ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 障害保健福祉部が実施する検討会等 > 公認心理師カリキュラム等検討会 > 第1回公認心理師カリキュラム等検討会議事録(2016年9月20日)




2016年9月20日 第1回公認心理師カリキュラム等検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年9月20日(火)10:00〜12:00


○場所

全国町村会館2階ホールB(一般財団法人全国自治協会)
(東京都千代田区永田町1-11-35)


○出席者

石隈構成員、大野構成員、釜萢構成員、川畑構成員、北村構成員
栗林構成員、子安構成員、佐藤構成員、角田構成員、鉄島構成員
林構成員、村瀬構成員、山中構成員、米山構成員

○議題

(1)公認心理師法について
(2)検討事項について
(3)今後の議論の進め方について
(4)公認心理師に求められる役割、知識及び技術について

○議事

○森公認心理師制度推進室長 それでは定刻となりましたので、ただいまより第1回公認心理師カリキュラム等検討会を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、また足元のお悪いところ御参集いただき、誠にありがとうございます。議事に先立ちまして、文部科学省初等中等教育局長藤原と、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長堀江より、御挨拶を申し上げます。

○藤原初等中等教育局長 皆さん、おはようございます。文部科学省の初等中等教育局長の藤原と申します。本日はこの検討会に大変お忙しい中、御参集いただきまして改めて御礼申し上げたいと思います。御案内のとおり、昨今様々な分野で心理学の専門的知識と技術を有する心理職に対するニーズ、期待が高まっているところです。例えば教育分野で申し上げますと、現在いじめ、あるいは不登校など、学校における生徒指導上の喫緊の課題として、心理職の方々におきましては、スクールカウンセラーとしてとても大きな役割を果たしていただいています。

 公認心理師の活躍の場については、学校を含む様々な現場が想定されています。したがって、その資質や能力を担保する大学院のカリキュラム、あるいは国家試験の内容については、是非とも現場のニーズに対応できるように委員の先生方におかれましては、何とぞ御知見を生かして御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

 文部科学省としては、質の高い公認心理師の養成に向けて、今後とも尽力してまいりたいと思います。また、私個人のことを申し上げて大変恐縮ですが、父親が教育心理学者をしていて、この方面には多大な関心を持っておりました。私自身もそういう意味で、この検討会については、大変関心を持っているところです。

 先生方におかれましては、何とぞ御協力のほどお願いいたします。簡単ですが、私からの御挨拶といたします。本日はよろしくお願いいたします。

○堀江障害保健福祉部長 おはようございます。厚生労働省障害保健福祉部長をしています、堀江です。このところの台風ですが、今年は1号ごとに名前を覚えることになる年になっていまして、そういう中にお集まりいただきありがとうございます。

 心理職の国家資格化ということで、いろいろな分野でいろいろな名称で、あるいは名称がなく、たくさんの方ががんばってきていただいているものが、その関係者の長年の懸案あるいは要望があって、それがまたいろいろな動きがあり、昨年ご努力が実り議員立法で公認心理師法案が衆議院、参議院とも全会一致をもって成立したわけです。私どもも、文部科学省と一緒に心を合わせて、円滑施行に向けて具体的な内容を決めていかなければならないと考えています。現在、文部科学省から厚生労働省に職員を派遣していただいていて、一緒になって円滑施行に取組んでおりますので、御報告申し上げます。

 本検討会において、大学大学院におけるカリキュラムなどを検討していくことになりますけれども、国家資格にふさわしい内容となりますように、どうぞよろしく御検討のほどお願いしたいと考えています。心理職の国家資格化ということで、業務の適正化を図る、それから国民の心の健康の保持増進に寄与するという目的の実現に向け、またその仕事に携わる方の意識のさらなる向上ということも十分に期待できると思いますので、そうしたことを踏まえ、構成員の皆様方に御協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。

 簡単ですけれども、私のほうからの御挨拶といたします。よろしくお願いいたします。

○森公認心理師制度推進室長 ありがとうございました。カメラでの撮影はここまでとしますので、よろしくおねがいします。続いて本検討会の構成員の皆様を御紹介します。お手元の資料に検討会構成員名簿がありますので、詳しくはそちらを御参照ください。50音順に御紹介します。

 日本スクールカウンセリング推進協議会副理事長、石隈構成員です。

○石隅構成員 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 日本臨床心理士資格認定協会常務理事、大野構成員です。

○大野構成員 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 日本医師会常任理事、釜萢構成員です。

○釜萢構成員 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 日本臨床心理士養成大学院協議会会長、川畑構成員です。

○川畑構成員 川畑です。よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 本検討会の座長を務めていただきます、東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授、北村構成員です。

○北村構成員 北村です。よろしくお願いいたします。

○森公認心理師制度推進室長 日産自動車株式会社人事本部人財開発/HRプロセス

マネジメント部安全健康管理室、栗林構成員です。

○栗林構成員 栗林です。よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 日本心理学諸学会連合理事長、子安構成員です。

○子安構成員 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 桜ヶ丘記念病院理事長、佐藤構成員です。

○佐藤構成員 よろしくお願いします。多分、後でいろいろ話が出てくると思いますけれども、精神科七者懇談会という、この件につきましても委員会がございまして、その委員長を78年務めています。よろしくお願いいたします。

○森公認心理師制度推進室長 東京保護観察所民間活動支援専門官、角田構成員です。

○角田構成員 よろしくお願いいたします。

○森公認心理師制度推進室長 東京少年鑑別所首席専門員、鉄島構成員です。

○鉄島構成員 よろしくお願いいたします。

○森公認心理師制度推進室長 日本精神科病院協会常務理事、林構成員です。

○林構成員 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 日本臨床心理士会会長、村瀬構成員です。

○村瀬構成員 よろしくお願いいたします。

○森公認心理師制度推進室長 東京都調布市立飛田給小学校校長、山中構成員です。

○山中構成員 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 全国児童発達支援協議会副会長、米山構成員です。

○米山構成員 米山です。よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 なお、本日は所用により御欠席となりましたが、大田区立御園中学校校長、笛木構成員、千葉県市川児童相談所所長、渡邉構成員も本検討会の構成員となっています。

 続いて事務局の紹介をいたします。まず、文部科学省から高等教育局大臣官房審議官の義本です。

○義本大臣官房審議官(高等局) 義本です。

○森公認心理師制度推進室長 初等中等教育局健康教育・食育課長の和田です。

○和田初等中等教育局健康教育・食育課長 よろしくお願いいたします。

○森公認心理師制度推進室長 高等教育局専門教育課長、浅野です。

○浅野高等教育局専門教育課長 浅野です。どうぞよろしくお願いします。 

○森公認心理師制度推進室長 続いて厚生労働省から、精神・障害保健課長田原です。

○田原精神・障害保健課長 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 精神・障害保健課主査、松本です。

○松本精神・障害保健課主査 よろしくお願いします。

○森公認心理師制度推進室長 最後となりましたが、私は公認心理師制度推進室長の森です。よろしくお願いいたします。なお本検討会は公開ですので、あらかじめ御了承いただきますようお願いします。

 ここで配布資料の確認をします。資料1、公認心理師カリキュラム等検討会開催要綱。資料2、公認心理師法の概要等。資料3、具体的な検討事項()。資料4、今後の議論の進め方()。資料5、公認心理師について。参考資料1、他資格の例について。参考資料2、公認心理師法・附帯決議。参考資料3、指定試験機関の指定について。参考資料4、心理職としての現状の勤務者数です。以上過不足ありますでしょうか。不足のある方は挙手願います。

 それでは北村座長に一言御挨拶いただきまして、以後の進行をお願いいたします。

○北村座長 座長を仰せつかりました東京大学の北村です。よろしくお願いします。座って失礼します。私は内科医で医学教育が専門です。公認心理師をはじめ、心理士の分野には門外漢ではありますが、是非よろしくお願いしたいと思います。

 新しく法律ができて、新しい国家資格ができ、その教育カリキュラムを決めるという非常に夢のあるいい仕事だと思っています。是非皆様に御協力をいただいて、後世に誇れるような恥ずかしくない立派なカリキュラムを作りたいと思います。よろしくお願いします。

 まず本検討会の概要について、事務局からよろしくお願いします。

○松本主査 資料1を御覧ください。初めに本検討会の趣旨ですけれども、公認心理師カリキュラム等検討会は、公認心理師法に規定する公認心理師となるために必要な科目、国家試験の科目、現任者の受ける講習会の内容等について検討を行うことを趣旨としています。

2つ目の検討事項ですけれども、検討会における検討内容は記載のとおりです。後程改めて御説明します。会議の運営に当たっての事務的な取扱いについては、3.及び4.を御覧ください。構成員については、御紹介しましたけれども2枚目の名簿のとおりです。計16名の方に御参画いただいています。

 また、検討会の事務局は4.にありますけれども、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の協力を得て、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課公認心理師制度推進室が行うこととしています。事務局からの説明は以上です。

○北村座長 ありがとうございました。何か御質問等ございますか。所轄のこと、管轄のことだけですので、詳しいことは今後また御説明いただきたいと思います。それでは続いて議事に入ります。1番、公認心理師法について、事務局より御説明をお願いします。

○松本主査 資料2を御覧ください。1枚目、まず公認心理師法の概要です。法の目的ですけれども、公認心理師の資格を定めて、業務の適正を図り、国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的としています。二の公認心理師の定義ですけれども、こちらは公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者と定義しています。業については以下の4つです。

 三の試験ですけれども、公認心理師として必要な知識及び技能について、公認心理師試験を実施することとしています。受験資格は記載の3つの者に付与することとしていて、1つ目は大学において指定の科目を修め、かつ、大学院において指定の科目を修めてその課程を修了した者等、2つ目は大学で指定の科目を修め、卒業後一定期間の実務経験を積んだ者等、3つ目は1及び2に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者です。

 四の公認心理師の義務ですけれども、3つあります。1つ目は信用失墜行為の禁止。2つ目は秘密保持義務。3つ目は業務を行うに当たっては、医師、教員その他関係者との連携を保たねばならないということ。併せて心理に関する支援を要する者に、当該支援に係る主治医があるときは、その指示を受けなければならないと定められています。

