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2016年7月20日 第60回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年7月20日(水)13:00〜16:00


○場所

ベルサール半蔵門 ホールA


○出席者

岩村、石本(代理:及川参考人)、伊藤、井上(隆)、井上(由)、大西、岡、
黒岩(代理:小島参考人)、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、
鈴木(隆)、鷲見、陶山、武久、土居、栃本、馬袋、花俣、東、桝田の各委員
(遠藤、藤原委員は欠席)

○議題

1 軽度者への支援のあり方
2 福祉用具・住宅改修

○議事

○尾崎企画官 失礼いたします。定刻となりましたので、ただいまから第60回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、前回の会議から委員の御異動がありましたので、新しい委員を御紹介させていただきます。

 日本経済団体連合会常務理事の井上隆委員でございます。

○井上(隆)委員 (一礼)

○尾崎企画官 どうぞよろしくお願いいたします。

 また、本日は御欠席ですが、日本介護福祉士会の石本淳也会長にも新たに委員に就任いただいております。

 続きまして、事務局にも異動がありましたので、紹介をさせていただきます。

 まず、老健局長として蒲原基道が着任しておりますが、本日は公務のため遅れて到着する予定でございます。

 また、老健担当の大臣官房審議官として坂口卓が着任しておりますが、本日は公務により欠席をさせていただいております。

 また、同じく大臣官房審議官の濱谷浩樹でございますが、今般の異動で医療介護連携も担当するという形になりましたが、本日は公務により遅れての出席を予定してございます。

 続きまして、課長でございますが、老人保健課長として鈴木健彦が着任しておりますが、本日は他の用務のため遅れて到着する予定でございます。

 続きまして、振興課長の三浦明です。

○三浦振興課長 よろしくお願いします。

○尾崎企画官 認知症施策推進室長の宮腰奏子です。

○宮腰認知症施策推進室長 よろしくお願いします。

○尾崎企画官 保険局医療介護連携政策課長の黒田秀郎です。

○黒田医療介護連携政策課長 よろしくお願いいたします。

○尾崎企画官 私、老健局総務課の企画官をしています尾崎といいます。どうぞよろしくお願いいたします。

 報道関係の方に御連絡いたします。冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、御退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○尾崎企画官 本日は、遠藤部会長が御欠席ですので、以降の議事進行は岩村部会長代理にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村部会長代理 ただいま御紹介がありました岩村です。部会長代理でございますが、きょう遠藤部会長が御欠席ということでございますので、議事進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 本日の委員の出席状況でございますけれども、石本委員、黒岩委員、藤原委員が御欠席ということでございます。

 そして、石本委員の代理としまして及川参考人が、黒岩委員の代理としまして小島参考人が御出席でございますが、お認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。

 本日の配付資料につきまして、事務局のほうから確認をいただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○尾崎企画官 では、資料の確認をさせていただければと思います。

 お手元に資料1「軽度者への支援のあり方」、資料2「福祉用具・住宅改修」と2つの資料があると思います。それぞれに対応する形で参考資料1、参考資料2を配付しておりまして、これらについて事務局より御説明をさせていただきます。

 なお、参考資料3といたしまして、6月22日に開催されました「第2回社会保障審議会療養病床の在り方等に関する特別部会」の資料を配付してございます。本日は説明を行わず、御参考ということで配付させていただきました。

 また、末尾に井上由美子委員から提出いただいた資料をお配りさせていただいてございます。

 不備等ございませんでしょうか。

○岩村部会長代理 それでは、まず資料1につきまして、事務局のほうから説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○三浦振興課長 老健局の振興課長でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 手元に資料1「軽度者への支援のあり方」と題されたもの、それからそれに対応する参考資料といたしまして、右肩に参考資料1「軽度者への支援のあり方(参考資料)」と振られております資料を御用意いただければと思います。

 「軽度者への支援のあり方」ということで、おつき合いいただければと思います。資料を1ページおめくりいただきまして、「現状・課題」についての整理を当面お話しさせていただければと思います。

 まず「これまでの議論と対応」ということで、要支援・要介護に応じた支援のあり方につきましては、介護保険制度の検討時を初め、制度改正時などにおきまして議論を積み重ねてきたところでございます。

 また、理念的ではございますが、介護保険制度におきましては、軽度者ということで、要支援・要介護度別の区分による定義というものを設けておらぬということは確認をしたいと思います。

 これまでの経緯についてしばらく御説明をしたいと思います。

 介護保険制度の創設時の議論でございますけれども、○が2つございます。上の○のところにございますけれども、当時の老人保健福祉審議会における介護保険制度の創設に係る介護サービスの給付範囲の議論の一環でこの問題は取り扱われておりまして、生活援助サービスについて議論が行われた。基本的には、要介護状態の積極的な予防や自立した生活への支援につながるような形で提供を行うということが重要であるという観点から、給付の対象に含むという形で結論づけられたところでございます。

 また、予防給付につきましては、予防やリハビリテーションを重視し、要介護状態とならないように健康時から日常生活における健康管理あるいは健康づくりを進めるべきという観点からの検討が行われました。その結果、鍵括弧で書いてございますが、「いわゆる虚弱老人(要支援者)に対して寝たきり予防等の観点から必要なサービスを提供する」という目的で、平成12年の制度の創設時に仕組みとして導入されたものでございます。

 1ページお進みいただきまして、これからがこれまでの改正の際の議論の御紹介となります。まず、平成17年の介護保険法の改正の時点の議論でございます。

 1つ目の○でございます。その当時、要支援と要介護1などの軽度者の数が大幅に増加したという状況ですとか、サービスが軽度者の状態の改善・悪化防止に必ずしもつながっていないといったような指摘がございました。これに関しまして、軽度者の状態を踏まえて、できる限り要支援・要介護状態にならない、あるいは重度化しないように「介護予防」をより重視したシステムの確立というものが求められたところでありまして、介護保険の基本理念でありますところの「自立支援」をより徹底するという観点から、当時の予防給付と介護給付の一部を再編成いたしまして、対象者や給付内容を見直した新たな予防給付あるいは地域支援事業の創設ということを図ったものであります。

 なお、対象者につきましては、平成17年改正前の「要支援」「要介護1の一部」に該当する方を新たな予防給付の対象者(現行制度の「要支援1」と「要支援2」)に位置づけたものでございます。

 また、その翌年の平成18年、介護報酬改定におきましては、介護給付の訪問看護について、予防給付とは異なり、身体介護の割合が高いということを踏まえまして、将来的な報酬体系の行為別・機能別再編を視野に入れつつ、当面は現行の身体介護・生活援助の区分というものを維持して、生活援助の60分以上の利用について適正化を図ったところでございます。

 1ページお進みいただきまして、平成23年の介護保険法の改正時の議論でございます。その当時の議論として、1つ目の○でございますが、両論意見がございました。

 上のポツでございます。生活支援などは、要支援者・軽度の要介護者の生活に必要なものである。加齢に伴う重度化を予防する観点からも、給付の削減については反対であるという意見。

 それに対しまして、介護保険制度の給付の対象外とすることや、保険給付割合を引き上げて、利用者負担を例えば2割に引き上げるといった方策を考えるべきであるという両論があったということでございます。

 その上で、要支援者・軽度の要介護者へのサービス提供のあり方については、今後さらに検討することが必要という形で、一旦結論づけられたところでございます。

 また、これらの議論を踏まえて、あるいは軽度の要介護者に対する訪問介護に関して、多くの時間が生活援助に割かれている状況が見られるといったことを踏まえまして、平成24年度の介護報酬改定におきましては、生活援助の介護報酬上の時間区分について、60分から45分での区分を基本とした見直しというものを図ったところでございます。

 1ページお進みいただけますでしょうか。次が平成26年、直近の介護保険法の改正でございます。平成26年の介護保険法改正時におきましては、市町村が地域の実情に応じて住民主体の取り組みを含めた多様な主体による柔軟な取り組みというものを狙いとして、効果的かつ効率的にサービスの提供ができるよう、予防給付の訪問介護、通所介護を地域支援事業に移行するといった見直しを行ってございます。

 その議論の過程におきましては、要支援者につきまして、ADL(日常生活動作)は自立しておりますが、IADL(手段的日常生活動作)につきましては一部が行いにくくなっているということ、あるいは要支援者が要介護者と比較して生活支援のニーズが高いといったような状況を踏まえまして、要支援者の生活支援サービスの充実などを目的に見直しが行われております。

 なお、予防給付のうち、訪問介護・通所介護以外のサービスにつきましては、多様な形態でのサービス提供の余地が少ないということから、引き続き予防給付として位置づけるとなっております。

 下にその当時の意見書をそのまま引用させていただいております。2つ目の○のアンダーラインが引いてあるところを御紹介いたしますと、「要支援者は生活支援のニーズが高く、その内容は配食、見守り等の多様な生活支援サービスが求められており、生活支援の多様なニーズに応えるためには、介護サービス事業者以外にも、NPO、民間企業、協同組合、ボランティア、社会福祉法人など、多種多様な事業主体の参加による重層的なサービスが地域で提供される体制の構築が重要である」。このような考え方で見直しを行ったというところでございます。

 1ページお進みいただけますでしょうか。5ページ目であります。他方、こちらで御紹介いたしたいのは「経済財政運営と改革の基本方針等における記載内容」でございます。

 ○が3つほどございまして、いわゆる骨太方針2015、去年の夏に閣議決定をされておるものと、2つ目の○がそれをさらにブレークダウンした改革工程表であります。一番下がことしの骨太方針という位置づけになっております。

 まず、昨年の骨太方針では、アンダーラインのところでございますけれども、高齢者の有する能力に応じて自立した生活を目指すという制度の趣旨や、制度改正の施行状況を踏まえつつ、軽度者に対する生活援助サービス・福祉用具貸与等やその他の給付について、給付の見直しや地域支援事業への移行を含め検討を行う。

 また、アクション・プログラムといたしまして、「軽度者に対する生活支援サービス・福祉用具貸与等やその他の給付について、給付の見直しや地域支援事業への移行、負担のあり方を含め、関係審議会等において検討し、2016年末までに結論を得て、その結果に基づいて必要な措置を講ずる(法改正を要するものに係る2017年通常国会への法案提出を含む)」という形で決定をされてございます。

 また、ことしの骨太方針では、基本的にこの改革工程表に沿って着実に改革を実施していくということで、閣議決定をしておるところでございます。

 続きまして、6ページ「訪問介護における生活援助について」でございます。定義といたしましては、「訪問介護員等が、利用者の居宅を訪問し、入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯、掃除等の家事を提供する」ということとされております。介護報酬上は、身体介護が中心である場合、生活援助が中心である場合などに分かれておるところでございます。

 2つ目の○でございます。要介護度別に訪問介護の内容類型別受給者数の構成割合を比較すると、要介護度が高くなるにつれて身体介護中心型の比率が高くなっておるというデータがございます。

 こちらは、参考資料1の17ページに関係するデータが載っております。御紹介いたしますと、要介護度別に生活援助中心型、あるいは身体介護中心型と生活援助の加算を受けている者、身体介護中心型の比率を見ておるものでございます。要介護度が上がるに従いまして生活援助中心型というものの比率が下がっておって、一方、身体介護中心型の比率が上がっておるというところが見てとれようかと思います。

 資料のほうに戻らせていただきます。また、生活援助におけるサービス内容といたしましては、掃除や一般的な調理・配膳を提供している割合が高い。

 こちらは、同様に参考資料の18ページに関係する資料がございまして、それぞれの中の行為別に見たときに、あるいは要介護度別に見た場合に、このような比率になっておるというところが見てとれようかと思います。

 資料1に戻らせていただきまして、7ページでございます。介護サービスを提供する人材不足というのは喫緊の課題であることは言うまでもございません。その中で、人材の専門性などに応じた担うべき業務の類型化・機能分化ということが求められている状況でございます。

 そのような中で、訪問介護事業所の管理者が考える生活援助(掃除・洗濯・衣類の整理等)に求められるような専門性につきましては、「介護に関する知識、技術をそれほど有しない者でもできる、あるいは「介護に関する基本的な知識、技術を備えた者であればできる」。いずれも介護福祉士の資格を取得していない者でもできるという回答が8割を超えているというデータがございます。

 お手元の参考資料の20ページに関係するデータを掲載しておるところでございます。

 その一方で、参考資料の下のほうでございますが、実際に介護福祉士の7割の方がこれらの業務をほぼ毎回(毎日)実施しているといった対応関係にあるということが調査結果として出ておるということは、御紹介をしたいと思います。

 続きまして、8ページ「その他の給付」でございます。その他の給付といたしましては、訪問介護における生活援助以外の介護給付、予防給付を指すという形で整理をした上での議論をお願いしたいと思います。

 平成26年の介護保険改正におきましては、要支援者の生活支援サービスの充実を目的に見直しが行われました。介護給付については、引き続き給付に残るという形で整理をしたところでございます。

 また、予防給付のうち訪問介護、通所介護以外のサービスは多様な形態でのサービス提供の余地が少ないということから、引き続き予防給付によるサービス提供が継続するということで整理をいたしました。

 予防給付の訪問介護、通所介護を総合事業に移行する対応につきましては、来年の4月までを経過措置期間としております。このうち平成28年4月までに実施する、移行するという御回答をいただきました保険者は全体の3分の1程度でありまして、また、事業を開始している保険者でも、生活支援サービス等の今後の展開に向けて取り組みを行っていただいているといったような段階にあろうかと思います。

 1ページおめくりいただきまして、次が論点でございます。これに従って御議論をお願いできればと思う点を4点ほど掲げてございます。

 1つ目の○でございます。要支援者と要介護者においては給付を別にするなど支援のあり方について違いを設けているところでございますが、このほかに要支援・要介護度に応じて支援のあり方に違いを設けるということについてどのように考えるか。

 2つ目の論点になります。訪問介護における生活援助に対する給付について、「給付の見直しや地域支援事業への移行、負担のあり方」を含め検討を行うという指摘をいただいておるところについて、どのように考えるか。

 その際、自立支援や重度化防止といった介護保険の理念、人材確保に制約がある中での介護人材の専門性に応じた有効活用の観点、あるいは制度の持続可能性の観点などを踏まえた対応について、どのように考えるべきか。

 3点目であります。その他の給付について、「給付の見直しや地域支援事業への移行、負担のあり方」を含め検討を行うとされていることを前回改正時の議論も踏まえつつ、どのように考えるか。

 4つ目であります。これらの検討に当たりましては、予防給付の訪問介護、通所介護の総合事業への移行というものが、来年4月までを経過措置期間としておりまして、現在市町村においてニーズ把握や関係者の認識共有に務めていただいているといったような状況であることを踏まえて、どのように考えるかということで、御議論をお願いできればと思います。

 私からの説明は以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、ただいま説明をいただきました資料1、参考資料1などにつきまして、各委員から御発言をいただきたいと思います。ただ、委員の数が大変多うございますので、発言に当たりましてはなるべく簡潔に要領よく御発言いただきますよう、御協力いただきたいと思います。

