクリアできると思います。

 ただ、認定の問題の中で、やはり主治医の意見書に時間がかかるというのはどこでもお話を聞いて、それがもとで認定結果が出ない。そこの、いわば迅速化という部分で何か方法はないのかと思います。

 また、もう一つは二次判定等の簡素化の問題とともに、主治医の意見書の内容の簡素化というのもできないのかどうか、一度検討をお願いできたらと思います。先ほど馬袋委員のほうからありましたけれども、暫定のプランで介護サービスを提供するというのは非常に事業者にとってリスクが高い。特に軽度者の場合、要支援になる、要介護1になる、もしくは判定がつかないというケース、非常にリスクが高くて利用者に説明はしてもやはり自費負担というのは非常に心苦しい問題が起こってきます。

 ですから、それが早くわかれば早く対応できるということもありますので、やはりこの30日という問題、平均36.5日をどう短縮してあげるかというのが一番のここの要介護認定事務の中の問題点となっております。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 ありがとうございます。3年に延長するという話については、基本的に我々もその方向でいいと思っております。

 また、栃本委員、桝田委員、そのほかの委員からお話がありましたとおり、モニタリングといいますか、その方の生活をずっと継続して見ていくのは我々の仕事だと思っておりますし、どのような生活をしているのか、どんな介護がなされているのか、どのように状態が変化しているのかを含めて、きちんと取り組んでいくことが我々の責任だと認識しております。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 井上隆委員、お待たせしました。

○井上(隆)委員 業務の簡素化、あるいは保険者の負担軽減ということについての方向性はもちろん支持するところですし、また少々懸念しておりました適宜、適切な認定という点も、ケアマネさんの継続的なフォローにより担保されるのであれば、業務の簡素化、有効期間の延長という方向については支持したいと思います。

 あとは、これまでも要介護認定について、自治体の地域差の問題が指摘されていますので、この原因分析につきましてはさらに進めていただいて、決して地域間の要介護認定のばらつきが生じることのないように留意していただきたいと思います。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、武久委員どうぞ。

○武久委員 陶山委員と桝田委員から御指摘いただいた主治医の意見を書いている者でございますけれども、まことにそのとおりでございまして、内心じくじたる思いをしておりますけれども、ここが遅ければ何も始まらないというのは皆さんも同じ考えかと思います。

 最初の議題もありましたように、ICT化ですね。やはり主治医の意見書ももっとIT化して、先ほど私が言いました一次判定で安定したらというのは、主治医の意見書の項目も認定調査にプラスして入れて新しいソフトをつくっていただければ、もちろん医師の考え方、主治医の意見書というのは当然判定には必要ですから。

 ただ、更新の場合にはそういうふうなものを入れてソフトをつくっていただくと医師のほうもそれだけ助かるし、できるだけ早く意見書を書くというふうに心したいと思っております。ありがとうございます。

○遠藤部会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 医師会の代表として発言させていただきます。どのような先生に依頼されているのかにもよると思うのですけれども、普段通院されているかかりつけ医の先生であればすぐに書いてくれると思うのですが、それまでかかりつけ医をお持ちではなかったり、大病院の先生にお願いしたような場合は、手間として考えられるので遅くなるのではないかという気がいたします。ぜひかかりつけ医を持っていただければと思いますし、市町村によって書式が違っている場合もあるようですので、そうしたところの統一も図っていただきたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。

 東委員、どうぞ。

○東委員 私も要介護認定の更新認定有効期間の上限を36カ月に延長することは賛成です。また、主治医意見書は私も書いておりますが、武久委員がおっしゃるように本当に状態が変わらないものであれば、主治医意見書もICT化して手間を省くということも賛成でございます。

 ただ、1点だけ、先ほど伊藤委員がおっしゃいましたけれども、区分変更申請は恐らく悪くなった方は必ず出されます。私の施設の利用者も、家族も皆そうです。ただ、よくなったからといって区分変更申請を出すという人はほとんどいらっしゃいません。

 今後更新認定有効期間を延ばすのであれば、現在、要介護度が改善したことに対するインセンティブは全くありませんので、そこの検討も避けて通れないかと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 土居委員、どうぞ。

○土居委員 遅参して申しわけございません。私も、事務局が御提案の業務の簡素化に賛成であります。先ほど来、何人かの委員もおっしゃっておられますように、当然この業務の簡素化ということも重要ですけれども、その認定で地域差が生じていることも、引き続きどういう理由で生じているかを分析し続けることは大事だと思います。

 特に、きょうの参考資料2の4ページで地域間の標準偏差が下がってきているということですので、これも原因を追求する上で資する一つの重要な資料であろうとかと思います。

 それともう一つ、先ほど齋藤委員がおっしゃっていたと思うのですけれども、認定後の介護サービスをどういう形で利用されるのかも引き続き分析をしていただきたい。特に、参考資料2の6ページ以降は非常に重要な資料だと思うのですけれども、要介護度別に認定後にどういうような状況になったかが時系列的に6カ月、12カ月、24カ月、36カ月と見てとれるというのは、今までにない非常に重要な意味を持つデータだと思います。

 これ自体も非常にいいメッセージといいましょうか、ここから得られる含意は大きいと思うのですけれども、これに付随してどういう介護サービスがなされているのかもあわせて分析することで、要介護度の変化がどのようになっていくのかということと、介護サービスとの対応関係が、より細かく分析できるのではないかと思います。

 私もこの部会でかねがね要介護度の変化、特に軽度変更についてはさらに分析をする必要があるのではないかということを述べてきました。けれども、介護給付費実態調査では継続受給者の情報しか載っていないわけで、きょうの参考資料2の資料はまさに非該当になる方も何%くらいいらっしゃるのかがはっきり数字で示されたというのは、これまでにない重要な情報だと思います。