 五の名称使用制限ということですけれども、公認心理師でない者は公認心理師の名称、又は心理師の名称を使用してはならないと定めています。いわゆる名称独占の資格です。

 六は資料3の試験の実施や科目の指定等に書いてある主務大臣ですけれども、こちらは文部科学大臣及び厚生労働大臣となっています。

 七の法の施行期日は、一部の規定を除き公布の日から2年を超えない範囲において施行することとしています。

 また最後の八は経過措置ということで、こちらは公認心理師法の附則に定めているものですけれども、受験資格の特例等について所要の経過措置を設けています。

 なお、参考資料2が公認心理師法の全文と附帯決議です。また参考資料1は科目の指定に関して、同じように科目の指定をすることとしている前例として、精神保健福祉士の省令を載せています。この検討会の最初のとりまとめをもってこういった省令を作るという、最終的なアウトプットのイメージとして御覧いただければと思います。

 資料2に戻って2枚目を御覧ください。横置きの紙です。こちらは公認心理師の資格取得方法について整理したものです。左の3つのルートですけれども、こちらは先ほど御説明しました3つのルートです。点線の黒枠で囲っていますけれども、こちらが附則に定めています受験資格の特例で、施行日より前に大学院に入学した者、施行日より前に大学に入学している者、また現に心理の業務を行っている者、こちらは4つのルートがあります。

 こちらに線を引いている科目ですとか、実務経験、その期間などについて今後省令で規定することになります。また一番下に、条文の番号がありますけれども、こちら※に書いてあるところは、その者に準ずるものということで、法律の中にあるものでして、こちらも今後省令で規定することになります。

3枚目を御覧ください。こちらが「その他準ずるもの」ということで、条文で言いますと、第7条第1号、同じく第2号、法の附則の第2条第1項第3号及び第4号、第2条第2項、計5つの箇所にあります。こちらについて、また今後省令に規定することになります。

 最後は施行のスケジュールで想定されるものです。公認心理師法は平成27916日に公布されています。指定試験機関に関するところは、半年以内に施行となっていましたけれども、平成28315日に施行されています。資料の真ん中に書いてある一般財団法人日本心理研修センターを今年41日付で試験機関として指定しています。こちらの告示については参考資料3を御参照ください。

 今後に関しては、平成29915日までにこちらの法律が施行されることとなっていて、最初の試験は平成30年度に行うことが想定されます。施行に向けてカリキュラム等検討会を本日より開催し、年度内にとりまとめを行いたいと考えています。

 説明は以上です。

○北村座長 ありがとうございました。簡単な法律なのですが、何か御質問等ありますか。皆さんのほうが御存じだから、私から聞いていいですか。名称独占ですが、心理士の「士」は使っていいのですか。

○森公認心理師制度推進室長 心理士の「士」は使用可能です。

○北村座長 公認心理師として、必要な知識及び技能について試験すると書いてありますが、技能試験も計画されているのですか。

○森公認心理師制度推進室長 試験のあり方についてもこの検討会で検討していただくことになっていますので、後程御議論いただければと考えています。

○北村座長 教育のところでは、よく評価が教育をドライブするという。だからカリキュラムを作ってそれで教わったことを試験するのが正当なルールみたいですけれども、往々にして医師の国家試験もそうなのですが、国家試験に出るから教えるみたいな。評価のほうが教育をドライブすることがあるので、今おっしゃったように、この委員会は両方を検討し、一番いい教育課程と評価法を決めるという認識でよろしいのですか。

○森公認心理師制度推進室長 はい。

○北村座長 三の3、同等以上の知識及び技能を有すると認めた者というのが、準ずるものですか。違うのかな。

○松本主査 7条第3号に規定する12号と同等以上の知識及び技能を有すると認定された者というのは、準ずるものとは別で、資料の3枚目にあるように、例えば第7条第1号ですと、大学において必要な科目を修めて卒業し、大学院において必要な科目を修めてその課程を修了した者、その他その者に準ずるものといった文言があるのが、ここに書いてある5つの箇所で、第7条第3号はまた別ということになります。

○北村座長 最後ですけれども、八の経過措置で、現在働いている方に関しては受験資格等を認めるのであって、無試験で公認心理師になるルートはないという理解でよろしいでしょうか。

○森公認心理師制度推進室長 そのとおりで、無試験で公認心理師になるルートはありません。

○北村座長 以上、何となく一般的な質問をしたのですけれども、追加の御質問等はありますか。日程等が思ったより1年遅い試験なのですが、2年以内の法律というのはそのようなもので大丈夫なのですか。

○森公認心理師制度推進室長 カリキュラム等を決めますので、2年以内の施行ということになっています。法律上施行されたその年には、試験を実施しなくてもよいという規定になっています。カリキュラムが決まった後、試験問題作成期間等も含めて、平成30年度の実施になると考えています。

○北村座長 平成30年度実施というのは今初めてですよね、多分。先生方は御存じだったのですか。では周知のことなので。よろしいでしょうか。

 そうしたら次の議事、検討事項、具体的には公認心理師のカリキュラムの、この検討会で議論すべき内容について御説明をお願いします。

○松本主査 資料3を御覧ください。具体的な検討事項(案)ということで、検討事項は開催要綱にも記載していますけれども、こちらは詳細のもので、皆様の認識のすり合わせ、共有を目的に準備したものです。

1つ目は公認心理師のカリキュラムに関する基本的な考え方ということで、心理師に求められる役割、必要とされる知識及び技術。2つ目はカリキュラムですけれども、公認心理師となるために必要な科目、大学及び大学院における必要な科目と経過措置における必要な科目です。また教育内容の例についても御議論いただきたいと思っています。また実習・演習の内容についても同様です。3つ目は大学卒業後の実務経験ということで、こちらの範囲、実施施設や期間等について御議論いただきたいと思います。4つ目は国家試験ですけれども、試験科目ですとか基本的な事項、具体的には出題形式ですとか時間ですとか問題数ですとか、そういったことになるかと思います。5つ目が現任者、現に実務を5年以上行っている者で、受験資格の特例の対象となる者ですけれども、こちらの範囲とその者が受ける講習会の内容等についてということです。最後に資料2でも説明した、その他準ずるものということで、こちらについても簡単に御議論いただければと思います。

 以上が検討会での検討事項として予定しているものです。

○北村座長 6項目ありますが、今からこれを順次やっていくのですが、何か御質問等ありますか。主に足りないことになると思いますか。あまり質問がないと不安になるのですけれど。どうぞご自由に、時間があります。今のうちに言うだけ言っていただいたほうが、検討事項でこれも検討してくださいとか、例外にこういう人もいますとか。

 現任者というのは大丈夫なのですね、定義というか、臨床心理士の資格を持っているというのだったら、すっと分かるのですけれど、心理士としての業務はしているけれども、余り聞いたことのない資格とか、そういうのはないですか、大丈夫ですか。

○松本主査 こちらは資料3にも書いてありますけれども、5-1の現任者の範囲についてもこちらの検討会で詳細を詰めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○北村座長 ちょっとややこしくなるかもしれませんが、よろしいでしょうか。それから他の資格で新しくできたら、現場でリーダーとして一生懸命やっている人までが、試験で落ちたりして大騒ぎになったことがあって、講習会と資格、科目の免除とか、現任者に混乱を起こさず、されどしっかりした資格認定ということで、そのバランスというのは非常に難しいと思うのです。よろしいでしょうか。

○大野構成員 私は臨床心理士資格認定協会の常務理事をしている大野です。5分間でしゃべるような内容ということで、一応整理はしてきたのですけれども、今話がありました現任者のことなのですが、私は臨床心理士資格認定協会の常務理事をしている大野です。この資格、現任者が公認心理師を取れるようにするには、臨床心理士有資格者の公認心理師受験資格の読み換えということが、避けて通れないと考えています。

 法成立において長年にわたる、臨床心理士の実績に基づいていることは、ある意味では認められていると考えていますけれども、実績があるということと専門性を今後もさらに活かしていくということが、国民の心の健康に対する安心安全を図るためには是非必要ではないかと認識しています。そこで既に指摘された内容ですけれども、法の第7条第1号あるいは第3号に準じて、臨床心理士有資格者に対して臨床心理士資格を公認心理師受験資格に読み換える方向で検討していただくことを期待しています。

 第7条第1号の後半ですけれども、その他の公認心理師となるために必要な科目として、文部科学省令、厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者、その他その者に準ずるものとして文部科学省令、厚生労働省令で定める者となっています。臨床心理士資格認定協会としてはその他のその者に準ずる者として、臨床心理士有資格者の読み換えをまず優先して御検討くださいますよう、お願いします。

○北村座長 理解しました。一番微妙な問題だと思います。今から事務局で審議のやり方があると思いますけれども、重要な問題であることは非常に認識しています。

○佐藤構成員 ちょうど現任者の話が出て、先生の御主張も理解すると同時に、現に代表的な心理学会のいろいろなサブスペシャリティでは、それぞれ資格を持っているので、どこまでが先生のおっしゃるような範囲になるのか。今度は今後の進め方の中で、多分ここぐらいの資格を持っている各資格であれば、ある程度の線引きが可能かどうかというのは、有り得ると思うのです。どこの現任のどの資格を、まず優先してというのはちょっと一概にはいいにくいと思うので、よろしくお願いします。

○北村座長 他に御意見、御質問はありますか。では後でまたみんなで自由討論ということで、先に行きます。議事3に、今後の議論の進め方についてとあります。事務局よりお願いします。

○松本主査 資料4を御覧ください。まず、1枚目は今後の議論の進め方として全体のことを書いております。1つ目に、公認心理師養成のためのカリキュラム等の内容を検討するに先立ち、公認心理師に求められる役割、知識、技術がどのようなものかを、今回、また次回の検討会までに、今の臨床心理技術者の現状等を踏まえて整理することとしたいと思います。2つ目に、その整理を踏まえ、具体的な必要な科目等については、本検討会の下にワーキングチームを設置して、ワーキングチームにおいて素案を整理の上、本検討会において取りまとめを行うこととしてはどうかと思います。