 それでは、いかがでしょうか。では、まず鈴木委員、お願いいたします。

○鈴木(邦)委員 それでは、論点についてお話しさせていただきたいと思います。まず、我が国の介護保険制度についてですが、これは諸外国と比べても非常に手厚く、介護の社会化を目指すなど、医療保険制度とともに世界的にもきわめてすぐれていることは事実でございます。

 しかし、今後の高齢化に伴う要介護・要支援高齢者の大幅な増加や、国や地方の財政状況の悪化を考えれば、一定の効率化や国民の負担の増加は避けられないと考えております。他の先進諸国では、例えばイギリスのように介護の対応がほとんどされていないような国や、あるいはドイツのように限定的な介護保険がある国、あるいは北欧のように充実はしていますが、国民の負担も非常に重い国などさまざまでございます。

 介護保険創設以来、何でもかんでも介護保険に依存するという雰囲気があったことも否めない事実でございます。もともと地域にあった介護力が低下しているという部分もございますので、その回復を図るためにも、地域包括ケアシステムの構築により、まちづくりが重要になると考えております。

 その上で、論点でございます。○が4つありますが、一番上の○についてでございますが、重度化の防止、本人の自立支援という介護保険の理念と、介護給付の効率化、重点化をどう両立させるかということが重要になると思います。要支援と要介護以外の分け方としては、軽度者と重度者という分け方が考えられると思いますが、軽度者としては、財務省は要介護1、2と示しておりますけれども、要介護1以上の方は、さまざまな状態の方が含まれており、一律には対応できず、また影響も大きいので、軽度者への対応を検討する場合は、まず要介護1のみを対象とすべきであると考えます。

 2つ目の○についてですが、要介護1以上の方の訪問介護における生活援助に対する給付は、さまざまな状態の方が含まれておりますので、一律には対応できないと考えます。

 介護保険での対応が必要な場合は確保するとともに、低所得の方への配慮も必要だと思います。

 訪問介護に従事するには、旧ヘルパー2級以上の資格が必要であり、無資格者は従事できません。

 参考資料の21ページを見ますと、訪問介護員の3分の1強が60歳以上とありますけれども、事業者が施設を持つ場合、夜勤ができる若い方を施設に配置することも考えられますので、訪問介護員はより高齢の方が多くなります。また、人手不足の中で訪問介護員は中高年のパートの方も多く、あえて介護福祉士の資格を希望しない方もいらっしゃいますので、例えば身体介護を介護福祉士に限定するようなことになれば、サービスの供給不足になるおそれがあると思います。

 3つ目の○、訪問介護の効率化の対象の拡大についてでございますが、まず予防給付の訪問介護の総合事業への移行が円滑に行われることを優先すべきであり、次に要介護者への生活援助のあり方を要介護1の方について検討すべきであると考えます。その他の身体介護等については現状どおりでよいと思います。

 4つ目の○についてです。各市町村の住民へのニーズの把握はまだできていないのが現状だと思いますし、また、関係者の認識共有もおくれているのが現状だと思われます。特に総合事業については、現行の通所介護、訪問介護相当のみを実施して、それを総合事業の開始としている市町村が多く、A、B、C型の実施は未定のところが多いと考えられることから、さらなる取り組みの充実が求められますが、サービスの基準が緩和されればされるほどサービスの質が低下するという懸念があると思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、先ほどお手が挙がっていた順番で、陶山委員、それから鷲見委員ということでお願いいたします。

○陶山委員 ありがとうございます。

 私は、論点2、2つ目の○を中心にお話しさせていただきたいと思います。軽度者への支援は、給付の見直しに向かっていますけれども、私たちは現場に従事する組合員から軽度者への生活援助についてのヒアリングを行いましたので、私の意見の中で紹介させていただきたいと思います。

 現場では、国が介護保険制度の持続可能性から見て、いずれは生活援助の給付を見直す方向性にかじを切ることは、これまでの議論の経緯からしてある程度予測はしていたようでございます。

 しかし、それでも生活が困窮している独居、老老介護、認知症同士の認認介護など、どうしても生活援助が必要な利用者は確実に存在しまして、その人たちをどうやって制度の中で救っていくかということが重要であるという声が大きく挙がっています。

 具体的には、掃除でも、この暑さの中に尿パットの使い古したものが乱雑に放置されている、あるいは尿汚染のある布団が敷きっ放しになっているなど、利用者の自宅がすさんでいるケースが大変多いとの報告がございました。

 見直し後にそれを誰が面倒見るのかという現実の対応について心配をされております。特に給付や負担のあり方によっては、生活困窮者の介護に著しい問題が発生するという意見でございます。現場の皆さんは、生活援助が見直された場合に、「毎日目の前に展開するこのような事例の方々の生活をいかに守っていくかが不明であり、セーフティーネットがない中で利用者の命は守れない」、そういう考え方がございました。

 その中で、資料1の7ページに生活援助は誰でもができるサービスであるというニュアンスの研究報告が紹介されていますが、前回御指摘させていただいたように、生活援助は利用者の身体状況の様子の確認などを行っている専門職の仕事であると考えています。現場からも、「生活援助にヘルパーがかかわることによって、利用者の身体能力が落ちていくことを見守り、必要なサービスに結びつけていく」との意見や、「例えばこの夏、大変厳しい暑さになると言われていますけれども、食べられなくなる、水分がとれなくなるなど、状態が急変したときの対応を含め、誰でもができるわけではない」との指摘もありました。

 対応策につきましては、この資料のように、介護人材の類型化、機能分化に進むのであれば、現在の要介護度だけで判断するのではなく、利用者宅を定期的に訪ねて見守り、もしものときにどう専門職に伝えていくか、そういう機能を含め、本当に生活援助が必要な人に地域の全ての資源を活用した仕組みを同時につくることが生活援助の見直しに必要な前提だと考えます。それでないと、気がついたら亡くなっていた、そういうケースも起こり得ると考えますし、専門職でない方に責任を押しつけることになってはいけないということも申し上げたいと思います。

 このように、利用者に対する生活援助は、利用者の生活を総合的に支援する視点が必要だと考えます。単に作業としての生活援助があるわけではないということを再び強く申し上げたいと思います。

 また、それらの面倒を地域で見る総合事業にいたしましても、資料1の8ページにあるように、まだまだ準備が整っていないようであります。また、総合事業を開始している保険者にしても、生活支援サービスの展開に向けて取り組み中であるという、先の見えない環境でもあるように感じます。

 加えて、予防給付の訪問介護、通所介護を地域支援事業に移行した検証もできていない現状では、生活援助を見直すことは時期尚早と言わざるを得ないと考えます。

 最後に、人材確保の観点ですが、人材不足と言われている介護事業ですけれども、とりわけ直行直帰型の非正規労働者が多い従事者の中には、一時的であれ、見直しが収入減につながった場合、生活を支えるために介護職を離れるきっかけになることも念頭に置かなければなりません。

 以上でございます。ありがとうございました。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 ありがとうございます。

 1つ目と3つ目に関してでございます。

 まず「軽度者への支援のあり方」ですが、介護度と利用者の状態、介護度と支援の困難性というものは必ずしも一致していません。実際に要支援者のADLが自立に近い状態であっても、IADLには支障が生じている。参考資料7ページの生活行為(IADL)の部分が地域支援事業の対象になると考えますが、多様なサービスの展開が保険者ごとに工夫がなされているという段階で充実した支援が実施されているとはまだ言いがたい状況にあると思います。どのような原因、背景で支障が生じているのか分析し、ケアマネジャーがどのような支援が必要かどうか見きわめる必要があると考えています。

 また、当協会で実施いたしました軽度者への訪問介護の生活支援の自費移行につきましては、利用者家族へのアンケートでは、現在、もう既に2割の負担者においてはやや意識が異なるものの、本人は73%の方が反対していらっしゃいます。今後独居高齢者世帯がふえていきます。現在、民間の自費サービスでいきますと、大体1時間当たり2,500円程度かかりますし、または高額なパッケージ料金ともなっているところです。

 地域でさまざまな取り組みが充実しない限り、とてもこのサービスを使い切れるものではございません。よって、軽度者から重度者まで一貫したケアマネジメントが必須であると考えます。

 例えば対象者をよく理解しているケアマネジャー、いわゆるマイケアマネジャーがつき、軽度者から予防の視点を持って介入したり、入退院の支援や緊急時など、MSWの方などと一緒に協働し、迅速に対応できるような仕組みにしていく必要があると思っています。そうすることによって、在宅への移行がスムーズになり、医療費の削減にもつながると考えます。介護度による軽度者、重度者への支援を区別するということはあってはならないと考えています。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 先ほどからお手が挙がっていますので、私のほうで拝見したところで、まず花俣委員、それから及川参考人、齊藤秀樹委員、鈴木隆雄委員からお手が挙がっているところまでは拝見しましたので、まずその四方に順番でお願いしたいと思います。

 では、花俣委員からどうぞ。

○花俣委員 ありがとうございます。

 当事者、利用者の立場から今回の議論についても大変危機感を持って注視しておるところでございます。

 家族の会では従前より介護保険制度を今後もさらに充実、発展させるべき制度と考えて、その進むべき方向をずっと示してまいりました。ただ、残念ながら介護保険を含む社会保障の歩みというのは、私たちの願う方向に進んでいるようには思えません。そういう現状に鑑みて、2011年に出しました4月の要望書の事項を全部点検いたしまして、ただいま次の要望書の提出に向けて議論を詰めているところでもございます。近々この要望書を厚生労働省のほうに提出したいと考えております。

 きょうの議論なのですけれども、まず最初に、資料1の「現状・課題」の1ページのところに「介護保険制度においては、軽度者について要支援・要介護度の区分による定義は設けていない」と書かれてあります。しかし、6月13日に老健局が公表した「2014年度介護保険事業状況報告年報」では「軽度者(要支援1から要介護2)の認定者が約65%を占めている」と書いてございます。

 参考資料1の7ページには「要支援者のほとんどは、身の回りの動作は自立しているが、買い物など生活行為の一部がしづらくなっている」というコメントとともに、要支援1から要介護2のデータが示されています。介護保険制度では定義はないのですが、厚生労働省としては、軽度者あるいは要支援者は要支援1、要支援2、要介護1、要介護2と定義していると解釈してもよろしいかどうかということですね。

 また、軽度者といえども、要介護認定を受けて、何らかの支援が必要と認められた方なわけですから、この方を給付から外すということには到底納得できませんし、また、介護度の数値だけで生活援助が要る、要らないということを判断するというのは、随分性急な判断かなとも思います。生活援助が必要な方というのは、特に認知症高齢者の場合、要介護認定の判定は軽度に出る場合が多うございますので、こういった方から生活援助を外すということは、後々重度化や命にかかわるということはもう明らかです。

 それから、持続可能な介護保険制度にするために給付の削減ということで、軽度者の生活援助を特に総合事業に移行できないかということかと思うのですが、その前にもっともっとたくさんの課題がこの制度の中に。介護保険制度がスタートしてもう既に十何年たつわけですから、もう少し丁寧に見ていけば、こんなに乱暴なやり方をしなくても費用の削減はできるのではないかと私は感じております。

 それから、きょうでなくて結構なのですけれども、資料1の9ページの論点に自立支援と重度化予防と書いてあります。参考資料1の7ページには「要支援者のほとんどは、身の回りの動作は自立しているが、買い物など生活行為の一部がしづらくなっている」とあります。

 生活行為として5項目が挙げられていますが、13ページの生活援助(抜粋)では、掃除、洗濯、ベッドメイク、衣類の整理なども項目に挙がっています。洗濯、掃除、ベッドメイク、衣類の整理などは、在宅環境を整えるときに、特に清潔を維持するために大切な生活行為です。

 7ページに示される認定支援ネットワークのデータでは、掃除、洗濯、ベッドメイク、衣類の整理がどうなっているかというところが記載されておりませんので、ここの部分についても教えていただければと思います。

 もう一点、資料1の2ページには、サービスが軽度者の状態の改善、悪化防止に必ずしもつながっていないと書いてあります。しかし、2014年度介護給付実態調査の結果の概要では、表4の要介護(要支援)状態区分別に見た年間継続受給者数の変化別割合では、どの認定ランクでも現状維持している利用者が約7割で、十分に悪化防止になっているのではないかと思います。

 介護保険の認定者は80代、90代が圧倒的に多く、ひとり暮らしや高齢夫婦で在宅サービスを利用しているケースも多いわけですから、ニーズの高い在宅生活を維持するために必要とされているサービスをテーマとする以上、利用者や介護者への説明責任は十分に果たしていただきたいと思います。

 介護保険部会において軽度者の状態改善、悪化方針に取り組む必要があるかどうか慎重に議論するためにも、ぜひもう少し具体的なデータを次回以降にお示しいただければと思います。

 また、論点の下の2点についても、総合事業の受け皿の整備が十分でない状態でこの議論にはならないのではないかと思います。

 また、生活支援について、ボランティア等の活用、その他、次々と総合事業の中でのいろんな位置づけがされているのですけれども、一般のボランティアが他人の家、場合によってはひとり暮らし、家族の目がない状態のところに入ってケアを行うということは、大変慎重に行わないとかなり問題が生じるのではないかと危惧しております。

 結局、ボランティアにも一定の専門性が必要になるのではないか。そうなれば、研修も必要。研修を受けたとなれば、人件費の上昇もあるということで、この辺はもう少し慎重に考えていきたいなと思っています。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 そうしますと、御質問があるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○三浦振興課長 ありがとうございます。振興課長でございます。

 2点ほどお尋ねがあったかと記憶しております。

 1点は、統計データなどで要介護2までで切っているけれども、厚労省としてそういうふうに考えているのかというお尋ねだったかと思います。

 軽度としてそういう定義をしておるというよりは、程度の状態に応じて分類をして、利用状況をお示ししているだけでありまして、こちらの資料にありますのは、制度として見たときに、給付の種類の使われ方、あるいは制度的な要介護度別に応じた重度者、軽度者という区分を仕組みとして設けているわけではないというふうに書いてあるところでございます。

 お尋ねの趣旨が、考え方としてそういう考えを持っているのかということでございますけれども、ただ、制度設計上はそうしていない以上、今のところはない中で、どういうふうに整理していくのかという議論をきょうお願いしているというのが現状かと思います。

 2点目でありますけれども、データの中で参考資料の7ページにあるようなものが、老計10号のような通知の各項目に応じて出るのかどうかというお尋ねだったかと思いますが、今、手元にあるものでは確認ができておりませんので、また改めて確認なり御報告をしたいと思います。

○岩村部会長代理 よろしいでしょうか。

○花俣委員 はい。

○岩村部会長代理 それで、先ほど御発言ということでお願いした中で、鈴木委員が先に御退室ということですので、申しわけありませんけれども、先に御発言をいただきたいと思います。