 先ほど東委員もおっしゃったように軽度になる、ないしは非該当になるということで申請をあえてなさる方が少ないというのは事実だと思います。そうでありながらもこういう数字が出てきているということですから、もっともっと細かくインセンティブをつけないと、なかなかみずから進んで軽くなった、ないしはみずから非該当ではないかと申請される方がそう多くは出てこないかもしれません。けれども、こういう状態の変化もうまく捉えられるような情報の収集及び分析がこれからさらに必要だと思います。以上です。

○遠藤部会長 それでは、齊藤秀樹委員お願いします。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。この簡素化と認定の有効期間の延長というのは、基本的には賛成をいたします。

 先ほど来から出ておりますように、やはり悪化の場合と改善の場合で利用者の対応に違いが出てくるであろうことはそのとおりかと思います。

 しかし、全体的に見ると、こういう簡素化を通じて利用者教育をしていくのだということも非常に大事なポイントだと思いまして、ケアマネージャーの役割はもちろん大きいわけでありますが、保険者機能としてもやはり状態像に応じたサービスがその都度、適切にされるのだ。悪化の場合も、利用者の多くは区分変更申請がわかるということではありませんで、基本的に困ったということがこの申請につながるということでありましょうから、悪化したときも、改善したときも、その状態像に応じて適切なサービスが受けられるという安心感を担保していくことが極めて大事だと思いますので、状態像の変化については自己申告が可能な方向に持っていくような保険者としての配慮、対応もぜひお願いしたいと思います。

 高齢者は、全体的には一時的には確かに改善するということはありましょうけれども、長期のスパンで見ると改善の方向にずっと向かっていくわけではなくて、改善しつつ、またどこかで悪化していくというのが一般的なパターンだと思いますから、そのときの安心の担保というものがあるのだということを十分に理解していただけるような工夫が必要ではないかということを申し上げておきたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。大体よろしゅうございますか。

 それでは、手短で栃本委員お願いいたします。

○栃本委員 先ほど軽度変更が少ないというお話がありましたけれども、実際には例えば病院で区変を出して自宅に戻るといった場合、その後、かなり軽度化することがあります。それと、例えば自宅で認知症のケアをしていると、どうしても要介護度は3群とか4群とかすごく高くなるんです。介護の手間で。

 ところが、認知症グループホームに入ったらかなり下がるというようなことがあって、本当はかなり早い時期に軽度変更したほうがいい部分があります。

 しかしながら、先ほどケアマネージャーが重要ですと申し上げたのは、これは厳しい言い方でもケアマネージャーが重要ですと申し上げました。すなわち、軽度変更を行う際に1割負担があるからそれで軽度変更だということもあるのですけれども、やはりケアマネージャーがその方がどこに属しているのかによって適切にそれをすぐやらないということさえあるかもしれない。そこら辺をきちんと認識した上で、私は3年というものを延ばしていい。それは必要だということを申し上げただけです。以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 それでは、まだお話し足りない方がいらっしゃるかもしれませんけれども、時間が迫っておりますので資料3の説明を事務局にお願いしたいと思います。

○宮腰認知症施策推進室長 認知症施策推進室長でございます。資料3と参考資料の3を用いまして説明をさせていただきたいと思います。時間もありませんので、簡潔に説明をさせていただければと思います。

 まず、資料3の表紙をおめくりいただきまして1ページ目で「現状・課題」でございます。

 1つ目として、「認知症施策全般を巡る動向」でございます。新オレンジプランを昨年の1月に定めてございまして、その中では7つの柱に沿って施策を推進する構成となってございます。

 参考資料3の1ページ目に概要をおつけしておりまして、7つの柱がそこに記載してございます。特に「認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進」を柱建ていたしまして、地域で認知症の人を見守る体制づくりや詐欺などの消費者被害の防止に至るまで、省庁横断で具体的な施策を掲げて一体的に推進することとしたという点が非常に特徴的なものとなってございます。

 介護保険法においては、平成24年4月の改正により、認知症及び認知症に関する調査研究の推進などが規定されてございますが、これは新オレンジプラン策定以前のものでございます。具体的な条文は、参考資料の2ページに介護保険法の第5条の2をおつけしておりますので御参照いただければと思います。

 2つ目に、「認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」でございます。認知症の早期診断・早期対応ができる体制を整備するためには、身近なかかりつけ医が認知症に対する対応力を高め、認知症サポート医の応援を受けつつ、地域で必要となる医療・介護等の連携を確保し、必要に応じて認知症疾患医療センターなどの適切な医療機関につなぐことができるようにすることが重要でございます。

 また、認知症の人に行動・心理症状や身体合併症等が見られた場合であっても、医療機関・介護施設等で適切な治療やリハビリテーションが実施されるとともに、退院・退所後もそのときの容態に最もふさわしい場所で適切なサービスが提供される仕組みの構築が求められております。

 さらに、医療・介護等の連携を推進する観点から、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員などの市町村が実施する認知症施策についても、都道府県の積極的な支援が課題となってございます。

 2ページ目をごらんいただければと思います。初期集中支援チームについてでございます。

 認知症初期集中支援チームについては平成30年度に全ての市町村に配置することとされておりますが、平成27年度末現在で287市町村に設置されております。

 認知症初期集中支援チームの活動については、適切な支援につながっていない方を医療・介護等のサービスにつなげていくという効果がございますが、支援をした対象者は必ずしも初期の認知症に限らず、困難事例の対応も約半数を占めている状況にございます。今後、チームの設置のみならず、より効果的なチーム運用のあり方などが課題として指摘をされてございます。

 また、認知症初期集中支援チームの整備については、人材確保やチーム員研修の受講が困難であるなどの指摘もされておりまして、地域の体制整備が課題となっております。

 次に、「認知症地域支援推進員」についてです。

 認知症地域支援推進員は平成30年度に全ての市町村に配置されることとなってございますが、平成27年度末時点で864市町村に設置されております。

 推進員の役割や取り組みに対する市町村の期待は高いものの、その配置による効果が十分に発揮されていると言えないと感じている市町村も半数程度を占めておりまして、配置を進めるとともに、その取り組みを実効あるものとしていくことが課題となっております。

