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2016年10月25日 第7回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

○日時

平成28年10月25日(火)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 共用第6会議室(中央合同庁舎5号館3階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

<専門家委員>

岩城穣委員、岩村正彦委員、川人博委員、堤明純委員
宮本俊明委員、森岡孝二委員、山崎喜比古委員

<当事者委員>

寺西笑子委員、中野淑子委員、中原のり子委員、西垣迪世委員

<労働者代表委員>

冨田珠代委員、中村慎吾委員、村上陽子委員

<使用者代表委員>

小林信委員、小林治彦委員、山鼻恵子委員、輪島忍委員

○議題

(1)平成28年版過労死等防止対策白書について
(2)平成28年度における過労死等の防止のための対策の実施状況及び予定について
(3)過労死等の防止のための対策に係る平成28年度第二次補正予算及び平成29年度概算要求について
(4)その他

○議事

○岩村会長 ただいまから、「第7回過労死等防止対策推進協議会」を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、小林治彦委員が御都合により30分ほど遅れて御出席の御予定と伺っております。また、委員の出欠ですが、木下潮音委 員、八野正一委員が、それぞれ御都合によって御欠席となっております。

 事務局に異動がありまして、大臣官房審議官(労働条件政策担当)の交代があったということですので、ここで御挨拶を頂きます。よろしくお願いいたします。

○審議官 621日付けをもちまして、担当の審議官に就任いたしました土屋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日、労働基準局長の山越が出席の予定でございましたが、急きょ国会の対応が入り、欠席させていただいております。大変恐縮ですが、開会に当たりまして、私から一言御挨拶申し上げます。

 委員の皆様方には、既に御承知いただいておりますように、107日に平成28年版の「過労死等防止対策白書」が閣議決定されまして、国会報告がなされたところでございます。この白書は、過労死等防止対策推進法が成立して初めて報告した白書です。法律の制定の経緯や大綱の策定の経緯を盛り込んでおり、また、委員の皆様方にも御協力いただきまして、コラムへの御寄稿など、多大な御協力を賜ったところでございます。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。

 本日の協議会では、最初に白書の報告を行いまして、その後、平成28年度に取り組んできた過労死等防止対策の実施状況や平成29年度予算要求の状況について御説明申し上げ、御意見を賜りたいと思っております。委員の皆様方からの御意見を踏まえまして、引き続き対策を着実に進めてまいりたいと考えておりますので、本日の協議会では忌憚のない御意見を頂ければと思っております。本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○岩村会長 どうもありがとうございました。今回、事務局に異動があったということですので、これについては事務局から御報告を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○企画官 事務局に異動がありましたので、御紹介申し上げます。労働基準局総務課長の村山です。労働基準局安全衛生部計画課長の宮本です。事務局の紹介は以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、お手元の議事次第に沿って進めてまいります。1つ目の議題は、「平成28年度版過労死等防止対策白書について」です。過労死等防止対策推進法に基づく初めての白書が作成されたところです。今回は、この白書作成後の初めての協議会ですので、この白書の概要及び白書に係る調査研究の実施状況について、事務局からの報告をいただきます。よろしくお願いいたします。

○企画官 事務局から報告させていただきます。白書の関係は、資料1-1から1-3までとなっています。資料1-1が骨子で、資料1-2が骨子より詳しい概要、資料1-3が白書本体になっておりますが、本日は時間の関係もありまして、資料1-1の骨子によって、白書の概要を御説明申し上げます。

 「過労死等防止対策白書(骨子)」の2ページを御説明申し上げます。過労死等防止対策推進法に基づき、国会に報告を行う法定白書で、今回が初めての国会報告ということになります。この107日に国会報告したところです。過労死等防止対策推進法の第6条に「政府は、毎年、国会に、我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況に関する報告書を提出しなければならない。」と規定されております。

2ページの中ほどに、白書の構成を記載しております。第1章から第4章ということで、第1章の過労死等の現状が、我が国における過労死等の概要に当たります。また、第4章の過労死等の防止のための対策の実施状況が、施策の状況です。今回が初めての白書ということで、過労死等防止対策推進法の制定の経緯、また大綱の策定の経緯も第2章と第3章に盛り込んでいます。

3ページは過労死等の現状です。グラフは載せていませんが、労働者1人当たりの年間総実労働時間は全体として緩やかに減少しているのですが、パートタイム労働者を除く一般労働者の年間総実労働時間は高止まりの状況となっております。

 左下の図ですが、1週間の就業時間別の雇用者の割合を載せております。棒グラフの一番上のピンク色の所が週60時間以上の雇用者の割合です。少しずつ減ってきてはおりますが、平成27年では8.2%という状況です。右上の折線グラフは、年齢別、男女別に示したものですが、男性の30代と40代で高い傾向が見て取れると思います。右下は、年次有給休暇の取得率等の推移です。折線グラフが取得率となっており、ここしばらくの間は5割を切る水準になっております。

4ページは過労死等の現状で、メンタルヘルスケアと労災の状況です。左下の第1-4図では、メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所の割合は増えてはきておりますが、平成25年では60.7%となっており、仕事に関する不安や悩み、ストレスを感じる労働者の割合は5割を超えている状況です。右側の上の図は、脳・心臓疾患に係るもの、下の図が精神障害に係るものです。第1-5図の脳・心臓疾患に係る労災の支給決定件数は、平成14年度に300件を超えて以降、平成18年度から平成20年度に300件台後半となりましたが、それ以降は200件台後半から300件台前半で推移しています。低いほうのピンク色の棒グラフが、死亡の支給決定件数です。第1-6図の精神障害に係る労災の支給決定件数は、平成24年度以降、400件台で推移しているところです。同じようにピンクが未遂を含む自殺の支給決定件数です。

5ページは労働・社会面から見た過労死等の状況について記載しております。労働時間だけではなく、生活時間等の状況も含めた要因、及び関連性も分析するということで、平成27年度にアンケート調査を実施しております。グラフは載せておりませんが、平均的な1か月の時間外労働時間が45時間超と回答した企業の割合は、運輸業、郵便業、宿泊業、飲食サービス業等の順で高くなっております。また、最も時間外労働が長かった月において80時間超と回答した企業の割合は、情報通信業、学術研究の順に高くなっております。右上の第2-1図を御覧いただきたいのですが、これは残業時間と疲労の蓄積度の関係のグラフです。下に行くほど残業時間が長いということで、残業時間が長くなるほど疲労の蓄積度、またストレスも高いという割合の結果が出ております。

 また、右下の2-2図が、睡眠時間の状況です。睡眠時間が足りていない、どちらかといえば足りていないという結果が45.6%ありましたが、その理由が一番下の棒グラフです。「残業時間が長いため」とするものが最も多く、36.1%という数字になっております。

6ページは、過労死等防止対策推進法と過労死等の防止のための対策に関する大綱について、その制定の経緯と概要について書いているものです。

7ページは調査研究等です。先ほど、労働・社会面の調査について、労働時間等の状況を御説明申し上げましたが、こちらでは総合的な労働安全衛生研究について記載しております。大きく3つあり、1つ目が労災認定事案等の分析、2つ目が疫学研究、3つ目が実験研究となっております。1つ目の労災認定事案等の分析についてですが、労働基準監督署で平成221月から平成273月までに認定した事案についてはデータベースを構築しております。平成27年度は基礎集計を実施いたしましたので、後ほど、御説明申し上げます。2つ目の疫学研究については、職域コホート研究、職場環境改善に向けた介入研究を長期間追跡調査することにしており、平成27年度は準備作業を実施しております。3つ目の実験研究については、長時間労働等のリスク要因による循環器負担への影響を研究するということで、平成27年度は予備実験を実施したところです。

 最後に8ページは、対策の実施状況です。啓発と相談体制の整備等と民間団体の活動に対する支援をまとめて記載しております。第2節は啓発ということで、国民に向けた周知・啓発、大学・高等学校等の学生の方への労働条件に関する啓発、長時間労働の削減、過重労働による健康障害防止の周知・啓発等々について記載しております。第3節は相談体制ということで、労働条件に関する相談窓口、またメンタルヘルス不調、過重労働による健康障害に関する相談窓口、こういったものを設置するほか、産業医等相談に応じる者に対する研修等を実施しております。第4節は、民間団体の活動に対する支援ということで、平成27年度は11月を中心に過労死等防止対策推進シンポジウムを全国29か所で実施しております。以上、ごく簡単ではありますが、白書の概要を御説明いたしました。

 次に、資料1-4を御覧ください。こちらは先ほど労災認定事案の分析ということで、平成27年度は基礎集計を実施したと申し上げましたが、その集計の結果が資料1-4になります。簡単に説明します。こちらについては、脳・心臓疾患、精神障害、また特別に運輸業・郵便業における過労死を分析した結果がまとめられております。

7ページを御覧いただきたいのですが、文章よりも、表により御説明申し上げます。最初が、脳・心臓疾患の関係です。これは男女別、年齢、疾患名、前駆症状について分析をしております。脳・心臓疾患については、性別で御覧いただきますと、男性が95.6%、女性が4.4%ということで、男性が多くなっています。発症時年齢については、多いのが大体49歳ぐらいです。決定時疾患名で言えば、脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞、心停止が多いという結果になっております。

8ページですが、こちらは事業場の規模・業種・職種についてまとめたものです。事業場規模でこういった統計を取るのは恐らく初めてなのではないかと思っております。業種・職種については、数字を御覧いただいたとおりですが、男性では運輸業・郵便業が多く、女性では卸売業・小売業、医療、福祉が多くなっているといった様子が表れております。