○鈴木(隆)委員 御配慮ありがとうございます。

 私は、予防医学の視点から軽度者への支援のあり方について意見を申し上げたいと思います。予防の重要性というのは、病気の予防、特に生活習慣病の予防とか、あるいは介護予防ということで、重要性に関しては論を待たないと多くの方々は御理解いただいていると思います。

 ただ、介護予防について言いますと、本当に効率的な介護予防、特に自立の支援とか、自立の維持を目的としたときの介護予防に最も効果的な対象者は誰かというと、今、ここで問題になっている軽度者の方々です。特に要支援あるいは介護保険を申請して非該当になられた方、特に後期高齢でフレイルと言われる虚弱の状態が忍び寄ってきている、そういう方々に対する予防の対策が一番効果的で、効率的だということは、はっきりしていると思います。要介護度合いが進んだ場合には、重症化は予防できるのかもしれませんけれども、自立というところに視点を当てた場合には、軽度者での効果は明らかに大きいということは、科学的研究からもよく知られた事象だと思っております。

 そういう視点から見ますと、平成26年の法改正で新しい地域支援事業ということで、介護予防、日常生活支援事業という形で衣がえをしたわけですけれども、その中で日常生活に対する支援というのは非常に充実し、いろんなサービスも多くなったように見えますが、しかし、介護予防という視点に関して見てみますと、ポピュレーションアプローチという手法を中心に住民全体の予防効果を底上げするということで進めておられると思います。これについては、まだ1年ぐらいしかたっていませんので、効果について、今からあれこれ言うつもりはありませんけれども、ただ、その目的とするアウトカムの指標を明確にまだ持っていないようにも思いますし、そういった意味での効果の実態とか取り組み、それによる成果というものがちょっとぼやけているのではないかなと少し危惧を持っております。特にフレイルの目立つ後期高齢者ではポピュレーションアプローチだけではなくハイリスクアプローチを適切に組み合わせることが望ましいとも考えております。

 そういうことから言うと、給付というものの見直しというのは、ある程度やむを得ない部分だとは思うのですが、より効率的に考えると、効果的、効率的な予防というものをもう一度きちんと考えていかないといけないのではないかなと。予防を専門にする者にとってみますと、そういう意見を私は持っております。

 以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。予防医学の立場からの御意見ということでございました。

 それでは、お待たせしました。及川参考人、どうぞ。

○及川参考人 ありがとうございます。

 論点の○の2つ目が主になりますが、生活援助を担う訪問介護員の業務というのは本当に多様でして、生活援助の全てについて専門性を有さなくてもできるというわけにはいかないと私どもでは認識しております。生活援助を担う訪問介護員にとっては、自立支援やそれに伴う生活リハの視点、また、介護予防の視点などを含めた支援を展開することが、極めて重要な役割であり、生活援助にも介護の専門性は必要です。

 しかし、生活援助を担う訪問介護員の全てを極めて高い専門性を有する人材に限定するのは現実的ではないかと思います。それを踏まえれば、例えばサービス提供責任者に訪問介護員に対する業務内容の具体的な指示や教育・指導の役割を持たせるということをもう少し明確に位置づけることで、その役割を担保してはどうかと思います。

 ただ、利用者40人に1人というサービス提供責任者の配置となっています。考えてみますと、施設では、例えば特別養護老人ホームのユニット型では40人の利用者を見るというのは主任クラスでありまして、ユニットのリーダーというのは10人の方を見ていらっしゃいます。それを考えると、果たしてサービス提供責任者が40人に1人でいいのだろうかというところまで視点に入ってきます。そのような細分化したユニットリーダーみたいな役割も必要かと思います。サービス提供責任者がその役割を果たすためには、訪問介護員はほとんど1人で訪問するという特性から考えましても、そこには高い倫理性や介護の専門性である介護過程を展開する能力などが必要です。アセスメントして計画をし、それから介護を展開していくという介護過程の展開の理解者という面もきちんと踏まえてやっていただきたいと思うと、サービス提供責任者には訪問介護員に対する教育や指導力等が必要だと考えます。

 これにつきましては、日本介護福祉士会の研修体系に位置づけて介護福祉基本研修とかサービス提供責任者研修、実習指導者研修等で専門性に係る研修を実施しているところでもありますので、そういう指導力、率いるリーダー力というものをもう少し検討していただいたほうがよろしいのではないかなと思います。

 以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、お待たせしました。齊藤委員、どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 まず、申し上げておきたいのは、きょうの資料にもありますけれども、軽度者への支援の必要性ということにつきましては、制度創設時の重度化予防でありますとか、自立生活の支援という考え方は今日も何ら変わるものではないと思っております。

 特に26年改正におきましては、このような創設時の理念をもとにしながら、給付から事業へと移行するということで、特に生活支援サービスの充実でありますとか、多様な形態でのサービス提供を目指すという説明を受けてきたわけであります。

 しかし、現状では事業開始をされた保険者は、全体の3分の1と非常に苦戦を強いられているという状況が見てとれるわけでありますし、経過措置期間までには何らかの形で事業が始まるというふうには思うわけでありますが、果たして目指してきた多種多様な事業主体の参加はどの程度なされたか。また、重層的なサービスの提供はどの程度なされたか。また、それらによって要支援者の生活支援サービスや多様な通いの場の確保がどの程度されたかということは、今後検証されるべきでありますが、まだその検証の段階には至っていないと思っております。

 また、きょうの資料でも指摘されておりますが、非常に貴重な介護人材の専門性をどう生かしていくか、また、保険料負担も抑制していかなければいけないという条件の中で、この事業への地域住民の理解と協力が不可欠だろうと思うわけでありますが、現状では情報発信がないと言ってもいい市町村がまだ多く存在することは事実であります。

26年改正を振り返ってみますと、単に給付から事業という移行だけではなくて、ある意味地域コミュニティーの再生と置きかえてもいいような壮大な取り組みを始めたと解するべきでありまして、関係者の認識共有というものが大事だということは、御指摘のとおりでありますけれども、これには相当な時間を要すると考えるべきでありますし、その時間を要した過程の中で一歩一歩進んでいくものであろうと思うわけであります。

 したがって、今、早急にこの検証もできない段階で次のステップに進むということについては、大変大きく危惧するものでありまして、ぜひ今後の議論の中で、現実を踏まえた中で次へのステップというものを考えていくべきではないかということを申し上げたいと思います。

 以上であります。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、大分たくさんお手が挙がっておりますので、申しわけありませんが、こちらからこういう順番で回させていただくことにします。そしたら、またこちらが挙がってしまいました。

 では、一番早く挙げておられた馬袋委員からお願いいたします。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 今日ここで提示されています「軽度者への支援のあり方」というタイトルですが、中身は訪問介護の生活援助が議論されています。ここは少し分けて考えないと、軽度者と生活援助、訪問介護サービスのあり方、この3つがごじゃごじゃになってテーブルの中に乗っているという感じがします。

 整理にあたり、訪問介護という仕事はどんな仕事であるかということ、共通認識をしないといけないと思います。まず、訪問介護は、身体介護と生活援助が本人の自立または予防を基本的な視点として一体的に実施されるサービスです。それは、自宅へお伺いして状況を見て、生活援助の一部であっても、ごみ屋敷でケアはできないというのがありますね。すなわち、環境を整えながら身体的なケアが実施されていきます。そういった行為が一体的に行われる。その行為自体は、アセスメントにより、本人の日常生活の持続可能な内容に基づいて訪問介護計画に乗って実施されているサービスなのです。まずそこを一つ理解下さい。そして、訪問介護というのは、家事援助とか身体介護という部品を届けているのではなくて、一体的に行われているケアサービスであるということをまず認識しておかないといけないと思います。

 その上で、きょう議論されているのは軽度者と生活援助ですけれども、生活援助という行為そのものは、訪問介護はご自宅での生活援助について主体的にやっていますが、通所介護で生活援助というのはどう実施されているか。訪問看護では生活援助をどのように考えるか。

 例えば小規模多機能や看護小規模多機能、定期巡回などにおける訪問介護では、包括的な機能として生活援助は提供されています。そういった考え方から見れば、当然施設の中でも生活援助というのは、生活がされているわけですので実施されています。一部分の訪問介護だけの生活援助をどうする、こうするというのは問題であります。やはり生活援助というもの、どのように支援するのかというのは、提供されるサービスにおいておのおの違うものであり、そのサービスの持つべき一体的または部分的にも行われるものなので、そこは整理をして議論しないとおかしいと思います。

 それから、軽度者へのケアについては、軽度者で悪化せず維持を支援していること、軽度者として自立する支援そのものの行為です。軽度者にサービスを提供して、自立または機能を維持させていくことそのことが給付の抑制そのものになるということです。その点は整理しておく必要があります。

 また、グラフのデータの表示の内容について課題であるので確認をしたいのですが、参考資料の17ページ目を見てください。訪問介護における要介護別の類型の構成割合なのですが、これは例えば要介護1に対して、100%比率でどのサービスがどれだけの割合になっているのかのグラフです。介護の現場ではこの割合が多い少ないで仕事はしていません。要介護1から要介護5まである中で、日常生活が維持できる状況への生活援助という時間とともに、身体介護という時間が要介護度別にあるわけですので、私が調べましたところ、要介護1から要介護5まで各々で生活援助が行われた時間はほぼ変わりません。それに身体介護の時間が要介護が重くなるだけ増えているというのが実態です。

 ですので、生活援助そのものを見直すときは、要介護1、要介護2とか言われるような軽度者だけでなくて、生活援助そのものをどうするかという議論になりますし、要介護5までの対象の方にも生活援助をどのようにするかということを議論しないと、要介護1、2だけを議論して生活援助へのあり方ではないというのが1点です。

 最後に、20ページ目「訪問介護に求められる専門性」のグラフですが、最後の報告のときには全体の8割が専門性を有しないという文書になっていますが、20ページの上のグラフの中の生活援助で、掃除、洗濯、ベッドメイクのところでありますが、このグラフを見ていただくと、こちらはカラーなので見やすいのですが、何と知識を有しないという者は19%です。「基本的な知識、技能を備えた者」と回答しているものは全体の70%以上、それ以上を含むと80%です。すなわち、訪問介護の責任者は、全体的に、基本的知識や専門性が必要も含めて、8割は必要だと認識して回答しているのです。だけど、文書には20%と専門的な技術を備えた者60%を合わせて80%カウントし、専門的な知識を有しないとされていますので、グラフの見方と表現については十分留意して掲載していただきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 そうしましたら、順番で先にこちらを回してということで、桝田委員、その後、井上委員ということでお願いします。

○桝田委員 参考資料の17ページの部分で、介護度が高くなるにつれて身体介護中心となっていると考えられます。これは当たり前の話なのですけれども、ここで少し考えていただきたいのは、この介護度によって生活援助中心が減っていく現象は、人間として生活する上で衣食住のニーズというのはみんなほぼ同じだと思うのです。この部分を誰が行っているかというのがここのデータに出ているのではないかと思われます。介護度の高い人は、生活援助部分のニーズが少なくなるのでなくて、家族がこれを行っている。そうすると、介護度1から介護度5までの、いわゆる家族の状況をオーバーラップして調べていただいたらよくわかると思うのですが、実はここの軽度の要介護1、2の方、生活ニーズの部分のサービスを受けている方というのは、大分部がひとり暮らしなり高齢世帯の方だと思うのです。ここが今、サービスを受けることによって生活を続けられている。これがなくなっていく、もしくは自分の費用で払えなくなってくると次に何が起こるかというと、この方たちはひとり暮らしなり高齢世帯ですので、別に住まわれているご家族、例えば息子さんなりの介護離職という問題が起こってくる可能性があります。

 介護離職を抑えるというのは、要支援から要介護1、2の方をどうフォローしていくのか、その地域でどう住み続けていただくかというのが一番の課題になってきます。そうすると、地域支援事業移行の問題というのが起こってきますけれども、現在3分の1の市町村が始まったばかり。3分の2は来年度の4月からという状況で、どういう状態になるのか。要支援者さえまだはっきりどういう状態になるか見えていないところに、要介護1の人なりを追加するというのは少し乱暴ではないかと思います。要支援の方のサービス提供体制が固まった時点で再検討すべき事項に入ってくるだろうと考えます。

 もう一つは、身体的な状況だけでなくて、今、いろんなことが介護保険の世界でも起こっています。というのは、地域によってサービスの内容が違う、充足状況も違うという中で、例えば今、特別養護老人ホームを考えますと、新聞で待機者が減った減ったという話が出ています。要介護1、2の方、特養の利用というのは、特殊な方でなかったら使えないというのが制度的にスタートして、手を挙げている方が減ったというのもあるのですけれども、ただ、それだけでなくて、今、いろんな状況が起こっています。

 地域によれば、特別養護老人ホームでもう空きが出ているところも出てきました。それは、その地域の高齢者の方がどんどん減ってしまっている。でも、施設は一度つくれば、その定員数というのは同じ状況ですので、需要と供給のバランスが崩れかけている地域もあります。逆に全く足りなくて、どうしようもない状況の地域もあります。そういうことになってくると、介護保険自体も軽度者、中度者、重度者と考えても、地域によっていろんなサービスの提供体制を組み立て直す時代が来たのではないかと思います。単純に全国一律でサービスを提供しましょうといっても、提供できない地域もあれば、逆にサービス過多に陥る地域もある。全体として細かな部分だけでなくて、大枠をちょっと見直す時期に来たのではないのかなと思っています。

 以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、井上由美子委員、お願いします。

○井上(由)委員 ありがとうございます。

 一番末尾に添付されております資料をごらんください。これは「高齢社会をよくする女性の会・大阪」が昨年末ヒアリング調査を実施したもので、現在、まだ分析中でございます。きょうの議題に資するものとして少しピックアップしてまいりました。簡単に申し上げますと、調査対象その他は120人なのですけれども、いろんなジャンルに分けて聞いております。ヒアリング調査としてしっかり聞き取ったものです。これを簡単に申し上げます。

 1ページ目はヒアリング対象者のフェースの分類を書いておりますが、2ページ目のほうに本日のテーマに関係するものがございます。マル2の真ん中ぐらい、互助、ボランティアについては、認定者「ボランティアでは頼りにならない」「ボランティアには頼みにくい。特に顔見知りの人はイヤ」「制度としてやってほしい」といったものがあります。介護経験者の女性はほとんどの人がボランティアの善意に頼ることは無理だと考えております。

 また、「基本的には公がしっかり関わるべきだと思う。善意やボランテアはオプションとしてあって欲しい」という意見が出ております。

 男性は「無理である。適当ではない。継続性に問題がある。地域はあてにならない」「ボランティアとは、自主的に参加するからボランティアなのであって、行政にあてにされてシステムに組み込まれる質のものではない。善意もしかり。持続性が担保されないような不確かなものを介護システムに組み込むべきではない」などが代表的な意見で、互助、ボランティアに対して非常に不安を持っているということが出てまいりました。