 このような中、相談支援のあり方として必要なサービスにつなげるだけではなく、認知症の人同士がつながることや、集まって意見交換するための場づくりを通じて、認知症の人の社会参加や生きがいづくりを支援していく取り組みも徐々に進めていますが、その効果的な展開方法の確立や普及定着を図ることが求められてございます。

 3ページ目でございます。3つ目、「認知症の人の介護者への支援」です。

 新オレンジプランに沿って、介護者への支援を行うことが認知症の人の生活の質の改善にもつながるという視点に立って、特に在宅においては認知症の人が最も身近な伴走者である家族などへの支援を進めております。

 一方で、認知症の人の介護者の生活上の課題は多様でありますから、必ずしも十分な支援につながっていないのではないかという指摘もなされており、初期集中支援チームによる早期診断・早期対応の介入、認知症の人やその家族の人が地域の住民とともに集まる認知症カフェ、家族向け介護教室の開催の取り組みとあわせて、より重層的な支援体制を構築していく必要がございます。

 4つ目でございます。「認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進」です。

 今後、高齢化に伴い、認知症高齢者の増加が見込まれる中、成年後見の担い手を確保する観点から、市民後見人の育成が課題となっております。地域医療介護総合確保基金を活用して、市町村が権利擁護に関する人材の育成・活用を総合的に推進する取り組みを進めております。その際には、状態の変化に応じまして日常生活上の金銭管理の支援から成年後見制度の利用に至るまで、その状態に応じて支援が切れ目なく一体的に確保されるように取り組みを推進できる仕組みづくりをしております。

 成年後見制度については、今年5月に議員立法で成立をいたしました「成年後見制度の利用の促進に関する法律」に基づき取り組みを進めてございますが、今後この法律に沿って成年後見を必要とする方が制度を利用しやすい仕組みづくりを推進していくために、関係機関の連携体制の構築が課題となってございます。

 続きまして、4ページ目の5で「若年性認知症政策の強化と認知症の人やその家族の視点の重視」です。

 若年性認知症の方については都道府県ごとに相談窓口を設置し、若年性認知症支援コーディネーターを配置してさまざまなサービス、居場所づくり、就労・社会支援などを含めた支援のネットワークを構築する取り組みを進めております。

 また、認知症初期の段階では、診断を受けても必ずしもまだ介護が必要な状態にはなく、本人が求める今後の生活にかかるさまざまなサポートが十分に受けられていないという指摘もなされております。医療、介護などのサービスだけではなく、認知症の方が住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けるために、認知症の方の声を施策の企画や評価に反映させる仕組みづくりも課題となってございます。

 おめくりいただきまして5ページ目、「論点」でございます。

 「1.認知症政策全般を巡る動向」です。

 新オレンジプランについては関係省庁と共同して策定したものでございますが、政府全体の総合的な取り組みとして引き続き推進していくことが必要ではないか。

 新オレンジプランで示されている基本的な考え方を、介護保険法などの規定に盛り込んでいく必要があるのではないか。

 2つ目、「認知症の容態に応じた適宜・適切な医療・介護の提供」です。

 地域における認知症に関する医療・介護等の連携をさらに推進していくため、そのときの容態に最もふさわしい場所で適切なサービスが提供できる循環型の仕組みを構築していく観点を介護保険事業計画等に盛り込むなど、各地域で計画的に取り組み必要があるのではないか。特に医療との連携の観点から、都道府県による市町村に対する適切な支援が必要ではないか。

 認知症初期集中支援チームについて、早期に認知症の鑑別診断が行われ、速やかに適切な医療介護等につなげるための介入を行うという機能を果たしつつ、さらに必ずしも初期でない認知症の人への支援や、いわゆる困難事例の対応も必要とされていることから、より効果的にチームを機能させる必要があるのではないか。

 6ページにまいります。

 認知症の人同士がつながり、意見交換をするための場づくりなどを通じた認知症の人の社会参加や生きがいづくりについて、認知症地域支援推進員の役割の整理を含め、効果的な展開方法の確立や普及・定着を推進すべきではないか。

 「3.認知症の人の介護者への支援」です。

 家族を初めとする認知症の人への家族者への支援について初期集中支援チーム、認知症カフェ、ボランティアが認知症の方の居宅を訪問して一緒に過ごす取り組み、家族向けの介護教室などに加え、家族もまた認知症と向き合う当事者であるとの視点を踏まえつつ、精神的側面の支援も含めた、より重層的な介護者への支援のあり方について検討が必要ではないか。

 「4.認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進」です。

 認知症の高齢者が、その判断能力に応じて必要な介護や生活支援サービスを受けながら日常生活を過ごすことができるよう、成年後見制度利用促進法の検討状況も踏まえつつ、市民後見人の育成や活動の支援、後見などの実施前から継続的に支援が実施される提供体制の整備を進めていく必要があるのではないか。

 認知症の人の行方不明など、改めて認知症の人やその家族を地域で見守り、コミュニティーで支える体制づくりに注目が集まっている中、地域のつながりを再生していくという観点も踏まえつつ、地域における見守り体制づくりを引き続き推進していく必要があるのではないか。

 7ページ目になります。

 「5.若年性認知症施策の強化と認知症の人やその家族の視点の重視」です。

 若年性認知症の人の症状や家族のライフステージなどの特有な問題に配慮しつつ、企業に継続雇用されるための事業主に対する若年性認知症に関する普及・啓発、相談支援、居場所づくりや社会参加支援など含めた支援ネットワークの構築を効果的に推進していくため、若年性認知症支援コーディネーターが地域障害者職業センターや推進員など、関係機関と連携を推進していく必要があるのではないか。

 認知症の人が集い、自らの体験、必要としていることを主体的に語り合うミーティングの開催などにより、認知症の人のニーズを把握し、本人の視点に立った取り組みを推進することができるよう検討を進めていく必要があるのではないか。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、御意見をいただきたいと思います。