9ページは、労務管理とか健康管理の状況をまとめたものです。これについても、恐らく初めての集計になるのではないかと思っております。10ページは、労働時間以外の負荷要因ということで、不規則な勤務とか、拘束時間の長い勤務とか、そういったものを調べたものです。下半分は、時間外労働時間数の平均的なものと最大のものを調査した表です。

11ページは、決定時6疾患と年齢・業種・職種をクロスで集計した結果です。

 次に、18ページから精神障害の関係を御説明申し上げます。18ページが精神障害の関係を性別と年齢で見たものですが、先ほどの脳・心臓疾患はほとんどが男性の方でしたが、こちらは男性と女性で73ぐらいの割合ということです。発症時年齢は、男性で40歳、女性で36.9歳ということで、先ほどの脳・心臓疾患に比べて若いという結果になっております。

19ページは、業種別・職種別・男女別に数字を見たものです。20ページが疾患名、男女別・生存死亡別です。40歳で区切り、40歳未満と40歳以上で見たのが21ページです。F32のうつ病エピソードでは男性は高く、女性も高いのですが、F43.1の外傷後ストレス障害、F43.2適応障害も女性は一定の高さになっているといった結果になっております。

22 23ページです。この調査は平成221月から平成273月までが対象ですが、その途中で認定基準が作られており、23ページが新しい認定基準による数字です。男女別・生存死亡別で出来事別に割合を取ったものです。2425ページは、同様に、40歳未満と40歳以上で出来事別に集計したものです。

27ページ以降は、運輸業・郵便業についての分析を行った結果になっております。運輸業・郵便業関係は465件ありましたが、そのうち81の事例を抽出して分析したものが、こちらの結果になっております。28ページの左側の表に「81例の分析の視点と上位項目」が示されております。これで概略を示したということで、疾病名では心筋梗塞、脳出血、くも膜下出血、あとは発症月とか発症時刻の分析を81例について分析した結果ということで御理解いただきたいと思います。

29ページ以降は、5つの勤務パターンの事例を挙げております。連続勤務日数が多い事例、拘束時間は長いが日数はそうでもない事例、出発から戻ってくるまで何日かかかる事例等に分けて、図1が配送ドライバーの例です。棒グラフの中に書いてある数字が拘束時間で、左と右が出発時間と戻ってきた時間です。グラフの下に総拘束時間・総労働時間・時間外労働時間を書いてあります。図2は、バス運転手の例、30ページの図3はタクシー乗務員の方、図4がトラック運転手の方、図5がトレーラー運転手の方ということで、それぞれ特徴のある事例と御理解いただければと思います。簡単ですが以上です。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございました。ただいま、今回の白書につきまして、資料1-1、資料1-4を使って説明いただきました。白書、調査研究の内容につきまして、御質問あるいは御意見がありましたら、お出しいただきたいと思います。

○寺西委員 過労死を考える家族の会の寺西笑子と申します。本日はこのような有意義な協議会を開催していただきまして、ありがとうございました。この過労死防止法が成立いたしまして2年経過して、そして初めての過労死防止の法定白書ということで、今回このようなまとめの報告をしていただきましたこと、大変有り難く思っている次第でございます。

 この中に私たちの活動報告をコラム欄に掲載していただいたことも、この調査研究内容の根拠となる私たちの実態を報告させていただいたこと、大変感慨深く思っているところでございます。今回こうして白書が報告されたと同時に、政府のほうの働き方改革、そして有名企業の過労自死の報告も重なりまして、私のほうも大変たくさんのメディアからの注目を浴びているところです。今、御報告いただいた中身、そしてたくさんの調査研究をしていただいたことで、いろいろな職場の方の様々な実態を公的に報告していただいたということになります。この報告の中で、家族の会は遺族の救済、認定基準の緩和、そして認定基準の運用など、また過労死防止について要請をしてきたことが、やっと公的な形で表わしていただいたと思っているところです。

 ここで私たちがお願いしたいのは、この突出している過労死ラインであり、そして様々な過労死に及ぶ原因がはっきりしたと思うところであります。この過労死等の防止のための対策に関する大綱の副題になっております過労死をゼロにしていくためには、ここの対策をしっかり取っていただきたいと思います。

 確かに過労死防止法は調査研究、啓発、相談体制の整備、そして民間団体の活動に対する支援という4つの柱の法律でありますが、この面におきましては、既に御報告いただいたとおり、啓発のためのシンポジウムであり、そして調査研究も進み、民間団体の私たちの活動も支援していただいているところですので、そこに11年充実した形で、今現在進んでいるところであります。

 ただ、こういう外堀を埋めていくのも大事ですけれども、やはり本丸的な中身に触れていただかないと、なかなか過労死ゼロには近付かないと正直感じておりますので、この過労死防止法を進めていただく一方で、こうした法律の中身に触れられないものも連携して過労死をゼロにしていくには、そこの問題も大切だということを、今後3年目に向けての対策に是非、組み込んでいただきたいと思っているところです。

 また、具体的な職場や具体的な御提案については、各委員から意見があると思いますので、是非3年目に向けては、この白書以上の一歩踏み込んだ中身の御報告、また調査研究を進めていただくことを切に願っている次第です。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、西垣委員からお願いします。その後、森岡委員にお願いいたします。

○西垣委員 失礼いたします、西垣です。先ほど御報告いただきました労災認定事案の報告によりますと、精神障害による死亡ないし労災認定決定数が、18ページに年齢分布による表が示されております。ここで明らかになりましたように、20代、30代の男女を合計しまして、54%が労災認定されておりますが、つまり20代、30代が全体の半分以上を占めているということになります。

 以前からの傾向として、いわゆる一時の働き盛りの過労死から若い者までが死亡する、うちの息子は27歳でしたが、そのような事例が増えております。先日も24歳の女性が亡くなっておられます。この若者の過労死を止めるための手立てを早急に立てていただきたい。以上でございます。

○岩村会長 それでは、森岡委員、どうぞ。

○森岡委員 過労死防止学会の代表幹事をしております森岡と申します。初年度の白書で、大変総括的、網羅的な資料が盛り込まれた密度の濃い内容の白書になっていることに、いろいろ教えられます。また、ご苦労が多かったことと思います。今後の改善なり充実なりに関して、23の要望的な意見を申し上げます。

1つは性別、年齢別等の区分けで見た労働時間を「労働力調査」等から示していますが、いずれもそれぞれの時間階級によって見た平均数値です。多いといっても、その多い中の突出した部門、例えば週60時間以上というのは、いろいろな「以上」を含んでいるわけです。労災請求状況の資料に非常に長い時間外労働の業務上認定件数が若干出てきますが、それを除けば、いわば平均的な数値になっています。

 そこでもう少し改善するとしますと、先ほど「突出した」という言葉を使いましたが、過労死の現場なり職場のレベル、あるいは場合によっては個人のレベルの労働時間も取り上げていただきたい。当事者として過労死被災者の家族がいて、11月の各地の啓発シンポジウムでは訴え的な経験報告をされると思います。そういう事例もコラムなどの形で内容に盛り込む。あるいは、幾つかの重点的な監督指導がされています。その結果についても反映させることです。あるいは、過労死労災請求の過去の資料があります。認定事案についてはすでに検討作業が開始されており、今後は不認定事案についてもデータが出てくる。それらの結果もやはり盛り込んでいく。これは時間的経過で今回無理だったのは理解していますが、今後は労災認定で問題になるような突出した長時間労働についても白書に記述することが望まれるのではないかと思います。

 それからもう1つ、白書の中にはフルタイム労働者の平均労働時間は出ていない。毎月勤労統計調査の一般労働者というのはそれに近いのですが、それには賃金不払残業が正確には反映されていない。したがって、例えばOECDの労働時間統計で、フルタイム労働者の週労働時間の国際比較がされていても、そこには日本のデータはありません。「労働力調査」で35時間以上の労働者について、例えば49時間以上、60時間以上、70時間以上と細かく取れるようになっていますが、それでも35時間以上の平均値というのはないのです。平均はあくまで全労働者の平均しか示されていない。雇用形態別で見ると「正規の職員・従業員」の労働時間も示されていますが、これには35時間未満の短時間労働者が少なからず含まれています。

 これは総務省への要望とも関わりますが、フルタイム労働者について国際比較可能なデータがあって利用できることが、国際的な動向も踏まえて過労死の防止のための研究に役立てるという場合には必要ではないかと思います。実は大綱の中にも、そういう外国の事例紹介というものがありまして、その辺も含めて御検討をお願いしたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは、川人委員。

○川人委員 今回の白書ができましたことについて、私は過労死をなくしていく、ある意味で歴史的な文書であると、そのように受け止めています。やはり、国が過労死を防止するために、こういう形で白書にまとめて、そして定期的に報告する。その第一歩が開始されたということは、今後の過労死防止に向けての大きな第一歩になる。そのように考える次第です。

 その上で何点か申し上げたいのですが、1つは、この間、報道等がなされております広告代理店の若い女性社員の過労死の問題であります。この方は昨年12月に亡くなっているわけです。したがって過労死防止法が制定、成立し、施行された以降に亡くなられたわけであります。この事実からも、この法律が成立して施行されたことによっても日本の職場の現状が全く変わっていない所もある、そういうことを改めて痛感しましたし、残念でなりません。