2枚目はワーキングチームについて、ワーキングチームで議論する具体的な検討事項としては、記載のことを考えております。

3枚目は検討会全体のスケジュールですが、今は平成289月ということで、今月と来月でこの検討会を2回程度開催の後、ワーキングチームを年明けまで6回程度開催し、そこで素案を整理した後で、平成293月までにこちらの検討会を2回程度開催し、年度内に報告書の取りまとめを行うという流れを考えております。以上でございます。

○北村座長 進め方のポイントが2つあって、1番は、役割、知識、技術について。技能、技術についてということで、公認心理師のカリキュラムのための根本的なところを考えようということだと思います。今御発言があった専門に分かれている学校心理士や産業心理士とかいろいろとあるけれども、その根底というか、基本になるのが公認心理師になると思うので、そこから議論をしていただきたいということ。

 小学校ではどうなのか、実は分からないですが、医療現場の教育ではアウトカム・ベースド・エデュケーション、アウトカム、出来上がりを見て教育、カリキュラムを作る。今までの大学教育では単位を集めていき、30単位集まれば卒業ですと。そうすると、ジクゾーパズルのピースは30個集まったけれども絵にはならないと。そうではなくて、例えば公認心理師はこういうことを知っている、こういうことができる、こういう心を持っているという出来上がりを考えて、それをカリキュラムに落とし込んでいく。医学で言うと内科、外科、小児科、産婦人科の単位を取って、医者になってみたら人の話を聞けない、人のことを思いやれないという、コミュニケーション能力がないとか。内科、外科、産婦人科、小児科の中には、それぞれコミュニケーション能力や患者を思いやる心というのは本来あったはずなのですが、その学問が中心になってしまったために、この間というか、一番大事なところが抜けてしまったのです。だからこの1番の意味というのはそういう抜けがないように、出来上がった公認心理師は、何はともあれ患者の話が聞けるとか、患者に対して共感できるとか、そのような根本的なところから考えていただいて、それをカリキュラムに落とし込もうという発想だと私は理解しています。

2番はそれを踏まえたカリキュラムについて、ちょっと現場に近い人たちで6回も開いていただくと。2枚目のカリキュラムは、実務経験の範囲、現任者の範囲、国家試験、現任者の講習会の内容と時間数等々、どれも重い問題ですが、素案を基に叩いて、案としてこの委員会に上げていただく。この検討会でもう1回ワーキングチームで考えたものをまた叩いていただく。随時、情報は往復していいと思うので、この検討会でこうすべきであるというのをワーキングチームに投げかけ、ワーキングチームはこんなものでどうでしょうというのをこちらに上げてもらう。情報は自由に公開というか行き来して、よりよいものを作りたいということです。

3枚目のタイムスケジュールが意外とタイトなのですが、30年に国家試験をするためには、今年度、来年の331日までにこの検討会の報告書を取りまとめたいと。仕事量から言うと半年はもう極めてタイトだと思います。

 それにこういう資格ですから、後世から、あの資格取っても仕方ないよねなどと言われたら大変ですから、やはりあの資格はしっかりした、いい資格だと、あの資格を持っている人は立派な人だと言われるようなカリキュラム、試験を作りたいと思っています。逆に難しすぎても、世の中に足りないと言われても困るので、ちょうどいいバランスというのは難しいですが、先生方のお知恵を拝借して、ちょうどいいものを作っていきたいと思います。この進め方に関して御質問や御意見、御提案はありますでしょうか。

○石隈構成員 スクールカウンセリング推進協議会から来ました石隈と言います。よろしくお願いします。進め方について1点だけですが、座長がおっしゃったように、ワーキングチームで話し合う5つの事項はとても重くて、大変なことで、重要なことです。今の進め方としては、ワーキンググループを1つで進めようとしているようで、少し事務局とお話はさせていただいたのですが、2つぐらい作ったほうがより充実するかなというのが率直な感想です。例えば1番カリキュラム、2番実務経験、3番国家資格というのは1セットだと思うのですが、3番、5番の現任者はまた極めて大きな議論なので、2つのワーキングチームというのはどうなのかなというのが率直な提案です。

○北村座長 事務局、いかがでしょうか。

○田原精神・障害保健課長 ワーキングチームの構成については、我々も2つほど設けて、例えば実習とか、通常の科目を検討するというようなことについて、分けて検討することも少し事務方では検討してみたのですが、1つはそれぞれの項目について、お互いが重なり合っているということ、今のお話にありました現任者の範囲などについてもカリキュラムや実務経験の範囲、あるいは国家試験など、そういったものとの密接な関連があるということと、あと時間的にも半年というちょっとタイトだということもありますので、1つのワーキングチームで精力的に御議論をいただいて、そして素案という形にまとめていただいて、またこの場で御議論いただくと、そういうものを考えて御提案を差し上げたという次第です。

○北村座長 1つで走って、特にもめそうな所がありますので、そうなったら集中的にやるなり、サブワーキングを作ったりして考えたいと思います。ほかに御意見はありますでしょうか。それでは、時間の関係もありますが、1番のことで公認心理師に求められる役割、知識、技術について、これを御説明いただいてから、皆さんの御意見をいただこうと思います。御説明をお願いします。

○松本主査 資料5を御覧ください。こちらの資料は、議事にある「求められる役割、知識及び技術」そのものというよりは、その議論の前提となる事実関係等を簡単に整理したものです。

 まず1枚目の1つ目の○は、公認心理師の定義、その業として行う行為について、こちらは先ほども御説明しましたように、法律の原文を引用しております。1つ目は、心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析。2つ目は、同じく心理に関する支援を要する者に対し、心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。3つ目は、心理に関する支援を要する者の関係者に対し、相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。4つ目は、心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。以上の4つです。

 また2つ目の○は、今後、公認心理師が活躍すると考えられる主な活動領域として期待してあるものを挙げております。具体的には2枚目に、平成26年度に厚生労働科学特別研究事業において、本検討会の構成員としても御参画いただいております村瀬構成員を中心に研究いただいたもので、実態調査等に基づいたものです。保健医療に関する分野、福祉に関する分野、教育に関する分野、司法・法務・警察に関する分野、産業・労働に関する分野として、具体的な勤務先や支援を要する者がどういった人なのか、また具体的な職務内容など、一緒に働く職種、またほかの分野との関係を少し整理しております。こちらも御参考にしつつ、いろいろ御意見いただければと思います。

 また、資料の最後に参考資料4として、各分野における心理職者の推計人数ということで、同じ研究事業から整理したものを資料としてお付けしております。以上、あくまで参考ですが、こちらに基づいて心理師に求められる役割・知識・技術について御議論いただければと思います。

○北村座長 質問ですが、臨床心理士あるいは学校、それから産業心理士、産業カウンセラーなどの資格は、公認心理師の資格を持つ者というように、今後変わるのでしょうか。

○森公認心理師制度推進室長 公認心理師はあくまでも名称独占の資格になります。それぞれの資格と並んでいくものと考えているところです。

○北村座長 そうすると、公認心理師の資格を持たない産業カウンセラーや学校心理士や臨床発達心理士というのが存在するということですか。

○森公認心理師制度推進室長 そのとおりです。

○北村座長 そうすると、公認心理師とは何かということになるかもしれないですが。

 先にいきますが、ここで今の説明も含めて、その役割や職務内容など、いろいろ新しい資格ですのでボーダーラインも非常に難しいと思いますが、時間はまだ小1時間ありますので、ここでのディスカッションは、自由にお話を願いしたいと思います。最初に村瀬先生、この表を御説明というか、御意見を頂けたらと思います。

○佐藤構成員 お話の前に、先生が独り言のようにつぶやかれた公認心理師は何のためかと。つまり学校関係あるいは臨床心理士でも特にそれを前提としないのであれば何のためか、と独り言で、それは我々に問いかけたのでしょうか。

○北村座長 はい、独り言です。

○佐藤構成員 そうですか。そうしますと、採用する側としては今後どうかということははっきり分かりかねるのですが、公認心理師を取られていて、そこで一定の標準化がある方だと。その上にそれなりに医学関係の専門医と同じような二階建てのようなことも今後議論されていき、その公認心理師を持っていない方について、採用する側としては少し不安が出てくることは、今後の課題ではありますけれど、先生が独り言をおっしゃったので、すみません、お話の腰を折って。

○北村座長 独り言に反応していただいたので。やはりみんなで出来上がり図を共有したいと思いますが、医師の場合、例えば外科の専門医を取って、その上で心臓外科や消化管外科などという専門分野に分かれていきます。なので外科医としての基本、その前に医師免許という医師としての基本を抑えて、研修を2年間やり、医師として最低限のことができるようにという研修で医師にして、それから外科の専門医にして、それから心臓の専門医になるというような段取りが出ています。

 余分ですが、この研修医のことは、田原課長と一生懸命やったので、もう覚えているぐらい、その研修医とは何なのだというようなことも考えました。それを心理師に当てはめるとすると、公認心理師というのは、心理を扱う人はみんな持っていてほしい資格のように思いますが、実はこれは持たないで、過渡期で年齢の上の人は別として、新しい人ではやはり公認心理師を持った上で、産業だ、やれ学校だ、いろいろな所へ流れていって、専門を極めてもらうという流れがしっかりできるほうがいいのかな、と思ってつぶやいた次第です。

○佐藤構成員 ちょっと、つい反応してしまい、どうも失礼しました。

○北村座長 何か御意見はありますか。

○米山構成員 進行についてお伺いしたいのですが、予め5分ほど発言の時間を頂いていると聞いておりますが、そのような形の流れで大体よろしいでしょうか。

○北村座長 それでは先生から始めていきましょう。御意見をどうぞ。

○米山構成員 御紹介にありました全国児童発達支援協議会の副会長をしています米山と申します。よろしくお願いします。私自身小児科医でありまして、全国児童発達支援協議会自身は障害のあるお子さんたちの、子供のいわゆる療育と言いますか発達支援。それから就学前のお子さんたちは、母親を中心とした家族支援ということが求められて、その本人の発達を支援したり、成長発達を支援したり、あるいは育ちの基盤である家族を支援するという、当然のことながらそういうことを中心にする、それが療育と考えています。先ほど申しましたが私は小児科医でもありますから、障害が分かる前からのいわゆる母子保健、あるいは妊娠のときから、今……というようなことも言っていますし、母子保健のレベルでの心理師への期待だとか。それから障害について申しますと、今言われている発達障害等のあるお子さんたちに対する虐待は大体4倍から13倍ハイリスクだと言われています。あるいは低出生体重、早産低体重の2,000g未満の方たちについては、大体5ASD、自閉スペクトラムが多いこともいろいろな調査で分かっています。そういう意味で子供の発達を丁寧にカリキュラムで勉強していただきたいと思っています。