 では、花俣委員どうぞ。

○花俣委員 大変ありがとうございます。認知症施策の推進ということで、これがうちの会の本丸になるかと思いますので、まず、最初に発言させていただきます。ありがとうございます。

 認知症が全ての人にかかわる社会的課題という認識が強まっていて、このような場で大きく取り上げられるのは大変うれしいことだと思います。症状が初期のうちに、プロがかかわるのが大事だというのがプランの精神です。医療や介護の専門職が早期に診断、対応する認知症初期集中支援チームが18年度から全市町村に設置され、また、認知症の人と家族が一緒に専門家や地域の人と交流する認知症カフェも重視されています。

 ところが、なかなか介護保険の見直し計画では、これらの初期集中支援とか、カフェの後の対応が途絶え、初期の人へのサービスに空白ができてしまいます。病気が進むのは目に見えておりますし、早期の診断、対応がとても重要ではないかと改めて思っております。

 そこで、早期診断にいかに結びつけるのかという重層的な支援体制を構築という言葉が出ておりますが、なかなか具体像が見えてこないというのが率直なところです。早期診断の対象となる人が病識を持ち、みずから受診することは余り多くないと考えられます。孤立的なひとり暮らしの方々の場合、誰にも見えないまま進行してきたと思われる事例がたくさんあると思います。認知症の気配を感じることができる力を持った人材が、一定期間継続的に日常生活援助を行うことを通じて、気づくことがたくさんあると思います。早期診断を多く含む要支援認定者の基準を緩和した総合事業に移行させることは、早期診断に逆行するものだと強く思っております。

 それから、全体を見渡してみますと、本当に取り組むべきことというのは、進める、進めるというふうに書かれているのですけれども、本人や家族が本当に望んでいるような対応になるのかどうかという、その具体的なところがなかなか見えてこないというのがちょっと不安なところです。

 また、「認知症の人の介護者への支援」のところなのですけれども、精神的側面への支援も含めた、より重層的な介護者への支援のあり方については、ぜひぜひ検討していただきたいと思っています。具体的に、例えば「認とも」が例として挙げられていますが、これはなかなかそう簡単にいくことではない、大きな課題がたくさんあると思います。こういったことについて、厚生労働省内でどのような議論が行われているのか、あるいはどんなイメージを持っていらっしゃるのかということについても、具体的にお示しいただけたらと思います。とりあえず、以上です。

○遠藤部会長 最後は、今の質問ということではないですね。

○花俣委員 お願いです。

○遠藤部会長 了解しました。

 それでは、順番として武久委員、鈴木邦彦委員、及川参考人の順番でお願いしたいと思います。

○武久委員 ありがとうございます。資料3は、認知症に限りますと適切な資料だと思うのですけれども、医療の現場では認知症だけというよりは身体合併症が一緒になっている例が非常に多くございまして、参考資料の3で見てみますと認知症疾患医療センターはほとんどが精神病院の単科の病院に認定されておりまして、身体合併症の人は一般病床なり療養病床なりに実際は入院しているということで、本当は精神科の先生の治療も受けたいというところがあるのですけれども、そこがなかなか難しいということもあります。

 医療の現場では、認知症の症状がひどくても、それを医療診療報酬で評価をなかなかしてくれない。一般病床の中の看護必要度のB項目の中に、今度少し認知症的な症状が入りましたけれども、その程度でありまして、実際は皆さんも見ているように病院の詰め所の中に点滴をしながら車椅子に乗ったおばあさんたちが夜中もいるというように、現場は苦労しながらやっている状況であります。

 これらについて、この場でもある程度お話をいただいて、高齢者になりますとどうしても身体合併症と認知症が一緒になってくる。逆に言うと、身体合併症がよくなると認知症が少しましになるというような場合もありますし、逆の場合もありますので、これは老健局の会議ですけれども、ここのところは医療のほうと介護のほうと連携をして、これから600万から800万、1,000万になろうかという認知症についてはかなり本腰を入れてやらないと非常に厳しいことになるのではないかと思いますので、一言申し上げました。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 5ページから論点が出ておりますが、まず1.のところです。これは基本的にはよろしいと思います。ただし、新オレンジプランと認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員があるわけですが、両者の関係や役割を明記しておくべきではないかと思いますし、さらに市町村の介護保険事業計画に数値目標を記載して、効果の見える化を図るとさらによろしいと思います。

 それから、2.のところです。最初の「〇」のところも結構だと思うのですけれども、新オレンジプランに循環型と書いてあるのですが、認知症の方はいつも地域にいるべきだと思いますので脳卒中のような循環型ではないと考えます。

 その次の「〇」ですけれども、初期ではない中重度の方や困難事例の対応も必要だと思いますので、この仕組みの普及のためには相談がどこからきているものが多いかというデータも示されるといいと思います。

 それから、6ページで最初の「〇」のところはこれで結構だと思います。

 それから、3.ですけれども、最初の「〇」についても結構だと思いますが、認知症の家族の介護負担は非常に重くて、特にBPSDが激しいような場合には精神的に追い込まれるような場合もありますので、家族への重層的な支援が必要だと思います。

 家族支援に必要な機能を「認とも」や認知症カフェの機能として記載したり、モデル的な取り組みを発信する必要があると思います。また、認知症カフェに対して補助や支援もあるとよいかと思います。

 それから、4.ですが、最初の「〇」もよろしいと思います。私の地元でも精神障害のみの世帯などもあり、そうした場合には成年後見人制度の利用が必要と思われるのですが、相談は少ない状況でありまして、市民後見人の育成や支援も含めて、成年後見人制度がより一般市民に身近な存在となるような啓発活動が必要だと思います。

