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2016年3月22日 第27回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会

職業安定局建設・港湾対策室

○日時

平成28年3月22日(火)13:30~


○場所

中央労働委員会会館第205会議室


○出席者

公益代表

鎌田座長、内藤委員、渡邉委員

労働者代表

柏木委員、玉田委員、松永委員

使用者代表

鈴江委員、鶴岡委員、花島委員

事務局

広畑雇用開発部長、谷建設・港湾対策室長、富永建設・港湾対策室長補佐

○議題

(1)港湾雇用安定等計画の進捗状況について
(2)その他

○議事

○富永補佐 ただいまから、「第27回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会」を開催させていただきます。私は、建設港湾対策室室長補佐をしております富永です。昨年427日付けで、この専門委員会の委員の改選がありました。本日は、今年度初めての開催です。また、年度途中に専門委員の交代もありましたので、冒頭は事務局のほうで進行させていただきます。

 配布資料の確認をお願いいたします。資料1から資料4、参考資料1と参考資料26種類です。もし足りない資料がありましたらお申し出ください。

 今回新たに選任されております委員の御紹介をさせていただきます。資料1が、最新の港湾労働専門委員会の委員名簿です。平成271021日付けで、西川委員に代わり、日本港湾労働組合連合会中央執行委員長の柏木公廣委員が、労働者代表委員として就任されております。当委員会への御出席は今回が初めてですので一言御挨拶をお願いいたします。

○柏木委員 ただいま御紹介いただきました柏木です。何分にも、こういう席は初めてなのでよろしくお願いいたします。

○富永補佐 また、事務局である厚生労働省職業安定局雇用開発部建設港湾対策室においても、平成2741日付けで室長が代わりましたので御紹介いたします。室長の谷です。

○谷室長 ただいま御紹介いただきました谷です。約1年たちましたけれども、専門委員の皆様方には、日頃より大変お世話になっております。この場をお借りして御礼申し上げます。本日も、港湾計画の進捗状況等について御審議いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○富永補佐 本日は、国土交通省より、オブザーバーとして国土交通省港湾局港湾経済課の畠山港運高度化対策官に御出席いただいております。一言御挨拶をお願いいたします。

○畠山港運高度化対策官 国土交通省港湾局港湾経済課港運高度化対策官の畠山です。本日は、片山港湾経済課長が所用のため欠席させていただいておりますので、私が代理で出席させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○富永補佐 本日の委員の皆様の出欠状況ですが、全員出席との御連絡を頂いております。なお、内藤委員から少し遅れての出席という御連絡を受けております。

 当専門委員会の座長の選出についてです。資料2として「港湾労働専門委員会の設置について」の2(3)に、「専門委員会に座長を置き、専門委員会に属する公益を代表する委員又は臨時委員の中から部会長が指名する」こととされております。雇用対策基本問題部会の阿部部会長から、引き続き鎌田委員に当専門委員会の座長にという御指名を頂いております。以降の議事進行は鎌田座長にお願いいたします。

○鎌田座長 ただいまの説明にあったように、引き続き御指名ということで、私が当委員会の座長を続けていきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 議事に入る前に、既に御退任された西川委員についてお話させていただきます。西川委員の在任期間は、平成2441日から平成271020日まで約3年半の間、この委員会の運営に御協力を頂きました。改めて座長として感謝を申し上げます。本日はいらっしゃいませんけれども、そういうことで御礼申し上げます。また、新たに委員に就任された柏木委員におかれましては、今後とも当委員会の運営に御協力を頂くよう、なにとぞよろしくお願いいたします。

 議事に入ります。議事次第にあるとおり、議題は2つあります。1つ目は「港湾雇用安定等計画の進捗状況について」と、2つ目は「その他」です。1つ目の議題である港湾雇用安定等計画の進捗状況について事務局から説明をお願いします。

○富永補佐 港湾雇用安定等計画の進捗状況等についてということで御説明いたします。資料3と参考資料1です。資料3が、雇用安定等計画の概要に沿い、実際の現状はどうなっているかを並べて書いたものです。参考資料1は、港湾関係資料として、いろいろな関係のデータを集めたものです。両方を見ながら御説明いたします。資料3の一番左の列に「計画の概要」を記載しております。計画の(2)「計画の背景と課題」の所に、「港湾労働者の雇用改善及び能力開発・向上の現状」という項目があります。そこでは、港湾運送事業は、港湾運送の波動性があるので、企業外労働力に依存せざるを得ない状況にある。企業外労働力として、日雇労働者に依存することについて書かれています。

 波動性についてもあるのですけれども、真ん中に「実績」として、年ごとの労働時間を載せています。参考資料13ページに、労働時間の年ごとの推移を載せています。参考資料13ページの折れ線グラフの一番上の水色の折れ線が港湾労働者の総労働時間です。平成24年から平成25年、26年と増えている状況がここで見えます。これは総労働時間ですが、所定の労働時間については、下のグラフの点線が所定の労働時間になります。総労働時間数が増えているのに対し、所定の労働時間は横ばいです。この差が残業ということになりますので、所定の労働時間については横ばいですが、残業が増えて、総労働時間が増えている状況です。このグラフのオレンジの線は、全産業の平均ですが、これについては総労働時間、所定労働時間については横ばいになっています。特に港湾労働者については残業が増えて、総労働時間が増えている状況です。

 資料32ページの一番上のロ「今後の港湾労働対策の課題」という項目です。その中には、「規制改革の影響や、貨物輸送のコンテナ化等の近代的荷役の進展など、港湾労働を取り巻く環境は大きく変化している」と書かれています。2ページの真ん中の列に、「六大港におけるコンテナ化率」と書かれています。これは参考資料11ページの(2)のグラフに、「六大港におけるコンテナ貨物量の推移」があります。六大港のコンテナ化率を見ると、参考資料1の下の折れ線グラフを見ると、ここ数年は7割弱ぐらいで横ばいで推移しています。

 資料3で、「港湾労働者の雇用の動向に関する事項」という項目があります。港湾労働者の雇用の動向に関する事項については、いろいろなデータを記載しています。(1)「港湾運送量の動向」については、参考資料11ページの上の5本の折れ線グラフになります。各業務の六大港による船舶積載量の推移です。この船舶積載量は、リーマンショック後に落ち込んだのですけれども、ここ数年は回復傾向にあることが、このグラフを見ると分かります。

 資料32(2)の「港湾労働者の雇用の動向」という項目があります。平成21年度は31,796人だった港湾の常用労働者、これは参考資料12ページに港湾労働者数の推移が載っています。参考資料12ページの上のグラフで、折れ線グラフが常用の港湾労働者数ですが、ここ数年微増傾向にあります。平成21年度は31,796人、平成26年度は33,604人に増えています。棒グラフは、企業の常用労働者、労働者派遣の数、日雇労働者を、それぞれ各年度月平均の人日で表したものです。これも、トータルで横ばい、平成26年度については平成25年度から少し増えている状況です。

