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2016年11月14日 第3回化学物質のリスク評価に係る企画検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

○日時

平成28年11月14日(月)16:00〜


○場所

労働委員会会館 講堂


○議題

(1) 労働安全衛生法施行令別表第9の追加について
(2) その他

○議事

○平川化学物質評価室長補佐 本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより第3回化学物質のリスク評価に係る企画検討会を開催いたします。委員の出席状況ですが、堀口委員は所用により欠席です。

 それでは、櫻井先生に座長をお願いすることといたします。早速ではありますが、以下の議事進行をお願いいたします。

○櫻井座長 かしこまりました。議事進行を務めます。よろしくお願いいたします。まず最初に、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。

○寺島中央産業安全専門官 まず1枚目に議事次第があります。その裏面に資料一覧がありますので、そちらを御参照ください。資料1として、表示通知対象、新規候補物質の検討状況です。資料2として、令別表第9(表示通知対象物質)への追加に当たっての検討事項です。資料3、海外の危険有害性情報伝達制度の概要です。資料4、非晶質シリカについて。資料5、フェニルイソシアネートについて。そして参考資料1として、本企画検討会開催要綱と名簿。参考資料2として、通知対象(SDS)新規候補物質一つづりとなっております。参考資料2につきましては、本年3月のこの検討会で提出した資料と同じものです。資料としては以上です。

○櫻井座長 お手元に資料はそろっておられるようですね。それでは、本日の議事に入ります。本日は労働安全衛生法施行令、別表第9の追加についての検討が主要な議題ですが、この件につきましては、本年3月の企画検討会で議論しておりますので、おさらいの意味を含めまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○寺島中央産業安全専門官 資料1、横紙の検討状況の資料を御覧ください。こちらは平成283月の企画検討会で2回議論された検討状況について、まとめた資料です。左側に物質名、右から2列目に意見、そして右端に検討結果として整理したものです。一つ一つ確認します。

(1)ア、1-クロロ-2-プロパノール、イ、2-クロロ-1-プロパノールについては、特段意見がありませんので、結果、追加となっております。(2)テルブホスについても、特段意見がありませんので、追加という方針です。

(3)ほう酸塩については意見がありました。ほう素の範囲を広げて、ほう素を含む化合物としてもよいのではないかという意見や、ACGIHの文書で列挙された物質に限り指定する方法と、どちらも前例があるという御意見があり、御検討の結果、当面ACGIHの文書で掲げられているもののみ、対象とするという結果を頂いています。裏面にありますように、ほう酸ナトリウムについては、もう既にSDS対象物質になっておりますので、この結果により、追加の対象物質は、ほう酸のみということになります。

(4)ジアセチル、(5)硫化カルボニルについては、どちらも意見がありませんので、追加という方針を頂いています。(6)アスファルトについては御意見があり、いろいろな物質の混合物として、工事などでは熱をかけて処理される注意すべきものとして通知すべきとの御意見を頂いています。この結果、追加となっています。

(7)t-アミルメチルエーテルについても御意見はありませんので、追加の方針となっています。

(8)綿じんについては、国内での原綿の製造はなく、輸入した業者から原綿を購入した事業者が処理をするということで、その一部の譲渡提供の部分だということですが、未処理のまま流通することもないとの御指摘がありました。また、綿じんを対象にすると、天然のもの、ほかのものはどうなのかということがあり、必要性が低いのではないか、あるいは海外情報などの収集が必要ではないかという御意見がありました。一方で労規則、労災疾病の対象となるものに掲げられているために、そこから漏れるのは適当ではないのではないかという御意見もありました。こうしたことから、一応追加という方針で、この表では整理しております。綿じんについては、化学物質という言葉から少し異なるものということもあり、法令上の枠組みについては、少し検討したいということで、ここに※で書いております。

(9)フェニルイソシアネートについては、3月の時点ではモデルSDSが作成されていないため、継続の審議扱いとなっています。後ほどこの部分は御審議いただきたいと考えております。

(10)酸化マグネシウムについては、右端にありますように、粉状物質の扱いについて要検討と整理しております。右から2番目の列にあるものは、当該物質に関する御意見ということで抜き出しており、粉状物質全般についての御議論は後ろのほうにまとめて整理しております。酸化マグネシウムに関する御意見としては、ACGIHはヒュームを対象にTLVを設定しているということで、そういった作業はないのではないか、用途はないのではないかということや、米国、EUいずれもラベルは要求されていないということで、現段階では自主的な取組に任せていただきたいという御意見がありました。ほかのものに比べて特段有害性が高いのかという誤解も懸念されるというような御意見もありました。

(11)滑石(タルク)につきましても、粉状物質の扱いについて要検討と整理しております。こちらの御意見は、タルクがかつてアスベストを含んでいたということで、業界でいろいろ分析証明するための活動が行われてきたところです。粉状としての有害性があるのは理解しているという御意見があった一方で、EU、米国、一般的SDSでは有害性はないと書かれているということで、ラベルは要求されていないということや、発がん性だけでなく、全ての有害性との因果関係を証明する事例はないというような、専門家レビューなどの言及もあったということです。こういったことも踏まえ、海外ではラベルを要求していないし、風評被害の懸念もあるといった指摘がありました。一方で、肺の線維症のみを問題にしてTLVをが定められておりますが、このTLVの姿勢というものは、我々も考慮に値するのではないかという御意見がありました。