 特に、このケースでは、この白書に触れられているような、長時間労働、深夜労働、あるいは上司のパワハラ、こういった特徴が全て重なって発生しています。さらに言いますと、亡くなるまでの過程においては、健康診断等で医師も面談し、診断する機会もあったわけですが、そういったところでの十分なチェック機能も果たすことができなかったなど、この間、指摘されてきた問題が、やはり職場の段階ではほとんど浸透していなかったということを痛感するわけであります。

 加えて労働行政についても、この事件は深刻な問題提起をしていると考えます。すなわち3年前に同じく若い男性社員が亡くなったケースについて、労災認定が出ていたこと。あるいは亡くなる年の8月には長時間労働の是正勧告も出ていたこと。にもかかわらず、本件が発生したわけであります。その点では、やはり労働行政が、この職場の問題点について十分察知する条件があった。にもかかわらず、このような痛ましい事件が発生したという点について、今後の労働行政の在り方としても、十分な反省と教訓を踏まえて取り組んでいく必要があると、そのように感じます。その点での労働行政の取組についても、今後、白書等にも反映していただきたいと考えるわけであります。

 それから、この白書の問題について今回触れられていない点で、来年に向けては是非触れてもらいたい点について述べたいのですが、1つは海外勤務者の過労死についてであります。この点では既に、例えば、外務省の上海総領事館の医務官が上海周辺の多くの日本人駐在員の死亡についての調査を行い、仕事に関連したと考えられる、その可能性のある脳・心臓疾患や自殺についての報告が行われています。

 グローバル経済の下、海外で多くの日本人が働いている中で、こうした人々に対する健康の問題について、日本においてどのように安全配慮を尽くしていくのかということについても、今後の調査研究の重要なテーマになると思います。また、必要な統計等について、例えば労災認定で、海外勤務者の労災認定は何件ぐらいあるのか、こういったことについても発表していただきたいと思います。これはできれば後で、こういった集計が現在あるのかについて、担当者の方に質問としてお尋ねしたいと思いますので、お答えをお願いします。

 もう1つ、この間、複数職場での過労死ということも問題になっております。現在、政府において働き方改革等での兼業の問題がクローズアップされるようになっております。他方では、私ども過労死110番の相談の中には、複数の職場で働いて過労で亡くなったというケースの相談が少なくありません。そして、その中には労災認定がされているケースも相当数あります。

 したがって、この点についても質問を兼ねて発言したいのですが、複数の職場で働いていて、その両方の労働実態を総合して過労死として認定したケースが、年間何件ぐらいあるのか。これらについても調査研究し、複数の職場で働くことによって生ずるリスクの問題についても、十分調査をしておく必要があるだろうと考える次第です。以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございました。そうしますと、御質問が2点ありましたので、川人委員の御質問につきまして、分かる範囲でと思いますので、よろしくお願いいたします。

○総務課長 大変貴重な御指摘を頂きまして、ありがとうございます。まず川人委員から御質問のありました、現在の労災補償状況の公表、取りまとめの状況ですが、毎年6月に公表しておりますけれども、特に海外勤務者を特別に区分けしているものは発表しておりません。今後の調査研究において認定事案のデータベース化も進んでおりますので、何ができるのか、これからよく考えていきたいと思います。

 併せて、何点か投げ掛けていただいた点もありましたので、お答え申し上げます。まず、寺西委員と森岡委員から、取り分け長時間労働あるいは過重労働に踏み込んだ個別のケースの紹介というお話もありました。

 先ほど、企画官から説明したように、調査研究の中では、まず平成27年度は先行的な事例として運輸業の81例の調査分析に着手しております。これは後ほどの議題になりますが、こうした業種につきまして、さらに深堀りした調査研究を現在進めているところです。また後半の議題の中で、そうした調査研究を進めている状況についても御紹介差し上げたいと考えております。

 それから、西垣委員から、働き盛りの方から、どちらかというとその手前の若い方の過労自殺の問題が深刻化しているという重要な御指摘がありました。これにつきましても後ほどの議題で、平成28年度に進めている対策の中で、直接的な監督指導の話もありますし、また、ワークルールの教育なども含めた、啓発的な取組なども重要な課題であるかと思います。そうした点につきましても、後の議題のほうで御紹介差し上げたいと考えております。

 また、森岡委員からは、データにつきまして毎月勤労統計調査の事業所に対する調査と労働力調査の個人あるいは世帯を通じての調査を取り上げて、取り分けフルタイムの平均が出ていないことについて御指摘を頂きました。専門の先生の御意見も勉強させていただきながら、また来年度の白書等で、どのような取扱いができるかをよく考えていきたいと思います。

 併せて、森岡先生からは、監督等の状況というお話がありました。これについては後の議題で、現在そうした体制を整備してからの詳細な状況について報告を予定しておりますので、まずはそれを御参照いただければ有り難いと考えております。重要な御指摘をたくさん頂きましたので、来年度の白書に向けて、また今後の行政展開に向けて生かしていきたいと考えております。

○岩村会長 あと、川人先生からもう一点、複数の兼業のことについても御意見があったと思います。

○総務課長 申し訳ありません。複数の就業、兼業について、労災認定のデータとして毎年6月に公表している中では、特別な集計は行っておりません。なお、「働き方改革実現会議」の関係についても御提起いただきましたが、昨日の第2回の働き方改革実現会議におきましても、この問題は確かに取り上げられておりますが、あくまで働く方の立場や視点に立って、その労働者保護も怠ることのないようにという観点から、委員の間で真摯な御議論が行われたものと承知しております。

○森岡委員 労災認定事案の分析が進んでいることが先ほど御紹介されたのですが、それは医学的、労働科学的な研究がメインになっています。しかし、社会面の、例えば社会政策、あるいは労働法学等の観点からの研究も必要であり、安全面の研究でも医学的な面に限らない広がりがありますが、その点で、労働安全衛生総合研究所の過労死等調査研究センターの研究成果に期待しておりますが、他の専門分野からの調査研究も求められています。

 このセンターだけに労災認定事案から出てきたデータの活用を委ねるよりも、可能ならばいろいろな委託研究を含めて、社会科学的な側面からもデータを活用する。したがって労使に貴重な労災請求データの外部利用についても、一度御検討いただくといいのではないかと思います。

○岩村会長 貴重な御意見だと思いますので、また、検討させていただければと思います。それでは、中野委員、どうぞ。

○中野委員 過労死家族の会の中野淑子と申します。まず、意義深い白書作成に当たりまして、関係の皆様に御礼を申し上げます。私は公務災害に関わって発言をさせていただきます。幸い、総務省や人事院の方もいらしておりますので、よろしくお願いします。

 まず資料1-3の白書の43ページの7番、地方公務員の公務災害の補償状況ですが、受理状況を見ますと、脳・心臓疾患が減ってきて、精神疾患は増加の傾向にあるのはうなずけるのですが、それにしても受理件数が大変少ないと私は思います。脳・心臓疾患が過去3年間で34件、24件、29件。精神疾患が67件、70件、49件となっておりますが、実態はこんな数では収まらないのではないかと思うのです。事実、教職員の場合、在職死亡者が小中高を合わせて毎年500600人ぐらいいるという情報があります。

 先日、過労死等防止について考える議員連盟総会のときには、馳浩元文部科学大臣が、教職員の勤務実態は非常に過酷であるというようなことを話されておりましたけれども、いろいろな原因の在職死亡が多いということが含まれていると思います。なお、教職員に限らずに、警察官とか市や県の職員も多いということがデータ上出ております。

 それにもかかわらず、受理件数が少ないというのは、なぜなのだろうか。私なりに原因を推測しますと、1つ目には、公務災害の申請は所属長を経由しなければならないので、そこでトラブルが起きやすく、申請手続が大変煩雑であること。2つ目に、被災者や遺族がともに忙し過ぎて申請する暇がないことや、申請しても認定の壁が非常に厚いことを聞いているので申請は諦めてしまっていること。3つ目には、補償制度があることを知らない人が多いのではないかという点が挙げられます。私たちが毎年11月に地方公務員災害補償基金(本部)に要請に行っておりますが、要請者が次第に減ってきているので、非常に悩んでおります。

 以上のような実態を踏まえまして、来年度のために、以下3点ほど要請したいと思います。1つは、調査の面ですけれども、教職員に限らず公務員の在職死亡の原因とか、死亡に至らしめる職場の状況、労働実態などを調査していただきたいということ。2つ目は被災したにもかかわらず、申請しないのはなぜなのか。ちょっとこれは調査方法が難しいと思いますけれども、何とか方法を検討していただいて調査をお願いしたいと思います。3つ目は、周知・啓発の点ですけれども、是非、過労死を防止するということを踏まえて、地方自治体にしっかりと啓発、指導、助言をしていただきたいということです。

 関係の皆さんのお陰で、このような白書もできたわけですから、盛り込まれた調査の結果を対策のほうに有効に生かして、過労死ゼロに向けて力を尽くしていただきたいと思います。私たちも頑張ります。どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 発言者の御希望が多いので、ごくごく簡潔にお願いします。

○森岡委員 非正規公務員が増えていて、地方自治体は3割あるいは、もっと多く、4割、5割と特別に多い自治体もあると承っておりますが、非正規の公務員の公務災害というのは、大変扱いが難しくて、慣例や条例によって違うと思いますが、現状ではほとんど救済の道がない。裁判で申し立てなければ、あるいは申し立てても適用されない事案も多々あると聞いています。

 そういう点で、正規の公務員だけに限定せずに、非正規の実態がどうなっているかを把握していただきたい。非正規公務員が増えて、問題がいろいろ広がっておりますので対象に入れて検討していただきたいと思います。