 資料33ページの上に、「労働力の需給調整の目標に関する事項」とあります。そこに載っているデータは、先ほど申し上げた港湾労働者の数です。(2)に「労働力需給調整に関して講ずべき措置」と書かれています。参考資料14ページに、港湾派遣のデータが載っています。

   4ページの上のグラフが、六大港の港湾労働者の派遣状況です。折れ線グラフが、派遣元から見た派遣のあっせん成立率です。平成21年度のリーマンショック後には64.2%と、かなり落ち込んだのですけれども、その後は回復していて、あっせん成立率が9割を超えています。国の政策目標として、派遣あっせんによる派遣成立の目標が83%以上ですので、ここ数年は目標をクリアしています。

 資料33ページの(2)3つ目の○は、日雇労働者の利用状況です。直接雇用の日雇労働者の就労状況は、参考資料12ページの上の棒グラフになります。紫が日雇労働者、赤が常用労働者、緑が派遣労働者になります。日雇労働者の就労状況については、平成21年度から少し増加ぎみであったのですが、平成26年度では少し減っています。ここまでが労働者の状況です。

 資料33ページの下のほうにありますが、港湾労働法遵守強化旬間等を通じて、雇用秩序連絡会議、現場パトロール、立入検査の実施を行うということです。参考資料110ページに、六大港においての雇用秩序連絡会議の開催状況を記載しておりますが、開催状況はそれぞれ、港湾労働法遵守強化旬間において、いろいろなパトロールをやったり、立入検査をやったりという状況が載っています。各港で開催しておりますが、平成26年では六大港合計で9回開催しています。

 事業所訪問指導・立入検査の実施状況は参考資料17ページです。各港での現場パトロール、事業所訪問指導等の実施状況が記載されております。これは旬間に限らず年間を通しての現場パトロール、事業所訪問になります。平成26年の現場パトロールの実施回数は合計で644回、実施事業所数は3,000余です。事業所訪問については、実施回数が年間で386回、実施事業所数が668です。

 資料34ページに、現場パトロールの状況と、事業所訪問の実施状況が書かれています。参考資料1で御説明したところです。資料34ページの真ん中辺りですが、公共職業安定所において、紹介については、安定所紹介就労が、平成26年度で2,000人日余りです。その下の港湾労働雇用安定センターが行う事業主支援及び雇用安定事業関係の実施については、必要な助言指導を行うということで、適宜連携を取りながら指導をしています。

 資料34ページの下のほうで、ロのセンターが講ずる措置については、先ほど御説明いたしました派遣のあっせんによる成立率を載せています。4ページの一番下の、センターにおける相談、援助で、派遣に対する事業主への相談援助については年々少しずつ増えています。5ページの一番上に、平成26年度で6,400件余の相談をセンターで受けています。5ページのハの事業主及び事業主団体が講ずる措置については、先ほど御説明した、安定所紹介就労を載せています。

   5ページの真中辺りで、4「港湾労働者の雇用改善・能力開発を促進するための方策に関する事項」です。1番目は、国が講ずる措置として、雇用管理者の選任の徹底とあります。参考資料16ページの下のほうに、雇用管理者選任届出事業所数等の状況とあります。これは、全港湾で100%の事業所が雇用管理者を選任しています。

 資料35ページで、労災の発生状況です。参考資料111ページに折れ線グラフがあります。上が死亡者数の推移で、下が休業4日以上の死傷者数の推移です。赤いグラフが全産業、灰色のグラフが港湾運送事業です。港湾運送事業については大体横ばいとか、少し減っています。

 資料36ページの左側の2つ目の○は、センターが講ずる措置の雇用管理者研修、雇用管理の改善に関する相談その他の援助を実施する。参考資料115ページに、雇用管理者研修の実施状況を載せています。平成26年度においては、各港1回ずつ開催していて、参加者合計で409名です。

 資料36ページの下のほうは、能力開発を促進するための方策です。今年度から、豊橋の研修センターにシミュレーターを入れました。シミュレーターについては、後ほど別途御説明いたします。

 資料37ページに、研修センターの訓練実施状況が書かれています。ここ数年は大体1,000人程度で訓練を実施しています。7ページの下のほうに、事業所訪問及び立入検査の実施状況で、先ほど御説明したものを載せています。

 資料38ページは、派遣元責任者講習です。派遣元責任者講習の参加人数は、参考資料115ページの下のほうに、各港別に年度別の派遣元責任者講習の実施状況を載せています。各港でここ数年2回ずつ行っていて、参加者数は、平成26年度は517人です。以上が、資料3及び参考資料1についての説明です。

 引き続き、資料4「港湾労働者の能力の開発及び向上を促進するための方策について」を御説明いたします。今年度、豊橋の港湾技能研修センターに導入した、ガントリークレーンのシミュレーターの状況です。去年の4月よりシミュレーションの講習を開始しています。このシミュレーションのほぼ1年間である2月までの実績が、資料4の下の左隅に載っています。シミュレーター使用研修コースが3つと、受講者数が載っています。この3つのシミュレーター使用コースを合わせて2月までで、32人の受講者がいます。3月はまだ終わっていませんけれども、大体3名ぐらいが受講する予定ですので、年度で言うと32+3=35人なのかと思います。もう少し受講者数を増やさなければいけないということで、講習の更なるPR、受講内容の見直し等に努めないといけないかと思っています。

 資料4の上の灰色の四角の中の、2つ目の○に、シミュレーターを活用し、港湾労働者が高度な技術・技能を習得できるよう支援するとともに、講習のニーズを的確に把握した上で、効果的な各種講習の実施に努める旨を記載とあります。今はガントリークレーンのシミュレーション機能だけなのですけれども、来年度からはトランスファークレーンのシミュレーションもできるようにする予定です。これで、コンテナ荷役の幅広い技術の習得を目指すということで、利用者、受講者が増えるようにできればと思っております。資料4の説明は以上です。

○鎌田座長 それでは、今説明のあった資料34について、一括でどこからでも結構ですので、御質問、御意見がありましたら御発言いただきたいと思います。

○玉田委員 資料の見方で、これはどのように読めばいいのかということです。4ページです。六大港における港湾労働者数の就労形態別の就労状況の推移で、あっせん成立率があります。つまり、派遣元から見た成立、これは90何%ですよね。一方で派遣先、つまり、こういう人が欲しいよと言った場合になると12.6%となります。

 このデータから何が読み取れるのですか。何かものすごく、ちぐはぐがあって、この人は派遣元だから、Aさん、Bさんを出す用意があるよと言った側から見ると高い。しかし、欲しい人から見たら少ないということからすると、目標を83%以上にしたいということを派遣元から見たところですが、事業の性格からすると逆に、派遣先、波動性に対応するために多くの人が欲しいよというところが増えてこないと計画が進捗しているとは言えないのではないかと思うのですが、そういう解釈は違うのですか。