 次の「〇」も結構だと思います。地域における見守り体制づくりは必要ですが、行政の縦割りと24時間体制ができない環境、それから個人情報保護、これらがあって、その改善がなければ進まないと思いますので、支援ネットワークを義務化するとか、あるいは認知症の方を支援するためには個人情報の保護よりも本人の安全を優先してもよいということを示す必要があると思います。

 それから、7ページの5.です。上の「〇」については結構だと思いますけれども、認知症の関連機関が連携することは必要です。若年性認知症に理解がある企業は、まだ少ないのが現状です。雇用継続や再雇用に伴う企業の負担は大きいものもありますので、企業側にも何らかの補助や支援が必要ではないかと考えます。

 また、地域には若年性認知症の方の居場所がないことが多いので、居場所づくりも必要であると思います。

 下の「〇」については、結構だと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、及川参考人どうぞ。

○及川参考人 ありがとうございます。オレンジプランの中の7つの柱の4に「認知症の人の介護者への支援」というところがありますが、認知症の方のBPSDの出現から介護負担というものがどんどん増大してまいります。いかに早期に発見するかというところが大切なところでございますが、早目にそのサービスを御利用されたり、有効に御利用された方というのは、BPSDが軽減してまいりますので介護負担がどんどん軽くなっていきます。その意味で、この早期発見、早期対応というものは最も大切なことであります。

 これまでの介護は後追い介護と言えばいいのでしょうか。認知症のBPSDが出て初めて介護が行われるということではなくて、BPSDが出てくる前の介護予防の中からきちんと支援をしていくことが必要ではないかと考えています。

 介護職員が全員、早期発見ができるかというと、それはそれで違う視点ではあるのですが、今後は、地域のあらゆる住民が役割を持って、全ての住民が自分らしく活躍できる地域コミュニティーを構築するということで、地域共生社会の考え方が重要であると言えます。とても難しい課題ですが、取り組みは急務だと考えます。

 そのため、認知症の方の対策に限らずに、広い視点から地域住民が我が事として、主体的に取り組む仕組みを構築することが、本当に大事な考え方だと考えます。以上でございます。ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 先ほど手を挙げられた、伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 ありがとうございます。働く者の立場から、お願いを言わせていただきます。

 資料3の「論点」で、6ページの3に「認知症の人の介護者への支援」というのがあります。ここに書いていただいているのは認知症カフェとか介護教室、「認とも」といったような取り組みで、こういうのはとても大切なものだと思っておりますが、身近な人で認知症が出てきたときにはやはりすごく動揺する。そして、日々仕事をしながらまずは抱え込んでしまう。そういう期間がしばらく続きどんどん疲弊してしまう。日常の仕事をしながらの生活だと、家に帰ってきて夜には相談する先はない。電話やネットといった手段での相談や手続きができればいいのにというような話も聞きます。

 ですので、仕事をしながらという前提でも利用しやすい、まずは相談できるような入り口の取り組みというのが進むといいと思います

 それから、7ページの若年性認知症についてですが、こちらは、事業主に対する普及・啓発ということを書いていただいていて本当にありがたいと思っています。前回、4月のときに花俣委員からは産業医との連携というような御指摘とか、事業主の意識というようなこともありました。まさにそう思っておりまして、事業主への意識という点では就業上の配慮というようなことも非常に重要になってまいりますので、ぜひこういった取り組みもしていっていただきたいと思います。以上です。

○遠藤部会長 では、桝田委員どうぞ。

○桝田委員 認知症対策で早期診断、早期対応というのは最重要課題なのですけれども、参考資料の2ページの認知症サポート医のところなのですが、2015年は5,068人、2017年になりますと5,000人と減っているのですけれども、これはどういうふうな状況なのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○遠藤部会長 事務局、どうぞ。

○宮腰認知症施策推進室長 申しわけありません。5,000人と書いてあるのは目標値でございまして、目標を超えているということでございます。

○遠藤部会長 よろしいですか。

○桝田委員 地方で問題になるのは、認知症サポート医がやはり少ない。そうしますと、認知症の初期集中支援推進事業を2018年に全ての市町村で実施というときに、市町村では一人の認知症サポート医の方に複数の市町村がお願いしなければいけないケースが起こってきています。ですから、人数の問題でもあるのですけれども、地域の問題でも一つありますので、少しそこら辺の部分を兼ねたサポート医の養成をお願いしたいと思います。

 それともう一つは、認知症を初期に診断する前段階として、やはり認知症ではないのかという気づきの部分になりますと、地域でそこにどう気づいていくのか、どう支えていくかという問題になってきます。今、一番行われている部分から言いますと、認知症の地域支援推進員というのもありますけれども、人数的に考えますと専門医も必要ですが、認知症のサポーター養成の部分をもう少し拡充していくべきではないかと思います。

 平成29年度末で800万人という認知症サポーター目標なのですけれども、やはり国民みんながサポートするには1,000万、2,000万という数字を目標に掲げてサポーター養成、いわゆる認知症がどういう方なのかという理解を皆が持っていく必要があるかと思います。

 それと、キャラバンメイトまでいかなくてもいいのですけれども、認知症サポーターのまとめ役であったり、リーダーとなるような方の養成、もう一段、ワンステップ上がった研修体系というものも必要かと思います。以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、藤原委員、栃本委員の順でお願いいたします。

○藤原委員 私の村は小さい村で、人口が4,000人くらいですが、まだまだコミュニティーもしっかりしていますので、認知症が初期の場合は各家庭よりはむしろ周囲の皆さんのほうが早く気づくことができ、その方をしっかり守るようにしています。しかし、一番難しいことは、状態が悪化したり、精神障害になったりして、狂暴になったときに福祉で見るのか、それとも警察に協力してもらうべきなのか判断しなければならないことです。そういう場合には、どうしてもそうした判断ができる専門職が必要だと思います。

 ですから、こうした人材をこれからしっかり確保しなければいけないわけですが、前段の協議の中でもありましたが、あらゆる人材が農山村で不足していますので、ぜひ専門職の養成をしっかり国で支えてもらいたいと思います。警察か、福祉事務所かという判断が非常に難しい場面がありますので、ぜひその辺も御理解いただきたいと思います。