○岩村会長 ありがとうございます。総務省のほうで何か、先ほどの中野委員の御意見に関してありますでしょうか。

○総務省自治行政局公務員部安全厚生推進室安全厚生係長 御意見は持ち帰って、検討させていただきたいと思います。

○岩村会長 どうぞよろしくお願いいたします。輪島委員、お願いいたします。

○輪島委員 平成28年度版の過労死等防止対策白書が発表されたことは大変意義深いと私どもも考えております。関係各位に改めて敬意を表したいと思っているところです。そこで事務局のほうに質問ですが、資料1-17ページ目ですけれども、左側の1番の労災認定事案等の分析の平成27年度のデータベース構築についてです。1つは、このデータベースというものが公開されているのかどうか。どのようにすれば見ることができるのか、活用することができるのかということです。2つ目は、平成221月〜273月の認定事案ですが、今後は年度別に、毎年このようなデータベースを作っていくのかどうかをお伺いしたいと思います。

3点目は資料1-4ですが、大変興味深い分析で、このようなところをしっかりこれからも分析していただきたいと思います。特に27ページ以降の運輸業・郵便業の所の、先ほど御紹介があった28ページの表1で、来年早い時期の1月、2月に、どのような疾病対策が取れるのかとか、発症曜日が木曜日であるとか、こういう傾向が分かっているのであれば、防止の観点から何かできることがあるのかということも含めて、関係省庁と、まずやれることを実施することが大事なのではないかと考えております。何かその点の検討状況があれば教えていただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 では、事務局のほうで、お答えを頂ければと思いますが、いかがでしょうか。お願いいたします。

○労働衛生課長 最初に御質問いただいたデータベースについて、お答えします。資料1-17ページにあるように、かなり多量のデータをしっかりと精致なデータベースにするためには非常に手間が掛かるのですが、今、そのデータベースを確定するべく進めており、それに基づいて基礎集計を行っているという状況です。また、データベースの公開を前提にデータベースを集積する調査研究スキームではありませんので、自由に公開するということは、予定しておりません。

 ただ、もちろん解析に向けては、必要に応じていろいろな方々の御意見も伺いながら、例えば先ほどもありましたが、社会的な因子も踏まえた検討なども非常に重要な点かと思っております。

 それから、現時点で行っている労災認定事案のデータベースの構築と併せて、不支給のものに関してもデータベースの構築に取りかかっているという状況です。今後、平成27年度以降の事案に関してどうしていくのかは、これからの検討課題と考えております。

○岩村会長 あと、トラックなどについての対策の関係はいかがでしょうか。では、お願いします。

○総務課長 これも後ほどの議題で詳しく資料に基づいて説明しますが、白書にも、資料1-3でいうと115ページ等に掲載されておりますが、トラック輸送に関しては、長時間労働の背景にある取引慣行や重層下請構造等の産業政策的な観点、あるいはまた荷主との関係等の取引上の観点、様々な課題があるということで、関係省庁あるいは、本日お集まりの労使の皆様方にも御参画いただく中で、様々な協議の場なども設けております。そうした中で得られた知見のうち、有効と思われるものの周知を図っていくことなども含めて、今後、検討してまいりたいと考えております。

○岩村会長 ほかに大きな議題があるので、この議題については、今、中原委員と冨田委員までということで、お願いしたいと思います。それでは、なるべく簡潔にお願いいたします。

○中原委員 東京の過労死を考える家族の会の中原のり子と申します。資料1-216ページに、労働・社会面から見た過労死等の状況の所に、判定される過労死、ストレスが高いと判定される業種の割合で、1位が医療・福祉となっておりますが、残念ながら今回はトラック運転手さんのほうが優先されました。ですから、医療のほうが後からということになるかとは思うのですが、今年の春に青森県の医師が当直後に過労死したという事件がありました。今年の春に、その第一審判決で「当直はよく眠れるから過重労働ではない」ということで、労災としては認められなかったという事案があり、非常に驚いていました。その後、新潟市民病院の研修医の過労自殺という件もあり、やはり医療者の労働環境の改善ということは、本当に早急な重要な問題なのではないかと思っております。

 かねがね私が申し上げておりますのは、医師の当直の労働性を確立していただきたいということ。医療従事者の長時間労働が常態化しているのに、なぜ放置されているのかということを明確に対処していただきたいこと。医療機関に対して、労働基準監督署が指導するべきものであるし、医療機関もそれを遵守すべきところを当然のように遵守されていない現状をどのように改善対処されているのか。それから、23か月前に新聞報道でもありましたように、千葉県内では複数の病院で、医師の当直許可を得ていないのに勤務医が当直業務に当たっていたという実情があるわけです。こういうことの改善をきちっと国の取組として、早急にお願いしたい次第です。

 それから、私たちの家族会の中では、なかなか交替制勤務だと深夜労働の過重性ということが認められなくて、過重な負担ということがなかなか明らかにならない。こういった労働者の業務の過重性、身体的負担を明らかにしていただきたいこと。それから、やはり、22時間連続勤務で、通勤時災害、労災事故を起こしている青年もいるわけです。こういった長時間労働削減と名前だけは出ているのですが、その長時間労働の目安というのが、ちょっとよく見えてこないので、その辺りをお願いしたいことです。

 それから、昨年の暮れからストレスチェック制度が始まったということで、面接指導に当たる産業医に対しての労働量の負担が大きいのではないかということを懸念しております。様々な事柄がありますけれども、やはり私たちは労働基準法の遵守、それから強化ということを第1番目に希望しておりますので、是非これからの調査研究に対してもよろしくお願いいたします。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは、冨田委員どうぞ。

○冨田委員 この白書が刊行されたことにつきましては、これまでも様々な委員の皆様方から大変な意義深さについては述べられたところですので、繰り返しはいたしませんが、私ども労働者の代表としましても、働く者に広く周知・啓発に努めてまいりたいと改めて思った次第でございます。

 併せて、この白書の中では、長時間労働が様々な原因の起因となっていることも、非常に多く記載されていると改めて思っております。現在、様々な場で、例えば働き方改革実現会議をはじめ、本当に多くの場で長時間労働の是正についての論議がなされているわけですが、真に実効性ある対策となるよう、この過労死防止の観点からも、真に実効性のある対策の検討がなされますことをしっかりと、期待するとともに、事務局の皆様方にもお願いをしておきたいと思います。以上でございます。

○岩村会長 大変ありがとうございます。申し訳ありませんが、時間の都合もありますので、次の議題に移ります。2番目と3番目の議題を併せてといたします。2番目の議題が、「平成28年度における過労死等の防止のための対策の実施状況及び予定について」です。3番目が「過労死等の防止のための対策に係る平成28年度第2次補正予算及び平成29年度概算要求について」ということです。今年度に入って6か月が経過したところですが、この間、各行政機関におかれまして、平成28年度の取組が行われてきております。また、平成28年度の第2次補正予算及び平成29年度概算要求も現在行われている段階です。本日は、人事院、内閣人事局、総務省からも御出席をいただいておりますので、順次、御説明をいただきたいと思います。まず、厚生労働省、続いて人事院、内閣人事局、総務省という順に、議題2に係る平成28年度の実施状況について説明をいただきます。その後、厚生労働省からまとめた形で、議題3に係る平成28年度第2次補正予算及び平成29年度概算要求について説明をいただきます。その後、議題2及び議題3の御説明についての御質問、あるいは御意見を伺うという順序で、進めたいと思います。まず、厚生労働省からお願いします。

○企画官 資料2-1「過労死等の防止のための対策(厚生労働省における取組状況等)」に基づいて御説明いたします。

1ページは、平成28年度に取り組んでいる状況をまとめたものです。1つ目が、調査研究等です。先ほどの資料でも似たような表があったかと思いますが、こちらについては、その中身に平成28年度の実施状況を併せて盛り込んでいる表です。労災認定事案等の分析については、多発業種に関する詳細な解析を開始したところと、労災不支給事案のデータベースの構築を始めているところです。不支給事案については大体6,000件ほどあるということで、かなり多くの手間がかかることが予定されております。右側の疫学研究については、平成28年度、昨年は予備調査を実施しておりますので、今後、本調査を開始したり、また実験研究におきましても、今後、本実験を開始する予定をしております。

3ページは調査研究の2つ目です。先ほど労働時間などについて、労働・社会分野の調査結果を御報告しましたが、平成28年度についても、アンケート調査を予定しております。アンケート調査の対象は法人役員と自営業者、また多発業種としては、自動車運転従事者、外食産業、こういった所に対してアンケート調査を今後実施する予定としております。

45ページについては、ポスター、パンフレット、新聞広告、WEB広告、多様な媒体を使って御覧いただくようなデザインでの周知を、今後、11月の過労死等防止啓発月間を中心に実施していきます。

6ページ、労働安全衛生に関する優良企業公表制度を引き続き実施しております。安全衛生の分野であるメンタルヘルス対策や過重労働対策をやっている所も1つの基準になっております。一生懸命やっている所については認定をし、マークを使用することができる。企業名を公表して支援するといったことをしております。

7ページは学生の方、いわゆる大学・高等学校における労働条件の啓発ということで、引き続き講師派遣やセミナーの開催、都道府県労働局の幹部職員を講師として派遣を実施していると同時に、下のほうでは、過労死等防止対策について、労働条件に関する啓発事業を平成28年度に始めたところです。労働問題に詳しい有識者の方、また過労死の御遺族の方、こういった方を講師として派遣し、理解が深まるよう啓発を行うことを予定しております。

