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2016年6月29日 第8回厚生科学審議会結核部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成28年6月29日(水) 16:00〜18:00


○場所

経済産業省別館 各省庁共用114号会議室(1階)
(東京都千代田区霞が関1−3−1)


○出席者

加藤部会長 有馬委員 磯部委員
遠藤委員 鎌田委員 杉本委員
徳永委員 中山委員 山岸委員

○議題

(1)「結核に関する特定感染症予防指針」の見直しについて
  1定期の健康診断及び潜在性結核感染症
  2結核の医療提供体制
  3目標の評価と設定
(2)報告事項
  1日本ビーシージー製造株式会社に対する行政処分について
  2「結核医療の基準」の一部改正について
  3感染症法における検体採取、健康診断、就業制限及び入院の取り扱について
  4平成27年 結核登録者情報調査年報集計結果について
  5薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン
(3)その他

○議事

○島田補佐 それでは、少し定刻より早いですが、出席を御予定の委員の皆様がお揃いですので、第8回厚生科学審議会結核部会を開催いたします。まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、味澤委員、南委員、吉山委員、脇田委員、小森委員より、御欠席の連絡をいただいております。出席人数は9人となっており、過半数を満たしていることを併せて御報告いたします。

 それでは、この後の議事進行について、加藤部会長にお願いしたいと思います。加藤部会長、よろしくお願いいたします。

○加藤部会長 はい、承知いたしました。本日も、活発かつスムーズな審議に御協力いただけますようお願い申し上げます。

 それでは、事務局から本日の配付資料の確認をお願いします。

○島田補佐 それでは、配付資料一覧に沿いまして資料の確認をさせていただきます。はじめに議事次第、座席表、委員名簿、その後に、資料1-1から資料1-3、資料2から資料7まであります。参考資料として、参考資料1から参考資料3をつづっています。委員の皆様には、AMRアクションプランの冊子も併せて配付しております。不足等がありましたら、事務局までお知らせください。

 また、大変申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきます。御協力をよろしくお願いいたします。

○加藤部会長 それでは、議事に入ります。本日の会議の進行は、お手元の議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 では、議題1「結核に関する特定感染症予防指針」の見直しについて審議に入ります。まずは、資料1-1「定期の健康診断及び潜在性結核感染症」について、事務局から説明をお願いします。

○島田補佐 資料1-1に基づき説明いたします。結核に関する特定感染症予防指針については前回の結核部会に引き続きまして、議論の軸となる項目ごとに議論を進めているところです。今回は、まず、定期の健康診断及び潜在性結核感染症について、御説明いたします。

1ページを御覧ください。感染症法に基づく健康診断による患者の発見率について御 説明いたします。結核に関する定期の健康診断は感染症法に基づき実施しております。その対象者は、表にお示しのとおりです。上から事業者が従事者に対して行うもの。学校長が、学生又は生徒に行うもの。また、施設長が刑事施設の被収容者に行うものなど、施設や集団に着目したものがあり、市町村長や特別区長が、65歳以上の住民に対して行うものなど、個人に着目したものもあります。そのうち、65歳以上の住民については、平成26年度の実績を右で見ていただくと、患者の発見率が0.003%、患者を169人発見できましたが、全体では588万人に健診しているという実績が出ております。

2ページで、65歳以上の住民に対する定期の健康診断について詳しく見ていきます。左上の表ですが、健診の対象者の変遷を御覧ください。住民については、20歳以上に実施していましたが、平成16年の結核予防法の改正により、65歳以上に限定されました。

 その改正以後の患者発見率、既感染率、罹患率について、それぞれの現状を見てみます。左下のグラフですが、患者発見率について、市町村が実施する定期健診の患者発見率は、近年、低下傾向にあります。中段のグラフは、結核既感染率の推計です。年齢別で既に結核に感染している方の人口の割合となっています。同じ年齢であっても、時がたつごとに既感染率が低下しております。2005年の曲線を見ていただくと、2005年のとき、65歳の方の約半数が、結核に感染しておりました。現在、2015年では、同じ65歳の者でも、約4分の1が感染していると推定され、また、逆に約半数が感染しているという世代は、75歳にシフトしているところです。

 右の表で、罹患率についても、2005年に65歳以上で58.3でしたが、2014年は38.9に低下傾向にあります。

3ページ、結核の発症率が高い住民層、いわゆるハイリスク者に対して定期健診としてではなく、健診を事業として実施しております。各地域で患者発見に努めていますが、幾つかの事業では、患者が発見されない、対象人数が少なくなった事業が見られております。

 実例として御紹介いたします。事業A、事業Bでは、ホームレスや野宿者に対して、4年間の合計で、2桁の受診者数で、患者発見数は4年間で0でした。対象者の把握、つまり、地域のどこにどれだけおられるかを把握して受診勧奨、受けてほしい人に受けてもらう、受診してもらう方法等に課題があるのではないかと考えられます。

 事業Cについては、小規模事業所ということで、事業者は、常時使用する労働者に対して健診を行う義務があります。対象者の設定が法令上適切か、課題があるのではないかと考えられます。

 事業D、事業Eでは、帰国子女や外国籍、どちらも住民が対象で、4年間で100人を切るところ、患者も見つからず、対象の母数が少ないのであれば、事業として継続する必要性は低いのではないかと考えられます。

4ページ、潜在性結核感染症(LTBI)について御説明いたします。左側の表は、「日本結核病学会」のLTBI治療指針から、結核発病リスクを抜粋しました。リスクが4以上の対象者について、積極的にLTBI治療をして検討を要するとしております。対象と書いてある上から5行目の最近の結核感染(2年以内)というのは、接触者健診などで判断された者であって、リスクは15と高くなっています。LTBIの治療を行うことでまん延を予防しております。LTBI、将来の患者を減少させるために重要ではありますが、右のグラフを見ていただくと、平成25年のLTBIの者に対するDOTS実施率について、都道府県別に並べ替えてみたものです。全国平均DOTS実施率が76.4%ですが、都道府県によって、地域によって大きな差が認められました。

 その当時は、まだDOTS実施の定義を示していなかったので、適切にその当時、自治体ごとに実施していた結果ではありますが、結果的に、実施体制に差があったことを表しております。

 次ページは、まとめになります。現状として、定期健診を感染症法に基づき実施しております。結核の健康診断事業は、ハイリスク層に対して実施しております。治療が必要とされた者にLTBI治療を行い、まん延を予防しています。

 課題として、65歳以上の定期健診患者発見率、既感染率、罹患率は、近年、低下傾向にあります。健康診断の事業は、地域によって患者が発見されない・対象人数が少ない事業が認められます。LTBIDOTS実施率は、地域によって大きな差がありました。

 提案です。1つ目、引き続き、65歳以上の定期の健康診断を継続しつつ、患者発見率や罹患率等を注視しながら、必要に応じて健診のあり方を検討としてはどうか。

2つ目、ハイリスク者に対する健康診断事業は、患者を発見することが目的であり、状況の変化に伴い、患者が発見されない等の場合は、対象者の設定の適否、受診勧奨の方法等を検証して、事業の継続可否も含めて地域ごとに、十分検討を行うことが重要としてはどうか。

3つ目は、結核患者が順調に減少している中で、低まん延国化に向けて、LTBIの者に対して、確実に治療していくことが、将来の結核患者を減らすために重要としてはどうか、という以上3提案のほか、この項目に関する御意見等についてお伺いいたします。説明は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

○加藤部会長 それでは、ただいまの事務局の説明に対して、何か御意見、御質問等はありますでしょうか。

○徳永委員 今の提案の2番目の事項ですが、ハイリスクグループに対しての健診というのは、やはり最後まで残すべき大切な方策だと思いますので、前半の対象者の設定の適否、受診勧奨の方法等を検証し、ということはいいのですが、事業の継続可否の「否」も含められてしまうと、これ、結局、それがなくてもいいよという判断にもなるかもしれないので、文書の書き方として、例えば、有効なとか、効率的な運用方法についてとか、そういうような書き方のほうがいいのではないかと思います。

○加藤部会長 ありがとうございます。母数が少ないと、当然発見されないことがあるのですが、リスクがある集団にある程度の数の健診をやると本当は出てくると思います。少ない集団であっても、たくさん集めてくると、発見率が期待されるということになろうかと思います。ただいまの御意見は、もっともかと思います。

○有馬委員 大阪市東住吉区の有馬と申します。確かに徳永先生がおっしゃったように、大阪市のあいりん地域のハイリスクになる住所不定者の健診の患者発見率は0.5%です。以前は本当に1%ほどあったのですが、徐々に野宿者が減ってきたという現状もあり、発見率は0.5%と減少しましたが、高い状況です。ただ、あいりん地域は、先ほど加藤先生がおっしゃったように、野宿の方が集まっているというか、塊をもっていますので、そこに健診車を派遣すると、効率性がとてもいいというところがあります。

 一方、大阪府でも、河川敷の所で野宿の方がいらっしゃいますが、点在しているというところで、長年健診をしても、なかなか患者を発見しづらいということと、健診が一方では、しづらいというところはあるようです。そういう人たちをどう集めて、できるだけ効果的に健診ができるようにする「パッケージ」ではないですけれども、少しそこのところを考えた計画書のようなものをしっかり作ってもらう。我々も費用対効果で、いろいろと事業の善し悪しを問われていますので、その辺りは、やはり考えていくことは必要だと思います。そこにしっかりと指導していただいて、効果的な健診ができるようなものにしていって、ハイリスク層に対して確実に早く患者さんを発見していくという施策を、ここにはしっかり残していっていただきたいと思っています。