○鎌田座長 今、おっしゃったのは参考資料14ページの所ですか。

○玉田委員 そうです。4ページの上の資料です。

○鎌田座長 今、御質問がありましたが、事務局からいかがですか。お答えできますか。

○富永補佐 本来、派遣先申込数、つまり派遣を出してほしいという数に対してある程度埋まらないといけないものではありますが、やはり、出していいという数が今のところ少ない状況にありますので、なかなかここは派遣先から見たあっせん成立率が上がらないということです。

○玉田委員 そうすると、それは量の問題ですか。

○谷室長 目標設定自体が派遣元から83%ということで我々の事業の目標として立てております。ここのデータを見ていただくと分かるとおり、ずっと派遣先の申込件数が多い状況になっております。これは事業主の都合等もあると思うのですが、そういう中で目標を立てる際に、玉田委員の言われた目標設定、派遣先からということもあるのですが、こういった分については、なかなか目標を達成、ギャップがありますので、難しいということで、派遣元の、どちらかというと少ないほうからの目標を基に目標を設定しております。もちろん、玉田委員が言われるように派遣元の申込件数が増加するような方策はないのかということは、他方で議論もあると思います。

○玉田委員 ないのかというよりも、むしろ、この制度はこういう波動性があるものだから、直用だとかに依存せずに、できるだけ事業者間の派遣で、常用労働者の派遣で対応しましょうと、それが雇用の安定になるのだという趣旨だから、そういう意味では波動性に対応するために日雇に行かないようにする制度なのでしょうということになると、派遣先から見たというところの率が上がってこないと本来的な目標にならないのではないのかなという疑問があります。

 そういうことが読み取れるデータとして見ればいいものなのか、いやいやもともとそういう制度が違うよと、派遣したいよという人の側から見た数字が上がっていくほうがいいのだよと言われると少し制度が違うのかなというように、私の頭の中でデータをどのように読み込むべきかということが複雑になっているのです。

○谷室長 違うということではなくて、今、玉田委員がおっしゃられるように、常用雇用があって派遣があって日雇がありますという雇用ルールがありますが、その中で常用の次にくる派遣の活用について目標を立てているということで、その際に先ほど言ったとおり従来からずっと派遣先の申込件数が多い中で、どのように目標を立てるのかということで決めてきた目標ということで御理解いただきたいと思います。

○玉田委員 はい。

○谷室長 目標は、83%なのですが100%に近いほうを我々は目指していきたいと思っております。他方において制度の、玉田委員が言われるように派遣元の申込件数が少ないことについて問題だということは、また別の議論があると思っております。

○鎌田座長 今、御指摘の点は目標値をどのように取るかという問題も去ることながら、受け手のほうとしての派遣の利用率というか活用率が少ないと。何か使用者側のほうでそういう問題はありますか。

○鶴岡委員 まず、派遣制度の根幹を申し上げると、特定の従業員と特定の派遣元、派遣先の契約なのです。ですから、合致するということ自体が非常に難しい、成立が。ということが一つ。それから、前から申し上げているように派遣できる日数が7日間であるということから、雇用状況からいって、事業者は今そこまで余剰人員を抱えていられない。7日間の就労しかない人間をどれだけ抱えられるのかということが一つ。

 それと、コンテナ化率の話もありましたが、コンテナ化の普及により波動性が非常に低くなっていることは事実です。船内労働から、どちらかというとヤード側の沿岸労働は、ある程度は固定的に毎日存在する。船が入ってこなければない仕事で、ほかの仕事が増えてくれば、当然そこに波動性は少なくなる。コンテナ化の普及によって従来の港湾よりは波動性が低くなっていると思います。

 そういうことから、ある程度、労働者の仕事量が測れる現状から言えば、そこまで余剰人員を抱える必要もないですし、また、先ほど最初に申し上げた7日間の特定労働者特定企業間の、そういうものはなかなか合致しないということも出てくるのだと思います。

○鎌田座長 玉田委員、どうですか。それが経営側の問題意識です。派遣の日数は割と根本的な問題もあります。

○玉田委員 そうですね。

○鎌田座長 これは全体で計画を立てるときにも議論したところではあり、一応、今のように決まっております。そのほかにございますか。

○柏木委員 先ほど現場のパトロールの状況の報告を聞きました。平成26年度については違反事業所がほとんどなく0件。ただ、不思議に思うことは、労働組合が自主的にやると結構いるのですが、行政の報告を見ると0だと。これは何かなと。不思議で仕方がないのですが、一つの例としてですよ、港頭地区で通関業者がヤードを借り受けて車のバンニングをやっています。

 誰を使っているかというと外国人を使ってやっているというのです。地区の労働局にこういう状況だということで報告して、労働局が調べに行ったら、その日は仕事がなくて行ったけれど誰もいませんということで終わっているみたいなのです。少なくとも本省にそういう上申は上がっているのですか。

○富永補佐 各労働局からはいろいろ情報を上げてもらっております。しかし、その都度上げてもらっているわけではないのは、割と概括的なデータでもらっているので、各事案がどうだったということは、その都度聞いているわけではありません。

○柏木委員 単純に考えて、今の状況何かだと、国交省の方がおられますが、今の話を聞く限りでは完全な事業法違反だし、労働法にも違反しているわけでしょう。私は横浜出身なのですが、最低でも横浜に1件はあってしかるべきだと思うのです。最近は組合側で港頭地区をパトロールすると、不当な事業者が多い。きちんとした港運事業者がやっていないものもかなりありますよ。その辺を行政としてしっかり対処してもらわないと、我々、本当に雇用の職域がどんどんなくなってしまいます。そういうところが少し気になりました。報告は0ですが、こんなこと絶対にあり得ませんよ。

○花島委員 それは通関業者だから私たちじゃないのですよ。免許業者ではないから、要するに通関業というだけでやっているだけで、私たちは港湾運送事業でやっているから。

○柏木委員 ちゃんとしないと、こちらの事業者を、言い方は悪いけれども、港運事業者なり、港湾の200事業者を使ってきちんと、本来はやる。現実にここで今言った例の所でも、組合が行くと相手は、自分でやってはいけないのですかという質問をされたと、やってはいけなくはないけれども、やるのだったらやるルールがあると、この事業者を使ってバンニングなりしてもらわないと、この地区では駄目ですよと言っているのだけど、全然直らないみたいですよ。それを我々、民間が言うよりも行政が言ってピシッと、こういうことは駄目だということを言うべきだと思います。

○畠山港運高度化対策官 一般的には港湾法でいう事業者でないと、できないということですね。

○柏木委員 国交省も何か変なのだよ、委託貨物が何だかんだで、もう今、港運事業者ではなくてもいいのだみたいな解釈もある、拡大解釈もいいところだ。

○鶴岡委員 柏木さんね、国交省と厚労省の、以前から問題になっている港湾運送事業法と港湾労働法のすれ違いがあるのです。はっきり言うと、厚労省側があくまでもパトロールする部分は主に港湾労働者証の問題です。作業範囲については、実を言うと厚労省側が自ら判断できるのは港湾倉庫以外は持っていないのです。だから多分、労働者証の確認にパトロールで回っているんでしょ。

