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2016年8月18日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第6回)議事録

○日時

平成28年8月18日(木)15:25~17:34


○場所

厚生労働省共用第8会議室(19階)


○出席者

真野主査、石渡構成員、園田構成員、名里構成員、橋田構成員、平井構成員、松原構成員

○議事

○真野主査

 定刻より少し早いのですが、松原構成員と平井構成員が少し遅れられるという連絡も入っているようですので、いろいろ深い議論をしようということもあって、5分ほど早いですが始めさせていただきます。独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WG(6)ということです。少し人数が少なそうに見えますが、五十嵐構成員と三田構成員が御欠席ということです。石渡構成員はもしかすると早めに出られるかもしれませんが、ぎりぎりまでおられるということです。

 最初に、玉川政策評価官から御挨拶をお願いします。

 

○政策評価官

 構成員の皆様には、お忙しい中、また、お足下の悪い中御参集いただきまして、どうもありがとうございます。独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WGですが、今月に入って、本日で第3回目の開催となります。当省所管の独立行政法人の業績の実績等に関する評価に有益な御意見を賜り、御礼申し上げます。

 前回、前々回と、酒光審議官からも申し上げておりますが、独立行政法人の評価については、昨年度より、その方法が変わっているところです。参考資料21ページにもありますが、これまで各府省に置かれていました独立行政法人の評価委員会ではなく、主務大臣が評価を行うこととなって、その評価基準についても総務大臣が定める独立行政法人の評価に関する指針、いわゆる統一ルールというものに基づいて評価を実施することになりました。この指針の下では、5段階、SからDによる評定を付けることとなっていますが、この参考資料22ページにありますとおり、定量的指標については、目標値の100%以上120%未満の場合にはB評定となるということで、B評定が標準ということです。目標値の120%以上の場合にA評定となり、それに加えて質的に顕著な成果があった場合に初めてS評定となるということです。

 これはWGの度に確認させていただいているところでもありますが、その結果についてですが、参考資料6の方に、総務省の独立行政法人評価制度委員会が点検した結果が公表されています。こちらの方ですが、新たな評価基準によって初めての評価であったということでまとめられたものですが、御覧いただくと、99の法人が全省庁であったところです。その前年まで、平成25年度という表の一番下の欄ですが、A評定以上が93.5%以上だったのが、昨年の評価が終わった段階で取りまとめたところ、20.9%というのがA評定以上の割合ということで、B標準という形に基本的になっているところです。

 ただ、これには省庁によりばらつきがあり、1つ目の※にありますように、外務省、厚生労働省、経済産業省が大体半分程度A評定以上があったということで、昨年の11月にこちらの委員会の方から、この3省の名前が入った形で指摘を受けているところです。また、その要因といいますか、分析をこちらの独立行政法人評価制度委員会でなされており、青いところに書いてあるようなものですが、例えば、できる限り定量的な目標を設定し、定性的な業務実施に基づきA評定を付す場合には、根拠、理由等の明確化をすること。これは、定量的な指標が設定されていないとか、定性的な業務実績等に基づいてA評定をしているが、その根拠、理由が不明確という場合にはこういうことをしろということですし、その下にありますように、複数の数値目標がある場合に、合理的な根拠があまりないままでAを付けている場合があるとか、一番下のところですが、ほぼ毎年120%以上の達成ということになっていて、実は目標を、これは主務大臣が定めたところと関わってくるところでもあるのですが、その水準が、達成すべき水準をちゃんと踏まえたものになっているかどうかというところについても考慮が必要ではないかというようなことの指摘を受けているといった状況です。毎度ですが、このような指摘も踏まえ、独立行政法人の厳正な評価に、それぞれの御専門の見地から御知見を賜りたいと思っております。本日もよろしくお願い申し上げます。

 また、付け加えまして、法人の方々に一言お話をさせていただきます。こうしたプロセスを通じてPDCAを回していく中で、独立行政法人評価制度委員会の指摘を踏まえた評価をした場合、昨年よりも、場合によってはパフォーマンスが向上していたりする項目についても、去年と同じような評価が得られないなどというようなことがあるかもしれませんが、それは決して主務大臣の方が昨年度の業務実績についてパフォーマンスが低下したと認識したということではなくて、評定のルール自体の適用の仕方が変わったことによるものだということについて御認識いただければと思っている次第です。事務局の方からは以上です。

 

○真野主査

 ありがとうございました。本日の議事について事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日の議事について御説明いたします。本日の議事は、お手元に配布しております議事次第のとおり、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成27年度業務実績評価に係る意見聴取です。評価項目ごとに法人側から業務実績及び自己評価について説明いただき、有識者の皆様方から御意見、御質問を頂きたいと存じます。

 なお、独立行政法人の評価スケジュール全体については、参考資料110ページ、別添6の図のとおりで、本日の意見聴取等を踏まえて、主務大臣による評価を実施することとなります。昨年度の評価の結果については、先ほど政策評価官がお話しましたように、参考資料6にあるような指摘を受けております。したがって、本日御意見を頂く業務実績評価に関しましても、改めて総務大臣が定める独立行政法人の評価に関する指針を踏まえ、B評定が標準であること、A評定以上を付す場合には定量的指標において120%以上の達成が求められていること、また、目標水準の妥当性等々に御留意いただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○真野主査

 それでは、評価に係る意見について議論していきたいと思うのですが、前半と後半に分かれていまして、最初は「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」ということです。例年と違って、一つ一つ深くやるということで、1-1から1つずつ御説明いただいて、それについて1つずつ議論していく形になります。それでは、ポイントを絞って、1-1「施設利用者の地域移行への取組」から御説明をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 のぞみの園事業企画局長をしています渡利です。よろしくお願いします。説明させていただく資料は、資料1-1の平成27年度業務実績に関する説明資料、パワーポイントで作られています。こちらを基に説明させていただきます。なお、この説明資料は主に定量的指標と評価の視点に対して作成しております。時間にも限りがありますので、全ての定量的指標、数値目標と、評価の視点を読み上げることは省略させていただきます。また、A評価を付したものに特化して、できるだけ説明のポイントを絞って説明させていただきたいと思っています。定量的指標は全てではなく、主な指標のみとさせてもらっております。それでは説明させていただきます。

 まず初めに、のぞみの園の概要を簡単に御説明いたします。資料の3ページです。のぞみの園は、法律にも書かれているとおり、大きく分けて5つの事業に分かれています。中段に書いてありますが、左から「総合施設の設置・運営」、ここでは入所利用者の支援、地域移行、強度行動障害などの方々に対する支援を行っています。次に「調査・研究、情報提供」ですが、国の重要課題に対して研究し、その研究を基にして情報提供を行っています。次が「養成・研修」ですが、調査・研究や現場で得られたノウハウを、より多くの養成・研修で使っているという状況です。次が「援助・助言」ですが、障害者御本人やその保護者、障害者支援施設などからの相談に応じています。「附帯業務」ですが、診療所の運営、地域で障害のある方に対する支援、短期入所利用や日中一時支援、就労支援などを行っています。下段の表ですが、適切な業務運営のための組織予算等について、業務運営の効率化を図るという観点で内部統制等に関わることをここで明記しております。

4ページです。具体的に私どものぞみの園で行っている事業を一覧表にしております。根拠法令別に分かれております。一番上は、施設入所支援ということで、のぞみの園の基本的な事業になっています。その下が、それらを含む居住支援のほか、日中活動支援や地域支援の内容があります。また、児童福祉法に関係するもの、児童発達支援事業などを行っております。ちなみに、一番上の施設入所支援は現員が248人となっています。定員は350人となっていますが、寮舎は13か所あります。各寮舎の定員は特に設けていないということで説明させていただきます。

5ページは施設入所利用者の概要です。平成27年度ということですので、平成28331日現在ということで記載しております。平均年齢が62.7歳、平均入所期間が38.7年と、年々高くなっている状況です。出身の都道府県は38都道府県です。ただし、やはり関東にございますので、東京、埼玉、千葉、神奈川という関東近県で約半数を占めているという現状があります。なお、これらの数字の中には、矯正施設等退所者の有期で利用されている方々の数字も入っています。有期の方々の年齢区分は真ん中の表の、各年齢別で表しております。この方々は、やはり平均12年で、実際に地域に移行させていただいているという状況があります。のぞみの園の概要は以上です。

 評価のポイントに入ります。資料の6ページです。評価項目1-1です。施設利用者の地域移行への取組ということで、自己評価Aにさせていただいております。地域移行をした方々の数ですが、目標値は5人程度ということで、実際的には実績として5人ということで達成度は100%です。ただ、近年、地域に移行する方々は非常に困難な状況がありますので、その中でも目標値5人を達成できたというのは、それなりに評価していただければと考えております。地域移行については平成15年の独立行政法人化以降、既に13年間取り組んでおり、現在おられる方々は、やはり非常に地域移行が困難な方々のみが残っている状況です。