○加藤部会長 ありがとうございます。

○遠藤委員 2つ目の提案の所で、地域ごとに十分な検討を行うことが重要であるということですが、地域は、今のお話があった、あいりん地区とか、河川敷といったそういうレベルの単位と、二次医療圏、あるいは都道府県も含めた形の検討は、それはもちろん全て互いに情報を共有しながら、方針あるいは方向性、分析も含めた形で、これらを検討するということは大切だと思いますが、この焦点は保健所単位と自分は思ったのですが、地域というのは、どこをターゲットにしたような形での御提案なのかと思いました。

○島田補佐 ここで書いてある趣旨としては、それは地域によって異なると思います。保健所単位なのか、基礎自治体単位なのか、それはその各地域によるかと思います。何か保健所であるということを縛るというつもりは特にありません。

○遠藤委員 今言ったような単位でお互いに情報を共有していくというところは、いずれにしても、範囲の定義そのものよりも大切だという意味ですね。地域の実状に応じたような形で、地域というのを検討していただきたいという意見ですね。

○島田補佐 特に詳細にまで全部の事業を把握しているわけではありませんが、基礎自治体や保健所、自治体単位を複数またがってそういう事業を検討されるようなことも想定されますので、特段、その範囲を特定するという必要はないのかと思います。その中で情報共有していただけたらと。

○遠藤委員 ありがとうございます。

○加藤部会長 今の遠藤委員の御質問ですが、現行の予防指針の中にも、地域による定期の健康診断については、人口100万ぐらいの単位が必要なので、都道府県等から情報を得て、市町村は実施を検討するという趣旨が書いてあると思います。発見率を考える場合には、実際の発見がどのぐらいによって、対象人口をどのぐらい考えたら有効数字になるかということがありますから、そういう観点でも考える必要があります。しかし、市町村健診に関しては、人口規模はそれほど大きくないですから、市町村が自分たちで判断できるようなデータを持ち得ないということから、都道府県等から情報を得てという趣旨が書かれているのです。

 保健所の先生方は、専門家でいらっしゃると思いますので、発見率との関係で、どのぐらいの規模で考えなければいけないかということを判断していただけるだろうと思います。

○遠藤委員 ありがとうございます。今後、参考にしていきたいと思います。

○加藤部会長 はい。

○山岸委員 定期的な健康診断から漏れている人たちをどうするかという問題があると思います。高齢者の中で、社会福祉施設の65歳以上の入所者は定期の健康診断の対象になっていますが、それ以外の例えば、介護付き老人ホームとか、あるいは、認知症グループホームといった所での結核の発病も結構聞かれているのですが、65歳以上の市町村での住民健診等にリンクさせているのかは別として、何らかの方法が必要であると思います。是非、考えていただきたいと思います。

○加藤部会長 ありがとうございます。どこが責任を持つかは、なかなか難しい問題があると思います。実質的に早期発見を担保しなければいけない施設という点では理解されるかと思いますので、具体的なことは検討しなければいけないと思います。

 先ほど、有馬委員から御指摘があったホームレス等については、他の地域でも、発見率が下がっているところがあります。その理由について議論したことがあるのですが、同じ対象者が繰り返し来ているという問題があるようです。そういうグループの人は、外国でもハード・トゥー・リーチといわれるように、手が届きにくい人たちなので、どうやって対象を見付けていくかという工夫が必要です。

○有馬委員 そうですね。

○加藤部会長 実際は、現場的には大変だと思うのですが。

○有馬委員 そうだと思います。

○加藤部会長 そういった観点が必要かと思います。

○有馬委員 大阪市もリピーターが、健診にいるというところからも、一時発見率が下がっているという状況もありました。そのときに、新しい層の野宿者の方に健診をどうしたら受けていただけるのかというところで、いろいろと案が出ましたが、要は、待ちの姿勢ではなくて、やはりまずアウトリーチ、出掛ける。それと、受けていただいたらインセンティブではないですけれども、ちょっと暑いときには熱中症予防のために、少しドリンクをお渡しするとか、何かそこに少し工夫を入れながら、新しい方に受けていただいて、患者発見率を高めていくという努力はしております。

○加藤部会長 具体的には、こういった良い事例を皆さんで共有して、よい方向にいくということが必要なのかと思います。ありがとうございます。ほかに何か議論、御意見はありますでしょうか。

○山岸委員 結核の接触者健診での患者発見率は、非常に高いというのはここにデータも出ていますが、どこまで何をやっているかというのが1つ問題になると思います。高齢者集団にIGRA検査を行っているかどうか、そこでLTBI治療をしっかり行っているかどうか。これは現状どうなっているか、私は知りませんが、保健所で接触者健診を行うときに、高齢者を検査する対象から外しているかどうか。

 私の知っている保健所では、60歳未満しかIGRA検査を行っていない。ですから、LTBI治療も60歳未満しかやらない。60歳以上の人は、レントゲンで経過を診る。要するに発病しているかどうかを診るだけである。

 それはなぜかというと、1つには、イソニアジドを投与することによる肝機能障害が怖いという問題もあるのではないかと思います。これについては今後検討していく必要がある。できるだけしっかりと検査をして、発病を抑えたほうがいいのではないかと私は思っております。

○加藤部会長 そうですね。今のお話ですが、高齢者でも、集団生活している場合は、二次感染予防のために非常に有効な事例も分かっておりますが、今の御指摘のとおり、副作用については臨床の先生でも色々な意見があるかと思います。

 それから、冒頭の接触者健診の実施の方法については、私の研究班で、接触者健診のパフォーマンスを計測する指標を検討しています。

 実際、接触者健診の実施の仕方の違いがあるということは分かったのですが、どうすればそれを計測できて、どこに介入すればいいのかといったことを研究テーマとして検討しております。成果が出ましたら、情報を提供したいと思っています。ありがとうございます。ほかに何かありますでしょうか。

○遠藤委員 保健所ですので、お話をさせていただきますと、60歳以上はしないとかそういうことは、それは保健所によって違うと思いますが、結核の接触者健診の手引について、加藤部会長のお話にありました。その中では、以前は高齢者に対して、ある程度年齢制限を付けていましたが、改訂第5版では、適用年齢の上限を設定せず、できるだけIGRAも適用する意義があるので、積極的にやるようにという内容でした。

 あとは、入所時にも高齢者の方もIGRA検査とかそういった検査は、もちろん医療機関も雇入時にIGRA検査も含めてやるようにと助言しますが、高齢者施設の実地指導等でもお話していますし、いろいろな感染に対する講演、結核ミニ講座も含めて、情報提供をしながら高齢者施設は非常に大切な対象ですので、実施しているというところです。

○加藤部会長 ありがとうございます。ほかに何かありますでしょうか。

 それでは、ただいまの御説明の資料1-14ページの所に、提案がありますが、こういった内容でよろしいでしょうか。65歳の住民に対する定期健診ということですが、発見率とか、罹患率に注視しながらの健診ですが、これは高齢者だけに限らず、ハイリスク、その他についても含まれるというように理解していますが、このようなことでよろしいですか。

 それでは、この内容について、部会として了承ということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○加藤部会長 ありがとうございます。それでは、部会として、了承ということでまとめたいと思います。

 では、資料1-2、結核の医療提供体制に移ります。資料1-2について、事務局から説明をお願いします。

○島田補佐 資料1-2に基づきまして、「結核の医療提供体制」について説明します。資料1-21ページ目を御覧ください。結核の入院医療体制の現状について御説明します。左上のグラフ、入院する患者として肺結核の喀痰塗抹陽性患者数は減少傾向にあります。その入院の受け皿となる結核病棟の維持が困難となっており、左下のグラフを御覧ください。結核病床の許可病床数、病床を有する医療機関数の推移を見ても、青の病床数、緑の医療機関数とも減少しています。そして右のグラフですが、入院する塗抹陽性患者の年代別の割合の推移ですが、徐々に下の青でお示しした80歳以上の者の割合が増加していまして、身体合併症や精神疾患を有することが多い高齢者の割合が増加していることがお分かりになるかと思います。

 次に2ページ目を御覧ください。結核の入院医療体制の課題は大きく2つあります。1つ目は入院患者の減少により、結核病床を有する医療機関の体制維持が困難となっています。そこで、少ない入院患者数に応じて、小規模な結核病棟でも効率的に運営できるよう、一般病棟と併せて1つの看護単位とできる「ユニット化」を推進してきました。2つ目として、入院患者のうち身体合併症や精神疾患を有することが多い高齢者の割合が増えています。そこで、合併症患者の入院診療に対応できる「モデル病床の整備」を進めてきました。この「ユニット化」や「モデル病床」の整備などを組み合わせることで、都道府県は適切な医療提供体制の構築に努めているところです。

 続いて3ページ目を御覧ください。3ページ目は「モデル病床」について、事業の実施要領を御紹介します。結核患者収容モデル事業は、その目的として4行目ぐらいの、高度な合併症を有する結核患者又は入院を要する精神障害者である結核患者に対して、医療上の必要性から「一般病床又は精神病床において収容治療」をするための、より適切な基準を策定するために実施している事業です。

 モデル病室で治療する結核患者の要件としては、合併症が重症等の場合、合併症が結核の進展を促進しやすい場合、入院を要する精神障害者である場合、のいずれかに該当する者として、一般病床や精神病床を、モデル病床として指定し、整備しているところです。

 続いて4ページ目のグラフを御覧ください。4ページ目は結核病床数と病床利用率について、都道府県ごとに分布を見たグラフになります。1つの点が都道府県でして、縦が病床利用率、横が結核病床数となっています。御覧になってお分かりかと思いますが、大多数の都道府県は半分から左、200床以下であって、病床利用率についても大きな差があります。その中でも病床数が少ない都道府県、分布でいうと左側に位置する都道府県であっても、病床数以上に患者数が少なく、病床利用率が必ずしも高いわけではない、いわゆる左下に位置するような都道府県が幾つか存在しています。病床利用率が低い場合は、病床を維持するための医療機関の負担が大きいため、都道府県の少ない患者数に見合った体制に変更することが必要ではないかと考えられます。