 今ちょうど、村瀬先生に御紹介いただける職務内容という表を見たのですが、改めて意見を言うと、これは厚かましいのですが、もともと第2条で定められて、保健医療と書いてあるのですが、実は保健というと先ほどの母子保健について申しますと、行政が一番関わって、4か月健診から1歳半あるいは3歳、そして発達障害でよく言われる5歳健診とか、行政としての保健サービスということ。私も小児科医で病院で勤めていますので、医療という中では、これは精神科も発達障害も含めて気づきの段階というと、保健サービスのほうに入ると思いますが、もう一方で医療については保険診療ということで診療報酬にも関わってくる問題です。この分野は法律上は第2条で定められていますが、もしできれば職務が大分異なると思うので、分けていただいたほうが分かりやすいのかなと思っています。それから保険診療で、今後、公認心理師資格要件が保険診療にどう求められるか。例えば、少し前にあった言語聴覚士の保険で言うとリハビリの中に含まれましたし、障害関係では障害リハについてとか、あるいは精神の……精神等々、いろいろな心理療法が関わるので、法律上はもちろん一緒ですが、もしできればここの内容を少し分けるほうが分かりやすいかなということです。

 ちょっとこの表を見ながらさせていただきます。そういう支援を要する者について言うと、子供というところでは教育の分野に入っていますが、保健のところはもう小児保健というと乳幼児というのが就学前に入っています。教育のほうでいうと、ここに児童・生徒・学生となっていますが、就学前のお子さんを園児と呼ぶのか、厚労省関係では乳幼児と呼んでいますが、そこについて、是非「小児」として書き入れていただけたらと思います。

 福祉の分野について申しますと、児童福祉施設に実はその範疇に障害児施設、今、医療型、福祉型の入所施設が入っていますが、いろいろな調査では少し抜けてしまうこともあるので、いわゆる児童養護施設や里親等々がありますが、そこに障害児施設を入れていただくほうが、厚労省関係の家庭局あるいは障害福祉の両方に加わっていますので、そこを是非と思います。職務内容のところに、先ほど私が申しました「家族関係の調整」と「家族の支援」という言葉を入れていただけると、よりスムーズではないかということ。

 それから、次の司法・法務・警察に関する分野でも、医療としてのいわゆる精神疾患、あるいは子供でいうと今の発達障害等も含めて、医療との連携ということが大事になってくると思いますので、そこを是非入れていただきたいと思います。

 最後になりますが、法律が変わって、子供というと御存じかもしれませんが、児童福祉の改正があり、障害のある子供、ない子供、全ての子供が18歳までは児童福祉法の中でくるめられていて、それで昨年度からなった子ども・子育て支援新制度の中でもあって、療育のことは、今後の在り方が平成26716日に出しましたが、そこの先ほど申しました発達支援あるいは家族支援の中で、それを両輪としたものが療育で、子ども・子育ての中の、障害のことをバックアップしていくというようになりました。子供の育ちというところでは、心理職の方が一番中心になってやっていますので、私たち医者よりも、北村座長がおっしゃいましたように、やはり心理士の方々が本当に私たち医療の支えになっていますし、御家族の支え、それが子供の育ちの支えになると思いますので、是非そうした法律のほうも併せて進めていっていただければと思います。

 今、虐待のことが話題になっていますが、今日私もオレンジリボンを付けてきましたが、障害特性とか発達の特性に対することを親御さんに伝えるというような、ペアレントトレーニング、ペアレント・プログラムとか言っていますが、そうしたことを心理師さんが中心となっていくものと思われますので、是非と思います。

 最後になりましたが、先ほどの現任のことになりますが、児童の福祉施設あるいはそういった小さな規模の施設はたくさんあります。そうするといろいろな区市のサービス管理、責任など、いろいろな管理者等々があって、公認心理師という形になると、現任で小規模だと多分、試験を受けるまでのカリキュラムをこなしきれない可能性があって、その辺は是非お含みいただきながら、公認心理師の試験に向けて準備をしていただければと思います。

○北村座長 ありがとうございました。先日の報道にあったように、発達障害の、30歳以上、40歳以上も自閉スペクトラムの人が随分いるというようなことで、確かにいろいろな分野に関わりますよね。外に出すとか出さないという問題は余り重要ではないと思いますが、1つのクリニカル・エンティティとして、しっかり考えていきたいと思います。

 順番に山中構成員、お願いできますでしょうか。

○山中構成員 山中です。私は小学校の校長なのですが、全国の特別支援学級の設置校の学校長協会の副会長をしておりますので、その立場と合わせてお話させていただきます。学校の現状は皆様も御存じだと思うのですが、学校においてスクールカウンセラーの制度が出来てから、最初はいろいろ課題もあったかと思うのですが、今、スクールカウンセラーというのは学校としては非常に重要な位置を占めていると思います。学校のほうもいろいろなことで協力をお願いしたりしているところですが、学校ともう1つ、市区町村の教育委員会だとか、教育相談所の中にいる心理職の方と、学校としては両方お世話になると思うのです。まずスクールカウンセラーのほうですが、今は文科省の助成を頂いているといいますか、都道府県で配置されているスクールカウンセラーが、大体週に1回、小中学校のほとんどの所に行く。小学校はまだ全部ではないかもしれませんが、行っていると思いますが、現状ではなかなか週1回のカウンセラーでは足りなくて、市区町村が更にまたもう1人配置したり、現に私の学校でも、週に1回ずつお2人の方がいらっしゃっているような状況なのです。そんなことで、心理職の方にいろいろお願いしていることが多いのです。

 ただ、学校のほうがスクールカウンセラーにお願いするような範囲がものすごく広がっています。いじめや不登校はもちろん皆さん御存じだと思うのですが、今のお話にも出てきました発達障害。それから中学校になりますと、やはり反社会的な行動をする、学校で暴力をふるうなんていうことに対応もしますから、そういうこと。それから、今は何か事故がありますと、心のケアということで、心理職の方に学校へ来ていただきますが、PTSDですね。そういったこと。それから、発達障害とは少し異なると思いますが、精神疾患関係も今、小中学校ではやはりあります。今は小学生でも、小児うつと診断されるような例もあります。それから、中学校になりますと進路相談の関係でも出てくるのです。あと、教員の悩みでどうしたらいいかなんてことの相談にも当たってもらっているので、本当にカウンセラーの方には、こちらがお願いしているということが非常に多くなってきています。心理士の方もやはりいろいろ御専門があるので、全部にいろいろいっぱい来ているというのが、なかなか大変な状況かなと思っています。

 それから、教育相談所のほうにもカウンセラーがいて、スクールカウンセラーでなかなか対応できない部分を、市区町村にいるカウンセラーのほうにつなげたりということもあるのですが、こちらはこちらで今、特別支援学級に入るお子さん、通級による指導のお子さんというのが、すごく増えている状況がありますので、そういったことの判断ですとか相談というものも、かなり増えています。

 あと、家庭的なものにもスクールカウンセラーは対応しているのです。先ほどスクールカウンセラーの中で家庭的な問題に触れませんでしたが、やはり虐待傾向ですとか、虐待まではいかなくても、家庭の問題というものも非常に多くなってきています。教育相談のスクールカウンセラーと、市区町村のほうの心理職と、連携していたりするのですが、なかなかそういうところがうまくいかない。

 それから、通級による指導だとか、特別支援学級に入るお子さんなどの検査もあると思うのですが、なかなかそういった検査ができないとか、時間的なものもあって、たくさんのケースが来ているのでできないとか、スクールカウンセラーとしては検査のところまでできないということもありまして、そういったことへの対応もあると思います。特に障害のところについては、そういった検査をしていただいたりして、判定に加わっていただくということがあるのですが、もちろん医療関係の方々、お医者さんのほうが診断はなさると思うのですが、学習障害だとか、そういったところでは、心理職の方の判定というのがずいぶん大きくなってくると思うのです。要するに私たちは教員ですから、教員がこのお子さんはLDだとか、アスペルガーだとかということは言えませんから、そういったところでの役割というのは非常に大きくなってきているかなと思います。

 そのように心理職やカウンセラーの方の、学校がお願いしているものが多岐にわたってきていて、非常に量が多くなっているという現状があると思います。それについては医療ですとか、福祉だとか、場合によっては警察とかと連携していかなければいけないのですが、そういったところの知識も、きちんと心理職の方、スクールカウンセラーの方には持っていただかないと。ポンと来て、そこの地域のいろいろなシステムだとかが分かっていないと、なかなか有効な相談に結びついていかないのではないかと思います。

 そういうことと、今言った特別支援学級ですとか通級、それから家庭的なところですと、今はスクールソーシャルワーカー、SSWと言っていますが、そういった方も入ってきていて、多分スクールソーシャルワーカーの中で今後、公認心理師の資格を持ってということも出てくると思うのです。ただ、スクールソーシャルワーカーと言われている人との役割分担というのでしょうか、その辺が私も分からない。実際にスクールソーシャルワーカーの方は、家庭に訪問したりということをしていただいているのですが、その辺の役割分担みたいなものもあるかなと思っています。

 それから、スクールカウンセラーは各学校にいるのですが、それはそれで市区町村や都道府県でいろいろな研修を受けたりしていると思うのですが、そういう方のスーパーバイザーの制度だとか、そういったこともきちんとしていないケースも少しあるので、そんなことも必要ではないかなと思ったりしています。いろいろ学校での状況をお話させていただきましたが、まとまらない話ですみません。