 簡単に御説明いたしますと、最大の理由は利用者が高齢化、重複化しており、多くの方が重篤な病気に罹患しており、身体的機能も低下している。要介護度は相当上がっているという状況がまず1点あります。2つ目は、先ほどお話したように、長年のぞみの園で生活をしてきた方々です。御本人も一般地域で生活が可能かどうか、やはり不安があります。それに伴って、保護者、家族の方も現在の生活に変化を求めないという強い意思もあり、なかなか同意が得られないという状況もあります。3つ目に書かせていただきましたが、やはり地域移行といっても行き先が決められないと移行できないというのがあります。移行先の自治体においても、やはり介護度が進んでいる利用者を受け入れるグループホームなどの施設が少なく、実際には地元で待機されている方も多いという状況の中ではなかなか厳しいという現状があります。繰り返しになりますが、比較的若くて身体的機能も低下していない方であれば地域移行もある程度可能とは思いますが、直近のこの状況からすると、やはり年々厳しくなっている状況を御理解いただければ有り難いと思っております。

7ページです。四角の枠でくくってある中は、私どものぞみの園が取り組んでいる地域移行の対応策の内容です。まず、本人及び保護者への働きかけということで、地域移行に関して、法人独自の事業を展開しております。「地域生活体験ホーム」というものを実施しており、施設外の高崎市内の住宅地の中に建物を2つ用意しまして、施設利用者に地域生活の体験を具体的にしていただいております。平成27年度は短期利用の方で、延べ46人、901日利用したという状況です。また、bですが、地域移行に向けた体験ホームの中で支援ニーズを実際に確認して、支援計画を作成しているという状況があります。cですが、保護者に対しても丁寧な説明の機会を確保して、地域移行の体験談などを載せた「地域移行通信」を発行し、より理解を深めるための努力をしております。

 イ「移行先の確保に向けた環境整備」ですが、先ほども話ましたように、移行する事業者の開拓というのは重要で、私どもは22の市、7区、5町とも調整をしております。また、全国の自治体、各都道府県、指定都市、中核市を集めた障害保健福祉関係の主管課長会議が行われます。その場においても、厚生労働省より、その旨の御協力をお願いいただいているところです。

 ウ「移行者に対する地域生活への支援」ということで、実際に移行する者に対しては、事前に健康診断を行って、診察、情報提供というものを行っています。また、bですが、フォローアップを徹底しており、これまで移行された方、具体的には49名に対し、電話等で連絡を取って、実際に585件の確認を平成27年度に行ったところです。評価項目1-1については以上です。目標を達成したということでBではないかというお話もあると思いますが、これらの事情を勘案していただければ幸いかと思います。よろしくお願いします。

 

○真野主査

 ありがとうございました。これについて御意見、御質問はありますか。

 

○名里構成員

 目標に数値的には達成していればBということで、Aにする根拠はどういうことかというのが、今御説明された重度化で長年の方がいらっしゃるということなのですが、国立ののぞみの園だからこそ、重度の障害の方も高齢の方もこんなふうに暮らしていますということを示され、それで御家族の同意をどういうふうに得ていくかということをもって、もっと高い評価になるのではないかと思うのです。5人の目標を達成するのも本当に大変なことであるとは思うのですが、是非そこの、どんな重い方でも高齢の方でも、こんなふうに暮らしていますということを何か示していくことに力を入れていただけたらと思います。なので、Aに上げるという根拠は私は難しいのではないかと思います。

 

○園田構成員

 私もBが妥当な評価かと思います。理由としては、前中期の平均で21.2人の実績値があって、いきなり期が変わると目標が5人にしてあるというところの説得力が少し足りないのではないかということが1つ。

 もう1つは、地域移行をしていただくことが良いことであれば、なるべく多くの方に移行していただくような努力をしたほうがいいと思うのですが、例えば、目標値が5人のときに実績値5人で、100%でもA評価だと言ったら、これは法人側で、これ以上地域移行していただこうというモチベーションが湧かないのではないかというところを少し危惧しております。5人が妥当かどうかという問題はあるのですが、仮に5人が妥当だとしても、もう少し多く移行していただいたところでA評定というふうにしたほうがいいのではないかと思っています。

 

○真野主査

 何か御意見はありますか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 名里構成員と園田構成員からの御意見はもっともな部分があると思います。私どもは、これで別に満足しているわけではなく、機会を見ながらこれ以上努力していくのを惜しまないつもりです。引き続きこれについては努力していきたいと思っていますので、御支援等、また頂ければと思っております。

 

○真野主査

 ありがとうございました。では、次の1-2に行きたいと思いますが、説明をもう少し簡潔にお願いできますか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 自己評価がAでしたので若干多めに話しました。今度は8ページの評価の1-2です。これは自己評価がBですので、ここは簡単にお話させていただきます。

 主な定量的指標としては、高齢知的障害者に関するセミナーの開催と、セミナーの参加者の満足度ということになっています。両方とも達成的には120%を超えているものではありませんのでBにしております。ただ、今お話したように、高齢知的障害者への専門的知識というのは、私どもは平成15年から積極的に取り組んでおり、ノウハウがありますので、そのノウハウは今後とも全国の障害者支援施設に提供していくということをずっと続けていきたいと考えております。

 参考ですが、9ページにはいろいろ取り組んできた内容が書かれています。B評価ですので、これらの説明は省略させていただきます。

 

○真野主査

 ありがとうございました。こちらに関して何か御質問等はありますか。

 

○園田構成員

 評価についてというよりは、後の項目にも関係してくるので少し伺いたいのです。入所率なのですが、先ほど入所者数が248人とおっしゃっていました。定員が350人ということで、大体71%ぐらいの在籍者数だと思うのですが、平成15年度からずっと減って半分ぐらいになっていますし、平成24年度からも44人減らされているのですが、これは何か方針があるのでしょうか。

 それから、在籍の方が減る場合には、そこに手を掛けていた方の力を別の事業に振り分けることができると思うのですが、目標値の設定で、そういう事業間の力の入れ方の変化を反映させたのでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設理事長

 まず、施設の入所利用者の数の減少ですが、これはそもそも私どもの国立施設として全国から入所利用者を受け入れて500人規模で運営していくことが、今の障害者福祉の理念に沿うものかどうかという問題があり、そもそも独立行政法人になった十数年前の状況でも、やはり、障害があっても地域で生活できるようにということで、こういう施設に入っている方たちは、やむを得ず必要最小限の限度で入る。現に施設に入っている方たちも地域で生活できるようにというような理念があって、地域移行という事業に取り組んできたということです。

 したがって、これからも施設の入所利用者の数を減らしていく方向は変わりません。それは、今申し上げたような障害福祉の理念に沿って、しかも最近は地域で生活する、そのための制度改正が繰り返し行われていますので、私どもはそのような制度の趣旨に沿ってこれからも減らしていくということです。したがって、定員が350人というような説明を申し上げてしまいましたが、この定員について、やはり現状に即していないというような御指摘もあろうかと思いますので、定員設定については節目、節目でこれまでも見直してきましたが、これからも見直してまいりたいと思っております。

 職員数については、私どもは独立行政法人ということで、内閣の統一的な定員削減といった目標が課されており、後ほど御説明いたしますが、年々、職員数の減という目標が掲げられております。そのような中で、サービスの質を落とさないで、なおかつ、障害福祉施策の課題に対応するような新しい事業を展開していかなければならないということで、これから御説明しますが、特に第2期中期目標期間以降、障害福祉施策の新しい課題に対応すべく、いわゆる行動障害があって支援がなかなか難しいような人、そのような新しい事業に積極的に取り組んでいるということです。

 したがって、御指摘のように、入所利用者の数が減っていけば、それに携わる職員の数は当然減ってきますが、そこで減った分を新しい事業展開のほうに配置しているというようなことで御理解いただけたらと思います。

 

○園田構成員

 確認させていただいたのは、該当する項目のときに言いますが、どうも配置の変化というものが目標に反映されていないのではないかと思われるものが多少ありましたので、少し確認させていただいた次第です。

 

○石渡構成員

 私も今の園田先生の御意見と重なる部分もあるのですが、私はこの高齢化に対応した支援というのは、のぞみの園の実績は非常に高く評価しております。ここの項目が、入所利用者の高齢化というところに限定されているので、ここの項目には反映できないかと思います。私は最近、東京都の入所施設の高齢化対応や、神奈川県などにも関わらせていただいているのですが、東京都は診療所等もありながら、ほとんど成果らしい成果が出せなかったというのを体験したときに、改めてのぞみの園が高齢化について出してきているいろいろな知見や方向性というものは本当に大きな活用の意味があるというのを、いろいろな地域からの声として受け取っています。

 やはり、のぞみの園は入所施設の利用者に対して確実な支援をしてきたことを、診療所の医療の部門と連携し、かつ、そうしたデータを、調査・研究部門があるというところで、しっかりエビデンスを出して、そのエビデンスに基づいてきちんと支援の方向性を出しているというのがのぞみの園の強みと思いますし、それを確実にいろいろな地域に、診療部長などが個人的に活躍をされている場面なども拝見しておりますが、そういう評価すべき内容というのが、この評価項目では出てこないのです。関連するとしたら、6の調査・研究の所や、7の成果の積極的な普及というような所にも行くのだと思うのですが、この指標では、そういう評価すべき点が少しも反映されないものになってしまっている。やはり、評価指標という辺りを、のぞみの園の機能全体の中で再検討していただいたほうがいいのではないかということを改めて今回、感じさせられております。

 

○真野主査

 今のは意見ということでよろしいですか。のぞみの園からはよろしいですね。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。では、次は1-3です。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 次は10ページです。評価項目1-3です。著しい行動障害等を有する方への支援ということで、自己評価Aにしております。平成26年度でしたが、目標を1人にしていまして、それを実績の2人を踏まえて、今回2人にしています。受入れ人数ですが、11ページの表の左の上のほうに書いていますが、今まで難しい方々を受け入れていた状況がありまして、1人、2人という実績を確保するのもぎりぎりの状況でしたが、平成27年度は受入れ者を3人、実際、地域移行化された方を3人ということで、目標値も見直して対応したところです。