 続いて5ページ目のグラフを御覧ください。5ページ目は結核病床を有する医療機関数と病床利用率を、都道府県ごとに分布を見ています。点が都道府県で、縦は病床利用率、横は医療機関数となっています。医療機関数も都道府県によって大きな差がありまして、その中でも都道府県内に結核病床を有する医療機関が1箇所となった都道府県、グラフの一番左に並ぶ都道府県が、平成274月の時点で10あります。この結核病床を有する医療機関が1箇所の都道府県であっても、病床利用率が高いわけではなく、左下のほうに位置する都道府県が幾つか存在します。医療機関数が少ない場合は病床利用率が低いため、結核病床を廃止した場合、アクセスが悪化する危険があるため、都道府県の少ない患者数に見合った体制の維持に努めることが必要ではないかと考えられます。

6ページ目を御覧ください。こちらの表は、都道府県別の患者数・病床数を示しています。縦に都道府県、横に患者数・病床数等を示しています。数値を御覧いただいてお分かりのとおり、各都道府県の数値はずいぶん差があります。資料で強調した都道府県の行については、先ほどお示しした2つの分布図で、枠で囲んだ中にある都道府県となっています。

 続いて7ページ目を御覧ください。7ページ目のグラフは、AMED研究班が試算した結核病床の必要数を、青の棒グラフで示したものです。こちらは研究代表者である加藤部会長に御提供いただきました。加藤部会長、ありがとうございます。都道府県の患者数に応じて、機械的に算出して、縦が病床の必要数、横が都道府県です。そこに現状の稼働病床数を赤の点線で重ねています。各都道府県の実情に合わせて解釈する必要がありますが、計算上必要と考えられる病床数と、現状の稼働病床数(点線)とが余り差がない都道府県も見られており、必要な入院医療の確保が困難となっている自治体もあることが推察されます。

8ページ目を御覧ください。まとめますと、現状として患者の減少により、結核病床の維持が困難となり、医療機関数、病床数が減少しています。自治体は「モデル病床」「ユニット化」を組み合わせて、入院医療体制の維持に努めています。入院する塗抹陽性患者は、合併症の多い高齢者が増えています。課題として、結核病床を有する医療機関数や病床数が少ない都道府県であっても、病床利用率は高いわけではありません。必要な入院医療の確保が困難となっている自治体もあります。

 提案ですが、1つ目、「都道府県は引き続きユニット化や病床単位の入院医療体制の確保に努め、病床利用率が低い都道府県は特に努める」としてはどうか。2つ目、「国は低まん延国化を達成した後の結核の医療提供体制の在り方について、全国の状況を踏まえて、改めて検討する」としてはどうか。以上、2つの提案と御意見についてお伺いしたいですが、参考に次のページを御覧ください。こちらは参考で、現行の予防指針における地域医療連携体制を図でお示ししたもので、これを参考として、各都道府県において具体的な医療連携体制を組んでいただいているところです。この連携体制については、改めて御検討いただく機会を得て、御議論いただくことになろうかと思います。ほか、御意見についてお伺いしたいと思いますが、加藤部会長から参考資料2として、参考となる資料を御提供いただいております。加藤部会長、御説明をお願いできますか。

○加藤部会長 それでは、お手元の参考資料2、これは昨年の結核病学会のときに行った特別講演の内容をまとめたものですが、これを使って説明させていただきます。結核医療体制の問題には、多くの要因が関係しており、本日、ここで審議していることは、この審議会が管轄する事項であります、供給の確保が重点になっていると理解していますが、私の資料はもう少し広い視点で概観しています。

 参考資料の2番には図4があります。ここには「医療供給体制再編成の必要性」ということで、何が問題であって、再編が必要になったということを概観しています。真ん中の2番目の列の上から2番目に「病床利用率の低下」がありますが、それが原因になって結核病棟が不採算になって、不採算があるために結核病棟の廃止、又は病床の廃止という原因になっており、さらに、これが原因になって医療のアクセスの悪化、あるいは一部の地域においては医療供給体制、供給自体が不安になっている原因になっていると理解されます。

 次に図6、図7は、これは先ほど御説明いただいた表の中にも書かれていることですが、都道府県別の平均在院日数というのはずいぶん大きな差があることが、図6からお分かりになると思います。それから、図7の病床利用率も都道府県でずいぶん差があります。これらが、もう少し合理的なものになると、供給の安定、経営上の安定、あるいは有効な医療資源の活用ということに、役に立つのではないかと考えます。

 もう1枚めくっていただいた表は、「結核低まん延状態における医療体制の構築に向けて」とあります。項目として上から医療の不採算の解消、それから、今議題になっている病床数の適正化、入院期間の短縮化。その他、モデル病床の活用とか感染症病床については法律的に議論が必要なものになりますから、今回の検討範囲には入っていません。その他、関係するものとして医療連携体制、あるいは質の確保等々、様々な問題が含まれているということです。

 この表で申し上げたいのは、この解決のためには国、自治体、医療提供体制、一般医療機関、学会、その他がそれぞれの役割を担っていかなければならないということです。

 簡単ですが、資料の説明はこんなところで、審議の時間に移りたいと思います。それでは今、事務局から御説明がありました結核医療提供体制について、御意見、御質問等をお願いします。

○遠藤委員 結核病床、医療機関が都道府県内に1箇所ある所が10あるということで、1箇所しかない都道府県でも病床利用率が少ないというのは、隣の県で受け入れているという状況も中にはあるのかなと思いますので、そこら辺は実際に実態調査をしないと不明なところがあります。事実、隣の県からも福島には受け入れているという実状もあるので、その辺の実態については御検討をお願いしたいと思います。

 あと、やはり東北は広域、面積の広い県が多くあるので、特に冬場の降雪も含めて、どんどん結核病床のある医療機関が少なくなりますと、医療機関へのアクセスの問題がありますので、病床数を減らしても利用率を勘案して、少なくとも2次医療圏にはモデル病床も含めて、1箇所は必要なのかなと思います。結核病床の廃止ということには、なかなか現場としては、運用の面で混乱を来す場合もあり得るということを、参考までに付け加えさせていただきます。

○加藤部会長 この資料の中にもありますように、アクセスの問題は、非常に重要な問題かと思います。非常にアクセスが悪くなっているということは、患者さんの受診に大変なだけではなくて、家族がなかなかお見舞いにも行けない。そうすると、軽度の認知症だった人が結核にかかったばかりに急速に認知症が進むといったようなことは、やはり許されないことだと思いますので、地域の実状に応じた対策が必要と思います。ありがとうございます。この問題は、地域による違いがずいぶん大きいと思いますが、何か各委員、それぞれの地域で問題がありましたら、お聞かせいただければと思います。

○鎌田委員 北海道医療センターの鎌田です。事務局から御提案の、「国は改めて検討すること」としてはどうかというところですが、国が検討すべき問題は、やはり病床区分の問題と思います。加藤部会長から御提供の資料にありますように、695ページの(5)感染症病床の活用、これをうまく利用できるかどうかが今後のキーポイントになると思います。本日は御欠席ですが吉山委員から以前の部会で「感染症病床の中で陰圧構造を備えていて、空気感染対策も可能な病床があるのに、それが使われていないのはもったいない」という御意見を聞いた記憶もあります。この点については医療法の病床区分の改定が大前提となりますので、事務局から御提案の「国は」の部分に医療法の病床区分についても盛り込んで御検討いただけると大変有り難いと思っています。

○遠藤委員 今は古い病院が多くなってきているので、新しい病院を新築される場合には、保健所が設計図を頂いた段階で、陰圧の病床をなるべく確保してほしいということを提案させていただいて、そのデザイン等については国立保健医療科学院と連携しながら、どういった陰圧病室の前室があったほうがいいか、そういった病室の壁や床のコーティングも含めた形で、新しい病院の場合は陰圧の感染症患者の病室はもちろん、結核患者さんも受け入れるような体制を、保健所としては提案させていただいています。現実的に陰圧の病室になったという新しい病院がありますので、参考にしていただければと思います。

○加藤部会長 モデル病床は一般病床ですから、結核でなくても感染対策として使えるわけですよね。鎌田先生の病院を拝見に行ったとき、精神病棟の中にモデル病床があるのですが、結核に使われたことと、成人の麻疹の患者さんを入れたことがあるとお聞きしました。法律では麻疹は五類感染症ですから、入院勧告の対象になっていませんが、成人の麻疹は非常に重症になり、しかも、非常に感染率が強いので、病院はそういう病室を必要とする中で、結核も考えていただければと思いました。アメリカのニュージャージー州では、遠藤委員のお話のように、病院は各病棟に陰圧病室を持つことになっているということを聞いてきました。今のお話は重要なポイントかと思います。ありがとうございます。ほかはありますか。

○遠藤委員 都道府県の中核的な病院で、国立病院機構の病院等とありますが、やはり専門的な病院といえば特定機能病院も、その中の大きな病院ですので、そういった所も含めて、大学医学部附属病院から結核病床がなくならないようにという内容の文言も含めて、専門医の養成、人材育成ということも含めて、今後検討していただければ幸いと思います。