(12)ポートランドセメントについての御意見ですが、この部分は追加として整理しております。この中でも粉じんに関して、少し産業衛生学会の御議論なども引用しての御議論などもありましたが、ほかのものはどうなのかというお話もありました。一方で業界団体としても強く反対されていないというお立場が紹介されたこと、あるいは、ここにはちょっと書いておりませんが、ポートランドセメントとしての災害といったものも発生していることもあり、念頭においての御議論であったかと思います。後ろを御覧いただくと、ポートランドセメントについて、粉を現場で扱っているというような状況も見られるという御指摘もあったところです。

(13)ポリ塩化ビニルは、粉状物質の扱いについて要検討と整理しております。こちらにつきましても、ポリ塩化ビニルの吸入性粉じんによる健康障害発生のリスクが極めて少なく、リスクの高いものと低いものとの区別が付きにくくなるのではという御意見や、ACGIHの根拠のデータが古いのではないかといった御指摘がありました。それから諸外国の扱いについても御指摘があったところです。また、ポリマーは塊になった後、粉にならないのであるから、粉だけに限るべきであるという御指摘もありました。

 次に7ページの粉状物質全般に関する議論の部分につきまして、御説明いたします。この部分は、今の(10)酸化マグネシウム、(11)タルク、(13)ポリ塩化ビニル、この辺りで御指摘があった件をまとめております。粉状物質全般に関して、業界の意見は総じていえば、毒性は高くない。固体の粉体で溶けないようなものであれば、肺に入った場合にそれなりの影響があり、眼に入ればそれなりの刺激がある。一般の粉じんとして対応が必要という主張であるということ。

 一方で、許容濃度があって、安全に取り扱うことができる基準があるならば、積極的にSDSを付けてリスク管理をしてもらうというのがモデル的に先行する事例である。いつまでたっても、SDSの対象になるとリスクが高いものだというような、ある種の誤解が残ったままではいけないのではないかという御指摘がありました。

 一方で産業界からは、産業界はどこもSDSには反対はしていない。ラベルの対応が困難であって、負担が大きいものであると。そして、ラベルが付いてくると有害性が高いという意識が強く、まだもう少し時間を置いてから対応していいのではないかと。あらゆる粉じんが基本的には引っ掛かるのではないかという御指摘がありました。

 アンダーラインを引いておりますが、粉じんは全て同等にその量によって肺毒性があるという御指摘を頂きました。また、一般の粉じんとしての有害性しかない場合に、ラベル義務対象とするかどうかが問題であると。今回、平成286月にラベルの対象を通知対象物質と同じ範囲に広げるという政策が取られておりますが、ことこういう粉じんに関しては、その辺を今後検討し、ラベルについての特別な手段が考えられるかなど、業界の意見も聞いた上で判断するのがよいのではないかという御意見がありました。

 逆に、これによってSDSが添付されてリスクアセスメントをすべき物質の範囲が狭まるのはよくないのではないかと。このため、よく検討する必要があると、それぞれ意見がありました。

 それから、産業衛生学会の第1種、第2種、第3種の粉じんとして許容濃度勧告がされていることに関しての御発言がありました。金属系の粉体とは違って、単に粉体であればこういう有害性しかないというものがあって、そのロジックを整理してもらいたいという御意見がありました。

 これに対して、8ページの2ポツ目ですが、産業衛生学会が勧告している粉じんの許容濃度には一つ一つの物質にドキュメントがあるわけではないけれども、粉じんの許容濃度をリストで示して、それを使用してもらうという性質のものであると。それから、産業衛生学会の粉じんに関しては、明確なデータがないので、そこに掲げられている物質を個別に一つ一つ調べて、特有の有害性に関する文献があれば、対象とするのがよいのではないかというような御指摘がありました。一方で、粉じんの1種、2種、3種には、それなりのエビデンスがあり、予見可能な災害を防止して、安全配慮義務を全うするためには、情報をきちんと知って対応するためにSDSが必要であるという御指摘もあったところです。

 それから、ハザードベースかリスクベースかということで書いておりますが、表示通知対象物質の部分がハザードに視点を置いた制度なのか、リスクベースという部分を含めるのかという部分についての御指摘がありました。それから、粉じんの定義につきまして、粉状物質といってもいろいろ定義によって変わってくるということで、その部分の定義をきちんと見直していく必要があるのではないか。定義して、どの部分が対象かと考えていく必要があるのではないかという御指摘があったところです。以上、資料1につきましては、これまでの検討結果ということで、多少振り返りという性質ですが、御意見をまとめたものです。

 続いて、資料2について御説明いたします。3月の企画検討会での御意見を踏まえて、特に粉状物質に関する有害性の考え方について、少し整理する必要があるだろうという御指摘を頂いておりますので、今後の方針ということでまとめたものです。1-(1)、化学物質の固有の有害性は比較的低いが、粉状のものを吸入することによる肺障害の有害性が認められるものとして、酸化マグネシウム、タルク、ポリ塩化ビニルが、今、俎上に上っておりますので、これが対象であるとしております。