 それから、介護が必要になったとき欲しいサービスで多かったのは、「身の回りの支援」「訪問介護」であり、自宅で今の暮らしを維持していくために必要な支援を望んでいるという傾向がありました。

 先へ先へと議論は進んでいるわけでございますが、こういう調査を振り返って見てみますと、今後働き手の確保がますます難しくなっていく現状を踏まえますと、地域の問題を地域で解決していこうという発想や方向性は重要だと思います。ただし、そこでは地域力が重要になってくるのではないか。とこの調査を踏まえて思っております。しかし、地域の力を高めていくためには、それなりの準備や時間も必要です。市町村の現場も総合事業への対応に追われているような状況でありますし、この事業の検証も全くできておりません。また、現場では互助、ボランティアに頼ることを不安に思う意見も少なくありません。これは先ほど調査のところで申し上げました。

 このような状況の中で、「軽度者」という概念もまだはっきりしていないときではありますが、その軽度者に対するサービスを見直して、地域での取り組みを求めるようなことをしましたら、現場が混乱するのではないかと危惧いたします。

 このようなことを考えますと、現行制度を大きく変えるということではなく、現行制度を前提とした上で効率化できるのではないか。先ほどもちょっと御意見がありましたけれども、もっと効率化できるのではないかという意見も出ましたので、そういう視点で進めるほうがより現実的ではないかと思っております。

 とにかく要介護者に対する総合事業の検証を行った上で、きょうのこの議題みたいな議論は本当に慎重に御議論を重ねていっていただければありがたいと存じます。

 また、人材不足の折、人材資源の発掘などに関しましては本当に早急にやらなければいけないと思うのですが、そこではマネジメントを発揮して、人材の適切かつ有効な活用が重要と考えております。調査をもとに発表させていただきましたが、調査の最終的な分析の結果は来年の3月ぐらいにでき上がる予定です。

 どうもありがとうございました。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、もう一方の井上委員、どうぞよろしくお願いします。

○井上(隆)委員 ありがとうございます。経団連の井上でございます。

 2月にこの部会で配られました資料に基づきますと、本日の検討というのは、「介護保険制度の持続可能性の確保」という整理で行われていると理解しておりまして、その観点から申し上げますと、論点にお示しいただいているとおり、財政的な持続可能性、あるいは介護人材の制約を踏まえて、要介護度3以上の中度、重度者の方々に給付を重点化していくということを考えざるを得ない状況と思います。

 そのためには、要介護度2以下の方々の自己負担率や、給付のあり方につきましては、若干の違いをつけていくということも検討せざるを得ないのではないかと考えております。

 また、本日説明のございました生活援助型介護につきましては、資料からも明らかなとおり、要介護度2以下の方に集中しているという事実もあります。また、掃除、調理、配膳といった日常の生活回りの費用であるということも考えますと、ここにつきましても、自己負担率の引き上げ、あるいは地域支援事業への移行を促すということも考えていく必要があるのではないかと思います。

 以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 では、続いて伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 伊藤です。

 これまでも幾つもの意見がある中で、介護保険財政的にも人材確保の面でも課題があるという状況にあるということは受けとめざるを得ないことであると思います。

 しかい、要介護者と要支援者についての給付を全く別にするとか、あるいは専門性がそれほどない人に生活援助を担ってもらうということは、介護を必要とする高齢者の生活や行動に大きな影響を及ぼすということが懸念されます。

 また、介護をする家族等について、介護離職という大きな政策課題が挙がっている中で、介護の社会化を進めるためにこの制度ができてきたということをよく認識する必要があると思っています。

 この話が出たときに、私どもの中でも、では、誰が担うのか、また妻、嫁、娘なのかという話が真っ先に出ました。地域を支える力が低下している、また単身者もふえている中で、では、誰が担うのかという大きな課題があると思います。きょう幾つも指摘がありましたけれども、介護予防給付の総合事業化についての検証が行われていないと思っています。

 インターネットを調べてみたら、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが愛知県で行った自治体に対する調査が出てまいりましたが、割とそこまで僻地でないと思われる愛知県においても、住民主体による支援のサービスについても、9割ぐらいの自治体で新たな住民団体の育成を課題に挙げている。それから、緩和した基準のサービスのほうでも、事業者の参入見込みが立たないというのが4割ぐらい。小さい自治体ほどそれは上がっていくということで、担い手の確保という非常に大きい課題の中で、単にその地域の力に頼ればいいということにはならないということはよく認識しておかないといけないと思っています。

 そういう中で、今回の検討ですけれども、要支援者についての検証もされていない中で、さらに充実した支援が必要な要介護者について、給付対象から外すといった見直しは余りにも時期尚早だと思います。特に特養の入所者は原則要介護3以上になっているということも踏まえて、要介護1、2の在宅サービスの必要性はより高まっていると考えるべきだと思っております。

 また、担い手の問題ですけれども、生活援助中心型のサービスについて誰が担うかというときに、専門性がそれほどない人でもできるということの整理について非常に違和感があります。これまでも何人かの方から御指摘がありましたけれども、ホームヘルパーについては、単に介護についてだけでなく、自立援助とか訓練とか社会関係の調整とか、非常に幅広い役割が期待されていますし、倫理性についても十分に認識をした上で従事していらっしゃるということ。こういう担い手のことを、決して踏みにじるようなことはしてほしくないと思っていますので、生活援助を担う人というのは、やはり専門性を持つ人を養成するという観点で検討をしていってほしいと思います。

 では、財政的にも人材確保も課題がある中でどうすればいいのだと厚生労働省さんに開き直られても困るのですけれども、ここは政府として介護離職ゼロ、女性の活躍推進という政策課題の優先順位を上げたということを十分に踏まえて、そこの資源配分も含めて対応していただかないといけないと思っています。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、お手が挙がっていたのが大西委員、その後、岡委員、小林委員という順番で行きたいと思います。

○大西委員 ありがとうございます。

 全国市長会で介護保険特別委員会の委員長をしております、高松市長の大西でございます。

 この軽度者への支援のありかたにつきましては、本年2月の議論の最初のときに、給付の見直しや地域支援事業への移行によって、市町村の負担がより増大したり、あるいは要介護度の悪化といった本末転倒の結果を招くことのないように、それぞれ制度改正、慎重に取り扱っていただきたいという旨の発言を行ったところでございますし、全国市長会としても、特別提言、重点提言という形でその旨を求めておるところでございます。

 そして、そういう中での現在の状況ということですが、お話が先ほどから出ておりますように、介護保険の保険者であり、また、地域支援事業等、地域包括ケアシステムの構築に当たって、主体的にやっていかなければならない我々基礎自治体、市町村におきましては、大きくは地域包括ケアシステムをいかに構築していくのか。具体的には26年度改正で地域支援事業、新しい総合事業へ移行することとされました訪問介護や通所介護の予防給付の分について、いかに新しい総合事業を立ち上げていくのかということで今、四苦八苦しているような状況でございます。

 先ほどからお話が出ていますし、資料にもありますように、この4月から始められているところは全体の3分の1ということでございますが、全体の3分の1で始めているところも、市域等で全体的にせーのでやられているところはほとんどないような状況でございます。

 本市におきましても、この10月から新しい総合事業に移行はすることにしていますが、円滑に実施していくにはまだまだ課題が多くございます。

 難しいのは、先ほど齊藤委員のほうからございましたけれども、やはりコミュニティーのあり方と非常に密接に関連してくる。それぞれの市町村の状況によって大きく違ってくるかと思うのですが、高松市は42万人の中核都市で、それなりの都市的な機能もありますし、都市住民としてのいろんな活動も活発であるので、割と仕組みやすい地域であるとは思うのですが、それでも例えば自治会加入率が今どんどん落ちてきて、地域の力が弱まっている。そういう中でコミュニティーの再生といったものを図りつつ、この地域包括ケアシステムを構築していかなければならない。その辺は時間をかけながら、両方がうまく進んでいけるように、コミュニティーの再生と地域包括ケアシステム、それがいい方向で連携して進められるような形で今やっておるところでございます。

 今、そういう状況の中で、また新たに軽度者への支援事業として給付を見直してという話になってきますと、とてもじゃないけど市町村のほうとしては対応がしかねるのではないかというのが今の状況でございまして、それで、より慎重に検討を求めたいということで、今、意見を出させていただいておるところでございます。

 いずれにいたしましても、介護保険事業、これから例えば2025年問題と言われていますけれども、超高齢社会を迎えるに当たって、いかに持続可能な制度として適正な運営を確保していくか。これは非常に重要でございますし、我々保険者としての主体である市町村が本当に真剣に考えていかなければならないと思っています。

 財源面、人材面、この2つが大きな要素になろうかと思っておりますけれども、その辺につきまして、ぜひとも皆様方の十分な御議論をいただいた上で、より慎重に、しかもいい方向性を向いて進めていただけるようお願いをいたしたいと思っているところでございます。

 以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。現場の市町村の立場からということで、ありがとうございます。

 それでは、岡委員、どうぞ。

○岡委員 生活援助について一言申し上げたいと思います。専門性を要する身体介護と異なりまして、家族の協力などでも補うことができる生活援助サービスについては、重度化予防とか自立支援という観点から必要性は理解いたします。しかし、保険給付の効率化、重点化という視点から見ますと、負担が困難な人への配慮は必要でありますけれども、今後原則として全額自己負担に近づけていくということはやむを得ないのではないかと考えます。以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、小林委員、どうぞ。

○小林委員 申し上げるまでもなく、急速に高齢化が進み、2025年には団塊の世代が75歳以上になるなど、今後、介護保険制度の利用者は確実に増加していくことが見込まれます。このような状況の中、制度を持続可能なものにするためには、地域包括ケアの視点を取り入れながら、より一層の重点化、効率化が必要であると考えます。

 軽度者への支援のあり方については、介護保険制度創設以来、重要な論点であり、前回の平成26年の見直しでは、介護予防給付のうち、訪問介護・通所介護を介護予防・日常生活支援総合事業へ移行することとされ、平成29年3月までがその経過措置期間とされております。これにつきましては、何人かの委員の方から効果の検証ができていない、あるいは十分ではない、あるいは性急に検証すべきではないなど、いろいろと御意見がありましたが、まずは前回の移行がどのような効果をもたらしたのか、制度の実態面や財政面も含めて明らかになるよう、事務局には議論の素材の提供をお願いしたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 事務局への要望ということですので、また事務局のほうでも御検討いただければと思います。

 それでは、お待たせしました。齋藤委員、佐野委員という順番で。それで、できればこちらに戻りたいと思いますので。

 よろしくお願いいたします。

○齋藤(訓)委員 何人かの構成員の方から出ていたように、今はまだ予防給付の訪問介護、通所介護を地域支援事業に移行する経過措置の期間で、移行による効果やメリット、デメリット等々の検証も十分ではない段階で、さらに予防給付から地域支援事業へ移すということになりますと、利用者の混乱や、保険者である市町村の混乱が予測されます。まずは訪問介護、通所介護の移行状況を踏まえて、効果等が検証されてから議論をするということは当然だと考えています。

 ただ、軽度者へのサービスといっても、予防給付と言っている以上、あくまでも介護保険の理念に即して、身体機能や生活機能の維持あるいは改善につながり、自立支援に資するサービスに給付を重点化していくという方向は免れ得ないと思っています。

 ですので、現在予防給付の中で実施されているサービスの中でも、具体的に介護予防の効果が期待できるもの、例えば廃用症候群であったり、低栄養、口腔機能の低下、あるいは認知症の重度化予防等、要介護度の悪化につながる状態や病気については早期に発見して、きちんと対応できるサービスを今後重点的に評価していくことによって、本来の自立支援の機能を強化していくべきだと考えております。

 既に訪問介護や訪問リハで報酬上の評価が何がしかついたものがございますけれども、今後後期高齢者医療広域連合のほうで取り組もうとされている虚弱高齢者のフレイル対策であるとか、サルコペニア対策であるとか、そういった研究成果もこの介護予防サービスの中にしっかり位置づけて、予防の領域でも医療と介護の連携によって、より実効性のあるサービスの評価体系にしていくべきだと考えます。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 私ども、このテーマは制度の持続可能性をいかに確保するのかという観点から入っているテーマだと思っていますので、制度の持続可能性を高めるという観点で言えば、当然ながら給付の伸びをいかに抑制するのか、ひいては保険料負担の上昇をいかに抑制するのかということがポイントになっていくと思います。そういう意味では、ある意味大変苦しい選択を迫られるのではないかという気がいたします。

 全体的な方向で考えますと、重度者と軽度者の対応にめり張りをつけた上で、軽度者については重点化、効率化を図るしかないのだろうという気がいたします。

 そういう中で言いますと、きょう何人かの方がおっしゃっていましたが、軽度者支援について、各施策が自立支援や重症化予防にどの程度役に立っているのか、データとしてきちんと把握することが重要だろうと思います。

 例えば今日のペーパーでも要介護度が低い方が生活援助を利用するケースが多いというデータが出ているのですけれども、これが本当に重症化予防につながっているのかという部分。それから4月の部会に出された都道府県別のデータを見たら、大阪の方というのは、軽度の人の介護費も全国で高いけれども、一方で重度のほうも結構高いという結果が出ております。それだけ一律ではないかもしれませんが、結局、軽度者も使っているけれども、重度者が使っているのだったら、これは本当に効果が出ているのかという観点からの分析も必要だと思いますし、いずれにしてもデータできちんと把握した上で、軽度者支援についてのめり張りをつけた対応策を考えていくしかないのだろうと思っています。

 もう一つは、全体としてみれば、コスト意識をいかに高めるかというところがポイントになると思いますので、いわゆる給付抑制という観点で見れば、自己負担割合の見直しなども検討すべきだと思いますし、身体介護と生活援助の実施者の必要資格みたいなものも全体コストの中でどういうふうに見ていくのか、見直す余地というのはあるのではないかなという気がいたします。

 もう一点、今、総合事業への移行期間ということであって、そこはちゃんと移行を見きわめてというのは当然だと思うのですが、一方で、最初申し上げたように、持続可能性を確保するという観点で言うと、ある程度時間との勝負のファクターはあると思いますので、拙速はもちろんまずいと思いますけれども、やはり一定のスピードアップをして対応していかないと、全体の介護費用の給付の伸び抑制ということにはつながっていかないのではないか。それは制度の持続可能性ということに関与していくのではないかと思っております。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、こちらに戻って、武久委員が先ほどお挙げになっていましたので、その順番ということにさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○武久委員 ありがとう。

 私は現場に40年も前からおりますので、介護保険が始まる前からずっと経過を見ておりまして知っております。介護保険が始まった2000年以前は、「自助」「共助」「互助」「公助」という言葉がありましたけれども、介護保険が始まりますと、公助をもらわないと損だと。損得は別として、そちらのほうにベクトルが全部向いてしまって、自助とか互助というのが急激になくなった。逆に言うと、要介護者を介護する家族の苦しみがなくなったということで、これはプラスと考えますけれども、費用としてはふえていくのはある程度仕方がないかと。