○山岸委員 今は大学病院でも結核病床を持っていない病院のほうがずっと多いわけですよね。新たに作るというのは大変難しい、ハードルが高い問題ではないかと思います。ですから、先ほど遠藤委員がおっしゃったように、陰圧モデル病床を作るときに、何とかそこに結核患者さんを収容できるような、ソフトの面でも、要するにドクター、医療者側の問題でも受け入れられるような指導をしていただければなと思います。病室があっても患者は入れないということが、多分多いと思います。

○遠藤委員 現にある所は縮小しても、特定機能病院の場合は、ゼロにすることまではいかがなものかという、そういう意味も込めての話です。

○山岸委員 ある場合ですね。今現在ない所も非常に多いということ。

○遠藤委員 結核病棟のない特定機能病院の所は新たに結核病床を作ることはなかなか、難しいと思います。

○加藤部会長 ありがとうございます。病床利用の確保のみならず、教育的な配慮も必要だという観点かと思います。検討課題ということになるのかもしれません、ありがとうございます。ほかはありますか。

 それでは、よろしければ資料1-2「結核医療提供体制」について、8ページの現状・課題・提案を含めて、部会として了承ということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○加藤部会長 部会として了承ということでまとめたいと思います。それでは、資料1-3「目的の評価と設定」ということで、事務局から説明をお願いします。

○島田補佐 資料1-3に基づきまして、「目的の評価と設定」について御説明します。資料の1ページ目は、現行の予防指針の目標の達成状況について、一覧表でお示ししています。成果目標が2つ、事業目標が3つを設定しています。成果目標の1つ目は罹患率ですが、順調に減少しています。平成27年で14.4と、目標の15以下に到達しています。2つ目、肺結核の再治療患者の割合は、平成27年で6%と、目標7%以下の水準を維持しています。事業目標ですが、1つ目は全結核患者に対する直接服薬確認治療率、いわゆるDOTS実施率については、平成25年で87.5%と、95%の目標には達していません。2つ目、肺結核塗抹陽性初回治療者の治療失敗脱落率、これは平成26年で4.4%と、目標水準を維持しています。3つ目、LTBIの治療開始者の完了割合は82.8%と、目標の85%に達していません。この平成27年の数値、そろっておりません。抜けている部分については、平成27年登録者の治療が終わる来年、コホートの結果や全国調査を実施して、また集計してお示ししたいと考えています。

 続いて2ページ目は、我が国の結核罹患率と結核死亡者数の推移について、グラフでお示ししています。折れ線で罹患率、棒グラフは死亡者数です。罹患率については、平成26年改定版ストップ結核ジャパンアクションプランを定め、2020年までに罹患率10.0以下となることを目指すこととしました。罹患率は順調に減少しています。2020年、平成32年に罹患率10、これを目標として取り組むことも視野に入っているところです。

 続いて3ページ目は一覧表で、現行の目標と、目標の改正案について、一覧にしています。成果目標ですが、1つ目の罹患率は先のとおり、平成32年で10以下としてはどうか。2つ目は肺結核の再治療患者の割合となっています。現在はこれを設定していますが、その内訳を見ますと、1)再感染、2)適切な治療をした者、3)治療が不十分な者。対策で3)治療が不十分な者を減らすべきですが、これを区別して把握することが困難ですので、今回、目標達成を区切りとして、引き続きモニタリングは行いますが、成果目標からは落としてはどうか。

 事業目標に移ります。事業目標の1つ目はDOTS実施率です。こちらは全結核患者を対象としていますが、LTBIの推進が重要であることから、LTBIの者に対してもDOTS実施率を集計、同じ目標を設定してはどうか。2つ目は肺結核の治療失敗脱落率です。塗抹陽性については先のとおり目標を達成しました。塗抹陽性の多くは入院して、入院DOTSを経て地域に移ります。それ以外の入院しない患者、喀痰塗抹陰性等の患者については外来で治療が始まります。失敗や脱落させないために初期治療が重要で、入院しない、外来で治療が始まる患者も地域DOTS等で支えて、失敗・脱落を防ぐとして、目標の対象を塗抹陽性だけから肺結核全体に拡大し、同じ目標を設定してはどうでしょうか。3つ目はLTBI完了率、目標を達成しておりません。引き続き同水準の目標を掲げてはどうかと御提案します。

4ページ目には、今、御提案しました目標値の、具体的な定義の案を表としてまとめています。以上、現行の目標の評価と、改正時の目標設定、その他、御意見についてお伺いします。説明は以上です。どうぞよろしくお願いします。

○加藤部会長 ありがとうございました。それでは、事務局の説明に対して御意見、御質問はありますか。

○有馬委員 大阪市東住吉区の有馬です。LTBIの件で2点ほどお聞きしたいと思います。1点は資料1-1LTBI、平成25年の登録の実施率は76.4%になっています。こちらのデータでは、平成25年の登録者に対しての80.7%、完了率になっていますが、実施率より完了率のほうが高い結果になっていますよね。この辺りは、何でこうなっているのかというのが1点と、もう1点、LTBIの母数の取り方です。現在、大阪市の中で起こっていることですが、接触者健診を実施していく中で、高齢者等々でQFTが陽性になった、それでLTBIの対象になった。しかしながら、本人が飲みたくないなどの理由でLTBI治療にならなかったケースは、発生届を出さないでくださいと言われている所があるみたいなのです。ですから、発生届を出す基準がちゃんと分かっていないというところがあるようなのですが、基本的にこのLTBIの母数になっているのは、発生届が出た数が母数になっているのでしょうか。この2点を、まず教えてください。

○加藤部会長 御質問ですね。事務局からお願いします。

○島田補佐 まずLTBIの完了率の定義ですが、こちらは届け出て治療を開始した者のうち、治療を完了した割合で、この具体的な計算方法としては、結核登録者情報システムで治療の有無が「有」とした者になります。これは82.8%のほうを説明しています。DOTS実施率については、届け出て治療の対象者で転出や死亡を除いた者のうち、DOTSを実施した、毎月DOTSの支援ができた者の割合で、重なってはいるのですが、若干ずれがあるということになります。

○有馬委員 サーベイランスでDOTS実施有り、無しという方が、最終的に治療を完了というか、最後まで飲めたという辺りの達成というか、完了率というのが80.7%ですか。

○島田補佐 すみません、補足説明します。DOTS実施率については先般、こちらから調査を全国に依頼しましたように、各保健所に調査表を出して、何人のうち何人という形で調査をしないと分からない数値になっています。

DOTS実施率とは別に、サーベイランス上で治療を開始した者のうち、最後まで飲めたのが何人かというのが、この完了率82.8%です。例えばDOTSの支援を仮に全くしなかった方が最後まで飲み切った場合は、この82.7%の完了率のほうには計上できるという形になりますので、2つの指標に若干ずれは出てくるところになります。

○有馬委員 分かりました、ありがとうございます。もう1つ、母数のほうは。

○島田補佐 届出基準ですね。御存じのとおり、潜在性結核感染症として治療が必要な者について、診断したときに届け出ていただくことになっています。この届出の基準も、そういう間違った運用をされているといけませんので、引き続きそういうことが分かれば、各自治体において届出の遵守をお願いしていただきたいと思います。

○有馬委員 分かりました。

○鎌田委員 北海道医療センターの鎌田です。事務局から御提案の「喀痰塗抹陰性で入院を要しない患者の初期治療が重要なのだ」という点については私も激しく同意致します。結核予防法から感染症法に移行する前後で入院基準も改定され、今現在喀痰塗抹陽性以外は入院勧告の対象とはなりません。

 入院して治療を導入した方は、看護師が毎日のように「何か気付いたことがあったらすぐに教えてください」という形できめ細かく対応しますので、治療のスタートがスムーズにいくことが多いのですが、今の法律の下で喀痰塗抹陽性ではなく入院を要しないということで、外来でスタートする場合には、正直なところそこまでなかなか目が届かないところもあります。

 可能な限り最低でも2週に1回、できれば毎週外来にお越しいただくのですが、「調子はいかがですか」とお尋ねしたら、「体がかゆくなったので薬を何日か休んでいました」という話がしばしばあります。排菌量が少ない人は入院を要しないということは時代の流れとして承知しておりますが、そのような状況での治療の滑り出しについてもう少し手厚くできるようなことを法律なり文言に盛り込むことができないかということが1点です。

LTBI治療が今後の我が国の結核対策の根幹をなすということは異論のないところだと思いますし、今回の御提案の中でDOTS実施率が95%ということを目標に掲げるのは非常に同意するところです。しかし治療完了率の目標が85%で、10ポイントの差がございます。95ではないにしてもせめて90前後まで、完了した人の割合をもう少し高いところに、努力目標も含めて掲げる形はいかがでしょうかと提案させていただきたいと思います。

○加藤部会長 入院をしない患者の治療完了率です。

○鎌田委員 いわゆる服薬支援です。

○加藤部会長 保健所の立場から何かありますか。

○遠藤委員 やはり、患者の状況によって、この方はなかなか服薬が外来だけでは不十分だなという、例えば、認知症の方、独居老人の方、一人暮しの高齢者の方は状況に応じて入院をお願いすることもあります。それが公費負担に当然適用されないので、強制できないのですが。

○加藤部会長 先般の法律改正で保健所がいろいろな機関にDOTSを依頼できることが明確になりました。そういう面では患者中心の服薬支援ということで、実施の仕方の選択の幅は非常に広がったと思います。

○有馬委員 その通知は、すごく効果を出してきていると思います。現場で働いている保健師にしたら、やはり施設だとか事業所の結核の患者さんにきちんと薬を飲んでいただくということを理解していただくことの難しさが今までありました。しかしながら、厚生労働省の通知があるという状況から「分かりました」と御理解いただける。学校の教育委員会にもその文書をもっていっておりますので、前回の資料でしょうか、学校では毎日DOTSがされていて、我々は1か月とかで頻繁に行けない。