○柏木委員 今の例から言えば、外国人が持っているはずないのだし。

○鶴岡委員 港湾運送事業者の従業員だけが労働者証を持っているわけではないのです。前からこれは問題になっている。だからこの問題をどのように差別化するかということは、ずっと私も提案しています。

○柏木委員 それは、この間の春闘中央行動の行政交渉の中でうちの委員が、港運事業者に雇用された人間に出すべきだという提案もしているわけだし。

○鶴岡委員 港湾労働法の規定の中における港湾倉庫、この中で働く労働者、要するに登録証を持たなければいけないという今の法律がある以上、ここに色分けがないのですよ。雇用主が港湾運送事業者ではなくてもいいことになってしまっているのです。そうすると、労働者証を持っているのが、雇用主が2通りになってしまっている。そこが国交省側が定める事業法と労働法で少しずれが生じていると思う。

 パトロールの現点は、多分ハローワークがやっているのは労働者証の確認しかないのです。仮にやったとしても、その労働者証の雇用主が一体誰なのかということまでは厚労省側では調べられないということですよね、原則は。

○柏木委員 ただ、船舶港湾で港湾に集荷どうのこうのといったって、我々の職域が広がったり領域が広がるというものであるならばまだしも、こういう不当な連中もかなりいるわけです。そういうところも、やはり我々としては国交省さんか何かに厳重にパトロールでもしてもらって、何とかしてほしいという要望があります、我々としては。

○鶴岡委員 それは単なる事業法違反です。

○玉田委員 いやいや、今のケースであっても港湾労働者証を出している限りは、港湾運送事業者ではない労働者であり事業主に雇われた労働者であっても、港湾労働者証を出すわけでしょう。つまり常用でなければいけないから。

○鶴岡委員 本来は港湾倉庫の中はですよ。中以外は駄目なのです。

○玉田委員 今おっしゃったようなケースで事業主を捕まえることはできますよね。今言った例はバンニングだから、明確に受渡しをそこでやるわけだから。

○柏木委員 厚労省的に見て、件数は0かも分からないけれども、こういう報告の中では口頭でもあったって本来しかるべきことでしょう。こういうことが実際はありますと。

○鶴岡委員 言っていることは分かります。ただ、今やっているパトロールの範疇がそういうところしかない。ですよね。

○鈴江委員 柏木さんの指摘はそのとおりであって、関係資料上はこういう形で数値化されているのです。柏木さんの指摘については、0なのですから、0ばかりなのですから、そのとおりだと私は思います。この中でも安全、現場パトロールなどの定義は別にして、一応抜き打ちの検査でこういう形になったという一つの捉え方で見ていただければと思います。

○花島委員 取り締まるなら警察に行ってもらったほうが自分たちも助かるということ。

○柏木委員 そこが違反なのか、いろいろなものがあるわけです、入管なのか。

○鎌田座長 法律が入り組んでおり。

○柏木委員 やっているほうも法律をよく理解していないし、本当に。何でやってはいけないのだと食ってかかられるというのだから。

○鎌田座長 先ほどから皆さん御説明のとおり、厚生労働省の範囲の中での取締りの件数としては出てくる。ただし、様々な法違反、広い意味での法違反は、これに限らないということです。ただ、それをどのようにするかということは、かなり昔からいろいろと議論があるところで、整理しなければいけないことはたくさんあるということです。細かいことはほとんど説明がありました。ほかにございますか。

○玉田委員 せっかくパトロールがあるものだから、事例だけ言っておきます。日雇の関係で組合がパトロールする、地域にもよりますが事前にいつからいつまでパトロールをやるよと言ってやる。そうすると期間中は職安紹介は、ばっと増えるのです。

○鎌田座長 そうですか。

○玉田委員 それを過ぎると、今度は職安紹介は減って直用が増える。私たちはパトロールで事実を事実としか見られないから、その先に何があるかと皆さん想像してもらえばいいですが、ある意味では想像できるのは1番バッターがいて2番バッターがいて成立しないで4番へ行ってしまう。3番バッターは敬遠なら1回立つのだけれど、敬遠もせずにそのまま4番バッターに行ってしまう。

 ものすごく典型的なのです。だから、あえて事前に言わないでパトロールするよりも言っておいたら意外と抑制効果もあるのではという気もするのです。そこから何を言いたいのかということは別として、パトロールはそういう効果もあるので、是非、労働局も調査に大いに力を入れてもらいたいと思います。

○鎌田座長 このパトロールの実施件数の回数で見ると、ここ数年でほぼ650件内外やっているのですかね。実施事業所数でいくと少しずつ増えているのかな。ここ2年くらいは3,000所ぐらいですか。パトロールは定期でやっているのですか。各港で計画を立ててやっているのですか。今言った予報と言うか、そういう形で定期でやっているということですか。

○富永補佐 そうですね。大体定期でというか、通知していくということが多いのではないかと思います。

○鎌田座長 玉田委員の今の話だと、いいかどうかは別にして、一応抑制効果はそこに出てくるということなのですよね。

○花島委員 前にも言いましたが、昔、寿町というドヤ街があって、今は山谷というドヤ街もほとんどなくなってしまったし、寿町も一番ピークのときに45万人ぐらい日雇作業員がいて、建設関係からあらゆる所が採用したのですが、今は2,000人ぐらいしかいません。この間までは3,500人ぐらいでしたが2,000人ぐらいになって、半分が違法外国人なのです。半分が本当の日雇なのですが、45万人の流れなので、おじいさんで余り日雇自体がいないというと嘘を言うと思われますが少ないのです。

○鎌田座長 それは、やはり最近の人手不足の影響で日雇していた人たちも減ってきているというこういうことなのですか。

○花島委員 それと、余り言いたくないですが、派遣みたいなものもあるから、そっちへ日雇みたいなものが逃げてしまったということもあるのでしょうけれども。

○鎌田座長 港湾ではなくて、いろいろな。

○鶴岡委員 あとは暴対法で、そういうものを仕切っていた組織をどんどん警察が取り締まっていますから、そういう部分も減る原因です。

○渡邉委員 今のお話ですと、参考資料の11ページに災害の統計が載っております。そうすると、これは正規の労働者が怪我をなされたり亡くなったりした場合の統計しかなかなか上がって来ないと見て。

○鶴岡委員 そんなことはないのではないですか。

○渡邉委員 何となく気になるのは、ここ数年、横ばいの状態が港湾も続いていて、多分統計の取り方が変わったから一概には言えないのですが、じわっとこの23年上がりそうな気配もなくもないので、不法な労働者とか、やはり質が落ちると事故が増えるので、その面でも心配かなと思います。

