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2016年10月12日 第131回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成28年10月12日(水)10:00〜12:00


○場所

ベルサール半蔵門(ホール)


○出席者

安部、井口、伊藤、稲葉、井上(隆)、井上(由)、及川、河村、齋藤(訓)、齊籐(秀)、鈴木、鷲見、瀬戸、高野、武久(清水参考人)、田中、田部井、東、福田(重田参考人)、堀田、本多

○議題

1.平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)の調査票等について
2.介護人材の処遇改善について
3.その他

○議事

○鈴木老人保健課長 定刻より若干早いですが、委員の先生方、皆様おそろいですので、第131回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
 分科会の開催に当たりまして、委員に変更がございましたので御紹介をさせていただきます。
 一般社団法人日本経済団体連合会常務理事の井上隆委員です。
○井上(隆)委員 井上でございます。よろしくお願いいたします。
○鈴木老人保健課長 公益社団法人日本介護福祉士会副会長の及川ゆりこ委員です。
○及川委員 よろしくお願いいたします。
○鈴木老人保健課長 本日の委員の出席状況ですが、大西委員、亀井委員、小林委員、松田委員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、武久洋三委員にかわり、清水紘参考人、福田富一委員にかわり、重田恭一参考人に御出席をいただいております。
 以上により、本日は19名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として、成立することを御報告いたします。
 続きまして、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 老健局長の蒲原基道です。
○蒲原老健局長 よろしくお願いします。
○鈴木老人保健課長 大臣官房審議官老健担当の坂口卓です。
○坂口審議官 よろしくお願いします。
○鈴木老人保健課長 大臣官房企画官の尾崎守正です。
○尾崎企画官 よろしくお願いします。
○鈴木老人保健課長 認知症施策推進室長の宮腰奏子です。
○宮腰認知症施策推進室長 よろしくお願いいたします。
○鈴木老人保健課長 また、公務によりおくれますが、大臣官房審議官医療介護連携担当濱谷浩樹、振興課長の三浦明が後ほど到着させていただきます。
 また、保険局医療介護連携政策課長の黒田秀郎が本日欠席となっております。
 また、本日は議題の関係で、社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長の榎本芳人が出席しております。
○榎本福祉人材確保対策室長 よろしくお願いいたします。
○鈴木老人保健課長 最後になりますが、老人保健課長の私、鈴木健彦です。よろしくお願いいたします。
 それでは、冒頭のカメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。撤収方、御協力のほどよろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○鈴木老人保健課長 では、以降の進行は、田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 皆さん、おはようございます。
 本日は平成28年度の改定検証調査の調査票並びに介護人材の処遇改善などについて議論いただきます。
 事務局より資料の確認をお願いします。
○鈴木老人保健課長 お手元の資料の確認をさせていただきます。
 まず議事次第と委員名簿がございます。
 その後ろに、資料1「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)の調査概要等」というものから始まりまして、資料5まで、資料5が「介護人材の処遇改善について」でございます。
 それから、参考資料1から参考資料4までが添付されていると思われます。
 資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 ここから議事次第に沿って、進めてまいります。
 議題1「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)の調査票等について」の議論を行います。
 なお、これについては、今月23日に介護報酬改定検証・研究委員会が開催され、議論の上、内容を了承されております。
 事務局から説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 それでは、御説明させていただきます。
 本日御説明させていただきます資料1の関連の改定検証の関係でございますが、前回6月1日の分科会において承認いただきました今年度の7本の調査につきまして、実際に調査票案を作成しましたので、御報告させていただきます。
 まず、資料1「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)の調査概要等(目次)」でございます。
 調査につきましては、「(1)通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等の中重度者等へのリハビリテーション内容等の実態把握調査事業」から始まりまして、全部で、最後が「(7)介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」でございますが、この7つを今回調査として行う予定になっております。  次の資料1の別紙1−1から、簡単ではございますが、調査の中身につきまして御説明させていただきます。
 なお、個別の調査票につきましては時間の関係上省略させていただきますので、御了承いただきたいと思います。
 まず、資料1の別紙1−1「通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等の中重度者等へのリハビリテーション内容等の実態把握調査事業の調査検討組織設置要綱(案)」でございます。
 「1.設置目的」につきましては、中重度者のリハビリテーションの内容を実態把握するということになっております。
 「2.実施体制」にありますが、川越先生が委員長として、その他の委員については以下のとおりになっているところでございます。
 この調査の概要でございますが、「1.調査の目的」をごらんいただきたいと思います。この調査につきましては、平成27年度介護報酬改定におきましてリハビリテーションの質の向上や社会参加を促すような評価がされたところでございます。
 28年度の調査におきましては、これら通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションにおける介護報酬改定後の効果を検証するとともに、維持期リハに関する平成28年度診療報酬改定も踏まえつつ、中重度者等に対するリハビリテーション内容の実態を把握するということで実施するものでございます。
 あわせまして、今、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が提供するサービス、これにつきましては、訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションの理学療法士等の訪問がありますが、これにおける機能と役割の違いについて検討するということで調査票がつくられております。
 「2.調査客体」につきましては、通所リハビリテーション事業所が1,000事業所程度、訪問リハビリテーション事業所が1,500事業所程度、訪問看護ステーションで、理学療法士等訪問算定事業所でございますが、ここが1,000事業所程度ということで調査を行う予定にしております。
 続きまして、資料1の別紙2−1「病院・診療所等が行う中重度者の医療ニーズに関する調査研究事業の調査検討組織設置要綱(案)」になります。
 これにつきましては「1.設置目的」のところにありますとおり、病院・診療所等が行う中重度者の医療ニーズに関する調査事業を行うことになっております。
 「2.実施体制」につきましては、奈良県立医科大学の今村先生に委員長となっていただいて、下のほうの委員の構成で行うこととしております。
 次のページ、「1.調査の目的」でございますけれども、2パラ目にありますが、慢性期医療を担う病院・診療所で行われる医療や経管栄養・喀たん吸引を必要とする患者に対して、看護・介護など、病院・診療所における医療提供の状況を把握するということと、あわせて訪問看護ステーション等の提供する中重度者向けのサービスの状況等について調査を行うものでございます。
 「2.調査客体」につきましては、病院・診療所における医療提供状況ということで、1つ目は介護療養型医療施設約1,400程度、これは悉皆調査ということになります。それと対比するために、医療保険適用の病床を有する医療機関、特に医療療養病床になりますが、これが大体2,000カ所程度ということで、無作為抽出で行うことにしております。あと、自治体に対しての調査でございます。
 それから、在宅におけます中重度者向けのサービス状況ということで、訪問看護ステーション約1,000カ所を対象に行うことになっておりまして、この約1,000カ所につきましては、(マル1)の対象機関、つまり、病院に設置されている併設の訪問看護ステーションもしくはみなしの訪問看護のところから行っていただくところ、それと、訪問看護ステーション単独のステーションで行っていただくところ、それぞれ分けて調査を行うことにしております。
 資料1の別紙3−1「介護老人保健施設における施設の目的を踏まえたサービスの適正な提供体制等に関する調査研究事業の調査検討組織設置要綱(案)」でございます。
 これにつきましては、介護老人保健施設における施設の目的を踏まえたサービスの適正な提供体制等を調査するということでございます。
 「2.実施体制」につきましては、今村教授を委員長としているところでございます。
 別紙3−2になりますが、「1.調査の目的」でございますが、介護老人保健施設におきましては、入所者が居宅で生活できるようにリハビリテーション等を提供する施設であるということ。今後、慢性期の医療と介護のニーズをあわせ持つ高齢者が増加していく中で、当該施設の目的に沿った取り組みがより重要となっていくということでございます。
 平成28年度調査におきましては、1点目が介護老人保健施設で提供される施設サービスから居宅サービスへの円滑なサービスの移行に向けた取り組みですとか、介護老人保健施設における在宅支援の取り組み、2点目が老健施設の目的にふさわしい医療・介護サービスの適正な提供体制や取り組み、3点目が老健のサービスを活用することで、在宅での生活が円滑に行うことが可能な利用者の特徴ということで、それぞれこの3つにつきまして、より詳細な調査を行うことにしております。
 「2.調査客体」につきましては、介護老人保健施設4,200事業所程度ということで、これは悉皆調査で行いたいと思います。
 それにあわせまして、介護老人施設が附属して持つことができる短期入所療養介護、それから、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションにつきましても、それぞれ調査を行うということで、これらで在宅復帰に向けたサービスのあり方というものを調査させていただきたいと思っております。
 続きまして、資料1の別紙4−1「介護老人福祉施設における医療的ケアの現状についての調査研究事業の調査検討組織設置要綱(案)」でございます。
 これにつきましては、文字通り、介護老人福祉施設におきまして、医療的ケアの現状について調査を行うものでございます。
 調査の委員長につきましては、日本赤十字大学教授の福井先生を委員長として、メンバーにつきましては、下記のとおりでございます。
 「1.調査の目的」になりますが、介護老人福祉施設につきましては、現在入所者が重度化する中で、特にみとり期における医療ニーズに対応した医療提供状況を把握する必要があると思っております。