 研修の参加人数は、目標200人で実績400人と。これは、研修会場の関係等もありますが、目標値を十分達成していると。満足度は80%を目標にして、実際的には93%という状況です。困難度ですが、他の機関では実際に受入れができないと、拒否されていう方で、受入れ先がない、支援が困難な障害者を国立の施設として受け入れてきた状況があります。

 研修会の満足度に関してです。研修の内容、方法とも変更したり工夫したりしておりますが、研修を受ける方々の満足度は、コンスタントに維持していくのは結構大変なことです。目標設定が80%は少し低いのではないかと言われるかもしれませんが、例えば少し見ていただければと思うのですが、23ページです。23ページには、これは評価項目が違うのですが、私どもが行っている、主宰している研修会です。

 例えば910を見ていただくと分かるのですが、同じ内容、双方向性の参加型の研修が東京都と京都でありましたが、実際に京都は80%を超えることはできなかった。同じ項目でもこれだけ差が出てしまうこともあります。また、56も基本的に兵庫と東京ということで、西日本と東日本の状況です。内容的には同じですが、満足度も東京でやった場合100%、兵庫でやった場合87%ということですので、私も満足度の設定の仕方としては80%以上という評価の目標が妥当ではないかと思って考えているところです。

 次に、11ページに戻りまして、著しい行動障害の方に対する有期限での段階的プロセスによるサービスのモデルの構築に向けた取組です。ここはA評価にしておりますので、若干時間を頂ければと思います。上段には行政、相談支援事業所との連携、あとは、実際こういう難しい方々に対しては、通常の支援体制ではなくて特別な支援体制が必要です。それと、段階的に地域移行の体験も当然必要です。これらのことを踏まえて段階的にやっている状況です。

 中段に書いてありますが、平成27年度、受け入れた方々3名の具体的事例をここで御紹介させていただきます。1人目の方は、中学2年生の頃に不登校になって、家庭内暴力になり、お子さんからの暴力によって保護者の方が片目を失明する。結果的に精神科病院に入所し、その後の受入れ先はもうないという方を私どもは受け入れております。

2人目の方は自傷が大変ひどい方でして、精神科病院に入院して、保護室でずっと長い間拘束されていたことによって、上肢が萎縮し、あと褥瘡が悪化して、どこでも受け入れないけれども、実際、どこでも対応しようがなかった方も受け入れております。この方は、関節も硬直していた状況ですが、現在は歩けるようにまで私どもで支援したという実績になっております。

3人目の方ですが、知的障害もあり、過食になって、健康状態もかなり悪化してしまって、心不全とか糖尿病になっていたという方です。自閉症という症状もありまして、私どもが受けたときには、大体、身長160cm175kg。現在、私どもは医療的なケア、福祉的なケアと連携し、体重を約100kgまで落として、また、御家庭に戻すか、地域に移行させるかは、今、別途体制を整えている状況です。

 この3名の方は、私どもは群馬県にありますが、群馬県の方に限らずに、実際には他の自治体でどうしても対応できないということで、群馬県外の施設、自治体から依頼を受け、のぞみの園で受けたという方々です。

 これらの方々の支援については、今お話したように福祉と医療の連携が重要でして、私どもの診療所に精神科医師、臨床心理士等がおりますので、その方々と連携をし、個別のケアをずっとしてきている状況です。これらの情報提供は、一番下に書いてありますとおり、ニュースレター等々で関係者に情報発信をしております。私どもはこれをAとさせていただいております。御理解等頂ければ幸いかと思います。よろしくお願いします。

 

○真野主査

 ありがとうございました。この件に関して何か御意見はありますか。

 

○園田構成員

 受入れ者数の計画値が2人ということなのですが、私は会計が専門ですから、会計的な観点から財務諸表を見てみて、資料は1-32ページですが、ここの法人は経常収益が34億円ある、そういうレベルの収益ですよね。34億円収益がある組織で、受入れ者数の計画値が2人というのが果たして妥当なのか、かなり疑問に思いました。これだけの収益があるのであれば、もう少し受け入れることができるのではないかと思います。

 指標を見させていただくと、前中期の実績値または平均値以下で指標を設定されているのが実は3つあるのです。満足度については説明がありましたが、そういったことを考えますと、ここは法人の在り方というのですか、役割みたいなものを考えますと、もう少し実は受け入れることができるのではないかと思いますので、Bかと思いました。

 指標ですが、この項目は「行動障害等を有する方への支援」ということですが、「支援」に対する指標として、研修の実施回数とか参加者が、果たしてそれをアウトカム指標として正しいのかは、先ほどの石渡先生がおっしゃっていましたが、私もここについてはそういうことを疑問に思いました。

 

○真野主査

 何か追加とかはありますか。

 

○石渡構成員

 どうしても入所の方に限定して目標値とかを作っているのですが、のぞみの園がやっていることは、決して入所者だけではないと、その辺りをきちんと指標として打ち出していただいて、むしろ外部発信して、外部の入所施設等の支援の質を高めていることが現実にあると私は思っておりますので、その辺りがきちんと見える指標の設定を工夫していただきたい。そうしないと、今、園田構成員が会計学のお立場で御批判された、そういうところばかりが目に付いてしまう気もいたしまして、とても残念に思います。

 

○真野主査

 法人から何かよろしいですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

2人という目標については、確かにこの法人の規模からして、あるいは施設、事業量の規模からしてという点で御疑問を持たれるのは、当然かと思います。ただ、私どもとしては、先ほども御説明したような非常に困難ケース、それに対してどのようなアセスメントを行って、どのような支援を行って、1年なり2年で退所していただくかと、現在、そういうことを試行錯誤的なことも含めて取り組んでいる最中です。事例もだんだん積み重なってきますと、これからもう少し受入れ人数も増やしていけるかと思います。そういう意味で私どもは2人の目標値で3人受けたからAだと、そういうことではなくて、実際、非常に困難な事例を受け入れて、それに対してこれだけのことができたと、そういう我々の実感も込めてAとしたわけですので、今のような御指摘があれば、それはそれで素直に受けたいと思っております。

 

○真野主査

 ありがとうございました。よろしいですか。では、次の項目に行きます。よろしくお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 続きまして、資料は12ページです。ここは自己評価Bですので、端的にお話をさせていただきます。この項目は矯正施設等を退所された方への支援ということになっております。私どもは、今お話しました行動障害の著しい方のほかに、ほかの施設では受け入れることがなかなか困難な方々を、ここでも目標値として定めさせてもらっております。人数の目標値は5人程度ということで、実績4人、達成度80%ということもあります。今、御指摘いただいたところですが、そういう目標はおおむね達成したという状況もあります。今、理事長からお話があったように、困難度で書いていますが、のぞみの園で培ったノウハウを他の施設にも情報提供していって、全国的な障害者支援施設の質の向上に貢献できればと思って考えております。

 参考までに、13ページには平成20年度から始まっておりますので、それから今までの状況について、数字等を示させていただいております。私も入所された方々、入るまでもいろいろ面接等を行って、手間も大変掛かっておりますが、実際に受け入れている方々は、ただ単に知的障害だけではなく、統合失調症や発達障害を合わせ持った方です。家族関係、経済的基盤もなかなかぜい弱な方ということで、矯正施設を退所したから、いきなりすぐに地域で生活できる方々ではないことを踏まえて、私どもも取り組んでいる状況です。簡単ではありますが、説明は以上にさせていただきます。

 

○真野主査

 ありがとうございました。ここはB評価ということですね。

 

○園田構成員

B評価ということですが、受入れ者数は未達ですよね。これは目標5人に対して4人で未達で、なおかつ、3年間、平成25年度からこの中期1回も達成されていません。これはここの法人の本来やるべき中核的な業務だと思うのですが、もしこれでBにするのであれば、指標的にはCだけれども、それでBに上げるための説明が必要だと思います。それがないと、ここは法人としては重要な業務ですから、C評価かと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(中川)

 おっしゃるとおりですが、80%ということですが、先ほど強度行動障害の方と同じように、のぞみの園の中期目標の中に何人受け入れると、これは数字で出してはいるのですが、その前段がサービスモデルの構築ということがあります。ですから、行動障害の方と同じように矯正施設を退所した方たちについても、受け入れて、しかも地域へちゃんと返していくと、そのモデルをきちっと作って、しかも研修や相談も含めて、トータルとして我々ののぞみの園の目標を達成していくところがありまして、そこで確かに受入れは4人だったのですが、平成27年度に出した5人の質、中身は十分御説明できていないのですが、地域移行して、しかも2人が一般就労まで行けるという状況もありまして、トータルとしてB評価にさせていただいた次第です。

 

○園田構成員

 会計的なものにこだわるわけではないのですが、事業収益の中に介護給付費・訓練等給付費収入がありますね。約16億円あるのですが、これはこういったために使われるための収入ではないのですか。これは1-3とか、1-2とかにも関係してくるのですが。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 財務諸表の中のそういう計算書の中に、介護給付費・訓練等給付費収入ということで約16億円あります。これは公的資金で入っておりまして、今、構成員が御指摘のとおり矯正施設を退所した4名の方々に対する費用も、公費としてはこの中に含まれております。ただ、先ほどの強度行動障害の方々もありますし、のぞみの園が創成時から実際に利用されている方々全部含めた額です。