○花島委員 どんどん荷姿というか、荷役の形態が昔と違って変わってきているから、ほとんどコンテナだと落下以外はないし、昔は原木や鉄をやると、揚げるとき10何トンあるものが、原木はぬれているから、すべって落ちてしまうのです。原木と鉄の荷姿というか、あれが変わったから事故が減ったというと語弊が出ますが、相当減っています。

○渡邉委員 内陸倉庫で知識がない人間がデバンやったときに、そのまま開けてパッと振ってきて怪我をするという、前々からあると聞いてますが。

○花島委員 内陸倉庫は管轄外ですか。

○渡邉委員 管轄外だから。

○花島委員 日雇というとみんな悪く言うけど、日雇はあらゆる仕事ができて日雇だったのですよ。仕事を知らないのは、やはり自分たちとしては。怖くて使えないですよね。

○鎌田座長 そのほかにございませんか。

 私が気になるのは、資料4の「シミュレーターを利用した講習の実施状況」です。まずお聞きしたいのは、ガントリークレーンを導入して能力開発を進めようということで、これ自体は非常に期待をしているところなのですが、予想より利用率が少ないのではないのかと。予定の目標人数はどれぐらいか、ガントリークレーンはレンタルでやっているようですが、年間の費用はどのぐらいなのでしょうか。

○谷室長 平成27年度のシミュレーションの目標は84人でした。

○鎌田座長 今の説明だと、3月分で35名。

○谷室長 そうです。

○鎌田座長 半分に達していないということですよね。

○谷室長 そうです。

○花島委員 12月から。

○谷室長 これは4月からです。

 経費ですが、レンタル料と保守料を含めて、平成27年度が1,690万円です。

○鎌田座長 約1,700万円ですね。

○谷室長 平成28年度の目標は、84人で同じ設定をしておりまして、今回はトランスファークレーンのシミュレーションを新たにソフトで加えて、レンタル料が1,820万円に上がっています。

○鎌田座長 トランスファーも入れてですか。

○谷室長 はい、そうです。

○鎌田座長 これは費用は二事業から出ているのですよね。

○谷室長 はい。

○鎌田座長 皆さんも御存じだと思いますが、二事業の雇用保険料は使用者だけが負担しているのです。これも御存じだと思いますが、今、二事業のPDCAサイクル、費用と効果というのはものすごく厳しくて、取り組み始めたばかりなので、だからどうのこうのとは言えないのですが、これが数年続くとなると、相当問題になると思うのです。

 なので、特に経営の方にお聞きしたいのですが、何でこんなに少ないのか。使い勝手の悪さというのがあるのであれば言っていただいてと。もし可能であれば、来年度はこういうアイディアで取り組んだらどうかというアイディアも言ってほしいと思います。私は派遣とか、いろいろな委員会などに出ているのですが、特に二事業については、日本経団連の人から見ると相当厳しくチェックされて、私がよい事業だと思っているものも幾つか消されたのです。今は相当厳しいです。

 しかも、これを見ると、84分の35です。これは相当よくないということで、何か原因があれば教えていただけると。

○鶴岡委員 これは厚労省がいうのでやったことなのですが、はっきり言って、関西、関東の中間に、豊橋はあります。そうすると、そこまで行って、このシミュレーションの研修をやるのか。例えばこれが東京、大阪、神戸、横浜の現場にあれば、もう少し稼働率は上がると思うのですが、ただ、そこまで行ってシミュレーターを実際にやるという価値がなく、恐らく各現場で、実質的なものの中で、各企業や事業所は研修をしているのです。

 そうなると、このシミュレーターの中身がどうのこうのという以前に、わざわざ遠方に行ってシミュレーターをやる必要があるのかという部分は、実際に行った人から聞いています。豊橋には本物のガントリーがありますから、まだそれなら実用的な部分で実地訓練でできるのですが、シミュレーターで、遠方まで行ってそれをやっているのが、どこまでという部分は、実際に行った人たちから我々は聞いています。多分、組合さんのほうも聞いているかもしれないのですが。

○柏木委員 シミュレーター自体は最近、2月頃に入ったものですよね。研修センターの委員をやっている人から聞いたところでは、教える講師が足りない。申込みはたくさんあるのだけれども、講師がいなくて消化しきれないから、逆にこのような人数になっているという説明でした。

○鶴岡委員 その辺はどうなのですか。それは我々も、申込数の問題か、実態の問題かと。

○柏木委員 講師がいないのだったら、現場にOBは幾らでもいるのだから、そういう人たちを活用してもらえばこなせるのではないかと思いますよ。

○谷室長 シミュレーター自体は去年の4月から導入していて、この1年間の実績です。「講師が足りない」という話はないです。

○松永委員 委員から聞いた話では、豊橋の実機のほうです。年間の費用に対して受講者が少ないということで、本当に需要があるのかが問題になったのですが、結果、蓋を開けてみると講師が足りない、時間が割けない、ほかのキャリアの講師等もありますので、年間40名だか20名だか数字は忘れたのですが、それがセンターとして限度だと。そういう数字が出てきたのです。だから、この数字も、果たして目標は84人受入体制の上で来た人数なのかというのは分からない。そこは調べてからでないと、どういう部分かというのは分からないですよね。

○鎌田座長 それは根本的な問題ですよね。

○内藤委員 素人が口を差し挟んで申し訳ありません。今の話というのは、去年、一昨年と経緯を伺っていて、私が素人なりに理解したところでは、豊橋の研修センターにある実機は現代使っているような巨大なガントリークレーンではなくて、小型のもので、今はそのようなものは使わないから、大きなガントリークレーンを入れるわけにはいかないからシミュレーターを入れるのだというお話だったように伺った記憶があるのです。

 でも、今のお話を伺うと、むしろ小型ではあれで、実機で練習したほうが、シミュレーターでやるよりも、より使い勝手がいいというか、使えるものなのでしょうか。見たことがないので分からないのですが。

○鶴岡委員 実際の今の大型のガントリーから比べれば全然規模が違うのです。操作性の問題からいえば、できるとは思いますが、実際にそこでやった人が現場へ行って、今の大型をできるかどうかというと、またこれは別の問題なのです。私は高さの問題が一番大きいと思います。

○柏木委員 それが一番大きいです。別にリーチは何十列あろうと関係ないですから。高くなると、船がどんどん小さくなっていくわけですから、目標が。逆に、18,000Dぐらいの船のほうが、近くでやるから楽なのです。近くでできるから。

○鶴岡委員 だから、大型ガントリーで小型の船をやりながら講習するのが一番大変です。

○柏木委員 本来、働くほうの理想としても、OJTで現場でやるのが一番いいです。普段、みんなが使っている機械を空いている時間に貸してくれということで、現場の業者などにも頼んで空き時間に使わせてくれという要請はしているのですが、今は借り受けている所からいい返事がないです。ですから、こういう場所があって、こういう所を使えるのが一番いいのですが。