○遠藤部会長 それでは、栃本委員どうぞ。

○栃本委員 初期の鑑別診断とか認知症サポート医については、前にこの審議会でも説明がありましたし、これはとても重要だと思います。

 ただ、そのときにもお話ししましたけれども、実際に在宅で介護をしている家族や、病院で認知症のある方を治療するなり、医療的な対応をするといった場合、現実問題として単に身体的な歩行ができないとか、そういうものではない。劇的にというか、質的にというか、すごい違うわけです。また、その認知症対策について今、認知症に関する啓蒙ということがありました。800万人にもっとふやすべきだという議論もありましたけれども、介護をしている立場からすると認知症に関する社会への啓蒙はもちろん重要だし、地域の方々が少しでも認知症について理解していただくためのある意味ポピュレーションアプローチと言うべき啓蒙は重要でありますけれども、実際に認知症サポーターは認知症を親に持つ、ないしは配偶者が認知症の要介護高齢者を家で支えている家族にとっては、具体的なサポーターになるわけではありません。

 啓蒙を否定しているわけではありません。これは重要だと思います。ただ、実際に単に歩行できないとか、起きられないという場合、要介護4とか5でもそれほど大変ではないと言っては良くありませんが、認知症がある場合ですと家庭での家族介護は本当に違います。

 そういう意味では、具体的な家で暮らす人たちに認知症サポーターのサポートというのがないんです。したがって、先ほど事務局の認知症カフェの説明で「認とも」がありましたけれども、そういうものを充実させるということをさらにすると同時に、前もお話ししましたターゲスムッターのような認知症ケアや見守りであるとかお話、会話を通じて長期記憶の呼び戻しなどの回想法や、短期記憶がないということだけであって、それを補てんすると、ないしはそれを周りに説明してあげると大分違うんです。ロジックが壊れたわけではないので、そういう意味で短期記憶の喪失の補てんのサポートをする今までと違うタイプのヘルパーというのもあってしかるべきではないかと思います。

 現在のところ、生活支援と身体介護というものだけなのですけれども、これから在宅でする場合、医療のバックアップがあって看護のバックアップがあってしかできませんが、それと同時に家庭でする場合には家族以外の人が認知症のヘルパー、日常対応のヘルパーと、時間制限ではなくてそういうようなことも考えてしかるべきであると思います。

 最後に、きょうは余り御発言がないのですけれども、成年後見の関係です。市民後見とか、そういう話はありましたし、また別の方からお話もあるかと思いますけれども、成年後見とか市民後見というのもとても大事だと思いますが、その一方で、やはり認知症高齢者の権利擁護という観点から、いわゆる成年後見だけでは無理なんです。また、市民後見だけでも現在のところ無理だと思います。やはり自治体、保険者ですし、これから認知症の高齢者の権利擁護の必要性というものは非常に重要です。その場合、別の法律とか、そういうことになるのかもしれませんし、また別のシステムかもしれませんけれども、やはり権利侵害に対するそのインスペクターというものがいてしかるべきではないかと思います。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 今度はこちらのほうで、齋藤訓子委員どうぞ。

○齋藤(訓) 私は論点の2点目のところで初期集中支援チームや支援推進員に関しての意見です。

 今のところ27年度までにこのぐらいはそろいましたというデータは出ているのですが、30年度末までに全ての市町村が本当に初期集中支援チームを設置できて推進員を置くことが可能かどうかというのは大変心配をしています。ですので、前回も出ていたかと思いますけれども、やはり人の確保が非常に難しい。特に小さな市町村での人の確保が難しいことにつきましては、ぜひ都道府県から強力に支援をしていただきたいということが1点です。

 それから、支援推進員につきましては、今のところ兼務が八十何%を占めているという状況なのですが、本当にこれは兼務で可能な業務なのかどうかということも一度検討していくべきではないかと考えます。

 それからもう一点は、2点目の「〇」の1つ目ですけれども、これから医療計画が策定されていくと思いますが、特に医療のかかわりにつきましては、在宅医療の医療計画もありますので、ぜひ医療計画とこの認知症対策の計画との整合性も図っていただきたいと考えています。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、鈴木委員どうぞ。

○鈴木(隆)委員 ありがとうございます。私は、3〜4点ほど質問と意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、最初は認知症施策全般をめぐる動向の中で、認知症及び認知症に関する調査研究の推進というのが今回新オレンジプランでも行われていて、その最初に予防という文言が入っているのですが、今回の現状とか課題では全く予防について触れられていないです。実は、先ほどから認知症の方に一番重要なのは早期発見と早期対応だと言いながら、具体策が見えていないという最大の一つの問題は、予防対策やスクリーニングの仕組みが確立していないということだと思います。

 いずれにしても、そういう予防対策というものをまずやらないと、認知症の方を簡単に早期に発見するということは、病院に受診されてからというのでは明らかに遅いと思われます。ですから、予防対策なりスクリーニング対策をきちんとやらないとだめだということです。

 それで、それは例えば今までの介護保険法の中、地域支援事業の中で基本チェックリストというのがあって、そこには一応3項目ぐらい、非常に粗々なものですけれども、スクリーニングの手法が入っていましたが、今、御存じのように基本チェックリストというのはそれほど大きな価値というか、利用されていないという状況になっています。

 けれども、やはりそういった認知症対策というのは今までの介護予防であれ、あるいは後期高齢者の保健事業の中であれ、やはりリスクの高い人を見出していくということをきちんとシステム化するという方向で考えないと、いつまでも早期発見、早期対策という言葉だけで終わってしまうのではないかと思われます。これが、1点目です。