(2)として、粉状物質の有害性について。こちらは日本産業衛生学会でどのように定義されているかということですが、粉じんの許容濃度を以下のように示しております。1として吸入性の結晶質シリカ、そして、各種粉じんとして以下のように第1種、第2種、第3種となっております。1ポツ目の第3種粉じんのところに、無機及び有機粉じんとありますように、全ての粉じんに許容濃度が設定されていることが分かります。

2ポツ目にあるように、結晶質シリカや第1種粉じんは、その物質固有の有害性を示すものと考えられます。これらの物質のように有害性の根拠となる試験結果等が、単なる粉じんの吸入によるとは考えられないものについては、その物質固有の有害性があると考えることができるのではないか。

 他方、第3種粉じんのように、許容濃度が高く有害性が比較的低いと考えられるものについては、固有の有害性というより、不活性の粉状物質の吸入自体が肺障害を引き起こすと考えられるということです。このように有害性が比較的低い粉じんの種類が多いことから、特定の物質について列挙するに当たっては、次の事項に留意し、慎重に検討する必要があるとして、表示通知義務を課すべき固有の有害性があるか、一般の粉じんより相対的に有害性が高いとか、こういった点が留意すべき点になろうかと考えております。

 こういった産業衛生学会での知見と御指摘を踏まえて、(3)当面の方針として整理しております。1点目ですが、粉状物質であっても明らかに固有の有害性があるものは、表示通知義務対象に追加。固有の有害性については必ずしも明らかでなく、粉体としての有害性のみが認められているものは引き続き対策を検討することとして、これらの判断基準について検討を行ってはどうかということです。御承知のように、産業衛生学会の結晶性シリカに見られるように、粉であっても発がん性が認められるであるとか、非常に許容濃度が低いというようなものについては、表示通知義務対象に追加すると。そうでない肺障害、すなわちじん肺のみが認められるというようなものについては、判断基準について検討を行ってはどうかというものです。

 それを検討するに当たっては、2ポツ目ですが、固有の有害性を持つ物質として、規制が必要となる判断基準はハザードの高さ、程度を考慮するため、学術文献など情報収集が必要であるということ。3ポツ目ですが、諸外国での情報伝達はどのように行われているか、情報収集が必要であるということ。4ポツ目、粉じんとして一般的な有害性が認められることから、並行して包括的な注意喚起を行うこととしてはどうかということです。

2ポツ目は、判断基準として、今後、御検討をお願いしたい部分です。3ポツ目、諸外国での情報伝達ということですが、この制度は表示通知制度ということで、情報伝達を行うためのものですので、当然その物質の販売、流通、貿易といったものに関わってくるところですので、諸外国で情報伝達がどのように行われているか、あるいは、どのような規制をかけているかというところも、少し情報収集が必要ではないかということです。

 この部分に関して、少し説明が飛んで恐縮ですが、資料3を御覧ください。現時点までに集まっている情報について、簡単ですが、紹介します。資料3には欧州のCLP規則と、米国のハザード・コミュニケーション・スタンダードの資料として準備しております。次のページのCLP規則の概要とCLP規則のポイントと書いてある資料ですが、こちらは3年前ほどに別の行政検討会で提出された資料です。基本的なCLP規則の概要を示したものです。

CLPは御承知のように、EUにおける化学品の分類、表示、包装に関する規則となっておりますが、1枚目の一番下にREACHとの関係の中に少し書いているのが端的ですが、SDSによる情報伝達を要求すると。そして、分類と表示はCLPに従っておりますが、調和化された分類、ハーモナイズド・クラシフィケーションがある場合は、それを必ず含めるとされております。

 次のページ、アメリカのHCS、危険有害性周知基準の概要です。こちらについてもGHSに準拠したラベル作成とSDSによる情報提供ということが定められております。特段、物質を特定しての規定ということではなくて、化学メーカーと輸入業者がGHSに準拠したラベルを作成し、使用するということになっております。

 次のページから、欧州及び米国でのラベル/SDSの義務付け情報ということで、今ほど御議論を頂いておりますポリ塩化ビニル、タルク、酸化マグネシウム、この3つの物質につきまして、どういった状況になっているのかを、少しまとめた資料です。欧州の状況を御覧いただくと、3物質ともEU(ECHA)による調和分類はありませんので、物質指定によってSDS/ラベル作成の義務はありません。つまり、特定の物質について、必ずSDS/ラベル作成をしなければならないとはなっていないということです。

 各事業者が、基本的にはGHSに基づくCLPの分類の基準に従って、有害性有りと分類した場合には、SDSとラベル作成の義務が生じる形になっております。各事業者から個別に届け出られた、CLP届出の状況は後述のとおりとなっております。3物質とも「not classified」とする届出が多数を占めておりますが、何らかの有害性分類を付与している事業所も見られるところです。

 次のページからポリ塩化ビニルとタルク、酸化マグネシウムにつきまして、ECHAの届出、ECHAのホームページに記載されている、届け出られた分類状況を示しております。こちらの表は左端に分類パターンとありますが、パターン別に届出の件数が右端に書いております。例えばポリ塩化ビニルでいうと、クラス区分なしとして分類を届け出た件数が143件となっております。3番から7番までなどは、皮膚刺激や眼刺激、単回の特定標的臓器毒性、こういった区分を付けている事業者さんが幾つかいらっしゃるということでした。クラス区分なしとしている事業者さんが3分の2ぐらいあります。