 ただ、豊橋だけではなくて、先ほど鶴岡さんが言われたように、それぞれの港にあるのがベストだと思います。

○鎌田座長 それはそうなのでしょうけれども。そうすると、交通費とか、移動の時間がネックなのですか。

○鶴岡委員 単純に言って、「わざわざ遠くまで行って、これをやるのですか」という話なのです。

○鎌田座長 まあ、そう言われてしまいますとね。

○鶴岡委員 それと、講師の問題もなくはないと思いますよ。その辺は、どういう。

○谷室長 先ほど御紹介した数字で、資料4で再度御説明させていただきますと、ガントリークレーンの運転5日間というのは、どちらかというとほとんど経験のない方で、これは実機も一緒に講習の中に入れて、シミュレーションと一緒にやっています。ガントリー向上訓練というものもやっているのですが、これはどちらかというと経験者のベテランの方を対象にした訓練です。一番下のガントリークレーンシミュレーター活用訓練というのは、シミュレーションだけで、全く今までクレーンをやったことのない方ではなくて、少しやったことがあるという方なのです。ベテランの方が研修の期間を取って豊橋に来てやるというのが、数字が上がりません。

○鎌田座長 このコースごとの目標値というのはあるのですか。向上訓練が予定よりは少ないのだろうなというのは想像が付きますが、目標値との比較でどうなのかなと。

○事務局 ガントリークレーン運転の定員が46名で、向上訓練は2名、シミュレーターの活用訓練が36名です。

○鎌田座長 それを合わせると84名なのですか。

○事務局 はい。

○鎌田座長 でも、向上訓練というのは2名の予定で1名だから、まあまあ。やはりシミュレーターの活用訓練が、予想より相当少ないのではないですか。

○谷室長 これは経験のある方を対象にしているのです。

○鎌田座長 港湾の外で二事業の議論を今までに経験した立場でいくと、これは数字は相当説明できないですよ。つまり、「結果としてそうなのです」ということだと、簡単に削られてしまいます。まだ始めたばかりだということなのですが、お金を出している側は相当厳しいので、来年度もお任せして、そのニーズが高まるといいよねという見通しでいくと、同じ結果になりかねないので、ここは労使ともに、特に経営者の方ですが、何か根本的にPRと取組をしていかないといけないのではないかという気が。

○鶴岡委員 やらせます。

 いや、先ほどの問題は、もし本当に組合さんが言っているように講師がいないのであれば、ある程度の数値改善はできるのではないかと思うのです。

○鎌田座長 そうですね。申込数があればね。

○鶴岡委員 そこは私も聞いていないので、実際に、講師を増やせば人数が増えるなら、こんな簡単な話は。これも講師を増やすのにお金はかかるのだろうけれども、安定協会のほうで。

○谷室長 そこは改善する方向で検討したいと思います。

○鶴岡委員 今、我々から言えるのはそれぐらいです。

○柏木委員 私が思うのは、シミュレーターで育ったオペレーターがまだ出てないのですよね。だから、実績としてシミュレーターで訓練して、育った運転手が何人かが出てくれば、また利用がもっと増えるのではないかと思うのです。

○花島委員 それで両方あるわけですか。実機もあるから、シミュレーターをやって、実機もやってということですか。

○柏木委員 現場で実際に自分たちもやっていて、現場で覚えるのがベストだと思っているわけです、ゲームじゃないからね。飛行機なら、飛行場は動かないし、風などもあるけれども、シミュレーションもできますし、簡単に覚えることもできるけれども、船は気象のこともあるし、船も大小があるし、揺れたりいろいろあるから、なかなか難しいと思うのです。

○谷室長 その辺はシミュレーションの中に組み込まれるようになっています。

○柏木委員 できるのですか。

○谷室長 はい、できます。

○柏木委員 私は横浜にいた頃、初めて入れるというので、委員になったことがあるのです。そのときにメーカーの方が言われるには、諸外国では「やれる」と言ったら、これで試させて、できれば、それで採用するということです。日本と全然違うのです。日本は基礎がきっちりとできていないと危ないですから、なかなか任せられませんが、外国は判断基準をこれでやってしまうらしいのです。だから、いろいろな条件を設定できるというのです。

○鶴岡委員 外国は法律も違いますし。

○花島委員 日本は1時間に、ガントリークレーンで40本ぐらい船から揚げるのです。もっといい機械が入ると、53本ぐらい揚げてしまうのです。香港とか、向こうは1時間に20本しか上がらないのです。日本の能力はすごく高いのです。

○内藤委員 1つのクレーンを動かしたらどうなのですか。

○柏木委員 そうですね、今はツインですからね。50本やる人だったら100本にいくということですからね。

○花島委員 その能力は日本の腕と機械の能力が、よその国とは違うのですかね。

○鎌田座長 分かりました。それでお願いというか、具体的に何が問題で、どう改善するのかというのは、もう少し深く調べなければいけません。この場でいろいろ言っている時間もないので、是非、厚生労働省がいろいろ調べながら協力して、早急に改善策を作っていただきたいと思います。来年度、この数字がまた出てこないように、それだけは。やはり「必要ないのね」という話になってしまいかねないので。

 せっかく、このように予算を付けて。いいことであることは間違いないので、是非そこは協力をしていただきたいと思います。厚労省もよろしくお願いします。

○松永委員 進捗状況に関係ないのですが、「その他」の分をよろしいですか。

○鎌田座長 資料3、資料4の部分については、ほかにございませんか。それでは、これ以外ということで、御意見、御質問がありましたらお願いします。

○松永委員 一昨年の労働者派遣法の改正によっての動きだろうとは思うのですが、今、安倍政権でも、同一労働の同一賃金ということがうたわれているのですが、派遣法の改正の中の部分で、配慮義務として派遣労働者に対する均衡対遇の確保が、派遣先又は派遣元とも求められているということをお聞きしました。その中の派遣元の業務としては、同種、同類の業務に従事する労働者の賃金であるとか、そういった部分について派遣先に必要な情報等を提供するであるとか、そのことによって均衡待遇の確保が求められているという解釈をしているわけなのですが、今、港労法の中の派遣制度については、まず1番バッターとして常用労働者、それの企業間での派遣、次にハローワークで、最後の4番で直雇いということになっていると思うのですが、そういった労働者の派遣法の中での配慮義務というような感じでの港労法の中の派遣制度に対する見方は、どのように考えられているのかなと。これが1つです。

 そのことが、同じような均衡待遇を確保しなさいであるとか、そういった部分になると、今、港労法の派遣制度の中で決められている部分というのは、派遣制度の許可基準としての適正な派遣料金というのは、事業者が講じなければならない中に一部入っています。あとは、それ以外の派遣料金というのが、1番バッターから4番バッターまでの全ての料金を指すものであるものなのか、その辺もお伺いしたいのです。