 

○園田構成員

 ただ、この金額からすると、少しもの足りなさを感じるのです。

 

○平井構成員

 受入れが4名であったということですが、対象者として面接した方は11名ということで、結局、面接したけれども、のぞみの園には入所されなかった方々は、例えば他の地域の施設に入所されたのか。もし、そうであれば、例えばいろいろなノウハウを全国的に広げていくことによって、他の地域でもそういう受入れができるようになったのだとすれば、それはのぞみの園としての成果というふうにも評価できるのではないかと思ったので、その辺りを教えていただきたいと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 平井構成員が御指摘のとおり、私も先ほどの強度行動障害の方々同様に、取組としてはモデル的に取り組んでいるところです。ここの資料で説明を省略させていただきましたが、ノウハウについては、セミナーとか研修を開催して、他の地域とか他の施設で実際に受け入れていただくための支援を行っています。また、個別に、これはまた別項目になりますが、講師も派遣し、実際にこの取組について、当然、私どもだけでは対応しきれませんから、他の施設、地域でも取り組んでいただけるよう、私どものノウハウができるだけ提供できればと思って取り組んでいます。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(中川)

 話していただいたとおりで、面接して、受け止めが難しいと思っても、面接に行くようにしております。それはのぞみの園で受けられなくても、少しでも支援のヒント、アドバイスができればという思いで、今、定員も一杯なのだけれども、それでもということで面接も行ってということも含めてで、今、本当に平井構成員が言っていただいたとおり、のぞみの園だけではなくて、その地域で何とか頑張れるようにという支援も含めて行っているので、面接回数と受入れ者との差異が出てくるところもあります。

 

○平井構成員

 その辺りをはっきり分かる形で決めておられると、目標は数値的には達成されなくても、活動としては頑張っていることが示せるかと思いました。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(中川)

 分かりました。

 

○真野主査

 なかなか厳しいところではありますが、先ほどから言っている今後の大きな流れに関しては、最後に理事長からも御説明いただいたほうがいいかと思います。次は1-5ですね。よろしくお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 資料14ページになります。発達障害児・者及び地域で生活する重度の障害児・者への支援です。ここでは、主な定量的指標として通所支援事業の利用率となっていますが、これは発達障害児の通所支援事業の利用率です。目標値に対して実績はほぼ100%近い達成率になっている状況があります。ちなみに、この項目は自己評価はBですので、できるだけ簡単に説明させていただきます。

2つ目の保護者等学習会の開催ですが、ここも120%を超えている状況があります。セミナー参加者の満足度は、ここに示しているとおりです。困難度で書きましたが、平成27年度から保護者のニーズに対応するために、発達障害児が陥りやすいこととして、小学校に入学したばかりのときは、障害特性から学校生活になかなか馴染めない状況が続くということがあります。その状況を回避するために、年長児を対象とした「ぴかぴか☆」というのを新たに平成27年度から始めたところです。さらに、この事業を平成27年度にやっている中においては、保護者のニーズというのはかなり高いというのがありました。平成27年度は週2回実施していましたが、平成28年度からは5回実施できるように体制が整うことの検討を平成27年度に行いました。この「ぴかぴか☆」クラスの療育の内容ですが、障害特性によるニーズを捉えて選択制にしたプログラムというのも、平成27年度の実績を踏まえて改正することもしているところです。

 それと合せて、主な定量的指標に入っていませんが、地域で暮らす発達障害児の方々、家族の方々に対する支援の取組としては、短期入所利用者数の実績です。44人が適正かどうかというのもあるかもしれませんし、そういう意味では物足りないと言われるかもしれませんが、ニーズに応えた形で平成27年度は44人、延べ人数2,219日ということで私どもは取り組んだところです。また、医療的配慮が必要な重度の方々も人数的には4人というところですが、平均障害支援区分も5.8と重度の方々です。そういう方々に対しても支援を行っている状況があります。

15ページには、障害児通所支援センター「れいんぼ~」の概要をまとめさせていただきました。これはB評価ということですので内容等の説明は省略させていただきます。児童発達支援の中の対象児童の中に書いていますが、療育(単独通園)「ぴかぴか☆」56歳というのは平成27年度から始めたところです。

16ページですが、これについては実際にどういう支援の形で取り組んでいるかをフローチャート形式にまとめているところです。真ん中の円に児童・家庭、不登校、ひきこもり、不適応行動などをしているお子さんに対する支援で、診療所は私どもの診療所ですし、「れいんぼ~」も私どもの施設です。関係機関と連携して、これらの取組をしているということで御理解いただければと思います。ちなみに、16ページの下に書きましたが、これらの支援をした結果を記載しています。児童発達支援14名・放課後等デイサービス5名の児童が、年度形式で修了ということでお別れ会を平成27年度も実施したところです。これは保護者の方のお気持ちということでメッセージがありました。「正直なところ、れいんぼ~に通うことを決めるまで大きな葛藤があり、とても悩みました。実際に利用してみて子どもの成長はもちろん、親が救われ助けられました。今はれいんぼ~に来て良かった。正しい判断だったと言えます。ありがとうございました」というメッセージも頂いているところです。発達障害のお子さんをお持ちの方で、悩みをいろいろ持っている方々に対する支援を、私どもができる範囲で適切に対応していると考えています。B評価ですので説明は以上とさせていただきます。

 

○真野主査

 何か御意見とか、お願いします。

 

○名里構成員

 短期入所については、1-10のその他の業務の所にも実績が挙げられているのですが、項目的にはどちらで評価するのでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 項目として重複するものがかなりあるのです。調査・研究や研修は中で重複しています。1-10は附帯事業の整理をしていますので、附帯事業の整理としてここは項目が出ていますし、1-5は発達障害児・者への支援ということで、私どもが取り組んでいる事業の定量的指標として表すことができるものをここで出していますから、内容的には重複しているものもあります。

 

○名里構成員

 短期入所についてはニーズがどれぐらいあって、それに対してどれぐらい受け入れることができたかということは出ているのでしょうか。おおむね何割ぐらいとか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 ニーズの把握というのは的確にしていません。というのは、のぞみの園の周りにも民間の事業所が多々ございまして、そちらのほうで通常は対応しているのだと思います。のぞみの園で受け入れている短期入所というのは、そういった民間の地域の事業所でも短期入所の受け入れが難しいという困難ケースを受け入れたり、あるいは行動障害が著しい人の支援ということで、入所を受け入れる前提としてまず短期入所で御利用いただき、その中でアセスメントを行い、のぞみの園で支援すべきかどうか。支援する場合には、どのような支援を行ったらいいかを見極めるような短期入所の使い方などもあります。また、一部、他の施設に入所するのですが、何か月か待機しなければいけないので、その間、のぞみの園を是非利用させてほしいなど、いろいろな類型がありますので、全体としてのニーズというのは把握していませんが、のぞみの園としてそういった利用の希望がある場合には大体受けていますし、その中で少なからず、かなり困難な事例についても受けているということです。

 

○名里構成員

 ここの項目が地域で生活する重度の障害児・者への支援ということなので、地域のニーズというのを分析し、のぞみの園で受けるべき、地域で暮らす人のニーズというのをちゃんと把握した上で受けたほうがいいだろうと思います。もちろん、来た者は全部受けますというならそうですけど、であるならば、短期入所の希望がどれだけあって全部受けましたなのか、希望はこれだけあったけど何割ぐらい受けたとか、それは出したほうがいいと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 私どもは国立の施設ということですので、国の施策にのっとった施策、事業を展開するというのが1つあります。また、今、名里構成員がお話されたように地域のニーズというのも高崎市にあるということで、高崎市近隣のニーズにも適正に対応する必要があると思います。ここで数字は明確にお示しできないのですが、実際、電話相談等々でもそういうニーズによるものが含まれています。どこまで正確に把握できるかは別として、ニーズに対応できるものについては対応していくという姿勢は、これからも持っていきたいと思っています。

 

○真野主査

 いろいろ意見が出ていますが、大きな話の確認ですが、難易度と重要度でしたか、あれに関して。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 この発達障害に関しては重要度が入っています。発達障害に対する支援というのは私どもにとって重要と考えています。

 

○真野主査

 参考資料7に書いてあるもの以外は、重要度も高くなくて難易度もあまり高くないという理解でいいのですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 評価書の中に難易度、重要度を明記させてもらっています。

 

○真野主査

 だから参考資料7に書いてありますよね。これのことですね。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 そうです。

 

○真野主査

 だから、ほかの所ですと先ほどの話でB評価を1つ上げるのに、こういうのが勘案されるということで結構付いていたのですが、御説明の中では割と「重要度」とか「難易度」が高いという言葉が散見されるけれども、たまたま今のは付いているのですかね。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 そうですね。

 

○真野主査

 これも難易度は付いていないですね。重要度ですね。だから、その辺というのは決まりはないのですか。

 

○政策評価官

 資料1-24ページの所に法人から出ているものがありますけれども、この中でアンダーラインを引いてあるのが難易度が高い。それから、○が付いているのが重要度が高いというものです、重要度の方は総合評定を決めるときの評価のウエイトに影響するものであり、評定の所に関して影響があり得るというのは難易度の方だけです。