 だから、通知があることで施設に入所していたり、学校などに毎日通っている患者に対して、事業所の方や先生が服薬支援をしていただくと、確実な内服につながっていくということができております。今までDOTSナースや専門職が主にアウトリーチしておりましたが、入院しないという形態の中では社会の中で生活しておりますから、社会のいろいろな人の力を借りてDOTSを進めていくことが必要かと思います。もう1つは薬局DOTSもそうですが、働いている方が薬を取りに行くところで、DOTSをされている薬局DOTSも件数が増えてきていると思います。そういう意味で社会の中で服薬支援者が増えてきているのではないかと思っております。

○加藤部会長 鎌田委員の御指摘の中で、外来で治療を始める場合は軽症で病識を持ちにくいので、実際、地域のDOTSは様々な患者の近い機関に依頼しつつ、入口のところは保健所がしっかりその役割を担っていくということで、もう少し改善できるのかもしれないということかと思います。

○有馬委員 そうですね。

○加藤部会長 既に仕組みはできているので、どのように活用するのかという観点で、私どもも保健所と一緒に考えなければいけないと思っております。

○有馬委員 そのとおりです。

○遠藤委員 保健所としても服薬ボランティアの育成ということで薬剤師に来ていただいたり、あるいは高齢者施設の方々やケアマネジャーに来ていただいたりして、服薬ボランティアの育成という形で事業等を起こしたこともあります。

○加藤部会長 今、鎌田委員の御指摘、先般の法律の改正の趣旨を活かして、患者中心の服薬支援に努めるということでよろしいですか。

○鎌田委員 お願いします。

○加藤部会長 ありがとうございます。

○有馬委員 追加です。ここの目標の改正の定義の所で、分子に分母のうちDOTSを実施したもの「準完全実施を含む」と書いていると思います。多分、準完全実施は月に1回行く方が月に1回行けていない、でもトータル的に見ると多分飲めているだろうという人まで入れているというところですね。

 多分、自治体はいろいろあるので準完全実施でないといけないような状況が出てきているのだろうと思うのですが、月1回のCタイプの方が月初めに本当だったら飲みに行く、確認に行く、それができなかったから、次の月にするというのはやはりおかしい。その月の中で診ることができたらいいことなのに、翌月に回っているということが本当にいいのかなと思ったりします。

 そのような状況であるならば、本当にいろいろな事業所の力を借りたりボランティアの方の力を導入したりという、別の方法で質を上げていく、質を良くするDOTSをしていくことがやはり確実な治癒につながっていくのだろうと思います。ということを何かの方法で言っていただけたらなと。これから徐々にだとは思うのですが、必要ではないかと思います。

○加藤部会長 ありがとうございました。

○杉本委員 大阪市に関連してです。最初に大阪市で薬局DOTSを始めたときには、薬剤師会が介入しており、徐々に増えてきてはいたのですが、昨年の薬剤師会が介入しないようになってから薬局DOTSの数が減ってしまいました。薬剤師会が介入するのがいいのかどうかは分からないですが、実際は減ってきているということがあります。この間のアンケートの結果でお話したように薬局がなぜ薬局DOTSを受けないかというと、依頼がないからということが一番大きな原因だったのです。

 そこを何かシステム化、制度化していただいてスムーズに薬局に依頼していただく流れになれば、もう少し増えるかと思います。私たちも待つ身ですので95%のうちのどれほど薬局DOTSに望んでおられるかは分かりませんが、是非、何かスムーズに流れとして来るようにしていただけたらと思います。それと、やはりDOTSに関してもかなり地域差があると思われますが、学会や研究会等で成功例があったりしたら教えていただきたいと思います。

○加藤部会長 ありがとうございます。

○遠藤委員 よろしいですか。保健所の立場ですが、かかりつけ薬局が決まった患者が発生した場合は、そこのかかりつけ薬局に直接DOTSをお願いするという方法を取っております。

○杉本委員 取ってもいいです。

○遠藤委員 調剤薬局に。

○杉本委員 取っておられるということですか。

○遠藤委員 はい、そうです。やはり直接お願いするのと、先ほどお話がありましたように依頼されないからしないという事情もあるでしょうから、保健所から直接患者がかかりつけている調剤薬局にお願いしているという方法を取っておりますが。

○杉本委員 この前のかかりつけ薬剤師制度がもっと進んできたら、患者のかかりつけ薬剤師の契約になっておりますので、その辺はうまく進むかと思います。

○遠藤委員 強化的になりますかね。そのとおりです。

○杉本委員 今後、薬剤師も在宅の地域医療の中に入ってきますから、そこで薬局DOTSですが薬局の中だけではなくて在宅のほうにも行って、先ほどお話のあった認知症の方の服薬を指導することはできるかと思います。

○遠藤委員 今後は地域全体で関係する方が、地域包括ケアシステムという方向に在宅に患者さんが移行するという流れの中にいろいろな関係者と高齢者施設、高齢者の事業所、医療機関、そういう関係機関と、地域で保健所が中心となって研修会などを開催したりしていきます。この後の薬剤耐性対策アクションプランにもありますように、地域の感染症対策ネットワークは拠点病院中心という方法もあるでしょうが、我々は平成18年から、加藤部会長にも入っていただいて厚生労働省の補助金の事業で地域の保健所を中心としていろいろな関係機関、あとは結核の専門家、感染症の専門家、大学病院の感染症の専門家のアドバイスを受けて、また地域は地域でネットワークをしていくということのシステム作りが今後非常に重要であります。それは結核の薬剤耐性のみならず感染症一般、あるいは結核の一般的なことというところについてもそれぞれ情報共有する研修会を開催したりしています。私どもは現在地域感染制御支援ネットワーク事業をしておりますし、以前平成22年に報告書も提出しております。

 今後そういう地域の感染症対策ネットワークの構築が必要となってきています。

○杉本委員 それは福島県としてなさっているということですか。

○遠藤委員 私の関係している自分の保健所を中心に構築しており、私が異動する前の保健所はシステムとしてその後もずっと続いてやっているという形です。感染防止対策加算ということで医療機関同士のネットワークは、ほぼ診療報酬が付きますが、保健所もやはり地域全体のネットワークはいろいろな感染症の予防、発生時対策、拡大防止対策、結核も同じ仕組み作りということで今後重要だと思いますので、参考までにお話しします。

○加藤部会長 先ほど有馬委員から御指摘があった準完全実施の件には経緯があります。実施率の案を作って全国にお送りしたら様々な意見があり、一生懸命やっている所は物足りないのですが、資源が足りない所では勘弁してという様々な意見がありました。準完全実施を作ったというこころ自体が、なるべく完全実施に持っていってくださいという意図でした。

○有馬委員 そうですね。

○加藤部会長 御指摘のとおり新しい制度にもなりましたので、なるべく患者中心のサービスができるというところで目標として進まなければいけないという御趣旨のとおりです。

 それから、今、杉本委員が御指摘の状況ですが、実施も地域で随分違うのですね。必ずしも県単位で全部一緒というわけにもいかないようです。

○遠藤委員 難しいですね。やはり保健所長、保健所の考え方があります。そういう方向性が、こういう結核部会から情報を発信していただければ幸いです。

○加藤部会長 予防指針の中に書いているように、患者中心の服薬支援ができるようにという理念の下に法整備もしましたし、今、御質問がありました実施の仕方については、いい事例の所をお呼びして、研修会あるいは勉強会をやっておりますので、御希望がありましたら御参加いただければと思います。いろいろな機会を使って情報を発信したいと思っております。

 地域包括支援センターについて、今のお話は先進的ですね。実は去年の結核予防全国大会のときに、テーマとして地域包括ケアを入れようと思ったのですが、難しいのは、地域包括支援センターは市町村で、保健所は県ですから、きちんと連携ができないとすぐはできないので、もう少し熟してから議論が必要と思われました。

○遠藤委員 ただ、地域包括ケアシステムの構築に関しては、県型保健所もむしろ自分の管轄の市町村を集めて研修会や退院調整ルール作り等を先頭切ってやっているというところで、市町村任せにしないで支援をどんどん背中から押していくという形です。

○有馬委員 素晴らしい。

○加藤部会長 素晴らしいということで、来年の研修会にお呼びしたい。いい事例ですので発信していただくことをお願いしたいです。様々な意見がありましたが、ほかにこれはというものがありましたら、どうぞ。

○有馬委員 もう一度確認というか、いいのでしょうかね、よろしいですか。

○加藤部会長 はい。

○有馬委員 1点、成果目標の中に肺結核の患者の中で再治療患者の割合を抜くとなっております。もともとはDOTSの実施成果として再治療者の割合を減らしていくのだということで、この項目が出てきたかと思います。確かに途中中断の方のものがここに入ると再発するというのは当たり前ではないですが、再発しやすいと、それはもともとDOTSの成果としてはまた別というところであり、その区別がしにくいということで今回抜くという話になっているようなのですが、この理解でよろしいのでしょうか。

○加藤部会長 これは様々な疑問があるかもしれないですね。今、御説明があった中では脱落失敗は既にかなりいい数値になっており、再治療患者の割合には幾つかの要因が入っております。もちろんモニターをしますから要らないというわけではないのですが、現時点で目標値として妥当かという議論をした場合に、現時点で掲げる意味はそれほど大きくなくなったのではないか、と理解しております。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○中山委員 先ほど地域包括支援センターのお話が出たのですが、私も自治体の地域包括支援センターの会議にも出ているのですが、そこではDOTSの話は今まで聞いたことがないのです。ただ、今では、高齢者の方にとって地方包括支援センターはもう定着してきてなじみもあって、よく通いますし、アウトリーチというか高齢者の所まで行くということをやっておりますので、何かうまく連携ができればいい取組ができるのではないかと思いました。感想です。