 そういうことで均衡待遇等の確保を講じる必要があるのであれば、私は、逆に今言われた波動性のみの直接雇いというものしか残らなくなるという考えなのです。逆に言うと、波動性ではなくして、コストの面での派遣制度を利用されている事業者も一部いるのではないかということもありますので、それの抑制につながるのであれば、こういう部分の義務付けなり、配慮義務というのは必要になってくるのではないかと思うのです。その辺について、厚生労働省の考え方なりをお聞かせ願えればと思います。

○鎌田座長 まず、いわゆる派遣法がそのままストレートに港湾に適用になっているわけではないので、均衡考慮の部分について、港湾でどういうようなはね返りになっているのかのデータはありますか。去年は一応、はね返りは全部議論して、忘れてしまったので。

 とりわけ、今、松永委員がおっしゃったのは、派遣料金に関わる部分の配慮ですね。

○鶴岡委員 ただ、松永さん、これは通常の派遣と違って、基本的には常用労働者なのです。

○松永委員 はい、そうですね。

○鶴岡委員 ということは、会社の中における均等雇用条件にはなっているはずです。少し違うのではないですかね。

○松永委員 私が言うのは、ハローワークのあっせん成立の上でのハローワークの日雇労働者という位置付けでいくと、ここは告示賃金がありますよね、労災の給与保障のどうのこうのというときに出している、これ以上は下回ってはいけないというのがあると思うのですが、それ以外の直雇いの賃金についても、これは個々の話でいくと、企業間での派遣の金額よりもかなり下がるわけなのです。

○花島委員 それは直接雇用だし、幾らで働けという話を最初からするわけだから。

○松永委員 それで、そこでいうと、あくまでも派遣先というのは、明日この仕事が波動性に応じて発生しますと。ただ、この作業をやってくれる人がいないということで、A社がB社に、派遣元にあっせん申込みをするわけではないですか。その時点で、成立したときは、多分、派遣元、派遣先での派遣料金が地区なりで決められていると思うのです、固定化されているというか、そういう部分が、船外は幾らで船内は幾らと。これは行って帰ってなので、逆にこちらが求人して、こちらの社員が行くということもあります。ただ、その部分で同じ仕事をやっている中で、あとハローワークと直雇いをしたときの賃金というのは反映されているのか。逆に言うと、同じ仕事なのに、この制度の中で、1番バッターと4番バッターで、賃金は違ってくるのですかという話なのです。

 そこでいくと、逆に言うと常用労働者というのは企業で雇用されて、社会保険も当然ながら払われて、よく言えば退職金であったり、障害面でのコストもその料金の中に反映されているから、ある程度高いというのは理解できるところなのですが、直雇いの方々は、そういった部分のコストを付けて高くないと、先ほども言われたように、日雇労働者の方はオールマイティな方が好まれるということでいくと、日給ベースでいくと常用労働者よりも高いほうが当たり前なのではないかというのは昔の感覚でもあったし、その辺はどうなのかなと思いました。

○鎌田座長 はね返りの部分で御説明いただいたので少しよく分からなかったのは、常用労働者だと企業内での賃金もある。一応、料金というのはストレートになっていないのですよね。なっているのですか。

○鶴岡委員 料金は企業間ですから、最初に契約を結ぶときの料金があるはずです。ただ、それが関係先との下で、その料金が安いから、労働者に安く払うということはあり得ないわけです。これは企業内労働者です。

○鎌田座長 常用ですからね。

○鶴岡委員 はい。そういう問題はないので、この料金がどうかは、お互いに契約を結ぶときに、赤字になってまでやるとは思えないので、それはないと思いますね。

○鎌田座長 そこは少し松永さんと、意識のずれがあるのかなという感じがします。

○鶴岡委員 ただ、日雇いの話になると、またこの法律とは別で、外の話ではないですか、同一労働条件における同一賃金というのは。

○鎌田座長 それはもっと根本的な話で。

○鶴岡委員 ある意味で最賃の話ですよね。法律的な問題から言えばです。

○内藤委員 パートタイマーとフルタイムとの間の賃金格差が、日本の場合は半分とまでは言いませんが、格差が大きいので、それをどの辺りまでということで、多分、一番念頭に置いている議論だと思うのです。

 ただ、松永委員がおっしゃったとおり、松永委員がおっしゃったのは、一応このコマに関しては常用労働者で、例えばその日は余剰になっている方々がいらしたときに、お互いに企業間同士で貸し借りという言い方は失礼なのかもしれませんが、素人として言わせていただくと、そういうものだろうと理解していたので、その方々の単位時間当たり賃金が極めて低率だとまでは思っていなかったのですが。

○鶴岡委員 それはないですよ。

○松永委員 1番、2番、せめて3番までは、多分適正な労働単価に対する料金や日給が支払われているとは思うのですが、4番バッターの直雇いに対してはどうなのかというところが、ちょっと頭にクエスチョンが付くというのが。

○鶴岡委員 ただ、派遣法の話ではないですよね。

○松永委員 その辺で、今の港湾労働法の派遣制度の中に、そういった部分で余り明記されていないではないですか。

○鶴岡委員 派遣法の中にはないです。

○松永委員 1番バッターから4番バッターの仕事に対する。

○鶴岡委員 港労法の中の話ですよね。

○松永委員 港労法の中の話です。ただ、それが大元の労働法の派遣法のほうで、均衡待遇なり配慮義務というのが出たので、そういう部分の考え方を港労法の中の派遣制度に入れて、何とかうまい具合にとか。

○花島委員 いや、だからあくまでも港労法の中の派遣制度と、日雇いの問題に関しては別の次元でしょ。同じ中に入っていません。ただ、順番的にこうなりますという法律はあります。最終的に、最終手段として、直接雇用というのが最後にあります。だけれども、その中の派遣法と、雇用形態の法律で定めている問題が、派遣法から全部くるという話になってしまうとおかしいのではないか。

○玉田委員 いや、今、内藤先生がおっしゃったように、国の哲学としては、日雇いであろうが、フルタイマーであろうが、働き方は多様性であっても、給料は多様性がないほうがいいと言っているわけでしょ。

○内藤委員 はい。同一価値の労働であれば。

○玉田委員 そうすると、常用派遣を使おうとしたけれども、いないと。今度は職安に行った、それでもいませんでした。やむを得ない。4番バッターにいった。そのときには当然、当初に予定した常用派遣と同じレベルの賃金なのでしょうが、そのことが嫌だから、4番バッターにいって、本来労働安定としてあるべきものが給料が安いから、そちらを使うという話になっていませんかということです。

○広畑部長 派遣部会の鎌田先生がいらっしゃる前で申し上げるのも何なのですが、私も直接の担当ではないのですが、今の議論を把握していると、今回の派遣法の審議のときに「均等待遇か均衡待遇か」というのが最後まで議論になって、結論から言うと均等ではなく、バランスを取っていくということなので均衡待遇ということです。余りにも派遣とそうではない人の差が大きすぎるではないか、合理的に説明できる範囲にしなければいけないというのが、この間の派遣法のときの議論になって、その立法について検討しろという宿題をもらって、うちの派遣・有期労働対策部で検討しているということなので、あくまでも均等ではなくて均衡であったと、我々は認識しているというのが前提です。