○北村座長 ありがとうございます。スクールカウンセラーは資格が決まっているのですか。

○山中構成員 これも都道府県でいろいろだと思うのですが、東京都の場合は、今は臨床心理士の方にスクールカウンセラーをお願いしています。

○北村座長 精神科医とか大学教員、そういう人はいないのですか。

○山中構成員 スクールカウンセラーで臨床心理士の資格を持たれている方が、大学の関係をしているという方はいますが、そうでなければいけないというのは、かなりの数ですので、そのような条件は付けていないと思います。

○北村座長 では、ほとんどが臨床心理士の方ですね。

○山中構成員 そうです。市区町村の場合は、そんなに臨床心理士の資格を持っている方ばかりではなくて、臨床心理士の資格を今から取る過程にあるとか、ほかの資格、臨床発達心理士とかを持っている方もいるような状況です。

○北村座長 ありがとうございました。やはりスクールカウンセラーになり得るわけですので、公認心理師はこういうところも大事だと思います。では、村瀬構成員、よろしくお願いします。

○村瀬構成員 先ほどこの表の説明をというお話がありましたが、それに先立ちまして、現在の心理職の中で、臨床心理士は一番人数の多い集団かと思いますが、そこの代表として出ていることも含めて、私がこういうことを大事に考えてまいりたいと思っている基本的なことを、掻い摘んで述べさせていただきたいと思います。

 こういう席ではありますが、率直に申し上げて、この資格、法案が出来るまで半世紀以上かかる間に、現実の心理的な問題というのは非常に複雑で、多層にわたる要因が絡んで起きています。例えば先ほど話題に上がりました、この表は一応分野別に分かれていますが、でも、こんな分野の中にきれいに収まるというよりは、実は教育の問題を考えていきますと、そこに医療があり、福祉があり、その背景には産業の状況がどうかという、そうした広い視野で今何から着手すべきか、自分の立場で責任が取れることは何か、こういうときに、どこのどなたに、どのように御相談し、あるいは依頼するか、そうした現実的な判断を的確にできるという教育がベースではないかと思うのです。これも憎まれ口のようではありますが、日本に外国から心理学がいろいろ輸入されたときに、どちらかというと理論と技法が先にありきという気配が、なきにしもあらずでした。これが、やはり現実とちゃんと循環するような教育体制を作ること、それをカリキュラムに反映していくこと。それから、このように問題が複雑になってまいりますと、基本的に臨床心理職というのは、当事者の方と11の人間関係から始まるわけではありますが、しかし、問題の性質に応じて、いろいろな方と協力し、あるいはチームワークで仕事をしなくてはなりません。そのような意味で、これまでの研修体制を少し見直していくことが、大きな課題ではないだろうか。

 そして、私どももこれまで頂いてきた、いろいろ厳しい御意見も率直に受け止める努力をするのと同時に、この研修が実のあるものになるためには、各領域の方々の研修に力を貸してやろうという、そのお力を頂かないと運びませんので、そのことを少しこの場では相応しくないのかもしれませんが、これを踏まえて私どももこれまでの実績について、立場上いろいろな場所に出席させていただき、また、私も長く産業以外、ほかの領域では実務をやってまいりまして、中にはほかの方が手がけていらっしゃらない、かなりハードな実務にも携わってきて、そこで課題の重さ、それから厳しい御批判も周りから頂いておりますが、それを生かしながら、やはり私は教育・研修の内容をきちんと考えていくことが、大きな課題ではないかと考えています。

 ですので、ここの表は膨大な量を、このように表におまとめくださったので、それぞれ御覧いただくと、これが抜けているとか、たくさんあると思いますが、これはそういうスペースの制約上、やむを得ないことだと思うのです。例えば私はこの司法の所で裁判官となっていますが、本当にここでいい仕事をするためには、刑事さんですとか電話交換手とか、むしろそういう方と、どうやってさり気なくいい関係を持っているかということが、その職場で意味のある情報をきちんと得る、どう判断するかということにも影響しますので、この表は本当に骨子の所だと御理解いただけると有難いと存じます。以上です。

○北村座長 どうもありがとうございました。先ほどは無茶振りして本当にすみません。研修という教育ですね。単なる講義では絶対駄目であるということ、非常に重い話だと思っています。ワーキングでまた詰めたいと思います。では、林先生、お願いします。

○林構成員 日本精神科病院協会の常務理事をしております。また、医療心理師国家資格制度推進協議会の会長をさせていただいております、林です。精神科医療の領域に心理職が必要だという発端は、精神保健法改正の1987年まで遡ります。そのときの法・附帯決議に、精神科医療のマンパワーの充実、あるいはチーム医療の推進という文言があり、何回も厚生省の中で検討会が開催されてまいりました。なかなか国家資格にそれが結びつかなかったのですが、現在も精神科医療現場に心理職の国家資格が必要だという認識には、全く変わりがありません。それどころか、医学や医療が昨今発展しまして、特に身体医学が進歩しまして、人の命を預かるという使命・視点から申しますと、心理社会的アプローチの必要性はむしろ高まっているのではないかと考えています。

 それと、法改正のときにもあったのですが、チーム医療の推進という中に、多職種協働という考え方が持ち込まれまして、これが精神科医療の質の向上に大いに役立っていると思います。ただ、心理職の資格といいますか、民間認定ですので、なかなか精神科医療現場に心理職の採用が進まないという現況があります。そこで、医療の中の心理職を考えてみますと、やはりカリキュラムの中に医学、あるいは精神医学や小児医学、そういうカリキュラムを是非必須で教えていただきたいというのが1点です。

 それと、もう1点は大学院卒で国家試験を受けるコースと、4大卒後、実務経験を得て国家試験を受けるコースがあります。4大卒後、実務経験を受けるというコースは、私が思いますに、医療機関の立場からしますと、無資格者を採用して、そこで2年間養成して、そして通るか通らないか分からない国家試験を受けてもらうということになります。そうなると、そういう医療機関は、特に国公立となると皆無だと思います。この4大卒後、実務経験を経てというコースが有名無実にならないように、国家試験に当たっては平等になるような御配慮を是非お願いしたいと考えています。具体的には国家試験問題が、4大の座学の中から出題するとか、実習の問題を出題するとかです。また、実務経験の年限は大学院と同じ2年間にしていただきたいということです。

 それと、もう1点は大学院のコースに、医療機関での現場実習を入れていただけないかということを強く願っています。大体、以上です。

○北村座長 ありがとうございます。心理士というのは文系ですか。

○林構成員 文系です。

○北村座長 精神科医は文系ですか。

○林構成員 理系です。

○北村座長 高校段階で文系と理系にきっぱりと分けてしまうのは、非常に問題かなと。今、先生がおっしゃったように、心理士の人にも医学を勉強してもらおうと思ったときに、往々にして生物学の基本を知らなかったりして、びっくりすることがあります。そんなに文系、理系と早い段階で分けなくても、やっていただいたほうがいいと思うのですけれどね。

 公認心理師の人というのは、ほとんど文系出身ですか。理系というのは、余りいないのですか。そうすると、このインタープロフェッショナル・エデュケーション、多職種連携教育と言うのですが、こういうものも会話が合わなかったりすることがあります。そういうことから、やはり教育してほしいかなという気もします。どうもありがとうございました。では、鉄島先生、お願いします。

○鉄島構成員 東京少年鑑別所の鉄島と申します、よろしくお願いします。非行・犯罪臨床のうち、矯正領域の代表として、少し話をさせていただきます。この領域の心理職は、主に法務技官(心理)、心理技官と言われていまして、職域としては先ほどの表にもありましたが刑事施設といって、刑務所、少年刑務所、拘置所に勤務したり、少年院、少年鑑別所など、全国にある矯正施設で勤務する者が、全国で既に数100名います。刑事施設に、受刑者の再犯防止と社会復帰のため調査をする者と各種のプログラムの実施に携わる職員がいます。主には少年鑑別所、私も勤務している所ですが、そこでの勤務者が最も多いということになります。業務を簡単に説明しますと、家庭裁判所の決定で入所した少年に対して、面接や各種心理検査等の調査を行いまして、非行の背景要因、長所を含めた少年の性格特性、再非行を防止するためにはこのような処遇方針がよいのではないかという提案を、鑑別結果通知書として取りまとめ、家庭裁判所に提出するというものが主な仕事です。鑑別結果通知書は、審判が終わった後も、保護観察所や少年院の処遇に活用されることとなります。

 そのようなことなので、心理職の中でも、いわゆる施設の中に収容されている方たちを主な対象としているので、非行・犯罪臨床に関する専門性の獲得というのも、採用後の独自の研修システムを中心に対応するということをしています。例を挙げると、初任から中堅まで、段階に応じた集合研修であるとか、勤務施設で、同じ心理職の者からのスーパーバイズを密に行うということをやっています。加えて、矯正施設の職員は法務省に所属する国家公務員ですので、人間科学区分の国家公務員総合職試験とか、法務省矯正心理専門職の採用試験によって採用された者であるということなど、業務としては、必ずしも心理職の資格取得は必須ではないものの、心理学等の専門性を想定した試験区分からの採用をしているという状況です。

 ただ、少年鑑別所法という法律が昨年61日付で施行されまして、地域援助業務というのが正規の業務になりました。これまで非行少年に対して面接や心理検査等を行うことで得た非行・犯罪に関する心理学の専門的なノウハウを、地域社会に還元して、非行・犯罪の防止、少年の健全育成に貢献していこうということで、地域の一般の方々の信頼を受け、直接心理的な支援をしたり、関係機関と連携したりするというのが急増しているという実情があります。そうした中で、国家資格としての公認心理師が法定され、地域の方々がより安心して我々のサービスを受けられる前提ができるのではと感じており、少年矯正の大きな転換期とも非常にマッチした、歓迎すべき動きかなと思っています。

 現職の法務技官(心理)等が、公認心理師をこれから取得するというプロセスの中で、臨床家としての基本姿勢を再確認したり、非行・犯罪臨床とも関連する領域についての幅広い知識を吸収したり、連携を図る上で必須となる、各領域の法的枠組みをしっかり身に付けたりするということは、非常に有益だと考えています。

 今申し上げたことは、これから公認心理師を目指す方にも同様かと思います。加えて言えば、こういう矯正施設における心理臨床活動に興味関心を持っていただく意味で、非行・犯罪心理学を学んだり、先ほど言いました少年法や少年鑑別所法という基本法規を学んでいただくということを期待しています。