 それから、タルクのほうですが、こちらもクラス区分なしとして分類している事業者さんが2,564ということで、90%を超えております。一部の事業者さんにあっては、眼刺激や反復の特定標的臓器毒性を付けていらっしゃる事業者さんもいらっしゃいます。次のページの酸化マグネシウムも同様ですが、クラス区分なしとしている件数が925件と90%程となっております。以上のような状況で、EUにおいては各事業者さんが分類をして、その結果に基づいて情報提供されておりますが、クラス区分を付けていない事業者さんが多数に上るということです。

 それから、少し元に戻って、先ほどのポリ塩化ビニル、タルク、酸化マグネシウムの米国の状況です。こちらも製造輸入業者に対して危険有害性分類を求めており、分類されない場合は表示は要さないとされています。

 一方、職業安全性基準、Subpart Zという所に、この3物質についての記載がありました。ポリ塩化ビニルに関しては、塩化ビニルモノマーの取扱い状況の中に出てきますけれども、その中ではポリ塩化ビニルにつきましては、残存する塩化ビニルモノマーによって有害性に分類される場合は、SDS/ラベル作成の義務を規定しているところです。

 タルク、酸化マグネシウムにつきましては、許容濃度設定が記載されており、それに基づいて管理することが求められておりますが、物質そのものに対してラベル/SDSを義務付けられているという義務規定は見当たらないというところです。それぞれの個々の製品が危険有害性分類に該当する場合に生じてくるという性質で整理されております。

 以上のようなことが、現在のところ、この3つの物質について調べた状況です。その他の諸外国もありますし、その他の粉状物質のこともありますので、諸外国での情報伝達がどのようにされているかということにつきまして、全般的に情報収集していく必要があるのではないかということです。

 資料2の裏面に戻っていただいて、粉じんとしての一般的な有害性が認められることから、並行して包括的な注意喚起を行うこととしてはどうかという部分についてです。この内容について、2に包括的注意喚起として、以下のような手段が考えられるのではないかということで、2つ挙げております。粉じんである物質を取り扱うことの注意喚起として、例えば、じん肺や肺障害に関する有害性に関する情報、あるいは講ずべき対策として、例えば、局所排気装置であったり、湿潤化であったり、防じんマスクであったり、そういった対策を行政通達で改めて示すということ。それから、この粉じんであることによる有害性が認められる場合には、GHS分類に基づく危険有害性情報をSDSに記載すべきことについて指導する。この2点について考えてはどうかということです。

3点目として、3月の検討会で御指摘いただいております、表示・通知義務の枠組みに関しての御意見です。現行の表示通知対象物質の640物質とは有害性の程度に相当な違いがある場合にも、これらを両方義務付けることが合理的であるのかどうか。あるいは有害性が相対的に低い場合に、より柔軟な情報伝達の方法を検討してはどうかといった御意見も頂いているということで、こちらに掲げております。御説明は以上です。

○櫻井座長 前回の検討会の結果の復習について資料1、更に資料1と資料2、資料3では本日検討すべき課題について、全て一応説明がありました。個別に皆様から御意見を頂いていく必要があると思いますので、順番にお願いいたします。資料1(1)(2)2つの物質については、前回までに有害性がこの程度に存在するということで、それについて特段の意見がなく、検討結果としては追加ということになっております。これについて御意見等はありますか。特にないようですので、追加という検討結果の変更はないということにいたします。

(3)ほう酸塩についてです。これも当面ACGIHTLVが明示されている物質のみ追加するということで、皆様の合意が前回ありました。つまり、TLVは「ほう酸塩」という形で出ておりますが、事実上TLVとしてほう酸とほう酸ナトリウムが個別に上がっています。そのうち、ほう酸ナトリウムは既に640物質に加えてありましたので、ほう酸のみ追加という考え方で合意が得られているものです。これについてコメントはありますか。特にないようですので、追加という結論で、変更なしということにさせていただきます。

(4)ジアセチル、(5)硫化カルボニルは、いずれも明確な有害性があり、それについて特段の意見もなく、追加という結果になっています。これもよろしいですか。特に御意見もありませんので、前回どおりということにさせていただきます。

(6)アスファルトについては、TLV0.5という数値が出ていて、ベンゼン可溶性のインハラブル粒子ということでこの数値が勧告されております。この数値も考えると、混合物であるけれども、蒸気として出る有害な成分も含まれている。工事では熱をかけて処理されることもある。やはり注意すべきものとして通知すべきという御意見で、追加ということに特段の反論もありませんでしたが、それでよろしいでしょうか。(6)も追加という結論にさせていただきます。

(7)t-アミルメチルエーテルについては、20ppmというばく露限界値です。これについても特に反論はなく、追加ということでしたが、それでよろしいでしょうか。ここまでは、全部前回の結論どおりということにさせていただきます。

 次は(8)綿じんです。これについては先ほども説明がありましたように、もともと綿じんはTLV0.1mg/ 3 という数値が勧告されております。(T)というのはソラシックというものです。日本語だと。