 したがいまして、28年度調査におきましては、1点目が非常勤の医師が勤務することが多い介護老人福祉施設における医療的ケアの現状、2点目が医療職を初めとした職員の夜間の配置体制の実態把握、3点目が施設ごとの医療提供状況の違い、4点目がみとりを入所施設で完結するための外部医療機関との連携体制や連携上の問題点、これらを明らかにし、今後の検討の資料とするということで行うものでございます。
 「2.調査客体」につきましては、介護老人保健福祉施設3,000程度、無作為抽出で行うということで考えております。
 続きまして、資料1の別紙5−1「居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業の調査検討組織設置要綱(案)」でございます。
 これにつきましては、居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務の実態を把握するための調査でございまして、委員長につきましては、上智大学の藤井先生を委員長として、メンバーにつきましては、記載されているとおりでございます。
 「1.調査の目的」でございますが、これにつきましては、平成27年度において居宅介護支援事業所の効果的な事業運営のためのあり方を検討するため、居宅介護支援事業所と介護予防支援事業所、いわゆる地域包括支援センターとそれらの施設に従事するケアマネジャーの業務の実態を把握したところでございます。
 平成28年度につきましては、これらを適切に把握するために経年的に行うことが必要であるということから、経年的な調査を行うということと、介護保険部会(平成28年4月22日)におきまして、ケアマネジメントのあり方に関して「自立支援、公正中立、総合的かつ効率的なサービス提供の視点に基づく適切なケアマネジメントを確保するための方策」等を論点に挙げているところでございますので、これらに必要な項目について調査を行うことにしております。
 「2.調査客体」につきましては、事業所調査ということで、居宅介護支援事業所が約3,000程度、ケアマネジャー調査ということで、ケアマネジャーが約1万5,000人程度、利用者調査、利用者本人調査、利用者につきましては約1万2,000人程度、最後に地域包括支援センター調査ということで、全センターに対して調査票を送り調査を行うものでございます。
 続きまして、資料1の別紙6−1「認知症高齢者への介護保険サービス提供におけるケアマネジメント等に関する実態調査研究事業の調査検討組織設置要綱(案)」でございます。
 これにつきましては、「2.実施体制」につきましては、東京都健康長寿医療センター研究部長の粟田先生が委員長となりまして、メンバーにつきましては、以下に記載のとおりでございます。
 「1.調査の目的」になりますが、27年度につきましては、認知症高齢者に対するサービス提供の状況ですとか事業所の体制について、調査を実施しております。昨年度の調査を踏まえまして、本年度28年度におきましては、認知症の容態を踏まえた適切な介護サービスの提供の観点から、認知症高齢者に対するケアマネジメントのプロセスに着目した調査を行うということで、以下の2点を中心に行うこととしております。
 まず、1点目は居宅介護支援事業所及びケアマネジャーを対象にしまして、認知症高齢者に対する一連のケアマネジメントのプロセスの実態を把握するということ、2点目は、今度は主要な居宅サービス・施設サービス・地域密着型サービス事業所に対して、認知症高齢者に対するサービス提供の状況、実態をサービス種類別に把握することになっております。
 ですから、「2.調査客体」につきましては、まずは居宅介護支援事業所、ケアマネジャーに対する調査、居宅介護支援事業所につきましては約4,000程度で、ケアマネジャーにつきましては同事業所に勤務するケアマネジャーに対しての調査を行うとともに、施設調査につきましては、それぞれ居宅サービス・施設サービス・地域密着型サービスにつきまして、全例につきまして、それぞれ全体で約1万事業所程度を対象に調査を行うものになっているところでございます。  最後になりますが、資料1の別紙7−1「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業の調査検討組織設置要綱(案)」でございます。
 これにつきましては、介護保険制度において質の評価手法等の検討を行うために設置されているものでございまして、本年度は委員長が交代となりまして、産業医科大学の公衆衛生学教室准教授の藤野先生が委員長となっております。
 「1.調査の目的」でございますが、介護保険制度におけますサービスの質の評価のあり方についてこれまで検討を進めてきましたので、今度とも検討を進めることと、平成27年度に調査対象としなかった他のサービスも対象として検討した上で、同年度に作成しましたデータ項目に基づいて、質の評価のあり方及び周辺課題に関する検討を行うことにしております。したがいまして、新しいサービスといたしまして、今回、介護老人福祉施設を対象としております。
 「2.調査客体」につきましては、従前から行っております居宅介護支援事業所、介護老人保健施設に加えて、新しい分類として、介護老人福祉施設を対象とした調査ということにさせていただきたいと思っております。
 「3.主な調査項目」につきましては、これまで行ってきた調査票に加えまして、(マル2)にありますが、プロセス管理に関する検討ということで、質の評価に向けては、ストラクチャー(構造)、プロセス(経緯)、アウトカム(結果)がございますけれども、その中のプロセス評価について、試行的なヒアリング調査等を検討することにさせていただいております。
 続きまして、資料2「事前確認シート」につきましては、説明は割愛させていただきます。
 資料3につきましては、従前、この調査を設計する前に、調査の手法につきまして事前に基本的な考えとしてまとめていただいたものでございまして、この基本的な考え方にのっとり、今回の調査が設計されているところでございます。
 最後、資料4になりますが、これは9月23日に介護報酬改定検証・研究委員会が行われまして、その場におきまして、今、御説明させていただきました(1)から(7)の各調査票について御議論をいただいた結果でございまして、概要について事務局が取りまとめたものでございます。
 全体的には用語が不統一であるということや、「同法人」「同系列」という言葉がさまざま出てくるが、統一したらいいのではないかという御意見、各調査票につきましても説明は割愛させていただきますが、主な意見として、ここに記載されているようなものが出てきております。
 これらにつきましては、検証・研究委員会、また、調査票をつくった委員会に全てフィードバックさせていただきまして、それを全て反映させたものが今回提出されているということになっております。
 説明については以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 ただいま説明のありました事項について、御意見、御質問がございましたらお願いします。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 大体いいと思うのですけれども、細かいところかもしれませんが、何点か気づいた点を述べさせていただきます。
 まず別紙1−1、通所リハ等のところですが、14ページの7.の(2)に「2)医師との情報共有が進んだ」という記載がありますけれども、この医師というのはかかりつけ医なのか訪問リハ事業者の医師なのかわかりにくいので、わかるようにしたほうがいいのではないかと思います。
 5番目の居宅介護支援事業所のところですが、36ページの地域包括支援センターの調査票の(6)です。ここにいろいろ記載があるわけですけれども、地域包括支援センターが全事業所の実態を把握しているとは考えにくい場合も多いと思いますので、どれかに答えなければならないということではなくて、「わからない」という項目も必要ではないかと思います。
 もう一つは、6番目の認知症のところですが、13ページの【A−2 介護支援専門員】です。問3の「(2)認知症の人のアセスメントにおいて、重視していることは何ですか」として、「※特に重視している上位3つを選択」とあるのですが、ケアマネの方は、教育上、本人の意向と家族の意向という2つはまず間違いなく挙げると思われます。そうすると、事実上1つしか選ばれないことになりますので、それを削るか、上位5つにするか、どちらかにされたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 及川委員、お願いします。
○及川委員 ありがとうございます。
 私たちの団体は、介護福祉の専門職団体として、利用者の生活や暮らしを支える視点から意見を述べさせていただきたいと考えております。
 まず、資料1の別紙7−1、サービスの質の評価に関する調査研究事業の調査項目についてなのですけれども、医療モデルを否定するものではありませんが、利用者の生活を支えるためには生活モデルも踏まえた評価も重要だと考えます。例えば資料の「(マル2)モニタリング情報」の内容は6ページ、7ページ、8ページと続きますが、その中の転倒や脱水のリスクのほか、私たちのほうでは利用者の満足度であるとかQOLを評価することが大切であると考えます。専門の方たちに対する調査なのでなじみにくいことは承知してはおりますが、ぜひこの視点を踏まえた整理もお願いしたいと思います。
 もう一つ、資料2ですけれども、1ページの下の「集計・分析の視点」というところでまとめてありますが、1つ目の白丸のところに「他職種・事業所」ということで括弧書きがありまして、(医師や看護師、介護士等)と記載されておりますが、介護人材をまとめて「介護士」と表現されることがまま見受けられます。職種であれば「介護職」、有資格者であれば「介護福祉士」と表現すべきと考えます。先日、福祉部会の場においても、私どもの会長の石本からもお願いしたところでございますけれども、これらを混同する表現は改めていただきたい。介護福祉士の職能団体としては、この言葉にはこだわらせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 最後の点はごもっともだと思いますが、課長、いかがですか。
○鈴木老人保健課長 最後の点につきましては、申しわけございません。そこはきちんとしてこれからは気をつけたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 鷲見委員、どうぞ。
○鷲見委員 ありがとうございます。
 及川委員に少し重ねた発言になるのですけれども、質の評価のところで、モニタリングというところに利用者の視点は欠かせないと思います。特に、どうしても7つのハザードは身体機能を自立していくところが中心に評価ができるという意味で、ここの指標が出てきているわけでございますが、実際に自立ということに関しましては、例えば前向きに生きていきたいであるとか、自己決定、意思決定の支援であるとか、その他、自立という概念はもっと広い概念だと認識しておりますので、ぜひそのあたりも踏まえた調査票になるといいと考えています。
 それから、居宅支援事業所の調査票に関してでございますが、議論もされているとは思うのですが、一方、地域包括支援センターではケアマネジャーに対する支援がどのようになされているのかということは入っていますが、居宅支援事業所にどういう支援を受けているのかという双方あったほうがより実態は明確になるのではないかと思っておりますので、お願いしたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 課長、お答えください。
○鈴木老人保健課長 質の評価に、利用者の視点ということでお話をいただきました。御説明につきましては、実は今回は調査票の中の(マル1)と(マル2)がありまして、(マル1)は昨年度から医療的なところでずっと進んでおりましたので、そこがあるのですが、今回の利用者の視点も含めて(マル2)のプロセス管理の検討の中できちんと議論させていただきたいと思います。
○田中分科会長 ほかによろしゅうございますか。
 この件については、それぞれの調査検討組織の中で議論が進み、さらに上の介護報酬改定検証・研究委員会でも議論をして進めてまいりましたので、基本的にはこの案でよろしゅうございますか。