○加藤部会長 貴重な示唆をありがとうございます。事務局から何かありますか。様々な意見を頂きました。まとめとして資料1-3ですが、評価と設定について了承ということでよろしいですか。

(了承)

○加藤部会長 ありがとうございました。それでは資料2、指針の改正の方向性に関する議論取りまとめについてということで、事務局から説明をお願いいたします。

○島田補佐 資料2に基づいて説明いたします。結核に関する特定感染症予防支援の改正の方向性について、この結核部会において前々回、前回とこれまで議論してまいりました。御了承いただいた内容について資料2に取りまとめております。先ほどの議論で提案から少し修正したとして、お手元の資料2は直せなかったことをお許しください。御意見を踏まえて修正したものとして御覧ください。

 事務局から追加でこれまでに議論したもの以外に入れたものがありますので、御説明いたします。箇条書きで幾つか書いておりますが、第2を御覧ください。発生の予防、まん延の防止の3つ目、定期健診の対象を定める際の参酌基準とエツクス線の健康診断が困難な場合に喀痰の活用が望ましい旨は削除したいと思います。4つ目、集団感染事例を把握した場合積極的に関係者や国民に公表するよう努めることとします。

 第4です。研究開発の推進の1つ目、AMEDが設立されましたので、国がAMED等と積極的に連携を進めるということについて記載したいと思います。それ以外は、これまで結核部会で御審議、御意見いただいたものを取りまとめたものとして、資料2として提案いたします。全体を御覧いただき、これらとこれら以外にも指針改正の方向性として御意見がありましたらお伺いしたいと思います。説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○加藤部会長 今の一番初めの説明の喀痰検査の件は、これは今まで議論していなかったところですよね。

○島田補佐 はい。

○加藤部会長 その趣旨について、もう少し何かありましたらお願いします。

○島田補佐 定期健診の参酌基準として、これまで0.02%等記載がありましたが、この結核に関する特定感染症予防指針を見直す議論に先立ち、各所の研究班の取りまとめや提案、要望等を踏まえていろいろ議論に出してきたところです。その中で0.02%等の根拠が曖昧であるという指摘もありました。その上で新たに技術的な基準を示すことのできる根拠もこちらとして持ち合わせていないため、この度削除してはどうかと考えております。

 エツクス線が困難なときの喀痰活用の削除については、こちらは技術的な内容です。主に寝たきりの方等を想定した内容かと思いますが、健康管理として主治医の先生がおられると思いますので、その裁量に任せるべきではないかと考え削除と考えております。以上です。

○加藤部会長 実際、寝たきりの人に保健所が行って検査するのは難しいですよね。

○遠藤委員 難しいですね。

○加藤部会長 そういうのが現実です。

○遠藤委員 ですから、そこら辺は先ほどお話がありましたケアマネジャーとか、地域、あるいはときには隣近所の方とか、そういうことで地域包括ケアシステムがどんどん隣近所でその人に対してというところも含めて中学校単位での地域包括ケアシステムですので、今後はケアマネジャーが行くとか、ときには老老介護ではないですが、老老連携みたいな隣近所のお友達が行っていろいろ助言していくという地域包括ケアシステムに乗っけていけば確認や見守りというか、DOTSと言えますかね。

○加藤部会長 その人たちが医療につなげることができるということになりますね。

○中山委員 薬も冷蔵庫の前に全部毎日のものを分けて貼り付けたりしていますから、かなり入り込んでいっています。

○加藤部会長 後退するのではなくて新たなシステムに転換していくと理解することもできます。それでは、説明に対して御質問、御意見はございますか。

○遠藤委員 資料2の第三の最後の丸ですかね。「医療機関、民間の検査機関は地方衛生研究所等と連携して必要に応じて結核菌検査の外部情報管理を定期的に行うべきこと。」についてです。いろいろIGRA検査については、QFTTスポットについて検査の違いとか感度、特異度にいろいろな報告がありますが、その優劣はなかなか判断が難しいとして最低限できることは、IGRA検査の民間の委託機関も含めた精度管理です。

 そういうところも今後、結核菌検査のみならずIGRAの精度管理のシステムを今後検討していただければいいと思いますが、外部委託の機関は、地域において多分余りやっている所が少ない場合は大量に検査をしなければならないということで、いろいろ精度管理上、問題がある可能性が推定されますので、今後御検討していただければよろしいかと思います。

○加藤部会長 精度管理自身は学会等、あるいは様々な所で議論されているということは皆さん御承知だと思います。具体的に何を管理するのかという技術的な話は実はなかなか難しい問題があります。

○遠藤委員 指針的な検査のガイドライン的なことはありますね。

○加藤部会長 そうですね。

○遠藤委員 ただ、実際にそれがどのようになっているのかというチェック機構といいますか。どのように精度管理がされているのでしょうか。

○加藤部会長 この前、先般の金沢の学会のときにシンポジウムがあり、議論されました。変動要因はたくさんあるのですが、その中に何を管理したら管理できるのかという、技術的・学問的な内容が先行しないと、管理ができるかどうかという議論が出てくると思います。既に精度管理の問題は認識されていますが、公的にどのようにするかというところまでは少し難しいという気がします。

○遠藤委員 そういう学会等では方向性があるということですか。

○加藤部会長 検討しなければいけないが、実際、まだ検討項目となっていまです。

○遠藤委員 検討しなければならない項目として挙げられているということですね。

○加藤部会長 では、どのようにするのかということであります。

○磯部委員 何年か前に一度、精度管理を行いました。精度管理という名の下で幾つかの機関でデータを出したのですが、精度管理というような結果にはならなかったのです。それは何が要因なのかよく分からなくて、そのときはまだTスポットが出ていない時代だったのですが、この検査自体の精度管理はもう少し検討して、本当に何を見たいのかとか、幾つもの要因があると思われます。

○加藤部会長 基準が複雑ですよね。

○磯部委員 ましてや、生体反応を見るという検査なので、これが本当に正しいのかという、患者そのものの検体で正しい結果が出ているのかどうかということは、標準品でやったときとはまた別の要因が絡んできたりするので、なかなか判断が難しいかと思います。でも、やっていただきたいということは私も希望しています。

○遠藤委員 希望ということは大事なことですね。

○磯部委員 やはり私たちも自分たちの技術がきちんと検査の結果に出ているのかということを知りたいのでやっていただきたいのですが、なかなか難しそうです。

○加藤部会長 趣旨は理解されていますし、それをどうしようかという議論が進んでいますが、やはりその方法が確立しないとどのようにやるというところまでなかなかいかないということかと思います。ほかにございますか。

○鎌田委員 1点だけ追加です。今の議論ですが、クオンティフェロンの製造販売のキアゲンのホームページに同一検体を個人が複数回測定する、ないしは手を変えてほかの人が測定した場合の変動係数が15%前後ということが記載されております。測定値がこれくらい変動する検査は発展途上の検査と考えるべきで、精度管理を論ずるのはなかなか難しいと理解しております。

○加藤部会長 ありがとうございました。それでは、資料についてほかに何かございますか。皆さん、よろしいでしょうか。了承という方向にいきますが、よろしいですか。

(了承)

○加藤部会長 それでは、資料について了承ということでまとめたいと思います。今後の流れについてですが、事務局において資料2にまとめていただき、今後、今了承していただいた内容について、具体的に指針の文言に落としていくということですが、実務的な作業になりますので、一旦、私部会長に一任いただいて事務局と案を作りたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○加藤部会長 ありがとうございました。それでは、指針の改正案が出来ましたら、もう一度部会を開催して改正案をお諮りすることが最善と考えております。委員の先生方も御多忙ですので、実際に集まって審議は難しいということであれば、持ち回り開催ということも視野に入れて改正案の出来栄えも見ながらということでお諮りしたいと思います。よろしくお願いいたします。それでは審議事項はここまでとして、次は報告に移ります。資料36までまとめて質疑応答したいと思いますので、事務局から報告をお願いします。

○島田補佐 報告事項について、資料36をまとめて御報告いたします。まずは資料3を御覧ください。報告事項の1つ目、「日本ビーシージー製造株式会社に対する行政処分について」を御報告いたします。資料3については、本年426日付けで日本ビーシージー製造株式会社に対して薬機法(医薬品医療機器法)に基づく行政処分、業務改善命令を行い、公表した際のプレスリリースとなっております。

 次のページに、2.「違反事実に記載のある内容」を確認し、1)製造業許可で届け出たエリア外でBCG菌の培養を行っていたこと。2)製造工程及び品質検査について承認書と相違があり、記録、製品標準書等への記載及び変更届が不十分であったこと。4)医薬品等総括製造販売責任者が是正措置を行っていなかったことなどのため、3.処分内容のとおり、1)経営陣の責任を明確化することなど、再発防止の観点から組織体制に係る業務改善命令を実施し、1か月以内に改善計画の提出を求めました。その改善計画は526日に提出済みです。

 今回の違反については、BCGワクチンの有効性、安全性に影響を与えるものではないため、出荷停止等は行われず、BCGの定期接種に必要な製品の供給に影響はありません。なお、同社で製造する精製ツベルクリン液については違反がありませんでした。日本ビーシージー製造株式会社に対する行政処分についての報告としては以上となります。