○名古屋委員 咽頭通過性粉じんだったですね。(インハラブルとレスピラブルの)中間の粉じんです。

○櫻井座長 中間のものですね。それについて0.1という数値です。その他昔からビシノーシス、綿肺という言葉も存在し、労災補償の対象となる疾病にも掲げられているようなものを対象から漏らすのは適当ではないのではないかという意見も前回ありましたので、追加という方向で一応意見が一致しておりますが、これについてはいかがでしょうか。未処理のままで流通することはないと考えられるので、あえてSDSを義務付ける必要は低いのではないかとの意見がありましたが。

○名古屋委員 綿じんの場合に、やはり繊維形態なので、繊維数濃度(f/cc)で出てこないのを質量濃度の「mg/m 」で実施するという形になったときに、通知ですからいいのだと思いますけれども、例えばリスク評価をするときに、測定しようと思ったときにどちらの濃度を使うかで測定も違ってくるので、どのようにするかという測定方法そのものが決まっていないということと、綿じん自体の取扱いはそれほどないということなので、ここまで踏み込むのはどうなのかなという疑問は持ちます。

○櫻井座長 繊維であるにもかかわらず、0.1mg/ 3 というように重さでいっている。

○名古屋委員 重さでいっているということ。

○櫻井座長 この中に、そういう測定をしたときに繊維以外のものが含まれてしまう可能性もあるかもしれませんね。

○名古屋委員 そういう可能性があるかもしれません。長さの規定もないわけです。全ての綿じんになるわけです。ただ昔、浮遊している綿じんを、サンプラーの吸引口に取り付けたブラシで大きな綿じんを除いて、そして肺の中に入ってくる粒子を取りましょうという測定があったと思うのです。そうしたものもなくて、全ての綿じんで、綿じんの塊りだろうが何だろうが入れるというのはどうなのかなと。評価の仕方がよく分からないので、やはりきちっとされてからでいいのかなと思いました。

○櫻井座長 リスク評価が難しいということですね。

○名古屋委員 そうです。取り扱っている量が、昔こういう問題が起こったときと、現状では随分懸け離れているのではないかという気はするのです。ここまでかけてしまうと、今度は逆に、他の繊維のところもどうなのだろうという話になってくる。

○櫻井座長 他のいろいろな繊維が、それではそれも大丈夫なのかと。

○名古屋委員 そうです。

○櫻井座長 同等に何か問題はある可能性がある。

○名古屋委員 そちらのほうがはるかに出てきているものが多いですのでということです。

○櫻井座長 検討課題として先へ残すという選択がありますが、そのほうがいいという御意見ですね。

○名古屋委員 はい。

○櫻井座長 その他に何かありますか。検討したほうがいいかなという感じが、私も個人的にはしていますが、いかがでしょうか。

○宮川委員 情報伝達という意味と、それから(ばく露限界値等の)個別の数字があって、リスク評価できるかどうかということと、わざわざ表示まで書くかということと、この3段階が今は一緒なのでなかなか難しいところがあります。ただ、外していいとなると、実際に第35条に載っているものを外すのは、私はそもそもいかがなものかと思っています。追加で、検討で、こういう天然物で、あるいは繊維だというようなものについてはこれでおしまいということでなくて、追加で検討していただくのがよろしいかと思います。

○櫻井座長 そういう方向で、追加の検討ではあるけれども、労災補償の対象となっているようなことも考慮する一方、その他のいろいろな繊維状の物質をどう取り扱うかということについて、追加検討ということでよろしいでしょうか。

○石井委員 そのときの情報を今後も収集することを検討されるということですが、具体的にはどのように進められるのでしょうか。例えば、この第2種粉じんの中に、日本産業衛生学会の中には、綿じんとして入っています。そことACGIHが言うものと、今、労基則第35条で言われるものが、何か整合しているものなのか、少なくとも私の中ではイメージがちょっとできにくいのです。こういうところは同じものなのか、あるいはその辺は実際に情報を見て整理していかなければいけないのか。

○櫻井座長 今後検討していく場合に、何をどう考えていくかということに関連して、今の御質問は正確に意味が取れなかったのですが、ACGIHで考えているやり方と、日本産業衛生学会のこの表との間にどういう整合性があるのかという点ですか。

○石井委員 はい。

○櫻井座長 もう1つは、労災補償の物質として挙げられていることとの整合性ですか。

○石井委員 はい。

○櫻井座長 これについての御説明、御意見等はありますか。労災補償の判断基準として挙げられている理由は、おそらく歴史的な意味があって、過去に現実に日本で綿肺症は起こったからということだと思います。ですから、現在それが起こる可能性がどれぐらいあるかということを検討することであって、その可能性が非常に低いということであれば、そこに食い違いがあっても、合理性は失われないと思います。

○近藤委員 情報伝達という面では、必要な場面も出てくることもあろうかと思うのですが、綿じんを対象にするということであれば、粉じん則では、別表で対象物質、作業内容、作業場所等が規定され、管理することになっていますが、これらとの位置付け、整合性を明確にする必要があると考えます。SDSで情報伝達するとしても、具体的な管理はどうするのかということになったときに、その辺を考慮し、整合性をもった対応ができるよう検討すべきと考えます。