 きょういただいた意見のうち、改善すべきところについては、個別の調査検討組織との検討を含め私に一任いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 高野委員、どうぞ。
○高野委員 資料1の別紙3−3の7ページと、同じく関連します別紙4−3の6ページにおける口腔衛生管理体制の設問がありますので、少し関連する意見を述べさせていただきます。
 今回、介護保険施設における口腔衛生管理の実態について調査されることは、30年の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて大変重要と考えています。日本歯科医師会としましても、30年の同時改定においては、歯科医療と介護の連携をいかに進め、充実していくべきかについて、非常に強い関心を持っているところでございます。
 御承知のように、介護保険施設の職員として、歯科医師が雇用されていることは極めてまれでありまして、早く歯科治療や専門的口腔管理をしっかり行えば歯科疾患の重篤化を予防することができる方がたくさんいるはずであります。歯科の専門職がいない中、まだ痛みの訴えなどがない早期の段階で気づいてあげることは非常に難しいのが現実でございます。歯科疾患だけでなく、あわせて入れ歯や詰め物が外れたままとか、痛みや不愉快な思いを我慢されている方がかなり多いこともわかってきております。その割合は、入所者の約5割、調査によっては約8割の方に歯科治療が必要な状態であるという調査結果もあります。重度の認知症の方に至っては、口の中に痛みがあっても伝えることができない場合もあるわけでありまして、歯科医療機関と介護保険施設が密接に連携して、そういうものがある方だけに対応するだけでなく、施設入所者全ての方をしっかりとフォローしていくために、歯科医療と介護がしっかりと連携する体制が不可欠と考えております。そういう意味で、介護保険施設と協力歯科医療機関等のかかりつけ歯科医との関係が促進され、入居者全ての方々の口腔衛生管理体制が充実しますように、次期改定に向けてしっかりと対応をお願いしたいと考えております。
 また、もう一つ資料1の別紙5−4「居宅介護支援事業所 ケアマネジャー調査票」について、19ページの(9)でございます。口腔と嚥下に関する設問があります。摂食嚥下障害に対する対応については、他職種で対応する必要があるので、選択肢はこのとおりになるかと思います。しかし、先ほどもお話ししましたように、今後歯科医療と介護の連携をしっかり進める必要があるわけでありまして、特に介護支援専門員と歯科医師との連携が極めて重要であると考えております。この説問においても、歯科疾患と義歯に関することは別の設問にしていただいて、歯科医療に関する問題は介護支援専門員が歯科医師と歯科衛生士にちゃんと相談、連携して対応できるようにしていただきたいと思いますので、きちんと調査していただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 前も申し上げましたが、調査についてはこれが全てではなくて、老健事業もあるし各職能団体に自主的に行っていただく調査もいろいろとあります。改定検証・研究委員会による調査だけが施策のもとではないので、各団体の御努力もお願いいたします。
 先ほど申し上げましたように、基本的には原案で、一部皆さんからいただいた意見をどのように取り入れるのかについてはこちらに一任していただいてよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田中分科会長 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきます。
 田部井委員、どうぞ。
○田部井委員 この調査は効果検証ではあるのですけれども、これとは別のことでもいいでしょうか。
○田中分科会長 はい。
○田部井委員 要支援の1、2の方のホームヘルプとデイサービスが総合事業に移行して、全ての市町村でまだ実施されているわけではないですけれども、それなりの数の市町村が移行してきていると思うのです。認知症の人と家族の会としましては、認知症があるにもかかわらず要支援と判定された方が果たして適切なサービスを受けられているのかどうかについて少し懸念を持っていますし、これから移行していく市町村も多いわけですので、今まで移行した自治体での実態がどうなのかを調査していただくことには十分意味があるのではないかと思います。そのことについて、これから調査、効果検証していただく予定があるのかどうかをお伺いしたいと思います。
 もう一つは、この4月から地域密着型サービスに小規模のデイサービスが移行したわけですけれども、これについても利用実態はどうであるのか、どのような効果あるいは課題があるのかについて今後調査をしていただく予定があるのかどうかをお聞きしたいと思います。
○田中分科会長 田部井委員からの御質問にお答えください。
○鈴木老人保健課長 今の御質問の総合事業の関係の実態の把握でございますが、確かにおっしゃるとおり非常に重要だと思っておりまして、総合事業の実態把握につきましては、何らかの形で調査を実施したいと思っております。ただし、どういう形にするのは検討中でございますので、決まって、そういった集計が終わり次第、いずれかの形で御報告ができればと思っております。
○田中分科会長 もう一点質問がありました。
 田部井委員、もう一つの質問をどうぞ。
○田部井委員 小規模デイサービスの地域密着型への移行の影響についてはいかがでしょうか。
○鈴木老人保健課長 済みません。それについては今回の調査の中には入っていないのですが、ほかの関係課のところでそのような調査が行われているのかどうかも少し確認をさせていただきたいと思います。
○田中分科会長 よろしいですか。
 では、次に議題2「介護人材の処遇改善について」に移ります。
 事務局から説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 それでは、資料5「介護人材の処遇改善について」を御説明させていただきます。
 1ページ目「現状・課題」でございます。
 ここに書いておりますが、高齢化が進む中、介護サービスを安定的に提供していくためには、介護人材の確保は重要な課題の一つであることから、平成21年度介護報酬改定以降、介護人材の処遇改善については多くの取り組みを行ってきたところでございます。
 直近では、さきの27年度改定におきまして、介護職員処遇改善加算につきまして、現行の加算の位置づけを前提としつつ、具体的にはここに書いてあります3行目にありますが、キャリアパス要件として、(マル1)職位、職責または職務内容等に応じた任用要件及び賃金体系を定め、かつ、(マル2)介護職員の資質向上のための計画を策定し、当該計画に係る研修の実施または研修の機会を確保していること等を満たす事業所を対象に、上乗せ加算約1.2万円相当を行う区分を新設したところでございます。
 3つ目の白丸にありますが、現在、政府におきましては、一億総活躍社会の実現のため、介護離職ゼロを掲げております。そのために介護施設等の整備とあわせ、必要な人材の確保についても、就業促進、離職の防止、生産性向上など総合的に取り組んでいるところでございます。
 このような中、平成28年8月2日閣議決定の未来への投資を実現する経済対策におきまして、介護人材の賃金が対人サービス業と比較して低いこと等を踏まえ、賃金差がなくなるように、「介護保険制度の下で、介護人材の処遇については、キャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を平成29年度から実施する」とされたところでございます。
 これに基づきまして、今回平成29年度より介護報酬改定を行うことにより実現を図ることとしております。
 次は、介護人材についての関係で、少し御説明させていただきます。  3ページ目をごらんいただきたいと思います。
 「介護保険制度施行以降の介護職員数の推移」ということで、この14年間におきまして、約3.2倍、それぞれ右側の一番上にありますが、入所系ですと50.7%増、通所系ですと17.3%増、訪問系ですと28.7%増ということになっております。
 4ページ「介護職員の現状」ということで、施設系の介護職員につきましては、正規職員が60.2%でございますが、一方、訪問介護員につきましては、非正規職員が76.9%となっております。
 また、年齢構成と性別・職種別ですけれども、性別につきましては圧倒的に女性が多い職種になっているところでございます。
 続きまして、6ページをごらんいただければと思います。
 「地域ごとの状況」ということで、介護職員の有効求人倍率につきましては、地域差があるということで、おおむね大都市圏が高いという状況になっております。
 9ページをごらんいただければと思います。
 「過去働いてきた職場を辞めた理由」ということで、介護福祉士の方に複数回答で回答をいただいているところでございます。女性が多い職場の関係からか、一番理由として多いのは「結婚、出産・育児」となっております。それ以外にも、「法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があった」ですとか、「職場の人間関係に問題があった」等がありますが、「収入が少なかった」も上から数えますと4番目に多く、23.5%がその理由を選択しているところでございます。
 10ページが、介護職員の中でも特に資格を持っているということで、介護福祉士についての御説明をさせていただきます。
 「1 経緯・概要」の2つ目の白丸のところにありますが、介護福祉士につきましては、同法に基づく名称独占の国家資格ということで、専門的知識及び技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とするということで、資格を取ることができます。
 資格の登録者につきましては、一番下の4番に書いているとおりでございます。
 11ページをごらんいただければと思います。
 介護福祉士の資格を取るためのルートでございますが、現在3つのルートがございます。1つ目は、一番左にあるような実務経験を経て介護福祉士の資格を取ることができる流れです。2つ目は、福祉系の高校を出て筆記試験等を受けまして、最終的には資格を取る方法、3つ目は、いわゆる短大等養成施設を経まして、筆記試験につきましては29年度以降ですが、最終的に筆記試験を受けて介護福祉士の資格を取るという3つのルートがある職種でございます。
 12ページ以降、これまで行いました、介護職員の処遇改善加算について御説明させていただきます。
 13ページをごらんいただきたいと思います。
 処遇改善加算につきましては、これまで3回行ってきておりまして、平成21年4月につきましては、21年度の介護報酬改定プラス3%改定ということで、特段処遇改善に特化したものではないのですが、処遇改善に重点を置いた改定をしたところでございまして、これにつきましては、月額ベースで約9,000円の実績が上がっているところでございます。この9,000円につきましては、21年度調査をした施設において、20年度の給与と21年度の給与の差を見たときに9,000円が上がっていたという実績ベースになっております。
 21年度につきましては、いわゆる処遇改善交付金を立てまして、1.5万円相当の処遇改善を行ったところでございます。
 24年4月につきましては、交付金から処遇改善加算として介護報酬の中に組み込んだということになります。
 27年4月におきましては、さらに先ほど御説明しました1.2万円相当のいわゆる加算の拡充を図ったということで、それぞれ4回行って、9,000円、1万5,000円、6,000円、1万3,000円ということで、実績が上がってきておるところでございまして、合計するのが妥当かどうかという議論はございますが、少なくとも合計しますと4万3,000円相当という加算が行われたところでございます。