8ページ、11月は過労死等防止啓発月間ですが、過重労働解消キャンペーンを実施することにしております。労使の主体的な取組を促進したり、また労働局長によるベストプラクティス企業への職場訪問を予定しておりまして、長時間労働の削減に積極的な取組を行っている企業を訪問し、事例を報道等により紹介することを予定しております。また、重点監督を実施して、116日には全国一斉の無料相談ダイヤルを予定しております。

9ページは長時間労働削減のための対策をまとめたものです。労働基準監督機関における取組状況を16まで書いております。1つ目として、長時間労働が行われている事業場に対する監督指導の徹底ということで、以前は月残業100時間超でしたが、これを80時間超へ監督対象を拡大して指導していくといったものです。2つ目のキャンペーンについては先ほど申し上げたとおりです。3つ目の監督指導・捜査体制の強化ということで、過重労働撲滅特別対策班、通常「かとく」と言われておりますが、こういったものを設けて、東京、大阪労働局におきまして重点的に対応しております。東京かとくでは小売業が2つほど、大阪かとくでは飲食業2つと小売業1つ、併せて5つほど書類送検を実施した実績があります。4つ目の企業名公表制度では、社会的影響力の大きい企業が違法な長時間労働を複数の事業場で行っている場合に、企業名を公表しております。本年5月に、小売店の棚卸請負業を公表した実績があります。

 また、電話相談体制の「労働条件相談ほっとライン」を設置しており、インターネットによって「違法の疑いのある事業場情報」を監視する取組をしております。

10ページ、過重労働の関係ですが、上半分がセミナーの実施、下半分がポータルサイトを設置して、情報発信を引き続き行っております。11ページは「企業への働きかけの一層の推進」というタイトルです。これも引き続き行っているものですが、本省と都道府県労働局が、それぞれで全国的なリーディングカンパニーや地域のリーディングカンパニーへ訪問して、直接要請するという取組を行っております。その取組によりまして、先進的な事例を把握して、それを情報発信していくことで応援するということです。

12ページは、年次有給休暇の関係です。10月を年次有給休暇取得促進期間としております。次年度の年休の計画作りがなされる時期ということで、この時期に集中的に周知啓発をし、また地方自治体と協働して、その地域独自の休暇取得促進の気運を醸成するという取組も行っております。

13ページはメンタルヘルスケアの関係です。右半分に都道府県労働局や、また「産業保健総合支援センター」による取組の実績を書いております。その他の対策として、「こころの耳」ポータルサイト、「こころほっとライン」、こういったものの実績を記載しております。

14ページは、先ほどもお話がありましたが、ストレスチェック制度に係る国の取組を記載したものです。都道府県労働局や労働基準監督署による周知、又はポータルサイトを活用した情報の提供のほかにも、産業保健総合支援センターにおきまして、事業者へのセミナーや産業保健スタッフへの研修会等の実施をしております。専門家の企業訪問、また相談の対応を行っております。独立行政法人労働者健康安全機構に、「ストレスチェック制度サポートダイヤル」を設置したり、「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」を公開しております。

15ページはパワーハラスメントの関係です。広く国民への周知・広報を実施するとともに、ツールとなる「パワーハラスメント対策導入マニュアル」を今年の7月に第2版ということで、相談対応の方法などを盛り込んで公開しております。

16ページ、商慣行・勤務環境等を踏まえた取組ということで、このページはトラック輸送の関係です。なかなか事業者と労働者だけでは労働時間の改善ができないということで、協議会を設置して荷主さんや行政も一緒になって検討し、平成27年度から継続的に実施しております。下半分に工程表がありますが、パイロット事業を実施し、最終的にはガイドラインの策定、普及を目指して、逐次、協議会を開催している状況です。

17ページは新しいもので、情報通信技術者の労働条件向上のための取組です。事業者団体と連携し、検討会を開催して、IT業界で働く方の長時間労働を削減するという取組です。検討委員会については、事業者団体、学識経験者、経営者団体、労働組合、関係省庁も参加して、今年の9月に第1回を開催しており、今年度は10月、2月ごろにまた開催予定です。

 企業に対してセミナーを開催し、また個別訪問やアンケートを通じて業界の実態調査を行い、調査・分析を行います。また幅広く周知・広報を実施する予定です。

18ページは医療従事者の勤務環境改善のための取組です。労働基準局だけではなく、医療関係の担当部局とも連携しながら実施しております。長時間労働など厳しい勤務環境にある医療従事者に対して、勤務環境の改善に向けた主体的な取組に対する支援を充実する対策を行っているところです。

 四角囲みの中に14まで書いてありますが、相談支援の実施ということで、各都道府県の「医療勤務環境改善支援センター」へ医療分野アドバイザーを配置して、取組に対する支援を実施したり、また勤務環境改善に向けた調査研究を実施し、勤務環境改善マネジメントシステム(PDCAサイクルで回して取組を行う仕組み)で検証し、雇用の質のデータベースサイトを通じて、好事例などを発信していく取組を行っております。

19ページは、仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会を紹介するものです。「ニッポン一億総活躍プラン」を受けて、時間外労働の実態等の議論を行うことを目的として、検討会を立ち上げて、99日に第1回を開催しております。36協定上の延長時間と実際の時間外労働実績などの実態把握、諸外国との比較、健康で仕事と生活の調和が取れた働き方を実現するための方策を検討するものです。参集者については御覧のとおりです。

20ページは、相談体制の整備等ということで、労働条件に関する相談窓口の設置について書いております。平日や昼間に、なかなか労働基準監督署等に御相談ができないような方にも、相談していただけるように、平日夜間・土日に、労働条件に関する電話相談を受け付けております。下半分の過重労働解消相談ダイヤルは、先ほど申しましたキャンペーン期間中に実施する116日の無料相談ダイヤルです。

21ページは相談体制のうちのメンタルヘルス不調や過重労働の関係の相談窓口です。1つ目は、「こころの耳」ポータルサイトで、メール相談を受ける窓口を設置しております。産業カウンセラー等の専門家に対応していただくということです。電話相談窓口として「こころほっとライン」を、月・火の夜と、土日に対応しております。こちらについては、10月から「こころの耳電話相談」と名称が変更されております。

22ページは、産業医など相談に応じる方に対する研修等の支援ということです。産業保健総合支援センターの業務を紹介しております。産業保健関係者からの専門的な相談対応や、産業保健スタッフへの研修、事業者・労働者などへの啓発セミナー、個別訪問支援、こういったものを実施しているという紹介です。

23ページが民間団体の活動に対する支援で、過労死等防止対策推進シンポジウムのことを記載しております。本年は42都道府県で、43回シンポジウムを実施するということで、それぞれの開催予定を記載しております。42都道府県それぞれで予定が決まっております。

24ページの右下、「過労死遺児交流会」を本年度から始めております。過労死で親を亡くされた遺児の方をお招きして交流会を実施するということで、今年度については12月下旬の開催に向け準備を進めております。厚生労働省関係については以上です。

○岩村会長 続きまして、人事院からお願いいたします。

○人事院職員福祉局職員福祉課長 人事院職員福祉局です。私どもは国家公務員の過労死等防止について、内閣人事局と連携して取り組んでいるところです。資料2-2に基づいて御説明いたします。

 私どもの取組は大きく分けて3つの柱があります。1つ目として、一次予防ということで、心の健康づくりに係る意識啓発、相談体制の運営等の整理。2つ目としては、長時間労働の是正。3つ目として、過労死等事案の調査研究です。

1つ目の研修、周知等の啓発については、本年度、特にストレスチェックの実施、過労死対策について、これまで行っていた研修において、その部分を追加してきたところです。一例を申し上げますと、3つ目のポツですが、e-ラーニングの自習用教材の作成・配付です。このe-ラーニング自体は、平成26年度から一次予防対策として、各府省の集合研修に参加できない繁忙部署や、地方官制の職員も広く受講できるように、各府省のイントラネットに掲載して、御本人が時間があるときに、いつでも受講可能な形にしているものです。こちらについては平成27年度に改訂して、ストレスチェック制度の説明、過労死やハラスメントの防止の取組内容を盛り込んでおります。

 周知の所の「ガイドブックの作成・配付」については2種類作っております。1つが管理監督者用、もう1つが職員用です。平成28年度版については、この内容について、これら上記で申し上げたようなストレスチェックの説明、あるいは過労死、ハラスメント防止の取組内容等を追加したところで、いろいろな制度についての利用を呼びかけたところです。併せて、こちらには間に合わず追加しておりませんが、パワーハラスメントの防止については、従来から「注意すべき言動例」ということで、ガイドブック等を配付しております。127日に有識者によるパワーハラスメントの防止に関するシンポジウムを予定しております。こちらも広く、各府省に呼びかけているところです。

 相談体制については、従来より私どもの本院及び地方事務局の全国10か所で実施しております。

右上の部分の「勤務時間・休暇制度の運営」については、長時間労働の是正についてです。従来から、国家公務員については、年間で360時間、国会等の他律的な業務がある部分については、年間720時間という上限の目安を設けて、各府省に遵守を呼びかけているところですが、併せて、やむを得ず月80時間の超過勤務となる場合については、本人の申出による各府省の健康管理医の面談を受けるようにという通知を出しています。私どもは毎年夏に人事院勧告という形で、国会・内閣に勧告・報告を行っておりますが、本年88日に行った勧告時報告におきましても、特に長時間労働の是正、やむを得ず長時間労働になる場合については健康管理の必要性に言及したところです。

3つ目は、過労死等事案の分析ということで、現在、勤務時間等業務の過重性の負荷要因となる項目のデータベース化に着手しており、有識者から意見聴取を行っているところです。以上です。