 それから、2点目については4.の「認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進」という点です。これは特に論点の4.の「〇」の2つ目で「認知症の人の行方不明等、改めて認知症の人やその家族を地域で見守り」と書いてありますが、先ほども桝田委員でしたかが御発言されておりましたけれども、認知症サポーターの方がもう800万人ぐらいおられるということなのですが、認知症サポーターの方がもう一段、実際にアクションをとれるように、研修なり何なりでせっかく学んだスキルや知識というものをもう少し地域の中で活用していただければというのが希望です。

 例えば、この認知症の行方不明者というのは1年間に大体1万件で、死亡で発見されるのが約400件ございます。その中で、いってみれば9,600件は発見されているのですが、その9,600件の発見の中で認知症サポーターの方が発見されたという事例は、私の見ている限り余り多く挙がってきておりません。基本的には警察とか、捜査が始まったSOSネットワークの方ですとか、あるいは町の中の一般の方というのが出てくるのですけれども、そういう意味ではもう少しこのサポーターの方がそういうところで活躍いただけるような方策があればいいと思います。

 それからもう一つ、今回この中で少し抜けているのは、実は徘徊、行方不明、死亡においてもそうなのですけれども、独居の高齢者で認知症の方というのは非常にリスクが高い方々です。この方々への対策というものをやはりもう少ししっかり考えないと、そういった不幸な結末とかトラブルというものは減っていかないのではないかと危惧します。これは医師会の鈴木委員からも少しコメントがあったかと思いますが、私も独居の認知症高齢者の方々については当然、彼らの権利擁護とか個人情報というのは大事ですけれども、しかし、非常にリスクが高いということを考えると、安全性を先に優先するような仕組みがあってもよろしいのではないかと考えております。

 最後に、若年性の認知症の方のことです。私自身は、65歳にしては普通の高齢者の方の認知症というのは地域で拝見することも多いのですけれども、若年性の方は拝見したことがないので正直言って全く知識がありません。若年性の認知症の方というのはプロセスとして、例えば高齢者と同じ認知症のプロセスをとっていくのか。それとも、メディアなどでよく出る方では、私は若年性認知症ですが、もうそれで2年、3年というふうに仕事も何とか皆さんの協力のもとで継続しているとか、地域でしっかりと暮らしておられる方もかなりよくおられるようなのですけれども、その辺の類型化がよく見えてこないのです。

 そこで、若年性の認知症の方にはどういったナチュラルヒストリーというのか、高齢者の認知症とは違った社会とのかかわりが、より強くあるのかどうか。それによっても、随分対策が違ってくるのではないかと推測しております。

 ですので、できればそういった若年性の認知症の方のその後の疾病とか、社会生活の変化の類型化というものがもう少し明らかになれば、対策もとりやすいのではないかと思っております。以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 では、土居委員どうぞ。

○土居委員 認知症施策を引き続き推進していくには、当然財源の確保が非常に大事だと思います。参考資料3の31ページにも新オレンジプランを推進するということで、平成28年度予算で225億円予算計上されているのですけれども、今後も数がふえると言われている認知症の方のサポートをする上で、予算をどういうふうに確保していくかとはしっかり検討していただけなければならないところだと思います。

 特に、今の時点はサポートの体制を整備するいわゆるセットアップの時期で、確かに一つ一つセットアップしていくということなので、そのセットアップのためにお金を投じることで予算が費やされているという面もあります。けれども、体制が整った後、その体制を継続的に運営していくためにもこれまた予算が要ることになります。

 そこで、例えば31ページで言えば、認知症初期集中支援チーム、それから認知症地域支援推進員の配置を市町村に促していくところで消費税増税財源を使っているのですけれども、今度数が増えてくる。もちろん人材を確保するのが難しいというお話もあるわけですけれども、何らかの形で人材を確保できた暁には、全ての市町村でこうした支援チームなり、支援推進員なりが配置されることになると、当然のことながらそこでそれなりの予算が必要になってくるということですし、もちろん認知症の方の数がふえてもふえなくても、固定費用的に必要なタイプのお金のかかり方もあれば、認知症の方の数がふえればふえるほど、より多く予算が必要になるというようなタイプの予算もあるので、どういう形でその財源を確保していくかをセットアップの今の時期だからこそ、今後2020年代に入ってもなお継続的に認知症施策が実施できるような予算の確保をどういうふうにしていけばできるのかということは、特にこれから平成30年以降の介護保険の制度を考える上でも重要なことなのではないかと思います。

 その上では、確かに安定財源という意味で言えば、介護保険の制度の枠内で財源を確保するということは一つの安定財源ではあると思います。実際、参考資料2でも地域支援事業でその財源を確保しているものも事務局の資料として挙げられています。何かと予算措置ですね。つまり、介護保険料を財源とせずに税財源でその予算を確保することも当然必要になってくるし、そういう要望も強い。さらには、地方自治体側からすると、国にその財政支援をしてもらいたいというような声もある。

 けれども、消費税がなかなかその税率を上げられない。今度、201910月には上げていただかないとこういう財源も確保できないことになるわけですが、消費税の財源を確保するといっても認知症の方の数が経済成長率よりも高い率で増加するということになれば、消費税財源で確かに5%から10%に税率が上がる部分で増収分を活用することによって認知症施策の一部を財源確保できたとしても、それよりももっと早いスピードで認知症の方の数がふえるということになれば、今度は5〜10%といっている税率の枠内での増収分を活用するという話だけではお金が足らないことになるかもしれない。

 そういうようなこともあるわけなので、早目にどれくらいの予算があればこういうことは継続的に実施できるという、予算の見通しも、老健局におかれましてはしっかり見通しながらこういう予算措置を考えていく、ないしは予算といっても国費や地方費だけではなくて、場合によっては介護保険の保険料を使った形での保険制度の枠内でこの認知症施策の財源を確保しながら行っていくことが必要なのではないかと思います。以上です。

○遠藤部会長 では、鷲見委員お待たせしました。

○鷲見委員 認知症の方々の適切な介護を提供されるまでに時間がかかって大変だということがあるのですが、実際に認知症を受けとめられてからも非常に認知症の介護というのは手間もかかりますし、時間を費やすというのが特徴であろうと思います。