 もう少しファンダメンタルなところに戻りますと、私は2000年から介護認定審査会の委員長を足かけ16年務めております。感想を言いますと、最初のうちは審査委員は大甘でして、できるだけいい介護度をとらせてあげようと。こんな感じでした。途中から厳しくなってきましたけれども、軽度に対しては、要支援1の方、要支援2の方、要支援2から要介護1になるには認知症があるか、病状が不安定か、この2つが条件になっておりまして、この条件を満たさなければ、要支援2から要介護1にはならない。これが介護認定審査会の基準です。

 申請してくると、30名が一回に来ますけれども、非該当者が2人ぐらい出てきます。非該当者を何とか要支援に上げてあげようという雰囲気が審査委員の間にあります。それと、要支援1や2になった場合に、これが逆に非該当になる場合があります。要するに、よくなったわけですから、これは喜ぶべきことなのですけれども、審査委員としてはどういう基準でやるかというと、今、サービスを受けている人が非該当になって受けられない、気の毒だから要支援のままにしてあげようか、そんな意識が働く審査委員が結構多いわけですね。こういうことから言うと、要支援になった人が非該当になって、元気になって、もとへ帰ったという割合は一体どのぐらいあるかというと、介護認定審査会にほとんどデータがありますから、多分資料はできると思うのです。

 ここのところで同居の家族がいるか、いないかで大きく分かれると思うのですけれども、軽度者に対して訪問サービスが多いというのは本来おかしいと思うので、要支援は、先ほど鈴木先生がおっしゃったように、フレイルの状態でありますので。軽い認知症も含めてですね。一番は筋力の低下、関節の可動域の制限、さらに低栄養、この3つが改善しないと要支援状態は改善しないです。医学的に言って。では、それを介護予防の訪問介護をやっているかというと、そういうことは余りやっていない。生活支援が主である。

 一方で、通所でやっているかというと、デイサービス等は、できるだけ楽しく過ごしてもらおうというのがメーンになっています。これは方法を変えるということで、総合事業化に私は賛成なのです。ここで集団で一生懸命動いて、おいしものを食べて、栄養士がいて、そういうフレイルを改善するということ、平均寿命と健康寿命との差、今、女性は12年、男性は9年ですから、これを縮めることが要支援者の削減になっています。少なくなるということと思います。

 先ほど誰かが現状維持が7割あるから役立っているとおっしゃいましたが、そのとおり

と思いますけれども、中にはよくなっている人が2割や3割いてもいいのではないかと思いますので、ぜひここら辺のところも考えまして、メニューも考えて、効率的に要支援者、軽度者への対応をしないと、これからますます高齢者がどんどんふえてきますから、予算が幾らあっても足らない。ここで一回考え直す時期かと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、土居委員、どうぞ。

○土居委員 ほかの委員がおっしゃっているところと重なるところは簡単に済ませたいと思います。重度者に対する給付をしっかり確実に行っていくことを考えると、軽度者に対する支援をできるだけ効率化、重点化していかなければいけないと私自身も思っております。

 その中で、当然ながら必要な軽度者への支援はやっていかなければいけないわけですけれども、どちらかというと神学論争的なというか、必要なものは必要なのだという話になりつつ、そうはいってもみんな必要だ、一から十まで全部必要だと本当に言えるのかというような疑義もなくはないというところがあって、これはどこまで必要かというのは、本当はエビデンス、重度化予防がどれだけ発揮できているのかを積み重ねていくことをもっともっとこれからやっていただかなければいけません。そこの2つをつなぐ補助線になると思うのは、地域差を分析することなのかなと思います。

 ですので、事務局には、ある程度時間が必要だと思いますので、お忙しいところ恐縮であるのですが、データを出していただきたいと思いますのは、要支援1、2の方々に対する予防給付なり地域支援事業でのサービスで、要支援の認定者ないしは利用者に比して、どれぐらいの給付費なりサービス単位数なりが、都道府県別でデータが出ればいいと思うのですけれども、1人当たり幾らないしは1人当たり何単位という形で数字が出てくると、地域差があることは既にいろいろな形で研究がありますので、その地域差が何によって生じているのかをより深掘りしていくことが大事だろうと思います。

 地域差があってはいけないとは思いません。しかし、場合によっては、事業者が多い地域でより多く軽度者へのサービスが行われている可能性もある。事業者が多いといっても、東京などは多いわけですけれども、そういうことを言いたいわけでなくて、例えば65歳以上人口に比してどうかとか、そういう形でより客観的に数字としてあらわされるような形で、地域差が何によって生じているか。当然生じるべき地域差ということで生じているということなのか、それとも何かいろいろな形で、そこまで軽度者へのサービスを手厚くやるという必要はないような形でできている地域が片やありながら、なぜかより軽度者に対するサービスが手厚くなされている地域があるということがあったりすれば、少なくともその部分の地域差をなくせば、軽度者への支援はより適正化されて、そこにいらっしゃる介護職員の方々には重度者に対するサービスにより特化していただくということも可能であると思います。

 それから、介護人材との関係でも、軽度者への支援はより工夫をしていく必要があると思います。確かに専門性があるにこしたことはないわけですけれども、ただでさえ人材不足で、2017年、18年に天から降ってきたみたいに専門性をばりばり持った職員の方を突然現場にたくさん配置できるということはありえないわけであります。

 まず最初は経験が足らない、ないしは全くの素人であるという方々が、それから1年、2年、5年と経験を積むことによって専門性を高めていくということになっていくわけですから、もちろん2025年には人材面でもう少しぜいたくなことが言えるようになるといいのかもしれませんが、2010年代後半においては、いきなり専門性がない人を生活援助に充てるのはどうかと言っていられるほど人材面でぜいたくは言えない状況なのではないかと思います。

 そういう意味では、重度の方々に対しては専門性がますます必要なわけでありますから、これは絶対に確保しなければいけないわけですけれども、先ほどの事務局の資料にもありましたように、必ずしも専門性が必要のないような生活支援の部分については、2010年代後半は専門性がまだ不十分な方でも経験を積んでいただくということも含めて、まずは経験が余りない方、ないしは初めてそういう生活援助のサービスを提供するということに携わられる方、ないしはボランティアの方々にも、当面は経験が足らないと言っても、専門性が足らないと言っても、まずは携わっていただくということから始めることが必要なのかなと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 まず最初に1点だけ事務局のほうに質問しまして、その後、きょうの論点の8ページの部分について意見を述べたいと思います。

 質問ですけれども、「軽度者への支援のあり方(参考資料)」の7ページです。資料1にも出てきますが、要支援者であるとか要介護1、2について、ADLでは自立しているけれども、インストルメンタルADLの一部が行いにくくなっているということが言われています。その関連で、参考資料の7ページ目は要支援1から要介護2までの認定調査結果についての分析なのですが、身の回り、つまり、要介護認定審査の場合の1群と2群についてはおおむね自立しているのだけれども、インストルメンタルADL、この部分については必要だなとなっている部分について、認知症がかぶっているというか、その部分というのはどのくらいあるものなのですか。かぶっているというのは、要するに、下のほうの認知の部分ですね。

○岩村部会長代理 今、お答えいただけますでしょうか。

○三浦振興課長 振興課長でございます。

 この中での内数というのは、今、手元に持ち合わせておりません。

○栃本委員 なぜそれをお聞きしたかというと、先ほど武久委員から16年間認定審査会をされていると。私も16年間しておりまして、今週も9時から11時までやったのですけれども、1群はついているのだけれども、2群は全然レ点がつかないという人たちです。なおかつ生活支援のところがつくという場合がなきしもあらずです。

 先ほど来、予防は重度化防止とか在宅限界を上げるとか予防という観点からすると、そもそも自宅に来ていただいて、それで生活行為の部分が必要だというので支援をしたとしても、これは予防になるかとか、重度化防止になるかといえば、ならないですね。それはIADLというものを案が得た時に認識として非常に重要なことです。悪化の防止とか、進行を止めるといった説明がありますが、全く関係ありません。

 ただし、3群や4群で認知にレ点が入っている場合の、下のほうの5群にレ点が入っているときの5群のIADLの出来る出来ない、するしないということの意味は全く異なるのです。要するに一群はレ点がついている、一方2群はレ点がついていない、もちろん3群と4群にもついていない場合、一群のレ点も軽いと判断できます。

1群がレ点が付き、認知の項目がついて、5群がついている場合サービスは必要だということは、実際にやってみてもよくわかるのですね。ということで、自立支援とか在宅限界を上げるとか、予防とかをサービス提供の根拠理屈付けとする場合、特に2群はほとんどついていなくて、1群のみがついていて、インストルメンタルADLが必要だとレ点がついている場合、もう少し慎重に細かく議論しなければいけないし、先ほど結論めいた言い方をしましたが、予防にはならないですよ。予防という形ではないからね。多少は在宅限界を上げることにはプラスになるけれど微細であるということを言っているのです。

 論点の部分ですが、先ほど来、生活支援という部分について議論がありました。専門性があるのか、専門性がなくてもできるのかということがあるのですけれども、一つは、研究者の立場から言えば、調査における質問項目ややっているやっていないという項目を設定する場合、非常にわかりやすいことなのだけれども、そもそも専門性が抽出できるような項目になっていないと専門性は出ませんね。比較的単純労働をおこなう労働を行うものに対する調査項目で設計されているものを使ったら高度専門性があるのかないのかといったことを識別できません。

 つまり、生活支援というよりも、実際は家事援助の部分の単純なというか、そういう部分を見るという形で質問項目とか選択肢をつくってしまえば、生活支援サービスの専門性という部分、仮に専門性があるとしたら、その部分というのは出にくいということになりますので、誰にでもできるサービスだという形になります。これが一つ非常に重要なポイントだと思います。

 その上での話なのですけれども、今、申し上げた生活支援と身体介護という形になってしまったものですから、議論が紛れるような形になっているのですけれども、旧来の家事援助という部分で言いますと、その部分は、介護の中核ではありません。有った方が便利だし、有りがたい、ある意味では必要なのだけれども、周辺部分としての位置づけで良いと思います。また周辺部分であるがゆえに欠かせないということもあります(中核的業務を効率化し集中化するために)。介護保険から給付すべきかどうかということについては、単純家事援助。家事援助も単純でない部分があるのはよく承知しています。すし屋の職人さんに来てもらってもいいけれども、家で手巻きずしというのもできますから、そういう意味では、家事援助は専門性がないと言っているのではないのですよ。ただし、家事援助の部分と生活支援の部分を区分けして考える必要があって、僕が先ほどから申し上げている家事援助の部分については、いわゆる国家資格であるとか、そういう部分というものは外していいと思います。

 ただし、生活支援の部分があることは確かだと思います。それは先ほど来おっしゃっていますが、支援という言葉がかかっている部分です。その部分については提供責任者で対応するということもあるでしょうけれども、家事援助の部分については、普通の方というが仕事としてすればよい。仕事としてきちっと位置付けて。ただし、普通の方と言っても、先ほど出てきましたような参考資料の部分、三菱UFJが行ったものだったかな。多少なりとも基礎的な部分については、基本的な知識、技術を備えた者というのが必要だと思いますが、それは研修等でできるわけですから、その部分を区分けしてこれから検討されていくべきではないかと思います。

 最後に、それをなぜ申し上げるかというと、この部分というのは、審議会の事務局では、今までと違って、今回論点として考えてほしいと書いてきたのは、人材確保に制約がある中での介護人材の専門性に着目して、どういう形で配分するかということが今回新しく出た部分なのです。それを外して皆さん議論したら、まったく意味がないわけです。従来からの繰り返し、従来から言われていることと全く同じになりますのでね。

 そういう意味で、前回私が申し上げましたが、本当に限られた専門性、そして介護福祉士の人がいろんなことができるのは承知していますが、介護福祉士が本来やらなければいけないことは、国家資格を持って、しかも、この前の改正で医師の指示のもとで喀痰吸引等ができるということ、あの部分はきわめて重要なので、その部分を介護保険制度の中では重視していただいて、家事援助ができるというのはよくわかりますよ。だけど、もう少し専門性というか、それを最大限生かせるような形での職能化というか、職業化ということをぜひ考えていただきたいと思います。

 長くなりました。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、東委員からお手が挙がっていました。1番目の議題についてはほぼここまでとさせていただきたいのですけれども、ほかにはいらっしゃいませんね。

 それでは、東委員、よろしくお願いします。

○東委員 ありがとうございます。

 多くの委員が発言をされましたが、軽度者への支援についても効率化が必要だということでは意見が一致していると思います。

 武久委員から介護認定審査会での話が出ましたが、私は外来で実際に経験した事例をご紹介します。外来に来られた大変元気なおばあちゃんが要介護認定をしてくれと言ってきたので、理由を尋ねると、近所のおばあちゃんたちが行っているあのデイサービスに私も行きたい。そこに行くとデザートバイキングはある、カラオケはやれる、温泉も入れてくれる。ぜひ介護認定を受けたいとのことでした。一つ例を挙げましたが、介護保険の考え方、理念が国民の中にきちっと根づいているのかという問題があると思います。さらに、介護認定を受けてサービスを利用する場合でも、どこをどう効率化するかが今後は非常に重要になってくると思います。

 社会保障財源不足のなか、湯水のように介護保険を使うことはできません。どこをどう効率化するかについては、「自立支援」がキーワードになると思います。他の委員からも「自立支援」という言葉が何回も出てきていますが、もう少し具体的に考えるべきだと思います。

 現在使っている要介護度は、サービス提供側の手のかかり度であって高齢者本人の自立度ではありません。手のかかり度である要介護度をもとに「自立支援」を論じながら、要介護度が低いから介護保険から外すとか外さないとか言っていること自体が議論としては少しおかしい。その点もきちっとわきまえて議論をしていただきたいと思います。

 また「自立支援」ということを適切に評価するのであれば、ケアマネジャーがそのキーパーソンになると考えております。例えば、要介護度がどうであっても、あなたはこれができるのだからこういうサービスにしましょうとケアマネジャーが適切な判断をしてサービスを組み立てることができれば、「自立支援」につなげることができます。このような「自立支援」が今後非常に重要な論点になると思います。

 以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 ちょっとお名前を失礼いたして、申しわけございません。

 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 今、いみじくも武久委員と東委員から要介護認定審査会の話が出ましたが、私も介護保険発足当初から地元の認定審査会の委員長をしています。私は外来でも患者さんを診ていますが、誰々さんが使っているから私も使いたいとか、あそこはいろんなサービス、何とかもかんともあっていいぞとか、そういうことを言われたことは一回もないです。これが地域差ではないでしょうか。