 14ページにつきましては、これまでの処遇改善加算についてのまとめでございますが、特に2.の27年度以降の加算につきまして、右側の<加算の支払いイメージ>を見ていただきたいと思います。事業者が加算についての届け出をして、計画書を提出していただいて、都道府県が計画書を確認し、次には、事業者が計画に基づいてそれぞれ加算を請求する。国保連が請求に係る審査を行っておりますが、そこが加算の支払いを行う。加算の支払いを行った後に、事業者がもう一度指定権者に実績を報告し、実績で確認するということで、確実に処遇改善が行われているのかどうかをこういう形で確認させていただいているところでございます。
 15ページが「介護職員処遇改善加算のイメージ」でございます。
 下のほうに算定要件がありますが、キャリアパス要件(マル1)及びキャリアパス要件(マル2)を満たして、さらに職場環境等要件を満たす場合につきましては、加算(ローマ数字1)ということで月額約2万7,000円相当、それ以外にキャリアパス要件(マル1)またはキャリアパス要件(マル2)を満たしている場合については加算(ローマ数字2)、以下、満たしていないものがふえていく段階で加算が減算されていく状況になっております。
 16ページにつきましては、処遇改善加算に係る加算率でございますが、それぞれ加算率は変わっております。ただ、これは加算を算定できるサービスと加算を算定できない加算算定非対象サービスがございます。非対象サービスにつきましては、文字通り、介護職員がいないサービスになっておりまして、ここにあるような訪問看護ですとか、訪問リハビリテーション、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、居宅療養管理指導等々につきましては、それぞれ施設基準の中に介護職員の方がいらっしゃらないので、対象から外れているということになっております。
 19ページをごらんいただければと思います。
 処遇改善加算に関します、今回の給付費分科会の審議報告の抜粋をさせていただいております。処遇改善加算の推進ということで、「(2)介護職員処遇改善加算の拡大」というところにありますが、その上から4行目になります。「介護職員の処遇を含む労働条件については、本来、労使間において自律的に決定すべきものである。他方、介護人材の安定的確保及び資質の向上を図るためには、給与水準の向上を含めた処遇改善が確実かつ継続的に講じられることが必要である」。
 そういった考えから、平成24年度介護報酬改定においては、処遇改善加算は「例外的かつ経過的な取扱い」として設けられた経緯がございます。
 ただ、下から6行目にありますが、現時点においてはその取り組みの途上にあると考えられることから、事業者における処遇改善を評価し、確実に処遇改善を担保するため、現行の処遇改善加算の位置づけを前提として今回の改定ではこれを維持しつつ、評価を実施していくことが適切と考えられたということで、27年度はこういった考えから加算で行っております。
 ただし、処遇改善加算の今後の取り扱いについては、より効果的かつ実効性の高い対応のあり方も含めて引き続き検討することが適当であるということで、最後は締めさせていただいております。
 20ページ、「介護職員処遇改善加算の請求状況」でございます。  処遇改善加算(ローマ数字1)につきましては、直近の平成28年5月サービス提供分で72.1%の事業所が処遇改善加算(ローマ数字1)を算定されているところでございます。
 処遇改善加算全体で言いますと、合計欄が一番下にありますが、88.1%の事業所が算定していることになっております。
 続きまして、21ページが今回の発端となりました「今後の介護人材の処遇改善について」ということでまとめたペーパーでございます。
 真ん中にありますが、ニッポン一億総活躍プラン、平成28年6月2日閣議決定のものになりますけれども、ここにありますとおり、左のほうにありますが、「国民生活における課題」といたしまして、介護職員の賃金が26万2,300円、賞与込みでございます。勤続年数は6.1年、対人サービス産業におきましては、賞与込みで賃金27万3,600円、勤続年数が7.9年という現状になっております。
 そういったことから、右側の「具体的な施策」にありますが、「介護人材の処遇については、競合他産業との賃金差がなくなるよう、平成29年度からキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を行う。この際、介護保険制度の下で対応することを基本に、予算編成過程で検討する」ということになっております。
 この下に工程表がございますが、2015年につきましては、平均1.2万円の処遇改善加算(ローマ数字1)を算定して、2017年からは1万円相当の改善を行うことになっております。それ以降も介護報酬等の改定にあわせて必要に応じて改善を引き続き検討していくということで、こういうスケジュール感でなっているところでございます。最終的には、介護人材と他産業との賃金差の解消を目指すということになります。
 その下にありますが、平成28年の8月2日の閣議決定で、未来への投資を実現する経済対策、ここの中でも「(マル3)介護人材の処遇改善」ということで、「介護保険制度の下で、介護人材の処遇については、キャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を平成29年度から実施する。このための予算措置を平成29年度当初予算に計上し、かつ、継続して実施する」ということで、こういうことが言われておるところでございます。
 24ページからは、介護人材の賃金等の状況について、特に他産業ですとか他職種との比較について御説明させていただきます。
 24ページが「介護人材の賃金の状況」ということで、これの出典につきましては、「平成27年賃金構造基本統計調査」に基づきまして、老人保健課で作成させていただきました。
 上のオレンジのところが対人サービス業ということで、平均を出させていただきますが、平均年齢が39.7歳、勤続年数が7.9年、賞与込みの給与が27万3,600円ということになりますが、職種別で見まして、介護職員につきましては、平均年齢が40.3歳、勤続年数が6.1年、賞与込みの給与が26万2,300円ということで、ここが先ほどのデータの根拠となっているところでございます。
 25ページでございます。
 これは勤続年数をX軸に、給与をY軸にしたときの賃金の上昇をグラフ化したものでございます。産業計におきましてはブルーのグラフで、介護職員についてはグリーンになっておりますが、こうして見ていただくと若干ではございますが、グリーンの介護職員のほうが傾斜がなだらかということになりますので、賃金の上がりぐあいが、産業計に比べると若干緩やかになっているのが見てとれると思います。
 26ページ「勤続年数階級別での労働者の構成割合の比較」ということで、産業計と対人サービスと介護職員を比べております。特に介護職員につきましては、ブルーが2年未満、赤が4年未満、グリーンが6年未満ですけれども、割と勤続年数が短い人がかなりウエートを占めているところでございまして、こういったところが一方で定着が進んでいないということのデータの裏返しではないかと思われます。
 27ページ以降、介護職員の中の介護福祉士の状況について少し御説明させていただきます。
 28ページは「介護職員に占める介護福祉士の割合の推移」ですが、一番右側のところを見ていただくとおわかりになりますが、現在ですと、大体介護職員の中の介護福祉士というのは、大体40.7%ぐらいが介護福祉士となっているところでございます。
 続きまして、30ページをごらんいただければと思います。
 こういった介護福祉士ですが、これまで報酬の中で評価は行われてこなかったわけではなくて、今回、介護福祉士の資格保有者が一定割合雇用されている事業所が提供するサービスについて評価を行ったということで、それぞれ介護福祉士がいらっしゃるサービスにつきまして、一定程度配置されている場合につきましては、それぞれ加算が算定できるような形で今、報酬体系がなっているところでございます。
 31ページ以降が、介護人材の賃金制度の整備・運用状況についてということでございます。
 32ページに、今回行っている調査の概要がついておりますが、この調査につきましては、平成24年度の老人保健事業推進費等補助金で行われたものでございまして、ここに調査の概要がありますけれども、全国の介護保険サービス事業を実施する法人から抽出、有効調査対象数5,413法人、有効回答数が2,372法人、有効回答43.8%のものでございます。
 33ページでございます。
 「介護人材の採用時の月例給与の決定に関わる要素」ということで、何をもって採用の給与を決めているかということでございますが、新卒の採用になりますと、資格を持っているか持っていないかというところの割合が37%と多くなっております。中途につきましては、資格を保有していること以外にも、職務の経験年数ですとか技能、現職員とのバランス等を見ながら採用が行われているところでございます。
 34ページが、介護人材の基本給におきまして、定昇制度があるかないかというところでございます。
 上が「基本給の定昇制度の有無と平成23年度の運用状況」ということで、一般職と管理職とありますが、どちらかというと一般職を見ていただければと思います。一般職につきまして、定昇制度があって、なおかつ定昇を行っている事業所につきましては43.5%、ただし、定昇制度があって、定昇は行っていないのが10%ということになっております。
 ただ、それ以外のところの残りについては定昇制度がないということになっております。
 また、「定昇制度がある法人における基本給の昇給方法」でございますが、きちんと昇給ルールに基づいて昇給しているところが35.6%、それ以外については、変動があるですとか、トップの判断による等々で運用がされている状況になっております。
 35ページが、「定昇の際に介護人材個々人の昇給額に反映される要素」ということで、これも管理職よりも右側の一般職を見ていただければと思いますが、「人事評価の結果」が一番高く、それ以外にも、「所属する組織(事業所、サービス部門等)の収支状況」ですとか、「役割、役職」、「勤続年数」、こういったところが昇給に反映する要素として事業所が考えているところになっております。
 36ページが、人事評価を行っているか行っていないかということと、行っていることについて明文化しているかということでございますが、1年もしくは半年で行っている、もしくは不定期に行っているところが一般職ですと合わせて大体6割程度になっているところでございます。
 その下にありますが、評価方法について、きちんと明文化しているかどうかということになりますと、明文化されているところが一般職ですと大体35%、ほかについては明文化されていない状況になっています。
 37ページは省略させていただきます。
 38ページ以降は、今度は非正規の関係でございます。非正規については大体同じ傾向ですので、ここについては省略させていただきます。
 43ページ以降が、今、行っております介護人材確保対策の関係です。
 44ページが「2020年代初頭に向けた介護人材確保について」ということで、利用者12万人分の基盤整備に伴って、5万人の介護人材が必要だと。さらに、プラス2020年につきましては20万ということなので、合計25万人の確保を総合的・計画的に推進していく必要があるということになっております。
 その確保方法が45ページになります。
 確保対策の主な考え方といたしましては、3つございまして、1点目は離職した介護職員を介護現場に呼び戻す方法、2点目は新規参入を促進させる方法、3点目が現場で働く介護人材の定着を促進させる。こういったことで、今、介護人材の確保をしているところでございます。
 これ以降につきましては、詳細につきましては割愛させていただきます。
 最後、50ページ「主な論点」でございます。
 きょう御議論していただきたい点はこの3点になります。
 1点目は、介護人材の処遇改善については、平成21年度介護報酬改定以降、多くの取り組みを行ってきたが、その賃金については、他職種・他産業と比べいまだ低い傾向にある現状を踏まえ、今後とも確実な処遇改善を担保していくためには、どのような仕組みが考えられるか。  2点目は、平成27年度介護報酬改定で措置した1.2万円相当の上乗せ評価に加え、ニッポン一億総活躍プラン及び未来への投資を実現する経済対策では、平成29年度より実施する月額平均1万円相当の処遇改善とあわせてキャリアアップの仕組みを構築することとされているが、具体的にどのような対応が考えられるか。