 特に、意思決定の支援に対して我々現場では非常に大変なことが多いです。特に独居高齢者であったりしますと、どなたを代弁者として求めるかなど実際に解決が難しいことが非常に満載しているというのが現状でございます。

 今回、ケアマネージャーの研修の中にも認知症については深く理解できるようになっています。今後、自戒の意味も含めてでございますが、当事者へのモニタリングを徹底することが大事で、それに基づく支援を充実させていくことが重要であると思っています。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 馬袋委員、どうぞ。

○馬袋委員 ありがとうございます。質問が2点と提案です。

 質問の1点は、認知症キャラバンが800万という形で出ていますけれども、キャラバンのこの認知症の研修を受けられた方の800万、今700何万人のデータはどなたが管理されていらっしゃるのでしょうか。それは多分、参加ですからデータまでというのは難しいと思いますがもし整理されていなければ、これから受けられる方へ、また今まで受けた方もそうなのですが、キャラバン研修受講生として登録をしていただいて、まず認知症の最新の情報などをメールマガジンみたいな形で配信して受けてもいいという配信の許諾をとっていただいて、最新情報を常に受講された方々に更新していくという仕組みは考えられるのかというのが1点です。

 それから、先ほど鈴木先生からもありました認知症の方がいらっしゃらなくなって探すというようなことがあるのですけれども、仮に地域でそういう研修を受けた方がメール登録のネットワークとして組んでいただけるのであれば、早期にそういう方たちに配信して探していただく。いろいろな面でいろいろなところにご支援をしていただけるネットワークの目、実際の人の目のネットワークをつくるというような活動として、このキャラバン研修受講書を持っている人たちの登録更新についてどのように考えられるのかということが1点御質問です。

 それから、もう一点は参考資料の8ページなのですが、認知症の地域支援推進員の資格要件の中に、薬剤師さんとリハビリのPTの方とか、STもそうなのですけれども、あえてここに記載されていないのはもともと記載されていないのか、これは要件なのですということなのか。そこについて、かかりつけ薬局であるとか、さまざまな地域で薬剤師の方々は関係される方が非常に多く、かつ、薬のことに知識・指導できる方として、このような方々はここに入れないのか。今の状態でここに書かれていないのか、それともないのか。ここについての質問です。

 あとは提案なのですが、ターミナル期の患者さん本人、利用者さん本人の視点に立ったというところで、私は最近知ったのですけれども、NPOで、健康と病の語り、ディペックス・ジャパンといって、認知症御本人の方が自分のことを語っていらっしゃるウエブサイトの研修のツールを紹介いただいたことがあるのですけれども、非常に感銘を受けました。本人から語っていただくことを聞くといった取り組みがありますので、ぜひ参考事例の中にその取り組みなどを調べて広く周知していただければと思います。以上です。

○遠藤部会長 幾つか質問がありましたけれども、事務局よろしくお願いします。

○宮腰認知症施策推進室長 1点目ですが、養成されたサポーターの名簿というのを統一的に管理しているということはございません。

 ただ、市町村によっては受講された方を、先ほど少し見守りですとか、そういったものに活用できないかという御提案がありましたが、登録いただいて実際に見守りの活動に参加いただけますかという同意をとって、そういう形で活動しておられる事例もございます。今、サポーターの活用についていろいろ御意見もありましたので、そういった事例も参考にしながら今後その活用をもっと進めていくことに取り組んでまいりたいと思います。

 推進員について薬剤師が入っていないということでしたが、ここの中に明示的には書いてございませんが、薬剤師の方が排除されているということではないです。ですから、マル1のほうに書いてある方以外の方で認めたものということの中に含まれているということでございます。

○馬袋委員 あえて言うならば、ここに薬剤師等の方も認めたものというよりは、積極的にそこに参加してくださいと、この資格の方についてはマル1のほうに書き込まれるということについて御検討いただけないかということです。

○宮腰認知症施策推進室長 検討させていただきます。

○遠藤部会長 それでは、先ほどお手を挙げた井上由美子委員どうぞ。

○井上(由)委員 もう時間が過ぎていますので遠慮しようかと思ったのですけれども、認知症予備軍として私は発言させていただきたいと思います。高齢者の半分は認知症になるし、私は認知症家系なので、なります。

本日の資料には、認知症の人の声を施策の企画立案や評価に反映させる仕組みづくりが課題となっているということが書いてあります。先ほど馬袋委員もおっしゃったように認知症の人の声を聞くというのを一度この会でも、認知症カフェでも、どういうことをやってほしいかという会議をやっていただいて、それをこの場で発表するといったことをやっていただきたいと思います。

 やさしい地域づくりとかいろいろ出てきますが、やさしい地域づくりというのは結構多いです。やさしく、やさしくというのが出てくるのですが、私は今、単なる予備軍だからか、余りやさしくされなくてもいいと思っています。尊厳を基本に対処していただければいい。安全と安心があればいいと思っています。無意味にやさしくされるのは好もしくありません。認知症の方たちが、本当に何を求めているのか、そうしたことを踏まえて施策を考えていただきたいです。

 ○遠藤部会長 どうもありがとうございました。

 大変活発な御審議をいただきまして、ありがとうございました。それでは、定刻を大分過ぎておりますので本日はこれまでにしたいと思います。

 次回の日程につきまして、事務局から連絡をお願いいたします。

○尾崎企画官 次回の日程でございます。

 次回の本部会は9月23日の金曜日、15時〜18時で厚生労働省の講堂で開催をさせていただきます。

 また、9月23日の次の回は9月30日の金曜日を予定しております。こちらの場所等については、追って御連絡をさせていただきます。以上でございます。

○遠藤部会長 それでは、本日の部会はこれにて終了させていただきたいと思います。

 御多忙の中、長時間どうもありがとうございました。


(了)

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