 報告事項を続けます。続いて資料4を御覧ください。報告事項の2つ目、「結核医療の基準の一部改正」について御報告いたします。こちらは、結核医療の基準の改正について、本年129日付けで全国の自治体宛に発出した通知となっております。第一の改正の概要について、昨年9月に開催された結核部会で了承された内容です。1.レボフロキサシンについて抗結核薬に追加すること。2.イソニアジド又はリファンピシンが使用できない患者の治療において、レボフロキサシンを使用する順は、エタンブトールに次いだ順で、少し飛ばして(2)で、イソニアジド及びリファンピシンのいずれも使用できない場合で、感受性のある薬剤を3剤以上継続できる場合の治療期間は、菌陰性化後18月間とすること。第三の適用に当たっての留意点と併せ、本年129日付で適用したところです。結核医療の基準の一部改正についての報告は以上です。

 続いての報告です。資料5を御覧ください。報告事項の3つ目、感染症法における検体採取、健康診断、就業制限、入院の取扱いについての通知となっております。こちらは本年41日付けで全国自治体宛発出した通知となっております。主な改正内容としては、中段5行目ほどの「今般」から感染症法等の一部を改正する法律の施行等に伴い、検体の採取の項を設ける等、別添どおり改正としております。

 その具体的な場所は次のページの「第2」の「検体採取に関する事項について」を今回、追加し、法改正に対応しているところです。中ほどの1.「基本的な考え方」以下、具体的な運用を示してはおりますが、前回、1月の結核部会において、病原体サーベイランスの説明の中で、具体的な運用は御紹介しております。内容は割愛させていただきます。また、細かい内容は御覧いただければと思います。

 続いて、資料6を御覧ください。報告事項4、「平成27年、結核登録者情報調査年報集計結果について」です。こちらは平成27年の年報の概況()となっております。全国の保健所を通じて、平成2711日から大晦日1231日までに報告された結核登録者の状況を取りまとめたものです。こちらは()で、また最終は整えて後日公表したいと思いますが、数字については固まりましたので、一足早く御紹介します。かいつまんで御説明すると、新登録患者数は前年から1,000人以上減少し、18,280人。結核罹患率は14.4と減少傾向が続いております。結核患者の高齢化は更に進行し、新登録患者のうち80歳以上の患者の占める割合は38.3%となっております。

 そして、外国出生者の新登録患者数は、増加傾向が続いております。若年層20歳代では新登録患者の半数が外国出生者となっております。日本国内における結核の罹患率は、地域差が見られております。大都市において高い傾向が続いている一方で、低まん延国の水準とされる罹患率10を下回っている都道府県は、山形、長野など9道県となっております。こちらは早々に固めて、全国の関係者に対して正式に公表したいと思っております。駆け足でしたが、資料36まで、14までの報告事項については以上となります。

○加藤部会長 ただいまの報告事項について、質問等はありますか。

○有馬委員 年報の集計の結果ですが、5)の潜在性結核感染症(LTBI)の新登録者の数は、昨年と比べて減少したという形で書いていて、20歳以上49歳以下の者についても23%減少しているということですが、積極的に接触者健診など、実施していって、高齢者の部分は増えてきているという状況と思っていたのですが、高齢者のほうはLTBIが余り出ていないのですか。

○島田補佐 御報告しましたとおり、数字としては固まりましたが、どこをピックアップして御紹介するかなど、まだ調整中ですので、また固まりましたら、後日正式に公表したいと思っております。御説明のところがまだ固まっておりません。

○有馬委員 反対に大阪市はLTBIの数が増えてきている実態があったので、ちょっと意外だなと思いました。

○加藤部会長 いろいろな要因がありますよね。従来の、前年のデータでしたか、接触者健診で見つかったのは70%ぐらいです。ですから、その中で医療従事者が非常にたくさん登録されていた所は、すぐに見つかった人が医療従事者のスクリーニングで陽性だった人は、必ずしも治療が必要ではないというのが広まってくれば、その分は減るかもしれませんし、接触者健診の問題であれば、これはまた問題になってくる。中身をよく分析する必要が確かにあると思います。

○鎌田委員 関節リウマチで生物学的製剤を使うようなケースがある程度、出そろった可能性はないでしょうか。日本結核病学会などからも啓発して、きちんと発生届を出してくださいという形で、今まで余り表に出ないで使われていたような方が、ある時期を境にして急に増えましたよね。それが大体、一段落したという状況なのかと思っていたのですが。それはあくまで推測の域を出ませんけれども。

○加藤部会長 その対象者が何人かというのは、ちょっと、よく把握できていない問題があります。私もそれは興味があるのですが、分析するデータが今はないですね。

○徳永委員 話と関連してなのですが、そういった、例えばLTBIの数が減った要因を検討するときに、結核登録者情報システムのいろいろなデータをもっともっと活用して、細かく分析することは可能なのか。実際にできているのかということが、1つ問題かなと思うのですが、いかがでしょうか。

○加藤部会長 データ活用というのは、どういう趣旨でしょうか。

○徳永委員 例えば、今の、職業とかけて医療従事者が本当に減っているから、数が減っているのか、LTBIの総数が減ったのかというようなことを、実際に誰が検討するのかなど、あと、実際に。

○加藤部会長 2010年から2012年分は私どもで増減の要因を分析して、発表しております。今回も下がってきていますので、原因をよく分析したいと思っているところです。

○徳永委員 今、申し上げた趣旨というのは、こういったサーベイランスシステムのデータを有効に活用する上で、いろいろと制限があるのかと思っているので、その辺は立派なデータですから、有効に使えるようにできればと思っています。

○加藤部会長 私どもは必要なものは公表させていただくようにしているところです。ちなみにこれまで学会誌に出したものも早く出すために、今年からウエブサイトでなるべく早く情報提供を図ることにしています。ほかに何かありますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、次は資料7です。事務局から御説明をお願いします。

○中谷室長 それでは資料7の説明いたします。610日の感染症部会のほうで報告した資料です。薬剤耐性、AMR、アンタイマイクロビアルレジスタンスのアクションプランを今年の45日に公表しており、それに関わる現状背景とアクションプランの概要について御説明いたします。

2ページ目の薬剤耐性ですが、一昔前は黄色ブドウ球菌の耐性、MRSAやカルバペネム耐性といったものがあったかと思いますが、それらを総称して抗菌薬が効かなくなった耐性菌による感染症が世界的に拡大し、それが社会経済的にも重大な影響を与えています。一方で、新規の抗菌薬の開発が停滞していて、このままではAMRに対する対抗手段が枯渇してしまうということで、資料2ページ目の中央にありますが、国際社会では昨年のWHOの総会でAMRに対してグローバルアクションプランというものが採択され、加盟国は2年以内に各国で国家行動計画(ナショナルアクションプラン)を策定するようにということが、リクエストされました。

 また、昨年のドイツで行われたG7のエルマウサミットでも、このAMR対策を推進するということが首脳宣言の中にも盛り込まれ、今年のG7、伊勢志摩サミットでも、そのような内容をサポートするとされ、今年9月に予定されている神戸保健大臣会合においても主要議題となるという予定になっております。また、今年9月の国連総会のほうでも、このAMRに関するハイレベル会合が開催されるということで、かなり国際社会の中でもこのAMR対策ということが注目され、対策が進んでいるという状況です。

 一番下、「我が国の対応」ですが、このWHOのグローバルアクションプランを受け、医療、農水畜水産、食品安全の各分野で、サーベイランス、抗微生物薬の適正使用等の取組を、これまでも実施しているのですが、今年の46日に我が国の行動計画として、このアクションプランを策定し、更にこの取組を推進することをまとめました。

3ページ目ですが、「薬剤耐性の仕組み」ということで、大きく2つあり、左側ですが、「自然耐性」と「耐性遺伝子」は後から獲得するというもので、菌が耐性機構を獲得したものが耐性菌ということです。右側には、その「耐性菌」がどのように増えるかということで、2つ機序があり、もともと細菌の中で一部耐性菌があったものが抗菌薬を使うことで、抗菌薬に感受性のあるものだけが死んで、耐性菌だけが残ってしまい、その後に増えた菌は耐性菌ばかりになってしまうという機序が考えられているところです。

4ページ目を御覧いただくと、それらの菌はどこから伝播していくのかということですが、医療分野が今、申し上げたようなヒトに対しての抗菌薬の使用ということですが、抗菌薬については、例えば下にあるように、動物の病気に対して治療するということだけではなく、飼料添加物として餌の中にも含まれているものが、量としてはかなり多いということもあります。それが食品を介してヒトに伝播したり、また、動物のし尿中に含まれているものが環境を介してということもあるので、これを厚生労働省の分野だけではなくて、関係省庁が連携して対策に取り組まなければいけない課題であるということです。

 ちょっと飛んで6ページ目を御覧ください。日本の医療分野での抗菌薬の使用量とは、どのぐらいなのかということですが、これはヨーロッパのCDCのデータと日本の研究データを比較したもので、日本は一番下の棒グラフになっておりますが、ヒトへの抗菌薬の使用量は、トータルとしてはそれほど多くはないように見えるのですが、左から3つの棒グラフの色が着いている所は、特に幅広い細菌に有効な3系統の抗菌薬ということで、いわゆるブロードのものでは、これら幅広いものがたくさん使われると、選択圧をかけて、耐性菌を生みやすい環境にするということで、日本は幅広い抗菌薬を使っている割合が実は高いということで、ここの課題を、これからどのように対策を打っていくかと指摘されています。

7ページ目を御覧ください。耐性菌の耐性がどのぐらいの割合なのかということで、実際に細菌の検査をしたときに、薬剤耐性を持っている菌がどれぐらいの割合かというパーセンテージで見ると、左側、肺炎球菌のペニシリンの耐性を持っているものは、日本は48%ということで、各国と比較すると高く、中央はMRSAと呼ばれているものですが、5割以上となっています。右側の緑膿菌のカルバペネム耐性は、これは比較的新しい耐性ですが、中間ぐらいということで、どちらが先か分かりませんが、他国と比較して広域のものを使っていて、高い傾向があるということです。