 

○真野主査

 言いたかったことは、難易度が高いのは2つだけということで、いいということですよね。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 私ども、全て難易度を高くしたり重要度を高くするというのは、あまり本意ではありません。ポイントを絞ったところで御説明するのが趣旨かと思いましたので、難易度とか重要度は極力付けないような形でしています。それにしてはAが多いのではないかと言われるかもしれませんが、そういう観点で付けていますから、難易度、重要度を乱発していない。誠実な気持ちで付けたつもりですので御理解いただければと思います。

 

○真野主査

 分かりました。ありがとうございました。

 

○政策評価官室長補佐

 恐らく、法人の説明では、社会一般的に見て重要度が高いとか難易度が高いという意味で御説明があったかと思いますが、この難易度設定、重要度設定というのは、本来であれば、その法人に課されている使命なり持っている能力を勘案して付けるものですから、そういう意味で、ある意味適正に付けていただいていると。法人によっては全部が難易度が高かったりというのもあるのですが、それは逆に、この法人は誠実に対応されているのかなという印象を事務局では持っています。

 

○真野主査

 特に何個までが難易度だとか、そういうルールは何もないということですね。

 

○政策評価官室長補佐

 そういうものはございません。

 

○真野主査

 分かりました。次、1-6、お願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 続きまして、18ページになります。調査・研究のテーマ、実施体制等ということで、この項目は自己評価はAとさせてもらっています。主な定量的指標として8テーマ以上、実績14テーマとなっています。実際は前期、第2期の平均ですが、10.6テーマでした。目標のテーマ数8テーマというのは、逆に低いのではないかという御指摘もあるかもしれません。テーマの数は8テーマ以上ということで、必ずしもテーマが多いことが、そのままその調査・研究の質、重要度に関係するのかどうかというのは、なかなか結び付かない点もあるのではないかと思っています。私どもは、具体的な調査・研究として意味のあるものに積極的に取り組んでいきたいということで、テーマも場合によっては絞る場合もあります。私どもは、具体的に調査・研究されたものを、厚生労働省が設置した審議会等でも活用していただいている実績も当然あります。

 次に難易度ですが、支援マニュアルの策定をしています。内容的には障害者虐待防止、矯正施設を退所した障害者支援で、先ほど言いました受入れをモデル的に受けていることを踏まえたマニュアルの作成や、研修プログラム(強度の行動障害の方、矯正施設を退所した障害者支援)の開発を、実際、成果物として活用することができるような調査テーマを設定し、行っているところです。

 「特に」ということで書きましたが、強度行動障害支援者養成研修をする研修プログラム作成ということで、具体的には平成25年度から実施していましたが、基礎研修については、私どもの研修を踏まえて各都道府県で実施していただくことになっています。基礎研修においては平成27年度、私どもの研修を踏まえ全都道府県で実際に活用していただいたということで、私どもの調査・研究、それを踏まえた研修が全国的に活用されていると思っています。

 次に、19ページで研究テーマの設定です。ここに書かれている7つのテーマを主なテーマとしています。(1)は高齢知的障害者・発達障害者の実態把握と支援に関する研究です。実はこれは厚生労働科学研究で平成24年から26年の3年間、実施しました。ただ、この調査・研究は大変重要なものですので、平成27年度においては私ども、のぞみの園独自の研究事業として実施したところです。また、(4)に書いてある障害者虐待防止及び養護者・被虐待障害者の支援の在り方に関する研究については、平成25年度から3年間の研究として行っていて、これは最終年度の3年目ということです。合計14テーマを設定して実施している状況です。障害福祉関係の関係者の方々に非常に関心を持っていただいています。かつ、国の政策課題の重要なテーマに取り組んでいるところです。

19ページの下段になりますが、調査・研究の研究的な実施体制についてです。(1)~(7)までのテーマのうち、3テーマについては外部の研究者と共同で研究を実施しています。延べ26人の研究者、他の障害福祉関係者の協力を得て実施している状況があります。また、研究計画及び研究成果に対する指導・助言を頂くために研究会議を設置していて、当会議において石渡先生にも委員として御就任いただき、そのほか4名の方に外部有識者として構成員になっていただくとともに、厚生労働省からもオブザーバーとして加わっていただき、年2回開催しています。その他、倫理審査委員会を設置して個人情報保護及び倫理面の審議を行っています。この委員会には外部の有識者として医療関係者、福祉関係者を含めて、年1回開催しています。また、研究部以外の職員も含めた内部の委員会も開催しているところです。

 調査・研究については、国の重要な施策に私どもは国立として積極的に取り組む必要があるということで適切に対応していると思っていますので、評価はAとさせていただいています。以上です。

 

○真野主査

 それでは、委員のほうから何か御意見、どうでしょう。

 

○石渡構成員

 私、この研究会議の委員もやらせていただいていて、こちらの研究成果についてはかなり細かく拝見させていただいています。この研究が、のぞみの園の入所者の生活という辺りからスタートして、のぞみの園でなければできない、きちんとした成果を研究として打ち出しているということで、とても高く評価しています。それは研究会議の委員だけでなく、現場で実際に活用されているところからも、この調査・研究の部門に関しては高い評価をしているのですが、それがこの評価指標では出し切れていない。次の1-7とも関連してくると思いますが、むしろこの成果がどのように活用されていて、全国の施設からどんな評価をもらっているのか。その辺りをきちんと打ち出していただくと、研究の意味というのが、こういう場でも明確になってくるのかなという気がします。この資料の作り方に関して改めて残念な気がいたしますので、是非、この次からは工夫をして、のぞみの園で評価しているだけでなく、全国の現場から高い評価を得ているという辺り、それは研修受講者の声などを、もっときちんと伝えていただくと明確になってくる気がいたしますので、今後のまとめ方については、是非、工夫をしていただきたいと思います。例えばホームページへのアクセスを指標として出している法人もあるかと思いますが、そういう辺りも紹介していただくと、研究の意義が明確になるかと思います。

 

○真野主査

 ほかは、よろしいですか。

 

○平井構成員

 今、お話がありましたように、私も非常に活発に研究されておられるというのは高く評価できると思います。1点、この研究の形で少し気になったのですが、この研究倫理審査委員会というのは研究を始める前に開催されて、その研究が妥当かどうかを審査されているのですか。年に2回だと事後にやっているような感じがしたのですが、そうではないのですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 一応、この年度に取り組む調査・研究のテーマというのは、大体、前年度の末ぐらいに決めていて、その研究テーマの内容についても年度が始まる頃にはおおよそ固まってきますので、そこで倫理委員会を開催して、その後、研究会議を開催するという順番でやっていますけれども、若干、委員の先生方の日程で前後するときもありました。ただ、考え方としては、大体、年度初めにテーマもおおよその枠組みも決めて、それについての倫理審査を行っていただき、そこで了解が得られればスタートするということです。

 

○平井構成員

 ありがとうございます。最近、研究の倫理に関して非常にうるさくなっていますので、その辺り、これだけでは分かりにくかったのでお尋ねしました。

 

○園田構成員

 私は評価に関する指針に照らして発言させていただきたいのですが、一応、指標としては3つあって、2つは100%ということでB評価ですね。それからテーマの設定について、先ほど前中期の実績値の平均が10.6で計画値が8とおっしゃっていましたが、その前の平成24年度でも13テーマの実績値があって、平成22年度、23年度も12テーマずつあるわけです。そうすると、直近の3期が平均値よりも結構高くなっていて、25年度以降の実績値とほとんど変わらない数字になっています。そういった指標からすると、A評価はちょっと難しくて、B評価なのだろうなと思います。

 

○真野主査

 よろしいですか。時間が相当押していまして半分しか終わっていないのですが、一応、前半の予定時間になりました。1-7、手早くお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 失礼しました。できるだけ簡単に御説明させていただきます。1-7です。20ページになります。20ページは成果の積極的な普及・活用ということです。内容的には、今、お話しました1-6で、実際に行った調査・研究を積極的に普及・活用する取組ということですから、1-6と大分関連したものです。定量的指標としているものはニュースレターの発行となっていますが、これは予定どおりということになります。成果発表の回数ですが、目標値は12回となっていて、前期の平均が11.8となっています。

21ページに、成果発表24回と書いています。これは私どもが依頼するのもありますが、主には依頼されて実際に掲載しているものです。重複しているものはありませんし、研究成果の内容について評価いただいて、実際、各学会誌等やいろいろな機関誌に掲載していただいたりしているのが、この調査・研究を評価いただいた結果ではないかと考えています。後に触れますが、これらを基にした研修も満足度は高いという状況がありますので、それらのことを踏まえ、ここはAにさせていただいています。以上です。

 

○真野主査

 御意見、どうでしょう。

 

○園田構成員

 これも指標の指針に照らしての発言ですが、成果の発信というのは102%ですからB評価ですね。確かに発表回数は24回ということで目標値を上回って素晴らしいなと思いますけれども、先ほど1-2で話した配置の変化というものが、多分、こういった所に反映されていて、それが計画値に反映されていないからこの数字なのかなと思います。それから、収益規模とかを考えると、これぐらいはあってほしいと思える量だと思いますので、そういった点を考えてB評価かなと思いました。

 