○岩村会長 続きまして、内閣人事局からお願いいたします。

○内閣官房内閣人事局内閣参事官 それでは、内閣人事局から説明させていただきます。私どもは国家公務員への対策として、人事院と連携して進めております。啓発、相談体制の整備の観点から2つ、資料1枚に基づいて御説明させていただきます。

2つの柱としては、1つ目はワークライフバランスの推進、2つ目は心身の健康の保持増進です。1つ目のワークライフバランスの推進の観点からは、まず超過勤務の縮減、年次休暇の計画的取得の促進が重要ということになります。管理監督者の意識と管理の在り方の改革をしていかなければいけないという観点から、2つ目の女性活躍・ワークライフバランス推進マネジメントセミナーを行っております。これは本府省庁又は全国各地方の6ブロックで行っています。具体的には本府省におきましては時間的制約のある部下を持つ管理職等、全国各地方におきましては、各管区、地方管区の部長クラスないしは人事担当課長に受講していただいて、その各部局内の取組をリードしていただこうというものです。内容としては、管理職として求められる行動や役割について講義を聴くほかに、事例に基づく少人数討議などを行っております。

1つ目に戻りますが、ワークライフバランス推進強化月間を78月に実施しました。右側の「ゆう活」のポスターを配付しております。こういった「ゆう活」などに取り組む中で超過勤務を減らし、管理職、職員、職場の意識の変化を進めていこうという取組です。具体的に退庁時間がどれぐらい早まったのかという点では、20時までの全職員の退庁割合は、やはり月間の実施前よりは実施中のほうが割合は高まり、早く帰る人は多くなったという結果にはなっております。

 裏面の心身の健康の保持増進という観点からは、「国家公務員健康増進等基本計画」については、平成3年の内閣総理大臣決定を5年ごとに改訂しているものです。これによって、管理職員等による健康マネジメントを推進しようというものです。

 具体的な取組としては4つの例を挙げております。管理監督者のためのメンタルヘルスセミナーと、各府省等カウンセラー講習会、これは各府省庁において職員の相談に応じるカウンセラーの能力・向上を図ろうというものです。また、e-ラーニングは、講義やディスカッションといったものに参加しにくいという実情もありますので、そういった参加できない人でも、e-ラーニングを用いてメンタルヘルス講習やハラスメント防止講習を受けてもらおうというもので、これはどちらも所要時間は90分ぐらいです。管理、監督する立場に新たに就かれる方、具体的には今年からは14,000人程度を対象に行っておりますが、これを受けていただくというものです。

 また、生活習慣病対策等の推進というものもありまして、健康診断で二次健診、要医療の対象となった方に確実に受診していただく、対象者本人、又はその上司の管理、監督者を各府省において指導していただくものです。以上です。

○岩村会長 それでは、総務省からお願いいたします。

○総務省自治行政局公務員部安全厚生推進室安全厚生係長 総務省では、今年度から過労死等事案の分析を行うために、昨年度、予算要求を行い、今年度の所要額を確保しましたので、今年度から過労死等事案の分析に係る調査を行おうとしているところです。丸っきり新規なものですので、正直な話、仕様を決めるのも非常に大変だったのですが、そこは厚生労働省労働基準局の御協力を頂きながら、無事に仕様を固めて、今、入札の手続を行っているということで、まず、平成28年度内に1つの調査を終わらせて、平成29年度も引き続き調査を行っていきたいと思っているところです。以上です。

○岩村会長 それでは、次に議題3の関連ということで、厚生労働省から「平成28年度第二次補正予算及び平成29年度概算要求について」の説明を頂きたいと思います。

○企画官 資料につきましては資料3-13-2で、御説明申し上げます。まず資料3-1ですが、本年度(平成28年度)第二次補正予算で認められたものです。長時間労働の是正に向けた勤務間インターバルを導入する企業への支援という中身で、2つございます。上のほうですが、インターバル制度普及のための広報事業ということで、約3,400万円を認めていただいております。中身については、インターバル制度の導入事例を収集して事例集を作成し配布すること。また、ポスターや新聞広告等で広報を実施し、全国3ブロックでセミナーを開催することを予定しております。

 また、制度要求として、職場意識改善助成金に勤務間インターバル導入コース(仮称)を新たに設けることが決まっております。助成金ですが、勤務間インターバルを導入する中小企業事業主に対して助成するということで、導入にあたり、就業規則等の作成・変更費用、研修費用、労務管理用機器等の導入・更新費用等が助成対象となり、費用の4分の3、上限50万まで助成するコースが新たにできるといったことです。

 続きまして資料3-2です。過労死等防止対策の推進ということで、平成29年度の概算要求の中身をまとめた資料です。過労死等防止対策の推進として、調査研究等、啓発、相談体制の整備等、民間団体への支援という4つの柱に分け、それぞれ関係する施策を盛り込み、資料の形にしたものです。それぞれの項目は、先ほど御説明申し上げました対策の中に書いてあるものが多くあり、その予算の裏付けと御理解いただければと思います。平成29年度の要求額は、上のほうに書いてありますように835,000万で、括弧内が昨年のもので約9億円の増ということになっております。

 調査研究等の4つの柱それぞれに、要求額と昨年度の金額を並べて増減が分かるような仕組みにしております。例えば、調査研究等で見ますと、1つ目の○の過労死等事案の分析の1つ目の▲は、労災事案等行政の保有する情報の調査研究、これは過労死事案の分析といったことになりますし、3つ目の○の過労死等の労働・社会分野の調査・分析で、特定の業種について企業調査と労働者調査というのは、先ほど御説明申し上げました労働・社会面の調査研究といったものに該当するものです。

2つ目の啓発につきましては、国民に向けた周知・啓発はポスター、リーフレット等の多様な媒体を利用した周知・啓発ということで、先ほどポスターのハート形の図柄を見ていただきましたが、平成29年度も引き続き要求するというものです。大学・高等学校等における労働条件に関する啓発の実施の3つ目の▲では、中学生・高校生に対する過労死等の労働問題や労働条件の改善等の啓発のための講師派遣ということで、こちらも先ほど申し上げましたが、過労死の啓発のために遺族の会の方に講師になってもらうという新しい事業です。裏面の○ですが、それぞれ過重労働対策、「働き方」の見直しに向けた対策等々ありますが、中身につきましては御覧いただくとおりです。

 相談体制の整備です。これも御説明申し上げました「労働条件相談ほっとライン」とか、「こころほっとライン」等の予算上の要求になります。

 民間団体の支援では、シンポジウムの開催とシンポジウム以外の活動に対する支援を盛り込んでいます。シンポジウムにつきましては、平成29年度は全ての都道府県で開催するという要求をしております。引き続き、過労死遺児等を対象とした交流会の開催も要求しているところです。簡単ですが、以上でございます。

○岩村会長 ただいま議題2、及び議題3につきまして、関係各省庁も含めて御説明をいただいたところですが、御質問あるいは御意見がありましたら、お願いをしたいと思います。では、まず森岡委員どうぞ。

○森岡委員 過労死等の防止のための対策、資料2-18ページです。ここに、「過重労働解消キャンペーン」における重点監督等の実施という項目があって。真ん中に、時間外・休日労働時間数が1か月80時間、また、平成284月以降、100時間超という数字が挙がっています。9ページにも、平成284月から、月残業100時間超から80時間超へ監督対象を拡大すると書かれていますが、これは過労死ラインと言われる、ここでは過労死認定基準を超えるという表現がされていますが、非常に長時間の時間外労働の枠を前提にしています。ですが、他方で健康障害の発生やリスクという点では、時間外45時間/月を超えると徐々に高くなるとされており、また、延長の限度に関する指導基準でも、月45時間という数字が挙がっています。45時間以上とするならば、それなりの妥当性が見てとれますが、80時間以上となると、過労死を生むような労働時間に近い、すれすれのところまでよろしいということになりかねないわけであり、過重労働削減という点では、望ましくは週45時間以内にするよう、行政指導を強めることにしてはどうかと思います。

 それから資料3-1に、勤務間インターバルというのが挙がっています。これは、現行のインターバル協定みたいなものが企業に僅かですがあります。昨年行われた社会面の調査で、ほぼ2%、50社に1社がこういう協定を導入している。ですが、その導入内容を見ますと、5時間以下が8%近くあって、過半数の51.4%は11時間以下なのです。御承知のように、EUの場合は労働時間指令で、前日の勤務から翌日の勤務まで最低連続11時間以上の休息を義務付けています。企業内はよほど労働組合が強いか、労働時間に対する規制力を持っていない限り、労使協定による規制力というのは非常に弱いということは、既に36協定のこれまでの実例でたくさん挙がっています。その点で、そもそもの制度設計上の問題点があるのですが、いずれにせよ、その目安としての時間を幾らに設定しているのか。例えば5時間でもよいのか、11時間以上でないといけないのか、それを示されていないのですが、これまでその辺はどう考えられてきたのか。他の検討会のことと重なるのかもしれませんが、もし説明いただけるなら、ここで45時間と、併せて御説明いただけるとありがたいと思います。以上です。

○岩村会長 では御質問なので、今の時点で事務局のほうでお答えいただけますか。

○総務課長 森岡委員から2点御質問をいただきました。まず、初めの重点監督の対象についてです。この重点監督、具体的には違法な長時間労働が疑われる事業場に全て監督官が入るというものですが、監督の対象といたしましては限られた行政資源の中で、どうやって効率的重点的にやっていくのかということとの兼ね合いもございます。一方で、長時間労働の抑制は必要だということで、ニッポン一億総活躍プランの中で、求められた内容も踏まえ、100時間超から80時間超へ監督対象を拡大しているということです。