 最後に、実務を長く経験していると、この理論を当てはめれば事足りるという事例というのは、ほとんどないというのが現実です。カリキュラムのエッセンスをいかに効率よく学ばせるかということのみではなくて、勉強する側の主体性を損なわないような形にして、直面している事態や事象を自分がしっかり考えて、納得してから次のステップに進むような、そういう働き掛けができるようなプログラムを策定して、結果として現場で起きている実践と、いわゆる学問としての理論をうまく自分の中で統合していけるような、そういう素地を作れるような育成プランがあれば非常にいいなという、まだ漠然とした段階では、そんなことを考えています。以上です。

○北村座長 ありがとうございました。覚えて解く国家試験ではなくて、考えて答えを導く国家試験が出来たらいいなと思います。おっしゃるとおり。作るのは難しいのですが。鑑別所が外に出るというのは、実は今初めて聞きました。鑑別所はなんとなく怖い感じもする。

○鉄島構成員 そういう業務があるのですかと、かなり多くの方から言われて、随分と我々は昨年から外に出て、いろいろな業務をやっているので、それも少し広報させていただければと思います。よろしくお願いします。

○角田構成員 角田と申します。私も司法・法務・警察領域の委員の1人として発言いたします。心理学における専門的な知識や技術が求められる司法・法務・警察の職域は、今、鑑別所の鉄島様から御発言がありましたが、警察、検察、裁判所、そのほかに私が所属している保護観察所の業務である更生保護という仕事があります。私はこの更生保護の立場から申し上げたいと思います。

 更生保護というのは、犯罪をした人や非行のある少年を社会の中で適切に処遇していくことによって、その再犯を防いで又は非行をなくし、これらの人たちが自立して改善、更生することを助けるという活動です。また、そのことによって社会を保護し、御本人と公共の福祉を増進しようというものです。その中心は、その罪を犯した人や非行のある少年を社会の中で生活させながら、定期的に面談して生活の様子を把握し、必要な指導や助言を行っていく保護観察という業務です。

 犯罪や非行の原因はいろいろあります。本人の資質的な問題は様々にあり、もちろん規範意識が乏しいという問題も含まれます。しかし、資質的な問題だけではなく、家族の問題や交友している友達関係の問題、その中での集団の力学の問題、学校や職場での問題、地域社会の問題等、幾つもの要因が絡み合ったり、重なり合って犯罪や非行は生じているということです。こういう要因を見極めて適切な介入をしていくためには、心理学における専門的な知識や技術が不可欠だと考えております。

 特に保護観察の対象者は、必ずしも支援や援助を求めて面談に来るわけではありません。処分として言われて来るということです。そういう中で、相手との信頼関係を確立し、また、変化への動機付けを行い、本人と地域社会にとって望ましい方向に生活を変えていっていただく、立て直していただくということが必要なわけです。そのためには、本当に高度な心理学的な知識と技術が必要とされます。

 そのため、保護観察官は心理学を含む人間科学の専門職試験の合格者から採用されております。また、採用後も臨床心理学に関する研修を受けていただき、保護観察官は特に認知行動療法に基づく各種専門的処遇プログラムも実施しているという現状があります。また、保護観察は地域の保護司と協働して行っているという現状がありますので、保護観察官は保護司の方々に対する助言、そして対象になっている方の御家族への助言、支援も当然行わなければなりません。また、犯罪や非行の予防や犯罪者の立ち直りなどに関する地域社会に対する啓発活動も行っております。そういう意味でも心理学の専門的な知識や技術が生かせると考えております。

 更生保護の分野では、触法精神障害者に対する医療観察も行われております。これは、心身喪失等の状態で殺人や放火などの重大な他害行為をした精神障害者について、保護観察所に配属されている社会復帰調整官が、精神医療や精神福祉の関係機関とともにその症状を改善し同様の行為の再発を防止して、その社会復帰を促進するというものです。したがって社会復帰調整官は、臨床心理士や精神保健福祉士などの資格を持ち、かつ、精神保健福祉の実務経験を有するものから採用されております。今後、心理学に関する専門的知識と技術を持った公認心理師が保護観察官や社会復帰調整官として更生保護の業務に従事するようになれば更生保護の業界にとっては、より一層の専門性と社会的評価が得られることになるものと期待しております。

 なお、保護観察官や社会復帰調整官の業務の経験が、公認心理師の資格試験を受けるための実務経験として認められることを私としては期待しております。また、更生保護官署は、更生保護施設という民間の施設と一緒に仕事をしています。これは、犯罪をした方や非行をした少年の中で行き場のない人、問題を抱えている人を一時的に収容保護して、更生のための足掛かりを提供したり、いろいろな教育を行っている施設です。この更生保護施設の職員の経験も実務経験としてお認めいただければと考えております。

 次に、カリキュラムの策定に関してです。特に司法・法務・警察領域、我々の業界においては特殊な事情があります。処遇者は、その対象の方の福利といいますか、その方の立直りを支援するだけではなく、再犯を防止して社会を守るという課題もあります。そういう面で2つの役割を持っており、また、そのような中で、面接で話した内容が面接者限りで終わるということはほとんどなく、組織の中で共有され、あるいは必要に応じて裁判所に報告されるということもあり、守秘義務にも限界があります。また、本人の話だけを聞くだけではなく、事実の確認も重要な業務になっております。そういう司法臨床の特徴があるということです。あるいは、最近の犯罪者の処遇においては、実証的根拠に基づいた業務が重要視されており、犯罪者のリスクアセスメントの考え方、処遇プログラム、処遇の結果の評価の考え方についても理解が必要になってくると考えております。その辺の所もカリキュラムに含めていただけるとよろしいかと思っております。

 また、変化を求めていないが面接には来たという方に、変わっていただくためにどのように動機づけをしていくのかということ、関係機関との連携が非常に多くなりますのでチームでの援助の方法、コミュニティー心理学、先ほど話にありましたが、我々の社会内処遇も含めた犯罪者処遇に関する司法の制度、これは日本におけるシステムということになりますが、これらを御理解いただければと思っております。なお、扱っている対象者の性質上、依存症、攻撃性や衝動性ということに関する知識が不可欠かと思っております。また、犯罪の影にいる犯罪被害者の存在も忘れてはならないと思います。犯罪被害に遭われた方の心理、これらの方のケアについても学ぶ必要があると考えております。さらに、公認心理師としての倫理も重要な課題になるかと考えております。以上です。

○北村座長 ありがとうございました。今、格差社会や子供の貧困と言われておりますが、増えているのですか。

○角田構成員 そうですね。我々の扱っている対象の少年に関しては、確かに母子家庭の割合が増えているということは事実で、経済的にも苦しい、また、親御さんがそれに御苦労されて、なかなか子供と触れ合う機会がないというケースもたくさんあります。そういう意味で福祉の関係やいろいろな機関との連携も重要だと考えております。

○佐藤構成員 佐藤です。冒頭の自己紹介で少し申し上げたように、多分この場の方々としては初めてお聞きになる組織というか団体があり、精神科七者懇談会というものがあります。そこに2009年にこの問題について委員会が設置され、後で事務局に聞きましたら、私はその2009年から委員長を務めているということです。ちなみに七者懇談会は、略するとまずいのかもしれませんが、国立の精神科病院、80大学ですか、少し増えたのでしょうか、大学の精神科の講座の主任教授、それが講座担当者会議、自治体病院の中にも精神病院部会があり、都道府県立の精神科主体の病院、今日、実際に御出席の林先生が所属なさっている精神科病院協会、現在、精神科診療所が大変増えており、その診療所業界の団体、総合病院の中に精神科がある所も相当数あり、それから精神神経学会という7つによって構成されております。平成1718年頃、この資格化が大変盛り上がった頃にいろいろな議論がありました。その後、今のような精神神経学会もそうですし、各所属団体で相当取り組んできた。そのいろいろな御意見をまとめるために七者懇委員会があったと御理解いただければと思います。あと、私は精神神経学会の幹事ということで、そちらの委員にも属しております。それから、林先生が先ほど御紹介なさった推進協は本当に古い組織ですが、その中にも我々の七者懇が入っております。そういう関係で申しますと、先ほど林先生がおっしゃったことと大筋で余り変わらないということでお聞きいただければと思います。

 なぜ、精神科医がこれだけ長年関わっているのかというと、やはり幾つかあるかと思います。本当に釈迦に説法ですが、1920世紀にかけて心理学と精神医学は相携えて学問的には、正に協働してお互いに発展し、お互いに敬恭し合ったということがあろうかと思います。

 もう1つは、村瀬先生が最近、主任研究者をお務めになった厚生労働科学研究でも明らかですが、精神科医療機関関係で仕事をしている心理職の方は大変多いということだと思います。その他のルールがありますが、そうすると、いわゆる多職種協働という点で、私どもは大変、歴史も経験もあるということは申し上げていいかと思います。

 具体的なカリキュラムについては、これまでの大学院や学部カリキュラムについては、批判といいますか指摘が大変多くて、これを抜本的に変えてほしいということを委員会やいろいろな所でよく聞く意見です。では、何が違うのか何が必要なのかということを端的に申し上げると、やはり医療現場の実習や研修が非常に不足しております。しかも実習や研修をするための精神医学、医学一般の知識やカリキュラムが足りないということで、これはいろいろな先生方も既におっしゃっていることかと思います。臨床経験ということになるのです。

 最近はそのほかに法的な問題が多々あります。中でも先ほど御指摘がありました守秘義務、心理関係の先生方がお聞きになる利用者の方のお話、医者が聞く話、相互に患者がこっちは秘密だよ、あっちは秘密だよと言ったときに、どのように守秘義務を問題にするのかということは大変大きな問題です。これは倫理の問題にもなります。

 それから、何といっても身体疾患の問題があろうかと思います。私も個人的に経験があり、高名な先生方の経験としてもいろいろ出されておりますが、卑近な例は、うつ病だと思っていたところ頭蓋内の腫瘍であったということは、一番卑近な例として私も経験しております。そういう法的、倫理的な問題があります。