○真野主査

 よろしいですか。最終的には主務大臣の判断ということだと思いますが、1-8をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 続きまして、評価目標1-8について御説明させていただきます。資料22ページになります。ここは養成・研修、ボランティアの養成となっています。研修会の開催及び参加者ですが、目標値が年9回、実績11回となっていて120%を超えています。これは目標値の設定についていろいろ御意見を頂いているところですが、平成26年度目標値を8回にして実績9回となっていましたので、その実績を基にこの項目については目標を見直して9回にし、実績11回ということです。そういうことで御理解いただければと思います。また、研修会の満足度ですが、これも度々御説明していますけれども、93%という実績を頂いているということです。また、ボランティアの受入れについては、目標値を1,000人程度としていますが、1,300人を超えるボランティアの方々に来ていただいている状況を、御理解いただければと思います。

 ちなみに、困難度に書きましたが、「強度行動障害支援者養成研修フォローアップ研修会」を実施しています。先ほどお話しましたが、一方的な研修だけで終わらずに、私どもは全国の優れた実践事例に多く触れることもあります。それらのことを研修でまとめて、実際、これを処遇している方々に対するフォローアップ研修ということで、新たに平成27年度に取り組んだところです。

 もう1つ書いていますが、23ページになります。ここは研修会を一覧表にしていて、研修会の左下に支援者養成現任研修と書いています。ここについては先ほど触れましたように発達障害関係の支援を多く望まれている。ニーズがあるということですので、平成27年度からこの発達障害児支援コースを設けています。受入れ人数が9人と少ないのではないかという御批判もあるかもしれませんが、平成27年度、新たにこういうコースも設け、積極的に取り組んでいるところです。23ページですが、時間が押していることもありますので、内容的なところは省略させていただきたいと思います。以上です。

 

○真野主査

 これも評価がAですので、多少、何か御意見がある方、どうぞ。

 

○名里構成員

 数字の所もそうですが、ボランティアの受入れとか大学、専門学校の学生の実習等の受入れの数は出ていますけれども、今、本当にどういう理念でというか、ボランティアを受け入れて何を目指すのか。こういう目標があって、それに対して数はこれだけ来られたけれども、その目指していたところについては、どういう具合で達成しているのか、いないのか、そこら辺の評価をしたほうがいいと思います。ボランティアさんが何人来ましたというだけではない。分かりますか。本当に地域の方々がボランティアとしてたくさん来てくださっているとすれば、非常に意味のあることだと思いますが、どこら辺を目指してボランティアの受入れをし、そのことについてはどういうふうに達成されているのか、どこら辺まで達成されたのか、そういう評価をされたほうがいいと思います。同じことは実習生にも言えるのではないかと思います。

 

○真野主査

 コメント、よろしいですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 ボランティアの方々は近隣の方が多い状況はあります。私どもは障害者の支援施設として地域の理解というのは大変重要ですので、地域の方々に対して、こののぞみの園をより理解していただくためには、中に入っていろいろ体験していただくことも重要かと思っています。実際に理解していただくために10月頃にフェスティバルをして、外部の方々、いろいろな方々に来ていただき、のぞみの園を理解していただくことに取り組んでいるところです。

 実習生の方々については、学校でそういう教育を実際に受けているところですが、現場という所をより体験していただくためには重要なところだと思います。私どもでは長期で利用されている方々もおられますが、医療と福祉の連携というのは他の施設ではなかなか体験できない部分ですので、そういう点では実習生の方も意味があるのではないかと思っています。目指すところは、障害者施設における地域での理解を深めたいというのが1つの目標かなと思います。それだけではないと思いますが、そういうのを1つ目指したいなと思っています。

 

○真野主査

 ほかは、よろしいですか。

 

○園田構成員

 ここも評価に関する指針に照らして発言させていただきますが、項目が全部で10個あって、6個に関してはB評価です。ボランティアの受入れですが、これも実績値が前期、中期の直近3年間で、もう既に1,000人を超えたボランティアを受け入れています。そうすると、指標で目標値が1,000人程度というのはちょっと少なくて、例えば1,100人とか1,200人が妥当な数字になるかなと思います。そういった意味で、先ほどから私はずっとA評価でなく、B評価ではないのですかと言っているのですが、B評価も100%から120%で十分に素晴らしい成績ですので、そういった意味でここもB評価かなと思います。

 

○真野主査

 ありがとうございました。よろしいですか。では次、1-9をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

24ページで、1-9について御説明いたします。自己評価はAにさせていただきました。援助・助言の回数と講師派遣という項目です。目標値に対して120%を超える達成度ということもあります。先ほどもお話しましたが、困難度で書いてあります。助言・指導の中には、先ほどお話しました強度行動障害の養成研修のフォローアップ研修を開催し、それに対するプログラムを開発しているところです。研修後についても、それをサポートする体制を整えているところです。研修し、その後フォローアップし、更にそれをサポートする体制ということで、私どもは取り組んでいるところです。

 講師派遣ですが、私どもは他機関から依頼があれば、極力職員を派遣し、積極的に講師をしています。私どものほうから売り込むというか、研究成果等を評価していただいて、実際に研修に講師として招かれるという現状があります。平成27年度においては、国内だけではなくて台湾からも、高齢知的障害者の支援について講演をしてほしいということで、職員の派遣依頼も受けました。国内だけにとどまらず、外国でも実際に要望があれば、私どもの職員を派遣している状況がありますので、そういう点を御理解いただければ有り難いと思います。

25ページの棒グラフです。左上の表は、援助・助言の実績の推移です。オレンジ色の所ですが、平成26年度と比べると、若干講師派遣は少なくなっていますが、それ以前の2期と比べれば、3期に積極的に取り組んでいることは一目瞭然かと思います。中段の表は助言・指導の内容です。電話相談は、触法関係の電話が一番多いという状況です。派遣依頼については、発達障害関係支援の依頼が一番多いというのが平成27年度の実績です。説明は以上です。

 

○真野主査

 これはどうですか。

 

○園田構成員

 資料1-125ページの左上の表で実施件数を見ると、既に平成23年度、平成24年度、平成25年度で結構高い数字が出ています。150件の目標値よりも上の数字になっていますので、これに関しては目標値が小さかったのだと思います。それから講師派遣については、平成26年度から急に件数が増えています。これも、先ほど私が1-2で言った配置の変化で、講師派遣に人を充てられるようになったからというところが結構影響しているのではないかと思うのですけれども、実際この辺はどうなのでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 ただいまの数字自体については、御指摘を受け止めたいと思います。講師派遣については、職員が余裕ができてということではなくて、私どもが先ほど来説明している行動障害の著しい人、矯正施設を退所した人、高齢知的障害者、発達障害ということに取り組み、その成果を全国に発信しています。その反応として、講師派遣の要請が来ております。私どもは職員のやり繰りの中で大変きついのですけれども、要請があればできるだけ対応するようにしています。

 

○園田構成員

 分かりました。どうもありがとうございました。

 

○真野主査

 次に1-10をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

26ページで1-10です。自己評価はAです。定量的指標で各項が書かれております。先ほど名里構成員から御指摘のあった発達障害の利用率や、保護者の学習会の開催等もここでは附帯事業としてまとまっているので、再掲させていただいております。

 次は一般就労の移行者です。これについては3名か4名程度となっていますが、これは16億円の収入の割にはと言われるかもしれません。利用される方々が特別支援学校を出た後に、実際に一般就労、その他の就労をされています。そこにもなかなか就労が結び付かないという方々を、私どもは就労支援事業として受け入れて、一般就労まで結び付けているということになっています。これも平成26年度は3人程度としていましたが、実績はそれには及ばない状況がありました。平成27年度は実績を超えることを達成できました。それらのことを評価していただければと思います。短期入所利用の延べ人数や、日中活動の事業については120%を超えている状況があります。

 困難度ですが、発達障害児の保護のニーズに応えるためには、丁寧かつ質の高いものが求められています。私どもの支援が十分にできるよう、そのノウハウを蓄積しているところですので、それらをフルに活用しながら対応している状況があります。話は重複しますが、一般就労に結び付いた方は、実際に企業を訪問して、これは求人を出していない企業ですが、重度の知的障害に対する理解を深め、実際に結び付けたということがあります。重度の知的障害を有する方は、なかなか一般就労が難しい状況ですが、私ども職員が頑張って、そういうものに積極的に取り組んだ成果ではないかと考えております。

27ページと28ページは、時間も押しておりますので説明は省略させていただきます。以上です。

 

○真野主査

 これに対する御意見はどうでしょうか。

 

○園田構成員

 これも評価に関わる指針に照らして発言させていただきます。6つの指標があって、3つはB評価です。A評価になるような数字で、入所日数というのがあるのですけれども、これが妥当かどうかはよく分からないのです。キャパシティの面から教えていただきたいのですが、これは、短期的に寮に入るということでよろしいのでしょうか。そうすると、その寮の空部屋は結構あったはずですので、キャパシティ的にはもうちょっと受け入れられると思ったのですが、そこはどうなのでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 この短期入所については、土日とか夏休みというときに大変ニーズが高いのです。平日は大変必要性がある方に限られての利用ということで、年間を通しての稼働率で言うと大体半分ぐらいです。しかしながら、私どもは先ほど申し上げたように、国立施設として受け入れるべきものは大体受けているということでやっています。そうかといって、ここの稼働率を上げるために、積極的に地域の方たちに働きかけると、地域には他の事業所もいろいろありますので、官業による民業の圧迫みたいなことにもなりかねませんので、私どもとしては、地域の民間の事業所が対応できるところはしてもらって、できないような部分については、私どもが積極的に責任を持って対応するという方針で臨んでおります。