 処遇改善を介護報酬で対応するため、事業所におけるキャリアアップの仕組みを評価することが考えられるが、介護職員の職場定着を図る必要性、介護福祉士等の役割の増大や処遇の状況、介護職員の昇給や評価を含めた賃金制度の整備・運用状況などを踏まえ、どのような仕組みを報酬上の評価の対象とすべきか。
 3点目は、上記のほか、介護職員処遇改善加算のあり方について、どのように考えるのか。
 以上でございます。
○田中分科会長 説明ありがとうございました。
 ただいま説明のあった事項について、御意見、御質問がございましたらお願いします。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 50ページの論点について話をさせていただきます。
 まず、1つ目の丸でございますけれども、確実な処遇改善を担保していくためには、所定内給与として確立していかなければなりません。ベースアップ、定期昇給、手当を創設して額を増加するなど、所定内の月次給与額が増加する方法をとる必要があります。
 2つ目の丸についてでございます。まず、平成29年度より実施する月額平均1万円相当の処遇改善の財源としては、社会保障費の自然増5,000億円以外の財源を用いるべきであります。
 その上で、キャリアアップの仕組みとしては、定昇制度や人事評価などが考えられますが、34ページを見ますと、逆に言えば一般職で46.5%の事業所において定昇制度がありません。高齢者は別にしても、20代から40代の世代において定昇制度がないことは意欲低下につながり、離職の要因となります。非正規職員の賃金体系も含めて経験年数を加味した定昇制度が整っているかどうかは評価の対象とすべきと考えます。また、介護職のモデル賃金表を作成することも有効と思われます。
 質問ですが、現場に過度の負担を強いるキャリア段位制度は、このキャリアアップの仕組みには含まれないと考えますが、それでいいのかどうか確認をお願いいたします。
 3つ目の丸につきましては、介護職員処遇改善加算のあり方についてですが、介護報酬本体に組み入れられていないためにベースアップをためらう事業者が多いと考えられます。将来的に恒久的な介護職員の処遇改善を考えるのであれば、介護報酬に組み込み、事業所の不安を取り除くべきであると思います。
 また、介護職員の職場定着を図るためには、職場環境や教育制度、仕事と子育ての両立支援の充実なども必要であることから、現在人件費のみにしか使用が認められていない加算を、それらの充実に使用することも認めるべきであると考えます。
 以上です。
○田中分科会長 御質問が1つ含まれていましたので、お答えください。
○鈴木老人保健課長 御質問は、キャリア段位制度が含まれるのかというお話でございますが、今、キャリア段位を含むことは想定しておりませんで、さまざまな評価のやり方があると考えているところでございます。
○田中分科会長 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 大きく3つ申し上げたいと思います。
 1つ目は、人手不足感が離職率が改善傾向にあっても高まっていることは確かで、他方でこの処遇改善について報酬に関連して議論しようとすると、今回もそうですが、主に賃金やキャリアということに焦点を当てていて、しかし、目的としては安定的に人材を確保して定着して御活躍をいただくということを考えると、改めて今の鈴木委員の最後のところにも関連するかもしれませんが、この安定的な人材の確保、定着、育成ということに関して寄与する要因が何なのかということをもう一度きっちりと考えていく余地があるのではないかということです。
 しかし、今、主に賃金、キャリアを焦点に置いているということで、2つ目は賃金について、その中で2点ですけれども、まず賃金水準について、その共通認識をこの分科会の中でもどう持つかということで、今回も24ページ以降少し出してくださっていますが、これに関しては前回の報酬改定に当たって、それまでにはこの分科会で出されていなかったほかの職種と産業との比較、さっき検索したら2014年の9月の107回の中でもう少し詳細な資料も出しておられましたので、賃金水準の共通認識をつくるのは非常に重要だと思います。ちなみに、これも以前御紹介したと思いますが、経済学者が個票別に分析しますと、勤続年数や就業形態、性別、さまざまなものをコントロールしますと、介護職員の賃金の水準は中の上であるという分析もあったりしますので、もう一度しっかり賃金水準の共通認識をつくることは重要だと思います。
 その上で、賃金に関する2点目ですけれども、しかし、賃金の水準をもし問題にするとして、する余地がもちろんあると思っています。その対応の手段は、ここで議論すべき介護報酬の水準もございますけれども、事業所の雇用管理、事業所の経営マネジメント、それから、地域の労働市場とか需給構造、まだ地域ごとにしっかり見られていないところもあって、そうしたものとのバランスも議論していく必要があるのではないかと思います。
 最後、3点目、キャリアに関して、キャリアパス要件が含まれているわけですが、これに関する1つ目は、単純に一つの法人の中でさまざま職位が上がっていく、あるいは働き方が変わっていく、違う事業を経験していく、いわゆるキャリアパスと言われることをしっかり構築したとしても、それだけではそこで働いている職員の方々の事業所に対するコミットメントを高めるとは限らないことも明らかにされています。このキャリアパス要件の組み方は今回の論点でもありますけれども、今までの考え方でいいのかはそもそも問われる余地があると思います。
 その上で、今回できるのかどうかはわかりませんけれども、まだまだ加算も報酬も、もちろん今のところ事業所単位を中心として考えられているわけですが、特にこのキャリアということを考えたときに、多くの介護保険事業所の中には1法人1事業所で小さなところもあるということで、事業所単位の発想から事業者あるいは法人間のネットワークの中でキャリアを考えるなり、あるいは本部機能を充実させていくことを促すなり、それをサポートするなりといった枠組みも考えられていいのではないかと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ごもっともですね。
 大変重要なテーマなので、皆さん御意見がおありだと想定します。一人発言が終わるたびに全部手を挙げるのも大変ですから、どちらが偉いという意味ではないですが、左側の列を優先して、しばらく手を挙げなくても大丈夫です。
 では、本多委員、お願いします。
○本多委員 最初に2点ほど質問があります。資料の1ページに介護人材の処遇改善の現状と課題が示されており、4つ目に「介護保険制度の下で、介護人材の処遇については」と記載されておりますが、6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」においては、「介護保険制度の下で対応することを基本に、予算編成過程で検討する」となっておりました。今回、このような形で明示されたということは、介護報酬改定によって対応するということなのかという点です。
 もう一点は、定例の改定年度である30年度を待たずに期中改定を行うということは、処遇改善加算のプラス改定のみなのか、それとも他の報酬を削減して処遇改善に充てるという考え方はあるのかどうか。その2点について、まずお伺いさせていただきます。
○田中分科会長 根本にかかわる御質問です。お願いします。
○鈴木老人保健課長 まず第1点目でございます。
 今回の8月2日の未来への投資を実現する経済対策におきましては、「介護保険制度の下で」実施する方針で出ておるところでございます。この「介護保険制度の下で」ということですので、すなわち来年度介護報酬改定を行うことで対応する旨と考えておりまして、そのため、今般、介護給付費分科会において御議論いただきたいと思っております。
 今回の改定の範囲につきましては、今回は処遇改善の関係だけの改定ということで考えておりまして、ほかのものも改定することは念頭に置いておりません。
○本多委員 介護人材の処遇改善については十分な審議が行われない中で、介護報酬について期中改定を行うことにより対応するという決定に至ったことは誠に遺憾だと思っております。介護保険制度の当事者である保険者や被保険者が議論に参画して決めていくのが本来の筋ではないかと思います。
 今後地域包括ケアシステムを構築していく中で、介護人材の確保の重要性は我々としても十分に認識しているところです。しかし、26年度の介護事業者の経営実態調査を見ますと、あくまでも平均的ですが、介護事業者については8%以上の収支差率があり、さらに、施設の中には多額の内部留保がある状況です。このような状況で、専ら処遇改善を目的として保険料を引き上げることについては、介護保険料を負担する被保険者や雇い主にとって到底理解が得られないものであり、処遇改善は本来労使間の自主的な努力によって解決されるべきはないかと我々は思っております。
 また、本年10月より被用者保険における短時間労働者の適用拡大が行われております。適用拡大の該当者の中には介護従事者よりも処遇が低い方も多くいらっしゃいます。そのような方から徴収した保険料を処遇改善に充てることは、当事者からしたら当然納得できないのではないかと思います。
 資料の13ページにこれまでの処遇改善の取り組みが出ております。これを見ますと、21年度からの処遇改善の取組により合計4万3,000円相当の処遇改善効果となっておりますが、本当に介護従事者の処遇改善に充てられたのか、明瞭ではなかったと思っております。したがって、今回介護人材の処遇改善について介護報酬改定により対応を行うということであれば、確実に処遇改善のために使途されるということであれば、やっていただきたいと思います。
 しかし、公的資金を受け取る以上、就業規程もない、賃金表もないところに公的なお金が流れることについては非常に疑問に思う点です。
 また、介護人材の処遇改善加算についての今後の取り扱いでありますが、24年度の処遇改善加算が設置された際に、例外的かつ経過的な取り扱いとして設けられた経緯もありますので、介護人材の処遇改善について介護報酬改定により対応することは今回限りにしていただき、もし処遇改善加算を行うのであれば、21年度のように交付金で行う形がふさわしいのではないかと思っております。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 東委員、お願いします。
○東委員 ありがとうございます。
 今、本多委員からありました「ニッポン一億総活躍プラン」の介護人材の処遇改善策で、平成29年度に月額平均1万円相当の処遇改善を行うとされた件ですが、これに関しては、資料1の21ページ「今後の介護人材の処遇改善について」に安倍総理の発言として、はっきりと「アベノミクスの果実の活用も含め、財源を確保して」と書いてございます。そういう意味では、既存の介護報酬を下げて今回の処遇改善の財源を確保するようなことはあってはならないと考えております。
 次に質問でございます。介護人材の確保に関しましては、社会保障審議会介護保険部会でも介護職場の魅力をどう上げるかが議題になっております。介護職場の魅力を計るデータという意味では、資料1の10ページ「介護福祉士の概要」のところに「4 資格者の登録状況」がございますが、この資格者の登録状況の推移も厚労省は把握していらっしゃると思います。同じく資料1の11ページ「(参考)介護福祉士資格取得ルート図」にあるように、資格取得ルートには、実務経験ルート、福祉系高校ルート、養成施設ルートと3つに分かれてございますが、このルート別の資格者の登録状況の推移というものを厚労省は把握しておられるかどうかをお聞きしたいと思います。
○田中分科会長 これは社会・援護局にお答えいただいたほうがいいですね。
○榎本福祉人材確保対策室長 社会・援護局の福祉人材確保対策室長でございます。
 今、御質問のございました介護福祉士のルートごとの資格取得者でございますけれども、実務経験ルートと福祉系高校ルートを合わせたもの、それから、養成施設ルートの数字は把握しております。累計で実務経験ルートプラス福祉系高校ルートは約88万1,000人、養成施設ルートで約30万3,000人になってございます。