 既にお話が出ている多職協働、地域ケアということもあります。学会の委員会を主催している松田ひろし先生が、過去のシンポジウムでおっしゃったのは、とにかく心理は何でも屋でなければいかん、生活作りをしなければいかんのだと、大変、松田先生は地域のことをいろいろやっていらっしゃるので、あえておっしゃったわけです。一方で、大学や実際に研究を積まれている先生方から見れば専門性ということになろうかと思います。そういうところをどのように調和するのかということになりますので、本当にこれからその辺の折り合いをどのように付けるのかということは大きな作業かと思っております。

 そういう点で、北村先生は医学教育の御専門ということですが、我々の時代の医学教育は医者のことだけ、特に私のように現場に長年いると、こんなこと教わっていないということが多くて、書類だ何だ法的な改正があれば対応するということに追われております。心理の先生方も是非、私どももそうなのだからということも押し付けがましいのですが、何でも屋であると同時に専門性というところの折り合いをどのように付けるのかということだと。長時間になって恐縮です。

○北村座長 ありがとうございました。今、事務局から時間がないと、23分と。また機会があれば、こちらのことをお話するということでお願いいたします。

○子安構成員 日本心理学諸学会連合の子安と申します。日本心理学諸学会連合の説明がいるかと思いますので、少しお時間を頂きます。これは1999年に創設された心理学及び、その関係学会の調和ある発展を期してということで設置されております。必ずしも心理学という名称が付いている学会ばかりではありません。

 具体的に今私の手元に会員数上位10位の学会のリストがあります。心理ないし心理学会と名前が付いているものは、心理臨床学会、心理学会、教育心理学会、発達心理学会、健康心理学会、頭の日本という名前は省略しております。それに対して、直接、心理ではない名称としては、LD学会、カウンセリング学会、特殊教育学会、箱庭療法学会、認知行動療法学会があります。

 ということは、心理学は非常に総合的な学問で、いろいろな分野の方が心理学に参入されてきているということです。歴史的に見ると心理学は19世紀の後半に独立しましたが、そのときに2人の重要な研究者がおります。ドイツのヴィルヘルム・ヴントとアメリカのウィリアム・ジェームスです。このいずれも、もともと生理学者、医学者の方が哲学にも関心を持ち、そして、心理学の独立に大いに協力された方々です。

 文系、理系論と先ほど座長からありましたが、心理学はそういう意味では両方のオリジンを持っているのですが、欧米ではどちらかというと理学部(サイエンス)のところに心理学が入っている大学が多いと思います。日本はヴントに学んだ人が文学系の哲学者であったために、戦前に文学部に心理学が設置されたという経緯から文系という形になっております。オリジンや統計学を必要とする意味を考えてみても、理系的な要素を持った学問分野であるということになります。

 基礎的と実践的な分野の両方が心理学に必要であり、これは後で石隈先生からサイエンティスト・プラクティショナーモデルというお話があるかもしれませんが、この両方の素養を持った方を育てるということで、口で言うのは簡単なのですが、実はこれは大変な事業です。そういう意味でカリキュラムをどのようにするのかということが非常に重要な事柄になってくると思います。資質を高めるためにはたくさんのカリキュラムを用意することが必要なのですが、片方では今現実に大学側にいるスタッフでどのようなことを用意できるのかということもあり、そういうバランスの取れたカリキュラム編成も考えていただければと考えております。

 それから、もう1つだけ申し上げます。私は発達心理学が専門なので、米山先生から発達という言葉を随分言っていただき大変心強かったです。三団体でいろいろ議論する中で要望書を2011年に提出しております。その中で、5領域ということを言っております。その5領域に近いものがお手元の資料5の下のほうにある保健医療分野、福祉分野、教育分野、司法・法務・警察分野、産業・労働分野となっております。要望書では、教育分野の所は教育発達分野になっており、ここに是非「発達」という言葉を付け加えていただけないかということが今日の要望事項です。

 既に米山先生や山中先生からも御発言がありましたように、子どもの育ち全般に関わる発達診断、発達障害、発達支援ということもありますが、もう少し、これから高齢化社会に向けて加齢も重要な問題で、生涯発達的視点が大事になってくるかと思います。私が思うのは、教育は行政用語にきちんと定着しており、児童という言葉も省庁によって使い方は違うのですが使われております。発達という用語が行政用語の中にまだ十分定着しておりませんので、この辺のことについて私自身これから少しそれなりに努力していきたいと思っております。

 大事なことは、この資格は日本心理学諸学会連合を含む三団体、林先生が長をされている医療心理師国家資格制度推進協議会、臨床心理士国家資格推進連絡協議会、この三団体が三団体会談を68回ぐらい重ねて、そして協力しながら、最初の頃は意見の違いもありましたが、その意見を合わせながら作り上げてきた資格です。今後とも心理系、医療系が一体となって作っていくべき事柄であると思っているということを最後に申し上げます。ありがとうございました。

○栗林構成員 日産自動車の人事の栗林と申します。職域を代表して少し要望を発言します。データにもありますように職域で心理士の方々が活躍されているのは9%ということで、今非常にさみしい状況です。将来的には、これが広がっていくだろうという希望も含めて少し述べます。

 特に弊社では、10年ほどEAPを通して心理士の方に活躍していただいております。その状況は、当然、労働者が不調になったり、悩みがあるときに相談カウンセリングをしていただくという使われ方です。その中で感じることは、当然、本人に寄り添うということは心理士の方々はとても得意な領域なのですが、やはり職域を考えると労務管理の視点がかなり必要になってまいりますので、具体的にカリキュラムの要望として、労働三法の基本的なところは理解していただきたい。取り分け労働基準法は知っておいてほしいというところがあります。三六協定はどういうものなのだということを知った上で相談に乗ってほしい。

 もう1つは労働契約とはどのようなものなのかということも、是非、認知していただきたい。つまり、安定的な労務を提供できて期待されるアウトプットを出せるというところで初めて労働契約が成立するわけで、そこの観点を心理師の方々にも十分理解していただき、それに絡むと雇用機会均等法や労働安全衛生法も理解していただきたい。特にストレスチェックが法制化されましたので、労働安全衛生法などはかなり関連が出てくる。

 そういう知識的なところだけではなくて、やはり企業とはどのような所なのかという経験を是非積んでいただきたいということもあります。企業側としてはインターンシップで受け入れることは全然構わないと思いますので、EAPの会社に一定期間勤めていただくということもいいかもしれません。あるいはリワーク施設で働いてみるということもいいかもしれませんし、産業保健総合支援センターで相談員をやるということも非常にいいことだと思います。そういう経験と労務管理的な知識を合わせ持ってやっていただければ、企業にとって非常に有効な心理職の方々が誕生してくるのではないかと日々思っております。以上です。

○北村座長 ありがとうございます。産業カウンセリングは大事だと思いますので、よろしくお願いします。

○川畑構成員 川畑です。どうぞよろしくお願いいたします。私は現在、臨床心理士養成大学院協議会の会長をしており、全国に170校ある臨床心理士を養成する大学院の代表をしております。また、臨床心理士会の副会長も務めております。私自身キャリアの全てを心理専門職としての仕事、教育に捧げてきましたので、公認心理師制度の行く末に対しては深く思いを寄せているところです。

 今日は大まかな方向性を共有するということですので、極端に単純化して申し上げます。国民の心の健康の保持増進のために公認心理師に求められる役割は、どのような現場や職に就こうとも次の3点に集約できると思います。第1は人と関わること、第2は人の心を理解すること、第3は得られた理解を本人、若しくは周囲の人間の幸せにつなげることです。

 人と関わるとはコミュニケーションをとるということですが、通常関わりが求められるのは、打ち明けられない悩みがある、精神疾患や発達障害を抱えている、虐待により大人を信用できない、人と人、集団間の対立や葛藤に巻き込まれている等、コミュニケーションが難しい状況です。当然、そういう状況で人の心を理解することは簡単ではありません。かすかな表現やサインを見落とさず、想像力を働かせながら言葉にならない思いを酌み取ることが求められます。そして、その理解を本人や周囲の幸せにつなげるためには、その人が置かれている状況や環境、人間関係、生きてきた歴史を考慮して自らの知識と経験を重ね合わせながら、一定の認識まで高めなくてはなりません。また、その認識を当事者や周囲の方々に理解できる言葉に翻訳して伝える技術を持っていなければなりません。

 このようなことができる人材を養成するためにカリキュラムはどのようなものであるべきでしょうか。まず、学ぶべき心理学は、実験室で明らかになる統制された要因間の法則性の集積よりも、生きた人間が実生活や社会環境の中で体験する事柄に向けられた心理学であると思います。具体的には、発達や教育、社会や産業、パーソナリティーの研究を含む臨床心理学の関連に重点が置かれるべきでしょう。もちろん、科学的思考法を理解させるために、実験デザインや統計の手法を学ぶことは重要です。しかし、それらは先に述べた生きた人間が直面する心理学的課題の追及に活用されることが重要で、それゆえ、観察や面接等、質的研究領域を重視すべきです。

 第2に社会の様々な領域において、役に立つ実践を行うために心理学以外の隣接関連科目を充実させるべきです。特に医学、精神医学、保健学の知識は、どの分野においても必要になるでしょう。しかし、領域横断的な仕事が期待される公認心理師には、教育、福祉、司法、産業についてバランスよく学べる環境が必要であると考えます。

 第3に最初に述べた人と関わる能力を養うために、実際に人と出会い、人と交流を持つ実習に力を注ぐべきです。中でも個々のクライアントと信頼関係を築きながら、継続的に相談関係を維持する能力は、公認心理師に求められる技量の要になると思います。それを養うために学内相談施設でスーパービジョンを受けながら継続的な面接を行うという、臨床心理士教育が培ってきた方法は、絶対に教育の中心に据えるべきです。

 心理アセスメントの教育においても、心理検査の実施、採点という単なる手続を覚えるのではなく、個々のクライアントとの出会いの中で人格全体の理解の中に検査結果を反映させる視点を養うべきです。また、病院やその他の外部機関の実習においては、実務に触れるということ以上に、そこで体験する事象を心理的視点から理解するように臨床実践歴のある指導者を交えた振返り討論、あるいはスーパービジョンを組み合わせる必要があります。