○櫻井座長 粉じん則との関わりを整理する必要があるという御意見です。あるいは粉じん則以外の何か考え方があるか。

○近藤委員 そうです。それによってSDSの書きぶりも変わってくると思いますし、情報伝達の仕方も変わってくると思います。

○寺島中央産業安全専門官 確かに今御指摘のありましたように、粉じん則の適用は現状においてはないわけです。その部分について整理が必要だと思いますが、他の粉じんも含めて、この辺りについて、情報伝達とばく露の管理の両方で、違う制度なのですけれども、バランスで考える必要があるという御指摘であろうかと思います。

○櫻井座長 情報伝達、SDSに書きますよね、どういう法令に基づくか、粉じん則には該当しない、今、例えばこれこれという通知、指導なり通達がという話になるのかもしれないです。その辺りをどう処理するかということも検討課題ですね。

ACGIHは、このように1種、2種、3種と分けることはしていない。全部個別にです。ただし、最後のその他の無機及び有機粉じんに該当するものが、その他のnot specifiedですね。やはり、全部まとめて数字を出している。

 日本産業衛生学会の分類は、かなりプラクティカルな、妥当性があるなという感じが実は率直なところ、ある程度そういう気がしております。大分前に出したものですけれども。それも含めて個別に検討していく。個別あるいはゼネラルに粒子状物質の取扱い方を検討する。そして一定の結論を得ることは可能だという。それもここの場でやりますか。

○寺島中央産業安全専門官 深掘りの詳細な御議論をどこでやるかというのはこれからによると思うのですが、基本的にはこの検討会で、どういうところを論点にするかというのは御議論いただければと思います。

○櫻井座長 この物質については、また同様な議論が出るかもしれませんが、一応綿じんについては、今後、粒子状物質、その他の物質も同様ですが、粉状物質の取扱いについて要検討ということに、本日は結論を出さないという、そのようにさせていただきます。

 次のフェニルイソシアネートは後回しですね。

○寺島中央産業安全専門官 はい。

○櫻井座長 これは後でやるということで進めます。(10)の酸化マグネシウムですが、TLV-TWAはインハラブルということで10mg/で、ACGIHとしては最も高い数値です。しかもヒュームを対象としてです。ヒュームというように表題では出ていないけれども、サマリーでは最初からヒュームに関して書いてあります。ヒューム以外のことは考えていないです。

 一方、製品の酸化マグネシウムの粒子はヒュームではなく、また熱をかけてヒュームが発生するような用途もない。EU、米国のいずれもラベルは要求されていない。国際整合性の観点から、追加は妥当ではないという意見もあります。刺激性はあるが、リスクとしては極めて低いので、現段階では実質的な取組に任せてほしいというのが業界側の御意見です。そういうことで、粉状物質の取扱いとして、まとめて要検討ということにしてはどうかということで、前回もそういう感じの議論だったので、それも踏まえて、本日の検討案としては要検討という形になったと思いますが、いかがでしょうか。

○名古屋委員 それでいいと思います。

○櫻井座長 特に異存はありませんか。それでは、これも要検討ということにさせていただきます。次は(11)タルクについてです。これは、ACGIH2mg/ 3 という、一応特殊な有害性があるという意味で、専ら肺の線維症を問題にして、2010年にTLV値を決めたということを考慮しなければならないのではないかという意見が前回はありました。しかし、現在タルクにはアスベストが入っていないことを分析証明するために、いろいろ活動がされてきました。

 したがって、アスベストのないものについては通常の、特段の有害性がある粉じんではないという粉体です。ただし、もちろん大量に吸入すれば有害性はあるということも理解した上で、特別の有害性はない粉体であるという理解でいいのではないかという御意見になっています。EUとか米国の一般的なSDSでも、有害性はないと書かれている。また、ラベルは要求されていないということもあって、これも粉状物質についての取扱いということで一括して検討して、本日は結論を出さないほうがいいのではないかということになっていますが、いかがでしょうか。

 この辺りは海外の危険有害性情報伝達制度の概要の内容等も、ポリ塩化ビニルのときにも同じように関わってくるかと思います。タルクについて、クラス区分なしというのが2,564、これはEUですか。その他一番多くても59とか29という、これは事業所が自主的に判断して届け出ているようです。その判断の基準になるのは、要するにGHS区分があるかないかということ。それは公的にはどこかで決めていないので、個別にそれぞれが決定している。そのときにタルク、あるいはその後のポリ塩化ビニルの場合も、GHS区分のどれにも該当しないというように判断しているわけです。

 その判定については、また後ほどポリ塩化ビニルのときに御議論いただいてもよろしいかと思います。最後になりますので、そのときでもよろしいのですけれども。タルクについても、いろいろそういう議論の材料もありますし、今これを640物質に加えるという結論にするよりは、やはり粉状物質として取扱いを検討するという場を設けるのであれば、そちらで検討するのが適切ではないかというようになろうかと思いますが、それでよろしいですか。