 森岡委員からは、それではなくて、さらに45時間超に広げてはどうかということでございますが、現在も行政指導の中では、例えば専用指導文書等を用いた指導の中で、できるだけ労使で仕事のやり方の見直し等を進めていただいて45時間まで減らしていただくことも含めて指導しているところですが、悉皆的に行くという対象につきましては、行政的な対応能力との兼ね合いで、月80時間超となっていることも御理解いただければと考えております。

 それから2点目のインターバル関係の、今度新設をする方向で検討している助成金の要件の関係でございます。これに関しましては、先ほど森岡委員からも、ほかの所でもいろいろ検討する場があるのかもしれないがというお話もございました。他の審議会等も含めまして、実際に実態をよく御存じの労使の皆様方と意見交換をしながら詰めていきたいというふうに考えています。現時点で、何時間ということが助成の要件であることを既に決定しているということではございません。また今後、各方面のお声をよく伺いながら、しっかりとしたものを決めていきたいと、このように考えております。以上です。

○岩村会長 それでは、中村委員そして村上委員、お願いします。

○中村委員 中高生に対する過労死等の啓発は概算要求の中で説明され、それはもちろん大切でございますが、一方で教職員の過重労働が昨今、問題視されております。通常の授業に加えまして、クラブ活動や過剰なストレスを受ける対応をすることなどから、長時間労働となっていると聞いております。教職員のメンタル不調が増加しているということで、その部分の対策の強化をお願いしたいと思っております。

 また、待機児童の解消や介護離職の防止などが昨今、取り沙汰されておりますが、保育職場や、介護職場などで働く人たちの過重労働が懸念されております。利用者の方への対応など、感情労働と呼ばれる、ストレスが高い職場への対応も含めて、よろしくお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは村上委員、どうぞ。

○村上委員 資料2-1の過労死等の防止のための対策に関連して、2点申し上げたいと思います。

1点目はトラックドライバーの問題です。先ほど資料1-4でも、ドライバーの方の過労死事案についての分析がありました。過労死の事案の中で、ドライバーの方々、運輸業がとても多いということであるとか、こんな長い拘束時間なのかと唖然とするような時間だったのですが、そのような実態についてこの場だけではなく、国土交通省、厚生労働省で共管している「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」においても是非、共有していただきたいと思います。それでなければ、なかなか対策は進んでいかないのではないかと考えております。

 また、長時間労働是正の問題については様々な会議体で議論されておりますし、先ほど厚生労働省の中での検討会の御紹介もありましたが、その中でも労働時間は36協定の延長時間の長さの問題だけではなく、限度基準告示の適用除外業務のあり方についても是非、御検討いただきたいと思っています。私どもとしては、今の限度基準告示適用除外業務について、なぜ適用除外になっているのかということ自体疑問であり、今日的に見れば、もう外していくべきではないかと考えております。特にトラック運転手や建設業については外していくべきだと考えておりますので、是非その点も御検討いただきたいと思います。

 それから2点目は、メンタルヘルスの問題ですが、先ほども精神疾患の過労自殺などの事案の分析がございました。そこで見ると、やはり業務量だけではなくて、対人関係が大変大きな要因になっていることが分かるのではないかと思います。冒頭から言及のあった24歳の女性の過労自殺の問題についても、労働時間だけではなくて、やはり対人関係と、パワーハラスメントの問題も大きな要因だったのではないかと、報道などで見ている限りですけれども、そのような印象を受けております。厚生労働省の中では、あかるい職場応援団ですとか、様々な対策を取られていることは重々承知しているのですが、それだけで職場が変わるのかと言えば、まだまだ変わらないのではないか。先ほど川人委員からもございましたけれども、やはり職場を変えていくためにはどうしていけばいいのかということに、もう少し真剣に向き合わなくてはいけない時期なのではないかと考えております。是非、パワーハラスメントについても、法的規制について一歩踏み込んだことを考えていくべきだと考えておりますので、意見として申し上げておきます。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは岩城委員、どうぞ。

○岩城委員 私から3点申し上げたいと思います。1つは、資料2-117ページに、情報通信技術者の労働条件を向上させる取組が今年度から始まるということが書かれております。こういう分野別に具体的な課題を整理して対策を講じていくということは大変重要な取組だと思うわけですけれども、少しだけ気になるのは、この検討委員会の設置という中に、被災者や遺族が入っていないということであります。特に、ITの関係などは現場の労働というのが非常に厳しいものがあるという中で、たくさんの精神疾患や過労死が起こっているわけですけれども、そういった経験者や、そこの業界で働いている特に若い人の参加が非常に重要ではないかということを提起したいと思います。

2つ目が、私は過労死防止全国センターの事務局長をしておりますので、このシンポジウムの関係と高校での啓発事業の関係について、問題提起をしたいと思います。

まずシンポジウムにつきましては、先ほども報告がありましたように、去年は29か所で、国が主催のシンポジウムが行われましたが、東京は今年2回ということで、それも含めて全国43か所で行われるということになっております。去年は3,000人以上の方が延べで参加されたということで、大変貴重な場になっていると思います。それが今年は非常に増えまして、例えば大阪では既に400人を超える申込があると聞いております。しかも、企業の関係者の申込が非常に多いと聞いておりまして、啓発の上で非常に重要な役割を果たしていると思います。特に、2年目、3年目となってきますと、どういったことをやるのかについて、悩ましいこともあるわけですが。例えば、過労死をテーマにした落語が今年は5か所で行われるということになっており、そういったある程度文化的といいますか、皆で過労死問題について考えられる企画を進めていきたいと思っております。それから使用者団体、労働団体の皆さんの御協力も大変貴重だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 最後に、高校での教育啓発事業への派遣の問題で、今回であれば資料2-17ページに取組のことが書かれております。今年度から始まるということで、全国140か所の学校を目標に、高校を中心として講師を派遣するということなのですけれども、特に、高校での過労死防止の教育というのは大変重要だと思います。1つは社会人となる直前の段階ということで、既に18歳になると選挙権もあり、主権者となるわけです。高校を出て働く人もありますし、大学へ行ってもアルバイトをしたり、それからすぐにも就職活動が始まって就職もしていく中で、高校時代に過労死の問題やワークルールについて学ぶことは大変貴重だというふうに思います。それから、また高校生の場合は親が働く中心の世代であり、家庭で話し合う材料にもなるのではないかということで、大きな期待をしております。ただ、全国の高校で弁護士を中心とした学識経験者、それから過労死の方の遺族が直接行って講義をするということは、実は大変なことです。遺族の方はそんなに何百人も中心的に活動している方がおられるわけではありませんし、弁護士も仕事をしながらということになりますので、その辺りは格段の御配慮もいただきたいと思うわけです。我々としては長年こういったことが必要だということで言ってきた側ですので、全面的に協力をしていきたいというふうに思います。

 一点お願いをしたいのは、今幾つか始まっているのですけれども、私学が多いのですね。私学のほうが始めやすいとかいう面があるのですけれども、公立高校などの場合、やはり教育委員会の指導といいますか、姿勢というのが相当大きな影響を与えるのではないかと思います。申入れに行っても、「それは何ですか」というところから始まりますので、今年は初年度ですけれども、是非、教育委員会に文部科学省のルートで、そういった御指導をお願いしたいと思います。

 それから教師への啓発をどうするのかという問題もあります。聞くところでは、教師の方自身が過重労働しているというのもあります。労働法や過重労働についての知識がほとんどないということで、進路指導などでもほとんど労働法についての知識を子どもらに教えることができないという実情もあります。その辺のこともこれから考えていってほしいなと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは西垣委員、それから寺西委員というところでお願いをいたします。

○西垣委員 ありがとうございます。西垣です。IT業界についての研究といいますか、していただくことは以前から私の望みでありましたので有り難く、しっかりした研究をしていただきたいと思っております。この白書においても、やはり80時間超えと回答した企業の割合がIT業界では4割を超えていると、これは異常だと思うのです。息子の会社は中堅企業でありましたが、やはり100時間超えるのが当たり前の企業でありました。今は改善しつつあるというふうにお聞きしていますが、中小企業におきましては100時間超えは今でも当たり前と言われるのが現状ではないかと思っております。

 さらに、新しくできた職種であるために労務管理というのが全くなされていない。息子の会社はタイムカードはあったのに、100時間を超えていても何も対処はしていない、危険も感じていないという会社でした。ですから、せっかくの研究でありますので、是非この研究を実のあるものにしていただきたい。それにはスタートが大事だと思うのです。既に一回目のスタートを切っておられるということですが、何が問題なのかということを捉えてからスタートされませんと、一所懸命研究して予算は使ったが、まあまあのものにしかできなかったというのでは、システムエンジニアの命を救うことはできないと思っております。是非、SEとして働いていた当事者ないしは遺族、いわゆる被災当事者をこの研究の中に加えていただきたい。これを強く要望いたします。

 さらに、今2点目で岩城先生がおっしゃった、高校等への啓発事業の件ですが、やはり私も高校教師でしたが、教育委員会からいろいろな書類が降りてきて、それに関して学校で行事を行うと。大枠では教育委員会の枠の中でこういう取組を行うとか、うちの学校では何をどうするのかというふうに教師は考えます。指導計画も立ててまいります。そこに善意で遺族と弁護士が、過労死啓発教育をやりたいと、特別の学校では行っていただけます。実は、受け入れていただける所で何校か最近実施してまいりました。でも大枠では、やはり過労死教育を進めるというのは、教育委員会からの通達が必要となります。