 要するに、要介護認定率は大阪は断トツに高いです。日本一です。三重も多分高いのではないでしょうか。茨城は下から2番目ぐらいです。山梨の次です。地域の住民の意識の違いではないかと今、感じましたので、調査をするまでもないかもしれませんけれども、でも、多分そういう感じになるのではないかと思います。私がお勧めしても、絶対に介護保険のサービスが必要な方でも、まだ大丈夫です、もう少ししてからにしますと言われます。そういう感覚なのです。もしそれが客観的に証明できるのでしたら、ぜひ調べていただきたいと思いましたので、追加させていただきました。

○岩村部会長代理 すばらしい締めの御発言をいただいたと思います。

 それでは、休憩をとる時間がなくなってしまいましたので、申しわけございませんが、このまま次の議題に移らせていただきたいと思います。

 議題の2番目としては「福祉用具・住宅改修」ということでございまして、これについても資料2と参考資料を御用意いただいております。

 まず、事務局のほうから説明をいただきたいと思います。

○佐藤高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。よろしくお願いします。

 資料2と参考資料2によりまして御説明をさせていただきます。「福祉用具・住宅改修」につきまして、1ページ「現状・課題」でございます。まずは福祉用具の関係でございます。「福祉用具に関する基本的な考え方」でございますけれども、1番といたしまして「利用者が可能な限り居宅において自立した日常生活を営むことができるよう、生活機能の維持又は改善を図り、状態の悪化の防止に資するとともに、介護者の負担の軽減を図る」という役割を担っております。

 2番「福祉用具の貸与・特定福祉用具販売の価格」でございます。価格につきましては、事業者がその運営規程において定めまして、都道府県に届け出るということになっておりますけれども、その設定は、通常、製品本体の価格のほか、計画書の作成あるいは保守点検などの諸経費が含まれております。

 しかしながら、価格の決定が事業者の裁量によるということから、同じ製品でありましても、平均的な価格と比べて非常に高額な価格請求が行われている、こういったケースが存在しているという指摘がございまして、これまで貸与価格については幾つかの取り組みを行ってきております。

 参考資料の9ページをお開きいただきますと、平成21年度より保険者が国保連合会の介護給付費データを活用いたしまして、同一製品の価格帯等が記載された介護給付費通知というものを発出するということを可能としております。左下にございますように、現在762の保険者がこういった取り組みをやっていただいております。

 2つ目といたしまして、同じく参考資料の10ページをおめくりいただきますと、価格情報の公開ということでございますけれども、平成26年3月よりテクノエイド協会におきまして、国保連合会から種目別の全国の平均価格と全国の最頻価格の提供を受けまして、製品情報とあわせまして、ホームページによりまして公開するという運用を開始いただいております。

 3つ目といたしまして、同じく参考資料の11ページをごらんいただきたいと思いますけれども、これは複数の福祉用具を貸与する場合におきまして、平成27年度から事業者が一定のルールのもとで都道府県に届け出ている価格よりも減額して貸与することを可能とするといった取り組みをスタートしているところでございます。

 本文にお戻りいただきまして、一部の自治体におきましては、福祉用具の貸与の適正化のため、独自に価格をホームページで広く公表するといった取り組みを行っているところでございまして、参考資料の12ページでございますけれども、東京都世田谷区の例を引っ張っておりますが、保険者、市町村が貸与価格のみずからの最頻単位と最高単位というものを広域自治体及び全国と比較できるように公表するという独自の取り組みもスタートしております。

 本文に戻りまして、2ページ「3.保険給付の対象となる種目の範囲」でございます。福祉用具は、その外延が極めて広い。日常生活の自立支援ということから、その種類も多くにわたるということでございまして、外延が極めて広いということから、福祉用具の範囲の考え方といいますものを平成10年の審議会にお出ししております。これを考慮しつつ、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会において議論を行い、給付を行うことが適当と判断されたものに限りまして保険給付の対象種目としております。

 これまで対象種目につきましては、平成18年度に要支援1から要介護1の高齢者の状態を踏まえまして、利用が想定されにくい車椅子、特殊寝台などの8種目を原則給付の対象外とする見直しを行いましたけれども、その後、一定の場合には保険給付の対象となるように再度見直しが行われておるという状況でございます。

 一方、価格が比較的安価で、軽度者の利用が多く、結果的に長期間の利用となる種目も存在するということから、平成23年5月におきましては、私どもの検討会におきまして「貸与から販売への移行」または「貸与と購入の選択制」を導入してはどうかという意見もございました。なお、その際には、専門職の関与と適切なマネジメントが担保される仕組みの確立とあわせて実施する必要があるとされてございます。

 4点目「福祉用具の適切な利用の促進」につきましては、福祉用具の利用に当たりましては、介護支援専門員(ケアマネジャー)がケアプランに記載するというだけではなく、福祉用具専門相談員が専門的知識に基づきまして、利用者またはその家族に助言をしながら利用開始時に適切なアセスメントを行うとともに、全体として利用者の状態を考慮したマネジメントを定期的に適切に行うことによりまして、利用すべき福祉用具が決定される必要があるという状況でございます。

 3ページでございます。この点につきまして、平成24年度より福祉用具専門相談員に対しまして、指定福祉用具貸与の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容などを記載しました福祉用具貸与計画の策定を義務化したところでございます。

 また、この計画に基づきまして、目録等の文書を示し、福祉用具の機能、使用方法、利用料などの情報を提供し、利用者の同意を得るということとしております。

 一方で、平成25年の介護保険部会の意見におきましては、さらなる専門性向上などの観点から、福祉用具貸与事業所に配置されている専門相談員の一部について、より専門的知識及び経験を有する者の配置を促進していくことについて検討する必要があると指摘されたことでございます。

 これを踏まえまして、平成27年度より専門相談員の指定講習カリキュラムの見直しや自己研さんの努力義務化を行ったところでございます。

 なお、一部の自治体におきましては、サービス担当者会議のみならず、第三者的視点を有する地域ケア会議におきまして専門家を交えて議論することによりまして、利用者にとって適切な利用につなげているという取り組みも出てきておるということでございます。

 5点目といたしまして、利用者負担につきましては、ほかのサービスと同様、現在1割負担、一定所得以上の場合には2割負担となってございます。

 以上が福祉用具についての現状と課題でございます。

 4ページ目をお開きいただければと思います。住宅改修についてございます。

 まず、基本的考え方でございますが、住宅改修は、段差の解消や手すりの設置などを通じまして、高齢者の自立を支援するという役割を担っております。

 「2.住宅改修の工事価格・適切な利用の促進」といたしまして、市町村は、居宅要介護被保険者等が住宅改修を行ったときは、当該者に対しまして、支給限度基準額である20万円を上限にいたしまして支給するということになってございます。この価格の決定は、住宅改修を行う事業者の裁量によりまして契約で決まっておるということでございます。

 しかしながら、24年度に実施したアンケート調査によりますれば、約6割の保険者が事業者により技術や施工水準のばらつきが大きいと回答しております。

 また、住宅改修費は償還払いでございますため、国保連合会にデータの蓄積がないなど、公示価格との取引実態の把握がなかなか進まないという状況にございます。

 施工水準につきましては、25年のこの介護保険部会の御意見におきまして、住宅改修の専門家の育成と活用について推進が必要だという御意見をいただいてございます。

 5ページ目でございます。これを踏まえまして、住宅改修の質の向上に向けた対応といたしまして、27年3月に住宅改修事業者や関係職種向けの研修テキストの編集と、都道府県を通じた市町村への周知を行ったところでございます。

 なお、一部の自治体におきましては、サービス担当者会議のみならず、地域ケア会議におきまして専門家を交えて議論することによりまして、利用者にとって適切な改修の利用につなげているというところも出てきておると認識しております。

 3番、利用者負担でございます。住宅改修は、個人資産の形成につながる面がある。また、持ち家の居住者と改修の自由度の低い借家の居住者との受益の均衡を考慮すれば、給付の対象は小規模なものに限定されておるということでございます。

 利用者負担につきましては、他のサービスと同様に、原則1割負担となっております。

 6ページ目でございます。骨太の2015、アクション・プログラム、今年度の骨太。これは先ほど軽度者の議題で御紹介があったものと同様に、福祉用具の貸与につきましても、給付の見直し、負担のあり方などについて検討するということとされてございます。

 最後に7ページ、論点でございます。これに基づいてきょう御議論いただければと考えております。

 両方の共通事項といたしまして2つございまして、利用者が適切なアセスメントとケアプランに基づき、福祉用具や住宅改修を利用できるよう、サービス担当者会議のみならず、地域ケア会議の活用を含めまして、どのような方法が考えられるかという点でございます。

 2つ目に、福祉用具や住宅改修が利用者の自立支援、状態の悪化の防止、介護者の負担軽減などの役割を果たしているということを考慮した上で、利用者負担のあり方についてどのように考えるかという点でございます。

 続きまして、それぞれに固有の項目でございますが、福祉用具につきましては、価格について極端な価格差が可能な限り生じないようにするとともに、利用者が適切な価格の用具を選択できるようにため、どのような仕組みが考えられるかということ。

 その次に、対象種目につきまして、それぞれの種目の特性や利用実態等を踏まえてどのように考えるかということでございます。

 住宅改修につきましては、価格等の取引実態を把握するために、どのような仕組みが考えられるか。また、価格や施工水準のばらつきを抑え、利用者が適切な改修を受けるためにはどのような仕組みが考えられるかといったことでございます。

 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局のほうから資料2と参考資料につきまして御説明をいただいたところでございます。これにつきまして御発言がありましたらお願いしたいと思います。たくさんお手が挙がっておりますけれども、ぱっと見て一番最初だったのが栃本委員だったような気がいたしますので、まず栃本委員、お願いします。

○栃本委員 ありがとうございます。

 今、資料2に基づいてお話しいただいたのですけれども、まず2ページ目の「福祉用具の適切な利用の促進」ということで、福祉用具の利用に当たっては、ケアプランに記載するだけでなくて、OTPTなどの福祉用具専門相談員から専門的知識に基づく助言を受け、利用開始時に適切なアセスメントを行うとともに、定期的なマネジメントを適切に行って、利用すべき福祉用具を決定する必要があると書いてありますね。

 3ページ目の2つ目の○のところで「更なる専門性向上等の観点から、福祉用具貸与事業所に配置されている専門相談委員の一部について、より専門的な知識及び経験を有する者の配置を促進していく」とか、研修するとか、テキストで勉強しなさいみたいなことが書かれていて、7ページ目に「利用者が適切なアセスメントとケアプランに基づき福祉用具や住宅改修を利用できるよう、サービス担当者会議のみならず、地域ケア会議の活用を含め」と書いてあります。私は、ケアマネジャー、介護支援専門員の議論のときも申し上げたのだけれども、いわばソフトのケアマネジメントが介護支援専門員だとすると福祉用具とか住宅改修についてハードの部分のケアマネジメントないし従来のケアマネジャーとは違った存在が必要であると思うのです。

 そういうことからすると、福祉用具専門相談員が単に売る際にとか貸与する際に販売担当者としてその場でのアセスメント、どうしてこうしてというレベルでなくて、福祉用具専門相談員自身がケアマネがすると言われているアセスメントをきちっとすべきだと思います。つまり、使ってみてどうだったのか。改善したのか。そういう一連のことをちゃんと見させるべきだと思うのです。そして、それをもうちょっとしっかりしたと言うとあれなのだけれども、単に貸与しました、購入しましたという、何点使っていますというようなレベルのことではなく、利用によってこれだけ実際に変わったとか、自立支援性につながったとか、そういう部分を専門員がちゃんと見る、アセスメントを必須化するというシステムにしないと、根本的な解決にはならないと思うのです。

 もう一つは、いろいろな福祉用具とか、幾ら以上とか、比較的安い値段からラインナップがありますが、介護保険制度ができて、福祉用具のデザインを初め、いろんな部分で相当向上しましたね。それはもうすばらしいことで。あと多機能化している。これは介護保険ができたおかげでもあり、もっと評価すべき事柄です。

 その一方で、介護支援性と自立支援性と前に申し上げましたけれども、自立支援性ということから考えたら、用具専門相談員の方がもう少し安い価格で、ちょっとしたことでも自立支援性につながるものは幾らでもあるのですから、そういうものまでお知らせしないといけないと思います。ラインナップのこれとこれという形で示されることがどうしても多いものだから、本当はささいなことで自立支援性は向上しますね。極端に言えば数百円とか、保険給付対象商品にはならないような、生活上の自立につながる道具やすでにある備品の活用といった介護保険給付にならないかもしれないけれども、そういう部分もアドバイスして自立に向かうような役割も果たすようしなければいけない、それが単なる自社扱い商品を売る販売員との違いです。

 あと、前のときに申し上げたらよかったのだけれども、前半部分のところで1点だけ言い忘れたのですが、家事援助の部分については自払いというのが基本だと思いますよ。先ほど申し上げたような部分については自払い。

 ただし、要介護度が上がった場合には、介護を中心とした生活支援部分というものが付随した形で起きる、重要になるということをちょっと言い忘れましたので、申しわけありません。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、お手が挙がっておりましたのが鈴木委員ですので、お願いします。

○鈴木(邦)委員 それでは、7ページの論点、○が5つありますので、簡単にお話しさせていただきたいと思います。

 まず1番目でございますが、ケアマネジャーに対する福祉用具と住宅改修の知識向上に向けた研修の実施及び福祉用具専門相談員に対する適切なアセスメント手法の研修が必要だと思います。

 地域ケア会議の活用も必要だとは思いますが、実際にサービス提供に関係するケアマネジャーと福祉用具専門相談員のスキル向上が重要であると思います。

 2つ目の○については、適切に福祉用具や住宅改修が選定、実施されていれば、利用者負担は現行どおりでいいと思います。

 3つ目の○でございますが、「外れ値」という言葉が出ております。それが出ないようにということであれば、基準価格を設定してもいいと思いますが、その際には必要なサービスを提供している業者さんもいらっしゃいますので、一定の幅を持たせる必要があると考えます。

 4つ目の○についてですが、対象種目については現状の種目でいいと思います。

 最後の5つ目の○でございますが、住宅改修業者は登録制にしてもいいと思います。参考資料2の26ページによりますと、登録制ではない事業者に対する指導は実施が難しいという回答が6割強というデータもございます。また、適切なアセスメントとケアプランに基づいた施工が必要であることから、例えば福祉住環境コーディネーターなどの有資格者を配置することも検討していいと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、佐野委員、鷲見委員ということでお願いしたいと思います。

○佐野委員 このテーマも先ほどのテーマと同じで、保険料負担の上昇をいかに抑制するのかという観点を見れば、いかに全体コストを抑えていくのかということがポイントだと思います。

 この資料にあるように、福祉用具のところで年間2,700億円以上かかっていて、しかも年間200億円ぐらいふえている。この数字は重く捉えるべきだろうという気がいたします。

 そういう観点で見れば、事業者任せにするのではなくて、健全な競争原理の継続チェックのための価格管理が必要だろうと思います。公定価格の設定ですとか、またはそれにかわるような何らかの基準設定というのは考えるべきではないでしょうか。