○東委員 私が申し上げたいのは、介護人材の処遇改善については交付金から始まって処遇改善加算となり、何年か経ちましたが、これによって若い方が介護福祉士を目指すようになったかどうかをこの介護給付費分科会できちんとお示ししていただきたいということです。先程お答え頂きました資格者の登録状況だけではなくて、資格者の登録状況の経年的な推移、ルート別の資格取得者の経年的な推移をお出しいただくことで、この処遇改善の効果が若い人たちに魅力として映っているのかどうかがはっきりとわかると思います。もしお持ちでしたらそのようなデータをこの介護給付費分科会でお示しいただきたいとお願いしたいと思います。
 次に先程から意見が出されております資料1の34ページ「介護人材の基本給の定昇制度(正規職員)」でございますが、私も大変危機意識を持っております。介護職に関して定期昇給制度が非常に少ないのは問題だと思っております。この点につきましても一つ質問がございます。この資料には一般職、管理職に分けてグラフが出されておりますが、この他に、介護職の中で介護福祉士の資格取得者とそれ以外の無資格者で定期昇給制度がどうなっているのか、そのようなデータはお持ちでしょうか。
○田中分科会長 おわかりですか。
○鈴木老人保健課長 今、手元には細かい数字がないので、そこはわかりません。済みません。
○東委員 そういうこともぜひお出しいただきたいと思います。もしこの定期昇給制度が介護福祉士の資格を持っていても持っていなくても同じだということであれば、せっかく介護福祉士の資格を取ったのにもかかわらず定期昇給もないということであれば、若い人材が定着したり、養成校を経て介護福祉士という資格を取ろうということにならないと思いますので、ぜひこの点についてもデータがあればお示ししていただきたいと思います。
 私が介護人材の処遇改善について申し上げたいのは、賃金を上げるのも結構なのですが、現在の処遇改善加算に関しましては、主に給与のアップにしか使えません。そこは本体報酬に入れるという議論もありますが、このまま処遇改善加算ということで続けるのであれば、例えば施設内に託児所をつくるとか、あるいは私ども三重県老人保健施設協会で実施した元気高齢者が担う介護助手の雇用等にも使えるように、もう少し現場で使い勝手の良い処遇改善加算の使い道をお考えいただけたらと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 田部井委員、どうぞ。
 次に瀬戸委員に行きます。
○田部井委員 認知症の人と家族の会ですけれども、利用者の団体としまして、今、働いている人の処遇改善を加算という形でやることについては、これは基本報酬であれ、加算であれ、利用者にとっては負担増になることになります。ですけれども、現状で、少なくとも私ども認知症の人と家族の会としては、処遇を改善するためにそれぐらいの負担は許容しようと考えています。
 資料について御説明をお願いしたいのですけれども、21ページの6月2日閣議決定によりますと、2020年代初頭までに介護人材と競合他産業との賃金差を解消すると出ているのですが、24ページの資料を見ますと、今、どういう差があるのかといいますと、全産業の中の対人サービス業を挙げているということは、そこを一つの対象にしているのだろうと考えるのですけれども、宿泊業や飲食サービス業と比べますとほぼ同じ、対人サービス業全体としますと1万円ぐらいの差、生活関連サービス業と比べますと2万円ぐらいの差、全産業で比べますと10万円の差があるわけです。閣議決定で2020年代初頭までということは、少なくとも2023年ぐらいをめどにしているのではないかと思いますが、そこまでに解消するというのは1万円なのか2万円なのか、それとも全産業の10万円なのか、どのように工程表として考えておられるのか伺いたいと思います。
 でも、どう考えましても、基本報酬であれ、加算であれ、介護保険の範疇でやるのは限界があると思いますので、私どもは交付金のような形なのか、形は別にしまして、何らか一般財源で手当をしないと、少なくとも新しい人材を呼び込む意味での人材の確保の手だてにはならないのではないかと考えます。
 とりあえず、今の考え方について御説明をお願いできればと思います。
○田中分科会長 課長、お願いします。
○鈴木老人保健課長 お答えいたします。
 基本的には全産業ではなくて、対人サービス業との比較になると思います。対人サービス業につきましては加重平均して先ほどの数字を出させていただいておりますが、加重平均をするのか、それぞれのサービス産業ごとに見るのかというのは、今後の経過ですとか、そういうところを見てみる必要があると思います。いわゆる競合他産業と言っておりますので、対人サービス業との比較でそこの差がなくなるようにということが基本的な考えだと思っております。
○田部井委員 ということは、生活関連サービス業が28万5,000円ですので、あと2万円ぐらいアップすればここの意味での目標は達成するのだと考えていると理解してよろしいでしょうか。
○鈴木老人保健課長 基本的には、現在、生活関連と加重平均したところとの比較で考えておりますので、27万3,600円と26万2,300円、その比較の差分を解消するところで考えております。
○田中分科会長 瀬戸委員、お願いします。
○瀬戸委員 ありがとうございます。
 まず、基本的に処遇改善に関しては、毎回この介護給付費分科会で議論する形ではなくて、恒久的な措置としてやっていただく形をとっていただきたいということが1つ目です。
 2つ目として、今回の1万2,000円の関連ですが、キャリアアップの仕組みとの評価と組み合わせるということでしたら、先ほど来、東委員からも出ていましたけれども、国家資格である介護福祉士の評価とあわせて行い月額1万円相当の処遇改善は介護福祉士を中心に、つまり、介護福祉士に少し傾斜をつけて改善するような仕組みを一つ考えてもいいのではないかと我々は思っております。
 3つ目として、これは以前からお伝えしていますけれども、介護職員だけではなくて、働く職員全てに関しての処遇改善も考えていただきたい。
 もう一つは、特定入居者生活介護の指定をとっていれば特定施設の職員は処遇改善加算の対象になるのですが、養護老人ホームですとか軽費ケアハウスの一般の介護職員はこの処遇改善可算の対象外ですので、同じ職場の中で対象者と対象外がいるということで、非常に法人内で苦慮している部分もありますので、同じ介護職員ですので弾力的な運用を考慮いただければと思っております。
 これは質問なるかもしれませんが東委員、鈴木委員もおっしゃっていましたけれども、定期昇給制度を含めて、34ページ以降ずっとかなり厳しい状況が見えていますが、これはあくまでも事業所のパーセンテージですね。1点目はこれで影響を受けている実数というか、本来的にはもしかしたら大規模なところが多ければもっと定期昇給が多くて人数的にはもうちょっと定期昇給があるのか、もしかしたらもっとないのか、そういう実態がわかればありがたいのと、2点目はこれも一般的な中小企業もどういう状態なのか、その比較があるのかどうかをお伺いしたいと思います。
 以上です。
○鈴木老人保健課長 御説明させていただきます。
 これにつきましては、調査の対象が法人単位ですので、事業者と雇用者といいますか、人数ベースでは出てきていないということが現状でございます。
 ここで定昇制ありと示させていただいておるのは、毎年定められた一定の時期に昇給する可能性のある職員が一人でもいる場合だけではなく、能力、業績評価に基づき毎年時期を定めて調査審査を行っている場合であっても昇給する可能性はある職員が一人でもいる制度であるケースに含む、いわゆる一人だけでもそういう対象であれば拾ってもいいですという非常に甘いといいますか、拡大解釈してとっているところでのデータとなっているところでございます。
○瀬戸委員 一般との比較というのはいかがでしょうか?
○鈴木老人保健課長 一般の中小企業との比較につきましては、これは今回の調査対象になっていないので、そこはございません。
○田中分科会長 右側に参ります。
安部委員、伊藤委員の順番に行きましょう。
○安部委員 まず、資料で教えていただきたいのが、4ページや7ページや24ページに介護職員の状況についての御説明が記載してあります。ただ、これは介護福祉士の人とその他の介護職員の人がまざっている数字だと理解しているのですが、これを例えば介護福祉士という国家資格を持った方とそうではない方と分けると傾向の違いがもしかしたらあるのではないかとも思えますので、もしデータがおありのようでしたら、今回お持ちでなければ次回以降示していただきたいと思っております。
 例えば15ページで、キャリアパスが加算の要件になっていて、その中で研修要件なども含まれているわけでありますけれども、その研修要件に関しても、国家資格を持った専門職である介護福祉士の方とその他の職員の研修のあり方はおのずと違うような気がしますし、例えば現在かなり細かい要件が決められていると思うのですが、その中でも施設内での研修、それから、国家資格を持った方でありますと、施設内だけではなくて他の施設で働いているところや学会等もありますでしょうから、そういったところの研修、そういったところも含めて分類というのでしょうか、資格に応じた研修のあり方、その評価のあり方、評価を受けてどのようにその方の能力が変わってサービスが変わったのか、そこの評価は大変難しいわけでありますけれども、そういった観点で評価することが重要なのではないかと思っております。
 ですから、介護職の処遇を改善するということに私は賛成でありますけれども、少しその点について、例えば専門職、国家資格にその他の介護従事者の方が挑戦する、若い人だけでなくて挑戦できるようなモチベーションにもつながりますので、そういった観点からの議論も必要なのではないかと思っております。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 では、まず介護人材確保対策の重要性の認識についてお話ししたいのですけれども、本日の資料の5ページの上の方に「全産業より高い水準で推移している」という評価が出ていますが、これはもちろんそうなのですが、さらに言うと、この青と緑のグラフのカーブの差にぜひ着目していただきたいと思うのです。とにかく介護人材の有効求人倍率の上がりのスピードが高いのです。2025年で38万人需給ギャップがあると44ページに出ているのですけれども、政策ターゲットとして不十分だと私たちは考えています。現状の180万人を発射台として、2020年代初頭までに50万人必要だということですけれども、いかにしてこれを円滑に確保していくのかを念頭に置いた政策的対応が必要だと思います。これは国策として、賃金に対する政策対応が必要だということで私たちは考えております。現時点では極めて重要な政策だと思っております。
 先ほど委員の中から介護職の賃金は現状でも高いというお話があって、これで頑張れ、もっと介護業界に来いと言うのであれば、そう説得することが可能なのかを改めて議論する必要があると思います。到底そういうことが言えるとは思えません。政府としてもそういう認識ではないと思っております。なお、これは都市部の課題だという考え方もありますけれども、介護労働安定センターの調査結果を見てもむしろ大都市圏に隣接していない都道府県で賃金の不満が高いという回答もありますから、全国的な課題として十分認識すべきだと思っております。
 有効求人倍率は全産業との比較を出しているわけですから、賃金差についても全産業との比較で見ていく必要があると思っています。なぜこの段になって対人サービス産業が出てきているのか、十分理解できておりません。対人サービス産業は建設業に次いで非常に有効求人倍率が高いですし、介護業界がさらに魅力ある業界になっていくために人材確保はより重要になっていくわけだと思っております。その意味で、とりあえず1万円ということですけれども、それだけでは全く不十分だと考えております。
 そこで1点確認なのですけれども、4月26日の一億総活躍国民会議で、塩崎大臣からはこの月額1万円相当の改善を2017年度に実施するということに関して、処遇改善に関して「『まずは』、競合する他産業等との賃金差を解消するという観点を踏まえ、『更なる』処遇改善を実施する」と資料でちゃんと示されているわけです。先ほどの答弁では他産業との賃金差を解消することがこれから行っていくことだとお答えになっているようですけれども、それだけではないと思っております。再度確認させていただきたいと思います。
○田中分科会長 課長、お願いします。