 

○園田構成員

 その方針について異論はないのですけれども、私が言いたいのは、ここの目標値が、日数で何日というよりは、キャパシティとしてどのぐらいの日数受け入れられるのかというほうで考えないと、ちょっと違うのかなと思った次第です。

 

○名里構成員

 確認なのですが、28ページには、就労移行支援事業の所に、年度内の一般企業への就職者3人と書いてあります。実績は、26ページのほうは4人になっています。これで大分違ってしまうと思うのです。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 説明させていただきます。28ページの就労移行支援事業及び就労継続支援事業B型ということで表しています。3つ並んでいますが、一番上の所で、就労移行支援事業の定員10の中で、年度内に一般企業へ就職された方は3名。中段の所の、就労継続支援事業B型の一番下に書いてある年度内の一般企業就職者1人。合わせて4人という意味です。

 

○名里構成員

 分かりました。グループホームをやられていると思うのですけれども、グループホームの状況については、この欄で特に実績というか状況の報告のようなものはしないのでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 ここはいろいろな事業をまとめて御紹介しております。その中で全てを取り上げていないと。その中でグループホームが書いていないということですので、その点については追って資料をまとめて御報告させていただきます。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 名里構成員からお話のあった点は、事項だけは出ております。3ページの事業体系図の中の附帯事業の中で、地域の障害者支援の充実というのが○で書いてあります。そこのポツの2つ目の所で、地域生活に、地域の中で共同生活援助事業を設置運営しているという事項だけになっています。実績はこの中には載せていませんでした。すみませんでした。

 

○石渡構成員

 私は先ほども申し上げたのですが、のぞみの園の診療所の役割については高く評価しております。他の都道府県の診療所が、本当に入所者の医療対応的なところしかやっていないのに対し、そこの入所者の医療をきちんとやっているからこそ、今後どういう課題が出てくるかというところを、きちんと福祉と医療、そして調査・研究部門がある所が、かっちりエビデンスを出してというようなシステムを作っている。そういうことがあるからこそ、先ほどの講師依頼が殺到するということにつながってくるのだと思います。

 そういう、のぞみの園ならではの役割みたいなものを、きちんと報告していただけたらということを改めてお願いいたします。

 

○真野主査

 それでは意見ということで、次は1-11をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

30ページで1-11です。自己評価はBにしています。サービス提供等に関する第三者からの意見を聴取する機会を確保ということです。私どもは運営懇談会を開催しています。年1回以上ということで、実績は2回になっております。当然やらなければならないことをやっていることですので、自己評価はBということです。

31ページでは、運営懇談会のメンバーの方々、実際にどういう議題になったのかを載せています。具体的な内容はホームページに掲載しておりますので、一般の方でも見られる状況になっているということで御報告させていただきます。以上です。

 

○真野主査

 これはよろしいですか。ようやく2に入ります。2-12-2は両方ともB評価ですので、まとめて手早く説明していただけますか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 分かりました。評価項目2-1ですが、効率的な業務運営体制の確立ということで、常勤職員の削減を目標にし、実績を達成したと。100%ということで自己評価Bとさせていただいております。ちなみに職員給与水準の適正化ということで、ラスパイレス指数は対国家公務員95.5%という状況です。

2-2は自己評価Bです。内部統制・ガバナンス強化の取組です。これについても内部統制委員会の開催や、モニタリング評価委員会の開催等について、やらなければならないことを着実にやっているということで、自己評価Bということで掲載させていただいています。

36ページでは、のぞみの園における虐待が疑われる事例に対する再発防止策ということで、第三者委員として名里構成員と三田構成員に座長、副座長になっていただいてまとめたものに対する取組を、平成26年度に引き続き平成27年度も更に対応策を整えたということで御理解いただければと思います。簡単ですが以上です。

 

○真野主査

2-12-2はどうでしょうか。

 

○名里構成員

2-2のほうですが、こういう内部統制についての評価をするというのは難しいと思うのです。やるべき委員会等々、会議等々をやっていれば、100%ということでいいのかと思うと、例えば私は第三者委員をさせていただきました。一番大事だと私自身も感じているのは、その中で虐待とか、それに疑われるようなことを許さない風土とか、体質というものが醸成されていくことが一番大事だと思うのです。そのようになっているのかどうかというのは、なかなか評価の仕方が難しいと思うのです。何とか、是非そういうことがどうなのかを見ていただけると、何とか評価できないかと思います。

 

○真野主査

 これも御意見ということですね。他にはよろしいですか。それでは2-3A評価ということですが、よろしくお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 評価項目2-3です。業務運営の効率化に伴う経費削減です。目標値として147,500万円になっておりましたが、実績として128,600万円ということで、着実な経費削減に取り組めたのではないかということです。具体的に何をやったのかということになると思います。職員の講演等へ行ったときをとらまえて、少額ではありますが有料図書等の販売売り上げや、診療報酬もできるだけ上げられるようにPR等をし、取り組めるところは取り組んでいるという状況です。以上です。

 

○真野主査

 これはどうでしょうか。

 

○園田構成員

 資料1-2の一般管理費、事業費の推移を見ると、確かに平成27年度だけを見ると200%達成というように見えるのですが、実は平成25年度に既に目標値を達成してしまっています。したがって、当期の成果というよりは、平成25年度の成果で、それを維持しているだけと考えることができます。総事業費に占める自己収入の比率も、実は前期の平均で54.3%達成しています。目標値が40%以上になっていますけれども、目標値が前期の実績値よりもちょっと低いのです。そういう意味で、ここをA評価にするのはちょっと難しいと思いました。

 ついでに言うと、先ほどの短期入所で、指標のダブりが指摘されたのですけれども、自己収入に関しても、3-1でも使われています。そういう意味で、指標をダブって使って、2回評価させるというのはよくないのではないかと思います。

 

○真野主査

 法人のほうはよろしいですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 評価の項目については、厚生労働省とよく調整しながらまた考えていく必要があるのではないかと思います。園田構成員から御指摘のありました3-1も、話としては同じような内容ではあります。ただ、自己収入40%については、確実にこれをキープするということがどこまで、いつまで可能なのかといろいろ状況があります。平成20年度には41%程度の自己収入の状況でした。その後、利用者がどんどん減少していくのと、実際に職員が減少していくのとある程度パラレルになっていければ、それなりの目標値に沿ったものになるとは思うのです。職員と利用者のバランスが少しでもずれると大分影響が出てくるという状況です。これからより難しい行動障害の著しい方とか、触法で実際に矯正施設を退所された方を受け入れるときには、通常の職員配置以上に職員が必要になる場合があります。そうすると、人件費が経費としては高いところです。近年は50%を超えている状況があります。それがいつまで本当に維持できるかというのは、結構長い目で見ていかないと厳しい状況もあるということを御理解いただければ有り難いと思います。

 

○真野主査

 よろしいでしょうか。次は2-4B評価です。お願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

2-4は自己評価Bです。効率的かつ効果的な施設・設備の利用になっています。これも先ほど御指摘がありました、通所支援事業の利用率で定量的指標をさせてもらっています。全体的なことをお話させていただきますと、41ページにありますが、私どものぞみの園の施設整備の状況です。写真を見ると分かると思うのですが、敷地面積は70万坪ということで、東京ドーム約50個分の広さがあります。ただ、使える所は限られている状況です。建物は、もともと昭和46年当時のものも当然あります。これからの建物の維持管理をどうするのか、どのように展開していくのか。私どもは資産利用検討委員会を設けて、法人内部でも随時議論してやっています。

42ページと43ページは時間の都合上説明は省略させていただきます。以上です。

 

○真野主査

 これはよろしいですか。次は2-5の合理化ということの説明をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

2-5は合理化の推進です。ここについては競争性のある契約の目標値80%としています。平成26年度の評価を頂くときの目標は60%でした。ただ、実績的には84.2%という実績がありましたので、それを見直して80%以上という目標値を設定し、平成27年度は行いました。達成率は91.7%ということで、120%は達成していないのですが、ただ、45ページを見ると分かると思うのです。45ページの左側上段の表で書いています。これは件数的なところで指標として見ると、達成率91.7%です。金額面で見ると99.1%ということで、ほぼ100%近い金額を、競争性のある契約、競争入札、企画競争入札公募等を行っています。結構ギリギリのところまで、私どもは対応しています。以上です。

 

○真野主査

 御意見はどうでしょうか。

 

○園田構成員

 金額で見ればというお話なのですけれども、やはり指標としては契約数で見られていますので、そちらのほうを優先して、これはB評価なのだと思います。契約に関しては、その競争性があるものに関して落札率といったものも本当は見なければいけないはずです。そういうものの指標も必要なのかと思いました。

 

○真野主査

 確かに今回の資料を通して見ると、私どもは3法人やっているわけですけれども、少し定量的指標をまとめていると言いますか、少し少ないのかなという感じも持たないわけではないかと思います。他はよろしいですか。次は3-1をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 残り2項目になりました。3-1は、財政内容の改善に関する事項です。先ほどの話と重複します。総事業費に占める自己収入の比率は40%以上と55.3%ということで、120%を超えているということでAにさせていただきました。説明内容は先ほどの2-3と同じですので、説明は以上とさせていただきます。

 

○真野主査

 先ほど話題に出ましたが、御意見はどうでしょうか。

 