 こうした臨床実践を含む実習は大学院教育に置かれるとしても、学部の時代からPBLALを活用した教育によって、体験から学ぶ姿勢を準備させるべきだと思います。こうした体験的な学びは、他職種との連携、チームとして仕事をする能力を養う上でも重要です。いずれにしても、このような臨床実践を含む教育は心理専門職を育てるためには必要ですので、大学院での教育は欠かすことができないと考えております。別の言い方をすると、もしこの資格を学部教育だけで取ることができる安易な資格にしてしまうことは、せっかくできたこの国家資格制度を台無しにする、あるいは本当に役に立つ心理師を必要としている現場に大きな混乱を引き起こすと考えております。

 最後ですが、心理専門職の教育は決して大学院修士課程で完結しないという認識を、教える側、学ぶ側、社会の側も共有する必要があります。資格取得後、実践領域の経験を踏まえて専門性を高めていく努力が必要であり、そのためになるべく早い段階で卒後教育のグラウンドデザインを描き始め、その大きな枠組みの中で大学院までの教育を考えるべきです。以上です。どうもありがとうございました。

○北村座長 ありがとうございました。医学も全く同じです。医師免許を取って、医者ではなくて医者の修業を始める資格をもらったみたいな感じですから、ここも公認心理師の資格を取ったときは、公認心理師としての修業が始まるという感覚で、卒後のカリキュラムが必要だと思います。卒前と卒後、あるいは資格がないときと資格後がシームレスにつながってキャリアデザインができるといいと思います。

○釜萢構成員 日本医師会の釜萢と申します。公認心理師の資格の問題は大変長い間、議論されて、なかなか実現までの道のりが遠い中で、国会の議員立法でこの法律ができたということは大変重いことだと思います。一方で、この検討会で皆さんの合意を得てカリキュラム等を作っていく作業は決して簡単なことではなく、合意形成の道のりは遠いのではないかと私は予想しております。限られた時間の中で、どのようにやっていくのかということが、今後の大きな課題だと思います。

 医療に携わる立場で心理職の方にも、これまで大変お世話になってまいりました。私は心理職の方は教育の立場から出てきておられ、医療を直接やっていた者とは少し認識の違いがあったという思いを持っております。今後のカリキュラムの検討に当たっては、そこのところはしっかりすり合わせができればと思います。参考資料4の現状における分布を見てみると保健医療は4割です。それ以外の部分においても、公認心理師の果たす役割は非常に大きいので、それらに全てしっかりと対応できるカリキュラムを作らなければいけないと思います。北村座長が言われたように、まず、この資格を取得するところをクリアして、その後、しっかり卒後教育をやっていかなければいけないと思います。

 もう1点は、私は医療従事者の今後の養成、需給に関わってきておりますが、我が国はこれから人口がどんどん減少していくわけです。若年の人口は特に減ります。その中で、この職種にどれだけ優れた人材を集められるのかということが非常に大事な問題になってまいりますので、そのことを皆様に踏まえていただき、是非、御議論願いたいと思います。

○北村座長 ありがとうございました。

○大野構成員 日本臨床心理士資格認定協会の大野です。先ほど話した内容については、省略いたします。まず、資格認定協会の立上げは1988年です。既に3万人を超える臨床心理士を養成認定し、その後の研修を義務として5年ごとの資格更新制を整備してきました。その内容は、心の専門家に固有に求められる職業倫理に基づく専門資質等の維持向上を図りながら、公益に資する諸事業を運営しております。

 その中で特に注目されるのは、臨床心理士養成大学院、認定事業において、平成28年度現在、170の大学院の認証を行っております。その中で、155が第1種、残りが第2種です。第1種の大学については、附属実習施設の設置が必須になっております。これは全国各地で展開しておりますが、有料相談機関として地域貢献を果たしながら教育に従事するという形を取っております。

 この度、公認心理師が法律で認められたということで、これに対して我々も積極的に受け入れる方針です。これはカリキュラムも含めて検討する課題でもありますが、カリキュラム自体はワーキングチームが立ち上がるということですので、その中での議論に委ねたいと思います。もちろん、基本的なスタンスは、いろいろな問題を持つ人たちに対する対応の仕方をしっかり見据えながら、同時に我々の所では教育の立場でいえば、公認心理師がどのように育っていくのかということは臨床心理士との兼ね合いもありますので、共存共栄の立場から、その内容について検討を進めたいと思っております。

 具体的なカリキュラムについては、そういう意味でワーキングチームに委ねるという立場を取っていきたいと思います。ただ、幾つかある懸案の中で今回特に触れておきたいことは、公認心理師法第7条第2号における、これは受験資格と学部卒業者の関係ですが、学部卒業者の実務経験についてです。

 臨床心理士資格認定協会の見解では、学部卒業者に必要な実務経験が最低5年必要と考えております。その根拠は必要な時に詳細に提示できますが、まず、公認心理師は法にあるように、保健医療、福祉、教育の3領域を基本に汎用性のある資格として位置付けられていることです。学部卒後、最低この3領域の研修を必須とするならば、現実的に5年でも足りないかという考えを持っております。

 もう1つ触れておきたいのは社会人の取扱いです。先ほど多職種連携問題というかその教育の問題を御指摘してありますが、実際、医療の関係、例えば医師や看護師の方も、臨床心理士の資格を取っております。特に医師は500人を超えて取得しておりますので、そういう意味で多職種との関係については、常日頃、念頭に置きながらやって取り組んでいるところです。我々が育った時代は、文系や理系とか境がないというか、割合に交流があったのだけれども、そういうときに大学に入学して、それなりの。

○北村座長 少し短く。

○大野構成員 はい。そういう意味で、社会人についても配慮をお願いして終わりにしたいと思います。

○北村座長 ありがとうございました。ただ、実務経験を期限で決めるのがいいのか、経験した症例数のレポートみたいなものも一緒に出してもらうとかもお願いします。

○大野構成員 カリキュラムの検討の中で、多分、議論されると思います。

○石隈構成員 すみません、時間がアディショナルタイムに入っているので手短かにお話しします。私はスクールカウンセリング推進協議会から来ており、同時に日本学校心理士会の会長をしております。公認心理師と他の資格がこれからどのようになるのかということです。座長もおっしゃって関心を持っていただいているのですが、公認心理師は全ての領域に関わる基本的な資格を目指しております。ほかの資格は2階建てといいますか、学校や産業の領域が強くなることを目指していく。ただ、他の資格もこれから頑張って力を上げていかなければ公認心理師の上に来ませんので、しばらくは両方持っているということでアピールするのかと思っております。

 学校関係ではどのような仕事があるのかということは、先ほど山中校長先生もお話されましたが、スクールカウンセラーは平成7年から臨床心理士の方の貢献でかなり定着してきていると考えております。臨床心理士の方が約84%で残りの16%が学校心理士、教育カウンセラー等が仕事をしております。それから特別支援学校の地域支援の先生方は、いろいろな学校に行ってアセスメントをしたり家族支援をしたりと、アメリカのスクールサイコロジストのような仕事をしておりますので、これも心理職に近いかと思っております。

そしてフレックス高校や定時制の学校では、教員という立場で専任カウンセラーという、ほとんどカウンセリング中心の仕事の人もおります。そういうものを含めて、これから附帯決議の既存の資格として、例えば、学校領域では臨床心理士を筆頭に学校心理士、臨床発達心理士、特別支援教育士、ガイダンスカウンセラー等が検討材料になるのかと思っております。

2つ目は、村瀬先生に作っていただいた横長の表はとても分かりやすいのです。教育に関する分野で主な職務内容の最後にストレスチェックがあります。これはとても大事で、今回の公認心理師の行為の2条の4項にあるように、予防開発的なことを学校の教員や職員、心理職、福祉職等が協力してやるというところが、私は主な職務内容の1つになるのではないかと思っております。そして予防開発的な援助により虐待や貧困の連鎖を防ぐというところでは、かなり現場が頑張っています。教職員のチームに心理職が入って、ほかの専門家とつないでいけるといいのかと思います。

 最後に1点だけ、これからワーキンググループでカリキュラムの検討をということですが、先ほど子安先生がおっしゃったサイエンティスト・プラクティショナーモデルが、アメリカ等ではサイコロジストのスタンダードです。釈迦に説法ですが、サイコロジストがきちんと心理学を学んでいて、心理学的な技法だけではなくて、その心理学にはバイオサイコソーシャルというか、生理心理学的なことも含めて、まずきちんと学ぶ。

 それから、プラクティショナーは現場で実践ができるということです。これは、ただ、勉強して現場に行っているということだけではなくて、現場経験の中から、きちんとエビデンスを見つける。最近、エビデンス・ベースド・プラクティスとよく言いますが、実際に現場でやってみると、プラクティス・ベースド・エビデンスという視点も重要です。やはり現場には宝があります。カリキュラムの中で、心理学を学ぶことと、現場で学ぶということのバランスです。村瀬先生がおっしゃった循環ということがポイントになるかと思います。

 アディショナルタイムの笛が鳴りそうなので、このぐらいで終わります。

○北村座長 ありがとうございます。ということで、いろいろな所から来ていただき、どうもありがとうございました。今日がキックオフ・ミーティングで、チーム公認心理師が発足したようなもので、分散ではなくて集約のほうで、今年度の末にはいいカリキュラムを作っていきたいと思います。是非、御協力をお願いしたいと思います。

 少し時間をオーバーしましたが、今日の議論はここまでとして、最後に事務局から連絡事項等をお願いします。

○松本主査 本日は様々な御意見を頂きました。次回の検討会については本日いただいた御意見、中でも出来上がりのイメージ、心理師に求められる役割、知識及び技術というところについて、今回いただいた御意見を踏まえて整理を行うことにしたいと思います。

 なお、日程については、104()を予定しております。追って御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

○北村座長 どうもありがとうございました。足下の悪い中、長時間にわたり、まして時間を少しオーバーして申し訳ありませんが、公認心理師カリキュラム等検討会(第1回)を閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 障害保健福祉部が実施する検討会等 > 公認心理師カリキュラム等検討会 > 第1回公認心理師カリキュラム等検討会議事録(2016年9月20日)

ページの先頭へ戻る