○鈴木老人保健課長 介護職員の処遇改善につきましては、おっしゃるとおり賃金だけではなくて、さまざまな処遇改善のやり方、さまざまなファクターがあると思っております。その中で、今回につきましては特に賃金という部分に着目した改善につきましては、競合他産業との格差をとりあえずなくすことを一時的な目的とさせていただいているところでございまして、それ以外にもさまざまな処遇改善に係る事業等々も含めて、今後進めていかなければならないと思っております。
 今後、今回つくって改定を行って、その後の検証も含めてさらに見てみないと、またさらに必要なのかどうなのかについてもまだこの時点では言えませんので、そういったところも含めて、今後とも処遇改善に係る事業につきましては総合的に考えていきたいと思っているところでございます。
○伊藤委員 厚生労働大臣が提出している資料に「『まずは』、競合する他産業等との賃金差を解消するという観点を踏まえ、『更なる』処遇改善を実施する」とありますので、ぜひその点は変えることなく対応をしていただくよう強く求めたいと思います。
 その上で、今回の処遇改善加算について、13ページに4.3万円相当の効果とありますけれども、これは少し御説明がありましたが、同一対象の労働者に対する処遇改善効果を見ているものではありません。その都度行われた処遇改善調査結果を単に足し合わせただけのものであるので、4.3万円という数字がひとり歩きするのは適当だとは思いませんが、一定の効果があることは言えるものだと思います。
 しかし、まだ課題があるのは確かですので、その点について申し上げたいと思います。不正請求問題がありまして、今年課長会議も開かれて厚生労働省としての通知も出され、特にその中で職員への周知という点は大きな問題だったと思っております。厚生労働省としても徹底をされるということですが、ぜひ今後は就業規則の届け出の際の過半数労働組合の意見聴取義務や周知義務も参考に、確実に履行される体制にしていっていただきたいと思います。
 それから、賃金改定所要額が処遇改善加算総額を必ず上回ることは前提条件だと思います。その点についても確実に履行される仕組みにしないといけないと思っています。
 定期昇給は人材の定着のために極めて重要な要素ですが、今回の調査を見ると、定昇や賃金表があると言いながらも1割から2割ぐらいは実施されていない状況、これでは全く意味がないので、定昇などは要件化することが必要だと思います。現行の加算は、定期昇給や時間外や深夜割増賃金の財源にすることが可能になっている。これでは賃金原資の単なる肩代わりになってしまいますので、加算の対象としてはふさわしくないと思います。きちんと賃金の改善につながる仕組みにしないといけないと思います。
 あと、職場環境等要件が甘過ぎると考えます。21項目の中からどれでも1つやっていればいい。健康診断の強化などまで入っていたりしまして、定期健康診断が入っているとすれば、やらないといけない義務なのに入っているのはよく理解できません。
 先ほど意見がありましたけれども、介護職員以外の労働者も算定対象にできるようにすることは、ぜひ検討していただきたいと考えます。
 このように、雇用管理の改善はまだまだ必要な業界だと考えておりますので、こういったものを組み込んだ形の制度にしていっていただきたいと思います。
○田中分科会長 稲葉委員、それから、井上委員、お願いします。
○稲葉委員 ありがとうございます。
 9ページなどにある、過去に働いていた職場をやめた理由等を見ますと、これまでにもこの手のアンケート調査はあったわけですけれども、結婚、出産などを除くと、法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があったり、職場の人間関係に問題があったというようによく書かれています。これは事業を行う私たちとしては、処遇改善を含め、さらに取り組んでいかなければいけない課題だと考えております。
 そのような中で、どういった理念や運営のあり方に不満があったのか、人間関係の問題はどういうことなのか、恐らく答えている方によっても異なる、職場によっても異なる課題があるのではないかと思います。取り組む事業者にとっては、こういったことができれば、とわかりやすく示してもらえると優良な雇用管理改善の取り組みに対して努力の方向性がはっきりとして効果が出やすいのではないのかとは思います。次に機会があれば示していただきたいと思います。また、同じ事業所内でも辞めずに残っている方の意見も聞いてみると、本当の実態はどうであったのかがわかるのではないかと感じます。
 2点目としましては、教育や職場の改善を行う場合にも事業所にはコストがかかってきます。事業所の収入が下がってしまうと改善の環境が悪化してしまい、効果が上がりにくくなります。賃金は上がったけれど、結果的にはサービスの質が下がったということがないようにしなければいけないと思います。したがって、報酬の改定などの結果がこういった悪影響につながらないようにしていくことも、あわせて考えていかなければいけないと思います。
 さらに、介護事業者としては、職員のキャリアを育成していく中では長年のスパンを持って計画をしていくものなので、次回は加算が付くのだろうか、それがどれだけになるのだろうかと考えながらでは長年の安定した計画が立てづらく、それによって職員も安心して仕事をすることができないことにつながると思います。安定的で明確なものをこれからは考えていかなければならないと意見をいたします。
 以上です。
○田中分科会長 井上隆委員、お願いします。
○井上(隆)委員 ありがとうございます。経団連の井上でございます。
 今回の介護人材の処遇改善ですけれども、政府の介護離職ゼロとか、ニッポン一億総活躍プランという中での極めて例外的なものでございますので、これに対して何か異を唱えるものではございません。また、介護現場にいらっしゃる皆様は献身的に働いておられますが、ほかのサービス産業との賃金の差も明らかなようでございますので、そこについて手当てをしていくことは必要かと思っております。
 それが前提なのですけれども、しかしながら、まず処遇のあり方自体についてですが、これは基本的には本来労使において自律的に決定すべき事項だと思います。また、報酬を上げることだけが目的ではなくて、当然生産性を向上していかなくてはなりませんし、サービスの質も向上していかなくてはならない。そういうことも十分に配慮していかなくてはならないと思うわけであります。
 この処遇改善自体は、こういうことを世間に打ち出して、反対する人は余りいないと思うのですけれども、では、その保険料を誰が払うのかということになると、必ずしもそこの保険料を負担する側の納得が得られている状況にはないのではないかと考えております。
 資料の中にもございましたけれども、総理の6月1日の発言の中で「介護職員等の処遇改善など、一億総活躍プランに関する施策については、アベノミクスの果実の活用も含め、財源を確保して、優先して実施していく」とあるわけでございます。また、同じように7月26日の経済財政諮問会議で、厚労大臣からも「介護人材の処遇改善などについては財源を確保しつつ、今後の予算編成過程で検討を進めていきたい」と御発言があります。したがいまして、この財源というところは何を示すのかよくわかりませんけれども、今回は特別な措置でございますので、特別な財源の確保が必要になってくるのではないかと考えております。
 そういうことで、この処遇の改善とともに社会保障全般で重要なのは、現役世代の負担を増やしていかないようにすることも同時に達成していかなくてはならない事項だと考えております。もし何かここでプラスの支出ということになるのであれば、それに見合うというか、全てカバーできるのかどうかわかりませんけれども、当然ほかのところで切り込んでいくことも同時に考えていかなくてはならないと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 井上由美子委員、それから、及川委員、お願いします。
○井上(由)委員 ありがとうございます。
 利用者グループの代表として申し上げます。介護を必要とする利用者はふえる一方で、若者の数は減っていきますので、必要な数の介護人材を確保することは簡単なことではないと思います。そういう中で、介護人材を確保するためには介護の仕事に対するネガティブイメージを払拭する必要があると思っております。実態も伴ったネガティブイメージの払拭が大切だろうと思っております。
 魅力ある職場という課題も出てまいりましたけれども、魅力ある職場はもちろん実態も伴い、また、イメージも大切だろうと思っております。魅力ある職場であるという見られ方がないと、人が雇用されよう、働こうと思って来ないのではないかと思っています。
 本当にありきたりなことを申し上げてしまいましたけれども、これまで処遇改善加算がずっと行われてきて4万幾らに上がってきたと。これは大変な数字だとは思いますけれども、これまでのように処遇改善加算をやってきても、大して効果は上げていないと私は思っています。そこで効果を上げているということでしたら、どこら辺がどう効果を上げているのかということはぜひ理解させていただければありがたいと思います。
 そこで、質問を2点させてください。
 まず、最初の質問なのですけれども、今回のキャリアアップ加算の仕組みは、これまでの加算の仕組みとどこが違うのか。前は1万2,000円で今回は1万円という金額は別にして、これまではこうだったが今回はここが違うということを、いま一度明確に御説明いただければありがたいです。この場でそれを議論しろと論点では投げかけられておりますので、逆質問の形になりますけれども、これを論点の中で出された意図、何らかのイメージがあると思うのです。そこをお話しいただければありがたいです。これが第1点目の質問です。明確に素人でもわかる方法論を示していただければありがたいと思います。
 第2点目、10月10日の朝日新聞に東委員の取り組みが掲載されておりました。とても興味深く読ませていただきましたが、その中で人件費や業務のあり方などに課題もあると述べられておりましたので、仕組み、利点、課題などをお話しいただければありがたく存じます。本日の論点であります処遇改善のための介護報酬改定に適用できるのかを含めてお話しいただければと思うのですが、これにつきましてはまず東委員の了解が必要ですし、分科会長、事務局の方々の御判断に一任したいと思いますので、2点目の質問の回答については、どうするのかをお決めくださればうれしいです。
 以上でございます。質問を2点させていただきました。
○田中分科会長 時間の都合もありますので、第2点については、東委員に特別に個人授業をお願いすることにいたしまして、第1点のほうにお答えください。
○鈴木老人保健課長 1点目の今回の加算はどう違うのかというお話なのですが、まさにどう考えるのかをこの場で議論していただきたいと思っているところでございます。
 50ページの論点に挙げさせていただきましたが、今回の29年度から行うものはキャリアアップの仕組みを構築することが前提となっておりますので、このキャリアアップの仕組みを構築するという内容について、どのような評価基準があるのかを御議論していただければと思ったところでございます。
 事務局はどのようなことを考えられているのかという御質問が次にございましたが、論点の2つ目の白丸の6行目以降にありますとおり、これまでのことを踏まえますと、例えば例としては介護職員の職場定着を図る必要性という論点ですとか、介護福祉士等の役割の増大や処遇の状況を考慮するという論点ですとか、また、もう一つは介護職員の昇給や評価を含めた賃金制度の整備・運用状況、こういったものを踏まえてきちんとキャリアアップの仕組みはどのようなやり方があるのかの御意見をいただければと考えたところでございます。
○田中分科会長 及川委員、どうぞ。
○及川委員 ありがとうございます。
 まず、論点に沿って意見を述べさせていただきますが、22ページの安倍総理の所信表明にも盛り込まれていますとおり、技能や経験に応じた給料アップの仕組みが重要であると考えております。介護職員の任用の際の職位、職責、または職務内容に応じた任用の要件等については現行の介護職員処遇改善加算の算定要件になっていることは承知しておりますが、このキャリアパスに応じた役割の付与や給与配分が適正に行われていることが介護サービスの質、量の確保においても極めて重要と考えております。