 もう一つ、全体としてのコスト意識をいかにアップさせるのかということも重要だと思いますので、2つの視点で申し上げたいと思います。

 1つは、利用者負担による抑止の部分。負担割合を見直したりとか、例えば保険給付における上限額を設定する、超えた部分は自己負担とするようなことによって、ある一定の抑止効果が期待できるのではないかという気がいたします。

 もう一つは、保険者であるところの市町村に対するコスト管理意識というものを徹底することではないかと思います。

 例えば今日の資料の中で参考資料2の9ページに介護給付費通知というものが載っていて、これを見ますと、平成22年には516保険者だったのが平成25年度に762保険者にふえたと書いてあるのですけれども、何で全体の50%にとどまっているのかというほうがやや疑問を感じます。

 まだ残り半分ぐらいやっていない。こういう仕組みというのは、どう見ても明らかに一定の効果があるのは間違いないと思います。ただ、劇的に改善するものではなくて、継続的にやっていくことによって効果があるものだと思うのですが、これをまだ半分ぐらいしか取り組んでいないというところは、いろんな事情があるのでしょうけれども、何でやっていないかということの理由を聞くのではなくて、どうやって早くやってもらうのかという取り組みでもって、ある意味では保険者としての保険者機能の原点みたいな話だと思いますので、やっていないところは保険者機能の発揮度が低いというぐらいの認識でもって、どうやって取り組みを促進するのか、手を打つということが必要ではないかなという気がいたします。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 ありがとうございます。

 1つ目の○につきましては、これは個別のケースにおいてきちんとアセスメントがなされるべきだと思いますので、サービス担当者会議の重要性ということに注目しなければならないですし、ケアマネジャーもそれに向けての研修はきちんと実施していきたいと思うところです。

 福祉用具自体、本体価格と利用後の状況確認が含まれた価格になっております。利用者にはこの設定は非常にわかりにくくなっておりますし、価格も事業所によってかなり違いが見られます。ですから、利用者にわかりやすい価格の見える化ということが必要だと思っています。

 また、福祉用具専門相談員の業務に対しても、専門相談員がモニタリングや選定・調整など、利用者に直接業務をどのぐらいしていて、いわゆる営業的な間接業務がどのぐらいあるかが現状では明らかになっておりません。ですから、このあたりもきちんと検証していく必要があると思っています。

 しかし、福祉用具は軽度な人に対しても一定の介護負担軽減ができますし、介護疲れや離職、施設入所に陥らないためにも、福祉用具の利用による介護負担の軽減という視点を持たなければならないと思います。現状の貸与13目についてはまだ検討する余地はあると思います。しかし、貸与だから事前説明や調整、その後の状況確認もできるわけですので、そのよさは重要だと思っています。当協会でアンケートした結果でも、福祉用具や住宅改修も自費負担になることについて、利用者は約80%の方々が反対しています。現段階ではまだ自費導入ということはすべきではないと考えています。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 そうしますと、こちらで、まず井上由美子委員からお願いします。

○井上(由)委員 かなり唐突な意見になるかもしれませんが、論点の「利用者負担のあり方についてどのように考えるか」というところですけれども、5ページの3の○の1つ目に「住宅改修は、個人資産の形成につながる面があり」とございます。例えば手すりの改修などが多いと思うのですが、これからもっともっと高齢社会になっていくわけですが、私は、これは「資産の形成」というより、必置すべきものではないかと思っています。これは要らない人には全然意味がないですね。資産でも何でもない。ただ、高齢社会であれば、例えば今、公共道路なども階段のところにはスロープがついていたり、地下鉄のドアが二重になっていたりとか、そういう問題として、高齢社会の住まいと考えた場合は、手すりなどというのは必置でいいのではないかなと思います。

 ただ、持続可能な介護保険の側面から考えれば、それは負担の問題が重要なことになってきますから、この費用をどうするかというのは私には答えようがないのですけれども、今後の住宅としては、手すりなどというのは必置事項ではないか。高齢者にとってのバリアフリー、障害者にとってもバリアフリーという観点で考えれば、必置ではないかと思っています。

 では、その費用をどうするかということは、これは介護保険だけの問題ではなくて、社会の問題だと思っています。唐突ですが、意見として申し上げさせていただきました。

○岩村部会長代理 それでは、井上隆委員、どうぞ。

○井上(隆)委員 ありがとうございます。

 まず、資料にありますように、給付対象や用具の価格にチェック機能が働かないことは問題ではないかと考えています。また、住宅改修に関するデータの蓄積がないというのは、制度としてはいかがなものかと捉えています。

 この点、制度として、保険料を支出している側にもしっかりと説明責任を果たすという形にしないとおかしいと思います。それがないと、かえって業者間での適正な競争も確保できず、結果的に価格の適正化、サービスの向上が図られないということにもつながりかねないと思います。安価で効率的なサービスが常に得られるような仕組みをつくっていかなければならないと思います。

 福祉用具の貸与に関しまして、例えば類似した機能を有する製品のグループについて、標準的な上限のような物を設定して、その超過部分を自己負担とする工夫もあると思います。また、御紹介のありました一部の自治体で行っているような福祉用具の価格を独自に公表するといった、「見える化」の取り組みを横展開するということも重要な課題だと思います。

 以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、及川参考人、どうぞ。

○及川参考人 ありがとうございます。

 まず、資料の4ページと5ページ、貸与と購入についてですけれども、福祉用具貸与の場合は費用金額が2,755億円。購入の場合は年間が140.8億円と書いてあります。貸与と購入のことなのですが、一つここに課題があるのではないかなと思います。安価な福祉用具であっても、購入よりレンタルのほうがいいと判断する向きがあるのではないでしょうか。それはどういうことかと言いますと、貸与の場合、利用者は1カ月ごとにお金を払っていくわけですけれども、そこの中でメンテナンスをしてもらったり、交換をしていただいたりすることができると思うのですが、購入の場合はなかなかそれが難しいということであるならば、例えば販売については一定期間のお試し期とか、販売のときにはきちんと事業者によるモニタリングとか、そういうものもきちんとつけて、長期的に使う方であれば、販売のほうが絶対お金はかからない。そんな見方もあるのではないかなと思うのです。

 もう一つの問題であると考えている市場価格からかけ離れた価格ということですが、ともかく消費者が身近なところで適正な価格を手に入れる手法があることが重要であると思います。テクノエイドのホームページで見ることができるだけではなく、例えば県または市町村のほうできちんと表示していただくということも少し工夫されるといいのではないかと思います。

 もう一つですけれども、「利用者が適切なアセスメントとケアプランに基づき福祉用具を利用できるようにするためには」という論点としてありましたけれども、モニタリングをする際に、福祉用具を利用されている方の生活状況をよく見ている、先ほどの訪問介護員であるとか、通所の介護職員であるとか、リハビリの専門職員の人たちがいろんな情報を持っているはずですので、利用者の状況等に関する意見を福祉用具の専門相談員である方たちがきちんと聞き取り調査、聴取しなければいけないというのがとても大きなことであるのではないかなと思います。以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、大西委員、その後、岡委員ということでお願いします。

○大西委員 福祉用具の貸与・販売あるいは住宅改修につきましては、先ほどから話が出ています地域包括ケアシステムの構築に当たりましては、可能な限り高齢者の在宅での自立した生活を支えていくシステムということでございますので、その構築の観点からは非常に重要な制度であると思っております。

 ただ、必要なサービスが適切に提供されるというのが大前提ということでございまして、その上で現行のサービスを維持していくべきだと思っております。ただ、必要なサービスを適正にというところで、現行、余りに量的なものも大き過ぎるし、あるいはばらつきも非常にあり過ぎると思っております。ただ、我々保険者の立場でもうちょっとチェックすべきだというお話がございましたけれども、膨大な件数を全て一件一件というのは難しいです。

 しかも、この論点に出ていますけれども、地域ケア会議でと言いましても、どうしても一部抽出的なものでやらざるを得ないというところはしようがないのかなと。その辺の職員体制の見直しなり、できればもう少し詳しい基準的なものを厚生労働省なりが国のほうから示していただいて、それに基づいて市町村、保険者がチェックを入れていくというのをもう少し具体的に、よりきめ細かくやれるような、そういう体制ができないものかなと思っておりますので、ぜひその辺についても御考慮いただきたいと思います。

○岩村部会長代理 それでは、岡委員、どうぞ。

○岡委員 ありがとうございます。

 福祉用具の貸与・販売事業者の従事者として福祉用具専門相談員が配置されて、利用計画を作成しているが、それがチェックされていない。その結果でしょうか。同一の福祉用具にもかかわらず、事業者間によって大きな価格差が生じているという現状は、やはり問題であると思っております。

 福祉用具の専門相談員が提案する福祉用具のスペックや価格が適正であるかについては、専門家ではない利用者本人や家族では判断が難しいと思っております。例えば専門性を持った第三者のチェックの仕組み等の検討が必要ではないかと思っております。

 以上です。

○岩村部会長代理 それでは、齊藤委員、どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 私は、多くの場合は適切なアセスメントのケアプランに基づいて利用されていると理解しておりますし、例えば参考資料の6ページ以降に、福祉用具貸与の費用額の推移が出ております。これを見ますと、全体的には市場原理の働きだと思いますが、費用額が下がっているということから、一定の健全性は担保されていると理解しております。

 ただ、従来から言われております外れ値でありますとか、不適切な利用というものについては、保険者の御努力もあって一定程度情報の開示がなされるということもあって、全体的には外れ値のような問題は減少傾向にあるのではないかと理解はしております。

 ただ、いずれにしましても、世田谷の資料にもありますように、随分と価格差があることも事実でありまして、今、大西委員からもありましたが、保険者機能として悉皆調査ができないことは当然だと思いますが、サービス担当者会議とか地域ケア会議、非常に重要な場面がありますので、こういったところで問題ケースの妥当性を検証するという仕組みは大事だろうと思いますし、これらが機能することによって問題解決といいますか、共通の理解を深めていくことができるのではないかと思っております。

 住宅改修の問題で、この技術や施工のばらつきがあるということでありますが、施工業者にのみ委ねても限界があるなと思いますので、鈴木委員からも話がありましたが、やはり登録制度の検討というものはしていくべきものではないかなと思います。

 また、場合によっては、施工後に専門家によるチェックを受けるという仕組みも検討してみる価値があるのではないかと思っております。私は、全体的に福祉用具や住宅改修はおおむね健全な方向だと思いますけれども、しかし、非常に課題のある部分もありまのすので、こういった点は特に保険者のところでの御努力によって一定程度解決し得ている部分もあると思いますので、引き続き多くのところで情報の開示が可能なように御努力いただくようにお願いしたいと思っております。

 以上であります。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、こちら側から土居委員、お願いいたします。

○土居委員 まず、福祉用具貸与のことなのですけれども、確かに公定価格を設けるという方法もあるのかなと思いますが、一つ懸念されるのは、医療保険における薬価と同じような問題が起こるかもしれない。改定されるのは、診療報酬は2年に1回なので、2年に1回しか値段が変わらない。介護の場合は3年ですから、3年に1回しか値段が変わらないということになると、参考資料2の6ページから8ページにありますように、毎年値段は下がっているようなものもあったりする。それは市場価格でそうなっているということですが、3年に1回しか値段が変わらないということになるというところは、やはり実態に合っていないという問題があるので、そこをうまく克服する必要があるのかなと。

 もう一つは、公定価格を定めるとすれば、スペックが当然重要になってきて、例えば車椅子ならば、どのぐらいのスペックまでならば給付対象とする。それ以上のスペックだったら、上乗せしている部分については全額自己負担をしていただくとか、「混合介護」でもありますので、そういう形でミックスできるようにするとか、そのような工夫がないといけないかもしれません。

 ただ、現状の仕組みのままでもまだ改善できる余地はあるのかなと思うのは、参考資料2の12ページでありますけれども、これは世田谷区の公表事例です。例えば一番下の「車いす」と書いてあるところの平成24年度、下から2行目のところ、希望小売価格が4万9,000円。全国の中で最高単位が、平成24年に限っては9,000単位。9万円という値段がついているというのは、明らかに異常な値である。つまり、現物を買ったほうが安いわけです。ただ、自己負担は1割なので、そうすると、9,000円で済むといって、利用者には錯覚を与えてしまっている。つまり、買うと全額自己負担なのだけれども、貸与を受けると1割負担ということで、利用者なりケアプランを立てるときの値段の負担感の錯覚というのが起こってしまっていて、結局、残りの給付の部分は、オールジャパンで我々が皆、税金なり保険料なりで支えているということになると、それは御本人にお求めいただいたほうが、そんな点数をつけられるよりかはましではないかというような点数がついていたりする例があったということですので、現状の仕組みのままであったとしても、点数のつけ方、これは当然貸与する事業者が決められるわけですけれども、これ以上の点数にしてはいけないという上限の点数を設けるということもあり得るかもしれません。

 ただ、これは先ほど鷲見委員もおっしゃいましたが、いろいろな諸経費も込みになった単位なので、そこをそもそもの、車椅子なら車椅子のサービスにまつわる、つまり、諸経費が除かれているものとして何単位点数をつけたのかという形でわかりやすくするということも大事ですし、この単位数の上限というものは、希望小売価格プラスメンテナンス代ぐらいまで含んだ値段を上回らないような点数。もちろん、これは1カ月当たりの単位数ですから、平均利用月数掛ける単位数掛ける10というのが希望小売価格プラスメンテナンス代を超えないようにする、そういう単位のつけ方をしていただくということを事業者に求められるような仕組みにするというのも一つの改善方法なのかなと思います。

 住宅改修についてですけれども、住宅改修の事業者に登録を求めるということもあり得ると思いますし、もう一つは、所得とか資産の経済力に応じて住宅改修の出せる給付に上限を設ける、ないしは一定の経済力がおありの方には住宅改修には給付は出さないということもあり得るのではないか。極端に言えば自分でリフォームができてしまうぐらいの経済力をお持ちの方に、わざわざお手洗いを改めるとか、手すりをつけるとか、そういうところで、必要なのかもしれませんが、自分で払える方も高齢者の中にはおられるということだとすれば、わざわざそこに介護保険で給付を出す必要はないのではないかと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、馬袋委員、どうぞ。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 福祉用具の貸与の基本的な考え方なのですけれども、貸与は、福祉用具本体と相談員等の活動なのですが、目的は福祉用具の機能をレンタルしているという考え方であると思うのです。ですから、利用者本人の状態とか、日常の中で不都合が起きて、例えばつえの先のゴムを変更しなければ危ないとか、さまざまものを含めた福祉用具を活用し日常生活上の機能が維持できる状態をみている。そのものの内容が福祉用具貸与というふうに整理しておきませんと、本体の部品、用品の価格内容だけを議論してしまいますと、遠方のところ、または頻回に訪問しないといけないこともありますので、そういった事情も含めたサービスが貸与という仕組みになっているということを理解しておく必要があると思います。