 ですから、今、内藤先生がおっしゃったように、常用の派遣の人と日雇いの人が同じ賃金という議論まではいっていなくて、ただそれにしても差が大きすぎるのではないかというのが、政府の中で議論されています。

 今、政府の中で議論しているときに、また混乱があるのは、例えば同じ正社員の中でも若い人とお年寄りの方の同一労働同一賃金まで言い出すと、これは話が大きくなってしまうので、我々としては、正規と非正規の差が余りにも大きすぎるのは問題だというところを何とかしろという議論で進められていると承知しているので、極端な例は先ほど内藤先生がおっしゃった、常用の派遣と直用の日雇いが同じ賃金でなければおかしいというところまでは、議論はいかないのではないかと我々は認識しています。

○玉田委員 国家的な施策としては、それが本来の在り方なのではないですかと、均衡か均等かという議論はあったとしても。

 せっかく港湾の場合は1番バッターから4番バッターまであるのですが、質的には同じ仕事なのです。港湾労働なのですから。

 極端に言えば、ガントリーマンか、青果の段ボールを運んでいるか、そういう違いはあるかもしれないけれども、港湾労働という限りにおいては、同一価値労働という言い方をした人がいたら、要するに、港湾運送事業にどう貢献したかという価値で言えば同じだと。そうすると、本来は緊急的に使うのだから、私たちから言えば日雇いのほうが高くなければおかしいのです。だけれども、実態的には日雇いに、1番バッターから突然4番バッターにいってはしませんか。その理由は、マッチングができないからではなくて金ではないですかということを言われているのです。

○鶴岡委員 はっきり言わせてもらうと、日雇いと常用労働者の会社のコスト負担を考えてください。社会保険料の負担はどれだけあるのですか。当然、日雇いにはないわけですよ。派遣も含めて相対的な常用労働者が、我々が負担している社会保険料の負担率は本人が負担している。それのどの部分を取って、賃金が高いか安いかを言っているのかが分からない。片方は25日を保証しているわけです。だから、どの賃金を比較したいのか、基本給の話なのか、相対的な給与の日割の話なのか。私は比較基準が分からないです。

 はっきり言いますけれども、日雇いは113,000円です。では、常用は幾らなのか、我々はそんな計算方法を持っていないですよ。こちらが安いではないかといっても、それは社会保険も何もないからねと。それで、所得税だって平らでいけるわけでしょう。そしたら源泉も違うわけですよ。それを何をもって比較するのと。こちらが安い安いって言うけど。

○谷室長 松永委員と玉田委員が言われているように、港労法の雇用ルールがあって、直雇の日雇いはできるだけ少なくというルールがある中で、日雇いの賃金は安いから日雇いが増えているのではないかという御議論だったと思うのですが、私どもは雇用ルールはしっかりと守っていて日雇いはできるだけ少なくと、我々も法の趣旨にのっとってしっかりとやっていきたいと思っていますが、日雇いの労働自体は否定できません。実際に日雇労働という雇用形態は港湾では駄目だということはできません。そうすると、まさしく鶴岡委員が言われたように、賃金は労使の関係、需給の関係で決まっていく中で、どこで比較して高いか低いかの議論になると思うのです。そこは、私どもとしてはできるだけ雇用ルールにのっとった形で、常用雇用というのは事業主に粘り強く説明していきたいと思いますが、そこを否定できるものではないので、ある意味で経済社会の中で賃金水準がどのように決まっていくかというのは、その中で運用がされていると理解はしているということです。

○鶴岡委員 厚労省にお伺いしたいのだけれども、組合さんが言っている「日雇いのほうが安いからこちらを使うのだ」という話になると、はっきり言って波動性の問題ではなくて、常態的に月に20日なり25日なり、それを職安に、ハローワークに毎日出していて、認可するのですか。今日から本当に毎日出しますよ、我々は。補充できないからと、それはおかしいでしょうという話にならないですか。

○谷室長 説明申し上げたとおり雇用ルールがありますので、法の趣旨をしっかりと守っていただく中で、日雇労働というのは否定できませんので、その中で労使の関係で賃金水準は決まっていくものと認識しています。

○鶴岡委員 きちんと手順を踏んで、登録して、申し込んで、充足できない部分を直接雇用している部分というのは、それはないと思います。安いから派遣を使うのだと。きちんとした会社がやっていることは、そんなことでは使わないと思います。

○鎌田座長 松永委員から御発言いただいた均等待遇の問題ですが、お話のように、今、政府で同一労働同一賃金原則をどう実現していくかということなのです。派遣についてもです。ところが、今、こういう港湾という狭い中でも、何をもって同一労働同一賃金、あるいは何をもって不合理というのか。恐らく、これから産業の至るところでこの話が出てくると思っております。先ほども議論になりましたように、常用労働者として企業が負担するものというのはいろいろあるわけで、そういったものを込み込みにして、日本では、同じ仕事をしているから同じ賃金だという話には多分簡単にはならない。

 その点、私はドイツに少し留学していたので分かりますが、正にドイツというのは職種や職務で賃金相場も決まっています。だから、この仕事というのは協約で、ある程度の枠で決まっています。1人の人間がいろいろな仕事をやるということはないのです。ところが、御存じのように日本は職種も配転で変わるわけですし、その場でもいろいろな仕事をやっています。つまり、フレキシビリティが高いわけです。その中で、どういう賃金をやるかといったら、職能給でやっています。つまり、個人の能力あるいは会社へのいろいろな貢献度です。

 そういうシステムの中で、同一労働同一賃金といった場合に、一体どのようにするのか。理念として駄目だとは思いませんが、それを日本の中にどう定着させて考えていくかというのは、本当に考えなければいけないことです。そういう問題がここでも出たのかなと思っております。

 今後、特に派遣法について、どういう形でこの問題が降りてくるのか、私も見当が付かない状況ですので、もう少し状況の推移を見守りたいと思っています。それぞれの立場で、こうすべきだという議論は当然あると思うのですが。というようなことで、もう少し推移を見守っていきたいなと思っておりますが、よろしいですか。

 あと何かございますか。それでは、本日の審議はこの辺りにしたいと思います。今後の日程等について、事務局からお願いいたします。

○富永補佐 当専門委員会につきましては、通常年1回の開催となります。次回の開催につきましては、各委員の方々と日程調整させていただき、進めていきたいと思っております。また日程調整等につきましては、こちらから別途御連絡を差し上げますので、その際はよろしくお願いいたします。

○鎌田座長 それでは、本日の委員会はこれで終了いたします。最後に、本日の会議に関する議事録の署名委員につきましては、労働者代表は松永委員、使用者代表は鶴岡委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、お忙しいところ、ありがとうございました。


(了)

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