 もう一つ、今回対応については大変にありがたいと考えております。しかしながら、いつまでも限られた財源を介護人材だけに配分するのが適正な対策であるとは考えておりません。介護人材の重点化、効率化等の観点から考えると、本来的には担うべき役割や専門性、資格の有無等を根拠として合理的な配分を今後施行すべきだと思います。
 そして、今までの皆さんとのやりとりを聞いておりまして、21ページ「今後の介護人材の処遇改善について」というところでの矢印が最後のところに入りまして、22年度初頭までにというこの数字について、鈴木課長から、産業計ではなく対人サービス業の27万3,600円の金額であることが示されましたけれども、これについては遺憾でございます。対人サービス業を下に見るなどではないのですけれども、私たちの仕事が、本当に24時間365日夜勤を月に4回から8回くらいやっている職員たちの仕事がこんなに低く考えられるのかなどと思ってしまいます。専門職である介護福祉士も、私は看護師やお医者や理学療法士と対等な役割を持っていると思っているし、それ以上のこともやっていると自負しております。それを、この27万3,600円という数字を今回の議事録の中に入れてもらうと、先ほどから先生たちがおっしゃっておりました介護に魅力があるのかということになってしまいますので、できることならば、先ほどの鈴木課長のお話の27万3,600円は議事録が削除していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中分科会長 発言はしたことをそのまま載せるほうがフェアですので、それに対する反論も載ります。それでよろしいのではないでしょうか。
 あと数人、順番に参ります。皆さん手を挙げていらっしゃいますね。
 河村委員、お願いします。
○河村委員 主な論点の中で、今後考えなければいけないことは、本多委員からもお話がありましたけれども、介護人材の処遇改善にかかる財源を誰が賄うのかということであり、これは非常に重要な問題だと思っております。介護費用はどんどん上がっています。それにもかかわらず公的な負担部分はそのままであります。そうした中で、片方では限られたパイの中で報酬の加算をし、片方では、要支援1、2を保険給付から外すということもしている。福祉的な観点を含めて、それが本当にいいのかどうなのか。給与改善のために何かをやらなければいけないという議論がどうも先行しているような気がしてなりません。したがって、キャリアパスの問題、これも過去何十年か前に特養が始まったときには全く資格のない人が携わっていました。それから、介護士、介護福祉士が担うようになりました。そうした部分を経過的にきちんと整理して、キャリアパスであれば資格を持った人をどう処遇するのか、あるいは経験者をどう処遇するのかということさえも施設運営などできちんとできていないことが一番問題ではないかと思います。
 もちろん、今回示された定昇の問題にしても、賃金の問題にしても、それが示されていないから対症療法的に報酬の加算をしていると私は感じます。したがって、抜本的に構造的な問題を含めて一回大きな議論をして、将来にわたって、これであれば介護職員や事業者の皆さんも納得できるという議論をしていただきたいということがお願いでございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 齋藤委員、お願いします。
○齋藤(訓)委員 資料7ページの離職の状況を見ますと、21年から処遇改善につきましてはさまざまな方策を講じてきましたが、このデータから見ると、離職率は下げ止まりしています。ですから、処遇改善は当然していくべきだとは思いますけれども、他の委員から出たように、職場環境にかかわる指標を入れていかないと単なるばらまきであるとも誤解されかねないと思います。30ページ以降から人事評価がないあるいは定昇制度もないというデータが出ていますが、人を介してのサービスであれば職場にいる有限な人材を大事にしていく姿勢がまずは問われるのであって、そこがないままに給料のみを上げるということではなかなか定着は難しいのではないかと考えます。
 そして、今、政府でも総合的な介護人材確保対策が組まれているところですが、例えばすばらしい事業所には表彰をしたり、認証を与えたりという対策はとられているのですけれども、私はそれに至る前に現場でマネジメントする者をどのように支えていくのかが大事なのではないかと思います。職場環境に係るいろいろな取り決めを文章化したり、チームをつくったり、環境を整備したりということは、マネジャーが相当な能力を有していないと難しいと思います。たとえば病院でも、看護管理者には相当の研修受講を職能団体から勧奨しているところでございますが、介護サービスは、さまざまな職種が働いていますので、そこのマネジャーの能力は相当問われるのでないかと思います。ですから、伊藤委員もおっしゃっておられましたけれども、処遇改善を仮に加算で対応ということであれば、環境整備のところを要件に挙げていってはどうかと思います。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 お待たせしました。齊藤秀樹委員、お願いします。
○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。
 処遇改善について、現状では加算で対応することはやむを得ないのかとは思いますが、しかし、これをいつまでも続けるべきかという問題意識については共有しておく必要があるだろうと考えております。
 現行のキャリアパス要件を見ますと、労働条件でありますとか雇用環境の整備、改善を求める内容になっているわけでありますが、一方、利用者からいたしますと、介護職員の雇用環境が改善され、職場に長く定着することによって得られるサービスの質に対して非常に関心が高くなります。そのためには、その介護人材の確保の延長線上がサービスの質の向上につながる前提のもとで、例えば資格別の職員の平均の勤続年数でありますとか、平均の賃金といったものが定着を考える上での一つのアウトカム指標になり得ると思いますので、これを「見える化」していくとか、もう少し工夫することによって、加算を考える上での一つの目安としていただくような工夫もぜひ御検討いただければありがたいと思います。
○田中分科会長 鈴木委員、鷲見委員、お願いします。
○鈴木委員 先ほど井上隆委員から、処遇改善で保険料が上がるのならばほかを下げてという話が、小さな声だったのですがあったように思いますが、平成29年度の介護報酬改定は月額平均1万円相当の処遇改善についてのみ行うべきであり、その他の全体の改定は介護の実態調査あるいは検証調査を通常どおりしっかり行ってから平成30年度の介護報酬改定で行うべきだと思います。
 以上です。
○鷲見委員 簡単でございますが、我々現場で働いている人間からしますと、介護の現場の中でも皆さん本当に専門職として自律していきたいという思いは強いのです。ですから、法人に入職したときにどういうことを目指すかというと、育てていただきたいという思いは本当に現場の方々は強くて、そういう意味では、賃金ということよりもそれ以外のところに使えるお金と使っていただけるといいと考えています。
 以上です。
○田中分科会長 清水参考人、お願いします。
○清水参考人 ありがとうございます。
 キャリアパスのことですけれども、昇給の仕組みや人事評価の基準、仕事の責任範囲など、求められる能力を明文化することをキャリアパス要件に加えるということで、事業所が積極的に関与する仕組みづくりが大事なのではないかと思います。特に人事評価の基準等の公表は、事業所が求めている人材はどういうものなのか、そして、その人材を育てることにもつながるのではないかと考えます。
 看護師や介護福祉士等であれば、それぞれ協会もありまして、人材確保対策に登録制度なども機能していると思いますけれども、無資格の介護職の経験者も多いわけで、これらの人々の把握はハローワーク任せでよいのでしょうか。何かの仕組みづくりが必要ではないかと考えます。
 最後に、今回の資料にはありませんけれども、処遇改善加算の介護職員に対するお金の支払い方の問題をよく耳にします。支払い方法というよりも、介護職員からすれば支払われ方であります。現在の規定では必ずしも毎月支払うこととは定められていないために、年に1回支払う事業所、また、半年ごと、3カ月に1回など、施設や事業所によってさまざまであります。このことをめぐって介護職員が退職後に労働基準監督署に相談に行った事例も聞いております。たとえ事業者として問題がなかったとしても、国が目指そうとしていることから少し外れてくるのではないかと思います。幾ら制度をつくっても、介護職員自体が処遇改善を実感し、やりがいを持って継続して介護業務に当たってもらわなければ意味がありません。介護報酬上の仕組み、現在は加算であり、また、収入も月おくれで施設に入ってくることは理解できますけれども、少なくとも毎月支払うような仕組みにすることはできないのでありましょうか。
 介護療養病床におきましては、先ほど瀬戸委員もおっしゃいましたけれども、看護職等の比率が非常に高いわけで、それが参考資料にもありますが、介護療養病床の加算の届け出の低さをあらわしているのではないかと思われます。この点につきましても、今後さらなる検討が必要かと思います。介護療養病床につきましては、30年3月31日で廃止になって、その後新たな類型が予定されております。これについては、介護報酬なのかまたは医療保険なのか、支払いはまだ決まっておりませんけれども、いずれにしても介護職の方々がたくさんいらっしゃるわけですので、そのことについても忘れないでいただきたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 重田参考人、お願いします。
○重田参考人 重複するところもあるかと思うのですが、私どもの栃木県におきましては、ほかにもあると思うのですが、介護の現場ですが、男性職員の寿退社がございます。男性職員は結婚したときに将来を見通せないということで、退職をしてほかの仕事についていくという声が聞こえます。それのどこに原因があるのかというと、大きな原因は定昇の問題、将来の給与を見通せないところにそういった原因があるのではないかと思いますので、定昇というものを評価していただくのが重要なポイントではないかと思っているところです。
 2つ目なのですが、報酬につきましては、頑張ったところに報酬が行くスタンスは私は基本的には賛成するところなのですが、頑張った要因が何かといったときに、例えばキャリアアップや定昇もあると思うのですが、同時に、介護の業界もある意味サービス業だと思うのです。何を指標にするのかは難しいと思うのですが、サービス業であるからこそ利用者の満足度が反映される形があったらいいのではないかと考えているところです。
 3つ目としまして、これも私どもの県でも介護職員の確保ということでいろいろな取り組みをしているところなのですが、一番のネックとなっておりますのがイメージです。特に子供が介護の世界に入ろうと思っている方の親御さんとか学校の先生といったところの意向や指導が大きく反映しているようですので、介護職のイメージアップをきちんとやっていく必要があるのではないかと思っているところです。
 最後になりますが、私どもは自治体でございますので、当然職員の給料等が上がりますと今の介護保険制度の中では県民負担にはね返りますので、そのあたりについて何らかの御配慮をいただければ幸いかと思っているところです。
 以上です。
○田中分科会長 ひとあたり皆様から意見を伺いました。いずれも真摯な御意見です。ありがとうございました。
 本議題に関しては、きょうで終わりではありません。皆様の御意見を踏まえて、引き続き議論してまいります。
 本日の審議は少し時間を超過しましたが、ここまでといたします。
 次回の予定について、事務局より説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 本日はありがとうございました。
 次回日程等につきましては、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれで閉会といたします。お忙しいところ、ありがとうございました。


(了)

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