○名古屋委員 はい。

○櫻井座長 それでは、そういう結論にさせていただきます。(12)ポートランドセメントです。これはTLV-TWA1mg/ 3 、吸入性、レスパイアブルで。

○名古屋委員 そうです、吸入性です。

○櫻井座長 そういう数値を、ACGIHが出している。その根拠はここには書いていないですけれども、肺機能の低下、長くその作業に就いて、ポルトランドセメントを一定以上吸入していると、肺機能の低下とか、呼吸器系の自覚症状、人によっては喘息があるという報告があるということもあります。前回も追加という方向で皆様の意見が一致しております。

 業界団体としても、今言ったような喘息もあるとか、その他のこともあって、強く反対はしないというスタンスを取っているということもありますので、追加ということになっています。これも何かコメントとか御意見はありますか。

○石井委員 この物質に関して、今は追加になるということでは、先ほど御説明のあったような固有の有害性があるということによるということですか。

○櫻井座長 そういう理解です。

○寺島中央産業安全専門官 補足をさせていただきます。ポートランドセメントはちょっと見たところ、他の粉状物質と変わらないように見えがちなのですが、御承知のように、セメントを作るときの水溶液による皮膚障害であるとか、今御説明のあった喘息であるとか、そういうことで普通の粉状物質とは少し違う有害性があるのではないかと事務局でも考えていて、ここでは追加とさせていただいております。

○櫻井座長 そういう方向でよろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。最後は(13)ポリ塩化ビニルです。これはTLV-TWA1mg/ 3 で、吸入性です。レスピラブル粒子で、大分前にACGIHが勧告しています。その根拠はかなり昔の、いろいろ人について見出されたものであって、その後ポリ塩化ビニルの夾雑物あるいは不純物等が少なくなっている状況では、そういうことは認められない。そのようになってから、有害性についての報告はないので、ACGIH1mg/ 3 の妥当性については見解を異にするという御意見が業界のほうから出ておりました。それが、ここにも紹介されて書いてあります。

 それと、レスピラブルということで勧告されているけれども、国内で出荷されるポリ塩化ビニルの粒径は50μm以上であって、10μm以下は僅かである。レスピラブルだと、4μm50%です。10μmぐらいあると、大体全部その中に入ってしまいます。だから、それは僅かであるということから、仮に1mgであったとしても、そういう粒径のことを考えると、全てポリ塩化ビニルの粒子状の物質に、現段階で640物質に追加という結論は時期尚早ではないか、検討するべきではないかということであろうかと思います。

 先ほどの欧米の取扱い等を見ても、アメリカでは塩化ビニルの所は書いていないけれども、滑石とか酸化マグネシウムだと、SDSとかラベル作成の義務は、個々の製品が危険有害性分類に該当する場合かどうかを考えるということなのです。個々の製品ということの意味は、例えば粒子が大きいものだけである、あるいは小さいものを含んでいるかというところまで考えてしているのではないかという気がするのです。そうでないと、粒子状の物質の有害性というのは判断できないわけです。

GHS分類は、そこまで考慮しないで、特定標的臓器毒性を決めるようなガイドラインになっています。粒径までは何も言っていないです。動物実験の20mg/ 3 /16時間で長期毒性が発生する場合1に分類すると言っております。ですから、SDS作成を機械的にやるとGHS分類があるということにもなってしまうのです。それにもかかわらず、REACH規制などでは、皆さんがないという報告をして、それで通っているのです。その意味は、結局粒径まで考えるとそうなるということではないかと私は解釈しています。

 それから名古屋先生がおっしゃっていたように、それを評価する場合に粒径を考えた濃度の判定が非常に問題が残っているということです。

○名古屋委員 こうやって分けるとすると、例えば粉状なのかどうなのかという議論になって、通常のものは要らないけれども、例えば粉状のものについては通知が要りますよという形になるのか。そんなところが多分あると、その後に出てくる粉状のものをどう扱うかということと絡んでくるのではないか。そこでまた戻っても大丈夫かという気がします。もし書けるのだとしたら、ポリ塩化ビニルについては、通常のものは大丈夫だけれども、粉状のものについての取扱いそれ自体の毒性が出てきているわけで、濃度も決まっているから、そこについては規制をかけるよという形に住み分けるのかなと思います。

○櫻井座長 粒子の小さいものをたくさん含んでいる場合は問題がありますよというようなことですね。

○名古屋委員 はい。

○櫻井座長 たとえその物質が非溶解性、あるいは溶解性があるとしても、非常に低いものについては、粒子が小さい場合だけを問題にするというような話になりますかね。

○名古屋委員 はい。それは後で出てくると思います。

○櫻井座長 それは後で考える。

○名古屋委員 例えば、固有の有害性の中に、がんとか産業中毒のものがある部分と、それから粉体としての有害性でじん肺しかないという形のものの住み分けがまた出てくるのかもしれない。これも後で議論が出てくるみたいです。

○櫻井座長 そうです。

○名古屋委員 だから、そこでもいいです。

○櫻井座長 そういう特有の有害性として、がんがあれば特有の有害性ということにはなりにくいと思います。なぜかと言うと、そういう不活性の粒子であっても、粒子の小さいものは肺胞領域にとどまって長く存在し、その量が余り多いと慢性の炎症を起こして、肺線維症になり、更にがんになるという考え方が一般的になっています。要するに、粒子の大きさが小さくて、しかも大量であるということが問題なのですね。