8ページ目を御覧ください。畜産分野、動物の分野についてはどうかということですが、これも各国と比較していくと、テトラサイクリンについては少し割合が高く、右側の折れ線グラフを見ると、第3世代セファロスポリンの耐性はかなり低い水準ですが、テトラサイクリンは徐々に減ってきてはいるものの、高い水準にあるということです。

 少し飛んで、13ページを御覧ください。そういった背景を踏まえ、日本もこれまで対策してきたといっても、やはり、まだまだ課題はあるということで、アクションプランを作るに当たり、まず13ページにあるように、昨年のWHO総会で採択された世界のAMRのアクションプランについての概要ですが、WHO5つの柱を示し、この柱を各国のアクションプランに盛り込むことを検討してほしいということで提示しており、1つ目が啓発・教育ということで、こうした問題について市民への啓発や、関係者への啓発・教育ということです。2つ目がサーベイランス・モニタリングをしっかりしていくということで、これは耐性率のサーベイランスだけではなく、薬剤の使用量のモニタリングも含まれております。3つ目として、感染予防の管理、院内感染対策ということで、医療分野でも進んでおりますが、それをしっかりやっていく。4つ目としては、抗微生物薬、抗菌薬の適正使用をしっかりしていく。最後が研究開発という、以上の5本柱が提示されております。

14ページですが、委員の皆様のお手元には、このような冊子を配布しております。こちらがアクションプランの全体版ということになっており、まとめております。その(骨子)については、この14ページになっております。日本のアクションプランは先ほどのWHOのアクションプランの5本柱に加えて、6本目に国際協力というものも追記し、特に、この耐性菌は国境を越えても伝播するので、当然ながらアジアの国々やヨーロッパ、アメリカの国々とも連携して対策していく必要があるという部分で、国際協力を追加しております。

15ページを御覧ください。特にこれまで日本で進められてきた対策に加えて、このアクションプランで新たに盛り込んできた項目を簡単にまとめたものが、この15ページの1枚紙です。上の部分に1)〜5)と番号が振ってありますが、それぞれ該当するポンチ絵に数字を付けています。ポンチ絵の左上、1)と書いてありますが、まず抗菌薬の使用動向などを導入する仕組みということで、今はありませんが、今後、全国のレセプトデータベース、ナショナルデータベースとNDBと呼んでいますが、そちらを活用して、医療分野での抗菌薬の使用量をモニターする仕組みを構築していきます。

 ポンチ絵の左上には、たくさんの円柱や四角いものがありますが、この少し太めの枠になっているものは、今まだ、なされていない実態調査や使用動向調査、サーベイランスということで、今後、この少し太めの枠のものを新たに追加し、既にある院内感染サーベイランス事業や感染症発生動向調査、動物由来モニタリング、薬剤耐性ゲノムデータベースなどとリンクさせて、いわゆるワンヘルスサーベイランスという形で各分野の情報を集約していきます。

 ポンチ絵の左下ですが、それに関係する省庁だけではなく、研究所等が、それぞれ一体となってワンヘルスサーベイランスネットワークということで、それらの情報について連携を持った形で分析するということ。つまり、その耐性がヒトで増えているのか、動物とヒトの両方で増えているのかということで、実際に何の対策を打つことで、その耐性率を減らせるのかといったことの分析を深めるためのネットワークということです。その結果については仮称ですが、関係省庁が一緒に入ったサーベイランスの作業部会という形で、対策にどう結び付けるかという議論もしていくということです。

 ポンチ絵の右側です。その対策は具体的にどう進めていくかということですが、先ほど遠藤委員からも御発言がありましたが、この対策は、やはり地域のネットワークという形で、医療機関の中だけでも駄目ですし、患者さんは当然移動しますので、地域で、こちらのポンチ絵にあるようなネットワークを自治体や保健所が中心となって、関係者に入っていただき、情報交換し、データの分析や具体的な対策についての評価をしていただくことで、進めていこうと考えております。それを進めるための支援ということで、中央の上に適正使用の支援という形では、適正使用のガイドラインやマニュアルの整備を今後していきますし、そうしたITを用いた支援システムの開発も、研究を新たに立ち上げ取り組んでいく予定です。

 右下の一番小さい所ですが、各地域での対策を支援するために、専門家の派遣や研修会などでの講師の派遣といったこともできる体制として、人材プールや感染症教育コンソーシアムというものを関係学会と協力し立ち上げて、各地域でのネットワーク活動の支援をしていきたいと考えております。

16ページは、それに関わる関係の委員会を感染症部会の下に立ち上げるということで、感染症部会のほうにお諮りした内容です。当然ながら結核菌についても耐性の問題がありますので、こちらにも報告する次第です。説明は以上です。

○加藤部会長 ただいまの説明に御質問はありませんでしょうか。今年の3月にWHOの西太平洋地域事務所で各国の結核対策官の会議があったのですが、この中でもAMRについて報告があり、結核ですとMDRですね、多剤耐性に対しての問題ですが、この枠の中で取り扱えるようになるのだということの説明を受けてきたところです。日本のアクションプランの中でも、この中に一部は結核も入っているという理解でよろしいですか。

○中谷室長 サーベイランスの分野では、特に結核のことも書かせていただいていますし、結核は耐性菌のことは既に感染症法にもきちんと位置付けられています。むしろ進んでいるので、参考にさせていただきたいというような趣旨を書かれております。

○加藤部会長 日本の多剤耐性は世界で最も低いほうですから。

○磯部委員 この対策ネットワークは非常に大事だということは、皆さん認識されていると思うのですが、実際に今、CREについてでも、まず菌株は集まりませんし、予算も体制も整っていないということで、そこに対する支援というかバックアップ体制が整わないと、なかなか難しい。誰が主体で誰がイニシアチブを取ってやるのかというところが明確になってこないと、なかなか進まないかなというのが現状だと私は思っています。特に医療機関から菌株を集めることは非常にハードルが高くて、現在、全国の地方衛生研究所の協議会でも、レファレンスセンターを中心に、始めているところなのですが、集まっている自治体は一部という状況になっているので、医療機関を巻き込んで、もう少し全体的にバックアップというか、みんなが同じ意識レベルまで到達しないと、実際にはなかなか難しい。

 だから、そのときに、やはり、厚生労働省さんから何かペーパーなどが出ないと、なかなか協力という言葉では、実際には動けないのではないかという懸念があります。是非お伺いしたい。

○加藤部会長 今の話でちょっと思い出したのですが、結核のほうも病原体でサーベイランスを考えるときに、検査自体は医療側がやっているのです。

○磯部委員 そうですね。

○加藤部会長 それを公衆衛生の問題に、どこで組み込むかというのは、非常にポイントになるのかなと思います。それは多分、何らかの法律的な枠組みがなければできないのかなという議論をしています。同じように問題を認識させるために、公衆衛生の情報として、どうやって取り入れるかといった仕組みが必要になると委員のお話をお聞きしながら思いました。

○鎌田委員 結核の領域で言うと、感染症診査協議会で治療内容などが厳しくチェックされて、これは長過ぎるとか、もうちょっときちんと薬を使ったほうがいいのではないかというような議論をやっていますよね。ある程度の強制力を持って、それこそ結核医療の基準に準じるような形で感染症治療の基準のようなものを将来整備することを国としてお考えなのでしょうか。そういった形にしないと、幾らガイドラインなどを作成しても、現場の医者の裁量で抗生物質が処方されている現状は改まらないと思います。お示しいただいたデータを見て気付いたことは、抗生物質の基本のペニシリンの処方が日本では非常に少ないというところですね。抗生物質の処方状況などを含めた日本の現状、さらには将来のあるべき姿を情報発信する必要性を感じております。その上で国としてある程度の強制力を持つ形を御検討いただくのがよろしいのかなと感じております。御提供いただいたこの資料は非常に勉強になりましたが、こういった現状ですよというだけでは、アピールとしてやや弱いのではないかと個人的には思います。失礼致しました。

○中谷室長 御指摘ありがとうございます。正にこのアクションプランを作っていく課程でも頂いた意見を、正にそのまま、また頂いたと感じているのですが、おっしゃるとおりで、まずは、このアクションプランの中では、そうした強制力を持った形で、どのような仕組みがあり得るかということを、海外の基本の仕組みを参照しながら、日本にどう位置付けさせるかということを検討し、ネットワークを実際にやっていくときに、その検体を集める仕組みを法律的には整備されたところですが、では、何にプライオリティーを持って、どのような予算で集めてくるかということ。あと、サーベイランスについても、どこの感受性について、どういうやり方で見るかという、検査の標準化をどうするかということや、正に、それらを、まずはほとんどが調査研究を、まず立ち上げてやっていくということで、ネットワークについては三重県や愛知県、名古屋大学や三重大学が中心となって、今年からそうした取組を自治体とも協力してやっていただくことにしております。その中で、このようなネットワークを全国に広めるために何が必要かということの提言を頂いて、その上で、また制度的なことをこちらのほうで考えていきたいという、ステップ・バイ・ステップでやっていきたいと思っています。特に結核医療は、そういう意味では仕組みがしっかりあって、経験を逆にこちらに頂くのかなとは思っています。御指摘ありがとうございました。

○加藤部会長 ほかに何か御意見、御質問等ありますか。よろしいでしょうか。それでは、予定された時間に報告事項全て終わりました。以上をもちまして、閉会とさせていただきたいと思います。事務局から何か補足はありますでしょうか。

○島田補佐 次回の開催については、日程調整の上、改めて御連絡差し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

○加藤部会長 それでは、これをもちまして第8回結核部会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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