 次に、論点のところなのですが、論点1の1つ目の○、「利用者が適切なアセスメント・・・」、の記載内容はこの通りなのですけれども、「地域ケア会議の活用を含め」というのは非常にいいことなのですが、このことによって必要なのは、例えば病院から退院されるときに、地域ケア会議はまだ済んでいませんので支援策については未定などということが起きてしまいますといけませんので、この内容を活用することは非常に大切ですが、迅速に対応するということを枠を入れておきませんと、適切なときに適切な内容が貸与できないということが発生することもありますので、この点は1点確認しておきたいと思います。

 福祉用具貸与の価格帯なのですけれども、参考資料7ページ、8ページにありますように、福祉用具関係事業者はこれまでいろんな製品の開発またはさまざまな意見から機能を変化させながら、安全性や機能性を向上した用具を貸与しながら、かつ価格帯については、供給量もありますが、減少させているところが、事業者の努力ということであります。

 その中で、先ほど外れ値がありましたけれども、12ページにありますように、外れ値については、ぜひ市町村の中で外れ値、内容について、事業の適正化として指導いただく範囲だと思います。ぜひデータを出していただきたいのは、例えば1万円と1,000円の外れ値があるというのですが、1万円が1個で、あと100個は全部1,000円だったら、1万円の1個の話と1,000円の話を同じテーブルで議論としてはおかしな話なので、外れ値の状態について、資料をしっかり出していただけないかなと思います。

 最後に、住宅改修のところですが、市町村の内容というのは若干違うのですけれども、登録制というのは非常に効果的になってきているのかなと思います。

 また、市町村には建築主事のような建築の専門の部署があります。ですから、例えば登録事業者に対する指導とか、初めに登録事業者として受付することや、または報告を求めるところに市町村の資源である建築主事等の建築の専門の方々も一緒に入れながらこういったものの適正化を図ることも考えてはいかがかと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 ほかには。では、陶山委員、その後、伊藤委員ということでお願いします。

○陶山委員 ありがとうございます。

 そもそも福祉用具や住宅改修というのは、軽度者を重度化させないために必要なものだという原則がございますが、その原則を見直すということであれば、生活援助でも申し上げたように、経済的にお困りの方に対してセーフティーネットが担保できる仕組みがどうしても必要ではないかと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 福祉用具については何回も発言したことがあるのですけれども、そもそも何で自由価格になっているのかということについては疑問を持ってまいりました。公定価格の医療材料に比べてイノベーションが進んでいるというようなことが言えるのかとか、いろいろ検証していく必要があるのかなと思っています。

 市場の価格競争を通じて適切な価格による給付が行われるように公定価格を定めていないというのが、参考資料の1ページに出ていますけれども、外れ値問題というのはずっと議論されていて、私がこの場に参加するようになったのは2011年でしたが、初めての会に出席したときも外れ値問題を議論しました。ずっとやってきて5年たってもまだこの話をしているという印象です。外れ値問題というのがある自体、適切な価格による給付が行われていると言えるか疑問です。

 あと、給付費分科会のほうでも福祉用具の貸与価格について議論をしたときがあって、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会で保険適用について審査・評価をすることにした、それまでは定期的にも開いていなかったということでした。保険適用審査について、もっと公表し、透明化を進めて、価格決定プロセスをきちんと見直していく必要があると思っています。

 財務省の財政制度等分科会での資料が出ていますが、今日の部会には特に出されていません。ですから、価格差について、財務省の指摘というのはそのとおりだと思いますので、そういう意味では、抜本的な価格決定のプロセス見直しは必要だと思いますし、私どもとしては、従来から公定価格化すべきというように考えています。

 また、福祉用具の適切な利用の促進という観点から、利用者の啓発という部分も必要になってくると思っています。

 住宅改修についても同様の価格決定の問題がありますが、それに加えて施工水準の問題があるので、上限20万円を上手に使いたいのと、利用者にとっては納得がいかないような結果にもなっているということもあるので、クオリティーとその価格というのは一定の範囲に標準化する、そういう仕組みが必要だと思っています。

 その価格決定の問題と保険適用の審査のプロセスの透明化、充実化、こういうことを早急にやるべきで、給付率そのものの見直しというのは慎重に検討すべきだと思います。

 軽度者への給付のあり方について、利用料については自費で、提供者は専門家でない人にもなってもらうという話が随分ありましたけれども、自費で負担できない人はどうするのか、提供者のなり手は本当にいるのかということを考える必要があります。高齢者だって、今、労働力として引く手あまたで、どんな報酬で誰がなってくれるのかということは、極めて冷静な議論をしていく必要があると思いますので、一方的に片思いで、担ってもらえると思っているというような議論にならないように、今後は冷静に議論をしていって、介護保険制度あって介護なしとならないようにしてもらいたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでございましょうか。では、桝田委員、それから花俣委員ということでお願いいたします。

○桝田委員 福祉用具の貸与の問題ですけれども、限度額といいますか、公定価格を設けて、それぞれの品目の中で調整をしていく。機能によっては、それで販売価格的な部分、レンタル費用が高かったら、自費の導入という部分も今の状況から言うと必要ではないかと思います。そうしないと、外れ値問題、同じ品目で全く違った価格構成になって、しかも販売価格と1カ月のレンタル料が同じと。特異ケースかもしれませんが、それが出てくること自体が少し異常ではないかと思います。

 ですから、上限の管理的な部分の導入というのはやむを得ないのではないかと思います。この議論がずっと続いていまして、先ほど指摘がありましたけれども、ずっと話をしていて、同じことの繰り返し。データを見ると、価格については平均的な金額は少しずつ下がるけれども、外れ値についてはずっと続いていますので、そういう問題もちょっと手を入れる時期かなと思います。

 住宅改修の部分、非常に難しい問題なのですが、1割負担が似つかわしくなかった介護保険の中のサービスでないのかと思います。そういう意味から言うと、ここの住宅改修の部分はちょっと支給の方法を見直す時期に入ってきているという感じがします。極端に言うと、所得制限によって給付を考えるとか、いろんな部分で介護保険の中に入ってしまったために異常なケースが起こってきたというのが住宅改修の部分で、何らかの対策が必要ではないかと考えております。

 意見としては以上でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 それでは、花俣委員、どうぞ。

○花俣委員 ありがとうございます。

 資料の7ページの論点の2つ目の○です。前半ではなくて、後半の部分です。「介護者の負担軽減等の役割を果たしていることを考慮した上で、利用者負担のあり方についてどのように考えるか」と論点が示されています。「利用者負担のあり方」というところは、先ほどの御意見にもありましたように、私どもも現行の維持を求めたいと思います。

 福祉用具については、認知症の人、とりわけ血管性の認知症の方の場合などは必ず身体症状を伴ってまいりますので、一生のうち何らかの形で福祉用具のお世話になることも少なくないわけです。その意味で、「利用者負担の見直し」ということになりますと、仮に今後もし自己負担化ということにでもなると、ますます負担増につながっていくということと、これまで、昨年の改正でもそうでした。負担増とかサービスの削減であるとか、あるいは事業への移行という形で、介護サービスがどんどん切り下げられてきているのではないかという印象を強く持っています。そんな中で、仮にもし福祉用具の利用者負担のあり方についてもこういう議論になっていくとしたら、これは介護保険制度への信頼をますます失っていることになるのではないかと考えます。

 また、ホームページ上に2015年の介護保険改正についての当事者の声を6月29日付で公表しております。ここにはいろんな生の声が載っておりますし、また、今回のこの部会に先立ちまして、青森県支部のほうから意見が参りました。実は一次産業が中心の地方では、月二、三万円程度の年金収入しかない高齢者が多いことから、低所得者への負担軽減策についても考慮をお願いしたいという意見が参っております。

 以上です。

○岩村部会長代理 大変ありがとうございました。

 それでは、武久委員、どうぞ。

○武久委員 皆さんの議論を聞いていたり、いろいろした感じでは、いかに悪徳業者をはびこらせないかということが非常に重要な視点かと思います。普通に多い価格帯の10倍も請求して、それが通るということは常識外の話でありまして、もうそろそろ厚労省のほうが標準価格というものをある程度決めていただかないと、なかなか難しいのではないか。

 というのは、例えば住宅改修でも、例えば手すりをつける場合は、1メートル大体標準幾らで、幾らぐらいまでというメルクマールをつくっていただかないと、非常に厳しいかなと思います。お国がいろんなデータを調べた結果、していただかないと、余りに高い場合にはその半額しか払わないとか、ちょっと抑制策をつけないとまずいかなと思います。

 前の議論にも少し関係しますけれども、軽度の人が自宅でできるだけ長くいてもらうということが、介護保険としては一番いいと思うのです。そのためのヘルプなら何でもするというのが国でもあるし、市町村でもあると思うのです。そのためにどういうことが一番いいかということをまず考えていかないといけない。

 総合事業化というのは非常にいいわけですが、小さな市町村では総合事業化はできませんので、多分どこかに委託するということになる。委託すると、鈴木先生から言うと、関西系はどちらかというと楽しく遊ばせる、茨城県は厳しく指導する。そういうこともありますけれども、どういうベクトルでこの事業をやるかということは、筋力をアップしたり、低栄養状態をよくしたり、軽度の認知症を改善したり、このことが非常に重要なことになると思いますので、過当競争になって、私たちの町のところでもデイサービス、デイケアの送迎車が、ある時点で言うと20台も30台も種類が違うのが通る。こういう状態がいいのか悪いかは別として、要介護状態、要支援状態を改善するに資するサービスというのが基本ですから、この基本に立ち返って、もう一度適正な状況を事務局側から提示していただくことが一番いいと思います。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、東委員、どうぞ。

○東委員 先ほど軽度者の支援のあり方の議論の際にも申し上げましたが、どこを効率化するかが一番重要でありまして、そういう意味では、福祉用具貸与というのは、「自立支援」を維持するために非常に重要なサービスだと思っております。不必要な通所サービスを頻繁に使うよりは、自宅で福祉用具を使って頑張って「自立支援」をしていることの方が介護保険の理念に合っていると思います。福祉用具を適切に認めていくことは引き続き継続すべきだと思いますし、利用者の負担を増やすのは反対です。

 ただ、先ほどから出ておりますような外れ値、異常な値段については適正化、効率化していくという形でいけばよいのではないかと思います。

 以上です。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。では、栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 住宅改修の部分についてお話ししなかったので。一戸建ての持ち家のところに住まわれている方とか、そういうのを想定しがちなわけですが、持ち家が基本の議論となってしまっている。しかし、借家やアパート暮らしの方もいらっしゃる。サ高住に住まわれている方、またそのなかには一定の割合で生活が非常に大変な低所得者の方がいらっしゃいます。また、障害者の方などもそうなのですけれども、そもそも我が国における住宅というのは、生存権というか、健康的で文化的なものの中の一つの要素ですので、きょうの議論というのは、住宅改修についてどういうふうにするということなのだけれども、それと同時に、忘れてならないのは、低所得者、障害者の方々が福祉用具であるとか住宅の工夫や改修とか、そういうものがあることによって、人の手を煩わせないで生活できるとか、あと、日々の生活が非常にうまい形で回っていくということはすごくあると思うのです。しかしその給付や恩恵にあずかっていない。

 そういう意味では、住宅改修とか介護保険制度の中でというのはもちろんあるのだけれども、そこまで至らないような、生活が非常に大変な方とか、障害者の方々に対する住宅性能について、厚生労働省から他省のほうに積極的に働きかけられて、住宅というのは基本ですので。我々は普通の所得層とかそういうのを考えがちなのだけれども、生活が大変な方でアパート暮らしであるとか大変住宅ファシリティが不十分で貧弱な住宅性能の住居で暮らしている方々がいてそれは介護保険の恩恵には浴さない。もちろん、というかしかも日本では住宅性能について最低基準とは言いながら確固たる最低基準でもなんでもない。そのようなことからも住宅についてバリアフリーやユニバーサルデザインを実現するような基準を設けるなり、バリアフリーを内部化し、あとからものをつけるという形で無い取り組みが大切だと思う。その部分に担当課は目を向けて他省に働きかけることが必要だと思います。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 そのほかよろしいでしょうか。ありがとうございました。

 きょうは、軽度者の支援の問題、それから福祉用具と住宅改修の問題について御議論をいただきました。全体としては、介護保険について財政面での制約がある中で、給付の重点化、効率化というのが仮に不可欠だとして、一体どこに給付の重点化、効率化を行うのかということが、大きく言うと議論されたかなと思っております。

 軽度者への支援については、そもそも軽度者の範囲がどこなのかということについての論点がありまして、要介護度1までではないかとか、そういう議論もあったように思います。

 そのほか幾つかの御議論があって、そういう意味での検討軸というのが出ていたかなと思って伺っておりました。一つはタイミングの問題というか、時間の問題でありまして、一方では、高齢化が急速に進展する中で、対応するとすると、当然時間的制約があるでしょうというお話があり、他方で、要支援の方々の部分が地域支援事業に今、移行している、進行中であるという観点からの時間の問題ということも議論されていたように思います。

 もう一つはサービスの有用性の問題。さらに、私が重要だと思いましたのは、データに基づく議論が必要であるということが主として今回皆様の御議論の中から出てきたかなと思って伺っておりました。

 福祉用具と住宅改修については、一つ言われていたのは適切なアセスメントとチェックの必要性。そして、そのための体制整備が必要ではないかということと、やはり一番大きな議論の的であったのは、福祉用具について言えば価格設定の問題あるいは単位設定の問題で、一番議論されていたように思います。

 その中でも、特に価格の見える化の問題であるとか、競争原理をどうやって導入するかということと、もう一つは外れ値の問題でありまして、それについては何らかの形での国の役割を期待するお声があったかなと思って伺っておりました。

 あと、保険者機能の強化ということも議論されたと思います。

 住宅に関しては、業者の質の担保の仕組みをどうするのかということで、かなりの御議論があり、例えば登録制といったような形で、公がそこに関与していくという議論もあったかと思いますが、そこは多分いろいろな御議論があり得るだろうと思います。

 住宅改修については、例えば経済力に応じた給付額の決定とか設定とか、そういう考え方もあるのではないかという御示唆もあったと思います。

 きょう、長時間にわたりまして、議事進行の不手際で途中休憩時間をとることができなかったのは大変申しわけなかったと思いますけれども、他方で議論の時間は随分とれたという気がいたします。かなり充実した議論ができたと思います。まことありがとうございました。

 それでは、予定の時間となりましたので、きょうはここまでということにさせていただきたいと思います。

 次回の日程につきまして、事務局のほうから御連絡いただきたいと思います。

○尾崎企画官 次回の日程でございます。次回の本部会は8月19日の金曜日に開催させていただきます。場所等の詳細は追って御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 それでは、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。御多忙の中、また長時間にわたり熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。

 


(了)

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