○名古屋委員 はい。

○櫻井座長 その辺は、これから皆様にいろいろ時間を掛けて調べていただいて、考えをまとめていただきながら、今後検討するということにさせていただくこととします。ポリ塩化ビニルについても、粉状物質の扱いとしては要検討という結論でよろしいですか。

○名古屋委員 はい。

○櫻井座長 ありがとうございました。それでは、物質(1)クロロ-プロパノールから、(7)t-アミルメチルエーテルまでと、それから(12)ポートランドセメントについては、労働者に健康障害を生ずるおそれのある物質として、別表9への追加対象物質とするという結論で、そのように事務局側は取扱いをよろしくお願いします。

 それから(8)綿じんと、(10)酸化マグネシウム、(11)タルク、(13)ポリ塩化ビニルについては、粉状物質全般の考え方を整理することとして、併せて注意喚起のやり方についても行政のほうで考え方を整理して検討していただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。

 次は非晶質シリカに移ります。事務局から説明をお願いします。

○寺島中央産業安全専門官 資料4の非晶質シリカについてを御覧ください。現行法令上シリカについては、労働安全衛生法施行令別表第9に既に規定されております。表示、通知、リスクアセスメントの対象となっています。シリカの有害性情報について2(1)から整理しております。ばく露限界値は、日本産業衛生学会では、吸入性の結晶質シリカのみ規定されています。物質を特定してという形ではこれのみです。

 米国ACGIHで、シリカはいろいろ規定されております。結晶質の所では、石英、クリストバライト、トリポリの部分については規定されている。トリポリは取下げとなっていますが、これは結晶質シリカに統合されておりますので、現状規定があるということです。その下の行から、非晶質珪藻土、フューム、石英ガラス、沈降シリカ、シリカゲルについては取下げとなっています。取り下げられたのは2006年で、TLVは現在ない状態です。

 一方、(2)発がん性としていますが、IARCではシリカ(非晶質)についてはグループ3、ヒトに対する発がん性については分類できないとされています。シリカ(結晶質)については粉じん、石英又はクリストバイライト中のものとしてグループ1となっています。ACGIHと産衛学会においても、結晶質シリカについては発がん性の区分が付いている状況です。

 その他健康障害について、結晶質シリカと非晶質シリカですが、古くから結晶質シリカを吸入することによる珪肺として知られているところですけれども、非晶質シリカについて、これのみを取り出しての健康障害についての情報は十分ではないという状況です。

 以上のことから(3)今後の方針に書いてあります。先ほど御議論いただきました粉状物質全般の議論と同様の論点ですが、非晶質シリカについては、表示通知対象物質の選定基準にあるところの産衛学会、ACGIHにおける許容濃度等の設定がなくなっている状態であるため、適用対象外としてはどうかというものです。

 なお裏側に書いてありますように、非晶質シリカは特に鉱物等にも含まれておりますが、こういうものは現行においても粉じん則の対象になっている作業が多くあります。こちらについてはばく露防止措置が定められているところです。非晶質シリカについては以上です。

○櫻井座長 いかがでしょうか。これは、よろしいでしょうか。当面非晶質シリカについては640物質に追加することはしない。取下げということは、今まで入っていたのですか。

○寺島中央産業安全専門官 現行既に対象になっています。現行で表示通知対象物質に含まれている形になっていますので、そこから除外することになります。

○櫻井座長 除外するということですね。初めてですけれども、これについては除外ということでよろしいでしょうか。それでは、御異存ないようなので、除外という判断にさせていただきます。次は、フェニルイソシアネートの状況について、事務局から説明をお願いします。

○寺島中央産業安全専門官 資料5のフェニルイソシアネートを御覧ください。資料1で継続検討として記載しております。こちらは、今年度の政府によるGHS分類の事業の中で御審議を頂き、結果が出ております。資料にアンダーラインを付けておりますGHS分類の所のみ追記をしております。他の部分は3月の資料と同様です。

 急性毒性(吸入:蒸気)の所は区分1、皮膚感作性区分1、特定標的臓器毒性、単回ばく露区分1、反復ばく露区分1ということです。

 裏面でECHAのほうのフェニルイソシアネートに関するハザードの情報です。特に吸入ばく露による致死性の影響がとても大きいということが指摘されています。この部分は、基本的には前回資料から変更はしておりませんが、CLPのインベントリーの部分だけ更新をしています。以上のようなことで、フェニルイソシアネートについてははっきりした有害性がありますので、この際御審議をお願いするものです。よろしくお願いいたします。

○櫻井座長 前回、モデルGHSが作成されていないことから、継続審議ということでした。今回GHS分類を既存の情報からこのように示していただきましたので、640物質に追加するという方向であろうかと思いますが、それでよろしいでしょうか。それでは御異存もないので、追加するという結論とさせていただきます。以上で本日の課題は終了しました。本日の議論を踏まえて、事務局のほうで整理を進めていただくようお願いいたします。最後の議事は「その他」ですが、事務局から何かありますか。

○平川化学物質評価室長補佐 次回の平成28年第4回企画検討会は、本日御議論いただきました安衛令別表第9の追加に関し、報告書の取りまとめを予定しております。開催日時は改めて日程調整をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○櫻井座長 以上で予定された議事は終了いたしましたので閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部化学物質対策課(内線5517)

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