 実は、そのこともありまして、先日、厚生労働省からも来ていただきまして、兵庫県の教育委員会の高校教育課にお願いに行きました。そうしましたら、少し説明させていただいただけで、良いだろうと、校長会に必要書類を降ろそうというふうに、先週1022日の校長会に資料配布していただきました。それは全県下の公立高校に配布されるわけです。そうすると、それを見て進路指導部等が、あっ、こういうことが行われているし、自分の学校でも取り組まないといけないなという意識をまず持っていただけると思います。是非そういう意味では文部科学省に、この過労死防止法に基づく啓発事業への協力を行っていただきたいのです。願わくば、この協議会に文部科学省も御参加いただきたい。それを要望いたします。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。それでは寺西委員どうぞ。

○寺西委員 家族の会の寺西です。ありがとうございます。私のほうからは、資料2-19ページの4.企業名公表制度の創設という所ですが、現状は1件、企業名が公表されたと伺っております。ただ、その公表にあたっては、一定の期間に全国3か所で、過労死を発生させたというような大変ハードルの高い内容になっていると受けとめていますが、それではせっかくの、この企業名公表制度が余り意味をなさないのではないかと思うわけです。

 私自身、2009年にこの過労死を出した企業名を公表してくださいという問題提起を大阪の地裁にいたしました。地裁では、国民主権の下という視点で勝訴はいたしましたが、残念ながら高裁、最高裁は敗訴という結果に終わりました。特に、先ほど川人先生のご発言にもありましたように、91年に最高裁判決が出て、大きな形で全国的に広まり、またさらに3年前に被災者を出し、そして昨年も、今話題になっている24歳の有望な娘さんが過労自死され、ここ何年も社会問題化されてからも被災者を次々と出しています。そういう所については企業名を公表して、国の指導だけではなくて、社会全体で監視できる仕組みが必要だと、改めて遺族として思うわけです。なぜなら、こういう被災者一人が出ると、職場全体がいつ倒れてもおかしくない、そういう職場であるからです。そういうことを働く人と、社会全体で考え、そして情報を共有する、ここに公表する意味があると思っているのです。

 私たち遺族は大切な家族を失くして、そして生きているうちに救いたかった、死なないために、どうすればいいのかが、私たちの教訓であります。正に、この過労死防止法は過労死を防ぐ観点から考えますと、亡くなる前に職場改善して、誰もが亡くならない職場環境を作っていくべきと望むところですので、過労死を繰り返さないためにも、悪質な企業は公表すること、過労死を防ぐ観点に即した対策で取り組んでいただきたいと思っていますので、是非この要件については見直しをしていただきたいと思っている次第です。

○岩村会長 ありがとうございます。では川人委員、どうぞ。

○川人委員 取引のあり方や商慣習の問題について、一言申し上げたいのです。やはり公共工事の関連の過労死が頻発している。例えば、今年も都内の労働基準監督署で労災認定された事案で言いますと、下水道工事の公共工事で、発注側のとても厳しい状況の中で長時間労働の末に亡くなったというケースがあります。やはり公共工事を発注するのは、多くの場合は国あるいは地方自治体なわけです。こういった所が無理な発注をしていないのか、現場の働く人たちの健康を損うような、そういう仕事の出し方をしていないのかということは、とても重要な課題で、問題です。是非この業界慣習の中には公共工事という問題も含めて、取組をしていただきたいし、調査研究もしていただきたい。

 更に、労災認定のデータ分析に当たっては、公共工事が絡んでいる事案がどのぐらいあるのか。是非そういった問題もデータとして収集をして、分析をしていただきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。そうしましたら、今までのところについて事務局のほうでまとめてお答えをいただきたいと思います。

○総務課長 それでは、多数の委員から多数の御意見を頂戴しましたので、特に重ねての御意見あるいは強い御意見を頂戴したところを中心に御回答を差し上げたいと思います。

 まず中村委員、岩城委員、西垣委員から、文部科学行政との関係について、様々な観点からの御指摘をいただきました。今年の白書を見ていただいても、大変多くの内容を文部科学省の方々にも御参画、執筆いただいていることは御確認いただけるのではないかと思います。そういう意味では、過労死等防止対策推進法ができて、教員の問題につきましてもかねてこの協議会の場でも様々な御意見を頂戴してきました。そうしたものが文部科学行政でも一定の御理解をいただきながら、こうした形で結実しているということはまず御理解をいただければと思っております。

 その上で、取り分け岩城委員、西垣委員からのお話にございましたが、高等学校等への過労死等の当事者の皆様方、本日お集まりの委員を講師として派遣し、お話しいただく御苦労をいただいているわけでございますが、その関係などにつきましては、先ほど西垣委員から大変懇切な御紹介もございましたように、まず初年度ということで、その事業のアウトラインを固めますとともに、進め方についての御示唆もいただきましたので、個別の教育委員会への働きかけに関しましては私どもで直接できる所についてはそのように取り組んでおります。お求めとしてはできるだけそうしたものについて広く教育行政全体の中で御理解いただいて、通達なり、通知なりといったようなものを出していただくことができるかどうかという問題関心であるというふうに思います。少し持ち帰らせていただきたいと思います。実は、今日はメインテーブルには公務員制度所管庁の皆様に座っていただいています。別途、傍聴には文部科学省の職員の皆様にも来ていただいておりますので、この状況とか、問題意識を共有しながら、今後の取組を進めていくことができればというふうに思っております。

 それから資料の17ページの情報通信技術者の労働条件を向上させる取組に関しまして、これも岩城委員や西垣委員から御意見を頂戴したところです。問題意識ですが、重層下請構造の問題や、特に、西垣委員からもありましたプロジェクトマネージャーレベルでの管理能力が、マネジメントという点でどうなのかという点が、これらの方々は非常に多忙であるというような業界実態と相まって、多くの御指摘のあるところであると思います。

 また、商慣行あるいは取引との関係で言うと、公的な発注も含めて、曖昧な仕様で発注するとか、頻繁な変更とか、納期の繰上げとかということが、重層下請け構造の中で、取り分け、仕事が厳しい条件の方に負担が寄ってくる問題を、業界団体の皆様も、それから経済産業省の皆さんも共有していただいております。したがって、協議会にはこれらの皆様に参画していただいております。こうした枠組を出発点として、まずは実態の把握が重要だというところは、おっしゃるとおりだと思います。

 協議会の進め方としては、アンケート等を通じ、まず広く投網を掛けるような形で調査研究しながら、次第に問題の所在を明らかにし、より深掘りのことを、とても1年では結論が出る問題ではないと思いますので、継続的にやっていく必要性があると思っております。また、この協議会には労働団体の代表の方にも御参画いただいております。そういった意味では、働く側の声も届いているのだと思いますが、さらに個別の参画の点などについては、いろいろな所との連携でやっている中どのようなやり方ができるのか、少し持ち帰らせていただきたいと思っております。

 また、村上委員から、トラックの取引環境・労働時間改善協議会に、白書の成果をきちんと持ち帰るようにという御指摘もいただきました。一緒に事務局をやっています国土交通省とも相談をしながら、今後の協議会の運営の中でこの業界の過重労働問題の実情等について、どのように今後の御議論に反映していただけるかを調整させていただきたいと思います。

 また村上委員からは、厚生労働省でスタートしております19ページの「時間外労働規制に関する検討会」については、適用除外の問題も重要な論点であると御指摘をいただいております。既に3回会議を開いており、各委員のプレゼンテーション等も進んでおりますが、この適用除外のあり方に関しましては、1つの重要な論点であるという共通認識になっておりますので、今後こうした点も含めて議論を深めていくことができればというふうに考えております。

 それから寺西委員から、企業名公表制度の話、9ページの4.のところについて御意見をいただいたところです。司法処分したもの、書類送検したものに関しましては、まず公表しているということが労働基準行政の運用の大枠としてあることは御理解いただきたいと思います。重大悪質事案で司法処分したものについては、公表しているということでございます。

 その上で、ここでいう企業名公表制度は、それに至らない、具体的には是正勧告した中でも、取り分け社会的な影響のあるようなもの、具体的には、違法なことが複数の事業場で行われている場合に、さらに踏み込んで公表を始めたということです。これは行政指導して、なるべく適法な、より良い条件にしていただいて、それを改善し定着させるということの監督行政のやり方の本旨と、この公表によって社会的な訴えかけをするということのバランスの中で考えるべき問題かというふうに思います。ただ、この場で、家族の会代表の寺西委員から、そうした重い御指摘のあったことについては重く受けとめさせていただくことができればと思います。

他の点につきましても大変重要な御指摘をいただきましたので、今後の行政運営において、深く心にとどめて、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

○岩村会長 ほかにもいろいろ、あるいは御意見、御質問があるかと思いますけれども、既に予定してきた時間に到達しておりますので、今日のところはこの辺りで終了させていただければと思います。本日は委員の皆様から大変活発な御意見などをいただき、誠にありがとうございました。関係機関におかれましては、今日委員の皆様からお出しいただいた御意見等を踏まえて、今後対策をしっかり行っていただきたいというふうに存じます。

 最後になりますけれども、次回の日程につきまして事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○企画官 次回につきましては年明け以降になるかと思いますが、日程等につきましては、また追って調整の上、御連絡差し上げたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○岩村会長 それでは、第7回過労死等防止対策推進協議会はここで閉会とさせていただきたいと思います。今日は皆様お忙しい中、大変熱心に御議論いただきまして誠にありがとうございました。

 


(了)

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