○園田構成員

 先ほどと同じで、これは目標値が低いかと思います。

 

○真野主査

 他の構成員はよろしいですか。最後は、その他業務運営に関する重要事項をお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 最後になります。評価項目4-1です。自己評価はBとしています。事項については特別なものはありません。私どもは情報セキュリティに関する取組ということで取り組んでいます。個人情報の流出対策。昨今、年金関係の情報流出がありました。私どももそれを踏まえて、緊急的に現在は一時避難的な対応として、個人情報が外に漏れないように、パソコンのケーブルを今は遮断しています。園内のLAN、情報系のLANの整備を今は検討している状況です。以上です。

 

○真野主査

 これはよろしいですか。

 

○園田構成員

 ここに関することかどうかはわからないのですけれども、他に質問がなければ1つだけ教えてください。損益計算書を見たときに、当期純利益はずっとゼロなのですが、この理由を教えてください。なぜずっとゼロになっているのでしょうか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 私どもは、毎年度運営費交付金を頂いております。その運営費交付金については、単年度で清算するというよりは、費用進行基準によってその年度に使わなかったものは、翌年度に繰り越してというルールにのっとってやっています。その場合に、財務諸表の上では、繰越金債務みたいなことで一応バランスさせて、損益計算上ゼロというような処理をしています。しかしながら、この点については私ども5年間を通して、それぞれ5年間の計画を持って、これを有効に使うということで計画しています。

 

○園田構成員

 他の法人でこうしている所を見たことがないのですけれども、何か理由があるのですか。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 すみません、この場で確認できませんので、回答は追ってさせていただきます。

 

○真野主査

 大きな問題なのかちょっとよく分からないのですけれども、確認は後日ということになるのでしょうか。

 

○園田構成員

 評価にはそんなには関係ないのかもしれませんけれども、一応気が付いたので気になりました。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長

 私どもも当然監査法人に見ていただいて作っておりますので、これが不適切かどうかというのは、逆に言うと監査法人に見ていただいていることを前提と考えれば、適切に処理しているものだと考えております。

 

○園田構成員

 適切、不適切ということを聞いているのではなくて、なぜなのですかということを聞いているだけですので、誤解しないでいただければと思います。

 

○真野主査

 処理自体は問題ないと思うのです。形が他とは違うということだと思います。2つほど積み残しというか、宿題のようなものがありますが、どちらも評価には関係ないと思うのですけれども、後日集めていただいて、構成員のほうに連絡を頂ければと思います。大分遅れてしまいましたが、この後、監査報告を法人の監事より御説明いただき、それを踏まえて法人の業務運営の現在の状況と、今後の課題、改善方針についてコメントをお願いします。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園監事(萩原)

 大変お世話になります。平成27事業年度の報告を簡潔に申し上げます。監事2名は、のぞみの園監事監査規程に基づく監査計画の下、理事長や理事、内部監査部門の職員及びその他の各事業を担当している職員と積極的に意思疎通を図り、情報の収集及び監査環境の整備に努めました。本年度は、情報管理の徹底や、情報セキュリティへの対応、支援に係る職員の果たすべき役割についても着目し、年間を通して業務や、財産の状況を調査いたしました。さらに会計監査人の適正な監査について、監視及び検証するとともに、その職務の執行状況について報告を受けました。

 以上により、平成27事業年度に係る業務監査及び会計監査において、のぞみの園は通則法、のぞみの園法、業務方法書等にのっとり健全に運営されており、特に文書により指摘すべき問題点は認められませんでした。また、独法改革等に関する基本的な方針と、過去の閣議決定において定められた監査事項においても同様です。

 次に、監査を踏まえたコメントです。のぞみの園は言うまでもありませんが、利用者本意の支援に誠実に取り組んでおります。支援の現場は積極的に講習会を実施するなどし、高齢者への対応に係る継続した事例検討を行い、その結果を発表し、情報共有をしております。また、著しい行動障害のある人、精神科病院に社会的入院している知的障害者、矯正施設を退所した知的障害者に対する支援においても、専門性の高い支援を目指した研修を実施し、人材育成の取組を強化しています。こうした取組を通して、職員一人一人が、利用者の人権への配慮をする実践者として、一層質の高い支援に取り組むことを願っているものです。

 また、のぞみの園として今年は、第3期中期目標期間の4年目であり、また第4期中期目標を見据え、一層充実した機能が求められていると認識しています。機能を動かすのは人であり、継続的に職員の知識や技術等の向上を目指す、工夫した取組が必要です。工夫した取組により、のぞみの園の支援の現場が、他の障害者支援施設等における支援者養成の研修の場として、また学生の実習の場として、一層関心が高まり、活用されるとともに、他の障害者支援施設利用者等の模範となるように、積極的に情報の発信に努めることが重要と考えております。以上です。

 

○真野主査

 続いて、法人理事長より、日々のマネジメントを踏まえて、現在の状況、今後の課題・改善方針等についてお言葉を頂ければと思います。

 

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長

 本日は構成員の先生方におかれましては大変御多忙の中、貴重な時間を割いていただきましてありがとうございました。本日はいろいろな御意見、御助言を頂きました。特に数値指標の作り方とか、それに対する評価、あるいは目標自体の設定という点について、私どもも十分理解していないような部分もあったかと思います。本日の御意見、御助言を踏まえて、今後の指標作りや、資料作りにいかしていきたいと思います。

 この機会に、法人運営の状況や、今後の課題について2点ほど申し上げます。1点は、利用者の安全確保と、日常的な利用者支援の質の向上です。2点目は、第3期の中期目標期間も、4年度目半ばに入ろうとしております。第4期中期目標期間につながる事業の推進に重点的に取り組んでいくということです。

 第1点の利用者の安全確保に関しては、先般の津久井やまゆり園のような事件も起こり得るという危機感、緊張感を役職員全員が共有し、日頃から利用者の安全確保に万全を期していかなければならないと改めて肝に命じているところです。また、利用者の支援の質の向上については、そもそもの虐待事案の発生とか、不適切な支援というものがあってはならないということで、日頃取組をしているところです。第三者委員会の御提言を頂いた内容を実行しているところです。いずれにしても、こういう取組というのはこれで終わりということはなく、繰り返し実行していかなければならない、不断の努力が必要であるというようなことで、これからも取り組んでまいります。

 次に、第4期につながるような事業展開です。この点についても本日もいろいろ御意見・御助言を頂きました。この課題については昨年9月、のぞみの園に役職員をメンバーとする事業の在り方検討委員会を設けて検討を行いました。厚生労働省にもオブザーバーとして御参加いただきました。第4期中期目標期間に向けて、のぞみの園の将来を見据えてということで、障害福祉行政推進のために、のぞみの園としてどのような役割を担い、どのような事業を展開していくのかといった視点から検討を行い、本年5月に取りあえずのまとめをしました。

 その詳細については省略しますが、その中で本日も御指摘がありましたように、地域移行については粘り強くこれからも実施していくという方針は変えないということです。そして高齢知的障害者の支援、著しい行動障害を有する人の支援、矯正施設を退所した人の支援などについては御指摘のあったように、のぞみの園の法人の事業量などから見て、まだまだできるのではないかというような御指摘もありました。私どもとしても、こういう事例を積み重ね、ノウハウを集約して、これからは事業量としては増やしていく、受入れの人数を増やしていくという方向で取り組んでいくという内容で、この報告書をまとめております。

 また、発達障害関係についても、引き続き就学前から成人に達した後も、切れ目のない支援ができるように、引き続き重点的に取り組んでいくこととしております。

 本日、名里構成員から御指摘がありましたように、重い障害があっても、地域で生活できるということを示していく、そのためのモデル的な支援ということについて、私どもとしても取り組む必要があるということです。障害がある人が高齢になっても、地域生活を継続できるように、あるいは重い、あるいは重複の障害があっても、地域生活を継続できるようにと、そのような視点から総合的に支援するような事業を企画し、実行してまいりたいと考えております。これらの点について、厚生労働省におきましても、第4期の中期目標の検討の中で、参考にしていただくようにお願いしてまいりたいと思っております。

 以上2点だけ申し上げましたが、私どもは障害のある人たちのニーズに的確に対応し、全国の施設・事業所の支援の質が向上するように、ひいては障害福祉行政の推進に大いに貢献できるようにということで努力してまいりますので、先生方におかれましても御指導、御鞭撻のほどを引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

 

○真野主査

 何か御意見はありますか。よろしいですか。それでは、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成27年度業務実績評価に係る今後の取扱いについて、事務局から説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日、法人から説明のありました業務実績及び自己評価に対し、構成員の皆様方から寄せられた御意見や、法人の監事及び理事長のコメントなども踏まえ、厚生労働大臣による評価として決定し、その評価結果について法人に通知するとともに公表いたします。決定した内容については、後日、構成員の皆様方にもお送りさせていただきます。

 最後に、本日配布した資料の送付を御希望される場合には、事務局より送付いたしますので、机の上にそのままにして御退席いただきますようお願いいたします。なお、3回にわたりました医療福祉WGも本日で最後となりました。構成員の皆様方におかれましてはお忙しい中、貴重な御意見をありがとうございました。事務局より御礼申し上げます。以上です。

 

○真野主査

 司会の不手際で時間が延びてしまいましたが、長時間にわたり熱心な御議論を頂きましてどうもありがとうございました。


(了)

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